JP2008088049A - 水素生成装置及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼ガス流路5と、燃焼ガス流路及び一酸化炭素低減器10から隔壁を介して伝達される熱によって水を蒸発させ且つ原料ガスを加熱する予熱蒸発器6、原料ガスと水蒸気とを改質触媒8と燃焼ガス流路から隔壁を介して伝達される熱とを利用して改質ガスを生成する改質器7と、改質器から供給される改質ガスの中の一酸化炭素を一酸化炭素除去触媒9により除去する一酸化炭素低減器10と、その内部空間を隔壁1,2,30,47で区画して燃焼ガス流路、予熱蒸発器、改質器、及び一酸化炭素低減器が形成された、両端が閉鎖された筒状の筒体3と、を具備し、予熱蒸発器と一酸化炭素低減器との間に、隔壁30と隔壁47とが互いに間隔を有して対向してなる伝熱緩衝部11が形成される。
【選択図】図1
Description
図1は本発明の実施の形態1の水素生成装置及び燃料電池システムの構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施の形態では、装置の筐体となる筒体3は円筒形の内筒(隔壁)1と外筒(隔壁)2とを軸方向を縦にした同心2重筒状に配置して形成してある。この筒体3の上下端は閉塞してある。内筒1の内周の中央部にバーナからなる燃焼器4が設けてあり、燃焼器4と内筒1の間に、内筒1の内周に沿って燃焼ガス流路5が形成してある。この燃焼ガス流路5は図示されない出口と通じて外部(大気)と連通している。
図6(a)は、図1の水素生成装置において、予熱蒸発器6と一酸化炭素低減器10の間に伝熱緩衝部11を設けず、予熱蒸発器6と一酸化炭素低減器10とを直接接触させるようにしたモデル(比較例)についての、二次元熱流体反応シミュレーションの結果を示すものである。一酸化炭素低減器10の高さを100mm、一酸化炭素低減器10への流入ガス温度を250℃とし、一酸化炭素低減器10の内側は水蒸気によって冷却されると仮定して、シミュレーションを実施した。一酸化炭素低減器10の厚さ方向の内側と、中央と、外側の温度を図6(a)に示す。図6(a)のシミュレーション結果にみられるように、一酸化炭素低減器10の内側は冷やされ過ぎており、一酸化炭素低減器10の厚さ方向の温度分布が大きく、厚さ方向の温度分布は最大で65℃程度と予測されるものであった。
図2は本発明の実施の形態2の水素生成装置及び燃料電池システムの構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本実施の形態では、伝熱緩衝空間48の下端を蓋板44で塞ぎ、改質ガス流通路40に連通されないようにすると共に、一酸化炭素低減器10の内周を画定する仕切り壁47の縦壁47aの上部に連通口43を設け、伝熱緩衝空間48と一酸化炭素低減器10とを連通させるようにしてある。その他の構成は図1のものと同じである。
図3は本発明の実施の形態3の水素生成装置及び燃料電池システムの構成を模式的に示す断面図である。図3に示すように、本実施の形態では、伝熱緩衝空間48の下端を蓋板44で塞いで改質ガス流通路40に連通されないようにすると共に、伝熱緩衝空間48の上端を画定する筒体3の上壁を開口させて筒体3の外部に連通させてある。従って伝熱緩衝空間48は、筒体3内とは隔離されている。そして、伝熱緩衝空間48に伝熱性部材12が充填されている。伝熱性部材12は、例えば、適宜選択した熱伝導率を有する金属で構成される。その他の構成は図1のものと同じである。
図4は本発明の実施の形態4の水素生成装置及び燃料電池システムの構成を模式的に示す断面図である。図4に示すように、本実施の形態では、仕切り壁47の縦壁47aの下部を内方へ突出させることによって、一酸化炭素低減器10の下部の内周に全周に亘って突出部46を設け、伝熱緩衝空間48の幅(厚み)が、一酸化炭素低減器10の下部では小さく、上部では大きくなるようにしてある。換言すれば、伝熱緩衝部11における仕切り壁47の縦壁47aと仕切り筒30の小径部30aとの間隔が一酸化炭素低減器10の下部では小さく、上部では大きくなるようにしてある。その他の構成は図1のものと同じである。
図5は本発明の実施の形態5の水素生成装置及び燃料電池システムの構成を模式的に示す断面図である。図5に示すように、本実施の形態では、実施の形態4において、一酸化炭素低減器10の内周下部の突出部46を予熱蒸発器6に仕切り筒30を挟んで隣接させ、これらの間には伝熱緩衝部11が形成されないようにしてある。具体的には、仕切り壁47の縦壁47aが、筒体3の上壁から下方に一酸化炭素低減器10の全高さ(全長)の半分程度の位置まで延びそこから内方へ水平に延びて仕切り筒30に接合されるように形成されている(この水平に延在する部分(以下、水平延在部分という)が請求項にいう(縦壁47aの)延長部分である)。符号50は、縦壁47aの水平延在部分と仕切り筒30との接合部を示す。このものでは、一酸化炭素低減器10の上流側の部分は予熱蒸発器6と仕切り筒30のみを介して熱交換するため、この部分での過熱を防止できると共に予熱蒸発器6の水への熱回収効率を高めることができるものである。一酸化炭素低減器10の変成触媒として銅・亜鉛系の触媒を用いる場合、300℃以上に過熱されると触媒の熱劣化が生じて触媒性能に悪影響を及ぼすが、このように一酸化炭素低減器10の高温部位に相当する上流側の部分が予熱蒸発器6と1つの隔壁(仕切り筒30)を介して熱交換するようにすることで、このような過熱を防止して変成触媒の耐久性を維持することが可能になるものである。また一酸化炭素低減器10の下流側の部分では伝熱緩衝部11で熱交換量を制限することによって、厚さ方向の温度分布を低減しつつ、所定の温度以下に冷却し過ぎないようにすることができるものである。
図8は本発明の実施の形態6の水素生成装置及び燃料電池システムの構成を模式的に示す断面図である。図8に示すように、本実施の形態は、実施の形態5(図5)を変形したもので最良の形態である。詳しく説明すると、仕切り壁47の縦壁47aが金属(例えば、ステンレス)で構成されている。また、仕切り壁47の縦壁47aは、鍔付き円筒状に形成されていて、その上端が筒体3の上壁との間に所定の間隔を有するように位置し、その位置から下方に、その位置と仕切り壁47の横壁47bとの距離の4分の3程度の距離を延び、そこから内方へ水平に延びて仕切り筒30に接合されるように形成されている(この水平延在部分が請求項にいう(縦壁47aの)延長部分である)。そして、この筒体3と仕切り壁47の縦壁47aと、仕切り筒30と、仕切り壁47の横壁47bとで区画された空間と、この空間に充填された一酸化炭素触媒9とで一酸化炭素除去器10が構成されている。一酸化炭素触媒9の上端は仕切り壁47の上端に一致している。かくして、一酸化炭素低減器10の内周下部の突出部46が予熱蒸発器6に仕切り筒30を挟んで隣接していて、これらの間には伝熱緩衝部11が形成されていない。そして、一酸化炭素低減器10と筒体3の上壁との間に一酸化炭素低減器10から流出する改質ガスの流路49が形成されていて、この改質ガスの流路49に伝熱緩衝空間48が連通している。なお、改質ガスの流路49は、筒体3の上壁に設けられた流出口37に連通している。そして、一酸化炭素低減器10を画定する仕切り壁47の縦壁47bの上端は、その周囲の水素生成装置の金属構造体(筒体3、外筒2等)には接続されておらず、接触もしてはいない。また、仕切り壁47の縦壁47aの水平延在部分と仕切り筒30との接合部50は、一酸化炭素低減器10の上流部における一酸化炭素除去触媒9の最上流端からこの一酸化炭素触媒9の長さの4分の1の部位に位置している。なお、この接合部50は、これ限らず、一酸化炭素低減器10の上流部における一酸化炭素除去触媒9の最上流端からこの一酸化炭素触媒9の長さの4分の1の部位までの間に位置していればよい。
仕切り壁47の縦壁47aの水平延在部分と仕切り筒30との接合50の位置に関して以下の点を注記する。
図9は本発明の実施の形態7の水素生成装置及び燃料電池システムの構成を模式的に示す断面図である。図9に示すように、本実施の形態では、実施の形態6の構成(注記を含む)において、伝熱緩衝空間48に、筒体3の上壁から下方に延びるように円筒状の流路隔壁(以下、伝熱緩衝部隔壁という)51が形成されている。伝熱緩衝部隔壁51は、その下端と仕切り壁47の縦壁47aの水平延在部分との間に間隔を有するように形成されている。また、改質ガスの流出口37は、筒体3の上壁に、仕切り筒30の上端と伝熱緩衝部隔壁51の上端との間に位置するように形成されている。これにより、伝熱緩衝空間48に、一酸化炭素除去触媒9から流出する改質ガスが、仕切り壁47の縦壁47aの内面を一酸化炭素除去触媒9内の流れに対向するように流れた後、反転して予熱蒸発器10に隣接しながら一酸化炭素除去触媒9内の流れと同方向に流れる改質ガスの流路が形成されている。そして、この伝熱緩衝空間48内の流路の予熱蒸発器10に隣接する部分に、高伝熱性部材57が充填されている。この高伝熱性部材57は、アルミナ又は金属を主成分とする粒子(例えば、粒径がΦ1.0mm〜Φ3.0mmである粒子)で構成されている。
なお、伝熱緩衝空間48内の流路の予熱蒸発器10に隣接する部分に、高伝熱性部材57を充填する構成に代えて、伝熱緩衝空間48内の流路の予熱蒸発器10に隣接する部分の幅を狭くし、それにより改質ガスの流速を大きくして熱交換性能を向上しても良い。
図10は本発明の実施の形態8の水素生成装置及び燃料電池システムの構成を模式的に示す断面図である。図10に示すように、本実施の形態では、実施の形態7の構成において、伝熱緩衝空間48内の流路の予熱蒸発器6に隣接する部分に、高伝熱性部材57に代えて、金属製の伝熱フィン52が設けられている。伝熱フィン52は、仕切り筒30の、伝熱緩衝空間48の流路と予熱蒸発器6との間に介在する部分の表面に設けられている。この構成によれば、予熱蒸発器6を画定する仕切り筒30の表面の伝熱面積を広くすることができ、その結果、流路圧損をあまり高めることなく熱交換性能を向上することができる。
図11は本発明の実施の形態9の水素生成装置及び燃料電池システムの構成を模式的に示す断面図である。図11に示すように、本実施の形態では、実施の形態7(図9)において、一酸化炭素低減器10に空気を供給する空気供給部53が設けられ、一酸化炭素低減器10の一酸化炭素除去触媒54が選択酸化触媒で構成されている。具体的には、改質ガス流通路40にその下流端が開口し、筒体3、断熱層13、及び外壁を貫通して外部に延びるように空気供給路55が形成され、この空気供給路55の上流端に空気供給部53が接続されている。
2 外筒
3 筒体
4 燃焼器
5 燃焼ガス流路
6 予熱蒸発器
7 改質触媒
8 改質器
9 一酸化炭素除去触媒
10 一酸化炭素低減器
11 伝熱緩衝部
12 伝熱性部材
13 断熱層
14 燃料電池
30 仕切り筒
30a 小径部
30b 大径部
31 原料ガス供給部
32 水供給部
33a,33b 原料ガス供給管
34 流出口
36 流入口
37 流出口
38 改質ガス供給管
40 改質ガス流通路
41 改質ガス返送管
43 連通口
44 蓋板
46 突出部
47 仕切り壁
47a 縦壁
47b 横壁
48 伝熱緩衝空間
49 改質ガス流路
50 接合部
51 伝熱緩衝部隔壁
52 伝熱フィン
53 空気供給部
54 選択酸化触媒
55 空気供給路
57 高伝熱性部材
Claims (17)
- 燃焼器で発生した燃焼ガスが流れる燃焼ガス流路と、
原料ガスと水とが供給され、前記燃焼ガス流路及び一酸化炭素低減器から隔壁を介して伝達される熱によって前記水を蒸発させ且つ前記原料ガスを加熱する予熱蒸発器と、
改質触媒を備え、前記予熱蒸発器から供給される原料ガスと水蒸気とを前記改質触媒と前記燃焼ガス流路から前記隔壁を介して伝達される熱とを利用して水蒸気改質反応させて水素を含む改質ガスを生成する改質器と、
一酸化炭素除去触媒を備え、前記改質器から供給される改質ガスの中の一酸化炭素を前記一酸化炭素除去触媒の作用により除去する前記一酸化炭素低減器と、
その内部空間を前記隔壁で区画するようにして前記燃焼ガス流路、前記予熱蒸発器、前記改質器、及び前記一酸化炭素低減器がその内部に形成された、両端が閉鎖された筒状の筒体と、を具備し、
前記予熱蒸発器と前記一酸化炭素低減器との間に、前記予熱蒸発器を画定する前記隔壁と前記一酸化炭素低減部を画定する前記隔壁とが互いに間隔を有して対向してなる伝熱緩衝部が形成されている、水素生成装置。 - 前記伝熱緩衝部において、前記互いに対向する隔壁間の空間(以下、伝熱緩衝空間)は、前記改質器から前記一酸化炭素低減器に向かう改質ガスの流路又は前記一酸化炭素低減器から流出する改質ガスの流路と連通していることを除いて閉じている空間に形成されている、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝部において、前記互いに対向する隔壁間に伝熱性部材が充填されている、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝部は、前記一酸化炭素低減器から前記予熱蒸発器へ伝達される熱の量が、前記一酸化炭素低減器のその改質ガスの流れの上流側が下流側より大きくなるように形成されている、請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝部において、前記互いに対向する隔壁の間隔が、前記一酸化炭素低減器のその改質ガスの流れの上流側が下流側より狭くなるように形成されている、請求項4に記載の水素生成装置。
- 前記筒体を囲むように断熱層が設けられている、請求項1乃至5のいずれかに記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝空間は、前記一酸化炭素低減器から流出する改質ガスの流路と連通しており、前記一酸化炭素低減器を画定する隔壁の前記予熱蒸発部を画定する隔壁と対向する部分が金属で構成されかつその延長部分が前記一酸化炭素低減器のその改質ガスの上流側において前記予熱蒸発部を画定する隔壁に接合している、請求項2に記載の水素生成装置。
- 前記延長部分と前記予熱蒸発部を画定する隔壁との接合部は、前記一酸化炭素低減器のガスの流れ方向において、該一酸化炭素低減器の最上流端と最下流端との間であって、前記一酸化炭素除去触媒の充填量に基づいて設定される部位に位置している、請求項8に記載の水素生成装置。
- 前記延長部分と前記予熱蒸発部を画定する隔壁との接合部は、前記一酸化炭素低減器のガスの流れ方向において、該一酸化炭素低減器の最上流端と該最上流端から該一酸化低減器の長さの略1/4離れた部位との間に位置している、請求項7に記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝空間に、前記一酸化炭素低減器から流出する改質ガスが前記一酸化炭素低減器を画定する隔壁に沿って該一酸化炭素低減器内の改質ガスの流れと反対方向に流れた後、前記予熱蒸発器を画定する隔壁に沿って該一酸化炭素低減気内の改質ガスの流れと同方向に流れるように伝熱緩衝部隔壁が配設されている、請求項8乃至10のいずれかに記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝空間を流れる改質ガスが該一酸化炭素低減器の改質ガスの流れと反対方向から該一酸化炭素低減器の改質ガスの流れと同方向にその流れの向きを変える位置が、前記一酸化炭素低減器のガスの流れ方向において、該一酸化炭素低減器の最上流端と最下流端の間であって、前記一酸化炭素除去触媒の充填量に基づいて設定される部位に位置している、請求項8に記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝空間を流れる改質ガスが該一酸化炭素低減器の改質ガスの流れと反対方向から該一酸化炭素低減器の改質ガスの流れと同方向にその流れの向きを変える位置が、該一酸化炭素低減器のガスの流れ方向において、該一酸化炭素低減器の最上流端と該最上流端から該一酸化低減器の長さの略1/4離れた部位との間に位置している、請求項10に記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝空間において前記改質ガスが前記予熱蒸発器を画定する隔壁に沿って流れる流路に伝熱性部材が設けられている、請求項10乃至12のいずれかに記載の水素生成装置。
- 前記伝熱性部材がアルミナ又は金属を主成分とする粒子である、請求項13に記載の水素生成装置。
- 前記伝熱緩衝空間において前記改質ガスが沿って流れる前記予熱蒸発器を画定する隔壁にフィン状突起が形成されている、請求項10乃至12のいずれかに記載の水素生成装置。
- 前記一酸化炭素低減器に流入する改質ガスの流路に空気を供給する空気供給路が形成されており、かつ前記一酸化炭素除去触媒が選択酸化触媒である、請求項1乃至15のいずれかに記載の水素生成装置。
- 請求項1乃至16のいずれかに記載の水素生成装置と、前記水素生成装置から供給される改質ガスと酸素を含む酸化ガスとを用いて発電する燃料電池とを備える、燃料電池システム。
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