JP7325941B2 - 吸収性物品包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品包装体に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品が複数内包されている吸収性物品包装体として、特許文献1には、ナプキンを取り出すための開口部と、開口部を覆うように設けられたラベルシールとを有し、ラベルシールによって開口部を再封止できる包装体が開示されている。
中国実用新案公告第2481312号明細書
吸収性物品包装体を開封して、内包されている吸収性物品を取り出す際には、開口部を覆うように接着されているラベルシール(シール部材)の一部分を引っ張って剥がすことにより開口部を露出させ、露出した開口部から吸収性物品が取り出される。しかし、従来の吸収性物品包装体においては、ラベルシールを引っ張るときに、ラベルシールに歪が生じやすく、そのような歪が生じた部分に皺が形成されてしまう場合があった。そして、ラベルシールの表面に皺が形成された場合、開口部を隙間なく再封止することが難しくなり、吸収性物品の衛生を保ち難くなるおそれがあった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、シール部材によって封止されている吸収性物品包装体において、シール部材を剥がす際に皺が形成されることを抑制することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、
複数の吸収性物品と、前記複数の吸収性物品を収容する袋部材と、少なくとも一部分が前記袋部材から分離可能に設けられたシール部材と、を有する吸収性物品包装体であって、
前記袋部材は、開口部を規定する開口規定部を有し、
前記シール部材は、前記開口規定部を覆うように前記袋部材に接着されており、
前記シール部材の前記一部分を前記袋部材から分離することにより前記開口規定部が破断されて前記開口部が形成されるように構成されており、
前記シール部材は、前記袋部材から分離する際に引っ張られる方向である引っ張り方向の一方側につまみ部を有し、
前記シール部材のうち、前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離しない部分に、前記シール部材と前記袋部材との単位面積あたりの接着力が最も強い第1接着領域を有し、
前記シール部材のうち、前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離する前記一部分、且つ、前記引っ張り方向において前記つまみ部よりも他方側の部分に、前記シール部材と前記袋部材との単位面積あたりの接着力が前記第1接着領域よりも弱い第2接着領域を有し、
前記開口規定部は、前記引っ張り方向の前記一方側に凸となる曲線部分を有しており、
前記曲線部分は、ミシン目、又は前記袋部材の外側から内側に向かって貫通しないように形成された切り込みである、ことを特徴とする吸収性物品包装体である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、シール部材によって封止されている吸収性物品包装体において、シール部材を剥がす際に皺が形成されることを抑制することができる。
吸収性物品包装体10の概略斜視図である。 吸収性物品包装体10を開封した状態の図である。 吸収性物品20を示す斜視図である。 図1の吸収性物品包装体10について、シール部材40を透視した状態について表す概略斜視図である。 シール部材40及び開口規定部32(ミシン目32)の配置について説明する平面図である。 図6A及び図6Bは、引っ張り方向に引っ張られる際に、シール部材40に作用する力について説明する図である。 シール部材40に設けられた接着部140について説明する図である。 図8A~図8Cは、シール部材40に塗布される接着力低減材rdの配置例を示す図である。 第1接着領域141及び第2接着領域142の変形例について表す平面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
複数の吸収性物品と、前記複数の吸収性物品を収容する袋部材と、少なくとも一部分が前記袋部材から分離可能に設けられたシール部材と、を有する吸収性物品包装体であって、前記袋部材は、開口部を規定する開口規定部を有し、前記シール部材は、前記開口規定部を覆うように前記袋部材に接着されており、前記シール部材の前記一部分を前記袋部材から分離することにより前記開口規定部が破断されて前記開口部が形成されるように構成されており、前記シール部材は、前記袋部材から分離する際に引っ張られる方向である引っ張り方向の一方側につまみ部を有し、前記シール部材のうち、前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離しない部分に、前記シール部材と前記袋部材との単位面積あたりの接着力が最も強い第1接着領域を有し、前記シール部材のうち、前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離する前記一部分、且つ、前記引っ張り方向において前記つまみ部よりも他方側の部分に、前記シール部材と前記袋部材との単位面積あたりの接着力が前記第1接着領域よりも弱い第2接着領域を有する、ことを特徴とする吸収性物品包装体である。
このような吸収性物品包装体によれば、シール部材が袋部材から分離する部分の接着力が弱いため、開封時にシール部材を引き剥がす際に大きな引っ張り力をかける必要がなく、シール部材に歪が生じ難くなる。これにより、シール部材に皺が形成されることを抑制することができる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記引っ張り方向において、前記開口規定部の前記一方側の端よりも前記一方側の領域に前記第2接着領域が設けられている、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、シール部材が袋部材から最初に剥がれて行く領域における接着力が弱くなっていることにより、吸収性物品包装体を開封する際にシール部材が袋部材から剥がれやすくなり、歪が形成され難くなる。これにより、シール部材に皺が形成されることをより抑制しやすくなる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記引っ張り方向において、前記開口規定部の前記一方側の端よりも前記他方側の領域に前記第2接着領域が設けられている、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、開口規定部が破断して開口部が形成されて行く領域における接着力が弱くなっていることにより、吸収性物品包装体を開封する際に開口規定部を破断させるために要する力を小さくすることができる。つまり、過度な引っ張り力が作用しないため、シール部材に皺が形成されることをより抑制しやすくなる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記つまみ部において、前記シール部材と前記袋部材との単位面積あたりの接着力は、前記第2接着領域よりも弱い、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、シール部材が袋部材に接着された状態であってもつまみ部を摘みやすくなり、シール部材を引き剥がしやすくすることができる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記第2接着領域のうち少なくとも一部は、前記引っ張り方向において、前記シール部材のうち前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離しない部分と、分離する部分とに跨っている、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、開口部が形成される際には、引っ張り方向に沿って分離部から開口規定部を跨いで非分離部へとシール部材が引っ張られるため、分離部と非分離部との境界において接着力が急激に変動しないようすることで、開封動作時にシール部材に皺が形成されることを抑制できる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記引っ張り方向と交差する左右方向を有し、前記開口規定部は、前記引っ張り方向の前記一方側に凸となる曲線部分を有しており、前記シール部材のうち前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離しない部分と、前記第2接着領域とが重複する部分の前記引っ張り方向における長さは、前記左右方向の中央において最も長い、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、開口規定部は、左右方向の中央において引っ張り方向と交差しているため、該開口規定部を破談させるためには、左右方向の中央部ほど大きな力を作用させる必要がある。そこで、左右方向の中央部において接着力の弱い領域を大きくすることにより、開封動作時にシール部材が簡単に剥がれやすくなり、皺が形成されることをより抑制しやすくすることができる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記曲線部分は、前記左右方向の中央から両端部にかけて一定の曲率を有している、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、開口規定部を破断させて開口部を形成する際に、引っ張り方向に対して、開口規定部が破断する方向が曲線部分に沿って徐々に変動して行く。このとき、曲線部分の曲率が一定であることにより、引っ張り方向に対する開口規定部の破断方向の変動割合が一定となり、開口規定部を滑らかに破断させやすくなる。したがって、余計な力が作用し難く、シール部材に皺が形成されることを抑制しやすくなる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記引っ張り方向と交差する左右方向を有し、前記開口規定部は、前記左右方向の両側に、前記引っ張り方向に沿った直線部を有する、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、直線部では、シール部材が引っ張られる方向と、開口規定部の破断方向とが揃っているため、シール部材を引き剥がして開口部を形成する際に、無理な力がかかり難い。したがって、シール部材に皺が形成されることを抑制しやすくなる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記吸収性物品包装体の上面となる部分に前記直線部を有する、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、上面側では、引っ張り方向に沿ってシール部材を鉛直上側に引っ張る力と前後方向の後側に引っ張る力とが作用して力が分散するおそれがある。そこで、上側面において開口規定部を前後方向に沿った直線として破断させやすることにより、皺が形成されることを抑制しつつ、吸収性物品包装体を開封しやすくすることができる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記シール部材のうち、前記引っ張り方向において、前記開口規定部の前記他方側の端よりも前記他方側の領域における単位面積当たりの接着力は、前記第1接着領域の接着力と同じである、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、吸収性物品包装体を開封する際にシール部材を引き剥がす終端となる部分であり、且つ、吸収性物品包装体を再封止する際に支点となる部分において接着力が最も強くなる。これにより、シール部材が袋部材から離脱してしまうことが抑制され、開封及び再封止の動作を安定して行うことができる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記引っ張り方向と交差する左右方向を有し、前記シール部材の前記左右方向の両端部、且つ、前記引っ張り方向の上流側部の端縁における曲率は、前記つまみ部の端縁における曲率よりも大きい、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、シール部材の角部において端縁部をカーブさせて引っ張り方向に沿いやすくすることにより、左右方向の内側に作用する力よりも引っ張り方向に作用する力の影響が大きくなるようにする。これにより、シール部材の角部において歪が生じ難くなり、皺を形成させ難くすることができる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記第2接着領域は、前記シール部材の厚さ方向の一方側に設けられた接着剤と、前記接着剤よりも前記厚さ方向の前記一方側に設けられた接着力低減材とを有する、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、接着力低減材の配置や塗布量を調整することにより、第2接着領域全体の単位面積当たりの接着力を自在に調整しつつ、シール部材に皺を形成させることなくスムーズに引き剥がしやすくすることができる。
かかる吸収性物品包装体であって、前記シール部材の剛性は、JIS L1096:2010に規定されたガーレー法に基づいて測定した場合に、0.30mN以上、1.70mN以下である、ことが望ましい。
このような吸収性物品包装体によれば、シール部材の開封・再封止を行いやすく、且つ、シール部材を剥がす際には皺が形成されにくく、再封止する際には密閉性を担保しやすくすることができる。
===実施形態===
<吸収性物品包装体10の基本構成>
図1は、吸収性物品包装体10の概略斜視図であり、図2は、吸収性物品包装体10を開封した状態の図である。図3は、本実施形態に係る吸収性物品20を示す斜視図である。図4は、図1の吸収性物品包装体10について、シール部材40を透視した状態について表す概略斜視図である。
吸収性物品包装体10は、図1及び図2に示すように、複数の吸収性物品20と、複数の吸収性物品20を収容するための袋部材30と、シール部材40とを有している。また、吸収性物品包装体10は、互いに交差する上下方向、前後方向及び左右方向を有する。上下方向において、吸収性物品20を取り出す側を「上」とし、その反対側が「下」である。前後方向においても、吸収性物品20を取り出す側を「前」とし、その反対側を「後」とする。
本実施形態に係る吸収性物品20として生理用ナプキン(以下「ナプキン20」という)を例に挙げて説明するが、吸収性物品20には、生理用ナプキンに限らず、パンティーライナー、又は軽失禁用パッド等も含まれる。
図3に示すように、ナプキン20は、不図示の吸収性本体が包装シート(包装材)21によって包装された個包装体である。ナプキン20は、製品状態(図3)において、互いに直行する横方向、縦方向及び厚さ方向を有している。本実施形態におけるナプキン20は、展開状態において吸収性本体及び包装シート21が厚さ方向に重ねられ、包装シート21が外側となるように縦方向に折り畳まれている(例えば縦方向に3つ折りにされている)。そして、ナプキン20の横方向の両端部に、包装シート21の対向する面同士を縦方向に沿って接合させたサイドシール部23が形成され、ナプキン20の開封口はリードテープ22で留められている。これにより、図3に示されるような個包装体の状態となる。包装シート21の接合方法は、例えば、ヒートシール、超音波シール、接着剤、これらの組み合わせ等、周知の接合方法を例示できる。
袋部材30は、図2に示すように複数のナプキン20を収容している。袋部材30において、各ナプキン20は、ナプキン20の横方向の両端部にあるサイドシール部23が袋部材30の左右方向の両側部に沿うように挿入される。また、複数のナプキン20は、袋部材30の前後方向に並ぶように収容される。その際、各ナプキン20は、リードテープ22が留められている面が袋部材30の後側を向くように挿入される。
また、図4に示すように、吸収性物品包装体10を最初に開封する前の状態において、袋部材30は、図2に示す開口部31を規定するためのミシン目等の開口規定部32(以下「ミシン目32」)を有している。図4においては、便宜的にシール部材40の範囲を二点鎖線で示し、ミシン目32(点線部分)の位置を分かりやすくするために、シール部材40を透視して示している。ミシン目32は、シール部材40の外縁よりも内側に位置しているため、ミシン目32の全体がシール部材40によって覆われる構成となっている。
図4から分かるように、シール部材40は、吸収性物品包装体10の上面の少なくとも一部を覆い、さらに吸収性物品包装体10の前面の少なくとも一部を覆うように設けられている。すなわち、シール部材40は、吸収性物品包装体10の上面と前面の境界を跨ぐように設けられる。シール部材40には、つまみ部41が設けられており、使用者は、つまみ部41を摘まんで引っ張ることにより、吸収性物品包装体10を開封及び再封止しやすくなる。
<吸収性物品包装体10の開封について>
続いて、吸収性物品包装体10を開封する際の動作について説明する。図5はシール部材40及び開口規定部32(ミシン目32)の配置について説明する平面図である。シール部材40は厚さ方向の一方側の面(袋部材30と対向する側の面)に接着部140を有しており、該接着部140を介して、袋部材30に接着(貼着)されている。図5では、シール部材40が開口規定部32を覆うように袋部材30に接着された状態について、平面的に示している。なお、接着部140の詳細については後述する。
また、シール部材40を袋部材30から分離する際に、該シール部材40が引っ張られる方向を「引っ張り方向」とする。すなわち、引っ張り方向は、吸収性物品包装体10(袋部材30)の上下方向、及び、前後方向に沿った方向である。そして、引っ張り方向の一方側(上流側)には、上述したつまみ部41が設けられている。
吸収性物品包装体10の初回開封時において、使用者は、シール部材40のつまみ部41をつまみ、引っ張り方向の上流側から下流側に向かってシール部材40を部分的に引き剥がすようにする。例えば、図5においては、シール部材40が上下方向の下側から上側に向かって徐々に剥がれされる。このとき、シール部材40の引き剥がしが、ミシン目32上で引っ張り方向の最上流側に位置する点Aに達するまでは、シール部材40のみが袋部材30から分離して行く。そして、シール部材40の引き剥がしが点Aに到達すると、ミシン目32の破断が始まり、袋部材30のうちミシン目32によって囲まれた内側の部分が、シール部材40に付着したまま一緒に袋部材30から分離して行く。
つまり、シール部材40のうち、ミシン目32よりも外側の領域(図5において網掛けで表示されている領域)は、シール部材40が袋部材30から分離して剥がれされる部分である。この領域を分離部45とする。一方、ミシン目32の内側に囲まれた領域(及び、引っ張り方向においてミシン目32よりも下流側の領域)は、シール部材40と袋部材30とが分離しない部分である。この領域を非分離部46とする。
このように、シール部材40(つまみ部41)が引っ張り方向に引っ張られることによって、袋部材30の前面及び上面において、破断したミシン目32が開口部31となり、使用者は、開口部31からナプキン20を取り出すことができる(図2参照)。また、吸収性物品包装体10を一度開封した後も、シール部材40によって開口部31を覆い、接着部140を介してシール部材40を袋部材30に再度貼着させることにより、開口部31を再封止することができる。これにより、開封及び再封止を繰り返し行うことが可能となり、包装体10の開封後もナプキン20を清潔に保つことができる。
しかしながら、このような開封動作や再封止動作を繰り返すうちに、シール部材に皺が形成されてしまい、しっかりと再封止を行うことが難くなる場合がある。図6A及び図6Bは、引っ張り方向に引っ張られる際に、シール部材40に作用する力について説明する図である。
上述したように、吸収性物品包装体10を開封する際には、先ず、シール部材40のつまみ部41が引っ張り方向の上流側から下流側に向かって引っ張られる。すると、図6Aのように、シール部材40と袋部材30との境界部L1に対して、引っ張り方向下流側へ向かう力F1が作用する。そして、当該引っ張り方向下流側へ向かう力F1によって袋部材30に接合(貼着)されていたシール部材40のうち分離部45が徐々に剥がれて行く。
そのまま、つまみ部41が引っ張り方向の下流側に引っ張られると、図6Bのようにシール部材40と袋部材30との境界部L2が左右方向に広がって行き、この境界部L2に対して引っ張り方向下流側へ向かう力F2が作用する。このとき、境界部L2の左右方向の両端部L2s、L2sでは、引っ張り方向下流側、且つ、左右方向に内側に向かう力F2’が作用する。つまり、シール部材40と袋部材30との境界部分L2は左右方向の両端部L2s、L2sにおいて、斜め方向に引っ張られる状態となる。したがって、シール部材40は、左右方向の両端部L2s、L2sにおいて引っ張り方向とは異なる方向にも引っ張られることとなる。その結果、当該部分において歪が生じ、シール部材40に皺が形成されてしまうおそれがある。特に、シール部材40の分離部45を袋部材30から分離させるために大きな力で引っ張る必要がある場合には、歪が大きくなり、皺が形成されやすくなる。
また、袋部材30がビニル樹脂等の柔らかく変形しやすい素材によって形成されている場合には、シール部材40を引き剥がす際に袋部材30自体が変形することにより、シール部材40に作用する引っ張り力の方向が変動しやすくなる。このような場合にも歪が生じやすくなるため、シール部材40により皺が形成されやすくなる。
シール部材40にこのような皺が形成されると、吸収性物品包装体10を開封した後でシール部材40によって開口部31を再封止する際に、当該皺が形成された部分ではシール部材40が袋部材30と密着し難くなる。すなわち、シール部材40と袋部材30との間に隙間が形成されやすくなり、開口部31がしっかりと再封止され難くなる。その結果、袋部材30の内部に収容されたナプキン20の衛生を保ち難くなるおそれがある。
これに対して、本実施形態の吸収性物品包装体10では、シール部材40に設けられた接着部140の接着力を調節することによって、シール部材40を引き剥がす際に皺が形成されることを抑制している。具体的には、シール部材40のうち、上述した分離部45において、最も接着力の強い領域よりも接着力を弱くした領域を設けることにより、シール部材40を剥がす際に歪を生じ難くし、皺が形成されることを抑制している。
図7は、シール部材40に設けられた接着部140について説明する図である。図7の左側の図はシール部材40の平面図を表し、右側の図はシール部材40の断面図を表している。接着部140は、シール部材40の厚さ方向の一方側の面(袋部材30と対向する側の面)の全体に、所定の接着材adを層状に塗布することによって形成されている。但し、シール部材40のうち、つまみ部41は、袋部材30と接着(貼着)されていない方がつまみ易いため、接着材adはつまみ部41においては塗布されていなくてもよい。接着材adとしては、例えば、市販の接着剤やホットメルト型接着剤等を使用することができる。
また、接着材adの層の厚さ方向の一方側の面(袋部材30と対向する側の面)の一部には、所定の接着力低減材rdが部分的に塗布されており、接着材adによる接着力が低減されている。図7では、接着部140のうち、引っ張り方向における所定位置P1よりも上流側の斜線部で示される領域に、接着材adが塗布された層に重ねて、接着力低減材rdが塗布されている。接着部140における接着力低減材rdの具体的な配置については後で説明する。接着力低減材rdとしては、例えばチタン粒子を含んだ透明インク等を使用することができる。
以下、シール部材40に形成された接着部140のうち、接着材adによって強い接着力を有している領域を第1接着領域141とし、接着剤adに重ねて接着力低減材rdが設けられることによって第1接着領域141よりも接着力が低減された領域のうち、つまみ部41を含まない領域(つまみ部41よりも引っ張り方向の下流側の領域)を第2接着領域142とする(図7参照)。すなわち、本実施形態において第1接着領域141は、シール部材40と袋部材30との単位面積あたりの接着力が最も強い領域であり、第2接着領域142は、シール部材40と袋部材30との単位面積あたりの接着力が第1接着領域141よりも弱い領域である。
このように、シール部材40のうち、開口部31が形成される際に袋部材30から分離しない非分離部46に、第1接着領域141が設けられていることにより、該第1接着領域141においてシール部材40(非分離部46)と袋部材30とを剥がれ難くすることができる。したがって、吸収性物品包装体10の開封動作においてシール部材40の全体が袋部材30から完全に離脱してしまうことが抑制される。一方、開口部31が形成される際に袋部材30から分離する分離部45に第2接着領域142が設けられていることにより、該第2接着領域142ではシール部材40(分離部45)を袋部材30から剥がれやすくすることができる。したがって、シール部材40を引き剥がす際に大きな引っ張り力が不要となり、シール部材40に歪が生じ難くなる。これにより、シール部材40に皺が形成されることを抑制することができる。
なお、第2接着領域142は、引っ張り方向において、ミシン目(開口規定部)32の最も上流側(一方側)の端(図7における点A)よりも上流側(一方側)の領域に設けられていることが望ましい。この領域は、吸収性物品包装体10を開封する際に、シール部材40の分離部45のうち、袋部材30から最初に剥がれて行く領域である。したがって、当該領域に、第2接着領域142を設けて接着力を弱めておくことにより、シール部材40が袋部材30から剥がれやすくなり、歪が生じにくくなる。これにより、シール部材40に皺が形成されることを抑制しやすくなる。
また、第2接着領域142は、引っ張り方向において、ミシン目(開口規定部)32の最も上流側(一方側)の端(図7における点A)よりも下流側(他方側)の領域に設けられていてもよい。この領域は、吸収性物品包装体10を開封する際に、ミシン目(開口規定部)32が破断して開口部31が形成されて行く部分である。すなわち、シール部材40を袋部材30から引き剥がす力に加えてミシン目32を破断させるための力を要する領域である。そのため、当該領域における接着力が高い場合、より大きな力でシール部材40を引っ張る必要が生じ、シール部材に歪が生じて皺が形成されやすくなるおそれがある。そこで、当該領域における接着力を弱めておくことにより、ミシン目32を破断する際に要する力が大きくなりすぎないようにする。これにより、シール部材40に皺が形成されることを抑制しやすくなる。
本実施形態では、図7に示されるように、引っ張り方向においてミシン目(開口規定部)32の最も上流側の端(図7における点A)よりも上流側の領域及び下流側の領域の双方に第2接着領域142(図7における斜線部)が設けられている。したがって、シール部材40が袋部材30から剥がれ始めたとき、及び、ミシン目(開口規定部)32が破断して開口部31が形成されるときのいずれの場合についても、シール部材40に皺が形成されることを効果的に抑制することができる。
なお、吸収性物品包装体10では、つまみ部41における単位面積当たりの接着力は、第2接着領域142よりもさらに弱くなっている。これにより、開口部31がシール部材40によって封止された状態、つまりシール部材40の接着部140が袋部材30に接着された状態であっても、袋部材30に対するつまみ部41の接着力を弱くすることができる。したがって、使用者は吸収性物品包装体10を開封する際に、つまみ部41を摘みやすくなり、シール部材40を引き剥がしやすくすることができる。つまみ部41における接着力を弱める方法としては、接着材adの上に重ねて設けられる接着力低減材rdの密度(単位面積当たりの量)を大きくしたり、つまみ部41には接着材adを塗布しないようにしたりする方法がある。
図8A~図8Cは、シール部材40に塗布される接着力低減材rdの配置例を示す図である。上述したように、第2接着領域142では、接着剤adに重ねて接着力低減材rdを設けることにより、当該接着力低減材rdが設けられた領域において接着力が低減されている。その際、接着力低減材rdの配置を変更することで、第2接着領域142の単位面積当たりの接着力を調整することができる。
図8Aでは、第2接着領域142において、引っ張り方向に沿った帯状の接着力低減材rdの層が左右方向に複数並ぶように、接着力低減材rdが配置されている。すなわち、接着剤ad及び接着力低減材rdが引っ張り方向に沿って連続的に配置された、所謂、縦ストライプ状となっている。仮に、接着剤ad及び接着力低減材rdが左右方向に沿って連続して配置された横ストライプとなっている場合、引っ張り方向において接着力の強い領域と弱い領域とが交互に並ぶこととなるため、シール部材40を引き剥がす際に、接着力の強い領域で引っ掛かりやすく、シール部材40に歪が生じて皺が形成されやすくなる。これに対して、図8Аのような縦ストライプ配置であれば、シール部材40に皺を形成させることなくスムーズに引き剥がしやすくなる。
また、図8Bでは、第2接着領域142において、細かいドット状の接着力低減材rdが均等に分散して配置されている。このような配置であれば、第2接着領域142全体に亘って接着力が均等となるため、シール部材40を引き剥がす際に局所的に応力が集中するようなことが抑制される。また、図8Cでは、第2接着領域142の全体に接着力低減材rdを配置しつつ、該接着力低減材rdの密度を小さくすることにより、第2接着領域142における接着力を低減させている。このような場合も、第2接着領域142全体に亘って接着力が均等となるため、シール部材40を引き剥がす際に局所的に応力が集中するようなことが抑制される。
このように、本実施形態では、接着力低減材rdの配置に応じて第2接着領域142の形状や大きさ、を自在に調整することができる。つまり、接着力低減材rdの配置や塗布量を調整することにより、第2接着領域142全体の単位面積当たりの接着力を自在に調整しつつ、シール部材40に皺を形成させることなくスムーズに引き剥がしやすくすることができる。
なお、シール部材40の接着力(接着強度)と、実際の剥がしやすさとの関係については、以下のような実験を実施して検証を行った。すなわち、接着力(接着強度)の異なる複数種類のシール部材40をサンプルとして、30名の使用者に実際に開封してもらう試験を実施し、「開けやすい/好ましい、どちらともいえない、開け難い/あまり好ましくない」の3段階で評価を行った。そして、「開けやすい/好ましい」が70%以上となるものを適切な開封強度とした。
具体的な実験としては、先ず、つまみ部41に相当する部分に、シール部材40の破断強度よりも強く、伸長性のほとんどないアルミシートの補助つまみ(不図示)を取り付ける。次に、接着部140の左右方向の幅全体のシール部材40、及びその幅に相当するパッケージ(袋部材30)を切り出し、引張試験機(インストロン社製 引っ張り試験機)に保持させ、180度方向にて袋部材30とシール部材40との剥離を行った。そして、シール部材40(サンプル)を所定幅だけ剥離させるのに要する力の大きさを測定し、接着強度を評価した。なお、インストロン引張試験機による試験時に試験片を保持しているチャックの移動速度は、100mm/minとして測定を行った。
その結果、開封開始位置から引っ張り方向に25mm分開封するまでの範囲における、シール部材40の接着強度が3.2N/25mm~5.8N/25mmの場合に、「開けやすい/好ましい」の評価が70%以上を超えた。すなわち、本実施形態の吸収性物品包装体10において、第2接着領域142の接着強度が3.2N/25mm~5.8N/25mmが適切な接着強度であることが明らかとなった。したがって、第1接着領域141の接着強度は、6.0N/25mm以上であることが望ましい。
また、図7に示されるように、第2接着領域142は、引っ張り方向において、シール部材40が袋部材30分離しない非分離部46と、シール部材40が袋部材30から分離する分離部45(図7における網掛け表示部)とを跨るように配置されている。すなわち、第2接着領域142は、引っ張り方向において開口規定部32(ミシン目32)の最上流側の端Aを跨るように配置されている。吸収性物品包装体10を開封する際には、引っ張り方向に沿って分離部45からミシン目32を跨いで非分離部46へとシール部材40が引っ張られる。このとき、非分離部46と分離部45との境界で接着力が急激に変化すると、ミシン目32を破談させる力に加えて、接着部140を剥がすためにより大きな力が必要となり、ミシン目32の付近に皺が生じやすくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、引っ張り方向において、分離部45と非分離部46とを跨るように第2接着領域142を配置することで、ミシン目32を境界として分離部45における接着力と非分離部46における接着力とが急激に変動しないようしている。これにより、開封動作時にシール部材40に皺が形成されることを抑制しやすくすることができる。
また、開口規定部32(ミシン目32)は、引っ張り方向の上流側において、図7に示されるように、引っ張り方向の上流側(一方側)に凸となる略放物線状の曲線部分32cを有している。そして、左右方向において中央に近い位置ほど、第2接着領域142と非分離部46とが重複する部分の引っ張り方向における長さLsが長くなっている。言い換えると、左右方向の中央に近いほど、第2接着領域142と非分離部46とが重複部分の面積が大きくなっている。ミシン目32の曲線部分32cは、左右方向の中央(点A)において引っ張り方向と交差しており、左右方向の両側に行くほど徐々に引っ張り方向の成分が大きくなる放物線状である。つまり、シール部材40を引っ張り方向に引っ張ったときに、ミシン目32は、左右方向の両側ほど、引っ張り方向に沿って破断しやすい構造となっている。したがって、シール部材40を引き剥がしてミシン目32を破談させる際には、左右方向の中央部において大きな力を作用させる必要が生じる。そこで、本実施形態では、非分離部46において左右方向の中央部ほど第2接着領域142の面積を大きくすることにより、ミシン目32と引っ張り方向とが交差する領域付近(点A付近)において接着力が強くならないようにしている。これにより、開封動作時にシール部材40が簡単に剥がれやすくなり、皺が形成されることをより抑制しやすくすることができる。
また、ミシン目32は、曲線部分32cの左右方向の両端部に、引っ張り方向に沿った直線部分32sを有している。この直線部分32sでは、シール部材40が引っ張られる方向と、ミシン目32の破断方向とが揃っているため、シール部材40を引き剥がして開口部31を形成する際に、無理な力がかかり難くシール部材40に皺が形成され難い。また、図7に示されるように、直線部分32sのうち半分以上の領域は、接着部140のうち接着力の強い第1接着領域141に設けられている。第1接着領域141では、シール部材40を袋部材30から分離させるために要する力が大きいため、直線部分32sにおいてミシン目32を破断する際に要する力を小さくすることで、当該直線部分32s付近の領域に余計な力が作用し難くなり、皺を形成させ難くすることができる。
また、この直線部分32sは、吸収性物品包装体10の上面側に設けられていることが望ましい。図1及び図5から明らかなように、シール部材40を引き剥がす際の引っ張り方向は、吸収性物品包装体10の前面側においては上下方向(鉛直方向)に沿った方向であるが、吸収性物品包装体10の上面側においては、前後方向に沿った方向である。したがって、吸収性物品を開封する際には、先ず、吸収性物品包装体10の前面側において上下方向の上側にシール部材40が引っ張られ、続いて吸収性物品包装体10の上面側において前後方向の後側にシール部材40が引っ張られる。一方、吸収性物品包装体10の前面と上面との境界において、急に引っ張り方向を変化させることは難しく、実際には、吸収性物品包装体10の上面側においても、シール部材40を鉛直上側に引っ張る力が作用する。すなわち、吸収性物品包装体10の上面側では、シール部材40を鉛直上側に引っ張る力と、前後方向の後側に引っ張る力とが作用する。この場合、引っ張り力が分散してミシン目32を正しく破断させることが難くなるおそれがある。そこで、本実施形態では、吸収性物品包装体10の上面側においてミシン目32を前後方向に沿った直線とすることで、該上側面においてミシン目32を前後方向に破断させやすくしている。これにより、皺が形成されることを抑制しつつ、吸収性物品包装体10を開封しやすくすることができる。
また、曲線部分32cは、左右方向の中央から両端部にかけて一定の曲率を有している。開口部31が形成される際には、引っ張り方向においてミシン目32の最上流側に位置する点Aにてミシン目32の破断が開始された後、引っ張り方向の下流側且つ左右方向の両側へ曲線部分32cに沿って、順次ミシン目32が破断されて行く。すなわち、引っ張り方向に対して、ミシン目32が破断する方向が徐々に変動して行く。このとき、曲線部分32cの曲率が一定であることにより、引っ張り方向に対するミシン目32の破断方向の変動割合が一定となり、ミシン目32を滑らかに破断させやすくなる。したがって、ミシン目32を破断させる際に余計な力が作用し難くなり、シール部材40に皺が形成されることを抑制することができる。
また、図5に示されるように、シール部材40は、左右方向の両端、且つ、引っ張り方向の上流側の角部40ecの端縁における曲率が、つまみ部41の端縁における曲率よりも大きくなるように形成されている。すなわち、本実施形態のシール部材40は、角部40ec付近で端縁部の曲がり具合が大きくなるような形状を有している。図6で説明したように、吸収性物品包装体10を開封する際に、つまみ部41を摘まんでシール部材40を引き剥がすときに、つまみ部41からの左右方向における距離が遠い位置では、左右方向内側に向かう力が大きくなるため皺が形成されやすくなる。そこで、シール部材40の角部40ec付近では、端縁部をカーブさせて引っ張り方向に沿いやすくすることにより、左右方向の内側に作用する力よりも引っ張り方向に作用する力の影響が大きくなるようにする。これにより、シール部材40の角部40ecにおいて歪が生じ難くなり、皺を形成させ難くすることができる。
また、シール部材40のうち、引っ張り方向において、ミシン目32の最下流側の端32eよりも下流側の領域である終端部40edにおける単位面積当たりの接着力は、少なくとも第1接着領域と同等である(図7参照)。すなわち、終端部40edにおける単位面積当たりの接着力は、接着部140の中で最も強くなっている。この終端部40edは、吸収性物品包装体10の開封時にシール部材40を引き剥がす終端となる部分であり、吸収性物品包装体10を再封止する際には、該終端部40edが支点となって、開口部31を覆うようにシール部材40が袋部材30に貼着される。したがって、シール部材40は終端部40edにおいて袋部材30と離脱不能に接合されている必要がある。本実施形態では、終端部40edにおける単位面積当たりの接着力が最も大きいため、吸収性物品包装体10の開封動作時にシール部材40が袋部材30から離脱してしまうことが抑制され、開封及び再封止の動作を安定して行うことができる。
本実施形態において、シール部材40の具体的な剛性(剛軟度)の範囲は、0.30~1.70mN/である。シール部材40の剛性はJIS L1096:2010に規定されている曲げ反発性A法(ガーレー法)に基づいて以下のように測定を行った。先ず、シール部材40の開封方向(引っ張り方向に相当)を長さ方向とし、それと直行する方向を幅方向として、複数種類の剛性の試験片を準備する。試験片は、長さ38m、幅25mmとして、複数の試験片を採取する。そして、ガーレー剛軟度試験器(例えば、株式会社 大栄科学精機製作所製 ガーレー剛軟度試験機)を用いて、試験片の長辺を垂直にして試験器の可動アームのチャックに取り付け、振り子には所定のおもりを取り付ける。次に、可動アームを左または右に規定の速さで回転させ、試験片下端が振り子に一度接触した後、また振り子から離れる時の目盛を読み取る。この試験を複数回繰り返し、測定値の平均から剛軟度(ガーレこわさ)を算出する。
その結果、シール部材40の剛性(剛軟度)が0.30mN未満の場合には、開封・再封止を行う際に、シール部材40に皺が発生し易く、再封止の時に十分な密閉ができないことが確認された。一方、シール部材40の剛性が1.70mNよりも大きい場合には、開封時に操作性が悪く、使用者に袋部材30からナプキン20(製品)を取り出し難い印象を与えてしまうことが確認された。本実施形態では、シール部材40の剛性を0.30mN以上、1.75mN以下とすることで、開封・再封止の動作を行いやすく、且つ、皺が形成されにくく密閉性を担保しやすくすることができる。また、上述したようにナプキン20が袋部材30の上面側に飛び出してしまうことを抑制する蓋としての機能を持たせることもできる。
<変形例>
図7において、シール部材40に設けられる第1接着領域141及び第2接着領域142の範囲について説明したが、第1接着領域141及び第2接着領域142は、以下のように変形することも可能である。図9は、第1接着領域141及び第2接着領域142の変形例について表す平面図である。
本変形例では、シール部材40のうち、ミシン目32よりも外側の領域である分離部45(図9の網掛け表示部)のほぼ全域(つまみ部41は除く)に亘って第2接着領域142(図9の斜線部)が設けられている。上述したように、分離部45は、吸収性物品包装体10の開封時にシール部材40が袋部材30から剥がれて分離する領域である。したがって、当該分離部45では、シール部材40を袋部材30から簡単に分離させることが可能であることが望ましい。そこで、分離部45のほぼ全域において第2接着領域142を設けて単位面積当たりの接着力を弱くすることにより、シール部材40を袋部材30から剥がしやすくすることができる。このようにすれば、シール部材40を引き剥がす際に、シール部材40に余計な力がかかり難くなり、皺の形成をより抑制しやすくすることができる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
上述の実施形態では、シール部材40に設けられる接着部140が、単位面積当たりの接着力が最も強い第1接着領域141と、第1接着領域141と比較して単位面積当たりの接着力が弱い第2接着領域142とを有する例について説明されていたが、接着部140の構成はこの限りではない。例えば、第1接着領域141及び第2接着領域142とは単位面積当たりの接着力が異なる他の接着領域(例えば、不図示の第3接着領域等)を有していてもよい。
また、上述の実施形態では、袋部材30の開口部31を規定する開口規定部32において、ミシン目を例に挙げたが、何等これに限らない。例えば、開口規定部32は、袋部材30の外側から内側に向かって貫通しないように形成された切り込みでもよい。すなわち、使用者が初回開封時にシール部材40を引き剥がそうとするときに、シール部材40の粘着力によって破断される程度の脆弱な部分を開口規定部32として袋部材30にあらかじめ設けておけばよい。
10 吸収性物品包装体、
20 吸収性物品(生理用ナプキン)、
21 包装シート、22 リードテープ、23 サイドシール部、
30 袋部材、
31 開口部、
32 ミシン目(開口規定部)、32c 曲線部分、32s 直線部分、32e 端、
40 シール部材、
40ec 角部、40ed 終端部、
41 つまみ部、45 分離部、46 非分離部、
140 接着部
141 第1接着領域、142 第2接着領域、
ad 接着材、rd 接着力低減材

Claims (13)

  1. 複数の吸収性物品と、前記複数の吸収性物品を収容する袋部材と、少なくとも一部分が前記袋部材から分離可能に設けられたシール部材と、を有する吸収性物品包装体であって、
    前記袋部材は、開口部を規定する開口規定部を有し、
    前記シール部材は、前記開口規定部を覆うように前記袋部材に接着されており、
    前記シール部材の前記一部分を前記袋部材から分離することにより前記開口規定部が破断されて前記開口部が形成されるように構成されており、
    前記シール部材は、前記袋部材から分離する際に引っ張られる方向である引っ張り方向の一方側につまみ部を有し、
    前記シール部材のうち、前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離しない部分に、前記シール部材と前記袋部材との単位面積あたりの接着力が最も強い第1接着領域を有し、
    前記シール部材のうち、前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離する前記一部分、且つ、前記引っ張り方向において前記つまみ部よりも他方側の部分に、前記シール部材と前記袋部材との単位面積あたりの接着力が前記第1接着領域よりも弱い第2接着領域を有し、
    前記開口規定部は、前記引っ張り方向の前記一方側に凸となる曲線部分を有しており、
    前記曲線部分は、ミシン目、又は前記袋部材の外側から内側に向かって貫通しないように形成された切り込みである、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  2. 請求項1に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記引っ張り方向において、前記開口規定部の前記一方側の端よりも前記一方側の領域に前記第2接着領域が設けられている、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  3. 請求項1に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記引っ張り方向において、前記開口規定部の前記一方側の端よりも前記他方側の領域に前記第2接着領域が設けられている、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記つまみ部において、前記シール部材と前記袋部材との単位面積あたりの接着力は、前記第2接着領域よりも弱い、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記第2接着領域のうち少なくとも一部は、前記引っ張り方向において、前記シール部材のうち前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離しない部分と、分離する部分とに跨っている、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  6. 請求項5に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記引っ張り方向と交差する左右方向を有し、
    前記シール部材のうち前記開口部が形成される際に前記袋部材から分離しない部分と、前記第2接着領域とが重複する部分の前記引っ張り方向における長さは、前記左右方向の中央において最も長い、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  7. 請求項6に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記曲線部分は、前記左右方向の中央から両端部にかけて一定の曲率を有している、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記引っ張り方向と交差する左右方向を有し、
    前記開口規定部は、前記左右方向の両側に、前記引っ張り方向に沿った直線部を有する、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  9. 請求項8に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記吸収性物品包装体の上面となる部分に前記直線部を有する、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記第1接着領域は、前記シール部材のうち、前記引っ張り方向において、前記開口規定部の前記他方側の端よりも前記他方側の領域を含む、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記引っ張り方向と交差する左右方向を有し、
    前記シール部材の前記左右方向の両端部、且つ、前記引っ張り方向の上流側部の端縁における曲率は、
    前記つまみ部の端縁における曲率よりも大きい、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記第2接着領域は、前記シール部材の厚さ方向の一方側に設けられた接着剤と、前記接着剤よりも前記厚さ方向の前記一方側に設けられた接着力低減材とを有する、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の吸収性物品包装体であって、
    前記シール部材の剛性は、JIS L1096:2010に規定されたガーレー法に基づいて測定した場合に、0.30mN以上、1.70mN以下である、ことを特徴とする吸収性物品包装体。
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