JP2015113291A - 皮膚化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】表皮細胞賦活作用、繊維芽細胞賦活作用、ならびに繊維芽細胞のコラーゲンおよびヒアルロン酸の合成促進効果により、肌のハリ、ツヤ、キメ、肌荒れ、シワ、また色素沈着抑制に基づいて、シミ、ソバカス、肝斑、くすみ等の改善用に用いることのできる皮膚化粧料の提供。
【解決手段】イネ科タケ亜科マダケ属の竹の若芽であるタケノコおよびタケノコの皮の抽出物を有効成分とする皮膚化粧料。
【選択図】なし

Description

本発明は、タケノコの抽出物を有効成分とする、すぐれた皮膚生理活性及び生体安全性を有する化粧料配合成分並びにかかる成分を配合してなる皮膚化粧料に関する。
皮膚の老化は、加齢に伴う細胞増殖・分化の不活化、ホルモン分泌の低下、細胞外マトリックス成分の量的低下などの内的要因と、太陽光(紫外線)や排気ガス等により誘発される活性酸素による細胞・組織の損傷、又は炎症などの外的要因とが複雑に絡み合って生ずる現象である。
例えば、紫外線や、排ガスなどに含まれる化学物質(窒素化合物や硫黄化合物等)は、皮膚に酸化ダメージを与えて生体成分を変質させ、その結果、皮膚内に抗原を発生させる要因となる。このことから、化学物質や紫外線などの外的要因は、抗原による皮膚の炎症やアレルギーの発症の要因となる。
また、皮膚老化の外的要因である活性酸素は皮膚細胞に直接傷害を及ぼすばかりでなく、細胞外マトリックス成分のコラーゲンを変性又は架橋させてシワの形成や皮膚の弾力性の低下をもたらし、さらにはメラニン色素の異常沈着を誘発してシミ、ソバカス、肝斑などを生じさせるなど、肌に様々なダメージを与える。
この皮膚の老化を防ぎ、皮膚を健全、かつ、若々しい状態に保持するため、従来、種々の活性成分の使用が提案され、それら活性成分(美肌成分、美白成分等)を配合した化粧品が上市されている。例えば、ビタミンC、ビタミンE、スーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide dismutase;以下SODと略記)などの抗酸化剤;グリチルリチン酸などの抗炎症剤;各種紫外線吸収剤;α−ヒドロキシカルボン酸、胎盤抽出液、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸などの細胞賦活成分;コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの細胞外マトリックス成分;尿素などの保湿剤がそれである。また、皮膚のシミ、ソバカス、肝斑等の色素沈着の発生を抑制する物質としては、アルブチン、コウジ酸などが知られており、美白剤の有効成分として広く使用されている。しかし、上記抗酸化剤、保湿剤、美白剤等は、皮膚安全性の点で問題があり、皮膚安全性にすぐれた化粧料配合成分が求められている。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、皮膚安全性の観点から天然物由来の新たな美肌成分及び美白成分を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、イネ科タケ亜科の竹の若芽であるタケノコの抽出物が、すぐれた抗酸化作用、抗炎症作用、抗老化作用及び美白作用を有し、これにより、当該抽出物を配合することですぐれた美肌効果及び美白効果を奏し、かつ、皮膚安全性にすぐれた化粧料の提供が可能になることを見出した。
従来、成竹の表皮、全草、根、葉などの抽出物を有効成分とする化粧料(特許文献1,2)が提案されている。しかし、成竹抽出物は、繊維質を多く含み、木質化された硬い部分を用いて製造されるため、抽出の前処理として竹を細かく破砕する工程や熱処理により軟化させる工程が不可欠になり、これにより、製造工程が煩雑になり、かつ、製造コストがかかった。さらに、抽出工程においても十分に成分を得るために還流操作等が必要となり、煩雑であった。また、成竹の抽出物は、効果の点でも化粧料配合剤としてその有効性が不十分であった。
特開平05−124930号 特開2000−247864号
本発明はイネ科タケ亜科の竹の若芽であるタケノコの抽出物を有効成分とする化粧料である。
また、本発明はイネ科タケ亜科の竹がマダケ属の植物である化粧料である。
また、本発明はタケノコの皮の抽出物を有効成分とする化粧料である。
なお、本明細書において化粧料なる文言は、所謂化粧料のほかに医薬部外品までも含む広義で用いる。
本願発明はイネ科タケ亜科の竹の若芽であるタケノコの抽出物を有効成分とする化粧料であって、本願発明によれば、有効成分であるタケノコの抽出物が有するすぐれた表皮細胞賦活作用、繊維芽細胞賦活作用、並びに繊維芽細胞のコラーゲン及びヒアルロン酸の合成促進効果に基づいて、肌のハリ、ツヤ、弾力性及びキメの改善、肌荒れの予防及び改善、並びに小じわ又はシワの改善用の化粧料を提供することができる。また、本願発明によれば、有効成分であるタケノコの抽出物が有するすぐれたメラニン生成抑制作用に基づいて、シミ、ソバカス、肝斑、くすみ等の色素沈着抑制及び改善用の化粧料を提供することができる。
また、本願発明はタケノコを用いて抽出物を調製することから、成竹を利用する場合と比較して、抽出物を得るための操作が容易である。すなわち、成竹を利用する従来の技術とは異なり、高温処理や特定の溶媒による処理を行うことなく、比較的穏やかな温度条件で、かつ、化粧料の有効成分の抽出溶媒として汎用されている水、又は水と低級アルコール若しくは多価アルコールとの混合溶媒等の抽出溶媒により、十分な有効性を発揮する抽出物を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明はイネ科タケ亜科の竹の若芽であるタケノコ(筍)の抽出物を有効成分とする化粧料である。本発明に用いるタケノコの部位としては、可食部分でも、非食部分の皮の部分、又は竹水でも良い。
本発明に用いるイネ科タケ亜科のタケとしては、マダケ(Phyllostachys bambusoides) 、モウソウチク(Phyllostachys
pubescens)、ハチク(Phyllostachys nigra)、ホテイチク(Phyllostachys aurea)、キッコウチク(Phyllostachys
heterocycla)、ホウライチク(Bambusa multiplex)、ナリヒラダケ(Semiarundinaria fastuosa)、チシマザサ(ネマガリダケ)(Sasa
kurilensis)、トウチク(Sinobambusa tootsik)、シホウチク (Chimonobambusa quadrangularis)、カンチク(Chimonobambusa
marmorea)、ヤダケ (Pseudosasa japonica)、メダケ(Pleioblastus simonii)が挙げられるが、本願発明はこれに限るものではない。
本発明において、タケノコとはイネ科タケ亜科のタケの若芽を指す。本発明で用いるタケノコとして好ましいのは、竹の種によって異なるが、例えば、マダケの場合は、6月〜9月に収穫される、地上部が10〜500cmのものが好ましく、さらに、地上部から30cm〜200cmのものがより好ましい。また、モウソウチクの場合は、3月上旬から〜6月下旬に収穫される地上に若芽が出るまでのものが好ましい。上記範囲以上に成長すると、若芽の可食部及び皮が硬くなり、化粧料の成分として好ましくないチロシン量が増えることから、本発明には適さないものとなる。
抽出物の調製は、タケノコの皮又は可食部を、必要ならば予め水洗して異物を除いた後、そのまま又は乾燥した上、必要に応じて細切又は粉砕し、浸漬法等の常法に従って抽出溶媒と接触させることで行うことが可能である。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルムなどの炭化水素系溶媒などが挙げられ、それらは単独で又は二種以上混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の表皮細胞賦活作用、繊維芽細胞賦活作用、並びに繊維芽細胞のコラーゲン及びヒアルロン酸の合成促進作用、及びメラニン生成抑制効果作用の観点から、また化粧料への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明においては水、低級アルコール類又は多価アルコール類などの親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(特にエタノール)、多価アルコール(特に1,3−ブチレングリコール)の単独使用、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(特に1,3−ブチレングリコールもしくはプロピレングリコール)との混合溶媒の使用等が挙げられる。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば、水と1,3−ブチレングリコールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:1〜20:1、水とエタノールとの混合溶媒であれば、1:1〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
抽出物の調製に際して、抽出物のpHに特に限定はないが、pH2〜8の範囲とすることが好ましい。さらに、抽出物に含まれると化粧料として望ましくない成分であるチロシンの溶解を抑えるという点から、pH2〜4の範囲とすることがより好ましい。pHの調製は、前記の抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性調整剤や、乳酸、クエン酸、塩酸、リン酸、硫酸などの酸性調整剤等を配合する事によって行われる。
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水を抽出溶媒とする浸漬法の場合であれば、抽出温度は一般的には1〜90℃、好ましくは40℃から80℃の範囲であり、抽出時間は、抽出温度が40℃の場合であれば、一般的には0.5〜24時間、好ましくは0.5〜6時間の範囲である。
上記条件により得られる抽出物は、一般にはpHを4〜8に調整した上、これをそのまま化粧料配合剤として使用しても、減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。
タケノコ抽出物を含む化粧料(医薬部外品も含む)としては、例えば乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パックなどの基礎化粧料、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉などのメイクアップ化粧料、洗顔料、ボディシャンプー、毛髪用シャンプー、石けんなどの清浄用化粧料、育毛剤、さらには浴剤等が挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。
本発明の化粧料におけるタケノコの抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.002〜10.0重量%、好ましくは0.02〜7.0重量%の範囲である。
本発明の化粧料には、必須成分のタケノコの抽出物のほかに、通常化粧料に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、乳化剤又は乳化助剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料、その他の生理活性成分等を必要に応じて適宜配合することができる。また、本発明のダマスクバラの抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分と組み合わせて化粧料に配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばオリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米胚芽油、ヤシ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワランなどの植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油などの動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリンなどのロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワランなどの炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、cis−11−エイコセン酸などの脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)などの合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩などのアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩などのカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタインなどの両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤乃至乳化助剤としては、酵素処理ステビアなどのステビア誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀など)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体など)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビなど)のパウダー、豆類(大豆、小豆など)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)等がある。
美白剤としては、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール)、4−HPB(ロドデノール、4−(4−ヒドロキシフェニル)−4−ブタノール))、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α−ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレートなどのコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシドなどのコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウムなどのアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−5−グルコシドなどのアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基など)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L−アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L−アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)などが挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
生理活性成分としては、美白成分として、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、米糠抽出物又はその加水分解物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ムラサキシキブ抽出物、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物等が上げられ、抗老化成分として、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、アンズ果実の抽出物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米抽出物又はその加水分解物、米醗酵エキス、発芽米抽出物又はその加水分解物、発芽米発酵物、黒豆抽出物又はその加水分解物、ダマスクバラの花の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物、ミツイシコンブ抽出物、ヘチマ抽出物、アナアオサ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物等がある。
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.タケノコの皮抽出物溶液(1)
マダケ(Phyllostachys bambusoides)のタケノコの皮の乾燥粉砕物100gに精製水1000gを加え、50℃で3時間抽出を行い、その抽出液を濾過し、淡褐色透明のマダケ抽出物650g(固形分濃度 0.7%)を得た。
製造例2.タケノコの皮抽出物溶液(2)
マダケの皮の粉砕物100gに精製水1000gを加え、50℃で3時間抽出を行い、その抽出液を得た。その抽出液を濾過して得られた濾液650gに活性炭1.0%を加え、1時間攪拌する。濾過により活性炭を除去し、微黄色透明のマダケ抽出物510g(固形分濃度0.3%)を得た。
製造例3.タケノコの皮抽出物溶液(3)
製造例2の精製水に代えて、抽出溶媒として50%エタノール水溶液を用いる他は、製造例2と同様にして、抽出物溶液を調製し、淡褐色のタケノコの皮の抽出物溶液519gを得た(固形分濃度0.35%)。
製造例4.タケノコの皮抽出物溶液(4)
製造例2の精製水に代えて、抽出溶媒として30%1.3−ブチレングリコール溶液を用いる他は、製造例1と同様にして、抽出物溶液を調製し、淡褐色のタケノコの皮の抽出物溶液520gを得た(固形分濃度0.4%)。
製造例5.タケノコの皮抽出物溶液(5)
タケノコとして製造例2のマダケに代えてモウソウチクを用いる他は、製造例2と同様にして抽出物溶液を調製し、淡褐色のタケノコの皮の抽出物溶液508gを得た(固形分濃度0.3%)。
製造例6.タケノコの可食部の抽出物溶液
タケノコの皮に代えて、可食部のタケノコの皮に代えて、可食部の乾燥粉砕物100gを用いる他は、製造例2と同様にして、微淡褐色のタケノコ抽出物溶液を525gを得た(固形分濃度0.43%)。
処方例1.化粧水
[A成分] 部
オリーブ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分] 部
製造例1の抽出物溶液 5.0
エタノール 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
処方例2.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例2の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例3.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例3の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例4.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例4の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例5.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例5の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例6.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物溶液に代えて、製造例6の抽出物溶液5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例7.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分] 部
製造例2の抽出物溶液 3.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01

精製水 全量が100部となる量
[C成分]

香料
適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
処方例8.乳液
処方例7のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例6と同様にして乳液を得た。
処方例9.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2.0
大豆レシチン 1.5
[B成分] 部
製造例2の抽出物溶液 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
アルブチン 3.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
処方例10.ローション
[成分] 部
製造例5の抽出物溶液 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
処方例11.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
製造例2の抽出物溶液 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
処方例12.エッセンス
処方例11の成分中製造例2の抽出物溶液に代えて製造例6の抽出物溶液5.0部を用いるほかは処方例10と同様にしてエッセンスを得た。
実施例12.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分] 部
製造例1の抽出物溶液 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分] 部
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
処方例13.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分] 部
製造例4の抽出物溶液 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
試験例1.表皮細胞賦活試験
[試験方法]
ヒト正常表皮細胞を、96穴マイクロプレートに1×10個/穴の濃度となるように播種した。培地としては、増殖添加剤含有培地Humedia KG2(クラボウ社製)を用いた。37℃で1日間プレ培養した後、製造例1〜3,5,6のタケノコ抽出物を試料溶液として1.0%、2.0%、5.0%の濃度(培地全量に対する試料の溶液としての終濃度)となるように培地に添加し、37℃でさらに2日間培養した。次に培地を除去し、PBS(−)を用いて調製した0.03%のMTT溶液を添加して37℃に保持した後、マイクロプレートリーダー(MODEL680、バイオラッド社製)を用い、波長570−630nmでMTT値を測定した。試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたMTT値に対する各試料添加時のMTT値の相対値を求め、ヒト表皮細胞MTT活性率(%)とした。なお比較のため、試料溶液の代わりにグルコースを100mM添加した場合(陽性対照)についても、同様の試験を行った。
試験例1の結果を表1に示す。
[表1]
表1に示すように、本発明に係るタケノコ抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれた表皮細胞賦活効果を有することが確認された。
試験例2.線維芽細胞賦活試験
ヒト真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃、5.0%COの条件下に1日間プレ培養した後、培地に製造例1〜3,5,6のタケノコ抽出物を試料溶液として1.0%、2.0%及び5.0%の濃度(培地全量に対する試料溶液の溶液としての終濃度)となるように添加し、同条件でさらに3日間培養した。次に、培地を除去し、0.03%のMTTを添加して37℃に1時間保持した後、生成したホルマザンを酸性イソプロパノールで抽出し、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用いて波長570−630nmでMTT値を測定した。試料無添加の場合(対照)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたMTT値に対する各試料添加時のMTT値の相対値を求め、線維芽細胞MTT活性率(%)とした。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりにグルコースを100mM添加した場合(陽性対照)についても、同様の試験を行った。
試験例2の結果を表2に示す。
[表2]
表2に示すように、本発明に係るタケノコ抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれた線維芽細胞賦活効果を有することが確認された。
試験例3.線維芽細胞のコラーゲン合成促進効果
ヒト真皮由来線維芽細胞NB1RGBを、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃,5.0%COの条件下に1日間プレ培養した後、製造例1〜3,5,6のタケノコ抽出物を試料溶液として1.0%、2.0%及び5.0%の濃度(培地全量に対する試料溶液としての終濃度)となるように培地に添加し、同条件でさらに5日間培養した。次に、培地を除去し、冷メタノール、冷エタノールで細胞を固定した後、0.1%シリウスレッド含有飽和ピクリン酸水溶液で染色を行った。精製水で洗浄後、0.1%NaOH:メタノール=1:1溶液にて抽出を行い、マイクロプレートリーダー(Model 450、バイオラッド社製)を用いて波長540nmでコラーゲン量を測定した。試料溶液に代えてPBS(−)を添加した試料無添加の場合(Control)についても上記と同様の操作を行い、ここに得られたコラーゲン量に対する各試料添加時のコラーゲン量の相対値を求め、線維芽細胞のコラーゲン合成率(%)とした。また、試験系が正常に機能しているかを確認するために、試料溶液の代わりに陽性対照として1mMのアスコルビン酸リン酸マグネシウム塩(以下「APM」と称する)を添加した場合についても、同様の試験を行った。
試験例3の結果を表3に示す。
[表3]
表3に示すように、本発明に係るタケノコ抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれたコラーゲン合成促進効果を有することが確認された。
試験例4.線維芽細胞のヒアルロン酸合成促進効果
<実験方法>
正常ヒト皮膚由来線維芽細胞(NB1RGB)を0.5容量%NCS含有イーグルMEM(日水製薬社製)にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLずつ播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、終濃度が2%又は5%となるように製造例1〜3,5,6の抽出物を含んだ培養液を追添加しさらに培養した。また、対照として終濃度5%となるようにPBS(−)を含んだ培養液を追添加したコントロール区を設定した。48時間後、培養上清を回収して培養上清中に分泌されたヒアルロン酸量を、ヒアルロン酸測定キット(生化学バイオビジネス株式会社製)を用いてヒアルロン酸結合タンパク質による免疫染色法により測定した。本発明に係る抽出物のヒアルロン酸合成促進率は、コントロール区のヒアルロン酸量に対する相対値にて算出した。
試験例4の結果を表4に示す。
[表4]
表4に示すように、本発明に係るタケノコ抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれたヒアルロン酸合成促進効果を有することが確認された。
試験例5.細胞内メラニン生成抑制試験
[試験方法]
培養B16メラノーマ細胞を、フラスコに5.0×10個播種し、10%FBS含有イーグルMEM中、37℃、5%COの条件下でプレ培養を行った後、10%FBS含有イーグルMEMで製造例1〜3,5,6の抽出物を1.0%、5.0%の濃度(培地全量に対する試料溶液としての終濃度)となるように希釈した液に交換し、同条件で3日間培養した。次に、培養液を除去し、細胞を回収した後、0.1N
NaOH含有10%DMSO溶液を加えて細胞内容物を抽出した。この抽出液について、分光光度計(U−2000、株式会社日立製)を用い波長475nmでメラニン量を、又プロテインアッセイキット(バイオラッド社製)でタンパク質量を測定した。ここに得られた結果から、タンパク質量当たりのメラニン量を算出し、コントロールに於ける当該メラニン量を100としたときの試料添加時の当該メラニン量の相対値をメラニン合成率として表した。なお比較のため、製造例1の抽出物の代わりに3mMアルブチン溶液を添加した場合及び試料無添加の場合(ブランク)についても、同様の試験を実施した。
試験例5の結果を表5に示す。
[表5]
表5に示すように、本発明に係るタケノコ抽出物は、濃度依存的に格段にすぐれたメラニン生成抑制効果を示すことが確認された。
試験例6.正常ヒト表皮細胞の遺伝子発現評価試験
本試験においては、本発明に係るタケノコ抽出物による、正常ヒト表皮細胞の遺伝子発現に与える影響について評価するため、以下の通り試験を行った。
[試験方法]
正常ヒト表皮細胞を増殖添加剤含有HuMediaKG2[クラボウ社製]にて6×10個/mLに調製し、φ6cmシャーレに1mLを播種して、5%CO、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間培養後、さらに、本発明に係る製造例1の抽出物を含んだ培養液(培養液全量に対して溶液として終濃度が5.0%となるように当該抽出物を添加したもの)を添加して培養した。また、比較対照として、本発明に係る製造例1の抽出物に代えて、5%PBS(−)溶液のみを含んだ培養液を添加した試験区(コントロール区)を設定した。24時間培養後、それぞれの試験区の細胞をTrizol試薬(Invitrogen社製)1mLで回収した。回収した細胞に対してクロロホルム(和光純薬工業社製)200μL添加して撹拌混合し遠心分離機(TOMY社製/MX-160)で15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離した後、水層のみを400μL分取した。回収した水層にイソプロパノール(和光純薬工業社製)500μLを添加して撹拌混合し、15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離してtotalRNAの沈殿物を得た。totalRNAに75%エタノールを1mL添加して撹拌して洗浄し、15,000rpm、4℃条件下で15分間遠心分離して沈殿を回収した。回収したtotal RNAを所定のキット(PrimeScript RT reagent Kit
with gDNA Eraser (Perfect Real Time)(タカラバイオ社製))を用いて逆転写反応し、cDNAを合成した。合成したcDNAをサンプルとして、Thermal Cycler Dice(登録商標)Real Time System
Single(タカラバイオ社製)、及びSYBR(登録商標)Premix Ex TaqTM II(Perfect
Real Time)[タカラバイオ社製]を用いて、各種遺伝子の発現と、内部標準物質G3PDH遺伝子の発現の検出を行った。ここで、G3PDH(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)は、ハウスキーピング遺伝子(多くの組織や細胞中に共通して一定量発現する遺伝子であって、常に発現され,細胞の維持,増殖に不可欠な遺伝子である)の一つであり、発現量が常に一定とされていることから、PCRの実験では内部標準として用いられるものである。試験結果は、G3PDH遺伝子の発現量を一定とした場合の、それぞれの試験区での各遺伝子の発現量を比較した。本試験系においては、コントロール区のそれぞれの遺伝子の発現量を100としたときの他の試験区でのその遺伝子の発現量の相対値を求めた。
以上の試験の結果、表6〜9に示すように、本発明に係るタケノコの抽出物が酸化ストレス等の応答において重要な転写因子であるnuclear factor-erthroid 2 like 2 (NFE2L2)遺伝子の発現亢進、さらに、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GSTM1)遺伝子の発現亢進、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)遺伝子の発現亢進、ペルオキシレドキシン(POD)遺伝子の発現亢進の効果が確認された。
[表6]
[表7]
[表8]
[表9]
表6に示すように、本発明に係るタケノコ抽出物は、表皮細胞のNEF2L2遺伝子の発現を顕著に亢進することが確認された。また、NFE2L2遺伝子の発現の亢進により、NFE2L2遺伝子により制御されているNFE2L2経路を構成する一連の遺伝子群であるGSTM1遺伝子及びSOD遺伝子や、POD遺伝子の発現も表7〜9に示すように顕著に亢進された。
以上のように、表皮細胞のNFE2L2遺伝子、GSTM1遺伝子、SOD遺伝子、及びPOD遺伝子活性化剤により、皮膚細胞における酸化ストレスが低減されて皮膚の老化現象を予防することが期待できる。また、皮膚細胞において抗炎症作用が生じ、肌荒れなどの皮膚トラブルを早期に緩和することが期待できる。また、表皮細胞において、NFE2L2経路を介してグルタチオンの産生量を増加させることにより、ターンオーバーの乱れの改善、にきびの発生抑制又は症状緩和、しわの発生抑制又は改善、美白、くすみの改善、抗アレルギー等の肌の改善効果も期待できる。

Claims (3)

  1. イネ科タケ亜科の竹の若芽であるタケノコの抽出物を有効成分とする皮膚化粧料。
  2. イネ科タケ亜科の竹がマダケ属の植物である請求項1に記載の皮膚化粧料。
  3. タケノコの皮の抽出物を有効成分とする請求項1又は2に記載の皮膚化粧料。
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