JP7310277B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来、この種の燃料電池システムとしては、静音モードが設定されると、通常運転モードのときに比して、燃料電池の発電出力や燃料電池システムの補機のうち騒音源である回転補機の回転数をシステムの運転に必要な最低限を下回らない範囲で低減させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この燃料電池システムでは、こうした制御により、騒音を下げた運転ができるようにしている。
特開2008-311084号公報
上述の燃料電池システムでは、静音モードが設定されると、直ちに燃料電池の発電出力を低減することにより、燃料電池に接続された負荷に供給できる電力が低下し、ユーザのメリットが低下してしまう。また、静音モードが設定されたときの回転補機の回転数の低減量が燃料電池システムの運転状態に依存することから、騒音が低減されない場合が生じ得る。
本発明の燃料電池システムは、静音モードが設定されたときにユーザのメリットを確保しつつ騒音を低減することを主目的とする。
本発明の燃料電池システムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の燃料電池システムは、
燃料ガスと酸化剤ガスとに基づいて発電可能な燃料電池と、
改質水を用いて原料ガスを前記燃料ガスに改質して前記燃料電池に供給する改質部と、
前記原料ガスを前記改質部に供給する原料ガス供給装置と、
前記改質水を蓄える改質水タンクを有し、前記改質水タンク内の前記改質水を前記改質部に供給する改質水供給装置と、
前記燃料電池を通過した前記燃料ガスを燃焼させる燃焼部と、
前記燃料ガスの燃焼により生成された燃焼排ガスと貯湯水を貯蔵する貯湯タンクからの前記貯湯水との熱交換により前記燃焼排ガスを冷却して凝縮させる熱交換部と、
前記燃焼排ガスの冷却により生成された凝縮水を前記改質水タンクに供給する凝縮水流路と、
前記貯湯タンクと前記熱交換部とを循環する前記貯湯水を冷却するラジエータと、
前記ラジエータに送風するラジエータファンと、
前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置と前記ラジエータファンとを制御する制御装置と、
を備える燃料電池システムであって、
通常モードに比して騒音を抑制する静音モードを指示する静音モード指示部を備え、
前記制御装置は、前記静音モードが指示されたときには、前記静音モードが指示されていないときに対して前記燃料電池の発電出力を同一にすると共に前記ラジエータファンの上限回転数を低下させる静音制御を実行する、
ことを要旨とする。
この本発明の燃料電池システムでは、静音モードが指示されたときには、静音モードが指示されていないときに対して燃料電池の発電出力を同一にすると共にラジエータファンの上限回転数を低下させる静音制御を実行する。ラジエータファンは、燃料電池システムの他の補機類に比して動作回転数が比較的高く、騒音に及ぼす影響が大きいため、ラジエータファンの上限回転数を低下させることにより、システム全体の騒音を低減することができる。そして、静音制御の実行により、通常モードに対して、燃料電池の発電出力を低下させずに騒音を低減することができる。即ち、ユーザのメリットを確保しつつ(燃料電池に接続された負荷の要求に十分に対応しつつ)騒音を低減することができる。なお、静音制御を実行すると、ラジエータファンの上限回転数を低下させることにより、貯湯水の温度が低下しにくくなるから、熱交換部での凝縮水の生成量が低下しやすくなり、改質水タンク内の改質水の水位(水量)が低下しやすくなる。
こうした本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記熱交換部に供給される前記貯湯水の温度が目標温度となるように前記ラジエータファンのデューティを上限デューティ以下の範囲内で設定して前記ラジエータファンを制御し、更に、前記静音制御として前記上限デューティを低下させることにより前記ラジエータファンの上限回転数を低下させるものとしてもよい。こうすれば、上限デューティを低下させることによりラジエータファンの上限回転数を低下させて騒音を低減することができる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記静音モードが指示されていて前記静音制御の実行中に前記改質水タンク内の前記改質水の水位または水量が閾値未満に低下したときには、前記静音モードが指示されていないときに対して前記ラジエータファンの上限回転数を同一にすると共に前記燃料電池の発電出力を低下させる第2静音制御の実行に切り替えるものとしてもよい。第2静音制御を実行することにより、原料ガス供給装置による原料ガスの供給量(原料ガスを圧送するポンプの出力)や改質水タンクからの改質水の供給量(改質水タンク内の改質水を圧送するポンプの出力)が低下し、これに伴って、熱交換部での熱交換量(貯湯水の温度上昇量)が低下し、貯湯タンクと熱交換部とを循環する貯湯水の循環量(貯湯水を圧送するポンプの出力)やラジエータファンの回転数(送風量)が成り行きで(通常モードに比して低い範囲内で外気温などに依存して)変化し、通常モードに比して騒音を成り行きで(ある程度)低減することができる。また、第2静音制御を実行することにより、改質水タンクからの改質水の供給量が低下するのに加えて、燃料利用率(燃料電池に供給した燃料に対する発電に利用された燃料の割合)即ち発電効率が低下し、燃料オフガス(燃料電池を通過した燃料ガス)、燃焼排ガス、凝縮水の量が増加する。したがって、静音制御から第2静音制御の実行に切り替えることにより、改質水タンク内の改質水の水位(水量)を回復させることができる。
静音制御の実行中に改質水タンク内の改質水の水位または水量が閾値未満に低下したときには第2静音制御の実行に切り替える態様の本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記燃料電池に接続された負荷が要求する要求出力に基づいて前記燃料電池の目標出力電流を設定し、前記目標出力電流に基づいて前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、更に、前記第2静音制御として前記目標出力電流を低下させることにより前記燃料電池の発電出力を低下させるものとしてもよい。こうすれば、目標出力電流を低下させることにより燃料電池の発電出力を低下させて騒音を低減することができる。
静音制御の実行中に改質水タンク内の改質水の水位または水量が閾値未満に低下したときには第2静音制御の実行に切り替える態様の本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御装置は、前記静音モードが指示されていて前記第2静音制御の実行中に、前記第2静音制御の実行開始から第1所定時間が経過していて且つ前記改質水タンク内の前記改質水の水位または水量が前記閾値以上に至ったとき、前記改質水タンク内の前記改質水の水位または水量が前記閾値以上に至ってその状態が第2所定時間に亘って継続したとき、前記改質水タンク内の前記改質水の水位または水量が前記閾値以上の第2閾値以上に至ったときのうちの何れかのときには、前記静音制御の実行に切り替えるものとしてもよい。こうすれば、再度、ユーザのメリットを確保しつつ(システム要求出力Ps*に十分に対応しつつ)騒音を低減することができる。また、第1所定時間や第2所定時間、第2閾値を用いることにより、静音制御と第2静音制御との頻繁な切替(ハンチング)を抑制することができる。
静音制御の実行中に改質水タンク内の改質水の水位または水量が閾値未満に低下したときには第2静音制御の実行に切り替える態様の本発明の燃料電池システムにおいて、前記通常モードに比して前記熱交換部での凝縮水の生成量を増加させる凝縮水回収モードを指示する凝縮水回収モード指示部を備え、前記制御装置は、前記凝縮水回収モードが指示されていて前記静音モードが指示されていないときには、前記凝縮水回収モードが指示されていないときに比して前記ラジエータファンの上限回転数を増加させる上限増加制御を実行するものとしてもよい。ラジエータファンの上限回転数を増加させることにより、貯湯水の温度が低下しやすくなり、熱交換部での凝縮水の生成量が増加しやすくなり、改質水タンク内の改質水の水位(水量)が増加しやすくなる。これにより、その後に静音制御を実行するときに、改質水タンク内の改質水の水位または水量が閾値未満に低下するのを抑制することができる。即ち、静音制御から第2静音制御への切替を抑制することができる。
この場合、前記制御装置は、前記凝縮水回収モードが指示されているときでも、前記静音モードが指示されたときには、前記静音制御を実行するものとしてもよい。
本実施形態の燃料電池システム10の構成の概略を示す構成図である。 制御装置80により実行される制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 リモコン90から静音モードが指示されたときのタイムチャートの一例を示す説明図である。 制御装置80により実行される制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 リモコン90から凝縮水回収モードや静音モードが指示されたときのタイムチャートの一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本実施形態の燃料電池システム10の構成の概略を示す構成図である。本実施形態の燃料電池システム10は、図1に示すように、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガス(エア)との供給を受けて発電する燃料電池スタック36を有する発電ユニット20と、発電ユニット20の発電に伴って発生する熱を回収して給湯する貯湯タンク101を有する給湯ユニット100と、システム全体を制御する制御装置80と、を備える。これらは、筐体12に収容されている。なお、筐体12には、図示しない吸気口および排気口が設けられ、吸気口付近には外気を取り込んで筐体12の内部を換気するための図示しない換気ファンが設けられている。
発電ユニット20は、燃料電池スタック36の他に改質水を蒸発させて水蒸気を生成すると共に原料ガス(例えば天然ガスやLPガス)を予熱する気化器32と原料ガスおよび水蒸気から水素を含む燃料ガス(改質ガス)を生成する改質器33とを含む発電モジュール30と、気化器32に原料ガスを供給する原料ガス供給装置40と、燃料電池スタック36にエアを供給するエア供給装置50と、改質水タンク57内の改質水を気化器32に供給する改質水供給装置55と、発電モジュール30で発生した排熱を回収する排熱回収装置60と、を備える。
改質器33は、セラミックなどの担体に改質触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が担持されて構成され、気化器32から供給された原料ガスと水蒸気との混合ガスを水蒸気改質反応によって燃料ガス(改質ガス)に改質する。
発電モジュール30(気化器32、改質器33、燃料電池スタック36)は、断熱性材料により形成された箱型のモジュールケース31内に収容されている。モジュールケース31内には、燃料電池スタック36の起動や、気化器32における水蒸気の生成、改質器33における水蒸気改質反応に必要な熱を供給するための燃焼部34が設けられている。燃焼部34には、燃料電池スタック36を通過した燃料オフガス(アノードオフガス)と酸化剤オフガス(カソードオフガス)とが供給され、これらの混合ガスを点火ヒータ35により点火して燃焼させることにより、燃料電池スタック36や気化器32、改質器33を加熱する。燃料オフガスおよび酸化剤オフガスの燃焼により生成される燃焼排ガスは、燃焼触媒37を介して熱交換器62に供給される。燃焼触媒37は、燃焼部34で燃え残った燃料ガスを触媒によって再燃焼させる酸化触媒である。
排熱回収装置60は、発電モジュール30から燃焼排ガスが供給される熱交換器62と貯湯水を貯蔵する貯湯タンク101とを接続して貯湯水の循環路を形成する循環配管61を有する。循環配管61には、循環ポンプ63が設けられており、循環ポンプ63を駆動して貯湯水を循環させることにより、熱交換器62による貯湯水と燃焼排ガスとの熱交換により貯湯水を加温すると共に加温した貯湯水を貯湯タンク101に貯湯する。熱交換器62は、凝縮水供給管65を介して改質水タンク57に接続されると共に排気ガス排出管67を介して外気と接続されている。熱交換器62に供給された燃焼排ガスは、貯湯水との熱交換によって冷却され、水蒸気成分が凝縮されて凝縮水供給管65を介して改質水タンク57に回収される。また、残りの排気ガスは、排気ガス排出管67を介して外気に排出される。更に、循環配管61の貯湯タンク101の出口(下流)と熱交換器62の入口(上流)との間には、通過する貯湯水を冷却するためのラジエータ64が設けられており、このラジエータ64には、ラジエータファン64aにより筐体12内の空気が送風される。また、循環配管61の熱交換器62の出口と貯湯タンク101の入口との間には、通過する貯湯水(熱交換器62を通過後の貯湯水)の温度を検出する温度センサ61aが設けられており、循環配管61のラジエータ64の出口と熱交換器62の入口との間には、通過する貯湯水(ラジエータ64を通過して熱交換器62に供給される貯湯水)の温度を検出する温度センサ61bが設けられている。
凝縮水供給管65には、水精製器66が設けられている。水精製器66は、凝縮水が流入する流入口が上部に形成されると共に凝縮水が流出する流出口が下部に形成された収容容器にイオン交換樹脂が充填されたものであり、イオン交換樹脂を流通する水に含まれる不純物を除去して純水化する。
原料ガス供給装置40は、ガス供給源1と気化器32とを接続する原料ガス供給管41を有する。原料ガス供給管41には、ガス供給源1側から順に、原料ガス供給弁42、原料ガスポンプ43、脱硫器44などが設けられており、原料ガス供給弁42を開弁した状態で原料ガスポンプ43を駆動することにより、ガス供給源1からの原料ガスを脱硫器44を通過させて気化器32に供給する。気化器32に供給された原料ガスは、気化器32を経て改質器33に供給され、燃料ガスに改質される。脱硫器44は、原料ガスに含まれる硫黄分を除去するものであり、例えば、硫黄化合物をゼオライトなどの吸着剤に吸着させて除去する常温脱硫方式などを採用することができる。なお、脱硫方式は、常温脱硫方式に限られず、種々の方式を採用し得る。原料ガス供給管41の原料ガスポンプ43よりも下流側には、原料ガス供給管41を流れる原料ガスの単位時間当たりの流量(ガス流量Qg)を検出するための図示しないガス流量センサが設けられている。
エア供給装置50は、外気と連通するフィルタ52と燃料電池スタック36とを接続するエア供給管51を有する。エア供給管51には、エアブロワ53が設けられており、エアブロワ53を駆動することにより、フィルタ52を介して吸入したエアを燃料電池スタック36に供給する。エア供給管51のエアブロワ53よりも下流側には、エア供給管51を流れるエアの単位時間当たりの流量(エア流量Qa)を検出するための図示しないエア流量センサが設けられている。
改質水供給装置55は、改質水を貯蔵する改質水タンク57と気化器32とを接続する改質水供給管56を有する。改質水供給管56には、改質水ポンプ58が設けられており、改質水ポンプ58を駆動することにより、改質水タンク57内の改質水を気化器32に供給する。気化器32に供給された改質水は、気化器32で水蒸気とされ、改質器33における水蒸気改質反応に利用される。また、改質水タンク57には、蓄えられている改質水の水位Whを検出するための水位センサ59が設けられている。水位センサ59は、実施形態では、フロート式の水位センサとして構成されており、改質水タンク57の水位Wが改質水ポンプ58により改質水を汲み上げ可能な下限水位よりも若干高い所定の低水位Wlo以上のときにオンする低水位検出センサと、改質水タンク57の水位Wが低水位Wloよりも高く満水位よりも低い所定の高水位Whi以上のときにオンする高水位検出センサと、を有する。
燃料電池スタック36は、酸素イオン伝導体からなる固体電解質と、固体電解質の一方の面に設けられたアノードと、固体電解質の他方の面に設けられたカソードと、を備える固体酸化物燃料電池セルが積層されたものとして構成されており、アノードに供給される燃料ガス中の水素とカソードに供給されるエア中の酸素とによる電気化学反応によって発電する。燃料電池スタック36の出力端子には、パワーコンディショナ70を介して商用電源2から負荷4への電力ライン3が接続されている。
パワーコンディショナ70は、図示しないが、燃料電池スタック36からの直流電力の電圧を所定電圧(例えば、DC250V~300V)に昇圧するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータからの直流電力を交流電力(例えば、AC200V)に変換して電力ライン3に出力するインバータと、を備える。燃料電池スタック36の出力端子には、燃料電池スタック36から出力されるスタック電流(電池電流)Ioutを検出するための図示しないスタック電流センサが設けられ、燃料電池スタック36の出力端子間には、燃料電池スタック36のスタック電圧Vsを検出するための図示しないスタック電圧センサが設けられている。
制御装置80は、図示しないが、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、計時を行なうタイマ、入出力ポートを備える。制御装置80には、循環配管61に設けられた温度センサ61a,61bからの貯湯水の温度Twa,Twbや、原料ガス供給管41に設けられたガス流量センサからのガス流量Qg、エア供給管51に設けられたエア流量センサからのエア流量Qa、改質水供給管56に設けられた改質水流量センサからの改質水流量Qwr、水位センサ59からの信号(低水位検出センサや高水位検出センサからのオンオフ信号)、燃料電池スタック36の出力端子に設けられたスタック電流センサからのスタック電流Iout、燃料電池スタック36の出力端子間に設けられたスタック電圧センサからのスタック電圧Vs、ユーザやメンテナンス業者などが各種操作(例えば、通常モードに比して騒音を抑制する静音モードの指示など)を実行可能なリモートコントロール装置(以下「リモコン」という)90からの信号などが入力ポートを介して入力される。ここで、リモコン90は、静音モードの指示および解除をリアルタイムで行なったり、静音モードの時間帯(例えば、夜間)を指定したり可能に構成されるものとした。制御装置80からは、点火ヒータ35や原料ガス供給弁42、原料ガスポンプ43、エアブロワ53、改質水ポンプ58、循環ポンプ63、ラジエータファン64aなどへの駆動制御信号や、筐体12外(例えば、筐体12の外側面など)に設けられて各種情報を表示する表示装置82への表示制御信号などが出力ポートを介して出力される。
こうして構成された燃料電池システム10では、制御装置80は、負荷4が要求する要求出力に基づくシステム要求出力Ps*に基づいて燃料電池スタック36の目標スタック電流Iout*を設定し、設定した目標スタック電流Iout*に基づいて原料ガス供給装置40とエア供給装置50と改質水ポンプ58とパワーコンディショナ70とを制御する発電出力制御を実行する。
発電出力制御において、原料ガスポンプ43の制御は、目標スタック電流Iout*に基づいて目標ガス流量Qg*を設定し、設定した目標ガス流量Qg*とガス流量センサにより検出されるガス流量Qgとの差分が小さくなるように原料ガスポンプ43を駆動制御することにより行なわれる。エア供給装置50の制御は、原料ガスの目標ガス流量Fg*に対して所定の比率(空燃比)となるように目標エア流量Fa*を設定し、設定した目標エア流量Fa*とエア流量センサにより検出されるエア流量Qaとの差分が小さくなるようにエアブロワ53を駆動制御することにより行なわれる。改質水ポンプ58の制御は、目標スタック電流Iout*に基づいて目標改質水流量Qwr*を設定し、設定した目標改質水流量Qwr*と改質水流量センサにより検出される改質水流量Qwrとの差分が小さくなるように改質水ポンプ58を駆動制御することにより行なわれる。パワーコンディショナ70の制御は、目標スタック電流Iout*とスタック電流センサにより検出されるスタック電流Ioutとの差分が小さくなるようにパワーコンディショナ70(インバータ)を駆動制御することにより行なわれる。
また、燃料電池システム10では、制御装置80は、排熱回収装置60の循環ポンプ63およびラジエータファン64aを制御する排熱回収制御も実行する。排熱回収制御において、循環ポンプ63の制御は、温度センサ61aにより検出される貯湯水(熱交換器62を通過後の貯湯水)の温度Twaと目標設定温度Twa*との差分が小さくなるように上限デューティDpmax以下の範囲内でデューティDpを設定し、設定したデューティDpに基づいて循環ポンプ63を駆動制御することにより行なわれる。また、ラジエータファン64aの制御は、温度センサ61bにより検出される貯湯水(ラジエータ64を通過後の貯湯水)の温度Twbと目標設定温度Twb*との差分が小さくなるように上限デューティDfmax以下の範囲内でデューティDfを設定し、設定したデューティDfに基づいてラジエータファン64aを駆動制御することにより行なわれる。
次に、こうして構成された燃料電池システム10の動作、特に、リモコン90から静音モードが指示されたときの動作について説明する。図2は、制御装置80により実行される制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、繰り返し実行される。
制御ルーチンが実行されると、制御装置80は、最初に、リモコン90から静音モードが指示されたか否かを判定する(ステップS100)。ここで、静音モードが指示されたときとしては、ユーザ等によりリアルタイムで指示されたときや、現在時刻が静音モードの開始時刻に至ったときを挙げることができる。そして、静音モードが指示されていないと判定したときには、本ルーチンを終了する。この場合、通常モード用の制御が実行される。通常モード用の制御では、発電出力制御において、システム要求出力Ps*と燃料電池スタック36の目標スタック電流Iout*との第1関係(通常モード用の関係)にシステム要求出力Ps*を適用して目標スタック電流Iout*を設定すると共に、廃熱回収制御において、ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxに所定値Df1(通常モード用の値)を設定する。
ステップS100で静音モードが指示されたと判定されたときには、廃熱回収制御におけるラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを上述の所定値Df1からそれよりも低い所定値Df2に低下させる(ステップS110)。ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを低下させると、ラジエータファン64aの上限回転数が低下する。所定値Df2は、ラジエータファン64aの回転による騒音の低減効果を発揮できるように定められる。また、ステップS100で静音モードが指示されたと判定されたときに、発電出力制御については、第1関係にシステム要求出力Ps*を適用して目標スタック電流Iout*を設定する。即ち、燃料電池スタック36の発電出力を通常モードと同一にする。以下、通常モードに対して燃料電池スタック36の発電出力を同一にすると共にラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを低下させる制御を「第1静音制御」という。ラジエータファン64aは、燃料電池システム10の他の補機類に比して動作回転数が比較的高く、騒音に及ぼす影響が大きいため、ラジエータファン64aの上限回転数を低下させることにより、システム全体の騒音を低減することができる。そして、第1静音制御の実行により、通常モードに対して、燃料電池スタック36の発電出力を低下させずに騒音を低減することができる。即ち、ユーザのメリットを確保しつつ(システム要求出力Ps*に十分に対応しつつ)騒音を低減することができる。なお、ラジエータファン64aの上限デューティDfmax(上限回転数)を低下させると、循環配管61内の貯湯水の温度が低下しにくくなるから、熱交換器62での凝縮水の生成量が低下しやすくなり、改質水タンク57内の改質水の水位(水量)が低下しやすくなる。
次に、リモコン90から静音モードの解除が指示されたか否かを判定する(ステップS120)。ここで、静音モードの解除が指示されたときとしては、ユーザ等によりリアルタイムで指示されたときや、現在時刻が静音モードの終了時刻に至ったときを挙げることができる。静音モードの解除が指示されたと判定されたときには、通常モードに復帰して(ステップS200)、本ルーチンを終了する。いま、第1静音制御を実行しているときを考えているから、ステップS200の処理では、発電出力制御におけるラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを所定値Df2から所定値Df1に戻すことになる。
ステップS120で静音モードの解除が指示されていないと判定したときには、改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満か否か(水位センサ59における低水位検出センサがオフか否か)を判定する(ステップS130)。そして、改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo以上である(低水位検出センサがオンである)と判定したときには、ステップS120に戻る。
ステップS130で改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満である(低水位検出センサがオフである)と判定したときには、排熱回収制御におけるラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを所定値Df2から所定値Df1に戻すと共に(ステップS140)、通常モードに比して燃料電池スタック36の発電出力を低下させる低出力発電の実行を開始する(ステップS150)。以下、通常モードに対してラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを同一にすると共に低出力発電を実行する制御を「第2静音制御」という。即ち、ステップS140,S150の処理では、第1静音制御の実行から第2静音制御の実行に切り替えるのである。
ここで、低出力発電は、発電出力制御において、同一のシステム要求出力Ps*に対して第1関係よりも燃料電池スタック36の目標スタック電流Iout*を小さくする第2関係にシステム要求出力Ps*を適用して目標スタック電流Iout*を設定することにより行なわれる。第2静音制御(低出力発電)の実行により、燃料電池スタック36の目標スタック電流Iout*が低下して目標ガス流量Qg*や目標エア流量Qa*、目標改質水流量Qwr*が低下して原料ガスポンプ43やエアブロワ53、改質水ポンプ58の出力が低下する。そして、これに伴って、熱交換器62での熱交換量(貯湯水の温度上昇量)が低下し、循環ポンプ63の出力やラジエータファン64aの回転数(送風量)が成り行きで(通常モードに比して低い範囲内で外気温などに依存して)変化し、通常モードに比して騒音を成り行きで(ある程度)低減することができる。また、第2静音制御(低出力発電)の実行により、改質水タンク57からの改質水の供給量が低下すると共に、燃料利用率(燃料電池スタック36に供給した燃料に対する発電に利用された燃料の割合)即ち発電効率が低下して燃料オフガス、燃焼排ガス、凝縮水の量が増加する。したがって、第2静音制御の実行により、改質水タンク57内の改質水の水位(水量)を回復させることができる。これにより、改質水タンク57の水位Wが改質水ポンプ58により改質水を汲み上げ可能な下限水位未満に至るのを抑制し、燃料電池システム10の継続運転を可能にすることができる。
次に、リモコン90から静音モードの解除が指示されたか否かを判定し(ステップS160)、静音モードの解除が指示されたと判定されたときには、通常モードに復帰して(ステップS200)、本ルーチンを終了する。いま、第2静音制御を実行しているときを考えているから、低出力発電の実行を終了することになる。
ステップS160で静音モードの解除が指示されていないと判定したときには、改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo以上か否か(水位センサ59における低水位検出センサがオンか否か)を判定する(ステップS170)。そして、改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満である(低水位検出センサがオフである)と判定したときには、ステップS160に戻る。
ステップS170で改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo以上である(低水位検出センサがオンである)と判定したときには、低出力発電の実行開始から所定時間Tset1が経過したか否かを判定する(ステップS180)。そして、低出力発電の実行開始から所定時間Tset1が経過していないと判定したときには、ステップS160に戻る。一方、低出力発電の実行開始から所定時間Tset1が経過していると判定したときには、低出力発電の実行を終了し(ステップS190)、排熱回収制御におけるラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを所定値Df1から所定値Df2に低下させて(ステップS110)、ステップS120以降の処理を実行する。即ち、第2静音制御の実行から第1静音制御の実行に切り替えるのである。これにより、再度、ユーザのメリットを確保しつつ(システム要求出力Ps*に十分に対応しつつ)騒音を低減することができる。所定時間Tset1は、第1静音制御と第2静音制御との頻繁な切替(ハンチング)を抑制するために用いられ、適宜設定される。言い換えれば、所定時間Tset1を用いることにより、第1静音制御と第2静音制御との頻繁な切替(ハンチング)を抑制することができる。
図3は、リモコン90から静音モードが指示されたときのタイムチャートの一例を示す説明図である。図示するように、静音モードが指示されると(時刻t1)、通常モードに対して燃料電池スタック36の発電出力を低下させずにラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを低下させる(第1静音制御を実行する)。これにより、ラジエータファン64aのデューティ(回転数)を、第2静音制御(低出力発電)のように成り行きで変化させるものに比して上限デューティDfmaxの低下によってより確実に低下させることができ、より確実に騒音を低減することができる。しかも、ユーザのメリットを確保する(システム要求出力Ps*に十分に対応する)ことができる。第1静音制御の実行中に改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満に至ると(時刻t2)、通常モードに対してラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを同一にすると共に低出力発電を実行する(第1静音制御の実行から第2静音制御の実行に切り替える)。これにより、通常モードに比して騒音を成り行きで(ある程度)低減しつつ、改質水タンク57内の改質水の水位(水量)を回復させることができ、燃料電池システム10の継続運転を可能にすることができる。そして、第2静音制御の実行中に、第2静音制御の実行開始から所定時間Tset1が経過していて且つ改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo以上に至ると(時刻t3)、第2静音制御の実行から第1静音制御の実行に切り替える。これにより、再度、ユーザのメリットを確保しつつ(システム要求出力Ps*に十分に対応しつつ)騒音を低減することができる。このように、静音モードでは、第1静音制御や第2静音制御実行することにより、ユーザのメリットを確保と燃料電池システム10の継続運転との両立を図りながら騒音を抑制することができる。
以上説明した本実施形態の燃料電池システム10では、静音モードが指示されると、通常モードに対して燃料電池スタック36の発電出力を同一にすると共にラジエータファン64aの上限デューティDfmax(上限回転数)を低下させる第1静音制御を実行する。これにより、ユーザのメリットを確保しつつ(システム要求出力Ps*に十分に対応しつつ)騒音を低減することができる。そして、第1静音制御の実行中に改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満に至ると、通常モードに対してラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを同一にすると共に低出力発電を実行する第2静音制御の実行に切り替える。これにより、騒音を成り行きで(ある程度)低減しつつ改質水タンク57内の改質水の水位(水量)を回復させることができる。
上述の実施形態の燃料電池システム10では、第1静音制御の実行中に改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満に至ると、第2静音制御の実行に切り替えるものとした。しかし、第2静音制御の実行に切り替えるのに代えて、ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを上述の所定値Df1よりも小さく上述の所定値Df2よりも大きい所定値Df3にすると共に低出力発電を実行する第3静音制御の実行に切り替えるものとしてもよい。ここで、所定値Df3は、低出力発電を実行する際に、第2静音制御を実行する場合ほどではないものの改質水タンク57内の改質水の水位(水量)を回復できるように定められるのが好ましい。
上述の実施形態の燃料電池システム10では、第2静音制御の実行中に、第2静音制御の実行開始から所定時間Tset1が経過していて且つ改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo以上に至ると、第1静音制御の実行に切り替えるものとした。しかし、第2静音制御の実行中に改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo以上に至ってその状態が所定時間Tset2に亘って継続すると、第1静音制御の実行に切り替えるものとしてもよいし、第2静音制御の実行中に改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wloよりも若干高い第2低水位Wlo2以上に至ると、第1静音制御の実行に切り替えるものとしてもよい。所定時間Tset2や第2低水位Wlo2は、所定時間Tset1と同様に、第1静音制御と第2静音制御との頻繁な切替(ハンチング)を抑制するために用いられる。また、第2静音制御の実行中に改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo以上に至ると、第1静音制御の実行に切り替えるものとしてもよい。さらに、第2静音制御の実行を開始すると、その後に第1静音制御の実行に切り替えないものとしてもよい。
上述の実施形態の燃料電池システム10では、静音モードが指示されているときにおいて、改質水タンク57内の改質水の水位Wと低水位Wloとの大小関係に基づいて第1静音制御または第2静音制御を実行するものとした。しかし、これに代えて、改質水タンク57内の改質水の水量Qwと低水位Wloに相当する低水量Qwloとの大小関係に基づいて第1静音制御または第2静音制御を実行するものとしてもよい。ここで、改質水タンク57内の改質水の水量Qwは、例えば、原燃料ガス供給管41に設けられたガス流量センサからのガス流量Qgと、エア供給管51に設けられたエア流量センサからのエア流量Qaと、熱交換器62における燃焼排ガスの流入口に取り付けられた温度センサからの熱交換器流入口温度と、に基づいて演算することができる(特開2016-225102号公報、特開2016-225103号公報参照)。
上述の実施形態の燃料電池システム10では、リモコン90は、静音モードの指示および解除をリアルタイムで行なったり、静音モードの時間帯(例えば、夜間)を指定したり可能に構成されるものとしたが、これに加えて、通常モードに比して熱交換機62での凝縮水の生成量を増加させる凝縮水回収モードの指示をリアルタイムで行なったり、凝縮水回収モードの時間帯(例えば、昼間)を指定したり可能に構成されるものとしてもよい。なお、凝縮水回収モードおよび静音モードについては、互いに独立して、リアムタイムでの指示や時間指定を行なえるものとした。
この場合、制御装置80は、図2の制御ルーチンに代えて、図4の制御ルーチンを実行するものとしてもよい。図4の制御ルーチンは、ステップS200の処理を削除した点や、ステップS300~S330の処理を追加した点を除いて、図2の制御ルーチンと同一である。したがって、図4の制御ルーチンのうち図2の制御ルーチンと同一の処理については、同一のステップ番号を付し、詳細な説明を省略する。
図4の制御ルーチンでは、制御装置80は、最初に、リモコン90から凝縮水回収モードが指示されているか否かを判定する(ステップS300)。ここで、凝縮水回収モードが指示されているときとしては、ユーザ等により指示されているときや、現在時刻が凝縮水回収モードの時間帯であるときを挙げることができる。凝縮水回収モードが指示されていないと判定したときには、廃熱回収制御におけるラジエータファン64aの上限デューティDfmaxに上述の所定値Df1を設定する(ステップS310)。この場合、上述の通常モード用の制御が実行される。
ステップS300で凝縮水回収モードが指示されていると判定したときには、ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxに所定値Df1よりも高い所定値Df3を設定する(ステップS320)。ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを増加させると、ラジエータファン64aの上限回転数が増加する。以下、通常モードに対してラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを増加させる制御を「上限増加制御」という。ラジエータファン64aの上限デューティDfmax(上限回転数)を増加させると、循環配管61内の貯湯水の温度がより低下しやすくなるから、熱交換器62での凝縮水の生成量が増加しやすくなり、改質水タンク57内の改質水の水位(水量)が増加しやすくなる。なお、凝縮水回収モードが指示されているときの発電出力制御については、第1関係にシステム要求出力Ps*を適用して目標スタック電流Iout*を設定する。即ち、燃料電池スタック36の発電出力を通常モードと同一にする。
こうしてステップS310またはステップS320でラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを設定すると、リモコン90から静音モードが指示されたか否かを判定し(ステップS100)、静音モードが指示されていないと判定したときには、ステップS300に戻る。
ステップS100で静音モードが指示されたと判定されたときには、ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを所定値Df1から所定値Df2に低下させる(ステップS110)。即ち、通常モードまたは凝縮水回収モードの実行から第1静音制御の実行に切り替える。
そして、静音モードの解除が指示されたか否かを判定し(ステップS120)、静音モードの解除が指示されていないと判定したときには、改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満か否か(水位センサ59における低水位検出センサがオフか否か)を判定する(ステップS130)。改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo以上である(低水位検出センサがオンである)と判定したときには、ステップS120に戻る。一方、改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満である(低水位検出センサがオフである)と判定したときには、ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを所定値Df2から所定値Df1に戻すと共に低出力発電の実行を開始し(ステップS140,S150)、即ち、第1静音制御の実行から第2静音制御の実行に切り替えて、ステップS160以降の処理を実行する。
この実施形態では、上述したように、凝縮水回収モードが指示されていて且つ静音モードが指示されていないときには、上限増加制御を実行することにより、熱交換器62での凝縮水の生成量が増加しやすくなり、改質水タンク57内の改質水の水位(水量)が増加しやすくなる。このため、第1静音制御の実行中に、改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満になる(水位センサ59における低水位検出センサがオフになる)のを抑制することができる。これにより、第1静音制御の実行から第2静音制御の実行への切替、即ち、低出力発電の実行を抑制することができるから、ユーザのメリットが低下するのを抑制することができる。
ステップS110でラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを所定値Df1または所定値Df3から所定値Df2に低下させた後にステップS120で静音モードの解除が指示されたと判定されると、即ち、第1静音制御の実行中に静音モードの解除が指示されると、本ルーチンを終了する。この場合、次回に本ルーチンが実行されたときに、ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを所定値Df2から所定値Df1または所定値Df3に増加させる(ステップS300~S320)。
ステップS140でラジエータファン64aの上限デューティDfmaxに所定値Df1を設定すると共にステップS150で低出力発電の実行を開始した後にステップS160で静音モードの解除が指示されたと判定されると、即ち、第2静音制御の実行中に静音モードの解除が指示されると、低出力発電の実行を終了して(ステップS330)、本ルーチンを終了する。この場合、次回に本ルーチンが実行されたときに、ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxを所定値Df1で保持するか所定値Df3に増加させる(ステップS300~S320)。
図5は、リモコン90から凝縮水回収モードや静音モードが指示されたときのタイムチャートの一例を示す説明図である。図示するように、凝縮水回収モードが指示されていて且つ静音モードが指示されていないときには(~時刻t11、時刻t12~t13)、ラジエータファン64aの上限デューティDfmaxに所定値Df3を設定する(上限増加制御を実行する)。これにより、通常モードに比して改質水タンク57内の改質水の水位(水量)を増加しやすくすることができる。そして、上限増加制御の実行中に静音モードが指示されると(時刻t11,t13)、第1静音制御の実行を開始する。第1静音制御の実行開始前に改質水タンク57内の改質水の水位(水量)を増加しやすくしておくことにより、第1静音制御の実行中に改質水タンク57内の改質水の水位Wが低水位Wlo未満になるのを抑制し、低出力発電の実行を抑制することができる。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、燃料電池スタック36が「燃料電池」に相当し、改質器33が「改質部」に相当し、原料ガス供給装置40が「原料ガス供給装置」に相当し、改質水供給装置55が「改質水供給装置」に相当し、燃焼部34が「燃焼部」に相当し、熱交換器62が「熱交換部」に相当し、凝縮水供給管65が「凝縮水流路」に相当し、ラジエータ64が「ラジエータ」に相当し、ラジエータファン64aが「ラジエータファン」に相当し、制御装置80が「制御装置」に相当し、リモコン90が「静音モード指示部」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、燃料電池システムの製造産業などに利用可能である。
1 ガス供給源、2 商用電源、3 電力ライン、4 負荷、10 燃料電池システム、12 筐体、20 発電ユニット、30 発電モジュール、31 モジュールケース、32 気化器、33 改質器、34 燃焼部、35 点火ヒータ、36 燃料電池スタック、37 燃焼触媒、40 原料ガス供給装置、41 原料ガス供給管、42 原料ガス供給弁、43 原料ガスポンプ、43 原料ガスポンプ、44 脱硫器、50 エア供給装置、51 エア供給管、52 フィルタ、53 エアブロワ、55 改質水供給装置、56 改質水供給管、57 改質水タンク、58 改質水ポンプ、59 水位センサ、60 排熱回収装置、61 循環配管、61a,61b 温度センサ、62 熱交換器、63 循環ポンプ、64 ラジエータ、64a ラジエータファン、65 凝縮水供給管、66 水精製器、67 排気ガス排出管、67o 排気口、70 パワーコンディショナ、80 制御装置、82 表示装置、90 リモコン、100 給湯ユニット、101 貯湯タンク。

Claims (4)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとに基づいて発電可能な燃料電池と、
    改質水を用いて原料ガスを前記燃料ガスに改質して前記燃料電池に供給する改質部と、
    前記原料ガスを前記改質部に供給する原料ガス供給装置と、
    前記改質水を蓄える改質水タンクを有し、前記改質水タンク内の前記改質水を前記改質部に供給する改質水供給装置と、
    前記燃料電池を通過した前記燃料ガスを燃焼させる燃焼部と、
    前記燃料ガスの燃焼により生成された燃焼排ガスと貯湯水を貯蔵する貯湯タンクからの前記貯湯水との熱交換により前記燃焼排ガスを冷却して凝縮させる熱交換部と、
    前記燃焼排ガスの冷却により生成された凝縮水を前記改質水タンクに供給する凝縮水流路と、
    前記貯湯タンクと前記熱交換部とを循環する前記貯湯水を冷却するラジエータと、
    前記ラジエータに送風するラジエータファンと、
    前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置と前記ラジエータファンとを制御する制御装置と、
    を備える燃料電池システムであって、
    通常モードに比して騒音を抑制する静音モードを指示する静音モード指示部を備え、
    前記制御装置は、前記静音モードが指示されたときには、前記静音モードが指示されていないときに対して前記燃料電池の発電出力を同一にすると共に前記ラジエータファンの上限回転数を低下させる静音制御を実行し、
    前記制御装置は、前記静音モードが指示されていて前記静音制御の実行中に前記改質水タンク内の前記改質水の水位または水量が閾値未満に低下したときには、前記静音モードが指示されていないときに対して前記ラジエータファンの上限回転数を同一にすると共に前記燃料電池の発電出力を低下させる第2静音制御の実行に切り替え、
    前記制御装置は、前記静音モードが指示されていて前記第2静音制御の実行中に、前記第2静音制御の実行開始から第1所定時間が経過していて且つ前記改質水タンク内の前記改質水の水位または水量が前記閾値以上に至ったとき、前記改質水タンク内の前記改質水の水位または水量が前記閾値以上に至ってその状態が第2所定時間に亘って継続したとき、前記改質水タンク内の前記改質水の水位または水量が前記閾値以上の第2閾値以上に至ったときのうちの何れかのときには、前記静音制御の実行に切り替える、
    燃料電池システム。
  2. 請求項記載の燃料電池システムであって、
    前記制御装置は、
    前記燃料電池に接続された負荷が要求する要求出力に基づいて前記燃料電池の目標出力電流を設定し、前記目標出力電流に基づいて前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、
    更に、前記第2静音制御として前記目標出力電流を低下させることにより前記燃料電池の発電出力を低下させる、
    燃料電池システム。
  3. 請求項1または2記載の燃料電池システムであって、
    前記通常モードに比して前記熱交換部での凝縮水の生成量を増加させる凝縮水回収モードを指示する凝縮水回収モード指示部を備え、
    前記制御装置は、前記凝縮水回収モードが指示されていて前記静音モードが指示されていないときには、前記凝縮水回収モードが指示されていないときに比して前記ラジエータファンの上限回転数を増加させる上限増加制御を実行する、
    燃料電池システム。
  4. 請求項記載の燃料電池システムであって、
    前記制御装置は、前記凝縮水回収モードが指示されているときでも、前記静音モードが指示されたときには、前記静音制御を実行する、
    燃料電池システム。
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