JP7320254B2 - 面状発熱体 - Google Patents
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Description
[3]前記ポリイミド系樹脂の合成に用いられるジアミン化合物は、パラフェニレンジアミン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル及び式(1)で示されるジアミン化合物である。
厚さ10~100μmの金属箔を用意する工程と、
前記金属箔の少なくとも一方の面上に、ポリイミド系樹脂による樹脂を塗布するキャスティング法によってポリイミド系樹脂層を形成する工程と、
を含む。
一実施形態による金属箔-ポリイミド積層体(以下、「積層体」という。)は、金属箔及びポリイミド系樹脂層を備える。具体的には、積層体は、厚さ10~100μmの金属箔上に、厚さ1~50μmのポリイミド系樹脂層がキャスティング法により形成されたものである。このうち、ポリイミド系樹脂層は、ジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物から合成されるポリイミドである。ジアミン化合物は、少なくともパラフェニレンジアミン及び2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニルが用いられる。テトラカルボン酸二無水物は、少なくともピロメリット酸二無水物及び3,4,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が用いられる。一実施形態による積層体において、金属箔の剥離強度は、1kN/m以上である。
そして、パラフェニレンジアミン及び2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニルと合わせて式(2)で示されるジアミン化合物を用いることがより好ましい。
PPD:p-フェニレンジアミン
m-TBHG:2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル
TPE-M:1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
TPE-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,4,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,4,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
積層体を構成する金属箔上に感光性のドライフィルムレジストをラミネートした後、所定のマスクを通して露光し、塩化第二鉄水溶液を用いて金属箔のエッチング加工を行う。エッチング加工の後、ドライフィルムレジストの剥離、水洗、乾燥を行って、1mm×150mmの複数のパターンにエッチング加工した。
塩化第二鉄水溶液を用いて、積層体の金属箔をエッチング除去してポリイミドフィルムとした。次に、ポリイミドフィルムを3mm×15mmの大きさに切り出して測定用サンプルとし、熱機械分析装置(島津製作所株式会社製TMA-60)を用いて、設定荷重を加えながら、室温から210℃まで10℃/分で昇温した後、210℃で10分間ホールドし、10℃/分の速度で降温させて、200℃から100℃の冷却時の寸法変化からポリイミドの熱膨張係数を求めた。設定荷重は、2.5gである。
撹拌機と撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコ中にジアミン化合物であるPPD5.412g(0.05モル)、m-TBHG8.492g(0.04モル)、TPE-M2.923g(0.01モル)を入れ、そこに396gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解及び分散させた。次に、窒素気流中において撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA6.544g(0.03モル)及びBPDA20.595g(0.07モル)を加え、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。
撹拌機と撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコ中にジアミン化合物であるPPD5.412g(0.05モル)、m-TBHG8.492g(0.04モル)、TPE-R2.923g(0.01モル)を入れ、そこに396gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解及び分散させた。次に、窒素気流中において撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA6.544g(0.03モル)及びBPDA20.595g(0.07モル)を加え、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。
撹拌機と撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコ中にジアミン化合物であるPPD6.494g(0.06モル)、m-TBHG6.793g(0.032モル)、TPE-M2.339g(0.008モル)を入れ、そこに378gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解及び分散させた。次に、窒素気流中において撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA8.725g(0.04モル)及びBPDA17.653g(0.06モル)を加え、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。
撹拌機と撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコ中にジアミン化合物であるPPD6.494g(0.06モル)及びm-TBHG8.492g(0.04モル)を入れ、そこに375gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解及び分散させた。次に、窒素気流中において撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA8.725g(0.04モル)、BPDA14.711g(0.05モル)及びBTDA3.222g(0.01モル)を加え、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。
ポリイミド膜を厚さ12μmになるように塗膜した以外は実施例1と同様に処理を行い、厚さがそれぞれ30μm及び12μmのステンレス積層体を作製した。得られたステンレス積層体は概ねフラットであり、ステンレス箔の密着力は2.0kN/mであって、面状発熱体として使用するのに好ましい密着力を示した。また、ステンレス箔をエッチング除去後のポリイミド膜の熱膨張係数は、16ppm/Kであった。
厚さ30μmのステンレス箔の代わりに厚さ20μmのステンレス箔を用いた以外は実施例1と同様に処理を行い、厚さがそれぞれ20μm及び25μmのステンレス積層体を作製した。得られたステンレス積層体は概ねフラットであり、ステンレス箔の密着力は1.8kN/mであって、面状発熱体として使用するのに好ましい密着力を示した。また、ステンレス箔をエッチング除去後のポリイミド膜の熱膨張係数は、21ppm/Kであった。
厚さ30μmのステンレス箔の代わりに厚さ18μmの電解銅箔を用いた以外は実施例1と同様に処理を行い、厚さがそれぞれ18μm、25μmの銅箔-ポリイミド積層体(以下、「銅箔積層体」という。)を作製した。得られた銅箔積層体は概ねフラットであり、銅箔の密着力は1.6kN/mであって、面状発熱体として使用するのに好ましい密着力を示した。また、銅箔をエッチング除去後のポリイミド膜の熱膨張係数は、22ppm/Kであった。
撹拌機と撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコ中にジアミン化合物であるPPD5.412g(0.05モル)、m-TBHG8.492g(0.04モル)、TPE-M2.923g(0.01モル)を入れ、そこに396gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解及び分散させた。次に、窒素気流中において撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA6.544g(0.03モル)及びBPDA20.595g(0.07モル)を加え、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。その後、ポリアミド酸溶液の撹拌を続けながら、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール0.175gを加えて溶解させた。
3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール0.175gの代わりに、N’1,N’12-ビス(2-ヒドロキシベンゾイル)ドデカンヒドラジド0.175gを用いた以外は実施例8と同様に処理を行い、厚さがそれぞれ、30μm及び25μmのステンレス積層体を作製した。得られたステンレス積層体は概ねフラットであり、ステンレス箔の密着力は2.0kN/mであって、ステンレス箔をエッチング除去後のポリイミド膜の熱膨張係数は、21ppm/Kであった。
撹拌機と撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコ中にジアミン化合物であるPPD9.742g(0.09モル)及びTPE-M2.923g(0.01モル)を入れ、そこに358gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解及び分散させた。次に、窒素気流中において撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDA6.544g(0.03モル)及びBPDA20.595g(0.07モル)を加え、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。
撹拌機と撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコ中にジアミン化合物であるPPD5.412g(0.05モル)、m-TBHG8.492g(0.04モル)及びTPE-M2.923g(0.01モル)を入れ、そこに348gのDMAcを加えて撹拌を行って、ジアミン化合物を溶解及び分散させた。次に、窒素気流中において撹拌を続けながら、テトラカルボン酸二無水物であるPMDAを21.812g(0.1モル)加え、さらに室温で6時間撹拌を続けて重合を行い、粘稠なポリアミド酸溶液を得た。
実施例8、実施例9、比較例1及び比較例2で得られたステンレス積層体について、密着力を測定するためにステンレス箔をエッチング加工した後、260℃で168時間の熱処理を行った。これによると、比較例1及び比較例2のステンレス積層体は、ステンレス箔の密着力が0.1kN/m未満へと顕著に低下した。これに対し、実施例8及び実施例9のステンレス積層体は、260℃で168時間の熱処理後も、それぞれ1.3kN/m、1.2kN/mと高い密着力が維持された。
Claims (5)
- 厚さ10~100μmの金属箔と、
前記金属箔上に直接形成され、厚さ1~50μmのポリイミド系樹脂層と、を備える金属箔-ポリイミド積層体を備える面状発熱体であって、
前記ポリイミド系樹脂層は、ジアミン化合物及びテトラカルボン酸二無水物から合成されるポリイミド系樹脂であり、
前記ジアミン化合物は、少なくともパラフェニレンジアミン及び2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニルであり、
前記テトラカルボン酸二無水物は、少なくともピロメリット酸二無水物及び3,4,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、
前記金属箔の剥離強度は、1kN/m以上である面状発熱体。 - 金属箔は、ステンレス箔である請求項1記載の面状発熱体。
- 前記ポリイミド系樹脂の合成に用いられるジアミン化合物は、パラフェニレンジアミン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル及び式(1)で示されるジアミン化合物である請求項1又は2記載の面状発熱体。
- 前記金属箔の剥離強度の保持率は、260℃で168時間の熱処理を施した後において40%以上である請求項1から3のいずれか一項記載の面状発熱体。
- 請求項1から4のいずれか一項記載の金属箔-ポリイミド積層体を備える面状発熱体の製造方法であって、
厚さ10~100μmの金属箔を用意する工程と、
前記金属箔の少なくとも一方の面上に、ポリイミド系樹脂による樹脂を塗布するキャスティング法によってポリイミド系樹脂層を形成する工程と、
を含む面状発熱体の製造方法。
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