JP2023007050A - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Taiga Murakami
雄也 宅和
Yuya Takuwa
稔 鈴木
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Abstract

【課題】簡易な構成によりコーキングを抑制する。【解決手段】燃料電池システムは、アノードガスとカソードガスとの反応により発電する燃料電池と、燃料電池で発生したアノードオフガスが流れるアノードオフガス配管と、を備える。アノードオフガス配管の少なくとも一部の内面には、セラミックを主成分とした酸化膜が形成されている。アノードオフガス配管に酸化膜を形成するだけの簡易な構成によりコーキングを抑制することができる。この結果、コーキングによるガスの流量低下や圧損上昇を抑制することができ、システムの耐久性を向上させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法に関する。
従来、この種の燃料電池システムとしては、燃料電池と、燃料電池で発生したアノードオフガスに含まれる水蒸気を凝縮してアノードオフガスを一酸化炭素を含むリサイクルガスと水とに分離させる気水分離部と、気水分離部と燃料電池との間のリサイクル流路に設けられたブロワと、気水分離部にて得られた水から水蒸気を発生させてリサイクルガスに混合させる水蒸気発生部と、リサイクルガスに含まれる一酸化炭素と空気中の酸素とを反応させて二酸化炭素を生成する選択酸化触媒と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、リサイクルガス中の水蒸気濃度が確保され、シフト反応が進むため、炭素の析出を抑制することができる。また、選択酸化触媒においてリサイクルガスに含まれる一酸化炭素と空気中の酸素とが反応して二酸化炭素が生成されるため、リサイクルガスに含まれる二酸化炭素の濃度の上昇により、炭素の析出を抑制することができる。
また、燃料電池と、燃料電池から排出されたアノードオフガス中の水蒸気および二酸化炭素の少なくとも一方の少なくとも一部を分離するアノードオフガス再生手段と、再生オフガスが流通する流通経路と、再生オフガスにおける炭素の析出上限温度が一定値以下となるように調節する制御部と、を備えるものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。制御部は、改質器や燃料電池、アノードオフガス再生手段の作動条件を調節したり、改質器における改質に用いる水蒸気および原料ガスの量を調節したりすることにより析出上限温度が一定値以下となるように調整する。これにより、炭素の析出を抑制することができる。
特開2018-10749号公報 特開2020-119736号公報
しかしながら、特許文献1記載の燃料電池システムでは、発電反応に寄与する一酸化炭素を二酸化炭素に反応させてしまうため、燃料利用率が低下し、発電効率の悪化を招く。また、選択酸化触媒等を追加する必要があり、構成が複雑化すると共にコスト増を招く。特許文献2記載の燃料電池システムでは、運転条件が制約されるため、負荷変動に対して追従するシステムには適用することは困難である。
本発明の燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法は、簡易な構成によりコーキングを抑制することを主目的とする。
本発明の燃料電池システムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の燃料電池システムは、
アノードガスとカソードガスとの反応により発電する燃料電池と、
前記燃料電池で発生したアノードオフガスが流れるアノードオフガス配管と、
を備え、
前記アノードオフガス配管の少なくとも一部の内面に、セラミックを主成分とした酸化膜が形成されている、
ことを要旨とする。
本願の発明者らは、鋭意研究の結果、アノードオフガス配管の内面にセラミックを成分として含む酸化膜が形成されていると、アノードオフガス中の水分が少なくても、コーキングが抑制されることを見出した。これにより、アノードオフガス配管に酸化膜を形成するだけの簡易な構成によりコーキングを抑制することができる。この結果、コーキングによるガスの流量低下や圧損上昇を抑制することができ、システムの耐久性を向上させることができる。更に、アノードオフガスの温度上限の制約がなく、幅広い運転条件に対応することができる。
こうした本発明の燃料電池システムにおいて、前記酸化膜の膜厚は、0.1μm~3μmであるものとしてもよい。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記酸化膜は、金属の構成元素としてAl,MgまたはSiを含有するものとしてもよい。こうすれば、配管として安価な汎用品を用いることができるため、コスト増を抑制することができる。
さらに、本発明の燃料電池システムにおいて、前記アノードオフガス配管に設置され、前記アノードオフガスに含まれる水蒸気を凝縮させる凝縮部と、前記凝縮部により凝縮された水を用いて原燃料ガスを水蒸気改質して前記アノードガスを生成する改質部と、前記アノードオフガス配管に接続され、該アノードオフガス配管から供給されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼部と、前記燃料電池と前記改質部と前記燃焼部と前記アノードオフガス配管の一部を収容する断熱性のモジュールケースと、を備え、前記凝縮器は、前記モジュールケース外に設置され、前記酸化膜は、前記アノードオフガス配管の前記凝縮部よりも下流側における前記モジュールケース内に収容された部位の内面と前記燃焼部の内面とに形成されてもよい。
本発明の燃料電池システムの制御方法は、
アノードガスとカソードガスとの反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池で発生したアノードオフガスが流れるアノードオフガス配管と、前記アノードオフガス配管に設置され前記アノードオフガスと熱交換媒体との熱交換により前記アノードオフガスに含まれる水蒸気を凝縮させる凝縮部と、前記熱交換媒体を循環させる循環部と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
前記凝縮部における水蒸気の凝縮が通常発電時よりも抑制されるように前記循環部を制御することで、前記アノードオフガス配管にセラミックを成分として含む酸化膜を形成する酸化膜形成制御を実行する、
ことを要旨とする。
この本発明の燃料電池システムの制御方法では、発電運転に先立って、凝縮部における水蒸気の凝縮が発電運転時よりも抑制されるように循環部を制御する酸化膜形勢制御を実行する。酸化膜形成制御によりアノードオフガス配管を熱処理することで、アノードオフガス配管にセラミックを成分として含む酸化膜を形成する。これにより、燃料電池システムを組付けた後にシステムの運転によってアノードオフガス配管や燃焼部を熱処理してその内面に酸化膜を形成することができる。この結果、組付け前に電気炉を用いてアノードオフガス配管や燃焼部を熱処理するものに比して、製造工程を簡素にすることができ、コスト増を抑制することができる。
本実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 試験装置の概略構成図である。 パイプの部位ごとの温度を示す説明図である。 比較例のパイプと実施例のパイプの試験結果を示す説明図である。 酸化膜形成処理の一例を示すフローチャートである。
本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。本実施形態の燃料電池システム10は、図示するように、アノードガス中の水素とカソードガス中の酸素との電気化学反応により発電する燃料電池スタック21を含む発電モジュール20と、原燃料ガス供給管31を介して発電モジュール20にアノードガスの原料となる原燃料ガス(例えば天然ガスやLPガス)を供給する原燃料ガス供給装置30と、発電モジュール20に原燃料ガスからアノードガスへの改質(水蒸気改質)に必要な改質水を供給する改質水供給装置40と、発電モジュール20(燃料電池スタック21)にカソードガスとしてのエアを供給するエア供給装置50と、発電モジュール20において発生した排熱を回収する排熱回収装置60と、燃料電池スタック21において電気化学反応(発電)に使用されなかった未使用燃料の一部を原燃料ガス供給管31に還流させる還流装置80と、システム全体をコントロールする制御装置90と、を備える。
発電モジュール20は、燃料電池スタック21や、気化器22、改質器23、燃焼器24、2つの熱交換器26,27を含み、これらは、断熱性を有するモジュールケース29に収容されている。
燃料電池スタック21は、酸化ジルコニウム等の電解質と当該電解質を挟持するアノード電極およびカソード電極とをそれぞれ有し、左右方向(水平方向)に配列された複数の固体酸化物形の単セルを備える。各単セルのアノード電極内には、図示しないアノードガス通路が形成されている。また、各単セルのカソード電極内には、図示しないカソードガス通路が形成されている。更に、燃料電池スタック21の近傍には、温度センサ96が設置されている。温度センサ96は、燃料電池スタック21の温度に相関する温度(スタック相関温度)を検出する。
発電モジュール20の気化器22および改質器23は、モジュールケース29内の燃料電池スタック21の上方に間隔をおいて配設される。また、燃料電池スタック21と気化器22および改質器23との間には、燃料電池スタック21の作動や、気化器22および改質器23での反応に必要な熱を発生させる燃焼器24が配設される。燃焼器24には、着火ヒータ25が設置されている。
気化器22は、燃焼器24からの熱により原燃料ガス供給装置30からの原燃料ガスと改質水供給装置40からの改質水とを加熱し、原燃料ガスを予熱すると共に改質水を蒸発させて水蒸気を生成する。気化器22により予熱された原燃料ガスは、水蒸気と混合され、その混合ガスは、当該気化器22から改質器23に流入する。また、改質器23の入口付近には、当該改質器23に流入する混合ガスの温度(気化器温度)を検出する温度センサ95が設置されている。
改質器23は、その内部に充填された例えばRu系またはNi系の改質触媒を有し、燃焼器24からの熱の存在下で、改質触媒による気化器22からの混合ガスの反応(水蒸気改質反応)によって水素ガスと一酸化炭素とを生成する。更に、改質器23は、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気との反応(一酸化炭素シフト反応)によって水素ガスと二酸化炭素とを生成する。これにより、改質器23によって、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の原燃料ガス等を含むアノードガスが生成されることになる。改質器23により生成されたアノードガスは、アノードガス配管71を通って各単セルのアノードガス通路へ流入し、アノード電極に供給される。
また、カソードガスとしてのエアは、カソードガス配管72を介して各単セルのカソードガス通路へ流入し、カソード電極に供給される。各単セルのカソード電極では、酸化物イオン(O2-)が生成され、当該酸化物イオンが電解質を透過してアノード電極で水素や一酸化炭素と反応することにより電気エネルギが得られる。
各単セルにおいて電気化学反応(発電)に使用されなかったアノードガス(以下、「アノードオフガス」という)は、アノードオフガス配管73を通って凝縮器62に供給され、凝縮器62により冷却させられてアノードオフガスに含まれる水蒸気が除去された後、アノードオフガス配管74を通って燃焼器24に供給される。アノードオフガス配管73,74には熱交換器26が設置され、アノードオフガス配管74を流れるアノードオフガス(凝縮器62を通過した後のアノードオフガス)は、熱交換器26において燃料電池スタック21からアノードオフガス配管73を流れる高温のアノードオフガス(凝縮器62を通過する前のアノードオフガス)との熱交換により昇温させられる。また、各単セルにおいて電気化学反応(発電)に使用されなかったカソードガス(以下、「カソードオフガス」という)は、カソードオフガス配管75を通って燃焼器24に供給される。
燃焼器24に流入したアノードオフガスは、水素や一酸化炭素等の燃料成分を含む可燃性ガスであり、燃焼器24に流入した酸素を含むカソードオフガスと混合される。そして、着火ヒータ25により点火させられて燃焼器24で混合ガスが着火すると、当該混合ガスの燃焼により、燃料電池スタック21の作動や、気化器22での原燃料ガスの予熱や水蒸気の生成、改質器23での水蒸気改質反応等に必要な熱が発生することになる。また、燃焼器24では、未燃燃料を含む燃焼排ガスが生成され、当該燃焼排ガスは、燃焼排ガス配管76を通り、熱交換器27および燃焼触媒28を経て外気へ排出される。燃焼触媒28は、燃焼排ガス中の未燃燃料を再燃焼させるための酸化触媒である。
原燃料ガス供給装置30は、原燃料ガスを供給する原燃料供給源1と気化器22とを接続する原燃料ガス供給管31と、当該原燃料ガス供給管31に設置された開閉弁(2連弁)32,33、オリフィス34、ゼロガバナ(均圧弁)35、ガスポンプ36および脱硫器38とを有する。原燃料ガスは、ガスポンプ36を作動させることで、原燃料供給源1から脱硫器38を介して気化器22へと圧送(供給)される。また、原燃料ガス供給管31のオリフィス34とゼロガバナ35との間には、原燃料ガス供給管31を流れる原燃料ガスの単位時間当りの流量(ガス流量Qg)を検出する流量センサ39が設置されている。
改質水供給装置40は、改質水を貯留する改質水タンク42と、改質水タンク42と気化器22とを接続する改質水供給管41と、改質水供給管41に設置された改質水ポンプ43と、を有する。改質水タンク42内の改質水は、改質水ポンプ43を作動させることで、当該改質水ポンプ43により気化器22へと圧送(供給)される。
エア供給装置50は、モジュールケース29内に設置されたカソードガス配管72に接続されるエア供給管51と、エア供給管51の入口に設けられたエアフィルタ52と、エア供給管51に設置されたエアポンプ53と、を有する。エアポンプ53を作動させることで、カソードガスとしてのエアは、エアフィルタ52を介してエア供給管51に吸引され、カソードガス配管72を通って燃料電池スタック21(カソード電極)へと圧送(供給)される。カソードガス配管72を流れるエアは、熱交換器27において燃焼排ガス配管76を流れる高温の燃焼排ガスと熱交換されて昇温させられる。
排熱回収装置60は、湯水を貯留する貯湯タンク61と、燃料電池スタック21からアノードオフガス配管73を流れるアノードオフガスと湯水とを熱交換してアノードオフガス中に含まれる水蒸気を凝縮させる凝縮器62と、貯湯タンク61と凝縮器62とに接続された循環配管63と、循環配管63に組み込まれた循環ポンプ64と、を有する。貯湯タンク61内に貯留されている湯水は、循環ポンプ64を作動させることで、凝縮器62へと導入され、凝縮器62でアノードオフガスとの熱交換によって昇温させられた後、貯湯タンク61へと返送される。
また、凝縮器62におけるアノードオフガス側の通路出口には、凝縮水配管44とアノードオフガス配管74とが接続されており、アノードオフガス中の水蒸気が貯湯タンク61からの湯水との熱交換により凝縮することにより得られた凝縮水は、凝縮水配管44を通って改質水タンク42内に導入される。また、上述したように、凝縮器62において水蒸気が除去されたアノードオフガスは、アノードオフガス配管74を通って燃焼器24に供給される。本実施形態では、アノードオフガス配管74と燃焼器24は、Alを含有するステンレス鋼により構成され、アノードオフガス配管74の内面と凝縮器24の内面とには、セラミックを主成分とする酸化膜が形成されている。
更に、排熱回収装置60は、循環配管63に組み込まれたラジエータ65と、ラジエータ65にエアを送るラジエータファン(電動ファン)66と、発電モジュール20からの電力を消費して循環配管63内の湯水を加熱する電気ヒータ67と、循環配管63内の湯水の温度を検出する温度センサ68と、を有する。ラジエータ64は、循環配管63の循環ポンプ64と凝縮器62との間に位置するように設置されている。電気ヒータ67は、循環配管63のラジエータ65と循環ポンプ64との間に位置するように設置されている。温度センサ68は、凝縮器62の湯水側の出口付近に設置されている。
還流装置80は、アノードオフガス配管74から分岐すると共に原燃料ガス供給管31におけるゼロガバナ35とガスポンプ36との間に接続される還流配管81と、還流配管81に設置される電磁弁82と、還流配管81に形成されるオリフィス83と、を有する。電磁弁82は、常閉式の開閉弁であり、電磁弁82が閉弁された状態において、アノードオフガス配管74から原燃料ガス供給管31へのアノードオフガスの還流ラインが遮断され、電磁弁82を開弁することにより、アノードオフガス配管74と原燃料ガス供給管31とが連通することで還流ラインが開放される。
燃料電池スタック21の出力端子には、図示しないが、パワーコンディショナの入力端子が接続され、当該パワーコンディショナの出力端子には、リレーを介して電力系統から負荷への電力ラインに接続される。パワーコンディショナは、燃料電池スタック21から出力された直流電圧を所定電圧(例えば、DC250V~300V)に変換するDC/DCコンバータや、変換された直流電圧を電力系統と連系可能な交流電圧(例えば、AC200V)に変換するインバータを有する。
制御装置90は、CPU91を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU91の他に処理プログラムを記憶するROM92と、データを一時的に記憶するRAM93と、図示しない入出力ポートと、を備える。制御装置90には、流量センサ39や、温度センサ68,95,96などからの各種検出信号が入力ポートを介して入力されている。また、制御装置90からは、開閉弁32,33のソレノイドや、ガスポンプ36のポンプモータ、改質水ポンプ43のポンプモータ、エアポンプ53のポンプモータ、循環ポンプ64のポンプモータ、着火ヒータ25、電磁弁82のソレノイドなどへの各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。また、制御装置90には、無線式または有線式の通信回線を介して図示しないリモコンが接続される。制御装置90は、燃料電池システム10のユーザにより操作された当該リモコンからの信号に基づいて各種制御を実行する。
こうして構成された燃料電池システム10において、凝縮器62よりも下流側のアノードオフガス配管74や当該アノードオフガス配管74に接続される燃焼器24は、ステンレス鋼により構成され、当該アノードオフガス配管74bの内面や燃焼器24の内面には、熱処理によってセラミックを主成分とした酸化膜が形成されている。アノードオフガス配管74を流れるアノードオフガスは、凝縮器62により水蒸気が除去され、モジュールケース29内の高温雰囲気下や熱交換器26により昇温させられて高温の状態となる。こうした状況下においては、アノードオフガスに含まれる一酸化炭素の反応により炭素が生成され易いことが知られており、特に、アノードオフガスが流れる配管が鉄やコバルト、ニッケル等を含むステンレス鋼により構成される場合、当該配管に表面に炭素が析出・成長(コーキング)し、配管の断面積が狭まって圧損が増大するおそれがある。本実施形態では、アノードオフガス配管74の内面にセラミックを主成分とした酸化膜を形成することで、当該アノードオフガス配管74の内面に炭素が析出・成長するのを効果的に抑制することができる。
本願の発明者らは、コーキングの発生温度や材質依存性を把握するために要素試験を行なった。試験は、図2に示すように、電気炉100内に金属パイプ101を設置すると共に金属パイプ101の長手方向に間隔をおいて複数の熱電対102を設置し、アノードオフガスを模擬した模擬ガスを一定時間、金属パイプ101に流した後、ファイバースコープ等を用いて金属パイプ101内のコーキング状態を確認することにより行なった。実施例では、金属材料として、Alを含有するステンレス鋼に熱処理を実施することで、内面にセラミックを主成分とした酸化膜を形成した金属パイプを用いるものとした。一方、比較例では、Alを含まないSUS316Lを金属材料とした金属パイプを用いるものとした。また、模擬ガスとして、一酸化炭素と二酸化炭素と水素と水蒸気とを含むガスを用いた。更に、試験時間を24時間とし、模擬ガスの総流量を0.08[NLM]とした。
図3および図4に示すように、コーキングが発生し易い温度帯(380℃~650℃)に達するパイプ上流部とパイプ下流部とにおいて、比較例の金属パイプでは、コーキングが発生したが、実施例の金属パイプでは、コーキングが発生しなかった。これは、パイプ内の表面に形成される酸化膜が炭素の析出・成長を阻害していると考えられる。
ここで、本実施形態では、アノードオフガス配管74に酸化膜を形成するための熱処理は、燃料電池システム10を組付け、設置した後、顧客への引き渡し前に行なわれる試運転により実行される。図5は、制御装置90により実行される酸化膜形成処理の一例を示すフローチャートである。
酸化膜形成処理が実行されると、制御装置90のCPU91は、まず、試運転が開始された否かを判定する(ステップS100)。なお、試運転は、作業者により特定の運転モードを指定して起動が指示されることにより実行される。試運転が開始されたと判定すると、湯水の目標温度Ttagに所定温度T2を設定し(ステップS110)、温度センサ68により検出される温度Tが目標温度Ttagとなるように循環ポンプ64とラジエータファン66と電気ヒータ67とを制御する(ステップS120)。ここで、所定温度T2は、凝縮器62において、通常運転時に比べて水蒸気の凝縮が抑制されるように、通常運転時の目標温度Ttagとして設定される所定温度T1よりも高い温度に定められる。これにより、コーキングの発生を抑制しつつ、試運転中にアノードオフガス配管74を流れる高温のアノードオフガスによって当該アノードオフガス配管74や燃焼器24を熱処理し、内面に酸化膜を形成することができる。そして、所定時間が経過するのを待って(ステップS130)、酸化膜形成処理を終了する。所定時間は、酸化膜を形成するための所要時間であり、酸化膜の必要膜厚に応じて適宜設定される。必要膜厚は、システムの設計耐久期間等に応じて定められ、例えば0.1μm~3μm、望ましくは0.2μm~1μmとすることができる。
このように、本実施形態では、アノードオフガス配管74や燃焼器24に酸化膜を形成するための熱処理を試運転によって行なう。これにより、燃料電池システム10の製造工程の一つとして、組付け前のアノードオフガス配管74や燃焼器24を電気炉に入れて熱処理する熱処理工程を備えるものに比して、製造工程を簡素にすることができ、コスト増を抑制することができる。
以上説明した本実施形態の燃料電池システム10では、燃料電池スタック21で発生したアノードオフガスが流れるアノードオフガス配管74の内面には、凝縮器62よりも下流側において、セラミックを成分として含む酸化膜が形成される。これにより、アノードオフガス配管74に酸化膜を形成するだけの簡易な構成によりコーキングを抑制することができる。この結果、コーキングによるガスの流量低下や圧損上昇を抑制することができ、システムの耐久性を向上させることができる。更に、アノードオフガスの温度上限の制約がなく、幅広い運転条件に対応することができる。
上述した実施形態では、燃料電池システム10を試運転するときにアノードオフガス配管74や燃焼器24を熱処理してその内面に酸化膜を形成するものとしたが、組付け前のアノードオフガス配管74や燃焼器24を電気炉に入れて熱処理するようにしてもよい。また、電気炉により仮熱処理をし、試運転によって仕上げ処理を行なうようにしてもよい。
上述した実施形態では、酸化膜は、Alを含有するステンレス鋼を熱処理することにより形成されたが、これに限定されるものではなく、MgやSiを含有するステンレス鋼を熱処理することにより形成されてもよい。
上述した実施形態では、アノードオフガス配管74や燃焼器24に熱処理を施すことにより当該アノードオフガス配管74の内面にセラミックを主成分とした酸化膜を形成するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ディップコーティング、熱噴霧など、任意の手法によって酸化膜を形成するようにしてもよい。
上述した実施形態では、アノードオフガス配管73,74を介して燃料電池スタック21と燃焼器24とが接続されると共にアノードオフガス配管73,74に凝縮器62が設置された燃料電池システム10において、凝縮器62と燃焼器24との間のアノードオフガス配管74の内面に酸化膜を形成するものとした。しかし、アノードガスとカソードガスとに基づいて発電する第1の燃料電池スタックと、アノードオフガスとカソードガスとに基づいて発電する第2の燃料電池スタックと、第1の燃料電池スタックと第2の燃料電池スタックとを接続して第1の燃焼電池スタックで発生したアノードオフガスを第2燃料電池スタックへ供給するアノードオフガス配管と、アノードオフガス配管に設置されアノードオフガスから二酸化炭素や水蒸気を分離する燃料再生装置と、を備える燃料電池システムにおいて、燃料再生装置と第2の燃料電池スタックとの間の配管の内面にセラミックを主成分とした酸化膜を形成するようにしてもよい。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、燃料電池スタック21が「燃料電池」に相当し、アノードオフガス配管73,74が「アノードオフガス配管」に相当する。また、凝縮器62が「凝縮部」に相当し、改質器23が「改質部」に相当し、燃焼器24が「燃焼部」に相当し、モジュールケース29が「モジュールケース」に相当する。また、排熱回収装置60が「循環部」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、燃料電池システムの製造産業などに利用可能である。
1 原燃料供給源、10 燃料電池システム、20 発電モジュール、21 燃料電池スタック、22 気化器、23 改質器、24 燃焼器、25 着火ヒータ、26,27 熱交換器、28 燃焼触媒、29 モジュールケース、30 原燃料ガス供給装置、31 原燃料ガス供給管、32,33 開閉弁、34 オリフィス、35 ゼロガバナ、36 ガスポンプ、38 脱硫器、39 流量センサ、40 改質水供給装置、41 改質水供給管、42 改質水タンク、43 改質水ポンプ、44 凝縮水配管、50 エア供給装置、51 エア供給管、52 エアフィルタ、53 エアポンプ、60 排熱回収装置、61 貯湯タンク、62 凝縮器、63 循環配管、64 循環ポンプ、65 ラジエータ、66 ラジエータファン、67 電気ヒータ、68 温度センサ、71 アノードガス配管、72 カソードガス配管、73,74 アノードオフガス配管、75 カソードオフガス配管、76 燃焼排ガス配管、80 還流装置、81 還流配管、81 電磁弁、82 オリフィス、90 制御装置、91 CPU、92 ROM、93 RAM、95,96 温度センサ。

Claims (5)

  1. アノードガスとカソードガスとの反応により発電する燃料電池と、
    前記燃料電池で発生したアノードオフガスが流れるアノードオフガス配管と、
    を備え、
    前記アノードオフガス配管の少なくとも一部の内面に、セラミックを主成分とした酸化膜が形成されている、
    燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記酸化膜の膜厚は、0.1μm~3μmである、
    燃料電池システム。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、
    前記酸化膜は、金属の構成元素としてAl,MgまたはSiを含有する、
    燃料電池システム。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記アノードオフガス配管に設置され、前記アノードオフガスに含まれる水蒸気を凝縮させる凝縮部と、
    前記凝縮部により凝縮された水を用いて原燃料ガスを水蒸気改質して前記アノードガスを生成する改質部と、
    前記アノードオフガス配管に接続され、該アノードオフガス配管から供給されるアノードオフガスを燃焼させる燃焼部と、
    前記燃料電池と前記改質部と前記燃焼部と前記アノードオフガス配管の一部を収容する断熱性のモジュールケースと、
    を備え、
    前記凝縮器は、前記モジュールケース外に設置され、
    前記酸化膜は、前記アノードオフガス配管の前記凝縮部よりも下流側における前記モジュールケース内に収容された部位の内面と前記燃焼部の内面とに形成されている、
    燃料電池システム。
  5. アノードガスとカソードガスとの反応により発電する燃料電池と、前記燃料電池で発生したアノードオフガスが流れるアノードオフガス配管と、前記アノードオフガス配管に設置され前記アノードオフガスと熱交換媒体との熱交換により前記アノードオフガスに含まれる水蒸気を凝縮させる凝縮部と、前記熱交換媒体を循環させる循環部と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    前記凝縮部における水蒸気の凝縮が通常発電時よりも抑制されるように前記循環部を制御することで、前記アノードオフガス配管にセラミックを成分として含む酸化膜を形成する酸化膜形成制御を実行する、
    燃料電池システムの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117317320A (zh) * 2023-10-18 2023-12-29 成都岷山绿氢能源有限公司 一种燃料电池系统及燃料电池系统启动方法

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