JP2022031103A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】改質器に対して改質反応に必要な熱を確保すると共に、燃料電池スタックの温度上昇を抑制してその耐久性の向上を図る。【解決手段】燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池スタックと、原燃料ガスを改質して燃料ガスを生成する改質器と、燃料電池スタックからの排出ガスを燃焼する燃焼器と、を備える。燃焼器は、燃料電池スタックと離間して設置される。改質器は、燃焼器と熱伝達可能に接触して設置された第1改質器と、第1改質器と離間すると共に燃料電池スタックと熱伝達可能に接触して設置された第2改質器と、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
従来、この種の燃料電池システムとしては、燃料電池セルスタックと、燃料電池セルスタックの上に配置された改質器と、改質器の上に配置された燃焼器と、燃料電池セルスタック,改質器および燃焼器を覆う断熱体と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この燃料電池システムでは、改質器は、燃料電池スタックと燃焼器との間に配置され且つ熱交換可能とされており、改質器の改質反応に必要な熱を燃料電池スタックおよび燃焼器の両側から受けることができる。これにより、改質器からの熱の拡散を抑制し、改質器を効率的に加熱して燃料電池システムの発電効率を向上させることができるとしている。
上述した燃料電池システムでは、燃料電池セルスタック,改質器および燃焼器のそれぞれのユニット間に隙間があり、授熱量が限定されてしまう。また、燃料電池セルスタック,改質器および燃焼器は、断熱体に覆われているため、改質器を加熱するために燃焼器の発熱量を上げると、燃料電池スタックも授熱し、燃料電池スタックの温度上昇によって耐久性が低下するおそれが生じる。
本発明の燃料電池システムは、改質器に対して改質反応に必要な熱を確保すると共に、燃料電池スタックの温度上昇を抑制してその耐久性の向上を図ることを主目的とする。
本発明の燃料電池システムは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の燃料電池システムは、
燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池スタックと、
原燃料ガスを改質して前記燃料ガスを生成する改質器と、
前記燃料電池スタックからの排出ガスを燃焼する燃焼器と、
を備える燃料電池システムであって、
前記燃焼器は、前記燃料電池スタックと離間して設置され、
前記改質器は、前記燃焼器と熱伝達可能に接触して設置された第1改質器と、前記第1改質器と離間すると共に前記燃料電池スタックと熱伝達可能に接触して設置された第2改質器と、を有する、
ことを要旨とする。
燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池スタックと、
原燃料ガスを改質して前記燃料ガスを生成する改質器と、
前記燃料電池スタックからの排出ガスを燃焼する燃焼器と、
を備える燃料電池システムであって、
前記燃焼器は、前記燃料電池スタックと離間して設置され、
前記改質器は、前記燃焼器と熱伝達可能に接触して設置された第1改質器と、前記第1改質器と離間すると共に前記燃料電池スタックと熱伝達可能に接触して設置された第2改質器と、を有する、
ことを要旨とする。
この本発明の燃料電池システムでは、改質器を、互いに離間する複数の改質器(第1改質器,第2改質器)で構成し、第1改質器を、燃焼器と熱伝達可能に接触して設置し、第2改質器を、燃料電池スタックと熱伝達可能に接触して設置する。これにより、第1改質器は、燃焼器の燃焼熱により加熱され、第2改質器は、燃料電池スタックの発電により生じる熱により加熱されるため、改質反応に必要な熱が不足しないようにすることができる。また、燃焼器は燃料電池スタックと離間して設置されるため、燃料電池スタックの温度上昇を抑制してその耐久性を向上させることができる。
こうした本発明の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池スタックは、前記第2改質器からの燃料ガスの供給を受けて発電する第1燃料電池スタックと、前記第1燃料電池スタックからのオフガスの供給を受けて発電する第2燃料電池スタックと、を有し、前記燃焼器には、前記第2燃料電池スタックを通過したオフガスが供給され、前記第2改質器は、前記第1燃料電池スタックと熱伝達可能に接触して設置されるものとしてもよい。こうすれば、燃料利用率を高めて燃料電池システムの発電効率を向上させつつ、オフガスの減少により改質器において不足する熱を第1燃料電池スタックの発電により生じる熱で賄うことができる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記第1改質器と前記燃焼器とは、金属製のケースにより一体的に構成されているものとしてもよい。こうすれば、燃焼器により第1改質器を効率良く加熱することができる。
さらに、本発明の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池スタックは、前記第2改質器の改質触媒がアノードに組み込まれた内部改質方式の燃料電池スタックを含むものとしてもよい。こうすれば、燃料電池スタックと第2改質器との熱交換を促進して第2改質器を効率良く加熱することができると共に燃料電池スタックの温度上昇を抑制してその耐久性を向上させることができる。
また、本発明の燃料電池システムにおいて、前記燃料電池スタックは、前記第2改質器をアノード同士で挟み込むように設置された複数の燃料電池スタックを有するものとしてもよい。こうすれば、燃料電池スタックの発電により生じる熱により第2改質器を効率良く加熱することができる。
本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の燃料電池システムの概略構成図である。図示するように、燃料電池システム1は、アノードガスとカソードガスとに基づいて発電する第1燃料電池スタック20と第1燃料電池スタック20のオフガスとカソードガス(空気)とに基づいて発電する第2燃料電池スタック30とを含む発電モジュール10と、発電モジュール10にアノードガスの原料となる原燃料ガスを供給する原燃料ガス供給装置(図示せず)と、発電モジュール10に原燃料ガスからアノードガスへ水蒸気改質するのに必要な改質水を供給する改質水供給装置(図示せず)と、発電モジュール10(第1燃料電池スタック20および第2燃料電池スタック30)にカソードガスとしての空気を供給する空気供給装置(図示せず)と、を備える。
発電モジュール10は、第1燃料電池スタック20および第2燃料電池スタック30の他に、気化器42や第1改質器43、第2改質器44、燃焼器45なども備える。これらは、モジュールケース11に収容されている。
第1燃料電池スタック20は、酸化ジルコニウム等の電解質21と当該電解質21を挟持するアノード電極22およびカソード電極23とを有する固体酸化物形の燃料電池スタックとして構成される。第2燃料電池スタック30も、同様の電解質31とアノード電極32およびカソード電極33とを有する固体酸化物形の燃料電池スタックとして構成される。
気化器42は、燃焼器45からの熱により原燃料ガス供給装置からの原燃料ガスと改質水供給装置からの改質水とを加熱し、原燃料ガスを予熱すると共に改質水を蒸発させて水蒸気を生成する。気化器42により予熱された原燃料ガスは、水蒸気と混合され、その混合ガスは、当該気化器42から当該気化器42に隣接する第1改質器43に流入する。
第1改質器43は、その内部に充填された例えばRu系またはNi系の改質触媒を有する外部改質器として構成されるものであり、燃焼器45からの熱の存在下で、改質触媒による気化器42からの混合ガスの反応(水蒸気改質反応)によって水素ガスと一酸化炭素とを生成する。更に、第1改質器43は、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気との反応(一酸化炭素シフト反応)によって水素ガスと二酸化炭素とを生成する。これにより、第1改質器43によって、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気を含むアノードガスおよび未改質の原燃料ガス(部分改質ガス)が生成されることになる。第1改質器43により生成された部分改質ガスは、第2改質器44に流入する。
第2改質器44は、第1燃料電池スタック20のアノード電極22と同一材料により一体化された例えばRu系またはNi系の改質触媒を有する内部改質器として構成されるものであり、第1燃料電池スタック20からの熱の存在下で、部分改質ガス中の未改質の原料ガスを改質触媒による反応(水蒸気改質反応)によってアノードガスに改質する。第1改質器43と第2改質器44とによって生成されたアノードガスは、第1燃料電池スタック20のアノード電極22へ供給される。
また、第1燃料電池スタック20のカソード電極23には、空気供給装置からカソードガスとしての空気が供給される。カソード電極23では、酸化物イオンが生成され、当該酸化物イオンが電解質21を透過してアノード電極22で水素や一酸化炭素と反応することにより電気エネルギが得られる。第1燃料電池スタック20において電気化学反応(発電)に使用されなかったアノードガス(以下、「アノードオフガス」という)は、燃料再生装置50に供給され、電気化学反応(発電)に使用されなかったカソードガス(以下、「カソードオフガス」という)は、燃焼器45に供給される。
燃料再生装置50は、膜分離により第1燃料電池スタック20から流入したアノードオフガス(水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気)から二酸化炭素および水蒸気を分離・除去する。燃料再生装置50により二酸化炭素および水蒸気が分離・除去された後のアノードオフガスの残留ガスである水素および一酸化炭素は、第2燃料電池スタック30のアノード電極32へ供給される。なお、燃料再生装置50は、膜分離以外の手法によって二酸化炭素および水蒸気を分離するものとしてもよいし、燃料再生装置50を省略し、二酸化炭素および水蒸気を分離しないものとしてもよい。
また、第2燃料電池スタック30のカソード電極33には、空気供給装置からカソードガスとしての空気が供給される。カソード電極33では、同様に、酸化物イオンが生成され、当該酸化物イオンが電解質21を透過してアノード電極22で水素や一酸化炭素と反応することにより電気エネルギが得られる。第2燃料電池スタック30のアノードオフガスおよびカソードオフガスは、それぞれ燃焼器45へ供給される。
燃焼器45は、第1燃料電池スタック20および第2燃料電池スタック30として離間して設置される。この燃焼器45は、金属製のケース41により気化器42および第1改質器43と一体化されると共に内部に点火ヒータを有する。燃焼器45に流入したアノードオフガスは、水素や一酸化炭素等の燃料成分を含む可燃性ガスであり、燃焼器45に流入した酸素を含むカソードオフガスと混合される。着火ヒータにより点火させられてアノードオフガスが着火すると、当該アノードオフガスの燃焼により、気化器42での原燃料ガスの予熱や水蒸気の生成、第1改質器43での水蒸気改質反応等に必要な熱が発生することになる。また、燃焼器45では、アノードオフガスの燃料により燃焼排ガスが生成され、生成された燃焼排ガスは、空気供給装置からカソード電極23,33への空気供給管に設置された熱交換器46を通過し、当該空気供給管内を流れる空気を加熱してモジュールケース11外へ排出される。なお、本実施形態の燃料電池システム1は、貯湯タンクを備え、モジュールケース11外へ排出された燃焼排ガスとの熱交換により湯水を加熱して貯湯タンクに貯湯するコージェネレーションシステムとして構成されてもよい。
こうして構成された本実施形態の燃料電池システム1では、原燃焼ガスから水蒸気改質されたアノードガスとカソードガスとにより発電する第1燃料電池スタック20と、第1燃料電池スタック20のアノードオフガスとカソードオフガスとにより発電する第2燃料電池スタック30と、を備えており、これにより、アノードオフガスを発電に再利用しないものに比して、燃料利用率を大幅に高めることができ、発電効率を向上させることができる。一方で、燃料利用率を高めると、燃焼器45で燃焼に使用されるアノードオフガスが減少するから、水蒸気改質に必要な熱を確保することが困難となる。そこで、本実施形態では、原燃焼ガスからアノードガスに改質する改質器として、2つの改質器(第1改質器43、第2改質器44)を設置するものとし、上流側の第1改質器43(外部改質器)の水蒸気改質反応に必要な熱を燃焼器45でのアノードオフガスの燃焼により供給し、下流側の第2改質器44(内部改質器)の水蒸気改質反応に必要な熱を第1燃料電池スタック20の発電により生じる熱(ジュール熱)により供給する。これにより、燃料電池スタック(第1燃料電池スタック20、第2燃料電池スタック30)の燃料利用率を高めつつ、原燃料ガスからアノードガスへの水蒸気改質反応に必要な熱を十分に確保することができる。
以上説明した本実施形態の燃料電池システム1によれば、オフガスを燃焼する燃焼器45を燃料電池スタック(第1燃料電池スタック20および第2燃料電池スタック30)から離間して設置し、水蒸気改質する改質器を、複数の改質器(第1改質器43,第2改質器44)により構成して、一方の第1改質器43を、燃焼器45と熱伝達可能に接触して配置し、他方の第2改質器44を、第1改質器43から離間させると共に第1燃料電池スタック20のアノード電極22と熱伝達可能に接触して配置する。第1改質器43は燃焼器45の燃焼により生じる熱により加熱され、第2改質器44は第1燃料電池スタック20の発電により生じる熱(ジュール熱)により加熱されるため、水蒸気改質反応に必要な熱が不足しないようにすることができる。また、燃焼器45は第1燃料電池スタック20から離間して設置されるため、第1燃料電池スタック20の温度上昇を抑制してその耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、第1改質器43と燃焼器45とは、金属製のケース41により一体的に構成されているため、燃焼器45により第1改質器43を効率良く加熱することができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1では、第1燃料電池スタック20は、第2改質器44の改質触媒がアノード電極22に組み込まれた内部改質方式の燃料電池スタックとして構成されるため、第2改質器44と第1燃料電池スタック20との熱交換を促進して第2改質器44を効率良く加熱することができると共に第1燃料電池スタック20の温度上昇を抑制してその耐久性を向上させることができる。
上述した実施形態では、燃料電池システム1は、2つの燃料電池スタック(第1燃料電池スタック20および第2燃料電池スタック30)を有するものとしたが、改質器が少なくとも1つの燃料電池スタックと熱伝達可能に接触して設置されているものであれば、燃料電池スタックの数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。例えば、図2に示すように、それぞれ電解質21a,21bとアノード電極22a,22bとカソード電極23a,23bとを有すると共に互いのアノード電極22a,22bが向かい合う2つの燃料電池スタック20a,20bを備え、第2改質器44は、アノード電極22a,22b同士に挟み込まれるように設置されてもよい。これにより、2つの燃料電池スタック20a,20bにより第2改質器44を効率良く加熱することができる。
上述した実施形態では、第2改質器44は、第1燃料電池スタック20に組み込まれた内部改質器として構成されるものとした。しかし、第1燃料電池スタック20と熱伝達可能に接触して設置されるものであれば、内部改質器として構成されるものに限られず、外部改質器として構成されてもよい。
上述した実施形態では、第2改質器44は、第1燃料電池スタック20のアノード電極22と同じ材料により形成された改質触媒を有するものとした。しかし、アノード電極22と異なる材料により形成された改質触媒を有するものとしてもよい。
次に、他の実施形態における発電モジュールを含む燃料電池システムについて説明する。図3は、他の実施形態における燃料電池システムの概略構成図である。なお、図中、他の実施形態における燃料電池システムの構成のうち本実施形態と同一の構成については同一の符号を付した。他の実施形態における燃料電池システムは、第1燃料電池スタック20と第2燃料電池スタック30とを含む発電モジュール110と、原燃料ガス供給装置と、改質水供給装置と、空気供給装置と、制御装置160とを備える。発電モジュール110は、図示するように、本実施形態における燃料電池システム1と同様の第1燃料電池スタック20および第2燃料電池スタック30の他に、気化器142と、1つの改質器143と、第1燃焼器144および第2燃焼器145と、混合器146と、分配弁147と、を備える。
気化器142は、第1燃焼器144と熱伝達可能に接触して設置され、第1燃焼器144からの熱の存在下で、原燃料ガスを予熱すると共に水蒸気を蒸発させて水蒸気を生成する。予熱された原燃料ガスは、水蒸気と混合され、1つの改質器143へ供給される。気化器142には、当該気化器142の温度(気化器温度T1)を検出する温度センサ161が設置されている。
改質器143は、外部改質器として構成されるものであり、第2燃焼器145と熱伝達可能に接触した設置され、第2燃焼器145からの熱の存在下で、気化器142から流入する混合ガスの反応(水蒸気改質反応)によって水素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気を含むアノードガスを生成する。改質器143により生成されたアノードガスは、第1燃料電池スタック20のアノード電極22へ供給される。改質器143には、当該改質器143の温度(改質器温度T2)を検出する温度センサ162が設置されている。また、第1燃料電池スタック20のカソード電極23には、カソードガスが供給される。これにより、第1燃料電池スタック20において電気化学反応が生じ、電気エネルギが得られる。第1燃料電池スタック20のアノード電極22からのアノードオフガスは、空気供給装置からカソード電極23,33への空気供給管に設置された第1熱交換器(図示せず)を通過し、当該空気供給管内を流れる空気を加熱してから燃料再生装置50へ供給される。また、第1燃料電池スタック20のカソード電極23からのカソードオフガスは、混合器146へ供給される。混合器146は、改質器143と熱伝達できるように接触した状態で設置されている。
燃料再生装置50に流入したアノードオフガスは、燃料再生装置50によってオフガス中に含まれる二酸化炭素や水蒸気が除去された後、第2燃料電池スタック30のアノード電極32へ供給される。この際、アノードオフガスは、第1燃料電池スタック20のアノード電極22から燃料再生装置50へのオフガス配管に設置された第2熱交換器(図示せず)を通過し、当該オフガス配管内を流れるアノードオフガスを加熱する。また、第2燃料電池スタック30のカソード電極33には、カソードガスが供給される。これにより、第2燃料電池スタック30において電気化学反応が生じ、電気エネルギが得られる。他の実施形態の燃料電池システムでは、本実施形態の燃料電池システム1と同様に、第1燃料電池スタック20のアノードオフガスを用いて第2燃料電池スタック30で発電することで、燃料利用率を大幅に高めて発電効率を向上させることができる。第2燃料電池スタック30からのアノードオフガスおよびカソードオフガスは、混合器146へ供給される。
混合器146に流入したアノードオフガスおよびカソードオフガスは、当該混合器146において混合され、その混合オフガスは、分配弁147を介して第1燃焼器144と第2燃焼器145とに分配される。そして、第1燃焼器144に分配された混合オフガスが燃焼することにより、気化器142での原燃料ガスの予熱や水蒸気の生成に必要な熱が発生することとなる。また、第2燃焼器145に分配された混合オフガスが燃焼することにより、改質器143での水蒸気改質反応に必要な熱が発生することとなる。なお、第2燃焼器145でのオフガスの燃焼により生成される燃焼排ガスは、上述した空気供給管の第1熱交換器よりも下流側に設置された第3熱交換器(図示せず)を通過し、当該空気供給管内を流れる空気を加熱してからモジュールケース外へ排出される。
分配弁147は、図示しない駆動モータにより回動されるロータリ式の弁機構を備え、第1燃焼器144側の弁開度と第2燃焼器145側の弁開度とを調整することにより、第1燃焼器144へ供給される混合オフガスと第2燃焼器145へ供給される混合オフガスとの流量配分を調整する。
制御装置160は、CPUを中心としたマイクロプロセッサとして構成される。制御装置160には、温度センサ161からの気化器温度T1や温度センサ162からの改質器温度T2などが入力され、制御装置160からは、原燃料ガス供給装置や改質水供給装置、空気供給装置、分配弁147(駆動モータ)などへの制御信号などが出力される。
次に、混合オフガスの流量配分を調整する際の動作について説明する。図4は、制御装置160により実行される流量配分調整処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、燃料電池システムが起動したときに実行される。
流量配分調整処理が実行されると、制御装置160のCPUは、まず、温度センサ161からの気化器温度T1と温度センサ162からの改質器温度T2とを入力し(ステップS100)、入力した気化器温度T1が所定温度α1以上であるか否かを判定する(ステップS110)。ここで、所定温度α1は、気化器142で改質水を十分に蒸発させるのに必要な温度範囲の下限値であり、例えば、100℃に定められる。気化器温度T1が所定温度α1以上であると判定すると、気化器温度T1および改質器温度T2に基づいて分配比Dを設定し(ステップS120)、設定した分配比に基づいて分配弁147(駆動モータ)を制御して(ステップS130)、ステップS100に戻る。分配比Dの設定は、例えば、気化器温度T1および改質器温度T2と分配比Dとの関係を実験などにより予め求めて分配比設定用マップとして記憶しておき、気化器温度T1および改質器温度T2が与えられると、マップから対応する分配比Dを導出することにより行なわれる。
図5は、分配比設定用マップの一例を示す説明図である。分配比設定用マップとして複数のマップを有し、分配比Dの設定は、改質器温度T2に応じて複数のマップから選択したマップを用いて行なわれる。図5(a)は、改質器温度T2が所定温度β1(例えば、500℃)以上のときに用いられる第1マップを示し、図5(b)は、改質器温度T2が所定温度β1未満かつ所定温度β2(例えば、450℃)以上であるときに用いられる第2マップを示し、図5(c)は、改質器温度T2が所定温度β2未満であるときに用いられる第3マップを示す。
第1マップでは、図5(a)に示すように、気化器温度T1が所定温度α3(例えば、200℃)以上の温度範囲において、流量配分が第2燃焼器145側に大きい一定値となるように分配比Dが設定される。また、気化器温度T1が所定温度α3未満かつ上述した所定温度α1以上の温度範囲において、気化器温度T1が低くなるにつれて第1燃焼器144側の流量配分が徐々に大きくなるように分配比Dが設定される。
第2マップでは、図5(b)に示すように、気化器温度T1が所定温度α3以上の温度範囲において、流量配分が対象の温度範囲で第1マップよりも第2燃焼器145側に大きい一定値となるように分配比Dが設定される。また、気化器温度T1が所定温度α3未満かつ所定温度α2(例えば、150℃)以上の温度範囲において、流量配分が所定温度α3以上の温度範囲よりも第1燃焼器144側に大きい一定値となるように分配比Dが設定される。さらに、気化器温度T1が所定温度α2未満かつ所定温度α1以上の温度範囲において、流量配分が所定温度α3未満かつ所定温度α2以上の温度範囲よりも第1燃焼器144側に更に大きい一定値となるように分配比Dが設定される。
第3マップでは、図5(c)に示すように、気化器温度T1が所定温度α3以上の温度範囲において、流量配分が対象の温度範囲で第2マップよりも第2燃焼器145側に大きい一定値となるように分配比Dが設定される。また、気化器温度T1が所定温度α3未満かつ所定温度α2以上の温度範囲において、流量配分が所定温度α3以上の温度範囲よりも第1燃焼器144側に大きくなり且つ対象の温度範囲で第2マップよりも第2燃焼器145側に大きい一定値となるように分配比Dが設定される。さらに、気化器温度T1が所定温度α2未満かつ所定温度α1以上の温度範囲において、流量配分が所定温度α3未満かつ所定温度α2以上の温度範囲よりも第1燃焼器144側に更に大きくなり且つ対象の温度範囲において第2マップよりも第2燃焼器145側に大きい一定値となるように分配比Dが設定される。
このように、分配比Dは、気化器温度T1が低いほど第1燃焼器144側の流量配分が大きくなり、改質器温度T2が低いほど第2燃焼器145側の流量配分が大きくなるように設定される。燃料利用率を高めることで少なくなるアノードオフガスを気化器加熱用の第1燃焼器144と改質器加熱用の第2燃焼器145とに適切な分配比で分配することで、気化器142の温度と改質器143の温度とを良好にバランスさせることができ、水蒸気の生成に必要な熱や水蒸気改質反応に必要な熱を確保することが可能となる。
ステップS110において、気化器温度T1が所定温度α1以上でないと判定すると、気化器142の温度が異常低下していると判断し、システムを停止して(ステップS140)、流量配分調整処理を終了する。
このように、他の発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池スタックと、改質水を蒸発させて水蒸気を生成する気化器と、前記気化器で生成された水蒸気により原燃料ガスを改質して前記燃料ガスを生成する改質器と、オフガスの燃焼により前記気化器を加熱する第1燃焼器と、オフガスの燃焼により前記改質器を加熱する第2燃焼器と、前記燃料電池スタックからのオフガスを調整可能な分配比で前記第1燃焼器と前記第2燃焼器とに分配する分配器と、を備えることを要旨とする。この発明の燃料電池システムでは、第1燃焼器と第2燃焼器とにそれぞれ分配するオフガスの分配比を調整することにより、少ないオフガスで気化器と改質器とをそれぞれ適温に加熱することができる。これにより、燃料電池スタックの燃料利用率を向上させて燃料電池システムの効率を向上させることが可能となる。こうした他の発明の燃料電池システムにおいて、前記気化器の温度を検出する第1温度センサと、前記改質器の温度を検出する第2温度センサと、前記第1温度センサおよび前記第2温度センサによりそれぞれ検出される温度に基づいて前記分配器を制御する制御装置と、を備えるものとしてもよい。
実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、第1燃料電池スタック20が「燃料電池スタック」に相当し、燃焼器45が「燃焼器」に相当し、第1改質器43が「第1改質器」に相当し、第2改質器44が「第2改質器」に相当する。また、第2燃料電池スタック30が「第2燃料電池スタック」に相当する。また、ケース41が「ケース」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、燃料電池システムの製造産業などに利用可能である。
1 燃料電池システム、10,110 発電モジュール、11 モジュールケース、20 第1燃料電池スタック、20a,20b 燃料電池スタック、21,21a,21b,31 電解質、22,22a,22b,32 アノード電極、23,23a,23b,33 カソード電極、30 第2燃料電池スタック、41 ケース、42,142 気化器、43 第1改質器、44 第2改質器、45 燃焼器、46 熱交換器、50 燃料再生装置、143 改質器、144 第1燃焼器、145 第2燃焼器、146 混合器、147 分配弁、160 制御装置、161,162 温度センサ。
Claims (5)
- 燃料ガスと酸化剤ガスとにより発電する燃料電池スタックと、
原燃料ガスを改質して前記燃料ガスを生成する改質器と、
前記燃料電池スタックからの排出ガスを燃焼する燃焼器と、
を備える燃料電池システムであって、
前記燃焼器は、前記燃料電池スタックと離間して設置され、
前記改質器は、前記燃焼器と熱伝達可能に接触して設置された第1改質器と、前記第1改質器と離間すると共に前記燃料電池スタックと熱伝達可能に接触して設置された第2改質器と、を有する、
燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池スタックは、前記第2改質器からの燃料ガスの供給を受けて発電する第1燃料電池スタックと、前記第1燃料電池スタックからのオフガスの供給を受けて発電する第2燃料電池スタックと、を有し、
前記燃焼器には、前記第2燃料電池スタックを通過したオフガスが供給され、
前記第2改質器は、前記第1燃料電池スタックと熱伝達可能に接触して設置される、
燃料電池システム。 - 請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、
前記第1改質器と前記燃焼器とは、金属製のケースにより一体的に構成されている、
燃料電池システム。 - 請求項1ないし3いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池スタックは、前記第2改質器の改質触媒がアノードに組み込まれた内部改質方式の燃料電池スタックを含む、
燃料電池システム。 - 請求項1ないし4いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記燃料電池スタックは、前記第2改質器をアノード同士で挟み込むように設置された複数の燃料電池スタックを有する、
燃料電池システム。
Applications Claiming Priority (2)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102555438B1 (ko) * | 2022-12-20 | 2023-07-14 | (주)에프씨아이 | 복수의 개질기를 구비하는 고체산화물 연료전지 시스템 |
-
2021
- 2021-03-02 JP JP2021032582A patent/JP2022031103A/ja active Pending
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KR102555438B1 (ko) * | 2022-12-20 | 2023-07-14 | (주)에프씨아이 | 복수의 개질기를 구비하는 고체산화물 연료전지 시스템 |
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