JP7327549B2 - 媒体給送装置及び画像読取装置 - Google Patents

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Description

本発明は、媒体を給送する媒体給送装置、及び、前記媒体給送装置によって給送される媒体の画像を読み取る画像読取装置に関する。
画像読取装置の一例であるスキャナーには、媒体(原稿)を自動で送る媒体給送装置(ADF(Auto Document Feeder)とも呼ばれる)が設けられ、媒体トレイにセットされた複数枚の媒体を1枚ずつ自動で送り、連続して読取部における画像読み取りが行える様に構成されるものがある。
このようなスキャナーにおいて、前記媒体給送装置によって媒体を読取部に向けて送ると、媒体が斜めに送られるスキュー(斜行とも言う)が生じる場合がある。媒体がスキューすると、搬送経路において紙ジャムが生じたり、読取部によって読み取られた画像が斜めになる虞がある。
このため、搬送される媒体を検出する媒体センサーを備え、前記媒体センサーによって媒体のスキューを検出するとともに、検出されたスキュー量に応じて、前記スキューを補正するように前記媒体を送る斜行補正処理を実行可能に構成された媒体給送装置を備えるスキャナーが提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1において、前記斜行補正処理は、媒体搬送方向と交差する幅方向に間隔を空けて設けられたレジストローラー対の駆動を制御することにより行われる。具体的には、前記レジストローラー対において、一方のレジストローラー及び他方のレジストローラーは、それぞれ独立したモーターにより回転駆動される構成であり、一方のレジストローラーと他方のレジストローラーの回転速度に差をつけることによって、前記媒体の斜行を補正する。
特開2011-071763号公報
ここで、特許文献1において、前記媒体の斜行を補正する前記レジストローラー対は、前記媒体トレイにセットされた前記媒体を送り出す送り出しローラーよりも下流側の媒体搬送経路に設けられている。このため、前記送り出しローラーと前記レジストローラー対の間の区間においては、前記媒体のスキューを補正することができない。
前記媒体トレイから前記送り出しローラーによって送り出された前記媒体は、スキューが補正できない前記区間において大きくスキューする場合がある。このため、スキューを見越して前記レジストローラー対までの経路幅を広くとっておく必要があり、装置の大型化に繋がる。
また、特許文献1において、前記レジストローラー対の上流側には、前記媒体トレイから複数枚の媒体が給送された場合に1枚に分離する分離ローラー対が設けられている。前記レジストローラー対によって前記媒体の斜行を補正する場合に、前記媒体の後端側が前記分離ローラー対によってニップされているので、前記レジストローラー対の一方のレジストローラーと他方のレジストローラーの回転速度に差をつけても媒体がスキューを矯正する方向に動けず、スキューの補正ができない、或いは不十分になる虞がある。
本発明はこの様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置の大型化を回避しつつ、搬送される媒体のスキューを効率的、且つ確実に補正することができる媒体給送装置、及びこれを備える画像読取装置を提供することにある。
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係る媒体給送装置は、媒体に処理を行う処理部と、媒体給送方向と交差する幅方向に一対で設けられる第1ローラーと第2ローラーとを備え、前記媒体を載置する媒体載置部から前記処理部に向けて前記媒体を給送する給送部と、前記給送部から給送される前記媒体のスキューを検出するスキュー検出部と、前記給送部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記スキュー検出部によって検出された第1の媒体におけるスキュー量に基づいて、前記第1の媒体、及び、前記第1の媒体に続いて給送される次位以降の媒体の少なくとも一方に対し、前記第1ローラーの回転速度と前記第2ローラーの回転速度とに差をつけて前記スキューを補正するスキュー補正制御を実行可能である、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部は、前記スキュー検出部によって検出された第1の媒体におけるスキュー量に基づいて、前記第1の媒体、または、前記第1の媒体に続けて給送される次位以降の媒体に対し、前記第1ローラーの回転速度と前記第2ローラーの回転速度とに差をつけるスキュー補正制御を実行可能であるので、媒体搬送経路の最も上流側に設けられる前記給送部の位置で前記媒体のスキューを補正することができる。すなわち、前記媒体載置部からの給送開始後の早い段階で前記媒体のスキューの補正を行うことができる。以って、前記媒体のスキューを効率的に補正することができる。
また、スキューを見越して媒体搬送経路の経路幅を広く確保しておく必要がなく、装置の大型化を回避できる。
また、前記媒体が前記給送部によって開始された後、前記媒体の先端が次の搬送部による搬送位置に達するまでは、前記媒体は自由に回転できるので、前記スキュー補正制御の効果が確実に得られる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記制御部は、前記スキュー補正制御を実行する場合に、前記第1ローラー及び前記第2ローラーのいずれか一方を停止する、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部が、前記スキュー補正制御を実行する場合に、前記第1ローラー及び前記第2ローラーのいずれか一方を停止することにより、前記第1ローラーの回転速度と前記第2ローラーの回転速度とに差をつけることができる。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記スキュー検出部は、前記給送部と前記処理部との間に設けられて前記媒体を搬送する搬送部のうち、最も上流側に設けられる上流側搬送部よりも上流側に配置される、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記スキュー検出部は、前記給送部と前記処理部との間に設けられて前記媒体を搬送する搬送部のうち、最も上流側に設けられる上流側搬送部よりも上流側に配置されるので、前記制御部が、前記スキュー検出部によって検出された第1の媒体におけるスキュー量に基づいて、前記第1の媒体に対して前記スキュー補正制御を実行可能な構成とすることができる。
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記スキュー検出部は、前記給送部が前記媒体に送り力を付与する位置よりも下流側において前記給送部の一部と重なるように配置される、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記給送部により給送される媒体のスキューを、給送開始後の早期に検出することができる。
本発明の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれかにおいて、前記スキュー検出部は、前記幅方向に間隔を空けて設けられ、前記媒体を検出可能な第1媒体検出部及び第2媒体検出部と、を備えて構成される、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記幅方向に間隔を空けて設けられ、前記媒体を検出可能な第1媒体検出部及び第2媒体検出部と、を備えて構成される前記スキュー検出部を備える画像読取装置において、第1の態様から第4の態様のいずれか一つと同様の作用効果が得られる。
本発明の第6の態様は、第1の態様から第5の態様のいずれかにおいて、前記第1ローラーを駆動する第1駆動源と、前記第2ローラーを駆動する第2駆動源と、を備える、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1ローラーと前記第2ローラーとを、それぞれ個別の駆動源により駆動するので、前記第1ローラーの回転速度と前記第2ローラーの回転速度に差をつけるスキュー補正制御を容易に行うことができる。
本発明の第7の態様は、第1の態様から第5の態様のいずれかにおいて、第1駆動源と、前記第2ローラーを駆動する第2駆動源と、前記第1ローラーを駆動する駆動源を、前記第1駆動源と第2駆動源との間で切り替える切替機構と、を備え、前記切替機構の動作を制御する前記制御部は、前記スキュー補正制御を実行する場合に、前記切替機構を、前記第1ローラーが前記第1駆動源によって駆動される第1状態にして、前記スキュー補正制御を実行しない場合に、前記切替機構を、前記第1ローラーが前記第2駆動源によって駆動される第2状態にする、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部は、前記スキュー補正制御を実行する場合に、前記切替機構を、前記第1ローラーが前記第1駆動源によって駆動される第1状態にするので、前記第1ローラーと前記第2ローラーとを、それぞれ個別の駆動源により駆動することができる。したがって、前記第1ローラーの回転速度と前記第2ローラーの回転速度に差をつけるスキュー補正制御を容易に行うことができる。
また、前記スキュー補正制御を実行しない場合、例えば、通常給送時には、前記第1ローラーと第2ローラーは等速で回転することが望ましい。
本態様によれば、前記制御部は、前記スキュー補正制御を実行しない場合に、前記切替機構を、前記第1ローラーが前記第2駆動源によって駆動される第2状態にするので、前記第1ローラーの回転速度と前記第2ローラーの回転速度を容易に同じにすることができる。
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記第1ローラーが固定され、前記第1駆動源から動力を受けて回転する第1回転軸と、前記第1回転軸と同じ軸線上に設けられ、前記第2ローラーが固定され、前記第2駆動源から動力を受けて回転する第2回転軸と、を備え、前記切替機構は、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを切り離して個別に回転させる前記第1状態と、前記第1駆動源から前記第1回転軸への動力の伝達を遮断するとともに、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを接続して一体に回転させる前記第2状態と、を切り替える構成である、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを分離して個別に回転させる前記第1状態と、前記第1駆動源から前記第1回転軸への動力の伝達を遮断するとともに、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを接続して一体に回転させる前記第2状態と、を切り替える構成の前記切替機構により、第7の態様の構成を実現できる。
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記切替機構は、電磁クラッチを備えて構成される、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1状態と前記第2状態とを切り替える構成を容易に実現できる。
本発明の第10の態様に係る画像読取装置は、媒体を読み取る読取部と、前記処理部として前記読取部を備える、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の媒体給送装置と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、媒体の画像を読み取る読取部を備える画像読取装置において、第1の態様から第9の態様のいずれか一つと同様の作用効果が得られる。
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記読取部が、前記スキュー検出部を兼ねる、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記読取部が、前記スキュー検出部を兼ねるので、部品点数を減らし、製造コストの削減を図ることができる。
本発明に係るスキャナーを示す外観斜視図。 本発明に係るスキャナーを図1とは別角度から見た斜視図。 本発明に係るスキャナーにおける用紙搬送経路を示す側断面図。 本発明に係るスキャナーの上部ユニットを開いた状態を示す斜視図。 本発明に係るスキャナーにおける用紙搬送経路の概略平面図。 スキュー検出部におけるスキューした用紙の検出について説明する図。 制御部が給送ローラーによる給送開始からスキュー補正制御を行うか否かの判断を行うまでの流れを説明するフローチャート。 制御部が実行するスキュー補正制御の流れを説明するフローチャート。 第1ローラー及び第2ローラーの駆動機構を示す斜視図。 第1ローラー及び第2ローラーの駆動機構を示す断面図。 第1ローラー及び第2ローラーの駆動機構の他の例を示す断面図。
[第1実施形態]
まず、本発明の一実施形態に係る媒体給送装置を備える画像読取装置の概略について説明する。
本実施形態では画像読取装置の一例として、「媒体」としての用紙の表面及び裏面の少なくとも一面を読み取り可能なドキュメントスキャナー(以下、単にスキャナー1と称する)を例に挙げる。
図1は、本発明に係るスキャナーを示す外観斜視図である。図2は、本発明に係るスキャナーを図1とは別角度から見た斜視図である。図3は、本発明に係るスキャナーにおける用紙搬送経路を示す側断面図である。図4は、本発明に係るスキャナーの上部ユニットを開いた状態を示す斜視図である。図5は、本発明に係るスキャナーにおける用紙搬送経路の概略平面図である。図6は、スキュー検出部におけるスキューした用紙の検出について説明する図である。
図7は、制御部が給送ローラーによる給送開始からスキュー補正制御を行うか否かの判断を行うまでの流れを説明するフローチャートである。図8は、制御部が実行するスキュー補正制御の流れを説明するフローチャートである。図9は、第1ローラー及び第2ローラーの駆動機構を示す斜視図である。図10は、第1ローラー及び第2ローラーの駆動機構を示す断面図である。図11は、第1ローラー及び第2ローラーの駆動機構の他の例を示す断面図である。
各図において示すX-Y-Z座標系はX方向が装置幅方向であり用紙幅方向、Y方向が用紙搬送方向である。Z方向はY方向と交差する方向であって、概ね搬送される用紙の面と直交する方向を示している。また、+Y方向側を装置前面側とし、-Y方向側を装置背面側とする。また、装置前面側から見て左側を+X方向、右側を-X方向とする。また、+Z方向を装置上方(上部、上面等を含む)とし、-Z方向側を装置下方(下部、下面等を含む)とする。また、用紙が給送されていく方向(+Y方向側)を「下流」といい、これと反対の方向(-Y方向側)を「上流」という。
■■■スキャナーの概要■■■
以下、主として図1及び図2を参照して、本発明に係るスキャナー1について説明する。
図1及び図2に示すスキャナー1は、装置本体2の内部に、用紙P(媒体)に処理を行う「処理部」としての読取部20(図3)を備えている。読取部20が用紙Pに行う処理は、用紙P(媒体)の画像を読み取る画像読み取り処理である。
装置本体2は、下部ユニット3及び上部ユニット4を備えて構成されている。上部ユニット4は下部ユニット3に対して用紙搬送方向下流側を回動支点として開閉可能に取り付けられており、上部ユニット4を装置前面側に回動して開き、用紙Pの用紙搬送経路を露呈させて用紙Pの紙詰まりの処理を容易に行うことができる様に構成されている。
装置本体2の装置背面側(-Y軸方向側)には、用紙Pを載置する媒体載置部11が設けられている。符号11aは、用紙Pの載置面11aである。
装置本体2の内部には、媒体載置部11から用紙Pを読取部20に向けて給送する媒体給送装置10(図3)が設けられている。
尚、スキャナー1において、媒体載置部11は、装置本体2に対して着脱可能に設けられている。尚、媒体給送装置10の詳細な構成については、後で説明する。
また、媒体載置部11には、用紙Pの給送方向(Y軸方向)と交差する幅方向(X軸方向)の側縁をガイドするガイド面13を備える左右一対のエッジガイド12、12が設けられている。
エッジガイド12、12は、用紙Pのサイズに応じてX軸方向にスライド移動可能に設けられている。本実施形態において、エッジガイド12、12は、公知のラックピニオン機構により一方のエッジガイド12(例えば+X側)のX移動に追従して、他方のエッジガイド12(-X側)が相対する方向に移動するように構成されている。
すなわち、媒体載置部11において、用紙Pは幅方向の中央に揃えられ、後述する給送ローラー14は前記幅方向の中央領域に設けられ、所謂、センター給紙方式で給紙されるように構成されている。図1は、エッジガイド12、12が最も外側の位置にある状態であり、図2は、エッジガイド12、12が最も内側にある状態を示している。
媒体載置部11は、第1補助ペーパーサポート8及び第2補助ペーパーサポート9を備えている。第1補助ペーパーサポート8及び第2補助ペーパーサポート9は、図2に示すように媒体載置部11の内部に収納可能であり、且つ、図1に示すように媒体載置部11から引き出し可能に構成され、載置面11aの長さを調整可能になっている。
装置本体2は、上部ユニット4の装置前面側に、各種読み取り設定や読み取り実行の操作や、読み取り設定内容等を表示する操作パネル7を備えている。
上部ユニット4の上部には装置本体2内部に連なる給送口6が設けられており、媒体載置部11に載置される用紙Pは、給送口6から装置本体2内部に設けられる読取部20(図3)に向けて送られる。
また、下部ユニット3の装置前面側には、後述する排紙トレイ5が設けられている。
■■■スキャナーにおける用紙搬送経路について■■■
次に、主として図3を参照して、スキャナー1における用紙搬送経路について説明する。尚、図3における点線は用紙Pの搬送経路を示している。
スキャナー1において、原稿である用紙Pは、媒体載置部11から、媒体給送装置10によって読取部20に向けて送られる。
本実施形態において、図3に示す媒体給送装置10は、媒体載置部11に載置された用紙Pを読取部20に向けて送る「給送部」としての給送ローラー14と、給送ローラー14から給送される用紙Pのスキューを検出するスキュー検出部21と、給送ローラー14の動作を制御する制御部19と、を備えている。
給送ローラー14は、図4に示すように、媒体給送方向(+Y方向)と交差する幅方向(X軸方向)に一対で設けられる第1ローラー14aと、第2ローラー14bと、を備えて構成されている。
本発明は、スキュー検出部21による検出情報に基づいて行う制御部19による給送ローラー14(第1ローラー14a及び第2ローラー14b)の動作の制御に特徴を有している。
スキュー検出部21及びスキュー検出部21による検出情報に基づく制御部19の制御については、用紙搬送経路についての説明後に詳述する。
媒体給送装置10において、媒体載置部11の下流側に設けられる給送ローラー14と対向する位置には、給送ローラー14との間で用紙Pをニップして分離する分離ローラー15が設けられている。分離ローラー15も、図5に示すように、給送ローラー14を構成する一対の第1ローラー14a及び第2ローラー14bに対応する、一対の第1分離ローラー15a及び第2分離ローラー15bを備えている。
尚、給送ローラー14及び分離ローラー15は、図5に示すように、前記幅方向(X軸方向)において中央領域に設けられている(給送ローラー14については図4も参照)。
図3に戻り、媒体載置部11に載置された用紙Pは、下部ユニット3に対して回転可能に設けられた給送ローラー14によりピックアップされて下流側(+Y方向側)に給送される。具体的には、用紙Pの媒体載置部11に対向する面に、給送ローラー14が接触しつつ回転することにより、用紙Pを下流側に向けて給送する。したがって、スキャナー1において複数枚の用紙Pを媒体載置部11にセットした場合には、載置面11a側の用紙Pから順に下流側に向けて給送される。
給送ローラー14の下流側には、搬送ローラー対16と、読取部20と、排出ローラー対17とが設けられている。
搬送ローラー対16は、読取部20の上流側に設けられ、給送ローラー14によって給送された用紙Pを読取部20に向けて搬送する。搬送ローラー対16は、搬送駆動ローラー16aと搬送従動ローラー16bを備えて構成されている。
搬送ローラー対16及び排出ローラー対17も、図5に示すように、給送ローラー14と同様に、前記媒体幅方向において中央領域に設けられている(搬送駆動ローラー16aと後述する排出駆動ローラー17aについては図4も参照)。
読取部20は、上部ユニット4側に設けられた上部読取センサー20aと、下部ユニット3側に設けられた下部読取センサー20bとを備えている。本実施形態において、上部読取センサー20a及び下部読取センサー20bは一例として密着型イメージセンサーモジュール(CISM)として構成されている。
用紙Pは、読取部20において用紙Pの表面及び裏面の少なくとも一方の面の画像を読み取られた後、読取部20の下流側に位置する排出ローラー対17にニップされて、下部ユニット3の装置前面側に設けられた排出口18から排出される。排出ローラー対17は、排出駆動ローラー17aと排出従動ローラー17bを備えて構成されている。
尚、本実施形態において給送ローラー14、搬送駆動ローラー16a、及び排出駆動ローラー17aは、下部ユニット3内に設けられた少なくとも1つの駆動源(不図示)により回転駆動される。また、前記駆動源(不図示)は制御部19により制御され、以って、給送ローラー14、搬送駆動ローラー16a、及び排出駆動ローラー17aの駆動が制御されている。すなわち、制御部19は用紙Pの送り動作を制御する。
下部ユニット3には、排出口18から装置前面側に向けて引き出し可能に構成された排紙トレイ5が設けられている。排紙トレイ5は、下部ユニット3の底部に収納された状態(図1)と、図示を省略する装置前面側に引き出した状態とを取り得る。排紙トレイ5を引き出した状態において、排出口18から排出された用紙Pを排紙トレイ5上に積載することができる。
尚、図3に示すように、媒体給送方向において給送ローラー14の上流側であって媒体載置部11による用紙の載置領域内には、媒体載置部11に載置される用紙Pの有無を検出する第1検出部22が設けられている。また、搬送ローラー対16の下流側と、排出ローラー対17の下流側には、順に、第2検出部23、第3検出部24が設けられている。第2検出部23と第3検出部24によって、媒体給送方向における用紙Pの位置を検出することができる。
第1検出部22、第2検出部23、及び第3検出部24は、例えば、前記幅方向の中央領域に設けることができる。
■■■スキュー検出部について■■■
スキュー検出部21は、図4及び図5に示すように、媒体搬送方向(+Y方向)において、搬送ローラー対16よりも上流側であって、給送ローラー14の下流側に配置されている。本実施形態において、搬送ローラー対16は、給送ローラー14と読取部20との間に設けられて用紙Pを搬送する搬送部のうち、最も上流側に設けられる「上流側搬送部」である。給送ローラー14と搬送ローラー対16の間に、他の搬送ローラー対(搬送部)がある場合には、当該他の搬送ローラー対よりも上流側にスキュー検出部21が配置される。
このことによって、給送ローラー14により給送される用紙Pのスキューを、給送開始後の早期に検出することができる。
更に、本実施形態において、スキュー検出部21は、図5に示すように、媒体搬送方向における位置y1において、一部が給送ローラー14と重なっている。
より具体的には、スキュー検出部21は、給送ローラー14が用紙Pに送り力を付与する位置、すなわち、給送ローラー14と分離ローラー15のニップ位置である第1位置N1よりも下流側において、給送ローラー14の一部と重なるように配置されている。
このように、第1位置N1のすぐ下流側にスキュー検出部21が設けられていることにより、給送ローラー14による給送後、下流側に送られた用紙Pを一層早い段階で検出できるようになっている。
また、スキュー検出部21は、幅方向(X軸方向)において、給送ローラー14の両側に位置するように間隔を空けて一対で設けられている。
一対のスキュー検出部21のうち、+X方向側を第1媒体検出部21a、-X方向側を第2媒体検出部21bとする。第1媒体検出部21a及び第2媒体検出部21bは、それぞれ、媒体を検出可能に構成されている。
本実施形態において、第1媒体検出部21a及び第2媒体検出部21bは、光を発する発光部(図示省略)と、前記発光部から発せられた光の反射光を受光する受光部(図示省略)を備える光センサーが用いられている。
また、第1媒体検出部21a及び第2媒体検出部21bには、前記光センサーの他、超音波を発する発信部と、搬送される用紙を挟んで前記発信部と対向して設けられる受信部とを備える超音波式センサーを用いることも可能である。また、搬送される用紙の接触によって動かされる機械式レバーの変位を、光学式或いは電気接触式で検出するレバー式センサーを用いることもできる。
尚、前述した第1検出部22、第2検出部23、及び第3検出部24にも同様の媒体センサーを用いることができる。
用紙先端が斜めに搬送されるスキュー(斜行)は、第1媒体検出部21aと、第2媒体検出部21bにおける用紙の検出の有無により判断される。
図5に示すように、用紙Pがスキューすることなく真っ直ぐに搬送されている場合には、用紙先端が第1媒体検出部21aと第2媒体検出部21bの双方にほぼ同時に検出される。しかし、図6において、二点鎖線示す用紙P1のようにスキューしていると、用紙が一方(第1媒体検出部21a)に先に検出され、他方(第2媒体検出部21b)には遅れて検出される。尚、図6において、点線で示す符号P1は、正常に搬送された状態の用紙を示している。
給送ローラー14による給送開始後から第1媒体検出部21aによって用紙Pが検出されるまでの時間(以下、検出タイミングt1と言う)と、給送ローラー14による給送開始後から第2媒体検出部21bによって用紙Pが検出されるまでの時間(以下、検出タイミングt2と言う)にずれ(t1-t2=Δt)が生じた場合に、制御部19は用紙Pにスキューが発生したと判断する。
尚、Δtが短時間である場合には、スキューとは判断せず、所定の閾値を超えた場合にスキューと判断することができる。
本実施形態においては、第1媒体検出部21aと第2媒体検出部21bとによる用紙Pの検出タイミングのずれ(Δt)をスキュー量として、制御部19が、これを補正する「スキュー補正制御」を実行する。
■■■制御部による制御について■■■
次に、スキュー検出部21による検出結果に基づく、制御部19による給送ローラー14の制御について説明する。
制御部19は、スキュー検出部21によって検出された「第1の媒体」としての用紙P1におけるスキュー量(Δt)に基づいて、用紙P1(図6)、及び、用紙P1に続いて給送される次位以降の用紙P2(図示省略)…の少なくとも一方に対し、給送ローラー14の第1ローラー14aの回転速度R1と、給送ローラー14の第2ローラー14bの回転速度R2とに差をつけてスキューを補正する「スキュー補正制御」を実行可能である。
給送ローラー14を構成する第1ローラー14aと第2ローラー14bは、等速で回転させることができ、また、それぞれ異なる速度で回転させることもできる。
第1ローラー14aと第2ローラー14bの回転速度とを変えるための駆動機構については、スキュー補正制御について説明した後で詳述する。
図7を参照して、制御部19が、給送ローラー14による用紙P1の給送開始からスキュー補正制御を行うか否かの判断を行うまでの流れを説明する。
給送ローラー14による用紙P1の給送は、第1ローラー14aと第2ローラー14bとの回転速度を等速(第1ローラー14aの回転速度R1=第2ローラー14bの回転速度R2、図7においてはR1=R2と記載)にして開始される。
給送ローラー14と分離ローラー15との間で分離された一枚目の用紙P1が、スキュー検出部21に到達すると、スキュー検出部21を構成する第1媒体検出部21aと第2媒体検出部21bとのそれぞれによって用紙P1が検出される(ステップS1)。
第1媒体検出部21aと第2媒体検出部21bとによって用紙P1が検出されたら、第1媒体検出部21aによる用紙P1の検出タイミングt1と、第2媒体検出部21bによる用紙Pの検出タイミングt2とを比較して、これらの間のずれ(t1-t2=Δt)が所定以上あるか否かを判定する(ステップS2)。
検出タイミングのずれΔtが所定の閾値未満である場合(ステップS2においてNO)には、スキューは発生していないと判断され、スキュー補正制御を行わず、給送を継続する。検出タイミングのずれΔtが所定の閾値以上である場合(ステップS2においてYES)には、用紙P1のスキューを補正するスキュー補正制御を行う。
図8を参照して、制御部19が実行するスキュー補正制御について説明する。
まず、ステップS11において、ずれΔtの値が0より大きいか小さいかを判断する。
Δt<0、すなわちΔtがマイナスである場合には、第1媒体検出部21aによる用紙P1の検出タイミングt1が早く、図6に示すように、用紙Pの+X方向側が媒体給送方向の上流側に進み、-X方向側が遅れるようにスキューしている状態になっていると考えられる。
このような場合には、第2ローラー14bの回転速度R2を、第1ローラー14aの回転速度R1よりも早くする(ステップS12)。つまり、回転速度R1<回転速度R2にする(図8においてはR1<R2と記載)。
このことによって、遅れている用紙Pの-X方向側を、+X方向側に追いつかせるように給送することができる。
第1ローラー14a及び第2ローラー14bの、回転速度R1<回転速度R2の状態での駆動は、ずれΔtを解消するまで行われる。ずれΔtを解消するまでの回転速度R1<回転速度R2の状態での第1ローラー14a及び第2ローラー14bの駆動時間Mは、Δt/[R1-R2]で求めることができる。
ステップS13において、ずれΔtを解消するまで回転速度R1<回転速度R2の状態で駆動したかどうかを判断し、ステップS13においてNOである場合には、ステップS12に戻る。ステップS13においてYESと判断されたら、スキュー補正制御を終了し、通常給送、すなわち、第1ローラー14a及び第2ローラー14bの回転速度を等速(回転速度R1=回転速度R2)に戻す。
ステップS11に戻り、Δt>0、すなわちΔtがプラスである場合には、検出タイミングt1よりも検出タイミングt2が早く、図6の状態とは逆に、用紙P1の-X方向側が媒体給送方向の上流側に進み、+X方向側が遅れるようにスキューしている状態になっていると考えられる。
この様な場合には、第1ローラーの回転速度R1を第2ローラーの回転速度R2よりも速くする(ステップS14)。つまり、回転速度R1>回転速度R2にする(図8においてはR1>R2と記載)。
このことによって、遅れている用紙Pの+X方向側を、-X方向側に追いつかせるように給送することができる。
第1ローラー14a及び第2ローラー14bの、回転速度R1>回転速度R2の状態での駆動は、ずれΔtを解消するまで行われる。ずれΔtを解消するまでの回転速度R1>回転速度R2の状態での第1ローラー14a及び第2ローラー14bの駆動時間Mは、Δt/[R1-R2]で求めることができる。
ステップS15において、ずれΔtを解消するまで回転速度R1>回転速度R2の状態で駆動したかどうかを判断し、ステップS15においてNOである場合には、ステップS14に戻る。ステップS15においてYESと判断されたら、スキュー補正制御を終了し、通常給送、すなわち、第1ローラー14a及び第2ローラー14bの回転速度を等速(回転速度R1=回転速度R2)に戻す。
制御部19が、スキュー補正制御を実行する場合に、第1ローラー14a及び第2ローラー14bの回転速度に差をつける場合には、第1ローラー14a及び第2ローラー14bのいずれか一方を停止するとよい。例えば、回転速度R1<回転速度R2とする場合には、第2ローラー14bのみを駆動して、第1ローラー14aを停止する。また、回転速度R1>回転速度R2とする場合には、第1ローラー14aのみを駆動して第2ローラー14bを停止する。
このことにより、制御部19が、第1ローラー14aの回転速度R1と第2ローラー14bの回転速度R2との間に差をつける制御が容易になる。
また、例えば図6において、用紙先端が先に進んでいる側(+X方向側)の第1ローラー14aを停止するので、用紙先端が遅れている側(-X方向側)を短い給送距離で進んでいる側(+X方向側)に追いつかせることができる。以って、スキュー補正制御を効率的に行うことができる。
もちろん、第1ローラー14a及び第2ローラー14bの双方を駆動しながら、回転速度R1と回転速度R2に差をつけるようにしてもよい。
図8では、スキュー検出部21で検出した用紙P1のスキュー量に基づいて、その用紙P1のスキューを、給送ローラー14(第1ローラー14a及び第2ローラー14b)によって矯正する場合について説明した。
用紙P1に続いて、次位以降の用紙P2、P3…が給送される場合には、用紙P2、P3…の用紙毎にスキュー検出部21においてスキューを検出し、用紙毎のスキュー検出結果に基づいてそれぞれの用紙にスキュー補正制御を行うことができる。
また、例えば、1枚目の用紙P1のスキューをスキュー検出部21によって検出し、次位以降の用紙P2、P3…については、用紙P1のスキューの検出結果に基づいて、給送開始時からスキュー補正制御を行うこともできる。このことによって、画像読取のスループットを向上させることができる。
尚、用紙P1のスキューの検出結果に基づいて、用紙P2、P3…に対して給送開始時からスキュー補正制御を行うにあたり、第1ローラー14a及び第2ローラー14bのいずれか一方を停止することにより、第1ローラー14a及び第2ローラー14bの回転に速度差をつける場合、第1ローラー14aによる給送開始タイミングと、第2ローラー14bによる給送開始タイミングをずらしているということもできる。
以上のように、本実施形態のスキュー補正制御は、媒体搬送経路の最も上流側に設けられる給送ローラー14(給送部)によって用紙Pのスキューを補正することができる。すなわち、媒体載置部11からの給送開始後の早い段階で用紙Pのスキューの補正を行うことができる。以って、用紙Pのスキューを効率的に補正することができる。
また、用紙Pのスキューを見越して媒体搬送経路の経路幅を広く確保しておく必要がなく、装置の大型化を回避できる。
また、用紙Pが給送ローラー14と、給送ローラー14の下流側の搬送部である搬送ローラー対16との双方にニップされると、用紙Pが媒体搬送方向の上流と下流の2箇所でニップされるので、スキューを矯正するように用紙Pを回転させ難い。
本実施形態では、用紙Pが給送ローラー14によって開始された後、用紙Pの先端が給送ローラー14の下流側の搬送部である搬送ローラー対16による搬送位置に達するまでに、第1ローラー14aの回転速度R1と第2ローラー14bの回転速度R2に差をつけることにより、用紙Pを回転させてスキューを矯正することができるので、スキュー補正制御を効果的に行うことができる。
また、本実施形態において、スキュー検出部21は、給送ローラー14の直ぐ下流側、すなわち、給送ローラー14と読取部20との間に設けられて用紙を搬送する搬送部のうち、最も上流側に設けられる搬送ローラー対16よりも上流側に配置されるので、スキュー検出部21によって検出された用紙P1(第1の媒体)におけるスキュー量に基づいて、用紙P1に対して前記スキュー補正制御を実行可能な構成とすることができる。
尚、用紙Pのスキューは、スキュー検出部21による検出位置では発生していない、或いはスキューが少なくスキュー矯正の必要がないと判断されたが、これ以降、用紙先端が搬送ローラー対16によってニップされて読取部20での画像読み取りを行う時点では、スキューが大きくなっている場合がある。
例えば、図3において、搬送ローラー対16の下流側に設けられる第2検出部23や、排出ローラー対17の下流側に設けられる第3検出部24に「スキュー検出部」としての機能を持たせれば、スキュー検出部21の位置では検出されなかったスキューが検出できる。また、読取部20における読み取り情報から、用紙先端が読取部20に対して斜めに進入したことが検出できる場合がある。
例えば、読取部20によって検出される用紙P1の、幅方向(X軸方向)における両端、すなわち、+X側端部と-X側端部のそれぞれの検出タイミングを検出タイミングt1、検出タイミングt2として、検出タイミングt1と検出タイミングt2との間に所定以上のずれΔtがあったときに、スキューが発生していると判断することができる。
そして、スキュー検出部21による検出位置では用紙P1のスキューが検出されないが、スキュー検出部21による検出位置よりも下流側、例えば、読取部20において、用紙P1のスキューが検出されたと判断される場合には、用紙P1の読取部20によるスキュー検出結果に基づいて、次位以降の用紙P2、P3…に対して、スキュー補正制御を実行することができる。
「スキュー検出部」は、本実施形態のスキュー検出部21の位置ではなく、他の位置に設けることができる。例えば、給送ローラー14よりも上流側に「スキュー検出部」を設けることができる。この場合、「スキュー検出部」としては、例えば、コンピューター用マウスに用いられる二次元(平面)移動の検出が可能なセンサーと同じ或いは類似する原理に基づくセンサーを用いることができる。
給送ローラー14よりも上流側に「スキュー検出部」を設けた場合も、本実施形態と同様に、給送ローラー14によって給送される用紙P1のスキューを早期に検出するとともに、その用紙P1に対してスキューの矯正を行うことができる。
また、前述したように、第2検出部23或いは第3検出部24の他、読取部20を「スキュー検出部」として用いることも可能である。つまり、読取部20が、「スキュー検出部」を兼ねる構成とすることができる。この場合には、一枚目の用紙P1でスキューが検出されたら、用紙P1のスキュー検出結果をフィードバックして、次位以降の用紙P2、P3…に対する給送開始時からスキュー補正制御を実行する構成とすることができる。
読取部20に、「スキュー検出部」の役割を兼ねさせることにより、部品点数を減らし、製造コストの削減を図ることができる。
■■■第1ローラーと第2ローラーの駆動機構について■■■
以下において、第1ローラー14aと第2ローラー14bの駆動機構について説明する。
前述した様に、給送ローラー14を構成する第1ローラー14aと第2ローラー14bは、制御部19が、上記で説明した「スキュー補正制御」を実行する場合に、第1ローラー14aの回転速度R1と第2ローラー14bの回転速度R2に差をつけるように駆動される。また、「スキュー補正制御」を行わない、通常の給紙を行う場合には、第1ローラー14aと第2ローラー14bは等速で回転駆動される。
第1ローラー14aと第2ローラー14bに速度差を付ける駆動と、等速にする駆動と、の切り替えを容易にするため、第1ローラー14aと第2ローラー14bは以下のような駆動機構30を備えている。
図9及び図10に示す駆動機構30は、第1駆動源31と、第2ローラー14bを駆動する第2駆動源32と、を備え、第1ローラー14aを駆動する駆動源を、第1駆動源31と第2駆動源32との間で切り替える切替機構33と、を備えている。
切替機構33の動作は制御部19によって制御可能に構成されている。
そして、制御部19は、「スキュー補正制御」を実行する場合に、切替機構33を、第1ローラー14aが第1駆動源31によって駆動される第1状態にして、「スキュー補正制御」を実行しない場合に、切替機構33を、第1ローラー14aが第2駆動源32によって駆動される第2状態にする。
より具体的には、駆動機構30は、図9及び図10に示すように、第1ローラー14aが固定され、第1駆動源31から動力を受けて回転する第1回転軸34と、第1回転軸34と同じ軸線上に設けられ、第2ローラー14bが固定され、第2駆動源32から動力を受けて回転する第2回転軸35と、を備えている。
本実施形態において、第2回転軸35は、図10に示すように、第1回転軸34の内部を貫通して設けられている。第2回転軸35は、第1回転軸34に対して相対的に回転可能な様に、第1回転軸34の内部を貫通している。
第1回転軸34の+X方向側の端部には、第1歯車36が設けられている。本実施形態では、第1歯車36は、第1回転軸34と一体的に設けられている。第1歯車36は、第1伝達歯車37と係合している。第1伝達歯車37は、不図示の動力伝達機構を介して第1駆動源31からの動力を受けて回転する歯車である。第1伝達歯車37には、ワンウェイクラッチ41が設けられている。
ワンウェイクラッチ41は、第1駆動源31により駆動される回転軸42から動力を受ける。ワンウェイクラッチ41は、回転軸42が、第1ローラー14aを正転させる方向(用紙を給送する際の回転方向:図9の矢印a方向)に駆動される場合に限り、第1伝達歯車37に回転軸42の回転トルクを伝達するクラッチとして構成されている。
第2回転軸35の-X方向側の端部には、第2歯車38が設けられている。第2歯車38は、第2伝達歯車39と係合している。第2伝達歯車39は、不図示の動力伝達機構にを介して第2駆動源32からの動力を受けて回転する歯車である。第2伝達歯車39は、回転軸44に固定的に設けられている。回転軸44は、第2駆動源32から回転トルクを受ける。尚、回転軸44と第2伝達歯車39との間には、ワンウェイクラッチは設けられていない。
本実施形態において、切替機構33は、電磁クラッチ40を備えて構成されている。電磁クラッチ40は、図9及び図10において、第2回転軸35の+X方向側の端部に設けられる第1部材40aと、第1回転軸34に固定される第2部材40bと、を備えて構成されている。
電磁クラッチ40は、本実施形態において無励磁状態で、図10に示すように、第1部材40aと第2部材40bとが一体になり、第1部材40aと第2部材40bとが一体に回転する構成である。また、励磁状態で、第1部材40aが+X方向側に移動し、第1部材40aと第2部材40bとの間に空隙が形成され(不図示)、第1部材40a及び第2部材40bが、それぞれ相手側から影響を受けずに独立して回転可能となる構成である。
より詳しくは、第1部材40aは電磁クラッチ40の励磁と無励磁の切り換えによってX方向に変位するとともに、第2回転軸35に設けられたキー部材43を受け入れる凹溝40cが形成されている。この様に凹溝40cにキー部材43が入り込んでいることで、第2回転軸35が回転すると第1部材40aが必ず連れ回りする様になっている。但し、キー部材43に対して凹溝40c即ち第1部材40aは、X軸方向への移動は許容されている。
電磁クラッチ40の第1部材40aと第2部材40bとが一体になる無励磁状態では、第1回転軸34と第2回転軸35とが電磁クラッチ40を介して連結された状態となり、これにより第1ローラー14aと第2ローラー14bとが完全に同期して回転する状態となる。即ち、第1回転軸34と第2回転軸35とを接続し、共通の第2駆動源32によって一体に回転させる前記第2状態とすることができる。
電磁クラッチ40が無励磁状態にされる場合には、制御部19が、第1駆動源31の駆動を停止する。ここで、第1回転軸34の回転即ち第1歯車36の回転により、第1伝達歯車37も回転するが(図9の矢印b方向)、ワンウェイクラッチ41が設けられているので、回転軸42は回転せず、即ち第1回転軸34は第1駆動源31側からの回転負荷は受けずに自由回転可能となる。
電磁クラッチ40において第1部材40aと第2部材40bとの間に空隙が形成される励磁状態では、第1回転軸34と第2回転軸35とが切り離された状態となり、これにより第1ローラー14aと第2ローラー14bとが、それぞれ独立して回転可能な状態となる。
つまり、第1ローラー14aを第1駆動源31によって駆動し、第2ローラー14bを第2駆動源32によって駆動し、第1ローラー14aと第2ローラー14bとを個別の駆動源によって駆動する構成とすることができる。
この様に切替機構33は、第1回転軸34と第2回転軸35とを切り離して個別に回転させる前記第1状態と、第1駆動源31から第1回転軸34への動力の伝達を遮断するとともに、第1回転軸34と第2回転軸35とを接続して一体に回転させる前記第2状態と、を切り替える構成である。以上の内容を表1に纏める。
Figure 0007327549000001
以上の構成により、制御部19が、「スキュー補正制御」を実行する場合に、第1ローラー14aと第2ローラー14bに速度差をつける制御と、「スキュー補正制御」を実行しない場合に、第1ローラー14aと第2ローラー14bとを等速に駆動する制御と、の切り替えを容易に行うことができる。
<<<第1ローラーと第2ローラーの駆動機構の他の例>>>
第1ローラー14aと第2ローラー14bは、単純に、個別の駆動源によって駆動する構成とすることもできる。
すなわち、図11に示すように、電磁クラッチ40(切替機構33)を設けず、第1ローラー14aを駆動する第1駆動源31と、第2ローラー14bを駆動する第2駆動源32と、を備え、制御部19が、第1駆動源31と第2駆動源32とを独立して制御するように構成することができる。図11において、第1回転軸34と第2回転軸35とは接続されておらず、個別に回転可能に構成されている。
第1ローラー14aと第2ローラー14bとを等速で回転させる場合には、制御部19が、第1ローラー14aの回転と第2ローラー14bの回転とを同期させる制御を行う。
その他、第1ローラー14aと第2ローラー14bとを、一つの駆動源によって駆動する構成とすることも可能である。
この場合には、例えば、一つの駆動源から第1ローラー14aに動力を伝達するギアの輪列を有する第1動力伝達機構と、同じ駆動源から第2ローラー14bに動力を伝達するギアの輪列を有する第2動力伝達機構と、を備え、制御部19がスキュー補正制御を実行する際に、第1動力伝達機構、或いは第2動力伝達機構のいずれかのギアの減速比を変えることにより、第1ローラー14aの回転速度R1と、第2ローラー14bの回転速度R2とに差をつけることができる。
第1動力伝達機構或いは第2動力伝達機構輪列の一部のギアの歯合を解除して、第1ローラー14a、第2ローラー14bのいずれか一方を停止させてもよい。
その他、本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
例えば、上記において説明した媒体給送装置10は、画像読取装置だけでなく、他の装置にも搭載することができる。一例として、搬送される用紙(媒体)に記録を行う記録装置に設けることも可能である。
1…スキャナー(画像読取装置)、2…装置本体、3…下部ユニット、4…上部ユニット、5…排紙トレイ、6…給送口、7…操作パネル、8…第1補助ペーパーサポート、9…第2補助ペーパーサポート、10…媒体給送装置、11…媒体載置部、12…エッジガイド、13…ガイド面、14…給送ローラー(給送部)、14a…第1ローラー、14b…第2ローラー、15…分離ローラー、15a…第1分離ローラー、15b…第2分離ローラー、16…搬送ローラー対、17…排出ローラー対、18…排出口、19…制御部、20…読取部、20a…上部読取センサー、20b…下部読取センサー、21…スキュー検出部、22…第1検出部、23…第2検出部、24…第3検出部、30…駆動機構、31…第1駆動源、32…第2駆動源、33…切替機構、34…第1回転軸、35…第2回転軸、36…第1歯車、37…第1伝達歯車、38…第2歯車、39…第2伝達歯車、40…電磁クラッチ、40a…第1部材、40b…第2部材、40c…凹溝、41…ワンウェイクラッチ、42…回転軸、43…キー部材、44…回転軸、P…用紙(媒体)

Claims (7)

  1. 媒体を読み取る読取部と、
    媒体給送方向と交差する幅方向に間隔を空けて設けられる第1ローラーと第2ローラーとを備え、前記媒体を載置する媒体載置部から前記読取部に向けて前記媒体を給送する給送部と、
    前記給送部との間で前記媒体をニップして分離する分離部と、
    前記媒体給送方向において前記給送部と前記読取部との間に設けられ、前記給送部により給送された前記媒体を前記読取部に向けて搬送する搬送部と、
    前記媒体給送方向において前記搬送部よりも上流に設けられ、前記給送部から給送される前記媒体のスキューを検出するスキュー検出部と、
    前記給送部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記スキュー検出部によって検出された前記媒体のスキューに基づいて、前記媒体の先端が前記搬送部の搬送位置に達するまでに、前記第1ローラーの回転速度と前記第2ローラーの回転速度とに差をつけて前記媒体のスキューを補正するスキュー補正制御を実行可能であり、
    前記スキュー検出部は、前記媒体給送方向において、前記給送部よりも上流に設けられ、前記幅方向及び前記媒体給送方向における前記媒体の移動を検出可能なセンサーである、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 請求項1に記載の画像読取装置において、
    第1駆動源と、
    前記第2ローラーを駆動する第2駆動源と、
    前記第1ローラーを駆動する駆動源を、前記第1駆動源と第2駆動源との間で切り替える切替機構と、を備え、
    前記制御部は、前記第1ローラーが前記第1駆動源によって駆動される第1状態と、前記第1ローラーが前記第2駆動源によって駆動される第2状態とに切り替え可能である、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  3. 請求項2に記載の画像読取装置において、
    前記制御部は、
    前記スキュー補正制御を実行する場合に、前記第1ローラーが前記第1駆動源によって駆動される前記第1状態にし、
    前記スキュー補正制御を実行しない場合に、前記第1ローラーが前記第2駆動源によって駆動される前記第2状態にする、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の画像読取装置において、
    前記第1駆動源から前記第1ローラーに駆動力を伝達する第1伝達機構においてワンウェイクラッチを備える
    ことを特徴とする画像読取装置。
  5. 請求項2から請求項4の何れか1項に記載の画像読取装置において、
    前記第1ローラーが固定され、前記第1駆動源から動力を受けて回転する第1回転軸と、
    前記第1回転軸と同じ軸線上に設けられ、前記第2ローラーが固定され、前記第2駆動源から動力を受けて回転する第2回転軸と、を備え、
    前記切替機構は、
    前記第1状態において、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを切り離して個別に回転させる状態となり、
    前記第2状態において、前記第1駆動源から前記第1回転軸への動力の伝達を遮断するとともに、前記第1回転軸と前記第2回転軸とを接続して一体に回転させる状態となる、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  6. 請求項5に記載の画像読取装置において、
    前記切替機構は、電磁クラッチを備えて構成される、
    ことを特徴とする画像読取装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の画像読取装置において、
    前記制御部は、前記媒体のスキューに基づいて、前記媒体に続いて給送される次位以降の媒体に対して、前記第1ローラーの回転速度と前記第2ローラーの回転速度とに差をつけて前記次位以降の媒体のスキューを補正するスキュー補正制御を実行可能である、
    ことを特徴とする画像読取装置。
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