JP7307067B2 - モルフィナンのハロゲン化誘導体およびその使用 - Google Patents

モルフィナンのハロゲン化誘導体およびその使用 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、米国特許法§119(e)の下、2017年12月12日に出願の米国仮特許出願第62/597,815号に対する優先権を主張し、この米国仮特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
政府支援
本発明は、国防総省によって助成された契約W81XWH-14-C-0097の下、政府支援により行われた。政府は、本発明において、ある一定の権利を有する。
発明の分野
本発明の分野は、モルフィナンのハロゲン化誘導体の組成物および使用を包含する。
発明の背景
以下の議論では、ある特定の物品および方法が、背景および概要説明の目的で記載される。先行技術の「承認」として解釈されるものは、本明細書において何ひとつ含まれていない。本出願人は、適切な場合、本明細書において参照されている物品および方法は、適用可能な法規条項の下、先行技術を構成していないことを実証する権利を明確に保有している。
従来、神経膠(星状細胞およびミクログリア)は、ニューロンに対する構造的支持物として見られており、中枢神経系ホメオスタシスを維持するために重要であった。神経膠は、軸索の欠損、および細胞間の情報伝達における、未だ発見されていない役割のために、疼痛の調査において長い間、見落とされていた。しかし、慢性、および中度から重度の急性疼痛を含めた、様々な疼痛状態に神経膠が関与している可能性が、最近に検討されている。ミクログリアおよび星状細胞の機能は、活性化されると、反応性酸素種、一酸化窒素プロスタグランジン、興奮性アミノ酸、増殖因子、ならびにIL-1、IL-6および腫瘍壊死因子などの炎症誘発性サイトカインを含めた様々な神経興奮性物質を産生および放出し始めるという点で変化する。従来の疼痛治療法は、通常、ニューロン間の疼痛シグナルの伝播を標的としており、成功は限定的である。したがって、従来の疼痛治療法を改変し、神経膠活性化をモジュレートまたは弱化させ、これにより、このような活性化の下流での帰結を遮断することが当技術分野において関心がもたれている。本発明は、これらの関心に取り組む組成物、およびこのような組成物を使用する方法を提供する。
発明の概要
この概要は、以下の発明を実施するための形態においてさらに記載されている単純化した形態で、概念の選択を紹介するために提供されている。この概要は、特許請求されている主題の重要な、または必須の特色を特定することを意図するものでもなく、特許請求されている主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。特許請求されている主題の他の特色、詳細、有用性および利点は、添付の図面に例示されている、および添付の特許請求の範囲において定義されている態様を含めた、以下に書かれた発明を実施するための形態から明白となろう。
本発明の一実施形態は、式Iの(+)-異性体または薬学的に許容されるその塩を含む化合物を包含する:
Figure 0007307067000001
(式中、
は、ヒドロキシル、アルコキシまたはアリールオキシからなる群から選択され、
は、水素、アルキル、アルキニル、アルケニル、アルコキシ、アルキルアミド、アルキルスルファミド、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、シクロアルキル、アルキルアリールまたは置換アルキルアリールからなる群から選択され、
Yは、水素またはヒドロキシからなる群から選択され、
Xは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択され、
Zは、水素、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択され、
ただし、Rがヒドロキシルである場合、Rはシクロプロピルメチルではない)。
ある特定の実施形態では、炭素1と2との間、3と4との間、7と8との間および11と15との間の各結合は、単結合および二重結合からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、炭素1と2との間、3と4との間および11と15との間の各結合は、単結合および二重結合からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、式Iは、炭素7と8との間に不飽和二重結合をさらに含む。
ある特定の態様では、式Iの化合物は、式:
Figure 0007307067000002
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の態様では、式Iの化合物は、式:
Figure 0007307067000003
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、式:
Figure 0007307067000004
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の態様では、Rは、シクロプロピルメチル、プロピル(2)エン、ブチル、ペンチル、ヘキシルまたはフェネチルである。
さらに別の態様では、式Iの化合物は、式II~XXXVIの1つまたは複数である。さらに別の態様では、式Iの化合物は、式II~XXXVIの1つもしくは複数、または薬学的に許容されるそれらの塩である。
本発明の態様は、化合物式VIIである。本発明の別の態様は、化合物式IXである。本発明の他の態様は、化合物式XXII、式XXIII、式XXIV、式XXV、式XXVI、式XXVII、式XXVIII、式XXIX、式XXX、式XXXI、式XXXIII、式XXXIVおよび式XXXV(本明細書では、表1、ならびに図1および2A~2Gに示されている)を含む。
本発明の態様は、化合物式VII、または薬学的に許容されるその塩である。本発明の別の態様は、化合物式IX、または薬学的に許容されるその塩である。本発明の他の態様は、化合物式XXII、式XXIII、式XXIV、式XXV、式XXVI、式XXVII、式XXVIII、式XXIX、式XXX、式XXXI、式XXXIII、式XXXIVおよび式XXXV(本明細書では、表1、ならびに図1および2A~2Gに示されている)、または薬学的に許容されるそれらの塩を含む。
一態様では、式Iの炭素1と2、3と4および11と15は、交互に二重結合を有して、芳香環を形成する。
さらに別の態様では、式Iの炭素7と8との間に不飽和二重結合が存在する。
本発明の一実施形態は、対象において、慢性、および中度から重度の急性疼痛を含めた、疼痛を処置するための方法であって、対象に有効量の式Iの化合物を投与するステップを含む方法である。
本発明の他の実施形態は、対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法であって、対象に有効量の式Iの化合物を投与するステップを含む方法を提供する。この実施形態の一部の態様では、式Iの化合物は、オピオイド化合物と共に対象に投与される。この実施形態の他の態様では、式Iの化合物は、オピオイド化合物が対象に投与された後に、対象に投与される。さらに他の態様では、式Iの化合物は、オピオイド化合物が対象に投与される前に、対象に投与される。
本発明の別の実施形態は、対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法であって、オピオイド治療を受けている対象に有効量の式Iの化合物を投与するステップを含む方法を提供する。
本発明のさらに別の実施形態は、Toll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法であって、対象に有効量の式Iの化合物を投与するステップを含む方法を提供する。この実施形態の一部の態様では、Toll様受容体(TLR)は、TLR-4である。同様に、この実施形態の一部の態様では、臨床状態は、急性侵害受容性疼痛;神経障害性疼痛;他の疼痛サブタイプ/混合型疼痛状態、例えば、火傷、骨関節炎、化学療法、外傷によって引き起こされる疼痛;急性および反復性オピオイド無痛覚;薬物乱用の報酬効果、慢性疼痛またはオピオイド依存に関連する他の疼を含む。本発明のある特定の実施形態の詳細は、以下に記載されているある特定の実施形態の発明を実施するための形態に記載されている。本発明の他の特色、目的および利点は、定義、実施例、図面および特許請求の範囲から明白となろう。
図1は、式Iを示す。
図2A~2Gは、式Iのいくつかの例示的な種を示す。 図2A~2Gは、式Iのいくつかの例示的な種を示す。 図2A~2Gは、式Iのいくつかの例示的な種を示す。 図2A~2Gは、式Iのいくつかの例示的な種を示す。 図2A~2Gは、式Iのいくつかの例示的な種を示す。 図2A~2Gは、式Iのいくつかの例示的な種を示す。 図2A~2Gは、式Iのいくつかの例示的な種を示す。
図3Aは、(+)-6,6-ジフルオロ-デスヒドロキシ-ナルトレキソンの合成経路を示す。 図3Bは、図2の式II、III、VおよびVIを合成するために使用することができる合成経路を示す。
図4は、図2Aの式VII(XT-203)を合成するために使用することができる例示的な合成経路を示す。
図5Aおよび5Bは、CCI神経障害性疼痛モデル手術に供したラットにおける、投薬の1日後(図5A)、および投薬の5日後(図5B)の、ビヒクルおよびガバペンチン(200mg/kg)に対するXT-203(19mg/kg)の効果の結果を示しており、投薬は、1日3回、皮下に行った。
図6Aおよび6Bは、後肢切開モデル手術に供したラットにおける、投薬の1日後(図6A)、および投薬の5日後(図6B)の、ビヒクルおよび陽性対照(3mg/kgのモルヒネ)群に対するXT-203(28または30mg/kg)の効果の結果を示しており、投薬は、1日3回、皮下に行った。
図7は、フェネチル鎖に加えて、4-、5-、6-、7-および8-炭素鎖を含めた、様々な試験化合物の場合のN-アルキル鎖の長さに対してグラフにした用量-阻害曲線を示す。
図8Aは、細胞生存率およびNO産生の阻害に関して試験した3種の化合物((+)-NTX、AK17およびXT-203)の構造を示す。 図8Bは、(+)-NTXの場合の細胞生存率およびNO産生の阻害を示す。 図8Cは、AK-17の場合の細胞生存率およびNO産生の阻害を示す。 図8Dは、XT-203の場合の細胞生存率およびNO産生の阻害を示す。
図9は、ラット、サル、イヌ、マウスおよびヒトを含めた様々な種における(+)-NTX、AK17およびXT-203の半減期を決定するための、これらの種における研究結果を示す。
図10A~10Dは、CCI神経障害性疼痛モデル手術に供したラットにおける、経口期投薬の1日(図10A)、経口期投薬の5日(図10B)、皮下投薬の1日(図10C)および皮下投薬の5日(図10D)後の、ビヒクルおよびガバペンチン(200mg/kg)群に対する(+)-ナルトレキソン(6、18および60mg/kg)およびXT-203(18mg/kg)の効果の結果を示しており、投薬は、1日3回、行った。 図10A~10Dは、CCI神経障害性疼痛モデル手術に供したラットにおける、経口期投薬の1日(図10A)、経口期投薬の5日(図10B)、皮下投薬の1日(図10C)および皮下投薬の5日(図10D)後の、ビヒクルおよびガバペンチン(200mg/kg)群に対する(+)-ナルトレキソン(6、18および60mg/kg)およびXT-203(18mg/kg)の効果の結果を示しており、投薬は、1日3回、行った。 図10A~10Dは、CCI神経障害性疼痛モデル手術に供したラットにおける、経口期投薬の1日(図10A)、経口期投薬の5日(図10B)、皮下投薬の1日(図10C)および皮下投薬の5日(図10D)後の、ビヒクルおよびガバペンチン(200mg/kg)群に対する(+)-ナルトレキソン(6、18および60mg/kg)およびXT-203(18mg/kg)の効果の結果を示しており、投薬は、1日3回、行った。 図10A~10Dは、CCI神経障害性疼痛モデル手術に供したラットにおける、経口期投薬の1日(図10A)、経口期投薬の5日(図10B)、皮下投薬の1日(図10C)および皮下投薬の5日(図10D)後の、ビヒクルおよびガバペンチン(200mg/kg)群に対する(+)-ナルトレキソン(6、18および60mg/kg)およびXT-203(18mg/kg)の効果の結果を示しており、投薬は、1日3回、行った。
図11Aおよび11Bは、後肢切開手術に供したラットにおける、投薬の1日後(図11A)、および投薬の5日後(図11B)の、ビヒクルおよび陽性対照(3mg/kgのモルヒネ)群に対するモルヒネ、(+)-ナルトレキソンおよびXT-203(6または30mg/kg)の効果の結果を示しており、投薬は、1日3回、皮下に行った。 図11Aおよび11Bは、後肢切開手術に供したラットにおける、投薬の1日後(図11A)、および投薬の5日後(図11B)の、ビヒクルおよび陽性対照(3mg/kgのモルヒネ)群に対するモルヒネ、(+)-ナルトレキソンおよびXT-203(6または30mg/kg)の効果の結果を示しており、投薬は、1日3回、皮下に行った。
図12Aから12Cは、手術による疼痛のマウスモデルにおける、肢逃避閾値に対するモルヒネ(図12A)、(+)-ナルトレキソン(図12B)およびXT-203(式VII、図12C)の効果を示すグラフからなる。 図12Aから12Cは、手術による疼痛のマウスモデルにおける、肢逃避閾値に対するモルヒネ(図12A)、(+)-ナルトレキソン(図12B)およびXT-203(式VII、図12C)の効果を示すグラフからなる。 図12Aから12Cは、手術による疼痛のマウスモデルにおける、肢逃避閾値に対するモルヒネ(図12A)、(+)-ナルトレキソン(図12B)およびXT-203(式VII、図12C)の効果を示すグラフからなる。
図13Aは、モルヒネと組み合わせた(+)-ナルトレキソンの効果を示すグラフからなる。図13Bは、手術による疼痛のマウスモデルにおける、肢逃避閾値に対する、モルヒネと組み合わせたXT-203(式VII)の効果を示すグラフからなる。
図14A~14Cは、骨折による疼痛のマウスモデルにおける、モルヒネ(図14A)、(+)-ナルトレキソン(図14B)およびXT-203(式VII、図14C)の効果を示すグラフからなる。 図14A~14Cは、骨折による疼痛のマウスモデルにおける、モルヒネ(図14A)、(+)-ナルトレキソン(図14B)およびXT-203(式VII、図14C)の効果を示すグラフからなる。 図14A~14Cは、骨折による疼痛のマウスモデルにおける、モルヒネ(図14A)、(+)-ナルトレキソン(図14B)およびXT-203(式VII、図14C)の効果を示すグラフからなる。
図15Aは、モルヒネと組み合わせた(+)-ナルトレキソンの効果を示すグラフからなる。図15Bは、骨折による疼痛のマウスモデルにおける、肢逃避閾値に対する、モルヒネと組み合わせたXT-203(式VII)の効果を示すグラフからなる。
図16Aは、ラットの左肢からの実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルのグラフを示す。図16Bは、ラットの右肢からの実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルのグラフを示す。
図17は、CDCl中のXT-203のH NMRスペクトルを示す。
図18は、CDCl中のXT-206のH NMRスペクトルを示す。
図19は、CDCl中のXT-207のH NMRスペクトルを示す。
図20は、CDCl中のXT-208のH NMRスペクトルを示す。
図21は、CDCl中のXT-209のH NMRスペクトルを示す。
図22は、CDCl中のXT-210のH NMRスペクトルを示す。
図23は、CDCl中のXT-211のH NMRスペクトルを示す。
図24は、CDCl中のXT-212のH NMRスペクトルを示す。
図25は、CDCl中のXT-213のH NMRスペクトルを示す。
図26は、CDCl中のXT-214のH NMRスペクトルを示す。
図27は、CDCl中のXT-215のH NMRスペクトルを示す。
図28は、CDCl中のXT-216のH NMRスペクトルを示す。
図29は、CDCl中のXT-217のH NMRスペクトルを示す。
発明の詳細な説明
本明細書に記載されている方法は、特に示さない限り、疼痛およびオピオイド耐性の処置のための有機化学/低分子合成および様々な方法論の従来の技法および説明を用いることができ、これらはすべて、当業者の範囲内である。好適な技法の具体的な例示は、本明細書における例の参照により入手することができる、しかし、等価な従来手順も、当然ながら、使用することができる。このような従来の技法および説明は、それらすべてが全体として、あらゆる目的で、参照により本明細書に組み込まれる、Carey and Sundberg, Advanced Organic Chemistry (2005), Springer;Nicolaou and Sorenson, Classics in Total Synthesis I and II (1996, 2003), Wiley-VCH;Mahrwald, Enantioselective Organocatalyzed Reactions (2011), Springer;Harwood, Moody and Percy, Experimental Organic Chemistry-Standard and Microscale (1999), Blackwell;Zweifel and Nantz, Modern Organic Synthesis (2007), WH Freeman;Hoppenfeld, Fundamentals of Pain Medicine: How to Diagnose and Treat your Patients (2014), Lippincott Williams & Williams;Kim, Pain Medicine Pocketpedia (2012), Lippincott Williams & Williamsなどの標準実験室マニュアルに見いだすことができる。本組成物、調査手段および方法を記載する前に、本発明は、記載されている特定の方法、組成物、標的および使用に限定されず、したがって、これらは当然ながら変更が可能であることを理解すべきである。本明細書で使用される用語は、特定の態様を記載することを目的としているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、これらは、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることも理解すべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「組成物(a composition)」への言及は、1つの組成物、1つより多い組成物、または組成物の混合物を指し、「アッセイ(an assay)」への言及は、等価なステップおよび当業者に公知の方法などへの言及を含む。
特に定義されない限り、本明細書で使用される技術的および科学的用語はすべて、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において明記されている刊行物はすべて、刊行物に記載されており、かつ現在記載されている発明に関連して使用され得る、製剤および方法論を記載および開示する目的で、参照により組み込まれる。
値の範囲が提示されている場合、その範囲の上限値と下限値との間の各介在する値、およびその明記されている範囲における任意の他の明記されているまたは介在する値が、本発明の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値および下限値は、そのより小さな範囲に独立して含まれてもよく、これらの範囲も同様に、明記されている範囲における何らかの具体的に除外された境界値に従って本発明に包含される。明記されている範囲が、限定値の両方を含む場合、それらの含まれている限定値のいずれかを除外する範囲も本発明に含まれる。
以下の記載において、多数の具体的な詳細が、本発明のより完全な理解をもたらすために説明されている。しかし、本明細書を一読すると、本発明は、1つまたは複数のこれらの具体的な詳細説明なしに実施され得ることは、当業者に明白であろう。他の場合では、当業者に周知の、周知の特色および手順は、本発明を曖昧にすることを回避するために記載されているわけではない。
定義
具体的な官能基および化学用語の定義は、以下により詳細に記載されている。化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.の表紙の内側の元素周期表(CAS版)に従って特定され、具体的な官能基は、そこに記載されている通り一般に定義されている。さらに、有機化学の一般的な原理、ならびに具体的な官能部分および反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;およびCarruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。
本明細書に記載されている化合物は、1個またはそれより多くの不斉中心を含むことができ、したがって、様々な立体異性形態、例えば鏡像異性体および/またはジアステレオマーで存在することができる。例えば、本明細書に記載されている化合物は、個々の鏡像異性体、ジアステレオマーまたは幾何異性体の形態であり得るか、またはラセミ混合物、および1つもしくは複数の立体異性体に富む混合物を含めた、立体異性体の混合物の形態であり得る。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ならびにキラルな塩の形成および結晶化を含めた、当業者に公知の方法によって、混合物から単離することができるかまたは、好ましい異性体は、不斉合成により調製することができる。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, E.L. Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);およびWilen, S.H. Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972)を参照されたい。本開示は、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、あるいは、様々な異性体の混合物として化合物をさらに包含する。
特に明記しない限り、本明細書において示されている構造は、1個またはそれより多くの同位体に富む原子の存在のみが異なる、化合物を含むことも意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置き換え、19Fの18Fによる置き換え、または12Cの13Cもしくは14Cによる置き換えを除外する本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。このような化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析用手段またはプローブとして有用である。
値の範囲が列挙されている場合、範囲内の各値および部分範囲を包含することが意図されている。例えば、「C1~6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C1~6、C1~5、C1~4、C1~3、C1~2、C2~6、C2~5、C2~4、C2~3、C3~6、C3~5、C3~4、C4~6、C4~5およびC5~6アルキルを包含することが意図されている。
明示的に明記されていない限り、本明細書で使用される用語は、当業者によって理解される平易で普通の意味を有することが意図されている。以下の定義は、読み手が本発明を理解する一助となることが意図されているが、具体的に示さない限り、このような用語の意味を変更、またはそうでなければ限定することを意図するものではない。
用語「脂肪族」とは、アルキル、アルケニル、アルキニルおよび炭素環式基を指す。同様に、用語「ヘテロ脂肪族」とは、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルおよび複素環式基を指す。
用語「アルキル」とは、1~10個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和炭化水素基のラジカル(「C1~10アルキル」)を指す。一部の実施形態では、アルキル基は、1~9個の炭素原子を有する(「C1~9アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~8個の炭素原子を有する(「C1~8アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~7個の炭素原子を有する(「C1~7アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~6個の炭素原子を有する(「C1~6アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~5個の炭素原子を有する(「C1~5アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~3個の炭素原子を有する(「C1~3アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1~2個の炭素原子を有する(「C1~2アルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、1個の炭素原子を有する(「Cアルキル」)。一部の実施形態では、アルキル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキル」)。C1~6アルキル基の例には、メチル(C)、エチル(C)、プロピル(C)(例えば、n-プロピル、イソプロピル)、ブチル(C)(例えば、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル)、ペンチル(C)(例えば、n-ペンチル、3-ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3-メチル-2-ブタニル、三級アミル)およびヘキシル(C)(例えば、n-ヘキシル)が含まれる。アルキル基の追加例には、n-ヘプチル(C)、n-オクチル(C)などが含まれる。別段の指定がない限り、アルキル基の各例は、独立して、無置換である(「無置換アルキル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基(例えば、Fなどのハロゲン)により置換されている(「置換アルキル」)。ある特定の実施形態では、アルキル基は、無置換C1~10アルキル(無置換C1~6アルキル、例えば、-CH(Me)、無置換エチル(Et)、無置換プロピル(Pr、例えば、無置換n-プロピル(n-Pr)、無置換イソプロピル(i-Pr))、無置換ブチル(Bu、例えば、無置換n-ブチル(n-Bu)、無置換tert-ブチル(tert-Buまたはt-Bu)、無置換sec-ブチル(sec-Bu)、無置換イソブチル(i-Bu))など)である。ある特定の実施形態では、アルキル基は、置換C1~10アルキル(置換C1~6アルキル、例えば、-CF、Bnなど)である。一部の実施形態では、「アルキル」とは、1~12個、好ましくは1~6個の炭素原子の一価の直鎖状飽和炭化水素部分、または3~12個、好ましくは3~6個の炭素原子の一価の分岐状飽和炭化水素部分を指す。例示的なアルキル基には、以下に限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、tert-ブチル、ペンチルなどが含まれる。「アルキルアリール」とは、式-R-Rの部分を指し、Rはアルキル基であり、Rは、アリール基である。用語「ハロアルキル」は、1個またはそれより多くの水素原子が、ハロゲン、例えば、フルオロ、ブロモ、クロロまたはヨードによって独立して置き換えられている、置換アルキル基である。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1~8個の炭素原子を有する(「C1~8ハロアルキル」)。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1~6個の炭素原子を有する(「C1~6ハロアルキル」)。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1~4個の炭素原子を有する(「C1~4ハロアルキル」)。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1~3個の炭素原子を有する(「C1~3ハロアルキル」)。一部の実施形態では、ハロアルキル部分は、1~2個の炭素原子を有する(「C1~2ハロアルキル」)。ハロアルキル基の例には、-CF、-CFCF、-CFCFCF、-CCl、-CFCl、-CFClなどが含まれる。
用語「ヘテロアルキル」とは、親鎖内に(すなわち、親鎖の隣接炭素原子間に挿入される)、および/または親鎖の1つまたは複数の末端位に位置する、酸素、窒素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)をさらに含む、アルキル基を指す。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキル基とは、親鎖内に1~10個の炭素原子および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する飽和基を指す(「ヘテロC1~10アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖内に1~9個の炭素原子および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~9アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖内に1~8個の炭素原子および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~8アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖内に1~7個の炭素原子および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~7アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖内に1~6個の炭素原子および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~6アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖内に1~5個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~5アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖内に1~4個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~4アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖内に1~3個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~3アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖内に1~2個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC1~2アルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、1個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロCアルキル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキル基は、親鎖内に2~6個の炭素原子および1個または2個のヘテロ原子を有する飽和基である(「ヘテロC2~6アルキル」)。別段の指定がない限り、ヘテロアルキル基の各例は、独立して、無置換である(「無置換ヘテロアルキル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換ヘテロアルキル」)。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、無置換ヘテロC1~10アルキルである。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキル基は、置換ヘテロC1~10アルキルである。
用語「アルケニル」とは、2~10個の炭素原子および1つまたはそれより多くの炭素-炭素二重結合(例えば、1つ、2つ、3つまたは4つの二重結合)を有する直鎖または分岐の炭化水素基のラジカルを指す。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルケニル」)。一部の実施形態では、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1つまたはそれより多くの炭素-炭素二重結合は、内部(2-ブテニルなど)または末端(1-ブテニルなど)にあり得る。C2~4アルケニル基の例には、エテニル(C)、1-プロペニル(C)、2-プロペニル(C)、1-ブテニル(C)、2-ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などが含まれる。C2~6アルケニル基の例には、上述のC2~4アルケニル基、およびペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などが含まれる。アルケニルの追加例には、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)などが含まれる。別段の指定がない限り、アルケニル基の各例は、独立して、無置換である(「無置換アルケニル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換アルケニル」)。ある特定の実施形態では、アルケニル基は、無置換C2~10アルケニルである。ある特定の実施形態では、アルケニル基は、置換C2~10アルケニルである。アルケニル基では、立体化学が指定されていないC=C二重結合(例えば、-CH=CHCHまたは)は、(E)-または(Z)-二重結合であり得る。一部の実施形態では、「アルケニル」とは、少なくとも1つの二重結合を含有する、2~10個の炭素原子の一価の直鎖状炭化水素部分、または3~10個の炭素原子の一価の分岐状炭化水素部分、例えば、エテニル、プロペニルなどを指す。
用語「ヘテロアルケニル」とは、親鎖内に(すなわち、親鎖の隣接炭素原子間に挿入される)、および/または親鎖の1つまたは複数の末端位に位置する、酸素、窒素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)をさらに含む、アルケニル基を指す。ある特定の実施形態では、ヘテロアルケニル基とは、親鎖内に2~10個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する基を指す(「ヘテロC2~10アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に2~9個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~9アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に2~8個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~8アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に2~7個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~7アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に2~6個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~6アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に2~5個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~5アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に2~4個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~4アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に2~3個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~3アルケニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、親鎖内に2~6個の炭素原子、少なくとも1つの二重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~6アルケニル」)。別段の指定がない限り、ヘテロアルケニル基の各例は、独立して、無置換である(「無置換ヘテロアルケニル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換ヘテロアルケニル」)。ある特定の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、無置換ヘテロC2~10アルケニルである。ある特定の実施形態では、ヘテロアルケニル基は、置換ヘテロC2~10アルケニルである。
用語「アルキニル」とは、2~10個の炭素原子および1つまたはそれより多くの炭素-炭素三重結合(例えば、1つ、2つ、3つまたは4つの三重結合)を有する直鎖または分岐の炭化水素基のラジカル(「C2~10アルキニル」)を指す。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~9個の炭素原子を有する(「C2~9アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~6個の炭素原子を有する(「C2~6アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~5個の炭素原子を有する(「C2~5アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルキニル」)。一部の実施形態では、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1つまたはそれより多くの炭素-炭素三重結合は、内部(2-ブチニルなど)または末端(1-ブチニルなど)にあり得る。C2~4アルキニル基の例には、非限定的に、エチニル(C)、1-プロピニル(C)、2-プロピニル(C)、1-ブチニル(C)、2-ブチニル(C)などが含まれる。C2~6アルケニル基の例には、上述のC2~4アルキニル基、およびペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などが含まれる。アルキニルの追加例には、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)などが含まれる。別段の指定がない限り、アルキニル基の各例は、独立して、無置換である(「無置換アルキニル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換アルキニル」)。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、無置換C2~10アルキニルである。ある特定の実施形態では、アルキニル基は、置換C2~10アルキニルである。
用語「ヘテロアルキニル」とは、親鎖内に(すなわち、親鎖の隣接炭素原子間に挿入される)、および/または親鎖の1つまたは複数の末端位に位置する、酸素、窒素または硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、1個、2個、3個または4個のヘテロ原子)をさらに含むアルキニル基を指す。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基とは、親鎖内に2~10個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する基を指す(「ヘテロC2~10アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に2~9個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~9アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に2~8個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~8アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に2~7個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~7アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に2~6個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個またはそれより多くのヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~6アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に2~5個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~5アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に2~4個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~4アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に2~3個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~3アルキニル」)。一部の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、親鎖内に2~6個の炭素原子、少なくとも1つの三重結合、および1個または2個のヘテロ原子を有する(「ヘテロC2~6アルキニル」)。別段の指定がない限り、ヘテロアルキニル基の各例は、独立して、無置換である(「無置換ヘテロアルキニル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換ヘテロアルキニル」)。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、無置換ヘテロC2~10アルキニルである。ある特定の実施形態では、ヘテロアルキニル基は、置換ヘテロC2~10アルキニルである。
「アルコキシ」とは、式-ORの部分を指し、Rは、本明細書で定義されているアルキル基である。
「アルキルアミド」とは、本明細書で使用される場合、官能基RONR’を有する化合物を指し、RおよびR’は、Hまたは有機基である。「アルキルスルファミド」とは、官能基RHNSONHを有する化合物を指し、Rは有機基である。
「アンタゴニスト」とは、アゴニストの効果を弱化する化合物または組成物を指す。アンタゴニストは、アゴニストと共通の受容体の領域に可逆的または非可逆的に結合することができる。アンタゴニストは、受容体上の異なる部位で結合することもできる。用語「アンタゴニスト」は、機能性または生理的アンタゴニストも含む。「機能性アンタゴニスト」とは、2つのアゴニストが異なる受容体と相互作用し、反対の効果を生じる状況を指す。「生理的アゴニスト」は、同じ受容体への結合を含まない機構を使用して、別の物質の挙動を相殺する効果を生じる物質の挙動を言う。
用語「アリール」とは、芳香環系中に提供される6~14個の環炭素原子を、および0個のヘテロ原子を有する、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)の4n+2の芳香環系(例えば、環式配列中で共有される6個、10個または14個のπ電子を有する)のラジカル(「C6~14アリール」)を指す。一部の実施形態では、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えば、フェニル)。一部の実施形態では、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。一部の実施形態では、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。「アリール」は、上で定義したアリール環が、1つまたはそれより多くのカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合している環系であって、ラジカルまたは結合点が、アリール環上にあり、このような場合、炭素原子の数が、アリール環系中の炭素原子の数を継続して指定する環系も含む。別段の指定がない限り、アリール基の各例は、独立して、無置換である(「無置換アリール」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換アリール」)。ある特定の実施形態では、アリール基は、無置換C6~14アリールである。ある特定の実施形態では、アリール基は、置換C6~14アリールである。一部の実施形態では、「アリール」とは、環構造内で、1つまたはそれより多くの、好ましくは1つ、2つまたは3つの置換基により必要に応じて置換されている、6~15個の環原子の一価の単環式、二環式または三環式芳香族炭化水素部分を指す。2つのまたは2つより多い置換基がアリール基に存在する場合、各置換基は、独立して選択される。
「アリールオキシ」とは、式-OArの部分を指し、Arはアリールである。
用語「カルボシクリル」または「炭素環式」とは、非芳香環系に、3~14個の環炭素原子(「C3~14カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を有する、非芳香環式炭化水素基のラジカルを指す。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3~10個の環炭素原子を有する(「C3~10カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3~7個の環炭素原子を有する(「C3~7カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、4~6個の環炭素原子を有する(「C4~6カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5~6カルボシクリル」)。一部の実施形態では、カルボシクリル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10カルボシクリル」)。例示的なC3~6カルボシクリル基には、非限定的に、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが含まれる。例示的なC3~8カルボシクリル基には、非限定的に、上述のC3~6カルボシクリル基、およびシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)などが含まれる。例示的なC3~10カルボシクリル基には、非限定的に、上述のC3~8カルボシクリル基、およびシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが含まれる。上述の例が例示する通り、ある特定の実施形態では、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)、または多環式(例えば、二環式系(「二環式カルボシクリル」)または三環式系(「三環式カルボシクリル」)などの、縮合、架橋またはスピロ環系を含有する)のいずれかであり、飽和することができるか、または1つもしくはそれより多くの炭素-炭素二重結合もしくは三重結合を含有することができる。「カルボシクリル」は、上で定義したカルボシクリル環が、1つまたはそれより多くのアリール基またはヘテロアリール基と縮合している環系であって、結合点が、カルボシクリル環上にあり、このような場合、炭素の数が、炭素環式環系中の炭素の数を継続して指定する環系も含む。別段の指定がない限り、カルボシクリル基の各例は、独立して、無置換である(「無置換カルボシクリル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換カルボシクリル」)。ある特定の実施形態では、カルボシクリル基は、無置換C3~14カルボシクリルである。ある特定の実施形態では、カルボシクリル基は、置換C3~14カルボシクリルである。
一部の実施形態では、「カルボシクリル」または「シクロアルキル」は、3~14個の環炭素原子を有する、単環式飽和カルボシクリル基である(「C3~14シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、3~10個の環炭素原子を有する(「C3~10シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子を有する(「C3~8シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、3~6個の環炭素原子を有する(「C3~6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、4~6個の環炭素原子を有する(「C4~6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5~6シクロアルキル」)。一部の実施形態では、シクロアルキル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10シクロアルキル」)。C5~6シクロアルキル基の例には、シクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)が含まれる。C3~6シクロアルキル基の例には、上述のC5~6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)が含まれる。C3~8シクロアルキル基の例には、上述のC3~6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C)が含まれる。別段の指定がない限り、シクロアルキル基の各例は、独立して、無置換である(「無置換シクロアルキル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換シクロアルキル」)。ある特定の実施形態では、シクロアルキル基は、無置換C3~14シクロアルキルである。ある特定の実施形態では、シクロアルキル基は、置換C3~14シクロアルキルである。一部の実施形態では、「シクロアルキル」とは、3~10個の環炭素の、非芳香族性の、好ましくは一価の飽和の単環式または二環式炭化水素部分を指す。シクロアルキルは、環構造内で、1つまたはそれより多くの、好ましくは1つ、2つまたは3つの置換基により必要に応じて置換され得る。2つのまたは2つより多い置換基がシクロアルキル基に存在する場合、各置換基は、独立して選択される。
用語「誘導体またはその類似体」とは、類似のコア構造に由来する、または類似のコア構造を有し、それらが言及されている化合物の生物活性のすべてを保持している化合物を指す。
本明細書に記載されている化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を誘発する、すなわち状態を処置するのに十分な量を指す。当業者によって認識されている通り、本明細書に記載されている化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されている状態、投与形式、ならびに対象の年齢および健康などの因子に応じて変動し得る。ある特定の実施形態では、有効量は、治療有効量である。ある特定の実施形態では、有効量は、予防処置である。ある特定の実施形態では、有効量は、単回用量での本明細書に記載されている化合物の量である。ある特定の実施形態では、有効量は、多回用量での本明細書に記載されている化合物の合わせた量である。
用語「ハロ」、「ハロゲン」および「ハロゲン化物」は、本明細書において互換的に使用され、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を指す。
用語「ヘテロシクリル」または「複素環式」とは、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する、3~14員の非芳香環系のラジカルであって、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される、ラジカルを指す(「3~14員のヘテロシクリル」)。1個またはそれより多くの窒素原子を含有するヘテロシクリル基では、結合点は、原子価が許容する場合、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)、または多環式(例えば、二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)または三環式系(「三環式ヘテロシクリル」)などの、縮合、架橋またはスピロ環系)のいずれかであり得、飽和していてもよく、1つまたはそれより多くの炭素-炭素二重結合または三重結合を含有していてもよい。ヘテロシクリル多環式環系は、一方または両方の環に1個またはそれより多くのヘテロ原子を含むことができる。「ヘテロシクリル」は、上で定義したヘテロシクリル環が、1つもしくはそれより多くのカルボシクリル基と縮合している環系であって、結合点が、カルボシクリルもしくはヘテロシクリル環上のいずれかある環系、または上で定義したヘテロシクリル環が、1つもしくはそれより多くのアリールもしくはヘテロアリール基と縮合している環系であって、結合点が、ヘテロシクリル環上にあり、このような場合、環員の数が、ヘテロシクリル環系中の環員の数を継続して指定する環系も含む。別段の指定がない限り、ヘテロシクリルの各例は、独立して、無置換である(「無置換ヘテロシクリル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。ある特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、3~14員の無置換ヘテロシクリルである。ある特定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、3~14員の置換ヘテロシクリルである。
一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~10員の非芳香環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~10員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~8員の非芳香環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~8員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~6員の非芳香環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~6員のヘテロシクリル」)。一部の実施形態では、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される、1~3個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される、1~2個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロシクリルは、窒素、酸素、および硫黄から選択される、1個の環ヘテロ原子を有する。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な3員のヘテロシクリル基には、非限定的に、アジルジニル(azirdinyl)、オキシラニルおよびチイラニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な4員のヘテロシクリル基には、非限定的に、アゼチジニル、オキセタニルおよびチエタニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基には、非限定的に、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよびピロリル-2,5-ジオンが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基には、非限定的に、ジオキソラニル、オキサチオラニルおよびジチオラニルが含まれる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロシクリル基には、非限定的に、トリアゾリニル、オキサジアゾリニルおよびチアジアゾリニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基には、非限定的に、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基には、非限定的に、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニルおよびジオキサニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロシクリル基には、非限定的に、トリアジナニル(triazinanyl)が含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロシクリル基には、非限定的に、アゼパニル、オキセパニルおよびチエパニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な8員のヘテロシクリル基には、非限定的に、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカニルが含まれる。例示的な二環式ヘテロシクリル基には、非限定的に、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾチエニル、テトラヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、デカヒドロイソキノリニル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロイソクロメニル、デカヒドロナフチリジニル、デカヒドロ-1,8-ナフチリジニル、オクタヒドロピロロ[3,2-b]ピロール、インドリニル、フタルイミジル、ナフタルイミジル、クロマニル、クロメニル、1H-ベンゾ[e][1,4]ジアゼピニル、1,4,5,7-テトラヒドロピラノ[3,4-b]ピロリル、5,6-ジヒドロ-4H-フロ[3,2-b]ピロリル、6,7-ジヒドロ-5H-フロ[3,2-b]ピラニル、5,7-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピラニル、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、2,3-ジヒドロフロ[2,3-b]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロフロ[3,2-c]ピリジニル、4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-b]ピリジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジニルなどが含まれる。
用語「ヘテロアリール」とは、芳香環系中に提供される環炭素原子、および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~14員の単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)の4n+2の芳香環系(例えば、環式配列中で共有される6個、10個または14個のπ電子を有する)のラジカルであって、各ヘテロ原子が、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される、ラジカル(「5~14員のヘテロアリール」)を指す。1個またはそれより多くの窒素原子を含有するヘテロアリール基では、結合点は、原子価が許容する場合、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール多環式環系は、一方または両方の環に1個またはそれより多くのヘテロ原子を含むことができる。「ヘテロアリール」は、上で定義したヘテロアリール環が、1つまたはそれより多くのカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合している環系であって、結合点が、ヘテロアリール環上にあり、このような場合、環員の数が、ヘテロアリール環系中の環員の数を継続して指定する環系を含む。「ヘテロアリール」は、上で定義したヘテロアリール環が、1つまたはそれより多くのアリール基と縮合している環系であって、結合点が、アリールまたはヘテロアリール環上のいずれかにあり、このような場合、環員の数が、縮合多環式(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員の数を指定する環系も含む。1つの環が、ヘテロ原子を含有しない多環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリルなど)では、結合点は、一方の環上に、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例えば、2-インドリル)、またはヘテロ原子を含有しない環(例えば、5-インドリル)のいずれかにあり得る。
一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系中に提供される環炭素原子、および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~10員の芳香環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~10員のヘテロアリール」)。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系中に提供される環炭素原子、および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~8員の芳香環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~8員のヘテロアリール」)。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香環系中に提供される環炭素原子、および1~4個の環ヘテロ原子を有する、5~6員の芳香環系であり、各ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される(「5~6員のヘテロアリール」)。一部の実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される、1~3個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される、1~2個の環ヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、5~6員のヘテロアリールは、窒素、酸素、および硫黄から選択される、1個の環ヘテロ原子を有する。別段の指定がない限り、ヘテロアリール基の各例は、独立して、無置換である(「無置換ヘテロアリール」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基により置換されている(「置換ヘテロアリール」)。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、5~14員の無置換ヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、5~14員の置換ヘテロアリールである。
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基には、非限定的に、ピロリル、フラニルおよびチオフェニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基には、非限定的に、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリルおよびイソチアゾリルが含まれる。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基には、非限定的に、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが含まれる。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員のヘテロアリール基には、非限定的に、テトラゾリルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基には、非限定的に、ピリジニルが含まれる。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基には、非限定的に、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが含まれる。3個または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員のヘテロアリール基には、非限定的に、それぞれ、トリアジニルおよびテトラジニルが含まれる。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員のヘテロアリール基には、非限定的に、アゼピニル、オキセピニルおよびチエピニルが含まれる。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基には、非限定的に、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが含まれる。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基には、非限定的に、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが含まれる。例示的な三環式ヘテロアリール基には、非限定的に、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルおよびフェナジニルが含まれる。
「ヒドロカルビル」とは、炭化水素から誘導される任意の一価ラジカルを指す。
「ヒドロキシ」とは、-OH基を指す。「デスヒドロキシ」とは、通常、ヒドロキシル基を有する位置にヒドロキシ基がないことを指す。
「脱離基」(LG)は、本明細書で使用される場合、一対の電子が不均一結合開裂で離れる分子断片を指すことが技術的に理解されている用語であり、分子断片は、陰イオンまたは中性分子である。本明細書で使用される場合、脱離基は、求核剤によって変位させることが可能な、原子または基であり得る。例えば、Smith, March Advanced Organic Chemistry 6th ed. (501-502)を参照されたい。例示的な脱離基には、以下に限定されないが、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)、-ORaa(O原子がカルボニル基に付着している場合、Raaは、本明細書で定義されている通りである)、-O(C=O)RLG、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキルカルボニルオキシ(例えば、アセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、アリールオキシ(例えば、2,4-ジニトロフェノキシ)、メトキシ、N,O-ジメチルヒドロキシルアミノまたは-O(SO)LG(例えば、トシル、メシル、ベシル)(式中、RLGは、必要に応じて置換されているアルキル、必要に応じて置換されているアリールまたは必要に応じて置換されているヘテロアリールである)が含まれる。一部の場合、脱離基は、ハロゲンである。一部の実施形態では、脱離基はIである。一部の実施形態では、「脱離基」は、合成有機化学において従来使用されている意味、すなわち、求核剤によって変位させることが可能な原子または基を有しており、ハロ(クロロ、ブロモおよびヨードなど)、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキルカルボニルオキシ(例えば、アセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、メシルオキシ、トシルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、アリールオキシ(例えば、2,4-ジニトロフェノキシ)、メトキシ、N,O-ジメチルヒドロキシルアミノなどを含む。
「神経障害性疼痛」とは、損傷により引き起こされる疼痛、または体性感覚神経系に影響を及ぼす疾患を指す(すなわち、神経への傷害に起因する疼痛を指す)。神経障害性疼痛の非限定例には、脊髄損傷、多発性硬化症、脳卒中、糖尿病(例えば、糖尿病性末梢神経障害)、坐骨神経痛、帯状疱疹感染、HIV、神経痛(例えば、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛)、栄養失調、毒素、腫瘍、免疫媒介性障害、神経幹への物理的外傷、がん、化学療法(例えば、化学療法誘発性末梢神経障害などの化学療法誘発性疼痛)、放射線傷害、侵襲的な医療手順、手術、非特異的腰痛、手根管症候群、線維筋痛症に関連するまたはこれらに由来する疼痛、および炎症状態に起因する疼痛(例えば、慢性炎症状態)が含まれる。神経障害性疼痛は、通常、長期持続性または慢性であり、数日または数か月、発症することが多い。神経障害性疼痛は、持続性の自発痛、および通常は痛みがない刺激への痛みを伴う応答であるアロディニアを含み得る。神経障害性疼痛はまた、痛覚過敏によって特徴付けられ得、この場合、ピンプリックなどの、通常軽微な痛みを伴う刺激への応答増強がある。神経障害性疼痛状態は、神経傷害後に発症する恐れがあり、結果として生じた疼痛は、数か月間または数年間、続くことがある。神経傷害は、末梢神経、後根、脊髄、または脳内のある特定の領域に起こり得る。神経障害性疼痛は、神経腫などの末梢神経障害;神経圧迫;神経挫滅、神経の伸びまたは不完全な神経切断;単神経障害または多発神経障害に起因し得る。神経障害性疼痛はまた、後根神経節圧迫などの障害;脊髄の炎症;挫傷、脊髄の腫瘍もしくは片側切断;脳幹、視床もしくは皮質の腫瘍;または脳幹、視床もしくは皮質への外傷に起因し得る。
「侵害受容性疼痛」とは、身体において、刺激が侵害受容体により検出されることによって引き起こされる疼痛を指す(すなわち、筋肉または結合組織における、皮膚小神経または小神経に関与する急性組織傷害により引き起こされる疼痛)。侵害受容体は、主に、皮膚、関節、および臓器壁で見いだされる。侵害受容性疼痛の非限定例には、あざ、火傷、骨折、酷使または関節損傷(例えば、関節炎、捻挫)、神経根障害、挟まれた神経、腫瘍、頭痛、裂傷、手術およびがんに関連する、またはこれらに由来する疼痛が含まれる。
用語「神経性疾患」とは、中枢神経系(脳、脳幹および小脳)、末梢神経系(脳神経を含む)および自律神経系(この一部は、中枢神経系と末梢神経系の両方に位置する)に関与する疾患を含めた、神経系の任意の疾患を指す。神経変性疾患とは、以下に限定されないが、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、タウオパチー(前頭側頭型認知症を含む)およびハンチントン病を含めた、神経細胞の喪失によって特色付けられる神経性疾患のタイプを指す。神経性疾患の例には、以下に限定されないが、頭痛、意識朦朧および昏睡、認知症、発作、睡眠障害、外傷、感染、新生物、神経眼科学、運動障害、脱髄性疾患、脊髄障害、ならびに末梢神経、筋肉および神経筋接合部の障害が含まれる。中毒および精神的な病気は、以下に限定されないが、双極性障害および統合失調症を含み、神経性疾患の定義にも含まれる。神経性疾患のさらなる例には、後天性てんかん性失語症;急性播種性脳脊髄炎;副腎白質ジストロフィー;脳梁欠損症;失認;アイカルディ症候群;アレキサンダー病;アルパース病;交代性片麻痺;アルツハイマー病;筋萎縮性側索硬化症;無脳症;アンジェルマン症候群;血管腫症;無酸素症;失語症;失行症;クモ膜嚢胞;クモ膜炎;アーノルド-キアリ奇形;動静脈奇形;アスペルガー症候群;毛細血管拡張性運動失調症;注意欠陥多動性障害;自閉症;自律神経機能不全;背痛;バッテン病;ベーチェット病;ベル麻痺;良性本態性眼瞼痙攣;良性焦点;筋萎縮;良性頭蓋内圧亢進症;ビンスワンガー病;眼瞼痙攣;ブロッホサルツバーガー症候群;上腕神経叢傷害;脳膿瘍;脳傷害;脳腫瘍(多形性神経膠芽細胞腫を含む);脊椎腫瘍;ブラウン-セカール症候群;カナバン病;手根管症候群(CTS);カウザルギー;中枢性疼痛症候群;橋中心髄鞘崩壊症;頭部障害;脳動脈瘤;脳動脈硬化;脳萎縮;脳性巨人症;脳性麻痺;シャルコー-マリー-トゥース病;化学療法誘発性神経障害および神経障害性疼痛;キアリ奇形;舞踏病(chorea);慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP);慢性疼痛;慢性局所疼痛症候群;コフィンローリー症候群;永続的植物状態を含む昏睡;先天性顔面麻痺;大脳皮質基底核変性症;頭蓋動脈炎;頭蓋骨癒合症;クロイツフェルト-ヤコブ病;累積的外傷性障害;クッシング症候群;細胞巨大封入体疾患(CIBD);サイトメガロウイルス感染;ダンシングアイズ-ダンシングフィート症候群;ダンディ-ウォーカー症候群;ドーソン病;ドモルシア症候群;デジュリン-クルンプケ麻痺;認知症;皮膚筋炎;糖尿病性神経障害;びまん性硬化症;自律神経失調;書字障害;失読症;ジストニア;早期乳児てんかん性脳症;エンプティセラ症候群;脳炎;脳ヘルニア;脳三叉神経領域血管腫症;てんかん;エルプ麻痺;本態性振戦;ファブリー病;ファール症候群;失神;家族性痙性麻痺;熱性痙攣;フィッシャー症候群;フリードライヒ運動失調症;前頭側頭型認知症および他の「タウオパチー」;ゴーシェ病;ゲルストマン症候群;巨細胞性動脈炎;巨細胞封入症;グロボイド細胞白質ジストロフィー;ギランバレー症候群;HTLV-1関連脊髄症;ハラーフォルデンースパッツ病;頭部傷害;頭痛;片側顔面痙攣;遺伝性痙性対麻痺;多発神経炎型遺伝性失調症;耳帯状疱疹;帯状疱疹(herpes zoster);平山症候群;HIV関連認知症および神経障害(AIDSの神経症状も参照されたい);全前脳胞症;ハンチントン病および他のポリグルタミンリピート病;水無脳症;水頭症;コルチゾール過剰症;低酸素症;免疫媒介性脳脊髄炎;封入体筋炎;色素失調症;乳児(infantile);フィタン酸蓄積症;乳児レフサム病;乳児痙攣;炎症性ミオパチー;頭蓋内嚢胞;頭蓋内高血圧;ジュベール症候群;カーンズ-セイヤー症候群;ケネディ病;キンズボーン症候群;クリッペルファイル症候群;クラッベ病;クーゲルベルクウェランダー病;クールー病;ラフォラ病;ランバート-イートン筋無力症候群;ランドウ-クレフナー症候群;外側髄(ワレンベルグ)症候群;学習障害;リー病;レノックス-ガストー症候群;レッシューナイハン症候群;白質ジストロフィー;レビー小体型認知症;滑脳症;閉じ込め症候群;ルーゲーリック病(別名、運動ニューロン疾患または筋萎縮性側索硬化症);腰部椎間板疾患;ライム病-神経学的後遺症;マチャド-ジョセフ病;巨脳症;巨大脳髄症;メルカーソン-ローゼンタール症候群;メニエール病;髄膜炎;メンケス病;異染性白質ジストロフィー;小頭症;偏頭痛;ミラーフィッシャー症候群;軽度脳卒中;ミトコンドリア筋症;メビウス症候群;一側上肢筋萎縮症;運動ニューロン疾患;もやもや病;ムコ多糖症;多発梗塞性認知症;多巣性運動神経障害;多発性硬化症および他の脱髄障害;体位性低血圧を伴う多系統萎縮症;筋ジストロフィー;重症筋無力症;髄鞘破壊性(myelinoclastic)びまん性硬化症;乳児のミオクローヌス脳症;ミオクローヌス;ミオパチー;先天性筋緊張症;ナルコレプシー;神経線維腫症;神経遮断薬悪性症候群;AIDSの神経症状;ループスの神経学的後遺症;神経ミオトニー;神経セロイドリポフスチン症;神経細胞移動障害;ニーマン-ピック病;オサリバン-マクラウド症候群;後頭神経痛;続発性潜在性脊髄閉鎖不全;大田原症候群;オリーブ橋小脳萎縮;オプトクローヌスミオクローヌス;視神経炎;起立性低血圧;過用症候群;知覚異常;パーキンソン病;先天性パラミオトニア;腫瘍随伴性疾患;発作;パリーロムベルグ症候群;ペリツェウス-メルツバッハー病;周期性麻痺;末梢神経障害;疼痛性神経障害および神経障害性疼痛;永続的植物状態;広汎性発達障害;光くしゃみ反射;フィタン酸蓄積症;ピック病;挟まれた神経;下垂体腫瘍;多発筋炎;孔脳症;ポリオ後症候群;帯状疱疹後神経痛(PHN);感染後脳脊髄炎;体位性低血圧;プラダー-ウィリー症候群;原発性側索硬化症;プリオン病;進行性;顔面片側萎縮;進行性多巣性白質脳症;進行性硬化性ポリオジストロフィー;進行性核上性麻痺;偽脳腫瘍;ラムゼイ-ハント症候群(I型およびII型);ラスムッセン脳炎;反射性交感神経性ジストロフィー症候群;レフサム病;反復運動障害;反復性ストレス傷害;むずむず脚症候群;レトロウイルス関連脊髄症;レット症候群;ライ症候群;舞踏病(Saint Vitus Dance);サンドホフ病;シルダー病;裂脳症;中隔視神経異形成症;揺さぶられっ子症候群;帯状疱疹(shingles);シャイ-ドレーガー症候群;シェーグレン症候群;睡眠時無呼吸;ソトス症候群;痙縮;二分脊椎;脊髄損傷;脊髄腫瘍;脊髄性筋萎縮症;スティッフ-パーソン症候群;脳卒中;スタージ-ウェーバー症候群;亜急性硬化性汎脳炎;くも膜下出血;皮質下動脈硬化性脳症;シドナム舞踏病;気絶;脊髄空洞症;遅発性ジスキネジア;テイ-サックス病;側頭動脈炎;脊髄係留症候群;トムセン病;胸郭出口症候群;有痛性チック;トッド麻痺;トゥレット症候群;一過性虚血性発作;伝染性海綿状脳症;横断性脊髄炎;外傷性脳傷害;振戦;三叉神経痛;熱帯性痙性不全対麻痺;結節性硬化症;血管性認知症(多発梗塞性認知症);側頭動脈炎を含む血管炎;フォンヒッペル-リンダウ病(VHL);ワレンベルグ症候群;ウェルドニッヒ-ホフマン病;ウェスト症候群;むち打ち症;ウィリアムズ症候群;ウィルソン病;ならびにツェルベルガー症候群が含まれる。
「オピオイド」または「オピオイド化合物」は、互換的に使用され、オピオイド受容体に結合する物質を指す。オピオイド受容体は、中枢および末梢神経系ならびに胃腸管において主に見いだされる。オピオイド受容体は、脳内、脊髄内、末梢ニューロンおよび消化管表面に幅広く分布している。一部の実施形態では、オピオイド受容体は、μ-、δ-またはκ-オピオイド受容体である。ある特定の実施形態では、オピオイド受容体は、μ-オピオイド受容体である。
「薬学的に許容される賦形剤」とは、一般に安全で非毒性の医薬組成物を調製する際に有用な賦形剤を指し、獣医学的使用およびヒト医薬品使用に許容される賦形剤を含んでもよい。
用語「薬学的に許容される塩」とは、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などがなく、ヒトおよび下等動物の組織に接触させて使用するのに好適であり、かつ妥当な利益/リスク比に見合う、妥当な医療的判断の範囲内の塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野において周知である。例えば、Bergeらは、参照により本明細書に組み込まれる、J. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19に、薬学的に許容される塩を詳細に記載している。本開示の化合物の薬学的に許容される塩は、好適な無機酸および有機酸、ならびに無機塩基および有機塩基から誘導されるものを含む。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸と共に、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と共に、またはイオン交換などの当技術分野において公知の他の方法を使用することにより形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1~4アルキル) 塩が含まれる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらに、薬学的に許容される塩には、適切な場合、非毒性アンモニウム、四級アンモニウム、およびハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩およびアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成されるアミン陽イオンが含まれる。ある特定の実施形態では、化合物の「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容され、親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。このような塩には:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成される;または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸と形成される酸付加塩;または(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンにより置き換えられているか、またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基に配位しているかのいずれかである場合、形成される塩が含まれる。
用語「プロドラッグ」とは、開裂可能な基を有し、加溶媒分解によって、または生理的条件下で、in vivoで薬学的に活性な本明細書に記載されている化合物になる化合物を指す。このような例には、以下に限定されないが、コリンエステル誘導体など、N-アルキルモルホリンエステルなどが含まれる。本明細書に記載されている化合物の他の誘導体は、その酸と酸誘導形態の両方で活性を有するが、哺乳動物生物では、酸に感受性の高い形態で、溶解度、組織適合性または遅延放出という利点をもたらすことが多い(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985を参照されたい)。プロドラッグは、例えば、親酸と好適なアルコールとの反応によって調製されるエステル、あるいは親酸化合物と置換もしくは無置換アミン、または酸無水物もしくは混合酸無水物との反応によって調製されるアミドなどの、当技術分野の医師に周知の酸誘導体を含む。本明細書に記載されている化合物につながっている酸性基から誘導された、単純な脂肪族または芳香族エステル、アミドおよび無水物が、特定のプロドラッグである。一部の場合、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなど二重エステルタイプのプロドラッグを調製することが望ましい。本明細書に記載されている化合物のC~Cアルキル、C~Cアルケニル、C~Cアルキニル、アリール、置換C~C12アリールおよびC~C12アリールアルキルエステルが好ましいことがある。用語「プロ-ドラッグ」および「プロドラッグ」は、本明細書において互換的に使用され、このようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与されると、式Iによる活性な親薬物をin vivoで放出する、任意の化合物を指す。式Iの化合物のプロドラッグは、修飾がin vivoで開裂されて親化合物が放出され得るような様式で、式Iの化合物中に存在する1つまたはそれより多くの官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグには、式Iの化合物中のヒドロキシ基、アミノ基またはスルフヒドリル基が、in vivoで開裂されて、それぞれ、遊離ヒドロキシル基、アミノ基またはスルフヒドリル基を再生成することができる任意の基に結合している式Iの化合物が含まれる。プロドラッグの例には、以下に限定されないが、式Iの化合物中の、ヒドロキシ官能基のエステル(例えば、酢酸エステル、ギ酸エステルおよび安息香酸エステル誘導体)、カルバメート(例えば、N,N-ジメチルアミノカルボニル)などが含まれる。
「保護基」とは、分子中の反応性基に付着している場合、その反応性をマスクする、低減するまたは防止する、アルキル基を除く部分を指す。保護基の例は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるGreene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons, New York (1999)、およびHarrison and Harrison et al., Compendium of Synthetic Organic Methods, Vols. 1-8, John Wiley and Sons (1971-1996)に見いだすことができる。代表的なヒドロキシ保護基には、アシル基、ベンジルおよびトリチルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、トリアルキルシリルエーテルならびにアリルエーテルが含まれる。代表的なアミノ保護基には、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリル(TMS)、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル(SES)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ニトロ-ベラトリルオキシカルボニル(NVOC)などが含まれる。「対応する保護基」は、付着しているヘテロ原子(すなわち、N、O、PまたはS)に対応する適切な保護基を意味する。
用語「対象」、「個体」または「患者」は、本明細書において互換的に使用することができ、哺乳動物、および一部の実施形態では、ヒトを指す。投与が企図される「対象」とは、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児対象(例えば、幼児、児童または青年)、または成人対象(例えば、若年成人、中年成人または老年成人))、または非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)、商業関連哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコまたはイヌ)または鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウまたはシチメンチョウなどの商業関連鳥))である。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、魚類、爬虫類または両生類である。非ヒト動物は、任意の発育段階にある、雄または雌であってもよい。非ヒト動物は、トランスジェニック動物または遺伝子操作された動物であってもよい。「疾患」、「障害」および「状態」は、本明細書において互換的に使用される。
用語「投与する」、「投与すること」または「投与」とは、対象内部またはその表面に、本明細書に記載されている化合物またはその組成物を、埋め込むこと、吸収させること、消化させること、注射すること、吸入させること、または他には、導入することを指す。
「治療有効量」は、疾患を処置するために哺乳動物に投与されると、疾患に対するこのような処置を行うのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置される哺乳動物の年齢、体重などに応じて変動する。
本明細書で使用される場合、および別段の指定がない限り、用語「処置する」、「処置すること」および「処置」は、指定した疾患または状態に対象が罹患している間に起こる作用であって、疾患もしくは状態の重症度を軽減する、または疾患もしくは状態の進行を遅延させるまたは減速させる(すなわち、「治療的処置」)作用を企図し、指定した疾患または状態に対象が罹患し始める前に起こる作用(すなわち、「予防処置」)も企図する。疾患を「処置すること」またはその「処置」は:(1)疾患を予防すること、すなわち疾患に曝露する、もしくは疾患に罹患し易い恐れがあるが、疾患の症状を未だ経験していない、もしくは示していない哺乳動物において、疾患の臨床的症状を発症させないようにすること、(2)疾患を阻害すること、すなわち、疾患もしくはその臨床的症状の発症を抑止もしくは低減すること、または(3)疾患を緩和すること、すなわち、疾患もしくはその臨床的症状の退縮を引き起こすことを含む。化学反応を記載する場合、用語「処置すること」、「接触させること」および「反応すること」は、本明細書において互換的に使用され、適切な条件下で、2種またはそれより多い試薬を添加または混合して、示されているおよび/または所望の生成物を生成することを指す。示されているおよび/または所望の生成物を生成する反応は、最初に添加された2つの試薬の組合せから必ずしも直接生じなくてもよく、すなわち、示されているおよび/または所望の生成物の形成に最終的に至る、混合物中で生成する1つまたはそれより多くの中間体があってもよいことを理解すべきである。
用語「予防する」、「予防すること」または「予防」とは、現在、疾患がなく、かつ過去に疾患がないが、疾患を発症するリスクにある対象、または過去に疾患があり、現在、疾患にないが、疾患が再発するリスクのある対象の予防処置を指す。ある特定の実施形態では、対象は、疾患を発症するリスクがより高い、または集団の平均的な健常なメンバーよりも疾患が再発するリスクが高い。
基に「-エン」という接尾語が付くと、基が、二価部分であることを示し、例えば、アルキレンは、アルキルの二価部分であり、アルケニレンは、アルケニルの二価部分であり、アルキニレンは、アルキニルの二価部分であり、ヘテロアルキレンは、ヘテロアルキルの二価部分であり、ヘテロアルケニレンは、ヘテロアルケニルの二価部分であり、ヘテロアルキニレンは、ヘテロアルキニルの二価部分であり、カルボシクリレンは、カルボシクリルの二価部分であり、ヘテロシクリレンは、ヘテロシクリルの二価部分であり、アリーレンは、アリールの二価部分であり、ヘテロアリーレンは、ヘテロアリールの二価部分である。
特に明示的に提示されていない限り、基は、必要に応じて置換されている。用語「必要に応じて置換されている」とは、置換されていること、または置換されていないことを指す。ある特定の実施形態では、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、必要に応じて置換されている。「必要に応じて置換されている」とは、置換されていても、置換されていなくてもよい基を指す(例えば、「置換」もしくは「無置換」アルキル基、「置換」もしくは「無置換」アルケニル基、「置換」もしくは「無置換」アルキニル基、「置換」もしくは「無置換」ヘテロアルキル基、「置換」もしくは「無置換」ヘテロアルケニル基、「置換」もしくは「無置換」ヘテロアルキニル基、「置換」もしくは「無置換」カルボシクリル基、「置換」もしくは「無置換」ヘテロシクリル基、「置換」もしくは「無置換」アリール基、または「置換」もしくは「無置換」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換されている」は、基に存在する少なくとも1個の水素が、許容される置換基、例えば、置換すると、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離または他の反応などによって転換を自発的に受けない化合物をもたらす置換基により置き換えられていることを意味する。特に示さない限り、「置換されている」基は、基の1つまたはそれより多くの置換可能な位置に置換基を有しており、任意の所与の構造中の1つより多い位置が置換されている場合、置換基は、各位置において、同一または異なるかのいずれかである。用語「置換されている」は、有機化合物の許容されるすべての置換基による置換を含むこと、および安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載されている置換基のいずれか1つを含むことが企図されている。本開示は、安定な化合物に到達するため、ありとあらゆるこのような組合せを企図している。この開示の目的上、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満足し、かつ安定な部分の形成をもたらす、本明細書に記載されている水素置換基および/または任意の好適な置換基を有していてもよい。本開示は、本明細書に記載されている例示的な置換基によって限定されることは決して意図されていない。
例示的な炭素原子置換基には、以下に限定されないが、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORaa、-ON(Rbb、-N(Rbb、-N(Rbb 、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-COH、-CHO、-C(ORcc、-COaa、-OC(=O)Raa、-OCOaa、-C(=O)N(Rbb、-OC(=O)N(Rbb、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCOaa、-NRbbC(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-OC(=NRbb)N(Rbb、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb、-C(=O)NRbbSOaa、-NRbbSOaa、-SON(Rbb、-SOaa、-SOORaa、-OSOaa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa、-OSi(Raa-C(=S)N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)(Raa、-P(=O)(ORcc、-OP(=O)(Raa、-OP(=O)(ORcc、-P(=O)(N(Rbb、-OP(=O)(N(Rbb、-NRbbP(=O)(Raa、-NRbbP(=O)(ORcc、-NRbbP(=O)(N(Rbb、-P(Rcc、-P(ORcc、-P(Rcc 、-P(ORcc 、-P(Rcc)4、-P(ORcc)4、-OP(Rcc、-OP(Rcc 、-OP(ORcc、-OP(Rcc 、-OP(Rcc、-OP(ORcc、-B(Raa、-B(ORcc、-BRaa(ORcc)、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールが含まれ、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRdd基により独立して置換されており、Xは対イオンであるか、または炭素原子上のジェミナルの2個の水素は、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbbまたは=NORccにより置き換えられており、
aaの各例は、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールから独立して選択されるか、または2つのRaa基は、接合して、3~14員のヘテロシクリル環もしくは5~14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つのRdd基により独立して置換されており、
bbの各例は、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)(Raa、-P(=O)(ORcc、-P(=O)(N(Rcc、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールから独立して選択されるか、または2つのRbb基は、接合して、3~14員のヘテロシクリル環もしくは5~14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つのRdd基により独立して置換されており、Xは対イオンであり、
ccの各例は、水素、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールから独立して選択されるか、または2つのRcc基は、接合して、3~14員のヘテロシクリル環もしくは5~14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つのRdd基により独立して置換されており、
ddの各例は、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-ORee、-ON(Rff、-N(Rff、-N(Rff 、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-COH、-COee、-OC(=O)Ree、-OCOee、-C(=O)N(Rff、-OC(=O)N(Rff、-NRffC(=O)Ree、-NRffCOee、-NRffC(=O)N(Rff、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff、-OC(=NRff)N(Rff、-NRffC(=NRff)N(Rff、-NRffSOee、-SON(Rff、-SOee、-SOORee、-OSOee、-S(=O)Ree、-Si(Ree、-OSi(Ree、-C(=S)N(Rff、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)(ORee、-P(=O)(Ree、-OP(=O)(Ree、-OP(=O)(ORee、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員のヘテロシクリル、C6~10アリール、5~10員のヘテロアリールから独立して選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つのRgg基により独立して置換されているか、またはジェミナルの2つのRdd置換基は、接合して、=Oもしくは=Sを形成することができ、Xは、対イオンであり、
eeの各例は、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員のヘテロシクリルおよび3~10員のヘテロアリールから独立して選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRgg基より独立して置換されており、
ffの各例は、水素、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員のヘテロシクリル、C6~10アリールおよび5~10員のヘテロアリールから独立して選択されるか、または2つのRff基は、接合して、3~10員のヘテロシクリル環もしくは5~10員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つのRgg基により独立して置換されており、
ggの各例は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-SOH、-OH、-OC1~6アルキル、-ON(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル) 、-NH(C1~6アルキル) 、-NH(C1~6アルキル)、-NH 、-N(OC1~6アルキル)(C1~6アルキル)、-N(OH)(C1~6アルキル)、-NH(OH)、-SH、-SC1~6アルキル、-SS(C1~6アルキル)、-C(=O)(C1~6アルキル)、-COH、-CO(C1~6アルキル)、-OC(=O)(C1~6アルキル)、-OCO(C1~6アルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)N(C1~6アルキル)、-OC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)(C1~6アルキル)、-N(C1~6アルキル)C(=O)(C1~6アルキル)、-NHCO(C1~6アルキル)、-NHC(=O)N(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH、-C(=NH)O(C1~6アルキル)、-OC(=NH)(C1~6アルキル)、-OC(=NH)OC1~6アルキル、-C(=NH)N(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH、-OC(=NH)N(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH、-NHC(NH)N(C1~6アルキル)、-NHC(=NH)NH、-NHSO(C1~6アルキル)、-SON(C1~6アルキル)、-SONH(C1~6アルキル)、-SONH、-SO1~6アルキル、-SOOC1~6アルキル、-OSO1~6アルキル、-SOC1~6アルキル、-Si(C1~6アルキル)、-OSi(C1~6アルキル)-C(=S)N(C1~6アルキル)、C(=S)NH(C1~6アルキル)、C(=S)NH、-C(=O)S(C1~6アルキル)、-C(=S)SC1~6アルキル、-SC(=S)SC1~6アルキル、-P(=O)(OC1~6アルキル)、-P(=O)(C1~6アルキル)、-OP(=O)(C1~6アルキル)、-OP(=O)(OC1~6アルキル)、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、ヘテロC1~6アルキル、ヘテロC2~6アルケニル、ヘテロC2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3~10員のヘテロシクリル、5~10員のヘテロアリールであるか、またはジェミナルの2つのRgg置換基は、接合して、=Oもしくは=Sを形成することができ、Xは、対イオンである。
用語「アミノ」とは、基-NHを指す。用語「置換アミノ」とは、拡張すると、一置換アミノ、二置換アミノまたは三置換アミノを指す。ある特定の実施形態では、「置換アミノ」は、一置換アミノ基または二置換アミノ基である。
窒素原子は、原子価が許容する場合、置換されていても、置換されていなくてもよく、一級、二級、三級および四級窒素原子を含む。例示的な窒素原子置換基には、以下に限定されないが、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)(ORcc、-P(=O)(Raa、-P(=O)(N(Rcc、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリールが含まれるか、またはN原子に付着している2つのRcc基は、接合して、3~14員のヘテロシクリル環もしくは5~14員のヘテロアリール環を形成し、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1つ、2つ、3つ、4つもしくは5つのRdd基により独立して置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上で定義されている通りである。
ある特定の実施形態では、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基(本明細書において「アミノ保護基」とも称される)である。窒素保護基には、以下に限定されないが、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa、-C(=NRcc)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、C1~10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、ヘテロC1~10アルキル、ヘテロC2~10アルケニル、ヘテロC2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員のヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員のヘテロアリール基が含まれ、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのRdd基より独立して置換されており、Raa、Rbb、RccおよびRddは、本明細書で定義されている通りである。窒素保護基は、当技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを含む。
例えば、アミド基(例えば、-C(=O)Raa)などの窒素保護基には、以下に限定されないが、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3-フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3-ピリジルカルボキサミド、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p-フェニルベンズアミド、o-ニトフェニルアセトアミド、o-ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’-ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3-(p-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3-(o-ニトロフェニル)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2-メチル-2-(o-フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4-クロロブタンアミド、3-メチル-3-ニトロブタンアミド、o-ニトロシンアミド、N-アセチルメチオニン誘導体、o-ニトロベンズアミドおよびo-(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドが含まれる。
カルバメート基(例えば、-C(=O)ORaa)などの窒素保護基には、以下に限定されないが、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9-フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9-(2-スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチルカルバメート、2,7-ジ-t-ブチル-[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD-Tmoc)、4-メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2-トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2-フェニルエチルカルバメート(hZ)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1-ジメチル-2-ハロエチルカルバメート、1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチルカルバメート(DB-t-BOC)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1-メチル-1-(4-ビフェニルイル)エチルカルバメート(Bpoc)、1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-メチルエチルカルバメート(t-Bumeoc)、2-(2’-および4’-ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2-(N,N-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t-ブチルカルバメート(BOCまたはBoc)、1-アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1-イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4-ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8-キノリルカルバメート、N-ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p-メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p-ニトロベンジルカルバメート、p-ブロモベンジルカルバメート、p-クロロベンジルカルバメート、2,4-ジクロロベンジルカルバメート、4-メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9-アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2-メチルチオエチルカルバメート、2-メチルスルホニルエチルカルバメート、2-(p-トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2-(1,3-ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4-メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4-ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2-ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2-トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1-ジメチル-2-シアノエチルカルバメート、m-クロロ-p-アシルオキシベンジルカルバメート、p-(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5-ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2-(トリフルオロメチル)-6-クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m-ニトロフェニルカルバメート、3,5-ジメトキシベンジルカルバメート、o-ニトロベンジルカルバメート、3,4-ジメトキシ-6-ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o-ニトロフェニル)メチルカルバメート、t-アミルカルバメート、S-ベンジルチオカルバメート、p-シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p-デシルオキシベンジルカルバメート、2,2-ジメトキシアシルビニルカルバメート、o-(N,N-ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1-ジメチル-3-(N,N-ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1-ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2-ピリジル)メチルカルバメート、2-フラニルメチルカルバメート、2-ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p-(p’-メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1-メチルシクロブチルカルバメート、1-メチルシクロヘキシルカルバメート、1-メチル-1-シクロプロピルメチルカルバメート、1-メチル-1-(3,5-ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-(p-フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1-メチル-1-フェニルエチルカルバメート、1-メチル-1-(4-ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p-(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6-トリ-t-ブチルフェニルカルバメート、4-(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメートおよび2,4,6-トリメチルベンジルカルバメートが含まれる。
スルホンアミド基(例えば、-S(=O)aa)などの窒素保護基には、以下に限定されないが、p-トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6-トリメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6-トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6-ジメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6-テトラメチル-4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4-メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6-ジメトキシ-4-メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β-トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9-アントラセンスルホンアミド、4-(4’,8’-ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミド含まれる。
他の窒素保護基には、以下に限定されないが、フェノチアジニル-(10)-アシル誘導体、N’-p-トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’-フェニルアミノチオアシル誘導体、N-ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N-アセチルメチオニン誘導体、4,5-ジフェニル-3-オキサゾリン-2-オン、N-フタルイミド、N-ジチアスクシンイミド(Dts)、N-2,3-ジフェニルマレイミド、N-2,5-ジメチルピロール、N-1,1,4,4-テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5-置換1,3-ジメチル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、5-置換1,3-ジベンジル-1,3,5-トリアザシクロヘキサン-2-オン、1-置換3,5-ジニトロ-4-ピリドン、N-メチルアミン、N-アリルアミン、N-[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N-3-アセトキシプロピルアミン、N-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロリン-3-イル)アミン、四級アンモニウム塩、N-ベンジルアミン、N-ジ(4-メトキシフェニル)メチルアミン、N-5-ジベンゾスベリルアミン、N-トリフェニルメチルアミン(Tr)、N-[(4-メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N-9-フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N-2,7-ジクロロ-9-フルオレニルメチレンアミン、N-フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N-2-ピコリルアミノN’-オキシド、N-1,1-ジメチルチオメチレンアミン、N-ベンジリデンアミン、N-p-メトキシベンジリデンアミン、N-ジフェニルメチレンアミン、N-[(2-ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N-(N’,N’-ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’-イソプロピリデンジアミン、N-p-ニトロベンジリデンアミン、N-サリチリデンアミン、N-5-クロロサリチリデンアミン、N-(5-クロロ-2-ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N-シクロヘキリデンアミン、N-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-シクロヘキセニル)アミン、N-ボラン誘導体、N-ジフェニルボリン酸誘導体、N-[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N-銅キレート、N-亜鉛キレート、N-ニトロアミン、N-ニトロソアミン、アミンN-オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o-ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4-ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2-ニトロ-4-メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミドおよび3-ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)が含まれる。
ある特定の実施形態では、酸素原子上に存在する置換基は、酸素保護基(本明細書において「ヒドロキシル保護基」とも称される)である。酸素保護基には、以下に限定されないが、-Raa、-N(Rbb、-C(=O)SRaa、-C(=O)Raa、-COaa、-C(=O)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb、-S(=O)Raa、-SOaa、-Si(Raa、-P(Rcc、-P(Rcc 、-P(ORcc、-P(ORcc 、-P(=O)(Raa、-P(=O)(ORcc、および-P(=O)(N(Rbbが含まれ、X、Raa、RbbおよびRccは、本明細書で定義されている通りである。酸素保護基は、当技術分野で周知であり、参照により本明細書に組み込まれる、Protecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを含む。
例示的な酸素保護基には、以下に限定されないが、メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t-ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p-メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4-メトキシフェノキシ)メチル(p-AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t-ブトキシメチル、4-ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2-メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2-トリクロロエトキシメチル、ビス(2-クロロエトキシ)メチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3-ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-メトキシシクロヘキシル、4-メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4-メトキシテトラヒドロチオピラニル、4-メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S-ジオキシド、1-[(2-クロロ-4-メチル)フェニル]-4-メトキシピペリジン-4-イル(CTMP)、1,4-ジオキサン-2-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a-オクタヒドロ-7,8,8-トリメチル-4,7-メタノベンゾフラン-2-イル、1-エトキシエチル、1-(2-クロロエトキシ)エチル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、2-トリメチルシリルエチル、2-(フェニルセレニル)エチル、t-ブチル、アリル、p-クロロフェニル、p-メトキシフェニル、2,4-ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、o-ニトロベンジル、p-ニトロベンジル、p-ハロベンジル、2,6-ジクロロベンジル、p-シアノベンジル、p-フェニルベンジル、2-ピコリル、4-ピコリル、3-メチル-2-ピコリルN-オキシド、ジフェニルメチル、p,p’-ジニトロベンズヒドリル、5-ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α-ナフチルジフェニルメチル、p-メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p-メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p-メトキシフェニル)メチル、4-(4’-ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4’’-トリス(4,5-ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4’’-トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4’’-トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3-(イミダゾール-1-イル)ビス(4’,4’’-ジメトキシフェニル)メチル、1,1-ビス(4-メトキシフェニル)-1’-ピレニルメチル、9-アントリル、9-(9-フェニル)キサンテニル、9-(9-フェニル-10-オキソ)アントリル、1,3-ベンゾジチオラン-2-イル、ベンゾイソチアゾリルS,S-ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルヘキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ-p-キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t-ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、フォーメート、ベンゾイルフォーメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p-クロロフェノキシアセテート、3-フェニルプロピオネート、4-オキソペンタノエート(レブリネート)、4,4-(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバレート(pivaloate)、アダマントエート(adamantoate)、クロトネート、4-メトキシクロトネート、ベンゾエート、p-フェニルベンゾエート、2,4,6-トリメチルベンゾエート(メシトエート)、炭酸メチル、9-フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、エチルカーボネート、2,2,2-トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2-(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2-(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2-(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、イソブチルカーボネート、ビニルカーボネート、アリルカーボネート、t-ブチルカーボネート(BOCまたはBoc)、p-ニトロフェニルカーボネート、ベンジルカーボネート、p-メトキシベンジルカーボネート、3,4-ジメトキシベンジルカーボネート、o-ニトロベンジルカーボネート、p-ニトロベンジルカーボネート、S-ベンジルチオカーボネート、4-エトキシ-1-ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2-ヨードベンゾエート、4-アジドブチレート、4-ニトロ-4-メチルペンタノエート、o-(ジブロモメチル)ベンゾエート、2-ホルミルベンゼンスルホネート、2-(メチルチオメトキシ)エチル、4-(メチルチオメトキシ)ブチレート、2-(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6-ジクロロ-4-メチルフェノキシアセテート、2,6-ジクロロ-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシネート、(E)-2-メチル-2-ブタノエート、o-(メトキシアシル)ベンゾエート、α-ナフトエート、ニトレート、アルキルN,N,N’,N’-テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN-フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4-ジニトロフェニルスルフェネート、スルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネートおよびトシレート(Ts)が含まれる。
本明細書で使用される場合、言い回し「少なくとも1つの例」の使用は、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれより多い例を指すが、ある範囲、例えば、1~4、1~3、1~2、2~4、2~3または3~4つの例(これらを含む)も包含する。
「非水素基」とは、水素ではない、特定の変数に関して定義されている任意の基を指す。
これらのおよび他の例示的な置換基は、発明を実施するための形態、実施例および特許請求の範囲により詳細に記載されている。本発明は、置換基の上の例示的な一覧によって、限定されることは決して意図されていない。
本明細書で使用される場合、用語「塩」とは、ありとあらゆる塩を指し、薬学的に許容される塩を包含する。
同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは配列、またはそれらの原子の空間配列が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれることも理解されたい。それらの原子の空間配列が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。
互いに鏡像ではない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いに重なり合わすことができない鏡像である立体異性体は、「鏡像異性体」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する、例えば、4つの異なる基に結合している場合、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対配置によって特徴付けることができ、CahnおよびPrelogのRおよびS配列決定規則によって、または分子が偏光面を回転し、右旋性または左旋性として(すなわち、それぞれ、(+)または(-)-異性体として)指定される方式により記載される。キラルな化合物は、個々の鏡像異性体のいずれかとして、またはその混合物として存在することができる。鏡像異性体を等しい割合で含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
これらのおよび他の態様、ならびに本発明の使用は、発明を実施するための形態に記載される。
本発明は、モルフィナンのハロゲン化誘導体、具体的には、式Iの(+)-異性体または薬学的に許容されるその塩の組成物および使用を包含する:
Figure 0007307067000005
(式中、
は、ヒドロキシル、アルコキシまたはアリールオキシからなる群から選択され、
は、水素、アルキル、アルキニル、アルケニル、アルコキシ、アルキルアミド、アルキルスルファミド、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、シクロアルキル、アルキルアリールまたは置換アルキルアリールからなる群から選択され、
Yは、水素またはヒドロキシからなる群から選択され、
Xは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択され、
Zは、水素、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択され、
ただし、Rがヒドロキシルである場合、Rはシクロプロピルメチルではない)。
一部の態様では、式I中、炭素1と2との間、3と4との間、7と8との間および11と15との間の各結合は、単結合および二重結合からなる群から選択される。
一部の態様では、式Iはまた、式Iの炭素7と8との間に不飽和二重結合を含む。一部の態様では、式Iはまた、式Iの炭素1と2との間、3と4との間および11と5との間に不飽和二重結合を含んで、芳香環を形成する。
ニューロンの疼痛を伝播する能力により、ニューロンは、これまでに開発されてきた、疼痛を処置する薬物療法の大部分の主要な意図的標的であった。一般に、オピオイドは、ニューロンのオピオイド受容体に作用することによってのみ疼痛をモジュレートする、およびオピオイドアンタゴニストも同様に、ニューロンにのみその効果を発揮すると考えられていた。さらに、オピオイドの有害作用(例えば、耐性、痛覚過敏、依存性および報酬など)、および有益作用(例えば、無痛覚、鎮咳など)は、ニューロンのオピオイド受容体に依存する、非常に類似した、潜在的に分離不能な機構により媒介されると、従来、考えられていた。しかし、対照的に、中枢神経系、神経膠、それらの受容体、およびそれらの分泌されたシグナル伝達因子の免疫適格性細胞は、疼痛処理およびオピオイド薬力学に関与していることが示された。特に、神経膠は、末梢神経傷害に応答して、疼痛を開始し、その増大を維持する役割を有することが示された。最近、神経膠は、慢性的に投与されたオピオイドの鎮痛作用をモジュレートすることができることも示唆されている。したがって、本発明の態様は、神経膠の薬理学的標的化(例えば、モジュレーション)をもたらして、疼痛をモジュレート(例えば、軽減または排除)、およびオピオイドの有効性を増強する。
オピオイドは、Toll様受容体(TLR)と呼ばれるパターン認識受容体のクラスのオピオイド誘発性活性化により、非古典的なオピオイド受容体の形式で、直接的な神経膠活性化を引き起こすことも示された;(例えば、Hutchinson, et al., Eur. J. Neurosci., 28(1):20-29 (2008);Hutchinson, et al., Brain, Behavior, and Immunity, 24:83-95 (2009); Ellis, et al., J. Pain, 15(4):407-21 (2014);およびWatkins and Hutchinson WO2009/059050を参照されたい)。TLRは、神経障害性疼痛、オピオイド耐性、オピオイド依存性およびオピオイド報酬の重要なメディエーターである。したがって、一部の例では、TLRをアンタゴナイズすることにより、神経障害性疼痛を反転させて、オピオイドおよび非オピオイド無痛覚を賦活化する。したがって、本発明の一部の態様は、オピオイド鎮痛剤、非オピオイド鎮痛剤、もしくはTLRアゴニストであることが知られている内因性危険シグナル、またはそれらの組合せのいずれかに結合し得る、TLR(例えば、TLR2、TLR4、他のTLR)をアンタゴナイズまたは遮断することにより神経膠活性化を弱化すること、あるいは概して、神経膠活性化を低減することに関する。すなわち、神経膠活性化の低減により、悪化した疼痛状態を軽減し、オピオイド無痛覚を増強し、オピオイド耐性、依存性および報酬の発症を低減する。
しかし、現在、当技術分野で公知のオピオイド化合物は、薬物動態問題を有する。すなわち、これらの化合物の代謝的分解を減速し、バイオアベイラビリティーを改善することが当技術分野の目的である。本発明のオピオイド化合物、すなわち、式Iの化合物は、2つの方法で薬物動態問題に対処する。第1に、式Iの化合物のすべてにおいて、少なくとも1つのハロゲン分子(例えば、フッ素)が、式Iの化合物のC6に位置決めされる(図1、表1を参照されたい)。第2に、ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、C9に位置決めされるより長い、またはより立体障害性のN-誘導体鎖を用いる(例えば、図1および図2A~2G、特に、表1の式XVI~XXを参照されたい)。したがって、本発明の態様は、式Iの化合物を対象に投与することによって、神経障害性疼痛、オピオイド誘発性神経膠活性化、またはそれらの組合せをモジュレートするために、バイオアベイラビリティーを改善するための、当技術分野で現在公知のものに勝る方法を提供する。
Figure 0007307067000006
Figure 0007307067000007
Figure 0007307067000008
Figure 0007307067000009
Figure 0007307067000010
Figure 0007307067000011
ある特定の実施形態では、化合物は式Iを有するものである。ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、(+)-異性体である。一部の実施形態では、式Iの化合物は、(-)-異性体である。
ある特定の実施形態では、Rは、メトキシである。一部の実施形態では、Rは、ヒドロキシルである。ある特定の実施形態では、Rは、エトキシである。ある特定の実施形態では、Rは、C1~6-アルコキシ(例えば、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、イソプロポキシ)である。一部の実施形態では、Rは、フェノキシである。一部の実施形態では、Rは、ナフトキシである。
一部の実施形態では、Rは、メチルである。ある特定の実施形態では、Rは、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、3-ペンチル、sec-イソペンチル、n-ヘキシルまたはヘキシルからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、Rは、シクロプロピルメチルである。一部の実施形態では、Rは、ジシクロプロピルメチルまたは1-シクロプロピルエチルである。ある特定の実施形態では、Rは、2-プロペニルである。一部の実施形態では、Rは、シクロヘキシルである。ある特定の実施形態では、Rは、1-フェニルエチルまたは1-メチル-2-フェニル-エチルである。ある特定の実施形態では、Rは、ベンジルである。一部の実施形態では、Rは、
Figure 0007307067000012
である。ある特定の実施形態では、Rは、
Figure 0007307067000013
である。一部の実施形態では、Rは、
Figure 0007307067000014
である。ある特定の実施形態では、Rは、
Figure 0007307067000015
である。一部の実施形態では、Rは、
Figure 0007307067000016
である。ある特定の実施形態では、Rは、
Figure 0007307067000017
である。
一部の実施形態では、Yは、水素である。ある特定の実施形態では、Yは、ヒドロキシルである。
ある特定の実施形態では、Xは、フッ素である。一部の実施形態では、Xは、塩素である。ある特定の実施形態では、Xは、臭素である。一部の実施形態では、Xは、ヨウ素である。
一部の実施形態では、Zは、水素である。ある特定の実施形態では、Zは、フッ素である。一部の実施形態では、Zは、塩素である。ある特定の実施形態では、Zは、臭素である。一部の実施形態では、Zは、ヨウ素である。
一部の実施形態では、Xは、フッ素であり、Zは、水素である。ある特定の実施形態では、Xは、フッ素であり、Zは、フッ素である。一部の実施形態では、Xは、塩素であり、Zは、水素である。ある特定の実施形態では、Xは、塩素であり、Zは、塩素である。ある特定の実施形態では、Xは、フッ素であり、Zは、塩素である。一部の実施形態では、Rは、メトキシであり、Rは、シクロプロピルメチルであり、Yは、水素であり、Xは、フッ素であり、Zは、水素である。ある特定の実施形態では、Rは、メトキシであり、Rは、シクロプロピルメチルであり、Yは、ヒドロキシであり、Xは、フッ素であり、Zは、水素である。一部の実施形態では、Rは、メトキシであり、Rは、シクロプロピルであり、Yは、水素であり、Xは、フッ素であり、Zは、水素である。
ある特定の実施形態では、式Iは、炭素7と8との間に単結合を含有する。一部の実施形態では、式Iは、炭素7と8との間に二重結合を含有する。
ある特定の実施形態では、式Iは、炭素1と2との間に単結合を含有する。ある特定の実施形態では、式Iは、炭素3と4との間に単結合を含有する。ある特定の実施形態では、式Iは、炭素11と15との間に単結合を含有する。ある特定の実施形態では、式Iは、炭素1と2との間、3と4との間および11と15との間に単結合を含有する。ある特定の実施形態では、式Iは、炭素1と2との間に二重結合を含有する。ある特定の実施形態では、式Iは、炭素3と4との間に二重結合を含有する。ある特定の実施形態では、式Iは、炭素11と15との間に二重結合を含有する。ある特定の実施形態では、式Iは、炭素1と2との間、3と4との間および11と15との間に二重結合を含有する。
ある特定の実施形態では、式Iは、炭素1と2との間、3と4との間および11と15との間に二重結合、ならびに炭素7と8との間に単結合を含有する。一部の実施形態では、式Iは、炭素1と2との間、3と4との間および11と15との間に二重結合、ならびに炭素7と8との間に二重結合を含有する。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、式:
Figure 0007307067000018
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、各
Figure 0007307067000019
は、独立して単結合である。ある特定の実施形態では、各
Figure 0007307067000020
は、独立して二重結合である。ある特定の実施形態では、各
Figure 0007307067000021
は、単結合である。一部の実施形態では、各
Figure 0007307067000022
は、二重結合である。ある特定の実施形態では、式1の炭素1と2との間、3と4との間および11と15との間の各
Figure 0007307067000023
は、二重結合である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、式:
Figure 0007307067000024
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、式:
Figure 0007307067000025
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000026
Figure 0007307067000027
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態では、nは0である。ある特定の実施形態では、nは1である。一部の実施形態では、nは、2、3、4または5である。
ある特定の実施形態では、Xは、NHである。一部の実施形態では、Xは、Oである。ある特定の実施形態では、Xは、Sである。ある特定の実施形態では、Xは、C(Rであり、各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、フェニル、ヒドロキシルおよびC~C-アルコキシルである。
ある特定の実施形態では、Rは、水素である。ある特定の実施形態では、Rは、ハロゲンである。ある特定の実施形態では、Rは、-Fである。ある特定の実施形態では、Rは、-Cl、-Brまたは-Fである。ある特定の実施形態では、Rは、-NOである。ある特定の実施形態では、Rは、-CNである。ある特定の実施形態では、Rは、-ORである。ある特定の実施形態では、Rは、-ORである。ある特定の実施形態では、Rは、-OR(例えば-OH、-OMe、-O(C1~6アルキル))である。ある特定の実施形態では、Rは、-OHである。ある特定の実施形態では、Rは、-ORであり、Rは、酸素保護基である。ある特定の実施形態では、Rは、-N(R(例えば、-NH、-NMe、-NH(C1~6アルキル))である。ある特定の実施形態では、Rは、-NHRであり、Rは、窒素保護基である。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアシル(例えば、-C(=O)(R)、-C(=O)O(R)、-C(=O)NH(R)、-C(=O)N(R)である。一部の実施形態では、Rは、-C(=O)OMeである。一部の実施形態では、Rは、-C(=O)OHである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアルキル、例えば、必要に応じて置換されているC1~6アルキル、必要に応じて置換されているC1~2アルキル、必要に応じて置換されているC2~3アルキル、必要に応じて置換されているC3~4アルキル、必要に応じて置換されているC4~5アルキルまたは必要に応じて置換されているC5~6アルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているC1~6アルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、置換メチルである。ある特定の実施形態では、Rは、置換エチル、プロピルまたはブチルである。ある特定の実施形態では、Rは、無置換C1~6アルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、無置換メチルである。ある特定の実施形態では、Rは、無置換エチル、プロピルまたはブチルである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアルケニル、例えば、必要に応じて置換されているC2~6アルケニルである。ある特定の実施形態では、Rは、ビニル、アリルまたはプレニルである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアルキニル、例えば、C2~6アルキニルである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているカルボシクリル、例えば、必要に応じて置換されているC3~6カルボシクリル、必要に応じて置換されているC3~4カルボシクリル、必要に応じて置換されているC4~5カルボシクリルまたは必要に応じて置換されているC5~6カルボシクリルである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているヘテロシクリル、例えば、必要に応じて置換されている3~6員のヘテロシクリル、必要に応じて置換されている3~4員のヘテロシクリル、必要に応じて置換されている4~5員のヘテロシクリルまたは必要に応じて置換されている5~6員のヘテロシクリルである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアリール、例えば、必要に応じて置換されているフェニルである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているヘテロアリール、例えば、必要に応じて置換されている5~6員のヘテロアリールまたは必要に応じて置換されている9~10員の二環式ヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているアラルキル、例えば、必要に応じて置換されているベンジルである。ある特定の実施形態では、Rは、必要に応じて置換されているヘテロアラルキル、例えば、5~6員のヘテロアリール環により置換されているメチルである。
一部の実施形態では、ヘテロアリールは、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、アゼピニル、オキセピニル、チエピニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、キナゾリニル、フェナントリジニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルおよびフェナジニルから選択される群から選択される。一部の実施形態では、ヘテロアリールは、ピリジニルまたはピリミジニルである。ある特定の実施形態では、ヘテロアリールは、テトラゾリルまたはトリアゾリル(triaolyl)である。ある特定の実施形態では、ヘテロアリールは、キノリニルまたはインドリルである。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000028
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000029
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000030
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000031
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000032
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000033
Figure 0007307067000034
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000035
Figure 0007307067000036
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000037
Figure 0007307067000038
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000039
Figure 0007307067000040
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の式のうちの1つ:
Figure 0007307067000041
Figure 0007307067000042
Figure 0007307067000043
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、式VII:
Figure 0007307067000044
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、式IX:
Figure 0007307067000045
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、式XXVIII:
Figure 0007307067000046
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、式XXXIII:
Figure 0007307067000047
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である。
合成
アヘンは、医療用麻薬の製造に有用な、(-)-モルヒネ、(-)-コデインおよび(-)-テバインなどの(-)-オピオイドを提供する。現在までに公開されているオピエート化学の大部分は、ケシおよびその転換生成物に由来する、またはアヘン由来生成物と正反対の炭素-窒素骨格を有するシノメニンに由来する、モルヒネ、コデインおよびテバインの(-)-異性体を使用して開発された。アヘン生成物に由来する手順は、必要な中間体が、今や、全合成によって、またはシノメニンからのいずれかで、独立して入手可能であるので、対応する(+)-異性体の合成に適用可能である(以下を参照されたい)。反対に、シノメニンを用いる研究から開発された手順は、天然オピエートの絶対配置を有する薬物の合成に適用可能である。
例示的なオピエート合成および中間体は、それらの各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,368,326号、同第4,410,700号、同第4,556,712号、同第4,521,601号、同第4,613,668号、同第5,008,449号および同第5,668,285号、ならびに欧州特許EPO418591A2に記載されている。これらの特許に開示されている手順は、非天然の(+)-鏡像異性体の合成に適用可能である。これらの非天然の鏡像異性体は、一般に、(+)-旋光度を有するが、シノメニンなどの一部の例外が知られている。手短に言えば、これらの手順は、3-メトキシフェネチルアミンおよび3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル酢酸などの市販の出発原料を使用し、1-ブロモ-ノルジヒドロテバイノン、ジヒドロテバイノン、ノルジヒドロコデイノンおよびジヒドロコデイノンのいずれかの鏡像異性体が、約40%の総収率で得られる。オピエート化学分野に記載されている化合物の全体範囲のいずれかの鏡像異性体は、公開手順を適用することによって、後の4つの化合物のいずれか1つの適切な鏡像異性体から合成することができる。
代替的に、(+)-ジヒドロコデイノンは、非天然のオピエートと同一の絶対配置を有する市販の植物アルカロイドである、(-)-シノメニンから調製することができる。したがって、全合成による、または(-)-シノメニンからのいずれかでの(+)-ジヒドロコデイノンの入手可能性により、(-)-シリーズおよび(+)-シリーズの両方の化合物に関して公開されている手順を使用して、この中間体および非天然のオピエートの全範囲への2つの独立した経路がもたらされる。
したがって、本発明の化合物は、(+)-オピオイドについて公知の手順を使用して、入手可能な出発原料から容易に調製することができる。本発明の化合物上の様々な置換基が、出発化合物に存在する、中間体のいずれか1つに付加する、または公知の置換方法もしくは変換反応によって最終生成物の形成後に付加することができる。例えば、ニトロ基は、ニトロ化によって付加することができ、ニトロ基は、次いで、還元によってアミノ、またはアミノ基のジアゾ化およびジアゾ基のハロゲンによる置き換えによってもしくは単純にハロゲン化反応によってハロゲンなどの他の基に変換することができる。アシル基は、フリーデル-クラフツアシル化によって付加することができる。次いで、アシル基は、ウォルフ-キシュナー還元およびクレメンセン還元を含めた、様々な方法によって対応するアルキル基に転換することができる。アミノ基は、アルキル化されて、モノ-およびジ-アルキルアミノ基を形成することができ、メルカプト基およびヒドロキシ基は、アルキル化されて、対応するエーテルを形成することができる。一級アルコールは、当技術分野で公知の酸化剤によって酸化されて、カルボン酸またはアルデヒドを形成することができ、二級アルコールは、酸化されて、ケトンを形成することができる。したがって、置換または変更反応を用いて、単離した生成物を含む、出発原料、中間体または最終生成物の分子全体にわたって様々な置換基をもたらすことができる。
さらに、当業者に明白な通り、ある特定の官能基が、不要な反応を受けるのを防止するために従来の保護基が、必要となることがある。特定の官能基に好適な保護基、ならびに保護および脱保護の好適な条件の選択は、当技術分野で周知である。例えば、多数の保護基、ならびにその導入および除去は、そのすべての全体が参照により組み込まれる、Greene and Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd ed., John Wiley & Sons, New York, 1999およびそれに引用されている参照文献に記載されている。
様々な(+)-オピオイド化合物を生成するための方法の一部は、欧州特許出願第90116248.7号に開示されている。さらに、当業者は、(-)-オピオイド化合物の合成について記載した方法を使用することができる。例えば、鏡像異性体を使用することによって、(+)-オピオイド化合物を生成する方法に関する手順を提供するいくつかの米国特許(上に記載されているものなど)がある。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変動し得るが、このような条件は、通例の最適化手順によって、当業者により決定することができる。
本発明の化合物は、必ず存在する、ある特定の置換基を有することができるので、各置換基の導入は、当然ながら、関与する特定の置換基、およびその形成に必要な化学に依存する。したがって、第2の置換基を形成する場合、1つの置換基が化学反応によってどのように影響を受けるかの考慮は、当業者が精通する技法を含む。これは、関与する環にさらに依存する。
一部の例では、本発明の化合物のラセミ混合物を調製することができ、当業者に公知の様々なキラルな分割方法のいずれかを使用して、所望の(+)-異性体を分割または分離する(すなわち、鏡像異性的に富む)ことができる。このような分割方法は、例えば、そのどちらもその全体が本明細書に組み込まれる、4巻の概論、Optical Resolution Procedures for Chemical Compounds: Optical Resolution Information Center, Manhattan College, Riverdale, N.Y.; and in Jacques, Collet and Wilen, Enantiomers, Racemates and Resolutions, John Wiley & Sons, Inc., New York (1981)に記載されている。
本発明の化合物は、塩基性アミノ官能基が存在する場合、酸との塩を、および酸官能基、例えばカルボン酸またはホスホン酸が存在する場合、塩基との塩を形成する。このような塩はすべて、新たな生成物の単離および/または精製に有用である。酸と塩基の両方による薬学的に許容される塩が、特に価値がある。好適な酸には、例えば、薬学的に許容される、塩化水素、シュウ酸、硫酸、硝酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、マレイン酸、酒石酸などが含まれる。医薬品使用向けの塩基性塩には、Na、K、CaおよびMgが含まれる。
図3Aおよび3Bは、選択式Iのハロゲン化モルフィナンを調製するための例示的な合成方法論を示す。これらの例では、ハロゲンはフッ素であり、化学は、(+)-モルフィナンの6-ケト官能基のフッ素化を含む。図4は、XT-203の場合の合成スキームを示す(式VIIとして図2A中に示されている)。
医薬組成物
本発明の化合物は、所望の生理的効果を実現するため患者に投与することができる。通常、患者は哺乳動物である。化合物は、選択された投与経路に適合する様々な形態で、すなわち、経口的にまたは非経口的に投与され得る。非経口投与には、以下の経路:静脈内;筋肉内;皮下;眼内;滑液嚢内;経皮、眼、舌下および口内を含めた経上皮;眼、皮膚、眼球、直腸および鼻腔を含めた局所、または送気およびエアロゾルによる肺吸入;腹腔内;ならびに中枢(例えば、脊髄周辺の脳脊髄液へなどの鞘内、および脳または脳の脳脊髄液への大脳内)による投与が含まれる。
活性化合物は、例えば、不活性希釈剤と共に、または吸収可能な可食性担体と共に経口投与することができ、活性化合物は、硬質もしくは軟質シェルのゼラチンカプセルに封入することができるか、または錠剤に圧縮され得る。経口治療投与の場合、活性化合物は、賦形剤と共に配合されてもよい。このような組成物および調製物は、少なくとも25%の活性化合物を含有することができる。組成物および調製物のパーセンテージは、当然ながら、変動し得、単位重量の約25~約85%の間が好都合であり得る。治療的に有用な組成物における活性化合物の量は、好適な投薬量が得られるようなものである。本発明による好ましい組成物または調製物は、経口の投薬単位形態が約68~約136mgの活性化合物を含有するように調製される。本発明による好ましい組成物または調製物は、経口の投薬単位形態が約48~約300mgの活性化合物を含有するように調製される。
活性化合物は、非経口的に投与することもできる。遊離塩基または薬理学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合した水中で調製することができる。分散液も、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物中、ならびに油中で調製され得る。保管および使用の通常の条件の下では、これらの調製物は、微生物の成長を防止するため保存剤を含有する。
注射用の使用に好適な医薬品形態には、滅菌水溶液剤または分散液剤、および注射用滅菌溶液または分散液の即時調製用の滅菌散剤が含まれる。すべての場合において、形態は、滅菌でなければならず、化合物がシリンジにより送達され得る程度の流体でなければならない。化合物は、好ましくは、製造および保管の条件下で安定であるように製剤化され、細菌および真菌などの微生物の混入作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)およびそれらの好適な混合物を含有する分散媒の溶媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用により、分散液の場合、必要な粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により維持され得る。微生物の作用の防止は、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって引き起こすことができる。多くの例では、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
注射用滅菌溶液剤は、適切な溶媒中、必要量の活性化合物を上で列挙した様々な他の成分と共に必要に応じて配合した後、ろ過殺菌することにより調製される。一般に、分散液剤は、基礎分散媒、および上で列挙されているものからの必要とされる他の成分を含有する滅菌ビヒクルに様々な滅菌済み活性成分を配合することにより調製される。注射用滅菌溶液剤の調製のための滅菌散剤の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技法であり、これにより、活性成分および以前に滅菌ろ過したその溶液からの任意の追加の所望の成分の粉末が得られる。
本発明の治療化合物は、単独で、または上記の薬学的に許容される担体と組み合わせて投与することができ、それらの割合は、化合物の溶解度および化学的性質、選択される投与経路および標準医薬実務によって決定される。
医師は、予防または処置に最も好適な本発明の治療剤の投薬量を決定することができ、それは、投与形態および選択された特定の化合物により変動し、投薬量は、処置下にある特定の患者により変動する。医師は、状況下で最適な効果に到達するまで、少量の増分ずつで、少量の投薬量を用いて処置を開始することを、一般に望む。投与される実際の用量は、毒物学と有効性研究の両方の結果、および具体的な治療状態または範例に適切な投与経路に依存する。皮下投薬の場合、治療投薬量は、一般に約5~1500mg/用量であり得、数回の異なる投薬量単位で、1日1回より多く投与され得る。皮下投薬の場合、治療投薬量は、一般に約48~300mg/用量であり得、数回の異なる投薬量単位で、1日1回より多く投与され得る。皮下投薬の場合、治療投薬量は、一般に、1日あたり約0.8~100mg/kg体重または約10~30mg/kg体重であり得、数回の異なる投薬量単位で、1日1回より多く投与され得る。皮下投薬の場合、治療投薬量は、一般に、用量あたり約0.8~25mg/kg体重であり得、数回の異なる投薬量単位で、1日1回より多く投与され得る。皮下投薬の場合、治療投薬量は、一般に、約34~約677mg/用量、および好ましくは、約113~約508mg/用量、または用量あたり約0.5~約9.7mg/kg体重、および好ましくは、用量あたり約1.6~約7.3mg/kg体重であり得、数回の異なる投薬量単位で、1日1回より多く投与され得る。腹腔内投薬の場合、治療投薬量は、一般に、約17~約341mg/用量、および好ましくは約57~約256mg/用量、または用量あたり約0.24~約4.88mg/kg体重、および好ましくは、用量あたり約0.81~約3.66mg/kg体重であり得、数回の異なる投薬量単位で、1日1回より多く投与され得る。上記の投薬量の約2倍~約5倍の程度となるより高い投薬量が、経口投与に必要となることがある。上述の値は、動物研究に基づいた予測を表しており、当業者によって、臨床的要件に対する毒物学および有効性研究の結果に基づいて容易に調節することができる。
皮下投薬の場合、治療投薬量は、一般に、約5~1500mg/用量または34~約677mg/用量であり得る。好ましくは、治療投薬量は、一般に、約113~約508mg/用量または48~300mg/用量であり得る。治療投薬量は、一般に、用量あたり約0.8~約25mg/kg体重、0.5~約9.7mg/kg体重、約1.6~約7.3mg/kg体重または約10~30mg/kg体重であり得、数回の異なる投薬量単位で、1日1回より多く投与され得る。腹腔内投薬の場合、治療投薬量は、一般に、約17~約341mg/用量、および好ましくは約57~約256mg/用量、または用量あたり約0.24~約4.88mg/kg体重、および好ましくは、用量あたり約0.81~約3.66mg/kg体重であり得、数回の異なる投薬量単位で、1日1回より多く投与され得る。上記の投薬量の約2倍~約5倍の程度のより高い投薬量が、経口投与に必要となり得る。上述の値は、動物研究に基づいた予測を表しており、当業者によって、臨床的要件に対する毒物学および有効性研究の結果に基づいて容易に調節することができる。
使用および処置の方法
本開示はまた、オピオイドと組み合わせた本明細書に記載されている化合物を使用する方法、および本明細書に記載されている化合物により対象を処置する方法を提供する。本開示の一態様では、本開示は、オピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法を提供する。別の態様では、本開示は、オピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法を提供する。ある特定の実施形態では、本開示は、Toll様受容体神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、神経障害性疼痛および/もしくは侵害受容性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するための方法を提供する。
本開示の一態様では、本開示は、対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法であって、対象に有効量の本明細書に記載されている化合物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、オピオイド化合物と同時に対象に投与される。ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、オピオイド化合物が対象に投与された後に、対象に投与される。一部の実施形態では、式Iの化合物は、オピオイド化合物が対象に投与される前に、対象に投与される。ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、オピオイドが対象に投与される前に、およびオピオイド化合物が投与された後にも対象に投与される。ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、オピオイドと同時に対象に投与された後、オピオイド化合物が投与された後に式1の化合物がさらに投与される。一部の実施形態では、式Iの化合物は、オピオイド化合物の前、およびこれと同時に対象に投与される。一部の実施形態では、式Iの化合物が対象に投与される。ある特定の実施形態では、式Iの化合物のプロドラッグが対象に投与される。
本開示の別の態様では、本開示は、対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法であって、オピオイド治療を受けている対象に有効量の本明細書に記載されている化合物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、式Iの化合物は、オピオイド化合物と同時に対象に投与される。他の実施形態では、式Iの化合物は、オピオイド化合物と逐次的(例えば、その前または後)に対象に投与される。一部の実施形態では、式Iの化合物が対象に投与される。ある特定の実施形態では、式Iの化合物のプロドラッグが対象に投与される。
例示的なオピオイド化合物(例えば、賦活化されるオピオイド、オピオイド治療の間に投与されるオピオイド、または対象が依存性を発症するリスクを有するオピオイド)には、以下に限定されないが、コデイン、モルヒネ、テバイン、オリパビン、ジアセチルモルヒネ(二酢酸モルヒネ;ヘロイン)、ニコモルヒネ(二ニコチン酸モルヒネ)、ジプロパノイルモルヒネ(二プロピオン酸モルヒネ)、ジアセチルジヒドロモルヒネ、アセチルプロピオニルモルヒネ、デソモルヒネ、メチルデソルフィン、ジベンゾイルモルヒネ、ジヒドロコデイン、エチルモルヒネ、ヘテロコデイン、ブプレノルフィン、エトルフィン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、オキシコドン、オキシモルホン、フェンタニル、アルファメチルフェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、レミフェンタニル、カルフェンタニル、オーメフェンタニル、ペチジン(メペリジン)、ケトベミドン、MPPP、アリルプロジン、プロジン、PEPAP、プロメドール、プロポキシフェン、デキストロプロポキシフェン、デキストロモルアミド、ベジトラミド、ピリトラミド、メタドン、ジピパノン、酢酸レボメタジル(LAAM)、ジフェノキシン、ジフェノキシレート、ロペラミド、デゾシン、ペンタゾシン、フェナゾ、ブプレノルフィン、ジヒドロエトルフィン、エトルフィン、ブトルファノール、ナルブフィン、レボルファノール、レボメトルファン、ラセメトルファン、レフェタミン、メントール、メプタジノール、ミトラギニン、チリジン、トラマドール、タペンタドール、エルクサドリン、AP-237および7-ヒドロキシミトラギニンが含まれる。
本開示の一態様では、本開示は、Toll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法であって、対象に有効量の本明細書に記載されている化合物を投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、式Iの化合物が対象に投与される。ある特定の実施形態では、式Iの化合物のプロドラッグが対象に投与される。一部の実施形態では、Toll様受容体は、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9およびTLR10からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、Toll様受容体は、TLR-4である。一部の実施形態では、臨床状態は、急性侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、神経性疾患に関連する疼痛、ニューロン損傷に関連する疼痛、他の疼痛サブタイプ/混合型疼痛状態(例えば、火傷、骨関節炎、化学療法、外傷によって引き起こされる疼痛)、急性および反復性オピオイド無痛覚、薬物乱用の報酬効果、慢性疼痛またはオピオイド依存に関連する他の疼を含む。ある特定の実施形態では、臨床状態は、神経学的疾患に関連する疼痛を含む。ある特定の実施形態では、神経学的疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、タウオパチー、ハンチントン病、頭痛、意識朦朧および昏睡、認知症、発作、睡眠障害、外傷、感染、新生物、神経眼科学、運動障害、脱髄性疾患、脊髄障害、ならびに末梢神経、筋肉および神経筋接合部の障害からなる群から選択される。一部の実施形態では、臨床状態は、ニューロン損傷に関連する疼痛を含む。
本開示の一態様では、本開示は、神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するための方法であって、対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、神経障害性疼痛は多発性硬化症によるものである。一部の実施形態では、神経障害性疼痛は、以下の脊髄損傷、多発性硬化症、脳卒中、糖尿病(例えば、糖尿病性末梢神経障害)、坐骨神経痛、帯状疱疹感染、HIV、神経痛(例えば、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛)、栄養失調、毒素、腫瘍、免疫媒介性障害、神経幹への物理的外傷、がん、化学療法(例えば、化学療法誘発性末梢神経障害などの化学療法誘発性疼痛)、放射線傷害、侵襲的な医療手順、手術、非特異的腰痛、手根管症候群、線維筋痛症、および炎症状態に起因する疼痛(例えば、慢性炎症状態)を含めた1つまたは複数によるものである。ある特定の実施形態では、神経障害性疼痛は、がんによるものである。ある特定の実施形態では、神経障害性疼痛は、神経学的疾患によるものである。ある特定の実施形態では、神経学的疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、タウオパチー、ハンチントン病、頭痛、意識朦朧および昏睡、認知症、発作、睡眠障害、外傷、感染、新生物、神経眼科学、運動障害、脱髄性疾患、脊髄障害、ならびに末梢神経、筋肉および神経筋接合部の障害からなる群から選択される。一部の実施形態では、神経障害性疼痛は、ニューロン損傷によるものである。
本開示の別の態様では、本開示は、侵害受容性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するための方法であって、対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与するステップを含む方法を提供する。ある特定の実施形態では、侵害受容性疼痛は、以下のあざ、火傷、骨折、酷使または関節損傷(例えば、関節炎、捻挫)、神経根障害、挟まれた神経、腫瘍、頭痛、裂傷、手術およびがんを含む、1つまたは複数に関連する、またはこれらに由来する。一部の実施形態では、侵害受容性疼痛は、関節損傷、腫瘍、手術またはがんに関連するか、またはこれらに由来する。
一部の実施形態では、有効量は、約1500mgである。一部の実施形態では、有効量は、約1500mgであり、1用量/日で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約1500mg/用量であり、1日あたり2回、3回または4回、投与される。一部の実施形態では、1日あたりの有効量は、6000mgである。
一部の実施形態では、有効量は、約1mg/日~約1000mg/日であり、1回から数回(one to several)の別個の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約0~6000、2.4~3000、3~1000、5~900、10~800、15~700、20~600または25~550mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される。一部の実施形態では、有効量は、約34mg/日~約510mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約68~約408mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約75~350mg/日、90~300mg/日または120~200mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される。
ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/日~約300mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/日~約300mg/日であり、1回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/日~約300mg/日であり、2回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/日~約300mg/日であり、3回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/日~約300mg/日であり、4回の用量で投与される。
ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/用量~約300mg/用量であり、1日1回~数回で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/用量~約300mg/用量であり、1日1回で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/用量~約300mg/用量であり、1日2回で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/用量~約300mg/用量であり、1日3回で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、約48mg/用量~約300mg/用量であり、1日4回で投与される。
ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~100mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~100mg/kg体重であり、1回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~100mg/kg体重であり、2回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~100mg/kg体重であり、3回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~100mg/kg体重であり、4回の用量で投与される。
ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~25mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~25mg/kg体重であり、1回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~25mg/kg体重であり、2回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~25mg/kg体重であり、3回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~25mg/kg体重であり、4回の用量で投与される。
一部の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.5~約7.2mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される。一部の実施形態では、有効量は、1日あたり約1.0~約6mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約1.5~5.5、2.0~5.0または2.5~4.5mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される。
ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約10~約30mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約10~約30mg/kg体重であり、1回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約10~約30mg/kg体重であり、2回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約10~約30mg/kg体重であり、3回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約10~約30mg/kg体重であり、4回の用量で投与される。
ある特定の実施形態では、有効量は、約0.8~約5mg/kg体重であり、1日あたり1回から数回で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、用量あたり、約0.8~約5mg/kg体重であり、1日1回投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、用量あたり、約0.8~約5mg/kg体重であり、1日2回投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、用量あたり、約0.8~約5mg/kg体重であり、1日3回投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、用量あたり、約0.8~約5mg/kg体重であり、1日4回投与される。
ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~約5mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~約5mg/kg体重であり、1回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約10.8~約5mg/kg体重であり、2回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~約5mg/kg体重であり、3回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり約0.8~約5mg/kg体重であり、4回の用量で投与される。
一部の実施形態では、有効量は、1日あたり1回の用量で投与される。ある特定の実施形態では、有効量は、1日あたり2回の用量で投与される。一部の実施形態では、有効量は、1日あたり3回または4回の用量で投与される。一部の実施形態では、各用量は、同じである。他の実施形態では、各用量は、異なる。ある特定の実施形態では、各逐次用量は、増量する。ある特定の実施形態では、各逐次用量は、減量する。ある特定の実施形態では、投薬は毎日行われ、多くの日数の間継続する。ある特定の実施形態では、投薬は毎日行われ、多くの月数の間継続する。ある特定の実施形態では、投薬は毎日、多くの年数の間行われる。ある特定の実施形態では、投薬はほとんど毎日行われ、多くの日数の間継続する。ある特定の実施形態では、投薬はほとんど毎日行われ、多くの月数の間継続する。ある特定の実施形態では、投薬はほとんど毎日、多くの年数の間行われる。一部の実施形態では、式Iの化合物が対象に投与される。ある特定の実施形態では、式Iの化合物のプロドラッグが対象に投与される。
キット
同様に、キットが、本開示によって包含される(例えば、医薬品パック)。提供されるキットは、本明細書に記載されている医薬組成物または化合物、および容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジおよび/またはディスペンサーパッケージまたは他の好適な容器)を含んでもよい。一部の実施形態では、提供されるキットは、希釈のための医薬品用賦形剤、または本明細書に記載されている医薬組成物もしくは化合物の懸濁液を含む第2の容器を必要に応じてさらに含んでもよい。一部の実施形態では、第1の容器および第2の容器中で提供される本明細書に記載されている医薬組成物または化合物が一緒にされて、一単位剤形を形成する。
したがって、一態様では、本明細書に記載されている化合物または医薬組成物を含む第1の容器を含むキットが提供される。ある特定の実施形態では、キットは、対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するのに有用である。ある特定の実施形態では、キットは、対象においてオピオイド依存を発症するリスクを低減するのに有用である。ある特定の実施形態では、キットは、Toll様受容体神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するのに有用である。ある特定の実施形態では、キットは、神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するのに有用である。一部の実施形態では、キットは、脊髄損傷、多発性硬化症、脳卒中、糖尿病、坐骨神経痛、帯状疱疹感染、HIV、神経痛、栄養失調、毒素、腫瘍、免疫媒介性障害、神経幹への物理的外傷、がん、化学療法、放射線傷害、侵襲的な医療手順、手術、非特異的腰痛、手根管症候群、線維筋痛症および慢性炎症状態によって引き起こされる、またはこれらに関連する神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するのに有用である。一部の実施形態では、キットは、多発性硬化症によって引き起こされる、またはこれに関連する神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するのに有用である。一部の実施形態では、キットは、がんによって引き起こされる、またはこれに関連する神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するのに有用である。一部の実施形態では、キットは、化学療法によって引き起こされる、またはこれに関連する神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するのに有用である。ある特定の実施形態では、キットは、侵害受容性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するのに有用である。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているキットは、キットを使用するための指示書をさらに含む。本明細書に記載されているキットはまた、米国食品医薬品局(FDA)などの規制局によって要求される情報を含んでもよい。ある特定の実施形態では、キットに含まれる情報は、処方情報である。
ある特定の実施形態では、キットおよび指示書は、対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化することを実現する。ある特定の実施形態では、キットおよび指示書は、対象においてオピオイド依存を発症するリスクを低減することを実現する。ある特定の実施形態では、キットおよび指示書は、Toll様受容体神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置することを実現する。ある特定の実施形態では、キットおよび指示書は、神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置することを実現する。ある特定の実施形態では、キットおよび指示書は、脊髄損傷、多発性硬化症、脳卒中、糖尿病、坐骨神経痛、帯状疱疹感染、HIV、神経痛、栄養失調、毒素、腫瘍、免疫媒介性障害、神経幹への物理的外傷、がん、化学療法、放射線傷害、侵襲的な医療手順、手術、非特異的腰痛、手根管症候群、線維筋痛症および慢性炎症状態によって引き起こされる、またはこれらに関連する神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置することを実現する。ある特定の実施形態では、キットおよび指示書は、多発性硬化症によって引き起こされる、またはこれに関連する神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置することを実現する。ある特定の実施形態では、キットおよび指示書は、がんによって引き起こされる、またはこれに関連する神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置することを実現する。ある特定の実施形態では、キットおよび指示書は、化学療法によって引き起こされる、またはこれに関連する神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置することを実現する。ある特定の実施形態では、キットおよび指示書は、侵害受容性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置することを実現する。本明細書に記載されているキットは、個別の組成物として、本明細書に記載されている1つまたは複数の追加の医薬剤を含んでもよい。
以下の実施例は、本発明を行い使用する方法の完全な開示および説明を当業者に提供するように提示されており、発明者らがその発明としてみなすものの範囲を限定することを意図するものでもなく、以下の実験が行われた実験のすべてまたは唯一であることを示すまたは暗示することを意図するものでもない。幅広く記載されている本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、具体的な実施形態に示されている通り、多数の変形および/または修正が本発明に行われ得ることが当業者によって理解される。したがって、本実施形態は、すべての点で、例示的なものとみなすべきであり、限定としてみなすべきではない。
使用される数字(例えば、量、温度など)について精度を確実にする努力は行ったが、ある程度の実験誤差および偏差を考慮すべきである。特に示さない限り、部は重量部であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は、摂氏であり、圧力は、大気圧または大気圧付近である。
合成
本明細書において開示されている化合物の合成は、発明を実施するための形態(上を参照されたい)に記載されている通り行った。図3Aおよび3Bは、選択式Iのハロゲン化モルフィナンを調製するための例示的な合成方法論を示す。これらの例では、ハロゲンはフッ素であり、重要な化学は、(+)-モルフィナンの6-ケト官能基のフッ素化を含む。図4は、XT-203の場合の合成スキームを示す。表2に開示されている化合物は、類似経路を利用して合成した。対応する特徴付けデータが、以下の表2に見られる。
Figure 0007307067000048
Figure 0007307067000049
Figure 0007307067000050
一般材料および方法
病原体不含成体雄Sprague-Dawleyラット(300~375g;Harlan Labs、Madison、Wis.)をすべての実験に使用した。温度(23+/-3℃)および光(12時間:12時間の明:暗周期;07:00に照明をつける)を管理した、標準げっ歯類用餌および水の自由摂取可能な部屋にラットを収容した。
実施例1
慢性狭窄傷害(CCI)モデル:部分坐骨神経傷害のCCIモデルを使用して、神経障害性疼痛を誘発させた(例えば、Bennett and Xie, Pain, 132:273-80 (2007)を参照されたい)。Milligan, et al., Eur. J. Neuroscience, 20:2294-2302 (2004)において以前に記載されている通り、左後肢の大腿中央部のレベルにCCIを行った。手短に言うと、穏やかに隔離した坐骨神経周辺を、4本の滅菌クロムガット縫合糸(クチクラ4-0クロムガット、FS-2;Ethicon、Somerville、NJ、USA)で緩く結んだ。手術後、10~14日目まで薬物試験を遅らせて、薬物送達の開始前に、神経障害性疼痛が十分に確立するのを確実にした。
XT-203 CCI SC:ラット(10匹/群)にCCI神経障害性疼痛モデル手術を施した。疼痛状態が確立した後に、ラットに、XT-203または陽性対照(ガバペンチン)の用量を、5日間、1日あたり3×で投薬した。フォンフライ試験による疼痛応答に関する挙動試験を使用して、罹患した後肢における疼痛閾値を確立した。投薬量が3×/日であるので、1日目の投薬の1回目および2回目の用量(1.1、1.2)後、ならびに5日目の投薬の1回目および2回目の用量(5.1、5.2)後に、挙動試験を行った。5日目の2回目の場合、2回目の用量の30分および60分後(それぞれ、5.2の30分および5.2の60分)に試験を行った場合、5日目の2回目の用量後を除いて、用量を投与した後に、試験セッションを30分間行った。図5Aおよび5Bは、1日目の投薬による、XT-203は最小限の効果、5日目の試験の間の実質的な効果を示している。(+)-NTXは、有効ではなかった(データを図示せず)。
実施例2
機械的アロディニアに対するフォンフライ試験:挙動試験前に、少なくとも60分間で3回、試験環境にラットを慣れさせた。フォンフライ試験を使用して、肢底面に適用した、較正した軽い圧刺激に対する応答閾値を測定した。試験は、以前に詳述(Milligan, et al., Brain Research, 861:105-116 (2000))されている、0.406~15.136gmの較正したセメスワインスタインモノフィラメント(フォンフライヘア;Stoelting、Wood Dale、Ill.、USA)を使用して行った。手短に言えば、最初に、15分間隔で各肢からのベースライン応答閾値(3回の連続逃避アセスメントの平均値)についてラットを評価し、両足部からの平均応答閾値を算出した。試験はすべて、群割り当てに関して盲検で行った。以前に詳述されている最尤あてはめ法(上記文献)を使用して、ガウス積分精神測定関数をあてはめることにより、挙動応答を使用して閾値を計算した。薬物送達前および送達後にアロディニアを評価した。
XT-203切開SC:ラット(8匹/群)に、後肢切開疼痛モデル手術を施した。疼痛状態が確立した後に、ラットに、表示したナルトレキソンまたは陽性対照(モルヒネ)用量を、5日間、1日あたり3×で投薬した。フォンフライ試験による疼痛応答に関する挙動試験を使用して、罹患した後肢における疼痛閾値を確立した。投薬量が3×/日であるので、1日目の投薬の1回目および2回目の用量(1.1、1.2)後、および5日目の投薬の1回目および2回目の用量(5.1、5.2)後に挙動試験を行った。用量を投与した後に、30分間、試験セッションを行った。図6Aおよび6Bは、1日目および5日目の投薬による、XT-203の実質的な効果を示しており、5日目の試験の間の効果は、モルヒネに対する応答に一致している。(+)-NTXは、有効ではなかった(データを図示せず)。
実施例3
NOアッセイ:ミクログリアは、中枢神経系における自然免疫系の常在細胞であり、TLR4は、CNSにおける星状細胞またはニューロンよりもむしろミクログリアによって主に発現される。この発現プロファイルを考慮すると、これらの細胞は、高い忠実性で一次ミクログリアの多数の応答を繰り返すので、BV-2マウスのミクログリア細胞系を、ミクログリアのモデル系として使用した。TLR4活性化は、炎症因子であるNOの下流での生成を誘発し、このことが、神経障害性疼痛および薬物中毒の発症の一因となる。補給したDMEM(10%FBS、50単位mL-1のペニシリン、50μg.mL-1のストレプトマイシンを含む)中で、BV-2マウスのミクログリアを成長させた。約80%の集密に到達すると、トリプシン消化によってBV-2細胞をフラスコから剥がした。細胞を96ウェルプレートに、ウェルあたり4×10個の細胞密度で播種した。一晩のインキュベーション後、培地を吸い取り、FBSを含まないDMEM培地に交換した。次いで、細胞をLPS(200ng/ml)および様々な濃度の試験化合物により処理した。24時間の処理後、細胞を24時間処理して、フラット型黒色96ウェルmicrofluorプレート(Thermo Scientific、MA、USA)に添加した後、100μLの上澄み培地を除去した。続いて、10μLの2,3-ジアミノナフタレン(0.62M HCl中、0.05mg.mL-1)を各ウェルに添加し、15分間インキュベートした。反応物を5μLの3M NaOHを添加することによりクエンチし、プレートを360nmでの励起および430nmでの発光により、Beckman Coulter DTX880リーダー(Fullerton、CA、USA)で読み取った。
N鎖NTX:この実験は、マウスBV2細胞をLPSにより処理し、一酸化窒素(NO)の放出をもたらす、in vitroアッセイを含んだ。TLR4活性の遮断により、NO産生が低減する。したがって、IC50値は、TLR4活性をアンタゴナイズする試験化合物について決定した。ナルトレキソンに見いだされるシクロプロピルメチルを様々なN-アルキル鎖に置き換えた、一連の試験化合物を調製した。標準アッセイ、例えば、細胞喪失/溶解/破壊を検出するため、組織培養物の上澄み液または培地中の細胞質常在酵素の放出の測定により、細胞生存率も測定した。TLR4アンタゴニスト化合物を、LPS刺激iNO誘発を遮断する能力について試験することにより、用量-阻害曲線を作成した。図7では、回帰曲線と共に用量範囲にわたる阻害レベルをグラフ表示している。IC50値、すなわち50%阻害レベルも、アルキル鎖の長さに対してグラフ表示して提供する。N-アルキル鎖が長い程、IC50は低減したが、細胞生存率は問題点となったことに留意されたい。しかし、フェニルエチルN-アルキル種は、細胞生存率の改善を伴って、最低の平均IC50を示した。
(+)-ナルトレキソン、AK17およびXT-203の有効性:図8Aは、当技術分野で公知の2つの化合物((+)-NTX((+)-ナルトレキソン)およびAK-17)、および例示的な式Iの化合物(式VII、XT-203)の構造を示している。図8B~8Dは、上記のアッセイを使用した、LPS刺激BV2細胞からのNO産生の阻害結果を示している。(+)-NTXは、良好な生存率および阻害の両方を示し(図8B)、AK-17は、阻害が良好であるが、生存率は不良であることを示し(図8C)、XT-203は、(+)-NTXと同様に、良好な生存率および阻害を示した(図8D)ことに留意されたい。化合物XT-206~XT-217によるNO産生の阻害結果を以下の表3に示す。
Figure 0007307067000051
実施例4
肝細胞からの排出:(+)-NTX、AK-17およびXT-203を図9および表4に列挙されている種から培養した肝細胞と共にインキュベートし、培養物の上澄み液の試料を経時的に採取した。試料を窒素乾燥により濃縮した後、LC/MS分析のために、40%メタノールで再構成した。WinNonLin薬物動態ソフトウェアパッケージを使用してデータ点を分析し、親の排出速度を表す半減期を決定した。ヒト対象において、XT-203は、(+)-NTXとAK-17の両方と比較して、半減期の増強を示したことに留意されたい。したがって、(+)-NTXのケトン基のフッ素(式VII、XT-203)による置き換えるにより、観察された有効性を大幅に変化することなしに、in vitroでの半減期が増大する。化合物XT-206からXT-214の対応する肝細胞からの排出半減期の結果を、以下の表4に示す。
Figure 0007307067000052
実施例5
ラットの慢性狭窄傷害モデル - 経口および皮下(+)-NTXおよびXT-203:ラットの慢性狭窄傷害(CCI)モデル(研究R042)で有効性研究を行った。研究設計は、2つの時期を含んだ。5日間の経口(PO)投薬と挙動試験後に5日間の皮下(SC)投薬が続き、これらの期間の間に、2日間の休薬期間を設けた。各日の投薬は、1日3回(TID)行った。機械的アロディニアに関する挙動試験は、投薬の1日目および5日目に、それらの日に3回:その日の1回目の用量前、その日の1回目の用量の30分後、およびその日の2回目の用量の30分後に行った。こうして、5日目の試験を、プレ5.1(その日の1回目の用量前)、5.1(5日目、1回目の用量後)または5.2(5日目、2回目の用量後)と表す。皮下投薬期の5日目に、2回目の用量の60分後に2回目の試験期間を導入した。(+)-NTX(6、18および60mg/kg)およびXT-203。Chaplanのアップダウン試験法を使用して、機械的アロディニアを手作業で試験した。結果が図10Aおよび10Bに示されており、経口(PO)期をグラフの第1の対として表した。2日間の休薬後、皮下(SC)期を行い、結果を図10Cおよび10Dにグラフで示した。
CCIモデルはこの研究で十分に確立され、アロディニアの応答閾値は2~3グラムの間であった(15gでの手術前ベースライン閾値、図示せず)。ビヒクルおよびガバペンチン対照のどちらも、適切に働き、200mg/kgのガバペンチンで、アロディニアが反転した。中用量および高用量での(+)-NTXは、この神経障害性疼痛モデル研究の間、様々な点において、ある程度の有効性があることを示すことができた(特に、PO d1、SC d1およびSC d5のパネルを参照されたい)。これは、(+)-NTXのかなり迅速な代謝および薬物動態を考慮すると、とりわけ驚くべきことである(図9を参照されたい)。ここで、顕著な量の親化合物がないために有効性が弱まっていることが、特に明白である。したがって、動物モデルにおける適切な用量範囲設定条件を、有効性試験の間の(+)-NTX血清レベルに反映させて、薬物動態を薬力学に適合させるべきである。18mg/kgのXT-203は、皮下投与すると、ある程度顕著な有効性を示す(SC d5パネルを参照されたい)。XT-203の群の場合、プレ5.1試験期間は、アロディニアの反転を示さないので、これは、累積効果ではない。有効性は、5日目の1回目の用量後にだけ観察された。したがって、化合物の安定性を改善するよう設計した変更により、有効性の改善がもたらされる。
実施例6
ラットの肢切開モデル - 皮下(+)-NTXおよびXT-203:第2の有効性研究であるR049により、ラットの肢切開モデルである急性侵害受容性疼痛モデルにおいて、(+)-NTXとXT-203の両方の有効性を調査した。図11Aおよび11Bは、化合物のTID皮下投薬(6または30mg/kg)の5日間の効果の結果を、ビヒクルおよび陽性対照(3mg/kgのモルヒネ)群に対して比較したものを示している。ここでもやはり、ラットにおける(+)-NTXの薬物動態により、とりわけ、他の研究において、より標的化した送達を用いて得られた(+)-NTXの明確な有効性を考慮すると、ここで観察され得るいずれの有効性も弱められている。
XT-203は、高用量でこのモデルでは、顕著な有効性を示した。この有効性は、モルヒネレベルにおいて、またはそれに近いレベルでのことであり、このことは、このモデルでは、1回目の用量後でさえも、XT-203は有効な化合物であることを示している。このクラスの非オピエートTLR4アンタゴニスト化合物は、特に、迅速な代謝が弱化され得る場合、顕著な鎮痛効果を生じ、外傷または手術の状況直後では、TLR4アンタゴニストの所期の全身性使用が適切であることを最初に実証したものである。XT-203および(+)-NTXのような化合物は、オピオイドの妨害および神経膠活性化なしに、術後/外傷後疼痛の処置に転向可能であり、モルヒネなどの非常に中毒性の高い化合物の投与の必要性がなくなる。
マウスの肢切開モデル - 腹腔内(+)-NTXおよびXT-203:このモデルで用量-応答範囲設定を行い、モルヒネ(対照)、(+)-NTXおよびXT-203を比較した。このモデルでは、イソフルラン麻酔を用いる無菌手術下で、8~10週齢のC57 B16雄マウスに、肢底面の筋肉および腱の下を縦方向に切り込んで0.5cmの切開を施した後、傷口を閉じた。手術後の感染の予防のため、単回用量の抗生物質(アモキシペン(Amoxipen)100mg/kg、IP)を投与した。試験物品は、5mL/kgの投与量をもたらす用量で腹腔内に投与した。
フォンフライヘアを用いる手作業試験を、グラフに表示した時間に行った。せり上げ金属製メッシュ上の個々のパースペックス製箱に、動物を試験前に少なくとも40分間入れた。一式の目盛り付きフォンフライヘア(0.07、0.16、0.4、0.6および1.0g)を、順に、左肢の底面に適用した。各フォンフライヘアを、各ヘアをわずかに曲げて、1秒接触させて1秒離すというプロトコールで10回適用した。所与のフォンフライヘアに対するこの後肢刺激時における、10回の試行のうちの5回の応答を登録した肢逃避を、肢逃避閾値(PWT)に記録した。ベースラインPWTは、手術前の3日間、毎日、決定した。手術の5~10日後にPWTを評価して、手術の結果としての疼痛応答を示した。さらに、投薬前、および投薬して1、2および4時間後にPWTを決定した。
用量-応答範囲設定の理由は2つの要素がある。第1に、所与の用量における各化合物の有効性は、その後の毒物学研究およびヒト用量に対する用量スケーリングのための標的用量レベルの一助となる。第2に、最小限の有効性の、低用量の各化合物を使用して、(+)-NTXまたはXT-203がモルヒネと相乗的に働くことができるかどうかを決定することができる。
図12A、12Bおよび12Cのグラフの場合、*、**、***:p<0.05、0.01および0.001を、それぞれ、一元配置ANOVAでビヒクル群と比較した。各群は、n=10のマウスを有した。
3つの化合物はすべて、1回目の用量において明白な有効性を有しており、対照よりも顕著な有効性があり、18mg/kgの(+)-NTXおよび10mg/kgのXT-203では類似レベルの有効性があった。これらの効果は高用量において、少なくとも2時間保持された。このプロファイルは、以前に観察されたin vitroでの親化合物の排出と合理的なことに一致している(両化合物とも約27分間の半減期、図9および表4を参照されたい)。
実施例7
マウスの肢切開モデル - モルヒネ賦活化 - 腹腔内(+)-NTXおよびXT-203:モルヒネは、TLR4に結合して、神経膠活性化を推進することにより、それ自体、疼痛への有効性を妨害することが知られている。モルヒネの、(+)-NTXまたはXT-203のようなTLR4アンタゴニストとの共投与により相乗効果が生じ、こうして、少ない量のモルヒネで、同じレベルの疼痛緩和が得られるようになる。この相乗作用は、必要なモルヒネの総量を低減するという追加的な利益を有しており、これにより、有害なオピオイド副作用の出現率を低減し、耐性および依存性の可能性を低下させる。
したがって、(+)-NTXもしくはXT-203、またはその両方が、低用量のモルヒネと相乗作用して、相加性を超える鎮痛効果が生じるかどうか決定するための研究を行った。
最小限の有効性の、低用量の各化合物を使用して、(+)-NTXまたはXT-203がモルヒネと相乗的に働くことができるかどうかを決定した。どちらの場合も、モルヒネは、1mg/kgをIPで投薬した。動物の1つの群では、モルヒネを10mg/kgのXT-203と組み合わせ、第2の群では、モルヒネを18mg/kgの(+)-NTXと組み合わせた。これらの用量の各々により、独立して、ビヒクル群と比較して、最小限または閾値以下の応答が生じた。
図13Aおよび13Bのグラフの場合、*、**、***:p<0.05、0.01および0.001を、それぞれ、一元配置ANOVAでビヒクル群と比較した。各群は、n=10のマウスを有した。
図13Aのグラフは、「無効」用量である1mg/kgのモルヒネと一緒に投与した18mg/kgの(+)-NTXは、(+)-NTXまたはモルヒネ単独によって誘発される効果と比較して、増幅および延長された効果を生じたことを示している。併用処置の効果はまた、同側後肢において、(+)-NTXおよびモルヒネ単独によって誘発される効果の合計よりも高かった。(+)-NTXを18mg/kgで投薬すると、同側後肢の肢逃避閾値(PWT)が、それぞれ、投薬後1、2および4時間の時点において、0.11±0.015g~0.31±0.056g、0.22±0.050gおよび0.14±0.32gのベースラインレベルから、わずかではあるが大幅に向上した。1mg/kgのモルヒネにより、わずかで持続性の短いPWT向上が生じた。投薬後、投薬後1、2および4時間の時点において、PWTは、合計で、0.20±0.046g、0.11±0.033gおよび0.10±_0.014gになった。しかし、18mg/kgの(+)-NTXを1mg/kgのモルヒネと一緒に投与した場合、PWTの変化は、(+)-NTXまたはモルヒネ単独により誘発される変化よりも大きかった。PWTは、投薬の1、2および4時間後に、それぞれ、投薬前の0.11±0.015gから、0.68±0.074g、0.41±0.051gおよび0.16±0.030gに向上した。
図13Bのグラフは、同側後肢において、「無効」用量である1mg/kgのモルヒネと一緒に投与した場合、10mg/kgのXT-203は、XT-203およびモルヒネの単独投与によって誘発される効果と比較して、増幅および延長された効果が生じたことを示している。効果はまた、XT-203によっておよびモルヒネによって誘発された効果の合計と比較して、強度が向上した。10mg/kgのXT-203群では、PWTは、投薬後1、2および4時間の時点において、それぞれ、投薬前の0.11±0.015gから、0.32±0.058g、0.25±0.059gおよび0.09±0.012gに向上した。1mg/kgのモルヒネによって、PWTは、投薬後1時間の時点において、0.11±0.015gのベースラインレベルから0.20±0.046gにと、わずかしか向上しなかった。モルヒネ(1mg/kg)の投薬後、2および4時間の時点におけるPWT(0.11±0.033gおよび0.10±0.014g)は、ベースラインレベルのPWTとも、同じ時点におけるビヒクルのPWTとも有意な差異がなかった。しかし、モルヒネと一緒にXT-203を投薬した後、投薬の1、2および4時間後に、PWTは、それぞれ、0.11±0.015gのベースラインレベルから、0.88±0.061g、0.51±0.114gおよび0.40±0.083に向上した。すべての時点において、投薬後のPWTはまた、同じ時点におけるビヒクルのPWTよりも大幅に高かった。さらに、XT-203およびモルヒネの組合せによって生じたPWTは、XT-203およびモルヒネを単独で投薬した効果の合計よりも高かった(投薬後の1、2および4時間において、それぞれ0.52、0.36および0.19g)。観察期間全体を通じて、いずれのモルヒネ用量群でも、顕著な有害効果は観察されなかった。XT-203/モルヒネの組合せは、このモデルにおいて、効果の反転および持続期間の絶対レベルの両方において、(+)-NTX/モルヒネ組合せよりも優れた疼痛反転を示した。
実施例8
マウスの骨折モデル - 腹腔内(+)-NTXおよびXT-203:手術手技全体を通して、雄の成体C57BL6マウス(8~10週齢)を酸素と混合したイソフルランにより麻酔した。熱ブランケット温度制御システムに動物を入れた。ポビドン/ヨウ素に浸けた綿で左膝のエリアを消毒した。0.5cmの切開を膝に施し、膝の前エリアを露出させた。27ゲージの滅菌ニードルを脛骨髄管に挿入して骨折した骨を固定した。緩衝材付きのプライヤを1つ使用して、左の脛骨を優しく折った。手術後の感染の予防のため、単回用量の抗生物質(アモキシペン100mg/kg、IP)を投与した。動物は、完全に覚醒するまで、温度制御した回復用チャンバーに入れた後、清浄な柔らかいおがくずを床にして、食物および水を容易に摂取できるプラスチック製ケージに入れた。動物の状態は、緊密にモニタリングし、記録した。通常生理食塩水に溶解したすべての化合物を、5mg/kgの量で腹腔内に投薬した。PWT試験は、上記の通り、1、2および4時間時に行った。
図14A、14Bおよび14Cにおける3つのグラフに提示されているデータの場合、*、**、***:p<0.05、0.01および0.001を、それぞれ、一元配置ANOVAでビヒクル群と比較した。各群は、n=10のマウスを有した。
結果の要約:1)骨折による疼痛のこのマウスモデルにおいて、1、2、3および5mg/kgのモルヒネにより、後肢のPWTが用量依存的に向上した。結果は、実験室からの過去のデータと一致する。2)このマウスの骨折による疼痛モデルにおいて、6、10、18および30mg/kgのXT-203により、PWTが用量依存的に向上した。3)このマウスの骨折による疼痛モデルにおいて、6、18、30および60mg/kgの(+)-NTXにより、PWTが用量依存的に向上した。4)観察期間全体を通じて、いずれのXT-203または(+)-NTXの用量群でも、顕著な有害効果は観察されなかった。しかし、5mg/kgでは、投薬の1時間後に、反時計回りに歩行することを示す一部のマウスが存在した。2時間進むと、この現象はなくなった。
実施例9
マウスの骨折モデル - モルヒネの賦活化 - 腹腔内(+)-NTXおよびXT-203:肢切開モデルにおける上記の通り、最小限の有効性の、低用量の各化合物を使用して、(+)-NTXまたはXT-203がモルヒネと相乗的に働くことができるかどうかを決定した。どちらの場合も、2mg/kgのモルヒネをIPで投薬した。動物の1つの群では、モルヒネを6mg/kgのXT-203と組み合わせ、第2の群では、モルヒネを18mg/kgの(+)-NTXと組み合わせた。これらの用量の各々により、独立して、ビヒクル群と比較して、最小限または閾値以下の応答が生じた。結果は、図15Aおよび15Bに示されている。
結果の要約:1)2mg/kgのモルヒネと組み合わせた18mg/kgの(+)-ナルトレキソンにより、いずれかの化合物を単独で投与した場合よりも大きな効果が生じた。相乗効果は、約2時間の時点で現れた。2)マウスの骨折による疼痛モデルにおいて、「効果がわずかな」用量である2mg/kgのモルヒネと組み合わせた6mg/kgのXT-203により、同側PWTに対して、いずれかの化合物を単独で投与した場合よりも大きな効果が生じた。このデータは、2つの化合物の相乗的鎮痛効果を示唆している。3)観察期間全体を通じて、いずれのXT-203または(+)-NTXの用量群でも、顕著な有害効果は観察されなかった。4)両方のモデルの場合で、(+)-NTXと比較して、モルヒネ相乗作用を示すのに、より低用量のXT-203を必要とした。これは、両方の化合物について、親化合物は排出半減期が類似しているにもかかわらず、マウス肝細胞において、(+)-NTXの親化合物に大幅に高いグルクロン酸化が観察されたことに一部よるものであり得る。
実施例10
実施例1~9において上で提示した動物研究に加えて、化合物(すなわち、XT-203、XT-204およびXT-206~XT-217)のいくつかのin vitroでの試験結果を表5および表6に示す。化合物XT-202は、(+)-ナルトレキソンである。これらの化合物のいずれも、心臓血管系効果を下流で無効にする早期発症シグナルである、hERGチャネルにおいて顕著な活性を示さなかったことに留意されたい。XT-203は、10μMの試験濃度でのスクリーニング結果において2つの標的に活性を示したが、それらの活性は、1μMの試験濃度で50%のレベル未満に低下した。9つのさらなる化合物が、スクリーニングにおいて、2つまたはそれより少ないオフターゲットヒット(off-target hit)を有した。これらのうち、5つは、オフターゲットヒットを有しておらず(XT-204、-206、-207、-211および-212)、2つは、1つのオフターゲットヒットを有し(XT-209および-214)、2つは、2つのオフターゲットヒットを有した(XT-208および-217)。これらの化合物は、試験したN-修飾クラスのすべてに及んだ。2つのスルホンアミドは、種全体にわたり、親化合物の排出半減期の値の顕著な改善なしに、同じオフターゲットヒットパターンを示した(XT-208および-217)。一部の場合、半減期に関して、種間の顕著なばらつきが観察され(例えば、XT-206の値は、14.4~120.4分の範囲であり、XT-209の値は、15.3~296.2分の範囲である)、他の場合では、半減期のばらつきは、XT-203と比較して、種間で抑制されている(例えば、XT-203の13.15~54.27分と比較して、XT-208の値は、8.7~19.7分の範囲であり、XT-217の値は、9.2~14.1分の範囲である)。ヒト肝細胞における親化合物の排出半減期に関すると、低いオフターゲットヒット化合物のうちの3つが、(+)-ナルトレキソン:XT-206、-207、-209、-212および-214よりも長い親持続期間を示した。これらの化合物のうちの3つ(XT-206、-209および-212)は、このアッセイにおいてXT-203よりも長い親持続期間を示し、XT-206およびXT-209の場合、真に重要な改善があった((+)-ナルトレキソンの32.43分、およびXT-203の54.27分と比較して、それぞれ、120.4分および296.2分)。したがって、この一連のフッ素化化合物において採用した医療化学手法は、TLR4拮抗作用を維持しながら、低いオフターゲット活性の低下およびより長い代謝寿命をもたらすことができる。当業者に公知の技法を使用する、このクラスの化合物のさらなる開発により、望ましい薬理学的および毒物学的特徴を有するさらなる化合物を得ることができることが理解される。
Figure 0007307067000053
Figure 0007307067000054
Figure 0007307067000055
Figure 0007307067000056
Figure 0007307067000057
実施例11
多発性硬化症のラットモデルとして、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルが開発された(Sloane, E. et al. Brain Behav. Immun. 2009, 23, 92-100)。モデルは、確立するためのミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)または類似のグリコタンパク質の注射、および脊髄神経線維を損傷して、運動および感覚欠損の進行に至らしめる抗体反応を包含する。欠損の迅速な進行は、MOG用量の低減によって減速され得、これにより、後肢の不全麻痺の発症前の疼痛応答の試験が可能になる。
用量を低減したMOGまたは生理食塩水(偽)を尾部の付け根に皮内投与した。機械的アロディニア疼痛試験は、8秒間の様々な曲げ力について較正した、セメスワインスタイン(「フォンフライ」)モノフィラメントを左後肢および右後肢に適用することにより行い、肢逃避閾値を決定した。EAE誘発後の15日目の、肢逃避閾値の低下(機械的アロディニア疼痛の確立)後、15mg/kgのXT-203または生理食塩水の皮下注射を15日間、3回/日で投与した。挙動データを二元配置ANOVAにより分析した。すべての試験に関して、統計学的有意性は、p<0.05()に設定した。
両肢に関して、皮下のXT-203は、偽の非MOGラットでは、疼痛応答に効果はなかった(図16Aおよび16B)。生理食塩水は、MOG処置ラットにおいて、疼痛応答の進行に効果はなかった。皮下のXT-203は、MOG処置ラットでは疼痛応答を反転させ、その疼痛応答は偽ラットにおいて観察された疼痛応答に戻った。
当業者は、本明細書において明確に記載または示されてはいないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨および範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解される。さらに、本明細書において列挙されているすべての例および条件付き言い回しは、当技術を推進するため、読み手が本発明の原理および本発明者らにより与えられる概念を理解する一助となることが主に意図されており、このような具体的に列挙されている例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および実施形態、ならびにそれらの具体例を列挙している本明細書におけるすべての記述は、それらの構造的および機能的等価物の両方を包含することが意図されている。さらに、このような等価物は、現在、公知の等価物および将来に開発される等価物の両方、すなわち、構造にかかわらず、同じ機能を実施する開発された任意の要素を含むことが意図されている。したがって、本発明の範囲は、本明細書に示されている、および記載されている例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。以下に続く特許請求の範囲では、用語「意味する」が使用されない限り、そこに列挙されている特色または要素のいずれも、米国特許法§112、¶6に従うミーンズプラスファンクション制限として解釈されるべきではない。
等価物および範囲
特許請求の範囲において、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、特に反対の記載がない限り、または文脈から明白ではない限り、1つまたは1つより多いことを意味することができる。ある群の1つまたはそれより多くの構成要素の間の「または」を含む特許請求の範囲または記載は、特に反対の記載がない限り、または文脈から明白ではない限り、群の構成要素の1つ、1つより多くまたはすべてが、所与の生成物またはプロセスに存在する、これらに用いられる、またはそうではない場合、これらに関連する場合に満たしていると考えられる。本発明は、群の正確に1つの構成要素が、所与の生成物またはプロセスに存在する、それらに用いられる、またはそうでない場合、それらに関連している実施形態を含む。本発明は、群の構成要素の1つより多いまたはすべてが、所与の生成物またはプロセスに存在する、それらに用いられる、またはそうでない場合、それらに関連している実施形態を含む。
さらに、本発明は、列挙されている請求項の1つまたは複数からの1つまたは複数の限定、要素、条項および記述用語が、別の請求項に導入される、すべての変形、組合せおよび並び替えを包含する。例えば、別の請求項に依存する任意の請求項は修正されて、同じ基本請求項に依存する、任意の他の請求項に見いだされる1つまたは複数の限定を含むことができる。要素が一覧として、例えばマーカッシュ群の形式で提示されている場合、要素の各下位群も開示されており、任意の要素は群から除去され得る。一般に、本発明、または本発明の態様は、特定の要素および/または特色を含むものと称される場合、本発明のある特定の実施形態、または本発明の態様は、このような要素および/もしくは特色からなる、またはこれらから実質的になることを理解すべきである。単純にする目的で、それらの実施形態は、本明細書において正確な言葉で具体的に説明されていない。用語「含むこと」および「含有すること」は、オープンであることを意図しており、さらなる要素またはステップを含むことを許容することにやはり留意されたい。範囲が示されている場合、エンドポイントは含まれる。さらに、特に示さない限り、または文脈からおよび当業者の理解から明白ではない限り、範囲として表されている値は、文脈が明らかな別段の指定をしない限り、本発明の様々な実施形態において明記されている範囲内で、範囲の下限の単位の10分の1までの具体的な任意の値または部分範囲を想定することができる。
本出願は、様々な交付特許、公開特許出願、学術論文、および他の刊行物を参照しており、これらはすべて、参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれる参照のいずれか1つと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書が優先するものとする。さらに、先行技術内に収まる本発明の任意の特定の実施形態は、特許請求の範囲のうちのいずれか1つまたは複数から明示的に除外されてもよい。このような実施形態は、当業者に公知であるとみなされているので、それらの実施形態は、除外が本明細書において明確に説明されていない場合でさえも、除外されることがある。本発明の任意の特定の実施形態は、先行技術の存在に関連するか否かにかかわらず、何らか理由のために、任意の請求項から除外され得る。
当業者であれば、型通りの実験のみを使用して、本明細書に記載されている具体的な実施形態に対する多くの等価物を理解するか、または解明することができよう。本明細書に記載されている本実施形態の範囲は、上記の説明に限定されることが意図されるものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲において説明されている通りである。当業者であれば、以下の特許請求の範囲において定義されている、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、この説明に対する様々な変更および修正を行うことができることを理解するであろう。
一実施形態において、例えば、以下の項目が提供される。
(項目1)
式Iの(+)-異性体または薬学的に許容されるその塩を含む組成物:
Figure 0007307067000058
であって、式中、
は、ヒドロキシル、アルコキシまたはアリールオキシからなる群から選択され、
は、水素、アルキル、アルキニル、アルケニル、アルコキシ、アルキルアミド、アルキルスルファミド、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、シクロアルキル、アルキルアリールまたは置換アルキルアリールからなる群から選択され、
Yは、水素またはヒドロキシからなる群から選択され、
Xは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択され、
Zは、水素、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素からなる群から選択され、
炭素1と2との間、3と4との間、7と8との間および11と15との間の各結合は、単結合および二重結合からなる群から選択されるが、
ただし、R がヒドロキシルである場合、R はシクロプロピルメチルではない、
組成物。
(項目2)
前記式Iの(+)-異性体が、式:
Figure 0007307067000059
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記式Iの(+)-異性体が、式:
Figure 0007307067000060
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である、項目1に記載の組成物。
(項目4)
前記式Iの(+)-異性体が、式:
Figure 0007307067000061
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である、項目1に記載の組成物。
(項目5)
Xがフッ素であり、Zが水素である、項目1から4のいずれか一項に記載の組成物。
(項目6)
Xがフッ素であり、Zがフッ素である、項目1から4のいずれか一項に記載の組成物。
(項目7)
Xがフッ素であり、Zが水素であり、Yが水素である、項目1から4のいずれか一項に記載の組成物。
(項目8)
Xがフッ素であり、Zがフッ素であり、Yが水素である、項目1から4のいずれか一項に記載の組成物。
(項目9)
Xがフッ素であり、Zが水素であり、Yがヒドロキシである、項目1から4のいずれか一項に記載の組成物。
(項目10)
Xがフッ素であり、Zがフッ素であり、Yがヒドロキシである、項目1から4のいずれか一項に記載の組成物。
(項目11)
がヒドロキシルである、項目1から10のいずれか一項に記載の組成物。
(項目12)
がメトキシである、項目1から10のいずれか一項に記載の組成物。
(項目13)
がシクロプロピルメチルである、項目1から12のいずれか一項に記載の組成物。
(項目14)
が2-プロペニルである、項目1から12のいずれか一項に記載の組成物。
(項目15)
がフェネチルである、項目1から12のいずれか一項に記載の組成物。
(項目16)
がメトキシであり、R がシクロプロピルメチルであり、Yが水素であり、Xがフッ素であり、Zが水素であり、前記式Iの(+)-異性体が式:
Figure 0007307067000062
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である、項目1に記載の組成物。
(項目17)
がメトキシであり、R がシクロプロピルメチルであり、Yがヒドロキシであり、Xがフッ素であり、Zが水素であり、前記式Iの(+)-異性体が式:
Figure 0007307067000063
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である、項目1に記載の組成物。
(項目18)
がメトキシであり、R がシクロプロピルであり、Yが水素であり、Xがフッ素であり、Zが水素である(式X)、項目1に記載の組成物。
(項目19)
前記式Iの(+)-異性体が、式:
Figure 0007307067000064
を有するものまたは薬学的に許容されるその塩である、項目1に記載の組成物。
(項目20)
Figure 0007307067000065
Figure 0007307067000066
Figure 0007307067000067
および薬学的に許容されるそれらの塩の群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目21)
炭素7と8との間に不飽和二重結合、または式Iをさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目22)
対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法であって、前記対象に有効量の項目1に記載の化合物を投与するステップを含む、方法。
(項目23)
前記有効量が、約34mg/日~約510mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目22に記載の対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法。
(項目24)
前記有効量が、約68~約408mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目23に記載の対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法。
(項目25)
前記有効量が、1日あたり約0.5~約7.2mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目24に記載の対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法。
(項目26)
前記有効量が、1日あたり約1.0~約6mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目25に記載の対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法。
(項目27)
前記有効量が、最大で約1500mg/用量であり、1日あたり1~4回の別個の用量で投与される、項目22に記載の対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法。
(項目28)
前記有効量が、1日あたり約0.8mg/kg体重~約100mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目22に記載の対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法。
(項目29)
項目22に記載の対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための方法であって、前記対象に有効量の式Iのプロドラッグを投与するステップを含む、方法。
(項目30)
対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法であって、オピオイド治療を受けている前記対象に有効量の項目1に記載の化合物を投与するステップを含む、方法。
(項目31)
前記有効量が、約34mg/日~約510mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目30に記載の対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法。
(項目32)
前記有効量が、約68~約408mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目31に記載の対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法。
(項目33)
前記有効量が1日あたり約0.5~約7.2mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目32に記載の対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法。
(項目34)
前記有効量が1日あたり約1.0~約6mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目33に記載の対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法。
(項目35)
前記有効量が、最大で約1500mg/用量であり、1日あたり1~4回の別個の用量で投与される、項目30に記載の対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法。
(項目36)
前記有効量が1日あたり約0.8mg/kg体重~約100mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目30に記載の対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法。
(項目37)
項目30に記載の対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための方法であって、前記対象に有効量の式Iのプロドラッグを投与するステップを含む、方法。
(項目38)
Toll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法であって、前記対象に有効量の項目1に記載の化合物を投与するステップを含む、方法。
(項目39)
前記有効量が、約34mg/日~約510mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目38に記載のToll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法。
(項目40)
前記有効量が、約68~約408mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目39に記載のToll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法。
(項目41)
前記有効量が、1日あたり約0.5~約7.2mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目38に記載のToll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法。
(項目42)
前記有効量が、1日あたり約1.0~約6mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目40に記載のToll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法。
(項目43)
前記有効量が、最大で約1500mg/用量であり、1日あたり1~4回の別個の用量で投与される、項目38に記載のToll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法。
(項目44)
前記有効量が、1日あたり約0.8mg/kg体重~約100mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目38に記載のToll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法。
(項目45)
前記Toll様受容体がTLR-4である、項目38に記載の方法。
(項目46)
項目38に記載のToll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための方法であって、前記対象に有効量の項目1に記載の化合物のプロドラッグを投与するステップを含む、方法。
(項目47)
神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するための方法であって、前記方法が、前記対象に有効量の項目1に記載の化合物を投与するステップを含む、方法。
(項目48)
前記神経障害性疼痛が、脊髄損傷、多発性硬化症、脳卒中、糖尿病、坐骨神経痛、帯状疱疹感染、HIV、神経痛、栄養失調、毒素、腫瘍、免疫媒介性障害、神経幹への物理的外傷、がん、化学療法、放射線傷害、侵襲的な医療手順、手術、非特異的腰痛、手根管症候群、線維筋痛症および慢性炎症状態からなる一覧から選択される状態によるものである、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記神経障害性疼痛が、多発性硬化症によるものである、項目47から48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記神経障害性疼痛が、がんによるものである、項目47から48のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記神経障害性疼痛が、化学療法によるものである、項目47から48のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
侵害受容性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するための方法であって、前記方法が、前記対象に有効量の項目1に記載の化合物を投与するステップを含む、方法。
(項目53)
対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための、有効量の項目1に記載の化合物の使用。
(項目54)
前記有効量が、約34mg/日~約510mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目53に記載の使用。
(項目55)
前記有効量が、約68~約408mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目54に記載の使用。
(項目56)
前記有効量が、1日あたり約0.5~約7.2mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目55に記載の使用。
(項目57)
前記有効量が、1日あたり約1.0~約6mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目56に記載の使用。
(項目58)
前記有効量が、最大で約1500mg/用量であり、1日あたり1~4回の別個の用量で投与される、項目53に記載の使用。
(項目59)
前記有効量が、1日あたり約0.8mg/kg体重~約100mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目53に記載の使用。
(項目60)
対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための、有効量の式Iのプロドラッグの使用。
(項目61)
対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための、有効量の項目1に記載の化合物の使用。
(項目62)
前記有効量が、約34mg/日~約510mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目61に記載の使用。
(項目63)
前記有効量が、約68~約408mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目62に記載の使用。
(項目64)
前記有効量が、1日あたり約0.5~約7.2mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目63に記載の使用。
(項目65)
前記有効量が、1日あたり約1.0~約6mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目64に記載の使用。
(項目66)
前記有効量が、最大で約1500mg/用量であり、1日あたり1~4回の別個の用量で投与される、項目61に記載の使用。
(項目67)
前記有効量が、1日あたり約0.8mg/kg体重~約100mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目61に記載の使用。
(項目68)
対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための、有効量の式Iのプロドラッグの使用。
(項目69)
Toll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための、有効量の項目1に記載の化合物の使用。
(項目70)
前記有効量が、約34mg/日~約510mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目69に記載の使用。
(項目71)
前記有効量が、約68~約408mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目70に記載の使用。
(項目72)
前記有効量が、1日あたり約0.5~約7.2mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目71に記載の使用。
(項目73)
前記有効量が、1日あたり約1.0~約6mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目71に記載の使用。
(項目74)
前記有効量が、最大で約1500mg/用量であり、1日あたり1回から数回の別個の用量で投与される、項目69に記載の使用。
(項目75)
前記有効量が、1日あたり約0.8mg/kg体重~約100mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、項目69に記載の使用。
(項目76)
前記Toll様受容体がTLR-4である、項目69に記載の使用。
(項目77)
Toll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための、有効量の式Iのプロドラッグの使用。
(項目78)
神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するための、有効量の項目1に記載の化合物の使用。
(項目79)
前記神経障害性疼痛が、脊髄損傷、多発性硬化症、脳卒中、糖尿病、坐骨神経痛、帯状疱疹感染、HIV、神経痛、栄養失調、毒素、腫瘍、免疫媒介性障害、神経幹への物理的外傷、がん、化学療法、放射線傷害、侵襲的な医療手順、手術、非特異的腰痛、手根管症候群、線維筋痛症および慢性炎症状態からなる一覧から選択される状態によるものである、項目78に記載の使用。
(項目80)
前記神経障害性疼痛が、多発性硬化症によるものである、項目78から79のいずれか一項に記載の使用。
(項目81)
前記神経障害性疼痛が、がんによるものである、項目78から79のいずれか一項に記載の使用。
(項目82)
前記神経障害性疼痛が、化学療法によるものである、項目78から79のいずれか一項に記載の使用。
(項目83)
侵害受容性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するための、有効量の項目1に記載の化合物の使用。
(項目84)
項目1から21のいずれか一項に記載の化合物、
および対象に項目1から21のいずれか一項に記載の化合物を投与するための指示書
を含む、キット。

Claims (23)

  1. 式Iの化合物
    Figure 0007307067000068
    またはその薬学的に許容される塩あって、式中、
    は、ヒドロキシル、アルコキシおよびアリールオキシからなる群から選択され、
    は、水素、アルキル、アルキニル、アルケニル、アルコキシヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、シクロアルキル、アルキルアリールおよび置換アルキルアリール
    Figure 0007307067000069
    からなる群から選択され、
    Yは、水素およびヒドロキシからなる群から選択され、
    Xは、フッ素でありそして
    Zは、水素であり
    ただし、Rがヒドロキシルである場合、Rはシクロプロピルメチルではない、
    化合物、またはその薬学的に許容される塩
  2. (a)が水素である、あるいは
    がヒドロキシである
    請求項1記載の化合物。

  3. (a)ヒドロキシル、または
    (b)メトキシ
    である、請求項1または2に記載の化合物。

  4. (a)シクロプロピルメチル、
    (b)2-プロペニル、または
    (c)フェネチル
    である、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
  5. 記式I化合物が式:
    Figure 0007307067000070
    を有するものまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  6. 記式I化合物が式:
    Figure 0007307067000071
    を有するものまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  7. がメトキシであり、Rがシクロプロピルであり、そしてYが水素であ、請求項1に記載の化合物。
  8. 前記式I化合物が、式:
    Figure 0007307067000072
    を有するものまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
  9. 前記式ICの化合物が、以下:
    Figure 0007307067000073
    Figure 0007307067000074

    Figure 0007307067000075
    および
    Figure 0007307067000076
    およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  10. 以下:
    Figure 0007307067000077
    および
    Figure 0007307067000078
    およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、化合物。
  11. 対象においてオピオイドの鎮痛効果を賦活化するための、請求項1から1のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容されるを含む組成物であって、有効量の前記化合物が前記対象に投与されることを特徴とする、組成物。
  12. 対象においてオピオイド治療の間にオピオイド依存を発症するリスクを低減するための、請求項1から1のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容されるを含む組成物であって、有効量の前記化合物が前記対象に投与されることを特徴とする、組成物。
  13. Toll様受容体(TLR)神経膠活性化に関連する臨床状態を有する対象を処置するための、請求項1から1のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容されるを含む組成物であって、有効量の前記化合物が前記対象に投与されることを特徴とする、組成物。
  14. 前記Toll様受容体がTLR-4である、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記臨床状態が、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、神経性疾患に関連する疼痛、ニューロン損傷に関連する疼痛、火傷によって引き起こされる疼痛、骨関節炎によって引き起こされる疼痛、化学療法によって引き起こされる疼痛、外傷によって引き起こされる疼痛、急性および反復性オピオイド無痛覚、薬物乱用の報酬効果、慢性疼痛、またはオピオイド依存に関連する疼痛である、請求項13または14に記載の組成物。
  16. 前記神経性疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、タウオパチー、ハンチントン病、頭痛、意識朦朧および昏睡、認知症、発作、睡眠障害、外傷、感染、新生物、神経眼科学的状態、運動障害、脱髄性疾患、脊髄障害、ならびに末梢神経、筋肉および神経筋接合部の障害からなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
  17. 神経障害性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するための、請求項1から1のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む組成物であって、有効量の前記化合物が前記対象に投与されることを特徴とする、組成物。
  18. 前記神経障害性疼痛が、脊髄損傷、多発性硬化症、脳卒中、糖尿病、坐骨神経痛、帯状疱疹感染、HIV、神経痛、栄養失調、毒素、腫瘍、免疫媒介性障害、神経幹への物理的外傷、がん、化学療法、放射線傷害、侵襲的な医療手順、手術、非特異的腰痛、手根管症候群、線維筋痛症および慢性炎症状態からなるから選択される状態によるものである、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記神経障害性疼痛が、
    (a)多発性硬化症、
    (b)がん、または
    (c)化学療法
    によるものである、請求項1または18に記載の組成物。
  20. 侵害受容性疼痛に罹患している、または罹患し易い対象を処置するための、請求項1から1のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む組成物であって、有効量の前記化合物が前記対象に投与されることを特徴とする、組成物。
  21. 前記侵害受容性疼痛が、あざ、火傷、骨折、酷使または関節損傷、関節炎、捻挫、神経根障害、挟まれた神経、腫瘍、頭痛、裂傷、手術またはがんに関連するかまたは由来する疼痛である、請求項20に記載の組成物。
  22. 前記有効量が、
    (i)最大で約1500mg/用量であり、1日あたり1~4回の別個の用量で投与される、
    (ii)1日あたり約0.8mg/kg体重~約100mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、
    (iii)約34mg/日~約510mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、
    (iv)約68~約408mg/日であり、1回から数回の別個の用量で投与される、
    (v)1日あたり約0.5~約7.2mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、または
    (vi)1日あたり約1.0~約6mg/kg体重であり、1回から数回の別個の用量で投与される、
    請求項11から21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 請求項1から1のいずれか一項に記載の化合物、
    および対象に請求項1から1のいずれか一項に記載の化合物を投与するための指示書
    を含む、キット。
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