JP7322847B2 - 着用エアバッグ装置 - Google Patents

着用エアバッグ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7322847B2
JP7322847B2 JP2020165660A JP2020165660A JP7322847B2 JP 7322847 B2 JP7322847 B2 JP 7322847B2 JP 2020165660 A JP2020165660 A JP 2020165660A JP 2020165660 A JP2020165660 A JP 2020165660A JP 7322847 B2 JP7322847 B2 JP 7322847B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inflation
gas
inflatable
communicating
protected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020165660A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022057415A (ja
Inventor
祐亮 河村
渉 三浦
利仁 柳澤
瞳 ▲高▼橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP2020165660A priority Critical patent/JP7322847B2/ja
Priority to US17/389,597 priority patent/US20220095708A1/en
Publication of JP2022057415A publication Critical patent/JP2022057415A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7322847B2 publication Critical patent/JP7322847B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D13/00Professional, industrial or sporting protective garments, e.g. surgeons' gowns or garments protecting against blows or punches
    • A41D13/015Professional, industrial or sporting protective garments, e.g. surgeons' gowns or garments protecting against blows or punches with shock-absorbing means
    • A41D13/018Professional, industrial or sporting protective garments, e.g. surgeons' gowns or garments protecting against blows or punches with shock-absorbing means inflatable automatically
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D13/00Professional, industrial or sporting protective garments, e.g. surgeons' gowns or garments protecting against blows or punches
    • A41D13/05Professional, industrial or sporting protective garments, e.g. surgeons' gowns or garments protecting against blows or punches protecting only a particular body part
    • A41D13/0506Hip

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physical Education & Sports Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)
  • Emergency Lowering Means (AREA)

Description

本発明は、保護対象者に着用させて、保護対象者の転倒時に、エアバッグを膨張させ、エアバッグの膨張部位により、保護対象者の腰部と頭部とを保護する着用エアバッグ装置に関する。
従来、着用エアバッグ装置としては、着用した保護対象者(例えば、高齢者)の転倒時、加速度センサや角速度センサによって、転倒を検知して、ガス発生器から吐出した膨張用ガスにより膨張した所定位置の各エアバッグが、それぞれ、保護対象者の臀部や腰部、あるいは、頭部や左右の側部、を覆うものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。また、膨張したエアバッグが、保護対象者の上半身の左右の胸や背中、さらに、首を覆って保護するものもあった(例えば、特許文献3参照)。
特開2000-317002号公報 国際公開第2010/090317号公報 国際公開第2011/148354号公報
しかし、特許文献1,2に記載されているように、複数のエアバッグを使用しては、膨張用ガスを供給するガス発生器も複数必要となって、嵩張ったり、あるいは、重くなって、保護対象者に着用させる着用エアバッグ装置としては、課題がある。また、特許文献3に記載されているように、1つのガス発生器を使用して、複数の保護部位を設けるエアバッグでは、全体の容量が大きくなって、膨張完了までの時間がかかり、保護する部位を、適切に膨らんだエアバッグの膨張部位で覆えなくなる虞れも生ずる。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、使用するガス発生器の数を少なくしても、膨張するエアバッグが、好適に、転倒時の腰部と頭部とを保護可能な着用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1番目の着用エアバッグ装置は、保護対象者に装着可能な保持体にそれぞれ組み付けられて保持される、
膨張用ガスを吐出可能なガス発生器と、
該ガス発生器からの膨張用ガスにより膨張する膨張部位を有したエアバッグと、
を備えて構成されるとともに、
前記エアバッグの前記膨張部位が、
装着した前記保持体における保護対象者の腰部を保護可能な位置に配置される下側膨張部と、
保護対象者の頭部を保護可能な位置に配置される上側膨張部と、
前記下側膨張部と前記上側膨張部とに連通される連通部と、
を備えて構成されている着用エアバッグ装置であって、
前記連通部に、前記下側膨張部の膨張後に前記上側膨張部を膨張させるように、膨張用ガスの流れを規制する規制部が、配設されるとともに、
前記ガス発生器が、前記上側膨張部側より前記下側膨張部側に膨張用ガスを供給するように、配設されていることを特徴とする。
本発明に係る第1番目の着用エアバッグ装置では、作動時、エアバッグの腰部を保護可能な下側膨張部が、規制部による膨張用ガスの流れ規制により、頭部を保護可能な上側膨張部より、先に膨張する。そして、下側膨張部が膨張した後、上側膨張部側に膨張用ガスが供給されて、頭部を保護可能に、上側膨張部が膨張する。すなわち、保護対象者の転倒時には、まず、保護対象者の腰部が、転倒先の接地面に当り、その後さらに、頭部が接地面に当たる状態となり易く、その際、保護対象者の転倒当初に、腰部、特に、大腿骨の出っ張った転子部付近が接地面に当たって、大腿骨付近が骨折等にして損傷すると、その後の治療等が長引くことから、転倒当初の腰部の保護が重要となる。そして、転倒当初の腰部側が接地面側と当たった後の保護対象者が接地面上を転動する際には、頭部が接地面と当たる事態を招き易い。その際、本発明に係る着用エアバッグ装置のエアバッグでは、転倒当初の保護が重要な腰部を保護するように、下側膨張部が膨張し、そしてその後、頭部を保護可能な上側膨張部が膨張し、保護対象者の頭部と接地面との間に、膨張した上側膨張部を配置できて、タイミングよく、好適に、保護対象者の頭部を保護することができる。上記の作用は、1つのガス発生器を使用していても、ガス発生器が、上側膨張部側より下側膨張部側に膨張用ガスを供給するように、配設されていれば、膨張するタイミングを調整するように、連通部に配置させた規制部によるガス流れの規制により、簡便に、達成できる。
したがって、本発明に係る第1番目の着用エアバッグ装置では、使用するガス発生器の数を少なくしても、膨張するエアバッグが、タイミングよく、好適に、転倒時の腰部と頭部とを保護することができる。
この場合、前記ガス発生器が、膨張用ガスを吐出するガス吐出部を前記下側膨張部に配置させて、配設され、前記規制部が、前記下側膨張部側から前記上側膨張部側への膨張用ガスの流れを規制するように、配設されている構成とすることができる。
このような構成では、ガス発生器が作動すれば、ガス発生器が1つとしていても、上側膨張部が膨張を開始する前に、ガス発生器のガス吐出部を配設させた下側膨張部自体が膨張し易いことから、迅速に、腰部を保護することができる。
この場合、前記規制部は、前記下側膨張部の所定以上の内圧上昇時に、閉弁状態から前記上側膨張部側に前記膨張用ガスを流出可能な開弁状態となる可撓性を有したシート材からなる弁体を、前記連通部に設けて、構成することができる。
このような構成の場合、上側膨張部が膨張する前に、閉弁状態の弁体により、下側膨張部が、所定の内圧を確保できるように膨張することから、腰部の保護を、迅速かつ安定させることができる。
また、前記規制部は、膨張用ガスの流れを規制するように、前記連通部の開口面積を絞った絞り部を、前記連通部に設けて、構成されていてもよい。
このような構成でも、ガス発生器が作動すれば、上側膨張部が膨張を開始する前に、絞り部の膨張用ガスの流れの規制により、下側膨張部自体が膨張を完了させることができることから、腰部の保護を、迅速かつ安定させることができる。
あるいは、前記規制部は、前記連通部の開口面積を狭めるように、前記連通部の周壁の部位相互を結合する結合部であって、前記下側膨張部の所定以上の内圧上昇時に、結合を解除可能とした前記結合部、によって構成されていてもよい。
このような構成でも、上側膨張部が膨張する前に、下側膨張部が、結合解除前の結合部による膨張用ガスの流れの規制により、所定の内圧を確保できるように膨張することから、腰部の保護を、迅速かつ安定させることができる。
また、本発明に係る第1番目の着用エアバッグ装置では、前記ガス発生器が、膨張用ガスを前記下側膨張部側に供給可能として、膨張用ガスを吐出するガス吐出部を、前記連通部に配置させて、配設され、
前記規制部が、前記下側膨張部の所定以上の内圧上昇時に、前記下側膨張部側への膨張用ガスの流れを規制して、前記上側膨張部側へ膨張用ガスを流す弁体を、前記連通部に設けて、構成されていてもよい。
このような構成でも、連通部に配設されたガス発生器が作動すれば、ガス発生器が1つとしていても、弁体の膨張用ガスの流れの規制により、下側膨張部が、上側膨張部より先に膨張を開始し、そして、下側膨張部が所定の内圧を確保した後、上側膨張部が膨張することから、腰部の保護を、迅速かつ安定させることができ、そして、その後の頭部も的確に保護することができる。
また、本発明に係る第2番目の着用エアバッグ装置では、保護対象者に装着可能な保持体にそれぞれ組み付けられて保持される、
膨張用ガスを吐出可能なガス発生器と、
該ガス発生器からの膨張用ガスにより膨張する膨張部位を有したエアバッグと、
を備えて構成されるとともに、
前記エアバッグの前記膨張部位が、
装着した前記保持体における保護対象者の腰部を保護可能な位置に配置される下側膨張部と、
保護対象者の頭部を保護可能な位置に配置される上側膨張部と、
前記下側膨張部と前記上側膨張部とに連通される連通部と、
を備えて構成されている着用エアバッグ装置であって、
前記エアバッグが、
前記膨張部位としての前記下側膨張部、前記上側膨張部、及び、前記連通部を備えたインナバッグと、
該インナバッグの外周側を覆う袋状として、前記連通部の外周を覆い可能な筒状の連通カバー部と、該連通カバー部の上端側の全周から連なって、膨張完了時の前記上側膨張部の外周を覆い可能な上側カバー部と、前記連通カバー部の下端側の全周から連なって、膨張完了時の前記下側膨張部の外周側を覆い可能な下側カバー部と、を有したアウタバッグと、
を備えて構成され、
前記ガス発生器が、膨張用ガスを吐出するガス吐出部を前記インナバッグの前記下側膨張部に配置させて、配設され、
前記インナバッグが、
前記下側膨張部を、前記アウタバッグの前記下側カバー部内に収納させ、
前記上側膨張部側を、前記下側膨張部側に接近させるように、前記アウタバッグの連通カバー部側に収納させて、配設されるとともに、
前記下側膨張部の膨張後における前記下側膨張部側と保護対象者転倒時の当接面側との当接に伴なう前記下側膨張部の内圧上昇時に、前記上側カバー部内に前記上側膨張部を進入させて膨張する構成としていることを特徴とする。
本発明に係る第2番目の着用エアバッグ装置では、作動時、ガス発生器のガス吐出部から膨張用ガスが吐出されれば、インナバッグの下側膨張部が、腰部を保護可能に、アウタバッグの下側カバー部内で膨張する。そして、膨張した下側膨張部が、下側カバー部を介在させて、転倒先の接地面と干渉すれば、下側膨張部内の膨張用ガスが、アウタバッグの連通カバー部に覆われていた連通部を経て、上側膨張部側に流れようとする。その際、上側膨張部は、下側膨張部側に接近するように、連通カバー部内に収納されていた状態から、膨張用ガスの流入により、上側カバー部側に進入するように、伸長される。この伸長時、保護対象者が、腰部側を接地面(当接面)に当てていた状態から、転動して、頭部側を接地面側に接近させる状態となっていれば、その保護対象者の押圧力により、下側膨張部内の膨張用ガスが上側膨張部側へ流れて、伸長状態が助長されて、迅速に、上側膨張部が、アウタバッグの上側カバー部内に進入し、頭部を保護可能な位置に配置されることとなって、接地面と頭部との間に、配設されて、的確に、頭部を保護することができる。そして、上記の作用は、インナバッグの下側膨張部側に1つのガス発生器を配設させていれば、保護対象者の転倒時における腰部側の接地面(当接面)との干渉から、その後の転動による頭部側の接地面との干渉に移行する挙動に対応させて、単に、接地面からのインナバッグへの押圧力を利用して、作動当初の膨張用ガスによる下側膨張部の膨張と、その後の膨張用ガスの移行による上側膨張部の膨張と、を確保できることとなり、転倒時の保護対象者の挙動に対応させて、タイミングよく、下側膨張部と上側膨張部とを膨張させて、腰部と頭部とを保護できる。
したがって、本発明に係る第2番目の着用エアバッグ装置でも、使用するガス発生器の数を少なくしても、膨張するエアバッグが、タイミングよく、好適に、転倒時の腰部と頭部とを保護することができる。また、本発明に係る第2番目の着用エアバッグ装置では、頭部を保護可能にインナバッグの上側膨張部を膨張させる際には、インナバッグの下側膨張部は、腰部の保護を終えていることから、上側膨張部側に膨張用ガスが流れて、膨張用ガスの容量が少なくなってもよく、そのため、ガス発生器から吐出される膨張用ガスの全体の容量が少なくとも、膨張用ガスを有効利用できて、好適なタイミングで、転倒時の保護対象者の腰部と頭部とを保護できる。
そして、本発明に係る第2番目の着用エアバッグ装置では、前記インナバッグの前記連通部に、前記下側膨張部から前記上側膨張部への膨張用ガスの流れを規制する規制部が、配設されていることが望ましい。
このような構成では、インナバッグの下側膨張部から上側膨張部への膨張用ガスの流れが規制されることから、下側膨張部の膨張完了を促進できて、迅速に、腰部を保護することができる。
本発明に係る第1実施形態の着用エアバッグ装置の概略正面図と概略背面図である。 第1実施形態の着用エアバッグ装置のエアバッグの作動前と作動後の状態を示す図である。 第1実施形態の着用エアバッグ装置における保護対象者の転倒時に作動する状態を説明する図である。 第1実施形態のエアバッグの膨張状態を説明する図である。 第1実施形態のエアバッグの変形例における膨張状態を説明する図である。 第1実施形態のエアバッグの他の変形例における膨張状態を説明する図である。 第1実施形態のエアバッグのさらに他の変形例における膨張状態を説明する図である。 第2実施形態の着用エアバッグ装置の概略正面図と概略背面図である。 第2実施形態の着用エアバッグ装置のエアバッグの作動前と作動後の状態を示す図である。 第2実施形態の着用エアバッグ装置における保護対象者の転倒時に作動する状態を説明する図である。 第2実施形態のエアバッグの膨張状態を説明する図である。 第2実施形態のエアバッグの変形例における膨張状態を説明する図である。 第2実施形態のエアバッグの他の変形例における膨張状態を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態の着用エアバッグ装置10は、図1~4に示すように、ガス発生器23と、ガス発生器23からの膨張用ガスGにより膨張するエアバッグ30と、保護対象者1の転倒を検知するセンサ部21を備えてガス発生器23を作動させる作動制御装置20と、ガス発生器23、エアバッグ30、及び、作動制御装置20を保持するベスト型の保持体11と、を備えて構成されている。
保持体11は、保護対象者1の上半身1aに装着可能なベストとして構成され、保護対象者1の上半身1aの正面を覆う左前部12及び右前部13を備えるとともに、保護対象者1の上半身1aの背面を覆う背面部14を備えて構成され、さらに、左前部12と右前部13との内側縁12a,13a相互を結合させるファスナー等の締結具16を備えて構成されている。換言すれば、保持体11は、背面部14の左部14bの前方側に、左前部12を連ならせるように配設させ、背面部14の右部14cの前方側に、右前部13を連ならせるように配設させて、構成されている。
作動制御装置20は、上下前後左右の3軸周りの角速度を検知可能な角速度センサと、上下前後左右の3軸方向の加速度を検知可能な加速度センサと、を有してなるセンサ部21を備えるとともに、センサ部21からの信号により、保護対象者1が通常動作と異なった転倒動作を行っていると検知されると、ガス発生器23を作動させるように構成されている。なお、具体的には、作動制御装置20は、センサ部21からの信号により、保護対象者1が通常動作と異なった転倒動作を開始していると、種々の閾値から判定可能な判定手段を備えて、判定手段の判定に基づいて、保護対象者1が転倒したと検出し、そして、ガス発生器23を作動させる。また、作動制御装置20には、センサ部21の作動用やガス発生器23の作動用信号の出力用に、図示しない電池等からなる電源も内蔵されている。
作動制御装置20は、保持体11における背面部14の右部14cにおける内側面の下部14d側に、保護対象者1の衣服等と接触しないように、図示しないカバー布等に覆われて、取り付けられている。
ガス発生器23は、内部に圧縮された二酸化炭素等からなる膨張用ガスGを貯留させて構成され、保護対象者1の転倒を検知した作動制御装置20の作動信号を入力して、図示しないイニシエータを作動させて、図示しないバーストディスクを破断することにより、内部に貯留した膨張用ガスGを先端のガス吐出部23aから吐出する構成としている。
第1実施形態の場合、ガス発生器23は、1つ配設される構成として、エアバッグ30の後述する下側膨張部31の右側部33内の上縁33a側に、ガス吐出部23aとともに収納されており、図示しないガス発生器23から突出する取付具をエアバッグ30を貫通させて、作動制御装置20を取り付けた保持体11における右側の背面部14の内側面部位の下部14d側に、取付固定されている。
エアバッグ30は、膨張用ガスGにより膨張する膨張部位として、装着した保持体11における保護対象者1の腰部2を保護可能な位置に配置される下側膨張部31と、保護対象者1の頭部5を保護可能な位置に配置される上側膨張部41と、下側膨張部31と上側膨張部41とに連通される連通部37と、を備えて構成されている。エアバッグ30は、ポリエステルやポリアミド等の織布から縫製や袋織り等により、膨張用ガスGの漏れを防止された状態の袋状に、形成されている。
下側膨張部31は、保持体11の背面部14から左右の左前部12と右前部13との下部14d,12b,13b側に配設されており、膨張時、保護対象者1の腰部2、特に、左右の大腿骨転子部3(L,R)の周囲を覆い可能に、配設されている。そして、下側膨張部31は、エアバッグ30の膨張完了時、左側の大腿骨転子部3Lの側方の外周側を覆う左側部32と、右側の大腿骨転子部3Rの側方の外周側を覆う右側部33と、を備えるとともに、左側部32と右側部33とを連結する上下の幅寸法を狭めた中央部34、を備えて構成されている。左側部32と右側部33とは、それぞれ、略長方形の板状として、保護対象者1の腰部2の左右の側面2aを中心として、前後に延びるように、形成されて、さらに、中央部34より、下縁32b,33b側を、下方に延ばすように、形成されている。左側部32と右側部33とは、膨張前では、下縁32b,33b側を上縁32a,33a側に接近させるように、それぞれ、左側部32や右側部33の内部に入れ込むように、折り畳まれている。
連通部37は、下端37bを下側膨張部31の中央部34に連通させ、上端37aを上側膨張部41に連通させて、保持体11の背面部14の中央部14aの内側面側に取り付けられている。
上側膨張部41は、連通部37より左右方向の幅寸法を大きくして、エアバッグ30の膨張完了時、保護対象者1の頭部5、特に、後頭部6の後面側を覆い可能な略長方形の板状に膨張するように構成されている。収納状態では、上縁41a側が、下縁41b側に接近するように、上側膨張部41の内部に入れ込むように、折り畳まれて、保持体11の背面部14の上端側の襟部15の内側面側に、取り付けられている。
なお、エアバッグ30は、下側膨張部31の上縁32a,33a、上側膨張部41の下縁41b、及び、連通部37の左右の側縁37dに、複数の取付タブ30aが配設されており、これらの取付タブ30aを、縫製等により、保持体11の内側面側に取り付けて、保持体11に保持されている。
そして、エアバッグ30の連通部37には、下側膨張部31の膨張後に上側膨張部41を膨張させるように、膨張用ガスGの流れを規制する規制部45が、配設されている。
第1実施形態の規制部45は、連通部37の内周面側に設けた弁体46から構成されている。この弁体46は、ポリエステルやポリアミド等のエアバッグ30を形成する織布と同様な可撓性を有したシート材から形成されて、略三角錐形状の筒状としている。そして、この弁体46は、先細り状の先端筒部46aを、下側膨張部31側に向けて、拡開した元部46d側の全周を、連通部37の内周面の全周に、縫製等により結合させて、配設されている。先端筒部46aの先端には、反転して膨張用ガスGを流し可能な流出口46bが、配設されている。
弁体46は、膨張用ガスGがガス発生器23のガス吐出部23aから吐出されて下側膨張部31が膨張する当初では、図4のA,Bに示すように、先端筒部46aを下側膨張部31側に向けて、先端筒部46aの流出口46bの周囲の周縁部46cが、流出口46bを閉塞するように密着させて、弁体46が、閉弁状態を維持し、膨張用ガスGが、下側膨張部31から流出しない。その後、下側膨張部31の内圧が高まり、所定以上に上昇する際には、図4のCに示すように、周縁部46cが、上側膨張部41側に反転して、流出口46bを開口させて、弁体46が開弁状態となることから、膨張用ガスGが、下側膨張部31側から、連通部37を経て、上側膨張部41側に流れることとなる。
第1実施形態の着用エアバッグ装置10では、締結具16を利用して、保持体11を保護対象者1の上半身1aに装着し、その後、保護対象者1が、図3のA,Bに示すように転倒すると、図4のA,Bに示すように、ガス発生器23が作動されて、ガス吐出部23aから膨張用ガスGが吐出されて、下側膨張部31が膨張する。そして、第1実施形態の着用エアバッグ装置10では、エアバッグ30の腰部2を保護可能な下側膨張部31が、作動当初の弁体46からなる規制部45による膨張用ガスGの流れ規制により、頭部5を保護可能な上側膨張部41より、先に膨張する(図4のA,B参照)。そして、下側膨張部31が膨張した後、図4のBや図2のBに示すように、上側膨張部41側に膨張用ガスGが供給されて、頭部5を保護可能に、上側膨張部41が膨張する。
すなわち、保護対象者1の転倒時には、図3のA,Bに示すように、まず、保護対象者1の腰部2が、転倒先の接地面8に当り、その後さらに、図3のC,Dに示すように、頭部5が接地面8に当たる状態となり易く、その際、保護対象者1の転倒当初に、腰部2、特に、大腿骨の出っ張った転子部3(L,R)(図1,2参照)付近が接地面8に当たって、大腿骨付近が骨折等にして損傷すると、その後の治療等が長引くことから、転倒当初の腰部2の保護が重要となる。しかし、第1実施形態の着用エアバッグ装置10では、作動すると、図3のBに示すように、下側膨張部31が、上側膨張部41より先に膨張して、腰部2と接地面8との間に、介在されることから、腰部2を保護できる。
そして、転倒当初の腰部2側が接地面8側と当たった後の保護対象者1が接地面8上を転動する際には、図3のC,Dに示すように、頭部5が接地面8と当たる事態を招き易い。しかし、第1実施形態のエアバッグ30では、転倒当初の腰部2を保護するように下側膨張部31が膨張した後、下側膨張部31の内圧上昇に伴ない、規制部45を構成する弁体46が反転して(図4のB,C参照)、閉弁状態から開弁状態となって、流出口46bを開口させて、上側膨張部41側へ膨張用ガスGを流すことから、頭部5を保護可能な上側膨張部41が膨張し(図1のA,Bの二点鎖線、図2のB参照)、保護対象者1の頭部5と接地面8との間に、膨張した上側膨張部41を配置できて、タイミングよく、好適に、保護対象者1の頭部5を保護することができる(図3のC,D参照)。上記の作用は、1つのガス発生器23を使用していても、膨張するタイミングを調整するように、連通部37に配置させた規制部46によるガス流れの規制により、簡便に、達成できることとなる。
したがって、第1実施形態の着用エアバッグ装置10では、使用するガス発生器23の数を少なくして、1つとしても、膨張するエアバッグ30が、タイミングよく、好適に、転倒時の腰部2と頭部5とを保護することができる。
そして、第1実施形態の着用エアバッグ装置10では、ガス発生器23が、膨張用ガスGを吐出するガス吐出部23aを下側膨張部31に配置させて、配設され、規制部45が、下側膨張部31側から上側膨張部41側への膨張用ガスGの流れを規制するように、配設されている。
そのため、第1実施形態では、ガス発生器23が作動すれば、ガス発生器23が1つとしていても、上側膨張部41が膨張を開始する前に、ガス発生器23のガス吐出部23aを配設させた下側膨張部31自体が膨張し易いことから、迅速に、腰部2を保護することができる。
特に、第1実施形態では、規制部45が、下側膨張部31の所定以上の内圧上昇時に、閉弁状態から上側膨張部41側に膨張用ガスGを流出可能な開弁状態となる可撓性を有したシート材からなる弁体46を、連通部37に設けて、構成されている。
そのため、第1実施形態では、上側膨張部41が膨張する前に、閉弁状態の弁体46により、下側膨張部31が、所定の内圧を確保できるように膨張することから、腰部2の保護を、迅速かつ安定させることができる。
なお、規制部45としては、頭部5を保護するタイミングで上側膨張部41が膨張すれば、それ以前では、下側膨張部31から上側膨張部41への膨張用ガスGの流れを規制して、下側膨張部31が迅速に膨張を完了させるように、作用すればよい。
そのため、規制部としては、図5や図6に示す規制部45A、45Bのように構成してもよい。
図5に示す規制部45Aは、膨張用ガスGの流れを規制するように、連通部37の開口面積を絞った絞り部48を、連通部37に設けて、構成されている。
この絞り部48を設けたエアバッグ30Aでも、ガス発生器23が作動されてガス吐出部23aから下側膨張部31内に膨張用ガスGが吐出されれば、上側膨張部41が膨張を開始する前に、絞り部48の膨張用ガスGの流れの規制により、図5のA,Bに示すように、下側膨張部31自体が膨張を完了させることができることから、腰部2の保護を、迅速かつ安定させることができる。勿論、このエアバッグ30Aでは、下側膨張部31が膨張を完了させれば、膨張用ガスGは、下側膨張部31に貯留され難くなり、絞り部48を経て、図5のCに示すように、上側膨張部41へ膨張用ガスGが流れ、上側膨張部41は、頭部5を保護可能に、膨張することとなる。
なお、絞り部の構成としては、図5に示すように、連通部37の上端37aと下端37bとの間の中間部37cに、開口面積を絞った絞り部48を配設する他、連通部37自体の開口を狭めて、連通部37自体を絞り部として構成してもよい。
図6に示す規制部45Bは、連通部37の開口面積を狭めるように、連通部37の周壁の部位相互を結合する結合部50であって、下側膨張部31の所定以上の内圧上昇時に、結合を解除可能とした結合部50、によって構成されている。この結合部50は、破断可能な縫合糸51による縫製により、形成されているが、接着や熱溶着等を利用して、結合部を形成してもよい。
この結合部50を設けたエアバッグ30Bでも、ガス発生器23が作動されてガス吐出部23aから下側膨張部31内に膨張用ガスGが吐出されれば、上側膨張部41が膨張する前に、下側膨張部31が、結合解除前の結合部50による膨張用ガスGの流れの規制により、図6のA,Bに示すように、所定の内圧を確保できるように膨張することから、腰部2の保護を、迅速かつ安定させることができる。そして、このエアバッグ30Bでは、下側膨張部31が膨張して所定以上の内圧となれば、結合部50の縫合糸51を破断させて、結合部50の結合が解除されて、流れの規制状態を解除することから、膨張用ガスGが連通部37を通過し易くなり、膨張用ガスGは、図6のCに示すように、上側膨張部41へ流れ、上側膨張部41は、頭部5を保護可能に、膨張することとなる。
なお、第1実施形態では、ガス発生器23のガス吐出部23aを下側膨張部31に配設させて、連通部37に規制部45を配設させた着用エアバッグ装置10を例示したが、図7に示す第1実施形態の変形例の着用エアバッグ装置10Cのように、1つのガス発生器23Cを、膨張用ガスGを下側膨張部31側に供給可能として、膨張用ガスGを吐出するガス吐出部23aを、連通部37に配置させて、配設し、規制部45Cとして、下側膨張部31の所定以上の内圧上昇時に、下側膨張部31側への膨張用ガスGの流れを規制して、上側膨張部41側へ膨張用ガスGを流す弁体53を、連通部37に設けて、構成してもよい。
この弁体53は、ポリエステルやポリアミド等のエアバッグ30Cを形成する織布と同様な可撓性を有したシート材から形成されて、略三角錐形状の筒状としている。そして、この弁体53は、ガス発生器23Cのガス吐出部23aより、下側膨張部31側の連通部37の部位に配設させて、先細り状の先端筒部53aを、下側膨張部31側に向けて、拡開した元部53d側の全周を、連通部37の内周面の全周に、縫合等により結合させて、配設されている。先端筒部53aの先端には、膨張用ガスGを流し可能な流出口53bが、開口されている。
この弁体53では、膨張用ガスGがガス発生器23Cのガス吐出部23aから吐出されると、開弁状態の開口した流出口53bを経て、膨張用ガスGを下側膨張部31側に流す。そのため、ガス発生器23Cの作動当初では、図7のA,Bに示すように、膨張用ガスGが、下側膨張部31側へ向かって、下側膨張部31が膨張する。そして、下側膨張部31の内圧が高まり、所定以上に上昇すると、図7のB,Cに示すように、流出口53bの周囲の周縁部53cが、下側膨張部31の内圧により、流出口53bを閉塞させて閉弁状態として、ガス発生器23Cのガス吐出部23aから吐出する膨張用ガスGを、上側膨張部41側に流すこととなる。
そのため、このような構成でも、連通部37に配設されたガス発生器23Cが作動すれば、ガス発生器23Cが1つとしていても、規制部45Cとしての弁体53の膨張用ガスGの流れの規制により、下側膨張部31が、上側膨張部41より先に膨張を開始し、そして、下側膨張部31が所定の内圧を確保した後、上側膨張部41が膨張することから、腰部2の保護を、迅速かつ安定させることができ、そして、その後の頭部5も的確に保護することができる。
つぎに、図8~11に示す第2実施形態の着用エアバッグ装置10Dについて説明する。
この第2実施形態の着用エアバッグ装置10Dは、エアバッグ30Dが、第1実施形態のエアバッグ30と異なり、アウタバッグ60とインナバッグ70との二層構造として、ガス発生器23Dが、第1実施形態のガス発生器23に比べて、若干、膨張用ガスGの吐出容量を、若干、小さな出力としている点が、相違している。他の保持体11やセンサ部21を有した作動制御装置20は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の符号を付して、適宜、説明を省略する。
第2実施形態のエアバッグ30Dは、インナバッグ70と、インナバッグ70の外周側を覆う袋状のアウタバッグ60と、を備えて構成されている。インナバッグ70とアウタバッグ60とは、第1実施形態のエアバッグ30と同様なポリエステルやポリアミド等の織布から形成されるとともに、縫製や袋織りを利用して、形成されている。
インナバッグ70は、膨張部位として、装着した保持体11における保護対象者1の腰部2を保護可能な位置に配置される下側膨張部71と、保護対象者1の頭部5を保護可能な位置に配置される上側膨張部81と、下側膨張部71と上側膨張部81とに連通される連通部77と、を備えて構成されている。
下側膨張部71は、第1実施形態の下側膨張部31と同様に、保持体11の背面部14から左右の左前部12と右前部13との下部14d,12b,13b側に配設されており、膨張時、保護対象者1の腰部2、特に、左右の大腿骨転子部3(L,R)の周囲を覆い可能に、配設されている。そして、下側膨張部71は、インナバッグ70の膨張完了時、左側の大腿骨転子部3Lの側方の外周側を覆う左側部72と、右側の大腿骨転子部3Rの側方の外周側を覆う右側部73と、を備えるとともに、左側部72と右側部73とを連結する上下の幅寸法を狭めた中央部74、を備えて構成されている。左側部72と右側部73とは、それぞれ、略長方形の板状として、保護対象者1の腰部2の左右の側面2aを中心として、前後に延びるように、形成されて、さらに、中央部74より、下縁72b,73b側を、下方に延ばすように、形成されている。左側部72と右側部73とは、膨張前では、下縁72b,73b側を上縁72a,73a側に接近させるように、それぞれ、左側部72や右側部73の内部に入れ込むように、折り畳まれている。
連通部77は、下端77bを下側膨張部71の中央部74に連通させ、上端77aを上側膨張部81に連通させて、保持体11の背面部14の中央部14aの内側面側に、後述するアウタバッグ60の連通カバー部63内に収納されて、配設されている。
上側膨張部81は、連通部77より左右方向の幅寸法を大きくして、インナバッグ70の膨張完了時、保護対象者1の頭部5、特に、後頭部6の後面側を覆い可能な略長方形の板状に膨張するように構成されている。
アウタバッグ60は、インナバッグ70の外周側を覆う袋状として、連通部77の外周を覆い可能な筒状の連通カバー部63と、連通カバー部63の上端63a側の全周から連なって、膨張完了時の上側膨張部81の外周を覆い可能な上側カバー部65と、連通カバー部63の下端63b側の全周から連なって、膨張完了時の下側膨張部71の外周側を覆い可能な下側カバー部61と、を有して構成されている。
アウタバッグ60は、下側カバー部61の上縁61a、上側カバー部65の下縁65b、及び、連通カバー部63の側縁63cに、複数の取付タブ60aが配設されており、これらの取付タブ60aを、縫製等により、保持体11の内側面側に取り付けて、保持体11に保持されている。
ガス発生器23Dは、インナバッグ70の下側膨張部71の右側部73内の上縁73a側に、ガス吐出部23aとともに収納されており、図示しないガス発生器23Dから突出する取付具をインナバッグ70とアウタバッグ60とを貫通させて、作動制御装置20を取り付けた保持体11における右側の背面部14の内側面部位の下部14d側に、取付固定されている。
そして、第2実施形態では、作動前には、エアバッグ30Dが保持体11から突出しないように、図8や図9のAに示すように、インナバッグ70が、下側膨張部71側を、アウタバッグ60の下側カバー部61内に、下縁72b,73bを上縁72a,73a側に接近させるように折り畳んで、収納させ、そして、上側膨張部81側を、下側膨張部71側に接近させるように、アウタバッグ60の連通カバー部63側に収納させて、配設させている。また、アウタバッグ60では、下側カバー部61が下縁61b側を上縁61a側に接近させるように、折り畳まれ、上側カバー部65も、上縁65a側を下縁65b側に接近するように折り畳まれている。
なお、インナバッグ70の上側膨張部81側は、下側膨張部71の膨張後における下側膨張部71側と保護対象者1の転倒時の接地面(当接面)8側との当接に伴なう下側膨張部71の内圧上昇時に、上側カバー部65内に上側膨張部81を進入させて膨張させるように、連通カバー部63内に収納されている。
また、第2実施形態のインナバッグ70の連通部77には、上下方向の中間部77cに、下側膨張部71から上側膨張部81への膨張用ガスGの流れを規制する規制部85が、配設されている。図例の場合、規制部85は、連通部77の開口面積を絞った絞り部87としている。
第2実施形態の着用エアバッグ装置10Dでも、締結具16を利用して、保持体11を保護対象者1の上半身1aに装着し、その後、保護対象者1が、図10のA,Bに示すように転倒すると、図11のA,Bに示すように、ガス発生器23Dが作動されて、ガス吐出部23aから膨張用ガスGが吐出されて、インナバッグ70の下側膨張部71が、腰部2を保護可能に、アウタバッグ60の下側カバー部61内で膨張する。そして、膨張した下側膨張部71が、下側カバー部61を介在させて、転倒先の接地面(当接面)8と干渉すれば、下側膨張部71内の膨張用ガスGが、アウタバッグ60の連通カバー部63に覆われていた連通部77を経て、上側膨張部81側に流れようとする。その際、上側膨張部81は、下側膨張部71側に接近するように、連通カバー部63内に収納されていた状態から、膨張用ガスGの流入により、上側カバー部65側に進入するように、伸長される(図11のB,C参照)。この伸長時、図10のB,Cに示すように、保護対象者1が、腰部2側を接地面8に当てていた状態から、転動して、頭部5側を接地面8側に接近させる状態となっていれば、その保護対象者1の押圧力により、下側膨張部71内の膨張用ガスGが上側膨張部81側へ流れて、伸長状態が助長されて、迅速に、上側膨張部81が、アウタバッグ60の上側カバー部65内に進入し、図10のDに示すように、頭部5を保護可能な位置に配置されることとなって、接地面8と頭部5との間に、配設されて、的確に、頭部5を保護することができる。そして、上記の作用は、インナバッグ70の下側膨張部71側に1つのガス発生器23Dを配設させていれば、保護対象者1の転倒時における腰部2側の接地面8との干渉から、その後の転動による頭部5側の接地面8との干渉に移行する挙動に対応させて、単に、接地面8からのインナバッグ70への押圧力を利用して、作動当初の膨張用ガスGによる下側膨張部71の膨張と、その後の膨張用ガスGの移行による上側膨張部81の膨張と、を確保できることとなり、転倒時の保護対象者1の挙動に対応させて、タイミングよく、下側膨張部71と上側膨張部81とを膨張させて、腰部2と頭部5とを保護できる。
したがって、第2実施形態の着用エアバッグ装置10Dでも、使用するガス発生器23Dの数を少なくして、1つとしていても、膨張するエアバッグ30Dが、タイミングよく、好適に、転倒時の腰部2と頭部5とを保護することができる。
また、第2実施形態の着用エアバッグ装置10Dでは、頭部5を保護可能にインナバッグ70の上側膨張部81を膨張させる際には、インナバッグ70の下側膨張部71は、腰部2の保護を終えていることから、上側膨張部81側に膨張用ガスGが流れて、膨張用ガスGの容量が少なくなってもよい。そのため、この着用エアバッグ装置10Dでは、ガス発生器23Dから吐出される膨張用ガスGの全体の容量が少なくとも、すなわち、ガス発生器23Dが小型で軽量であっても、膨張用ガスGを有効利用できて、好適なタイミングで、転倒時の保護対象者1の腰部2と頭部5とを保護できる。
さらに、第2実施形態では、インナバッグ70の連通部77に、下側膨張部71から上側膨張部81への膨張用ガスGの流れを規制する絞り部87からなる規制部85が、配設されている。
そのため、第2実施形態では、インナバッグ70の下側膨張部71から上側膨張部81への膨張用ガスGの流れが規制されることから、下側膨張部71の膨張完了を促進できて、迅速に、腰部2を保護することができる。
なお、規制部85としては、図11に示すように、連通部77の上端77aと下端77bとの間の中間部77cに、開口面積を絞った絞り部87を配設する他、連通部77自体の開口を狭めて、連通部77自体を絞り部として構成してもよい。
さらに、規制部としては、図12,13に示す規制部85A,85Bのように構成してもよい。
図12に示す規制部85Aは、インナバッグ70Aの上側膨張部81や連通部77自体を折り畳んで、アウタバッグ60の連通カバー部63内に収納した折畳部89から構成されている。
この規制部85Aを設けたインナバッグ70Aでは、下側膨張部71から上側膨張部81へ膨張用ガスGが流れようとしても、連通カバー部63内で折畳部89の折りを解消する必要があることから、折り畳みが解消するまで、膨張用ガスGの流れが規制されることとなり、下側膨張部71の膨張完了を促進できて、迅速に、腰部2を保護することができる。
図13に示す規制部85Bでは、インナバッグ70Bの連通部77の開口面積を狭めるように、連通部77の周壁の部位相互を縫合糸92によって結合させた結合部91から構成され、下側膨張部71側の所定以上の内圧上昇時に、縫合糸92が破断して、結合部91が結合解除される。なお、この結合部91は、破断可能な縫合糸92による縫製により、形成されているが、接着や熱溶着等を利用して、結合部を形成してもよい。
この規制部85Bを設けたインナバッグ70Bでも、下側膨張部71から上側膨張部81へ膨張用ガスGが流れようとしても、連通部77の結合部91による結合を解除する必要があることから、結合を解除するまで、膨張用ガスGの流れが規制されることとなり、下側膨張部71の膨張完了を促進できて、迅速に、腰部2を保護することができる。
なお、第2実施形態のインナバッグとしては、延びる素材から形成して、上側膨張部側を、膨張用ガスの流入に伴なって、連通部側から、上側カバー部内に進入するように、構成してもよい。
また、第1,2実施形態では、エアバッグ30,30D等を保持する保持体11として、ベスト型を例示したが、袖部を有したジャケット型としてもよい。
さらに、第1,2実施形態では、使用するガス発生器23,23Dを、1つとしたが、本発明では、エアバッグ30,30Dの容量に対応させて、使用する数が少なければ、使用するガス発生器は、2個以上使用してもよい。すなわち、本発明では、ガス発生器の使用する数として、2個以上を排除するものではない。
さらにまた、第1,2実施形態では、使用するガス発生器23,23Dを、エアバッグ30やインナバッグ70の内部に収納した場合を示したが、ガス吐出部23a側をエアバッグ30やインナバッグ70の内部に導通させるように、例えば、エアバッグ30やインナバッグ70にガス案内筒部を設けたり、あるいは、ガス吐出部23a側だけを、エアバッグ30やインナバッグ70の内部に挿入させて、ガス発生器23,23Dの少なくともガス吐出部23a側を除く本体側を、エアバッグ30やインナバッグ70の外部に配設させてもよい。
1…保護対象者、2…腰部、5…頭部、8…(当接面)接地面、10,10C,10D…着用エアバッグ装置、11…保持体、23,23C,23D…ガス発生器、23a…ガス吐出部、30,30A,30B,30C,30D…エアバッグ、31…下側膨張部、37…連通部、41…上側膨張部、45,45A,45B,45C…規制部、46…弁体、48…絞り部、50…結合部、51…縫合糸、53…弁体、
60…アウタバッグ、61…下側カバー部、63…連通カバー部、65…上側カバー部、70,70A,70B…インナバッグ、71…下側膨張部、77…連通部、81…上側膨張部、85,85A,85B…規制部、87…絞り部、89…折畳部、91…結合部、G…膨張用ガス。

Claims (8)

  1. 保護対象者に装着可能な保持体にそれぞれ組み付けられて保持される、
    膨張用ガスを吐出可能なガス発生器と、
    該ガス発生器からの膨張用ガスにより膨張する膨張部位を有したエアバッグと、
    を備えて構成されるとともに、
    前記エアバッグの前記膨張部位が、
    装着した前記保持体における保護対象者の腰部を保護可能な位置に配置される下側膨張部と、
    保護対象者の頭部を保護可能な位置に配置される上側膨張部と、
    前記下側膨張部と前記上側膨張部とに連通される連通部と、
    を備えて構成されている着用エアバッグ装置であって、
    前記連通部に、前記下側膨張部の膨張後に前記上側膨張部を膨張させるように、膨張用ガスの流れを規制する規制部が、配設されるとともに、
    前記ガス発生器が、前記上側膨張部側より前記下側膨張部側に膨張用ガスを供給するように、配設されていることを特徴とする着用エアバッグ装置。
  2. 前記ガス発生器が、膨張用ガスを吐出するガス吐出部を前記下側膨張部に配置させて、配設され、
    前記規制部が、前記下側膨張部側から前記上側膨張部側への膨張用ガスの流れを規制するように、配設されていることを特徴とする請求項1に記載の着用エアバッグ装置。
  3. 前記規制部が、前記下側膨張部の所定以上の内圧上昇時に、閉弁状態から前記上側膨張部側に前記膨張用ガスを流出可能な開弁状態となる可撓性を有したシート材からなる弁体を、前記連通部に設けて、構成されていることを特徴とする請求項2に記載の着用エアバッグ装置。
  4. 前記規制部が、膨張用ガスの流れを規制するように、前記連通部の開口面積を絞った絞り部を、前記連通部に設けて、構成されていることを特徴とする請求項2に記載の着用エアバッグ装置。
  5. 前記規制部が、前記連通部の開口面積を狭めるように、前記連通部の周壁の部位相互を結合する結合部であって、前記下側膨張部の所定以上の内圧上昇時に、結合を解除可能とした前記結合部、によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の着用エアバッグ装置。
  6. 前記ガス発生器が、膨張用ガスを前記下側膨張部側に供給可能として、膨張用ガスを吐出するガス吐出部を、前記連通部に配置させて、配設され、
    前記規制部が、前記下側膨張部の所定以上の内圧上昇時に、前記下側膨張部側への膨張用ガスの流れを規制して、前記上側膨張部側へ膨張用ガスを流す弁体を、前記連通部に設けて、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の着用エアバッグ装置。
  7. 保護対象者に装着可能な保持体にそれぞれ組み付けられて保持される、
    膨張用ガスを吐出可能なガス発生器と、
    該ガス発生器からの膨張用ガスにより膨張する膨張部位を有したエアバッグと、
    を備えて構成されるとともに、
    前記エアバッグの前記膨張部位が、
    装着した前記保持体における保護対象者の腰部を保護可能な位置に配置される下側膨張部と、
    保護対象者の頭部を保護可能な位置に配置される上側膨張部と、
    前記下側膨張部と前記上側膨張部とに連通される連通部と、
    を備えて構成されている着用エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、
    前記膨張部位としての前記下側膨張部、前記上側膨張部、及び、前記連通部を備えたインナバッグと、
    該インナバッグの外周側を覆う袋状として、前記連通部の外周を覆い可能な筒状の連通カバー部と、該連通カバー部の上端側の全周から連なって、膨張完了時の前記上側膨張部の外周を覆い可能な上側カバー部と、前記連通カバー部の下端側の全周から連なって、膨張完了時の前記下側膨張部の外周側を覆い可能な下側カバー部と、を有したアウタバッグと、
    を備えて構成され、
    前記ガス発生器が、膨張用ガスを吐出するガス吐出部を前記インナバッグの前記下側膨張部に配置させて、配設され、
    前記インナバッグが、
    前記下側膨張部を、前記アウタバッグの前記下側カバー部内に収納させ、
    前記上側膨張部側を、前記下側膨張部側に接近させるように、前記アウタバッグの連通カバー部側に収納させて、配設されるとともに、
    前記下側膨張部の膨張後における前記下側膨張部側と保護対象者転倒時の当接面側との当接に伴なう前記下側膨張部の内圧上昇時に、前記上側カバー部内に前記上側膨張部を進入させて膨張する構成としていることを特徴とする着用エアバッグ装置。
  8. 前記インナバッグの前記連通部に、前記下側膨張部から前記上側膨張部への膨張用ガスの流れを規制する規制部が、配設されていることを特徴とする請求項7に記載の着用エアバッグ装置。
JP2020165660A 2020-09-30 2020-09-30 着用エアバッグ装置 Active JP7322847B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020165660A JP7322847B2 (ja) 2020-09-30 2020-09-30 着用エアバッグ装置
US17/389,597 US20220095708A1 (en) 2020-09-30 2021-07-30 Wearable airbag device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020165660A JP7322847B2 (ja) 2020-09-30 2020-09-30 着用エアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022057415A JP2022057415A (ja) 2022-04-11
JP7322847B2 true JP7322847B2 (ja) 2023-08-08

Family

ID=80823496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020165660A Active JP7322847B2 (ja) 2020-09-30 2020-09-30 着用エアバッグ装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20220095708A1 (ja)
JP (1) JP7322847B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007501339A (ja) 2003-08-06 2007-01-25 コロンボ,アントニオ,プリモ 個人保護用の空気圧式装置およびそのような装置を含む関連する衣類
JP2008248440A (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Honda Motor Co Ltd エアバッグジャケット
JP2009513839A (ja) 2005-10-26 2009-04-02 ヘーヴディング スヴェリーエ アーベー 身体の一部を保護するシステムおよび方法
JP2011144490A (ja) 2009-12-17 2011-07-28 Toyoda Gosei Co Ltd プロテクタ
JP2011246851A (ja) 2010-05-27 2011-12-08 Toyoda Gosei Co Ltd 乗員保護用胴衣
JP2019206789A (ja) 2018-05-25 2019-12-05 日本プラスト株式会社 エアバッグ
CN212520868U (zh) 2019-12-03 2021-02-12 华懋(厦门)新材料科技股份有限公司 一种一体化气囊服

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4825469A (en) * 1983-10-19 1989-05-02 Dan Kincheloe Motorcycle safety apparel
SE9401944L (sv) * 1994-06-06 1995-12-07 Peter Hoyaukin Skyddsplagg
JP2014208513A (ja) * 2013-03-29 2014-11-06 豊田合成株式会社 歩行者用エアバッグ装置
JP2015051744A (ja) * 2013-09-09 2015-03-19 トヨタ自動車株式会社 車両用乗員保護装置
JP6536963B2 (ja) * 2014-01-21 2019-07-03 ジョイソン セイフティ システムズ アクイジション エルエルシー 乗客側エアバッグ
JP7103174B2 (ja) * 2018-11-06 2022-07-20 トヨタ自動車株式会社 車両用カーテンエアバッグ装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007501339A (ja) 2003-08-06 2007-01-25 コロンボ,アントニオ,プリモ 個人保護用の空気圧式装置およびそのような装置を含む関連する衣類
JP2009513839A (ja) 2005-10-26 2009-04-02 ヘーヴディング スヴェリーエ アーベー 身体の一部を保護するシステムおよび方法
JP2008248440A (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Honda Motor Co Ltd エアバッグジャケット
JP2011144490A (ja) 2009-12-17 2011-07-28 Toyoda Gosei Co Ltd プロテクタ
JP2011246851A (ja) 2010-05-27 2011-12-08 Toyoda Gosei Co Ltd 乗員保護用胴衣
JP2019206789A (ja) 2018-05-25 2019-12-05 日本プラスト株式会社 エアバッグ
CN212520868U (zh) 2019-12-03 2021-02-12 华懋(厦门)新材料科技股份有限公司 一种一体化气囊服

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022057415A (ja) 2022-04-11
US20220095708A1 (en) 2022-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5083024B2 (ja) エアバッグ装置
US5405166A (en) Air bag with inflation limiter
JP4481248B2 (ja) サイドカーテンエアバッグ
US7380822B2 (en) Airbag and airbag apparatus
JP2004535967A (ja) マルチチャンバー式のバンパエアバッグ
JP2010036770A (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
JP2007008219A (ja) 乗員拘束装置
JP5090153B2 (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP2008087632A (ja) サイドエアバッグ装置
JP6191574B2 (ja) 車両用ファーサイドエアバッグ装置
JP2008189132A (ja) サイドエアバッグ装置
JP7322847B2 (ja) 着用エアバッグ装置
US11910850B2 (en) Wearable airbag device
JP5254480B2 (ja) エアバッグ装置
JP7435498B2 (ja) 着用エアバッグ装置
JP5128199B2 (ja) エアバッグ装置
JP2008056030A (ja) エアベルト及びエアベルト装置
JP3864241B2 (ja) 乗員保護装置用エアバッグ
JP7184590B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP2017178224A (ja) エアバッグ装置及び排気孔の開閉を行うアダプティブベントホール部の作成方法
JP2022554080A (ja) ウェアラブル保護具
JP7456401B2 (ja) 着用エアバッグ装置
JP7405052B2 (ja) 着用エアバッグ装置
US20220183404A1 (en) Wearable airbag device
JP7396242B2 (ja) 着用エアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230710

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7322847

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151