JP2023069618A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成により、要求出力の増加に対応しつつ、スチームカーボン比の過剰な低下を抑制する。【解決手段】燃料電池システムは、要求出力に基づいて原燃料ガスの目標流量を設定すると共にスチームカーボン比が目標比となるように原燃料ガスの目標流量に基づいて改質水の目標流量を設定して原燃料ガス供給部と改質水供給部とを制御するものにおいて、要求出力が増加した場合に燃料電池の出力が出力増加速度の設定値に従って増加するように原燃料ガスの目標流量を設定する。そして、燃料電池の出力が所定出力範囲内にある場合には、所定出力範囲外にある場合に比して、出力増加速度を低下させる。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
従来、この種の燃料電池システムとしては、改質用水を気化するための気化器と、気化器に改質用水を供給するための水供給ポンプと、燃料ガスを水蒸気改質するための改質器と、改質器に燃料ガスを供給するための燃料ガスポンプと、改質器にて改質された改質燃料ガス及び酸化材の酸化及び還元によって発電を行なうセルスタックと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、水供給ポンプは、改質用水をパルス状に送給するパルス状定量ポンプにより構成される。更に、気化器内の上部には、供給された改質用水が噴出して飛散するための飛散空間が設けられ、気化器内の下部には、伝熱促進のための充填物及び/又は伝熱フィンが設けられている。これにより、改質用水の供給量に関係なく供給された改質用水が広い領域に飛散して気化するため、発電出力が大きくなって改質用水の供給量が急増しても、その一部が蒸発せずに拡がる時間がほとんどなくなり、スチームカーボン比の一時的な低下を緩和することができる、としている。
特開2018-77990号公報
上述した燃料電池システムでは、気化器に伝熱促進用の充填物や伝熱フィンが必要であり、構造が複雑化すると共にコストアップを招いてしまう。また、気化器の構造によって改質水の気化を促すものとしても、改質水の供給量が急増すればその気化にも限界がある。
本発明の燃料電池システムは、簡易な構成により、要求出力の増加に対応しつつ、スチームカーボン比の過剰な低下を抑制することを主目的とする。
本発明の燃料電池システムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の燃料電池システムは、
燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、
水蒸気により原燃料ガスを改質して前記燃料ガスを生成する改質部と、
改質水を気化させて前記水蒸気を生成する気化部と、
前記改質部に前記原燃料ガスを供給する原燃料ガス供給部と、
前記気化部に前記改質水を供給する改質水供給部と、
要求出力に基づいて前記原燃料ガスの目標流量を設定すると共にスチームカーボン比が目標比となるように前記原燃料ガスの目標流量に基づいて前記改質水の目標流量を設定して前記原燃料ガス供給部と前記改質水供給部とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記要求出力が増加した場合に前記燃料電池の出力が出力増加速度の設定値に従って増加するように前記原燃料ガスの目標流量を設定し、
前記燃料電池の出力が所定出力範囲内にある場合には、前記所定出力範囲外にある場合に比して、前記出力増加速度を低下させる、
ことを要旨とする。
この本発明の燃料電池システムは、要求出力に基づいて原燃料ガスの目標流量を設定すると共にスチームカーボン比が目標比となるように原燃料ガスの目標流量に基づいて改質水の目標流量を設定して原燃料ガス供給部と改質水供給部とを制御するものにおいて、要求出力が増加した場合に燃料電池の出力が出力増加速度の設定値に従って増加するように原燃料ガスの目標流量を設定する。そして、燃料電池の出力が所定出力範囲内にある場合には、所定出力範囲外にある場合に比して、出力増加速度を低下させる。これにより、所定出力範囲外での燃料電池の要求出力の変動に対しては、出力増加速度を比較的高くすることで、出力応答性を良好にすることができる。また、所定出力範囲を跨ぐような燃料電池の要求出力の変動に対しては、出力増加速度を一時的に低下させて改質水の気化を待つことで、スチームカーボン比の過剰な低下を抑制することができる。これらの結果、簡易な構成により、要求出力の増加に対応しつつ、スチームカーボン比の過剰な低下を抑制することができる。
こうした本発明の燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記燃料電池の出力が前記所定出力範囲の境界から当該所定出力範囲内の所定値に近づくにつれて徐々に低くなるように前記出力増加速度を設定してもよいし、前記燃料電池の出力が前記所定出力範囲の境界を跨ぐときにステップ的に低下するように前記出力増加速度を設定してもよい。
本実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。 発電制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 出力増加速度設定用マップの一例を示す説明図である。 出力増加速度を最大速度として出力電力を要求出力まで増加させた場合の当該要求出力とスチームカーボン比との関係を説明する説明図である。 変形例の出力増加速度設定用マップを示す説明図である。 変形例の出力増加速度設定用マップを示す説明図である。
本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の燃料電池システム10の概略構成図である。本実施形態の燃料電池システム10は、図示するように、アノードガス中の水素とカソードガス中の酸素との電気化学反応により発電する燃料電池スタック21を含む発電モジュール20と、原燃料ガス供給管31を介して発電モジュール20にアノードガスの原料となる原燃料ガス(例えば天然ガスやLPガス)を供給する原燃料ガス供給装置30と、発電モジュール20に原燃料ガスからアノードガスへの改質(水蒸気改質)に必要な改質水を供給する改質水供給装置40と、発電モジュール20(燃料電池スタック21)にカソードガスとしてのエアを供給するエア供給装置50と、発電モジュール20において発生した排熱を回収する排熱回収装置60と、燃料電池スタック21において電気化学反応(発電)に使用されなかった未使用燃料の一部を原燃料ガス供給管31に還流させる還流装置80と、システム全体をコントロールする制御装置100と、を備える。
発電モジュール20は、燃料電池スタック21や、気化器22、改質器23、燃焼器24、2つの熱交換器26,27を含み、これらは、断熱性を有するモジュールケース29に収容されている。
燃料電池スタック21は、酸化ジルコニウム等の電解質と当該電解質を挟持するアノード電極およびカソード電極とをそれぞれ有し、左右方向(水平方向)に配列された複数の固体酸化物形の単セルを備える。各単セルのアノード電極内には、図示しないアノードガス通路が形成されている。また、各単セルのカソード電極内には、図示しないカソードガス通路が形成されている。更に、燃料電池スタック21の近傍には、温度センサ112が設置されている。温度センサ112は、燃料電池スタック21の温度に相関する温度(スタック相関温度)を検出する。
発電モジュール20の気化器22および改質器23は、モジュールケース29内の燃料電池スタック21の上方に間隔をおいて配設される。また、燃料電池スタック21と気化器22および改質器23との間には、燃料電池スタック21の作動や、気化器22および改質器23での反応に必要な熱を発生させる燃焼器24が配設される。燃焼器24には、着火ヒータ25が設置されている。
気化器22は、燃焼器24からの熱により原燃料ガス供給装置30からの原燃料ガスと改質水供給装置40からの改質水とを加熱し、原燃料ガスを予熱すると共に改質水を蒸発させて水蒸気を生成する。気化器22により予熱された原燃料ガスは、水蒸気と混合され、その混合ガスは、当該気化器22から改質器23に流入する。また、改質器23の入口付近には、当該改質器23に流入する混合ガスの温度(気化器温度)を検出する温度センサ111が設置されている。
改質器23は、その内部に充填された例えばRu系またはNi系の改質触媒を有し、燃焼器24からの熱の存在下で、改質触媒による気化器22からの混合ガスの反応(水蒸気改質反応)によって水素ガスと一酸化炭素とを生成する。更に、改質器23は、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気との反応(一酸化炭素シフト反応)によって水素ガスと二酸化炭素とを生成する。これにより、改質器23によって、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未改質の原燃料ガス等を含むアノードガスが生成されることになる。改質器23により生成されたアノードガスは、アノードガス配管71を通って各単セルのアノードガス通路へ流入し、アノード電極に供給される。
また、カソードガスとしてのエアは、カソードガス配管72を介して各単セルのカソードガス通路へ流入し、カソード電極に供給される。各単セルのカソード電極では、酸化物イオン(O2 -)が生成され、当該酸化物イオンが電解質を透過してアノード電極で水素や一酸化炭素と反応することにより電気エネルギが得られる。
各単セルにおいて電気化学反応(発電)に使用されなかったアノードガス(以下、「アノードオフガス」という)は、アノードオフガス配管73を通って凝縮器62に供給され、凝縮器62により冷却させられてアノードオフガスに含まれる水蒸気が除去された後、アノードオフガス配管74を通って燃焼器24に供給される。アノードオフガス配管73,74には熱交換器26が設置され、アノードオフガス配管74を流れるアノードオフガス(凝縮器62を通過した後のアノードオフガス)は、熱交換器26において燃料電池スタック21からアノードオフガス配管73を流れる高温のアノードオフガス(凝縮器62を通過する前のアノードオフガス)との熱交換により昇温させられる。また、各単セルにおいて電気化学反応(発電)に使用されなかったカソードガス(以下、「カソードオフガス」という)は、カソードオフガス配管75を通って燃焼器24に供給される。
燃焼器24に流入したアノードオフガスは、水素や一酸化炭素等の燃料成分を含む可燃性ガスであり、燃焼器24に流入した酸素を含むカソードオフガスと混合される。そして、着火ヒータ25により点火させられて燃焼器24で混合ガスが着火すると、当該混合ガスの燃焼により、燃料電池スタック21の作動や、気化器22での原燃料ガスの予熱や水蒸気の生成、改質器23での水蒸気改質反応等に必要な熱が発生することになる。また、燃焼器24では、未燃燃料を含む燃焼排ガスが生成され、当該燃焼排ガスは、燃焼排ガス配管76を通り、熱交換器27および燃焼触媒28を経て外気へ排出される。燃焼触媒28は、燃焼排ガス中の未燃燃料を再燃焼させるための酸化触媒である。
原燃料ガス供給装置30は、原燃料ガスを供給する原燃料供給源1と気化器22とを接続する原燃料ガス供給管31と、当該原燃料ガス供給管31に設置された開閉弁(2連弁)32,33、オリフィス34、ゼロガバナ(均圧弁)35、ガスポンプ36および脱硫器38とを有する。原燃料ガスは、ガスポンプ36を作動させることで、原燃料供給源1から脱硫器38を介して気化器22へと圧送(供給)される。また、原燃料ガス供給管31のオリフィス34とゼロガバナ35との間には、原燃料ガス供給管31を流れる原燃料ガスの単位時間当りの流量(ガス流量Qg)を検出する流量センサ39が設置されている。
改質水供給装置40は、改質水を貯留する改質水タンク42と、改質水タンク42と気化器22とを接続する改質水供給管41と、改質水供給管41に設置された改質水ポンプ43と、を有する。改質水タンク42内の改質水は、改質水ポンプ43を作動させることで、当該改質水ポンプ43により気化器22へと圧送(供給)される。
エア供給装置50は、モジュールケース29内に設置されたカソードガス配管72に接続されるエア供給管51と、エア供給管51の入口に設けられたエアフィルタ52と、エア供給管51に設置されたエアポンプ53と、を有する。エアポンプ53を作動させることで、カソードガスとしてのエアは、エアフィルタ52を介してエア供給管51に吸引され、カソードガス配管72を通って燃料電池スタック21(カソード電極)へと圧送(供給)される。カソードガス配管72を流れるエアは、熱交換器27において燃焼排ガス配管76を流れる高温の燃焼排ガスと熱交換されて昇温させられる。
排熱回収装置60は、湯水を貯留する貯湯タンク61と、燃料電池スタック21からアノードオフガス配管73を流れるアノードオフガスと湯水とを熱交換してアノードオフガス中に含まれる水蒸気を凝縮させる凝縮器62と、貯湯タンク61と凝縮器62とに接続された循環配管63と、循環配管63に組み込まれた循環ポンプ64と、を有する。貯湯タンク61内に貯留されている湯水は、循環ポンプ64を作動させることで、凝縮器62へと導入され、凝縮器62でアノードオフガスとの熱交換によって昇温させられた後、貯湯タンク61へと返送される。
また、凝縮器62におけるアノードオフガス側の通路出口には、凝縮水配管44とアノードオフガス配管74とが接続されており、アノードオフガス中の水蒸気が貯湯タンク61からの湯水との熱交換により凝縮することにより得られた凝縮水は、凝縮水配管44を通って改質水タンク42内に導入される。なお、改質水タンク42には、凝縮水配管44を通過した凝縮水を精製する図示しない水精製器が設置されている。また、上述したように、凝縮器62において水蒸気が除去されたアノードオフガスは、アノードオフガス配管74を通って燃焼器24に供給される。
更に、排熱回収装置60は、循環配管63に組み込まれたラジエータ65と、ラジエータ65にエアを送るラジエータファン(電動ファン)66と、発電モジュール20で発電した電力を消費して循環配管63内の湯水を加熱する電気ヒータ67と、を有する。ラジエータ65は、循環配管63の循環ポンプ64と凝縮器62との間に位置するように設置されている。電気ヒータ67は、循環配管63のラジエータ65と循環ポンプ64との間に位置するように設置されている。
還流装置80は、アノードオフガス配管74から分岐すると共に原燃料ガス供給管31におけるゼロガバナ35とガスポンプ36との間に接続される還流配管81と、還流配管81に設置される電磁弁82と、還流配管81に形成されるオリフィス83と、を有する。電磁弁82は、常閉式の開閉弁であり、アノードオフガス配管74から原燃料ガス供給管31へのアノードオフガスの還流ラインは、電磁弁82が閉弁された状態において遮断され、電磁弁82を開弁することにより開放される。
燃料電池スタック21の出力端子には、パワーコンディショナ90の入力端子が接続され、当該パワーコンディショナ90の出力端子は、リレーを介して電力系統2から負荷4への電力ライン3に接続されている。パワーコンディショナ90は、燃料電池スタック21から出力された直流電力を所定電圧(例えば、DC250V~300V)の直流電力に変換するDC/DCコンバータや、変換された直流電力を電力系統と連系可能な電圧(例えば、AC200V)の交流電力に変換するインバータを有する。これにより、燃料電池スタック21からの直流電力を交流電力に変換して家電製品等の負荷4に供給することが可能となる。パワーコンディショナ90には電源基板91が接続されている。電源基板91は、燃料電池スタック21からの直流電力や電力系統2からの交流電源を低圧の直流電力に変換して、ガスポンプ36や改質水ポンプ43、エアポンプ53、循環ポンプ64等の補機類、流量センサ39や温度センサ111,112、電流センサ113、電圧センサ114等のセンサ類、制御装置100へ供給する。また、パワーコンディショナ90や電源基板91等が配置される補機室には、当該パワーコンディショナ90や電源基板91を冷却するための図示しない冷却ファンと換気ファンとが配置されている。冷却ファンは、パワーコンディショナ90や電源基板91の発熱部に空気を送り込む。発熱部を冷却して昇温した空気は、換気ファンにより大気中に排出される。
制御装置100は、CPU101を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU101の他に処理プログラムを記憶するROM102と、データを一時的に記憶するRAM103と、図示しない入出力ポートと、を備える。制御装置100には、燃料電池スタック21から出力される電流(出力電流I)を検出する電流センサ113や、燃料電池スタック21から出力される電圧(出力電圧V)を検出する電圧センサ114、流量センサ39、温度センサ111,112等からの各種検出信号が入力ポートを介して入力されている。また、制御装置100からは、開閉弁32,33のソレノイドや、ガスポンプ36のポンプモータ、改質水ポンプ43のポンプモータ、エアポンプ53のポンプモータ、循環ポンプ64のポンプモータ、着火ヒータ25、電磁弁82のソレノイド等への各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。また、制御装置100には、無線式または有線式の通信回線を介して図示しないリモコンが接続される。制御装置100は、燃料電池システム10のユーザにより操作された当該リモコンからの信号に基づいて各種制御を実行する。
次に、こうして構成された燃料電池システム10の動作について説明する。図2は、制御装置100のCPU101により実行される発電制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、システムが起動されたときに所定時間毎(例えば、数msec毎や数十msec毎)に繰り返し実行される。
発電制御ルーチンが実行されると、制御装置100のCPU101は、まず、負荷4が要求する要求出力(要求電力)Preqや、電流センサ113により検出される出力電流I、電圧センサ114により検出される出力電圧V等を入力する(ステップS100)。続いて、入力した要求出力Preqと出力電圧Vとに基づいて燃料電池スタック21から出力すべき要求電流Ireqを設定する(ステップS110)。次に、入力した出力電流Iに基づいて出力増加速度ΔIを設定する(ステップS120)。ここで、出力増加速度ΔIは、要求電流Ireq(要求出力Preq)が急増した場合に出力電流I(出力電力)の急増を緩和するための単位時間当りに許容される出力電流I(出力電力)の増加量であり、出力電流Iの増加に伴う出力電圧Vの低下の速度が予め定められた仕様上限を超えないように設定される。出力増加速度ΔIの設定は、例えば、出力増加速度ΔIと出力電流Iとの関係を予め実験等により求めて出力増加速度設定用マップとしてROM102に記憶しておき、出力電流Iが与えられると、マップから対応する出力増加速度ΔIを導出することにより行なわれる。出力増加速度設定用マップの一例を図3に示す。図示するように、出力増加速度ΔIは、出力電流Iが第1電流I1以下で第3電流I3以上の場合に、最大速度ΔImaxとなり、第1電流I1よりも大きく第3電流I3よりも小さい出力範囲内において、中間の第2電流I2に近いほど低くなるように設定される。なお、出力増加速度ΔIは、出力電流の増加速度として設定したが、出力電力の増加速度として設定してもよい。また、出力増加速度設定用マップは、出力電流Iと出力増加速度との関係として定めたが、出力電力と出力増加速度との関係として定めてもよい。
出力増加速度ΔIを設定すると、出力電流Iに出力増加速度ΔIを加えたものと要求電流Ireqとのうち小さい方を目標出力電流Itagに設定する(ステップS130)。すなわち、単位時間当りの出力電流Iの増加量が出力増加速度ΔIを超えない範囲内で要求電流Ireqが出力されるように目標出力電流Itagを設定する。そして、燃料利用率Uf(アノードに供給した燃料ガスの量に対する発電に利用された燃料ガスの量の割合)が目標利用率Uftagとなるように、目標出力電流Itagに基づいて原燃料ガス供給装置30が供給する原燃料ガスの目標流量である目標ガス流量Qgtagを設定する(ステップS140)。
次に、改質器23におけるスチームカーボン比SC(原燃料ガス中の炭化水素に含まれる炭素と水蒸気改質のために添加される水蒸気とのモル比)が目標比SCtagとなるように、目標ガス流量Qgtagに基づいて改質水供給装置40が供給する改質水の目標流量である目標改質水流量Qwtagを設定する(ステップS150)。更に、空気利用率Uaが目標利用率Uatagとなるように、エア供給装置50が供給するエアの目標流量である目標エア流量Qatagを設定する(ステップS160)。
こうして目標ガス流量Qgtagと目標改質水流量Qwtagと目標エア流量Qatagとを設定すると、目標ガス流量Qgtagで原燃料ガスが供給されるようにガスポンプ36を制御すると共に(ステップS170)、目標改質水流量Qwtagで改質水が供給されるように改質水ポンプ43を制御し(ステップS180)、目標エア流量Qatagでエアが供給されるようにエアポンプ53を制御して(ステップS190)、発電制御ルーチンを終了する。なお、原燃料ガス供給管31には流量センサ39が設置されており、ガスポンプ36の制御は、目標ガス流量Qgtagと流量センサ39からのガス流量Qgとの偏差に基づいてフィードバック制御(例えば比例積分制御)により行なわれる。
ここで、燃料電池システム10が低出力で運転している状態から高出力で運転するよう要求出力Preqが急増した場合を考える。要求出力Preqに対応するために気化器22への原燃料ガスの供給量と共に改質水の供給量が急増した場合、当該気化器22から改質水への熱伝達が律速となって改質水の気化に時間を要するため、原燃料ガスの供給量に対して水蒸気の生成量が不足し、一時的にスチームカーボン比SCが低下する現象が生じる。スチームカーボン比SCが低下し過ぎると、改質触媒や燃料電池スタック21の電極において、炭素成分の析出し、燃料電池スタック21等が故障するおそれがある。出力増加速度ΔIを設定し、要求出力Preqの急増に対して出力増加速度ΔIに従って目標出力電流Itagを増加させことで、気化器22の気化能力を大幅に超えて改質水が増量されるのを抑制し、スチームカーボン比SCの過剰な低下を抑制することができる。
一方、図3の一点鎖線で示すように、出力電流Iに対して出力増加速度ΔIを全体的に低下させると、出力応答性が低下し、負荷変動に対して良好に追従させることができない。そこで、本実施形態では、出力電流Iが所定出力範囲外にある(第1電流I1以下で第3電流I3以上の)場合に出力増加速度ΔIに高速度(最大速度ΔImax)を設定し、出力電流Iが所定出力範囲内にある(第1電流I1よりも大きく第3電流I3よりも小さい)場合に、出力増加速度ΔIを低くする。これにより、低出力で運転している状態から所定出力範囲を跨いで高出力で運転するように要求出力Preqが急増した場合において、出力増加速度ΔIは、高速度、低速度、高速度の順に変化する。すなわち、気化器22へ供給される原燃料ガスおよび改質水の単位時間当りの増加量が大、小、大の順に変化する。これにより、要求出力Preqの急増に伴って気化器22へ供給する改質水を大きく増量した後、改質水の増加量を一時的に小さくすることで、それまでに供給した改質水の気化を待つ待ち時間が確保されるため、スチームカーボン比SCが過剰に低下するのを抑制しつつ、出力応答性を良好にすることができる。
図4は、出力増加速度ΔIを最大速度ΔImaxとして出力電力Pを要求出力Preqまで増加させた場合の当該要求出力Preqとスチームカーボン比SCとの関係を説明する説明図である。図中、SClimは、スチームカーボン比SCの許容範囲における下限値を示す。また、図中、実線は、出力電力Pを0Wから要求出力Preqまで増加させた場合の関係を示し、一点鎖線は、出力電力Pを100Wからこれよりも大きい要求出力Preqまで増加させた場合の関係を示し、二点鎖線は、出力電力Pを300Wからこれよりも大きい要求出力Preqまで増加させた場合の関係を示し、破線は、出力電力Pを500Wからこれよりも大きい要求出力Preqまで増加させた場合の関係を示す。図示するように、出力電力Pを0Wから要求出力Preqまで増加させる場合、340W付近までであれば、出力増加速度ΔIを最大速度ΔImaxとして出力電力を増加させても、スチームカーボン比SCはその下限値SClimを下回らない。また、出力電力Pを100Wから要求出力Preqまで増加させる場合、410W付近までであれば、出力増加速度ΔIを最大速度ΔImaxとして出力電力を増加させても、スチームカーボン比SCはその下限値SClimを下回らない。更に、出力電力Pを300W以上から要求出力Preqまで増加させる場合は、定格出力(700W)まで出力増加速度ΔIを最大速度ΔImaxとして増加させても、スチームカーボン比SCはその下限値SClimを下回らない。こうした関係を踏まえて、出力電流I(出力電力)と出力増加速度ΔIとの関係(出力増加速度設定用マップ)を定めることにより、スチームカーボン比SCが過剰に低下するのを抑制しつつ、出力応答性を良好にすることができる。
以上説明した本実施形態の燃料電池システム10では、要求出力Preqに基づいて目標ガス流量Qgtagを設定すると共にスチームカーボン比SCが目標比SCtagとなるように目標ガス流量Qgtagに基づいて目標改質水流量Qwtagを設定して原燃料ガス供給装置30と改質水供給装置40とを制御するものにおいて、要求出力Preqが増加した場合に出力電流Iが出力増加速度ΔIに従って増加するように目標ガス流量Qgtagを設定する。そして、出力電流Iが所定出力範囲内(第1電流I1以上で第3電流I3以下)にある場合には、所定出力範囲外にある場合に比して、出力増加速度ΔIを低下させる。これにより、所定出力範囲外での要求出力Preqの変動に対しては、出力増加速度ΔIを比較的高くすることで、出力応答性を良好にすることができる。また、所定出力範囲を跨ぐような要求出力Preqの変動に対しては、出力増加速度ΔIを一時的に低下させて改質水の気化を待つことで、スチームカーボン比の過剰な低下を抑制することができる。これらの結果、簡易な構成により、要求出力の増加に対応しつつ、スチームカーボン比の過剰な低下を抑制することができる。
上述した実施形態では、出力増加速度設定用マップは、第1電流I1以上第2電流I2未満の出力範囲において出力電流Iが大きくなるにつれて出力増加速度ΔIが徐々に低くなり、第2電流I2以上第3電流I3未満の出力範囲において出力電流Iが大きくなるにつれて出力増加速度ΔIが徐々に高くなるように構成されるものとした。しかし、図5の変形例の出力増加速度設定用マップに示すように、第1電流I1以上第3電流I3未満の出力範囲において出力増加速度ΔIがステップ状に低下するように構成されてもよい。
上述した実施形態では、出力増加速度ΔIを低下させる出力範囲を1箇所だけ設けるものとしたが、図6の変形例の出力増加速度設定用マップに示すように、出力増加速度ΔIが低下する出力範囲を複数箇所設けてもよい。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、燃料電池スタック21が本発明の「燃料電池」に相当し、改質器23が「改質部」に相当し、気化器22が「気化部」に相当し、原燃料ガス供給装置30が「原燃料ガス供給部」に相当し、改質水供給装置40が「改質水供給部」に相当し、制御装置100が「制御部」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、燃料電池システムの製造産業などに利用可能である。
1 原燃料供給源、2 電力系統、3 電力ライン、4 負荷、10 燃料電池システム、20 発電モジュール、21 燃料電池スタック、22 気化器、23 改質器、24 燃焼器、25 着火ヒータ、26,27 熱交換器、28 燃焼触媒、29 モジュールケース、30 原燃料ガス供給装置、31 原燃料ガス供給管、32,33 開閉弁、34 オリフィス、35 ゼロガバナ、36 ガスポンプ、38 脱硫器、39 流量センサ、40 改質水供給装置、41 改質水供給管、42 改質水タンク、43 改質水ポンプ、44 凝縮水配管、50 エア供給装置、51 エア供給管、52 エアフィルタ 、53 エアポンプ、60 排熱回収装置、61 貯湯タンク、62 凝縮器、63 循環配管、64 循環ポンプ、65 ラジエータ、67 電気ヒータ、71 アノードガス配管、72 カソードガス配管、73,74 アノードオフガス配管、75 カソードオフガス配管、76 燃焼排ガス配管、78 パワーコンディショナ、79 電源基板、80 還流装置、81 還流配管、82 電磁弁、83 オリフィス、90 制御装置、91 CPU、92 ROM、93 RAM、95,96 温度センサ、97 電流センサ、98 電圧センサ。

Claims (3)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電する燃料電池と、
    水蒸気により原燃料ガスを改質して前記燃料ガスを生成する改質部と、
    改質水を気化させて前記水蒸気を生成する気化部と、
    前記改質部に前記原燃料ガスを供給する原燃料ガス供給部と、
    前記気化部に前記改質水を供給する改質水供給部と、
    要求出力に基づいて前記原燃料ガスの目標流量を設定すると共にスチームカーボン比が目標比となるように前記原燃料ガスの目標流量に基づいて前記改質水の目標流量を設定して前記原燃料ガス供給部と前記改質水供給部とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記要求出力が増加した場合に前記燃料電池の出力が出力増加速度の設定値に従って増加するように前記原燃料ガスの目標流量を設定し、
    前記燃料電池の出力が所定出力範囲内にある場合には、前記所定出力範囲外にある場合に比して、前記出力増加速度を低下させる、
    燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記燃料電池の出力が前記所定出力範囲の境界から当該所定出力範囲内の所定値に近づくにつれて徐々に低くなるように前記出力増加速度を設定する、
    燃料電池システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記制御部は、前記燃料電池の出力が前記所定出力範囲の境界を跨ぐときにステップ的に低下するように前記出力増加速度を設定する、
    燃料電池システム。
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