JP2014072052A - 固体酸化物型燃料電池装置 - Google Patents

固体酸化物型燃料電池装置 Download PDF

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茂 安藤
Dai Momiyama
大 籾山
Kiyoshi Hayama
潔 端山
Masanori Furuya
正紀 古屋
Osamu Okamoto
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Abstract

【課題】燃料電池モジュールの発電運転の状態を変えることなく安定に保ちながら、燃料電池モジュール内全体を迅速に冷却することができる固体酸化物型燃料電池装置を提供する。
【解決手段】固体酸化物型燃料電池装置1は、燃料電池セルスタック14の上方に設けられた燃焼部18と、燃料電池セルスタック及び燃焼部から熱を受けるように配置された燃料ガス供給流路20と、燃焼部において燃焼された燃焼ガスを排気ガスとして排出する排ガス排出流路21と、この排ガス排出流路との間で熱交換可能に設けられ、発電用の酸化剤ガスを燃料電池セルスタックへ向けて導く酸化剤ガス供給流路22と、排ガス排出流路内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を、排気ガスの総熱量を変えることなく低減させるように変更する熱交換量変更手段60,152,156,158とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池装置に関し、特に、炭化水素系の原燃料ガスを改質し、改質された燃料ガスにより発電する固体酸化物型燃料電池装置に関する。
固体酸化物型燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下「SOFC」とも言う)は、電解質として酸化物イオン導電性固体電解質を用い、その両側に電極を取り付け、一方の側に燃料ガスを供給し、他方の側に酸化剤ガス(空気、酸素等)を供給して、比較的高温で動作する燃料電池である。
従来の燃料電池装置では、例えば、特許文献1に記載されているように、発電中の燃料電池モジュール内の温度が過剰に上昇する過昇温状態となるときに、発電量や燃料電池モジュール内に供給する燃料量及び発電用の空気量を変えることなく運転状態を維持するために、燃料電池モジュール内の温度を冷却するための冷媒を循環させる冷媒循環通路を設けたものが知られている。この冷媒循環通路には、冷媒流量制御弁が設けられており、この制御弁の開度を変えることにより、燃料電池モジュール内の温度を冷却する冷媒の流量を制御するようになっている。
また、特許文献2に記載されている従来の燃料電池装置では、燃料電池モジュール内の燃料電池セルスタックの下方に配置されている空気供給部材から空気を直接的に導入することにより、燃料電池セルスタックを冷却しているものが知られている。
特開2010−67460号公報 特表2005−317232号公報
上述した特許文献1及び2に記載されている従来の燃料電池装置においては、燃料電池モジュール内の温度を空気やその他の冷媒で冷却し続けると、燃料電池モジュール内の燃料電池セルスタックの温度が局所的に低下したり、大幅に低下し、温度ムラが生じるため運転状態が不安定になってしまう。したがって、このような燃料電池モジュール内の温度を低下させる制御は、運転状態に影響を及ぼさないように必要に応じて行わなければならないが、それでも燃料電池セルスタックの温度が要求通りに低下しない場合には、燃料電池モジュール内に供給する燃料ガスの量や酸化剤ガスの量を調整して燃料電池モジュールの発電量を調整する必要もある。
しかしながら、燃料電池モジュール内に供給する燃料ガスの量や燃料電池モジュールの発電量を調整して燃料電池モジュール内を冷却しようとした場合には、発熱量が抑えられるものの、放熱がなされるのを待つ必要があるため、迅速な冷却が難しい。また、燃料電池モジュール内に供給する燃料ガスや酸化剤ガスの量等を調整して冷却しようとした場合には、発電に必要な最低限の燃料ガスの量や酸化剤ガスの量よりも減らすことができないため、迅速な冷却が難しい。さらに、急激に燃料ガスの供給量や酸化剤ガスの供給量を減らしてしまうと、発電反応のムラを引き起こし、発電運転を不安定にしたり、燃料電池セルスタックを局部的に劣化させてしまうため、耐久性が悪化することが懸念される。
そこで、本発明は、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、燃料電池モジュールの発電運転の状態を変えることなく安定に保ちながら、燃料電池モジュール内全体を迅速に冷却することができる固体酸化物型燃料電池装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、炭化水素系の原燃料ガスを改質し、改質された燃料ガスにより発電する固体酸化物型燃料電池装置であって、改質された燃料ガスにより発電する燃料電池モジュールと、この燃料電池モジュールに原燃料ガスを供給する燃料供給装置と、この燃料供給装置により供給された原燃料ガスを水蒸気改質するための水を上記燃料電池モジュールに供給する水供給装置と、発電用の酸化剤ガスを上記燃料電池モジュールに供給する酸化剤ガス供給装置と、この酸化剤ガス供給装置により供給された発電用の酸化剤ガスと改質された燃料ガスを反応させることにより電力を生成する燃料電池セルスタックと、この燃料電池セルスタックの上方に設けられ、上記燃料電池セルスタックにおいて発電に利用されずに残った燃料ガスを燃焼させる燃焼部と、この燃焼部において燃焼された燃焼ガスを排気ガスとして排出する排ガス排出流路と、この排ガス排出流路との間で熱交換可能に設けられ、上記酸化剤ガス供給装置から供給された発電用の酸化剤ガスを上記燃料電池セルスタックへ向けて導く酸化剤ガス供給流路と、上記排ガス排出流路内の排気ガスと上記酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を、上記排気ガスの総熱量を変えることなく低減させるように変更する熱交換量変更手段と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、従来の固体酸化物型燃料電池装置の場合、例えば、燃料電池モジュール内に供給する燃料ガスの量や燃料電池モジュールの発電量を調整して燃料電池モジュール内を冷却しようとした場合には、発熱量が抑えられるものの、放熱がなされるのを待つ必要があるため、迅速な冷却が難しい。また、燃料電池モジュール内に供給する燃料ガスや酸化剤ガスの量等を調整して冷却しようとした場合には、発電に必要な最低限の燃料ガスの量や酸化剤ガスの量よりも減らすことができないため、迅速な冷却が難しい。さらに、急激に燃料ガスの供給量や酸化剤ガスの供給量を減らしてしまうと、発電反応のムラを引き起こし、発電運転を不安定にしたり、燃料電池セルスタックを局部的に劣化させてしまうため、耐久性が悪化することが懸念される。しかしながら、本発明では、熱交換量変更手段により、排気ガスの総熱量を変えることなく、排ガス排出流路内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させて変更することができるため、燃料電池モジュール内に供給する燃料ガスや酸化剤ガスの量、燃料電池モジュールの発電量等、燃料電池モジュールの運転状態を変えることなく、酸化剤ガスを冷却することができる。したがって、この冷却された酸化剤ガスが燃料電池モジュール内に供給され、この燃料電池モジュール内で分散した際に、燃料電池モジュール内全体が迅速に冷却されるため、燃料電池モジュールの運転状態を安定に保つことができると共に、燃料電池モジュール内の温度が過剰に上昇して過昇温状態になることを確実に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、更に、上記燃料電池モジュール内の温度が過剰に上昇する過昇温状態を検知する過昇温検知手段を有し、上記熱交換量変更手段は、上記過昇温検知手段が上記過昇温状態を検知したことを条件として、上記排ガス排出流路内の排気ガスと上記酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させる熱交換量変更制御を行う。
このように構成された本発明においては、排ガス排出流路内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を常に低下させた状態にしてしまうと、燃料電池モジュール内の温度が大幅に下がり、燃料電池モジュールの運転状態が不安定になってしまうため、燃料電池モジュール内の温度を低下させる制御は必要に応じて行うことが望ましい。そこで、本発明では、熱交換量変更手段が、排気ガスの総熱量を変えることなく、排ガス排出流路内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させることにより、燃料電池モジュールの運転状態への影響を抑えつつ燃料電池モジュール内の温度を低下させることができるため、過昇温検知手段が燃料電池モジュール内の過昇温状態を検知したことを条件に、燃料電池モジュール内が過昇温状態になる前の運転状態を保ちながら燃料電池モジュール内の温度を低下させることができ、燃料電池モジュール内が過昇温状態になることをより確実に防ぐことができる。
本発明において、好ましくは、上記熱交換量変更手段は、上記過昇温検知手段が上記過昇温状態を検知した場合には、上記燃料供給装置及び上記酸化剤ガス供給装置のそれぞれから上記燃料電池モジュールに供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整する制御を行う前に、上記熱交換量変更制御を行う。
このように構成された本発明においては、過昇温検知手段が燃料電池モジュール内の過昇温状態を検知した場合には、燃料供給装置及び酸化剤ガス供給装置のそれぞれから燃料電池モジュールに供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整する制御を行う前に、排ガス排出流路内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させる熱交換量変更制御を行うことができるため、燃料電池セルスタックにダメージを与えることなく燃料電池モジュール内の温度を低下させることができる。
本発明において、好ましくは、上記熱交換量変更手段は、上記熱交換量変更制御を行った後、上記燃料電池モジュール内のさらなる温度低下が要求される所定の条件を満たしている場合には、上記燃料供給装置及び上記酸化剤ガス供給装置のそれぞれから上記燃料電池モジュールに供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整する制御を行う。
このように構成された本発明においては、熱交換量変更制御を行った後、燃料電池モジュール内のさらなる温度低下が要求される場合には、熱交換量変更手段により、燃料供給装置及び酸化剤ガス供給装置のそれぞれから燃料電池モジュールに供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整する制御を行うことができるため、熱交換量変更制御を実施してもなお、燃料電池モジュール内が過昇温状態となる可能性があったり、燃料電池モジュール内の温度低下が不足している場合には、燃料電池セルスタックに対するダメージのリスクを覚悟した上で、燃料供給装置及び酸化剤ガス供給装置のそれぞれから燃料電池モジュールに供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整し、燃料電池モジュールの過昇温状態のリスクを回避することができる。
本発明において、好ましくは、上記熱交換量変更手段は、上記熱交換量変更制御を行う際に低減させる熱交換量を調整する熱交換量調整手段を備えている。
このように構成された本発明においては、熱交換量変更制御を行う際に低減させる熱交換量を熱交換量調整手段によって調整することにより、排気ガスの温度を微調整することもできるため、燃料電池モジュール内の温度低下をいち早く行うことができる。
本発明において、好ましくは、上記熱交換量変更手段は、上記酸化剤ガス供給流路と上記排ガス排出流路との間で熱交換される熱交換部よりも上流側に配置され、冷媒と排気ガスとを混合させて排ガス温度を低減させる排ガス温度低減手段を備え、この排ガス温度低減手段により温度が低下した排気ガスを上記排ガス排出流路の熱交換部に導入する。
このように構成された本発明においては、熱交換効率を低減する方法としては、排ガス排出流路の上流側(入口側)の温度を下げる、熱交換を行うための流路を短くする、熱交換を行う面積を減らす等の方法がある。しかしながら、熱交換を行うための流路を短くしたり、熱交換を行う面積を減らす方法に比べて、排気ガスの温度を低下させる方法によれば、冷媒との熱交換の量を調整することによって、より繊細に排ガス温度を調整することが可能となり、熱交換量をより細かに調整することができる。したがって、燃料電池モジュール内の温度を低下させる制御をより早い時期から行うことも、温度低下量が大きい場合には温度低下量を軽減することもでき、運転状態を安定に保つことができると共に、燃料電池モジュール内の温度が過剰に上昇して過昇温状態になることを確実に防ぐことができる。
本発明の固体酸化物型燃料電池装置によれば、燃料電池モジュールの発電運転の状態を変えることなく安定に保ちながら、燃料電池モジュール内全体を迅速に冷却することができる。
本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に備えられた燃料電池セル収容容器の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に備えられた燃料電池セル収容容器の断面図である。 図3のIV−IV線に沿う平面断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置に備えられた燃料電池セル収容容器の上部を拡大して示す概略断面図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池の起動時の動作を示すタイムチャートである。 図8は、各位置における、燃料ガス供給流路内の温度、及び排ガス排出流路内の温度を示すグラフであり、(a)起動10分後、(b)起動20分後、(c)起動30分後の温度を夫々示す。 需要電力の変化と、燃料供給量、及び燃料電池モジュールから実際に取り出される電流の関係を模式的に示したグラフである。 発電電流に対する適正な燃料電池セルスタックの温度を示すグラフである。 本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置の発電時の動作の一例を示すタイムチャートである。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)1は、燃料電池モジュール2と、補機ユニット4を備えている。
燃料電池モジュール2は、ハウジング6を備え、このハウジング6内部には、断熱材7を介して燃料電池セル収容容器8が配置されている。この燃料電池セル収容容器8内の下部には発電室10が構成され、この発電室10の中には、燃料ガスと酸化剤ガスである空気により発電反応を行う燃料電池セルスタック14が収容されている。この燃料電池セルスタック14は、同心円状に配置された100本の燃料電池セルユニット16から構成されている。
燃料電池セル収容容器8内の発電室10の上方(燃料電池セルスタック14の上方)には、燃焼部である燃焼室18が形成され、この燃焼室18で、発電反応に使用されずに残った残余の燃料(オフガス)と残余の空気とが燃焼し、排気ガスを生成するようになっている。
次に、補機ユニット4は、水道等の水供給源24からの水を貯水してフィルターにより純水とする純水タンク26と、この純水タンクから供給される水の流量を調整する水供給装置である水流量調整ユニット28(モータで駆動される「水ポンプ」等)を備えている。また、補機ユニット4は、都市ガス等の燃料供給源30から供給された炭化水素系の原燃料ガスの流量を調整する燃料供給装置である燃料ブロア38(モータで駆動される「燃料ポンプ」等)と、この燃料ブロア38から送られた原燃料ガスを分配する比例弁32を備えている。
なお、比例弁32を通過した原燃料ガスは、燃料電池モジュール2内に配置された脱硫器36と、熱交換器34、電磁弁35を介して燃料電池セル収容容器8の内部に導入される。脱硫器36は、燃料電池セル収容容器8の周囲を取り囲むように環状に形成されており、原燃料ガスから硫黄を除去するようになっている。また、熱交換器34は、脱硫器36において温度上昇した高温の原燃料ガスが直接電磁弁35に流入し、電磁弁35が劣化されるのを防止するために設けられている。電磁弁35は、燃料電池セル収容容器8内への原燃料ガスの供給を停止するために設けられている。
補機ユニット4は、空気供給源40から供給される空気の流量を調整する酸化剤ガス供給装置である空気流量調整ユニット45(モータで駆動される「空気ブロア」等)を備えている。
さらに、補機ユニット4には、燃料電池モジュール2からの排気ガスの熱を回収するための温水製造装置50が備えられている。この温水製造装置50には、水道水が供給され、この水道水が排気ガスの熱により温水となり、図示しない外部の給湯器の貯湯タンクへ供給されるようになっている。
さらに、燃料電池モジュール2には、燃料電池モジュール2により発電された電力を外部に供給するための電力取出部(電力変換部)であるインバータ54が接続されている。
次に、燃料電池セルユニット16について説明する。
本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池セルユニット16として、固体酸化物を用いた円筒横縞型セルが採用されている。
燃料電池セルユニット16は、円筒形の内側電極層(図示せず)と、内側電極層の周囲に設けられた電解質層(図示せず)と、この電解質層の周囲に設けられた外側電極層(図示せず)と、を備えている。内側電極層(図示せず)は、燃料ガスが通過する燃料極であり、(−)極となり、一方、外側電極層(図示せず)は、空気と接触する空気極であり、(+)極となっている。これら内側電極層(図示せず)、電解質層(図示せず)、外側電極層(図示せず)から構成された円筒状の部材に、各種電極端子(図示せず)を取り付けることにより燃料電池セルユニット16が構成される。実使用時においては、円筒形の内側電極層(図示せず)の内側の通路(図示せず)に燃料ガスが流され、外側電極層(図示せず)の周囲に発電用の酸化剤ガスとして空気が流される。
内側電極層(図示せず)は、例えば、Niと、CaやY、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニアとの混合体、Niと、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリアとの混合体、Niと、Sr、Mg、Co、Fe、Cuから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレードとの混合体、の少なくとも一種から形成される。
電解質層(図示せず)は、例えば、Y、Sc等の希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたジルコニア、希土類元素から選ばれる少なくとも一種をドープしたセリア、Sr、Mgから選ばれる少なくとも一種をドープしたランタンガレート、の少なくとも一種から形成される。
外側電極層(図示せず)は、例えば、Sr、Caから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンマンガナイト、Sr、Co、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンフェライト、Sr、Fe、Ni、Cuから選ばれた少なくとも一種をドープしたランタンコバルタイト、銀、などの少なくとも一種から形成される。
燃料電池セルスタック14は、燃料電池セル収容容器8の発電室10内に同心円上に配列された100本の燃料電池セルユニット16から構成されている。各燃料電池セルユニット16に取り付けられた各種電極端子(図示せず)、集電体(図示せず)を導電体(図示せず)により相互に電気的に接続することにより、燃料電池セルスタック14が構成される。各燃料電池セルユニット16を接続した導電体(図示せず)は、バスバー80(図3)に接続され、燃料電池セル収容容器8から引き出される。
次に、図2及び図3により、本発明の実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)の燃料電池モジュールに内蔵された燃料電池セル収容容器の内部構造を説明する。図2は、燃料電池セル収容容器の外観を示す斜視図であり、図3は燃料電池セル収容容器の断面図である。
図2及び図3に示すように、燃料電池セル収容容器8内の密閉空間には、複数の燃料電池セルユニット16が同心円状に配列された燃料電池セルスタック14が配置され、その周囲を取り囲むように燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、酸化剤ガス供給流路22が順に同心円状に形成されている。
まず、図2に示すように、燃料電池セル収容容器8は、概ね円筒状の密閉容器であり、その下部の外径が太くなっている。また、燃料電池セル収容容器8の下部側面には、発電用の空気を供給する酸化剤ガス流入口である酸化剤ガス導入パイプ56、及び排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58が接続されている。さらに、燃料電池セル収容容器8の上端面には、内蔵された燃焼バーナーに原燃料ガスを供給するためのバーナー用ガス供給パイプ60が接続され、また、上端面からは、燃焼バーナーに点火するための点火プラグ62が突出している。
図3に示すように、燃料電池セル収容容器8の内部には、燃料電池セルスタック14の周囲を取り囲むように、内側から順に、内側円筒部材64、外側円筒部材66、内側円筒容器68、外側円筒容器70が配置されている。上述した燃料ガス供給流路20、排ガス排出流路21、及び酸化剤ガス供給流路22は、これらの円筒部材及び円筒容器の間に夫々構成される流路であり、隣り合う流路の間で熱交換が行われる。即ち、排ガス排出流路21は燃料ガス供給流路20を取り囲むように配置され、酸化剤ガス供給流路22は排ガス排出流路21を取り囲むように配置されている。また、燃料電池セル収容容器8の底面は、概ね円形のベース部材72により密閉されている。
内側円筒部材64は、上部の小径部と、下部の大径部と、それらを接続するテーパー部からなる概ね円筒状の管である。
外側円筒部材66は、内側円筒部材64の周囲に配置される円筒状の管であり、内側円筒部材64との間にほぼ一定幅の円環状の流路が形成されるように、内側円筒部材64と概ね相似形に形成されている。内側円筒部材64の外周面と、外側円筒部材66の内周面の間の円環状の空間は、燃料ガス供給流路20として機能する。このため、燃料ガス供給流路20は、取り囲んでいる燃料電池セルスタック14及び燃焼室18から熱を受ける。また、内側円筒部材64の上端部と外側円筒部材66の上端部は接合されており、燃料ガス供給流路20の上端は閉鎖されている。
内側円筒容器68は、外側円筒部材66の周囲に配置される円形断面のカップ状の部材であり、外側円筒部材66との間にほぼ一定幅の円環状の流路が形成されるように、側面が外側円筒部材66と概ね相似形に形成されている。外側円筒部材66の外周面と、内側円筒容器68の内周面の間の円環状の空間は、排ガス排出流路21として機能する。この排ガス排出流路21は、外側円筒部材66の上端部で、内側円筒部材64の内側の空間と連通する。また、内側円筒容器68の下部側面には、排ガス流出口である排ガス排出パイプ58が接続されており、排ガス排出流路21が排ガス排出パイプ58に連通される。
外側円筒容器70は、内側円筒容器68の周囲に配置される円形断面のカップ状の部材であり、内側円筒容器68との間にほぼ一定幅の円環状の流路が形成されるように、側面が内側円筒容器68と概ね相似形に形成されている。内側円筒容器68の外周面と、外側円筒容器70の内周面の間の円環状の空間は、酸化剤ガス供給流路22として機能する。また、外側円筒容器70の下部側面には、酸化剤ガス導入パイプ56が接続されており、酸化剤ガス供給流路22が酸化剤ガス導入パイプ56に連通される。
ベース部材72は、概ね円板状の部材であり、内側円筒容器68の下端に設けられたフランジに、パッキンを介して固定されることにより、密封された燃料電池セル収容容器8を構成している。また、内側円筒部材64及び外側円筒部材66の下端も、ベース部材72まで延びている。
内側円筒容器68の天井面から垂下するように、発電用の空気を噴射するための、円形断面の酸化剤ガス噴射用パイプ74が取り付けられている。この酸化剤ガス噴射用パイプ74は、内側円筒容器68の中心軸線上を鉛直方向に延び、その周囲の同心円上に各燃料電池セルユニット16が配置される。酸化剤ガス噴射用パイプ74の上端が内側円筒容器68の天井面に取り付けられることにより、内側円筒容器68と外側円筒容器70の間に形成されている酸化剤ガス供給流路22と酸化剤ガス噴射用パイプ74が連通される。一方、酸化剤ガス噴射用パイプ74の下端面は閉鎖されると共に、下端部側面には複数の噴射口74aが設けられている。酸化剤ガス供給流路22から供給された空気は、酸化剤ガス噴射用パイプ74に流入し、下端部側面に設けられた複数の噴射口74aから周囲の各燃料電池セルユニット16に向けて放射状に噴射される。
ベース部材72の上面には、ドーナツ形断面の燃料ガス分散室76が設けられている。燃料ガス分散室76は、ベース部材72と同心円を為すように、ベース部材72上に設けられた気密性のあるチャンバであり、その上面に各燃料電池セルユニット16が林立されている。燃料ガス分散室76の上面に取り付けられた各燃料電池セルユニット16は、その内側の燃料極が、燃料ガス分散室76の内部と連通されている。
一方、内側円筒部材64と、燃料ガス分散室76の上面とを接続するように、改質ガス移送パイプ78が設けられている。改質ガス移送パイプ78は、内側円筒部材64の内側上部から、燃料ガス分散室76の上面へ、概ね鉛直方向に延びる管である。改質ガス移送パイプ78の上端は、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間の燃料ガス供給流路20と連通され、下端は、燃料ガス分散室76の上面を貫通して、燃料ガス分散室76の内部まで延びている。これにより、燃料ガス供給流路20内を上昇した燃料ガスは、改質ガス移送パイプ78を通って下方に下り、燃料ガス分散室76の中に流入する。燃料ガス分散室76に流入した燃料ガスは、各燃料電池セルユニット16の燃料極に分配される。
さらに、ベース部材72の中央には、ベース部材72を貫通するようにバスバー80が取り付けられている。バスバー80は、燃料電池セルスタック14により生成された電力を、燃料電池セル収容容器8の外部へ取り出すための細長い金属プレート導体であり、ベース部材72には絶縁体を介して取り付けられている。バスバー80は、燃料電池セル収容容器8の内部において、後述する各燃料電池セルユニット16に取り付けられた集電体と電気的に接続されている。また、バスバー80は、燃料電池セル収容容器8の外部において、インバータ54(図1)に接続される。
また、ベース部材72の上面には、燃料ガス分散室76を取り囲むように、円筒状のセルスタック保温用断熱材82が取り付けられている。セルスタック保温用断熱材82は、燃料ガス分散室76全体、及び燃料電池セルスタック14の下部約2/3程度の周囲を取り囲むように構成された円筒形の断熱材である。また、セルスタック保温用断熱材82の上部約1/3の部分は、上端に向けて断熱材の厚さが次第に薄くなるように、テーパが付けられている。この構成により、燃料電池セルスタック14と、その周囲の内側円筒部材64との間の断熱性は、セルスタック保温用断熱材82の上端に向けて少しずつ低下する。
次に、図4、図5を新たに参照して、燃焼バーナーの構成を説明する。
図4は、図3のIV−IV線に沿う平面断面図である。図5は、燃料電池セル収容容器の上部を拡大して示す概略断面図である。
図3乃至図5に示すように、燃焼バーナー84は、燃料電池セル収容容器8内の上端部に配置された概ねドーナツ形のバーナーであり、その中心軸線上に酸化剤ガス噴射用パイプ74が貫通されている。燃焼バーナー84の外周部には、複数のガス噴射口84aが設けられており、図4に示すように、燃焼バーナー84から概ね水平方向に放射状に炎が形成される。また、燃焼バーナー84の上面には、エジェクター84bが設けられている。エジェクター84bは、燃焼バーナー84内に燃料ガスを導入する導入口として形成されており、この導入口に向けてバーナー用ガス供給パイプ60の先端から燃料ガスが噴射される。バーナー用ガス供給パイプ60の先端から噴射された燃料ガスは、周囲の空気や排気ガスを引き込みながら、燃焼バーナー84の内部に導入される。燃焼バーナー84内に流入した燃料ガス及び空気は内部で混合され、各ガス噴射口84aから噴射される。
また、点火プラグ62(図3)は、その先端部がガス噴射口84aの近傍に位置するように配置されており、点火プラグ62の先端部で火花を発生させることにより、ガス噴射口84aから噴射された燃料ガス及び空気の混合気に点火される。燃焼バーナー84の炎は、ガス噴射口84aと向かい合う内側円筒部材64の上端部を加熱する。この燃焼バーナー84により加熱される内側円筒部材64の上端部は、加熱部64a(図5)として機能する。
次に、図3を参照して、燃料供給源30から供給される原燃料ガスを改質するための構成について説明する。
まず、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間の空間で構成されている燃料ガス供給流路20の下部には、水蒸気改質用の水を蒸発させるための蒸発部86が設けられている。蒸発部86は、外側円筒部材66の下部内周に取り付けられたリング状の傾斜板86a及び水供給パイプ88から構成されている。また、蒸発部86は、発電用の空気を導入するための酸化剤ガス導入パイプ56よりも下方で、排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58よりも上方に配置されている。傾斜板86aは、リング状に形成された金属の薄板であり、その外周縁が外側円筒部材66の内壁面に取り付けられる。一方、傾斜板86aの内周縁は外周縁よりも上方に位置し、傾斜板86aの内周縁と、内側円筒部材64の外壁面との間には隙間が設けられている。
水供給パイプ88はベース部材72を貫通して鉛直方向に延びるパイプであり、水流量調整ユニット28から供給された水蒸気改質用の水が、水供給パイプ88を介して蒸発部86に供給される。水供給パイプ88の上端は、傾斜板86aを貫通して傾斜板86aの上面側まで延び、傾斜板86aの上面側に供給された水は、傾斜板86aの上面と外側円筒部材66の内壁面の間に留まる。傾斜板86aの上面側に供給された水は、そこで蒸発され水蒸気が生成される。このように、水供給パイプ88の上端部は、水導入部88aとして機能する。
また、蒸発部86の下方には、原燃料ガスを燃料ガス供給流路20内に導入するための燃料ガス導入部が設けられている。燃料ブロア38から送られた原燃料ガスは、燃料ガス供給パイプ90を介して燃料ガス供給流路20に導入される。燃料ガス供給パイプ90はベース部材72を貫通して鉛直方向に延びるパイプであり、水供給パイプ88の近傍に配置されている。また、燃料ガス供給パイプ90の上端は、傾斜板86aよりも下方に位置している。従って、燃料ガス供給パイプ90の上端部は、燃料ガス導入部90aとして機能する。燃料ブロア38から送られた原燃料ガスは、傾斜板86aの下側に導入され、傾斜板86aの傾斜により流路を絞られながら傾斜板86aの上側へ上昇する。傾斜板86aの上側へ上昇した原燃料ガスは、蒸発部86で生成された水蒸気と共に上昇する。
燃料ガス供給流路20内の蒸発部86上方には、混合部92が設けられている。混合部92は、内側円筒部材64の外壁面に取り付けられた3つの螺旋羽根92aにより構成されている。各螺旋羽根92aは、内側円筒部材64の周りを概ね1周するC形の薄板から構成されており、この板が螺旋を描くように内側円筒部材64の外壁面に取り付けられている。また、各螺旋羽根92aの外周縁は、外側円筒部材66の内壁面近傍まで延びているため、燃料ガス供給流路20内には、各螺旋羽根92aにより、概ね螺旋を描く流路が形成される。この螺旋状の流路を通過することにより、燃料ガス導入部90aから導入された原燃料ガスと、蒸発部86で生成された水蒸気が十分に混合される。
さらに、燃料ガス供給流路20内の混合部92上方、且つ燃料ガス供給流路20上端の加熱部64a(図5)の下方には、改質部94が設けられている。改質部94は、燃料電池セルスタック14の上部と、その上方の燃焼室18の周囲を取り囲むように配置されている。改質部94は、内側円筒部材64の外壁面に取り付けられた6つの触媒保持螺旋板94aと、触媒保持螺旋板94aの上部および下部で内側円筒部材64の外壁面に取り付けられた2つの触媒保持通気板94bと、これらにより保持された改質触媒96によって構成されている。各触媒保持螺旋板94aは、内側円筒部材64の周りを概ね1周するC形の薄板から構成されており、この板が螺旋を描くように内側円筒部材64の外壁面に取り付けられている。また、各触媒保持螺旋板94aの外周縁は、外側円筒部材66の内壁面近傍まで延びているため、燃料ガス供給流路20内には、各触媒保持螺旋板94aにより、概ね螺旋を描く流路が形成される。各触媒保持通気板94bには、多数の細孔が設けられ通気性が確保される。その細孔の大きさは、改質触媒64を通過させないように保持しかつ原燃料ガスと水蒸気が改質部94へ流入させ、そして流出させることのできる通気性が確保される程度である。改質触媒96は、上述の各触媒保持螺旋板94a、各触媒保持通気板94bの内部に充填される。
このように、改質部94内に充填された改質触媒96に、混合部92において混合された原燃料ガス及び水蒸気が接触すると、改質部94内においては、式(1)に示す水蒸気改質反応SRが進行する。
mn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (1)
改質部94において改質された燃料ガスは、改質ガス移送パイプ78を通って下方に流れ、燃料ガス分散室76に流入して、各燃料電池セルユニット16に供給される。なお、水蒸気改質反応SRは吸熱反応であるが、反応に要する熱は、燃焼バーナー84により加熱された加熱部64a(図5)から伝導する熱、燃焼室18において生成される燃焼熱、及び燃料電池セルスタック14において発生する発電熱により供給される。
次に図6により本実施形態による固体酸化物型燃料電池装置(SOFC)に備えられているセンサ類等について説明する。図6は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1(SOFC)を示すブロック図である。
図6に示すように、固体酸化物型燃料電池装置1は、制御部110を備え、この制御部110には、使用者が操作するための「ON」や「OFF」等の操作ボタンを備えた操作装置112、発電出力値(ワット数)等の種々のデータを表示するための表示装置114、及び、異常状態のとき等に警報(ワーニング)を発する報知装置116が接続されている。なお、この報知装置116は、遠隔地にある管理センタに接続され、この管理センタに異常状態を通知するようなものであっても良い。また、制御部110には、マイクロコンピュータ、メモリ、及びこれらを作動させるプログラム(以上、図示せず)が内蔵されており、これらにより、制御部110に接続された各機器が制御される。
次に、制御部110には、以下に説明する種々のセンサからの信号が入力されるようになっている。
先ず、可燃ガス検出センサ120は、ガス漏れを検知するためのもので、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4に取り付けられている。
CO検出センサ122は、本来排気ガス通路80等を経て外部に排出される排気ガス中のCOが、燃料電池モジュール2及び補機ユニット4を覆う外部ハウジング(図示せず)へ漏れたかどうかを検知するためのものである。
貯湯状態検出センサ124は、図示しない給湯器におけるお湯の温度や水量を検知するためのものである。
電力状態検出センサ126は、インバータ54及び分電盤(図示せず)の電流及び電圧等を検知するためのものである。
発電用空気流量検出センサ128は、発電室10に供給される発電用空気の流量を検出するためのものである。
改質用空気流量センサ130は、改質器20に供給される改質用空気の流量を検出するためのものである。
燃料流量センサ132は、改質器20に供給される燃料ガスの流量を検出するためのものである。
水流量センサ134は、改質器20に供給される純水の流量を検出するためのものである。
水位センサ136は、純水タンク26の水位を検出するためのものである。
圧力センサ138は、改質部94の外部の上流側の圧力を検出するためのものである。
排気温度センサ140は、温水製造装置50に流入する排気ガスの温度を検出するためのものである。
発電室温度センサ142は、燃料電池セルスタック14の近傍の温度を検出して、燃料電池セルスタック14の温度を推定するためのものである。
燃焼室温度センサ144は、燃焼室18の温度を検出するためのものである。
排気ガス室温度センサ146は、排ガス排出流路21内を流れる排気ガスの温度を検出するためのものである。
改質器温度センサ148は、改質部94の温度を検出するためのものであり、改質部94の入口温度と出口温度から改質部94の温度を算出する。
外気温度センサ150は、固体酸化物型燃料電池装置1(SOFC)が屋外に配置された場合、外気の温度を検出するためのものである。また、外気の湿度等を測定するセンサを設けるようにしても良い。
これらのセンサ類からの信号は、制御部110に送られ、制御部110は、これらの信号によるデータに基づき、水流量調整ユニット28、燃料ブロア38、空気流量調整ユニット45に制御信号を送り、これらのユニットにおける各流量を制御するようになっている。
次に図7により本実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1(SOFC)の起動時の動作を説明する。図7は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池(SOFC)の起動時の動作を示すタイムチャートであり、燃料電池セルスタック14の温度が反映される発電室10の温度、及び改質部94の温度の推移を示している。また、図7には、これらの温度と併せて、発電用の空気の供給流量、燃焼バーナー84への燃料ガスの供給流量、改質部94への燃料ガスの供給流量、及び蒸発部86への水の供給流量が示されているが、これらは各供給流量の増減の傾向を模式的に表すものであり、具体的な供給量を表すものではない。
固体酸化物型燃料電池装置1の起動時においては、燃料電池モジュール2内の燃料電池セルスタック14を発電可能な温度まで昇温させるために起動工程を実行する。この起動工程においては、燃料電池モジュール2からインバータ54へ電力が取り出されることはない。従って、起動工程においては、燃料電池モジュール2は発電を行わない。
先ず、図7の時刻t1において、制御部110により空気流量調整ユニット45が起動され、燃料電池モジュール2への空気の供給が開始される。供給された空気は、酸化剤ガス導入パイプ56から酸化剤ガス供給流路22に流入し、酸化剤ガス供給流路22内を上方に向かって流れた後、酸化剤ガス噴射用パイプ74に流入する。酸化剤ガス噴射用パイプ74に流入した空気は下降し、酸化剤ガス噴射用パイプ74下端の噴射口74aから、酸化剤ガス噴射用パイプ74を取り囲むように配置された各燃料電池セルユニット16の下部に吹き付けられる。各燃料電池セルユニット16の下部(燃料電池セルスタック14の下部)に吹き付けられた空気は、発電室10内を上昇して燃焼室18内に流入し、燃焼バーナー84と内側円筒部材64の内壁面の間の環状の空間を通って、内側円筒容器68の天井面に到達する。内側円筒容器68の天井面に到達した空気は、放射方向に流れて、内側円筒容器68と外側円筒部材66の間に形成された排ガス排出流路21に流入する。排ガス排出流路21に流入した空気は、下降して、排ガス排出パイプ58から燃料電池モジュール2の外へ排出される。これにより、燃料電池モジュール2の発電室10内、燃焼室18内に滞留していた気体も燃料電池モジュール2の外へ排出される。
次に、時刻t1において、制御部110により燃料ブロア38が起動される。燃料ブロア38が起動されることにより、燃料供給源30から供給された原燃料ガスは、比例弁32に送り込まれる。時刻t1においては、比例弁32は、供給された全ての原燃料ガスが、燃焼バーナー84へ送り込まれる状態に設定されている。従って、比例弁32から流出した原燃料ガスは、バーナー用ガス供給パイプ60に流入する。バーナー用ガス供給パイプ60に流入した原燃料ガスは、その下端から燃焼バーナー84のエジェクター84bに向けて噴射される。エジェクター84bに噴射された原燃料ガスは、周囲の空気を巻き込みながら、空気と共に燃焼バーナー84の内部に流入する。燃焼バーナー84に流入した原燃料ガスは、その各ガス噴射口84aから概ね水平方向に、放射状に噴射される。
さらに、時刻t2において、制御部110により点火プラグ62に信号が送られ、ガス噴射口84aから噴射されている原燃料ガスに点火される。これにより、燃焼バーナー84の燃焼熱により燃料電池モジュール2内の温度を上昇させる燃焼運転が開始される。燃焼バーナー84の炎は、燃焼バーナー84の外周面と対向するように配置されている内側円筒部材64の上端部である加熱部64aを加熱する。加熱部64aが加熱されると、熱伝導により内側円筒部材64全体の温度が上昇すると共に、内側円筒部材64と接合されている外側円筒部材66の温度も上昇する。これにより、内側円筒部材64と外側円筒部材66の間に配置されている改質部94内の改質触媒96も加熱され温度上昇する。
また、内側円筒部材64に取り囲まれている発電室10内、燃焼室18内の温度も上昇する。さらに、燃焼バーナー84により生成された高温の燃焼ガスは、燃焼バーナー84と加熱部64aの間の空間を通って排ガス排出流路21に流入する。即ち、燃焼により生じた排気ガスは、外側円筒部材66と内側円筒容器68の間の排ガス排出流路21を通って排出される。この際、外側円筒部材66の内側に設けられた改質部94を周囲から加熱すると共に、内側円筒容器68の外側に設けられている酸化剤ガス供給流路22内を流れる空気を加熱する。これにより、酸化剤ガス噴射用パイプ74を通って発電室10内に流入する空気の温度も上昇し、発電室10内の温度も上昇する。これらの作用により、時刻t2以降、発電室10内の温度、及び改質部94の温度が上昇する。
改質部94の温度が十分に上昇すると、制御部110は、時刻t3において、改質部94への燃料及び水蒸気の供給を開始する。これにより、燃焼バーナー84の燃焼熱で燃料電池モジュール2内を加熱しながら、改質部94内においては水蒸気改質反応SRを発生させるSR1工程が開始される。具体的には、制御部110により比例弁32の設定が変更され、流入した原燃料ガスが燃焼バーナー84及び改質部94へ供給されるようになる。また、制御部110により、水流量調整ユニット28が起動され、蒸発部86への水の供給が開始される。
比例弁32の設定が変更されることにより、比例弁32へ流入した原燃料ガスは、燃焼バーナー84の他に、脱硫器36へも供給されるようになる。脱硫器36へ流入した原燃料ガスは、そこで硫黄分が除去される。なお、時刻t3においては、燃料電池セル収容容器8を取り囲むように配置されている脱硫器36内の触媒(図示せず)の温度も、脱硫が可能な温度まで上昇されており、十分に硫黄分を除去することができる。脱硫器36から流出した原燃料ガスは、熱交換器34により温度が低下され、電磁弁35を通って燃料電池セル収容容器8内に流入する。なお、脱硫器36から流出した原燃料ガスの温度を熱交換器34で低下させることにより、後続の電磁弁35の劣化が防止される。
電磁弁35を通過した原燃料ガスは、燃料ガス供給パイプ90の先端の燃料ガス導入部90aから、燃料ガス供給流路20に流入する。燃料ガス供給流路20の内部は、その上端の加熱部64aが加熱されているため、上方の温度が高い状態にある。また、排ガス排出流路21の排ガス排出パイプ58は、燃料ガス導入部90aよりも上方に設けられているため、燃料ガス導入部90aの上方の部分までが排気ガスの熱により加熱されるので、燃料ガス導入部90aの上方の温度が高くなる。このため、燃料ガス供給流路20内には上昇気流が存在するので、燃料ガス導入部90aから流入した原燃料ガスは、上昇気流と共に上昇する。この際、燃料ガス導入部90aの上方に取り付けられた傾斜板86aにより、原燃料ガスの流路は上方が狭くなるように絞られるため、ここで原燃料ガスの流速が上昇する。
一方、水流量調整ユニット28により送り出された改質用の水は、水供給パイプ88先端の水導入部88aから流出し、傾斜板86aの上側の面に流入する。ここで、傾斜板86aが取り付けられている外側円筒部材66の外側は、排ガス排出流路21であり、上方で改質部94を加熱した高温の排気ガスが、傾斜板86aの周囲まで流下している。この高温の排気ガスの流れにより、蒸発部86を構成する傾斜板86a及びその近傍の外側円筒部材66の温度も上昇しているため、水導入部88aから蒸発部86に流入した水は蒸発され、水蒸気が生成される。なお、排ガス排出流路21内を流下する排気ガスは、上方で改質部94を加熱することにより温度が低下しているが、蒸発部86は、改質部94ほど高温まで加熱する必要はないため、改質部94を加熱した後の排気ガスによっても十分に加熱することができる。また、蒸発部86は、燃料電池セルスタック14の側からも熱を受けるが、燃料電池セルスタック14と蒸発部86の間には、セルスタック保温用断熱材82が配置されているので、蒸発部86は主に排ガス排出流路21からの熱により加熱される。
また、排気ガスを排出する排ガス排出パイプ58は、蒸発部86よりも下方に配置されているため、排気ガスは蒸発部86を加熱した後、排ガス排出パイプ58から排出される。これにより、蒸発部86は、排ガス排出流路21内を流れる排気ガスの熱により十分に加熱される。また、蒸発部86は、発電用の空気を導入するための酸化剤ガス導入パイプ56よりも下方に配置されている。このため、排ガス排出流路21の、蒸発部86を取り囲んでいる部分は、酸化剤ガス供給流路22内を流れる空気により熱を奪われにくく、蒸発部86は排気ガスの熱により確実に加熱される。
ここで、燃料ガス導入部90aと水導入部88aは近傍に配置されている。このため、燃料ガス導入部90aから流入し、傾斜板86aの内周縁と内側円筒部材64の外壁面の間から上昇した原燃料ガスは、水導入部88aから導入され、傾斜板86aの上面の水導入部88a近傍で蒸発された水蒸気と即座に混ざり合いながら、上昇気流と共に燃料ガス供給流路20内を上昇する。原燃料ガス及び水蒸気は、蒸発部86の上方に配置された混合部92に到達し、ここで、各螺旋羽根92aによって形成されている螺旋状の流路に沿って、内側円筒部材64の周囲を回りながら上昇する。螺旋状の流路を旋回しながら上昇することにより、原燃料ガスと水蒸気は十分に混合される。
混合部92において十分に混合された原燃料ガス及び水蒸気は更に上昇し、混合部92の上方に配置されている改質部94に到達する。改質部94においては、原燃料ガス及び水蒸気は、螺旋を為すように配置された触媒保持螺旋板94aに沿って螺旋状に流れ、ここで、改質触媒96に接触する。これにより、上記式(1)に示した水蒸気改質反応SRが発生し、原燃料ガスは、水素を豊富に含む燃料ガスに改質される。
改質部94において改質された燃料ガスは、改質ガス移送パイプ78を通って下方に流れ、燃料ガス分散室76に流入する。燃料ガス分散室76に流入した燃料ガスは、燃料ガス分散室76の上面に配置された各燃料電池セルユニット16内側の燃料極に流入する。燃料極に流入した燃料ガスは、各燃料電池セルユニット16内を上昇し、各燃料電池セルユニット16の上端から流出する。時刻t3においては、発電室10内の温度は十分に上昇しているため、各燃料電池セルユニット16の上端から流出した燃料ガスは燃焼され、各燃料電池セルユニット16の上端には炎が形成される。この各燃料電池セルユニット16上方の燃焼室18内における燃料ガスの燃焼熱によっても、燃焼室18を取り囲むように配置されている改質部94が加熱される。
上述したように、改質部94内で発生する水蒸気改質反応SRは、吸熱反応であるが、この反応に要する熱は、燃焼バーナー84による加熱部64aへの加熱、燃焼室18内における燃焼熱、及び燃焼室18から改質部94周囲の排ガス排出流路21を通って流れる排気の熱によって賄われる。
燃料電池モジュール2内の温度が所定の温度まで上昇すると、制御部110は、時刻t4において、SR2工程を開始させる。SR2工程においては、制御部110により比例弁32の設定が変更され、燃焼バーナー84への燃料ガス供給量が減少される一方、改質部94への燃料ガス供給量が増加される。また、水流量調整ユニット28により蒸発部86へ供給される水の流量も増加される。これにより、燃焼バーナー84による加熱が減少し、各燃料電池セルユニット16の上端から流出する燃料ガスの燃焼熱による加熱が増加する。
燃料電池モジュール2内の温度が更に上昇して、所定の温度に到達すると、制御部110は、時刻t5において、SR3工程を開始させる。SR3工程においては、制御部110により比例弁32の設定が変更され、燃焼バーナー84への燃料ガスの供給が停止される一方、改質部94への燃料ガス供給量が増加される。また、水流量調整ユニット28により蒸発部86へ供給される水の流量も増加される。これにより、燃焼バーナー84による加熱が停止され、専ら各燃料電池セルユニット16の上端から流出する燃料ガスの燃焼熱により加熱されるようになる。
さらに、燃料電池セルスタック14の温度が、発電可能な温度に到達すると、制御部110は、時刻t6において、起動工程を終了し、発電工程を開始する。具体的には、制御部110により、燃料電池モジュール2がインバータ54に接続され、バスバー80を介してインバータ54に電流が取り出される。これにより、各燃料電池セルユニット16の燃料極側(内側)を流れる燃料ガスと、空気極側(外側)を流れる空気の間で発電反応が発生し、電力が生成される。なお、発電工程においては、燃料ガス供給流量、水供給流量、及び発電用の空気流量は、要求される発電量に応じて決定される。本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、SR3工程における燃料ガス供給流量、水供給流量、及び発電用の空気流量は、最大定格電力を生成するために必要な各流量よりも多く設定されている。従って、SR3工程から発電工程に移行すると、燃料ガス供給流量、水供給流量、及び空気流量は低下される。
発電工程では、各燃料電池セルユニット16において、発電熱が発生する。従って、燃料電池モジュール2の内部は、各燃料電池セルユニット16の発電熱によっても加熱される。特に、燃料電池セルスタック14の上部の周囲を取り囲むように配置されている改質部94は、発電熱により加熱される。このため、発電工程中においても、燃料ガス供給流路20は、上部の温度が高く、下部の温度が低くなり、その内部において上昇気流が発生し、供給された原燃料ガスが容易に上方へ送られる。
また、発電室10内の温度は、その上部が燃焼室18における燃焼熱により加熱されるため、上部において温度が高く、下部において温度が低くなる傾向があり、これにより、各燃料電池セルユニット16においても、その上部と下部の間で温度ムラが発生しやすい。
しかしながら、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、燃料電池セルスタック14の下部がセルスタック保温用断熱材82によって包囲されているため、各燃料電池セルユニット16の下部で発生した発電熱が、周囲の内側円筒部材64(燃料ガス供給流路20)へ移りにくく、各燃料電池セルユニット16の下部が保温される。一方、温度が上昇しやすい各燃料電池セルユニット16の上部は、内部で吸熱反応が発生している改質部94と直接対向しているため、周囲に発電熱が奪われやすくなっている。これにより、各燃料電池セルユニット16における上部と下部の間での温度ムラが抑制される。
さらに、燃料電池セルスタック14を取り囲むセルスタック保温用断熱材82は、上端に向かって次第に薄くなるように形成されている。これにより、各燃料電池セルユニット16において、セルスタック保温用断熱材82に囲まれている部分と、囲まれていない部分で急激に断熱性が変化することによる温度ムラの発生が抑制される。また、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、内側円筒部材64の下部の内径が大きく、上部の内径が小さく形成されている。このため、燃料電池セルスタック14の下部においては、燃料電池セルスタック14から周囲の内側円筒部材64までの距離が離れており、上部においては内側円筒部材64までの距離が近接し、下方ほど燃料電池セルスタックから内側円筒部材64までの距離が離れている。これにより、燃料ガス供給流路20は、燃料電池セルスタック14の下部からは、燃料電池セルスタック14の上部からよりも、燃料電池セルスタック14の熱を受けにくくなる。換言すれば、燃料電池セルスタック14の下部においては、発電熱が奪われにくくなり、各燃料電池セルユニット16における上部と下部の間での温度ムラが抑制される。
また、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1においては、発電用の空気は、燃料電池セルスタック14の中央に配置された酸化剤ガス噴射用パイプ74から放射状に噴射され、発電室10内を上昇した後、内側円筒部材64の上端縁から、環状の排ガス排出流路21に流入する。このため、発電室10内及び燃焼室18内の空気の流れは、ほぼ完全に軸対称の流れとなり、燃料電池セルスタック14を構成する各燃料電池セルユニット16の周囲には、ムラなく空気が流れる。これにより、各燃料電池セルユニット16間の温度差が抑制され、各燃料電池セルユニット16で均等な起電力を発生することができる。
次に、図8を参照して、起動工程における燃料電池セル収容容器8内の温度分布を説明する。図8(a)乃至(c)は、図3に示す位置A、B、C、Dにおける、燃料ガス供給流路20内の温度、及び排ガス排出流路21内の温度を示すグラフであり、燃料ガス供給流路20内の温度を実線で、排ガス排出流路21内の温度を破線で示している。図8(a)は起動10分後の温度分布を示し、(b)は20分後、(c)は30分後を示している。図3に示すように、位置Aは、燃料電池セル収容容器8の上端部近傍であり、燃料ガス供給流路20内の位置Aは加熱部64a近傍であり、排ガス排出流路21内の位置Aは排ガス排出流路21の入り口近傍である。位置Bは、燃料ガス供給流路20内において改質部94が形成された部分に該当する。位置Cは、混合部92と改質部94の間の部分に該当する。位置Dは、燃料ガス供給流路20内において蒸発部86が形成された部分に該当する。
まず、図8(a)に示すように、起動10分後においては、燃焼バーナー84で加熱されている加熱部64a近傍の位置Aにおける温度は上昇しているが、下方の位置B乃至Dにおける温度は、あまり上昇していない。また、破線で示す排ガス排出流路21内の温度の方が、実線で示す燃料ガス供給流路20内の温度よりも高くなっている。
次に、図8(b)に示すように、起動20分後においては、加熱部64a近傍の位置Aにおける熱が、下方の位置B、Cに伝導され、温度が上昇しており、改質部94の温度が上昇し始めている。これに対して、位置Dにおける温度は、まだあまり上昇していない。また、図8(b)から明らかなように、排ガス排出流路21内の温度は、燃料ガス供給流路20内の温度よりも高く、排ガス排出流路21内を流れる排気ガスにより、燃料ガス供給流路20内の燃料ガス、水、改質触媒96が加熱される。また、図8(b)において、燃料ガス供給流路20内の位置Dの温度が100℃程度まで上昇しており、蒸発部86内における水蒸気の生成が可能になる。
さらに、図8(c)に示すように、起動30分後においては、位置Bにおける温度が位置Aに接近し、改質触媒96が十分に加熱されていることが分かる。また、図8(b)(c)から明らかなように、燃料ガス供給流路20内の温度は、上方ほど高くなっており、これにより生じる上昇気流により、燃料ガスは、ブロア等によりあまり加圧されていなくとも、燃料ガス供給流路20内で上昇し改質部94へ送り込まれる。また、蒸発部86において発生した水蒸気も上昇気流により、燃料ガスと混合されながら、改質部94へ送り込まれる。このように、燃料ガス供給流路20内においては、大きな温度勾配が発生している一方、燃料ガス供給流路20により取り囲まれている燃料電池セルスタック14の上部と下部の間の温度ムラは、上述したように抑制される。
次に、図9は、需要電力の変化と、燃料供給量、及び燃料電池モジュールから実際に取り出される電流の関係を模式的に示したグラフである。
図9に示すように、燃料電池モジュール2は、図9の最上段に示す需要電力に応じた電力を生成できるように制御される。制御部110は、需要電力に基づいて、燃料電池モジュール2が生成すべき目標の電流である燃料供給電流値Ifを、図9の2段目のグラフに示すように設定する。燃料供給電流値Ifは、概ね需要電力の変化に追従するように設定されるが、燃料電池モジュール2の応答速度は需要電力の変化に対して極めて緩慢であるため、需要電力の短周期の急激な変化には追従せず、需要電力に緩やかに追従するように設定される。また、需要電力が固体酸化物型燃料電池装置1の最大定格電力を超えた場合には、燃料供給電流値Ifは最大定格電力に対応する電流値まで追従し、それ以上の電流値に設定されることはない。
制御部110は、図9の3段目のグラフに示すように、燃料供給装置である燃料ブロア38を制御して、燃料供給電流値Ifに対応する電力が生成できる流量の燃料供給量Frを燃料電池モジュール2に供給する。なお、燃料供給量に対する実際に発電に使用される燃料の割合である燃料利用率が一定であるとすれば、燃料供給電流値Ifと燃料供給量Frは比例する。図19のグラフは、燃料供給電流値Ifと燃料供給量Frが比例するものとして描かれているが、実際には本実施形態においても燃料利用率は一定ではない。
さらに、図9の最下段のグラフに示すように、制御部110は、燃料電池モジュール2から取り出すことができる電流値である取出可能電流Iinvをインバータ54に対して指示する信号を出力する。インバータ54は、時々刻々急激に変化する需要電力に応じ、取出可能電流Iinvの範囲内で燃料電池モジュール2から電流(電力)を取り出す。
需要電力が取出可能電流Iinvを上回る部分については、系統電力から供給される。ここで、図9に示すように、制御部110がインバータ54に指示する取出可能電流Iinvは、電流が増加傾向にある場合、燃料供給量Frの変化に対して所定時間遅れて変化するように設定される。例えば、図9の時刻t7においては、燃料供給電流値If及び燃料供給量Frが上昇を始めた後、遅れて、取出可能電流Iinvの増加が開始される。また、時刻t9においても、燃料供給電流値If及び燃料供給量Frの増加の後、遅れて、取出可能電流Iinvの増加が開始される。このように、燃料供給量Frを増加させた後、実際に燃料電池モジュール2から取り出す電力を増加させるタイミングを遅らせることにより、燃料電池モジュール2に供給された燃料が改質器20等を通って燃料電池セルスタック14に到達するまでの時間遅れや、燃料が電池セルスタック14に到達した後、実際の発電反応が可能になるまでの時間遅れに対処している。これにより、各燃料電池セルユニット16において燃料枯れが発生し、燃料電池セルユニット16が損傷されるのを確実に防止している。
次に、図10は、発電電流に対する適正な燃料電池セルスタック14の温度を示すグラフである。
図10に一点鎖線で示すように、本実施形態においては、燃料電池モジュール2によって生成すべき電流に対して、適正な燃料電池セルスタック14の温度Ts(I)が規定されている。制御部110は、燃料電池セルスタック14の温度が、適正な温度Ts(I)に近づくように、燃料供給量等を制御する。即ち、制御部110は、概略的には、発電電流に対して燃料電池セルスタック14の温度が高い場合(燃料電池セルスタック14の温度が図10の一点鎖線よりも上にある場合)には、燃料利用率を高め、セルスタック保温用断熱材82等に蓄積されている熱量を積極的に消費して、燃料電池モジュール2内の温度を低下させる。逆に、発電電流に対して燃料電池セルスタック14の温度が低い場合には、燃料利用率を低下させ、燃料電池モジュール2内の温度が低下しないようにする。
また、発電室温度センサ142の検出温度Td及び発電電流が、図10に一定鎖線で示されている適正な温度Ts(I)よりも温度が高い領域には、電流維持領域が設定されている。この電流維持領域の最低の温度は、燃料電池モジュール2による発電電力に応じて異なるように設定されており、発電電力が大きいほど電流維持領域の最低の温度が高く設定されている。
そして、発電室温度センサ142の検出温度Td及び発電電流が、電流維持領域内にあるか否かが判断され、電流維持領域内にある場合には、発電電流の増加が禁止され、以後、需要電力が増加しても、発電電流は増加させずに維持される。また、需要電力が低下した場合には、需要電力の低下に追従して発電電流(電力)の上限値を低下させ、需要電力が増加しても、発電電流(電力)の上限値は上昇させずに維持される。このような発電電流の制限は、検出温度Td及び発電電流が、電流維持領域から外れ、燃料電池モジュール2の過剰な温度上昇の状態(過昇温状態)が解消されるまで継続される。
さらに、発電室温度センサ142は、このような燃料電池モジュール2内の過昇温状態を検知する手段として、発電室温度センサ142が用いられ、この発電室温度センサ142の検出温度Tdの温度に基づいて、制御部110が、燃料電池モジュール2内が過昇温状態であるか否かについて判断するようになっている。
つぎに、図1及び図11を参照して、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置の発電時の動作の一例について説明する。
図11は、本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置の発電時の動作の一例を示すタイムチャートである。
まず、図1に示すように、補機ユニット4の空気流量調整ユニット45と酸化剤ガス導入パイプ56との間には、空気流量調整ユニット45から送られた空気を分配する比例弁152が設けられている。この比例弁152の下流側には、逆止弁154が設けられており、この逆止弁154の下流側且つ比例弁32の下流側には、切替弁156が設けられている。
また、補機ユニット4の排ガス排出パイプ58と温水製造装置50との間には、排ガス排出パイプ58から排出された排気ガスを分配する比例弁158が設けられている。この比例弁158の下流側には、ポンプ等の昇圧器160が設けられており、この昇圧器160の下流側は、切替弁156に接続されている。
さらに、切替弁156の下流側は、バーナー用ガス供給パイプ60に接続されており、切替弁156の切替動作により、比例弁32から切替弁156を経てバーナー用ガス供給パイプ60に原燃料ガスが送られる経路と、比例弁152から逆止弁154及び切替弁156を経てバーナー用ガス供給パイプ60に冷媒用の空気が送られる経路と、比例弁158から昇圧器160及び切替弁156を経てバーナー用ガス供給パイプ60に冷媒用の排気ガスが送られる経路が形成されるようになっている。
また、バーナー用ガス供給パイプ60は、酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスと排ガス排出流路21内の排気ガスとの間で熱交換される熱交換部よりも上流側に配置されており、バーナー用ガス供給パイプ60から送出される冷媒と発電室10内の排気ガスとを混合させて排ガス排出流路21内の排ガス温度を低減させる排ガス温度低減手段として機能し、比例弁158から昇圧器160及び切替弁156を経てバーナー用ガス供給パイプ60に供給された冷媒用の排気ガスは、排ガス排出流路21内の熱交換部に導入されるようになっている。
つぎに、図11に示すように、まず、図11の時刻t12においては、制御部110が、発電室温度センサ142の検出温度Tdの温度に基づいて、燃料電池モジュール2内が過昇温状態であると判断した場合には、空気ブロア45と酸化剤ガス導入パイプ56との間に設けられた比例弁152(図1参照)が作動し、冷媒用の空気が逆止弁154(図1参照)及び切替弁156(図1参照)を経てバーナー用ガス供給パイプ60に供給される。このとき、比例弁152から逆止弁154及び切替弁156を経てバーナー用ガス供給パイプ60に冷媒用の空気が送られた分だけ、比例弁152から酸化剤ガス導入パイプ56に供給される発電用の空気が減少しないように、空気流量調整ユニット45と比例弁152を調整することにより、比例弁152から酸化剤ガス導入パイプ56に供給される発電用の空気の流量が一定に維持される。また、比例弁32からバーナー用ガス供給パイプ60への経路は切替弁156により閉鎖されるため、比例弁32からバーナー用ガス供給パイプ60へは原燃料ガスが供給されておらず、比例弁32から脱硫器36に供給される原燃料ガスの流量が維持される。
一方、図11の時刻t12では、比例弁152から逆止弁154を経て切替弁156までの経路のみが、切替弁156によりバーナー用ガス供給パイプ60に連通接続され、比例弁158から昇圧器160から切替弁156までの経路は、比例弁158により閉鎖されている。したがって、図11の時刻t12から時刻t13までの間、バーナー用ガス供給パイプ60には、比例弁152からの冷媒用の空気のみが供給され、この冷媒用の空気の流量を増加させる。そして、バーナー用ガス供給パイプ60の先端から供給された冷媒用の空気が、燃料電池モジュール2の発電室10内から排ガス排出流路21へ排出される排気ガスを冷却する。また、図11の時刻t12から時刻t13までの間では、冷媒用の空気と排ガス排出流路21へ排出される冷媒用の排気ガスとを合計した流量(図11の「冷媒用空気と冷媒用排気ガスの合計流量」)は、冷媒用の排気ガスの流量が零であるため、冷媒用の空気の流量が増加する分だけ増加する。
これらにより、排ガス排出流路21内の排気ガスの温度が下がるため、排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量が低減し、発電用の酸化剤ガスの温度も低下する。そして、燃料電池セルスタック14の温度も緩やかに低下する。
つぎに、時刻t13で冷媒用の空気の流量(冷媒流量)が所定の流量に達すると、時刻t14まで冷媒用の空気の流量を一定に維持するように、比例弁152が調整される。また、時刻t13から時刻t14までの間、比例弁152から酸化剤ガス導入パイプ56に供給される発電用の空気の流量と、比例弁32から脱硫器36に供給される原燃料ガスの流量のそれぞれは、依然として一定に維持される。また、このとき、冷媒用の排気ガスの流量が零であり、冷媒用の空気の流量が一定であるため、図11に示す冷媒用空気と冷媒用排気ガスの合計流量についても、一定に維持される。
つぎに、図11の時刻t14において、発電室温度センサ142の検出温度Tdの温度に基づいて、なおも燃料電池モジュール2内が過昇温状態であると判断した場合には、燃料電池モジュール2内の温度低下が足りないため、燃料ブロア38及び空気流量調整ユニット45を調整することにより、比例弁32から脱硫器36に供給される原燃料ガスの流量を低減させると共に、比例弁152から酸化剤ガス導入パイプ56に供給される発電用の空気の流量を増加させ、強制的な冷却による温度低下を図る。
また、時刻t14から時刻t15までの間、酸化剤ガス導入パイプ56に供給される冷媒用の空気と冷媒用の排気ガスの合計流量についても一定に維持される。さらに、時刻t12から時刻t15までの間、酸化剤ガス導入パイプ56に供給される冷媒用の空気の温度(図11の「冷媒温度」)は一定となる。
つぎに、図11の時刻t15において、発電室温度センサ142の検出温度Tdの温度が低下している傾向にあり、燃料電池モジュール2内の過昇温状態が改善している傾向にある場合には、原燃料ガス及び発電用の空気のそれぞれの流量を調節することよる強制的な冷却を中止し、原燃料ガス及び発電用の空気のそれぞれの流量を時刻t14以前の一定の流量に戻す。これと同時に、比例弁158を調整し、この比例弁158から昇圧器160及び切替弁156を経てバーナー用ガス供給パイプ60に冷媒用の排気ガスを導入する。このとき、バーナー用ガス供給パイプ60には、比例弁152からの冷媒用の空気と比例弁158からの冷媒用の排気ガスが混合された状態で供給される。
また、冷媒用の空気は、この冷媒用の空気よりも温度が高い排気ガスが混合されたことにより、温度(図11の「冷媒温度」)が時刻t16まで高められるため、冷媒用の空気による発電室10の温度低下を緩慢にする。
さらに、時刻t15から時刻t16までの間、燃料電池モジュール2の発電室10内から排ガス排出流路21へ排出される排気ガスの一部が、比例弁158からバーナー用ガス供給パイプ60に供給される冷媒用の排気ガスとして利用されるため、この冷媒用の排気ガスの流量(図11の「冷媒用排ガス流量」)は増加する。また、比例弁152から酸化剤ガス導入パイプ56に供給される発電用の空気の流量は減少し、冷媒用の空気の流量も減少するため、図11に示す冷媒用空気と冷媒用排気ガスの合計流量も減少する。このとき、発電運転中の排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量が、排ガス排出流路21内の排気ガスの総熱量を変えることなく低減するように変更される。
つぎに、時刻t16において、比例弁152から酸化剤ガス導入パイプ52に発電用の空気が100%供給されるように比例弁152が調整され、比例弁152からバーナー用ガス供給パイプ60に供給される冷媒用の空気が零に設定される。これにより、バーナー用ガス供給パイプ60に供給される冷媒は、比例弁158からの昇圧器160及び切替弁156を経てバーナー用ガス供給パイプ60に供給される冷媒用の排気ガスのみとなり、この冷媒用の排気ガスの温度(図11の時刻t16から時刻t17までの「冷媒温度」)は、時刻t15以前の冷媒用の空気の温度(図11の時刻t16の「冷媒温度」)よりも高められ、冷却効果が最も緩慢となる。
つぎに、時刻t16から時刻t17までの間においては、冷媒用の排気ガスの流量(図11の「冷媒用排ガス流量」)を減少させ、時刻t17において、制御部110が、発電室温度センサ142の検出温度Tdの温度に基づいて、燃料電池モジュール2内の過昇温状態が解消されていると判断した場合には、比例弁158から昇圧器160及び切替弁156を経てバーナー用ガス供給パイプ60に冷媒用の排気ガスの流量が零になるように比例弁158を調整し、通常の発電運転に復帰させる。
以上に説明したように、本実施形態においては、燃料電池モジュール2内の過昇温状態を考慮した発電運転を行う際に、発電運転中に排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとが熱交換される熱交換量を、排ガス排出流路21内の排気ガスの総熱量を変えることなく低減させるように変更するために、各比例弁152,158、切替弁158、バーナー用ガス供給パイプ60、及びこのバーナー用ガス供給パイプ60から送出される冷媒(冷媒用の空気、冷媒用の排気ガス)が、このような排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を変更するための手段として機能するようになっている。
上述した本発明の一実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1によれば、従来の固体酸化物型燃料電池装置の場合、例えば、燃料電池モジュール内に供給する燃料ガスの量や燃料電池モジュールの発電量を調整して燃料電池モジュール内を冷却しようとした場合には、発熱量が抑えられるものの、放熱がなされるのを待つ必要があるため、迅速な冷却が難しい。また、燃料電池モジュール内に供給する燃料ガスや酸化剤ガスの量等を調整して冷却しようとした場合には、発電に必要な最低限の燃料ガスの量や酸化剤ガスの量よりも減らすことができないため、迅速な冷却が難しい。さらに、急激に燃料ガスの供給量や酸化剤ガスの供給量を減らしてしまうと、発電反応のムラを引き起こし、発電運転を不安定にしたり、燃料電池セルスタックを局部的に劣化させてしまうため、耐久性が悪化することが懸念される。しかしながら、本実施形態の固体酸化物型燃料電池装置1では、各比例弁152,158、切替弁158、バーナー用ガス供給パイプ60から送出される冷媒(冷媒用の空気、冷媒用の排気ガス)を調整することにより、排気ガスの総熱量を変えることなく、排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させて変更することができる。したがって、燃料電池モジュール2内に供給する燃料ガスや酸化剤ガスの量、燃料電池モジュール2の発電量等、燃料電池モジュール2の運転状態を変えることなく、酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスを冷却することができる。よって、この冷却された酸化剤ガスが燃料電池モジュール2内に供給され、この燃料電池モジュール2内で分散した際に、燃料電池モジュール2内全体が迅速に冷却されるため、燃料電池モジュール2の運転状態を安定に保つことができると共に、燃料電池モジュール2内の温度が過剰に上昇して過昇温状態になることを確実に防ぐことができる。
また、本実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1によれば、排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を常に低下させた状態にしてしまうと、燃料電池モジュール2内の温度が大幅に下がり、燃料電池モジュール2の運転状態が不安定になってしまうため、燃料電池モジュール2内の温度を低下させる制御は必要に応じて行うことが望ましい。そこで、本実施形態では、各比例弁152,158、切替弁158、バーナー用ガス供給パイプ60から送出される冷媒(冷媒用の空気、冷媒用の排気ガス)を調整し、排気ガスの総熱量を変えることなく、排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させて変更することにより、燃料電池モジュール2の運転状態への影響を抑えつつ燃料電池モジュール2内の温度を低下させることができる。したがって、制御部110が発電室温度センサ142の検出温度Tdの温度に基づいて、燃料電池モジュール2内が過昇温状態であると判断したことを条件に、燃料電池モジュール2内が過昇温状態になる前の運転状態を保ちながら燃料電池モジュール2内の温度を低下させることができ、燃料電池モジュール2内が過昇温状態になることをより確実に防ぐことができる。
さらに、本実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1によれば、制御部110が、発電室温度センサ142の検出温度Tdの温度に基づいて、燃料電池モジュール2内が過昇温状態であると判断した場合には、燃料ブロア38及び空気流量調整ユニット45のそれぞれから燃料電池モジュール2に供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整する制御を行う前に、排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させることができるため、燃料電池セルスタック14にダメージを与えることなく燃料電池モジュール2内の温度を低下させることができる。
また、本実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1によれば、燃料ブロア38及び空気流量調整ユニット45のそれぞれから燃料電池モジュール2に供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整する制御を行う前に、排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させる熱交換量変更制御を行った後、燃料電池モジュール2内のさらなる温度低下が要求される場合には、燃料ブロア38及び空気流量調整ユニット45のそれぞれから燃料電池モジュール2に供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整する制御を行うことができる。したがって、排ガス排出流路21内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路22内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させる熱交換量変更制御を実施してもなお、燃料電池モジュール2内が過昇温状態となる可能性があったり、燃料電池モジュール2内の温度低下が不足している場合には、燃料電池セルスタック14に対するダメージのリスクを覚悟した上で、燃料ブロア38及び空気流量調整ユニット45のそれぞれから燃料電池モジュール2に供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整し、燃料電池モジュール2の過昇温状態のリスクを回避することができる。
さらに、本実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1によれば、熱交換量変更制御を行う際に低減させる熱交換量について、比例弁158を調整することにより冷媒用の排気ガスの温度を微調整することもできるため、燃料電池モジュール2内の温度低下をいち早く行うことができる。
また、本実施形態による固体酸化物型燃料電池装置1によれば、排ガス排出流路内の排気ガスと酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換の効率を低減する方法としては、排ガス排出流路の上流側(入口側)の温度を下げる、熱交換を行うための流路を短くする、熱交換を行う面積を減らす等の方法がある。しかしながら、熱交換を行うための流路を短くしたり、熱交換を行う面積を減らす方法に比べて、排気ガスの温度を低下させる方法によれば、冷媒との熱交換の量を調整することによって、より繊細に排ガス排出流路21内の排気ガスの温度を調整することが可能となり、熱交換量をより細かに調整することができる。したがって、燃料電池モジュール2内の温度を低下させる制御をより早く行うことができ、運転状態を安定に保つことができると共に、燃料電池モジュール2内の温度が過剰に上昇して過昇温状態になることを確実に防ぐことができる。
1 固体酸化物型燃料電池装置
2 燃料電池モジュール
4 補機ユニット
7 断熱材
8 燃料電池セル収容容器
10 発電室
14 燃料電池セルスタック
16 燃料電池セルユニット
18 燃焼室(燃焼部)
20 燃料ガス供給流路
21 排ガス排出流路
22 酸化剤ガス供給流路
24 水供給源
26 純水タンク
28 水流量調整ユニット(水供給装置)
30 燃料供給源
32 比例弁
34 熱交換器
35 電磁弁
36 脱硫器
38 燃料ブロア(燃料供給装置)
40 空気供給源
45 空気流量調整ユニット(酸化剤ガス供給装置)
50 温水製造装置
54 インバータ
56 酸化剤ガス導入パイプ
58 排ガス排出パイプ
60 バーナー用ガス供給パイプ(熱交換量変更手段、排ガス温度低減手段)
62 点火プラグ
64 内側円筒部材
64a 加熱部
66 外側円筒部材
68 内側円筒容器
70 外側円筒容器
72 ベース部材
74 酸化剤ガス噴射用パイプ
74a 噴射口
76 燃料ガス分散室
78 改質ガス移送パイプ
80 バスバー
82 セルスタック保温用断熱材
84 燃焼バーナー
84a ガス噴射口
84b エジェクター
86 蒸発部
86a 傾斜板
88 水供給パイプ
88a 水導入部
90 燃料ガス供給パイプ
90a 燃料ガス導入部
92 混合部
92a 螺旋羽根
94 改質部
94a 触媒保持螺旋板
94b 触媒保持通気板
96 改質触媒
110 制御部
112 操作装置
114 表示装置
116 警報装置
126 電力状態検出センサ
132 燃料流量センサ
138 圧力センサ
140 排気温度センサ
142 発電室温度センサ(過昇温検知手段)
148 改質器温度センサ
150 外気温度センサ
152 比例弁(熱交換量変更手段)
154 逆止弁
156 切替弁(熱交換量変更手段)
158 比例弁(熱交換量変更手段、熱交換量調整手段)
160 昇圧器

Claims (6)

  1. 炭化水素系の原燃料ガスを改質し、改質された燃料ガスにより発電する固体酸化物型燃料電池装置であって、
    改質された燃料ガスにより発電する燃料電池モジュールと、
    この燃料電池モジュールに原燃料ガスを供給する燃料供給装置と、
    この燃料供給装置により供給された原燃料ガスを水蒸気改質するための水を上記燃料電池モジュールに供給する水供給装置と、
    発電用の酸化剤ガスを上記燃料電池モジュールに供給する酸化剤ガス供給装置と、
    この酸化剤ガス供給装置により供給された発電用の酸化剤ガスと改質された燃料ガスを反応させることにより電力を生成する燃料電池セルスタックと、
    この燃料電池セルスタックの上方に設けられ、上記燃料電池セルスタックにおいて発電に利用されずに残った燃料ガスを燃焼させる燃焼部と、
    この燃焼部において燃焼された燃焼ガスを排気ガスとして排出する排ガス排出流路と、
    この排ガス排出流路との間で熱交換可能に設けられ、上記酸化剤ガス供給装置から供給された発電用の酸化剤ガスを上記燃料電池セルスタックへ向けて導く酸化剤ガス供給流路と、
    上記排ガス排出流路内の排気ガスと上記酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を、上記排気ガスの総熱量を変えることなく低減させるように変更する熱交換量変更手段と、
    を有することを特徴とする固体酸化物型燃料電池装置。
  2. 更に、上記燃料電池モジュール内の温度が過剰に上昇する過昇温状態を検知する過昇温検知手段を有し、上記熱交換量変更手段は、上記過昇温検知手段が上記過昇温状態を検知したことを条件として、上記排ガス排出流路内の排気ガスと上記酸化剤ガス供給流路内の発電用の酸化剤ガスとの熱交換量を低減させる熱交換量変更制御を行う請求項1記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  3. 上記熱交換量変更手段は、上記過昇温検知手段が上記過昇温状態を検知した場合には、上記燃料供給装置及び上記酸化剤ガス供給装置のそれぞれから上記燃料電池モジュールに供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整する制御を行う前に、上記熱交換量変更制御を行う請求項2記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  4. 上記熱交換量変更手段は、上記熱交換量変更制御を行った後、上記燃料電池モジュール内のさらなる温度低下が要求される所定の条件を満たしている場合には、上記燃料供給装置及び上記酸化剤ガス供給装置のそれぞれから上記燃料電池モジュールに供給する原燃料ガス及び酸化剤ガスのそれぞれの量を調整する制御を行う請求項3記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  5. 上記熱交換量変更手段は、上記熱交換量変更制御を行う際に低減させる熱交換量を調整する熱交換量調整手段を備えている請求項4記載の固体酸化物型燃料電池装置。
  6. 上記熱交換量変更手段は、上記酸化剤ガス供給流路と上記排ガス排出流路との間で熱交換される熱交換部よりも上流側に配置され、冷媒と排気ガスとを混合させて排ガス温度を低減させる排ガス温度低減手段を備え、この排ガス温度低減手段により温度が低下した排気ガスを上記排ガス排出流路の熱交換部に導入する請求項5記載の固体酸化物型燃料電池装置。
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