JP7307833B1 - 核形態異常改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体内の様々な組織における多様な疾患や症状、特に肌においては核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する光老化等の各種症状を改善する効果を有する核形態改善剤やプロジェリン蓄積抑制剤、皮膚外用剤を提供する。【解決手段】オオムギ種子を基質として酵母により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする核形態異常改善剤、前記発酵物を含有することを特徴とするプロジェリン蓄積抑制剤、前記剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤、並びに核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する光老化改善のための前記発酵物の使用を提供する。【選択図】なし

Description

本願発明はオオムギ種子を基質として酵母により発酵させて得られる発酵物を含有する核形態異常改善剤やプロジェリン蓄積抑制剤、皮膚外用剤に関する。
光老化は、習慣的に日光にさらされる領域で観察できる、皮膚の臨床的、組織学的、および機能的特徴の変化を意味し、皮膚においては加齢に伴う内因性のプログラムされた老化に上乗せされる形で皮膚老化を引き起こし、シワやたるみ、シミ、くすみを生じさせ、ハリや弾力を低下させる。よって、光老化の防止および改善は皮膚外用剤の研究開発者にとって、最も大きな課題の一つである(非特許文献1)。
核ラミナは、核内膜の核質面を覆う、複雑で高度に組織化されたタンパク質の網目構造であり、核形態を機械的に支持し、維持する裏打ち構造である。ヒトであれば、一部の細胞を除き一般的に核形態は球状に維持されるため、2次元的な顕微鏡像では正円に近い核形態が観察される。核ラミナは主に中間径フィラメントタンパク質であるA型ラミンおよびB型ラミンによって構成され、核形態を維持するだけでなく、例えば、核膜周辺で機能するタンパク質の足場の役割を果たし、核内部のクロマチンや転写因子を核辺縁部に繋ぎ止め、DNAの転写、複製、修復等に必要なゲノムの区画化を担い、さらには核外部の細胞骨格と相互作用し、核ー細胞質間のシグナル伝達や物質輸送にも関与する等、生命維持に必要となる多様な機能を有している。このため、核形態の異常は主に核ラミナを構成するタンパク質の異常を伴い、組織特異的な遺伝病や老化等の多細胞生物に特有な問題を引き起こすことが知られている(非特許文献2)。
前記の核形態異常が関連する疾患としては、先天的遺伝子異常を原因とするハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)が有名である。HGPSの患者では、A型ラミン遺伝子のプロセシング異常により、プロジェリンと呼ばれる異常タンパク質が産生され、核形態に異常が生じることにより、老化促進が引き起こされることが明らかにされている(非特許文献3)。本疾患の主要な症状としては、身長、体重の発育が乏しいことのほか、症状の進行に伴い皮膚の老化、高コレステロール血症、動脈硬化の亢進、糖尿病、骨粗鬆症、老年性の白内障、白髪、脱毛等の早老変化が顕著になることが挙げられる。このことは、核形態異常が、様々な老化現象の発現に深く関与していることを示唆している。HGPSで観察されるのと類似のプロジェリン蓄積や核形態異常が健常者においても確認され、その頻度は新生児よりも高齢者で多いことから、核形態異常は加齢に伴う内因性の老化との関連性が示唆されており(非特許文献4)、例えば、培養細胞の核形態異常状態を指標としたスクリーニング方法により、抗老化成分が見出されている(特許文献1)。
一方近年、若齢の健常者においても、高齢で見られるようなプロジェリン蓄積が、日常的な日光暴露により促進されることが確認され、線維芽細胞においては、ドナー年齢に関わらず紫外線照射によりプロジェリンが誘導されることが確認されたことから、プロジェリン蓄積による核形態異常と光老化との関連性により注目が集まっている(非特許文献5)。
しかしながら、核形態異常が、いかなる生体反応を経由し老化現象を促進・顕在化させるかに関する研究は、はじまったばかりであり、その詳細な機構については、得られた知見も限られているのが現状である。
特開2013-257347号公報
J. of Investigative Dermatology, 2013, Jul;133(2):E2-E6 Biomedicines, 2020, Jul;8(7):188 Aging Res Rev., 2017, Jan;33:18-29 Cells, 2020, Mar;9(3):718 Postepy Dermatol Alergol., 2017 Dec;34(6):629-631 Cosmetics & Toiletries, 2013 Oct;Trifluoroacetyl-Tripeptide-2 to Target Senescence for Anti-aging Benefits
本願発明は、生体内の様々な組織における多様な疾患や症状、特に肌においては核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する光老化等の各種症状を改善する効果を有する核形態改善剤やプロジェリン蓄積抑制剤、皮膚外用剤を提供することを課題とする。
本願発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討をおこなった結果、オオムギ種子を基質として酵母により発酵して得られる発酵物を用いることにより上記課題を解決した。
すなわち、本願発明は以下の好適な態様を含む。
〔1〕オオムギ種子を基質として酵母により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする核形態異常改善剤。
〔2〕前記発酵物を含有することを特徴とするプロジェリン蓄積抑制剤。
〔3〕〔1〕又は〔2〕に記載の剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
〔4〕核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する光老化改善のための前記発酵物の使用。
オオムギ種子を基質として酵母により発酵して得られる発酵物は、核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する光老化等の各種症状を改善する効果が高い。加えて、本願発明の核形態異常改善剤やプロジェリン蓄積抑制剤、皮膚外用剤は、継続的あるいは連続的に使用して核形態異常改善やプロジェリン蓄積抑制を繰り返すことで核形態異常やプロジェリン蓄積を防ぎ、結果として皮膚を含む生体内の様々な組織における核形態異常を改善したり、プロジェリン蓄積を抑制したりし、これによって光老化等の各種症状を予防することもできる。
以下、本願発明について詳細に説明する。
本願発明で用いるオオムギ種子は、イネ科オオムギ属に属するオオムギ(Hordeum vulgare)の種子であれば特に限定されず、例えば、穂の形状や粒の皮裸性の違いから大別された品種である二条大麦、六条大麦、裸麦等の種子を用いることができる。もっとも、工業生産上、作業上等の理由により、調製の過程で種子以外の部分(例えば、芒、止葉、稈)が多少含まれることは差し支えない。
本願発明で発酵工程に用いる酵母は特に限定されない。酵母は糖類が存在する自然界からも容易に分離することができるため、植物や土等から分離した酵母であっても使用できる。例えば、清酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母等の醸造用酵母、市販のパン酵母、植物の花(バラ、ユリ、サクラ等)由来の酵母、海由来の酵母等を用いることができる。なお分離の方法は、特許3513615に記載された方法等により、分離が可能である。
具体的には、例えば、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス アワモリ(Saccharomyces awamori)、サッカロミセス チェバリエリ(Saccharomyces chevalieri)、サッカロミセス カールスバージェンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス バヨナス(Saccharomyces bayon us)等のサッカロミセス属の酵母、ジゴサッカロミセス ローキシ(Zygosaccharomyces rouxii)、ジゴサッカロミセス ソーヤ(Zygosaccharomyces soya)、ジゴサッカロミセス サケ(Zygosaccharomyces sake)、ジゴサッカロミセス ミソ(Zygosaccharomyces miso)、ジゴサッカロミセス ラクティス(Zygosaccharomyces lactis)等のジゴサッカロミセス属の酵母、カンディダ ベルサチリス(Candida versatilis)、カンディダ エチェリシイ(Candida etchellsii)、カンディダ ケフィール(Candida kefyr)、カンディダ サケ(Candida sake)、カンディダ スコッティ(Candida scottii)等のカンディダ属の酵母、オーレオバシディウム プルランス(Aureobasidium Pullulans)、オーレオバシディウム マンソニー(Aureobasidium mansonii)、オーレオバシディウム マイクロスティクタム(Aureobasideium microstictum)等のオーレオバシディウム属の酵母等が挙げられる。それらのうちでも、汎用性の観点から、サッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を用いるのが好ましい。
発酵に使用する酵母は、乾燥状態、又は凍結状態で保存しておき、使用時において、基本培地等で予め培養しておくことが好ましい。この段階での培養は、酵母が生育出来れば常法通りで差し支えない。酵母の基本培地はグルコースに代表される炭素源と、ペプトンに代表されるペプチド類からなる窒素源、酵母エキスに代表される微量ビタミン類、ミネラル類等の栄養素を含有する物質が含まれていれば培養が可能である。例えば、YM(Yeast-Malt)培地、YPD(Yeast-Polypeptone-Dextrose)培地、Czapek培地、Burkholder培地、YNB(Yeast Nitrogen Base)培地を基本培地とすることができる。前記以外の培地組成であっても、酵母が資化・増殖できる物質であれば、本願発明に適用されるのは勿論である。さらに、培地には低級アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール等)もしくはグリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等)等を添加して基本培地としてもよい。もっとも、本前培養処理は必須工程ではなく、乾燥状態や、凍結状態の酵母をそのまま発酵に用いることもできる。
本願発明の発酵物は、オオムギ種子を基質として、酵母により発酵させて得られる発酵物である。
ここで、本願発明でいう発酵物とは、発酵後に得られた培養物全体、該培養物の一部、又はこれらを更に抽出、濃縮、精製等の加工したものも含まれる。
具体的には、発酵工程を経たのちに、発酵系中に存在する基質や菌体等に由来する固相および発酵系中に存在する基本培地や溶媒等に由来する液相の混合物である発酵培養液(本願においては発酵後の前記混合物を発酵培養液と称す)や、前記発酵培養液のろ過等して得られる発酵培養液の液相、発酵培養液の液相を希釈もしくは濃縮した液、あるいは発酵培養液の液相の溶媒を蒸発させて得られた乾燥物、この乾燥物からさらに抽出して得られる抽出液、この抽出液を希釈もしくは濃縮した液、前記発酵培養液のろ過等の残渣である発酵培養液の固相、発酵培養液の固相からさらに抽出して得られる抽出液、この抽出液を希釈もしくは濃縮した液、あるいはこの抽出液の溶媒を蒸発させて得られた乾燥物、この乾燥物からさらに抽出して得られる抽出液、この抽出液を希釈もしくは濃縮した液、又はこれらの粗精製物もしくは精製したものも含まれる。
本願発明の発酵物は、オオムギ種子へ酵母を接種して発酵させる方法を用いることができるが、発酵の基質がオオムギ種子であればよく、必要に応じて前処理を施したオオムギ種子前処理物へ酵母を接種し発酵させる方法を用いてもよい。オオムギ種子前処理物を得るための前処理工程としては、例えば、浸漬工程、蒸煮工程、前発酵工程が挙げられ、複数の工程を組み合わせることもできる。もっとも、本前処理工程は必須工程ではない。次工程の発酵工程において障害にならなければ、本前処理工程を省いても差し支えない。
前処理工程としての浸漬工程は特に限定されないが、溶媒にオオムギ種子を30分以上、好ましくは1時間浸漬することができる。浸漬する溶媒は、特に限定されないが、例えば、水(精製水等)もしくはグルコース水溶液、無機塩の水溶液(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、炭酸アンモニウム等)緩衝液(リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス-塩酸緩衝液、炭酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等)、無機酸の水溶液(塩酸、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸等)、有機酸の水溶液(酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、アスコルビン酸、フマル酸、リンゴ酸等)、界面活性剤の水溶液(サポニン、レシチン等)、低級アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、ケトン類(アセトン、エチルメチルケトン等)、炭化水素類(プロパン、ブタン、ヘキサン、シクロヘキサン等)、エーテル類(ジエチルエーテル等)、グリコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、1,1,2-トリクロロエテン等)、酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸メチル等)又はこれらの混液等を用いることができる。オオムギ種子と溶媒との混合比(重量比)は、種子の乾燥重量換算で一般に1:1~1:1000、好ましくは1:5~1:100、より好ましくは1:10~1:50の範囲である。浸漬させた溶媒は除去してもよいし、除去せずそのまま次工程である発酵工程の溶媒として用いてもよい。
前処理工程としての蒸煮工程は特に限定されないが、オオムギ種子を蒸煮装置で加熱して80℃~120℃、好ましくは95℃~105℃の蒸気を通し、5~180分間、好ましくは30~90分間、常圧下又は高圧下で蒸煮することができる。蒸煮するオオムギ種子は〔0017〕に記載の浸漬工程を施した後、溶媒を除去して用いるのが好ましい。
前処理工程としての前発酵工程は特に限定されないが、例えば、麹菌(アスペルギルス属が好ましいが特に限定されない)等の微生物を接種し、5℃~40℃、好ましくは20~30℃で6時間~21日間、好ましくは1~7日間、前発酵させることができる。前発酵するオオムギ種子は〔0018〕に記載の蒸煮工程を施した後、用いるのが好ましい。
オオムギ種子発酵物を得るための発酵工程は特に限定されないが、例えば、オオムギ種子や〔0016〕~〔0018〕に記載の前処理を施したオオムギ種子前処理物へ、酵母を接種し、発酵させることができる。
酵母の接種量は、特に限定されないが、好適にはオオムギ種子に対し10~1010個/gの範囲である。発酵条件は5℃~40℃、好ましくは20~30℃で1日~30日間、好ましくは10日~20日間、発酵させることができる。必要に応じて、 〔0014〕に記載の基本培地を予め常法通りに添加して発酵させてもよい。発酵は静置でおこなえば十分であるが、発酵時間の短縮等の為、振とう培養、通気培養をおこなうことも可能である。以上の発酵工程が終了したならば、ここで、発酵を停止させる為、上記条件で発酵工程を経た発酵培養液に80~120℃で15~120分程度の加熱処理等の殺菌処理を施すことが好ましい。もっとも、本殺菌工程は必須工程ではない。得られた発酵物の使用において障害にならなければ、本殺菌工程を省いても差し支えない。発酵工程を経た発酵培養液を、これをそのまま発酵物としてもよいし、一般かつ好適にはろ過あるいは遠心分離等の固液分離手段によって液相を分取し、発酵物とすることができる。場合によっては、発酵培養液の固液分離後の固相をそのまま発酵物としてもよいし、この固相をさらに 〔0017〕に記載の、浸漬工程に用いることができる溶媒と同様の溶媒等で抽出したものをそのまま、あるいは一般かつ好適にはろ過あるいは遠心分離等の固液分離手段によって液相を分取し、発酵物としてもよい。
オオムギ種子発酵物は調製後、そのまま用いてもよいし、常法に従って精製処理、超音波等による破砕処理等を施した上で用いてもよいし、必要ならば希釈もしくは濃縮によって適宜の濃度とした上で用いてもよい。場合によっては、固液分離後の液相を、スプレードライ法、凍結乾燥法等、常法に従って固体化し、さらに必要に応じて粉砕して粉末状とした上で用いてもよい。
また、オオムギ種子発酵物を本願発明の各剤として用いる場合は、各剤の効果成分としてオオムギ種子発酵物が含有されていればよく、オオムギ種子発酵物をそのまま剤としてもよいし、一般的な基剤にオオムギ種子発酵物を混合して用いても差し支えない。最終形態として、液状、乳化物状、ゲル状、固形状、粉末状、顆粒状等のどのような形態であっても問題なく、その効果を損なわない範囲で皮膚外用剤に用いられる任意配合成分を必要に応じて適宜配合することができる。前記任意配合成分としては、例えば、油剤、界面活性剤、粉体、色材、水、アルコール類、増粘剤、キレート剤、シリコーン類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、香料、各種薬効成分、pH調整剤、中和剤等が挙げられる。また、前記最終形態として、例えば皮膚外用剤であれば、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、ジェル、パック、洗顔料等の基礎化粧料、口紅、化粧下地、ファンデーション、、メイクアッププレスドパウダー等のメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディーシャンプー、石けん等の清浄用化粧料、さらには浴剤、日焼け止め化粧料等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
各剤中におけるオオムギ種子発酵物の配合量は、所望の効果に応じて適宜調整すればよいが、蒸発残分に換算して0.0001~10質量%の範囲が好ましく、0.001~1質量%の範囲が最適である。
核形態異常とは、真核生物の細胞を構成する細胞小器官である核を覆い、球状の核を形作る核膜や核ラミナ構造に歪みが生じる現象である。核形態異常は、例えば、染色した核を顕微鏡観察し、由来が同じ2つの細胞群の核の真円度を比較することで評価することができる。基準とする細胞群よりも核の真円度が低い場合に核形態異常が生じているとみなすことができる。逆に基準とする細胞群よりも核の真円度が高い場合に、核形態異常が改善されているとみなすことができる。
プロジェリン蓄積抑制とは、細胞へのプロジェリン蓄積を抑制することである。プロジェリンmRNAの発現やプロジェリンタンパク質の産生を抑制したり、産生したプロジェリンタンパク質を細胞から除去又は分解したりすることで、細胞へのプロジェリン蓄積を抑制することができる。
以下、本願発明におけるオオムギ種子発酵物の効果試験の実施例を示す。さらに、オオムギ種子発酵物を用いた皮膚外用剤への応用処方例等について述べるが、ここに記載された実施例に限定されるものではない。
<オオムギ種子に植菌する酵母の調製>
酵母はサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を用いた。酵母株の1白金耳をYM培地50mLに接種し、30℃にて2日間振盪培養をおこない、酵母培養液とした。(YM培地組成:酵母エキス3g、麦芽エキス3g、ペプトン5g、グルコース10g、精製水1L)
<オオムギ種子に植菌する麹菌の調製>
麹菌はアスペルギルス カワチ(Aspergillus kawachii)を用いた。麹菌株の1白金耳をグルコース添加YM培地50mLに接種し、30℃にて2日間振盪培養をおこない、麹菌培養液とした。(グルコース添加YM培地組成:酵母エキス3g、麦芽エキス3g、ペプトン5g、グルコース50g、精製水1L)
<オオムギ種子前処理物の調製>
オオムギ種子100gへ精製水1Lを加え、20℃で60分間静置して浸漬した。ろ過により溶媒を除去したオオムギ種子を100℃の蒸気で60分間、常法に従って常圧下で蒸煮した。蒸煮したオオムギ種子へ麹菌培養液5mLを接種し、よく撹拌した後、20℃で48時間静置し、前発酵させ、オオムギ種子前処理物とした。
<オオムギ種子発酵物の調製>
オオムギ種子へ前処理を施したオオムギ種子前処理物100gへ精製水1Lを加え、酵母培養液5mLを接種し、よく撹拌した後、30℃で14日間静置して発酵させた。発酵後、発酵培養液は120℃、15分間の滅菌処理をおこなった。滅菌後、ろ過により固形分を取り除き、オオムギ種子発酵物とした。陰性対照としては精製水、比較対照としては、核形態異常の原因物質であるプロジェリンの蓄積を抑制する公知のプロジェリン蓄積抑制剤であるトリフルオロアセチルトリペプチドー2を用いた(非特許文献6)。
<細胞培養>
Human Keratinocyte Growth Supplement Kit (HKGS Kit, Thermo FisherScientific)を常法に従いMedium154(Thermo FisherScientific)へ添加し調製した154培地に、ヒト表皮角化細胞を分散し24well plate(TrueLine)に1.0×10Cells/wellになるよう細胞を播種し5%CO、37℃で24時間、培養をおこなった。細胞培養液を除去し、新しい154培地を加えた。次いでオオムギ種子発酵物又はトリフルオロアセチルトリペプチドー2を終濃度がそれぞれ0.05%になるよう培地へ添加した。陰性対照として各サンプルの代わりに精製水を培地へ添加した。5%CO、37℃で3日間、培養をおこなった。
<細胞培養>
Fetal Bovine Serum(FBS,Biosera)を終濃度が10%になるようDulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM,Gibco)へ添加し調製したDMEM培地に、ヒト真皮線維芽細胞を分散し、24well plateに5.0×10Cells/wellになるよう細胞を播種し5%CO、37℃で24時間、培養をおこなった。細胞培養液を除去し、DMEM培地を加えた。次いでオオムギ種子発酵物又はトリフルオロアセチルトリペプチドー2を終濃度がそれぞれ0.05%になるよう培地へ添加した。陰性対照として各サンプルの代わりに精製水を添加した。5%CO、37℃で3日間、培養をおこなった。
<プロジェリン発現量の定量>
それぞれの細胞から、RNeasy Mini Kit(QIAGEN)を用い常法のプロトコルに従ってmRNAを抽出し、その後、PrimeScript RT Reagent Kit(タカラバイオ)を用い常法のプロトコルに従って逆転写をおこない、cDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型として、Progerin(プロジェリン)およびGAPDH(グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ;ハウスキーピング遺伝子として使用)の発現量を以下のプライマー及び酵素を用い常法のプロトコルに従って、リアルタイムPCR(7500 Real Time PCR System、アプライドバイオシステムズ)にて測定した。プライマーには、Progerin用センスプライマー(5’-ACTGCAGCAGCTCGGGG-3’)、Progerin用アンチセンスプライマー(5’-TCTGGGGGCTCTGGGC-3’)、GAPDH用センスプライマー(5’-CCACATCGC TCAGACACCAT-3’)、GAPDH用アンチセンスプライマー(5’-TGACCAGGC GCCCAATA-3’)を用いた。PCRの反応にはPower SYBR Green Master Mix(アプライドバイオシステムズ)を使用し、遺伝子発現の解析は比較Ct法にておこなった。つまり、被験物質添加による遺伝子発現量の変化は、精製水添加群のProgerinのCt値をGAPDHのCt値で補正した値を1とし、それに対する相対量として求め、比較例1又は比較例3の値との有意差をチューキークレーマーの多重比較法により検定した。
Figure 0007307833000001
表1にオオムギ種子発酵物の表皮角化細胞に対するプロジェリン蓄積抑制効果の結果を示した。
ヒト表皮角化細胞へ陰性対照である精製水を添加した比較例1のProgerin発現量を1として、比較対照として用いたトリフルオロアセチルトリペプチドー2を0.05%添加した比較例2のProgerin発現量比は0.536であり、陰性対照である精製水を添加した比較例1と比較して、有意にProgerin発現量が低下していることが確認され、オオムギ種子発酵物を0.05%添加した実施例1のProgerin発現量比は0.458であり、陰性対照である精製水を添加した比較例1と比較して、有意にProgerin発現量が低下していることが確認された。よって、オオムギ種子発酵物は、ヒト表皮角化細胞に対して、核形態異常の原因物質であるプロジェリンの蓄積を抑制する公知のプロジェリン蓄積抑制剤と同等以上のプロジェリン発現抑制効果、さらにはプロジェリン発現を抑制することによるプロジェリン蓄積抑制効果を有することが示された。
Figure 0007307833000002
表2にオオムギ種子発酵物のヒト真皮線維芽細胞に対するプロジェリン蓄積抑制効果の結果を示した。
ヒト真皮線維芽細胞へ陰性対照である精製水を添加した比較例3のProgerin発現量を1として、比較対照として用いたトリフルオロアセチルトリペプチドー2を0.05%添加した比較例4のProgerin発現量比は0.501であり、陰性対照である精製水を添加した比較例3との有意差は確認されなかった。一方、オオムギ種子発酵物を0.05%添加した実施例2のProgerin発現量比は0.401であり、陰性対照である精製水を添加した比較例3と比較して、有意にProgerin発現量が低下していることが確認された。よって、オオムギ種子発酵物は、ヒト真皮繊維芽細胞に対して、核形態異常の原因物質であるプロジェリンの蓄積を抑制する公知のプロジェリン蓄積抑制剤が、実質的な有用性が認められる程度の効果を必ずしも発揮できない低濃度においても、プロジェリン発現抑制効果、さらにはプロジェリン発現を抑制することによるプロジェリン蓄積抑制効果を発揮できることが示された。以上より、オオムギ種子発酵物は著しく高いプロジェリン発現抑制効果、さらにはプロジェリン発現を抑制することによるプロジェリン蓄積抑制効果を有することが示唆された。
<細胞培養>
ヒト表皮角化細胞を、〔0030〕で調製した154培地に分散し24well plateに1.0×10Cells/wellになるよう細胞を播種し5%CO、37℃で24時間、培養をおこなった。以後、この培養細胞を核形態異常誘導処理区と未処理区とに分けて操作をおこなった。
<核形態異常処理区>
核形態異常処理区の細胞に対しては、細胞培養液を除去し、HBSS(-)で細胞を洗浄後、200μMの過酸化水素を含む154培地を加え、5%CO、37℃で2時間、培養をおこなった。細胞培養液を除去し、HBSS(-)で細胞を洗浄後、154培地を加えた。次いでオオムギ種子発酵物又はトリフルオロアセチルトリペプチドー2を終濃度がそれぞれ0.05%になるよう培地へ添加した。陰性対照として各サンプルの代わりに精製水を培地へ添加した。5%CO、37℃で3日間、培養をおこなった。
<未処理区>
未処理区の細胞に対しては、細胞培養液を除去し、154培地を加えた。次いで陰性対照として精製水を培地へ添加した。5%CO、37℃で3日間、培養をおこなった。
<核形態異常度測定>
各処理区の細胞から、細胞培養液を除去し、PBS(-)で細胞を洗浄後、4%パラホルムアルデヒドを含むPBS(-)を加え、20℃で15分間、固定処理をおこなった。処理液を除去し、PBS(-)で細胞を洗浄後、1μg/mLになるようDAPI(4‘,6-diamidino-2-phenylindole、Thermo FisherScientific)を添加したPBS(-)を加え、20℃で5分間、核染色処理をおこなった。処理液を除去し、PBS(-)を加え、蛍光顕微鏡(キーエンス)で蛍光像を取得した。取得した蛍光像から、画像解析ソフトImageJのAnalyze particles機能を用いた画像解析により核真円度を算出し、比較例6の値との有意差をチューキークレーマーの多重比較法により検定した。
Figure 0007307833000003
表3にオオムギ種子発酵物の表皮角化細胞に対する核形態異常改善効果の結果を示した。
表皮角化細胞へ陰性対照である精製水を添加した未処理の比較例5の核真円度は0.843であったのに対し、核形態異常処理を施した比較例6の核真円度は0.820であり、有意差が確認されたことから、核形態異常処理により表皮角化細胞で確かに核形態異常が誘導されていることが確認された。比較対照として用いたトリフルオロアセチルトリペプチドー2を0.05%添加した比較例7の核真円度は0.835であり、陰性対照である精製水を添加した比較例6との有意差は確認されなかった。一方、オオムギ種子発酵物を0.05%添加した実施例3の核真円度は0.844であり、陰性対照である精製水を添加した比較例6と比較して、有意に核形態異常が改善された。よって、オオムギ種子発酵物は、表皮角化細胞に対して、核形態異常の原因物質であるプロジェリンの蓄積を抑制する公知のプロジェリン蓄積抑制剤が、実質的な有用性が認められる程度の効果を必ずしも発揮できない低濃度においても、核形態異常抑制効果を発揮できることが示された。
<細胞培養>
ヒト真皮線維芽細胞を、〔0031〕で調製したDMEM培地に分散し24well plateに5.0×10Cells/wellになるよう細胞を播種し5%CO、37℃で24時間、培養をおこなった。以後、この培養細胞を核形態異常誘導処理区と未処理区とに分けて操作をおこなった。
<核形態異常処理区>
核形態異常処理区の細胞に対しては、細胞培養液を除去し、PBS(-)で細胞を洗浄後、終濃度が200μMになるよう過酸化水素を添加したDMEM(FBSを含まない)を加え、5%CO、37℃で2時間、培養をおこなった。細胞培養液を除去し、PBS(-)で細胞を洗浄後、DMEM培地を加えた。次いでオオムギ種子発酵物又はトリフルオロアセチルトリペプチドー2を終濃度がそれぞれ0.05%になるよう培地へ添加した。陰性対照として各サンプルの代わりに精製水を添加した。5%CO、37℃で3日間、培養をおこなった。細胞培養液を除去し、PBS(-)で細胞を洗浄後、200μMになるよう過酸化水素を添加したDMEM(FBSを含まない)を加え、5%CO、37℃で2時間、培養をおこなった。細胞培養液を除去し、PBS(-)で細胞を洗浄後、DMEM培地を加えた。次いでオオムギ種子発酵物又はトリフルオロアセチルトリペプチドー2を終濃度がそれぞれ0.05%になるよう添加した。陰性対照として各サンプルの代わりに精製水を添加した。5%CO、37℃で3日間、培養をおこなった。
<未処理区>
未処理区の細胞に対しては、細胞培養液を除去し、DMEM培地を加え、5%CO、37℃で3日間、培養をおこなった。次いで陰性対照として精製水を添加後、5%CO、37℃で3日間、培養をおこなった。細胞培養液を除去し、DMEM培地を加えた。次いで陰性対照として精製水を添加後、5%CO、37℃で3日間、培養をおこなった。
<核形態異常度測定>
各処理区の細胞を、DMEM培地に分散し96well plate(TrueLine)に5.0×10Cells/wellになるよう細胞を播種し5%CO、37℃で24時間、培養をおこなった。細胞培養液を除去し、PBS(-)で細胞を洗浄後、4%パラホルムアルデヒドを含むPBS(-)を加え、20℃で15分間、固定処理した。処理液を除去し、PBS(-)で細胞を洗浄後、1μg/mLになるようDAPIを添加したPBS(-)を加え、20℃で5分間、核染色処理をおこなった。処理液を除去し、PBS(-)を加え、蛍光顕微鏡(キーエンス)で蛍光像を取得した。取得した蛍光像から、画像解析ソフトImageJのAnalyze particles機能を用いた画像解析により核真円度を算出し、比較例9の値との有意差をチューキークレーマーの多重比較法により検定した。
Figure 0007307833000004
表4にオオムギ種子発酵物の真皮線維芽細胞に対する核形態異常改善効果の結果を示した。
真皮線維芽細胞へ陰性対照である精製水を添加した未処理の比較例8の核真円度は0.873であったのに対し、核形態異常処理を施した比較例9の核真円度は0.794であり、有意差が確認されたことから、核形態異常処理により真皮線維芽細胞で確かに核形態異常が誘導されていることが確認された。比較対象として用いたトリフルオロアセチルトリペプチドー2を0.05%添加した比較例10の核真円度は0.811であり、陰性対照である精製水を添加した比較例9との有意差は確認されなかった。一方、オオムギ種子発酵物を0.05%添加した実施例4の核真円度は0.838であり、陰性対照である精製水を添加した比較例9と比較して、有意に核形態異常が改善された。よって、オオムギ種子発酵物は、真皮線維芽細胞に対して、核形態異常の原因物質であるプロジェリンの蓄積を抑制する公知のプロジェリン蓄積抑制剤が、実質的な有用性が認められる程度の効果を必ずしも発揮できない低濃度においても、核形態異常抑制効果を発揮できることが示された。以上より、オオムギ種子発酵物は著しく高い核形態異常抑制効果を有することが示唆された。
次に、本願発明のオオムギ種子発酵物を含有する処方例を示すが、本願発明はこれに限定されるものでない。なお、以下において、部はすべて質量部を、また%はすべて質量%を意味する。以下の各処方例で示すオオムギ種子発酵物は、〔0028〕~〔0029〕に記載の方法から、麹菌による前発酵工程を除いた方法で調製したものであり、その配合量は蒸発残分に換算した質量%で示した。なお、各処方例においても、本願の効果が確認された。
<処方例>
(処方例1)化粧用クリーム(質量%)
a)ミツロウ・・・2.0
b)ステアリルアルコール・・・5.0
c)ステアリン酸・・・8.0
d)スクワラン・・・10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート・・・3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・1.0
g)オオムギ種子発酵物・・・0.001
h)1,3-ブチレングリコール・・・5.0
i)水酸化カリウム・・・0.3
j)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
k)精製水・・・残部
合計:100
製法
a)~f)までを加熱溶解し、80℃に保つ。h)~k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)~f)に加えて乳化し、40℃まで撹拌しながら冷却する。その後、g)を加え、攪拌し均一に溶解する。
(処方例2)乳液(質量%)
a)ミツロウ・・・0.5
b)ワセリン・・・2.0
c)スクワラン・・・8.0
d)ソルビタンセスキオレエート・・・0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.)・・・1.2
f)オオムギ種子発酵物・・・0.05
g)1,3-ブチレングリコール・・・7.0
h)カルボキシビニルポリマー・・・0.2
i)水酸化カリウム・・・0.1
j)精製水・・・残部
k)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
l)エタノール・・・7.0
合計:100
製法
a)~e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)~k)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)~e)に加えて乳化し、50℃まで撹拌しながら冷却する。50℃でf)、l)を添加し、40℃まで攪拌、冷却する。
(処方例3)化粧水(質量%)
a)オオムギ種子発酵物・・・1.0
b)グリセリン・・・5.0
c)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)・・・1.0
d)エタノール・・・6.0
e)香料・・・適量
f)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
g)精製水・・・残部
合計:100
製法
a)~g)までを混合し、均一に溶解する。
(処方例4)洗顔料(質量%)
a)ステアリン酸・・・12.0
b)ミリスチン酸・・・14.0
c)ラウリン酸・・・5.0
d)ホホバ油・・・3.0
e)グリセリン・・・10.0
f)ソルビトール・・・15.0
g)1,3-ブチレングリコール・・・10.0
h)POE(20)グリセロールモノステアリン酸エステル・・・2.0
i)水酸化カリウム・・・5.0
j)水・・・残部
k)キレート剤・・・適量
l)香料・・・適量
m)オオムギ種子発酵物・・・0.05
合計:100
製法
a)~h)までを加熱溶解し70℃に保つ。j)にi)を溶解後a)~h)に加えケン化する。その後k)、l)を入れ攪拌しながら冷却する。50℃でm)を添加し、40℃まで攪拌、冷却する。
(処方例5)エッセンス(質量%)
a)オオムギ種子発酵物・・・0.001
b)カルボキシビニルポリマー・・・0.05
c)L-アルギニン・・・適量
d)グリセリン・・・5.0
e)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.)・・・1.0
f)エタノール・・・6.0
g)香料・・・適量
h)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
i)精製水・・・残部
合計:100
製法
b)をi)の一部で分散した後、c)を加えてpHを6.5に調製する。その後a)~i)までを混合し、均一に溶解する。
(処方例6)化粧用ジェル(質量%)
a)オオムギ種子発酵物・・・0.1
b)カルボキシビニルポリマー・・・0.5
c)水酸化ナトリウム・・・0.05
d)パラオキシ安息香酸メチル・・・0.1
e)シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール・・・0.5
f)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10・・・0.5
g)PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン・・・0.5
h)ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油・・・0.1
i)香料・・・適量
j)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
k)精製水・・・残部
合計:100
製法
b)をk)の一部で分散した後、c)を加える。その後a)~k)までを混合し、均一に溶解する。
(処方例7)口紅(質量%)
a)オオムギ種子発酵物・・・0.0001
b)キャンデリラロウ・・・9.0
c)固形パラフィン・・・8.0
d)ミツロウ・・・5.0
e)カルナバロウ・・・5.0
f)ラニリン・・・11.0
g)ヒマシ油・・・残部
h)2-エチルヘキサン酸セチル・・・0.5
i)イソプロピルミリスチン酸エステル・・・10.0
j)二酸化チタン・・・5.0
k)赤色201号・・・0.6
l)赤色202号・・・1.0
m)赤色223号・・・0.2
n)香料・・・適量
o)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
合計:100
製法
j)~m)をg)の一部に分散し、ローラーで処理する。その後a)~o)までを混合し、加熱融解した後、均一に分散する。分散後、型に流し込み急冷し、スティック状とする。
(処方例8)パウダーファンデーション(質量%)
a)オオムギ種子発酵物・・・0.0001
b)スクワラン・・・10.0
c)セスキオレイン酸ソルビタン・・・3.5
d)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
e)酸化チタン・・・13.0
f)セリサイト・・・25.0
g)タルク・・・残部
h)ベンガラ・・・0.8
i)黄酸化鉄・・・2.5
j)黒酸化鉄・・・0.1
合計:100
製法
e)~j)を混合し、粉砕機にかけて粉砕する。その後、混合溶解したa)~d)までを加えて撹拌混合し、再び粉砕した後、金皿容器にプレスする。
(処方例9)入浴剤(質量%)
a)オオムギ種子発酵物・・・0.5
b)シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール・・・0.2
c)(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10・・・0.2
d)PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン・・・0.2
e)炭酸水素ナトリウム・・・50.0
f)硫酸ナトリウム・・・残部
g)香料・・・適量
h)防腐剤・酸化防止剤・・・適量
合計:100
製法
a)~h)を均一に混合する。
(処方例10)錠剤(質量%)
a)オオムギ種子発酵物・・・10.0
b)卵殻カルシウム・・・10.0
c)乳糖・・・20.0
d)澱粉・・・7.0
e)デキストリン・・・8.0
f)硬化油・・・5.0
g)セルロース・・・残部
合計:100
製法
a)~g)を均一に混合し、打錠機器で成型して作製した素錠を常法によりフィルムコートして、錠剤とする。
(処方例11)栄養ドリンク(質量%)
a)オオムギ種子発酵物・・・1.0
b)タウリン・・・3.0
c)ピリドキシン塩酸塩・・・0.02
d)チアミン硫化物・・・0.01
e)リボフラビン・・・0.003
f)無水カフェイン・・・0.05
g)精製白糖・・・5.0
h)D-ソルビトール液・・・2.0
i)クエン酸無水物・・・0.2
j)香料・・・適量
k)精製水・・・残部
合計:100
製法
a)~k)を均一に混合する。
以上詳述したごとく、オオムギ種子を基質として酵母により発酵して得られる発酵物は、核形態異常を改善する効果や、プロジェリン蓄積を抑制する効果が顕著であることが確認された。核形態異常やプロジェリン蓄積は皮膚の老化、高コレステロール血症、動脈硬化の亢進、糖尿病、骨粗鬆症、老年性の白内障、白髪、脱毛等の早老変化や、加齢に伴う内因性のプログラムされた老化に由来する加齢変化等、様々な老化現象の発現だけでなく、習慣的な日光暴露による光老化にも深く関与することが知られていることから、本願発明の核形態異常改善剤、プロジェリン蓄積抑制剤又は皮膚外用剤を適用することにより、核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する光老化等の各種症状の改善が期待される。したがって、前記発酵物は核形態異常やプロジェリン蓄積に起因する光老化改善のため、有効に使用することができる。

Claims (4)

  1. オオムギ種子を基質として酵母により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする核形態異常改善剤。
  2. オオムギ種子を基質として酵母により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とするプロジェリン蓄積抑制剤。
  3. オオムギ種子を基質として酵母により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する光老化予防・改善用皮膚外用剤。
  4. オオムギ種子を基質として酵母により発酵させて得られる発酵物を含有することを特徴とする皮膚外用組成物の、核形態異常及び/又はプロジェリン蓄積に起因する光老化予防・改善のための使用(ただし、人間を治療する用途を除く)
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