JP7319369B2 - ヘテロ芳香族nmda受容体モジュレーターおよびその使用 - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、2018年8月3日に出願した米国仮出願第62/714,100号の優先権を主張し、その全体を、参照により本明細書に組み込む。
神経系の疾患は、全体としてヒト障害の主な原因であり、それは、世界の疾病負担により測定される。統合失調症などの精神病、アルツハイマー病などの神経疾患、ならびに注意欠陥および多動性障害などの神経発達障害を含む、治療が保健局により承認されている神経系のこれらの主な疾患でさえ、承認された治療が、限定された有効性で、重大な副作用を有し、これにより、アンメットメディカルニーズという著しい苦しみを残しているので、あまり管理されていない。加えて、自閉症スペクトラムの神経発達障害、および多くの知的障害などの、承認された治療がない多くの主要および稀な神経系障害が存在し、それ故、理解し難いアンメットメディカルニーズと関連する。
リガンド開口型イオンチャネル受容体のN-メチル-D-アスパラギン酸-(NMDA)サブタイプは、シナプス伝達、シナプス可塑性の鍵となるメカニズム、ならびに正常な神経発達および機能に必要とされる機能的な神経回路網結合性を仲介することが広く認められている多様なファミリーのグルタミン酸受容体である。
NMDA受容体は、4個のタンパク質サブユニット、2個のGluN1サブユニットおよび2個のGluN2サブユニットを含む。GluN1サブユニットは、単一遺伝子(GRIN1)に由来し、神経系を通じて偏在性に発現し、全てのNMDA受容体に共通する。4個の異なるGluN2サブユニットであるGluN2A-Dは、神経系の異なる領域において、および特定の領域内の別の集団のニューロンにより、差次的に発現される別々の遺伝子(GRIN2A-D)に由来する。GluN3サブユニットも同定されているが、その機能は、ほとんど分かっていない。さらに、個々のニューロンは、1個より多くのGluN2サブユニットを発現し得、かかるニューロンにより発現される個々のNMDA受容体は、同じGluN2サブユニット(例えば、2GluN2Bサブユニット)のうち2個または2個の異なるサブユニット(1個のGluN2Aおよび1個のGluN2Bサブユニット)を含有し得る。加えて、全てのNMDA受容体サブユニットは、多様なmRNAスプライスバリアントとして発現される。したがって、天然の神経系NMDA受容体は、それらの組成が非常に多様である。
NMDA受容体機能の分子的基礎の研究は、重要な領域であり続けている。グルタミン酸は、主要な興奮性神経伝達物質であるので、グルタミン酸神経伝達ならびにシナプス伝達、適応性、および神経回路網結合性のNMDA受容体依存性メカニズムの機能不全は、神経系の疾患に広く関与する。したがって、NMDA受容体を調節する能力がある化合物は、神経系障害および疾患、例えば、統合失調症、アルツハイマー病、注意欠陥および多動性障害、ならびに自閉症の治療に有用であり得る。
以下の構造:
Figure 0007319369000001
を有する、化合物1,5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オンが、本明細書において提供される。
化合物1は、NMDA受容体を調節する(例えば、NMDA受容体の正のアロステリック調節)ヘテロ環状ピロロピリミジンオン類似体であり、精神障害、神経障害、および神経発達障害、ならびに神経系の疾患を治療するために使用され得る。
ヘテロ環状NMDA受容体モジュレーターは、例えば、国際公開第2017/100591号において既に記載されている。国際公開第2017/100591号において、ピロロピラジオン、チエノピリジノン、イミダゾピラジオン、ピロロピリジオン、およびピロロピリミジンオンを含む広範なヘテロ環状コアが、開示されている。国際公開第2017/100591号における化合物の有効性は、NR2Bサブユニットを含有するNMDAグルタミン酸受容体の強力かつ選択的アンタゴニストであるRo 25-6981、およびNMDA受容体複合体のグリシン部位にて作用する選択的NMDA受容体アンタゴニストである5,7-ジクロロキヌレン酸(DCKA)により仲介されるCa2+応答の抑制を逆転させる化合物の能力に基づき評価された。Ro 25-6981/DCKAアッセイにおける有効性は、%回復した応答(例えば、国際公開第2017/100591号の表49において示される)により、および/または%最大の測定された増強作用により定量された。Ro 25-6981/DCKAアッセイにおいて、および%回復した応答によりランク付けられた国際公開第2017/100591号において例示された最も強力な21種の類似体のうち、ピロロピリミジンオン類似体であると示されたものはない。
48種のピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オンが、国際公開第2017/100591号において例示されている。このピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オンコアは、化合物1のヘテロ環状コアと同一である。国際公開第2017/100591号において例示されたRo 25-6981/DCKAアッセイにおける%回復した応答に基づき、例示された最も強力なピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オンは、実施例174(91%回復した応答)であった。例えば、国際公開第2017/100591号の表49を参照のこと。なお、以下の表1において示される通り、化合物1は、開示された卵母細胞NR2B PAM増強作用アッセイにおいて実施例174よりおよそ3倍強力である。国際公開第2017/100591号において例示された別のピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オンは、実施例181である。この化合物は、Ro 25-6981/DCKAアッセイにおける最大の測定された増強作用(%)に基づき、最も強力な例示されたピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オンであると決定された。このRo 25-6981/DCKAアッセイ由来のこれらの2種の有効性読み出し値における実施例174と181の比較については、以下の表1を参照のこと。実施例174での結果と同様に、化合物1は、開示された卵母細胞NR2B PAM増強作用アッセイにおいてより強力(およそ2.5倍)であることが再度見出された。まとめると、これらの結果は、他のピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オンベースの骨格より、化合物1が臨床上有効な利点となる証拠となる。
構造上関連する類似体に関して、国際公開第2017/100591号は、化合物1の構造異性体(すなわち、実施例436)ならびに1種の窒素バリアント(すなわち、実施例285)を開示する。これあの構造上の類似性にも関わらず、化合物1は、これらの2種の化合物と比較して、優れた水溶性、ミクロソーム安定性、および/または薬物動態特性を有することが見出された。表2は、例えば、化合物1が、化合物1の構造異性体である実施例436より、水溶性がおよそ10倍増加することを示す。化合物1は、優れた細胞透過性(AからBおよびBからAについて32×10-6cm/s)を有することが見出され、MDR1を遺伝子導入したMDCK細胞における流出の基質ではなかった(流出比=0.99)。表3を参照のこと。表4は、化合物1が、実施例285に対して有意に改善されたラット肝臓ミクロソーム安定性を示し(それぞれ、t1/237.8分に対して>120分)、実施例285および国際公開第2017/100591において例示されたいくつかの他の類似体に対して、ラットにおいて有意に改善されたin vivoクリアランス(IVクリアランス=22.2mL/分/kgに対して7.4mL/分/kg)も示すことを示す。
上のデータは、化合物1の多数の臨床上の利点を確かにし、これにより、例えば、改善された有効性、増強された溶解性、好ましいミクロソーム安定性およびin vivoクリアランス、および優れた細胞透過性を有する代わりのNMDAモジュレーターを見出すための解決策をもたらす。
ラット新規物体認識(NOR)テストにおけるフェンシクリジン(PCP)誘導性認知障害に対する経口の化合物1(0.3、1.0、および3.0mg/kg)の認知増強効果を説明する。 ミスマッチ陰性電位有効性モデルにおける化合物1の結果を説明する。
1.化合物
以下の構造:
Figure 0007319369000002
を有する化合物;
またはその医薬的に許容される塩が、本明細書において提供される。
2.定義
本明細書において使用される用語「対象」および「患者」は、互換的に使用され得、治療を必要とする哺乳類、例えば、愛玩動物(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギなど)および実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)を意味する。典型的には、対象は、治療を必要とするヒトである。
本明細書において記載される化合物の医薬的に許容される塩ならびに中性形態が含まれる。医薬における使用のため、化合物の塩は、無毒性の「医薬的に許容される塩」を指す。医薬的に許容される塩形態は、医薬的に許容される酸性/陰イオン性または塩基性/陽イオン性の塩を含む。医薬的に許容される塩基性/陽イオン性の塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ジエタノールアミン、n-メチル-D-グルカミン、L-リジン、L-アルギニン、アンモニウム、エタノールアミン、ピペラジンおよびトリエタノールアミン塩を含む。医薬的に許容される酸性/陰イオン性の塩は、例えば、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシネート(hexylresorcinate)、臭化水素酸塩、塩酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、およびトシル酸塩を含む。
用語「医薬的に許容される担体」は、それが製材化される化合物の薬理活性を破壊しない無毒性の担体、アジュバント、またはビークルを指す。本明細書において記載される組成物において使用され得る医薬的に許容される担体、アジュバントまたはビークルは、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、塩または電解物質、例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含むが、これらに限定されない。
「医薬的に許容される」は、必要に応じて、動物、またはヒトに投与されたとき、逆、アレルギーまたは他の有害反応を生じない分子実体および組成物を意味する。
用語「治療」、「治療する」および「治療すること」は、本明細書において記載される、疾患もしくは障害、または1つもしくは複数のその症状を逆転させること、緩和すること、発症の可能性を低減すること、または進行を阻害することを指す。一部の実施形態において、治療は、1つまたは複数の症状が発症した後に投与されてもよい、すなわち、治療処置であってもよい。他の実施形態において、治療は、症状の不存在下で投与されてもよい。例えば、治療は、症状の発病前に(例えば、症状の既往歴に照らしておよび/または遺伝子もしくは他の感受性因子に照らして)、疑わしい個体に投与されてもよい、すなわち、予防的処置であってもよい。治療をまた、症状が解消された後も継続して、例えば、それらの再発を予防するか、または遅延させてもよい。
用語「有効量」または「治療上有効量」は、対象の生物学的または医薬応答を誘発する、本明細書において記載される化合物の量、例えば、0.01~100mg/体重kg/日の投薬量を含む。
「化合物1」および「5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン」は、互換的に使用され、各々が、以下の式:
Figure 0007319369000003
を有する化合物を指す。
「PAM」は、「正のアロステリックモジュレーター」を指す。
3.使用、製剤および投与
1つの態様において、本明細書において記載される化合物1、またはその医薬的に許容される塩および組成物は、NMDA受容体の活性と関連する疾患および/または障害の治療において有用である。かかる疾患および/または障害は、例えば、精神障害、神経障害、および神経発達障害、ならびに神経系の疾患を含む。
別の態様において、本明細書において記載される化合物1またはその医薬的に許容される塩および組成物は、NMDA受容体の活性を調節するのに有用である。
別の態様において、本明細書において記載される化合物1またはその医薬的に許容される塩および組成物は、統合失調症、アルツハイマー病、注意欠陥および運動亢進、自閉症、および他の神経系に関連する状態を治療するのに有用である。
別の態様において、本明細書において記載される化合物1またはその医薬的に許容される塩および組成物は、陽性、陰性、および認知症状を含む、統合失調症を治療するのに有用である。統合失調症は、3種の症状領域:陽性(精神病、幻覚、妄想)、陰性(退薬)、および認知(認知能力における全体的な低下)を包含する、衰弱させるような精神障害である。統合失調症の陽性症状は、典型的には、成人期の初期に出現し、抗精神病薬で治療される。しかしながら、認知障害は、重篤であり、青年前駆期に出現し、抗精神病薬療法に耐性であり、終生の障害の主因であり、それは、損なわれた全体的な機能(独立して生活することができないこと、失業など)により測定される。NMDA受容体機能低下は、統合失調症の原因の主な仮説である。この仮説は、臨床薬理学、電気生理学、画像化、認知、計算論的神経科学、神経解剖学研究、および遺伝学を含む、実質的な臨床上の証拠により支持される。特に、いくつかの傾向の証拠は、統合失調症におけるNMDA受容体の機能低下に関与する。Frank S. Menniti、Craig W. Lindsley、P. Jeffrey Conn、Jayvardhan Pandit、Panayiotis Zagouras、およびRobert A. Volkmann、Allosteric Modulators for the Treatment of Schizophrenia:Targeting Glutamatergic Networks.、Curr Top Med Chem.、2013年;13(1):26~54を参照のこと。
別の態様において、本明細書において記載される化合物1またはその医薬的に許容される塩および組成物は、認知および全体的な機能の改善、ならびに/または例えば、統合失調症を発症するリスクのある人における統合失調症の発症の予防に有用である。
別の態様において、本明細書において記載される化合物1またはその医薬的に許容される塩および組成物は、認知および感情の欠乏、ならびに大うつ病性障害を含む、ならびに統合失調感情障害、双極性障害、強迫障害、不快性障害、気分変調性障害、精神病性うつ病、外傷後ストレス障害、および他の不安障害に罹患しているものを含むが、これらに限定されない、典型的な精神障害と関連する他の症状を治療するのに有用である。例えば、化合物1、またはその医薬的に許容される塩、またはその組成物を投与することを含む、それを必要とする患者において、注意欠陥障害、ADHD(注意欠如・多動症)、統合失調症、不安、鎮静剤、ニコチンおよび/またはエタノール常用癖の改善(例えば、かかる常用癖を治療する方法またはかかる常用癖からの離脱の副作用を改善する方法)、脊髄損傷、糖尿病性網膜症、外傷性脳損傷、および/または心的外傷後ストレス障害を治療する方法が、本明細書において提供される。
別の態様において、本明細書において記載される化合物1またはその医薬的に許容される塩および組成物は、認知および感情の欠乏、ならびに軽度認知障害、または認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、および発作障害のいずれかの形態に罹患している患者を含むが、これらに限定されない、神経疾患から生じる他の症状を治療するのに有用である。
別の態様において、本明細書において記載される化合物1またはその医薬的に許容される塩および組成物は、神経発達障害、例えば、Rett症候群、注意欠陥および多動性障害を含むが、これらに限定されない異常な脳の発達、フェラン・マクダーミド症候群などの自閉症および自閉症スペクトラム障害、ならびに脆弱X症候群、結節性硬化症、スミス・レムリ・オピッツ症候群、ダウン症候群などの他の形態の知的障害、ならびに中心側頭部棘波(BECTS)を有する小児期の良性部分てんかんもしくはランドウ・クレフナー症候群(LKS)などの小児期のてんかんまたはてんかん/失語症により引き起こされる機能不全を治療するのに有用である。中枢神経系の感染症、毒性の薬剤もしくは他の生体異物もしくは天然に存在する毒物への曝露、および/または抗NMDA受容体脳炎を含むが、これに限定されない自己免疫障害から生じる異常な脳機能に罹患している患者を治療する方法もまた、提供される。
別の態様において、本明細書において記載される化合物1またはその医薬的に許容される塩および組成物は、NMDA受容体機能低下を有する対象を治療するのに有用である。
対象に治療上有効量の化合物1、またはその医薬的に許容される塩、またはその組成物を投与することを含む、本明細書において記載される疾患、障害、または状態を有する対象を治療する方法が、本明細書において提供される。
本明細書において記載される疾患、障害、または状態を治療するための医薬の製造のための化合物1、またはその医薬的に許容される塩、またはその組成物の使用もまた、提供される。
本明細書において記載される疾患、障害、または状態の治療において使用するための、化合物1、またはその医薬的に許容される塩、またはその組成物も提供される。
1つの態様において、化合物1および医薬的に許容される担体を含む医薬的に許容される組成物が、提供される。これらの組成物を使用して、上で記載された疾患、障害、および状態の1つまたは複数を治療することができる。
開示される組成物は、経口、非経口、吸入スプレー、局所、直腸、経鼻、口腔、経膣または移植されたリザーバーを介して投与されてもよい。本明細書において使用される、用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、肝臓内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を含む。液体の投薬形態、注射可能な調製物、固体分散形態、および化合物の局所または経皮投与のための投薬形態が、本明細書において含まれる。
単一投薬形態の組成物を生じるよう、担体物質と組み合わせられ得る化合物1の量は、治療されるべき患者および特定の投与様式に依存して変動する。一部の実施形態において、例えば、0.1~100mg/体重kg/日などの0.01~100mg/体重kg/日の提供される化合物が、これらの組成物を受け取る患者に投与することができるように、提供される組成物は、製剤化されてもよい。
任意の特定の患者についての特定の投薬量および治療計画は、年齢、体重、一般的な健康、性別、食事、投与時間、排出の速度、薬物の組み合わせ、治療する医師の判断、および治療される特定の疾患の重症度を含む様々な因子に依存して変動することも、理解されるべきである。組成物における提供される化合物の量はまた、組成物における特定の化合物に依存する。
治療上有効量の化合物1、またはその医薬的に許容される塩、および有効量の1種または複数の追加の医薬上有効な薬剤を使用した併用療法もまた、本明細書に含まれる。1つの態様において、例えば、障害または疾患を治療するための、化合物1、またはその医薬的に許容される塩、および有効量の1種または複数の非定型抗精神病薬の使用が、本明細書において記載される。非定型抗精神病薬は、例えば、ルラシドン、クエチアピン、オランザピン、アセナピン、リスペリドン、ジプラシドン、クロザピン、メルペロン、カリプラジン、アリピプラゾール、ピマバンセリン、ITI-007、RP506、およびレモキシプリドを含む。
以下の典型的な実施例は、本開示の説明を助けることを意図し、本発明の範囲を制限することを意図しないし、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない。
実施例1:5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン(化合物1)の調製
Figure 0007319369000004
工程1:4,6-ジクロロ-5-(2,2-ジエトキシエチル)ピリミジン(2)の調製:
エタノール(250mL)中の2-(4,6-ジクロロピリミジン-5-イル)アセトアルデヒド(1、5g、26.17mmol)の溶液に、塩化アンモニウム(2.11g、39.52mmol)を加え、反応混合物を20時間還流した。反応混合物を濃縮し、残渣を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物4,6-ジクロロ-5-(2,2-ジエトキシエチル)ピリミジン(2、6.9g、粗)を無色の油状物として得た。計算(M+H):265.04;実測(M+H):265
工程2:4-クロロ-7-シクロプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(3)の調製:
エタノール(150mL)中の4,6-ジクロロ-5-(2,2-ジエトキシエチル)ピリミジン(2、6.9g、26.02mmol)およびトリエチルアミン(3.63mL、26.02mmol)の溶液に、シクロプロピルアミン(2mL、28.62mmol)を加え、反応混合物を10時間還流した。反応混合物を真空下で蒸発させ、残渣を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×200mL)抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を、テトラヒドロフラン(150mL)に溶解し、2M塩酸(75mL)を加え、反応混合物を1時間還流した。反応混合物を濃縮し、残渣を水(100mL)に溶解し、水酸化ナトリウム溶液でpH10まで塩基性化し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物4-クロロ-7-シクロプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(3、5g、粗)を茶色がかった半固固体として得た。計算(M+H):194.04;実測(M+H):194
工程3:7-シクロプロピル-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン(4)の調製:
ジオキサン(400mL)中の4-クロロ-7-シクロプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(3、19g、98.44mmol)の溶液および2N水酸化ナトリウム溶液(400mL)を、100℃で16時間加熱した。反応混合物を濃縮して、ジオキサンを取り除いた。水性残渣を、水(約200mL)で希釈し、1.5N塩酸溶液を使用して、pH約4~6まで酸性化した。沈殿した固形物を濾過し、ヘキサンで洗浄し、吸引下で乾燥させて、表題化合物7-シクロプロピル-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン(4、14.93g、収率87%)を茶色がかった固体として得た。計算(M+H):176.07;実測(M+H):176
工程4:エチル2-(7-シクロプロピル-4-オキソ-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-3-イル)アセテート(5)の調製:
アセトン(60mL)中の7-シクロプロピル-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン(4、2.7g、15.41mmol)の溶液に、エチル2-ブロモアセテート(5.1g、30.8mmol)および炭酸カリウム(6.2g、46.2mmol)を室温で加え、反応混合物を55℃で4時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、濾過した。固体を酢酸エチル(100mL)で洗浄し、合わせた濾液を蒸発させて、粗生成物を得て、ヘキサン中の40%酢酸エチルを使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物エチル2-(7-シクロプロピル-4-オキソ-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-3-イル)アセテート(5、3.5g、収率87%)をオフホワイト色の固体として得た。計算(M+H):262.11;実測(M+H):262
工程5:エチル2-(5-ブロモ-7-シクロプロピル-4-オキソ-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-3-イル)アセテート(6)の調製:
N,N-ジメチルホルムアミド(200mL)中のエチル2-(7-シクロプロピル-4-オキソ-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-3-イル)アセテート(5、3g、11.4mmol)の攪拌溶液に、N,O-(ビス-トリメチルシリル)アセトアミド(5.1g、25mmol)およびN-ブロモスクシンイミド(2.02g、11.4mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を、冷水(400mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中の35%酢酸エチルを使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物エチル2-(5-ブロモ-7-シクロプロピル-4-オキソ-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-3-イル)アセテート(6、2.1g、収率54%)をオフホワイト色の固体として得た。計算(M+H):340.02;実測(M+H):340
工程6:2-(5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-4-オキソ-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-3-イル)酢酸(7)の調製:
1,4-ジオキサンと水の混合物(250mL、4:1)中のエチル2-(5-ブロモ-7-シクロプロピル-4-オキソ-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-3-イル)アセテート(6、7.5g、22.04mmol)および(3-クロロ-4-フルオロフェニル)ボロン酸(5.76g、33.07mmol)の溶液に、炭酸カリウム(9.15g、66.14mmol)を加えた。反応混合物を、アルゴンで20分間パージした。次に、ジクロロメタンとの[1,1‘-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)複合体(0.9g、1.10mmol)を加え、反応混合物を、100℃で16時間攪拌した。反応混合物を、セライトベッドを通して濾過し、濾液を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×200mL)で洗浄した。有機層を捨てた。水層を1.5N塩酸で酸性化し、沈殿した固体を濾過し、吸引下で乾燥させて、表題化合物2-(5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-4-オキソ-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-3-イル)酢酸(7、6g、粗)をオフホワイト色の固体として得た。計算(M+H):362.06;実測(M+H):362.1
工程7:5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オンの調製:
ジクロロメタン(70mL)中の2-(5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-4-オキソ-4,7-ジヒドロ-3H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-3-イル)酢酸(7、1.8g、4.9mmol)の攪拌溶液に、トリエチルアミン(1.36mL、9.9mmol)および3-フルオロ-3-メチルアゼチジンヒドロクロリド(1.24g、9.9mmol)を室温で加えた。反応混合物を、10分間攪拌し、次に、プロピルホスホン酸無水物溶液(TP)(6.33mL、9.9mmol、酢酸エチル中の50%)を0℃で加え、反応混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、粗生成物を得て、それを、ジクロロメタン中の4%メタノールを使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン(化合物1、1.1g、収率51%)を白色の固体として得た。計算(M+H):433.12;実測(M+H):433.1、H NMR(400MHz、DMSO-d)δ(ppm):8.26(d、J=6Hz、1H)、8.15(s、1H)、7.93-7.91(m、1H)、7.58(s、1H)、7.35(t、J=8.8Hz、1H)、4.67(s、2H)、4.45-4.32(m、2H)、4.05-3.97(m、2H)、3.64-3.59(m、1H).1.61(d、J=22Hz、3H)、1.10-1.00(m、4H)。HPLC純度:99.28%。
実施例2:5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン(化合物1)の代替調製
Figure 0007319369000005
工程1:5-ブロモ-4-クロロ-7-シクロプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン10の調製:
1,2-ジクロロエタン(100.0mL)中の5-ブロモ-4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン9(10.0g、43.10mmol)の溶液に、シクロプロピルボロン酸(7.41g、86.20mmol)、炭酸ナトリウム(10.0g、86.20mmol)および2,2’-ビピリジル(6.70g、43.53mmol)を加えた。次に、酸素を反応混合物に30分間パージし、酢酸銅(8.21g、45.25mmol)を加えた。懸濁液を80℃で18時間攪拌し、完了後、反応混合物を1N塩酸で室温でクエンチした(最大pH=1.0)。溶液をジクロロメタン(4×100mL)で抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%酢酸エチルを使用)により精製して、表題化合物5-ブロモ-4-クロロ-7-シクロプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン10をオフホワイト色の固体として得た。収量:8.00g、68.4%。MS(ESI):m/z271.94[M+1]
工程2:5-ブロモ-7-シクロプロピル-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン(11)の合成 ジオキサン(40.00mL)中の5-ブロモ-4-クロロ-7-シクロプロピル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン10(8.00g、29.52mmol)の溶液および2N水酸化ナトリウム溶液(40.00mL)を95℃で18時間加熱した。完了後、反応混合物を濃縮して、ジオキサンを取り除いた。水性残渣を水(約50mL)で希釈し、1N塩酸溶液を使用してpH約3に酸性化した。沈殿した固形物を濾過し、ヘキサンで洗浄し、吸引下で乾燥させて、表題化合物5-ブロモ-7-シクロプロピル-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン11をオフホワイト色の固体として得た。収量:5.80g、77.70%。MS(ESI):m/z254.05[M+1]
中間体2-ブロモ-1-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン(12)の合成
Figure 0007319369000006
DCM(400mL)中の化合物A(44.0g、352mmol)の攪拌溶液に、NaOH(1.0M溶液、14.0g、352mmol)を加え、二相性溶液を室温で30分間攪拌した。溶液を分離させ、水層を、DCM(50mL)で抽出した。合わせた有機層を、無水NaSOで乾燥させ、RBF中に入れた。溶液を-10℃まで冷却し、次に、ブロモアセチルブロミドB(106.5mL、528mmol)をゆっくり加え(内部温度を-5℃で維持するため)、同じ温度で2時間攪拌した。完了後、反応混合物を、冷飽和NaHCO溶液でクエンチし、両方の層を分離させた。有機層を無水NaSOで乾燥させて、減圧下で濃縮した。油状残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン中の20~30%EtOAc)に素早く通して、2-ブロモ-1-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン12を薄茶色の油状物として得た。収量:53.0g(73%)。MS(ESI):m/z209.98[M+1]
工程3:5-ブロモ-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン13の合成
アセトン(110mL)中の5-ブロモ-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン11(11.0g、43mmol)の溶液に、2-ブロモ-1-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)エタン-1-オン12(10.9g、52mmol)およびKCO(11.8g、86mmol)を室温で加えた。反応混合物を60℃で16時間攪拌した。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、セライト(登録商標)を通して濾過し、アセトン(500mL)で洗浄した。合わせた濾液を蒸発させて、粗生成物を得て、それを、ジエチルエーテルで徹底的に洗浄することにより精製して、表題化合物5-ブロモ-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン13を薄茶色の固体として得た。収量:14.9g(89.7%)。MS(ESI):m/z294.23[M+1]
工程4:5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン(化合物1)の合成
1,4-ジオキサン(4.0mL)中の5-ブロモ-7-シクロプロピル-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン13(0.5g、1.3mmol)の溶液に、(3-クロロ-4-フルオロフェニル)ボロン酸(0.22g、1.3mmol)およびKCO(0.36g、2.6mmol、2M溶液)を加えた。反応混合物を、アルゴンで10分間まず脱気し、次に、PdCl(dppf)DCM(0.047g、0.065mmol)をアルゴン下で加えた。反応混合物を80℃で6時間攪拌した。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、DCM(30mL)で洗浄した。収合わせた濾液を蒸発させて、粗生成物を得て、それを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中の5~6%メタノール)により精製し、THFで洗浄して、表題化合物5-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-シクロプロピル-3-(2-(3-フルオロ-3-メチルアゼチジン-1-イル)-2-オキソエチル)-3,7-ジヒドロ-4H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オン(化合物1)を薄い灰色の固体として得た。収量:0.170g(30%)。MS(ESI):m/z433.23[M+1]
生物学的アッセイ
以下で提示するデータにより示す通り、化合物1は、NR2A、NR2B、NR2CおよびNR2D NMDAサブタイプの全てに渡り強力な正のアロステリックモジュレーターである。
卵母細胞2EVC NR2A PAM活性
hNR2Aを発現する卵母細胞、ならびに7μMグルタミン酸および13μMグリシンで活性化した卵母細胞の2電極電圧クランプ(2EVC)試験において、化合物1の電流の増強作用(100%増強作用は、グルタミン酸/グリシンにより誘導される電流の2倍と等しい)および有効性を測定した。EC50は、最大半量の応答を生じる化合物の濃度を指す。
Figure 0007319369000007
卵母細胞2EVC NR2C PAM活性
説明:hNR2Cを発現する卵母細胞、ならびに10μMグルタミン酸および10μMグリシンで活性化した卵母細胞の2電極電圧クランプ(2EVC)試験において、化合物1の電流の増強作用(100%増強作用は、グルタミン酸/グリシンにより誘導される電流の2倍と等しい)および有効性を測定した。EC50は、最大半量の応答を生じる化合物の濃度を指す。
Figure 0007319369000008
卵母細胞2EVC NR2D PAM活性
説明:hNR2Dを発現する卵母細胞、ならびに10μMグルタミン酸および10μMグリシンで活性化した卵母細胞の2電極電圧クランプ(2EVC)試験において、化合物1の電流の増強作用(100%増強作用は、グルタミン酸/グリシンにより誘導される電流の2倍と等しい)および有効性を測定した。EC50は、最大半量の応答を生じる化合物の濃度を指す。
Figure 0007319369000009
卵母細胞2EVC NR2B PAM活性
hNR2Bを発現する卵母細胞、ならびに5μMグルタミン酸および3μMグリシンで活性化した卵母細胞の2電極電圧クランプ(2EVC)試験において、化合物1の電流の増強作用(100%増強作用は、グルタミン酸/グリシンにより誘導される電流の2倍と等しい)および有効性を測定した。EC50は、最大半量の応答を生じる化合物の濃度を指す。
Figure 0007319369000010
以下の表1において示す通り、化合物1を、実施例174(%回復した応答により定量したRo 25-6981/DCKAアッセイにおいて試験した最も強力な例示化合物)および実施例181(%最大の測定した増強作用により定量したRo 25-6981/DCKAアッセイにおいて最も強力な例示化合物)に対して比較した。表において示す通り、化合物1は、それぞれ、実施例174および実施例181より卵母細胞NR2B PAM増強作用アッセイにおいておよそ3倍および2.5倍であった。卵母細胞NR2B PAM増強作用アッセイにおけるより高い有効性が、1つの態様において、ヒトにおける増強された治療利点を提供すると予想されるので、この改善は有利である。
Figure 0007319369000011
溶解性の決定
化合物1の溶解性を調べ、Ro 25-6981/DCKAアッセイにおいて有効性(100%回復応答)を示した化合物1の構造異性体(イミダゾピラジノンコア)である、国際公開第2017/100591号の実施例436と比較した。試験化合物の水溶性を、振とうフラスコ法により測定したリン酸緩衝食塩水、pH7.4において測定した。このアッセイ、試験化合物のDMSOストック溶液を緩衝液に加え、続いて、平衡(振とう)し、濾過し、HPLC-UVにより溶解量を測定した。表において示す通り、化合物1は、構造異性体実施例436よりおよそ10倍の水溶性の増大(29μM対3μM)を有することを見出した。国際公開第2017/100591号の他のイミダゾピラジノン比較例を、参照のため提供する。全ての比較例の類似体が有効であり、有効性データは、国際公開第2017/100591号において入手可能である。改善した水溶性は、1つの態様において、ヒトにおいて増強したin vivo性能をもたらすと予想されるので、この改善は有利である。
Figure 0007319369000012
Figure 0007319369000013
Figure 0007319369000014
Figure 0007319369000015
透過性および流出測定
単層システムは、2つの液体コンパートメントを分けるための多孔質支持層上で成長させた堅い細胞層からなる。これらは、腸上皮、血液脳関門などの重要な薬物動態バリアの中処理から高処理モデル化の最も精巧なin vitroツールと広くみなされている(J Pharm Sci.、2012年4月;101(4):1337~1354)。単層研究において広く適用される2つのシステムは、ヒト結腸癌腫細胞株Caco-2ならびにMDR1-遺伝子導入MDCKIIおよびLLC-PK1細胞である。単層アッセイにおいて、単層の細胞を通じた化合物の流出を測定する。対象の化合物の一方向性の流出を、細胞層の頂端部側または基底部側のいずれかに適用し、2つのコンパートメント間でのその時間分解性再分配をモニタリングすることにより、決定する。ベクトル性輸送比(流出比としてしばしば言及される)を、双方向性の測定[頂端部から基底部(A-B)および基底部から頂端部(B-A)]を適用することにより決定する。一般に、2より高い比または0.5より低い比は、有効な輸送プロセスの化合物の正味の流出への関与を示す。かかる輸送プロセスの不存在下では、この比は、およそ1である。
Figure 0007319369000016
表3において示す通り、化合物1は、膜を十分に透過し、MDCK流出アッセイにおける流出の対象ではない。
ヒトおよびラットミクロソーム安定性測定
肝臓は、身体における薬物代謝の最も重要な部位である。市販の化合物のおよそ60%は、肝臓CYP介在性代謝によりクリアランスされる(McGinnity、D.F.;Soars、M.G.;Urbanowicz、R.A.およびRiley、R.J.;Drug Metab. Disp.、32、1247、(2004年))。肝臓ミクロソームは、膜結合薬物代謝酵素を含有する細胞内分画である。ミクロソームを使用して、化合物のin vitro固有クリアランスを決定することができる。種特異的ミクロソームの使用を使用して、細胞間差の理解を可能にし得る。
Figure 0007319369000017
示す通り、化合物1は、ヒト肝臓ミクロソーム(HLM)における良好な安定性およびラット肝臓ミクロソーム(RLM)における優れた安定性を示す。
In vivoクリアランス
化合物1はまた、ラットIV薬物動態研究において改善したin vitroミクロソーム安定性およびin vivoクリアランスを示した。以下に示す通り、化合物1のin vivoクリアランスは、IVラットクリアランスデータが入手可能である、国際公開第2017/100591号において調べられた構造上関連するNMDA PAMのものより有意に低い。特に、実施例285のピロロピリジノン類似体は、Ro 25-6981/DCKAアッセイにおいて優れた有効性を示し、化合物1と非常に構造上類似する。ラットミクロソーム安定性データも提供する。低減したクリアランスは、1つの態様において、ヒトにおける増強したin vivo性能を提供すると予想されるので、in vitroおよびin vivoクリアランスにおけるこれらの改善は、有利である。
Figure 0007319369000018
Figure 0007319369000019
薬理学
A.新規物体認識
経口の化合物1(0.3、1.0、および3.0mg/kg)の認知増強効果を、ラット新規物体認識(NOR)テストにおけるフェンシクリジン(PCP)誘導性認知障害に対して試験した。この実験的プロトコールは、NMDA受容体アンタゴニスト、PCPにより引き起こされた物体認識記憶障害の逆転について試験する。
ラットを、1日2回、7日間、食塩水ビークル(対照群)またはPCP(5mg/kg、腹腔内)のいずれかで処置した。処置なしの14日間の休薬期間後、ラットを、NOR方法論において試験した。簡単に言うと、試験は、2つのセッション(T1およびT2)を含み、それぞれが、3分間、1時間、個別に続く。ビークルまたは化合物1を、T1試験に先立ち投与した。T1において、ラットを、2つの同一の物体と共に試験場に入れ、自由に調べさせ、一方、各物体を調べるのに費やすそれらの時間を記録する。T2において、ラットを、物体の一方は同じままであり、他方を新規物体で置き換えた試験場に戻す。新規物体を調べるのに費やす時間対慣れ親しんだ物体を調べるのに費やす時間を記録し、T1の物体を調べる時間と比較する。
食塩水対照と比較して、PCPで処置した動物は、新規物体を調べるのに費やした時間の有意な低減を示し、これは、NORにおいてPCPにより誘導された欠陥を確かにした。図1におけるデータにより示す通り、化合物1(0.3および1.0mg/kg、経口)の投与は、PCPで処置したラットと比較して、新規物体を調べる時間の増長により示す通り、この欠陥を有意に逆転させた。1mg/kg用量での調べる時間は、食塩水対照動物におけるものと有意に異ならなかったので、1mg/kg用量の化合物1は、PCPにより誘導された欠陥を完全に逆転させた。
B.ミスマッチ陰性有効性モデル
統合失調症におけるNMDA受容体機能低下の病態生理学的バイオマーカーは、「ミスマッチ陰性」、注意前聴覚新規検知を測定するEEG現象関連電位(ERP)などの、初期聴覚処理現象のEEG測定値を含む。MMNは、ラットおよびヒトにおける聴覚新規検知の翻訳可能な測定値であり、統合失調症を有する患者における認知および全体的な機能と相関する。NMDA受容体アンタゴニストであるPCP、MK-801、およびケタミンは、ラット(全3種のNMDArアンタゴニスト)およびヒト対象(ケタミン)においてMMNにおける急性欠陥を誘発する。
EEG電極を埋め込んだラットを、聴覚性逸脱「フリップ-フロップ」プロトコールを含む異なる音声刺激に供した。簡単に言うと、偽無作為な順(フリップ順序)で、6.0kHzの1,000標準音を、90%の確率でもたらし、8.0kHzの100逸脱音を、10%の確率でもたらし、次に、この順序を、標準として8kHz音声、逸脱音として6kHzの音声を繰り返した(フロップ順序)。これらの50msの聴覚音声の開始の50ms~開始の150ms後のEEG記録期に渡る各1msの時間点で、平均8kHz標準音応答(フロップ)を平均8kHz逸脱音応答(フリップ)から差し引くことにより得られた差次電位として、MMNを計算する。
4方向クロスオーバー設計において、ラットに、ビークルまたは化合物1(60mg/kg)を2回、4時間隔てて投与した。次に、試験セッションの直前に、ラットに、食塩水対照またはMK-801(0.2mg/kg、IP)を投与した。試験セッションは、3回の20分間のフリップ-フロップブロックからなるものであった。図2により示す通り、ビークルとMK-801の投与は、ビークルと食塩水の投与と比較して、MMNを有意に損なった。加えて、化合物1とMK-801後に記録したMMNが、ビークルと食塩水後に記録したMMNともはや異ならず、ビークルおよびMK-801の投与後に記録したMMNと比較したとき、有意に大きくなるように、化合物1(60mg/kg BID)の投与は、MK-801によるMMNの損傷を予防した。
本発明者らが、本発明の多数の実施形態を記載する一方、本発明者らの基本的な実施例が、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態をもたらすよう変更され得ることは明らかである。それ故、本発明の範囲は、例示の目的で表された具体的な実施形態よりむしろ、添付の請求の範囲により定義されるべきであることは、理解される。
本出願を通じて引用される全ての参考文献(文献、登録特許、公開された特許出願、および係属中の特許出願)は、その全体が参照により本明細書に明白に取り込まれる。別段定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者により一般に解される意味に従う。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]式:
の化合物;またはその医薬的に許容される塩。
[態様2]態様1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
[態様3]対象における精神神経、神経発達、または神経障害を治療する方法であって、前記対象に治療上有効量の態様1の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む、方法。
[態様4]前記精神神経障害が、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害またはうつ病である、態様3に記載の方法。
[態様5]前記神経発達障害が、注意欠如・多動症、自閉症スペクトラム障害または知的障害である、態様3に記載の方法。
[態様6]前記障害が、フェラン・マクダーミド症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、脆弱X症候群またはRett症候群である、態様5に記載の方法。
[態様7]前記神経障害が、発作もしくはてんかん性障害、神経変性障害、失語症、または脳炎である、態様3に記載の方法。
[態様8]前記神経障害が、アルツハイマー病または抗NMDA受容体脳炎(ANRE)である、態様7に記載の方法。

Claims (12)

  1. 式:
    の化合物;又はその医薬的に許容される塩。
  2. 請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩、及び医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  3. 請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含む、精神神経、神経発達又は神経障害を治療するための医薬組成物。
  4. 精神神経障害が、統合失調症、統合失調感情障害、双極性障害又はうつ病である、請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 神経発達障害が、注意欠如・多動症、自閉症スペクトラム障害又は知的障害である、請求項3に記載の医薬組成物。
  6. 前記障害が、フェラン・マクダーミド症候群、スミス・レムリ・オピッツ症候群、脆弱X症候群又はRett症候群である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 神経障害が、発作、てんかん性障害、神経変性障害、失語症、又は脳炎である、請求項3に記載の医薬組成物。
  8. 神経障害が、アルツハイマー病又は抗NMDA受容体脳炎(ANRE)である、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含む、統合失調症を治療するための医薬組成物。
  10. 請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含む、統合失調症の陽性症状を治療するための医薬組成物。
  11. 請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含む、統合失調症の陰性症状を治療するための医薬組成物。
  12. 請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容される塩を含む、統合失調症の認知症状を治療するための医薬組成物。
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