JP7323585B2 - 推定装置、車両及び推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、推定装置、車両及び推定方法に関する。
特許文献1には、スカイフック制御において、減衰部の下限の減衰力を調整するサスペンション装置が開示されている。
特開2019-151124号公報
車両のサスペンション機構の構成として、2つのばねを車両の上下方向に配置した2段ばねが使用されている場合がある。2つのばねのばね定数に基づいた荷重と変位の関係では、サスペンション機構の変位(ストローク量)が生じているばねの変位領域に応じて、ばね定数は変化し得る。このため、1つのばね定数に基づいた荷重と変位の関係を用いて、2段ばねのサスペンション機構のストローク量を推定演算した場合には、ストローク量に誤差が生じ得る。
本発明は、上記課題に鑑み、荷重と変位の関係を示す荷重変位特性が異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量の推定精度を向上することが可能な推定技術の提供を目的とする。
本発明の一態様に係る推定装置は以下の構成を備える。すなわち、推定装置は、荷重と変位全体的な対応関係を示す荷重変位特性が部材ごとに異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量を推定する推定装置であって、
前記車両の車輪速を検出する車輪速センサの検出信号に基づいて、前記車両の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する荷重算出手段と、
前記複数の部材のうち、いずれか一つの部材の前記荷重変位特性を前記複数の部材全体の初期値として設定した前記多段弾性部材と、前記接地変動荷重とに基づいて、前記多段弾性部材に生じる前記ストローク量を推定する状態量推定手段と、
前記状態量推定手段により推定された前記ストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが異なる場合に、前記初期値の設定を前記推定荷重変位特性に変更する特性変更手段と、
を備え、
前記状態量推定手段は、前記特性変更手段により変更された前記推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果と前記ストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正する。
本発明の他の態様に係る車両は以下の構成を備える。すなわち、車両は、荷重と変位全体的な対応関係を示す荷重変位特性が部材ごとに異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量を推定する推定装置を有する車両であって、前記推定装置は、
前記車両の車輪速を検出する車輪速センサの検出信号に基づいて、前記車両の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する荷重算出手段と、
前記複数の部材のうち、いずれか一つの部材の前記荷重変位特性を前記複数の部材全体の初期値として設定した前記多段弾性部材と、前記接地変動荷重とに基づいて、前記多段弾性部材に生じる前記ストローク量を推定する状態量推定手段と、
前記状態量推定手段により推定された前記ストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが異なる場合に、前記初期値の設定を前記推定荷重変位特性に変更する特性変更手段と、
を備え、
前記状態量推定手段は、前記特性変更手段により変更された前記推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果と前記ストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正する。
本発明の他の態様に係る推定方法は以下の構成を備える。すなわち、推定方法は、荷重と変位全体的な対応関係を示す荷重変位特性が部材ごとに異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量を推定する推定装置の推定方法であって、
荷重算出手段が、前記車両の車輪速を検出する車輪速センサの検出信号に基づいて、前記車両の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する荷重算出工程と、
状態量推定手段が、前記複数の部材のうち、いずれか一つの部材の前記荷重変位特性を前記複数の部材全体の初期値として設定した前記多段弾性部材と、前記接地変動荷重とに基づいて、前記多段弾性部材に生じる前記ストローク量を推定する状態量推定工程と、
特性変更手段が、前記状態量推定工程で推定された前記ストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが異なる場合に、前記初期値の設定を前記推定荷重変位特性に変更する特性変更工程と、
前記状態量推定手段が、前記特性変更工程で変更された前記推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果と前記ストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正する補正工程と、を有する。
本発明によれば、荷重と変位の関係を示す荷重変位特性が異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量の推定精度を向上することができる。
一実施形態に係る鞍乗型車両1の左側の側面図。 (A)は第1実施形態の多段弾性部材の概略的な構成例を示す図であり、(B)は荷重とストローク量の関係を例示する図。 実施形態に係る推定装置の構成を示す図。 振動低減機構をモデル化した図。 状態量推定部320の処理を説明するブロック図。 推定装置の処理の流れを説明する図。 (A)は第2実施形態の多段弾性部材の概略的な構成例を示す図であり、(B)は荷重とストローク量の関係を例示する図。 (A)は第3実施形態の多段弾性部材の概略的な構成例を示す図であり、(B)は荷重とストローク量の関係を例示する図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第1実施形態]
[鞍乗型車両の概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両1の左側の側面図である。図1において、矢印X、Y、Zは互いに直交する方向を示し、X方向は自動二輪車(鞍乗型車両)の前後方向、Y方向は鞍乗型車両の車幅方向(左右方向)、Z方向は上下方向を示す。本発明は他の形式の自動二輪車を含む各種の鞍乗型車両に適用可能であり、また、内燃機関を駆動源とする車両のほか、モータを駆動源とする電動車両にも適用可能である。また、以下に説明する本実施形態の振動低減機構94と同様の機構を有する四輪車両や移動体に本発明の実施形態を適用することも可能である。以下、鞍乗型車両1のことを車両1と呼ぶ場合がある。
車両1は、前輪FWと後輪RWとの間にパワーユニット2を備える。パワーユニット2はエンジン21と変速機22とを含む。変速機22の駆動力は不図示のドライブシャフトを介して後輪RWに伝達され、後輪RWを回転する。
パワーユニット2は車体フレーム3に支持されている。車体フレーム3は、X方向に延設された左右一対のメインフレーム31を含む。メインフレーム31の上方には、燃料タンク5やエアクリーナボックス(不図示)が配置されている。燃料タンク5の前方には、乗員(ライダ)に対して各種の情報を表示するメーターユニットMUが設けられている。
メインフレーム31の前側端部には、ハンドル8によって回動される操向軸(不図示)を回動自在に支持するヘッドパイプ32が設けられている。メインフレーム31の後端部には、左右一対のピボットプレート33が設けられている。ピボットプレート33の下端部とメインフレーム31の前端部とは左右一対のロアアーム(不図示)により接続され、パワーユニット2はメインフレーム31とロアアームとに支持される。メインフレーム31の後端部には、また、後方へ延びる左右一対のシートレールが設けられており、シートレールにはライダが着座するシート4aや同乗者が着座するシート4b及びリアトランク7b等が支持されている。
ピボットプレート33には、前後方向に延びるリアスイングアーム(不図示)の前端部が揺動自在に支持されている。リアスイングアームは、上下方向に揺動可能とされ、その後端部に後輪RWが支持されている。後輪RWの下部側方には、エンジン21の排気を消音する排気マフラ6がX方向に延設されている。後輪RWの上部側方には左右のサドルバック7aが設けられている。
メインフレーム31の前端部には、前輪FWを揺動自在に支持するフロントサスペンション機構9が構成されている。フロントサスペンション機構9は、アッパリンク91、ロワリンク92、フォーク支持体93、振動低減機構94(クッションユニット)、左右一対のフロントフォーク95を含む。フロントサスペンション機構9において、アッパリンク91、ロワリンク92、フォーク支持体93、及び振動低減機構94は、車両1のフロントフォーク95を支持する支持機構を構成する。
アッパリンク91及びロワリンク92は、それぞれメインフレーム31の前端部に上下に配置されている。アッパリンク91及びロワリンク92の各後端部は、メインフレーム31の前端部に揺動自在に連結されている。アッパリンク91及びロワリンク92は、フォーク支持体93に揺動自在に連結されている。
フォーク支持体93は、筒状をなすとともに後傾している。フォーク支持体93には操舵軸96がその軸回りに回転自在に支持されている。操舵軸96はフォーク支持体93を挿通する軸部(不図示)を有する。操舵軸96の下端部にはブリッジ(不図示)が設けられており、このブリッジには左右一対のフロントフォーク95が支持されている。前輪FWはフロントフォーク95に回転自在に支持されている。操舵軸96の上端部は、リンク97を介して、ハンドル8によって回動される操向軸(不図示)に連結されている。前輪FWの上部は、フェンダ10で覆われており、このフェンダ10はフロントフォーク95に支持されている。
振動低減機構94は、ばね、または、ラバー等の振動低減部材を車両1の上下方向に配置して構成される多段弾性部材と粘性減衰部材とを有する。本実施形態の振動低減機構94は、多段弾性部材の構成例として、複数のコイルばねを車両1の上下方向に配置した多段ばねの構成を有する。多段弾性部材(多段ばね)の構成例については、図2を参照して説明する。振動低減機構94の上端部は、メインフレーム31に揺動自在に支持されている。また、振動低減機構94の下端部は、ロワリンク92に揺動自在に支持されている。
[多段弾性部材の構成]
図2(A)は第1実施形態の振動低減機構94を構成する多段弾性部材200の概略的な構成例を示す図であり、図2(B)は多段弾性部材200に作用する荷重(圧縮力)とストローク量(変位量)の関係を例示する図である。
図2(A)に示す構成例では、コイルばねが2つ車両1の上下方向に配置された構成を示しているが、多段弾性部材200(多段ばね)の構成は、この例に限られず、2つ以上のコイルばねを車両1の上下方向に配置して構成することも可能である。
また、多段弾性部材200を構成する部材は、コイルばねに限られず、種々のばねでもよい。例えば、不等ピッチや円錐形状や、たる型状のコイルバネで非線形の変位特性を得ても良い。荷重に対応したストローク量を求めることが可能な部材であれば、例えば、ラバーなどの防振部材であってもよい。また、複数のコイルばねとラバーとの組み合わせであってもよい。コイルばねとラバーとを組み合わせた多段弾性部材の構成例については第2実施形態で具体的に説明し、複数のコイルばねとラバーとを組み合わせた多段弾性部材の構成例については、第3実施形態で具体的に説明する。
本実施形態において、振動低減機構94を構成する多段弾性部材200は、図2(A)に示すように、第1コイルばね(初期ばね)210と第2コイルばね(2段ばね)220とを車両1の上下方向に配置した多段ばねの構成を有する。本実施形態において、以下、多段弾性部材200を多段ばね200ともいう。
図2(B)において、第1荷重変位特性231は、第1コイルばね210の荷重とストローク量(変位量)との関係を示す。第1荷重変位特性231の傾きは、第1コイルばね210の第1ばね定数Kである。また、第2荷重変位特性232は、第1コイルばね210及び第2コイルばね220に対する荷重とストローク量(変位量)との関係を示す。第2荷重変位特性232の傾きは、第2コイルばね220単体の第2ばね定数Kと第1コイルばね210の第1ばね定数Kとを合成した合成弾性係数(合成ばね定数K12)である。多段弾性部材200は、第1部材のばね(第1コイルばね210)と、第2部材のばね(第2コイルばね220)とを有し、第1部材の第1弾性係数(第1ばね定数K)を傾きとする第1荷重変位特性231を示す直線と、第1弾性係数(第1ばね定数K)及び第2部材の第2弾性係数(第2ばね定数K)を合成した合成弾性係数(合成ばね定数K12)を傾きとする第2荷重変位特性232を示す直線と、が接続する接続点233での傾きは不連続となる。
図2(B)に示すように、第1荷重変位特性231と第2荷重変位特性232とは接続点233で接続する。第1荷重変位特性231と、第2荷重変位特性232とは傾きが異なるため(K≠K)、両者が接続する接続点233では傾きが不連続(折れ点)となる。
荷重0から荷重F以下の範囲では、第1荷重変位特性231に示すように、第1コイルばね210が弾性変位する。荷重Fにおいて、第1コイルばね210のストローク量(変位量)は変位δとなる。荷重0から荷重F以下の範囲では、第1荷重変位特性231は線形に変化し、変位δは、第1コイルばね210の弾性変位における最大の変位を示す。
荷重Fを超える荷重が作用すると、第1コイルばね210が変位δまで変位した状態で、第2コイルばね220が弾性変位する。荷重Fにおいて、第2コイルばね220のストローク量(変位量)はδであり、第1コイルばね210及び第2コイルばね220のストローク量(変位量)は変位δとなる。荷重Fから荷重F以下の範囲では、第2荷重変位特性232は一定の傾き(合成ばね定数K12)で線形に変化し、変位δは、第1コイルばね210及び第2コイルばね220の弾性変位における最大の変位を示す。
図2(B)において、荷重変位特性234は、接続点233から第1荷重変位特性231を仮想的に延長した荷重変位特性を示し、荷重変位特性234の傾きは、第1荷重変位特性231の傾き(第1ばね定数K)と同一である。また、図2(B)において、荷重Fx(F<Fx<F)は、車輪速変動から求めた荷重値を例示するものであり、荷重Fxに対応するストローク量を第2荷重変位特性232に基づいて求めた場合、真のストローク量STを得ることができるが、荷重Fに対応するストローク量を荷重変位特性234に基づいて求めた場合、誤差を含んだストローク量STとなる。
正確なストローク量を求めるためには、ストローク量に対応する荷重変位特性を変更する(切り替える)ことが必要となる。すなわち、作用している荷重が接続点233(折れ点)を超えるか否かを判定して、推定したストローク量または作用している荷重が接続点233(折れ点)を超えない場合には、第1荷重変位特性231に基づいて、荷重とストローク量の関係を求める。また、推定したストローク量または作用している荷重が接続点233(折れ点)を超える場合には、第2荷重変位特性232に基づいて、荷重とストローク量の関係を求める。図2(B)を参照した具体的な処理については後述する。
[推定装置300の構成]
図3は第1実施形態に係る推定装置300の構成を示す図である。車輪速センサ302は、前輪FWの回転速度の検出値に対応する車輪速を検出する。慣性センサユニット303は、車両1に生じる加速度及び角速度を検出する。推定装置300は、車輪速センサ302及び慣性センサユニット303から入力される検出信号に基づいて、各種の状態量の推定演算処理、状態量の補正処理、及び状態量に基づいた車両1の各種の動作制御を行う。推定装置300は、荷重と変位の関係を示す荷重変位特性が異なる複数の部材を車両の上下方向に配置した多段弾性部材における前記上下方向の変位を示すストローク量を推定する。
車輪速センサ302は、例えば、車両1の前輪FWの回転速度に応じた検出信号を出力するロータリエンコーダ等の回転速度センサにより構成される。この場合、前輪FWの回転速度の検出値に対応する車輪速が車速の検出値として得られる。
慣性センサユニット303(慣性計測装置:IMU)は、車両1に生じる加速度及び角速度を検出することにより車両1の挙動を検知することが可能なセンサユニットである。慣性センサユニット303は、車両1の任意の適所、例えば、車両1の重心付近に配置可能である。慣性センサユニット303は、並進加速度を検出するセンサとして、X軸方向(車両1の前後方向)の並進加速度(X軸加速度)を検出するX軸加速度センサ304Xと、Y軸方向(車両1の左右方向)の並進加速度(Y軸加速度)を検出するY軸加速度センサ304Yと、Z軸方向(車両1の上下方向)の並進加速度(Z軸加速度)を検出するZ軸加速度センサ304Zとを有する。
また、慣性センサユニット303は、角速度を検出するセンサとして、X軸周り方向の角速度(X軸角速度)を検出するX軸角速度センサ305Xと、Y軸周り方向の角速度(Y軸角速度)を検出するY軸角速度センサ305Yと、Z軸周り方向の角速度(Z軸角速度)を検出するZ軸角速度センサ305Zとを有する。
推定装置300は、CPU等のプロセッサにより構成される処理部311、記憶部312及びインタフェース部313(I/F部)を有する。記憶部312は、推定演算に関する逐次演算結果(前回値)を記憶するRAM312bと、図2(B)で説明したような多段弾性部材200に作用する荷重とストローク量の関係を示すデータベース(ルックアップテーブル)、及び各種の推定演算処理プログラムを記憶する記憶部(ROM312a)とを有する。
インタフェース部313(I/F部)は、車輪速センサ302及び慣性センサユニット303を含む外部デバイスと推定装置300との間で信号の送受信を行う。推定装置300は、電子制御ユニット(ECU:Electric Control Unit)により構成され、車両1の任意の適所に搭載される。なお、推定装置300は、相互に通信可能な複数の電子制御ユニットにより構成されていてもよい。
推定装置300は、記憶部312に実装されるプログラムにより実現される機能、又はハードウェア構成により実現される構成として、荷重算出部310、状態量推定部320、特性変更部330、及び制御処理部340を有する。
荷重算出部310は、車両1の車輪速を検出する車輪速センサ302の検出信号に基づいて、車両1の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する。
状態量推定部320は、複数の部材のうち、いずれか一つの部材の荷重変位特性を初期値として設定した多段弾性部材200を含む振動低減機構94のモデルに、接地変動荷重を入力することにより、多段弾性部材200に生じるストローク量を推定する。
特性変更部330は、状態量推定部320により推定されたストローク量に対応する推定荷重変位特性と、初期値として設定された荷重変位特性とが異なる場合に、初期値の設定を推定荷重変位特性に変更する。状態量推定部320は、特性変更部330により変更された推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、ストローク量を補正する。
制御処理部340は、振動低減機構94に含まれる粘性減衰部材250のコイルに電流を供給し、粘性減衰部材250の内部に充填された作動油の流路における絞りの流路面積を変化させることにより減衰力を制御する。制御処理部340は、状態量推定部320により取得されたストローク量に基づいて、多段弾性部材200の上下方向の変位を抑制するように粘性減衰部材250の減衰力を制御する。制御処理部340は、粘性減衰部材250の内部に充填された作動油の流路における絞りの流路面積を、推定された状態量(例えば、ストローク量やストローク速度)に基づいて調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御する。例えば、制御処理部340は、ソレノイドバルブやステッピングモータなどのアクチュエータの制御により、粘性減衰部材250の内部に形成された絞りの流路面積を可変にする弁体を駆動して流路面積を調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御することが可能である。
[振動低減機構94のモデル化]
図4は振動低減機構94をモデル化した図である。振動低減機構94の上端部は、メインフレーム31に揺動自在に支持されており、振動低減機構94の下端部は、ロワリンク92に揺動自在に支持されている。図4において、ばね下質量Mは、振動低減機構94の下端が支持されるロワリンク92及びロワリンク92に接続する構成部材の質量である。また、ばね上質量Mは、振動低減機構94の上部が支持されるメインフレーム31及びメインフレーム31に接続する構成部材の質量である。
荷重fは、前輪FWの回転により前輪FWの接地部分から振動低減機構94に入力される接地荷重(接地変動荷重)である。荷重fは、多段弾性部材200に作用する荷重(圧縮力)である。
位置Xは、振動低減機構94における、ばね下質量Mの上下方向位置(ばね下位置)を示す。また、位置Xは、振動低減機構94における、ばね上質量Mの上下方向位置(ばね上位置)を示す。
振動低減機構94は、構成要素として、多段弾性部材200と粘性減衰部材250とを有する。多段弾性部材200は図2(A)で説明したように、第1コイルばね(初期ばね)210と第2コイルばね(2段ばね)220とを車両1の上下方向に配置した多段ばねの構成を有する。
また、本実施形態の粘性減衰部材250は、詳細な図示は省略するが、例えば、作動油として磁性粘性流体(Magneto-Rheological Fluid:MRF)を用いて構成することが可能である。MRFが充填された円筒状のシリンダに対してピストンロッドが軸方向に摺動可能に挿入され、ピストンロッドの先端に装着されたピストンによってシリンダ内は上部油室と下部油室とに区画される。上部油室と下部油室とを連通する連通路(作動油の流路における絞り)の内側に位置するコイルに、推定装置300の制御処理部340から電流が供給されると、連通路を流通するMRFに磁界が印可されて強磁性微粒子がクラスタを形成する。これにより、連通路を通過する作動油(MRF)によって連通路の径が変化し、粘性減衰部材250の減衰力が変化する。なお、粘性減衰部材250の構成は、MRFに印加する磁界により連通路の径を変化させる構成に限られず、例えば、制御処理部340は、ソレノイドバルブやステッピングモータなどのアクチュエータの制御により、粘性減衰部材250の内部に形成された絞りの流路面積を可変にする弁体を駆動し、流路面積を調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御することも可能である。
[荷重算出部310の処理]
荷重算出部310は、車輪速変動量ΔVwが前輪FWの接地変動荷重量に一定の関係を有することを利用して、車輪速センサ302の検出値に基づき、車輪速変動量を取得し、車輪速変動量を接地変動荷重に変換する処理を行う。
(車輪速変動量の取得)
荷重算出部310は、車輪速センサ302から入力された前輪FWの車輪速Vの検出信号に対して、バンドパスフィルタを用いたバンドパス処理(フィルタ処理)を行う。荷重算出部310は、所定の周波数帯域のバンドパス特性を有するバンドパスフィルタに、車輪速Vの検出信号を入力することにより、所定の周波数帯域の車輪速Vの検出信号の変動量(車輪速変動量ΔV)を取得する。すなわち、荷重算出部310は、車輪速Vの検出信号を入力としたフィルタ処理により車輪速変動量ΔVを取得する。
バンドパスフィルタは、例えば、0.5~5Hzの周波数成分を通過させるバンドパス特性を有する。バンドパスフィルタは、高周波成分を遮断し、且つ、ばね上共振帯の周波数成分(ばね上振動に対応した周波域の信号)を確実に取り出せるように、例えば、5Hz程度よりも低い帯域を通過させるローパス特性を有する。また、バンドパスフィルタは、連続的に入力する車輪速Vの検出信号からDC成分を除去すべく、例えば、0.5Hz程度よりも高い帯域を通過させるハイパス特性を有する。
(車輪速変動量を接地変動荷重に変換)
荷重算出部310は、バンドパス処理を行ったのち、車輪速Vの検出信号の変動量(車輪速変動量ΔV)に対して所定のゲインを乗算するゲイン処理を行う。車両1が一定速度で平坦路を直進走行している場合、前輪FWの接地荷重は一定であり、車輪速Vwも一定であるが、路面の変形状態により、荷重f(接地変動荷重)が変動すると、車輪速度も変動する。
荷重算出部310は、車輪速変動量ΔVと荷重f(接地変動荷重)とが一定の相関関係(比例関係)にあることを利用して、前輪FWの車輪速変動量ΔVを荷重f(接地変動荷重)に変換する。
すなわち、荷重算出部310は、f=kΔV(k:比例定数)の変換式に基づいて、前輪FWの車輪速変動量ΔVを荷重f(接地変動荷重)に変換する。荷重算出部310は、変換式に基づいて変換された荷重f(接地変動荷重)を図4の振動低減機構94のモデルに入力することにより、ばね下位置X、ばね上位置X、ばね上位置の時間微分値であるばね上速度(dX/dt)、及び、ストローク速度を求める。ここで、ストローク速度とは、振動低減機構94における、ばね上位置の時間微分値(ばね上速度)と、ばね下位置の時間微分値(ばね下速度)との差分を示す状態量(dX/dt-dX/dt)である。ストローク速度を積分することにより、多段弾性部材200における車両1の上下方向の変位を示すストローク量(ストロークStk=X-X)を取得することができる。
[状態量推定部320による状態量の推定演算]
状態量推定部320は、前輪FWの車輪速変動量ΔVを外力として扱うことで車両1の各種状態量を推定(算出)することができる。
振動低減機構94のモデルに、荷重f(接地変動荷重)を入力fすると、運動方程式は以下の式(1)で表すことができる。
f=M・d/dt+M・d/dt・・・・(1)
ここで、Mは、ばね下質量を示し、Mは、ばね上質量を示す。また、Xは、振動低減機構94における、ばね下質量Mの上下方向位置を示し、Xは、振動低減機構94における、ばね上質量Mの上下方向位置を示す。また、d/dtは、ばね下質量Mに作用する上下方向加速度であり、d/dtは、ばね上質量Mに作用する上下方向加速度である。
ここで、ばね下質量M及び、ばね上質量Mは既知である。一方、入力fとしては、ばね下荷重である、荷重f(接地変動荷重)のほか、多段弾性部材200に作用する荷重(圧縮力)fが含まれるが、荷重(圧縮力)fは振動低減機構94のモデルにおいて、荷重f(接地変動荷重)に基づいて求めることができる。
そこで、荷重f(接地変動荷重)が車輪速V(車輪速変動量ΔV)に基づいて算出できれば、荷重f(接地変動荷重)、及び、荷重fに基づいて算出した荷重(圧縮力)fを、荷重の入力値f(f、f)とすることができる。また、荷重の入力値f(f、f)、多段弾性部材200のばね定数(初期の推定演算ではKを用いる)や、ばね下質量M、ばね上質量Mを考慮したシステム行列を用いることにより、状態量推定部320は、振動低減機構94のモデルにおける各種状態量を取得することができる。すなわち、状態量推定部320は、各種状態量として、ばね下およびばね上の上下方向加速度d/dt、d/dtや、ばね下速度dX/dt、ばね上速度dX/dt、ばね上速度とばね下速度との差分を示すストローク速度S(=dX/dt-dX/dt)等を取得することができる。
具体的に説明すると、上記の式(1)のM・d/dt及びM・d/dtは、それぞれ以下の式(2)、式(3)のように表すことができる。
・d/dt=f-K・(X-X)-f・ ・・・(2)
・d/dt=K・(X-X)+f・・・・(3)
ここで、fは、ばね下荷重である、接地変動荷重であり、fは、多段弾性部材200に作用する荷重(圧縮力)である。また、Kは、初期の推定演算で用いるばね定数である。初期値として、第1コイルばねのばね定数が設定された場合、初期値のばね定数Kは第1ばね定数Kである。式(2)、式(3)における初期値のばね定数Kの設定は、状態量の推定演算の結果により変更可能なパラメータである。例えば、状態量の推定演算の結果に基づいて、初期値として合成ばね定数K12が設定されてもよい。また、後述する第2実施形態では、初期値として合成ばね定数K13が設定されてもよく、第3実施形態では、初期値として合成ばね定数K12が設定されてもよく合成ばね定数K23が設定されてもよい。ばね定数Kの設定は、後述する式(6)における設定でも同様である。
そして、図4の振動低減機構94のモデルにおいて、状態量推定部320は、以下の式(4)の状態方程式を生成し、入力ベクトルf(f、f)から以下の式(5)の状態変数を算出する。
dx/dt=Ax+Bf ・・・・(4)
x=[X dX/dt dX/dt]・・・・(5)
ここで、式(4)、式(5)において、xは状態変数ベクトルであり、A、Bはシステム行列である。上記の式(2)~式(5)から、式(4)は、以下の式(6)として表される。式(6)において、Kは図6のステップS61で設定される荷重変位特性の弾性係数(ばね定数:初期値)、または、ステップS67で変更される荷重変位特性の弾性係数(ばね定数:変更初期値)である。また、式(6)において、「・」は時間微分を示し、「・・」は時間の2階微分を示す。
Figure 0007323585000001
図5は状態量推定部320の処理を説明するブロック図である。図5において、「1/S」は積分演算を示すものとする。式(6)のような状態方程式を用いた、振動低減機構94のモデルに関して、状態量推定部320は、図5に示すようなシステム行列Bを用いた演算器510に入力ベクトルf(f、f)を入力する。そして、状態量推定部320は、演算器510からの出力を、加算器520を介して積分器530に入力する。そして、状態量推定部320は、積分器530からの出力を、システム行列Aを用いた演算器540に入力し、演算器540からの出力を加算器520に戻す処理を行う。これらの処理に基づいて、状態量推定部320は、第1~第4観測行列550~580の出力を得ることにより、ばね下位置X、ばね上位置X、ばね上速度S(dX/dt)、およびストローク速度S(dX/dt-dX/dt)を推定(算出)することができる。
なお、第1観測行列550は、ばね下位置観測行列であり、[1 0 0 0]である。第2観測行列560は、ばね上位置観測行列であり、[0 1 0 0]である。第3観測行列570は、ばね上速度観測行列であり、[0 0 0 1]である。第4観測行列580は、ストローク速度観測行列であり、[0 0 -1 1]である。
状態量推定部320は、車輪速変動量ΔVから変換した荷重f(接地変動荷重)を用いて、図5に示した演算器510、加算器520、積分器530、演算器540、第1~第4観測行列550~580を用いた一連の演算処理を行うことにより、状態量として、ばね下位置X、ばね上位置X、ばね上速度Sおよびストローク速度S(=dX/dt-dX/dt)を推定(算出)することができる。
すなわち、状態量推定部320は、車輪速V(車輪速変動量ΔV)に基づいた、荷重f(接地変動荷重)を振動低減機構94のモデルに入力することにより、多段弾性部材200のストローク速度Sを算出することができる。
状態量推定部320は、更に、所定時間(例えば、時刻T~時刻T)におけるストローク速度Sを逐次算出し、積分器590で積分処理を行うことで、現時点における多段弾性部材200のストロークStk(ばね上位置Xと、ばね下位置Xとの差分(X-X)であるストローク量(ストロークStkを)を推定(算出)することができる。ここで推定(算出)される多段弾性部材200のストロークStkは、荷重f(接地変動荷重)が振動低減機構94に入力された際に、多段弾性部材200に作用する荷重fに基づいて生じたストローク量となる。
接地荷重(接地変動荷重)である荷重fからストローク速度S等の状態量を算出し、ストローク速度Sを積分することにより、現時点における多段弾性部材200のストロークStkを取得することができる。これにより、車両1に上下Gセンサ(加速度センサ)や多段弾性部材200のストローク(ばね上位置Xと、ばね下位置Xとの差分)を検出するストロークセンサを設ける必要がなく、推定装置300のコスト低減を図ることができる。
[推定装置の処理の流れ]
次に、推定装置300の処理の流れを説明する。図6は、推定装置300の処理の流れを説明する図である。
ステップS61において、推定装置300の処理部311は、状態量の推定演算(S65)で使用するパラメータとして、荷重とストローク量(変位量)との関係を示す荷重変位特性の初期値を設定する。処理部311は、荷重変位特性の初期値として、第1コイルばね210の荷重とストローク量(変位量)との関係(図2(B))を示す第1荷重変位特性231(第1ばね定数K)を設定する。なお、初期値の設定は第1荷重変位特性231(第1ばね定数K)に限定されるものでなく、第2荷重変位特性232であってもよい。
ステップS62において、車輪速センサ302は、前輪FWの回転速度の検出値(検出信号)に対応する車輪速を取得し、検出値を推定装置300に入力する。
ステップS63において、推定装置300の荷重算出部310は、車輪速センサ302から入力された前輪FWの車輪速Vの検出信号に対して、バンドパスフィルタを用いたバンドパス処理を行い、車輪速変動量ΔVを取得する。
ステップS64において、荷重算出部310は、車輪速変動量ΔVと荷重f(接地変動荷重)とが一定の相関関係(比例関係)にあることを利用して、前輪FWの車輪速変動量ΔVを荷重f(接地変動荷重)に変換する。すなわち、状態量推定部320は、f=kΔV(k:比例定数)の変換式に基づいて、前輪FWの車輪速変動量ΔVを荷重f(接地変動荷重)に変換する。
ステップS65において、状態量推定部320は、荷重f(接地変動荷重)を用いて、車両1の振動低減機構94における各種状態量を推定(算出)する。状態量推定部320による状態量の推定演算は、先に説明した式(1)~式(6)及び図5のブロック図による演算処理である。
状態量推定部320は、車輪速変動量ΔVから変換した荷重f(接地変動荷重)を用いて、図5に示した演算器510、加算器520、積分器530、演算器540、第1~第4観測行列550~580を用いた一連の演算処理を行うことにより、状態量として、ばね下位置X、ばね上位置X、ばね上速度Sおよびストローク速度Sを推定(算出)する。
また、状態量推定部320は、所定時間におけるストローク速度Sを逐次算出し、積分器590で積分処理を行うことで、現時点における多段弾性部材200のストロークStk(ばね上位置Xと、ばね下位置Xとの差分)を推定(算出)する。
ステップS66において、推定装置300の特性変更部330は、記憶部(ROM312a)のデータベースを参照して、推定された多段弾性部材200のストローク量(ストロークStk)が、推定演算で用いた荷重変位特性のストローク量の範囲内であるか否かを判定する。初期の推定演算では、初期値として設定された第1荷重変位特性231(第1ばね定数K)が使用されている。
特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)が、第1荷重変位特性231のストローク量の範囲内(0~δ)であれば、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性と、初期設定の第1荷重変位特性とは同一と判定し(S66-No)、処理をステップS69に進める。
ステップS69において、特性変更部330は、状態量推定部320により推定されたストローク量に対応する推定荷重変位特性と、初期値として設定された荷重変位特性とが一致する場合に、初期値の設定を維持する。すなわち、特性変更部330は、推定演算で用いる荷重変位特性の設定を維持する。推定演算で用いる荷重変位特性として、例えば、第1荷重変位特性231が設定されている場合、特性変更部330は、第1荷重変位特性231の設定を維持する。
そして、推定装置300の制御処理部340は、ステップS65で推定された状態量(例えば、ストローク量)を用いて、車両1の各種の動作制御を行う。制御処理部340は、粘性減衰部材250の内部に充填された作動油の絞りの流路面積を、推定されたストローク量に基づいて調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御する。例えば、制御処理部340は、ソレノイドバルブやステッピングモータなどのアクチュエータにより、粘性減衰部材250の内部に形成された絞りの流路面積を可変にする弁体を駆動して流路面積を調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御する。これにより、路面の状況変化に応じて生じる振動を抑制する制振制御が可能になる。
制御処理部340は、処理をステップS62に戻し、推定装置300は、同様の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS66の判定において、特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)が、第1荷重変位特性231のストローク量の範囲内(0~δ)でなければ、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)と、初期設定の第1荷重変位特性とは異なると判定する。
例えば、推定されたストローク量(ストロークStk)が、ストローク量の範囲内(δ~δ)である場合、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性は第2荷重変位特性232となる。この場合、特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する第2荷重変位特性232と、初期設定の第1荷重変位特性231とは異なると判定し(S66-Yes)、処理をステップS67に進める。
ステップ67において、特性変更部330は、推定演算で用いる荷重変位特性の設定を変更する。状態量推定部320が、第1荷重変位特性231を初期値とした演算により、推定荷重変位特性として第2荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、特性変更部330は、第1荷重変位特性231を初期値とした設定を第2荷重変位特性232に変更する。推定演算で用いる荷重変位特性として、例えば、第1荷重変位特性231が設定されている場合、特性変更部330は、第1荷重変位特性231の設定を第2荷重変位特性232に変更する。この設定変更により、ステップS61で初期値として設定された第1荷重変位特性231は、第2荷重変位特性232に変更される。
次回のステップS65における状態量の推定演算では、変更された第2荷重変位特性232が初期値(変更初期値)となる。初期値の設定は固定的なものではなく、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性と、初期設定の荷重変位特性とが異なる場合(S66-Yes)、特性変更部330は、初期値または変更初期値の荷重変位特性の設定を、新たに推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)に逐次変更する。
なお、本実施形態では、多段弾性部材200の構成が、第1コイルばね(初期ばね)210と第2コイルばね(2段ばね)220とを車両1の上下方向に配置した多段ばねの構成について説明しているが、3つ以上のコイルばねを車両1の上下方向に配置した場合でも同様である。例えば、3つのコイルばねを車両1の上下方向に配置した構成では、特性変更部330は、推定演算の結果に基づいて、各コイルばねに対応した3つの荷重変位特性のうち、いずれか一つの荷重変位特性を選択して、変更することが可能である。
そして、ステップS68において、状態量推定部320は、第2荷重変位特性232を用いて、推定演算を行う。本ステップで実行する推定演算は、ステップS65の推定演算と同様のものであるが、状態量の推定演算で使用するパラメータのうち第2荷重変位特性232に対応するパラメータが変更される。具体的には、式(6)の状態方程式において、システム行列Aの係数Kに、第2荷重変位特性232に対応した多段弾性部材200の全体的なばね定数として、第2コイルばね220単体の第2ばね定数Kと第1コイルばね210の第1ばね定数Kとを合成した合成弾性係数(合成ばね定数K12)が設定される。
状態量推定部320は、係数Kに合成ばね定数K12が設定されたシステム行列Aを用いて取得した推定演算の結果に基づいて、先のステップS65の推定演算で取得した状態量を補正する。状態量推定部320は、第2荷重変位特性232を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、第1荷重変位特性231を初期値とした演算により推定したストローク量を補正する。式(6)のシステム行列Aの係数Kに第2荷重変位特性232に対応した合成ばね定数K12が設定されると、状態量推定部320は、合成ばね定数K12が設定されたシステム行列Aに基づいて状態量を算出する。状態量推定部320は、第1荷重変位特性231(第1ばね定数K)に基づいて推定した状態量(例えば、図2(B)のFに対応する変位δ)に、第2荷重変位特性232(合成ばね定数K12)に基づいて推定した状態量(例えば、図2(B)のFに対応する変位STと変位δとの差分:STーδ)を加算した状態量(合成状態量)により、ステップS65の推定演算で取得した状態量を補正する。
そして、制御処理部340は、補正された状態量を用いて、車両1の各種の動作制御を行う。例えば、制御処理部340は、粘性減衰部材250の内部に充填された作動油の流路面積を可変にする弁体を、推定された状態量に基づいたアクチュエータの制御により駆動して、流路面積を調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御する。これにより、路面の状況変化に応じて生じる振動を抑制する制振制御が可能になる。
そして、制御処理部340は、処理をステップS62に戻し、推定装置300は、同様の処理を繰り返し実行する。
なお、ステップS61において、初期値として第2荷重変位特性232を設定した場合や、ステップS67において、変更された初期値(変更初期値)として第2荷重変位特性232を設定した場合も同様である。状態量推定部320が、第2荷重変位特性232を初期値とした演算により、推定荷重変位特性として第1荷重変位特性231のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に(S66-Yes)、特性変更部330は、第2荷重変位特性232を初期値とした設定を第1荷重変位特性231に変更する(S67)。
状態量推定部320は、第1荷重変位特性231を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、第2荷重変位特性232を初期値とした演算により推定したストローク量を補正する(S68)。
本実施形態によれば、第1コイルばね210と第2コイルばね220とを有する多段弾性部材200の状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
すなわち、推定演算により推定されたストローク量に対応する荷重変位特性と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とが異なる場合には、両者を合わせるように荷重変位特性を変更することにより、状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態の構成を説明する。先に説明した第1実施形態では、多段弾性部材200(多段ばね)の構成として、第1コイルばね210と第2コイルばね220とが車両1の上下方向に配置された構成を説明したが、本実施形態では、第2コイルばね220の代わりの部材として、バンプストップラバー(以下、単に、「ラバー」ともいう)を用いた構成を説明する。
図7(A)は第1実施形態の振動低減機構94を構成する多段弾性部材200の概略的な構成例を示す図であり、本実施形態において、振動低減機構94を構成する多段弾性部材200は、第1コイルばね(初期ばね)210の内側にラバー730が内挿され、第1コイルばねとラバー730とが並列に配置された構成を有する。
図7(B)は多段弾性部材200に作用する荷重(圧縮力)とストローク量(変位量)の関係を例示する図である。図7(B)において、第1荷重変位特性231は、第1コイルばね210の荷重とストローク量(変位量)との関係を示す。第1荷重変位特性231の傾きは、第1コイルばね210の第1ばね定数Kである。また、第3荷重変位特性732は、第1コイルばね210及びラバー730に対する荷重とストローク量(変位量)との関係を示す。第3荷重変位特性732の傾き(K13)は、ラバー730の第3ばね定数Kと第1コイルばね210の第1ばね定数Kとを合成した合成弾性係数(合成ばね定数K13)である。本実施形態の多段弾性部材は、第1部材のばね(第1コイルばね210)と、第3部材のラバー(ラバー730)とを有する。第1部材の第1弾性係数(第1ばね定数K)を傾きとする第1荷重変位特性231を示す直線と、第1部材の第1弾性係数(第1ばね定数K)及び第3部材(ラバー730)の第3弾性係数(第3ばね定数K3)を合成した合成弾性係数(合成ばね定数K13)を傾きとする第3荷重変位特性732と、が接続する接続点733での傾きは不連続となる。
図7(B)に示すように、第1荷重変位特性231と第3荷重変位特性732とは接続点733で接続する。第1荷重変位特性231と、第3荷重変位特性732とは傾きが異なるため(K≠K)、両者が接続する接続点733では傾きが不連続(折れ点)となる。
荷重0から荷重F以下の範囲では、第1荷重変位特性231に示すように、第1コイルばね210が弾性変位する。荷重Fにおいて、第1コイルばね210のストローク量(変位量)は変位δとなる。荷重0から荷重F以下の範囲では、第1荷重変位特性231は一定の傾き(第1ばね定数K)で線形に変化し、変位δは、第1コイルばね210の弾性変位における最大の変位を示す。
荷重Fを超える荷重が作用すると、第1コイルばね210が変位δまで変位した状態で、ラバー730に接触後は第3荷重変位特性732に基づいてラバー730が変位する。荷重Fにおいて、ラバー730のストローク量(変位量)はδであり、第1コイルばね210及びラバー730のストローク量(変位量)は変位δとなる。荷重Fから荷重F以下の範囲では、第3荷重変位特性732は傾き(第3ばね定数K)で変化し、変位δは、第1コイルばね210及びラバー730の弾性変位における最大の変位を示す。
図6で説明した、状態量の推定演算(S65)において、ストローク量(ストロークStk)を精度よく求めるためには、推定演算により推定されたストローク量に対応する荷重変位特性と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とが異なるか否かを判定し、両者が異なる場合には、荷重変位特性を変更する(切り替える)ことが必要となる。
推定演算により推定されたストローク量が初期設定の荷重変位特性の荷重範囲内にある場合、特性変更部330は、推定演算により推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とは同一と判定する。
一方、推定演算により推定されたストローク量が初期設定の荷重変位特性(例えば、231)の荷重範囲内にない場合、すなわち、ストローク量が接続点733(折れ点)を超えて、他の荷重変位特性(例えば、732)の荷重範囲内にある場合、特性変更部330は、推定演算により推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とは異なると判定する。
[推定装置の処理の流れ]
推定装置300の処理の基本的な流れは図6と同様であるが、ステップS66~S68における処理で、第2コイルばね220の代わりにラバー730を用いる点で相違する。
ステップS66において、推定装置300の特性変更部330は、記憶部(ROM312a)のデータベースを参照して、推定された多段弾性部材200のストローク量(ストロークStk)が、推定演算で用いた荷重変位特性のストローク量の範囲内であるか否かを判定する。初期の推定演算では、初期値として設定された第1荷重変位特性231(第1ばね定数K)が使用されている。特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)が、第1荷重変位特性231のストローク量の範囲内(0~δ)であれば、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性と、初期設定の第1荷重変位特性とは同一と判定し(S66-No)、処理をステップS69に進める。
ステップS69において、特性変更部330は、状態量推定部320により推定されたストローク量に対応する推定荷重変位特性と、初期値として設定された荷重変位特性とが一致する場合に、初期値の設定を維持する。すなわち、特性変更部330は、推定演算で用いる荷重変位特性の設定を維持する。推定演算で用いる荷重変位特性として、例えば、第1荷重変位特性231が設定されている場合、特性変更部330は、第1荷重変位特性231の設定を維持する。
一方、ステップS66の判定において、特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)が、第1荷重変位特性231のストローク量の範囲内(0~δ)でなければ、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)と、初期設定の第1荷重変位特性とは異なると判定する。例えば、推定されたストローク量(ストロークStk)が、接続点733(折れ点)を超えたストローク量の範囲内(δ~δ)である場合、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性は第3荷重変位特性732となる。この場合、特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する第3荷重変位特性732と、初期設定の第1荷重変位特性231とは異なると判定し(S66-Yes)、処理をステップS67に進める。
ステップ67において、特性変更部330は、推定演算で用いる荷重変位特性の設定を変更する。状態量推定部320が、第1荷重変位特性231を初期値とした演算により、推定荷重変位特性として第3荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、特性変更部330は、第1荷重変位特性231を初期値とした設定を第3荷重変位特性732に変更する。推定演算で用いる荷重変位特性として、例えば、第1荷重変位特性231が設定されている場合、特性変更部330は、第1荷重変位特性231の設定を第3荷重変位特性732に変更する。この設定変更により、ステップS61で初期値として設定された第1荷重変位特性231は、第3荷重変位特性732に変更される。
次回のステップS65における状態量の推定演算では、変更された第3荷重変位特性732が初期値(変更初期値)となる。初期値の設定は固定的なものではなく、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)と、初期設定の荷重変位特性とが異なる場合(S66-Yes)、特性変更部330は、初期値または変更初期値の荷重変位特性の設定を、新たに推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)に逐次変更する。
そして、ステップS68において、状態量推定部320は、変更された第3荷重変位特性732を用いて、推定演算を行う。本ステップで実行する推定演算は、ステップS65の推定演算と同様のものであるが、状態量の推定演算で使用するパラメータのうち第3荷重変位特性732に対応するパラメータが変更される。具体的には、式(6)の状態方程式において、システム行列Aの係数Kに、第3荷重変位特性732に対応した多段弾性部材200の全体的なばね定数として、合成ばね定数K13が設定される。
状態量推定部320は、係数Kに合成ばね定数K13が設定されたシステム行列Aを用いて取得した推定演算の結果に基づいて、先のステップS65の推定演算で取得した状態量を補正する。状態量推定部320は、第3荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、第1荷重変位特性を初期値とした演算により推定したストローク量を補正する。式(6)のシステム行列Aの係数Kに第3荷重変位特性732に対応した合成ばね定数K13が設定されると、状態量推定部320は、合成ばね定数K13が設定されたシステム行列Aに基づいて状態量を算出する。状態量推定部320は、第1荷重変位特性231(第1ばね定数K)に基づいて推定した状態量に、第3荷重変位特性732(合成ばね定数K13)に基づいて推定した状態量を加算した状態量(合成状態量)により、ステップS65の推定演算で取得した状態量を補正する。
そして、制御処理部340は、補正された状態量を用いて、車両1の各種の動作制御を行う。制御処理部340は、粘性減衰部材250の内部に充填された作動油の絞りの流路面積を、推定されたストローク量に基づいて調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御する。例えば、制御処理部340は、ソレノイドバルブやステッピングモータなどのアクチュエータにより、粘性減衰部材250の内部に形成された絞りの流路面積を可変にする弁体を駆動して流路面積を調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御する。これにより、路面の状況変化に応じて生じる振動を抑制する制振制御が可能になる。
そして、制御処理部340は、処理をステップS62に戻し、推定装置300は、同様の処理を繰り返し実行する。
なお、ステップS61において、初期値として第3荷重変位特性732を設定した場合や、ステップS67において、変更された初期値(変更初期値)として第3荷重変位特性732を設定した場合も同様である。状態量推定部320が、第3荷重変位特性732を初期値とした演算により、推定荷重変位特性として第1荷重変位特性231のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に(S66-Yes)、特性変更部330は、第3荷重変位特性732を初期値とした設定を第1荷重変位特性231に変更する(S67)。
状態量推定部320は、第1荷重変位特性231を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、第3荷重変位特性732を初期値とした演算により推定したストローク量を補正する(S68)。
本実施形態によれば、第1コイルばね210とラバー730とを有する多段弾性部材200の状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
すなわち、推定演算により推定されたストローク量に対応する荷重変位特性と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とが異なる場合には、両者を合わせるように荷重変位特性を変更することにより、状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態の構成を説明する。先に説明した第1実施形態では、多段弾性部材200(多段ばね)の構成として、第1コイルばね210と第2コイルばね220とが車両1の上下方向に配置された構成を説明し、第2実施形態では、第1コイルばね210とラバー730とが並列に配置された構成を説明した。本実施形態では、第1コイルばね210と、第2コイルばね220とが車両1の上下方向に直列に配置され、第2コイルばね220とラバー730とが並列に配置された構成を説明する。
図8(A)は第3実施形態の振動低減機構94を構成する多段弾性部材200の概略的な構成例を示す図であり、本実施形態において、振動低減機構94を構成する多段弾性部材200は、第1コイルばね(初期ばね)210と、第2コイルばね220とが車両1の上下方向に配置され、第2コイルばね220の内側にラバー730が内挿され、第2コイルばね220とラバー730とが並列に配置された構成を有する。
図8(B)は多段弾性部材200に作用する荷重(圧縮力)とストローク量(変位量)の関係を例示する図である。図8(B)において、第1荷重変位特性231は、第1コイルばね210の荷重とストローク量(変位量)との関係を示す。第1荷重変位特性231の傾きは、第1コイルばね210の第1ばね定数Kである。第2荷重変位特性232は、第1コイルばね210及び第2コイルばね220に対する荷重とストローク量(変位量)との関係を示す。第2荷重変位特性232の傾き(K12)は、第2コイルばね220の第2ばね定数Kと第1コイルばね210の第1ばね定数Kとを合成した合成弾性係数(合成ばね定数K12)である。
また、第3荷重変位特性732は、第2コイルばね220及びラバー730に対する荷重とストローク量(変位量)との関係を示す。第3荷重変位特性732の傾き(K23)は、ラバー730の第3ばね定数Kと第2コイルばね220の第2ばね定数Kとを合成した合成弾性係数(合成ばね定数K23)である。本実施形態の多段弾性部材200は、第1部材のばね(第1コイルばね210)と、第2部材のばね(第2コイルばね220)と、第3部材のラバー(ラバー730)とを有する。第1部材の第1弾性係数(第1ばね定数K)を傾きとする第1荷重変位特性231を示す直線と、第1弾性係数(第1ばね定数K)及び第2部材の第2弾性係数(第2ばね定数K)を合成した合成弾性係数(合成ばね定数K12)を傾きとする第2荷重変位特性232を示す直線と、が接続する接続点233での傾きは不連続となる。また、第2荷重変位特性232を示す直線と、第2弾性係数(第2ばね定数K)及び第3部材(ラバー730)の第3弾性係数(第3ばね定数K)を合成した合成弾性係数(合成ばね定数K23)を傾きとする第3荷重変位特性732と、が接続する接続点833での傾きは不連続となる。
図8(B)に示すように、第1荷重変位特性231と第2荷重変位特性232とは接続点233で接続する。また、第2荷重変位特性232と第3荷重変位特性732とは接続点833で接続する。第1荷重変位特性231と、第2荷重変位特性232とは傾きが異なるため(K≠K)、両者が接続する接続点233では傾きが不連続(第1折れ点)となる。また、第2荷重変位特性232と、第3荷重変位特性732とは傾きが異なるため(K≠K)、両者が接続する接続点833では傾きが不連続(第2折れ点)となる。
荷重0から荷重F以下の範囲では、第1荷重変位特性231に示すように、第1コイルばね210が弾性変位する。荷重Fにおいて、第1コイルばね210のストローク量(変位量)は変位δとなる。荷重0から荷重F以下の範囲では、第1荷重変位特性231は一定の傾き(第1ばね定数K)で線形に変化し、変位δは、第1コイルばね210の弾性変位における最大の変位を示す。
荷重Fを超える荷重が作用すると、第1コイルばね210が変位δまで変位した状態で、第2コイルばね220が弾性変位する。荷重Fにおいて、第2コイルばね220のストローク量(変位量)はδであり、第1コイルばね210及び第2コイルばね220のストローク量(変位量)は変位δとなる。荷重Fから荷重F以下の範囲では、第2荷重変位特性232は一定の傾き(合成ばね定数K12)で線形に変化し、変位δは、第1コイルばね210及び第2コイルばね220の弾性変位における最大の変位を示す。
荷重Fを超える荷重が作用すると、第1コイルばね210及び第2コイルばね220が変位δまで変位した状態で、ラバー730が弾性変位する。荷重Fにおいて、ラバー730のストローク量(変位量)はδであり、第1コイルばね210、第2コイルばね220及びラバー730のストローク量(変位量)は変位δとなる。荷重Fから荷重F以下の範囲では、第3荷重変位特性732は傾き(第3ばね定数K)で変化し、変位δは、第1コイルばね210、第2コイルばね220及びラバー730における最大の変位を示す。
図6で説明した、状態量の推定演算(S65)において、ストローク量(ストロークStk)を精度よく求めるためには、推定演算により推定されたストローク量に対応する荷重変位特性と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とが異なるか否かを判定し、両者が異なる場合には、荷重変位特性を変更する(切り替える)ことが必要となる。
推定演算により推定されたストローク量が初期設定の荷重変位特性の荷重範囲内にある場合、特性変更部330は、推定演算により推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とは同一と判定する。
一方、推定演算により推定されたストローク量が初期設定の荷重変位特性(例えば、231)の荷重範囲内にない場合、すなわち、ストローク量が接続点233(第1折れ点)または接続点833(第2折れ点)を超えて、他の荷重変位特性(例えば、232、732)の荷重範囲内にある場合、特性変更部330は、推定演算により推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とは異なると判定する。
[推定装置の処理の流れ]
推定装置300の処理の基本的な流れは図6と同様であるが、ステップS66~S68における処理で、第1コイルばね210、第2コイルばね220、及びラバー730を用いる点で相違する。
ステップS66において、推定装置300の特性変更部330は、記憶部(ROM312a)のデータベースを参照して、推定された多段弾性部材200のストローク量(ストロークStk)が、推定演算で用いた荷重変位特性のストローク量の範囲内であるか否かを判定する。初期の推定演算では、初期値として設定された第1荷重変位特性231(第1ばね定数K)が使用されている。特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)が、第1荷重変位特性231のストローク量の範囲内(0~δ)であれば、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性と、初期設定の第1荷重変位特性とは同一と判定し(S66-No)、処理をステップS69に進める。
ステップS69において、特性変更部330は、状態量推定部320により推定されたストローク量に対応する推定荷重変位特性と、初期値として設定された荷重変位特性とが一致する場合に、初期値の設定を維持する。すなわち、特性変更部330は、推定演算で用いる荷重変位特性の設定を維持する。推定演算で用いる荷重変位特性として、例えば、第1荷重変位特性231が設定されている場合、特性変更部330は、第1荷重変位特性231の設定を維持する。
一方、ステップS66の判定において、特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)が、第1荷重変位特性231のストローク量の範囲内(0~δ)でなければ、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性と、初期設定の第1荷重変位特性とは異なると判定する。
例えば、推定されたストローク量(ストロークStk)が、接続点233(第1折れ点)を超えたストローク量の範囲内(δ~δ)である場合、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)は、第2荷重変位特性232となる。この場合、特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する第2荷重変位特性232(推定荷重変位特性)と、初期設定の第1荷重変位特性とは異なると判定し(S66-Yes)、処理をステップS67に進める。
あるいは、推定されたストローク量(ストロークStk)が、接続点733(第2折れ点)を超えたストローク量の範囲内(δ~δ)である場合、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)は、第3荷重変位特性732となる。この場合、特性変更部330は、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する第3荷重変位特性732(推定荷重変位特性)と、初期設定の第1荷重変位特性とは異なると判定し(S66-Yes)、処理をステップS67に進める。
ステップ67において、特性変更部330は、推定演算で用いる荷重変位特性の設定を変更する。状態量推定部320が、第1荷重変位特性231を初期値とした演算により、推定荷重変位特性として、第2荷重変位特性232のストローク範囲内のストローク量および第3荷重変位特性732のストローク範囲内のストローク量のうちいずれか一方のストローク量を推定した場合に、特性変更部330は、第1荷重変位特性231を初期値とした設定を、前記の一方のストローク量に対応した荷重変位特性に変更する。推定演算で用いる荷重変位特性として、例えば、第1荷重変位特性231が設定されている場合、特性変更部330は、ステップS66の判定結果に基づいて、第1荷重変位特性231の設定を、第2荷重変位特性232または第3荷重変位特性732に変更する。この設定変更により、ステップS61で初期値として設定された第1荷重変位特性231は、第2荷重変位特性232または第3荷重変位特性732に変更される。
次回のステップS65における状態量の推定演算では、変更された第2荷重変位特性232または第3荷重変位特性732が初期値(変更初期値)となる。初期値の設定は固定的なものではなく、推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)と、初期設定の荷重変位特性とが異なる場合(S66-Yes)、特性変更部330は、初期値の荷重変位特性の設定を、新たに推定されたストローク量(ストロークStk)に対応する荷重変位特性(推定荷重変位特性)に逐次変更する。
そして、ステップS68において、状態量推定部320は、変更された第2荷重変位特性232または第3荷重変位特性732を用いて、推定演算を行う。本ステップで実行する推定演算は、ステップS65の推定演算と同様のものであるが、状態量の推定演算で使用するパラメータのうち第2荷重変位特性232または第3荷重変位特性732に対応するパラメータが変更される。
第1荷重変位特性231から第2荷重変位特性232に変更された場合、式(6)の状態方程式において、システム行列Aの係数Kに、第2荷重変位特性232に対応した多段弾性部材200の全体的なばね定数として、合成ばね定数K12が設定される。
また、第1荷重変位特性231から第3荷重変位特性732に変更された場合、式(6)の状態方程式において、システム行列Aの係数Kに、第3荷重変位特性732に対応した多段弾性部材200の全体的なばね定数として、合成ばね定数K23が設定される。
状態量推定部320は、係数Kに合成ばね定数K12が設定されたシステム行列Aを用いて取得した推定演算の結果に基づいて、先のステップS65の推定演算で取得した状態量を補正する。状態量推定部320は、前記の一方のストローク量に対応した荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、第1荷重変位特性231を初期値とした演算により推定したストローク量を補正する。式(6)のシステム行列Aの係数Kに第2荷重変位特性232に対応した合成ばね定数K12が設定されると、状態量推定部320は、合成ばね定数K12が設定されたシステム行列Aに基づいて状態量を算出する。この場合、状態量推定部320は、第1荷重変位特性231(第1ばね定数K)に基づいて推定した状態量に、第2荷重変位特性232(合成ばね定数K12)に基づいて推定した状態量を加算した状態量(合成状態量)により、ステップS65の推定演算で取得した状態量を補正する。
また、式(6)のシステム行列Aの係数Kに第3荷重変位特性732に対応した合成ばね定数K23が設定されると、状態量推定部320は、合成ばね定数K23が設定されたシステム行列Aに基づいて状態量を算出する。この場合、状態量推定部320は、第1荷重変位特性231(第1ばね定数K)で推定した状態量、及び、第2荷重変位特性232(合成ばね定数K12)に基づいて推定した状態量に、第3荷重変位特性732(合成ばね定数K23)に基づいて推定した状態量を加算した状態量(合成状態量)により、ステップS65の推定演算で取得した状態量を補正する。
そして、制御処理部340は、補正された状態量を用いて、車両1の各種の動作制御を行う。制御処理部340は、粘性減衰部材250の内部に充填された作動油の絞りの流路面積を、推定されたストローク量に基づいて調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御する。例えば、制御処理部340は、ソレノイドバルブやステッピングモータなどのアクチュエータにより、粘性減衰部材250の内部に形成された絞りの流路面積を可変にする弁体を駆動して流路面積を調節することにより粘性減衰部材250の減衰力を制御する。これにより、路面の状況変化に応じて生じる振動を抑制する制振制御が可能になる。
そして、制御処理部340は、処理をステップS62に戻し、推定装置300は、同様の処理を繰り返し実行する。
なお、ステップS61において、初期値として、第2荷重変位特性232および第3荷重変位特性732のうちいずれか一方の荷重変位特性を設定した場合や、ステップS67において、変更された初期値(変更初期値)として第2荷重変位特性232および第3荷重変位特性732のうちいずれか一方の荷重変位特性を設定した場合も同様である。状態量推定部320が、第2荷重変位特性232および第3荷重変位特性732のうちいずれか一方の荷重変位特性を初期値とした演算により、推定荷重変位特性として第1荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に(S66-Yes)、特性変更部330は、前記の一方の荷重変位特性を初期値とした設定を第1荷重変位特性231に変更する(S67)。
状態量推定部320は、第1荷重変位特性231を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記の一方の荷重変位特性を初期値とした演算により推定したストローク量を補正する(S68)。
本実施形態によれば、第1コイルばね210と第2コイルばね220とラバー730とを有する多段弾性部材200の状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
すなわち、推定演算により推定されたストローク量に対応する荷重変位特性と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とが異なる場合には、両者を合わせるように荷重変位特性を変更することにより、状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
[実施形態のまとめ]
構成1.上記実施形態の推定装置は、荷重と変位の関係を示す荷重変位特性が異なる複数の部材を配置した多段弾性部材(200)における車両(1)の上下方向の変位を示すストローク量を推定する推定装置(300)であって、
前記車両の車輪速を検出する車輪速センサの検出信号に基づいて、前記車両の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する荷重算出手段(310)と、
前記複数の部材のうち、いずれか一つの部材の荷重変位特性を初期値として設定した前記多段弾性部材と、前記接地変動荷重とに基づいて、前記多段弾性部材に生じる前記ストローク量を推定する状態量推定手段(320)と、
前記状態量推定手段により推定されたストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが異なる場合に、前記初期値の設定を前記推定荷重変位特性に変更する特性変更手段(330)と、
を備え、
前記状態量推定手段(320)は、前記特性変更手段により変更された前記推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記ストローク量を補正する。
構成1の実施形態によれば、荷重と変位の関係を示す荷重変位特性が異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量の推定精度を向上することができる。
構成2.上記実施形態では、前記多段弾性部材(200)は、第1部材のばね(第1コイルばね210)と、第2部材のばね(第2コイルばね220)とを有し、
前記第1部材の第1弾性係数(第1ばね定数K)を傾きとする第1荷重変位特性(231)を示す直線と、前記第1弾性係数(第1ばね定数K)及び前記第2部材の第2弾性係数(第2ばね定数K)を合成した合成弾性係数(合成ばね定数K12)を傾きとする第2荷重変位特性(232)を示す直線と、が接続する接続点(233)での傾きは不連続となる。
構成3.上記実施形態では、前記状態量推定手段が、前記第1荷重変位特性を初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第2荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
前記特性変更手段は、前記第1荷重変位特性を初期値とした設定を前記第2荷重変位特性に変更する。
構成4.上記実施形態では、前記状態量推定手段は、前記第2荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記第1荷重変位特性を初期値とした演算により推定した前記ストローク量を補正する。
構成5.上記実施形態では、前記状態量推定手段が、前記第2荷重変位特性を初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第1荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
前記特性変更手段は、前記第2荷重変位特性を初期値とした設定を前記第1荷重変位特性に変更する。
構成6.上記実施形態では、前記状態量推定手段は、前記第1荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記第2荷重変位特性を初期値とした演算により推定した前記ストローク量を補正する。
構成2乃至構成6の実施形態によれば、第1コイルばね210と第2コイルばね220とを車両1の上下方向に配置した多段弾性部材200を用いた状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
すなわち、推定演算により推定されたストローク量に対応する荷重変位特性と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とが異なる場合には、両者を合わせるように荷重変位特性を変更することにより、状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
構成7.上記実施形態では、前記多段弾性部材(200)は、第1部材のばね(第1コイルばね210)と、第3部材のラバー(ラバー730)とを有し、
前記第1部材の第1弾性係数(第1ばね定数K)を傾きとする第1荷重変位特性(231)を示す直線と、前記第1弾性係数(第1ばね定数K)及び前記第3部材(ラバー730)の第3弾性係数(第3ばね定数K3)を合成した合成弾性係数(合成ばね定数K13)を傾きとする前記第3荷重変位特性(732)と、が接続する接続点(733)での傾きは不連続となる。
構成8.上記実施形態では、前記状態量推定手段が、前記第1荷重変位特性を初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第3荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
前記特性変更手段は、前記第1荷重変位特性を初期値とした設定を前記第3荷重変位特性に変更する。
構成9.上記実施形態では、前記状態量推定手段は、前記第3荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記第1荷重変位特性を初期値とした演算により推定した前記ストローク量を補正する。
構成10.上記実施形態では、前記状態量推定手段が、前記第3荷重変位特性を初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第1荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
前記特性変更手段は、前記第3荷重変位特性を初期値とした設定を前記第1荷重変位特性に変更する。
構成11.上記実施形態では、前記状態量推定手段は、前記第1荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記第3荷重変位特性を初期値とした演算により推定した前記ストローク量を補正する。
構成7乃至構成11の実施形態によれば、第1コイルばね210とラバー730とを車両1の上下方向に配置した多段弾性部材200を用いた状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
すなわち、推定演算により推定されたストローク量に対応する荷重変位特性と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とが異なる場合には、両者を合わせるように荷重変位特性を変更することにより、状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
構成12.上記実施形態では、多段弾性部材200は、第1部材のばね(第1コイルばね210)と、第2部材のばね(第2コイルばね220)と、第3部材のラバー(ラバー730)とを有し、
前記第1部材の第1弾性係数(第1ばね定数K)を傾きとする第1荷重変位特性(231)を示す直線と、前記第1弾性係数(第1ばね定数K)及び前記第2部材の第2弾性係数(第2ばね定数K)を合成した合成弾性係数(合成ばね定数K12)を傾きとする第2荷重変位特性(232)を示す直線と、が接続する接続点(233)での傾きは不連続となり、
前記第2荷重変位特性(232)を示す直線と、前記第2弾性係数(第2ばね定数K)及び第3部材(ラバー730)の第3弾性係数(第3ばね定数K)を合成した合成弾性係数(合成ばね定数K23)を傾きとする第3荷重変位特性(732)と、が接続する接続点(833)での傾きは不連続となる。
構成13.上記実施形態では、前記状態量推定手段が、前記第1荷重変位特性を初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として、前記第2荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量および前記第3荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量のうちいずれか一方のストローク量を推定した場合に、
前記特性変更手段は、前記第1荷重変位特性を初期値とした設定を前記一方のストローク量に対応した荷重変位特性に変更する。
構成14.上記実施形態では、前記状態量推定手段は、前記一方のストローク量に対応した荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記第1荷重変位特性を初期値とした演算により推定した前記ストローク量を補正する。
構成15.上記実施形態では、前記状態量推定手段が、前記第2荷重変位特性および前記第3荷重変位特性のうちいずれか一方の荷重変位特性を初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第1荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
前記特性変更手段は、前記一方の荷重変位特性を初期値とした設定を前記第1荷重変位特性に変更する。
構成16.上記実施形態では、前記状態量推定手段は、前記第1荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記一方の荷重変位特性を初期値とした演算により推定した前記ストローク量を補正する。
構成12乃至構成16の実施形態によれば、第1コイルばね210と第2コイルばね220とラバー730とを車両1の上下方向に配置した多段弾性部材200を用いた状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
すなわち、推定演算により推定されたストローク量に対応する荷重変位特性と、推定演算における初期設定の荷重変位特性とが異なる場合には、両者を合わせるように荷重変位特性を変更することにより、状態量の推定演算において、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
構成17.上記実施形態では、前記特性変更手段は、前記状態量推定手段により推定されたストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが一致する場合に、前記初期値の設定を維持する。
構成17の実施形態によれば、推定荷重変位特性と、初期値として設定された荷重変位特性とが一致する場合に、初期値の設定を維持して状態量の推定演算を行うことにより、ストローク量を精度よく求めることが可能になる。
構成18.上記実施形態では、前記振動低減機構(94)に含まれる粘性減衰部材(250)の減衰力を制御する制御処理手段(340)を更に備え、
前記制御処理部は、前記粘性減衰部材の内部に充填された作動油の絞りの流路面積を、前記推定されたストローク量に基づいて調節することにより前記粘性減衰部材の減衰力を制御する。
構成18の実施形態によれば、ストローク量の推定演算の結果を粘性減衰部材の減衰力の制御に反映することができる。これにより、路面の状況変化に応じて生じる振動を抑制する制振制御が可能になる。
構成19.上記実施形態の車両は、荷重と変位の関係を示す荷重変位特性が異なる複数の部材を配置した多段弾性部材(200)における車両(1)の上下方向の変位を示すストローク量を推定する推定装置(300)を有する車両(1)であって、前記推定装置(300)は、
前記車両の車輪速を検出する車輪速センサの検出信号に基づいて、前記車両の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する荷重算出手段(310)と、
前記複数の部材のうち、いずれか一つの部材の荷重変位特性を初期値として設定した前記多段弾性部材と、前記接地変動荷重とに基づいて、前記多段弾性部材に生じる前記ストローク量を推定する状態量推定手段(320)と、
前記状態量推定手段により推定されたストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが異なる場合に、前記初期値の設定を前記推定荷重変位特性に変更する特性変更手段(330)と、
を備え、
前記状態量推定手段(320)は、前記特性変更手段により変更された前記推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記ストローク量を補正する。
構成19の実施形態によれば、荷重と変位の関係を示す荷重変位特性が異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量の推定精度を向上することができる。
構成20.上記実施形態の推定方法は、荷重と変位の関係を示す荷重変位特性が異なる複数の部材を配置した多段弾性部材(200)における車両(1)の上下方向の変位を示すストローク量を推定する推定装置(300)の推定方法であって、
荷重算出手段(310)が、前記車両の車輪速を検出する車輪速センサの検出信号に基づいて、前記車両の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する荷重算出工程(S64)と、
状態量推定手段(320)が、前記複数の部材のうち、いずれか一つの部材の荷重変位特性を初期値として設定した前記多段弾性部材と、前記接地変動荷重とに基づいて、前記多段弾性部材に生じる前記ストローク量を推定する状態量推定工程(S65)と、
特性変更手段(330)が、前記状態量推定工程で推定されたストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが異なる場合に(S66-Yes)、前記初期値の設定を前記推定荷重変位特性に変更する特性変更工程(S67)と、
前記状態量推定手段(320)が、前記特性変更工程で変更された前記推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果に基づいて、前記ストローク量を補正する補正工程(S68)と、を有する。
構成20の実施形態によれば、荷重と変位の関係を示す荷重変位特性が異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量の推定精度を向上することができる。
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
1:鞍乗型車両(車両)、200:多段弾性部材、300:推定装置、
310:荷重算出部、320:状態量推定部、330:特性補正部、340:制御処理部

Claims (20)

  1. 荷重と変位全体的な対応関係を示す荷重変位特性が部材ごとに異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量を推定する推定装置であって、
    前記車両の車輪速を検出する車輪速センサの検出信号に基づいて、前記車両の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する荷重算出手段と、
    前記複数の部材のうち、いずれか一つの部材の前記荷重変位特性を前記複数の部材全体の初期値として設定した前記多段弾性部材と、前記接地変動荷重とに基づいて、前記多段弾性部材に生じる前記ストローク量を推定する状態量推定手段と、
    前記状態量推定手段により推定された前記ストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが異なる場合に、前記初期値の設定を前記推定荷重変位特性に変更する特性変更手段と、
    を備え、
    前記状態量推定手段は、前記特性変更手段により変更された前記推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果と前記ストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正することを特徴とする推定装置。
  2. 前記多段弾性部材は、第1部材のばねと、第2部材のばねとを有し、
    前記第1部材の第1弾性係数を傾きとする第1荷重変位特性を示す直線と、前記第1弾性係数及び前記第2部材の第2弾性係数を合成した合成弾性係数を傾きとする第2荷重変位特性を示す直線と、が接続する接続点での傾きは不連続となることを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
  3. 前記状態量推定手段が、前記第1荷重変位特性を前記初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第2荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
    前記特性変更手段は、前記第1荷重変位特性を前記初期値とした設定を前記第2荷重変位特性に変更することを特徴とする請求項2に記載の推定装置。
  4. 前記状態量推定手段は、前記第2荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果、前記第1荷重変位特性を前記初期値とした演算により推定したストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正することを特徴とする請求項3に記載の推定装置。
  5. 前記状態量推定手段が、前記第2荷重変位特性を前記初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第1荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
    前記特性変更手段は、前記第2荷重変位特性を前記初期値とした設定を前記第1荷重変位特性に変更することを特徴とする請求項2に記載の推定装置。
  6. 前記状態量推定手段は、前記第1荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果、前記第2荷重変位特性を前記初期値とした演算により推定したストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正することを特徴とする請求項5に記載の推定装置。
  7. 前記多段弾性部材は、第1部材のばねと、第3部材のラバーとを有し、
    前記第1部材の第1弾性係数を傾きとする第1荷重変位特性を示す直線と、前記第1弾性係数及び前記第3部材の第3弾性係数を合成した合成弾性係数を傾きとす第3荷重変位特性と、が接続する接続点での傾きは不連続となることを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
  8. 前記状態量推定手段が、前記第1荷重変位特性を前記初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第3荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
    前記特性変更手段は、前記第1荷重変位特性を前記初期値とした設定を前記第3荷重変位特性に変更することを特徴とする請求項7に記載の推定装置。
  9. 前記状態量推定手段は、前記第3荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果、前記第1荷重変位特性を前記初期値とした演算により推定したストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正することを特徴とする請求項8に記載の推定装置。
  10. 前記状態量推定手段が、前記第3荷重変位特性を前記初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第1荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
    前記特性変更手段は、前記第3荷重変位特性を前記初期値とした設定を前記第1荷重変位特性に変更することを特徴とする請求項7に記載の推定装置。
  11. 前記状態量推定手段は、前記第1荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果、前記第3荷重変位特性を前記初期値とした演算により推定したストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正することを特徴とする請求項10に記載の推定装置。
  12. 前記多段弾性部材は、第1部材のばねと、第2部材のばねと、第3部材のラバーとを有し、
    前記第1部材の第1弾性係数を傾きとする第1荷重変位特性を示す直線と、前記第1弾性係数及び前記第2部材の第2弾性係数を合成した合成弾性係数を傾きとする第2荷重変位特性を示す直線と、が接続する接続点での傾きは不連続となり、
    前記第2荷重変位特性を示す直線と、前記第2弾性係数及び前記第3部材の第3弾性係数を合成した合成弾性係数を傾きとする第3荷重変位特性と、が接続する接続点での傾きは不連続となることを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
  13. 前記状態量推定手段が、前記第1荷重変位特性を前記初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として、前記第2荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量および前記第3荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量のうちいずれか一方のストローク量を推定した場合に、
    前記特性変更手段は、前記第1荷重変位特性を前記初期値とした設定を前記一方のストローク量に対応した荷重変位特性に変更することを特徴とする請求項12に記載の推定装置。
  14. 前記状態量推定手段は、前記一方のストローク量に対応した荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果、前記第1荷重変位特性を前記初期値とした演算により推定したストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正することを特徴とする請求項13に記載の推定装置。
  15. 前記状態量推定手段が、前記第2荷重変位特性および前記第3荷重変位特性のうちいずれか一方の荷重変位特性を前記初期値とした演算により、前記推定荷重変位特性として前記第1荷重変位特性のストローク範囲内のストローク量を推定した場合に、
    前記特性変更手段は、前記一方の荷重変位特性を前記初期値とした設定を前記第1荷重変位特性に変更することを特徴とする請求項12に記載の推定装置。
  16. 前記状態量推定手段は、前記第1荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果、前記一方の荷重変位特性を前記初期値とした演算により推定したストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正することを特徴とする請求項15に記載の推定装置。
  17. 前記特性変更手段は、前記状態量推定手段により推定されたストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが一致する場合に、前記初期値の設定を維持することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の推定装置。
  18. 動低減機構に含まれる粘性減衰部材の減衰力を制御する制御処理手段を更に備え、
    前記制御処理手段は、前記粘性減衰部材の内部に充填された作動油の絞りの流路面積を、前記推定されたストローク量に基づいて調節することにより前記粘性減衰部材の減衰力を制御することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の推定装置。
  19. 荷重と変位全体的な対応関係を示す荷重変位特性が部材ごとに異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量を推定する推定装置を有する車両であって、前記推定装置は、
    前記車両の車輪速を検出する車輪速センサの検出信号に基づいて、前記車両の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する荷重算出手段と、
    前記複数の部材のうち、いずれか一つの部材の前記荷重変位特性を前記複数の部材全体の初期値として設定した前記多段弾性部材と、前記接地変動荷重とに基づいて、前記多段弾性部材に生じる前記ストローク量を推定する状態量推定手段と、
    前記状態量推定手段により推定された前記ストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが異なる場合に、前記初期値の設定を前記推定荷重変位特性に変更する特性変更手段と、
    を備え、
    前記状態量推定手段は、前記特性変更手段により変更された前記推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果と前記ストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正することを特徴とする車両。
  20. 荷重と変位全体的な対応関係を示す荷重変位特性が部材ごとに異なる複数の部材を配置した多段弾性部材における車両の上下方向の変位を示すストローク量を推定する推定装置の推定方法であって、
    荷重算出手段が、前記車両の車輪速を検出する車輪速センサの検出信号に基づいて、前記車両の車輪が接地面から受ける接地変動荷重を算出する荷重算出工程と、
    状態量推定手段が、前記複数の部材のうち、いずれか一つの部材の前記荷重変位特性を前記複数の部材全体の初期値として設定した前記多段弾性部材と、前記接地変動荷重とに基づいて、前記多段弾性部材に生じる前記ストローク量を推定する状態量推定工程と、
    特性変更手段が、前記状態量推定工程で推定された前記ストローク量に対応する推定荷重変位特性と、前記初期値として設定された前記荷重変位特性とが異なる場合に、前記初期値の設定を前記推定荷重変位特性に変更する特性変更工程と、
    前記状態量推定手段が、前記特性変更工程で変更された前記推定荷重変位特性を変更初期値とした推定演算の結果と前記ストローク量とを用いて取得した合成ストローク量に基づいて、当該ストローク量を補正する補正工程と、
    を有することを特徴とする推定方法。
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