JP2017178920A - 皮膚外用組成物及び経口組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体安全性及び有効性にすぐれた天然物由来成分からなる新規の皮膚外用又は経口用の機能性素材の提供。【解決手段】ハス科ハス属の植物を有する細胞内酸化ダメージ抑制剤、細胞機能改善剤、抗炎症剤、美白剤又は抗老化剤及びそれらの剤を配合した皮膚外用組成物又は経口組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、生体安全性にすぐれた植物抽出物を有効成分とし、皮膚の老化を予防、改善する皮膚外用組成物及び経口組成物を提供する。
現在、皮膚老化の原因として、活性酸素が挙げられる。活性酸素は、生体内分子であるタンパク質、脂質又はアミノ酸等を酸化し、細胞の機能障害の原因となることが明らかとなっている。例えば、皮膚の基底膜や真皮等に存在し、皮膚形成に重要な役割を果たすタンパク質(コラーゲン、エラスチン等)が活性酸素により酸化され、それらが変性すると、皮膚においてシワが形成されることや、ハリや弾力が低下する等の老化現象が生じる。
以上のことに鑑みて、活性酸素から皮膚を防御するための抗酸化剤が提案され、それら抗酸化剤を配合した化粧品や健康食品等が上市されている。例えば、抗酸化剤として、ビタミンC、ビタミンE、カタラーゼ、その他植物エキス等が提案されているが、安定性、安全性及び有効性の点で問題が存在する。従って、かかる点が改善された機能性素材が求められている。
また、近年、皮膚細胞の機能改善及び活性化、又は皮膚細胞内において皮膚老化となる原因物質(活性酸素等)の排出や除去等を行うことで、細胞レベルから皮膚老化を予防、改善する機能性素材も求められているが、安定性、安全性及び有効性の条件を十分に満たすものが見出されていない。
本発明者らは、かかる従来技術の問題点に鑑みて、天然物由来の新たな機能性素材を見出すべく鋭意研究を行った。その結果、ハス科ハス属の植物の抽出物が、細胞の機能改善及び細胞内酸化ダメージ抑制作用、抗炎症作用、美白作用及び抗老化作用を有し、当該抽出物を配合することですぐれた皮膚(頭皮も含む)の健全化効果、抗老化効果、美白効果、髪質改善効果及び育毛効果を奏し、かつ、生体安全性にすぐれた皮膚外用組成物や経口組成物の提供が可能になることを見出した。
従来、ハス科ハス属の植物が保湿、肌荒れ改善効果及び抗酸化効果を有することは、例えば、特許文献1〜3により公開されているが、これらの植物の抽出物が、細胞の機能改善、細胞内酸化ダメージ抑制作用、抗炎症作用、美白作用及び抗老化作用を有することについては、知られていなかった。
特開平11-279069号 特開平04-305519号 特開平06-024937号
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする細胞機能改善剤である。
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする細胞内酸化ダメージ抑制剤である。
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする抗炎症剤である。
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする美白剤である。
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする抗老化剤である。

本発明は、ハス科ハス属の植物から抽出物を得る第1の工程と、前記第1の工程で得られた抽出物を吸着剤で処理を行う第2の工程とを含む抽出物の製造方法である。
本発明は、上記剤のいずれかを配合した皮膚外用組成物又は経口組成物である。
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする細胞機能改善剤、細胞内酸化ダメージ抑制剤、抗炎症剤及び美白剤であって、本発明によれば、有効成分である抽出物を配合することで、皮膚(頭皮も含む)の健全化効果、抗老化効果、美白効果、髪質改善効果及び育毛効果を発揮する皮膚外用組成物や経口組成物を提供することができる。
図1は、本発明に係る製造方法により得られた抽出物中のアルカロイドの確認試験の結果を示すものである。
以下、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、ハス科ハス属に属する植物としては、ハス(Nelumbo nucifera Gaertner)、オニバス(Euryale ferox Salisb)、オオオニバス(Victoria amazonica)、中国姫蓮(Nelumbo spec.)、桜蓮 (Nelumbo nucifera cv. Ouren)、紅舞姫蓮 (Nelumbo nucifera cv. Benimaihiren)、キバナバス(Nelumbo lutea)、睡蓮(Nelumbo hybrida)から選ばれる一種乃至は二種以上が挙げられる。
植物抽出物の調製は、使用部位(全草、種子、葉、花、雄しべ、根、根茎、胚芽等)を、必要に応じてこれに予め水洗、乾燥処理等を施した上、浸漬法、向流抽出法等適宜の手段により抽出溶媒と接触させることによって行うことができる。また、超臨界抽出法や水蒸気蒸留法を用いてもよい。また、各植物の抽出物、水蒸気蒸留物及び精油のいずれか2以上の混合物を使用しても良い。
抽出溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類;エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;エチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、クロロホルム等の炭化水素系溶媒等が挙げられ、それらは単独で又は二種以上を混合して用いられる。
それら抽出溶媒のうちでも、得られる抽出物の有効性、さらには、皮膚刺激性の観点から、又化粧料等への幅広い適用が可能であるという点からも、本発明においては、水、低級アルコール類又は多価アルコール類等の親水性溶媒が好適である。この親水性溶媒を用いる場合の好ましい例としては、例えば、水、低級アルコール類(例えば、エタノール)、又は多価アルコール(例えば、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン)の単独使用、或いは、水と低級アルコール類(特にエタノール)との混合溶媒、又は水と多価アルコール類(例えば、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン)との混合溶媒の使用等が挙げられるが、なかでも水単独、又は水と1,3−ブチレングリコール若しくは1,3−プロパンジオールの混合溶媒が特に好ましい。
混合溶媒を用いる場合の混合比は、例えば水と1,3−ブチレングリコール若しくは1,3−プロパンジオールとの混合溶媒であれば、容量比(以下同じ)で1:10〜20:1、水とエタノールとの混合溶媒であれば、1:10〜25:1、水とグリセリンとの混合溶媒であれば1:1〜20:1の範囲とすることが好ましい。
また、各植物の乾燥部位と抽出溶媒との重量比は好ましくは1:1〜1:80の範囲であり、より好ましくは、1:5〜1:50の範囲である。
抽出物の調製に際して、そのpHに特に限定はないが、一般には3〜9の範囲とすることが好ましい。かかる意味で、必要であれば、前記抽出溶媒に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性調整剤、又はクエン酸、塩酸、リン酸、硫酸等の酸性調整剤を配合し、所望のpHとなるように調整してもよい。
抽出温度、抽出時間等の抽出条件は、用いる溶媒の種類やpHによっても異なるが、例えば、水もしくはアルコール類(多価アルコールや低級アルコール等)、又は水とアルコール類との混液を溶媒とする場合であれば、抽出温度は一般的には0℃〜90℃の範囲であり、又抽出時間は一般的には0.5時間〜7日間の範囲である。
なお、各抽出物には、安定性を向上する目的や、皮膚外用組成物や経口組成物の成分として好ましくない不純物(アルカロイド等)を除去する目的で、活性炭処理や、非イオン交換樹脂等の合成吸着剤による吸着処理を行っても良い。さらに、ハスの抽出物又は抽出物に含まれる成分を濃縮する目的で、活性炭処理、イオン交換樹脂等の合成吸着剤による濃縮処理を行っても良い。
活性炭としては、松等の木、竹、椰子殻、胡桃殻等の植物質のほか、石炭質、石油質等を原材料として、それらの原材料に水蒸気や二酸化炭素、空気等のガスを使う高温炭化法等の物理的な方法や塩化亜鉛等の化学薬品を使って処理した上で加熱し、多孔質にする化学的な方法による活性化処理を施して得られる活性炭等何れを用いても良い。
イオン交換樹脂としては、陽イオン交換樹脂又は陰イオン交換樹脂が挙げられ、例えば、強酸性陽イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂等が、強塩基性陰イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂等が挙げられる。処理方法としては、イオン交換樹脂に抽出物溶液が接液すれば良く、例えば、抽出物溶液にイオン交換樹脂を投入して撹拌し、得られた非吸着画分を使用する方法や、イオン交換樹脂を充填したカラムに抽出液又は抽出物の水溶液を通液し、得られた非吸着画分を使用する方法が挙げられる。
また、本発明の抽出処理に先立って、又は抽出処理と並行して、必要に応じて抽出部位に加水分解処理を施してもよい。これによって、当該抽出物の保存安定性等を改善できる可能性がある。
抽出物に酵素加水分解処理を施す場合、酵素としては、アクチナーゼ、パパイン、ペプシン等の蛋白分解酵素、グルコアミラーゼ、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ等の澱粉分解酵素、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ等の繊維素分解酵素、及びリパーゼ等の脂肪分解酵素のいずれかの酵素群から選ばれた1種又は2種以上を用いてもよいが、それらの酵素群からそれぞれ選ばれた1種又は2種以上の酵素を組み合わせて用いることがより好ましい。
酵素の添加量は、ハスの使用部位の固形分に対して、合計で0.001〜50重量%の範囲とすることが好ましい。
上述のように調製した抽出物は、一般にはpHを3〜9に調製した上で、これをそのままの状態で使用しても良く、又減圧濃縮等により所望の濃度として使用しても良い。また、抽出物はスプレードライ法等の常法により乾燥物としても良い。
以上にようにして得られる抽出物は、細胞機能改善作用、細胞活性化作用及び細胞内酸化ダメージ活性抑制作用を有する。具体的には、細胞内に蓄積された異常タンパク質等を分解する機能(オートファジー)の活性化の亢進や、オートファジー機能の中でも、細胞内の異常なミトコンドリアを分解する機能(マイトファジー)の活性化を亢進する。さらに、細胞のエネルギー産生に関する作用(細胞内のATPの合成促進作用、ミトコンドリアの膜電位回復作用)を有する。また、細胞内及びミトコンドリア内に蓄積される活性酸素の消去作用も有する。さらには、加齢によって減少するMITOLタンパク質(詳細は後述する)の合成を促進し、ミトコンドリアの機能維持に寄与する。さらに、本発明に係る抽出物は、抗炎症作用、美白作用及び抗老化作用も有する。
また、上述のように調製した抽出物は、保存安定性等を高めるために、一定時間冷蔵保存した上で、上清を使用しても良い。
本発明に係る抽出物を含む化粧料(医薬部外品も含む)としては、例えば、乳液、クリーム、ローション、エッセンス、パック、口紅、ファンデーション、リクイドファンデーション、メイクアッププレスパウダー、ほほ紅、白粉、洗顔料、ボディシャンプー、毛髪用シャンプー、石けん等が挙げられ、また、育毛剤、さらには浴剤等も挙げられるが、勿論これらに限定されるものではない。また、美容用経口組成物としては、美容飲料、栄養ドリンク、スポーツドリンク、ニアウォーター、ビタミン飲料、ミネラル飲料、アルコール飲料等の飲料;各種スープ類(粉末スープも含む)、乳製品、ゼリー、キャンディ、錠菓、ガム等の食品;錠剤、液状、顆粒状又はゼリー状の健康食品・飲料等に配合することができるが、本発明はこれに限るものではなく、経口摂取できる飲食品等に配合することができる。
化粧料における本発明の抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、基礎化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%(固形分重量%、以下同じ)、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、メイクアップ化粧料の場合は、一般に0.002〜1.0重量%、好ましくは0.02〜0.2重量%の範囲、又清浄用化粧料の場合は、一般に0.002〜10.0重量%、好ましくは0.02〜7.0重量%の範囲である。また、毛髪用化粧料の場合は、抽出物の固形分として、一般的には0.0001〜5.0重量%であり、好ましくは、0.001〜3.0重量%である。また、美容用経口組成物における本発明の抽出物の配合量は、抽出物の固形分として、0.1〜15重量%の範囲が好ましい。
化粧料には、必須成分である抽出物のほかに、通常化粧料や経口組成物に用いられる成分、例えば油性成分、界面活性剤(合成系、天然物系)、保湿剤、増粘剤、防腐・殺菌剤、粉体成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、色素、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。また、当該抽出物の有効性、特長を損なわない限り、他の生理活性成分を組み合わせて配合することも何ら差し支えない。
ここで、油性成分としては、例えばハス油、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、米油、米糠油、米胚芽油、ヤシ油、カミツレ油、パーム油、カカオ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油、ランベンダー油、シアーバター、ティーツリー油、アボガド油、マカデミアナッツ油、植物由来スクワラン等の植物由来の油脂類;ミンク油、タートル油等の動物由来の油脂類;ミツロウ、カルナウバロウ、ライスワックス、ラノリン等のロウ類;流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン等の炭化水素類;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、エイコセン酸等の脂肪酸類;ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、2−エチルヘキシルグリセライド、高級脂肪酸オクチルドデシル(ステアリン酸オクチルドデシル等)等の合成エステル類及び合成トリグリセライド類等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、α−スルホン化脂肪酸アルキルエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩等のアニオン界面活性剤;第四級アンモニウム塩、第一級〜第三級脂肪アミン塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N−ジアルキルモルフォルニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩等のカチオン界面活性剤;N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニオベタイン、N,N,N−トリアルキル−N−アルキレンアンモニオカルボキシベタイン、N−アシルアミドプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオスルホベタイン等の両性界面活性剤等を使用することができる。
乳化剤又は乳化助剤としては、酵素処理ステビア等のステビア誘導体、サポニン又はその誘導体、カゼイン又はその塩(ナトリウム等)、糖と蛋白質の複合体、ショ糖又はそのエステル、ラクトース、大豆由来の水溶性多糖、大豆由来蛋白質と多糖の複合体、ラノリン又はその誘導体、コレステロール、ステビア誘導体(ステビア酵素処理物等)、ケイ酸塩(アルミニウム、マグネシウム等)、炭酸塩(カルシウム、ナトリウム等)、サポニン及びその誘導体、レシチン及びその誘導体(水素添加レシチン等)、乳酸菌醗酵米、乳酸菌醗酵発芽米、乳酸菌醗酵穀類(麦類、豆類、雑穀等)等を配合することもできる。
保湿剤としては、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等があり、さらにトレハロース等の糖類、ムコ多糖類(例えば、ヒアルロン酸及びその誘導体、コンドロイチン及びその誘導体、ヘパリン及びその誘導体等)、エラスチン及びその誘導体、コラーゲン及びその誘導体、NMF関連物質、乳酸、尿素、高級脂肪酸オクチルドデシル、海藻抽出物、シラン根(白及)抽出物、各種アミノ酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
増粘剤としては、例えばアルギン酸、寒天、カラギーナン、フコイダン等の褐藻、緑藻又は紅藻由来成分;シラン根(白及)抽出物;ペクチン、ローカストビーンガム、アロエ多糖体、アルカリゲネス産生多糖体等の多糖類;キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム等のガム類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等の合成高分子類;ヒアルロン酸及びその誘導体;ポリグルタミン酸及びその誘導体等が挙げられる。
防腐・殺菌剤としては、例えば尿素;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル類;フェノキシエタノール、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、サリチル酸、エタノール、ウンデシレン酸、フェノール類、ジャマール(イミダゾデイニールウレア)、ポリリン酸、プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、各種精油類、樹皮乾留物、大根発酵液、サトウキビ等の植物由来のエタノール又は1,3−ブチレングリコール等がある。
粉体成分としては、例えばセリサイト、酸化チタン、タルク、カオリン、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、無水ケイ酸、雲母、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、シルクパウダー、セルロース系パウダー、穀類(米、麦、トウモロコシ、キビ等)のパウダー、豆類(大豆、小豆等)のパウダー等がある。
紫外線吸収剤としては、例えばパラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、サリチル酸アミル及びその誘導体、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、桂皮酸オクチル、オキシベンゾン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−ターシャリーブチル−4−メトキシベンゾイルメタン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、アロエ抽出物等がある。
抗酸化剤としては、例えばブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ムラサキシキブの抽出物、シラン根の抽出物、シャクヤク抽出物、ビタミンE及びその誘導体(例えば、ビタミンEニコチネート、ビタミンEリノレート等)等がある。
美白剤としては、t−シクロアミノ酸誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、ハイドロキノン又はその誘導体、エラグ酸及びその誘導体、ニコチン酸及びその誘導体、レゾルシノール誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、マグノリグナン(5,5'−ジプロピル−ビフェニル−2,2’−ジオール)、ヒドロキシ安息香酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、α−ヒドロキシ酸、AMP(アデノシンモノホスフェイト、アデノシン1リン酸)が挙げられ、これらを単独で配合しても、複数を組み合わせて配合しても良い。
上記のコウジ酸誘導体としては、例えばコウジ酸モノブチレート、コウジ酸モノカプレート、コウジ酸モノパルミテート、コウジ酸ジブチレート等のコウジ酸エステル類、コウジ酸エーテル類、コウジ酸グルコシド等のコウジ酸糖誘導体等が、アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸エステル塩類、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−5−グルコシド、アスコルビルトコフェリルマレイン酸、アスコルビルトコフェリルリン酸K、ミリスチル3−グリセリルアスコルビン酸、カプリリル2−グリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸糖誘導体、それらアスコルビン酸糖誘導体の6位アシル化物(アシル基は、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基等)、L−アスコルビン酸テトライソパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸テトララウリン酸エステル等のL−アスコルビン酸テトラ脂肪酸エステル類、3−O−エチルアスコルビン酸、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−O−パルミテートナトリウム、グリセリルアスコルビン酸又はそのアシル化誘導体、ビスグリセリルアスコルビン酸等のアスコルビン酸グルセリン誘導体、L−アスコルビン酸リン酸アミノプロピル、L−アスコルビン酸のヒアルロン酸誘導体、3−O−Dラクトース−L−アスコルビン酸、イソステアリルアスコルビルリン酸塩等が、ハイドロキノン誘導体としては、アルブチン(ハイドロキノン−β−D−グルコピラノシド)、α−アルブチン(ハイドロキノン−α−D−グルコピラノシド)等が、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸エステル(例えば、トラネキサム酸ラウリルエステル、トラネキサム酸ヘキサデシルエステル、トラネキサム酸セチルエステル又はその塩)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トラネキサム酸メチルアミド)等が挙げられ、レゾルシノール誘導体としては、例えば、4−n−ブチルレゾルシノール、4−イソアミルレゾルシノール等が、2,5−ジヒドロキシ安息香酸誘導体としては、例えば2,5−ジアセトキシ安息香酸、2−アセトキシ−5−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−5−プロピオニルオキシ安息香酸等が、ニコチン酸誘導体としては、例えばニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等が、α−ヒドロキシ酸としては、例えば乳酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、α−ヒドロキシオクタン酸等がある。
生理活性成分としては、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、米糠抽出物又はその加水分解物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ムラサキシキブ抽出物、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物又はその加水分解物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕抽出物又はそれに含まれるセラミド、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス(Pandanus amaryllifolius Roxb.)抽出物、アルカンジェリシア・フラバ(Arcangelicia flava Merrilli)抽出物、カミツレ抽出物等が挙げられる。また、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(ハス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、アンズ果実の抽出物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米抽出物又はその加水分解物、米醗酵エキス、発芽米抽出物又はその加水分解物、発芽米発酵物、黒豆抽出物又はその加水分解物、ダマスクバラの花の抽出物、タケノコの皮の抽出物、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸等)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t−シクロアミノ酸誘導体、ビタミンA及びその誘導体、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、オタネニンジン抽出物又はその発酵物、紅参抽出物、ミツイシコンブ抽出物、ヘチマ抽出物、アナアオサ抽出物、モモ抽出物、桃仁抽出物、キウイ抽出物、ヒマワリ抽出物、ジュアゼイロ(Zizyphus joazeiro)抽出物、パウダルコ樹皮抽出物、萱草(デイリリー)抽出物または発酵物、ハイビスカスの花抽出物または発酵物、ハゴロモグサ抽出物、チェリモヤ抽出物、マンゴー抽出物、マンゴスチン抽出物、フノリ抽出物、烏龍茶抽出物、紅富貴抽出物、シラン抽出物、山椒果皮又は種皮の抽出物または加水分解物、ベニバナ花抽出物、カサブランカ抽出物、甘藷抽出物又はその発酵物、グアバ葉抽出物、ドクダミ抽出物、晩白柚抽出物、アロエ抽出物、イチジク花抽出物、リンゴ抽出物、ホワイトアスパラガス抽出物等がある。
次に、製造例、処方例及び試験例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。なお、以下において、部はすべて重量部を、また%はすべて重量%を意味する。
製造例1.ハス抽出物の調製(1)
ハスの花部(花弁)を乾燥して得られた乾燥物粉末5gに精製水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒(精製水と1,3−ブチレングリコールの混合比が1:1)を100g添加し、40℃、2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液79gを得た(固形分濃度1.37%)。
製造例2.ハス抽出物の調製(2)
ハスの花部(花弁、雄しべ等を含む)を乾燥して得られた乾燥物粉末5gに精製水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒(精製水と1,3−ブチレングリコールの混合比が7:3)を100g添加し、40℃、2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液70gを得た(固形分濃度1.31%)。
製造例3.ハス抽出物の調製(3)
ハスの花部(花弁、雄しべ等を含む)を乾燥して得られた乾燥物粉末5gに精製水と1,3−プロパンジオールの混合溶媒(精製水とプロパンジオールの混合比が1:1)混合溶媒を100g添加した後、40℃、2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液64gを得た(固形分濃度1.19%)。
製造例4.ハス抽出物の調製(4)
ハスの花部(花弁、雄しべ等を含む)を乾燥して得られた乾燥物粉末5gに精製水100gを添加した後、40℃で抽出した。得られた粗抽出液を濾過して、褐色透明のハス花の抽出物溶液60gを得た(固形分濃度1.10%)。
製造例5.ハス抽出物の調製(5)
ハスの花部(花弁、雄しべ等を含む)を乾燥して得られた乾燥物を粉末25gに乾燥物粉末5gに精製水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒(精製水と1,3−ブチレングリコールの混合比が1:1)を500g添加し、40℃で2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液399gを得た(固形分濃度1.47%)。次にこの抽出物溶液に水酸化カリウム水溶液を添加し、pHを8.0に調整した。その後、陽イオン交換樹脂(抽出物溶液中の固形分質量の約10倍質量)を添加し、室温で18時間撹拌して濾過し、暗褐色透明のハス花抽出物溶液を得た(固形分濃度1.33%)。
製造例6.ハス抽出物の調製(6)
製造例1と同様の操作によりハス抽出物溶液399gを得た(固形分濃度1.47%)。次にこの抽出物溶液に水酸化カリウム水溶液を添加し、pHを8.0に調整した後、陽イオン交換樹脂(抽出物溶液中の固形分質量の約2倍質量)を添加し、室温で20時間撹拌して抽出後、濾過し、暗褐色透明のハス花抽出物溶液を得た(固形分濃度1.41%)。次にこの抽出物溶液に水酸化カリウム水溶液を添加し、pHを8.0に調整した。その後、陽イオン交換樹脂(抽出物溶液中の固形分質量の約2倍質量)を添加し、室温で20時間撹拌して濾過し、暗褐色透明のハス花抽出物溶液を得た(固形分濃度1.20%)。
製造例7.ハス抽出物の調製(7)
ハス科ハス属のハスの花部(花弁、雄しべを含む)を天日乾燥して得られた乾燥物を粉末にした。このハス花乾燥物粉末25gに精製水を250gと1,3−ブチレングリコールを250g添加し、40℃で2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液381gを得た(固形分濃度1.17%)。次にこの抽出物溶液に固形分濃度の0.85倍の活性炭を添加し、室温で1時間撹拌して濾過し、暗褐色透明のハス花抽出物溶液を得た (固形分濃度0.90%) 。
製造例8.ハス抽出物の調製(8)
ハスの全草(花部を含む)を乾燥して得られた乾燥物粉末10gに精製水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒(精製水と1,3−ブチレングリコールの混合比が1:1)を200g添加し、40℃、2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス全草抽出物溶液75gを得た(固形分濃度1.29%)。
本発明においては、例えば、製造例5〜7のイオン交換樹脂又は活性炭により吸着処理等を行うことにより、生体安全性に影響する成分「アルカロイド」を除去することが好ましい。以下、製造例5〜7の方法により得られた抽出物にアルカロイドが含まれるかを以下の方法で確認した。
製造例5〜7に係る抽出液5mLを量りとり、水酸化ナトリウム試液を加えpHを9に調整した。次に、抽出液を分液漏斗に移し、酢酸エチル15mLで抽出し、その後、精製水5mLを用いて3回洗浄した。酢酸エチル抽出液を、減圧下で乾固し、得られた乾固物を酢酸エチル2mLに溶かし、試料溶液Aとした。試料溶液A(10μL)を、薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットした。そして、酢酸エチル/メタノール混液(5:3)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾した。これに噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧した。また、比較対象として、吸着処理前のハス花抽出液Bも同様に薄層版に展開し、噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧して、スポットを確認した。
図1に示すように、吸着処理前の抽出液Bにおいては、ドラーゲンドルフ試液に反応してスポットが検出され、アルカロイドが含まれていることが確認された一方、試料溶液A(製造例5)においては、スポットが検出されなかったことから、アルカロイドが含まれていないことが確認された。同様に、製造例6,7を試料溶液とした場合も、スポットが検出されなかった。
処方例1.化粧水
[A成分] 部
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の抽出物 5.0
ムラサキシキブ抽出物 2.0
シラン根抽出物 2.0
ハス種子発酵物 2.0
シャクヤク花抽出物 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
処方例2.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例2の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例3.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例3の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例4.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例4の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例5.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例5の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例6.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例6の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例7.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例7の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例8.化粧水
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例8の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例9.乳液
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ハス精油 0.025
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 1.0
親油型ステアリン酸グリセリル 1.0
水添大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例6の抽出物 3.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
水溶性コラーゲン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
処方例10.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例11.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例12.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてニコチン酸アミド3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例13.乳液
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物の加水分解物5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例14.乳液
[A成分] 部
スクワラン 3.0
ベヘニルアルコール 3.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 1.0
グリセリン脂肪酸エステル 1.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例5の抽出物 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
水溶性コラーゲン 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
処方例15.乳液
処方例14のB成分中、グリチルリチン酸ジカリウム1.0部に代えてトラネキサム酸1.0部を用いるほかは処方例14と同様にして乳液を得た。
処方例16.ローション
[成分] 部
製造例2の抽出物 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
キサンタンガム 0.1
グアーガム 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
処方例17.ローション
処方例16の成分中製造例2の抽出物に代えて製造例3の抽出物10.0部を用いるほかは処方例17と同様にしてローションを得た。
処方例18.エッセンス
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
加水分解ヒアルロン酸液 0.1
製造例4の抽出物 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
実施例19.リキッドファンデーション
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例7の抽出物 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
処方例20.ボディシャンプー
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例6の抽出物 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
処方例21.ヘアシャンプー
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
製造例6の抽出物 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアシャンプーを得た。
実施例22.ヘアコンディショナー
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分] 部
製造例8の抽出物 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアリンスを得た。
処方例23.育毛用化粧料
[成分] 部
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
モノニトログアヤコールナトリウム 0.02
塩酸ピリドキシン 0.03
l−メントール 0.8
タマサキツヅラフジ根エキス 0.3
褐藻エキス 0.3
オタネニンジンエキス 0.3
センブリエキス 2.0
製造例6の抽出物 3.5
トリメチルグリシン 0.5
乳酸 0.2
1,3−ブチレングリコール 10.0
フェノキシエタノール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4
L−アルギニン 適量
エタノール 20.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を十分攪拌混合して育毛料を得た。
以下、試験例1〜16に示す方法により、本発明に係る抽出物の細胞機能改善作用及び細胞内酸化ダメージ抑制作用等を評価する。本試験例1〜12,15〜16においては、老化した皮膚細胞として市販の高齢者由来真皮線維芽細胞「60歳以上」(PromoCell社)を使用し、その比較対照として新生児由来真皮線維芽細胞(RIKEN BioResource Center)を用いたが、本発明に係る評価はこれに限るものではなく、例えば、紫外線や過酸化水素水等を用いる常法により、老化を誘導した細胞を用いても良い。
試験例1.マイトファジー活性評価試験(1)
本試験例1においては、細胞内の分解・再生機構(オートファジー)の中でも、異常ミトコンドリアの分解機能(マイトファジー)に着目し、新生児由来真皮線維芽細胞と高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、加齢によるマイトファジー機能の変化を評価した。本試験例1では、新生児由来真皮線維芽細胞内と高齢者由来真皮線維芽細胞内に存在するミトコンドリアの膜電位をカルボニルシアニド−m−クロロフェニルヒドラゾン(CCCP)低下させて、異常ミトコンドリアを増加させた後、各細胞内でのマイトファジーの活性能を評価した。
[試験方法]
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-c adult)を、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃で、5.0%COの条件下に24時間プレ培養した。次に、プレ培養した培地に、50%1,3−ブチレングリコールを含む培養液を追添加し、プレ培養と同一条件で72時間培養した。ここで、プレ培養後に追添加する培養液中の50%1,3−ブチレングリコールの濃度は、その培養液全量に対して溶液として1.0%の終濃度となるように調製した。培養後、コントロール区を2つの区に分けて、一方のコントロール区(A)においては、培養培地を20μMCCCP含有培地に交換し、更に3時間、37℃,5.0%COの条件下にてインキュベートし、もう一方のコントロール区(B)においては、培養培地を、CCCPを含まない培地に交換し、同条件でインキュベートした。インキュベート後、各区の培地を取り除き、Cyto-ID Autophagy Detection Kit (Enzo Life Sciences社) を使用してマイトファジー活性を測定した。その後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst 33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりのマイトファジー活性を算出した。なお、マイトファジー活性率(%)は、コントロール区(B)のマイトファジー活性値を100としたときの相対値で表した。
試験例1の結果において、新生児由来真皮線維芽細胞及び高齢者由来真皮線維芽細胞のCCCP処理によるマイトファジー活性化率の影響を表1に示す。
[表1]
表1に示すように、新生児由来真皮線維芽細胞及び高齢者由来真皮線維芽細胞において、異常ミトコンドリアの分解機構(マイトファジー)の活性が確認されたが、高齢者由来真皮線維芽細胞では新生児由来真皮線維芽細胞と比較して、マイトファジー活性が顕著に低下していることが確認された。
試験例2.マイトファジー活性評価試験(2)
本試験例2においては、高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、本発明の抽出物によるマイトファジー活性亢進作用を評価した。
まず、試験例1と同様の操作により高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-c adult)プレ培養した。次に、プレ培養後に、本発明に係る製造例1〜8の抽出物を試料溶液として含む培養液を追添加し、さらに72時間培養した。ここで、プレ培養後に追添加する培養液中の試料溶液の各濃度は、その培養液全量に対して溶液として1.0%の終濃度となるように調製した。72時間培養後、培養培地を20μMCCCP含有培地に交換し、さらに3時間、37℃,5.0%COの条件下にてインキュベートした。インキュベート後、培地を取り除き、Cyto-ID Autophagy Detection Kit (Enzo Life Sciences社) を使用してマイトファジー活性を測定した。その後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst 33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりのマイトファジー活性を算出した。なお、試験例1と同様の方法にてコントロール区を設定し、各試料溶液のマイトファジー活性率(%)を、コントロール区(B)のマイトファジー活性値を100としたときの相対値で表した。
試験例2の結果を表2に示す。
[表2]
表2に示すように、本発明に係る抽出物は、格段にすぐれたマイトファジー活性亢進作用を有することが認められた。これにより、本発明に係る抽出物は、細胞内に蓄積した異常ミトコンドリアの増加を抑制し、細胞の機能を改善し、又細胞を活性化する作用を有することが示された。
試験例3.ミトコンドリア膜電位評価
本試験例3においては、細胞内でのエネルギー産生に関与するミトコンドリアの電子伝達系に着目して評価を行った。細胞に含まれるミトコンドリアは、外膜及び内膜の二重の生体膜を有し、電子伝達系において内膜の内外で生じる膜電位を利用して、呼吸によって体内に取り込まれた酸素を消費することで、アデノシン三リン酸(ATP)というエネルギー物質を産生することから、本試験例3では、新生児由来真皮線維芽細胞と高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、加齢による膜電位の変化を評価した。
[試験方法]
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)を及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、次に、培養培地に、50%1,3−ブチレングリコールを含んだ培養液を追添加し、プレ培養と同一条件で72時間培養した。ここで、プレ培養後に追添加する培地中の50%1,3−ブチレングリコールの濃度は、その培養液全量に対して溶液として1.0%の終濃度となるように調製した。72時間後、試験区の上清を除去し、Mito Tracker Orange(Thermo Fisher SCIENTIFIC社)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長485nm、吸収波長538nm)を測定した。新生児由来真皮線維芽細胞での測定結果を100としたときの高齢者由来真皮線維芽細胞での測定結果の相対値を膜電位変化率として算出した。
試験例3の結果を表3に示す。
[表3]

表3に示すように、高齢者由来真皮線維芽細胞では新生児由来真皮線維芽細胞と比較して、ミトコンドリアの膜電位が顕著に低下していることが認められた。
試験例4.ミトコンドリア膜電位評価
本試験例4においては、高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、本発明に係る抽出物によるミトコンドリアの膜電位に対する作用を評価する。
[試験方法]
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、試料溶液として本発明に係る製造例1〜7の抽出物を含む培養液を追添加して培養した。ここで、試料溶液は、培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。また、比較対象として試料溶液に代えて50%1,3−ブチレングリコールを含んだ培養液を追添加したコントロール区を設定した。72時間後、培養上清を除去し、Mito Tracker Orange(Thermo Fisher SCIENTIFIC社)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長485nm、吸収波長538nm)を測定し、膜電位を算出した。そして、コントロール区の測定値を100としときの試料添加区の測定値(相対値)を求めた。
本試験例4の結果を表4に示す。
[表4]
表4に示すとおり、本発明に係る抽出物は、高齢者由来真皮線維芽細胞において、ミトコンドリアの膜電位の低下を抑制し、回復させる作用を有することが認められた。これにより、本発明に係る抽出物は、細胞内のミトコンドリアの機能を改善する作用を有することが示された。
試験例5.ATP合成促進評価試験
本試験例5においては、細胞内で産生されるエネルギー物質であるATP(アデノシン三リン酸)に着目して評価を行った。本試験例では、新生児由来真皮線維芽細胞と高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、ATP産生能を評価した。
[試験方法]
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、50%1,3−ブチレングリコール溶液を含んだ培養液を追添加して、72時間培養した。ここで、50%1,3−ブチレングリコールは、培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。72時間後、「細胞の」ATP測定試薬(東洋ビーネット社)を培地と同量添加してから、ルミノメーター(Promega社) を用いてATP量に依存したルシフェラーゼによる化学発光量を測定した。そして、新生児由来真皮線維芽細胞での測定結果を100としたときの高齢者由来真皮線維芽細胞の測定結果を算出した。
本試験例5の結果を表5に示す。
[表5]
表5に示す通り、高齢者由来真皮線維芽細胞では新生児由来真皮線維芽細胞と比較して、ATPの合成能が顕著に低下していることが確認された。
試験例6.ATP合成の評価試験
本試験例6においては、高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて本発明に係る抽出物によるATP合成促進効果を評価する。
[試験方法]
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、試料溶液として本発明に係る製造例1〜7の抽出物を含む培養液を追添加して72時間培養した。ここで、試料料液は培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。また、比較対象として、試料溶液に代えて同一の終濃度になるように50%1,3−ブチレングリコールを含んだ培養液を追添加したコントロール区を設定した。72時間後、「細胞の」ATP測定試薬(東洋ビーネット社)を培地と同量添加してから、ルミノメーター (Promega社)を用いてATP量に依存したルシフェラーゼによる化学発光量を測定した。そして、コントロール区の測定結果を100としたときの試料添加区の測定結果の相対値をATP合成促進率として算出した。
試験例6の結果を表6に示す。
[表6]
表6に示すように、本発明に係る抽出物は、格段にすぐれたATP合成促進作用を有することが認められた。これにより、本発明に係る抽出物は、細胞の機能を改善し、かつ、細胞を活性化する作用を有することが示された。
試験例7.細胞内活性酸素評価試験(1)
本試験例7においては、新生児由来の真皮線維芽細胞内の活性酸素量と高齢者由来真皮線維芽細胞内の活性酸素量とを評価した。
[試験方法]
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)を及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、50%1,3−ブチレングリコール溶液を含んだ培養液を追添加して、72時間培養した。ここで、50%1,3−ブチレングリコール溶液は、培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。72時間後、培養上清を除去し、2’,7’-dichlorodihydrofluorescein diacetate(DCFH-2DA)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長485nm、吸収波長538nm)を測定した。またその後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst 33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりの活性酸素量を算出した。そして、新生児由来真皮線維芽細胞での活性酸素量を100としたときの高齢者由来真皮線維芽細胞の活性酸素量を相対値で示した。
[表7]
表7に示すように、高齢者由来真皮線維芽細胞では、新生児由来真皮線維芽細胞と比較して、その細胞内の活性酸素量が顕著に増加していることが明らかとなった。
試験例8.本発明に係る抽出物による高齢者由来真皮線維芽細胞内の活性酸素量の増加抑制作用を評価した。
[試験方法]
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×10個/穴に播種して、5.0%CO、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、本発明の製造例1〜7に係る抽出物を試料溶液して含んだ培養液を追添加して培養した。ここで、試料溶液は追添加する培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。また、比較対象として同濃度(1.0%)の1,3−ブチレングリコール水溶液を含んだ培養液を追添加したコントロール区を設定した。72時間後、培地上清を除去し、2’,7’-dichlorodihydrofluorescein diacetate(DCFH-2DA)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長485nm、吸収波長538nm)を測定した。またその後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりの活性酸素量を算出した。そして、コントロール区での活性酸素量を100としたときの試料溶液添加区での活性酸素量を相対値として示した。
試験例8の結果を表8に示す。
[表8]
表8に示すように、本発明に係る抽出物は、細胞内の活性酸素量の増加を抑制する作用を有し、これにより、細胞内の酸化ダメージを抑制する作用を有することが示された。
試験例9.ミトコンドリア内の活性酸素評価試験(1)
本試験例9においては、細胞内で特に活性酸素が産生されるミトコンドリアに着目し、新生児由来真皮線維芽細胞のミトコンドリアに存在する活性酸素量と高齢者由来真皮線維芽細胞のミトコンドリアに存在する活性酸素量とを評価した。
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%CO、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、50%1,3−ブチレングリコール溶液を含んだ培養液を追添加して、72時間培養した。ここで、50%1,3−ブチレングリコール溶液は、培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。72時間後、培養上清を除去し、MitoSOX Red Mitochondrial Superoxide Indicator(Thermo Fisher SCIENTIFIC社)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長544nm、吸収波長590nm)を測定した。またその後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst 33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりのミトコンドリア内の活性酸素量を算出した。そして、新生児由来真皮線維芽細胞での活性酸素量を100としたときの高齢者由来真皮線維芽細胞の活性酸素量を相対値で示した。
試験例9の結果を表9に示す。
[表9]
表9に示すように、高齢者由来真皮線維芽細胞では、新生児由来真皮線維芽細胞と比較して、ミトコンドリア内の活性酸素量が顕著に増加していることが明らかとなった。
試験例10.ミトコンドリア内の活性酸素評価試験(2)
本試験例10においては、高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、本発明に係る抽出物によるミトコンドリア内の活性酸素量の増加抑制作用を評価した。
[試験方法]
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%CO、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、本発明の製造例1〜7に係る抽出物を試料溶液して含んだ培養液を追添加して培養した。ここで、試料溶液は追添加する培養液中の溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。さらに、同濃度(1.0%)の1,3−ブチレングリコール水溶液を含んだ培養液を追添加した試験区をcontrolとして設定し比較区とした。72時間後、試験区の上清を除去し、MitoSOX Red Mitochondrial Superoxide Indicator(Thermo Fisher SCIENTIFIC社)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長544nm、吸収波長590nm)を測定した。またその後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst 33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりのミトコンドリア内の活性酸素量を算出した。そして、コントロール区での活性酸素量を100としたときの試料溶液添加区での活性酸素量を算出した。
試験例10の結果を表10に示す。
[表10]
表10に示すように、本発明に係る抽出物は、ミトコンドリア内の活性酸素量の増加を抑制する作用を有し、これにより、ミトコンドリア内、さらには細胞内の酸化ダメージを抑制する作用を有することが示された。
試験例11.線維芽細胞MITOL合成促進評価方法
本試験例11では、細胞内のミトコンドリアの形態制御(ミトコンドリアの機能を低下させる変性タンパク質の分解等)に関与する膜型ユビキチンリガーゼ「MITOL(別名MARCH5)」に着目し、新生児由来真皮線維芽細胞と高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、加齢によるMITOLの変化を評価した。
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地で、高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult9をFibroblast Growth Mediumu 2 [タカラバイオ社製])で、1.0×10個/mLに調製し96穴マイクロプレートに100μLずつ播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃でプレ培養した。24時間後、両細胞に50%1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)を含んだ培養液を追添加して、72時間培養した。なお、1,3−BGの濃度は、追添加する培養液に対して、溶液として終濃度が1.0%となるように調整した。72時間培養後、培養上清を除去して、PBS(−)を200μLずつ添加して除去し、次に、15%中性緩衝ホルマリン液(和光純薬社製)を50μLずつ添加して冷温下で30分間インキュベートした後、上清を除去した。その後、100μLのPBS(−)を用いて洗浄し、0.2%Triton−X含有PBS(−)を50μLずつ添加して室温下で1時間インキュベートをした。上清を除去してブロッキングワンP(ナカライテスク社製)を50μLずつ添加して室温下で2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)を100μL用いて洗浄し、抗MITOL抗体(GeneTex社製)溶液を50μL添加して冷温下で24時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を3回繰り返した。Alexa Fluor 546抗ラビット二次抗体(Life Technologies社)を50μL添加して室温下、暗所にて2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を5回繰り返し、PBS(−)を100μLずつ添加して蛍光プレートリーダー(大日本製薬社)を用いてEx544/em590における蛍光強度を測定した。さらにその後、PBS(−)で1000倍希釈したHoechst33342を100μLずつ添加して室温で1時間インキュベートし、Ex355/Em460における蛍光強度を測定してDNA量とした。DNA当たりのAlexa Fluor 546抗ラビット二次抗体の蛍光強度によりMITOL合成量を算出した。そして、新生児由来真皮線維芽細胞でのMITOL合成量を100としたときの高齢者由来真皮線維芽細胞のMITOL合成量を相対値で示した。
試験例11の結果を表11に示す。
[表11]
表11に示すように、高齢者由来真皮線維芽細胞では、新生児由来真皮線維芽細胞と比較して、ミトコンドリア内のMITOL合成量が顕著に低下していることが明らかとなった。
試験例12.線維芽細胞MITOL合成促進評価方法
本試験例では、本発明に係る抽出物のMITOLの合成促進能を評価した。
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult9をFibroblast Growth Mediumu 2 [タカラバイオ社製])を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地で、1.0×10個/mLに調製し96穴マイクロプレートに100μLずつ播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃でプレ培養した。24時間後、プレ培養した細胞に50%1,3−ブチレングリコールを含んだ培養液を追添加したコントロール区を設定し、この区で当該細胞をさらに72時間培養した。一方で、プレ培養した高齢者由来真皮線維芽細胞に製造例1〜7の抽出物をそれぞれ試料溶液として含む培養液を追添加した試験区を設定し、それらの区で当該細胞をさらに72時間培養した。なお、コントロール区の1,3−BG及び試験区の各試料溶液の濃度は、追添加する培養液に対して、溶液として終濃度が1.0%となるように調整した。3日培養後、培養上清を除去して、PBS(−)を200μLずつ添加して除去し、次に15%中性緩衝ホルマリン液(和光純薬社製)を50μLずつ添加して冷温下で30分間インキュベートした後、上清を除去した。その後、100μLのPBS(−)を用いて洗浄し、0.2%Triton−X含有PBS(−)を50μLずつ添加して室温下で1時間インキュベートをした。上清を除去してブロッキングワンP(ナカライテスク社製)を50μLずつ添加して室温下で2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)を100μL用いて洗浄し、抗MITOL抗体(GeneTex社製)溶液を50μL添加して冷温下で24時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を3回繰り返した。Alexa Fluor 546抗ラビット二次抗体(Life Technologies社)を50μL添加して室温下、暗所にて2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を5回繰り返し、PBS(−)を100μLずつ添加して蛍光プレートリーダー(大日本製薬社)を用いてEx544/em590における蛍光強度を測定した。さらにその後、PBS(−)で1000倍希釈したHoechst33342を100μLずつ添加して室温で1時間インキュベートし、Ex355/Em460における蛍光強度を測定してDNA量とした。DNA当たりのAlexa Fluor 546抗ラビット二次抗体の蛍光強度によりMITOL合成量を算出した。そして、コントロール区でのMITOL合成量を100としたときの試験区でのMITOL合成量を算出した。
試験例12の結果を表12に示す。
[表12]
表12に示すように、本発明に係る抽出物が、MITOL合成促進効果を有することが確認された。これにより、本発明に係る抽出物は、MITOL合成を促進して、細胞内のミトコンドリアの機能を維持させることが示唆される。
試験例13.チロシナーゼ活性抑制試験
ヒト表皮細胞NHEK(F)を、HuMedia KG2培地(クラボウ社製)を入れた24穴マイクロプレートに2×10個/穴播種し、37℃,5.0%COの条件下に1日間プレ培養した後、製造例5〜6の抽出物を試料溶液として、HuMedia KB2培地(HuMedia KG2から細胞増殖因子を除いたもの。クラボウ社製)に添加した。ここで、試料溶液の濃度は、培地全量に対して、その溶液としての終濃度が0.5%、1.0%となるように調製した。同条件でさらに1日間培養した。陰性対照として試料溶液の代わりに同濃度の50%BG溶液を添加する区を設定した。次に培地を除去し、PBS(−)で1回洗浄した後、PBS(−)を添加し、培養器底面からUV−Bランプ(Philips社製TL20W/12RS)を用いて約50mJ/cm2の紫外線照射を行った。次いで上清をHuMedia KB2培地に交換し、培養を継続した。一方で同日、B16マウスメラノーマ細胞B16−F10を、96穴マイクロプレートに4×10個/穴播種し、10%FBS含有RPMI1640培地中、37℃、5.0%COの条件下に1日間プレ培養した。翌日、表皮細胞の培養上清(紫外線照射から24時間経過したもの)を試料としてB16細胞の培養系に100μL/穴ずつ添加し、同条件で3日間培養した。次に培養液を除去し、界面活性剤(Triton X-100)と5mML−ドーパ溶液を添加して37℃で反応を行った後、マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製)を用い、波長490nmでドーパ値を測定した。陰性対照区のドーパ値に対する各試料添加区のドーパ値の相対値を求め、チロシナーゼ活性率(%)とした。なお、比較のため、試料溶液の代わりに、2mMのコウジ酸を添加した場合(陽性対照)についても同様の試験を行った。
試験例13の結果を表13に示す。
[表13]
表13に示すように、本発明に係る抽出物は、格段にすぐれたチロシナーゼ活性抑制効果を有することが確認された。
試験例14.表皮細胞からのサイトカイン放出抑制評価
正常ヒト表皮角化細胞を増殖添加剤含有HuMedia−KG2(登録商標)「クラボウ社製」にて8×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、製造例6の抽出物を試料溶液として含むHuMedia−KG2(登録商標)「クラボウ社製」を追添加して培養した。ここで、試料溶液は、培地全量に対する溶液として終濃度が0.5%となるように調製した。また、同様の0.5%となるように調製した50% 1,3−ブチレングリコールを含む同培地を追添加した試験区をコントロール(control)として設定した。試料添加翌日に、培養器底面からUV−Bランプ(Philips社製TL20W/12RS)を用いて約75mJ/cmの紫外線照射を行った。照射の際、controlの一部にUVカットシートを貼り、そこを未照射control区とした。次いで上清を同培地で交換し、培養を継続した。24時間後、培地を回収し上清に分泌されたサイトカインは抗体アレイキット(RayBiotech社製)を用いて測定した。結果は、算出した数値の中でUV未照射を100としたときの相対値で示した。
試験例14の結果を表14に示す。
[表14]
表14に示すように、本発明に係る抽出物は、紫外線(UV)照射による表皮細胞からのサイトカイン「IL‐1α(インターロイキン-1)、IL‐2(インターロイキン-2)、IL‐6(インターロイキン-6)、IL‐13(インターロイキン-13)、GRO(ケモカイン)、GRO α(ケモカインα)及びTNF-α(腫瘍壊死因子)」の放出を抑制する効果を有することが確認された。
試験例15.コラーゲン合成促進効果の評価
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて96穴マイクロプレートに1×10個/穴播種し、37℃,5.0%COの条件下に24時間プレ培養した。プレ培養した高齢者由来真皮線維芽細胞を含む培地に製造例5,6の抽出物を試料溶液として添加し、同条件でさらに5日間培養した。ここで、試料溶液の濃度は、培地に対する溶液としての終濃度が0.5%、1.0%の濃度となるように調整した。次に、培地を除去し、冷メタノール、冷エタノールで細胞を固定した後、0.1%シリウスレッド含有飽和ピクリン酸水溶液で染色を行った。精製水で洗浄後、0.1%NaOH:メタノール=1:1溶液にて抽出を行い、マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製)を用いて波長540nmでコラーゲン量を測定した。これに対して、プレ培養した新生児由来線維芽細胞を含む培地には、試料溶液に代えて50% 1,3−ブチレングリコールを含む添加した試験区(コントロール区)を設定し、上記と同様の操作を行い、コラーゲン量を測定した。そして、コントロール区のコラーゲン量を100としたときの試料溶液添加時のコラーゲン量の相対値を求め、線維芽細胞コラーゲン合成率(%)とした。
試験例15の結果を表15に示す。
[表15]
表15に示すように、新生児由来真皮線維芽細胞と比較して高齢者由来真皮線維芽細胞においては、コラーゲンの産生量が低下することが確認された。そして、本発明の抽出物は、その高齢者由来真皮線維芽細胞のコラーゲンを産生する効果を有することも確認された。
試験例16.MMP-2(ゼラチナーゼ)遺伝子発現抑制効果の評価
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて6穴プレートに3×10個/穴播種し、5%CO、飽和水蒸気下、37℃で、24時間プレ培養した。プレ培養後、高齢者由来真皮線維芽細胞を含む培地に製造例5,6の抽出物を試料溶液として添加して培養した。ここで、試料溶液の濃度は、培地に対する溶液としての終濃度が1.0%の濃度となるように調整した。また、これに対して、プレ培養した新生児由来線維芽細胞を含む培地には、比較対照として、試料溶液に代えて、50%の1,3−BG溶液(1.0%)を添加した試験区(コントロール区)を設定した。24時間培養後、それぞれの試験区の細胞をTrizol試薬(Invitrogen社製)1mLで回収した。回収した細胞に対してクロロホルム(和光純薬工業社製)200μL添加して撹拌混合し遠心分離機(TOMY社製/MX-160)で15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離した後、水層のみを400μL分取した。回収した水層にイソプロパノール(和光純薬工業社製)500μLを添加して撹拌混合し、15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離してtotalRNAの沈殿物を得た。totalRNAに75%エタノールを1mL添加して撹拌して洗浄し、15,000rpm、4℃条件下で15分間遠心分離して沈殿を回収した。回収したtotal RNAを所定のキット(PrimeScript RT reagent Kit with gDNA Eraser (Perfect Real Time) [タカラバイオ社製])を用いて逆転写反応し、cDNAを合成した。合成したcDNAをサンプルとして、Thermal Cycler Dice(登録商標)Real Time System Single(タカラバイオ社製)、及びSYBR(登録商標)Premix Ex TaqTM II(Perfect Real Time)[タカラバイオ社製]を用いて、各種遺伝子の発現と、内部標準物質β-actin遺伝子の発現の検出を行った。ここで、β-actinは、ハウスキーピング遺伝子(多くの組織や細胞中に共通して一定量発現する遺伝子であって、常に発現され,細胞の維持,増殖に不可欠な遺伝子である)の一つであり、発現量が常に一定とされていることから、PCRの実験では内部標準として用いられるものである。試験結果は、β-actin遺伝子の発現量を一定とした場合の、それぞれの試験区での各遺伝子の発現量を比較した。本試験系においては、コントロール区のそれぞれの遺伝子の発現量を100としたときの他の試験区でのその遺伝子の発現量の相対値を求めた。
試験例16の結果を表16に示す。
[表16]
表16に示すように、新生児由来真皮線維芽細胞と比較して高齢者由来真皮線維芽細胞においては、細胞外マトリックス成分(コラーゲン、ゼラチン及びエラスチン等)を分解するマトリックスメタロプロテアーゼ(ゼラチナーゼ)の遺伝子(MMP-2)発現が増加することが確認された。そして、本発明の抽出物は、その高齢者由来真皮線維芽細胞においてMMP-2遺伝子発現の増加を抑制する効果を有することも確認された。

Claims (8)

  1. ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする細胞機能改善剤。
  2. ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする細胞内酸化ダメージ抑制剤。
  3. 請求項1に記載の細胞内酸化ダメージ抑制剤又は請求項2に記載の細胞機能改善剤を配合した皮膚外用組成物。
  4. 請求項1に記載の細胞内酸化ダメージ抑制剤又は請求項2に記載の細胞機能改善剤を配合した経口組成物。
  5. ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする抗炎症剤。
  6. ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする美白剤。
  7. ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする抗老化剤。
  8. ハス科ハス属の植物から抽出物を得る第1の工程と、前記第1の工程で得られた抽出物を吸着剤で処理を行う第2の工程とを含む抽出物の製造方法。
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