JP2024062238A - 磁着補助具及び磁着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被支持対象を壁面へ磁着させる構造のさらなる工夫により、とりわけ、被支持対象の壁面への磁着後における位置ずらし操作が力を要せず、かつ、簡単に行えるように改善できる磁着補助具を提供する。【解決手段】被支持対象(液晶画面)7を支持可能な支持部2と、壁面Wに磁着可能な磁具5に支持されることが可能な被支持部(装着孔)3と、壁面(取付パネル10)Wに磁着されている磁具(磁石)5に対して壁面Wから離れる方向への移動が規制される規制機構4と、が備えられた枠体1を有し、被支持対象7を壁面Wに支持すべく、壁面Wに磁着されている磁具5に被支持部3を用いて枠体1が支持されること、及び磁具5に支持されている枠体1に支持部2を用いて被支持対象7が支持されることのそれぞれが可能に構成されている磁着補助具A。【選択図】図6
Description
本発明は、液晶画面、展示パネル、絵画などのディスプレイ用としての被磁着対象を、磁石などの磁具で壁面に装備し易くするために用いる磁着補助具及びそれを用いた磁着方法に関する。
百貨店の催し物会場や博物館のフロアー等において、室の壁や仕切り壁、或いは柱を囲む壁などの壁面に、磁石を用いて展示物や広告パネル、或いは液晶画面などを支止させることがよくある。例えば、特許文献1(図1などを参照)は、円盤状のマグネット部(2)を、合成樹脂などによるフック部(3)に埋設してなるマグネットフック(1)を開示している。被着磁対象をマグネットフック(1)に吊り下げることにより、結果的に被着磁対象を壁面に磁着支持させることができる。
また、特許文献2(図1,4を参照)は、壁面(W)に磁着支持具(A)を磁着させ、その磁着された磁着支持具(A)の金属棒(6)に吊り下げることで被支持対象(M)を壁面(W)に支持できるものを開示している。この特許文献2による磁着支持具(A)は、特許文献1によるマグネットフック(1)よりも重い被磁着対象を壁面に係支させることができる。
さらに、大きいものや重いものを壁面に磁着させる場合には、特許文献3の図7や図10に示されるように、被支持対象(液晶画面など)の裏面に、必要となる複数の磁具を取付け、それら複数の磁具が一体化された被支持対象を壁面に磁着させる、という構造(壁面への磁着方法)が採られていた。
しかしながら、被支持対象に複数の磁具を取付けた状態で壁面に磁着させるやり方(特許文献3の図7などを参照)では、非支持対象が大型化や重量化するに従って、その作業が行い難くなってくることが分かってきた。例えば、多数(例:8~15個)の磁具を用いて大型の被支持対象(液晶画面など)を壁面に磁着させる場合、次の(1)~(3)に記載するような不都合が生じ易く、作業性が芳しくないものであった。
A.磁力が強いため、被支持対象を壁面に磁着する際の磁力ショックに耐えるべく、複数人の作業者が必要となることが多い。
B.壁面への磁着後に被支持対象の姿勢を矯正しようとしても、強い磁力によって被支持対象のスライド移動が非常に困難であり、実質的にできない。
C.磁力が強いため、被支持対象を壁面から引きはがす際に多大な力(複数人の作業者)を要する。
B.壁面への磁着後に被支持対象の姿勢を矯正しようとしても、強い磁力によって被支持対象のスライド移動が非常に困難であり、実質的にできない。
C.磁力が強いため、被支持対象を壁面から引きはがす際に多大な力(複数人の作業者)を要する。
前記A.やC.の不都合は、作業者が複数人居れば何とかなるものではあるが、傾いた液晶画面を正しい姿勢に位置ずらし操作する、といった微調整に関する前記B.の不都合は、現場においては非常に煩わしい問題であり、改善の余地が残されているものであった。
本発明の目的は、被支持対象を壁面へ磁着させる構造のさらなる工夫により、とりわけ、被支持対象の壁面への磁着後における位置ずらし操作が力を要せず、かつ、簡単に行えるように改善できる磁着補助具、並びに磁着方法を提供する点にある。
本発明は、磁着補助具において、
被支持対象7を支持可能な支持部2と、壁面に磁着可能な磁具5に支持されることが可能な被支持部3と、壁面に磁着されている前記磁具5に対して前記壁面から離れる方向への移動が規制される規制機構4と、が備えられた枠体1を有し、
壁面に磁着されている前記磁具5に前記被支持部3を用いて前記枠体1が支持されること、及び前記磁具5に支持されている前記枠体1に前記支持部2を用いて前記被支持対象7が支持されることのそれぞれが可能に構成されていることを特徴とする。
被支持対象7を支持可能な支持部2と、壁面に磁着可能な磁具5に支持されることが可能な被支持部3と、壁面に磁着されている前記磁具5に対して前記壁面から離れる方向への移動が規制される規制機構4と、が備えられた枠体1を有し、
壁面に磁着されている前記磁具5に前記被支持部3を用いて前記枠体1が支持されること、及び前記磁具5に支持されている前記枠体1に前記支持部2を用いて前記被支持対象7が支持されることのそれぞれが可能に構成されていることを特徴とする。
第2の本発明は、磁着補治具を用いた磁着方法において、
壁面に磁着可能な磁具5を用いて被支持対象7を壁面に支持させるにあたり、前記磁具5に支持される被支持部3と前記被支持対象7を支持する支持部2とを備えた磁着補助具Aを用意し、
壁面に磁着されている前記磁具5に前記被支持部3によって前記磁着補助具Aを支持させてから、前記磁具5に支持されている前記磁着補助具Aに前記支持部2によって前記被支持対象7を支持させることを特徴とする。
壁面に磁着可能な磁具5を用いて被支持対象7を壁面に支持させるにあたり、前記磁具5に支持される被支持部3と前記被支持対象7を支持する支持部2とを備えた磁着補助具Aを用意し、
壁面に磁着されている前記磁具5に前記被支持部3によって前記磁着補助具Aを支持させてから、前記磁具5に支持されている前記磁着補助具Aに前記支持部2によって前記被支持対象7を支持させることを特徴とする。
第3の本発明以降については、特許請求の範囲を参照のこと。なお、第2の本発明においては、本発明による磁着補助具を用いることが好ましい。
本発明によれば、詳しくは後述するが、被支持対象の姿勢を定める磁着補助具の壁面に対する位置や姿勢の微調整が、比較的弱い磁着状態でもって簡単で操作し易い状態が得られるようになるとともに、磁着補助具は複数の磁具によって十分な強度で壁面に磁着されることとなり、磁着補助具に支持される被支持対象を強度十分に壁面に支持維持させることができる。
そして、被支持対象を磁着補助具から取り外して、各磁具を単品ごとに壁面から引き剥がして取ることができ、磁着補助具を無理なく簡単に壁面から取り外すことができる。
その結果、磁着補助具及びそれを用いた磁着方法により、大きくて重い被支持対象であっても、小さな労力で簡単・便利に壁面に対する磁着保持及び磁力に抗しての取外しの各作業が行え、前述の不都合A.~C.が解消される効果が得られる。
その結果、磁着補助具及びそれを用いた磁着方法により、大きくて重い被支持対象であっても、小さな労力で簡単・便利に壁面に対する磁着保持及び磁力に抗しての取外しの各作業が行え、前述の不都合A.~C.が解消される効果が得られる。
以下に、本発明による磁着補助具及び磁着方法の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図4に、本発明による磁着補助具Aを用いて大型の液晶画面(被支持対象の一例)7を、柱12の前に設けられた壁面Wに磁力により支持させる構造例が示されている。詳しくは後述するが、液晶画面7は、取付パネル10に磁着された10個の磁具5で支持される磁着補助具Aに引っ掛け支持されている。
磁着補助具Aは、図1~図3に示されるように、支持部2と被支持部3と規制機構4とを、扁平な矩形を呈する板状体(「枠体」の一例)1に設けることで構成されている。
板状体1は、薄肉(例:12mm)で、板材(例:ベニヤ合板、コンパネ)製(木材以外の素材でも良い)の基板1Aの片面に、マグネットシート1Bが貼着されての積層一体化によって構成されている。基板1Aは木材以外の素材でもよく、また、板状体1は縦横比が2:1に設定されているが、それ以外の比率でもよい。
板状体1は、薄肉(例:12mm)で、板材(例:ベニヤ合板、コンパネ)製(木材以外の素材でも良い)の基板1Aの片面に、マグネットシート1Bが貼着されての積層一体化によって構成されている。基板1Aは木材以外の素材でもよく、また、板状体1は縦横比が2:1に設定されているが、それ以外の比率でもよい。
被支持部3は、図1、図2に示されるように、磁具5(後述)を設けるための縦長で矩形の装着孔によりなり、装着孔3は、縦5列かつ横2列の10カ所で板状体1に規則正しく配列されて形成されている。支持部2は、図1、図3に示されるように、被支持対象H(後述)を引掛けて支持するための切欠き部6が2カ所形成された金具によりなり、縦方向で端から2番目列の一対の装着孔3,3の間において板状体1に取付けられている。規制機構4は、装着孔3における縦方向で両側の縦縁部(係合部の一例)3a,3aにより構成されている。
つまり、磁着補助具Aは、図1や図4に示されるように、被支持対象7を支持可能な支持部2と、壁面Wに磁着可能な磁具5に支持されることが可能な被支持部3と、壁面Wに磁着されている磁具5に対して壁面Wから離れる方向への移動が規制される規制機構4と、が備えられた板状体1を有し、被支持対象7を壁面Wに支持すべく、壁面Wに磁着されている磁具5に被支持部3を用いて板状体1が支持されること、及び磁具5に支持されている板状体1に支持部2を用いて被支持対象7が支持されることのそれぞれが可能に構成されている。次に、各機能についてさらに詳しく説明する。
図2(A),(B)に示されるように、磁具5は、合成樹脂などの材料でなる板部5Aと、板部5Aに固定支持される磁石部5Bとを有して構成されている。板部5Aは、側面視で矩形を呈する磁石部5Bよりも縦及び横の寸法が大きい矩形の形状に形成され、4つの辺の全てにおいて磁石部5Bより外方に張り出る縦横のフランジ部5t,5fを有している。磁石部5Bは、複数の単位磁石を列状に並べた複合体により形成される構造(特開2012-100960号公報や特開2013-200号公報も参照)でもよいし、単体の磁石でなるものでもよい。
図1及び図3に示されるように、支持部2は、両端の取付部2a,2aと、各取付部2aに続いて折り曲げ形成される一対の脚部2b,2bと、一対の逆三角状に凹ませ形成された切欠き部6,6が上側(縦方向の一端側)に形成される本体部2cと、を有する板金製の部品に形成されている。取付部2aは、板状体1の基板1Aに複数個所でビス止めされる部分であり、一対の切欠き部6,6は本体部2cにおいて横方向(左右方向)に離されて形成されている。つまり、支持部2は、液晶画面7に設けられたフック8を引っ掛け支持可能な状態で板状体1に取付けられる金具により構成されている。
図1及び図2に示されるように、被支持部3である装着孔3は、磁具5の磁石部5Bの挿入および離脱ができるように、磁石部5Bの上下長さより少し長い上下の長さを有してほぼ同じ形状(矩形)の遊嵌合孔に形成されている。当然ながら、板部5Aは装着孔3より上下左右に張り出す大きな外郭形状の寸法に設定されている。磁石部5Bの板部5Aからの突出長さは、装着孔3の奥行き長さと同等か少し大となる値に設定されている。
従って、装着孔3に磁石部5Bが挿入され、かつ、磁石部5Bの先端が壁面Wに磁着されている状態〔図2(B)参照〕では、板状体1は、壁面Wと板部5Aとの間に隙間なく或いは少し隙間を有して挟まれたように配置され、結果的に板状体1は壁面Wに支持された状態になっている。この板状体1の支持状態では、板部5Aと縦縁部3aとの当接によって規制機構4の規制作用が生じており、板状体1が壁面Wから離れる方向への移動が規制(又は牽制阻止)されている。
図2に示されるように、規制機構4は、磁具5の板部5Aに当接可能な縦縁部3aにより構成されており、基本的には、装着孔3の大きさを、磁石部5Bの外郭形状より大きく、かつ、板部5Aの外郭形状より小さく設定することである(図1も参照)。しかしながら、装着孔3が板部5Aより大きくても、板状体1を磁具5に装着孔3を用いて載せ付けた状態では、板状体1は磁石部5Bの上面に当接しているので、上側の縦縁部3aと板部5Aの上側のフランジ部5tとが当接しさえすれば規制機構4として機能する。
つまり、板状体1の複数カ所に設けられている装着孔3は、磁具5の嵌り込みを許容するように板状体1に形成された装着孔(孔(又は凹み)3により構成されている。装着孔(孔(又は凹み)3は、磁具5の形状に合せた矩形の孔(又は凹み)3に形成されている。そして、規制機構4は、磁具5の反壁面W側に形成されているフランジ部(鍔部の一例)5tの壁面W側に位置してフランジ部5tに対向する係合部3aを、板状体1の装着孔3の上側又は左右側に設けることにより構成されている。
図3(A)、図4、図6(A)に示されるように、被支持対象7として、例えば、大型の液晶画面が挙げられる。液晶画面7の裏面7Rには、支持部2の切欠き部6,6に係合可能な一対のフック8,8が螺着などの手段により設けられている。フック8の一例の構造としては、支持部2の切欠き部6に嵌り込む嵌合軸部8aと、切欠き部6の底R部(符記省略)の半径より大径を有するフランジ頭部8bと、液晶画面7の背壁でもある裏面7Rに螺入されるネジ部8cとを有している。
従って、液晶画面7を板状体1の上部に接するまでに近づけた状態で下降移動〔図6(B)参照〕させ、フック8の嵌合軸部8aを切欠き部6に上方から差し込むことにより、液晶画面7を支持部2に掛け止めさせ〔図3(A)参照〕、それによって板状体1、即ち磁着補助具Aを介して液晶画面7を複数の磁具5の磁力によって壁面Wに支持及び維持させることができる。
次に、磁着補助具Aを用いて液晶画面7を壁面W(磁着できる壁面W)に磁力で支持させる基本的なやり方(手順、方法)について説明する。
(第1工程)まず、図5(A)に示されるように、枠体である板状体1を、そのマグネットシート1B〔図3(A)参照〕の側を壁面Wに向けた状態で壁面Wに移動させて磁着させる第1工程を行う。板状体1は、マグネットシート1Bの磁力により、磁着可能に構成されている壁面Wに軽く磁着された状態になっている。
(第1工程)まず、図5(A)に示されるように、枠体である板状体1を、そのマグネットシート1B〔図3(A)参照〕の側を壁面Wに向けた状態で壁面Wに移動させて磁着させる第1工程を行う。板状体1は、マグネットシート1Bの磁力により、磁着可能に構成されている壁面Wに軽く磁着された状態になっている。
(第2工程)次に、図5(B)に示されるように、壁面Wに軽く磁着している板状体1の姿勢を正規の姿勢(例:垂直な起立姿勢)に微調整(又は修正)してから、複数の各装着孔3に磁具5を嵌め込んで壁面Wに磁着させる第2工程を行う。複数の磁具5で板状体1を支持させる点から、磁具5を装着孔3に嵌め込む際には、磁石部5Bの上面と装着孔3の天井面との間に隙間が無いようにするのが望ましい。
(第3工程)所定数の磁具5が板状体1にセットされたら、図6(A)に示されるように、被支持対象である液晶画面7を、その裏面7Rが壁面Wに向くようにして板状体1に近づけ、板状体1の若干上方となる位置に移動させる第3工程を行う。このとき、裏面7Rに取付けられている一対のフック8,8は、板状体1に取付けられている支持部2の上方に位置している。
(第4工程)第3工程による液晶画面7を、図6(B)に示されるように、板状体1との左右方向の位置を定めながら(左右中心を合せながら)ゆっくりと下降移動させ、一対のフック8,8(嵌合軸部8a、8a)を支持部2の対応する切欠き部6,6に嵌め入れる第4工程を行う。この第4工程の終了に伴い、液晶画面7は、磁着補助具Aを介して複数(10個)の磁具5により壁面Wに強固に磁着された支持状態になっている。
つまり、壁面Wに磁着可能な磁具5を用いて液晶画面(被支持対象)7を壁面Wに支持させるにあたり、まず、磁具5に支持される装着孔(被支持部)3と液晶画面7を支持する支持部2とを備えた磁着補助具Aを用意する。そして、壁面Wに磁着されている磁具5に装着孔3を用いて板状体1を支持させてから(第1及び第2工程)、磁具5に支持されている板状体1に支持部2を用いて液晶画面7を支持させる(第3及び第4工程)、という磁着方法である。「磁着方法」は、「被支持対象の壁面への磁着方法」や「磁着補助具を用いた磁着方法」とも言える。
以上のように、磁着補助具Aを用いて被支持対象7を壁面Wに支持させる構造の採用により、被支持対象7が大きくて重い液晶画面7などであっても、液晶画面7に比べて明確に軽い板状体1の壁面Wに対する姿勢の微調整が簡単で便利に行えるとともに、複数の磁具5による強力な磁力によって液晶画面7を強固に壁面Wに支持させることができる。
つまり、少ない数の磁具5で(又はマグネットシート1Bで)板状体1を壁面Wに仮止めされているので、即ち、液晶画面7の姿勢を決める磁着補助具Aは壁面Wに軽く(比較的弱く)磁着されているので、磁着補助具Aのスライド移動させての位置や姿勢の微調整が、強い力を要せず簡単・便利に行うことができる。磁着補助具Aは、十分な数の磁具5によって壁面Wに磁着されることとなるので、その磁着補助具Aに支持される液晶画面7を、結果的に強度十分に(十分な磁力で)壁面Wに支持及び維持させることができる。
加えて、まず液晶画面7を少し持ち上げて磁着補助具Aから取り外せば、各磁具5は、それ自身のみの壁面Wに対する磁力に抗するだけで比較的容易に板状体1から抜き取ることができて、磁着補助具Aを無理なく簡単に壁面Wから取り外すことができる。従って、磁着補助具Aの採用により、大きくて重い被支持対象7を、大なる労力を必要とせず、簡単で便利に壁面Wへの磁着による支持及び磁力に抗しての取外しの各作業が行えるようになる。その結果、前述の不都合A.~C.が解消される効果がある。
〔ディスプレイの例〕
図4に示されるように、磁着補助具Aを用いて液晶画面7を壁面Wに支させる構造の例としてディスプレイが挙げられる。この三面図の状態で示されるディスプレイは、会場となるフロアの柱12の柱面12aの前の床に、縦長でかつある程度の奥行きを有する枠体9が設置され、枠体9の前面に形成された縦長矩形の開口11に臨むようにその内側に液晶画面7が配置されている。
図4に示されるように、磁着補助具Aを用いて液晶画面7を壁面Wに支させる構造の例としてディスプレイが挙げられる。この三面図の状態で示されるディスプレイは、会場となるフロアの柱12の柱面12aの前の床に、縦長でかつある程度の奥行きを有する枠体9が設置され、枠体9の前面に形成された縦長矩形の開口11に臨むようにその内側に液晶画面7が配置されている。
枠体9の横方向での奥側(壁面W側)には、鋼板などの磁着可能な材料でなる縦長矩形の取付パネル10が位置固定で設けられており、その取付パネル10の表側面に磁着補助具Aを介して液晶画面7が磁力により支持されている。つまり、枠体9の取付パネル10の表面10aが壁面Wに相当している(磁着可能な柱面12aは壁面Wにもなり得る)。
前記ディスプレイを所定に場所に設けるには、まず、枠体9を柱の壁面Wの前に設置し、それから図5、図6に示す手順により、磁着補助具A及び複数の磁具5を用いて液晶画面7を取付パネル10に磁着によって支持させる、という設置方法になる。この場合、開口11を有する枠体9の前壁部分を、取付パネル10を備える本体部分に対して着脱できるようにしておき、液晶画面7の取付パネル10への支持後に、外されていた前壁部分を本体部分に装着する、という構造を採ることができる。
〔別実施形態〕
(1)板状体1は、磁力を持たない構造、即ち、マグネットシート1Bは無く基板1Aのみからなるものでもよい。この場合、板状体1を壁面Wに仮固定する第1工程では、1~2カ所(3カ所以上でもよい)の装着孔3に磁具5を挿入して(壁面Wに磁着されている磁具5に被支持部3を用いて板状体1を支持させて)、行うことができる。被支持対象7が重い場合には、多数の磁具5の装脱できる多数の装着孔3を板状体1に装備できるのが望ましいが、複数の磁具5の装脱が可能な1つの孔(装着孔)3を有する構造でも良い。
(1)板状体1は、磁力を持たない構造、即ち、マグネットシート1Bは無く基板1Aのみからなるものでもよい。この場合、板状体1を壁面Wに仮固定する第1工程では、1~2カ所(3カ所以上でもよい)の装着孔3に磁具5を挿入して(壁面Wに磁着されている磁具5に被支持部3を用いて板状体1を支持させて)、行うことができる。被支持対象7が重い場合には、多数の磁具5の装脱できる多数の装着孔3を板状体1に装備できるのが望ましいが、複数の磁具5の装脱が可能な1つの孔(装着孔)3を有する構造でも良い。
(2)規制機構4は、例えば、図7(A)に示されるように、装着孔3の天井面3bを、反壁面W側(壁面W側の反対側であって、磁具5の挿入上手側)が高くなる傾斜が付けられた傾斜面とする構造により構成されたものでも良い。縦縁部3aとフランジ部(鍔部)5tとの対向配置によって板状体1の抜け止めとする構造の規制機構4(図2など参照)に比べて、磁具5に板部5Aを設ける必要がない利点がある。この場合、磁具5の上面5bを、天井面3bと同様な傾斜面とすることが望ましいが、それ以外の形状も可能である(例えば、反壁面W側が高くなる階段状の上面5bなどが挙げられる)。
なお、マグネットシート1B付の板状体1を用いる磁着補助具Aにおいては、マグネットシート1Bの磁力を、壁面Wに磁着させた状態での板状体1のスライド移動が無理なく行える範囲である程度強力なものに設定することにより、マグネットシート1Bによって実質的に規制機構4を兼ねる構成とすることも可能である。
(3)被支持部3である孔又は凹みとしては、図7(B)に示されるように、横や下、或いは下が部分的に解放された矩形の凹み(切欠き)3や、円形の磁具5が装脱可能な円形(楕円でも良い)の孔3や凹み(切欠き)3でも良い。さらに、被支持部3は、種々の変更設定が可能である。また、被支持対象は、液晶画面の他、絵画、展示ケース(展示物)、商品棚、その他のものが考えられる。
(4)枠体1は、棒状材や筒状材を「日」、「目」、「田」字状、或いは「E」状などに枠組み一体化してなるフレーム体でも良い。例えば、鋼材やアルミ合金材による角パイプ(丸パイプでもよい)の複数を、縦横に溶着して格子状などに作製されたフレーム体である。このフレーム体や前述の板状体などを総称して「枠体」と呼ぶものとする。また「壁面」は、側壁や天井壁、或いは傾斜壁などを含む総称である。
(5)図8に示されるように、展示棚(家具)のように構成された磁着補助具Aでも良い。即ち、図8(A),(B)に示されるように、板状体1の表面側に、左右の縦板部材13,13と、複数(例:6枚)の横板部材14とが組付けられた棚構造の枠体1による磁着補助具Aである。この場合は、置物などが載せられる横板部材14(又は横板部材14と縦板部材13)が支持部2に相当しており、最上段の横板部材14は天井板に、最下段の横板部材14は底板として機能する。縦板部材13や横板部材14の形状や個数、或いは板状体1への取付構造などは、図8に示される限りではない。
板状体1は、図8(A),(B)に示されるように、図1に示すものから板金製の支持部2を除いたものと基本的に同構造のものであり、図1に示す板状体1に対応する箇所には同じ符号を付け、ここでの説明は割愛する。図8(A)では、縦板部材13と横板部材14とは簡略化して仮想線で示してある。また、図示は省略するが、上下で隣り合う横板部材14,14の間に、例えば、引き戸構造の透明板(ガラスや合成樹脂など)を設ける構成としても良い。このような棚状の枠体1による磁着補助具Aであっても、複数の磁具5によって強固に壁面W(側壁や床壁、或いは天井壁)に係止させることが可能である。
1 枠体
1A 基板
1B マグネットシート
2 支持部
3 被支持部(孔又は凹み)
3a 係合部
4 規制機構
5 磁具
5t 鍔部
7 被支持対象
8 フック
A 磁着補助具
W 壁面
1A 基板
1B マグネットシート
2 支持部
3 被支持部(孔又は凹み)
3a 係合部
4 規制機構
5 磁具
5t 鍔部
7 被支持対象
8 フック
A 磁着補助具
W 壁面
Claims (9)
- 被支持対象を支持可能な支持部と、磁具により支持されることが可能な被支持部と、壁面に磁着されている前記磁具に対して前記壁面から離れる方向への移動が規制される規制機構と、が備えられた枠体を有し、
壁面に磁着されている前記磁具に前記被支持部を用いて前記枠体が支持されること、及び前記磁具に支持されている前記枠体に前記支持部を用いて前記被支持対象が支持されることのそれぞれが可能に構成されている磁着補助具。 - 前記被支持部が前記枠体の複数カ所に設けられている請求項1に記載の磁着補助具。
- 前記被支持部は、前記磁具の嵌り込みを許容するように前記枠体に形成された孔又は凹みにより構成されている請求項1又は2に記載の磁着補助具。
- 前記孔又は凹みは、前記磁具の形状に合せた矩形の孔又は凹みに形成されている請求項3に記載の磁着補助具。
- 前記規制機構は、前記磁具の反壁面側に形成されている鍔部の壁面側に位置して前記鍔部に対向する係合部を、前記枠体の前記孔又は凹みの上側又は左右側に設けることにより構成されている請求項3に記載の磁着補助具。
- 前記枠体は、壁面に磁着可能なマグネットシートと基板との積層一体化により構成されている請求項1又は2に記載の磁着補助具。
- 前記支持部は、前記被支持対象に設けられたフックを引っ掛け支持可能な状態で前記枠体に取付けられる金具により構成されている請求項1又は2に記載の磁着補助具。
- 壁面に磁着可能な磁具の複数を用いて被支持対象を壁面に支持させるにあたり、前記磁具に支持される被支持部と前記被支持対象を支持する支持部とを備えた磁着補助具を用意し、
壁面に磁着されている前記磁具に前記被支持部によって前記磁着補助具を支持させてから、前記磁具に支持されている前記磁着補助具に前記支持部によって前記被支持対象を支持させる磁着方法。 - 前記磁着補助具として、請求項1~7のいずれか一項に記載の磁着補助具を用いる請求項8に記載の磁着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022170104A JP2024062238A (ja) | 2022-10-24 | 2022-10-24 | 磁着補助具及び磁着方法 |
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2022
- 2022-10-24 JP JP2022170104A patent/JP2024062238A/ja active Pending
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