JP7176279B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来、この種の燃料電池システムとしては、固体酸化物形燃料電池システムにおいて、発電停止後、燃料極(アノード)の酸化を防止するために、燃料電池セルの温度が所定温度に低下するまで、燃料極側に燃料が供給されるように改質器への原料ガスおよび水の供給を継続するセル保護制御を実行するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この燃料電池システムでは、燃料電池スタックの近傍に温度センサ(熱電対)を配置し、発電停止後、当該温度センサにより検出される温度が350℃~290℃の温度帯域に低下するまで、上記セル保護制御を実行している。
特開2016-181377号公報
上述した燃料電池システムでは、例えば起動中のようにセルが全域で十分に暖まっていない状態では、セル内の温度のバラツキが大きく、その状態からシステム停止するときには、セル内での局所的な最高温度と温度センサの検出値との間に大きな乖離が生じる。このため、温度センサにより検出された温度が一定値以下となったときに一律に燃料の供給を停止するものとすると、セルの一部が冷却される前に燃料の供給が停止されてアノードの酸化を招いたり、セルが全域で十分に冷却されているにも拘わらず燃料の供給が継続されて燃費の悪化を招いたりしてしまう。
本発明の燃料電池システムは、システム停止時にセルの酸化を抑制すると共に燃費の悪化を抑制することができる燃料電池システムを提供することを主目的とする。
本発明の燃料電池システムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の燃料電池システムは、
アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤ガスとに基づいて発電する燃料電池セルと、
改質水を用いて原料ガスを前記燃料ガスに改質して前記アノードに供給する改質器と、
前記改質器へ前記原料ガスを供給する原料ガス供給装置と、
前記改質器へ前記改質水を供給する改質水供給装置と、
前記カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
前記燃料電池セルと前記改質器とを含む燃料電池モジュール内に設けられた温度検出器と、
前記燃料電池システムを停止するときには、前記温度検出器により検出される温度が閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記温度検出器により検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御するシステム停止制御を実行する制御装置と、
を備える燃料電池システムであって、
前記制御装置は、前記燃料電池システムの停止を開始するときの該燃料電池システムの運転状態に基づいて前記閾値を変更する、
ことを要旨とする。
この本発明の燃料電池システムでは、燃料電池システムを停止するときには、燃料電池モジュール内に設けられた温度検出器により検出される温度が閾値以下となるまでは、アノードへの燃料の供給を継続し、温度検出器により検出される温度が閾値以下となると、アノードへの燃料の供給を停止する。閾値は、燃料電池システムの停止を開始するときの当該燃料電池システムの運転状態に基づいて変更される。セル内の局所的な最高温度と温度検出器の検出値との乖離が生じやすい運転状態からシステム停止する場合と、セル内の局所的な最高温度と温度検出器の検出値との乖離が生じにくい運転状態からシステム停止する場合とで閾値を変更することにより、システム停止開始時の燃料電池システムの運転状態に拘わらず、より適切なタイミングでセル(アノード)への燃料の供給を停止することができる。この結果、システム停止時にセルの酸化を抑制すると共に燃費の悪化を抑制することができる燃料電池システムとすることができる。
こうした本発明の燃料電池システムにおいて、前記温度検出器は、前記燃料電池セルの近傍に設けられたセル用温度センサを有し、前記制御装置は、前記燃料電池システムの停止を開始するときに前記セル用温度センサにより検出される温度が低いときには高いときに比して低くなるように前記閾値を変更し、前記システム停止制御として、前記セル用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記セル用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御するものとしてもよい。または、前記温度検出器は、前記燃料電池セルの近傍に設けられたセル用温度センサを有し、前記制御装置は、前記燃料電池システムの起動中に該燃料電池システム停止を開始するときには、前記燃料電池システムの定常運転中に該燃料電池システム停止を開始するときに比して、低くなるように前記閾値を変更し、前記システム停止制御として、前記セル用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記セル用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御するものとしてもよい。こうすれば、セル用温度センサを用いて、適切なタイミングでセル(アノード)への燃料の供給を停止することができる。
あるいは、本発明の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池セルを通過したオフガスを燃焼させて前記改質器を加熱する燃焼部を備え、前記温度検出器は、前記燃料電池セルの近傍に設けられたセル用温度センサと、前記燃焼部に設けられた燃焼部用温度センサと、を有し、前記制御装置は、前記燃料電池システムの停止を開始するときに前記セル用温度センサにより検出される温度が低いときには高いときに比して高くなるように前記閾値を変更し、前記システム停止制御として、前記燃焼部用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記燃焼部用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御するものとしてもよい。または、前記燃料電池セルを通過したオフガスを燃焼させて前記改質器を加熱する燃焼部を備え、前記温度検出器は、前記燃焼部に設けられた燃焼部用温度センサを有し、前記制御装置は、前記燃料電池システムの起動中に該燃料電池システム停止を開始するときには、前記燃料電池システムの定常運転中に該燃料電池システム停止を開始するときに比して、高くなるように前記閾値を変更し、前記システム停止制御として、前記燃焼部用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記燃焼部用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御するものとしてもよい。こうすれば、燃焼部用温度センサを用いて、適切なタイミングでセル(アノード)への燃料の供給を停止することができる。
本実施形態の燃料電池システム10の構成の概略を示す構成図である。 制御装置80のCPU81により実行される停止制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 燃料停止温度設定用マップの一例を示す説明図である。 起動中にシステム停止したときのスタック温度Tsとスタック内最高温度Tsmaxの時間変化の様子を示す説明図である。 定常運転中にシステム停止したときのスタック温度Tsとスタック内最高温度Tsmaxの時間変化の様子を示す説明図である。 変形例の停止制御ルーチンを示すフローチャートである。 変形例の燃料停止温度設定用マップを示す説明図である。 起動中にシステム停止したときの燃焼部温度Tfとスタック温度Tsとスタック内最高温度Tsmaxの時間変化の様子を示す説明図である。 定常運転中にシステム停止したときの燃焼部温度Tfとスタック温度Tsとスタック内最高温度Tsmaxの時間変化の様子を示す説明図である。
本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本実施形態の燃料電池システム10の構成の概略を示す構成図である。本実施形態の燃料電池システム10は、図1に示すように、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガス(エア)との供給を受けて発電する燃料電池スタック36を有する発電ユニット20と、発電ユニット20の発電に伴って発生する熱を回収して給湯する貯湯タンク101を有する給湯ユニット100と、システム全体を制御する制御装置80と、を備える。
発電ユニット20は、気化器32,改質器33および燃料電池スタック36を含む燃料電池モジュール30と、気化器32に原料ガス(例えば天然ガスやLPガス)を供給する原料ガス供給装置40と、燃料電池スタック36にエアを供給するエア供給装置50と、改質水を気化器32に供給する改質水供給装置55と、燃料電池モジュール30で発生した排熱を回収する排熱回収装置60と、を備える。これらは、筐体22に収容されている。なお、筐体22には、吸気口22aと排気口22bとが設けられ、吸気口22a付近には外気を取り込んで筐体22の内部を換気するための換気ファン24が設けられている。
気化器32は、改質水供給装置55からの改質水を蒸発させて水蒸気を生成すると共に原料ガス供給装置40からの原料ガスを予熱する。改質器33は、セラミックなどの担体に改質触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が担持されて構成され、気化器32から供給された原料ガスと水蒸気との混合ガスを水蒸気改質反応によって燃料ガス(改質ガス)に改質する。改質器33の入口付近には、気化器32の温度を検出するための温度センサ91が設けられている。
気化器32、改質器33および燃料電池スタック36は、断熱性材料により形成された箱型のモジュールケース31内に収容されている。モジュールケース31内には、燃料電池スタック36の起動や、気化器32における水蒸気の生成、改質器33における水蒸気改質反応に必要な熱を供給するための燃焼部34が設けられている。燃焼部34には燃料電池スタック36を通過した燃料オフガス(アノードオフガス)と酸化剤オフガス(カソードオフガス)とが供給され、これらの混合ガスを点火ヒータ35により点火して燃焼させることにより、燃料電池スタック36や気化器32、改質器33を加熱する。燃焼部34には、当該燃焼部34の温度を検出するための温度センサ92が設けられている。燃料オフガスおよび酸化剤オフガスの燃焼により生成される燃焼排ガスは、燃焼触媒37を介して熱交換器62へ供給される。燃焼触媒37は、燃焼部34で燃え残った燃料ガスを触媒によって再燃焼させる酸化触媒である。
排熱回収装置60は、燃料電池モジュール30から燃焼排ガスが供給される熱交換器62と貯湯水を貯蔵する貯湯タンク101とを接続して貯湯水の循環路を形成する循環配管61を有する。循環配管61には、循環ポンプ63が設けられており、循環ポンプ63を駆動することにより、熱交換器62における貯湯水と燃焼排ガスとの熱交換により貯湯水を加温すると共に加温した貯湯水を貯湯タンク101へ貯湯する。熱交換器62は、凝縮水供給管66を介して改質水タンク57に接続されると共に排気ガス排出管67を介して外気と接続されている。熱交換器62に供給された燃焼排ガスは、貯湯水との熱交換により水蒸気成分が凝縮され、凝縮された水(凝縮水)が図示しない水精製器によって浄化されて改質水タンク57に回収される。また、残りの排気ガス(ガス成分)は、排気ガス排出管67を介して外気へ排出される。
原料ガス供給装置40は、ガス供給源1と気化器32とを接続する原料ガス供給管41を有する。原料ガス供給管41には、ガス供給源1側から順に、原料ガス供給弁(電磁弁)42,43、オリフィス44、原料ガスポンプ45、脱硫器46が設けられており、原料ガス供給弁42,43を開弁した状態で原料ガスポンプ45を駆動することにより、ガス供給源1からの原料ガスを脱硫器46を通過させて気化器32へ供給する。気化器32へ供給された原料ガスは、気化器32を経て改質器33へ供給され、燃料ガスへと改質される。原料ガス供給弁42,43は、直列に接続された2連弁である。脱硫器46は、原料ガスに含まれる硫黄分を除去するものであり、例えば、硫黄化合物をゼオライトなどの吸着剤に吸着させて除去する常温脱硫方式などを採用することができる。なお、脱硫方式は、常温脱硫方式に限られず、種々の方式を採用し得る。また、原料ガス供給管41の原料ガス供給弁43とオリフィス44との間には、当該原料ガス供給管41内の原料ガスの圧力を検出する圧力センサ47が設けられ、オリフィス44と原料ガスポンプ45との間には、原料ガス供給管41を流れる原料ガスの単位時間当たりの流量(ガス流量Fg)を検出する流量センサ48が設けられている。
エア供給装置50は、外気と連通するフィルタ52と燃料電池スタック36とを接続するエア供給管51を有する。エア供給管51には、エアブロワ53が設けられており、エアブロワ53を駆動することにより、フィルタ52を介して吸入したエアを燃料電池スタック36へ供給する。また、エア供給管51には、エアブロワ53の下流側に、エア供給管51を流れるエアの単位時間当たりの流量を検出する流量センサ54が設けられている。
改質水供給装置55は、改質水を貯蔵する改質水タンク57と気化器32とを接続する改質水供給管56を有する。改質水供給管56には、改質水ポンプ58が設けられており、改質水ポンプ58を駆動することにより、改質水タンク57の改質水を気化器32へ供給する。気化器32へ供給された改質水は、気化器32で水蒸気とされ、改質器33における水蒸気改質反応に利用される。また、改質水タンク57には、貯蔵される改質水を精製するための図示しない水精製器が設けられている。
燃料電池スタック36は、酸素イオン伝導体からなる固体電解質と、固体電解質の一方の面に設けられたアノードと、固体電解質の他方の面に設けられたカソードとを備える固体酸化物燃料電池セルが積層されたものである。燃料電池スタック36は、アノードに供給される燃料ガス中の水素とカソードに供給されるエア中の酸素とによる電気化学反応によって発電する。燃料電池スタック36の近傍には、当該燃料電池スタック36の温度(スタック温度Ts)を検出する温度センサ93が設けられている。燃料電池スタック36の出力端子にはパワーコンディショナ70を介して商用電源2から負荷4への電力ライン3が接続されている。
パワーコンディショナ70は、燃料電池スタック36から出力された直流電圧を所定電圧(例えば、DC250V~300V)まで昇圧するDC/DCコンバータや、昇圧された直流電圧を商用電力系統2と連系可能な交流電圧(例えば、AC200V)に変換するインバータを含む。パワーコンディショナ70から分岐した電力ラインには電源基板78が接続されている。電源基板78は、燃料電池スタック36から出力された直流電圧や商用電力系統2からの交流電圧を補機類の作動に適した直流電圧に変換して当該補機類に供給するものである。実施形態では、補機類としては、原料ガス供給弁42,43や原料ガスポンプ45、エアブロワ53、改質水ポンプ58、循環ポンプ63などがある。
制御装置80は、CPU81を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU81の他に処理プログラムを記憶するROM82と、データを一時的に記憶するRAM83と、計時を行なうタイマ84と、図示しない入出力ポートと、を備える。制御装置80には、圧力センサ47や流量センサ48,54、温度センサ91~93などからの各種検出信号が入力ポートを介して入力されている。また、制御装置80からは、換気ファン24のファンモータへの駆動信号や原料ガス供給弁42,43のソレノイドへの駆動信号、原料ガスポンプ45のポンプモータへの駆動信号、エアブロワ53のブロワモータへの駆動信号、改質水ポンプ58のポンプモータへの駆動信号、循環ポンプ63のポンプモータへの駆動信号、パワーコンディショナ70(DC/DCコンバータやインバータ)への制御信号、電源基板78への制御信号、点火ヒータ35への駆動信号、各種情報を表示する表示パネル90への表示信号などが出力ポートを介して出力されている。
こうして構成された燃料電池システム10では、負荷4が要求する要求出力に基づくシステム要求値(システム要求出力)を入力し、入力したシステム要求値に基づいて燃料電池スタック36の目標スタック電流Iout*を設定し、設定した目標スタック電流Iout*に応じて原料ガス供給装置40と改質水供給装置55とエア供給装置50とを制御すると共にパワーコンディショナ70を制御する。具体的には、原料ガス供給装置40の制御は、目標スタック電流Iout*に基づいて原料ガス供給装置40が供給すべき目標ガス流量Fg*を設定し、目標ガス流量Fg*と流量センサ48により検出されるガス流量Fgとの偏差に基づくフィードバック制御によりデューティDgを設定し、設定したデューティDgに基づいて原料ガスポンプ45のポンプモータを制御することにより行なわれる。改質水供給装置55の制御は、改質器33に供給される原料ガスの単位時間当たりの流量に対する水蒸気の単位時間当たりの流量の比率であるスチームカーボン比(S/C)が原料ガスの種類に応じて予め定められた所定の比率となるように目標改質水流量Fw*を設定し、設定した目標改質水流量Fw*に基づいてデューティDwを設定し、設定したデューティDwに基づいて改質水ポンプ58のポンプモータを制御することにより行なわれる。エア供給装置50の制御は、原料ガスの目標ガス流量Fg*に対して所定の比率(空燃比)となるようにエア供給装置50が供給すべき目標エア流量Fa*を設定し、設定した目標エア流量Fa*と流量センサ54により検出されるエアの流量Faとの偏差に基づくフィードバック制御によりデューティDaを設定し、設定したデューティDaに基づいてエアブロワ53のブロワモータを制御することにより行なわれる。パワーコンディショナ70の制御は、目標スタック電流Iout*と電流センサ73により検出されるスタック電流Ioutとの偏差に基づくフィードバック制御によりパワーコンディショナ70のインバータのPWM信号を生成し、生成したPWM信号によりインバータをスイッチングすることにより行なわれる。
また、燃料電池システム10では、システム起動する際には、対応する補機類を順次制御して、脱硫器46に燃料成分を吸着させて混合ガスの空燃比ずれを抑制する燃料吸着処理、燃焼部34のパージ処理、燃焼部34におけるオフガスの着火処理、水蒸気改質処理等を実行する。燃料電池システム10は、これらの処理の実行によりシステム起動すると、燃料電池36の発電制御や給湯ユニット100による給湯が可能となる。なお、上述の起動処理は、あくまで一例であり、燃料電池システム10の構成や補機類の状態等によっては、一部の処理を省略してもよい。
次に、燃料電池システム10のシステム停止する際の動作について説明する。図2は、制御装置80のCPU81により実行される停止制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、システム停止が指示されたときに実行される。
停止制御ルーチンが実行されると、制御装置80のCPU81は、まず、温度センサ93からのスタック温度Tsをシステム停止を開始するときのスタック温度(システム停止開始時温度)として入力する(ステップS100)。続いて、入力したスタック温度(システム停止開始時温度)Tsに基づいて燃料停止温度Trefを設定する(ステップS110)。そして、発電を停止させるために原料ガス供給装置40と改質水供給装置55とからそれぞれ原料ガスと改質水とが少量供給されるように原料ガスポンプ45と改質水ポンプ58とを制御すると共に燃料電池スタック36を冷却するためにエア供給装置50からエアが最大量供給されるようにエアブロワ53を制御してシステム停止を開始する(ステップS120)。ここで、燃料電池スタック36は、高温下においてアノードが酸素雰囲気に曝されると、アノードが酸化して発電性能の低下を招くため、本実施形態の燃料電池システム10では、システム停止する際には、燃料電池スタック36が十分に冷却されるまでアノードへの燃料ガスの供給が継続されるように、原料ガス供給装置40と改質水供給装置55とからそれぞれ必要最小限の原料ガスと改質水とを供給する。燃料停止温度Trefは、アノードが酸化しにくい温度まで燃料電池スタック36が冷却されたか否かを判定するための閾値である。本実施形態では、燃料停止温度Trefの設定は、スタック温度(システム停止開始時温度)Tsと燃料停止温度Trefとの関係を予め求めて燃料停止温度設定用マップとしてROM82に記憶しておき、スタック温度Tsが与えられると、マップから対応する燃料停止温度Trefを導出することにより行なうものとした。燃料停止温度設定用マップの一例を図3に示す。図示するように、燃料停止温度Trefは、システム停止を開始するときのスタック温度(システム停止開始時温度)Tsが燃料電池スタック36(セル)が全域で十分に温められたと判断できる所定値Ts1(例えば、300℃)以上のときには、燃料停止温度Trefに所定値Tr1が設定され、スタック温度(システム停止開始時温度)Tsが所定値Ts1未満のときには、スタック温度Tsが低いほど、小さくなるよう傾向に設定される。この理由については後述する。
CPU81は、システム停止を開始すると、温度センサ93からのスタック温度Tsを入力し(ステップS130)、入力した現在のスタック温度Tsが燃料停止温度Tref以下となるまで、原料ガスの供給と改質水の供給とを継続したまま待つ(ステップS140)。現在のスタック温度Tsが燃料停止温度Tref以下となると、原料ガスの供給と改質水の供給とが停止されるように原料ガスポンプ45と改質水ポンプ58とを制御する(ステップS150)。そして、温度センサ93からのスタック温度Tsを入力し(ステップS160)、入力した現在のスタック温度Tsが燃料停止温度Trefよりも低いエア停止温度Tref2(例えば、100℃)以下となるまで、エアの供給を継続したまま待つ(ステップS170)。そして、現在のスタック温度Tsがエア停止温度Tref2以下となると、エアの供給が停止されるようにエアブロワ53を制御して(ステップS180)、停止制御ルーチンを終了する。
図4は、起動中にシステム停止したときのスタック温度Tsとスタック内最高温度Tsmaxの時間変化の様子を示す説明図であり、図5は、定常運転中にシステム停止したときのスタック温度Tsとスタック内最高温度Tsmaxの時間変化の様子を示す説明図である。上述したように、本実施形態では、燃料電池スタック36の近傍に設けられた温度センサ93により検出されたスタック温度Tsが燃料停止温度Tref以下となったか否かを判定することにより、燃料電池スタック36が十分に冷却されたか否かを判断してアノードへの燃料の供給を停止する。しかしながら、燃料電池スタック36は、領域ごとに温度のバラツキがあり、温度センサ93により検出されるスタック温度Tsとスタック内の局所的な最高温度Tsmaxとの間に乖離が生じる。スタック温度Tsと最高温度Tsmaxとの間の乖離は、図4および図5に示すように、定常運転中によりも起動中に大きくなりやすい。このため、燃料停止温度Trefを一定値とした場合、燃料停止温度Trefとして大きな値を定めると、起動中にシステム停止する場合に、燃料電池スタック36の一部が冷却される前にアノードへの燃料の供給が停止され、アノードの酸化を招きやすい。一方、燃料停止温度Trefとして小さな値を定めると、定常運転中にシステム停止する場合に、燃料電池スタック36が全域で十分に冷却されたにも拘わらずアノードへの燃料の供給が継続され、燃費の悪化を招きやすい。そこで、本実施形態の燃料電池システム10では、システム停止を開始するときのスタック温度(システム停止開始時温度)Tsが低いときには、高いときに比して、温度センサ93により検出されるスタック温度Tsとスタック内の局所的な最高温度Tsmaxとの乖離が大きいと判断して、燃料停止温度Trefを小さくするから、システム停止を開始するときの燃料電池システム10の運転状態に拘わらず適切なタイミングでアノードへの燃料の供給を停止させることができる。
以上説明した実施形態の燃料電池システム10では、システム停止が要求されると、燃料電池スタック36の近傍に設けられた温度センサ93により検出されるスタック温度(システム停止開始時温度)Tsが低いときには高いときに比して低くなるように燃料停止温度Trefを設定してシステム停止を開始する。そして、温度センサ93により検出されるスタック温度Tsが燃料停止温度Tref以下となるまでは、アノードへの燃料の供給を継続し、温度センサ93により検出されるスタック温度Tsが燃料停止温度Tref以下となると、アノードへの燃料の供給を停止する。燃料電池スタック36が十分に温められておらずスタック内の局所的な最高温度Tsmaxと温度センサ93の検出値との乖離が生じやすい運転状態(起動中)からシステム停止する場合と、燃料電池スタック36が十分に温められてスタック内の局所的な最高温度Tsmaxと温度センサ93の検出値との乖離が生じにくい運転状態(定常運転中)からシステム停止する場合とで、燃料停止温度Trefを変更することにより、システム停止開始時の燃料電池スタック36の運転状態に拘わらず、より適切なタイミングでスタックへの燃料の供給を停止することができる。この結果、システム停止時にスタックの酸化を抑制すると共に燃費の悪化を抑制することができる燃料電池システム10とすることができる。
上述した実施形態では、システム停止を開始(発電を停止)した後、燃料電池スタック36の近傍に設けられた温度センサ93により検出されるスタック温度Tsが燃料停止温度Tref以下となるまでは、アノードへの燃料の供給を継続し、スタック温度Tsが燃料停止温度Tref以下となると、アノードへの燃料の供給を停止するものとした。しかし、システム停止を開始した後、燃焼部34に設けられた温度センサ92により検出される燃焼部温度Tfが燃料停止温度Tref以下となるまでは、アノードへの燃料の供給を継続し、燃焼部温度Tfが燃料停止温度Tref以下となると、アノードへの燃料の供給を停止するものとしてもよい。図6は、変形例の停止制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、図6の停止制御ルーチンの各処理のうち図2の停止制御ルーチンと同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明は重複するから省略する。
変形例の停止制御ルーチンでは、ステップS100で入力したスタック温度(システム停止開始時温度)Tsに基づいて図3の燃料停止温度設定用マップに代えて図7の燃料停止温度設定用マップを用いて燃料停止温度Trefを設定する(ステップS110B)。図7の燃料停止温度設定用マップでは、燃料停止温度Trefは、システム停止を開始するときのスタック温度(システム停止開始時温度)Tsが定常運転中など燃料電池スタック36が十分に温められたと判断できる所定値Ts1(例えば、300℃)以上のときには、燃料停止温度Trefに所定値Tr2が設定され、スタック温度(システム停止開始時温度)Tsが所定値Ts1未満のときには、スタック温度Tsが低いほど、大きくなる傾向に設定される。
CPU81は、システム停止を開始すると、温度センサ92からの燃焼部温度Tfを入力し(ステップS130B)、入力した現在の燃焼部温度Tfが燃料停止温度Tref以下となるまで、原料ガスの供給と改質水の供給とを継続したまま待つ(ステップS140B)。現在の燃焼部温度Tfが燃料停止温度Tref以下となると、原料ガスの供給と改質水の供給とが停止されるように原料ガスポンプ45と改質水ポンプ58とを制御する(ステップS150)。そして、温度センサ92からの燃焼部温度Tfを入力し(ステップS160B)、入力した現在の燃焼部温度Tfが燃料停止温度Trefよりも低いエア停止温度Tref2以下(例えば、100℃)となるまで、エアの供給を継続したまま待つ(ステップS170B)。そして、現在の燃焼部温度Tfがエア停止温度Tref2以下となると、エアの供給が停止されるようエアブロワ53を制御して(ステップS180)、停止制御ルーチンを終了する。
図8は、起動中にシステム停止したときの燃焼部温度Tfとスタック温度Tsとスタック内最高温度Tsmaxの時間変化の様子を示す説明図である。図9は、定常運転中にシステム停止したときの燃焼部温度Tfとスタック温度Tsとスタック内最高温度Tsmaxの時間変化の様子を示す説明図である。燃料電池システム10では、起動中は、燃料電池スタック36が素早く暖機されるように、オフガスの着火処理等により燃焼部34において比較的多くのオフガスを燃焼させており、図8に示すように、燃焼部34の方が燃料電池スタック36よりも高温になりやすい。一方、システムの起動が終了し、発電が開始されて定常運転状態へ移行すると、燃料電池スタック36は、高い発電効率(燃料利用率)で運転されるように制御され、燃焼部34で燃焼されるオフガスの量が減少し、図9に示すように、燃料電池スタック36の方が燃焼部34よりも高温になりやすい。本実施形態の燃料電池システム10では、システム停止するときに燃焼部温度Tfが燃料停止温度Tref以下となるのを待ってアノードへの燃料の供給を停止する場合、システム停止開始時温度Tsが低いときには、システムの運転状態が起動中であり、システム停止開始時温度Tsが高いときに比して、燃焼部温度Tfが高くなりやすいと判断して、燃料停止温度Trefを大きくする。これにより、システム停止するときに、燃料電池システム10の運転状態に拘わらず、燃焼部34に設けられた温度センサ92からの燃焼部温度Tfを用いて適切なタイミングでアノードへの燃料の供給を停止させることができる。この結果、本実施形態と同様に、システム停止時にスタックの酸化を抑制すると共に燃費の悪化を抑制することができる燃料電池システム10とすることができる。
上述した実施形態では、システム停止を開始するときに温度センサ93により検出されたスタック温度(システム停止開始時温度)Tsに基づいて燃料停止温度Trefを設定するものとした。しかし、システム停止を開始するときの燃料電池システム10の運転状態(起動中か定常運転中かの運転状態)に基づいて燃料停止温度Trefを設定してもよい。システム停止を開始(発電を停止)した後、温度センサ93により検出される現在のスタック温度Tsが燃料停止温度Tref以下となるのを待ってからアノードへの燃料の供給を停止する場合、燃料停止温度Trefは、起動中にシステム停止を開始するときには、定常運転中にシステム停止を開始するときに比して、低くなるように設定されればよい。また、システム停止を開始した後、温度センサ92により検出される燃焼部温度Tfが燃料停止温度Tref以下となるのを待ってからアノードへの燃料の供給を停止する場合、燃料停止温度Trefは、起動中にシステム停止を開始するときには、定常運転中にシステム停止を開始するときに比して、高くなるように設定されればよい。
また、上述した実施形態では、アノードへの燃料の供給を停止するために、改質器33へ原料ガスの供給と改質水の供給とを同時に停止するものとしたが、原料ガスの供給を停止した後、改質水の供給を停止するものとしてもよい。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、燃料電池スタック36が「燃料電池セル」に相当し、改質器33が「改質器」に相当し、原料ガス供給装置40が「原料ガス供給装置」に相当し、改質水供給装置55が「改質水供給装置」に相当し、エア供給装置50が「酸化剤ガス供給装置」に相当し、温度センサ92,93が「温度検出器」に相当し、制御装置80が「制御装置」に相当する。また、温度センサ93が「セル用温度センサ」に相当する。また、温度センサ92が「燃焼部用温度センサ」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、燃料電池システムの製造産業などに利用可能である。
1 ガス供給源、2 商用電力系統、3 電力ライン、4 負荷、10 燃料電池システム、20 発電ユニット、22 筐体、22a 吸気口、22b 排気口、24 換気ファン、30 燃料電池モジュール、31 モジュールケース、32 気化器、33 改質器、34 燃焼部、35 点火ヒータ、36 燃料電池スタック、37 燃焼触媒、40 原料ガス供給装置、41 原料ガス供給管、42,43 原料ガス供給弁、44 オリフィス、45 原料ガスポンプ、46 脱硫器、47 圧力センサ、48 流量センサ、50 エア供給装置、51 エア供給管、52 フィルタ、53 エアブロワ、54 流量センサ、55 改質水供給装置、56 改質水供給管、57 改質水タンク、58 改質水ポンプ、60 排熱回収装置、61 循環配管、62 熱交換器、63 循環ポンプ、66 凝縮水供給管、67 排気ガス排出管、70 パワーコンディショナ、78 電源基板、80 制御装置、81 CPU、82 ROM、83 RAM、84 タイマ、90 表示パネル、91~93 温度センサ、100 給湯ユニット、101 貯湯タンク。

Claims (4)

  1. アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤ガスとに基づいて発電する燃料電池セルと、
    改質水を用いて原料ガスを前記燃料ガスに改質して前記アノードに供給する改質器と、
    前記改質器へ前記原料ガスを供給する原料ガス供給装置と、
    前記改質器へ前記改質水を供給する改質水供給装置と、
    前記カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池セルと前記改質器とを含む燃料電池モジュール内に設けられた温度検出器と、
    前記燃料電池システムを停止するときには、前記温度検出器により検出される温度が閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記温度検出器により検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御するシステム停止制御を実行する制御装置と、
    を備える燃料電池システムであって、
    前記温度検出器は、前記燃料電池セルの近傍に設けられたセル用温度センサを有し、
    前記制御装置は、前記燃料電池システムの停止を開始するときに前記セル用温度センサにより検出される温度が低いときには高いときに比して低くなるように前記閾値を変更し、前記システム停止制御として、前記セル用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記セル用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記燃料の供給を停止したまま前記システム停止制御を終了する、
    燃料電池システム。
  2. アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤ガスとに基づいて発電する燃料電池セルと、
    改質水を用いて原料ガスを前記燃料ガスに改質して前記アノードに供給する改質器と、
    前記改質器へ前記原料ガスを供給する原料ガス供給装置と、
    前記改質器へ前記改質水を供給する改質水供給装置と、
    前記カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池セルと前記改質器とを含む燃料電池モジュール内に設けられた温度検出器と、
    前記燃料電池システムを停止するときには、前記温度検出器により検出される温度が閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記温度検出器により検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御するシステム停止制御を実行する制御装置と、
    を備える燃料電池システムであって、
    前記温度検出器は、前記燃料電池セルの近傍に設けられたセル用温度センサを有し、
    前記制御装置は、前記燃料電池システムの起動中に該燃料電池システム停止を開始するときには、前記燃料電池システムの定常運転中に該燃料電池システム停止を開始するときに比して、低くなるように前記閾値を変更し、前記システム停止制御として、前記セル用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記セル用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記燃料の供給を停止したまま前記システム停止制御を終了する、
    燃料電池システム。
  3. アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤ガスとに基づいて発電する燃料電池セルと、
    改質水を用いて原料ガスを前記燃料ガスに改質して前記アノードに供給する改質器と、
    前記改質器へ前記原料ガスを供給する原料ガス供給装置と、
    前記改質器へ前記改質水を供給する改質水供給装置と、
    前記カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池セルと前記改質器とを含む燃料電池モジュール内に設けられた温度検出器と、
    前記燃料電池システムを停止するときには、前記温度検出器により検出される温度が閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記温度検出器により検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御するシステム停止制御を実行する制御装置と、
    を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池セルを通過したオフガスを燃焼させて前記改質器を加熱する燃焼部を備え、
    前記温度検出器は、前記燃料電池セルの近傍に設けられたセル用温度センサと、前記燃焼部に設けられた燃焼部用温度センサと、を有し、
    前記制御装置は、前記燃料電池システムの停止を開始するときに前記セル用温度センサにより検出される温度が低いときには高いときに比して高くなるように前記閾値を変更し、前記システム停止制御として、前記燃焼部用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記燃焼部用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記燃料の供給を停止したまま前記システム停止制御を終了する、
    燃料電池システム。
  4. アノードに供給される燃料ガスとカソードに供給される酸化剤ガスとに基づいて発電する燃料電池セルと、
    改質水を用いて原料ガスを前記燃料ガスに改質して前記アノードに供給する改質器と、
    前記改質器へ前記原料ガスを供給する原料ガス供給装置と、
    前記改質器へ前記改質水を供給する改質水供給装置と、
    前記カソードに酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池セルと前記改質器とを含む燃料電池モジュール内に設けられた温度検出器と、
    前記燃料電池システムを停止するときには、前記温度検出器により検出される温度が閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記温度検出器により検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御するシステム停止制御を実行する制御装置と、
    を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池セルを通過したオフガスを燃焼させて前記改質器を加熱する燃焼部を備え、
    前記温度検出器は、前記燃焼部に設けられた燃焼部用温度センサを有し、
    前記制御装置は、前記燃料電池システムの起動中に該燃料電池システム停止を開始するときには、前記燃料電池システムの定常運転中に該燃料電池システム停止を開始するときに比して、高くなるように前記閾値を変更し、前記システム停止制御として、前記燃焼部用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となるまでは、前記アノードへの燃料の供給が継続されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記燃焼部用温度センサにより検出される温度が前記閾値以下となると、前記アノードへの燃料の供給が停止されるように前記原料ガス供給装置と前記改質水供給装置とを制御し、前記燃料の供給を停止したまま前記システム停止制御を終了する、
    燃料電池システム。
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