JP7318140B2 - 電解質材料及び形成方法 - Google Patents

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Description

以下は、電解質材料及びその形成方法に関し、特に、結晶構造の不規則性を含む固体電解質材料及びその形成方法に関する。
リチウム金属アノードを可能にすることによって、固体リチウム電池は、従来のリチウムイオン電池と比較して、より高いエネルギー密度及びより速い再充電時間を提供し、安全性の懸念が少ないと期待される。産業界は、改善された固体電解質材料を求め続けている。
本開示は、添付の図面を参照することによって、よりよく理解することができ、その多くの特徴及び利点が当業者に明らかになる。
一実施形態による例示的な固体電解質材料の結晶構造を示す図である。 別の結晶構造を示す図である。 一実施形態による別の例示的な固体電解質材料の結晶構造を示す図である。 さらなる結晶構造を示す図である。 別の結晶構造を示す図である。 一実施形態による別の例示的な固体電解質材料の結晶構造を示す図である。 一実施形態による別の例示的な固体電解質材料の結晶構造を示す図である。 結晶構造を示す図である。 別の結晶構造を示す図である。 異なる結晶構造を示す図である。 ハロゲン化物系材料の粉末X線回折シミュレーションのスペクトルである。 ハロゲン化物系材料の粉末X線回折シミュレーションのスペクトルである。 ハロゲン化物系材料の粉末X線回折シミュレーションのスペクトルである。 ハロゲン化物系電解質材料のX線回折シミュレーションのスペクトルである。 別のハロゲン化物系電解質材料のX線回折シミュレーションのスペクトルである。 別のハロゲン化物系電解質材料のX線回折シミュレーションのスペクトルである。 別のハロゲン化物系電解質材料のX線回折シミュレーションのスペクトルである。 別のハロゲン化物系電解質材料のX線回折シミュレーションのスペクトルである。 一実施形態による固体電解質材料を形成するプロセスを示すフローチャートである。 ハロゲン化物系電解質材料のX線回折パターンを含む図である。 固体電解質材料の結晶構造モデルである。 固体電解質材料の結晶構造モデルである。 固体電解質材料の結晶構造モデルである。 固体電解質材料の結晶構造モデルである。 ハロゲン化物系電解質材料のX線回折パターンを示す図である。 ハロゲン化物系電解質材料のX線回折パターンを示す図である。 ハロゲン化物系電解質材料の試料のX線回折パターンを示す図である。 ハロゲン化物系電解質材料のX線回折パターンを示す図である。
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが分かる。例えば、図面中の要素の幾つかの寸法は、本発明の実施形態をよりよく理解するのに役立つように、他の要素に対して大げさに描かれている場合がある。異なる図面において同じ参照符号が使用されている場合は、類似又は同一のアイテムを示す。
本明細書に開示される教示を理解し易くするために、図面と組み合わせて以下の説明を提供する。以下の説明は、教示の具体的な実装(implementation)及び実施形態に焦点を当てる。この焦点は、教示を説明し易くするために提供され、教示の範囲又は適用性を限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらのあらゆる他のバリエーションは、非排他的な包含を網羅することを意図している。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていない他の特徴、或いはそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の特徴を含み得る。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「又は」は、包含的「又は」を指し、排他的「又は」を指すのではない。例えば、「条件A又はB」は、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)且つBが真である(又は存在する)、及びAとBの両方が真である(又は存在する)。
「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成要素を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の全般的感覚(general sense)を与えるために行われる。この記述は、1つ又は少なくとも1つを含むものとして読まれるべきであり、そうでないことを意味することが明らかである場合を除き、単数形は複数形も含み、またその逆も同様である。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、及び例は例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
本明細書中の実施形態は、結晶構造の中に特定の不規則性を含むハロゲン化物系(halide-based)電解質材料を含む固体電解質材料に関する。固体電解質材料は、不規則性を持たない同じ組成を有する別の材料と比べて改善された特性を示す。改善された特性には、イオン伝導性、変形能や可塑性等の機械的特性、電気化学的安定性、化学的安定性、熱安定性、電子抵抗率、粒子の形態及び/若しくはサイズ、電極濡れ性等、並びに/又はそれらの任意の組合せが含まれ得る。固体電解質材料は、固体リチウムイオン電池等の電気化学デバイスに使用することができる。実施形態はさらに、結晶構造の中に特定の不規則性を有する固体電解質材料を形成する方法に関する。本方法は、結晶構造中の不規則性の制御された形成を可能にすると同時に、材料の結晶性の制御を可能にする。
一実施形態では、固体電解質材料は、M3ーZ(Mek+3-Z+k*fで表されるハロゲン化物系電解質材料を含むことができ、式中、-3≦z<3であり、kはMeの原子価であり、2≦k<6であり、0≦f≦1であり、Mはアルカリ金属を含み、Meはアルカリ金属以外の金属を含み、Xはハロゲンを含む。さらなる実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、ハロゲン化金属錯体(complex metal halide)であってもよい。特定の態様では、fは0ではない。Meが2つ以上の金属元素を含む場合、kは、各Me金属元素の原子価の合計の平均となり得る。例えば、Meが等モル量の3価の元素及び4価の元素を含む場合、k=(3+4)/2=3.5となる。特定の態様では、kは2又は3又は4又は5であり得る。
本出願を読めば、当業者であれば、ハロゲン化物系材料の単位格子の内部に原子空孔(atomic vacancy)が存在し得ることが理解できる。結晶構造の理解を助けるために、ハロゲン化物系材料の式に原子空孔を加えることができ、原子空孔を含む式は、M3-Z(Mek+3-Z+k*fとすることができ、式中、「・」は単位格子内の原子空孔を表し、Yは原子空孔位置(vacant atomic positions)の数である。特定の実施形態では、yはf(k-1)であり得る。
一態様では、Mは、Li及びNaのうちの少なくとも1つを含み得る。例えば、Mは、Li、Na、又はそれらの組合せを含み得る。別の態様では、Mは、Li、Na、K、Rb、Cs、又はそれらの任意の組合せを含み得る。さらなる態様では、Mは1つ以上のアルカリ金属元素からなることができる。例えば、Mは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群から選択される1つ以上のアルカリ金属元素から本質的になることができる。別の例では、MはLiからなることができる。さらに別の例では、Mは、LiとNa、K、Rb及びCsのうちの少なくとも1つとの組合せからなることができる。さらに別の例では、Mは、Naと、Cs及びRbのうちの少なくとも1つと、からなり得る。別の例では、Mは、Na及びCsのうちの少なくとも1つからなることができる。
別の態様では、Meは、アルカリ土類金属元素、3d遷移金属、希土類元素、Zn、Zr、Hf、Ti、Sn、Th、Ge、V、Ta、Nb、Mo、W、Sb、Te、In、Bi、Al、Ga、Cu、又はそれらの任意の組合せを含み得る。例えば、Meは、Mg、Ca、Sr、若しくはBa等のアルカリ土類金属、Zn、Cu、又はそれらの任意の組合せを含み得る。別の例では、Meは希土類元素を含み得る。特定の実装では、Meは、希土類元素のうちの1つ以上からなることができる。別の特定の例では、Meは、Y、Ce、Gd、Er、Zr、La、Cu、Yb、In、Mg、Zn、Sn、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
一態様では、Xは、Cl、Br、I等のハロゲン、又はそれらの任意の組合せを含み得る。一例では、XはCl及びBrのうちの少なくとも1つを含み得る。特定の実装では、Xは、Cl、Br、又はそれらの組合せからなることができる。特定の例では、Xは1つ以上のハロゲンであり得る。
別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、NH を含む相を含み得る。特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、(NH3-Z(Mek+n+3-Z+k*f(式中、n>0)で表すことができる。本明細書の実施形態の式において、M、Me、n、f、Z、X、及びk等の記号文字が使用される。本開示で使用される場合、異なる実施形態で示される同じ記号文字は、同じ若しくは類似の要素又は値を指すことを意図している。一実施形態において記号文字について記載された特定の要素又は値は、同じ記号文字が使用される場合、別の実施形態に適用することができる。例えば、上記の実施形態におけるM、Me、X、f、z、及びkの説明は、本開示のこの実施形態及び他の実施形態に適用することができる。
特定の実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、Li3-zMek+3-z+kで表すことができる。zが0でない場合、ハロゲン化金属錯体は非化学量論的であると言える。zが0である場合、ハロゲン化金属錯体は化学量論的であると言える。特定の例では-0.95≦z≦0.95である。別の特定の例ではMeは、Y、Gd、Yb、Zr、In、Sc、Zn、Mg、Ca、Ba、Sn又はそれらの組合せを含み、Xは、Cl、Br又はそれらの組合せである。
さらなる実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、LiMeBrで表すことができる。さらなる実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、LiMeClで表すことができる。特定の例では、Meは、原子価が3である少なくとも1つの金属元素からなることができる。別の特定の例では、Meは1つ以上の金属元素を含むことができ、1つ以上の金属元素の平均原子価は3である。
別の特定の実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、Li、Y、並びにCl及びBrのうちの少なくとも1つからなることができる。例えば、ハロゲン化物系電解質材料は、Li、Y、及びClからなることができる。別の例では、ハロゲン化物系電解質材料は、Li、Y、及びBrからなることができる。さらに別の例では、ハロゲン化物系電解質材料は、Li、Y、Cl、及びBrからなることができる。特定の例では、ハロゲン化物系電解質材料は、Li3X1-XCl又はLi3X1-XBr(式中0<x<0.5である)で表すことができる。
別の特定の実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、Li、Gd、並びにCl及びBrのうち少なくとも1つからなることができる。例えば、ハロゲン化物系電解質材料は、Li、Gd、及びClからなることができる。別の例では、ハロゲン化物系電解質材料は、Li、Gd、及びBrからなることができる。さらに別の例では、ハロゲン化物系電解質材料は、Li、Gd、Cl、及びBrからなることができる。特定の例では、ハロゲン化物系電解質材料は、Li3xGd1-xCl又はLi3xGd1-xBr(式中0.01≦x<1である)で表すことができる。
ハロゲン化物系材料の特定の例としては、LiYCl、LiYBr、Li2.70.7Zr0.3Cl、Li2.80.8Sn0.2Cl、Li3.20.8Zn0.2Cl、Li3.20.8Mg0.2Cl、Li1/3Zr1/3Mg1/3Cl、Li1/3Sn1/3Mg1/3Cl、Li1/3Zr1/3Zn1/3Cl、Li2.95Na0.05YBr、Li2.950.05YBr、Li2.95Cs0.05YBr、Li0.7Gd0.3Br、Li0.8Yb0.2Br、Li0.9La0.1Br、Li2.90.9Ce0.1Br、又はLiY(Cl、Br)が挙げられる。
一実施形態において、ハロゲン化物系電解質材料は、従来の結晶構造とは異なる結晶構造を含む結晶相を含み得る。例えば、結晶構造は、従来の結晶構造と比較して不規則性を含み得る。本明細書で使用される「従来の構造」とは、同じ組成を有するハロゲン化物系材料の規則的な結晶構造を指すことを意図している。結晶構造は、結晶系、格子系、空間群、単位格子体積等の1つ以上の単位格子定数、原子価a、b、c、又はそれらの任意の組合せ、単位格子内の原子番号、積層順、原子空孔、空孔の占有、又はそれらの任意の組合せを含む特徴を含み得る。不規則性は、これらの特徴のいずれかに関連する順序の変化であり得る。
一実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、不規則性を含み得る、層状の原子配列を含む結晶構造を含むことができる。一態様では、結晶構造は、層状に配列された原子を含み、層の積層に不規則性を含み得る。一例では、結晶構造は積層欠陥を含み得る。積層欠陥は、結晶構造の中の結晶面の不規則化を生じる、占有された又は空孔の原子位置(occupied or vacant atomic position)のシフトによって引き起こされる結晶構造内の欠陥を表す。
図1A、図1B及び図1Cを簡単に参照すると、同じ組成を有するハロゲン化物系材料の異なる結晶構造が示されている。図1Aは、実施形態の一例の特定の結晶構造の例示であり、図1Bは、ハロゲン化物系材料の従来の結晶構造である。図1Cは、別の実施形態の一例の特定の結晶構造の例示である。結晶構造100、101及び102は、原子110、120及び130を含む層を含む。構造101では、異なる層の中の同じ原子(すなわち、原子110、120又は130)の位置は、その積層の中で同じままであり、原子110、120、130及び空孔140の位置は、構造101内の層にわたって同じパターンに従っている。図示されるように、構造101には、原子及び空孔の層が規則正しく積層されている。構造100及び102の中では、原子110、120又は130の少なくとも幾つかの原子位置は、異なる層の中の同じ原子の位置と比較して、又は構造100の中の同じ原子の位置と比較してシフトしているので、積層欠陥が含まれている。本開示を読み終えれば、当業者は、結晶構造の層を横切る原子の位置のシフトが確率的であり得ること、並びにハロゲン化物系材料の積層欠陥が、図1A及び図1Cに示される特定の例に限定されないこと、を理解することができる。本明細書の実施形態のハロゲン化物系材料は、図1Bに示す構造の中の積層欠陥(0%又は0%近く)よりも多く、図1A及び図1Cに示すように最大100%の積層欠陥を含み得る。当業者であれば、構造100、101及び102を表すほんの一部分のみが図1A~図1Cにそれぞれ示されていることをさらに理解することができる。
特定の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、ハロゲン化物系材料の特性の改善を促進することができる特定の量の積層欠陥を含む結晶構造を含み得る。積層欠陥があると、粉末X線回折パターンが変化し、特に特定のX線回折ピークのみが不均一にブロードする可能性がある。積層欠陥は、Boulineauら、Solid State Ionics 180(2010)1652-1659(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)によって記載された積層欠陥定量法に従って、Bruker GermanyによるTOPAS4.2若しくはFullProf(2020年3月公開のバージョン7.30)、或いはTOPAS4.2若しくはFullProfバージョン7.30と同等の別のバージョン又はソフトウェア等のソフトウェアを使用することによって、ハロゲン化物系材料の粉末X線回折による解析並びにDIFFaXシミュレーション及びリートベルト解析を使用して決定することができる。簡単に言うと、定量方法は、ハロゲン化物系材料の粉末のX線回折パターンへのシミュレーションのフィッティングを含み得る。シミュレーションにより、結晶構造の基本ブロック(primary block)を定義することができる。これらの基本ブロックは、スラブ及びスラブ間空間によって構成することができる。次に、基本ブロックを、可能性のある2つ以上の積層ベクトル(stacking vector)のうちの1つに従って積層することができる。積層ベクトルのうちの1つのみを専ら発生させると、図1Bに示す構造101のような完全な積層(すなわち0%の積層欠陥)になる。結晶構造の積層方向において積層ベクトルを互い違いにすると、積層欠陥が生じる。ハロゲン化物系材料のX線回折パターンへのシミュレーションのフィッティングは、結晶構造の1以上のパラメータを変化させること(「パラメータの精密化」としても知られる)、及び最小二乗差最小化アルゴリズム(a least-square difference minimization algorithm)を実施することを含むことができ、積層欠陥を識別及び定量化することができる。或いは、リートベルト解析後にBoulineauによる積層欠陥定量法ではなく、FAULTSソフトウェアを使用することができる。
一態様では、結晶構造は、少なくとも20%の積層欠陥(例えば少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%の積層欠陥等)を含み得る。別の態様では、原子層の積層が完全に不規則である場合がある。例えば、結晶構造は、100%の積層欠陥を含み得る。別の態様では、積層欠陥は、最大で99%、例えば最大で95%、最大で92%、最大で90%、最大で85%、最大で80%、最大で75%、又は最大で70%等であってもよい。さらに、結晶構造は、本明細書に記載の最小%及び最大%のいずれかを含む範囲の積層欠陥を含み得る。特定の例では、固体電解質材料は、少なくとも50%を含む結晶構造を有するハロゲン化物系材料を含み得る。別の特定の例では、固体電解質材料は、50%を超え最大で100%の積層欠陥を有するハロゲン化物系材料を含み得る。
ハロゲン化物系材料の特定の例は、少なくとも50%の積層欠陥を含む臭化イットリウムリチウム(lithium yttrium bromide)を含み得る。
特定の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、積層欠陥を含む単斜晶系の結晶構造を含み得る。特定の態様では、結晶構造は、空間群C2/mによって提示され得る。例えば、ハロゲン化物系材料は、積層欠陥を含むC2/mで表される結晶構造を含む臭化イットリウムリチウムを含み得る。別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、積層欠陥を含む菱面体格子系又は六方晶系の結晶構造を含み得る。
ハロゲン化物系材料の別の特定の例は、3つの積層ベクトルが(0;0;1)、(1/2;-1/6;1)及び(1/6;-1/6;1)となるように、単斜晶系格子のc軸に沿った積層方向に少なくとも50%の積層欠陥を含み得る。そのようなハロゲン化物系材料の特定の例としては、臭化イットリウムリチウムが挙げられる。本明細書の実施形態に記載の特定の積層欠陥を有するハロゲン化物系材料は、イオン伝導性等の特性が改善され得る。例えば、ベクトル(0;0;1)、(1/2;-1/6;1)及び(1/6;-1/6;1)による単斜晶系単位格子のc軸に沿って少なくとも50%の積層欠陥を有する臭化イットリウムリチウムは、従来の臭化イットリウムリチウムと比較してイオン伝導性が改善され得る。本明細書の実施形態の例示的なハロゲン化イットリウムリチウム(lithium yttrium halide)は、室温で1.7から3.1mS/cmのイオン伝導度を有することができる。
図1Bと比較して、図1A及び図1Cには、原子130及び空孔140の位置にもさらに不規則性が含まれる。図示されているように、原子130の位置は、構造100及び102内において、空孔140と高程度に混じっている。当業者であれば、構造100及び102が、原子130と空孔が高程度に混じっている位置(highly mixed position)があることにより生じる新規な結晶構造であることを理解することができるだろう。特定の例である結晶構造100に示すように、原子130は空孔140と高程度に混じっている。同様に、結晶構造102では、原子130は空孔140と高程度に混じっている。結晶構造101に示されるように、原子130が空孔140とは別個の位置をとるとき、原子130及び空孔140の位置の秩序化は存在する。図1A~図1Cについては、本開示においてさらに後述する。
別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、従来の結晶構造とは異なる結晶構造を含む結晶相を含み得る。一態様において、ハロゲン化物系材料は、従来の結晶構造とは異なる空間群により表される結晶構造を有する結晶相を含み得る。特定の実施形態では、固体電解質材料は、原子レベル、ナノメートルのドメインレベル(nanometric-domain-level)、又はその両方で一体化された第1及び第2の結晶相を含むハロゲン化物系材料を含み得る。最も近い原子距離は通常0.5nm未満であり、ナノメートルのドメインは、最も近い原子距離よりも大きいサイズ、例えば1nmより大きいサイズを有することができる。一態様において、ハロゲン化物系材料は、第1の空間群で表される第1の結晶構造を有する第1結晶相と、第1の空間群とは異なる第2の空間群で表される第2の結晶構造を有する第2結晶相とを含むことができ、少なくとも第1の空間群で表される第1の結晶構造は従来の結晶構造とは異なる。特に、第1の空間群は、従来の結晶構造の空間群とは異なる。
特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、固体電解質材料の特性の改善を促進することができる特定の濃度の第1結晶相を含み得る。例えば、固体電解質材料は、ハロゲン化物系材料の総重量質量に対する濃度が少なくとも1重量%、例えば少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも8重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%である第1結晶相を有するハロゲン化物系材料を含み得る。さらに別の例では、ハロゲン化物系材料は、濃度が最大で95重量%、例えば最大で90重量%、最大で85重量%、最大で80重量%、最大で70重量%、最大で65重量%、最大で60重量%、最大で55重量%、最大で50重量%、最大で45重量%、最大で40重量%、最大で30重量%、最大で25重量%、最大で15重量%、最大で8重量%、又は最大で5重量%である第1相を含み得る。さらに、ハロゲン化物系材料は、本明細書に記載の最小%及び最大%のいずれかを含む濃度範囲の第1相を含み得る。
別の態様では、ハロゲン化物系材料は、固体電解質材料の特性の改善を促進することができる特定の濃度の第2相を含み得る。一例では、例えば、固体電解質材料は、ハロゲン化物系材料の総重量に対する濃度が少なくとも1重量%、例えば少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも8重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%である第2結晶相を有するハロゲン化物系材料を含み得る。さらに別の例では、ハロゲン化物系材料は、濃度が最大で95重量%、例えば最大で90重量%、最大で85重量%、最大で80重量%、最大で70重量%、最大で65重量%、最大で60重量%、最大で55重量%、最大で50重量%、最大で45重量%、最大で40重量%、最大で30重量%、最大で25重量%、最大で15重量%、最大で8重量%、又は最大で5重量%である第2相を含み得る。さらに、ハロゲン化物系材料は、本明細書に記載の最小%及び最大%のいずれかを含む濃度範囲の第2相を含み得る。例示的な実施態様では、第2相は従来の結晶構造を有することができる。さらなる例示的な実施態様では、第2相は、従来構造とは異なる第2の結晶構造を有することができ、特定の実施態様では、第2の空間群は、従来構造の空間群とは異なることができる。
さらなる態様では、ハロゲン化物系材料は、第2及び/又は第1の結晶構造とは異なる結晶構造特徴を含む第3の結晶構造を有する第3相を含み得る。特定の態様では、第3の結晶構造は、第1の空間群及び第2の空間群とは異なる第3の空間群によって表すことができる。さらなる態様では、ハロゲン化物系材料は、第1相又は第2相の濃度に対して説明した任意の濃度の第3相を含み得る。なおさらなる態様では、ハロゲン化物系材料はアモルファス相を含み得る。アモルファス相の濃度は、最大で10重量%、又は最大で5重量%、又は最大で1重量%であってもよい。ハロゲン化物系材料に含まれる各相の濃度の合計は、最大で100重量%になることを理解されたい。
別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、従来の結晶構造の空間群とは異なる空間群によって表される結晶構造を有する結晶相から本質的になることができる。
特定の実施形態では、固体電解質材料は、第1の空間群で表される第1の結晶構造を有する第1相を含むハロゲン化物系材料を含むことができ、第1の空間群は、菱面体格子系の空間群とすることができる。菱面体格子系は、R3、R-3、R32、R3m、R3c、R-3m、R-3c空間群を含む7つの空間群を含む。特定の態様では、第1結晶相は、R-3m空間群によって表される第1の結晶構造を有することができる。別の態様では、第2結晶相は、単斜晶系の空間群によって表すことができる。特定の態様では、第2相は、C2/mで表される結晶構造を含み得る。ハロゲン化物系材料の特定の例としては、R-3mで表される結晶構造を有する結晶相、C2/mで表される結晶構造を有する結晶相を挙げることができる。ハロゲン化物系材料のさらなる特定の例は、R-3mで表される結晶構造を有する第1結晶相及びC2/mで表される結晶構造を有する第2結晶相からなることができる。ハロゲン化物系材料のさらなる特定の例は、R-3mで表される結晶構造を有する第1結晶相と、C2/mで表される結晶構造を有する第2結晶相と、Fd-3m又はFm-3mで表される結晶構造を有する第3結晶相とからなることができる。別の特定の例では、ハロゲン化物系材料は、R-3mによって表される結晶構造を有する結晶相からなることができる。
図1A、図1B、及び図1Cを参照すると、図1Aは、一実施形態のR-3mで表される結晶構造の特定の例の図であり、図1Bは、C2/mで表される従来の結晶構造の図であり、図1Cは、一実施形態のC2/m空間群で表される結晶構造の図である。特定の例では、ハロゲン化物系電解質材料は、図1Aに示すように、R-3mで表される結晶構造を有する第1相と、図1Bに示すように、C2/mで表される結晶構造を有する第2相とを含む臭化イットリウムリチウムを含むことができ、第1及び第2の結晶相は、原子レベル、ナノメートルのドメインレベル、又はその両方で一体化されている。別の特定の例では、ハロゲン化物系固体電解質材料は、図1Aに示すように、R-3mで表される結晶構造を有する結晶相からなり得る臭化イットリウムリチウムを含み得る。
別の態様において、固体電解質材料は、六方晶系の空間群で表される結晶構造を有する相を含むハロゲン化物系材料を含み得る。六方晶系は、

を含む27個の空間群を含む。一態様において、ハロゲン化物系材料は、六方晶系の空間群のいずれか1つによって表される結晶構造を有する結晶相を含み得る。特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、P6/mcmで表される結晶構造を有する結晶相を含み得る。別の態様において、ハロゲン化物系材料は、P6/mmc空間群で表される結晶構造を有する結晶相を含み得る。特定の態様では、固体電解質材料は、P6/mcmで表される結晶構造を有する結晶相から本質的になることができる。別の特定の態様では、固体電解質材料は、P6/mmc空間群で表される結晶構造を有する結晶相から本質的になることができる。
他の実施形態において、ハロゲン化物系材料は、六方晶系結晶構造の空間群で表される第1の結晶構造を有する第1結晶相と、六方晶系結晶構造以外の結晶系の空間群で表される第2の結晶構造を有する第2相と、を含み得る。一態様において、第2相は、三方晶系の空間群で表される結晶構造を有することができる。特定の態様では、第2相は、P-3m1によって表される第2の結晶構造を有することができる。さらなる態様では、第2相は、斜方晶系結晶構造の空間群で表される結晶構造を有することができる。別の特定の態様では、第2相は、Pnma空間群によって表される第2の結晶構造を有することができる。
特定の実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、P6/mcm又はP6/mmcで表される第1の結晶構造を有する第1相と、P-3m1又はPnmaで表される第2の結晶構造を有する第2相と、を含み得る。さらに別の特定の実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、P6/mcm又はP6/mmcで表される第1の結晶構造を有する第1相と、P-3m1又はPnmaで表される第2の結晶構造を有する第2相と、からなることができる。
図2A~図2Dを参照すると、図2AはPnmaで表される結晶構造200の図であり、図2BはP-3m1で表される結晶構造201の図であり、図2Cは一実施形態の特定の例のP6/mcmで表される結晶構造202の図である。図2Dは、一実施形態の特定の例のP6/mmcによって表される結晶構造203の図である。
特定の例では、ハロゲン化物系電解質材料は、図2Cに示すようなP6/mcm、又は図2Dに示すようなP6/mmcで表される結晶構造を有する第1相と、図2Aに示すようなPnma、又は図2Bに示すようなP-3m1で表される結晶構造を有する第2相と、を含む塩化イットリウムリチウムを含むことができ、第1及び第2の結晶相は、原子レベル、ナノメートルのドメインレベル、又はその両方で統合されている。別の特定の例では、ハロゲン化物系固体電解質材料は、図2Cに示すようなP6/mcm、又は図2Dに示すようなP6/mmcで表される結晶構造を有する結晶相からなることができる塩化イットリウムリチウムを含み得る。別の特定の例では、ハロゲン化物系固体電解質材料は、図2Cに示すようなP6/mcm、又は図2Dに示すようなP6/mmcで表される結晶構造を有する第1相と、図2Aに示すようなPnma、又は図2Bに示すようなP-3m1で表される結晶構造を有する第2相と、からなることができる塩化イットリウムリチウムを含み得る。
一実施形態では、固体電解質材料は、従来の結晶構造と比較して、単位格子内に異なる数の原子を含む結晶構造を含むハロゲン化物系材料を含み得る。一態様では、ハロゲン化物系材料は、従来の構造と比較して不規則な単位格子を含む結晶構造を含み得る。さらなる態様では、不規則な単位格子は、ハロゲン原子の数、Li等のMの原子数、Meの原子数、単位格子定数、より小さい単位格子等の単位格子の体積、又はそれらの任意の組合せにおいて、従来の結晶構造と異なり得る。別の態様では、ハロゲン化物系材料は、従来の結晶構造と比較してハロゲン原子の含有量が少ない単位格子を含む結晶構造を含み得る。
別の特定の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、12個未満のハロゲン原子を含む単位格子を含む結晶構造を含み得る。一態様では、単位格子内のハロゲン原子の数は、最大で10、最大で8、最大で6、最大で5、又は最大で4であり得る。別の態様では、単位格子中のハロゲン原子の数は、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、又は少なくとも4であり得る。さらに、ハロゲン化物系材料は、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲のハロゲン原子を含む単位格子を含む結晶構造を含み得る。例えば、ハロゲン化物系材料は、単位格子内に2~6個のハロゲン原子を含み得る。
さらなる実施形態では、ハロゲン化物系材料は、単斜晶系空間群で表され、不規則性を有する単位格子を含む結晶構造を含み得る。一態様では、空間群はC2/mであり得る。別の態様では、単位格子は12個未満のハロゲン原子を含み得る。特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、単斜晶系空間群によって表され、3~5個のハロゲン原子を含む単位格子を含む結晶構造を含み得る。
さらなる実施形態では、ハロゲン化物系材料は、六方晶系の空間群によって表される結晶構造を含むことができ、単位格子は12個未満のハロゲンを含み得る。一態様では、空間群はR-3mであり得る。別の態様では、単位格子は、最大で8個のハロゲン原子を含み得る。少なくとも1つの特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、六方晶系結晶系の空間群によって表され、最大で6個のハロゲン原子を有する単位格子を含む結晶構造を含み得る。別の態様において、ハロゲン化物系材料は、六方晶系の空間群で表され、少なくとも1.5個のハロゲン原子を有する単位格子を含む結晶構造を含み得る。
さらなる実施形態では、ハロゲン化物系材料は、菱面体格子系の空間群によって表される結晶構造を含むことができ、単位格子は12個未満のハロゲンを含み得る。一態様では、単位格子は、最大で8個のハロゲン原子を含み得る。
従来のC2/m単位格子は、12個のハロゲン原子を含む。例えば、LiYBr等の従来のLiMeBrは、単位格子内に12個の臭素原子を含む。一実施形態のLiYBrの代表的な例は、12個未満の臭素原子、例えば最多で6個の臭素原子又は最大で4個の臭素原子を含み得る。LiYBrの特定の例は、4個のBr原子を有するより小さな単斜晶系単位格子を有することができる。一実施形態のLiYBrの別の特定の例は、6個のBr原子を含むR-3m単位格子を含み得る。
一実施形態では、固体電解質材料は、特定の単位格子特性を含む結晶構造を含むハロゲン化物系材料を含み得る。一態様では、ハロゲン化物系材料は、単位格子定数a、b、及びcがそれぞれ独立して特定の値A、B、及びCを有する単位格子を含むことができる。別の態様では、単位格子は、特定の体積、特定の正規化された体積、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
特定の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、菱面体晶系空間群によって表される結晶構造を含むことができ、単位格子定数a及びbは等しい。図3を参照すると、パラメータa、b、及びcを含む菱面体晶系単位格子300が示されている。特定の態様では、単位格子はR-3m空間群であり得る。一態様では、A又はB又はその両方が特定の値を含み得る。例えば、A又はBは、少なくとも3.0オングストローム、少なくとも3.3オングストローム、少なくとも3.6オングストローム、又は少なくとも3.9オングストロームであり得る。別の例では、A又はBは、最大で4.8オングストローム、最大で4.6オングストローム、最大で4.3オングストローム、最大で4.2オングストローム、又は最大で4.0オングストロームであり得る。さらに、A又はBは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。さらなる態様では、ハロゲン化物系材料は、特定のCを含む結晶構造を含み得る。一例では、Cは、少なくとも15オングストローム、少なくとも17オングストローム、又は少なくとも19オングストロームであり得る。別の例では、Cは、最大で21オングストローム、最大で20.2オングストローム、又は最大で19.5オングストロームであり得る。さらに、Cは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
さらなる態様では、菱面体晶系単位格子は、特定の値を有する単位格子体積Vを含み得る。例えば、Vは、少なくとも200立方オングストローム、少なくとも210立方オングストローム、少なくとも230立方オングストローム、少なくとも250立方オングストローム、又は少なくとも260立方オングストロームであり得る。別の例では、Vは、最大で320立方オングストローム、最大で310立方オングストローム、最大で290立方オングストローム、最大で275立方オングストローム、又は最大で270立方オングストロームであり得る。特定の例では、Vは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
さらなる態様では、菱面体晶系単位格子は、式単位当たりの単位体積VN/FUを含む正規化体積を含むことができ、VN/FU=V/NFUであり、NFUは単位格子内の式単位の数を表す。特定の態様では、単位格子は特定のVN/FUを含み得る。一例では、ハロゲン化物系材料は、少なくとも200立方オングストローム、少なくとも210立方オングストローム、少なくとも230立方オングストローム、少なくとも250立方オングストローム、又は少なくとも260立方オングストロームのVN/FUを含む結晶構造を含み得る。別の例では、VN/FUは、最大で290立方オングストローム、最大で275立方オングストローム、最大で270立方オングストローム、又は最大で268立方オングストロームであり得る。特定の例では、VN/FUは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
さらなる態様では、菱面体晶系単位格子は、ハロゲン原子当たりの単位体積VN/AA含む正規化体積を含むことができ、V/NAA=V/NAAであり、NAAは単位格子内のハロゲン原子の数を表す。特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、特定のVN/AAを含む結晶構造を含み得る。一例では、VN/AAは、少なくとも30立方オングストローム、少なくとも34立方オングストローム、少なくとも38立方オングストローム、少なくとも42立方オングストローム、又は少なくとも46立方オングストロームであり得る。別の例では、VN/AAは、最大で50立方オングストローム、最大で48立方オングストローム、又は最大で47立方オングストロームであり得る。特定の例では、VN/AAは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
特定の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、単位格子の体積が従来の結晶構造と比べて小さな単斜晶系空間群によって表される結晶構造を含むことができる。図4を参照すると、パラメータa、b、及びcを含む単斜晶系単位格子400が示されており、a、b、及びcは互いに異なる。特定の態様では、単位格子はC2/m空間群であり得る。一態様では、A、B、及びCは、独立して特定の値を含み得る。例えば、Aは、少なくとも5.8オングストローム、少なくとも6.1オングストローム、少なくとも6.3オングストローム、少なくとも6.5オングストローム、少なくとも6.7オングストローム、又は少なくとも6.9オングストロームであり得る。別の例では、Aは、最大で7.8オングストローム、最大で7.6オングストローム、最大で7.3オングストローム、最大で7.2オングストローム、又は最大で7.0オングストロームであり得る。さらに、Aは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。さらなる例では、Bは、少なくとも3.0オングストローム、少なくとも3.3オングストローム、少なくとも3.6オングストローム、又は少なくとも3.9オングストロームであり得る。別の例では、Bは、最大で4.8オングストローム、最大で4.6オングストローム、最大で4.3オングストローム、最大で4.2オングストローム、又は最大で4.1オングストロームであり得る。さらに、Bは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。一例では、Cは、少なくとも6.1オングストローム、少なくとも6.4オングストローム、又は少なくとも6.8オングストロームであり得る。別の例では、Cは、最大で7.9オングストローム、最大で7.6オングストローム、最大で7.2オングストローム、又は最大で6.9オングストロームであり得る。さらに、Cは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
さらなる態様では、単斜晶系単位格子は、特定の値を有する単位格子体積Vを含み得る。例えば、Vは、少なくとも110立方オングストローム、少なくとも125立方オングストローム、少なくとも140立方オングストローム、少なくとも160立方オングストローム、又は少なくとも170立方オングストロームであり得る。別の例では、Vは、最大で500立方オングストローム、最大で400立方オングストローム、最大で310立方オングストローム、最大で250立方オングストローム、最大で220立方オングストローム、最大で200立方オングストローム、又は最大で180立方オングストロームであり得る。特定の例では、Vは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
特定の態様では、単斜晶系単位格子は、特定のVN/FUを含み得る。一例では、ハロゲン化物系材料は、少なくとも200立方オングストローム、少なくとも210立方オングストローム、少なくとも230立方オングストローム、少なくとも250立方オングストローム、又は少なくとも260立方オングストロームのVN/FUを含む結晶構造を含み得る。別の例では、VN/FUは、最大で320立方オングストローム、最大で300立方オングストローム、最大で280立方オングストローム、又は最大で270立方オングストロームであり得る。特定の例では、VN/FUは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
さらなる態様では、単斜晶単位格子は、ハロゲン原子当たりの単位体積VN/AAを含む正規化体積を含むことができ、VN/AA=V/NAAであり、NAAは単位格子内のハロゲン原子の数を表す。特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、特定のVN/AAを含む結晶構造を含み得る。一例では、VN/AAは、少なくとも30立方オングストローム、少なくとも34立方オングストローム、少なくとも38立方オングストローム、少なくとも42立方オングストローム、又は少なくとも44立方オングストロームであり得る。別の例では、VN/AAは、最大で54立方オングストローム、最大で51立方オングストローム、最大で49立方オングストローム、又は最大で47立方オングストローム、又は最大で45立方オングストロームであり得る。特定の例では、VN/AAは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
LiYBrの従来の結晶構造は、C2/m空間群によって表され、単位格子当たり式単位2個、LiYBr、Br原子12個、及び約534立方オングストロームのVを含む。一実施形態の例示的なLiYBrは、R-3m空間群で表される結晶構造、及び単位格子当たり、式単位1個、Br原子6個、及び約267+/-3%立方オングストロームのVを含み得る。一実施形態の別の例示的なLiYBrは、単位格子当たりC2/m空間群で表される結晶構造、式単位2/3個、Br原子4個、及び約178+/-3%立方オングストロームのVを含み得る。
別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、六方晶系の空間群によって表される結晶構造を含むことができ、単位格子定数aとbは等しい。図5を参照すると、パラメータa、b、及びcを含む六方晶系単位格子500が示されている。一態様では、六方晶系単位格子は、P6/mcm空間群によって表され得る。別の態様では、六方晶系単位格子は、P6/mmc空間群によって表され得る。
一態様では、P6/mcm単位格子は、特定のA、B、又はCを含み得る。一例では、A又はB、又はその両方は、少なくとも5.0オングストローム、少なくとも5.5オングストローム、少なくとも6.1オングストローム、又は少なくとも6.3オングストロームであり得る。別の態様では、A又はB又は両方は、最大で8オングストローム、又は最大で7.5オングストローム、又は最大で7.0オングストローム、又は最大で6.5オングストロームであり得る。さらに、A、B、又はその両方は、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。さらなる態様では、ハロゲン化物系材料は、特定のCを含む結晶構造を含み得る。一例では、Cは、少なくとも4.8オングストローム、少なくとも5.3オングストローム、少なくとも5.7オングストローム、又は少なくとも6.0オングストロームであり得る。一例では、Cは、最大で6.9オングストローム、最大で6.4オングストローム、又は最大で6.1オングストロームであり得る。さらなる例では、Cは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
さらなる態様では、P6/mcm単位格子は、特定の値を有する単位格子体積Vを含み得る。例えば、Vは、少なくとも150立方オングストローム、少なくとも170立方オングストローム、少なくとも190立方オングストローム、少なくとも205立方オングストローム、又は少なくとも210立方オングストロームである。さらなる例では、Vは、最大で270立方オングストローム、最大で250立方オングストローム、最大で230立方オングストローム、又は最大で220立方オングストロームであり得る。特定の例では、Vは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
特定の態様では、P6/mcm単位格子は、特定のVN/FUを含み得る。一例では、ハロゲン化物系材料は、少なくとも150立方オングストローム、少なくとも170立方オングストローム、少なくとも190立方オングストローム、少なくとも200立方オングストローム、又は少なくとも210立方オングストロームのVN/FUを含む結晶構造を含み得る。別の例では、VN/FUは、最大で270立方オングストローム、最大で250立方オングストローム、最大で230立方オングストローム、又は最大で220立方オングストロームであり得る。特定の例では、VN/FUは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
さらなる態様では、P6/mcm単位格子は、ハロゲン原子当たりの単位体積VN/AAを含む正規化体積を含むことができ、VN/AA=V/NAAであり、NAAは単位格子内のハロゲン原子の数を表す。特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、特定のVN/AAを含む結晶構造を含み得る。一例では、VN/AAは、少なくとも25立方オングストローム、少なくとも28立方オングストローム、少なくとも31立方オングストローム、少なくとも34立方オングストローム、又は少なくとも36立方オングストロームであり得る。別の例では、VN/AAは、最大で50立方オングストローム、最大で47立方オングストローム、最大で44立方オングストローム、又は最大で41立方オングストローム、又は最大で38立方オングストロームであり得る。特定の例では、VN/AAは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
一態様では、P6/mmc単位格子は、特定のA、B、又はCを含み得る。一例では、A又はB、又はその両方は、少なくとも2.5オングストローム、少なくとも2.8オングストローム、少なくとも3.2オングストローム、又は少なくとも3.6オングストロームであり得る。別の態様では、A又はB又は両方は、最大で5オングストローム、最大で4.6オングストローム、最大で4.3オングストローム、最大で4.1オングストローム、又は最大で3.8オングストロームであり得る。さらに、A、B、又はその両方は、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。さらなる態様では、ハロゲン化物系材料は、特定のCを含む結晶構造を含み得る。一例では、Cは、少なくとも4.8オングストローム、少なくとも5.3オングストローム、少なくとも5.7オングストローム、又は少なくとも6.0オングストロームであり得る。一例では、Cは、最大で6.9オングストローム、最大で6.4オングストローム、又は最大で6.1オングストロームであり得る。さらなる例では、Cは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
さらなる態様では、P6/mmc単位格子は、特定の値を有する単位格子体積Vを含み得る。例えば、Vは、少なくとも60立方オングストローム、少なくとも65立方オングストローム、少なくとも68立方オングストローム、又は少なくとも70立方オングストロームであり得る。別の例では、Vは、最大で85立方オングストローム、最大で82立方オングストローム、最大で78立方オングストローム、最大で74立方オングストローム、又は最大で71立方オングストロームであり得る。さらなる例では、Vは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
特定の態様では、P6/mmc単位格子は特定のVN/FUを含み得る。一例では、ハロゲン化物系材料は、少なくとも150立方オングストローム、少なくとも170立方オングストローム、少なくとも190立方オングストローム、少なくとも200立方オングストローム、又は少なくとも210立方オングストロームのVN/FUを含む結晶構造を含み得る。別の例では、VN/FUは、最大で270立方オングストローム、最大で250立方オングストローム、最大で230立方オングストローム、又は最大で220立方オングストロームであり得る。特定の例では、VN/FUは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
さらなる態様では、P6/mmc単位格子は、ハロゲン原子当たりの単位体積VN/AAを含む正規化体積を含むことができ、VN/AA=V/NAAであり、NAAは単位格子内のハロゲン原子の数を表す。特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、特定のVN/AAを含む結晶構造を含み得る。一例では、VN/AAは、少なくとも25立方オングストローム、少なくとも28立方オングストローム、少なくとも31立方オングストローム、少なくとも34立方オングストローム、又は少なくとも36立方オングストロームであり得る。別の例では、VN/AAは、最大で50立方オングストローム、最大で47立方オングストローム、最大で44立方オングストローム、又は最大で41立方オングストローム、又は最大で38立方オングストロームであり得る。特定の例では、VN/AAは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
LiYClの従来の結晶構造は、Pnma空間群で表され、単位格子あたり、式単位4個、Cl原子24個、及び約875立方オングストロームのVを含む。LiYBrの別の従来の結晶構造は、P-3m1空間群によって表され、単位格子当たり、式単位3個、Cl原子18個、及び約655立方オングストロームのVを含む。一実施形態の例示的なLiYClは、P6/mcmで表される結晶構造を含むことができ、単位格子当たり、式単位1個、Cl原子6個、及び218+/-3%立方オングストロームのVを含み得る。一実施形態の別の例示的なLiYClはP6/mmc空間群で表される結晶構造を含むことができ、単位格子当たり、式単位1/3個、Cl原子2個、及び73+/-3%立方オングストロームのVを含み得る。
一実施形態では、固体電解質材料は、空孔及びMeの原子位置が原子的に不規則であり、且つ不規則なX1及びX2原子(X1及びX2は、2つの異なるハロゲン原子を表す)、不規則な空孔サイト及びM原子、不規則なM及びMe原子、不規則なM、Me、及び空孔原子、又はそれらの任意の組合せ等の、結晶構造の不規則性を含むハロゲン化物系材料を含むことができる。
別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、空孔及びMe原子の少なくとも一部の位置が原子層又は直鎖状の原子鎖において不規則であるような空孔及びMe原子を含む結晶構造を含み得る。一態様では、ハロゲン化物系材料は、空孔及びMeの原子位置が原子的に不規則である結晶構造を含むことができ、この不規則性は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、又は少なくとも90%であり得る。
原子の不規則性は、ハロゲン化物系材料のX線粉末回折パターンのリートベルト解析による精密化によって、より具体的にはM原子、Me原子及び空孔の位置を含む結晶学的サイトの占有率に基づいて決定することができる。本出願を読み終えれば、当業者は、結晶学的サイトの占有率に基づいて原子の不規則性を理解することができ、以下のステップに従ってケース毎に決定することができる。
粉末ハロゲン化物系材料に対してX線回折(XRD)分析を行い、XRDパターンを記録することができる。シミュレートされたXRDパターンは、最もフィットするものを得て(get the best fit)結晶学的サイトの占有率を決定するために一組の結晶構造パラメータ(例えば、単位格子のパラメータ、原子空孔、及び本出願に記載された他のパラメータ)を精密化することによって、ハロゲン化物系材料のXRDにフィッティング及びマッチングすることができる。次いで、結晶学的サイトの占有率に基づいて原子の不規則性を決定することができる。
ここで、ハロゲン化物系材料の一例として、LiMeBrを用いる。結晶構造中の空孔を式に含めることができ、ハロゲン化物系材料はLiMe・oct Brで表すことができる。本発明の実施形態のLiMeBrは、R-3m空間群で表される結晶構造を有することができる。Meサイトの占有率が33.33%の場合、結晶構造は、八面体空孔(octahedral vacancy)・oct及びMe原子の位置が完全に原子的に不規則である、すなわち100%Me-空孔不規則性(空孔及びMe原子の原子位置がX線粉末回折パターンと区別がつかない)を有することができる。従来の対応するLiMeBrは、C2/m空間群で表される結晶構造を有することができる。理解をさらに助けるために簡単に図1Bを参照すると、図示のように、Me原子130と空孔140とによる結晶学的サイト160の共占有率は低い(すなわち、10%未満)。
別の例として、LiMeBrの結晶構造中の空孔を式に含めることができ、ハロゲン化物系材料は、LiMe・oct Brとして表すことができる。本発明の一実施形態のLiMeClは、P6/mcm空間群で表される結晶構造を有することができ、Me位置の占有率が33.33%である場合、結晶構造は、八面体空孔・oct及びMe位置が完全に原子的に不規則である、すなわち、粉末XRDパターンに基づく100%Me-空孔不規則性(空孔とMe原子の原子位置が区別できない)を有することができる。
本明細書の実施形態で述べるように、ハロゲン化物系材料は複数の相を有することができる。原子の不規則性は、相濃度を考慮して決定することができる。例えば、ハロゲン化物系材料は、対応する従来のハロゲン化物系材料とは異なる第1の空間群によって表される結晶構造及びa%の原子の不規則性を有する第1結晶相(第1結晶相の濃度はb重量%とすることができる)と、第2の空間群によって表される結晶構造及びc%の原子の不規則性を有する第2結晶相(第2相の濃度はd重量%である)と、を含むことができる。第2空間群は、対応する従来のハロゲン化物系材料と同一でも異なっていてもよい。ハロゲン化物系材料は、直鎖状に全く不規則である(linear total disorder)原子の不規則性を有することができる。DLTは、式DLT=a%b%+c%d%によって決定される。理解をさらに助けるために、一例では、第1相は濃度を90%とし且つ原子の不規則性を96%とすることができ、第2相は濃度を10重量%とし且つ原子の不規則性を6%とすることができる。ハロゲン化物系材料の原子の不規則性は、DLT=90%96%+10%6%=87%である。
別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、Me原子と空孔の両方が占有する結晶学的サイトを含む結晶構造を含み得る。一態様では、結晶学的サイトの多重度を3とすることができる。別の態様では、結晶学的サイトはWycoff位置3a又は3bであり得る。
別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、Me原子とM原子の両方が占める結晶学的サイトを含む結晶構造を含み得る。一態様では、原子の不規則性は、Y及びLiによる原子位置の共占有を含み得る。特定の態様では、Y原子の少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも20%がLi位置を共占有することができる。別の特定の態様では、Y原子の最大で50%、最大で70%、又は最大で90%がLi位置を共占有することができる。別の特定の態様では、Li位置に存在するY原子は、結晶構造中のある層から別の層への幾つかのY原子の移動によって生じ得る。そのような原子の不規則性は、ハロゲン化物系材料の第1のXRDピーク強度の低下(例えばわずかな低下)をもたらし得る。
特定の実施形態では、CuK-α線で測定されるハロゲン化物系材料のX線回折パターンは、対応する従来のハロゲン化物系材料と比較して、16°~25°2θの間にピークが存在しなくてもよい。そのようなハロゲン化物系材料の特定の例は、Li、Y、及びBr(以下「LYB」と呼ぶ)を含む化学組成を有することができる。特定の態様では、X線回折パターンは、16°~25°の2θの間に複数のピークが存在しなくてもよい。別の特定の態様では、X線回折パターンは、16°~25°の2θの間にピークを本質的に含まなくてもよい。
ハロゲン化物系材料は、2θの特定の範囲にピークが存在しないXRDパターンを含むことができ、化学組成が変化すると範囲が変化し得ることを理解されたい。一実施形態では、Meは別のMe金属によって部分的に置換されてもよく、2θ範囲の変化は、部分的な置換によって引き起こされる格子定数の変化と逆相関関係にあり得る。例えば、上記実施形態で述べたLYB材料の格子定数は、Yをよりサイズの大きな別のMeイオンで部分的に置換することにより5%増加する可能性があり、15.2℃~23.75°の2θにXRDピークが存在しなくてもよい。別の例では、LYB材料の格子定数は、Yをよりサイズの小さい別のMeイオンで部分的に置換することにより7%減少する場合があり、17.12°~26.75°の2θにXRDピークが存在しなくてもよい。Meの部分置換によって影響され得る格子定数は、A、C、B、又はそれらの任意の組合せを含み得る。場合により、A及びCは等しく影響を受け得る。別の例では、A及びCはわずかに異なる影響を受け得る。
図1A~図1Cを参照すると、図1Aに示すように、R-3mで表される結晶構造は、Meと空孔の位置が不規則である。八面体サイト160は、Me原子130及び空孔140によって占有されている。図示されるように、八面体160の1/3はMeによって占められ、2/3は空孔である。この構成は、Me空孔の不規則性が比較的高いことを表す。図1Bに示す従来のC2/mと比較すると、原子位置160はほぼ空又はほぼ満杯であるから、Me原子130が1つ及び空孔140が2つという順序で、空/空孔(未充填球)及び充填/占有(部分的に充填された球)サイト内に規則的又は順序付けられたパターンを形成する。この配置は、Me空孔の不規則性の少なさ(すなわち、10%未満)を表す。図1Cでは、図示したC2/m空間群単位格子は、図1Bに示す従来の単位格子よりも体積が小さく、Me原子及び空孔は同じ位置、すなわち同じ位置の1/3及び2/3をそれぞれ占める。この構成も、Me空孔の不規則性が比較的高いことを表す。
図6A及び図6Bは、それぞれ図1A及び図1Bに示す結晶構造を有する臭化イットリウムリチウムの粉末X線回折シミュレーションのスペクトルを含む。図6Bのスペクトルと比較して、図6Aに示すスペクトルは、16°~25°2θからピークが無くなっていることを示し、これは、R-3mの結晶構造中のY位置及び空孔位置が全く不規則であることを示す。同様に、図6Bのスペクトルと比較すると、図6Cに示すスペクトルは、16°~25°2θからピークが無くなっていることを示しており、これは、従来の単斜晶単位格子よりも約3倍小さい単位格子を有するC2/m空間群で表される結晶構造中のY位置及び空孔位置が全く不規則であることを示す。
図7A~図7Eは、結晶構造の異なるLi、Y、Clを含むハロゲン化物系材料のX線回折シミュレーションのスペクトルを含む。図7Aは、図2Aに示すようなPnmaで表される結晶構造を有するハロゲン化物系材料のシミュレーションスペクトルであり、図7Bは、図2Bに示すようなP-3m1で表される結晶構造を有するハロゲン化物系材料のシミュレーションスペクトルである。図7Cは、図2Cに示すような空間群P6/mcmで表される結晶構造を有するハロゲン化物系材料のシミュレーションスペクトルである。図2A~図2Cを参照すると、Pnma(図2A)又はP-3m1(図2B)で表される結晶構造は、Y位置及び空孔位置は規則正しいが、P6/mcm(図2C)の結晶構造は、Y210位置及び空孔220の位置が線状に不規則である。結晶構造200及び201の原子順序は、八面体を含む直鎖においてY210及び空孔220が交互且つ規則的に発生していることによって示される。図2Cの原子の不規則性は、八面体を含む直鎖230内において50%のY210及び50%の空孔220が完璧に混ざり合っていることによって示されている。それぞれのXRDパターンにおいて、線状の不規則性は、図7A及び図7Bと比較して、図7Cでは16.5~27.5°2θからピークが無くなっていることによって実証される。
図7Dは、Liチャネルへの部分的なYの移動を含む結晶構造の不規則性を有するハロゲン化物系材料のシミュレーションスペクトルである。一例では、Y原子の少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも20%がLiチャネルに移動することができる。図7Eは、P6/mmcの結晶構造を有するハロゲン化物系材料のシミュレーションスペクトルである。図2Dに示すように、さらに図2A及び図2Bと比較すると、P6/mmcの結晶構造203では、240によって示されるように、YがLi原子と完全に混ざり合っている。特定の例では、ハロゲン化物系材料は塩化イットリウムリチウムであってもよく、また結晶構造の不規則性は、Y位置とLi位置とが完全に混ざり合ったものであってもよい。図7A及び図7Bに示すスペクトルと比較して、図7C~図7Eのスペクトルでは、16.5°~27.5°2θから1つ以上のピークが無くなっている。特に、XRDパターンは、強度が低下していても、又は15.5°2θ付近の最初のXRDピークが完全に無くなっていてもよい。
本明細書の実施形態のハロゲン化物系材料は、本明細書の実施形態で言及される1つ以上の結晶構造の不規則性、及び平均回折結晶子サイズ、微小な歪み(micro-strain)、補正平均FWHM、結晶学的密度、又はそれらの任意の組合せを含む特定の結晶化度特性を有することができることは注目に値する。1つ以上の不規則性、1つ以上の特定の結晶化度特性、又はそれらの任意の組合せは、固体電解質材料の特性の改善を促進することができる。そのような特性は、イオン伝導性、機械的特性、例えば以下に限定されないが、可塑性、順応性、適合性、可撓性、電気化学的安定性、化学的安定性、熱安定性、電子抵抗率、粒子形態及び/若しくはサイズ、電極濡れ性等、並びに/又はそれらの任意の組合せを含み得る。
別の実施形態では、固体電解質材料は、特定の平均回折結晶子サイズを有するハロゲン化物系材料を含み得る。平均回折結晶子サイズは、コヒーレントX線散乱ドメインサイズとも呼ばれ、ハロゲン化物系材料のX線回折分析及びシェラー(Schrerrer)の式L=(Kλ)/(βcosθ)(式中、Lは平均回折結晶子サイズを表し、Kは1に近い値を有する無次元形状因子であり、0.9~1の典型的な値を有し;λはX線波長であり;βは、機器による線幅のブロードを差し引いた後の、最大強度(FWHM)の半分の線幅のブロードをラジアンで表したものであり;θはブラッグ角である)を使用して決定することができる。
一態様では、平均回折結晶子サイズは、少なくとも20nm、少なくとも25nm、少なくとも30nm、少なくとも35nm、又は少なくとも40nmであり得る。別の態様では、平均回折結晶子サイズは、最大で500nm、最大で400nm、最大で300nm、最大で200nm、又は最大で100nmであり得る。さらなる態様では、平均回折結晶子サイズは、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲内であり得る。
さらなる実施形態では、ハロゲン化物系材料は微小な歪みを含み得る。微小な歪みεは、X線回折分析により検出される無次元パラメータβ=4εtanθである。一態様では、微小な歪みは、最大で1%、最大で0.6%、最大で0.35%、最大で0.2%、又は最大で0.1%であり得る。別の態様では、微小な歪みが存在しなくてもよい。さらなる態様では、微小な歪みは、少なくとも0.05%、少なくとも0.08%、少なくとも0.1%、又は少なくとも0.2%等、少なくとも0.005%であり得る。さらに、ハロゲン化物系材料は、本明細書に記載の最小%及び最大%のいずれかを含む範囲の微小な歪みを含み得る。
さらなる実施形態では、ハロゲン化物系材料は、10°~80°の回折角2θの範囲にわたって平均化された補正FWHM(「補正平均FWHM」と呼ばれる)を含み得る。補正平均FWHMは、測定器によるブロードについて補正された平均FWHMを指すことを意図する。測定器によるブロードは、試験するハロゲン化物系材料と同じ測定条件(回折計の幾何学的形状、スリット、検出器、又は他のハードウェア及び光学パラメータ)下で、高結晶性標準市販材料LaB(供給業者:NIST)のX線回折パターンを記録することによって決定することができる。標準材料のピークブロードをハロゲン化物系材料のピークブロードから差し引いて、回折角2θの関数として補正FWHMを得る。一態様では、補正平均FWHMは、1.5%未満、最大で1.4%、最大で1.2%、最大で1%、最大で0.8%、又は最大で0.5%であり得る。別の態様では、ハロゲン化物系材料は、少なくとも0.5%、少なくとも0.8%、又は少なくとも1%の補正平均FWHMを含み得る。さらに、補正平均FWHMは、本明細書に記載の最小%及び最大%のいずれかを含む範囲内とすることができる。
一実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料は、X線回折分析によって決定される特定の結晶学的密度を含み得る。結晶学的密度は、単位格子の質量と体積の比として与えられる単位格子の密度である。単位格子の質量は、単位格子内の原子の数と単位格子内の各原子の質量との積に等しい。一態様では、ハロゲン化物系材料は、理論結晶学的密度の少なくとも95%~最大100%の結晶学的密度を有することができる。別の態様では、ハロゲン化物系電解質材料の結晶学的密度の範囲は、2.0g/cm~4.2g/cmであることができる。
特定の実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料の結晶学的密度の範囲は、XがBrである場合、3.0g/cm~4.2g/cm又は3.4g/cm~3.9g/cmとすることができる。別の特定の実施形態では、ハロゲン化物系電解質材料の結晶学的密度の範囲は、XがClである場合、2.0g/cm~3.2g/cm又は2.2g/cm~2.8g/cmとすることができる。
図8は、ハロゲン化物系材料800を含む固体電解質材料の形成プロセスを示す図である。プロセス800は、ブロック802において(NHMek+n+kを形成する行程を含み得る。例示的な実施態様では、プロセス800は、ハロゲン化アンモニウム、NHX、1つ以上のMe金属化合物、1つ以上のM金属化合物、又はそれらの任意の組合せを含む出発材料を含む反応混合物を形成する行程を含み得る。特定の実装では、金属化合物は非吸湿性であり得る。金属化合物は、酸化物、炭酸塩、硫化物、硫酸塩、水和物、水酸化物、シュウ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、又はそれらの任意の組合せの形態であり得る。特定の実例では、出発材料はMeを含み得る。特定の例では、出発材料は、希土類酸化物又は水酸化物又は炭酸塩、ZrO又はZr(OH)又はZr(CO又はZr(OH)CO・ZrO又はそれらの任意の組合せのうち1つ以上を含み得る。
別の例では、M金属化合物は、炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、又はそれらの組合せ等を含み得る。
出発材料は、水性、アルコール又は他の極性分子液体溶液中での酸性合成を促進するための酸をさらに含んでもよい。
1つの実例では、金属化合物はM個の金属化合物からなり得る。例示的なM金属化合物は、ハロゲン化物(例えば、NaCl、CsCl、及びLiCl)を含み得る。
出発材料は、化学量論比で、又は非化学量論的なハロゲン化物系材料の形成を可能にするように、混合されてもよい。
特定の例示的な実装では、NHX、1つ以上の希土類金属酸化物(以下「RE」と呼ぶ)、炭酸リチウム、及び塩酸又は臭化水素酸を含む反応混合物を形成することができる。
例示的な実施態様では、プロセス800は、出発材料間で反応を行う行程を含み得る。例示的な反応を、水溶液中の出発物質及び反応生成物に注目して以下に示す。
LiCO+RE+12HX+6NHX--->2(NHREX+3LiX+6O+3CO
本出願を考慮すると、当業者であれば、LiCOの代わりに、又はLiCOに加えて、又はREの代わりに、NaCO又はNaCl等の異なるアルカリ金属化合物を使用することができることが分かる。同様に、MgO又はZrO等の非希土類元素の酸化物を反応に添加することができる。当業者であればさらに、出発物質が変わればそれに応じて反応生成物が変化し得ることが分かる。
例示的な実施態様では、プロセス800は、水和塩含有MeX中の水分(すなわち、水)をNHXで化学的に置換する行程を含み得る。上に例示した反応を例として使用して、水和希土類ハロゲン化物を中間生成物として形成することができ、水和物中の水をNHXで置換して(NHREXを形成することができる。さらに図示するように、反応生成物の混合物は、Lix等のハロゲン化アルカリ金属を含む。
一実施形態では、プロセス800は、(NHMek+n+k及びLiXを含む混合物を形成する行程を含み得る。特定の態様では、プロセス800は、(NHMek+n+k及びLiXを含む均質な混合物を形成する行程を含み得る。
一例では、反応生成物の混合物を濾過してより大きな粒子を除去し、固体状態でのその後の反応を促進することができる。より大きな粒子としては、出発材料のいずれか、出発材料の残りの粒子、炭素、又はそれらの任意の組合せに付随する不純物が挙げられる。
プロセス800はブロック804に進むことができる。例示的な実施態様では、反応生成物の混合物を乾燥させて、(NHMek+n+kとアルカリ金属ハロゲン化物MXとの固体反応を促進することができる。乾燥は、空気若しくは乾燥空気中、及び/又は、真空若しくは100mbar、40mbar、1mbar、さらには0.01mbar等の減圧下で行うことができる。場合により、水を除去し易くするためにN又はArフローを使用することができる。別の例では、水を蒸発させ易くするために熱が加えられてもよい。加熱温度は、100℃~160℃とすることができる。乾燥は、混合物中に残る水が1重量%~3重量%等の微量になるまで行われ得る。
例示的な実施態様では、プロセス800は、(NHMek+n+kとMXとの固体反応を実行する行程を含み得る。特定の例では、上記の反応生成物を使用して反応を継続し、(NHREX及びLiXの固体反応を行って、(NH3-ZMek+3+n+k-zを形成することができる。さらなる例では、プロセス100は、(NH3-Z(Mek+3+n-z+k*fを形成する行程を含み得る。
プロセス800はブロック806に進み、M3-Z(Mek+3-z+k*fを形成する。例示的な実施態様では、プロセス800は、ハロゲン化アンモニウムを分解する行程を含み得る。例示的な実施態様では、固体溶液は、ハロゲン化アンモニウムの昇華を可能にするために、少なくとも150℃~最大で800℃の温度で加熱されてもよい。加熱温度は、ハロゲン化物系材料の組成に基づいて選択することができる。例えば、比較的揮発性のハロゲン化物系材料の場合、加熱温度は比較的低くすることができる。別の例では、加熱温度は、溶融温度より少なくとも150℃低くてもよく、及び/又は溶融温度より最大で50℃高くてもよい。加熱は、反応物及び生成物に対して不活性な材料で作られた坩堝内で行われてもよい。例えば、坩堝は、石英、アルミナ、シリカ-アルミナ、BN、ガラス状炭素、又はグラファイトで作られてもよい。特定の実施態様では、グラファイトは、熱分解炭素コーティングを有することができる。加熱は、空気又は乾燥空気等の乾燥した中性雰囲気で行われてもよい。プロセスを容易にするために、N又はAr等の不活性ガスを使用することができる。加熱は、少なくとも15分間~最長で12時間行われてもよい。
例示的な実装では、逃げたNHXを収集及び計量することによって、NHXの昇華をモニターすることができる。特定の例では、ハロゲン化物系材料がNHXを本質的に含まないように、昇華を完了させることができる。別の特定の例では、ある量のNHXがハロゲン化物系材料中に残存し得る。
例示的な実装では、NHXの分解後、冷却を行うことができる。例えば、空気中、乾燥空気中、窒素雰囲気中で冷却を行ってもよい。別の例では、冷却温度は200℃未満(例えば最大で100℃、最大で70℃、最大で50℃、又は最大で30℃等)、又は室温(例えば、20~25℃)であり得る。任意で、冷却し易くするために、Ar又はNを使用してもよい。
一実施形態では、ハロゲン化物系材料を形成し易くすることができる特定の冷却速度で冷却を行うことができる。一例では、冷却速度は10~100℃/分であり得る。
積層欠陥の含有量がより高いハロゲン化物系材料を形成するために、温度サイクルを慎重に制御すべきであることに留意されたい。例えば、単調ではない冷却又は意図しないアニーリングは、積層欠陥の含有量を低下させかねない。意図しないアニーリングとしては、0.7Tm未満の温度でのアニーリングが挙げられ、ここで、Tmは、10分を超える持続時間にわたるハロゲン化物系材料の融点(ケルビン単位)である。
ハロゲン化物系材料を形成するプロセス中に存在し得る酸素含有種(例えば、酸化物、水酸化物、及び/又は水分)の数を慎重に制御するように注意すべきであることにさらに留意されたい。過剰な酸素含有種は、ハロゲン化物系材料を使用して形成された電池部品のイオン伝導度等の特定の性能を低下させ得る不純物相の形成を引き起こす可能性がある。例えば、固体反応又は溶融反応は、水分10ppm未満の又は酸素レベルの含有量が限られた中性雰囲気下で行うことができる。さらなる例では、酸又はハロゲン化アンモニウム等のハロゲン化物の化合物(halide compounds)の初期量は、確実な収率で複合ハロゲン化物材料を得、金属酸化物又は金属炭酸塩原料に由来する酸素含有相のレベルをXRDによる検出可能なレベル未満に低下させるために、理論化学バランス式に基づく化学量論量よりも高くしてもよい(例えば少なくとも10%より多い等)。
別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、イオン伝導度が改善されたものである。イオン伝導度は、室温(すなわち、20℃~25℃)で測定することができる。一態様では、イオン伝導度は、少なくとも0.001mS/cm、少なくとも0.01mS/cm、少なくとも0.1mS/cm、少なくとも0.4mS/cm、少なくとも0.8mS/cm、少なくとも1.2mS/cm、少なくとも1.8mS/cm、又は少なくとも2.2mS/cmであり得る。別の態様では、イオン伝導度は、最大で15mS/cm、最大で13mS/cm、最大で11mS/cm、8mS/cm、最大で7.2mS/cm、又は最大で6.2mS/cmであり得る。さらに、固体電解質は、本明細書に記載の最小値及び最大値のいずれかを含む範囲のイオン伝導度を有するハロゲン化物系材料を含み得る。一実施形態では、イオン伝導度は主にバルクであり得る。
一実施形態では、ハロゲン化物系材料は、対応する従来のハロゲン化物系材料と比較して純度が改善されたものである。対応する従来のハロゲン化物系材料は、本明細書の実施形態に記載のハロゲン化物系材料と同じ式で表すことができるが、本明細書の実施形態に記載のプロセスとは異なるプロセスによって形成されるハロゲン化物系材料を指すことを意図している。一実施形態では、ハロゲン化物系材料は、特定の含有量の不純物を含み得る。例えば、不純物は、ハロゲン化物系材料を形成するプロセスによって形成された副生成物、又はそれらの任意の組合せを含み得る。不純物は、ハロゲン化物系材料の錯化合物とは異なる相として存在してもよい。当業者であれば、不純物が比較的多い場合(すなわち、少なくとも0.3重量%)、ハロゲン化物系材料のX線回折分析によって不純物相を検出することができることが分かるであろう。例えば、ハロゲン化物系材料のスペクトルにおいて不純物相の特徴的なピークが存在し得る。さらなる例では、不純物は、二元ハロゲン化物(例えば、LiCl、LiBr、YCl、及び/又はYBr)、オキシハロゲン化物(例えば、YOCl及び/又はYOBr)、窒化物、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
一実施形態では、ハロゲン化物系材料は、ハロゲン化物系材料の特性及び/又は結晶特性の改善を促進し得る全ての不純物を特定の総含有量で含み得る。一態様では、全ての不純物の総含有量は、本明細書の実施形態のハロゲン化物系材料の重量に対して最大で15重量%を構成し得る。例えば、不純物の総含有量は、錯体金属ハロゲン化物の重量に対して最大で14重量%、例えば、錯体金属ハロゲン化物の重量に対して最大で13重量%、最大で12重量%、最大で11重量%、最大で10重量%、最大で9重量%、最大で8重量%、最大で7重量%、最大で6重量%、最大で5重量%、最大で4重量%、最大で3重量%、最大で2重量%、最大で1重量%、最大で0.5重量%、最大で0.3重量%、最大で0.1重量%、最大で500ppm、最大で300ppm、最大で100ppm、最大で50ppm、最大で40ppm、最大で30ppm、最大で20ppm、又は最大で10ppmであってもよい。別の態様では、ハロゲン化物系材料の不純物の総含有量は、ハロゲン化物系材料の重量に対して少なくとも0.2ppm、例えばハロゲン化物系材料の重量に対して少なくとも0.5ppm、少なくとも1ppm、又は少なくとも2ppmであってもよい。別の態様では、不純物の総含有量は、本明細書に記載の最小値又は最大値のいずれかを含む範囲内とすることができる。
不純物相の含有量は、副生成物相(parasitic phases)に対応する特徴的な回折ピークの存在により定量分析を行うことにより、XRD分析をリートベルト解析による精密化と組み合わせて決定することができる。リートベルト解析による精密化(RR)は、XRD図におけるピークの形状及び位置を分析して、2θ角度のわずかな増分でXRD回折における2θデータを収集し、XRDデータを異なる相の比に変換することによって、様々な相の寄与を定量的に特定することができる。
窒化物系不純物相の場合、特に窒化物系不純物相がモル量又は質量で0.1%未満で存在する場合、LECO分析を使用して相の存在を決定し、定量することもできる。LECO分析は、試料の燃焼と、沸騰した材料ガスの熱伝導率又は赤外吸収図による窒素(又は、硫黄、炭素、水素、酸素であってもよい)の存在の分析とに基づいている。
特定の実施形態では、ハロゲン化物系材料は低レベルの不純物相を含んでもよく、不純物相は粉末XRD分析によって検出されない可能性がある。例えば、ハロゲン化物系材料のスペクトルにおいて、不純物相の特徴的なピークが識別できない場合がある。当業者であれば、最先端の回折計(例えば、Rigaku SmartLab又はBruker D2 PHASER)を使用して、粉末XRDを実施することができることが分かるであろう。
一実施形態では、不純物は、金属窒化物、金属酸窒化物、金属炭素窒化物、又はそれらの任意の組合せを含む窒化物系化合物を含み得る。さらなる実施形態では、ハロゲン化物系材料は、ハロゲン化物系材料の特性及び/又は結晶特性の改善を促進し得る特定の総含有量の化物系不純物相を含んでもよい。一態様では、窒化物系不純物相の総含有量は、ハロゲン化物系材料の重量に対して最大で0.5重量%、例えば錯体金属ハロゲン化物の重量に対して最大で0.3重量%、最大で0.2重量%、最大で0.1重量%、最大で500ppm、最大で300ppm、最大で100ppm、最大で50ppm、最大で40ppm、最大で30ppm、最大で20ppm、又は最大で10ppmであってよい。別の態様では、窒化物系不純物相の総含有量は、複合金属ハロゲン化物の重量に対して少なくとも0.2ppm、例えば複合金属ハロゲン化物の重量に対して少なくとも0.5ppm、少なくとも1ppm、又は少なくとも2ppmであってよい。さらなる態様では、窒化物系不純物相の総含有量は、本明細書に記載の最小値又は最大値のいずれかを含む範囲内であってよい。
一実施形態において、ハロゲン化物系材料は、ハロゲン化アルカリ金属(MX)を含む不純物を含んでもよい。MXの特定の例は、LiCl、LiBr、NaCl、CsCl、NaBr、CsBr、又はそれらの任意の組合せを含み得る。別の実施形態では、ハロゲン化物系材料は、ハロゲン化物系材料の特性及び/又は結晶特性の改善を促進し得る特定の含有量のMXを含み得る。一態様では、MX相の総含有量は、ハロゲン化物系材料の重量に対して、最大で10重量%、例えばハロゲン化物系材料の重量に対して、最大で9重量%、最大で8重量%、最大で7重量%、最大で6重量%、最大で5重量%、最大で4重量%、最大で3重量%、最大で2重量%、最大で1重量%、最大で0.5重量%、最大で0.3重量%、最大で0.2重量%、最大で0.1重量%、最大で500ppm、最大で300ppm、最大で100ppm、最大で50ppm、最大で40ppm、最大で30ppm、最大で20ppm、又は最大で10ppmであってよい。別の態様では、MX相の総含有量は、ハロゲン化物系材料の重量に対して少なくとも0.2ppm、例えばハロゲン化物系材料の重量に対して少なくとも0.5ppm、少なくとも1ppm、又は少なくとも2ppmであってよい。別の態様では、MX相の総含有量は、本明細書に記載の最小値又は最大値のいずれかを含む範囲内であってよい。
一実施形態において、ハロゲン化物系材料は、金属オキシハライド(MeOX)を含む不純物を含んでいてもよい。MeOXの例としては、希土類オキシハライドが挙げられる。さらなる実施形態では、ハロゲン化物系材料は、ハロゲン化物系材料の特性及び/又は結晶特性の改善を促進し得るMeOXの総含有量を含み得る。一態様では、MeOXの総含有量は、錯体金属ハロゲン化物の重量に対して最大で5重量%、例えばハロゲン化物系材料の重量に対して最大で4重量%、最大で3重量%、最大で2重量%、最大で1重量%、最大で0.5重量%、最大で0.3重量%、最大で0.2重量%、最大で0.1重量%、最大で500ppm、最大で300ppm、最大で100ppm、最大で50ppm、最大で40ppm、最大で30ppm、最大で20ppm、又は最大で10ppm等、であってもよい。別の態様では、MeOX相の含有量は、錯体金属ハロゲン化物の重量に対して少なくとも0.2ppm、例えばハロゲン化物系材料の重量に対して少なくとも0.5ppm、少なくとも1ppm、又は少なくとも2ppmであってよい。別の態様では、MeOX相の総含有量は、本明細書に記載の最小値又は最大値のいずれかを含む範囲内であってよい。特定の態様では、ハロゲン化物系材料は、MeOXを本質的に含まなくてもよい。
一実施形態では、ハロゲン化物系材料は、金属窒化物、Meを含む不純物を含み得る。Meの例としては、希土類窒化物が挙げられる。さらなる実施形態では、ハロゲン化物系材料は、ハロゲン化物系材料の特性及び/又は結晶特性の改善を促進し得る、特定の総含有量のMe相を含み得る。一態様では、Meの総含有量は、ハロゲン化物系材料の重量に対して最大で0.3重量%、例えば、ハロゲン化物系材料の重量に対して最大で0.1重量%、最大で500ppm、最大で300ppm、最大で100ppm、最大で50ppm、最大で40ppm、最大で30ppm、最大で20ppm、又は最大で10ppm等であってよい。別の態様では、Me相の含有量は、ハロゲン化物系材料の重量に対して少なくとも0.2ppm、例えばハロゲン化物系材料の重量に対して少なくとも0.5ppm、少なくとも1ppm、又は少なくとも2ppm等であってよい。別の態様では、Me相の総含有量は、本明細書に記載の最小値又は最大値のいずれかを含む範囲内であってよい。
一実施形態では、ハロゲン化物系材料は、金属窒化物MNを含む不純物を含み得る。MNの例としては、アルカリ金属窒化物が挙げられる。さらなる実施形態では、ハロゲン化物系材料は、ハロゲン化物系材料の特性及び/又は結晶特性の改善を促進し得る、特定の総含有量のMN相を含み得る。一態様では、金属窒化物MNの総含有量は、ハロゲン化物系材料の重量に対して最大で0.3重量%、例えば、ハロゲン化物系材料の重量に対して最大で0.1重量%、最大で500ppm、最大で300ppm、最大で100ppm、最大で50ppm、最大で40ppm、最大で30ppm、最大で20ppm、又は最大で10ppm等であってよい。別の態様では、MNの総含有量は、ハロゲン化物系材料の重量に対して少なくとも0.2ppm、例えばハロゲン化物系材料の重量に対して少なくとも0.5ppm、少なくとも1ppm、又は少なくとも2ppm等であってよい。別の態様では、MNの総含有量は、本明細書に記載の最小値又は最大値のいずれかを含む範囲内であってよい。
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。これらの態様及び実施形態の幾つかを本明細書に記載する。本明細書を読み終えれば、当業者は、それらの態様及び実施形態が単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではないことが分かるであろう。実施形態は、以下に列挙される実施形態のいずれか1つ以上に従うことができる。
実施形態
実施形態1.固体電解質材料であって、
3-z(Mek+3-z+k*f(式中、-3≦z<3であり;2≦k<6であり;0≦f≦1であり;Mはアルカリ金属元素を含み;Meは、2価の金属元素、3価の金属元素、4価の金属元素、5価の金属元素、6価の金属元素、又はそれらの任意の組合せを含み;Xはハロゲンを含む)と、
少なくとも20%の積層欠陥を含む結晶構造と、
を含む、固体電解質材料。
実施形態2.結晶構造がC2/m空間群で表される、実施形態1に記載の固体電解質材料。
実施形態3.固体電解質材料であって、
3-z(Mek+3-z+k*f(式中、-3≦z<3;2≦k<6;0≦f≦1;Mはアルカリ金属元素を含み;Meは、2価の金属元素、3価の金属元素、4価の金属元素、5価の金属元素、6価の金属元素、又はそれらの任意の組合せを含み;Xはハロゲンを含む)と、
菱面体晶系空間群で表される結晶構造と、
を含む、固体電解質材料。
実施形態4.R-3m空間群で表される結晶構造を含む結晶相を含む、実施形態3に記載の固体電解質材料。
実施形態5.R-3m空間群で表される結晶構造を含む結晶相から本質的になる、実施形態3~4のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態6.固体電解質材料であって、
3-z(Mek+3ーz+k*f(式中、-3≦z<3であり;2≦k<6であり;0≦f≦1であり;Mはアルカリ金属元素を含み;Meは、2価の金属元素、3価の金属元素、4価の金属元素、5価の金属元素、6価の金属元素、又はそれらの任意の組合せを含み;Xはハロゲンを含む)と、
六方晶系空間群で表される結晶構造と、
を含む、固体電解質材料。
実施形態7.P6/mcm又はP6/mmc空間群で表される結晶構造を含む結晶相を含む、実施形態6に記載の固体電解質。
実施形態8.P6/mcm又はP6/mmc空間群で表される結晶構造を含む結晶相から本質的になる、実施形態6又は7に記載の固体電解質材料。
実施形態9.P-3m1又はPnma空間群で表される結晶構造を含む結晶相を含む、実施形態1、3又は6に記載の固体電解質材料。
実施形態10.P-3m1又はPnma空間群で表される結晶構造を含む結晶相の濃度が、最大で70重量%、最大で50重量%、最大で25重量%、最大で15重量%、最大で8重量%、又は最大で5重量%である、実施形態9に記載の固体電解質材料。
実施形態11.P-3m1又はPnma空間群で表される結晶構造を含む結晶相の濃度が、少なくとも1重量%、少なくとも4重量%、少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも70重量%である、実施形態9又は10に記載の固体電解質材料。
実施形態12.固体電解質材料であって、
3-z(Mek+3-z+k*f(式中、-3≦z<3であり;2≦k<6であり;0≦f≦1であり;Mはアルカリ金属元素を含み;Meは、2価の金属元素、3価の金属元素、4価の金属元素、5価の金属元素、6価の金属元素、又はそれらの任意の組合せを含み;及びXはハロゲンを含む)と、
3~5個のハロゲン化物の原子(halide atoms)を含む単位格子を有する単斜晶系空間群によって表される結晶構造と、
を含む、固体電解質材料。
実施形態13.C2/m空間群で表される結晶構造を含む結晶相を含む、実施形態1、3、6、12のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態14.C2/m空間群で表される結晶構造を含む結晶相の濃度が、最大で70重量%、最大で50重量%、最大で25重量%、最大で15重量%、最大で8重量%、又は最大で5重量%である、実施形態13に記載の固体電解質材料。
実施形態15.C2/m空間群で表される結晶構造を含む結晶相の濃度が、少なくとも1重量%、少なくとも4重量%、少なくとも10重量%、少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも70重量%である、実施形態13又は14に記載の固体電解質材料。
実施形態16.層状原子配列を含む、実施形態1~15のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態17.Aが単位格子定数aの値を表し、Bが単位格子定数bの値を表し、A=Bである、実施形態3~8のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態18.Aが単位格子定数aの値を表し、Bが単位格子定数bの値を表し、A又はB又はその両方が少なくとも3.0オングストローム、又は少なくとも3.3オングストローム、又は少なくとも3.6オングストローム、又は少なくとも3.9オングストロームである、実施形態3~5及び17のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態19.A又はB又はその両方が、最大で4.8オングストローム、又は最大で4.6オングストローム、又は最大で4.3オングストローム、又は最大で4.2オングストローム、又は最大で4.0オングストロームである、実施形態3~5、17及び18に記載の固体電解質材料。
実施形態20.Cが単位格子定数cの値を表し、Cが少なくとも17オングストローム、少なくとも18オングストローム、又は少なくとも19オングストロームである、実施形態3~5及び17~19のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態21.Cが最大で21オングストローム、最大で20.2オングストローム、又は最大で19.5オングストロームである、実施形態3~5及び17~20のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態22.Aが単位格子定数aの値を表し、Bが単位格子定数bの値を表し、A又はB又はその両方が少なくとも5.0オングストローム、又は少なくとも5.5オングストローム、又は少なくとも6.1オングストローム、又は少なくとも6.3オングストロームである、実施形態6~8のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態23.A又はB又はその両方が、最大で8オングストローム、又は最大で7.5オングストローム、又は最大で7.0オングストローム、又は最大で6.5オングストロームである、実施形態6~8及び22に記載の固体電解質材料。
実施形態24.Cが単位格子定数cの値を表し、Cが少なくとも4.8オングストローム、少なくとも5.3オングストローム、少なくとも5.7オングストローム、又は少なくとも6.0オングストロームである、実施形態6~8、22及び23のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態25.Cが最大で6.9オングストローム、最大で6.4オングストローム、又は最大で6.1オングストロームである、実施形態6~8及び22~24のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態26.実施形態3~8のいずれか1つに記載の固体電解質材料であって、単位格子体積Vを含み、Vは少なくとも200立方オングストローム、少なくとも210立方オングストローム、少なくとも230立方オングストローム、少なくとも250立方オングストローム、少なくとも260立方オングストロームである、固体電解質材料。
実施形態27.実施形態3~8のいずれか1つに記載の固体電解質材料であり、単位格子体積Vを含み、Vは最大で290立方オングストローム、最大で275立方オングストローム、最大で250立方オングストローム、最大で230立方オングストローム、又は最大で220立方オングストロームである、固体電解質材料。
実施形態28.式単位FUと、FU毎に正規化された単位格子体積VN/FUとを含み、VN/FU=V/FUであり、VN/FUは少なくとも200立方オングストローム、少なくとも210立方オングストローム、少なくとも230立方オングストローム、又は少なくとも250立方オングストロームである、実施形態1~27のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態29.式単位FUと、FU毎に正規化された単位格子体積VN/FUとを含み、VN/FU=V/NFU及びNFUは式単位の数を表し、VN/FUは最大で290立方オングストローム、最大で275立方オングストローム、最大で270立方オングストローム又は最大で268立方オングストロームである、実施形態1~28のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態30.ハロゲンの原子毎に正規化された単位格子体積VN/AAを含み、VN/AA=V/AA及びAAは、VN/AAが少なくとも30立方オングストローム、少なくとも34立方オングストローム、少なくとも38立方オングストローム、又は少なくとも42立方オングストロームである、実施形態1~29のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態31.ハロゲンの原子当たり正規化された単位格子体積VN/AAを含み、VN/AA=V/AA及びAAは、VN/AAが最大で50立方オングストローム、最大で46立方オングストローム、最大で42立方オングストローム、最大で38立方オングストロームである、実施形態1~30のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態32.平均回折結晶子サイズが、少なくとも20nm、少なくとも25nm、少なくとも30nm、少なくとも35nm、又は少なくとも40nmである、実施形態1~31のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態33.平均回折結晶子サイズが、最大で500nm、最大で400nm、最大で300nm、最大で200nm、又は最大で100nmである、実施形態1~32のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態34.微小な歪みが、最大で1%、最大で0.6%、最大で0.35%、最大で0.2%、又は最大で0.1%である、実施形態1~33のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態35.補正平均FWHMが1.5%未満、最大で1.4%、最大で1.2%、最大で1%、最大で0.8%、又は最大で0.5%である、実施形態1~34のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態36.補正平均FWHMが少なくとも0.5%、少なくとも0.8%、又は少なくとも1である、実施形態1~35のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態37.結晶学的密度が2.0g/cm~4.2g/cmの範囲内である、実施形態1~36のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態38.実施形態37に記載の固体電解質材料であって、
XがBrである場合、固体電解質材料の結晶学的密度は、3.0g/cm~4.2g/cm又は3.4g/cm~3.9g/cmの範囲であり、又は、
XがClである場合、固体電解質材料の結晶学的密度は、2.0g/cm~3.2g/cm又は2.2g/cm~2.8g/cmの範囲である、
固体電解質材料。
実施形態39.例1~38のいずれか1つに記載の固体電解質材料であって、結晶構造が、
原子的に不規則な空孔及びMe原子;
不規則なX1及びX2原子(X1及びX2は2つの異なるハロゲン原子を表す);
不規則な空孔位置及びM原子;
不規則なM及びMe原子;
不規則なM、Me及び空孔原子;又は
それらの任意の組合せ、
を含む、固体電解質材料。
実施形態40:原子的に不規則な空孔及びMe原子が、原子層又は線状の原子鎖において部分的に不規則である、実施形態39に記載の固体電解質材料。
実施形態41.実施形態1~9及び20のいずれか1つに記載の固体電解質材料であって、原子の不規則性が、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、又は少なくとも90%である、固体電解質材料。
実施形態42.結晶構造が、Me原子及び空孔の両方により占有される結晶学的サイトを含む、実施形態1~41のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態43.結晶学的サイトの多重度が3である、実施形態42に記載の固体電解質材料。
実施形態44.結晶学的サイトがWycoff位置3a又は3bである、実施形態42又は43に記載の固体電解質材料。
実施形態45.CuKα線で測定されるX線回折パターンにおいて、16°~25°2θの間にピークが存在しない、実施形態1~44のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態46.MがLi又はNaの少なくとも一方を含む、実施形態1~45のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態47.MがLiを含む、実施形態1~46のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態48.Meが、アルカリ土類金属元素、3d遷移金属、Mg、Ca、Ba、Zn、Zr、Hf、Ti、Sn、Th、Ge、V、Ta、Nb、Mo、W、Sb、In、Bi、Al、Ga、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態1~47のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態49.Meが希土類元素、Zr、Sn、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態1~48のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態50.Meが、Y、Ce、Gd、Er、Zr、La、Yb、In、Mg、Zn、Sn、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態1~49のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態51.MeがYを含む、実施形態1~50のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態52.Xが、F、Cl、Br、I、又はそれらの任意の組合せを含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態53.Xが、Cl、Br、又はそれらの組合せを含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態54.XがBrを含む、実施形態1~53のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態55.Li、Y、Cl、及びBrからなる、実施形態1~54のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態56.結晶構造が、少なくとも20%の積層欠陥、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%の積層欠陥を含む、実施形態1~55のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態57.イオン伝導度が、少なくとも0.001mS/cm、少なくとも0.01mS/cm、少なくとも0.1mS/cm、少なくとも0.4mS/cm、少なくとも0.8mS/cm、少なくとも1.2mS/cm、少なくとも1.8mS/cm、又は少なくとも2.2mS/cmである、実施形態1~56のいずれか1つに記載の固体電解質材料。
実施形態58.イオン伝導度が、最大で15mS/cm、最大で13mS/cm、最大で11mS/cm、最大で8mS/cm、最大で7.2mS/cm、又は最大で6.2mS/cmである、実施形態1~38のいずれか1つに記載の固体イオン伝導性材料。

例1
代表的な臭化イットリウムリチウム試料(LiYBr)を、本明細書の実施形態に記載のプロセスを用いて形成した。NHBrの分解は、400℃~600℃で行った。試料を自動メノウ乳鉢でさらに粉砕して、より微細な粉末粒子を得た。エネルギーボールミル粉砕は使用しなかった。最終的に形成された粒子の結晶構造及び結晶性特性を、以下の表1に表す。
例2
本明細書の実施形態に記載のプロセスを用いて、代表的なLiYBr試料を形成した。図9は、CuKα線で記録されたX線回折スペクトルを含む。曲線910は、試料のX線回折パターンを表し、従来の結晶構造の予想されるピークがあるところにバーを記した。試料は、16°~25°2θの間でピークを示さない。
例3
本明細書の実施形態に記載のプロセスを用いて、代表的なLiYBr試料を形成した。図10は、試料の構造モデルを含む。臭化イットリウムリチウム試料は、R-3mで表される結晶構造を有する。
例4
本明細書の実施形態に記載のプロセスを用いて、代表的なLiYBr試料を形成した。図11は、試料の構造モデルを含む。図に示すように、試料は、新しい小さなC2/m空間群によって表される結晶構造を有する。
例5
本明細書の実施形態に記載のプロセスを使用して、代表的なLiYCl試料を形成した。図12は、試料の構造モデルを含む。図に示すように、試料は、P6/mcm空間群で表される結晶構造を有する。
例6
本明細書の実施形態に記載のプロセスを使用して、代表的なLiYCl試料を形成した。図13は、試料の構造モデルを含む。図に示すように、試料は、P6/mmc空間群で表される結晶構造を有する。
例7
本明細書の実施形態に記載のプロセスを用いて、臭化イットリウムリチウムLiYBrを形成した。NHBrの分解は、450℃~650℃で行った。結晶構造及び結晶化度特性を、以下の表2に表す。
試料7-1と試料1-1~1-3を比較すると、例1に対して例7の平均結晶子サイズが増加することによって示されるように、分解温度を上昇させると結晶化度の増加に役立ち得ることに留意されたい。
例8
自動メノウ乳鉢で粉砕した後、圧延機内で400rpmで2時間の追加のエネルギーボールミルを適用して超微粉末を得た以外は、例1に記載したのと同じ方法で、代表的な臭化イットリウムリチウムLiYBr試料を形成した。最終的に形成された粒子の結晶構造及び結晶性特性を、以下の表3に表す。
例9
アンモニウム錯化に加えて液体酸性反応を含む、本明細書の実施形態に記載の方法によって、代表的な臭化イットリウムリチウムLiYBr(試料10-1)を形成した。LiBr及びYBrの直接的な固体反応を450℃で24時間行うことにより、さらなる臭化イットリウムリチウムLiYBr(試料10-2)を形成した。
図14Aは、試料10-1の粉末X線回折パターン及び従来のLiYBrのXRDスキャンを、比較のために重ね合わせたものである。図14Bは、試料10-2のX線回折パターン及び従来のLiYBrのXRDスキャンを、比較のために重ね合わせたものである。試料10-1は、従来のLiYBr及び試料10-2のXRDスキャンを重ね合わせたものと比較して、16~25度(2θCu-K-α)以内にピークを含まないことに留意されたい。試料10-1は約83%+/-5%の積層欠陥を含み、試料10-2は約15%+/-5%の積層欠陥を含む。積層欠陥値の定量化は、本明細書の実施形態に記載されているように、2020年に公開されたFAULTSソフトウェアを使用して実行される。
試料10-2の結晶構造及び結晶化度特性を以下の表4にさらに表す。
例10
以下の表5に記載の合成方法を利用して、追加の試料を形成する。二元金属ハロゲン化物の不純物の含有量は表1に記載されており、XRD分析をリートベルト解析による精密化と組み合わせて、副生成物相(parasitic phases)に対応する特徴的な回折ピークの存在による定量分析を行うことにより、各不純物の相を検出した。室温(約22℃)で、3MHz~10HzのAC周波数及び10~50mVのピークツーピーク正弦波AC電圧信号の条件下で、金ブロッキング電極を用いた電気化学インピーダンス分光法を用いて、試料のイオン伝導度を決定した。本明細書で言及されるイオン伝導率はバルクのイオン伝導率であり、バルク粒子の導電率の特徴は最高周波数で現れ、二重層キャパシタンスの最低値に関連するため、粒子境界及び電極接点から分離することができるバルク粒子からの導電率が寄与している。
高エネルギーボールミルによる合成は、主要なハロゲン化金属錯体相の合成反応及び分解反応と並行して生じ得ることに留意されたい。本明細書の実施形態のプロセスと比較して、高エネルギーボールミル合成は、主要なLiYX相の近くに不純物として存在するLiX及びYX等の単純な化合物の含有量を著しく増やすことができる。不純物相の含有量が多いと、ハロゲン化物系材料の結晶性が低下する可能性がある。場合によっては、アニールを行って結晶性を部分的に回復させることができるが、アニールはハロゲン化物系材料の積層欠陥も大幅に低減する可能性がある。
1barの大気圧での固相反応においてハロゲン化アンモニウムを添加して酸化物(Y)又は炭酸塩材料(LiCO)から出発する場合、LiYXの単相は合成されないことにも留意されたい。希土類金属(例えば、LiYXの例におけるY)をハロゲン化合物に変換するために、少なくとも2つの化学反応が起こり得る。1つの主反応で、YXが合成され、それがさらに反応してLiYX相を形成することができる。第2の反応は、YOXの形成をもたらし得る。YOXは、安定な化合物であり、LiYXの最終生成物中の不純物である。ハロゲン化物系材料中に高レベルの希土類オキシハロゲン化物相(すなわち、少なくとも6重量%)を生成すると、不純物相の特徴である余分なXRDピークを生じる可能性があり、XRDスペクトルに基づく積層欠陥の定量化には信頼性がない可能性がある。
例11
追加の代表的なハロゲン化物系材料は、例9の試料10-1に関して説明したのと同じ方法で形成される。各試料の式を表6に示す。各試料の積層欠陥の含有量は、例9で説明したものと同様にして求められる。各試料は、30~85%の積層欠陥を有すると予想される。
図15は、試料11-6のXRDスペクトル及び従来のLiYBrのXRDスキャンを、比較のために重ね合わせたものである。従来のLiYBrのXRDスキャンと比較して、Cu-Kα線に伴う15°~25°2θの間の特定のピークは、試料11-6のスペクトルには存在しないことに留意されたい。
例12
試料10-1の粉末XRD測定は、それぞれ透過幾何形状の密封されたカプトン毛細管及び通常の粉末試料ホルダで実行される。図16は、試験で得たXRDスペクトルを重ね合わせたものである。両方のスペクトルは、従来のLiYBrのXRDピークを表すバーの位置と比較して、CuKーα放射線で15°~25°2θの間に特定のピークがないことを示すことに留意されたい。
例13
臭化イットリウムリチウムLiYBrは、本明細書の実施形態に記載のプロセスを使用して形成される。NHBrの分解を行う。反応混合物を30分かけて650℃に加熱し、NH4Brの分解のために15分間保持し、次いで、1時間かけて室温に冷却する。高温からの急速冷却は、積層欠陥の形成を促進する可能性がある。試料の積層欠陥の含有量は約50%と推定される。
例14
臭化イットリウムリチウムLiYBrは、本明細書の実施形態に記載のプロセスを使用して形成される。NHBrの分解は、冷却前に少なくとも1.5時間かけて350℃~440℃で行われる。試料の積層欠陥の含有量は10~20%であると予想される。
利点、他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上述されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策を生じさせる又はより顕著にする可能性がある任意の特徴(複数可)は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。本明細書における1つ以上の成分を含む材料に言及する場合は、材料が特定された1つ以上の成分から本質的になる少なくとも1つの実施形態を含むものと解釈され得る。「本質的になる」という用語は、特定された材料を含み、材料の特性を有意に変化させない少量の含有物(例えば、含有不純物等)を除く他の全ての材料を除外する組成物を含むと解釈される。それに加えて、又はその代わりに、特定の非限定的な実施形態では、本明細書で特定される組成物のいずれもが、明示的に開示されていない材料を本質的に含まなくてもよい。本明細書の実施形態は、様々な含有量の特定の成分が材料に含まれており、所与の材料に含まれる成分の含有量は合計で100%であることが理解されよう。
本明細書に記載の実施形態の明細書及び図は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。本明細書及び図は、本明細書に記載の構造又は方法を使用する装置及びシステムの全ての要素及び特徴の網羅的且つ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。また、別個の実施形態は、組み合わせて単一の実施形態として提供されてもよく、逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴はまた、別個に又は任意の部分的な組合せで提供されてもよい。さらに、範囲に記載された値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。本明細書を読み終えれば、当業者には多くの他の実施形態が自明となろう。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的な置き換え、論理的な置き換え、又は別の変更を行う等して、本開示から他の実施形態を使用及び導出することができる。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。

Claims (15)

  1. 3-z(Mek+3-z+k*f(式中、-3≦z<3であり;2≦k6であり;0f≦1であり;Mはアルカリ金属元素を含み;Meは、2価の金属元素、3価の金属元素、4価の金属元素、5価の金属元素、6価の金属元素、又はそれらの任意の組合せを含み、Xはハロゲンを含む)と、
    少なくとも20%の積層欠陥と少なくとも25nmの平均回折結晶子サイズとを含む結晶構造と、
    を含む、固体電解質材料。
  2. 前記結晶構造がC2/m空間群で表される、請求項1に記載の固体電解質材料。
  3. 3-z(Mek+3-z+k*f(式中、-3≦z<3であり;2≦k6であり;0f≦1であり;Mはアルカリ金属元素を含み;Meは、2価の金属元素、3価の金属元素、4価の金属元素、5価の金属元素、6価の金属元素、又はそれらの任意の組合せを含み;Xはハロゲンを含む)と、
    菱面体晶系空間群または六方晶系空間群で表され、少なくとも25nmの平均回折結晶子サイズを含む結晶構造と、
    を含む、固体電解質材料。
  4. R-3m空間群で表される結晶構造を含む結晶相を含む、請求項3に記載の固体電解質材料。
  5. P6/mcm又はP6/mmc空間群で表される結晶構造を含む結晶相を含む、請求項3に記載の固体電解質材料。
  6. P-3m1又はPnma空間群で表される結晶構造を含む結晶相を含む、請求項1又は3に記載の固体電解質材料。
  7. 固体電解質材料であって、
    3-z(Mek+3-z+k*f(式中、-3≦z<3であり;2≦k<6であり;0≦f≦1であり;Mはアルカリ金属元素を含み;Meは、2価の金属元素、3価の金属元素、4価の金属元素、5価の金属元素、6価の金属元素、又はそれらの任意の組合せを含み;及びXはハロゲンを含む)と、
    3~5個のハロゲン化物の原子を含む単位格子を有する単斜晶系空間群によって表され、少なくとも25nmの平均回折結晶子サイズを含む結晶構造と、
    を含む、固体電解質材料。
  8. C2/m空間群で表される結晶構造を含む結晶相を含む、請求項に記載の固体電解質材料。
  9. 層状原子配列を含み、前記平均回折結晶子サイズが少なくとも35nmである、請求項に記載の固体電解質材料。
  10. 前記結晶構造が少なくとも50%の積層欠陥を含む、請求項1に記載の固体電解質材料。
  11. 前記結晶構造が少なくとも70%の積層欠陥を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の固体電解質材料。
  12. CuKα線で測定される線回折パターンが、16°から25°2θの間にピークを含まない、請求項に記載の固体電解質材料。
  13. MがLi又はNaのうちの少なくとも一方を含む、請求項に記載の固体電解質材料。
  14. Meが希土類元素、Zr、Sn、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項に記載の固体電解質材料。
  15. Xが、Cl、Br、又はそれらの組合せを含む、請求項に記載の固体電解質材料。
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