JP6735225B2 - 皮膚外用組成物及び経口組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする細胞内酸化ダメージ抑制剤である。
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする抗炎症剤である。
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする美白剤である。
本発明は、ハス科ハス属の植物の抽出物を有効成分とする抗老化剤である。
本発明は、ハス科ハス属の植物から抽出物を得る第1の工程と、前記第1の工程で得られた抽出物を吸着剤で処理を行う第2の工程とを含む抽出物の製造方法である。
本発明は、上記剤のいずれかを配合した皮膚外用組成物又は経口組成物である。
本発明において、ハス科ハス属に属する植物としては、ハス(Nelumbo nucifera Gaertner)、オニバス(Euryale ferox Salisb)、オオオニバス(Victoria amazonica)、中国姫蓮(Nelumbo spec.)、桜蓮 (Nelumbo nucifera cv. Ouren)、紅舞姫蓮 (Nelumbo nucifera cv. Benimaihiren)、キバナバス(Nelumbo lutea)、睡蓮(Nelumbo hybrida)から選ばれる一種乃至は二種以上が挙げられる。
ハスの花部(花弁)を乾燥して得られた乾燥物粉末5gに精製水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒(精製水と1,3−ブチレングリコールの混合比が1:1)を100g添加し、40℃、2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液79gを得た(固形分濃度1.37%)。
ハスの花部(花弁、雄しべ等を含む)を乾燥して得られた乾燥物粉末5gに精製水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒(精製水と1,3−ブチレングリコールの混合比が7:3)を100g添加し、40℃、2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液70gを得た(固形分濃度1.31%)。
ハスの花部(花弁、雄しべ等を含む)を乾燥して得られた乾燥物粉末5gに精製水と1,3−プロパンジオールの混合溶媒(精製水とプロパンジオールの混合比が1:1)混合溶媒を100g添加した後、40℃、2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液64gを得た(固形分濃度1.19%)。
ハスの花部(花弁、雄しべ等を含む)を乾燥して得られた乾燥物粉末5gに精製水100gを添加した後、40℃で抽出した。得られた粗抽出液を濾過して、褐色透明のハス花の抽出物溶液60gを得た(固形分濃度1.10%)。
ハスの花部(花弁、雄しべ等を含む)を乾燥して得られた乾燥物を粉末25gに乾燥物粉末5gに精製水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒(精製水と1,3−ブチレングリコールの混合比が1:1)を500g添加し、40℃で2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液399gを得た(固形分濃度1.47%)。次にこの抽出物溶液に水酸化カリウム水溶液を添加し、pHを8.0に調整した。その後、陽イオン交換樹脂(抽出物溶液中の固形分質量の約10倍質量)を添加し、室温で18時間撹拌して濾過し、暗褐色透明のハス花抽出物溶液を得た(固形分濃度1.33%)。
製造例1と同様の操作によりハス抽出物溶液399gを得た(固形分濃度1.47%)。次にこの抽出物溶液に水酸化カリウム水溶液を添加し、pHを8.0に調整した後、陽イオン交換樹脂(抽出物溶液中の固形分質量の約2倍質量)を添加し、室温で20時間撹拌して抽出後、濾過し、暗褐色透明のハス花抽出物溶液を得た(固形分濃度1.41%)。次にこの抽出物溶液に水酸化カリウム水溶液を添加し、pHを8.0に調整した。その後、陽イオン交換樹脂(抽出物溶液中の固形分質量の約2倍質量)を添加し、室温で20時間撹拌して濾過し、暗褐色透明のハス花抽出物溶液を得た(固形分濃度1.20%)。
ハス科ハス属のハスの花部(花弁、雄しべを含む)を天日乾燥して得られた乾燥物を粉末にした。このハス花乾燥物粉末25gに精製水を250gと1,3−ブチレングリコールを250g添加し、40℃で2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス花抽出物溶液381gを得た(固形分濃度1.17%)。次にこの抽出物溶液に固形分濃度の0.85倍の活性炭を添加し、室温で1時間撹拌して濾過し、暗褐色透明のハス花抽出物溶液を得た (固形分濃度0.90%) 。
ハスの全草(花部を含む)を乾燥して得られた乾燥物粉末10gに精製水と1,3−ブチレングリコールの混合溶媒(精製水と1,3−ブチレングリコールの混合比が1:1)を200g添加し、40℃、2時間抽出を行った。抽出後、濾過して暗褐色透明のハス全草抽出物溶液75gを得た(固形分濃度1.29%)。
製造例5〜7に係る抽出液5mLを量りとり、水酸化ナトリウム試液を加えpHを9に調整した。次に、抽出液を分液漏斗に移し、酢酸エチル15mLで抽出し、その後、精製水5mLを用いて3回洗浄した。酢酸エチル抽出液を、減圧下で乾固し、得られた乾固物を酢酸エチル2mLに溶かし、試料溶液Aとした。試料溶液A(10μL)を、薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットした。そして、酢酸エチル/メタノール混液(5:3)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾した。これに噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧した。また、比較対象として、吸着処理前のハス花抽出液Bも同様に薄層版に展開し、噴霧用ドラーゲンドルフ試液を均等に噴霧して、スポットを確認した。
[A成分] 部
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(5.5)セチルアルコール 5.0
ブチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例1の抽出物 5.0
ムラサキシキブ抽出物 2.0
シラン根抽出物 2.0
ハス種子発酵物 2.0
シャクヤク花抽出物 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃以上に加温後、A成分にB成分を加えて攪拌し、さらにヒスコトロン(5000rpm)で2分間ホモジナイズを行った。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えて攪拌混合し、さらに30℃以下まで冷却して化粧水を得た。
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例2の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例3の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例4の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例5の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例6の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例7の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
処方例1のB成分に含まれる製造例1の抽出物に代えて、製造例8の抽出物5.0部を用いるほかは、処方例1と同様にして化粧水を得た。
[A成分] 部
流動パラフィン 6.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ハス精油 0.025
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 1.0
親油型ステアリン酸グリセリル 1.0
水添大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例6の抽出物 3.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロース 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
水溶性コラーゲン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
香料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ80℃以上に加熱した後、攪拌混合した。これを50℃まで冷却した後、C成分を加えてさらに攪拌混合して乳液を得た。
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてトラネキサム酸2.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてアルブチン3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えてニコチン酸アミド3.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
処方例9のB成分中、L−アスコルビン酸−2−グルコシド2.0部及び水酸化カリウム0.5部に代えて米糠抽出物の加水分解物5.0部を用いるほかは処方例9と同様にして乳液を得た。
[A成分] 部
スクワラン 3.0
ベヘニルアルコール 3.0
ヘキサラン 4.0
ホホバ油 1.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 1.0
グリセリン脂肪酸エステル 1.0
大豆レシチン 1.5
[B成分]
製造例5の抽出物 5.0
L−アスコルビン酸−2−グルコシド 2.0
水酸化カリウム 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
水溶性コラーゲン 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
精製水 全量が100部となる量
処方例14のB成分中、グリチルリチン酸ジカリウム1.0部に代えてトラネキサム酸1.0部を用いるほかは処方例14と同様にして乳液を得た。
[成分] 部
製造例2の抽出物 10.0
エタノール 10.0
グリセリン 3.0
1、3−ブチレングリコール 2.0
メチルパラベン 0.2
クエン酸 0.1
クエン酸ナトリウム 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.1
キサンタンガム 0.1
グアーガム 0.1
香料 適量
水酸化カリウム 適量
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を混合してローションを得た。
処方例16の成分中製造例2の抽出物に代えて製造例3の抽出物10.0部を用いるほかは処方例17と同様にしてローションを得た。
[成分] 部
エタノール 2.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
メチルパラベン 0.1
ヒアルロン酸 0.1
加水分解ヒアルロン酸液 0.1
製造例4の抽出物 5.0
クエン酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.6
精製水 全量が100部となる量
精製水にヒアルロン酸を溶解させた後、残りの原料を順次加えて攪拌溶解させ、透明のエッセンスを得た。
[A成分] 部
ステアリン酸 2.4
モノステアリン酸プロピレングリコール 2.0
セトステアリルアルコール 0.2
液状ラノリン 2.0
流動パラフィン 3.0
ミリスチン酸イソプロピル 8.5
プロピルパラベン 0.05
[B成分]
製造例7の抽出物 5.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ベントナイト 0.5
プロピレングリコール 4.0
トリエタノールアミン 1.1
メチルパラベン 0.1
精製水 全量が100部となる量
[C成分]
酸化チタン 8.0
タルク 4.0
着色顔料 適量
上記のA成分とB成分をそれぞれ加温した後混合攪拌した。これを再加温し、上記のC成分を添加して型に流し込み、室温になるまで攪拌してリキッドファンデーションを得た。
[A成分] 部
N−ラウロイルメチルアラニンナトリウム 25.0
ヤシ油脂肪酸カリウム液(40%) 26.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
製造例6の抽出物 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してボディシャンプーを得た。
[A成分] 部
N−ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 10.0
ポリオキシエチレン(3)アルキルエーテル硫酸ナトリウム 20.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 10.0
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 4.0
メチルパラベン 0.1
[B成分]
クエン酸 0.1
製造例6の抽出物 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアシャンプーを得た。
[A成分] 部
ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油 1.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 1.5
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2.0
2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
セタノール 3.2
ステアリルアルコール 1.0
メチルパラベン 0.1
[B成分] 部
製造例8の抽出物 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
精製水 全量が100部となる量
A成分及びB成分をそれぞれ80℃に加温して均一に溶解した後、A成分にB成分を加え、攪拌を続けて室温まで冷却してヘアリンスを得た。
[成分] 部
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
モノニトログアヤコールナトリウム 0.02
塩酸ピリドキシン 0.03
l−メントール 0.8
タマサキツヅラフジ根エキス 0.3
褐藻エキス 0.3
オタネニンジンエキス 0.3
センブリエキス 2.0
製造例6の抽出物 3.5
トリメチルグリシン 0.5
乳酸 0.2
1,3−ブチレングリコール 10.0
フェノキシエタノール 0.2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.4
L−アルギニン 適量
エタノール 20.0
精製水 全量が100部となる量
上記の成分を十分攪拌混合して育毛料を得た。
本試験例1においては、細胞内の分解・再生機構(オートファジー)の中でも、異常ミトコンドリアの分解機能(マイトファジー)に着目し、新生児由来真皮線維芽細胞と高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、加齢によるマイトファジー機能の変化を評価した。本試験例1では、新生児由来真皮線維芽細胞内と高齢者由来真皮線維芽細胞内に存在するミトコンドリアの膜電位をカルボニルシアニド−m−クロロフェニルヒドラゾン(CCCP)低下させて、異常ミトコンドリアを増加させた後、各細胞内でのマイトファジーの活性能を評価した。
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-c adult)を、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×104個/穴播種し、37℃で、5.0%CO2の条件下に24時間プレ培養した。次に、プレ培養した培地に、50%1,3−ブチレングリコールを含む培養液を追添加し、プレ培養と同一条件で72時間培養した。ここで、プレ培養後に追添加する培養液中の50%1,3−ブチレングリコールの濃度は、その培養液全量に対して溶液として1.0%の終濃度となるように調製した。培養後、コントロール区を2つの区に分けて、一方のコントロール区(A)においては、培養培地を20μMCCCP含有培地に交換し、更に3時間、37℃,5.0%CO2の条件下にてインキュベートし、もう一方のコントロール区(B)においては、培養培地を、CCCPを含まない培地に交換し、同条件でインキュベートした。インキュベート後、各区の培地を取り除き、Cyto-ID Autophagy Detection Kit (Enzo Life Sciences社) を使用してマイトファジー活性を測定した。その後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst 33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりのマイトファジー活性を算出した。なお、マイトファジー活性率(%)は、コントロール区(B)のマイトファジー活性値を100としたときの相対値で表した。
[表1]
本試験例2においては、高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、本発明の抽出物によるマイトファジー活性亢進作用を評価した。
[表2]
本試験例3においては、細胞内でのエネルギー産生に関与するミトコンドリアの電子伝達系に着目して評価を行った。細胞に含まれるミトコンドリアは、外膜及び内膜の二重の生体膜を有し、電子伝達系において内膜の内外で生じる膜電位を利用して、呼吸によって体内に取り込まれた酸素を消費することで、アデノシン三リン酸(ATP)というエネルギー物質を産生することから、本試験例3では、新生児由来真皮線維芽細胞と高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、加齢による膜電位の変化を評価した。
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)を及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×105個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、次に、培養培地に、50%1,3−ブチレングリコールを含んだ培養液を追添加し、プレ培養と同一条件で72時間培養した。ここで、プレ培養後に追添加する培地中の50%1,3−ブチレングリコールの濃度は、その培養液全量に対して溶液として1.0%の終濃度となるように調製した。72時間後、試験区の上清を除去し、Mito Tracker Orange(Thermo Fisher SCIENTIFIC社)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長485nm、吸収波長538nm)を測定した。新生児由来真皮線維芽細胞での測定結果を100としたときの高齢者由来真皮線維芽細胞での測定結果の相対値を膜電位変化率として算出した。
[表3]
本試験例4においては、高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、本発明に係る抽出物によるミトコンドリアの膜電位に対する作用を評価する。
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×105個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、試料溶液として本発明に係る製造例1〜7の抽出物を含む培養液を追添加して培養した。ここで、試料溶液は、培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。また、比較対象として試料溶液に代えて50%1,3−ブチレングリコールを含んだ培養液を追添加したコントロール区を設定した。72時間後、培養上清を除去し、Mito Tracker Orange(Thermo Fisher SCIENTIFIC社)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長485nm、吸収波長538nm)を測定し、膜電位を算出した。そして、コントロール区の測定値を100としときの試料添加区の測定値(相対値)を求めた。
[表4]
本試験例5においては、細胞内で産生されるエネルギー物質であるATP(アデノシン三リン酸)に着目して評価を行った。本試験例では、新生児由来真皮線維芽細胞と高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、ATP産生能を評価した。
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×105個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、50%1,3−ブチレングリコール溶液を含んだ培養液を追添加して、72時間培養した。ここで、50%1,3−ブチレングリコールは、培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。72時間後、「細胞の」ATP測定試薬(東洋ビーネット社)を培地と同量添加してから、ルミノメーター(Promega社) を用いてATP量に依存したルシフェラーゼによる化学発光量を測定した。そして、新生児由来真皮線維芽細胞での測定結果を100としたときの高齢者由来真皮線維芽細胞の測定結果を算出した。
[表5]
本試験例6においては、高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて本発明に係る抽出物によるATP合成促進効果を評価する。
[試験方法]
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×105個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、試料溶液として本発明に係る製造例1〜7の抽出物を含む培養液を追添加して72時間培養した。ここで、試料料液は培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。また、比較対象として、試料溶液に代えて同一の終濃度になるように50%1,3−ブチレングリコールを含んだ培養液を追添加したコントロール区を設定した。72時間後、「細胞の」ATP測定試薬(東洋ビーネット社)を培地と同量添加してから、ルミノメーター (Promega社)を用いてATP量に依存したルシフェラーゼによる化学発光量を測定した。そして、コントロール区の測定結果を100としたときの試料添加区の測定結果の相対値をATP合成促進率として算出した。
[表6]
本試験例7においては、新生児由来の真皮線維芽細胞内の活性酸素量と高齢者由来真皮線維芽細胞内の活性酸素量とを評価した。
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)を及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×105個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、50%1,3−ブチレングリコール溶液を含んだ培養液を追添加して、72時間培養した。ここで、50%1,3−ブチレングリコール溶液は、培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。72時間後、培養上清を除去し、2’,7’-dichlorodihydrofluorescein diacetate(DCFH-2DA)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長485nm、吸収波長538nm)を測定した。またその後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst 33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりの活性酸素量を算出した。そして、新生児由来真皮線維芽細胞での活性酸素量を100としたときの高齢者由来真皮線維芽細胞の活性酸素量を相対値で示した。
[試験方法]
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を、0.5%NCS含有イーグル最少必須培地を入れた96穴マイクロプレートに1×104個/穴に播種して、5.0%CO2、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、本発明の製造例1〜7に係る抽出物を試料溶液して含んだ培養液を追添加して培養した。ここで、試料溶液は追添加する培養液全量に対する溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。また、比較対象として同濃度(1.0%)の1,3−ブチレングリコール水溶液を含んだ培養液を追添加したコントロール区を設定した。72時間後、培地上清を除去し、2’,7’-dichlorodihydrofluorescein diacetate(DCFH-2DA)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長485nm、吸収波長538nm)を測定した。またその後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりの活性酸素量を算出した。そして、コントロール区での活性酸素量を100としたときの試料溶液添加区での活性酸素量を相対値として示した。
[表8]
本試験例9においては、細胞内で特に活性酸素が産生されるミトコンドリアに着目し、新生児由来真皮線維芽細胞のミトコンドリアに存在する活性酸素量と高齢者由来真皮線維芽細胞のミトコンドリアに存在する活性酸素量とを評価した。
[表9]
本試験例10においては、高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、本発明に係る抽出物によるミトコンドリア内の活性酸素量の増加抑制作用を評価した。
[試験方法]
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて1×105個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%CO2、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、本発明の製造例1〜7に係る抽出物を試料溶液して含んだ培養液を追添加して培養した。ここで、試料溶液は追添加する培養液中の溶液としての終濃度が1.0%となるように調製した。さらに、同濃度(1.0%)の1,3−ブチレングリコール水溶液を含んだ培養液を追添加した試験区をcontrolとして設定し比較区とした。72時間後、試験区の上清を除去し、MitoSOX Red Mitochondrial Superoxide Indicator(Thermo Fisher SCIENTIFIC社)を細胞に取り込ませた後、蛍光プレートリーダー(フルオロスキャンアセント、Thermo Labsystems社製)を用いて蛍光強度(励起波長544nm、吸収波長590nm)を測定した。またその後、PBS(−)にて1000倍希釈したHoechst 33342(同人化学製品)を100μL添加して蛍光強度(励起波長355nm、吸光波長460nm)を測定してDNA量とし、DNA量当たりのミトコンドリア内の活性酸素量を算出した。そして、コントロール区での活性酸素量を100としたときの試料溶液添加区での活性酸素量を算出した。
[表10]
本試験例11では、細胞内のミトコンドリアの形態制御(ミトコンドリアの機能を低下させる変性タンパク質の分解等)に関与する膜型ユビキチンリガーゼ「MITOL(別名MARCH5)」に着目し、新生児由来真皮線維芽細胞と高齢者由来真皮線維芽細胞を用いて、加齢によるMITOLの変化を評価した。
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地で、高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult9をFibroblast Growth Mediumu 2 [タカラバイオ社製])で、1.0×105個/mLに調製し96穴マイクロプレートに100μLずつ播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃でプレ培養した。24時間後、両細胞に50%1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)を含んだ培養液を追添加して、72時間培養した。なお、1,3−BGの濃度は、追添加する培養液に対して、溶液として終濃度が1.0%となるように調整した。72時間培養後、培養上清を除去して、PBS(−)を200μLずつ添加して除去し、次に、15%中性緩衝ホルマリン液(和光純薬社製)を50μLずつ添加して冷温下で30分間インキュベートした後、上清を除去した。その後、100μLのPBS(−)を用いて洗浄し、0.2%Triton−X含有PBS(−)を50μLずつ添加して室温下で1時間インキュベートをした。上清を除去してブロッキングワンP(ナカライテスク社製)を50μLずつ添加して室温下で2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)を100μL用いて洗浄し、抗MITOL抗体(GeneTex社製)溶液を50μL添加して冷温下で24時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を3回繰り返した。Alexa Fluor 546抗ラビット二次抗体(Life Technologies社)を50μL添加して室温下、暗所にて2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を5回繰り返し、PBS(−)を100μLずつ添加して蛍光プレートリーダー(大日本製薬社)を用いてEx544/em590における蛍光強度を測定した。さらにその後、PBS(−)で1000倍希釈したHoechst33342を100μLずつ添加して室温で1時間インキュベートし、Ex355/Em460における蛍光強度を測定してDNA量とした。DNA当たりのAlexa Fluor 546抗ラビット二次抗体の蛍光強度によりMITOL合成量を算出した。そして、新生児由来真皮線維芽細胞でのMITOL合成量を100としたときの高齢者由来真皮線維芽細胞のMITOL合成量を相対値で示した。
[表11]
本試験例では、本発明に係る抽出物のMITOLの合成促進能を評価した。
高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult9をFibroblast Growth Mediumu 2 [タカラバイオ社製])を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地で、1.0×105個/mLに調製し96穴マイクロプレートに100μLずつ播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃でプレ培養した。24時間後、プレ培養した細胞に50%1,3−ブチレングリコールを含んだ培養液を追添加したコントロール区を設定し、この区で当該細胞をさらに72時間培養した。一方で、プレ培養した高齢者由来真皮線維芽細胞に製造例1〜7の抽出物をそれぞれ試料溶液として含む培養液を追添加した試験区を設定し、それらの区で当該細胞をさらに72時間培養した。なお、コントロール区の1,3−BG及び試験区の各試料溶液の濃度は、追添加する培養液に対して、溶液として終濃度が1.0%となるように調整した。3日培養後、培養上清を除去して、PBS(−)を200μLずつ添加して除去し、次に15%中性緩衝ホルマリン液(和光純薬社製)を50μLずつ添加して冷温下で30分間インキュベートした後、上清を除去した。その後、100μLのPBS(−)を用いて洗浄し、0.2%Triton−X含有PBS(−)を50μLずつ添加して室温下で1時間インキュベートをした。上清を除去してブロッキングワンP(ナカライテスク社製)を50μLずつ添加して室温下で2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)を100μL用いて洗浄し、抗MITOL抗体(GeneTex社製)溶液を50μL添加して冷温下で24時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を3回繰り返した。Alexa Fluor 546抗ラビット二次抗体(Life Technologies社)を50μL添加して室温下、暗所にて2時間インキュベートした。上清を除去し0.2%Triton−X含有PBS(−)100μLを用いて洗浄を5回繰り返し、PBS(−)を100μLずつ添加して蛍光プレートリーダー(大日本製薬社)を用いてEx544/em590における蛍光強度を測定した。さらにその後、PBS(−)で1000倍希釈したHoechst33342を100μLずつ添加して室温で1時間インキュベートし、Ex355/Em460における蛍光強度を測定してDNA量とした。DNA当たりのAlexa Fluor 546抗ラビット二次抗体の蛍光強度によりMITOL合成量を算出した。そして、コントロール区でのMITOL合成量を100としたときの試験区でのMITOL合成量を算出した。
[表12]
ヒト表皮細胞NHEK(F)を、HuMedia KG2培地(クラボウ社製)を入れた24穴マイクロプレートに2×103個/穴播種し、37℃,5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した後、製造例5〜6の抽出物を試料溶液として、HuMedia KB2培地(HuMedia KG2から細胞増殖因子を除いたもの。クラボウ社製)に添加した。ここで、試料溶液の濃度は、培地全量に対して、その溶液としての終濃度が0.5%、1.0%となるように調製した。同条件でさらに1日間培養した。陰性対照として試料溶液の代わりに同濃度の50%BG溶液を添加する区を設定した。次に培地を除去し、PBS(−)で1回洗浄した後、PBS(−)を添加し、培養器底面からUV−Bランプ(Philips社製TL20W/12RS)を用いて約50mJ/cm2の紫外線照射を行った。次いで上清をHuMedia KB2培地に交換し、培養を継続した。一方で同日、B16マウスメラノーマ細胞B16−F10を、96穴マイクロプレートに4×103個/穴播種し、10%FBS含有RPMI1640培地中、37℃、5.0%CO2の条件下に1日間プレ培養した。翌日、表皮細胞の培養上清(紫外線照射から24時間経過したもの)を試料としてB16細胞の培養系に100μL/穴ずつ添加し、同条件で3日間培養した。次に培養液を除去し、界面活性剤(Triton X-100)と5mML−ドーパ溶液を添加して37℃で反応を行った後、マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製)を用い、波長490nmでドーパ値を測定した。陰性対照区のドーパ値に対する各試料添加区のドーパ値の相対値を求め、チロシナーゼ活性率(%)とした。なお、比較のため、試料溶液の代わりに、2mMのコウジ酸を添加した場合(陽性対照)についても同様の試験を行った。
[表13]
正常ヒト表皮角化細胞を増殖添加剤含有HuMedia−KG2(登録商標)「クラボウ社製」にて8×104個/mLに調製し、96穴マイクロプレートに100μLを播種して、5%炭酸ガス、飽和水蒸気下、37℃で培養した。24時間後、製造例6の抽出物を試料溶液として含むHuMedia−KG2(登録商標)「クラボウ社製」を追添加して培養した。ここで、試料溶液は、培地全量に対する溶液として終濃度が0.5%となるように調製した。また、同様の0.5%となるように調製した50% 1,3−ブチレングリコールを含む同培地を追添加した試験区をコントロール(control)として設定した。試料添加翌日に、培養器底面からUV−Bランプ(Philips社製TL20W/12RS)を用いて約75mJ/cm2の紫外線照射を行った。照射の際、controlの一部にUVカットシートを貼り、そこを未照射control区とした。次いで上清を同培地で交換し、培養を継続した。24時間後、培地を回収し上清に分泌されたサイトカインは抗体アレイキット(RayBiotech社製)を用いて測定した。結果は、算出した数値の中でUV未照射を100としたときの相対値で示した。
[表14]
表14に示すように、本発明に係る抽出物は、紫外線(UV)照射による表皮細胞からのサイトカイン「IL‐1α(インターロイキン-1)、IL‐2(インターロイキン-2)、IL‐6(インターロイキン-6)、IL‐13(インターロイキン-13)、GRO(ケモカイン)、GRO α(ケモカインα)及びTNF-α(腫瘍壊死因子)」の放出を抑制する効果を有することが確認された。
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて96穴マイクロプレートに1×104個/穴播種し、37℃,5.0%CO2の条件下に24時間プレ培養した。プレ培養した高齢者由来真皮線維芽細胞を含む培地に製造例5,6の抽出物を試料溶液として添加し、同条件でさらに5日間培養した。ここで、試料溶液の濃度は、培地に対する溶液としての終濃度が0.5%、1.0%の濃度となるように調整した。次に、培地を除去し、冷メタノール、冷エタノールで細胞を固定した後、0.1%シリウスレッド含有飽和ピクリン酸水溶液で染色を行った。精製水で洗浄後、0.1%NaOH:メタノール=1:1溶液にて抽出を行い、マイクロプレートリーダー(Model 680、バイオラッド社製)を用いて波長540nmでコラーゲン量を測定した。これに対して、プレ培養した新生児由来線維芽細胞を含む培地には、試料溶液に代えて50% 1,3−ブチレングリコールを含む添加した試験区(コントロール区)を設定し、上記と同様の操作を行い、コラーゲン量を測定した。そして、コントロール区のコラーゲン量を100としたときの試料溶液添加時のコラーゲン量の相対値を求め、線維芽細胞コラーゲン合成率(%)とした。
[表15]
新生児由来真皮線維芽細胞(NB1RGB)及び高齢者由来真皮線維芽細胞(NHDF-C adult)を0.5%NCS含有イーグル最少必須培地にて6穴プレートに3×105個/穴播種し、5%CO2、飽和水蒸気下、37℃で、24時間プレ培養した。プレ培養後、高齢者由来真皮線維芽細胞を含む培地に製造例5,6の抽出物を試料溶液として添加して培養した。ここで、試料溶液の濃度は、培地に対する溶液としての終濃度が1.0%の濃度となるように調整した。また、これに対して、プレ培養した新生児由来線維芽細胞を含む培地には、比較対照として、試料溶液に代えて、50%の1,3−BG溶液(1.0%)を添加した試験区(コントロール区)を設定した。24時間培養後、それぞれの試験区の細胞をTrizol試薬(Invitrogen社製)1mLで回収した。回収した細胞に対してクロロホルム(和光純薬工業社製)200μL添加して撹拌混合し遠心分離機(TOMY社製/MX-160)で15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離した後、水層のみを400μL分取した。回収した水層にイソプロパノール(和光純薬工業社製)500μLを添加して撹拌混合し、15,000rpm、4℃の条件下で15分間遠心分離してtotalRNAの沈殿物を得た。totalRNAに75%エタノールを1mL添加して撹拌して洗浄し、15,000rpm、4℃条件下で15分間遠心分離して沈殿を回収した。回収したtotal RNAを所定のキット(PrimeScript RT reagent Kit with gDNA Eraser (Perfect Real Time) [タカラバイオ社製])を用いて逆転写反応し、cDNAを合成した。合成したcDNAをサンプルとして、Thermal Cycler Dice(登録商標)Real Time System Single(タカラバイオ社製)、及びSYBR(登録商標)Premix Ex TaqTM II(Perfect Real Time)[タカラバイオ社製]を用いて、各種遺伝子の発現と、内部標準物質β-actin遺伝子の発現の検出を行った。ここで、β-actinは、ハウスキーピング遺伝子(多くの組織や細胞中に共通して一定量発現する遺伝子であって、常に発現され,細胞の維持,増殖に不可欠な遺伝子である)の一つであり、発現量が常に一定とされていることから、PCRの実験では内部標準として用いられるものである。試験結果は、β-actin遺伝子の発現量を一定とした場合の、それぞれの試験区での各遺伝子の発現量を比較した。本試験系においては、コントロール区のそれぞれの遺伝子の発現量を100としたときの他の試験区でのその遺伝子の発現量の相対値を求めた。
[表16]
Claims (5)
- ハス科ハス属に属するハスの花の抽出物を有効成分とするマイトファジー活性化剤。
- ハス科ハス属に属するハスの花の抽出物を有効成分とするミトコンドリア機能改善剤。
- ハス科ハス属に属するハスの花の抽出物のイオン交換樹脂処理物又は活性炭処理物を有効成分として含み、前記処理物はアルカロイドを含まないことを特徴とする抗炎症剤。
- ハス科ハス属に属するハスの花の抽出物のイオン交換樹脂処理物又は活性炭処理物を有効成分として含み、前記処理物はアルカロイドを含まないことを特徴とする美白剤。
- ハス科ハス属に属するハスの花の抽出物のイオン交換樹脂処理物又は活性炭処理物を有効成分として含み、前記処理物はアルカロイドを含まないことを特徴とする抗老化剤。
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