1.実施形態の部品装着機1の構成
実施形態の部品装着機1について、図1~図8を参考にして説明する。図1は、実施形態の部品装着機1の構成を模式的に示す平面図である。図1の紙面左側から右側に向かう方向が基板Kを搬送するX軸方向、紙面下側から紙面上側に向かう方向がY軸方向(前後方向)である。図2は、実施形態の部品装着機1の制御の構成を示すブロック図である。部品装着機1は、基板搬送装置2、部品供給装置3、部品移載装置4、部品カメラ5、および制御装置6などが機台10に組み付けられて構成されている。基板搬送装置2、部品供給装置3、部品移載装置4、および部品カメラ5は、制御装置6から制御されて、それぞれ所定の作業を担当する。
基板搬送装置2は、基板Kの搬送作業および位置決め作業を担当する。基板搬送装置2は、搬送ユニット25およびバックアップユニット26からなる。搬送ユニット25は、一対のガイドレール21、22、および一対のコンベアベルトなどで構成される。一対のガイドレール21、22は、機台10の上面中央のX軸方向に延在し、かつ、互いに平行して配置される。一対のガイドレール21、22の向かい合う内側に、図略の無端環状の一対のコンベアベルトが設けられる。一対のコンベアベルトは、長方形の基板Kの対向する辺をそれぞれ戴置した状態で輪転して、基板Kを機台10の中央部に設定された装着実施位置に搬入および搬出する。バックアップユニット26は、装着実施位置の下方に配設される。バックアップユニット26は、基板Kを押し上げて水平姿勢でクランプし、装着実施位置に位置決めする。これにより、部品移載装置4が装着作業を行えるようになる。
部品供給装置3は、部品の供給作業を担当する。部品供給装置3は、パレット台30および複数のフィーダ装置31などで構成される。パレット台30は、概ね矩形板状であり、機台10の上面の前側に着脱可能に装備される。フィーダ装置31は、幅方向に薄く形成されており、パレット台30上に並べて装備される。図1には、4個のフィーダ装置31が例示されており、実際には、さらに多数のフィーダ装置31が並設される。生産する基板Kの種類に応じて供給する部品の種類を変更するために、フィーダ装置31は適宜交換され、あるいは、部品供給装置3の全体が交換される。
フィーダ装置31は、本体部32、および本体部32の前側に交換可能にセットされるテープリール33などで構成される。本体部32の後端付近の上部に、供給位置34が設定されている。テープリール33には、部品供給媒体としてのキャリアテープ9(図3参照)が巻回保持されている。図3は、部品Pの吸着動作の状況を例示する図であって、フィーダ装置31、および部品移載装置4の小形装着ヘッド45を模式的に示した平面図である。図3において、部品Pは、黒塗りで示される。
図3に示されるように、キャリアテープ9は、ボトムテープ91、およびボトムテープ91に貼設されたカバーテープ92からなる。ボトムテープ91は、紙製や樹脂製とされ、部品Pを収容するキャビティ部93が一定ピッチで形成されている。カバーテープ92は、透明フィルム製などとされ、キャビティ部93を覆う。フィーダ装置31は、キャリアテープ9を一定ピッチずつ繰り出して、順次キャビティ部93を供給位置34に進める。このとき、図略の剥離機構によってカバーテープ92がボトムテープ91から剥離されて屈曲される。これにより、供給位置34のキャビティ部93から部品Pを取り出せる状態となる。
部品移載装置4は、部品の装着作業を担当する。部品移載装置4は、X軸方向およびY軸方向に水平移動可能なXYロボットタイプの装置である。部品移載装置4は、一対のY軸レール41、42、Y軸スライダ43、X軸スライダ44、選択取り付け可能な複数種類の装着ヘッド(45~47)、および基板カメラ48などで構成される。一対のY軸レール41、42は、機台10の両方の側面寄りに配置されて、Y軸方向に延在する。Y軸スライダ43は、Y軸レール41、42に移動可能に装架される。Y軸スライダ43は、Y軸ボールねじ機構431によってY軸方向に駆動される。
X軸スライダ44は、Y軸スライダ43に移動可能に装架される。X軸スライダ44は、X軸ボールねじ機構441によってX軸方向に駆動される。X軸スライダ44は、X軸スライダ44に対して装着ヘッド(45~47)を昇降させるヘッド昇降装置445を備える。複数種類の装着ヘッド(45~47)として、小形装着ヘッド45、中形装着ヘッド46、および大形装着ヘッド47が用いられる。これらの装着ヘッド(45~47)は、機台10上のヘッド交換ステーション11に並べて配置される。そして、ヘッド昇降装置445により装着ヘッド(45~47)が昇降駆動されて、装着ヘッド(45~47)が自動交換される。図1は、小形装着ヘッド45が選択されて取り付けられた状態を例示している。
小形装着ヘッド45は、ロータリツール451、小形吸着ノズル452、回転駆動部453、昇降駆動部454、内圧制御部455、負圧測定センサ456、および側視カメラ457などを有する。ロータリツール451は、小形装着ヘッド45の下側に回転可能に保持される。ロータリツール451には、16個のノズルホルダが所定角度Aの間隔で環状に配置される。各ノズルホルダは、弾性部材を介して16本の小形吸着ノズル452を上下動可能に保持する。16本の小形吸着ノズル452は、小形の部品Pの装着を担当する。
小形装着ヘッド45がいずれかのフィーダ装置31の供給位置34の上方まで駆動されたとき、1個のノズルホルダおよび1本の小形吸着ノズル452が吸着位置459に位置決めされる。図3に示されるように、吸着位置459は、フィーダ装置31の供給位置34の真上の位置である。昇降駆動部454は、吸着位置459のノズルホルダを昇降駆動する。吸着位置459の小形吸着ノズル452が下降駆動されたとき、内圧制御部455は、当該の小形吸着ノズル452に負圧を供給する。
これにより、吸着位置459の小形吸着ノズル452は、供給位置34まで下降して、下端開口部で部品Pを吸着する。負圧測定センサ456は、小形吸着ノズル452が吸着動作を行っているときに、小形吸着ノズル452の内部の負圧を測定する。小形吸着ノズル452の下端開口部が部品Pに接すると、大気エアの吸入が阻止されて、小形吸着ノズル452の負圧が顕著に低下する。仮に部品Pが存在しない場合、大気エアの吸入が継続するため、小形吸着ノズル452の負圧があまり低下しない。したがって、負圧測定センサ456の測定結果に基づいて、部品Pの有無が検出される。負圧測定センサ456は、後述する部品検出部71および残存検出部73の一部として機能する。
第1の小形吸着ノズル452が部品Pを吸着して上昇すると、回転駆動部453は、ロータリツール451を所定角度A(図3参照)だけ時計回りに回転駆動する。これにより、第1の小形吸着ノズル452は、吸着位置459から回転移動して、検出位置458に位置決めされる。同時に、第1の小形吸着ノズル452の隣の第2の小形吸着ノズル452は、吸着位置459に位置決めされる。なお、第1の小形吸着ノズル452の上昇動作と、ロータリツール451の回転とが時間的にオーバーラップしてもよい。
上記した小形吸着ノズル452の吸着動作、およびロータリツール451の回転動作は、繰り返して行われる。これにより、16本またはその一部の小形吸着ノズル452は、部品Pを吸着して保持する。図3において、4本の小形吸着ノズル452による部品Pの吸着が既に終了しており、5本目の小形吸着ノズル452による部品Pの吸着が実施されている。回転駆動部453は、さらに、ロータリツール451を逆方向の反時計回りに回転駆動する機能を有する。これによれば、後述するリトライ動作で、小形吸着ノズル452を検出位置458から吸着位置459へと短時間で戻すことができる。
側視カメラ457は、検出位置458に位置する第1の小形吸着ノズル452の下端開口部の付近を撮像できる位置に配置される。側視カメラ457は、第1の小形吸着ノズル452を側方から撮像して、取得した画像データを画像処理することにより、第1の小形吸着ノズル452が部品Pを吸着しているか否かを検出する撮像画像処理部である。側視カメラ457は、後述する保持検出部72の一部として機能する。また、小形装着ヘッド45が基板Kの上方まで駆動されたとき、吸着位置459の小形吸着ノズル452は、昇降駆動部454によって下降駆動され、内圧制御部455から正圧が供給されて、部品Pを基板Kに装着する。
中形装着ヘッド46および大形装着ヘッド47も、小形装着ヘッド45と類似の構成である。ただし、中形装着ヘッド46は、4本の中形吸着ノズル462を有する。中形吸着ノズル462は、中形の部品Pの装着を担当する。大形装着ヘッド47は、2本の大形吸着ノズル472を有する。大形吸着ノズル472は、大形の部品Pの装着を担当する。
前述したように、装着ヘッド(45、46、47)、吸着ノズル(452、462、472)、および部品Pの組み合わせは、それぞれ小形同士、中形同士、および大形同士で対応するものとした。これにより、以降の動作等の説明が簡単明瞭化される。実際には、部品Pの大きさは多種多様であり、装着ヘッド(45、46、47)や吸着ノズル(452、462、472)も3種類以上ある場合が多い。また、装着ヘッド(45、46、47)を交換せずに、吸着ノズル(452、462、472)のみを交換する構成など、使用形態にもバリエーションがある。
基板カメラ48は、X軸スライダ44の装着ヘッド(45、46、47)に並ぶ位置に、下向きに設けられる。基板カメラ48は、基板Kに付設された位置基準マークを撮像して、基板Kの正確な位置を検出する。基板カメラ48は、後述する部品検出部71および残存検出部73の一部として機能することも可能である。
部品移載装置4は、吸着装着サイクル(以下、PPサイクルと称す)を繰り返すことによって、装着作業を進める。PPサイクルの動作について詳述すると、部品移載装置4は、まず、装着ヘッド(45、46、47)を部品供給装置3に移動して、複数本の吸着ノズル(452、462、472)でそれぞれ部品Pを吸着する。部品移載装置4は、次に、装着ヘッド(45、46、47)を部品カメラ5の上方に移動する。このとき、部品カメラ5により、複数の部品Pの保持状態が撮像される。部品移載装置4は、その次に、装着ヘッド(45、46、47)を基板Kに移動して複数の部品Pを装着し、再び部品供給装置3に戻る。
基板Kに装着する部品Pの大きさに応じて、小形装着ヘッド45、中形装着ヘッド46、および大形装着ヘッド47は、自動交換される。例えば、或る種類の基板Kに小形および大形の部品Pを装着するとき、1枚の基板Kへの装着作業の途中で、小形装着ヘッド45と大形装着ヘッド47とが自動交換して用いられる。一般的な装着順序としては、小形装着ヘッド45の何回かのPPサイクルが最初で、次に中形装着ヘッド46のPPサイクル、最後に大形装着ヘッド47のPPサイクルとなる。ただし、基板Kや部品Pの種類によっては、装着順序の例外もある。
ここで、小形装着ヘッド45、中形装着ヘッド46、および大形装着ヘッド47が水平方向に移動するときの高さについて説明する。図4は、3種類の装着ヘッド(45、46、47)が水平方向に移動するときの高さを模式的に説明する図である。図4において、高さレベルLFは、フィーダ装置31の上面の高さを表す。吸着動作の際に誤って落下させた部品Pは、多くの場合にフィーダ装置31の上面に留まる。この場合、装着ヘッド(45、46、47)は、移動する際に落下した部品Pに干渉して破損するおそれがある。また、吸着ノズル(452、462、472)に吸着された部品Pは、落下した部品Pに衝突するおそれがある。
そこで、小形装着ヘッド45の下端部分が水平方向に移動する通常高さHSnは、高さレベルLFに小形の部品Pの高さ寸法hSを考慮した高さよりもわずかに高く設定される。多くの小形装着ヘッド45の構造では、小形吸着ノズル452に吸着された部品Pの底面が下端部分となるが、これに限定されない。なお、小形の部品Pの装着姿勢における高さ寸法hSに代えて、部品Pの長辺寸法hmaxを考慮してもよい。これによれば、落下した部品Pが仮に起立状態となっても干渉のおそれが無く、さらに信頼性が高められる。
また、中形装着ヘッド46の通常高さHMnは、高さレベルLFに中形の部品Pの高さ寸法hMを考慮した高さよりもわずかに高く設定される。さらに、大形装着ヘッド47の通常高さHLnは、高さレベルLFに大形の部品Pの高さ寸法hLを考慮した高さよりもわずかに高く設定される。通常高さ(HSn、HMn、HLn)の設定は、装着ヘッド(45、46、47)の自動交換に併せて実施される。
通常高さ(HSn、HMn、HLn)の設定により、装着作業の途中で装着ヘッド(45、46、47)を自動交換しない場合に、装着ヘッド(45、46、47)と落下した部品Pとの干渉が未然防止される。しかしながら、装着ヘッド(45、46、47)を自動交換する場合に、干渉のおそれは解消されない。例えば、小形装着ヘッド45は、通常高さHSnで移動すると、落下した中形や大形の部品Pに干渉する。また例えば、中形装着ヘッド46は、通常高さHMnで移動すると、落下した大形の部品Pに干渉する。
そこで、小形装着ヘッド45に退避高さHSsが設定され、中形装着ヘッド46に退避高さHMsが設定される。退避高さHSsおよび退避高さHMsは、落下した部品Pの大きさに関係なく干渉のおそれを解消できる高さである。本実施形態において、退避高さHSsおよび退避高さHMsは、大形装着ヘッド47の通常高さHLnに等しく設定される。また、大形装着ヘッド47に関しては、通常高さHLnで干渉のおそれが無いので、退避高さは設定されない。なお、後述する退避制御部75は、落下した部品Pの大きさを考慮して、退避高さを可変に設定してもよい。通常高さ(HSn、HMn、HLn)および退避高さ(HSs、HMs)の切り替えは、退避制御部75がヘッド昇降装置445を制御することによって行われる。
部品カメラ5は、基板搬送装置2と部品供給装置3との間の機台10の上面に、上向きに設けられている。部品カメラ5は、装着ヘッド(45、46、47)が部品供給装置3から基板Kに移動する途中で、吸着ノズル(452、462、472)に保持されている部品Pの状態を撮像する。取得された撮像データの画像処理によって部品Pの保持姿勢の誤差や回転角のずれなどが判明すると、制御装置6は、必要に応じて装着作業を微調整し、装着作業が困難な場合には当該の部品Pを廃棄する制御を行う。
2.実施形態の部品装着機1の制御の構成および機能
次に、実施形態の部品装着機1の制御の構成および機能について説明する。制御装置6は、機台10に組み付けられており、その配設位置は特に限定されない。制御装置6は、CPUを有してソフトウェアで動作するコンピュータ装置である。図2に示されるように、制御装置6は、記憶部61内に装着シーケンス62を保持している。装着シーケンス62は、基板Kに装着する部品Pの種類、装着座標位置、および装着順序、当該の部品を供給するフィーダ装置31などを指定したデータである。
制御装置6は、装着シーケンス62にしたがって、部品装着機1の作業の流れを制御する。また、制御装置6は、生産完了した基板Kの生産数や、部品Pの装着に要した装着時間、部品Pの吸着エラーの発生回数などの稼動状況データを逐次収集して更新する。制御装置6は、上位の制御装置であるホストコンピュータ69に通信接続され、指令や応答などを授受する。
さらに、制御装置6は、部品Pの落下判定に関する制御、および部品Pを吸着できなかったときのリトライ動作に関する制御を行う。制御装置6は、落下判定およびリトライ動作の両方に関する機能部として、部品検出部71および保持検出部72を有する。制御装置6は、落下判定に関する機能部として、残存検出部73、落下判定部74、退避制御部75、および退避動作通知部76を有する。制御装置6は、リトライ動作に関する機能部として、リトライ実施部77、対処方法設定部78、および部品種登録部79を有する。
部品検出部71は、吸着ノズル(452、462、472)を用いて部品Pを吸着する際に、フィーダ装置31の供給位置34に部品Pが有るか否か検出する。本実施形態において、部品検出部71は、前述した負圧測定センサ456を用い、供給位置34に位置するキャビティ部93に部品Pが有るか否か検出する。これに限定されず、部品検出部71の構成には、いくつかの別の態様がある。
例えば、部品検出部71は、ノズルホルダを基準とする吸着ノズル(452、462、472)の相対高さを測定して、吸着ノズル(452、462、472)が部品Pに接したことを検出する高さ測定センサを含んでもよい。詳述すると、ノズルホルダが下降する途中で、吸着ノズル(452、462、472)が部品Pに接すると以後は下降しなくなり、ノズルホルダの下降だけが継続する。このため、ノズルホルダを基準とする吸着ノズル(452、462、472)の相対高さが変化する。したがって、高さ測定センサは、相対高さの変化を以って、部品Pが有ることを検出できる。
高さ測定センサとして、ノズルホルダに設けられた遮光センサを例示できる。この遮光センサは、吸着ノズル(452、462、472)の特定高さに付設された遮光部を検出して、相対高さの変化を検出する。また、部品検出部71は、部品Pを吸着する以前に基板カメラ48を用いてキャビティ部93を撮像し、取得した画像データの画像処理によって部品Pの有無を検出してもよい。
保持検出部72は、吸着ノズル(452、462、472)が部品Pを吸着して保持しているか否かを検出する。例えば、小形装着ヘッド45が取り付けられている場合、保持検出部72は、前述した側視カメラ457を用いて、検出位置458に位置する小形吸着ノズル452が部品Pを保持しているか否かを検出する。
残存検出部73は、保持検出部72によって吸着ノズル(452、462、472)が部品Pを保持していないことが検出された場合に、供給位置34に部品Pが残存しているか否かを検出する。残存検出部73は、部品検出部71の構成が兼用されており、部品検出部71と同じ動作をする。実際には、部品検出部71の「部品Pの有り/無し」の検出結果が、残存検出部73の「部品Pが残存している/残存していない」の検出結果に流用される。
落下判定部74は、部品検出部71の検出結果、保持検出部72の検出結果、および残存検出部73の検出結果に基づいて、部品Pが落下したか否かを判定する。具体的に、部品検出部71によって供給位置34に部品Pが有ることが検出され、かつ、保持検出部72によって吸着ノズル(452、462、472)が部品Pを保持していないことが検出され、さらに、残存検出部73によって供給位置34に部品Pが残存していないことが検出された場合に、落下判定部74は、部品Pが落下したと判定する。つまり、供給位置34に有った部品Pが吸着動作で無くなり、かつ吸着ノズル(452、462、472)が部品Pを保持していない場合に、部品Pを誤って落下させたことを論理的に判定できる。部品Pの落下の有無の判定結果は、退避制御部75に受け渡される。
なお、部品検出部71、保持検出部72、残存検出部73、および落下判定部74は、所定の大きさ以上の部品Pを落下判定の対象とする。具体的には、中形および大形の部品Pが落下判定の対象とされ、仮に落下しても干渉しない小形の部品Pは対象外とされる。これにより、検出や判定に要する時間が削減されて、生産効率が向上する。
例えば、部品検出部71が高さ測定センサを含む場合に、相対高さの変化を顕在化させる目的で、ノズルホルダを通常位置よりも低い位置まで降下させる。対象外の小形の部品Pについては、ノズルホルダを通常位置まで降下させればよく、検出に要する時間が削減される。また、部品検出部71が基板カメラ48を含む場合に、小形の部品Pが収容されたキャビティ部93を撮像して画像処理する時間が削減される。
退避制御部75は、落下判定部74によって部品Pが落下したと判定された場合に、退避高さ(HSs、HMs)で装着ヘッド(45、46)を移動させる退避動作を制御する。さらに、退避制御部75は、吸着ノズル(452、462、472)の種類、装着ヘッド(45、46、47)の種類、落下した部品Pの大きさ、およびこれから吸着する部品Pの大きさの少なくとも一項目に基づいて、退避動作の要否を判定する。
退避動作により、仮に部品Pが落下しても、基板Kの生産が継続される。しかしながら、通常高さ(HSn、HMn)よりも高い退避高さ(HSs、HMs)を用いる分だけ生産効率が低下する。また、落下した部品Pを放置することは、本来好ましくない。このため、退避動作通知部76は、退避制御部75の制御実行状態をホストコンピュータ69およびオペレータの少なくとも一方に通知する。この通知により、早期の対処が可能となり、落下した部品Pが回収されて、通常高さ(HSn、HMn)での高い生産効率が回復する。
リトライ実施部77は、部品検出部71の検出結果、および保持検出部72の検出結果に基づき、吸着ノズル(452、462、472)を用いて再び部品Pを吸着するリトライ動作を実施するか否かを判定する。さらに、リトライ実施部77は、判定結果に基づいてリトライ動作を実施する。
具体的に、部品検出部71によって供給位置34に部品Pが有ることが検出され、かつ、保持検出部72によって吸着ノズル(452、462、472)が部品Pを保持していないことが検出された場合に、リトライ実施部77は、初回の吸着動作時と同一のキャビティ部93に対してリトライ動作を実施する。さらに、リトライ実施部77は、1回のリトライ動作で部品Pを吸着できない場合に、所定回数Nまでのリトライ動作を実施する。
対処方法設定部78は、リトライ実施部77がリトライ動作を実施しても吸着ノズル(452、462、472)が部品Pを吸着できない場合、すなわちリトライ動作が不成功となった場合の対処方法を予め設定する。対処方法として、スキップ、アラート、およびエラー停止を例示できる。スキップでは、当該の部品Pを装着せずに装着作業を終了させて、スキップの履歴を記録する。アラートでは、他の部品Pの装着作業を進めつつ、警報を通知する。エラー停止では、装着作業を中断してエラー発生を通知し、オペレータの対処作業を待つ。
部品種登録部79は、リトライ動作の対象となる部品Pの種類を予め登録する。通常は、高価な部品Pや、在庫量が僅少であって調達時間が長い部品Pなどがリトライ動作の対象として登録される。これにより、高価な部品Pの廃棄率が低減されるとともに、装着されなかった高価な部品Pを回収する手間が省略される。一方、高価でない部品Pについては、リトライ動作を実施することなく次の部品Pの吸着動作に移行するため、生産効率の低下が抑制される。また、在庫量が僅少である部品Pについては、在庫不足に陥るおそれが低減される。
3.実施形態の部品装着機1の動作
次に、実施形態の部品装着機1の動作について説明する。図5は、部品Pの装着作業を制御する制御装置6のメインの動作フローを示すフロー図である。図5の動作フローは、生産する基板Kの種類ごとに実行される。図6は、図5に含まれるリトライ動作の詳細な動作フローを示すフロー図である。
図5のステップS1で、制御装置6は、初期設定を行う。詳述すると、制御装置6の退避制御部75は、装着ヘッド(45、46、47)が移動するときの通常高さ(HSn、HMn、HLn)を設定する。また、部品種登録部79は、リトライ動作の対象となる部品Pの種類を予め登録する。例えば、部品Pがリトライ動作の対象であるか否かの情報が部品データに記載されている場合、部品種登録部79は、部品データを検索して登録を行うことができる。あるいは、部品種登録部79は、オペレータの入力操作に基づいて登録を行うことができる。一方、対処方法設定部78は、リトライ動作が不成功となった場合の対処方法を予め設定する。
次のステップS2で、退避制御部75は、退避動作の要否の初期判定を行う。例えば、或る種類の基板Kに装着する部品Pが大形のみで、大形吸着ノズル472を有する大形装着ヘッド47のみを用いる場合に、退避動作は不要である。また、例えば、小形吸着ノズル452を有する小形装着ヘッド45を用いて小形の部品Pのみを装着する場合も、退避動作は不要である。一方、装着作業の途中で装着ヘッド(45、46、47)を自動交換する場合には、部品Pの落下による干渉のおそれが有るため、退避動作の可能性を考慮する必要がある。実際には、部品Pの大きさは多種多様であり、初期判定の判定ロジックはある程度複雑化する。退避制御部75は、退避動作が不要である場合に退避フラグをリセットし、退避動作を考慮する場合に退避フラグをセットする。
次のステップS3で、制御装置6は、基板搬送装置2を制御して、基板Kを搬入および位置決めする。次のステップS4で、制御装置6は、部品供給装置3および部品移載装置4を制御して部品Pの装着作業すなわちPPサイクルを開始する。次のステップS5で、制御装置6は、部品移載装置4に吸着ノズル(452、462、472)を用いた部品Pの吸着動作を行なわせる。吸着動作の直後に、部品移載装置4は、ロータリツール451を所定角度Aだけ時計回りに回転駆動する。また、フィーダ装置31は、キャリアテープ9を一定ピッチだけ繰り出して、次のキャビティ部93を供給位置34に進める。
次のステップS6で、部品検出部71および保持検出部72が動作する。次のステップS7で、落下判定部74およびリトライ実施部77は、部品検出部71の検出結果、すなわち、供給位置34のキャビティ部93に部品Pが有ったか否かを確認する。通常は、供給位置34に部品Pが有り、動作フローの実行はステップS8に進められる。ステップS8で、落下判定部74およびリトライ実施部77は、保持検出部72の検出結果、すなわち、吸着ノズル(452、462、472)が部品Pを保持しているか否かを確認する。通常は、部品Pが保持されており、動作フローの実行はステップS9に進められる。
ステップS9で、制御装置6は、全部の吸着ノズル(452、462、472)の吸着動作が終了したか否か判定する。否の場合、制御装置6は、次の吸着ノズル(452、462、472)を対象として、動作フローをステップS5に戻す。ステップS5からステップS9までのループの繰り返しにより、全部の吸着ノズル(452、462、472)の吸着動作が終了する。すると、制御装置6は、動作フローの実行をステップS10に進める。なお、装着シーケンス62に記載されたPPサイクルの内容によっては、一部の吸着ノズル(452、462、472)のみが用いられる場合もある。
ステップS10で、部品移載装置4は、装着ヘッド(45、46、47)を部品カメラ5の上方に移動させる。これにより、部品カメラ5による撮像が実施される。次のステップS11で、部品移載装置4は、装着ヘッド(45、46、47)を基板Kに移動させて、部品Pの装着動作を行う。次のステップS12で、制御装置6は、全部のPPサイクルが終了したか否か判定する。否の場合、制御装置6は、次のPPサイクルを対象として、動作フローの実行をステップS4に戻す。ステップS4からステップS12までのループの繰り返しにより、全部のPPサイクルが終了する。すると、制御装置6は、動作フローの実行をステップS13に進める。
ステップS13で、制御装置6は、生産完了した基板Kを搬出する。この後、制御装置6は、動作フローの実行をステップS3に戻して、次の基板Kへの装着作業を開始する。ステップS3からステップS13までのループの繰り返しにより、基板Kが量産される。なお、生産完了した基板Kの搬出と、次の基板Kの搬入とが同時に行われることもある。ここまでが、メインの動作フローの良好な進捗に関する説明である。
ステップS7で、供給位置34に部品Pが無い場合、動作フローはステップS21に分岐される。この場合、キャリアテープ9のキャビティ部93に、初めから部品Pが収容されていなかったことになる。詳述すると、キャリアテープ9の先端や後端に近い数個のキャビティ部は、初めから部品が収容されていない空キャビティ部となっている。空キャビティ部は、オペレータによって切断され、あるいは、制御装置6に予め記憶されて吸着動作が省略される。それでも、オペレータの切断作業の不出来や、空キャビティ部の個数誤りなどに起因して、空キャビティ部が通常のキャビティ部93と判断されて吸着動作が行われることがあり得る。また、稀ではあるが、通常のキャビティ部93に部品が収容されていない場合もある。
ステップS21で、制御装置6は、ロータリツール451を所定角度Aだけ逆方向の反時計回りに回転させて、動作フローの実行をステップS5に戻す。戻ったステップS5で、部品移載装置4は、部品Pを吸着できなかった吸着ノズル(452、462、472)を再び用いて、キャリアテープ9の次のキャビティ部93からの吸着動作を行う。
また、ステップS8で、吸着ノズル(452、462、472)が部品Pを保持していない場合、動作フローはステップS31に分岐される。この場合、図7および図8に例示される2つのケースが想定される。図7は、図3の状況から1回の吸着動作が終了し、かつ小形吸着ノズル452が部品Pを保持していない状況の第1ケースを示した平面図である。また、図8は、図3の状況から1回の吸着動作が終了し、かつ小形吸着ノズル452が部品Pを保持していない状況の第2ケースを示した平面図である。
図7において、図3の状況からロータリツール451が所定角度Aだけ時計回りに回転駆動され、5本目の小形吸着ノズル452が検出位置458に位置決めされている。ステップS6で、側視カメラ457は、5本目の小形吸着ノズル452が部品Pを保持していない状況を撮像する。これにより、ステップS8からステップS31への分岐が実行される。一方、キャリアテープ9は、図3の状況から一定ピッチだけ繰り出されている。そして、供給位置34から前進したキャビティ部93Xには、部品Pが残存している。したがって、第1ケースは、吸着動作時にキャビティ部93Xに部品Pが有り、かつ小形吸着ノズル452で吸着できなかった状況となる。
これに対し図8において、ロータリツール451の回転駆動、およびキャリアテープ9の一定ピッチの繰り出しは、図7と同じである。しかしながら、供給位置34から前進したキャビティ部93Xには、部品Pが残存していない。したがって、第2ケースは、吸着動作時にキャビティ部93Xに部品Pが有り、かつ小形吸着ノズル452で吸着する際に誤って部品Pを落下させた状況となる。現時点では、制御装置6は、図7に示される第1ケースと、図8に示される第2ケースとを判別できない。
ステップS31で、制御装置6のリトライ実施部77は、第1ケースおよび第2ケースに関係なくリトライ動作を実施する。リトライ動作の詳細を示す図6のステップS51で、リトライ実施部77は、リトライ回数をカウントするためのリトライカウンタRCに1をセットする。次のステップS52で、リトライ実施部77は、キャリアテープ9を一定ピッチだけ戻して、部品Pが残存しているか否か不明のキャビティ部93Xを供給位置34に再度位置決めする。次のステップS53で、リトライ実施部77は、ロータリツール451を所定角度Aだけ逆方向の反時計回りに回転して、5本目の小形吸着ノズル452を吸着位置459に再度位置決めする。
これらの動作により、第1ケースの場合には、図3の状況が再現される。また、第2ケースの場合には、キャビティ部93Xに部品Pが無いことを除いて図3の状況が再現される。次のステップS54で、リトライ実施部77は、部品移載装置4にステップS5と同じ吸着動作を行なわせる。前述したように、吸着動作に併せて、ロータリツール451の回転駆動、およびキャリアテープ9の繰り出しが行われる。次のステップS55で、部品検出部71、保持検出部72、および残存検出部73が動作する。
次のステップS56で、落下判定部74およびリトライ実施部77は、部品検出部71および残存検出部73の検出結果に基づいて、動作フローの分岐先を決定する。部品Pが無い(残存していない)場合のステップS57で、落下判定部74は、第2ケースの「部品落下」と判定する。この後、落下判定部74は、制御の実行をメインの動作フローに戻す。
一方、部品Pが有る(残存している)場合のステップS58で、リトライ実施部77は、保持検出部72の検出結果に基づいて、動作フローの分岐先を判定する。吸着ノズル(452、462、472)に部品Pが保持されている場合のステップS59で、リトライ実施部77は、第1ケースの後の「リトライ成功」と判定する。この後、リトライ実施部77は、制御の実行をメインの動作フローに戻す。
吸着ノズル(452、462、472)に部品Pが保持されていない場合のステップS60で、リトライ実施部77は、リトライカウンタRCの値が所定回数Nに到達しているか否か判定する。到達していない場合のステップS61で、リトライ実施部77は、リトライカウンタRCの値を1だけ増加させて、動作フローの実行をステップS52に戻す。ステップS52からステップS61までのループの繰り返しにより、ステップS54の吸着動作は、最大で所定回数Nだけ実行される。
ループの繰り返しの途中で、ステップS57またはステップS59への分岐が発生する場合が有る。また、ステップS57やステップS59への分岐が発生しない場合には、ステップS60でリトライカウンタRCの値が所定回数Nに到達して、動作フローの実行がステップS62に進められる。
ステップS62で、リトライ実施部77は、エンド処理の実施を制御する。エンド処理は、部品Pの吸着を目的とせず、部品Pが残存しているか否かの最終確認を目的とする。具体的に、リトライ実施部77は、内圧制御部455から吸着ノズル(452、462、472)に供給する負圧を弱めて吸着動作を実施させる。なお、残存検出部73が高さ測定センサを含む構成では、吸着ノズル(452、462、472)に負圧を供給せずに下降動作のみを実施させる。
次のステップS63で、リトライ実施部77は、エンド処理時の残存検出部73の検出結果に基づいて、動作フローの分岐先を決定する。部品Pが残存していない場合に、リトライ実施部77は、動作フローの実行をステップS57の「部品落下」に合流させる。また、部品Pが残存している場合のステップS64で、リトライ実施部77は、第1ケースの後の「リトライ不成功」と判定する。この後、リトライ実施部77は、制御の実行をメインの動作フローに戻す。「リトライ不成功」は、部品Pがキャビティ部93Xに固着している場合や、キャビティ部93Xを覆うカバーテープ92が剥離されていない場合などに発生する。
結局、リトライ動作の結果は、「リトライ成功」、「リトライ不成功」、および「部品落下」のいずれかとなる。図5のステップS32に戻り、リトライ実施部77は、リトライ動作の結果にしたがって、動作フローの分岐先を決定する。「リトライ成功」の場合、リトライ実施部77は、動作フローの実行をステップS9に戻す。「リトライ不成功」の場合のステップS33で、制御装置6は、ステップS1で初期設定された対処方法を実施する。
「部品落下」の場合のステップS34で、退避制御部75は、退避動作の要否を最終的に判定して、動作フローの分岐先を決定する。詳述すると、退避制御部75は、ステップS2で退避フラグをリセットしていた場合には、直ちに退避動作は不要と判定できる。また、退避フラグをセットしていた場合、退避制御部75は、実際に落下させた部品Pの大きさと、これから用いる装着ヘッド(45、46、47)の種類とを比較して、退避動作の要否を判定する。
例えば、落下させた部品Pが大形であるときには、図4の説明から明らかなように、小形装着ヘッド45および中形装着ヘッド46の退避動作が必要となる。また、落下させた部品Pが中形であるときには、小形装着ヘッド45の退避動作が必要となる。落下させた部品Pが小形であるときには、退避動作は不要である。
退避動作が必要である場合のステップS35で、退避制御部75は、落下させた部品Pが大形であるときに、小形装着ヘッド45の退避高さHSs、および中形装着ヘッド46の退避高さHMsを設定する。また、退避制御部75は、落下させた部品Pが中形であるときに、小形装着ヘッド45の退避高さHSsのみを設定する。なお、動作フローの繰り返しによって複数の部品Pが落下している場合、退避制御部75は、落下したうちの最も大きな部品Pを考慮した設定を行う。
次のステップS36で、退避動作通知部76は、退避動作の制御実行状態を通知する。また、ステップS34で退避動作が不要である場合、退避制御部75は、ステップS35を省略して、動作フローの実行をステップS36に進める。この場合のステップS36で、退避動作通知部76は、小形の部品Pを落下させた状態である旨を通知する。ステップS36の実行後、退避制御部75は、動作フローの実行をステップS21に合流させる。
ステップS35で設定された退避高さ(HSs、HMs)は、基板Kの所定枚数の生産が終了するまで継続して用いられる。ただし、オペレータによって落下した部品Pの対処作業が実施され、続いてリスタート処理が実施された場合に、退避高さ(HSs、HMs)は、通常高さ(HSn、HMn)に戻される。
実施形態の部品装着機1によれば、落下した部品Pを直接的に検出せずとも、部品検出部71、保持検出部72、および残存検出部73の検出結果に基づいて間接的にかつ論理的に部品Pが落下したか否かを判定できる。さらに、部品検出部71、保持検出部72、および残存検出部73は、センサ等を新設するのでなく、既存の装置構成を活用して実現することができる。したがって、部品落下の判定に要するコストの増加が抑制される。
また、実施形態の部品装着機1によれば、吸着ノズル(452、462、472)を用いて部品Pを吸着する際に供給位置34に部品が有るか否かを検出し、さらに吸着ノズル(452、462、472)が部品Pを保持しているか否かを検出し、検出結果に基づいてリトライ動作を実施するか否かを判定する。したがって、初めから供給位置34に部品Pが無い場合に、無意味なリトライ動作を回避できる。
4.実施形態の応用および変形
なお、制御装置6は、部品Pの落下判定に関する制御、および部品Pを吸着できなかったときのリトライ動作に関する制御のうち、一方の制御のみを行ってもよい。また、実施形態において、部品供給装置3はフィーダ装置31で構成され、部品装着具として吸着ノズル(452、462、472)が用いられているが、これに限定されない。つまり、部品供給装置3は、部品供給媒体にトレイを用いる装置や、他方式の部品供給装置であってもよい。また、部品装着具として、部品Pを挟持する挟持式装着具を用いることもできる。
さらに、実施形態では複数の装着ヘッド(45~47)が自動交換されるが、装着ヘッド(45~47)が手動で交換される構成や、装着ヘッドが交換されない構成であってもよい。また、リトライ動作の際の部品検出部71、保持検出部72、および残存検出部73の検出動作(図6のステップS55)は、通常時の検出動作(図5のステップS6)と異なる検出方法で行ってもよい。実施形態は、他にも様々な変形や応用が可能である。