JP7312982B2 - ショーケース - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ショーケースを構成する部品あるいは部材の歪みによってマグネットなどの吸着部とマグネットに吸着される被吸着部との間に隙間が生じても、吸着力を向上させるショーケースを提供することを目的とする。
この構成により、棚部を製造あるいは組立て時におけるわずかな歪み、または棚部を構成する部品そのものの歪みなどによって吸着部と被吸着部との間に隙間が生じても吸着力の低下を防止することができる。
この構成により、吸着部または被吸着部がショーケースの本体に固定されるため、スライド棚部が安定して庫内に保持される。
この構成により、可動部の形状を調整するだけの簡単な構成で吸着部の斜傾可能な範囲を規定することができる。
この構成により、作業者が棚部をスライドさせる際に吸着部と被吸着部との吸着力が作用する方向と作業者が力を加える方向とが平行になるため、作業者にとってスライド棚のスライド動作の開始および/または終了を感覚的に把握しやすくなる。
この構成により、簡単な構成でショーケースの庫内にスライド棚を保持するための吸着部と吸着部に吸着される被吸着部との間に隙間が生じても、吸着力の低下を防止することができる。
図1は、ショーケース1の正面図である。
以下の説明においては、図1におけるショーケース1の正面視を基準として、紙面に向かって右側を「右」、左側を「左」、上側を「上」、下側を「下」、奥側を「後」、手前側を「前」、を用いて表記する。
また、以下の説明において、図1におけるショーケース1の正面視を基準に、前後方向をX軸、左右方向をY軸、上下方向をZ軸として各図面に記載した軸を用いて適宜説明を加える場合もある。
ショーケース1は、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどに設置され、棚部26には、販売用の商品が陳列される。
なお、ショーケース下部に設けられたダクトや機械室などが一般ユーザから見えないようにするために、ショーケース1の正面の下部には化粧版4が設けられている。
図2に示すとおり、ショーケース1の後部には断面コ字状の断熱壁2を備える。断熱壁2は、前面側が開口する形状となっており、断熱壁2の側面には、左側板5及び右側板6が取付けられる。
断熱壁2の上面と天板10とが形成する空間を天井ダクト20と称し、断熱壁2と背壁11とが形成する空間を背面ダクトと称し、断熱壁2と底板12とが形成する空間を下部ダクト22と称する。天井ダクト20と背面ダクト21と下部ダクト22とは、空間的に連続している。
機械室100の冷却装置によって熱交換されて冷却された冷気は、機械室100から下部ダクト22へ吸い上げられる、あるいは吹き出される。
冷気吐出口28は下向きに冷気を吐出するよう構成され、冷気吸入口は上向きに開口して構成されている。
これらの構成により、機械室100内において冷却器と熱交換されて冷却された冷気は、下部ダクト22、背面ダクト21、天井ダクト20を経由して冷気吐出口28から吐出され、ショーケース1の庫内8を経由して冷気吸入口29へ至る、冷気の循環を行うことができる。
また、図3に示すように、後部材43は、水平面43Aと、水平面43Aの後端から上方向へ垂直に立ち上がる面である立ち上がり面43Bとが形成される。立ち上がり面43Bは、スライド棚部40の最後端に位置する。
なお、本実施の形態において、立ち上がり面43Bの少なくとも一部が被吸着部に相当し、また、スライド棚部40を構成する各部材のうち、少なくとも後部材43の立ち上がり面43Bは、強磁性体の材料にて構成される。より具体的には鉄製の板材である。
したがって、各部材を形成した際の部材そのものの捩れや歪みのみならず、ねじ止め固定を行う場合における取付け穴の交差に起因した四辺形状の枠を組み立てる際の歪みや、溶接時における作業時の影響による歪みや部材の変形などに起因して、組立て後のスライド棚部40は、わずかながらにも全体としての歪みを生じる場合がある。
スライド棚部40は、一対のスライドレール53により、棚固定部50の上を前後方向にスライド可能とされている。
スライドレール53とブラケット51と筋交い52との各部材は、第1ねじ56あるいは第2ねじ57によりねじ止め固定されているため、棚固定部50の組み立て時にも取付穴の寸法公差に起因する歪みが各所で生じることがあり、組立て後の棚固定部50がわずかながらにも全体としてのひずみを生じる場合がある。
ブラケット51をショーケース1の背部の支柱(不図示)に取り付けたとき、立ち上がり部52Bは、庫内8の背壁11に沿って延びている。
ただし、詳細を後述するとおり、可動部70は、その一部が筋交い52に対して斜傾可能となるよう、筋交い52に固定される。
棚固定部50は、ショーケース1の本体側、具体的には背部の支柱(不図示)に取り付けられる。したがって、棚固定部50は、庫内8において前後方向の位置が変化することがない。これに対して、スライド棚部40は、棚固定部50に対して前後方向へスライド可能に設けられている。
ここで、本実施の形態において、少なくともスライド棚部40の立ち上がり面43Bは鉄製の部材からなり、少なくとも強磁性体の材料が用いられる。
ただし、立ち上がり面43Bの全面が強磁性材料であっても良いし、後部材43の全部が強磁性材料で形成されていても良い。すなわち、後部材43が強磁性材料ではない材質でできたものであっても、立ち上がり面43Bの部分のうち、スライド棚部40を庫内8に収納した際にマグネット77Aが吸着する部分、あるいは最も接近する領域の部分に鉄板などの強磁性材からなる部品を貼り付けるなどの構成としても良い。
これに対して、本実施の形態においては、以下に説明するとおり、可動部70を少なくともその一部が筋交い52に対して可動な状態にて筋交い52に固定される構成としている。特に、可動部70は筋交い52の立ち上がり部52Bの面に対して斜めに傾く(斜傾する)可動式の構成としている。
立ち上がり面43Bは、スライド棚部40を庫内8に収容したときに、マグネット77Aに吸着されてその位置が固定される。本実施の形態では、後部材43の後端部から立ち上がる部分の全体を被吸着部である立ち上がり面43Bとしているが、後部材43の後端部から立ち上がる部分であって一方のマグネット77Aと対向する部分のみを被吸着部としてもよい。
本体71は、爪部73を立ち上がり部52Bの上端部52Cに被せることにより位置決めし、その下端部を固定具72により立ち上がり部52Bに固定することにより、立ち上がり部52Bに固定される。
爪部73は、XY平面の部分の前後方向の長さが上端部52Cの前後方向の長さよりも長く形成されている。爪部73を立ち上がり部52Bの上端部52Cに被せたとき、爪部73のXY平面の部分の前後方向の長さと上端部52Cの前後方向との長さの差であり前後方向の距離である第1の距離S1の長さを有するスペースが、上端部52Cと爪74との間に生じる。
図4及び図7に示すように、マグネット77Aは、本体71に設けられる第2開口79にはめ込まれている。マグネット77Aは、第2開口79にはめ込まれ、本体71に固定される。
スライド棚部40及び棚固定部50の組み付け時に生じうる上記したわずかな歪みにより、スライド棚部40を庫内8に収容した状態におけるマグネット77Aと立ち上がり面43Bとは、略平行に面接触できる位置からずれを生じる場合がある。
間隔Sは、スライド棚部40及び棚固定部50の組み付け時に生じうる歪みに応じて決定できる。間隔Sは、この想定される歪みによって生じるズレの長さを許容できる程度に長く設定されることが望ましい。
間隔Sは、想定される歪みによって生じるズレの長さを許容する最短の長さと同じ長さにしてもよい。この場合、必要以上に可動部70が揺れることが抑制され、騒音の抑制にもなる。
第1の距離S1は、想定される歪みによって生じる前後方向のズレの長さを許容する最短の長さと同じ長さにしてもよい。この場合、必要以上に可動部70が揺れることが抑制され、騒音の抑制にもなる。
第2の距離S2は、想定される歪みによって生じる上下方向のズレの長さを許容する最短の長さと同じ長さにしてもよい。この場合、必要以上に可動部70が揺れることが抑制され、騒音の抑制にもなる。
マグネット77Aと立ち上がり面43Bとが磁力によって吸着可能な構成にすることによって、スライド棚部40を庫内8に収納した際に安定して収納状態を維持することができる。
したがって、収納状態を維持するためには吸着力が大きいほど有利であるとも考えられる。しかしながら、吸着力が強すぎると、以下のような状況が懸念される。
すなわち、スライド棚部40を庫内8から庫外13へ向けて引き出す際には、作業者がマグネット77Aと立ち上がり面43Bとの磁力による吸着を解除する程度の力をスライド棚部40に加える必要があり、吸着力が強すぎると、作業者はより強い力を加える必要が生じてしまう。
また、棚板47に商品が乗せられた状態において作業者が力強くスライド棚部40を引き出すと、引き出した際に生じた勢いによって商品が崩れ落ちてしまうことも考えられる。
あるいは、スライド棚部40を引き出した状態から庫内8へ収納させる際に、スライド棚部40の立ち上がり面43Bがマグネット77Aに接近すると急激に磁力による引力が高まり、双方が勢いよく衝突してしまう(大きな衝突音を生じてしまう)ことも考えられる。
また、スライド棚部40を引き出した状態から庫内8へ収納させる際に、作業者が磁力による引力を感じ取れず収納動作の終わりを実感しにくくなることも考えられる。
本実施の形態によれば、スライド棚部40をスライドさせる棚固定部50にマグネット77Aを設けるので、スライド棚部40の庫内8に収容状態を安定的に維持できる。
本実施の形態によれば、棚固定部50に設けられる可動部70は、可動域となる所定の間隔Sをあけて固定されるため、スライド棚部40や棚固定部50が歪みを生じた場合であっても、マグネット77Aと立ち上がり面43Bとを平行状態に維持することができ、双方を面接触させやすい。
本実施の形態によれば、固定具72を、可動部70の左右方向の中央部に備えたので、特にスライド棚部40や棚固定部50が左右方向に歪みを生じた場合であっても、マグネット77Aと立ち上がり面43Bとをより平行に近い状態に維持することができ、面接触させやすい。
本実施の形態によれば、固定具72を、可動部70の下部に備えるので、特にスライド棚部40や棚固定部50が上下方向に歪みを生じた場合においても、マグネット77Aと立ち上がり面43Bとをより平行に近い状態に維持することができ、面接触させやすい。
この場合、マグネット77Aは、立ち上がり面43Bと対向する位置に、スライド棚部40を庫内8に収容したときに立ち上がり面43Bと面接触が可能となるように揺れる可動域により移動可能に配置されていればよい。
また、本実施の形態では、マグネット77Aと強磁性体である鉄製の立ち上がり面43Bとを磁力により吸着させていたが、立ち上がり面43Bの代わりにマグネット77Aとは異なる他のマグネットを用いてもよい。これにより他のマグネットの磁力や極性を適宜活用することで吸着力の強弱を調整することができる。
なお、スライド棚部40は、傾斜させて配置することも可能である。この場合、立ち上がり面43Bと略平行に面接触できるようにマグネット77Aを傾斜させて配置させてもよい。
8 庫内
11 背壁
26 棚部
40 スライド棚部
43 後部材
43B 立ち上がり面
50 棚固定部
51 ブラケット
52 筋交い
52B 立ち上がり部(棚固定部の後端部)
52C 立ち上がり部の上端部
53 スライドレール
70 可動部
71 本体
72 固定具
73 爪部
74 爪
77A マグネット
S 間隔
S1 第1の距離
S2 第2の距離
Claims (5)
- 庫内から庫外へ向けてスライド可能な棚部を備えたショーケースにおいて、
吸着部に吸着される被吸着部と、前記吸着部を所定の範囲内において斜傾可能に保持する可動部と、を有し、
前記棚部は、前記ショーケースの本体に固定される棚固定部と、前記棚固定部に対して一方向にスライド可能に設けられたスライド棚部と、を含み、
前記可動部は、前記棚固定部に設けられ、前記被吸着部は、前記スライド棚部に設けられ、
前記可動部は、前記吸着部と、前記吸着部を保持する本体部と、前記本体部と前記棚固定部とを前記棚固定部に対して前記本体部を可動可能に固定する固定具と、を含み、
前記本体部の上部は、前記本体部の上部に形成された爪部により前記棚固定部に引っ掛けられており、前記本体部の下部は、前記固定具により固定されている、
ショーケース。 - 前記被吸着部と前記吸着部とは、前記一方向に対向して設けられ、
前記固定具は、前記被吸着部より下方に位置する
請求項1記載のショーケース。 - 前記固定具は、ネジとスペーサとを含み、
前記ネジは、前記スペーサを介して所定の間隔をあけて前記棚固定部にネジ止めされ、
前記本体部は、前記所定の間隔の限度において可動である、
請求項2記載のショーケース。 - 前記本体部は、前記吸着部を保持する開口を有し、
前記開口は、前記一方向と交差する水平方向において前記吸着部よりも大きく形成されている、
請求項1ないし3のいずれかに記載のショーケース。 - 前記棚固定部は、上方向へ垂直に立ち上げる立ち上がり部を含み、
前記本体部は、前記爪部を前記立ち上がり部の上端部に被せることにより位置決めされ、
前記爪部は、前記一方向において、前記立ち上がり部の上端部の長さよりも長く形成されている、
請求項1ないし4のいずれかに記載のショーケース。
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