JP7325056B2 - 保線作業装置 - Google Patents
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Description
そこで、作業者の負担を軽減し、作業能率の改善を図るものとして、例えば、特許文献1には、台車によって軌道上を走行する第1機体に、駆動機構によって高さ方向位置を調節可能にした道床突固め機構と、道床突固め機構より前方に配置された軌道引上げ位置合せ機構とが装備された保線作業車両が開示されている。また、特許文献2には、道路用走行輪と軌道用走行輪とを備えた車体に、軌道整備用機器類が搭載配置された軌道作業用車両が開示されている。さらに、特許文献3には、四頭タイタンパーからの操作でシリンダーを下降させて軌道を持ち上げることができる油圧式軌道持上げ機が開示されている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、移動手段を備えることなく、既存の軌陸車を有効利用して保線作業及び移動を効率的に行うことができ、構造を簡素化して量産性を向上させ、設備導入を促進することができる省力性及び汎用性に優れた保線作業装置を提供することを目的とする。
前記荷台に固定されるベースフレームと、該ベースフレーム上に取付けられた軌框扛上ユニット及び道床搗き固めユニットとを有し、前記軌框扛上ユニット及び前記道床搗き固めユニットが前記ベースフレームを介して一体化されており、
前記軌框扛上ユニットは、(a)レールを把持する把持手段と、先側に該把持手段が取付けられ、基側が前記ベースフレームに保持されて前記把持手段を前後及び上下に移動させるジャッキアームとをそれぞれ有する左右一対の扛上手段と、(b)前記ベースフレームに取付けられ、前記各ジャッキアームの基側を前記軌陸車の幅方向にスライド可能に保持するスライド機構とを備え、
前記道床搗き固めユニットは、道床の搗き固めを行う搗き固め手段と、先側に該搗き固め手段が取付けられ、基側が前記ベースフレームに保持されて前記搗き固め手段を上下、前後及び左右に移動させる搗き固めアームとを備え、
軌框扛上作業では、前記スライド機構によって左右の前記ジャッキアームの位置を左右の前記レールの間隔に合わせて調整し、左右の前記ジャッキアームを伸縮させて左右の前記把持手段を前後及び上下に移動させ、前記荷台より後方位置で左右の前記把持手段によって前記各レールを把持して持ち上げ、道床搗き固め作業では、前記搗き固めアームによって前記搗き固め手段を上下、前後及び左右に移動させ、左右の前記把持手段で持ち上げられた前記各レールの周囲の道床の搗き固めを行い、作業終了後は、前記軌陸車に搭載されたまま前記軌道上を移動すること及び前記一般道路又は前記高速道路を走行することができるように、前記スライド機構によって左右の前記ジャッキアームの間隔を狭め、左右の前記ジャッキアーム及び前記搗き固めアームを折り畳むことにより、前記軌框扛上ユニット及び前記道床搗き固めユニットが所定の寸法内に収められる。
本発明の一実施の形態に係る保線作業装置10は、図1及び図2に示すように、例えば8tの軌陸車11の荷台12に搭載されて軌道13上を移動しながら、保線作業を行うものである。ここで、軌道13は、左右2本のレール14a、14bと複数の枕木15が締結された梯子状の軌框16を有し、軌框16の下の道床17には小石や砂利等のバラストが敷き詰められている。保線作業では、レール14a、14bを把持して軌框16を持ち上げる軌框扛上作業と、道床17(バラスト)を搗き固める道床搗き固め作業を行う。なお、軌陸車11は、レール14a、14b上を移動(走行)するための車輪19aと、道路上を走行するためのタイヤ19bを備えており、図示しない昇降手段で車輪19aを昇降させることができる。図1では、車輪19aを降下させてタイヤ19bを浮かせ、レール14a、14b上を移動可能な状態となっている。なお、軌陸車11の幅方向を左右方向とし、図1は左側面を表すものとする。
そして、軌框扛上ユニット21は、レール14a、14bをそれぞれ把持する把持手段23a、23bと、先側に把持手段23a、23bがそれぞれ取付けられ、基側がベースフレーム20に保持されて把持手段23a、23bをそれぞれ移動させる多関節のジャッキアーム24a、24bとを有する左右一対の扛上手段25a、25bを備えている。
ここで、ジャッキアーム24a、24bは、それぞれ各関節部27a~27cで回動可能に連結された第1~第3のアーム部28a~28cと、各関節部27a~27cを中心に第1~第3のアーム部28a~28cを回動させる第1~第3の油圧シリンダー29a~29cを有している。よって、第1~第3の油圧シリンダー29a~29cを伸縮させて第1~第3のアーム部27a~27cを回動させることにより、把持手段23a、23bを前後及び上下に移動させることができる。
図1、図2では、扛上手段25aが使用状態で、扛上手段25bが待機状態(折り畳み状態)となっているが、実際の軌框扛上作業では、左右の扛上手段25a、25bを用いて、各クランプ部35でレール14a、14bを把持し、軌框16全体を持ち上げることが好ましい。但し、必要に応じて、扛上手段25a、25bのいずれか一方のみを用いて、レール14a又はレール14bを持ち上げることもできる。
保線作業装置10は、軌陸車11に搭載された状態で一般道路、高速道路及び軌道13上を移動する。このとき、先に説明したように、摺動部32a、32bを近付け、ジャッキアーム24a、24b及び搗き固めアーム43を折り畳むことにより、軌框扛上ユニット21及び道床搗き固めユニット22が所定の寸法内に収まるようにすることができる。
そして、目的地(保線対象位置)まで移動したら、レール14a、14bの間隔に合わせて摺動部32a、32bをスライドさせ、扛上手段25a、25bの左右方向の位置決めを行う。その後、ジャッキアーム24a、24bで把持手段23a、23bを前後及び上下に移動させ、各ガイドフレーム34の4本の脚部38を道床17に接地させる。次に、各クランプ部35を開きながら(若しくは開いた状態で)所定の高さまで下降させてから閉じることにより、レール14a、14bの上部を把持する(図3参照)。そして、ジャッキアーム24a、24bで各ガイドフレーム34を道床17に押し付けた状態で把持手段23a、23bの各昇降用油圧シリンダー41を駆動して各クランプ部35を上昇させることにより、軌框16を部分的に持ち上げることができる(以上、軌框扛上作業)。
一連の作業が完了したら、次の目的地(保線対象位置)まで移動し、同様の作業を行う。
例えば、ジャッキアーム及び搗き固めアームの関節の数及び駆動手段(油圧シリンダー)の数と配置は、適宜、選択することができる。また、ジャッキアーム及び搗き固めアームは、それぞれ把持手段及び搗き固め手段を上下、前後及び左右方向に移動させることができればよく、その構造は、多関節構造のみに限定されず、適宜、選択することができる。例えば、関節を曲げる構造に代えて若しくは加えて、アームの一部を伸縮させる構造とすることもできる
さらに、把持手段のクランプ部の形状、開閉手段及び昇降手段の機構等は、適宜、選択することができ、開閉式のクランプ部に電磁力等で補助的にレールを吸着する補助吸着手段を備えてもよい。また、把持手段は、レールを把持して持ち上げることができるその他の構造を用いてもよい。なお、上記実施の形態では、平面視してガイドフレームの中央部にクランプ部を取付けたが、脚部の数、把持手段の構造或いは開閉手段及び昇降手段の機構等に応じて、ガイドフレームに対するクランプ部の取付け位置は、適宜、選択することができる。
上記実施の形態では、軌框扛上ユニットが左右一対の扛上手段を有するものについて説明したが、1つの扛上手段のみを有する構造とすることもできる。また、保線作業の対象とする左右のレールの間隔を限定し、左右の扛上手段(ジャッキアーム)の間隔を固定したまま作業可能な場合は、スライド機構を省略できる。さらに、スライド機構を用いて扛上手段全体(ジャッキアーム及び把持手段)を左右方向に移動させる代りに、旋回機構を用いてジャッキアームを旋回させることにより、把持手段を左右方向に移動させてもよい。
操作席及び操作部の位置は特に限定されるものではなく、適宜、選択することができる。また、リモコンにより、作業者が地上から保線作業装置を操作する構成とすることもでき、その場合、ベースフレーム上の操作席及び操作部は省略してもよい。
上記実施の形態では、保線作業装置に専用の電源油圧ユニットを搭載したが、軌陸車用電源油圧ユニットを共用できる場合は、専用の電源油圧ユニットは不要である。
Claims (5)
- 既存の軌陸車の荷台に搭載された状態で一般道路又は高速道路を走行して作業現場に移動し、前記軌陸車に搭載されたままで軌道上を移動しながら、保線作業を行う保線作業装置であって、
前記荷台に固定されるベースフレームと、該ベースフレーム上に取付けられた軌框扛上ユニット及び道床搗き固めユニットとを有し、前記軌框扛上ユニット及び前記道床搗き固めユニットが前記ベースフレームを介して一体化されており、
前記軌框扛上ユニットは、(a)レールを把持する把持手段と、先側に該把持手段が取付けられ、基側が前記ベースフレームに保持されて前記把持手段を前後及び上下に移動させるジャッキアームとをそれぞれ有する左右一対の扛上手段と、(b)前記ベースフレームに取付けられ、前記各ジャッキアームの基側を前記軌陸車の幅方向にスライド可能に保持するスライド機構とを備え、
前記道床搗き固めユニットは、道床の搗き固めを行う搗き固め手段と、先側に該搗き固め手段が取付けられ、基側が前記ベースフレームに保持されて前記搗き固め手段を上下、前後及び左右に移動させる搗き固めアームとを備え、
軌框扛上作業では、前記スライド機構によって左右の前記ジャッキアームの位置を左右の前記レールの間隔に合わせて調整し、左右の前記ジャッキアームを伸縮させて左右の前記把持手段を前後及び上下に移動させ、前記荷台より後方位置で左右の前記把持手段によって前記各レールを把持して持ち上げ、道床搗き固め作業では、前記搗き固めアームによって前記搗き固め手段を上下、前後及び左右に移動させ、左右の前記把持手段で持ち上げられた前記各レールの周囲の道床の搗き固めを行い、作業終了後は、前記軌陸車に搭載されたまま前記軌道上を移動すること及び前記一般道路又は前記高速道路を走行することができるように、前記スライド機構によって左右の前記ジャッキアームの間隔を狭め、左右の前記ジャッキアーム及び前記搗き固めアームを折り畳むことにより、前記軌框扛上ユニット及び前記道床搗き固めユニットが所定の寸法内に収められることを特徴とする保線作業装置。 - 請求項1記載の保線作業装置において、前記スライド機構は、前記軌陸車の幅方向に沿って設けられた固定横架部と、該固定横架部の長手方向の両端部で該固定横架部の長手方向に摺動可能に保持され、前記各ジャッキアームの基側と連結された摺動部とを備えていることを特徴とする保線作業装置。
- 請求項1又は2記載の保線作業装置において、前記道床搗き固めユニットは、前記搗き固めアームの基側に設けられ、前記搗き固めアームを水平面内で旋回させる旋回機構を備えていることを特徴とする保線作業装置。
- 請求項1~3のいずれか1記載の保線作業装置において、前記把持手段は、前記道床上に接地されるガイドフレームと、該ガイドフレームに取付けられてレールを把持する開閉式のクランプ部と、該クランプ部を開閉させる開閉手段と、前記ガイドフレームに対して前記クランプ部を昇降させる昇降手段とを備えていることを特徴とする保線作業装置。
- 請求項1~4のいずれか1記載の保線作業装置において、前記ベースフレームには、前記軌框扛上ユニット及び前記道床搗き固めユニットに電力及び油圧を供給する電源油圧ユニットと、前記軌框扛上ユニット及び前記道床搗き固めユニットを操作する作業者が着席する操作席とが設置されていることを特徴とする保線作業装置。
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