JP2009224041A - 固体酸化物形燃料電池発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】セルの温度制御に関し、様々な運転モードやシステムの温度変動に対しても、カソード空気ヘッダー入口温度および改質器入口燃焼ガス温度を独立に制御できるシステムを提供する。
【解決手段】セル集合体である電池モジュールと、該電池モジュール内に電池反応後のアノードガスとカソードガスとを混合して燃焼を行うための燃焼室とを備え、該燃焼室で燃焼した燃焼ガスの熱エネルギーを利用して該電池モジュールのカソードへ供給する空気を予熱する第一の熱交換器と、該第一の熱交換器を通過した該燃焼ガスの熱エネルギーを利用して原燃料を改質する改質部とを備えた固体酸化物形燃料電池発電システムであって、該第一の熱交換器の空気側出口部に予熱された該空気の温度を調整するための予熱空気温度調節部を設置し、該第一の熱交換器の燃焼ガス側出口に該空気を予熱した後の該燃焼ガスの温度を調整するための燃焼ガス温度調節部を設置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池発電システムおよびその温度制御に関する。
クリーンで高効率な分散電源の一つとして、燃料電池発電システムが注目されている。特に、900℃前後の高温で作動する多数のセル集合体で構成された固体酸化物形燃料電池発電システムは、業務用から産業用など適用範囲が広く、将来の電源あるいは熱電併給システムとして多分野で期待されている。
しかしながら、このような適用分野においては、一般に出力変動が激しく、システムに対して高頻度かつ大幅な出力変更が要求されるため、システムの耐久性やセル性能を維持する上で、セル温度を安定に保つことが極めて重要な課題となっている。
固体酸化物形燃料電池発電システムは、固体電解質の一方の側に空気極を、他方の側に燃料極を設けた単セルを多数重ね合わせるか、あるいは、つなぎ合わせるかした集合体(モジュール)で構成され、空気極(カソード)側に供給された空気中の酸素がイオン化され、電解質をイオン伝導することによって燃料極(アノード)に達し、アノード側に供給された水素と反応することにより起電力を発生する仕組みを利用したものである。この場合、アノードに直接水素を供給してもよいが、通常、都市ガス、液化天然ガス(LNG)、プロパン、灯油などの炭化水素系燃料に蒸気を添加し、改質触媒を用いて原燃料を予め水素リッチな改質ガスに改質し、これを燃料としてアノードに供給する方法が一般的である。
固体酸化物形燃料電池は、セルが高温に保たれていることから、セル自体が改質能力を有している。このため、原燃料の改質方法としては、原燃料を直接、電池のアノード側に供給し、セル内部で改質する内部改質方式と、電池外部に改質触媒を内蔵した改質器を設けて、炭化水素の燃料の一部を改質器にて改質されたガスを電池に供給する外部改質方式とに区別される。
なお、改質反応は、大きな吸熱現象を伴うため、セルの温度保持やセルの温度分布均一化の観点から、炭化水素の一部を予め改質してセル内部での吸熱量の低減や吸熱量分布の緩和に適した、いわゆる内部改質方式と外部改質方式とを併用した改質方法が採用されるケースが多い。通常、改質器での原燃料の改質率は30〜50%程度とされている。
しかしながら、システムの温度変動により改質器温度が変動すると、この改質率も変動し、その結果、セル温度も変動することになる。例えば、改質率が上昇すると、セルに供給された燃料の改質による吸熱量が減少するため、セル温度は上昇する。この逆もあり得る。したがって、過度の改質率の変動は、セルの過熱や温度低下を生じ、耐久性や発電性能の低下という問題を引き起こす。
ところで、出力変動時には、セル自体の発熱量が変動するのみでなく、アノードから排出される未反応燃料ガスの燃焼エネルギーも変動する。通常、上記改質器はこの熱エネルギーを使用する。また、カソード側に供給する空気も空気予熱器により上記燃焼エネルギーの一部を利用して予熱される。このため、出力変動は改質器温度(改質率)とセル入口空気温度とに影響を与えることから、システム全体としては複雑な温度変動を呈することになる。
以上で述べたように、システムの温度変動は出力変動時に起きやすく、温度安定化は運転制御において、最も重要な課題の一つとされている。
固体酸化物形燃料電池発電システムのセル温度制御に関わる第1の従来例として、特許文献1に記載された方法がある。この方法は、セル温度の安定化を目的として、計測した電流値に基づいてカソードに供給する空気の温度を調整することで間接的にセル温度を制御するものである。
また、第2の従来例として、特許文献2に記載された方法がある。この方法は、セル温度の安定化を目的として、計測したセル温度に基づいてカソードに供給する空気流量もしくは空気温度を調整するものである。
特開2004−349214号公報 特開2003−115315号公報
特許文献1の方法では、電流値、空気温度からセル温度を望ましい値に維持できるとしているが、セルおよびこれを支持する構造材は大きな熱容量を持つため、必ずしもセル温度を安定に制御できるとは限らない。
また、特許文献2の方法では、未反応燃料ガスの燃焼ガス(排ガス)を用いる空気予熱器の上流に位置する空気加熱器による空気温度調整もしくは空気供給装置による空気流量調整によりセル温度を望ましい値に維持できるとしている。しかし、排ガスエネルギーを利用した改質器を有するシステムに適用した場合のセル温度安定化を確保することはできない。
本発明が解決しようとする課題は、排ガスエネルギーを利用した改質器を有するシステムにおいて、セル温度の安定化を実現することにある。
上記従来例では、セル温度に大きな影響を及ぼす改質器の温度制御に関する記載はなく、空気流量によるセル温度制御では電池モジュールの持つ熱容量が大きいことに起因して、時間遅れによる改質率の変動が伴うことから、セル温度制御の応答性の面からの配慮がなされていなかった。
本発明の目的は、改質器を有するシステムでセル温度の安定化に関して、速やかで、かつ信頼性の高い温度制御方法およびシステムを提供することにある。
本発明の固体酸化物形燃料電池発電システムは、セル集合体である電池モジュールと、該電池モジュール内に電池反応後のアノードガスとカソードガスとを混合して燃焼を行うための燃焼室とを備え、該燃焼室で燃焼した燃焼ガスの熱エネルギーを利用して該電池モジュールのカソードへ供給する空気を予熱する第一の熱交換器と、該第一の熱交換器を通過した該燃焼ガスの熱エネルギーを利用して原燃料を改質する改質部とを備えた固体酸化物形燃料電池発電システムであって、該第一の熱交換器の空気側出口部に予熱された該空気の温度を調整するための予熱空気温度調節部を設置し、該第一の熱交換器の燃焼ガス側出口に該空気を予熱した後の該燃焼ガスの温度を調整するための燃焼ガス温度調節部を設置したことを特徴とする。
本発明によれば、出力変化を始めとする種々の運転条件や外乱に対し、改質率とカソード空気温度とを独立に制御できるため、信頼性の高いセル温度制御およびセル温度の安定化が可能となり、システムの耐久性を向上させ、発電性能を長期間維持することが可能となる。そのため、システムの固定費と運用費を低減することができる。
本発明は、燃料電池発電システムおよびその温度制御に関するものであり、特に、改質器を有するシステムの高効率で安定した発電特性の維持を可能にする固体酸化物形燃料電池発電システム構成とその温度制御方法に関する。
本発明の目的は、改質器を有するシステムでセル温度の安定化に関して、速やかで、かつ信頼性の高い温度制御方法およびシステムを提供することにある。また、本発明の目的は、セルの温度制御に関し、様々な運転モードやシステムの温度変動に対しても、カソード空気ヘッダー入口温度および改質器入口燃焼ガス温度を独立に制御できるシステムを提供することにある。
本発明は、燃焼ガスの熱エネルギーを利用して電池モジュールのカソードへ供給する空気を予熱する熱交換器において、空気側入口には予熱されるべき流量の空気が導入され、空気側出口部には予熱された空気の温度を調整する予熱空気温度調節部が備わり、また、前記熱交換器の燃焼ガス側入口部には燃焼ガスが導入され、燃焼ガス側出口には熱交換後の燃焼ガスの温度を調整する燃焼ガス温度調節部を備えたことを特徴とする。
本発明の望ましい実施態様においては、前記予熱空気温度調節部は予熱された空気と冷却用媒体とが熱交換される熱交換器であり、また前記燃焼ガス温度調節部は前記熱交換後の燃焼ガスと冷却用媒体とが熱交換される熱交換器である。
なお、冷却用媒体は、空気に限らず、窒素ガス(パージ用でもよい)、水、ブラインなどでもよい。また、冷却用媒体の空気を、河川、海水、LNGなどの冷熱源で冷却して使用することもできる。
また、前記熱交換器の形態として熱交換器、予熱空気温度調節部および燃焼ガス温度調節部は一体化した構造であることが望ましい。
また、本発明は、少なくとも電池モジュールのセル温度計測値と、予熱空気温度調節部出口の予熱空気温度計測値および空気流量計測値とに基づき、前記予熱空気温度調節部を調節するセル温度制御手段と、少なくとも改質部の温度計測値と、燃焼ガス温度調節部出口の燃焼ガス温度計測値および空気流量計測値とに基づき、前記燃焼ガス温度調節部を調節する改質温度制御手段を備えたことを特徴とする。
上記の本発明の望ましい実施態様においては、前記セル温度制御手段は、前記セル温度と、予熱空気温度調節部出口の予熱空気温度計測値および空気流量計測値とを用いて、演算および推定に基づき、また、同じく改質温度制御手段は前記改質部の温度計測値と、燃焼ガス温度調節部出口の燃焼ガス温度計測値および空気流量計測値とを用いて、演算および推定に基づき、前記予熱空気温度調節部および燃焼ガス温度調節部の冷却用媒体の流量をそれぞれ調節することを特徴とする。
さらに、本発明は、前記熱交換器を通ってカソードへ供給される空気の一部が熱交換器を通らずにバイパスする空気系統と、それに付随する流量調節弁とが設けられ、さらに前記改質温度制御手段は前記バイパス流量を調節することを特徴とする。
以下、本発明による燃料電池システムおよび燃料電池システムの温度制御方法に関する詳細な実施形態について図面を用いて説明する。
図1に本発明による燃料電池発電システムの構成の第一の実施例を示す。本発明の燃料電池発電システムは、アノード1およびカソード2を含む一対の電極により挟まれる固体電解質3で形成される円筒セル4(円筒型の発電セル)を多数集合し接続した電池モジュール5、原燃料6から水素を含む改質ガスを生成するプリ改質器7(改質部)、カソードに供給される空気8を予熱する空気予熱器9を主な要素として構成してある。
電池モジュール5は、プリ改質器7から出た部分改質ガス10を電池モジュール5内の各セルに供給するための燃料ヘッダー11と、カソード2出口における反応後の空気12(カソードガスと呼ぶ)およびアノード1出口における反応後の燃料ガス13(アノードガスと呼ぶ)を用いて燃焼を行う燃焼室14と、前記空気予熱器9から予熱された空気15をカソード2に供給するための空気ヘッダー16とを含む構成となっている。
空気ヘッダー16に入った空気17は各円筒セル4に設けられた空気導入管18を通してほぼ均一に分配され、空気導入管下端部19まで予熱されながら下降し、Uターンしてセル内側のカソード面2に沿って反応しながら燃焼室14に導かれる。燃料ヘッダー11に入った部分改質ガス20は燃料ヘッダー11から均一に各セルのアノード1に供給され、反応しながら燃焼室14に導かれる。なお、アノード1ではプリ改質器7からの部分改質ガス10に含まれているメタンも改質され、水素や一酸化炭素を生成する。したがって、アノード1では電気化学反応によって水素が消費される一方で改質反応により水素も生成する。
燃焼室14から発生する燃焼ガス21Aは、空気8を予熱する空気予熱器9を通って降温された燃焼ガス23となり、プリ改質器7で原燃料6と熱交換した後、排ガス22として系外に排出される。ここで、空気予熱器9は、予熱部27、予熱空気温度調節部28および燃焼ガス温度調節部29を含むものと定義する。また、予熱部27を第一の熱交換器と定義する。予熱空気温度調節部28を第二の熱交換器と定義する。燃焼ガス温度調節部29を第三の熱交換器と定義する。すなわち、空気予熱器9は、第一の熱交換器、第二の熱交換器および第三の熱交換器を一体化した構造としてもよい。
円筒セル4は、固体電解質3を挟んで外側のアノード1と内側のカソード2とを含む構成であり、外側のアノード1では、プリ改質器7の改質ガス流路部24にて生成された部分改質ガス10に含まれる水素と、セル内側のカソード2から電解質3を通して移動してきた酸素イオンとが反応し、水が生成する。カソード2では酸化剤である空気中の酸素が酸素イオンに変化する。
プリ改質器7は、改質触媒25を配した改質ガス流路部24と、燃焼室14から空気予熱器9を経て供給される高温の燃焼ガス23が流れる燃焼ガス流路26とを含む構成である。
改質ガス流路部2は、配管を介して燃料ヘッダー11に接続してある。改質ガス流路部24においては、発電中、燃焼ガス23からの熱を得て改質ガス流路24内の改質触媒25の触媒作用により、原燃料6であるメタンやプロパン、ブタン、エタンまたは他のC以上の炭化水素が、熱分解してメタンを生成する。これが部分改質ガス10である。さらに、水蒸気改質反応が起こる場合、部分改質ガス10に含まれるメタンの一部が水素や一酸化炭素ガスに変化し、燃料ヘッダー11を介してアノード1に送られる。この改質反応には、水蒸気が少なくとも体積流量比で炭化水素の2倍以上必要であり、プリ改質器7に導入される前に水蒸気として炭化水素と混合される。水蒸気が不足するとカーボン析出が生じ、改質触媒に悪影響を及ぼす。また、プリ改質器7の改質触媒25の温度によって改質反応の進行度が決定され、400℃〜700℃の範囲では温度が高いほど改質反応が進行する。
空気予熱器9では、燃焼ガス21Aとカソード反応用の空気31Aとが熱交換し、予熱部27において反応用空気8をおおよそ250℃〜400℃の範囲で予熱する。予熱された空気31Bは、予熱空気温度調節部28で温度調節される。燃焼ガス温度調節部29においては、熱交換後の燃焼ガス21Bが温度調整されるようになっている。予熱部27は、予熱空気流路部27Aと燃焼ガス流路部27Bとが伝熱面27Cを介して燃焼ガス側から予熱空気側に熱が供給される部分である。
通常、空気予熱器9は、室温状態の空気8をカソード2に供給する前に予熱し、セル温度が、特に空気入口付近で低下しないようにする働きをしている。これはセル温度の維持およびセル温度分布の適正化の観点から必要不可欠な構成要素である。さらに、空気予熱器9は、プリ改質器7で所定の改質率30%〜50%になるように、所定の温度500℃〜560℃にまで燃焼室14からの燃焼ガス21Aを冷却する作用も併せ持っている。すなわち、空気予熱器9は、予熱空気30および燃焼ガス23の温度を設計範囲内に制御する作用を有するものである。
しかしながら、実際の運転では、必ずしも設計通りの熱物質収支で運転が進行するとは限らない。セル性能の経時変化によるセル発熱量の変化、空気予熱器9自体の熱交換性能の変化、その他様々な外乱などの影響があるため、空気予熱器9に入ってくる空気8および燃焼ガス21Aの温度および流量が設計通りでなくても、セル温度を維持する必要が生じる。従来の空気予熱器では、設計点以外の温度は成り行きのままで、出口温度を自己調整する機能を持っていなかった。
本発明では、予熱部27を出た予熱空気31B、燃焼ガス21Bそれぞれの温度を追加的に調節する機能が備わっている。すなわち、予熱空気温度調節部28は、熱交換器の構造を有し、予熱された空気31Bが通る流路内に冷却配管80が備わり、予熱された空気31Bと温度調節用の冷却用媒体(空気冷却用媒体、例えば、空気)が流れ、もし予熱後の空気31Bの温度が設定値よりも高く、セル温度が設計範囲を超える可能性が出てきた場合には、予熱後の空気温度が設定値になるまで予熱後の空気を冷却する機能を有している。
同様に、燃焼ガス温度調節部29も熱交換器の構造を有し、予熱部27を出た燃焼ガス21Bが通る流路内に冷却配管81が備わり、熱交換後の燃焼ガス21Bと温度調節用の冷却用媒体(燃焼ガス冷却用媒体、例えば、空気)が流れ、熱交換後の燃焼ガス21Bの温度が設定値になるまで冷却する機能を有する。
もし、システム運転中に燃焼ガス21Bの温度が設定値よりも高くなった場合、このまま放置しておくと改質器7の改質触媒25の温度が高くなり、その結果、改質反応がより進むことになり、改質率が高くなる。改質率が高くなるということは改質器7を出る部分改質ガス10に含まれる未反応のメタンの割合が設計値より少なくなることを意味する。
このような状態の部分改質ガス10が燃料ヘッダー11を経て円筒セル4に供給されると、電池モジュール5のアノード1入口側での未反応メタンによる改質反応が減少し、反応に伴う吸熱量も減少し、その結果、発熱量と吸熱量とのバランスが崩れ、セル温度が上昇に転じてしまうことになり、益々、燃焼ガス温度も高くなるという悪循環が生じる。これを断ち切るため、燃焼ガス21Bの温度を燃焼ガス温度調節部29にて調整、すなわち冷却により、セルの温度上昇を設計範囲内に制御する。
また、空気8は、空気予熱器9の上流側で分岐され、予熱器9をバイパスして空気予熱器9の出口側で予熱空気温度調節部28を通過した予熱空気30と合流するバイパス系統82を有する。さらに、バイパス系統82には流量調節弁83を設置している。バイパス系統82により空気ヘッダー16を介してカソード2に供給される空気15の流量を変えることなく、空気予熱器に供給する空気31Aの流量を調節することができる。
つぎに、このバイパス系統の働きについて説明を補足する。
カソード2に供給される空気8の流量は、運転出力やセル温度の状態によって変化する。しかし、もし設計値よりも燃焼ガス流量あるいは燃焼ガス温度が低い場合には、空気予熱器9にカソード2に供給する空気8が全量流れると、熱交換量が増えて燃焼ガス温度が所定温度以下に低下する場合が生じる。カソード2への供給空気量を減らせば、燃焼ガス温度の低下は抑制できるが、空気流量が変化することにより、円筒セル4の発熱量や燃焼ガス流量および温度が変化し、さらには、改質温度にも影響を及ぼすことになり、制御自体が非常に複雑になる。
本発明では、このような場合に、バイパス空気系統82に空気を分岐することにより、空気予熱器9での燃焼ガスとの熱交換量を制御することができる。バイパス系統82を流れる空気は、空気予熱器9を通過した予熱空気31Bと合流して空気ヘッダー16に送られる。カソード2に供給される空気流量は変化せず、空気ヘッダー16の温度が変わるだけであり、燃焼ガス流量は変化しないため、改質温度の制御が比較的容易になる利点がある。バイパス流量はバイパス系統82に設けられた流量調節弁83の開度調整により制御されることになる。
つぎに、本発明のセル温度の制御方法について図2を用いて説明する。本発明の電池モジュール5の温度制御に係わる制御装置として、セル温度制御手段100と改質温度制御手段200とがある。セル温度制御手段100は、予熱空気温度調節部28出口の予熱空気温度検出器101、電池モジュール内の空気ヘッダー温度検出器102およびセル温度検出器103からの各出力信号Tar、Thd、Tcelをそれぞれ入力する。ここで、Tar、Thd、Tcelをそれぞれ、予熱空気温度計測値、空気ヘッダー温度計測値、セル温度計測値と呼ぶことにする。なお、セル温度検出器103の位置としては、本実施例において最も温度が高くなる傾向がある軸方向の中央に設置した。改質温度制御手段200は、燃焼ガス温度調節部29出口の燃焼ガス温度検出器201と、プリ改質器7内の改質触媒層出口部温度検出器202とからの出力信号Tg、Trcをそれぞれ入力する。ここで、Tg、Trcをそれぞれ、燃焼ガス温度計測値、改質触媒層出口部温度計測値と呼ぶことにする。本実施例では、Trcを改質触媒層出口部で計測しているが、これに限定されるものではなく、改質触媒層の内部のどの位置で計測しても温度計測値として有効である。
セル温度制御手段100では、セル温度の入力値Tcelと予め設定された基準セル温度TRcelとの差ΔTcel(=Tcel−TRcel)を算出する。そして、セル温度制御手段100は、ΔTcel、ThdおよびTcelの他、空気ブロア106から現在流れている流量を検出する流量計104からの出力信号Farm、バイパス系統82を流れる空気流量を検出する流量計105からの出力信号Farbおよびその他の運転情報、例えば、燃料電池の出力電流、出力電圧などの信号を入力して演算し、それらの信号値から予熱空気温度調節部28出口の温度および必要な冷却用媒体、すなわち冷却空気70の流量の目標値を推定する。セル温度制御手段100は、予熱空気温度調節部28の冷却用媒体である冷却空気70の供給元で、かつ流量調節器を有する冷却空気ブロア107に流量指令値FC1を送り、予熱空気温度調節部28を流れる予熱空気31Bの熱交換量を調節する。ΔTcelが正の場合は、冷却空気70の流量が増加する。逆に、ΔTcelが負の場合は、冷却用媒体の流量が減少する。
また、セル温度制御手段100は、空気8の供給元で、かつ流量調節器を有する空気ブロア106に流量指令値FC2を送り、空気8の供給量も調節できるようになっている。
つぎに、プリ改質器7の温度制御について説明する。
通常、改質温度すなわち改質触媒25の出口温度は、プリ改質器7の燃焼ガス流路26の入口部温度で制御される。本実施例では、燃焼ガス流路26の入口部温度を燃焼ガス温度検出器201で検出し、改質温度制御手段200が空気予熱器9の予熱部27を通る予熱用空気31Aの流量を調節するようになっている。すなわち、改質温度制御手段200は、改質器触媒層出口部温度の入力値Trcと、予め設定された基準触媒層出口部温度TRrcとの差、ΔTrc(=Trc−TRrc)を算出する。燃焼ガス温度検出器201は、燃焼ガス温度調節部29の出口近傍に設置してもよい。
そして、ΔTrcと燃焼ガス温度検出器201からの出力信号であるTgとから、燃焼ガス温度調節部29出口の温度検出器201の温度および予熱部27を通過する空気31Aの流量の目標値を演算して推定する。さらに、空気31Aの流量の目標値と空気8の流量信号Farmとからバイパス系統82に備わる流量調節弁83の弁開度を演算して求め、開度指令値SOを流量調節弁83に出力する。ΔTrcが正の場合は弁開度が絞られ、空気31Aの流量が増加し、予熱部27での伝熱量が増え、燃焼ガス温度検出器201の温度は低下する方向に進む。逆に、ΔTrcが負の場合は弁開度が広がり、空気31Aの流量が減少する。
通常の運転状態にあっては、燃焼ガス温度調節部29において冷却用媒体である空気71が流れることはほとんどない。また、その結果、空気予熱器9の予熱部27を出る予熱空気31Bの温度が高くなっても、セル温度制御手段100からの指令により、先述したように予熱空気温度調節部28の冷却空気70を流すことにより冷却されることになるからである。
燃焼ガス温度調節部29の冷却用媒体の空気71が作動する場合は、燃焼室14を出る燃焼ガス21Aの温度が高く、燃焼ガス流量が多い場合である。予熱部27において燃焼ガス21Bから予熱空気側に伝わる伝熱量には、熱交換器の設計上の限界があり、所定の流量の空気8を流しても燃焼ガス温度検出器201の温度が設定温度以上になった場合にのみ作動し、改質温度制御手段200で演算された設定流量の冷却用媒体である空気が流され、燃焼ガスが所定の温度にまで冷却される。すなわち、改質温度制御手段200は、燃焼ガス温度検出器201からの入力値Tgと、予め設定された基準燃焼ガス温度TRgとの差、ΔTg(=Tg−TRg)を算出する。
そして、ΔTgと、改質触媒層出口部温度検出器202からの出力信号Trcおよびその他の情報、例えば空気8の流量信号Farm、燃料流量、電流等から、燃焼ガス温度調節部29に流す冷却空気71の流量を演算して推定し、燃焼ガス温度調節部29の冷却空気71の供給元で、かつ流量調節部を有する冷却空気ブロア108に流量指令値FC3を送り、燃焼ガス温度調節部29を流れる燃焼ガス21Bの熱交換量を制御する。
上記の場合、従来の方法では、空気8の流量を設計値よりも増加させて燃焼ガス温度を低下させることになるが、空気8の流量の変化は、セルの発電出力およびセルの発熱量や燃焼ガス流量、燃焼室14内の燃焼ガス温度を変化させることになる。特に、燃焼ガス流量の変化は、下流のプリ改質器7の改質反応に影響を及ぼす。すなわち、燃焼ガス流量の変化が改質触媒25を通過する燃焼ガスの滞留時間や伝熱に影響を及ぼすため改質率の制御が一層複雑になるという問題が生じる。本発明の実施例においては、燃焼ガス流量を変えずに温度調整ができるため、このような影響を受けず、改質率の制御が容易で信頼性の高いものとすることができ、ひいてはセル温度の安定化を実現できる。
さらに、従来の方法では、カソード2に供給される空気8の流量は、運転出力やセル温度の状態によって変化するが、もし設計値よりも燃焼ガス流量あるいは燃焼ガス温度が低い場合には、空気予熱器9にカソード2に供給する空気が全量流れると熱交換量が増え、燃焼ガス温度が所定温度以下に低下する場合が生じる。カソード供給空気量を減らせば、燃焼ガス温度の低下は抑制できるが、空気流量が変化することにより、セルの発熱量や燃焼ガスの流量および温度が変化するとともに、改質温度も影響を受ける。このため、制御自体が非常に複雑になる。
本発明では、上記の場合に、バイパス空気系統82に空気8を分岐することにより、空気予熱器9での燃焼ガスとの熱交換量を制御することができる。バイパス系統82を流れる空気は、空気予熱器9を通過した予熱空気31Bと合流して空気ヘッダー16に送られる。バイパス流量の制御は、改質温度制御手段200からの指令SOによりバイパス系統82に設けられた流量調節弁83の開度を調節することにより行う。カソード2に供給される空気15の流量は変化せず、空気ヘッダー16の温度が変わるだけであり、燃焼ガス流量は変化しないため、改質温度の制御が容易になる利点がある。
図3は、本発明による固体酸化物形燃料電池発電システムの第二の実施例であり、第一の実施例では述べていない燃料改質の前処理プロセスおよびコジェレーションシステムを考慮したものである。
電池モジュール5から空気予熱器9またはプリ改質器7までの構成要素は、実施例1と同様であるため、説明は省略する。
本システムは、燃焼ガス23の流れ方向でプリ改質器7の下流側に沿って、順に原料予熱器50、蒸発器51および排熱回収熱交換器52を備えている。原料予熱器50は、プリ改質器7での改質反応が円滑に進行するように、水蒸気55Aと燃料6Aとの混合ガス6Cを400℃〜500℃程度にまで予熱するため、プリ改質器7の燃焼ガス流路26を出た燃焼ガス21Cと混合ガス6Cとの熱交換が行われる。
蒸発器51は、純水55から水蒸気55Aを生成する。蒸発に必要な熱は、原料予熱器50の燃焼ガス流路26Aを出た燃焼ガス21Dとの熱交換によって得られる。
排熱回収熱交換器52は、燃料電池からの燃焼ガス21Eの排熱を回収して水道水53から温水54を生成する熱交換器であり、燃料電池コジェネレーションシステムにおいて重要な役割を担う機器である。この場合に、温水54は水蒸気であってもよい。
本発明では、空気予熱器9の予熱空気温度調節部28および燃焼ガス温度調節部29にて熱を回収した冷却用媒体である冷却空気70、71を、排熱回収熱交換器52の手前の合流部56にて燃焼ガス21Eと混合させるものであり(図中、※1で配管接続を示す)、空気予熱器9において冷却により得た熱を排熱回収熱交換器52にて回収することにより、排熱回収効率を向上させ、総合熱効率を向上させるものである。合流部56は、燃焼ガス21B、21Cまたは21Dが流れる、プリ改質器7、原料予熱器50または蒸発器51の上流側でもよいが、図3に示す位置にすることが望ましい。これは、上流である蒸発器51、原料予熱器50およびプリ改質器7等へ影響を及ぼさないからである。すなわち、上流部に合流させた場合、燃焼ガスの流量や温度が変化することから、受熱側すなわち原燃料や水蒸気等の温度に影響を及ぼし、温度制御が複雑になる傾向がある。本図に示す位置に合流部56を設置した場合、温水温度に影響を与えるのみであり、燃料電池発電システムの制御に関して非常に有利な位置といえる。
以下、具体的な空気予熱器構造の一つの形態である熱交換器の実施例を説明する。
図4は、空気および燃焼ガスの流れが熱交換器の中で直交する多段プレート型熱交換器の仕様を有する空気予熱器の模式平面図を示したものである。
本図において、空気予熱器9に流入する空気31Aおよび燃焼ガス21Aは、予熱部27の熱交換器の中で直交して流れる。燃焼ガス21Aは、入口ダクト60Aから流入し、燃焼ガス入口マニホールド61Aから予熱部27に送られる。予熱部27は、多段のプレートタイプの熱交換器である。入口マニホールド61Aによって、燃焼ガス21Aが各プレートにほぼ均一に分配して供給される。一方、空気31Aは、入口空気配管62Aを通って入口マニホールド63Aに入り、予熱部27の各プレートにほぼ均一に分配される。
予熱部27で熱交換された燃焼ガス21Bは、隣接する燃焼ガス温度調節部29に入る。本実施例において、燃焼ガス温度調節部29は、フィンチューブ型の熱交換器である。予熱部27と燃焼ガス温度調節部29との間には仕切り板76がある。仕切り板76は、断熱材で覆われている。
また、仕切り板76には、燃焼ガス21Bが通過するための開口部(図示せず)が設けられている。燃焼ガス温度調節部29の内部には、燃焼ガス21Bを効率よく冷却するためのフィン付き冷却管(図示せず)が設置してあり、冷却空気71が入口配管66Aを通り、入口マニホールド67Aに入るようになっている。入口マニホールド67Aには、複数の冷却管が設置してあり、冷却空気71Aがその冷却管の中を通過しながら燃焼21Bを冷却し、出口マニホールド68を介して出口配管69に送られるようになっている。
一方、予熱された空気31Bは、予熱部27を出た後、隣接する予熱空気温度調節部28に入る。予熱空気温度調節部28も燃焼ガス温度調節部29と同様に、フィンチューブ型の熱交換器構造となっている。予熱部27で予熱された空気31Bは、予熱空気温度調節部28に入る。予熱部27と予熱空気温度調節部28との間には仕切り板77がある。仕切り板77は、断熱材で覆われている。また、仕切り板77には、予熱された空気31Bが通過するための開口部(図示せず)が設けられている。予熱空気温度調節部28内部には、予熱された空気31Bを効率よく冷却するためのフィン付き冷却管(図示せず)が設置してある。冷却空気70は、入口配管64Aを通り、入口マニホールド65Aに入る。入口マニホールド65Aには、複数の冷却管が設置してあり、冷却空気70Aがその冷却管の中を通過しながら空気31Bを冷却し、出口ヘッダー68から出口配管69に送られ、冷却空気出口ガス75となって排出されるようになっている。なお、出口ヘッダー68および出口配管69は、冷却空気71Aと共有されていて、構造の簡略化を図っている。
図5A〜5Eに空気予熱器9の他の実施例を示す。
図5Aは、空気予熱器9の全体を示す平面図である。本図において、空気31Aおよび燃焼ガス21Aは、予熱部27の中で対向して流れるようになっている。予熱部27の内部は、多段プレート型熱交換器となっている。図5Bは、図5AにおけるA−A’断面図を示したものであり、図5Cは、図5BにおけるB−B’断面図を示したものである。また、図5Dは、図5Aの斜視図であり、図5Eは、図5DにおけるC−C’断面図である。
本実施例の場合、内部構造が若干複雑になるが、出口温度に分布がつきにくく、均一な温度になり易い利点がある。
図5Aにおいて、予熱部27の空気31Bの流れを破線矢印で示す。入口空気配管62Aから入口マニホールド63Aに入った空気31Aは、予熱部27の入口ヘッダー90Aに送られる。入口ヘッダー90Aは、プレート枠503(図5Bに示す)およびヘッダー壁91Aによって形成されている。ヘッダー壁91Aには、空気開口部512が設置してあり、入口ダクト60Aおよび入口マニホールド61Aを通る燃焼ガス21Aと対向して流れるようになっている。
予熱部27で予熱された空気31Bは、出口ヘッダー90Bに送られる。出口ヘッダー90Bは、プレート枠503(図5Bに示す)とヘッダー壁91Bによって形成されている。ヘッダー壁91Bには空気開口部513が設置されていて、この空気開口部513を通して空気31Bが出口ヘッダー90Bに入るようになっている。出口ヘッダー90Bにて各プレートからの予熱空気31Bが合流する。合流した予熱空気31Cは、隣接する出口空気マニホールド63Bに送られ、出口空気配管62Bを通って予熱空気30となる。
なお、出口空気マニホールド63Bの内部には、予熱された空気を効率よく冷却するためのフィン付き冷却管(図5D、5Eにて説明)が備えてある。そして、出口空気マニホールド63Bは、ヘッダーの機能と予熱空気温度調節部28としての熱交換器(冷却器)の機能とを併せ持つ。
図5Bにおいて、プレート型熱交換器である予熱部27の燃焼ガス流路501および空気流路502を示す。燃焼ガス流路501と空気流路502とは、プレート枠503によって区分けされている。本図においては、空気流路502に波型のフィン504を設けてある。なお、この形状は本実施例に限定されるものではなく、燃焼ガス流路501にフィンを設けてもよい。
図5Cにおいて、プレート型熱交換器である予熱部27の空気流路502の詳細を示す。本図においては、入口ヘッダー90Aと出口ヘッダー90Bとの間に、ヘッダー壁91A、フィン504を有する空気流路502、およびヘッダー壁91Bを設置してある。そして、ヘッダー壁91A、91Bには、空気開口部512、513が設置してあり、空気は、入口ヘッダー90A、ヘッダー壁91A、空気流路502、ヘッダー壁91Bおよび出口ヘッダー90Bを通過するようになっている。
図5Dにおいて図5Aの斜視図を示すとともに、図5Eにおいて図5DのC−C’断面図を示すことにより、予熱空気温度調節部28(出口空気マニホールド)の構成を説明する。本図において、予熱空気温度調節部28の上部には、冷却入口配管64Aとそれに続く冷却空気入口ヘッダー65Aとが備えてあり、冷却空気70が導入されるようになっている。導入された冷却空気70は、図5Eに示すフィン522を有する空気流路521を流れ、図5Aに示す予熱空気31Cを冷却した冷却空気70は、冷却空気出口ヘッダー65Bおよび出口冷却配管64Bを通って出口冷却空気72となって排出される。予熱空気31Cは、予熱空気温度調節部28(出口空気マニホールド)において、積層されたフィン522の間を通過して図5Dに示す出口空気配管62Bに送られ、予熱空気30となる。すなわち、予熱空気31Cと冷却空気70とは、直交型の熱交換器において熱交換が行われるようになっている。
一方、燃焼ガス21Aは、入口ダクト60Aを通って入口マニホールド61Aに入り、ここで予熱部27の燃焼ガス流路501に分配される。そして、燃焼ガス21Aは、予熱部27において対向して流れる予熱空気31Bと熱交換して冷却され、燃焼ガス温度調節部29に入る。燃焼ガス温度調節部29は直交型の熱交換器であり、導入された燃焼ガス21Aは、冷却用媒体である空気71と熱交換して出口マニホールド61Bおよび出口ダクト60Bを通過して燃焼ガス23となる。
直交流型か対向流型かの選定は、システム全体のレイアウト、スペース等の条件を考慮して行うべきことであり、上記の実施例に限定されるものではない。なお、本発明では、空気予熱器、予熱空気温度調節部および燃焼ガス温度調節部を一体化した実施例を示したが、スペースに余裕がある場合、必ずしも一体化しないで各温度調節部を空気予熱器と切り離し、個別に設けても本発明の作用を損なうものではない。
本発明は、燃料電池の定常運転時だけでなく、燃料の流量または品質などが変動する負荷変動時、あるいは消費電力の変動などに伴う出力調整時にも適用可能である。
または、本発明は、大容量型の燃料電池だけでなく、家庭用、車載用などにも適用可能である。
本発明による燃料電池発電システムの第一の実施例を示すシステム構成図である。 本発明による燃料電池発電システムの第一の実施例において本発明の温度制御手段を示す全体構成図である。 本発明による燃料電池発電システムの第二の実施例を示すシステム構成図である。 本発明による燃料電池発電システムの空気予熱器の一実施例を示す平面図である。 本発明による燃料電池発電システムにおける空気予熱器の他の実施例を示す平面図である。 図5AにおけるA−A’断面図である。 図5BにおけるB−B’断面図である。 本発明による燃料電池発電システムの空気予熱器の一実施例を示す斜視図である。 図5DにおけるC−C’断面図である。
符号の説明
4:円筒セル、5:電池モジュール、7:プリ改質器、8:空気、9:空気予熱器、16:空気ヘッダー、21:燃焼ガス、27:予熱部、28:予熱空気温度調節部、29:燃焼ガス温度調節部、31:空気、52:排熱回収熱交換器、70、71:冷却空気、82:バイパス系統、83:流量調節弁、100:セル温度制御手段、200:改質温度制御手段。

Claims (10)

  1. セル集合体である電池モジュールと、該電池モジュール内に電池反応後のアノードガスとカソードガスとを混合して燃焼を行うための燃焼室とを備え、該燃焼室で燃焼した燃焼ガスの熱エネルギーを利用して該電池モジュールのカソードへ供給する空気を予熱する第一の熱交換器と、該第一の熱交換器を通過した該燃焼ガスの熱エネルギーを利用して原燃料を改質する改質部とを備えた固体酸化物形燃料電池発電システムであって、該第一の熱交換器の空気側出口部に予熱された該空気の温度を調整するための予熱空気温度調節部を設置し、該第一の熱交換器の燃焼ガス側出口に該空気を予熱した後の該燃焼ガスの温度を調整するための燃焼ガス温度調節部を設置したことを特徴とする固体酸化物形燃料電池発電システム。
  2. 前記第一の熱交換器の前記空気側入口に導入する空気を、予熱されるべき所定の流量に制御するための制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池発電システム。
  3. 前記予熱空気温度調節部が、予熱された前記空気と空気冷却用媒体とが熱交換する第二の熱交換器であり、前記燃焼ガス温度調節部が、前記空気を予熱した後の前記燃焼ガスと燃焼ガス冷却用媒体とが熱交換される第三の熱交換器であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池発電システム。
  4. 前記空気冷却用媒体および前記燃焼ガス冷却用媒体が空気であることを特徴とする請求項2記載の固体酸化物形燃料電池発電システム。
  5. 前記第一の熱交換器、前記第二の熱交換器および前記第三の熱交換器を一体化した構造とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池発電システム。
  6. 少なくとも前記電池モジュールのセル温度計測値、前記第二の熱交換器の出口の予熱空気温度計測値および前記カソードへ供給する空気の流量計測値に基づいて、前記空気冷却用媒体の流量を調節するセル温度制御手段と、少なくとも前記改質部の温度計測値、前記燃焼ガス温度調節部の出口の燃焼ガス温度計測値および前記カソードへ供給する空気の流量計測値に基づいて、前記燃料ガス冷却用媒体の流量を調節する改質温度制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池発電システム。
  7. 前記セル温度制御手段が、少なくとも前記電池モジュールのセル温度計測値、および前記第二の熱交換器の出口の予熱空気温度計測値を用いた演算処理による推定に基づいて、前記空気冷却用媒体の流量を制御し、前記改質温度制御手段が、少なくとも前記改質部の温度計測値、前記燃焼ガス温度調節部の出口の燃焼ガス温度計測値を用いた演算処理による推定に基づいて、前記燃焼ガス冷却用媒体の流量を制御することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池発電システム。
  8. 前記カソードへ供給する空気の一部を、前記第一の熱交換器を通さずにバイパスさせる空気流路と、該空気流路に流量調節弁とを設置し、前記改質温度制御手段が該空気流路の該流量調節弁の制御を行うことを特徴とする請求項6または7に記載の固体酸化物形燃料電池発電システム。
  9. 前記空気冷却用媒体および前記燃焼ガス冷却用媒体が、前記第二の熱交換器および前記第三の熱交換器で熱交換した後、熱回収されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに固体酸化物形燃料電池発電システム。
  10. 前記改質部を出た前記燃焼ガスと水とを熱交換し、該水から温水および/または水蒸気に生成する排熱回収熱交換器を備え、前記第二の熱交換器および前記第三の熱交換器を出た前記空気冷却用媒体および前記燃焼ガス冷却用媒体が該排熱回収熱交換器の上流側で前記燃焼ガスと混合された後、該排熱回収熱交換器に導かれることを特徴とする請求項9記載の固体酸化物形燃料電池発電システム。
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