JP7309879B2 - 改善した耐食性、強度、延性及び靭性を有するチタン合金 - Google Patents

改善した耐食性、強度、延性及び靭性を有するチタン合金 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年12月9日に提出した米国仮特許出願第62/777,213号の優先権とその利益を主張する。上記出願の開示を参照により本明細書に援用する。
(分野)
本開示は、改善した耐食性、強度、延性及び靭性の予想外の組み合わせを有するチタン合金に関する。
このセクションの記述は単に本開示に関する背景情報を提供するものであり、先行技術を構成しないことがある。
反応性金属であるチタンは、耐食性を表面酸化膜の形成と安定性に依存している。表面酸化膜が存在する安定した条件下では、チタンは優れた耐食挙動を発揮し得る。ただし、表面の酸化膜が不安定になると、非常に高い腐食速度を引き起こす可能性があるという点で、その逆も当てはまる。これらの酸化物の不安定な状態は通常pHスケールの両極端にあり、換言すれば、強酸性又は強アルカリ性溶液は酸化チタン膜に不安定性をもたらす可能性がある。
典型的に、酸化膜の安定性が不確かな領域でチタンを使用する場合、酸化膜の安定性を高めるために合金元素をチタンに添加し、こうして両極端のpHでの効果的な有用性を高める。この方法はpHスケールの酸性端に対して最も効果的であることが証明されており、合金化によって酸化膜の安定性を最大2pH単位以上高めることができる。pHは対数スケールで測定するため、これは沸騰塩酸(HCl)のような攻撃的な酸性条件での100倍を超える不動態の潜在的な増加になる。この点についての様々な程度の成功をモリブデン、ニッケル、タンタル、ニオブ及び貴金属などのいくつかの合金元素が示している。このグループの中で、白金族金属(PGM)が最も効果的な腐食に対する保護をもたらす。白金族金属は白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム及びオスミウムである。ただし、PGMは高価である。
本開示において、耐食性チタン合金の製造に関する問題の中でも、とりわけ耐食性チタン合金の問題を取り扱う。
厳しい腐食用途に対する同等の耐性を維持しながら、ASTMグレード12チタン合金(Ti-0.3Mo-0.8Ni)と比べて機械特性の改善とコスト削減を達成する合金元素と処理原理の組み合わせを備えるチタン合金を提供する。3.0から4.5重量%の間のモリブデン(Mo)、0.1から1.0重量%の間のニッケル(Ni)、0.1から1.5重量%の間のジルコニウム(Zr)、0.05から0.3重量%の間の鉄(Fe)、0.05から0.25重量%の間の酸素(O)、及び残部のチタン(Ti)と不可避不純物を備えるチタン合金を提供する。チタン合金は、ASTMグレード12チタン又は他のアルファ/ベータ型チタン合金と比べて改善した降伏強度の範囲を示す。
本開示のいくつかの変形形態では、チタン合金は、3.2から4.0重量%の範囲内のMo、0.3から0.5重量%の範囲内のNi、0.5から1.0重量%の範囲内のZr、0.1から0.25重量%の範囲内のFe、0.12から0.18重量%の範囲内のOと合金化される。
Ti-0.3Mo-0.8Niに対して増加したMo、Fe、O及びZrの組み合わせと、アルファ及びベータ相を備える微細な微細構造を生成するためのベータトランザス未満でのチタン合金の熱機械的処理は、Ni含有量の低減によりTi-0.3Mo-0.8Niと比べて優れた延性と靭性を達成しながら、80ksi(550MPa)最小0.2%降伏強度という要求される強度に当該材料を到達させることを可能にする。
Zrの添加並びにFe及びOの制御された添加によって、チタン合金の強度が先行技術に記載された以前の組成と比べて増加する。Fe及びOは合金の原料中にある程度存在することがあるが、本開示のいくつかの変形形態では追加の添加が必要である。例えば、本開示のいくつかの変形形態では、OはTiO粉末として添加され、ZrはZrスポンジ又は削り屑として添加される。また、必要な組成を達成するようFeを添加するために多くの選択肢がある。
本開示の教示はまた、インゴットの少なくとも最初の溶解のためのコールドハース溶解(電子ビーム又はプラズマアーク溶解によるCHM)の好ましい使用も含み、任意選択で続いてVAR法を使用し再溶解する。コールドハース溶解は、金属Mo、Ti-50%Mo又はFe-65%MoとしてのMoの添加を制御し、インゴット中にMo介在物が発生することを防止する。Zrの添加により合金の耐食性が向上し、Ni含有量を減らすことができ、CHMインゴットのインゴット表面を改善でき、その結果歩留まりが向上する。これにより、プレートとストリップの製造用に低コストのEBCHMシングルメルト鋳造スラブを、パイプの製造用にEBCHMシングルメルトの円筒形及び中空インゴットを使用できるようになる。
本開示の教示によるチタン合金は、任意のどのような微細構造状態においても改善した耐食性を示す一方、特定の用途に対する機械特性を調整するために1つ又は複数の熱処理を使用することができる。本開示のいくつかの変形形態では、チタン合金は焼なまし状態での予想外に高い靭性と、優れた腐食挙動と延性を保ちながら高強度へと熱処理される能力を有する。熱処理により降伏強度を約550から900MPa以上へ増加させることができる。ASTMグレード9及び12のような最もリーンアルファ/ベータ型の合金は、熱処理可能であると考えられていない。それどころか、これらの合金は強度を改善するために典型的には冷間加工され、応力除去される。よりベータが豊富な熱処理可能なアルファ/ベータチタン合金でさえ、350MPa以上の範囲の降伏強度の獲得は決して観測されない、すなわち、熱処理可能なアルファ/ベータ合金は約175MPa以下の(熱処理による)強度の範囲を示す。この広がった降伏強度の範囲は、以前に約10%以上のベータ安定化合金元素を含む準安定ベータチタン合金でのみ観測された。しかしながら、これらの準安定ベータチタン合金において低強度状態は熱的に安定しておらず、これらの合金は、通常は高強度状態でのみ利用される。もし低強度状態のままにすると、合金は相変態によって脆化しやすくなる。これに対して、本開示の教示によるチタン合金は、全てベータ安定化合金元素を5%未満しか含まないが、中及び高強度状態の両方で熱的な相安定性を有する。これは本明細書で開示されるチタン合金組成物の予想外の特性であり、この特徴の少なくとも一つの利点は、チタン合金を中強度、極高強度状態で、又は冷間加工し最終強化熱処理を施される能力を備える高強度チタン合金として利用できることである。Ti-6Al-4V(ASTMグレード5チタン)のような他の高強度チタン合金は、容易に冷間加工される能力を有していない。
更に適用できる領域は、本明細書で提供する説明により明らかになるであろう。説明と具体例は例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していないことを理解するべきである。
本開示が充分に理解されるように、添付の図面を参照して、例として与えるその様々な形態をここで説明する。
チタンASTMグレード2、7及び12の耐食性の比較を表したグラフである。 二元Ni-Ti系の状態図を表したグラフである。 コールドハース溶解(CHM)プロセスを表した図である。 インゴット表面の熱間割れを示す、電子ビームCHM(EBCHM)によって製造されたTi-0.3Mo-0.8Niインゴットの写真である。 VAR炉を示した図である。 本開示の教示によるフェーズ3ボタンサンプルによる室温引張試験結果の棒グラフである。 沸騰HCL中での腐食速度を示す、フェーズ3ボタンサンプルによる腐食試験結果の棒グラフである。 冷間圧延及び焼なまし状態の本開示の教示によるチタン合金のボタンサンプルの微細構造の写真である。 本開示の教示によるチタン合金の外径30インチのEBCHMシングルメルト中空インゴットの表面の写真である。 本開示の教示によるチタン合金の冷間圧延及び焼なましシートサンプルの微細構造の写真である。 本開示の教示によるチタン合金の押出及び焼なましパイプの微細構造の写真である。 本開示の教示によるチタン合金の走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真及び相組成である。 本開示の教示によるチタン合金の押出及び時効パイプの微細構造の写真である。 本開示の教示に従って形成した、焼なまし及び時効状態でのチタン合金のアルファ及びベータ相の元素組成を表したグラフである。 本開示の教示に従って形成したチタン合金から形成したシート及びパイプの焼なまし及び時効熱処理状態での室温引張試験結果の棒グラフである。 他のチタン合金と比較した、本開示の教示によるチタン合金の動的靭性値の棒グラフである。 本開示の教示によるチタン合金とチタンASTMグレード2、7及び12との耐食性の比較を表したグラフである。 本開示の教示によるチタン合金の曝露後のUベンドSCCサンプルの写真である。 本開示の教示によるチタン合金の曝露後の隙間腐食サンプルの写真である。
本明細書に記載の図面は例示のみを目的としており、本開示の範囲の限定を意図するものでは決してない。
(詳細な説明)
以下の説明は事実上単に例示しているだけに過ぎず、本開示、用途又は使用の制限を意図しない。図面を通して対応する参照番号は同様の又は対応する部分及び特徴を示すことを理解するべきである。
上記のように、白金族金属(PGM)を添加したチタン合金は腐食に対する最も効果的な保護をもたらす。例えば、わずか0.15%のPd又はPt合金添加元素は、高温の還元性酸溶媒におけるチタン(Ti)上の酸化膜の安定性を大きく高め、ゆえに耐食性を大きく高める。その結果、ASTMグレード7チタン(Ti-.15Pd)は、長年にわたり非合金化(低強度)チタンが腐食しやすい厳しい腐食条件で使用するために選ばれる標準的な物質であった。最近になって、ASTMグレード16(Ti-.05Pd)がより経済的でASTMグレード7に近いレベルの耐食性をもたらすため、ASTMグレード7の直接の代替品として使用されている。従って、それほど激しくない腐食用途でも同等であると考えられる傾向がある。
チタンへの白金族金属の添加がもたらす保護のメカニズムは、増加した陰極脱分極の一つであることを理解するべきである。白金族金属は酸性媒体中ではるかに低い水素過電圧をもたらし、それによって電気化学反応の陰極部の反応速度が増加する。この反応速度の増加は、陰極の半反応の傾きの変化になり、チタンのより貴な腐食電位につながる。チタンの能動的/受動的な陽極挙動は腐食電位(分極)の小さなシフトを可能にし、腐食速度に大きな変化をもたらす。
チタンをいずれかのPGM元素と合金化すると、合金化のコストが増大する。各PGM元素はチタンよりも高価であることにより、所望の増強した腐食保護を達成するためには高価な製品を製造することになる。例えば、少量のパラジウム(0.15%)を添加するコストによって、材料のコストが文字通りに2倍又は3倍になる可能性がある(パラジウムとチタンの時価に応じて)。従って、PGM元素が存在しない耐食性チタン合金が注目される。
チタン合金ASTMグレード12(Ti-0.3Mo-0.8Ni)は、非合金化チタンより幾つかの点で優れた、PGM元素の添加がないチタン合金の一例である。Ti-0.3Mo-0.8Ni合金は、熱塩水中での隙間腐食に対してよりよい耐性を示し(Ti-Pdと同様だがはるかに低コストである)、非合金化Ti(Ti-Pdではない)よりも、図1に示すように酸中での腐食に対する耐性がある。Ti-0.3Mo-0.8Ni合金は、非合金化グレードよりも大きい、高温、高圧用途で使用するための強度をももたらす。これは圧力容器や配管に薄い壁部品を使用することを可能にし、コストの優位性となる。Ti-0.3Mo-0.8Ni合金は、Ti-Pdグレードよりは安価であるが、pH<3では同等の隙間腐食耐性を提供しない。しかしながら、中性に近い塩水中では、Ti-0.3Mo-0.8Ni合金の隙間腐食耐性はTi-Pdグレードと同様である。
本開示において、Ti-0.3Mo-0.8Ni合金の望ましい特性、例えば成形性、耐食性/SCC(応力腐食割れ)耐性及び中程度のコストなどの全てを備え、ただし、例えば80キロポンド/平方インチ(ksi)以上の0.2%降伏強度(YS)(551.6メガパスカル(MPa))のような高強度をも備える合金が提供される。本開示の教示によるチタン合金は、例えば地熱、炭化水素生産、化学生産、海運市場など、これに限らない様々な産業及び市場で使用できることを理解するべきである。また、本開示の教示による高強度(すなわち、≧550MPa 0.2%YS)SCC耐性チタン合金は、より少ないチタンが必要とされるので、ゲージの低減、部品の軽量化、コストの低減を可能にする。本開示のいくつかの変形形態では、製造コストを削減し収率を改善するために、合金は冷間加工又は成形される。
高強度と耐食性/SCC耐性の組み合わせを提供できる現在利用可能なチタン合金は、高合金化されたベータチタン合金、耐食性を達成するためにPGMを添加して強化した汎用チタン合金、又は魅力的な腐食摩耗特性を有するTi-Al-Mo-Zr合金のいずれかであると理解するべきである。いずれの場合にも、商業上の不利益をもたらす要因が原材料及び製造工程にあると理解するべきである。また、酸素(O)は商用純チタングレード1~4の主な補強材として使用される。しかしながら、Oレベルが0.20重量%を超えると、応力腐食割れの影響を極めて受けやすくなる。従って、Oレベルが0.2%の閾値を超えるグレード3及び4は、部品の軽量化につながる望ましい強度レベルにもかかわらず、塩化物媒体に際会するであろうような場合にはエンドユーザーによって典型的に避けられる。また、合金の強度を高めるためにTi-0.3Mo-0.8Niに添加される可能性のあるAl及びSiも、合金の耐食性への悪影響を有する傾向がある。
チタン合金への増加した量のMo及びNiの添加は強度の増加をもたらすが、最適量を超えると脆性析出物の形成によって延性と靭性が低下する傾向がある合金をもたらす。このような理由から、Ti40-50重量%Niを含む形状記憶合金は異なる種類の材料であるとの理解のもと、チタン合金へのニッケルの添加は、TiNi析出物の発生によって制限され、通常2重量%未満に保たれる。図2のTi-Ni状態図に示されているように、約1660℃の純チタンの融点と比べ、比較的低い約960℃融点で共晶が発生するため、チタン合金へのNiの添加はさらなる製造の課題を提示する。この共晶の発生の影響には、合金の凝固中でのNi豊富な液体の偏析が含まれ、インゴット及びインゴットから作られた製品に化学的な不均一性を引き起こす。別の影響は、コールドハース溶解(CHM)法によるインゴットの製造中の残留液体の存在であり、この方法では、インゴットは冷却リングモールドを通して引き下ろすことによって凝固し(例えば、図3を参照)、インゴット表面に熱間割れを引き起こす可能性がある。図4は、CHMによって形成したTi-0.3Mo-0.8Ni合金インゴットの熱間割れの結果を示している。
Mo(最大15重量%)とAlを含む市販のチタン合金は、長所と短所を持つ。第一に、純Moの融点(約2620℃)よりもはるかに低い融点(約660℃)をもつAlとの合金元素としてMoを添加することで、均質なインゴットの製造を容易にする。第二に、合金中のAlの存在は、非平衡ベータ相からの脆性オメガ相析出物の形成を抑制する傾向がある。しかしながら、合金中のAlの存在は耐食性に対して有害である。
Alを含まないチタン合金へのMoの添加は、特にVAR溶解炉(図5を参照)において重要な問題であり、電極に含まれる密度が約10.4グラム/立方センチメートル(g/cm)の未溶解金属Mo粒子は、密度が約4.5g/cmの溶解Ti合金のプールの底まで降下し、それによってインゴット中の介在物として凝固する可能性がある。Ti-0.3Mo-0.8Ni合金の製造では、融点が約1360℃のNi-50%Mo母合金を使用することでこれを打開することができる。MoがNiの含有量を超えるチタン合金では、Ni-50%Mo母合金の使用では不十分であり、密度が約7.5g/cm)のTi-50%Mo母合金又は典型的には60から75%のMoを含み密度が約9g/cm)であるフェロモリブデンと同様に、Moは金属Moとして添加される必要がある。インゴット中の高密度のMo豊富な介在物のリスクを制御するために、少なくとも最初の溶解にCHMプロセスを使うことは必要である。いずれも参照により本明細書に援用する米国特許第4,750,542号、4,823,358号及び4,936,375号明細書に開示されているように、図3は原材料の流れ中の溶解炉に侵入する高密度介在物を、溶解金属中に下方に沈降させ、それらがインゴットモールドに到達することを防ぐことによって、トラップするためにコールドハースを使用する原理を示している。このCHMプロセスでは、電子ビーム(EBCHM)又はプラズマアーク溶解(PAMCHM)を使用してもよい。EBCHMは異なるインゴット部品を製造する場合の用途が広いという利点を有し、その結果、参照により本明細書に援用する米国特許第8,074,704号明細書及び米国特許出願公開第2010/0247946号明細書に開示されているように、EBCHMはプレート及びストリップに圧延するためのスラブを製造するため又はパイプ製造の出発原料として中空インゴットを製造するために手軽に使用できる。
本開示の教示によるチタン合金に至る実験研究では、機械特性試験及び腐食試験を広範囲の組成のチタン合金の実験室サンプルに対して実施した。試験した組成と報告された実施結果を以下の表1、2及び3に示す。表1~表3に示すように、5つ(I-V)の合金のフェーズ又はグループを溶解して試験し、フェーズIIIの結果を図6及び図7にグラフで示す。この実験研究の主要サンプルの代表的な微細構造を図8に示す。
Figure 0007309879000001
Figure 0007309879000002
Figure 0007309879000003
上記表1を参照して、200gのアーク溶解‘ボタン’インゴットとして製造した、フェーズI、II及びIIIの様々な合金組成の初期サンプルに対する室温引張試験及び腐食試験の結果を示す。表1のフェーズIのサンプル‘PC1’(強調表示)は、グレード12チタン(Ti-0.3Mo-0.8Ni)の組成式である。PC1の結果をフェーズI及びIIの他の実験組成と比較することにより、次のことを理解するべきである。
・Ni含有量を減らすと、強度及び耐食性が低下する;
・Mo含有量を増やすと、耐食性、強度、延性が向上する;
・Zrを添加すると耐食性が著しく改善するが[PC2対PG;P2A対P2B;P2F対P2Hを比較せよ]、強度はわずかに向上するだけである;
・Feを増やすと、耐食性への一貫性のない効果とともに、強度が増大する;
・Moの増加をCrで部分的に置換すると、耐食性と強度の適切な組み合わせを得ることができる。CrはEBCHM溶解では不都合な高い蒸気圧を有するため、Crの添加については追及していない;
・NiをCoで置換する、又はMoを部分的にCoで置換することができる場合がある;
・炭素の添加は強度を高めるが、耐食性には有害である;及び/又は
・シリコンを添加すると強度が増加し、耐食性への小さな/決定的でない効果が得られる。Siを含む合金は、もし十分なNi及びMoが存在すれば良好な耐食性を得ることがある。
表1は図6及び図7と同様にフェーズIII系の‘ボタン’の実験結果も示しており、表2はヒートナンバーAN14394の工業スケールのEBCHM中空インゴットの結果を様々なNi、Mo及びZr含有量の‘ボタン’溶解物の追加セットと併せて示している。表3は本開示の教示によるチタン合金組成範囲の極値をフルスケールヒートAN14394と同じ組成式のP7Eと比較している。表1~表3及び図6に示すように、いくつかの変形形態では、本開示の教示によるチタン合金は550から950MPaの間の0.2%降伏強度を有する。少なくとも一つの変形形態では、本開示の教示によるチタン合金は550から750MPaの間の降伏強度、700から900MPaの間の引張強度、25から35%の間の破断伸び及び55%から70%の間の断面減少率を有する。加えて、表1~表3及び図7に示すように、いくつかの変形形態において、本開示の教示によるチタン合金は、ASTM G-31試験方法に従って1重量%の沸騰塩酸に曝したとき、1年当り2.5ミル(mpy)未満の腐食速度を有する。例えば、いくつかの変形形態において、チタン合金は、ASTM G-31試験方法に従って1重量%の沸騰塩酸に曝したときに、0.5から2.5mpyの間の腐食速度を有する。少なくとも一つの変形形態において、チタン合金は、ASTM G-31試験方法に従って2重量%の沸騰塩酸に曝したとき、20.0ミルmpy未満の腐食速度、例えば、ASTM G-31試験方法に従って2重量%の沸騰塩酸に曝したとき、5.0から20.0mpyの間の腐食速度を有する。また、いくつかの変形形態において、チタン合金は、ASTM G-31試験方法に従って3重量%の沸騰塩酸に曝したときに、100.0mpy未満の腐食速度、例えば、ASTM G-31試験方法に従って3重量%の沸騰塩酸に曝したときに、30.0から100.0mpyの間である。
本開示の教示によるチタン合金組成物は、基本的にはフェーズII(表1)の組成物P2Fに由来する又はその改良である。図9の本開示の教示による合金の改善したインゴットの表面状態は、図4に示すTiグレード12(Ti-0.3Mo-0.8Ni)のインゴットと比較して、本開示の教示によるチタン合金のNi含有量の減少から生じることに留意されたい。この改善した表面状態は、製品収量の有意の増加に直接つながることを理解するべきである。
表1~表3を併せて参照して、本開示の教示による幾つかの変形形態において、例えばアルミニウム(Al)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、炭素(C)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)及びニオブ(Nb)などの元素を合金添加物として意図的に添加していないことを理解するべきである。従って、いくつかの変形形態において、Al、V、Cr、C、Sn、Si及びNbは本開示の教示によるチタン合金中の不純物又は付随元素であり、そのような変形形態では、各不純物元素の最大含有量は0.1重量%以下であり、すべての不純物元素の最大総含有量は0.5重量%未満である。従って、いくつかの変形形態において、Alの濃度は0.1重量%以下であり、Vの濃度は0.1重量%以下であり、Crの濃度は0.1重量%以下であり、Cの濃度は0.1重量%以下であり、Snの濃度は0.1重量%以下であり、Siの濃度は0.1重量%以下であり、及び/又はNbの濃度は0.1重量%以下であり、また、Al、V、Cr、C、Sn、Si及びNbの総濃度は0.5重量%以下である。
図8は、ヒートナンバーAN14394と同じターゲット組成を有する、ボタンサンプルP4B2(表2)から製造した引張試験片から得られた微細構造を示し、図10は、ヒートナンバーAN14394から圧延したシート材料の微細構造を示す。両方のサンプルは焼なまし熱処理状態であり、アルファ及びベータ相の均一な分散を伴う微細な微細構造が両方の微細構造で観測される。本開示の教示によるいくつかの変形形態では、アルファ相の体積分率は25から45%の間であり、ベータ相の体積分率は55から75%の間である。少なくとも一つの変形形態において、アルファ相の体積分率は約35%、ベータ相の体積分率は約65%である。
工業スケールのヒートナンバーAN14394のEBCHMインゴットでの最初の機械的試験には、小スケールの実験室研究によって冷間圧延及び焼なまししたシートに変換した材料及び工業施設で熱間押出及び焼なましした直径9インチのパイプ材料についての引張試験を含む。これらの材料の対応する微細構造を図10及び図11に示す。熱間押出パイプは、遅い冷却速度によって予想されるようにわずかに粗い粒子構造を示すが、図12に示す微細構造のSEM検査では、添付のエネルギー分散型X線分析(EDS)組成分析の書き込みに示されているように、ベータ安定剤Fe、Mo及びNiがベータ相から明確に分離した(スペクトル4及び9)合金の同様な二層構造が明らかになった。ジルコニウムは両方の相で一貫しており、中立性の相安定剤であることと一致する。TiNiのようないかなる化合物相の証拠は見つからなかった。これは二つの要因:(1)Ni含有量のグレード12チタンからの減少、及び(2)Niを固溶体に保つベータ相の体積分率がより多いこと、によるものである可能性が最も高い。加えて、両方の材料(すなわち、焼なましシート及び焼なましパイプ)の機械特性は、関係する処理ルートが全く異なるにもかかわらず、図15に示すように極めて一致している。
押出パイプへの一連のさらなる熱処理中に、溶体化処理及び時効サイクルへ予想外の方法で合金が応答することを見出した。時効処理により、優れた断面減少率延性を維持しながら降伏強度がおおよそ50%増加した。チタングレード12でもTi-3Al-2.5Vでもこのような熱処理応答を有していない。最も一般的な熱処理可能なアルファ/ベータ合金であるTi-6Al-4Vでさえ、焼なましから時効状態へ移行したときに、降伏強度が16~20%程度増加するだけである。本明細書に開示されるチタン合金のこの特徴(すなわち、優れた断面減少率延性を維持しながら、降伏強度がおおよそ50%増加すること)は、低い強度状態において、ついで最終製品段階で時効処理する一方、他のアルファ/ベータ合金よりも低い温度での処理及び改善した収率を可能にする。図13は時効チタン合金パイプ材料の微細構造を示す。この場合も、ベータ相の体積分率がわずかに大きいにもかかわらず2相の微細構造が示され、SEM EDS分析では、焼なましした状態について同様の相組成が見られた(図14)。時効ベータ相中のMo及びNiの割合が低いのは、上記のように当該相の体積分率が増加したためである。ヒートナンバーAN14394の焼なましシート、焼なましパイプ及び時効パイプ間の引張特性の比較の概要を図15に示す。
チタン合金の押出パイプの試験中に、上で参照したように合金が極めて高い減面率を示したことに気づいた。この特徴は、動的引裂強さに関する材料のさらなる試験、破断中に材料が吸収するエネルギー量を測定するASTM試験方法E-604につながった。他の合金と比較すると、本開示の教示によるチタン合金は試験したチタン合金の中で最も高い靭性の結果を示した。一例に、Ti-6Al-4Vなどの一般的なアルファ/ベータ合金より動的引裂抵抗が大幅に改善したチタン合金Ti-5111(ASTMグレード32;米国特許第5,358,686号)が米国海軍向けに開発された。しかしながら、本開示の教示によるチタン合金は、図16に示すようにTi-5111合金よりも100%を超える減面の改善を示す。
本開示の教示によるチタン合金の耐食性は、材料のフルスケールヒート(AN14394)でも確認された。沸騰塩酸中での一般的な腐食試験を、本開示の教示によるチタン合金を最初に図1に示した一般的な工業用グレードに対してランク付けするために、試験方法ASTM G-31に従って実施した。他の一般的なチタングレードと比較した本開示の教示によるチタン合金の相対的な位置を示しているグラフを図17に示す。本開示の教示によるチタン合金はチタングレード12の耐食性を超える。さらに、ヒートナンバーAN14394の冷間圧延シートのサンプルを、ASTM試験方法G-30に従って低いpH及び500°Fの高塩濃度の地熱塩水中で30日間の応力腐食割れ試験に供するUベンドサンプルを作製するために使用した。図18に示すように、Uベンドサンプルの腐食又は亀裂は観測されなかった。ヒートナンバーAN14394の冷間圧延シート材料は、局部腐食試験サンプルを作成するためにも使用され、その後、低いpH及び500°Fの高塩濃度の地熱塩水中で30日間の隙間腐食試験に供した。この場合も、図19に示すように、隙間腐食試験サンプルの腐食は観測されなかった。
本開示の教示から、少なくとも3重量%のMo含有量が、強度、耐食性及び高い靭性の所望の組み合わせを提供することを理解するべきである。Ti-Mo合金中の最大4.5重量%のMo(すなわち、4.5重量%以下のMo)は、有害なオメガ相発生のリスクを低減することもまた理解するべきである。従って、3.0から4.5重量%の範囲のMoが望まれる。本開示のいくつかの変形形態において、Moの含有量は3.2重量%以上であり、例えば、3.4重量%、3.6重量%、3.8重量%、4.0重量%又は4.2重量%以上である。また、本開示のいくつかの変形形態において、Moの含有量は4.2重量%以下であり、例えば、4.0重量%、3.8重量%、3.6重量%、3.4重量%又は3.2重量%以下である。本開示の教示によるチタン合金は、上記のいずれかの値以上及び以下のMo含有量の範囲を有することがあると理解するべきである。
本開示の教示から、少なくとも0.1重量%のNi含有量が所望の強度と耐食性を提供すること、及び最大1重量%のNi(すなわち、1.0重量%以下のNi)がインゴット表面の引き裂き、凝固中の化学的偏析分離、加工性の低下及び最終製品の延性と靭性が減少するリスクを減らすこともまた理解するべきである。従って、Niは0.1から1.0重量%の範囲が望まれる。本開示のいくつかの変形形態において、Ni含有量は0.2重量%以上であり、例えば、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%又は0.8重量%以上である。また、本開示のいくつかの変形形態において、Ni含有量は0.9重量%以下であり、例えば、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%又は0.3重量%以下である。本開示によるチタン合金は、上記のいずれかの値以上及び以下のNi含有量の範囲を有することがあると理解するべきである。
本開示の教示から、少なくとも0.1重量%のZr含有量が本明細書に開示される合金の耐食性を改善すること及びNi含有量の低減を可能にして合金のCHMを円滑に進めることもまた理解するべきである。ジルコニウムは比較的高価な合金化元素であるので、費用対効果のためZrの添加は1.5重量%に制限される。従って、Zrは0.1から1.5重量%の範囲が望ましい。本開示のいくつかの変形形態において、Zr含有量は0.2重量%以上であり、例えば、0.4重量%、0.6重量%、0.8重量%、1.0重量%又は1.2重量%以上である。また、本開示のいくつかの変形形態において、Zr含有量は1.4重量%以下であり、例えば1.2重量%、1.0重量%、0.8重量%、0.6重量%又は0.4重量%以下である。本開示によるチタン合金は、いずれかの上記の値以上及び以下の範囲を有することがあると理解するべきである。
本開示の教示から、0.05から0.3重量%の範囲のFeは、本明細書に開示される合金の強度にわずかな正の寄与、及びそれらの耐食性にわずかな負の寄与をもたらすこともまた理解するべきである。従って、0.05から0.3重量%の範囲のFeが望ましい。本開示のいくつかの変形形態において、Feの含有量は0.07重量%以上であり、例えば、0.09重量%、0.12重量%、0.15重量%、0.18重量%、0.21重量%又は0.24重量%以上である。また、本開示のいくつかの変形形態において、Feの含有量は0.28重量%以下であり、例えば、0.25重量%、0.22重量%、0.19重量%、0.16重量%、0.13重量%又は0.1重量%以下である。本開示におけるチタン合金は、いずれかの上記の値以上及び以下のFe含有量の範囲を有することがあると理解するべきである。
本開示の教示から、Oの含有量は名目上約0.15重量%で一定に保たれていることもまた理解するべきである。そしてOは、応力腐食割れのリスクを低減するのに十分な少なさでありながら、実験合金の強度に著しく貢献したこともまた理解するべきである。従って、0.05から0.2重量%の範囲のOが望まれる。本開示のいくつかの変形形態において、Oの含有量は0.07重量%以上であり、例えば0.09重量%、0.12重量%又は0.15重量%以上である。また、本開示のいくつかの変形形態において、Fe含有量は0.18重量%以下であり、例えば、0.15重量%、0.12重量%又は0.09重量%以下である。本開示によるチタン合金は、いずれかの上記の値以上及び以下のFeの含有量の範囲を有することがあると理解するべきである。
本開示のいくつかの変形形態において、チタン合金は、3.2から4.0重量%の範囲のMo含有量、0.3から0.5重量%の範囲のNi含有量、0.5から1.0重量%の範囲のZr含有量、0.1から0.25重量%の範囲のFe含有量、及び0.12から0.18重量%のO含有量を有する。いくつかの変形形態において、この範囲のMo、Ni、Zr、Fe及びOを有するチタン合金は、0.1重量%以下の上記各不純物元素の最大含有量、及び0.5重量%未満のすべての不純物元素の最大総含有量を有する。上記の元素の範囲は、電子ビームコールドハース溶解又はプラズマアークコールドハース溶解、続く任意選択の真空アーク溶解を用いて合金をインゴットに溶解することを円滑に進めると理解するべきである。また、この範囲のMo、Ni、Zr、Fe、O及び不純元素を有するチタン合金は、550から950MPaの間の0.2%降伏強度、例えば、550から750MPaの間の0.2%降伏強度、700から900MPaの間の引張強度、25から35%の間の破断伸び、55から70%の間の断面減少率を有することができる。少なくとも一つの変形形態において、この範囲のMo、Ni、Zr、Fe、O及び不純物元素を有するチタン合金は、ASTM G-31試験方法に従って1重量%、2重量%又は3重量%の沸騰塩酸に曝したときに低い腐食速度を有し、例えば、ASTM G-31試験方法に従って1重量%の沸騰塩酸に曝したときに2.5mpy未満及び/又は0.5から2.5mpyの間、ASTM G-31試験方法に従って2重量%の沸騰塩酸に曝したときに20.0ミルmpy未満及び/又は5.0から20.0mpyの間の腐食速度、及び/又はASTM G-31試験方法に従って3重量%の沸騰塩酸に曝したときに100.0mpy未満及び/又は30.0 100.0mpyの間を有する。
本開示のいくつかの変形形態において、プレート、シート、ストリップ及び溶接チューブ及びパイプの製造に注目すると、Moの含有量は3.7から4.5重量%の範囲であり、Niの含有量は0.1から0.3重量%の範囲であり、Zrの含有量は0.7から1.3重量%の範囲であり、Feの含有量は0.1から0.25重量%の範囲であり、Oの含有量は0.08から0.15重量%の範囲であり、合金を電子ビームコールドハース溶解を利用してスラブ形状のインゴットに溶解する。いくつかの変形形態において、この範囲のMo、Ni、Zr、Fe及びOを有するチタン合金は、0.1重量%以下の上記各不純物元素の最大含有量を有し、すべての不純物元素の最大総含有量は0.5重量%未満である。この組成は、それらから作られた平坦な製品及びパイプに強化した強度と耐食性を提供しながら、平坦な製品に圧延するためにスラブのインゴット表面品質の改善を可能にすることを目的としている。また、この範囲のMo、Ni、Zr、Fe、O及び不純物元素を有するチタン合金は、550から950MPaの間の0.2%降伏強度、例えば、550から750MPaの間の0.2%降伏強度、700から900MPaの間の引張強度、25から35%の間の破断伸び、55から70%の間の断面減少率を有することができる。少なくとも一つの変形形態において、この範囲のMo、Ni、Zr、Fe、O及び不純物元素を備えるチタン合金は、ASTM G-31試験方法に従って1重量%、2重量%又は3重量%の沸騰塩酸に曝したときに低い腐食速度を持ち、例えば、ASTM G-31試験方法に従って1重量%の沸騰塩酸に曝したときに2.5mpy未満及び/又は0.5から2.5mpyの間、ASTM G-31試験方法に従って2重量%の沸騰塩酸に曝したときに20.0ミルmpy未満及び/又は5.0から20.0mpyの間の腐食速度、及び/又はASTM G-31試験方法に従って3重量%の沸騰塩酸に曝したときに100.0mpy未満及び/又は30.0 100.0mpyの間を有する。
本開示の他の変形形態において、チタン合金をEB-VAR法によってインゴットに二重溶解することを目的としており、Mo含有量は3.2から4.0重量%の範囲であり、Ni含有量は0.6から1.0重量%の範囲であり、Zr含有量は0.1から0.3重量%の範囲であり、Fe含有量は0.1から0.25重量%の範囲であり、O含有量は0.12から0.18重量%の範囲である。いくつかの変形形態において、この範囲のMo、Ni、Zr、Fe及びOを有するチタン合金は、0.1重量%以下の上記各不純物元素の最大含有量、及び0.5重量%未満のすべての不純物元素の最大総含有量を有する。また、この範囲のMo、Ni、Zr、Fe、O及び不純物元素を有するチタン合金は、550から950MPaの間の0.2%降伏強度、例えば、550から750MPaの間の0.2%降伏強度、700から900MPaの間の引張強度、25から35%の間の破断伸び、55から70%の間の断面減少率を有することができる。少なくとも1つの変形形態において、この範囲のMo、Ni、Zr、Fe、O及び不純物元素を有するチタン合金は、ASTM G-31試験方法に従って1重量%、2重量%又は3重量%の沸騰塩酸に曝したときに低い腐食速度を有し、例えば、ASTM G-31試験方法による1重量%の沸騰塩酸に曝したときに2.5mpy未満及び/又は0.5から2.5mpyの間、ASTM G-31試験方法に従って2重量%の沸騰塩酸に曝したときに20.0ミルmpy未満及び/又は5.0から20.0mpyの間の腐食速度、及び/又はASTM G-31試験方法に従って3重量%の沸騰塩酸に曝したときに100.0mpy未満及び/又は30.0 100.0mpyの間を有する。
本明細書で特に明示的に示されない限り、機械/熱特性、組成の割合、寸法及び/又は公差又は他の特性を示すすべての数値は、本開示の範囲を説明する際に、「約」又は「おおよそ」という言葉によって変更されるものと理解するべきである。この変更は、産業慣行、製造技術、及び性能試験を含め様々な理由で望まれている。
本開示の説明は事実上の単なる例示であり、従って、本開示の本質から逸脱しない変形形態は本開示の範囲内にあることを意図している。そのような変形形態は、開示の主旨及び範囲からの逸脱と見なされるべきではない。
本明細書で使用する場合、A、B及びCの少なくとも1つというフレーズは、非排他的論理ORを使用して論理(A OR B OR C)を意味すると解釈するべきであり、「少なくとも一つのA、少なくとも一つのB及び少なくとも一つのCを意味すると解釈するべきではない。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
3.0から4.5重量%の間のモリブデンと、
0.1から1.0重量%の間のニッケルと、
0.1から1.5重量%の間のジルコニウムと、
0.05から0.3重量%の間の鉄と、
0.05から0.25重量%の間の酸素と、
残部のチタンと不可避不純物とを含む耐食性チタン合金。
[2]
アルファ相の体積分率が25から45%の間であり、ベータ相の体積分率が55から75%の間である微細構造をさらに含む、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[3]
アルファ相の体積分率が約35%であり、ベータ相の体積分率が約65%である、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[4]
最終熱間鍛造、圧延又は押出又は他の最終熱間加工操作を耐食性チタン合金のベータトランザスより低い温度で行うことで、後で合金を冷間加工/仕上げすることができるようにする、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[5]
550から930MPaの間の降伏強度をさらに含む、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[6]
前記降伏強度は合金に与えた熱処理の関数である、[5]に記載の耐食性チタン合金。
[7]
550から750MPaの降伏強度、700から900MPaの引張強度、25から35%の破断伸び及び55から70%の断面減少率をさらに含む、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[8]
ASTM G-31試験方法に従って1重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り2.5ミル(mpy)未満の腐食速度をさらに含む、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[9]
ASTM G-31試験方法に従って1重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り0.5から2.5ミル(mpy)の間の腐食速度をさらに含む、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[10]
ASTM G-31試験方法に従って2重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り20.0ミル(mpy)未満の腐食速度をさらに含む、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[11]
ASTM G-31試験方法に従って2重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り5.0から20.0ミル(mpy)の間の腐食速度をさらに含む、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[12]
ASTM G-31試験方法に従って3重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り100.0ミル(mpy)未満の腐食速度をさらに含む、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[13]
ASTM G-31試験方法に従って3重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り30.0から100.0ミル(mpy)の間の腐食速度をさらに含む、[1]に記載の耐食性チタン合金。
[14]
コールドハース溶解プロセスを使用してチタン合金を溶解し、及び凝固させること、並びに
化学組成3.0から4.5重量%の間のモリブデン、0.1から1.0重量%の間のニッケル、0.1から1.5重量%の間のZr、0.05から0.3重量%の間の鉄、0.05から0.25重量%の間の酸素、及び残部チタンと不可避不純物を含むインゴットを形成することを含む、
耐食性チタン合金を調製するための方法。
[15]
前記インゴットを真空アーク再溶解することをさらに含む、[14]に記載の方法。
[16]
前記インゴットの微細構造が、25から45%の間の体積分率のアルファ相及び55%から75%の間の体積分率のベータ相を含む、[14]に記載の方法。
[17]
前記アルファ相の体積分率が約35%であり、前記ベータ相の体積分率が約65%である、[16]に記載の方法。
[18]
熱間圧延製品を形成するために、前記チタン合金のベータトランザスより低い温度での最終熱間鍛造、圧延又は押出又は他の最終熱間加工操作をさらに含む、[14]に記載の方法。
[19]
前記熱間圧延製品を冷間加工し、焼なましする、[18]に記載の方法。
[20]
前記冷間加工し焼なましした熱間加工製品が550から930MPaの間の降伏強度を含む、[19]に記載の方法。

Claims (18)

  1. 3.0から4.5重量%の間のモリブデン、
    0.1から1.0重量%の間のニッケル、
    0.1から1.5重量%の間のジルコニウム、
    0.05から0.3重量%の間の鉄、
    0.05から0.25重量%の間の酸素、および
    チタンと付随的不純物とからなる残部、からなる耐食性チタン合金。
  2. アルファ相の体積分率が25から45%の間であり、ベータ相の体積分率が55から75%の間である微細構造をさらに含む、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  3. アルファ相の体積分率が35%であり、ベータ相の体積分率が65%である、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  4. 550から930MPaの間の降伏強度をさらに含む、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  5. 550から750MPaの降伏強度、700から900MPaの引張強度、25から35%の破断伸び及び55から70%の測定された対応する断面積の減少率をさらに含む、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  6. ASTM G-31試験方法に従って1重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り2.5ミル(mpy)未満の腐食速度をさらに含む、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  7. ASTM G-31試験方法に従って1重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り0.5から2.5ミル(mpy)の間の腐食速度をさらに含む、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  8. ASTM G-31試験方法に従って2重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り20.0ミル(mpy)未満の腐食速度をさらに含む、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  9. ASTM G-31試験方法に従って2重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り5.0から20.0ミル(mpy)の間の腐食速度をさらに含む、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  10. ASTM G-31試験方法に従って3重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り100.0ミル(mpy)未満の腐食速度をさらに含む、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  11. ASTM G-31試験方法に従って3重量%の沸騰塩酸に曝した際の、1年当り30.0から100.0ミル(mpy)の間の腐食速度をさらに含む、請求項1に記載の耐食性チタン合金。
  12. コールドハース溶解プロセスを使用してチタン合金を溶解し、及び凝固させること、並びに
    化学組成3.0から4.5重量%の間のモリブデン、0.1から1.0重量%の間のニッケル、0.1から1.5重量%の間のZr、0.05から0.3重量%の間の鉄、0.05から0.25重量%の間の酸素、及びチタンと付随的不純物とからなる残部、からなるインゴットを形成することを含む、
    耐食性チタン合金を調製するための方法。
  13. 前記インゴットを真空アーク再溶解することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記インゴットの微細構造が、25から45%の間の体積分率のアルファ相及び55%から75%の間の体積分率のベータ相を含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記アルファ相の体積分率が35%であり、前記ベータ相の体積分率が65%である、請求項14に記載の方法。
  16. 熱間圧延製品を形成するために、前記チタン合金のベータトランザスより低い温度での最終熱間鍛造、圧延又は押出又は他の最終熱間加工操作をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  17. 前記熱間圧延製品を冷間加工し、焼なましする、請求項16に記載の方法。
  18. 前記冷間加工し焼なましした熱間加工製品が550から930MPaの間の降伏強度を含む、請求項17に記載の方法。
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