JP5587204B2 - (+)−「ナル」モルフィナン化合物を生成するためのプロセス - Google Patents

(+)−「ナル」モルフィナン化合物を生成するためのプロセス Download PDF

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Description

(関連出願の引用)
この出願は、2007年12月17日に出願された仮出願第61/014,102号(これは、その全体が参考として本明細書に援用される)からの優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、一般に、(+)−アヘン剤(opiate)の生成のために有用なプロセスおよび中間体化合物に関する。特に、本発明は、一般に、(+)−ナルモルフィナン(nal morphinan)化合物を生成するためのプロセスおよび中間体化合物を提供する。
(発明の背景)
「(−)−ナル」モルフィナン化合物(例えば、ナルトレキソン、ナロキソン、ナルメフェン、およびナルブフィン)は、鎮痛剤およびアンタゴニストとして治療的適用において使用される。最近、上記(+)−ナルモルフィナン鏡像異性体は、それらの(−)対応物とは異なる重要な生体活性を有することを示した。これら化合物の考えられる利益を調査するために、(+)−ナルモルフィナン化合物を調製するためのプロセスが当該分野において必要である。
(発明の要旨)
本発明の種々の局面の中には、(+)−ナルモルフィナン化合物の調製のためのプロセスの提供がある。本発明の一局面は、化合物2−1を調製するためのプロセスを提供する。上記プロセスは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、化合物2−1(a)と、ハロゲンXとを接触させて、化合物2−1(b)を形成する工程、および化合物2−1(b)と、プロトンアクセプターとを接触させて、化合物2−1を形成する工程を包含し、
ここで:
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および保護基からなる群より独立して選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され;
は、水素およびヒドロキシルからなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
本発明の別の局面は、化合物3を調製するためのプロセスを包含する。上記プロセスは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、化合物2と、(RCO)Oとを、RCOMの存在下で接触させて、化合物3を形成する工程を包含し、
ここで
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールからなる群より選択され;
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および保護基からなる群より独立して選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
は、ヒドロカルビルもしくは置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Mは、Li、Na、およびKからなる群より選択される金属原子であり;
Xは、ハロゲンおよび水素からなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
本発明のさらなる局面は、化合物5を調製するためのプロセスを包含する。上記プロセスは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、化合物3と、酸化剤とを接触させて、化合物4を形成する工程、次いで、化合物4を還元して、化合物5を形成する工程を包含し、
ここで
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールからなる群より選択され;
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および保護基からなる群より独立して選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Xは、ハロゲンおよび水素からなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄および窒素からなる群より選択される。
本発明のさらに別の局面は、化合物6を調製するためのプロセスを提供する。上記プロセスは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、化合物5aと、N−脱メチル化剤とを、プロトンアクセプターの存在下で接触させて、化合物6を形成する工程を包含し、
ここで:
1aは、{−}OCOR3aであり;
は、メチルであり;
は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および保護基からなる群より選択され;
3aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
本発明の別の局面は、化合物7を調製するためのプロセスを包含する。上記プロセスは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、化合物6aと、プロトン供与体とを接触させて、化合物7を形成する工程を包含し、ここで:
1aは、{−}OCOR3aであり;
2aは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、およびアシルからなる群より選択され;
3aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルであり;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
本発明のさらなる局面は、化合物7aを調製するためのプロセスを提供する。上記プロセスは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、化合物6aと、プロトン供与体、およびO−脱メチル化剤からなる群より選択される薬剤とを接触させて;化合物7aを形成する工程を包含し、
ここで
1aは、{−}OCOR3aであり;
2aは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、およびアシルからなる群より選択され;
3aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルであり;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビルからなる群より選択され、そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
本発明のなお別の局面は、化合物8を調製するためのプロセスを包含する。上記プロセスは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、化合物7と、RXとを接触させて、化合物8を形成する工程を包含し、ここで
は、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
2aは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、およびアシルからなる群より選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Xは、ハロゲンであり;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
本発明の別の局面は、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、化合物8−1を調製するためのプロセスを提供し、ここで:
およびRは、水素およびメチルからなる群より独立して選択され;
1aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールであり;
は、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルであり;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Xは、ハロゲンおよび水素からなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
本発明の他の局面および特徴は、以下に記載される。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
以下の反応スキーム:
Figure 0005587204

に従って化合物8−1を調製するためのプロセスであって、ここで
およびR は、水素およびメチルからなる群より独立して選択され;
1a は、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールであり;
は、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルであり;
、およびR は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH 、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR 、およびR は一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH 、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Xは、ハロゲンおよび水素からなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される、
プロセス。
(項目2)
1a は、アルキル、ビニル、アリール、{−}CH −アリールからなる群より選択され;
は、アルキル、ビニル、アリール、{−}CH −アリールからなる群より選択され;
Xはブロミドであり;そして
Yは酸素である、
項目1に記載のプロセス。
(項目3)
1a は、{−}CH 2− シクロプロピルであり、R は、水素であり、Yは酸素である、項目1〜2のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目4)
1a は、{−}CH CHCH であり、R は水素であり、Yは酸素である、項目1〜2のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目5)
化合物2−1を含む化合物を調製するためのプロセスをさらに包含する、項目1〜4のいずれか1項に記載のプロセスであって、該プロセスは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204

に従って、化合物2−1(a)と、ハロゲンXを接触させて、化合物2−1(b)を形成する工程、および化合物2−1(b)と、プロトンアクセプターとを接触させて、化合物2−1を形成する工程を包含し、ここで
、R 、R 、R 、R およびYは、項目1に定義されるとおりである、
プロセス。
(項目6)
およびR は、水素、アルキル、ビニル、アリール、{−}CH −アリール、アシル、アルコキシカルボニル、トリアルキルシリル(trialkylsily)、酸素保護基、および窒素保護基からなる群より独立して選択され、
、R 、およびR は、各々水素であり;
Yは酸素であり;そして
ここで前記ハロゲン化反応は、有機溶媒の存在下で行われ、化合物2−1(a) 対 ハロゲンのモル比は、約1:2〜約1:10であり、該ハロゲン化反応は、約−40℃〜約20℃の範囲に及ぶ温度で行われ;化合物2−1(b) 対 プロトンアクセプターのモル比は、約1:1〜約1:10であり、前記反応は、非プロトン溶媒の存在下で約80℃〜約140℃の範囲に及ぶ温度で行われる、
項目5に記載のプロセス。
(項目7)
化合物2−1 対(R CO) Oのモル比は、約1:2〜約1:20であり;前記反応は、非プロトン溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、約20℃〜約100℃の範囲に及ぶ温度で行われる、項目1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目8)
化合物3−1 対 酸化剤のモル比は、約1:1〜約1:2であり;該酸化剤は、R CO H、R CO H/H 、およびR CO H/他の酸化体からなる群より選択され、ここでR は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールからなる群より選択され;前記反応は、プロトン溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、約0℃〜約100℃の範囲に及ぶ温度で行われる、項目1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目9)
化合物4−1は、接触水素化によって還元され;化合物4−1 対 還元剤のモル比は、約1:0.0005〜約1:0.005であり;前記反応は、非プロトン溶媒の存在下で行われ;該反応は、約20℃〜約120℃の範囲に及ぶ温度で行われる、項目1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目10)
化合物5−1 対 N−脱メチル化剤 対 プロトンアクセプターのモル比は、約1:2:1〜約1:20:20であり、該N−脱メチル化剤は、ClCO であり、ここでR は、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;前記反応は、非プロトン溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、約50℃〜約120℃の範囲に及ぶ温度で行われる、項目1〜9のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目11)
化合物6−1 対 プロトン供与体のモル比は、約1:2〜約1:20であり;該プロトン供与体は、0より小さいpKaを有し;前記反応は、プロトン溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、約80℃〜約120℃の範囲に及ぶ温度で行われる、項目1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目12)
化合物7−1 対 R 1a Xのモル比は、約1:1〜約1:2であり、前記反応は、有機溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、約20℃〜約120℃の範囲に及ぶ温度で行われる、項目1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目13)
化合物8−1の収率は、約5%〜約45%である、項目1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
(項目14)
式2−1および式8−1を含む化合物の炭素5、13、14、および9それぞれの配置は、RRRS、RRSS、SRRS、SRSS、RSRR、RSSR、SSRR、およびSSSRからなる群より選択される項目1〜13のいずれか1項に記載のプロセス。
(発明の詳細な説明)
本発明は、(+) ナルモルフィナン化合物を生成するためのプロセスおよび中間体化合物を提供する。特に、上記プロセスは、(+) ナルモルフィナン化合物もしくは(+)−モルフィナン基質(例えば、(+)−ヒドロコドン、(+)−ノルヒドロコドンもしくはいずれかの化合物の誘導体)からの(+) ナルモルフィナン化合物の誘導体の生成のための合成経路を包含する。本明細書に記載される合成経路は、(+/−)−ナルモルフィナン化合物を生成するために使用され得ることが想定される一方で、本発明の例示的局面において、上記プロセスは、(+)−ナルモルフィナン化合物もしくは(+)−ナルモルフィナン化合物の誘導体の生成を包含する。
(I)(+)−ナルモルフィナンの調製のためのプロセス
本発明の一局面は、(+)−ナルモルフィナンの調製のためのプロセスを包含する。例示目的で、反応スキーム1は、本発明の一局面に従って化合物2−1(すなわち、(+)−オピオイド誘導体)からの化合物8−1(すなわち、(+)−ナルモルフィナン)の生成を示す:
Figure 0005587204
ここで:
およびRは、水素およびメチルからなる群より独立して選択され;
1aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールからなる群より選択され;
は、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Xは、ハロゲンおよび水素からなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
例示的実施形態において、R1aは、アルキル、ビニル、アリール、{−}CH−アリールからなる群より選択され;Rは水素であり;Rは、アルキル、ビニル、アリール、{−}CH−アリールからなる群より選択され;R、R、およびRは、各々水素であり、Xは、ブロミドであり;そしてYは酸素である。R1aについてのより好ましいヒドロカルビル基のうちのいくつかの中には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、三級ブチル、ペンチル、{−}CH−ビニル、{−}CH−シクロプロピル、{−}CH−シクロブチル、{−}CH−シクロペンチル、{−}CH−シクロヘキシル、{−}CH−フェニル、{−}CH−メチルフェニル、もしくは{−}CH−ベンジルが含まれる。
(a)化合物2−1の調製
化合物2−1は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の合成経路を介して調製され得る。本発明の一反復において、化合物2−1は、化合物1−1から調製され得る。別の反復において、化合物2−1は、化合物2−1(b)から調製され得る。両方のプロセスは、以下に詳細に記載される。
(i)化合物1−1からの調製
一実施形態において、化合物2−1の調製のための基質は、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って示される化合物1−1に対応し、
ここで:R、R、R、R、R、X、およびYは、反応スキーム1において上記で定義されるとおりである。
上記プロセスにおいて、化合物1−1は、アルコールスカベンジャーと接触させられる。上記アルコールは、約1〜約8個の炭素原子を有するアルコールであり得る。例示的実施形態において、上記アルコールスカベンジャーは、メタノールスカベンジャーである。適切なメタノールスカベンジャーとしては、以下が挙げられる:P、POCl、POBr、PCl、PBr、SOCl、SOBr、MeSOCl、(MeSOO、SO、(CFSOO、(CFCO)O、(CRCO)O、およびRSiX(ここでXは、ClもしくはBrであり、Rは、アルキル基である)。
化合物1−1と上記アルコールスカベンジャーとの反応を促進するために、上記反応は、一般に、プロトン供与体の存在下で行われる。上記プロトン供与体は、一般に、約0より小さいPKaを有する。この特徴を有する適切なプロトン供与体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:MeSOH、ポリHPO、HPO、HSO、HCl、HBr、HClO、HI、HNO、CFSOH、トルエンスルホン酸、HClO、HBrO、HIO、およびHIO
化合物1−1 対 プロトン供与体 対 アルコールスカベンジャーのモル比は、代表的には、約1:0.5:2〜約1:2:20である。例示的実施形態において、化合物4 対 アルコールスカベンジャーのモル比は、代表的には、約1:1:2〜約1:2:8である。
上記反応は、一般に、非プロトン溶媒の存在下で行われる。非プロトン溶媒の非限定的な例としては、以下が挙げられる:エーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン (DME)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリジノン(NMP)、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、ギ酸エチル、エチルメチルケトン、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチルウレア、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、トリクロロメタン。化合物1−1 対 非プロトン溶媒の重量比は、約1:3〜約1:50の範囲に及び得る。
化合物2−1の、化合物1−1からの形成のための反応混合物の温度は、代表的には、約20℃〜約120℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約20℃〜約45℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、周囲圧下で、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素もしくはアルゴン)中において、行われる。
(i)化合物2−1(a)からの調製
別の実施形態において、化合物2−1の調製のための基質は、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って示される化合物2−1(a)に対応し、
ここで:R、R、R、R、R、X、およびYは、反応スキーム1において上記で定義されるとおりである。好ましい反復において、上記ハロゲンXは、ブロミドである。
代表的には、上記ハロゲン化反応は、有機溶媒の存在下で行われる。適切な有機溶媒としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アルカンおよび置換されたアルカン溶媒(シクロアルカンが挙げられる)、芳香族炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、これらの組み合わせなど。使用され得る特定の有機溶媒としては、例えば、以下が挙げられる:アセトニトリル、ベンゼン、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルケトン、クロロベンゼン、クロロホルム、クロロメタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、イソブチルメチルケトン、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、メチルテトラヒドロフラン、酢酸ペンチル、酢酸n−プロピル、テトラヒドロフラン、トルエン、これらの組み合わせなど。化合物2−1(a) 対 溶媒の重量比は、本発明の範囲から逸脱することなく変動し得るし、変動する。例えば、上記重量比は、約1:5〜1:20の範囲に及び得る。
化合物2−1(a) 対 ハロゲン(例えば、ブロミド)のモル比は、約1:2〜約1:10の範囲に及び得る。例示的実施形態において、化合物2−1(a) 対 ハロゲンのモル比は、約1:2である。
上記ハロゲン化反応は、代表的には、約−40℃〜約20℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約−35℃〜約10℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、周囲圧下で、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素もしくはアルゴン)中において行われる。
化合物2−1(b)の、化合物2−1への変換を伴う上記反応は、プロトンアクセプターおよび非プロトン溶媒の存在下で行われる。適切な非プロトン溶媒は、上記のとおりである。一般に、上記プロトンアクセプターは、約7〜約13の間、好ましくは、約8〜約10の間のpKaを有する。使用され得る代表的プロトンアクセプターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ホウ酸塩(例えば、NaBO)、二塩基および三塩基のリン酸塩(例えば、NaHPOおよびNaPO)、炭酸水素酸塩(例えば、NaHCO、KHCO、これらの混合物など)、水酸化物塩(例えば、NaOH、KOH、これらの混合物など)、炭酸塩(例えば、NaCO、KCO、これらの混合物など)、有機塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、およびこれらの混合物)、有機緩衝化剤(例えば、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)、2−(4−モルホリニル)エタンスルホン酸(MES)、4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES)、これらの塩および/もしくは混合物など)、ならびにこれらの組み合わせ。化合物2−1(b) 対 プロトンアクセプターのモル比は、約1:1〜約1:10である。例示的反復において、化合物2−1(b) 対 プロトンアクセプターのモル比は、約1:5〜約1:10である。
化合物2−1(b)の、化合物2−1への変換のための温度は、代表的には、約80℃〜約140℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約115℃〜約125℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、周囲圧下で、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素もしくはアルゴン)中において行われる。
工程A:化合物2−1の、化合物3−1への変換
化合物3−1の調製のための基質は、反応スキーム1に示される化合物2−1に対応する。上記で詳述されるように、化合物2−1は、本発明の一局面に従って、種々の合成経路を介して作製され得る。
上記プロセスの工程Aにおいて、化合物2−1は、代表的には、式RCOMを有する弱いプロトンアクセプターの存在下で(RCO)Oと接触させられ、ここでRは、ヒドロカルビルもしくは置換されたヒドロカルビルであり、Mは、Li、Na、およびKからなる群より選択される金属原子である。Rについての例示的なヒドロカルビル基としては、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールが挙げられる。例示的実施形態において、(RCO)Oは、酢酸無水物であり、上記弱いプロトンアクセプターは、酢酸ナトリウムである。
化合物2−1 対 (RCO)Oのモル比は、代表的には、約1:2〜約1:20である。例示的実施形態において、化合物2−1 対 (RCO)Oのモル比は、代表的には、約1:3〜約1:6である。
上記反応は、一般には、非プロトン溶媒の存在下で行われる。適切な非プロトン溶媒は、本明細書に記載されるとおりである。化合物2−1 対 非プロトン溶媒の重量比は、約1:3〜約1:50の範囲に及び得る。
上記プロセスの工程Aについての反応混合物の温度は、代表的には、約50℃〜約110℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約80℃〜約100℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、周囲圧下で、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素もしくはアルゴン)中において行われる。
工程B:化合物3−1の、化合物4−1への変換
化合物4−1の調製のための基質は、反応スキーム1に示される化合物3−1に対応する。
上記プロセスの工程Bにおいて、化合物3−1は、代表的には、酸化剤と接触させられる。例示的実施形態において、上記酸化剤は、RCOH、RCOH/H、およびRCOH/他の酸化体からなる群より選択される薬剤を含み、ここでRは、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールからなる群より選択される。例示的酸化剤としては、CHCOHおよびm−Cl−Ph−COHが挙げられる。
化合物3−1 対 酸化剤のモル比は、代表的には、約1:1〜約1:2である。例示的実施形態において、化合物3−1 対 酸化剤のモル比は、代表的には、約1:1〜約1:1.2である。
上記反応は、一般に、プロトン溶媒の存在下で、代表的には、水と酢酸の組み合わせにおいて行われる。上記溶媒は、代わりに、もしくはさらに、他のプロトン溶媒(例えば、アルコールもしくは他の水混和性溶媒)を含み得;従って、例えば、上記プロトン溶媒は、水、水/アルコール混合物、または水/水混和性溶媒混合物であり得る。水/アルコール混合物についての代表的アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、およびこれらの組み合わせが挙げられる。水/水混和性溶媒混合物についての他の水混和性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、テトラヒドロフラン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
化合物3−1 対 プロトン溶媒の重量比は、約1:1〜約1:20の範囲に及び得る。
上記プロセスの工程Bについての反応混合物の温度は、代表的には、約0℃〜約100℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約10℃〜約45℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、周囲圧下で、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素もしくはアルゴン)中において行われる。
工程C:化合物4−1の、化合物5−1への変換
化合物5−1の調製のための基質は、反応スキーム1に示される化合物4−1に対応する。
上記プロセスの工程Cにおいて、化合物4−1は、触媒によって還元されて、化合物5−1を形成する。水素との触媒的還元法において使用するための代表的還元剤としては、一般に使用される触媒(例えば、白金触媒(例えば、白金黒、コロイド性白金、酸化白金、白金板、白金海綿、白金ワイヤなど)、パラジウム触媒(例えば、パラジウム黒、炭酸バリウム担持パラジウム、硫酸バリウム担持パラジウム、コロイド性パラジウム、炭素担持パラジウム、炭素担持水酸化パラジウム、酸化パラジウム、パラジウムスポンジ(palladium sponge)など)、ニッケル触媒(例えば、酸化ニッケル、ラネーニッケル、還元型ニッケルなど)、コバルト触媒(例えば、ラネーコバルト、還元型コバルトなど)、鉄触媒(例えば、ラネー鉄、還元型鉄、Ullmann鉄など)および他が挙げられる。例示的実施形態において、化合物6は、触媒的還元(例えば、Pd/C触媒転移水素化)を使用して還元される。好ましい触媒としては、Pd/C、Pt/C、Ru/C、およびRh/Cからなる群より選択される遷移金属触媒が挙げられる。
化合物4−1 対 金属触媒のモル比は、代表的には、約1:0.0005〜約1:0.005である。例示的実施形態において、化合物4−1 対 遷移金属触媒のモル比は、代表的には、約1:0.0008〜約1:0.0015である。
上記反応は、一般に、非プロトン溶媒の存在下で行われる。適切な非プロトン溶媒は、本明細書に記載されるとおりである。化合物4−1 対 非プロトン溶媒の重量比は、約1:1〜約1:20の範囲に及び得る。
上記プロセスの工程Cについての反応混合物の温度は、代表的には、約20℃〜約120℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約50℃〜約85℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、加圧水素下で行われる。一般に、上記水素圧は、約0〜約500PSIの間であり、より好ましくは、約20〜約60PSIの間である。
工程D:化合物5−1の、化合物6−1への変換
化合物6−1の調製のための基質は、反応スキーム1に示される化合物5−1に対応する。
上記プロセスの工程Dにおいて、化合物5−1は、代表的には、ヒドロカルビルハロホルメートもしくはN,N−ジヒドロカルビルハロホルムアミドから選択される薬剤で、N−脱メチル化される。少なくとも1種のヒドロカルビルハロホルメートと、ヒドロカルビルハロホルメートとの混合物もしくはN,N−ジヒドロカルビルハロホルムアミドとの混合物もまた、使用され得る。一実施形態において、上記脱メチル化剤は、式L−C(O)OZを有するヒドロカルビルハロホルメートであり、ここでLは、ハロゲンであり、Zは、ヒドロカルビルもしくは置換されたヒドロカルビルである。好ましくは、上記ハロゲン置換基Lは、ブロモ、クロロ、フルオロ、もしくはヨードである。より好ましくは、Lは、クロロもしくはブロモであり、一実施形態において、Lはクロロである。Zは、ヒドロカルビルもしくは置換されたヒドロカルビルから選択され得るものの、一実施形態において、Zは、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アリール、置換されたアリール、アルキルアリール、もしくは置換されたアルキルアリールである。従って、上記脱メチル化剤は、例えば、アルキルハロホルメート、アリールハロホルメート、アラルキルヒドロカルビルハロホルメート、もしくはこれらの混合物であり得る。1つの好ましい実施形態において、Zは、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、もしくは1個以上のハロで置換されたアルキル、シクロアルキル、フェニル、または置換されたフェニルである。さらなる例示に拠れば、Zは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニル、1−クロロエチル、もしくは2−クロロエチルであり得る。代表的には、上記N−脱メチル化剤は、C1−8アルキルクロロホルメート(例えば、C〜Cアルキル)、フェニルクロロホルメート、ベンジルクロロホルメート、およびこれらの組み合わせから選択される。
化合物5−1のN−脱メチル化を促進するために、上記反応は、プロトンアクセプターの存在下で行われる。一般に、上記プロトンアクセプターは、約7〜約13の間、好ましくは、約8〜約10の間のpKaを有する。使用され得る代表的プロトンアクセプターとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ホウ酸塩(例えば、NaBO)、二塩基性もしくは三塩基性のリン酸塩(例えば、NaHPOおよびNaPO)、炭酸水素酸塩(例えば、NaHCO、KHCO、これらの混合物など)、水酸化物塩(例えば、NaOH、KOH、これらの混合物など)、炭酸塩(例えば、NaCO、KCO、これらの混合物など)、有機塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、およびこれらの混合物)、有機緩衝化剤(例えば、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)、2−(4−モルホリニル)エタンスルホン酸(MES)、4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES)、これらの塩および/もしくは混合物など)、ならびにこれらの組み合わせ。上記プロトンアクセプターが有機緩衝化剤である場合、上記有機緩衝化剤は、好ましくは、ヒドロキシ置換された窒素原子を書いている。なぜなら、この置換基は、上記ハロホルメート反応物との反応について競合し得るからである。一実施形態において、上記プロトンアクセプターは、NaHCO、KHCO、KCO、NaOH、KOH、およびこれらの混合物からなる群より選択される。好ましい実施形態において、上記プロトンアクセプターは、NaHCOもしくはKHCOまたはこれらの組み合わせである。
副生成物の形成を最小限にするために、上記脱メチル化剤は、好ましくは、化合物5−1に対して比較的低い濃度で維持される。バッチ反応において、例えば、これは、化合物5−1を含む反応混合物に対して上記脱メチル化剤を徐々に添加することによって達成され得る。上記反応がバッチモードで行われるか、連続モードで行われるか、または半連続モードで行われるかとは無関係に、化合物5−1 対 N−脱メチル化剤 対 プロトンアクセプターのモル比は、約1:2:1〜約1:20:20であることが一般に好ましい。例示的実施形態において、化合物5−1 対 N−脱メチル化剤 対 プロトンアクセプターのモル比は、約1:6:4〜約1:15:10である。
上記脱メチル化反応は、一般に、非プロトン溶媒の存在下で行われる。適切な非プロトン溶媒は、本明細書に記載されるとおりである。化合物5−1 対 非プロトン溶媒の重量比は、約1:1〜約1:20の範囲に及び得る。
上記プロセスの工程Dについての反応混合物の温度は、代表的には、約50℃〜約120℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約50℃〜約80℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、周囲圧下で、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素もしくはアルゴン)中において行われる。
工程E:化合物6−1の、化合物7−1への変換
化合物7−1の調製のための基質は、反応スキーム1に示される化合物6−1に対応する。化合物6−1は、2つの別個の合成経路を介して、7−1に変換され得る。一方の経路において、化合物6−1は、プロトン供与体と合わせられる。あるいは、他方の経路において、6−1は、O−脱メチル化剤と接触させられる。
(i)プロトン供与体
上記プロセスの工程Eについての一実施形態において、化合物6−1は、プロトン供与体と接触させられる。上記プロトン供与体は、一般に、約0より小さいPKaを有する。この特徴を有する適切なプロトン供与体としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:MeSOH、ポリHPO、HPO、HSO、HCl、HBr、HClO、HI、HNO、CFSOH、トルエンスルホン酸、HClO、HBrO、HIO、およびHIO。例示的実施形態において、上記プロトン供与体は、ブロミドを含む。
化合物6−1 対 プロトン供与体のモル比は、代表的には、約1:3〜約1:20である。例示的実施形態において、化合物6−1 対 プロトン供与体のモル比は、代表的には、約1:3〜約1:10である。
上記反応は、一般に、プロトン溶媒の存在下で行われる。水は、適切なプロトン溶媒の一例である。上記溶媒は、代わりに、もしくはさらに、他のプロトン溶媒(例えば、アルコールもしくは他の水混和性溶媒)を含み得;従って、例えば、上記プロトン溶媒は、水、水/アルコール混合物、または水/水混和性溶媒混合物であり得る。上記水/アルコール混合物についての代表的アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、およびこれらの組み合わせが挙げられる。上記水/水混和性溶媒混合物についての他の水混和性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、テトラヒドロフラン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。化合物6−1 対 プロトン溶媒の重量比は、一般に、約1:1〜約1:20の範囲内である。
上記プロセスの工程Eのこの局面において、上記反応混合物の温度は、代表的には、約80℃〜約120℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約90℃〜約105℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、周囲圧下で、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素もしくはアルゴン)中において行われる。
(ii)O−脱メチル化
上記プロセスの工程Eについての別の実施形態において、化合物6−1は、O−脱メチル化剤と接触させられる。適切なO−脱メチル化剤としては、例えば、BBrが挙げられる。
上記O−脱メチル化反応について、化合物6−1 対 O−脱メチル化剤のモル比は、代表的には、約1:2〜約1:6である。例示的実施形態において、化合物6−1 対 O−脱メチル化剤のモル比は、代表的には、約1:2〜約1:4である。
上記反応は、一般に、非プロトン溶媒の存在下で行われる。適切な非プロトン溶媒は、本明細書に記載されるとおりである。一般に、化合物6−1 対 非プロトン溶媒の重量比は、約1:2〜1:30の範囲内である。
上記プロセスの工程Eのこの局面について、上記反応混合物の温度は、代表的には、約−10℃〜約45℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約0℃〜約25℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、周囲圧下で、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素もしくはアルゴン)において行われる。
工程F:化合物7−1の、化合物8−1への変換
化合物8−1の調製のための基質は、反応スキーム1に示される化合物7−1に対応する。
上記プロセスの工程Fにおいて、化合物7−1は、代表的には、R1aXと接触させられ、ここでR1aは、ヒドロカルビルもしくは置換されたヒドロカルビルであり、Xは、ハロゲンである。R1aについての上記より好ましいヒドロカルビル基のいくつかの中に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、三級ブチル、ペンチル、{CH}−シクロプロピル、{CH}−ビニル、{CH}−シクロブチル、{CH}−シクロペンチル、{CH}−シクロヘキシル、{CH}−フェニル、メチルフェニル、もしくは{CH}−ベンジルが含まれる。前述の実施形態のうちの各々について、例示的なXは、ブロミドである。
化合物7−1 対 R1aXのモル比は、代表的には、約1:1〜約1:2である。例示的実施形態において、化合物7−1 対 R1aXのモル比は、代表的には、約1:1〜約1:1.3である。
上記プロセスの工程Fについて、上記溶媒としては、好ましくは、有機溶媒が挙げられる。代表的有機溶媒としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アルカンおよび置換されたアルカン溶媒(シクロアルカンを含む)、芳香族炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、これらの組み合わせなど。使用され得る特定の有機溶媒としては、以下が挙げられる:例えば、アセトニトリル、ベンゼン、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルケトン、クロロベンゼン、クロロホルム、クロロメタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、イソブチルメチルケトン、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、メチルテトラヒドロフラン、酢酸ペンチル、酢酸n−プロピル、テトラヒドロフラン、トルエン、これらの組み合わせなど。
上記有機溶媒に加えて、上記溶媒系は、非プロトン溶媒をさらに含み得る。適切な非プロトン溶媒は、本明細書に記載されるとおりである。化合物7−1 対 溶媒の重量比は、一般に、1:2〜1:10の範囲内である。
上記プロセスの工程Fについての反応混合物の温度は、代表的には、約20℃〜約120℃の範囲内である。より代表的には、上記反応は、約60℃〜約80℃の間の温度で行われる。上記反応は、好ましくは、周囲圧下で、好ましくは、不活性雰囲気(例えば、窒素もしくはアルゴン)中において行われる。
当業者によって認識されるように、上記プロセスによって生成される化合物8−1の収率および純度は、特定の反応物および選択される反応パラメーターに依存して変動し得るし、変動する。反応全体(すなわち、化合物1から化合物8−1まで)に関して、上記収率は、一般に、約5%から約45%より高い範囲に及ぶ。上記純度は、一般に、クロマトグラフィー(例えば、HPLC)によって決定される場合、約90%から約99%より高い範囲に及び、より代表的には、上記純度は、約98%より高い。
工程Fによって形成される生成物である化合物8は、以下の置換基を有し得る:
1aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
は、メチルおよび水素からなる群より選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Yは、酸素、硫黄および窒素からなる群より選択される。
1aについてのより好ましいヒドロカルビル基のいくつかの中に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、三級ブチル、ペンチル、{−}CH−シクロプロピル、{CH}−ビニル、{−}CH−シクロブチル、{−}CH−シクロペンチル、{−}CH−シクロヘキシル、{−}CH−フェニル、{−}CH−メチルフェニル、もしくは{−}CH−ベンジルが含まれる。
化合物8に対応する化合物は、一般に、(+)−ナルモルフィナンであり、それ自体が最終生成物であるか、またはさらなるナルモルフィナン中間体もしくは最終生成物を得る得ための1つ以上の工程においてさらに誘導体化され得る中間体であり得る。非限定的な例示によれば、化合物8に対応する1個以上の化合物は、(+)−ナロキソン、(+)−ナルトレキソン、(+)−3−O−メチル ナルトレキソン、(+)−ノルヒドロコドン、(+)−ノルヒドロモルフォン、(+)−ノルオキシモルフォン、(+)−ノルオキシコドン、(+)−ナルトレキソール、(+)−ナロキソール、(+)−ナルトレキソンメトブロミド、(+)−ナルトレキソールメトブロミド、ならびにこれらの塩、中間体およびアナログからなる群より選択される化合物を生成するプロセスにおいて使用され得る。このような市販されている価値あるナルモルフィナンの調製のための一般的反応スキームは、とりわけ、Riceに対する米国特許第4,368,326号(その全開示は、本明細書に参考として援用される)に開示されている。
化合物8−1の調製のためのプロセスは、偏光の回転に関して、(−)立体化学配置もしくは(+)立体化学配置のいずれかを有する化合物を生成するために使用され得る。より具体的には、各キラル中心は、R配置もしくはS配置を有し得る。議論のしやすさのために、本明細書において言及される上記コアモルフィナン構造の環原子は、以下のように番号付けされる:
Figure 0005587204
上記コアモルフィナン構造において図示されるように、本発明のプロセスにおいて利用される化合物のうちのいずれか(すなわち、化合物1、2、もしくは3)を含む4つのキラル炭素(すなわち、炭素5、13、14、および9)が存在する。従って、化合物1、2、もしくは3の配置は、C5、C13、C14、およびC9に関して、RRRR、RRRS、RRSR、RSSS、SRRR、SRRS、SRSR、SRSS、RSRR、RSRS、RSSR、RSSS、SSRR、SSRS、SSSR、もしくはSSSSであり得るが、ただし上記C15原子およびC16原子はともに、上記分子のα面(alpha face)もしくは上記分子のβ面(beta face)のいずれかの上にある。
本発明はまた、上記の化合物のうちのいずれかの塩を包含する。例示的塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、安息香酸塩、フッ化メチル塩、塩化メチル塩、臭化メチル塩、ヨウ化メチル塩などが挙げられるが、これらに限定されない。
(II)中間体化合物の調製
本発明の別の局面は、(+)−ナルモルフィナンの調製における中間体として使用され得る化合物を生成するための合成経路を包含する。例えば、以下に記載される中間体のうちのいくつかは、反応スキーム1((I)に記載される)、および以下の反応スキーム2(実施例に示される)に図示される(+)−ナルモルフィナンを調製するためのプロセスにおいて使用される。
(a)化合物1の、化合物2への変換
一般に、化合物1および化合物2は、本明細書において記載される反応スキーム1および反応スキーム2の工程Aおよび工程Bにおいて利用される中間体である。これら中間体化合物は、ナルモルフィナンを生成するための他の合成経路において有益に利用され得ることが想定される。簡潔には、上記プロセスにおいて、化合物1は、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、プロトン供与体の存在下でアルコールスカベンジャーと接触させられて、化合物2を形成し得、ここで:
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および保護基からなる群より独立して選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され;
は、水素およびヒドロキシルからなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
適切な反応物および反応条件は、一般に、当該分野で公知であるか、または反応スキーム1の工程Aについて記載されるとおりである。
(b)化合物2の、化合物3への変換
一般に、化合物2および化合物3は、本明細書に記載される反応スキーム1および反応スキーム2の工程Bおよび工程Cにおいて利用される中間体である。中間体化合物が、有益にも、ナルモルフィナンを生成する他の合成経路において使用され得ることもまた、想定される。簡潔には、上記プロセスにおいて、化合物2は、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、RCOMの存在下で(RCO)Oと接触させられて、化合物3を形成し得、ここで:
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールからなる群より選択され;
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および保護基からなる群より独立して選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
は、ヒドロカルビルもしくは置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Mは、Li、Na、およびKからなる群より選択される金属原子であり;
Xは、ハロゲンおよび水素からなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
適切な反応物および反応条件は、一般に、当該分野で公知であるか、または反応スキーム1の工程Bについて記載されるとおりである。
(c)化合物3の、化合物4へ、化合物5への変換
一般に、化合物3、化合物4、および化合物5は、本明細書に記載される反応スキーム1および反応スキーム2の工程C、D、およびEにおいて利用される中間体である。これら中間体化合物は、有益には、ナルモルフィナンを生成する他の合成経路において使用され得ることもまた、想定される。簡潔には、上記プロセスにおいて、化合物3は、酸化剤と接触させられて、化合物4を形成し得る。次いで、化合物4は、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、還元されて、化合物5を形成し得、ここで:
は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールからなる群より選択される;
およびRは、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および保護基からなる群より独立して選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Xは、ハロゲンおよび水素からなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
適切な反応物および反応条件は、一般に、当該分野で公知であるか、または反応スキーム1の工程CおよびDについて記載されるとおりである。
(d)化合物5の、化合物6への変換
一般に、化合物5aおよび化合物6は、本明細書に記載される反応スキーム1および反応スキーム2の工程EおよびFにおいて利用される中間体である。これら中間体化合物は、有益には、ナルモルフィナンを生成する他の合成経路において使用され得ることもまた、想定される。簡潔には、上記プロセスにおいて、化合物5aは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、ロトン受容体の存在下でN−脱メチル化剤と接触させられて、化合物6を形成し得、ここで:
1aは、{−}OCOR3aであり;
は、メチルであり;
は、水素、ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、および保護基からなる群より選択され;
3aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
適切な反応物および反応条件は、一般に、当該分野で公知であるか、または反応スキーム1の工程Eについて記載されるとおりである。
(e)化合物6aの、化合物7への変換
一般に、化合物6aおよび化合物7は、本明細書に記載される反応スキーム1および反応スキーム2の工程FおよびGにおいて利用される中間体である。これら中間体化合物は、有益には、ナルモルフィナンを生成する他の合成経路において使用され得ることもまた、想定される。簡潔には、上記プロセスにおいて、化合物6aは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、プロトン供与体と接触させられて、化合物7を形成し得、ここで:
1aは、{−}OCOR3aであり;
2aは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、およびアシルからなる群より選択され;
3aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルであり;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
適切な反応物および反応条件は、一般に、当該分野で公知であるか、または反応スキーム1の工程Fについて記載されるとおりである。
(f)化合物6aの、化合物7aへの変換
一般に、化合物6aおよび化合物7aは、本明細書に記載される反応スキーム1および反応スキーム2の工程FおよびGにおいて利用される中間体である。これら中間体化合物は、有益には、ナルモルフィナンを生成する他の合成経路において使用され得ることもまた、想定される。簡潔には、上記プロセスにおいて、化合物6aは、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、プロトン供与体およびO−脱メチル化剤から選択される薬剤と接触させられて、化合物7aを形成し得、ここで:
1aは、{−}OCOR3aであり;
2aは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、およびアシルからなる群より選択され;
3aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルであり;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
適切な反応物および反応条件は、一般に、当該分野で公知であるか、または反応スキーム1の工程Fについて記載されるとおりである。
(g)化合物7の、化合物8への変換
一般に、化合物7および化合物8は、本明細書に記載される反応スキーム1および反応スキーム2の工程Gにおいて利用される中間体である。これら中間体化合物は、有益には、ナルモルフィナンを生成する他の合成経路において使用され得ることもまた、想定される。簡潔には、上記プロセスにおいて、化合物7は、以下の反応スキーム:
Figure 0005587204
に従って、RXと接触させられて、化合物8を形成し得:
は、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
2aは、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、およびアシルからなる群より選択され;
、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
Xはハロゲンであり;そして
Yは、酸素、硫黄、および窒素からなる群より選択される。
適切な反応物および反応条件は、一般に、当該分野で公知であるか、または反応スキーム1の工程Gについて記載されるとおりである。
(定義)
用語「アシル」とは、単独で、もしくは別の基の一部として、本明細書において使用される場合、有機カルボン酸(例えば、RC(O)−、ここでRは、R、RO−、RN−、もしくはRS−であり、Rは、ヒドロカルビル、ヘテロ置換されたヒドロカルビル、もしくはヘテロシクロであり、そしてRは、水素、ヒドロカルビルもしくは置換されたヒドロカルビルである)の基COOHからヒドロキシル基を除去することによって形成される部分を示す。
用語「アシルオキシ」とは、単独で、もしくは別の基の一部として、本明細書において使用される場合、酸素結合(O)を介して結合される上記のようなアシル基(例えば、RC(O)O−、ここでRは、用語「アシル」と関連して上記で定義されるとおりである)を示す。
用語「アルコールスカベンジャー」とは、本明細書において使用される場合、アルコールと反応し得、そして同時に酸を放出し得る試薬である。
用語「アルキル」とは、本明細書において使用される場合、好ましくは、主鎖において1〜8個の炭素原子を含む低級アルキルである基、および最大20個までの炭素原子を含む基を記載する。それらは、直鎖であっても、分枝鎖であって、環式であってもよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシルなどが挙げられる。
用語「アルカリール」もしくは「アルキルアリール」とは、本明細書において使用される場合、好ましくは、低級アルキル置換基を有するアリール基(例えば、トルイル、エチルフェニル、もしくはメチルナフチル)である基を記載する。
用語「アルケニル」とは、本明細書において使用される場合、好ましくは、主鎖において2〜8個の炭素原子を含み、最大20個までの炭素原子を含む低級アルケニルである基を記載する。それらは、直鎖であっても、分枝鎖であっても、環式であってもよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニルなどが挙げられる。
用語「アルキニル」とは、本明細書において使用される場合、好ましくは、主鎖において2〜8個の炭素原子を含み、最大20個までの炭素原子を含む低級アルキニルである基を記載する。それらは、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニルなどが挙げられる。
用語「アラルキル」とは、本明細書において使用される場合、好ましくは、1〜8個の炭素原子を含み、アリール置換基(例えば、ベンジル、フェニルエチル、もしくは2−ナフチルメチル)を有する低級アルキルである基を記載する。
用語「芳香族」とは、単独で、もしくは別の基の一部として、本明細書において使用される場合、必要に応じて置換された、同素環式芳香族基もしくは複素環式芳香族基を示す。これら芳香族基は、環部分に6〜14個の原子を含む、好ましくは、単環式、二環式、もしくは三環式の基である。用語「芳香族」とは、本明細書中以下で定義される「アリール」および「ヘテロアリール」を包含する。
用語「アリール」とは、単独で、もしくは別の基の一部として、本明細書において使用される場合、6〜12個の炭素を環部分(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換されたフェニル、置換されたビフェニルもしくは置換されたナフチル)に含む、必要に応じて置換された、同素環式芳香族基、好ましくは、単環式もしくは二環式の基を示す。フェニルおよび置換されたフェニルは、より好ましいアリールである。
用語「ハロゲン」もしくは「ハロ」とは、単独で、もしくは別の基の一部として、本明細書において使用される場合、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素をいう。
用語「ヘテロ原子」とは、炭素および水素以外の原子をいうものとする。
用語「ヘテロシクロ」もしくは「複素環式」とは、単独で、もしくは別の基の一部として、本明細書において使用される場合、少なくとも1個の環中に少なくとも1個のヘテロ原子を、および好ましくは、各環中に5個もしくは6個の原子を有する、必要に応じて置換された、完全に飽和の、もしくは不飽和の、単環式もしくは二環式の、芳香族もしくは非芳香族の基を示す。上記ヘテロシクロ基とは、好ましくは、上記環中に、1個もしくは2個の酸素原子および/または1〜4個の窒素原子を有し、炭素もしくはヘテロ原子を介して、上記分子の残りに結合されている。例示的なヘテロシクロ基としては、以下に記載されるように、ヘテロ芳香族が挙げられる。例示的な置換基は、以下の群のうちの1個以上を含む:ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケンオキシ(alkenoxy)、アルキンオキシ(alkynoxy)、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテル。
用語「ヘテロアリール」とは、単独で、もしくは別の基の一部として、本明細書において使用される場合、少なくとも1個の環中に少なくとも1個のヘテロ原子を、および好ましくは、各環中に5個もしくは6個の原子を有する、必要に応じて置換された芳香族基を示す。上記ヘテロアリール基は、好ましくは、上記環中に、1個もしくは2個の酸素原子および/または1〜4個の窒素原子を有し、炭素を介して上記分子の残りに結合されている。例示的なヘテロアリールとしては、以下が挙げられる:フリル、ベンゾフリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル、カルバゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾピリジルなど。例示的な置換基は、以下の群のうちの1個以上を含む:ヒドロカルビル、置換されたヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケンオキシ、アルキンオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテル。
用語「炭化水素」および「ヒドロカルビル」とは、本明細書において使用される場合、元素である炭素および水素からもっぱらなる、有機化合物もしくはラジカルを記載する。これら部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分を含む。これら部分はまた、他の脂肪族もしくは環式の炭化水素基(例えば、アルカリール、アルケンアリール(alkenaryl)およびアルキンアリール(alkynaryl)で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分を含む。別段示されなければ、これら部分は、好ましくは、1〜20個の炭素原子を含む。
本明細書に記載される上記「置換されたヒドロカルビル」部分は、炭素鎖の原子がヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、硫黄、もしくはハロゲン原子)で置換された部分を含む、炭素以外の少なくとも1個の原子で置換されたヒドロカルビル部分である。これら置換基としては、ハロゲン、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルケンオキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、ニトロ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテルが挙げられる。
本発明の要素もしくはその好ましい実施形態を持ち出す場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「この、その、上記(the)」および「上記(said)」とは、上記要素のうちの1つ以上が存在することを意味することが意図される。用語「含む」、「含む」、および「有する」とは、包括的であり、列挙された要素以外のさらなる要素が存在し得ることが意図される。
種々の変化は、本発明の範囲から逸脱することなく、上記化合物、生成物および方法においてなされ得るので、上記説明および以下の実施例に含まれるすべての事項は、例示であって、限定する意味ではないとして解釈されるものとすることが意図される。
以下の実施例は、本明細書に記載される(+)−ナルモルフィナンを生成するための合成経路の種々の反復を例示する。
(実施例1:(+)−7−メトキシヒドロコドンからの(+)−ナルトレキソンの生成)
反応スキーム2は、本発明の一局面に従って、(+)−7−メトキシヒドロコドンからの(+)−ナルトレキソンの生成を示す:
Figure 0005587204
化合物1−1は、プロトン供与体の存在下でメタノールスカベンジャー(例えば、POCl)と接触させられて、化合物2−1を形成し得る。化合物2−1は、酢酸ナトリウムの存在下で、無水酢酸中で加熱されて、化合物3−1を形成し得る。化合物3−1は、過酢酸で酸化されて、化合物4−1を生成し得る。化合物4−1は、水素化によって還元されて、化合物5−1を生成し得る。化合物5−1は、炭酸水素ナトリウムの存在下でクロロギ酸エチルと接触させられて、化合物6−1を形成し得る。化合物6−1は、メチオニンの存在下で、メタンスルホン酸中で加熱されて、化合物7−1を形成し得る。化合物7−1と、シクロプロピルメチルブロミドとの上記反応は、化合物8−1である(+)−ナルトレキソンを生成する。
実施例2〜13は、(+)−ヒドロコドンからの(+)−ナルトレキソンの生成を詳述する。
(実施例2:(+)−ヒドロコドンからの(+)−1,7−ジブロモヒドロコドンの合成)
1,7−ジブロモヒドロコドンを、以下のスキーム:
Figure 0005587204
に従って、ヒドロコドンから生成した。
(+)−ヒドロコドン(4.0g,12.67mmol)を、窒素ブランケット(blanket of nitrogen)下で250mLの三つ口RBフラスコの中で、クロロホルム(50mL)中に溶解した。この攪拌溶液に、2mLの酢酸中の33% HBr溶液を添加した。上記得られた混合物を撹拌し、−35℃へと冷却したところ、暗緑色の溶液が形成された。この溶液に、1.5時間かけて、滴下漏斗を使用して、20mLのクロロホルム中の1.5mL 臭素の予め混合した溶液をゆっくりと添加した。添加の約半分で、攪拌効率は、固体粒子の増大に起因して低下したが、上記固体は、さらに継続するにつれて溶解した。上記得られた暗赤褐色のスラリーを、−5℃へと加温し、次いで、1時間にわたって0℃へと加温した。次いで、HPLCが、上記反応が完了したことを示すまで、上記反応温度を、0℃〜10℃の間で維持した。次いで、NaS(0.4g)を添加し、その有機相を、分離した。上記溶媒を真空中で除去して、再結晶化前に、約80%純度の粗製生成物を得た。
試行2。粗製(+)−ヒドロコドン(3.3g,約90%)を、クロロホルム(50mL)中に溶解し、HOAc中の33% HBrを5mL、添加した。40mLの酢酸を添加した後、上記反応混合物を、−20℃〜−30℃へと冷却し、その温度で維持した。上記反応フラスコを、窒素でフラッシュし、上記反応を、上記反応全体を通じて、窒素下でdeptした。クロロホルム(20mL)中の臭素(1.25mL,2.1当量)の溶液を、上記反応混合物に30分にわたって添加した。上記反応混合物を、0〜5℃へと加温し、0〜5℃において5時間にわたって攪拌した(上記反応が完了したことは、HPLC分析によって示された)。二亜硫酸ナトリウム(0.33g)を、上記混合物に添加し、これを、10分間にわたって素早く攪拌した(そして、上黄色のすべてが消失した)。水(100mL)を添加し、上記混合物を10分間にわたって素早く攪拌した。上記混合物を、層へと落ち着かせ、上記有機層を、乾燥するまで減圧(pumped down)した。その残渣を、クロロホルム(10mL)中に溶解し、次いで、それを、酢酸エチル(約50mL)で希釈して、不溶性物質を形成した。上記固体のすべてが溶解するまで、さらに多くのクロロホルムを添加した。上記溶液を、約−50℃へと30分間にわたって冷却して、固体を形成させた。それを濾過した後、上記固体を、酢酸エチル/ヘプタン(1:2,2×5mL)で洗浄した。上記固体を、真空中で乾燥させて、3.6gの生成物を、灰白色の固体として得た。上記望ましい生成物のモル濃度終了は、反応溶液中で78〜86%、および単離後は65〜75%であった。上記生成物の純度は、90〜95%(面積%)であった。
(実施例3:(+)−1−ブロモコデイノンの合成)
(+)−1−ブロモコデイノンを、以下のスキーム:
Figure 0005587204
に従って、(+)−1,7−ジブロモヒドロコドンから調製した。
試行1。5mLの乾燥DMF中の1,7−ジブロモヒドロコドン(0.15g,0.28mmol,1当量)、LiBr(48mg,0.56mmol,2当量)、LiCO(114mg,1.53mmol,5.5当量)の混合物を含むフラスコを、窒素下で120℃へと2時間にわたって加熱した。望ましい生成物(約8% 積分面積)を、HPLCおよびLC−MS分析(MW+1=376.1)で同定した。
試行2。5mLの乾燥DMF中の、1,7−ジブロモヒドロコドン(0.15g,0.28mmol,1当量)、LiI(75mg,0.56mmol,2当量)、CsCO(0.5g,1.53mmol,5.5当量)の混合物を含むフラスコを、窒素下で90℃へと30分間にわたって加熱した。望ましい生成物(約8% 積分面積)を、HPLCおよびLC−MS分析(MW+1=376.1)で同定した。
試行3。5mLの乾燥N,N−ジメチルアセトアミド中の、1,7−ジブロモヒドロコドン(100mg,0.19mmol,1当量)、LiBr(90mg,1.03mmol,5.4当量)、LiCO(114mg,1.53mmol,8当量)の混合物を含むフラスコを、窒素下で120℃へと1.5時間にわたって加熱した。望ましい生成物(約32% 積分面積)を、HPLCおよびLC−MS分析(MW+1=376.2)で同定した。
試行4。5mLの乾燥N,N−ジメチルアセトアミド中の、1,7−ジブロモヒドロコドン(100mg,0.19mmol,1当量)、LiBr(90mg,1.03mmol,5.4当量)、LiCO(114mg,1.53mmol,8当量)の混合物を含むフラスコを、窒素下で130℃へと45分間にわたって加熱した。望ましい生成物(20% 積分面積)を、HPLCで同定した。
試行5。5mLの乾燥N,N−ジメチルアセトアミド中の、1,7−ジブロモヒドロコドン(100mg,0.19mmol,1当量)、LiBr(90mg,1.03mmol,5.4当量)、LiCO(114mg,1.53mmol,8当量)の混合物を含むフラスコを、120℃において1時間にわたって、予め加熱したオイルバス中に入れた。望ましい生成物(約40% 積分面積)を、HPLCで同定した。
(実施例4:(+)−1−ブロモコデイノンの代替の合成)
Figure 0005587204
LiCO(0.115g,1.56mmol)およびLiBr(0.090g,1.04mmol)を、室温において、7mL N,N−ジメチルアセトアミドに添加した。上記スラリーを、120℃へと加熱した。3mL N,N−ジメチルアセトアミド中の(+)−1,7−ジブロモヒドロコドンの室温の溶液を添加した。上記得られたスラリーを、120℃において1時間にわたって加熱した。液体クロマトグラフィーによって上記反応の分析は、(+)−1−ブロモコデイノンの25.6面積%を示した。
(実施例5:(+)−アシルテバインの合成)
Figure 0005587204
試行1。5mLの乾燥N,N−ジメチルアセトアミド中の1,7−ジブロモヒドロコドン(100mg,0.19mmol,1当量)、LiBr(90mg,1.03mmol,5.4当量)、LiCO(114mg,1.53mmol,8当量)の混合物を含むフラスコを、120℃へと1.5時間にわたって窒素下で加熱した。次いで、上記反応系を、アイスバス中で10分間にわたって冷却し、上記反応系に、200mgの粉末化炭酸カリウムおよび300μLの無水酢酸を添加した。次いで、上記反応を、110℃へと1時間にわたって徐々に加熱した。室温へと冷却した後、上記反応系に、50mL ジクロロメタンを添加し、上記得られた混合物を、水で洗浄した(3×25mL)。その揮発性物質を、減圧蒸留によって除去して、HPLC分析に基づいて、約40% の望ましい生成物を含む褐色の残渣を得た。
試行2。100mLの乾燥N,N−ジメチルアセトアミド中の1,7−ジブロモヒドロコドン(2.0g,3.8mmol,1当量)、LiBr(1.8g,21mmol,5.4当量)、LiCO(2.3g,31mmol,8当量)の混合物を含むフラスコを、120〜125℃において2時間にわたって、予め加熱したオイルバス中に入れた。次いで、上記反応を、アイスバス中で10分間にわたって冷却し、4gの粉末化炭酸カリウムおよび6mLの無水酢酸を、上記反応混合物に添加した。次いで、上記反応を、110℃へと1時間にわたって徐々に加熱した。室温へと冷却した後、上記反応系に、300mL ジクロロメタンを添加した。上記得られた混合物を水で洗浄した(3×100mL)。その揮発性物質を減圧蒸留で除去して、HPLC分析に基づいて約50%の望ましい生成物を含む褐色残渣を得た;LC−MS: MW+1=418.3。
試行3。250mLの乾燥N,N−ジメチルアセトアミド中の1,7−ジブロモヒドロコドン(5.0g,9.3mmol,1当量)、LiBr(4.5g,52.5mmol,5.6当量)、LiCO(5.75g,77.7mmol,8.4当量)の混合物を含むフラスコを、120〜125℃において2時間にわたって予め加熱したオイルバス中に入れた。次いで、上記反応系を、アイスバス中において10分間にわたって冷却し、4gの粉末化炭酸カリウムおよび6mLの無水酢酸を上記反応系に添加した。次いで、上記反応を、110℃へと1時間にわたって徐々に加熱した。室温へと冷却した後、500mL ジクロロメタンを、上記反応系に添加した。上記得られた混合物を、水で洗浄した(3×200mL)。その揮発性物質を、減圧蒸留で除去して、HPLC分析に基づいて約40%の望ましい生成物を含む褐色残渣を得た。LC−MS: MW+1=418.3。
(実施例6:(+)−オキシコドンの合成)
試行1。(+)−アシルテバイン(40mg)を、室温(rt)において酢酸(0.5mL)および水(0.5mL)中に溶解した。上記反応フラスコを窒素でフラッシュした。過酢酸(44μL)を添加した。上記反応系を室温において60分間にわたって攪拌して、(+)−14−ヒドロキシコデイノンおよび(+)−14−ヒドロキシコデイノン−OAcの混合物を形成した。次いで、上記混合物を、室温において30分間にわたって攪拌しながら5% Pd/C(2mg)で処理した。さらに5% Pd/C(2mg)を添加した。上記混合物を、水素下(60psi)で、60℃において3時間にわたって攪拌した。水素を、窒素によって置換し、上記反応混合物を濾過した。上記固体を水で洗浄した(2×2mL)。上記溶液は、主に、(わずかな(+)−オキシコドン−OAcとともに)(+)−オキシコドンを含んでいた。
試行2。アシルテバイン(40mg)を、室温において酢酸(1.0mL)中に溶解した。上記反応混合物を窒素でフラッシュした。過酢酸(44μL)を添加した。上記混合物を、室温において60分間にわたって攪拌して、(+)−14−ヒドロキシコデイノン−OAcを主に含む生成物の混合物を形成した。次いで、上記混合物を、室温において30分間にわたって攪拌しながら、5% Pd/C(2mg)で処理した。さらに5% Pd/C(2mg)を添加した。上記混合物を、水素下(60psi)で、60℃において3時間にわたって攪拌した。水素を、窒素によって置換し、上記反応混合物を濾過した。上記固体を水で洗浄した(2×2mL)。上記溶液は、主に、(+)−オキシコドン−OAcを含んでいた。(+)−オキシコドン−OAcを、c−HCl(1mL)を上記溶液に添加することによって、(+)−オキシコドンに変換した。上記溶液を、90℃において1時間にわたって加熱して、(+)−オキシコドンの溶液を得、上記生成物の面積%は、60〜80%であった。
試行3。約0.23molの(+)−14−ヒドロキシコデイノンの溶液に、Pd/C(5%,1.8g)を添加した。その反応器を、窒素で4回パージし、次いで、水素で4回パージした。上記反応系を、室温において水素圧(40PSI)下で10分間にわたって攪拌した。上記反応系を、水素圧(40PSI)下で6時間にわたって50℃へと加熱し、次いで、室温へと冷却した。上記反応器を窒素で4回パージし、サンプルを、HPLC分析のために取り出した。上記反応混合物を、50℃へと加熱し、濾過した。上記固体を水(73mL)で洗浄した。その濾液を、30〜40℃へと冷却し、窒素でフラッシュした。その合わせた水層を、IPA(その容積の20%)で希釈し、上記溶液のpHを、7〜7.5に調節し、30〜40℃において30分間にわたって攪拌して、沈殿物を形成した。pH=10になるまでさらにc−NHOHを添加し、それを、30〜40℃において30分間にわたって加熱した。0〜5℃へと2時間にわたって冷却し、それを濾過した。得られた固体を水で洗浄した(3×23mL)。上記湿ったケーキを on 27) フラスコに充填した。水を充填した(4×73mL)。上記pHを4.5〜5.5へとHOAcもしくはc−NHOHで調節した。活性炭(3.6g)および濾過補助物質(filter aid)(3.6g)を充填した。60℃へと30分間にわたって加熱した。上記混合物を濾過した。上記ケーキを水(73mL)で洗浄した。上記pHを、60℃に維持ながら、c−NHOHで、結晶が現れる(pH=7〜8)まで調節した。30分間攪拌した。上記pHを、c−NHOHで、pH=10.4〜11.8になるまで調節した。0〜5℃へと1時間にわたって冷却した。上記混合物を濾過した。上記固体を水で洗浄した(3×36mL)。上記湿った固体を真空中で65℃において18時間乾燥させて、87%収率(アッセイ 98.61% %wt/wt)において60.2gの(+)−オキシコドンを白色固体として得た。
(実施例7:(+)−オキシコドンからの(+)−N−EtOCO−ノルオキシコドンの合成)
(+)−オキシコドン(31.5g)を、クロロホルム(63mL)中に溶解した。NaHCO(67g)を添加した。EtOCOCl(57.2mL)を添加した。上記混合物を、50℃へと1時間にわたって加熱し、次いで、60℃において(わずかに還流しながら)9時間にわたって加熱した。上記混合物を室温へと冷却した。水(300mL)を添加し、30分間にわたって攪拌した。その水層を、クロロホルム(60mL)で抽出した。その合わせた有機層を、水(2×300mL、HClでpHを2〜3へと調節)で洗浄し、次いで、水(300mL)で洗浄した。それを、粘稠性の物質になるまで減圧し、その物質を、酢酸エチル(50mL)中に溶解し、乾燥するまで2回再度減圧した。それによって、生成物(+)−N−EtOCO−ノルオキシコドンを橙色固体(42.1g)として得た。
(実施例8:(+)−ノルオキシコドンの合成)
(+)−N−EtOCO−ノルオキシコドン(実施例7から)を、80℃においてEtCOH(47.3mL)中に溶解し、三つ口フラスコ(250mL)に移した。水(47.3mL)およびMeSOH(47.3mL)を、窒素下で添加した。それを、105℃へと12時間にわたって加熱した。それを、室温へと一晩冷却して、結晶を得た。上記溶媒のうちの約31mLを、60℃において真空減圧によって除去した。それを、室温へと冷却した。IPA(94.6mL)を添加した。それを、0〜5℃へと2時間にわたって冷却し、濾過した。上記得られた固体を、IPAで洗浄して(2×10mL)、上記生成物を60%収率において得た。
(実施例9:(+)−ノルヒドロコドン.HBrを形成するための(+)−ノルヒドロコドンの精製)
(+)−ノルヒドロコドン(4.0g,粗製)を、水(20mL)に添加した。それを、60〜70℃において0.5時間にわたって加熱した。46% HBrを、pH=4〜5になるまで添加した。それを、0.5時間にわたって加熱して、溶液を得た。それを、30〜40℃へと冷却した。5mLの46% HBrを添加した。それを、30〜40℃において0.5時間にわたって攪拌し、室温へと1時間にわたって冷却した。それを濾過した。上記湿った固体を、60℃において18時間にわたって真空中で乾燥させて、2.85gの固体を得た。
(実施例10:(+)−ノルヒドロコドンの、(+)−ノルヒドロモルフォンへの変換)
(+)−ノルヒドロコドン(4.0g,粗製)を、46% HBr(20mL)に溶解した。それを、95℃において4時間にわたって加熱した。それを、室温へと冷却し、水(30mL)で希釈し、c−NHOHで、pH=8になるまで処理した。それを、クロロホルム(30mL)で抽出した。その有機層を、乾燥するまで減圧して、固体を得た。それは、(+)−ノルヒドロモルフォンを含んでいた。
(実施例11:(+)−ノルヒドロコドン.HBrの、(+)−ノルヒドロモルフォンへの変換)
ノルヒドロコドン(1.0g)を、ジクロロメタン/クロロベンゼン(15mL/15mL)中に懸濁した。それを、0℃へと冷却した。BBr(1.5mL)を添加した。それを、0℃において1時間にわたって攪拌した。それを室温へと加温して、4N NaOHを、pH=14になるまで添加した。それを、15分にわたって攪拌して、2層にした。その水層を分離し、そのpHを、HOAcで8〜10に調節して、固体を形成した。それを濾過した。上記固体を水で洗浄した(2×1mL)。それが生成物(+)−ノルヒドロモルフォンであることを確認した。
(実施例12:(+)−オキシモルフォンからの(+)−ナルトレキソンの合成)
フラスコに、以下の物質を添加した:(+)−ノルオキシモルフォン(1.0g)、DMF(5.2g)、NaHCO(0.64g)およびシクロプロピルブロミド(0.611g)。上記反応混合物を窒素でフラッシュし、85℃(81〜90℃)へと3時間にわたって加熱した。それを、室温へと冷却した。HPLCで、上記反応の完了についてサンプルをチェックした[(+)−ノルオキシモルフォン 対 (+)−ナルトレキソンは、<50:1であった]。それを、室温へと冷却し、次いで、水(14.9g)を、上記反応温度を<40℃に維持しながら添加した。それを、室温において30分間にわたって攪拌し、0〜5℃へと3時間にわたって冷却した。それを濾過した。上記固体を、冷水で洗浄した(0〜5℃,2×0.5mL)。その湿ったケーキは、1.8gであり、生成物(+)−ナルトレキソンは、>90%純度であった(HPLC分析によって面積/面積)。
(実施例13:(+)−ナルトレキソンの精製)
(+)−ナルトレキソン(実施例12から)を、ジクロロメタン(30mL)に溶解した。それを、0.5N NaOHで抽出した(2×10mL)。その水層を、ジクロロメタン(10mL)で洗浄した。上記水層のpHを、10に調節して、固体を形成した。それを濾過した。上記固体を水で洗浄した(2×2mL)。上記固体を、65℃において18時間にわたって真空中で乾燥させて、0.6gの固体(+)−ナルトレキソン(>97%純度)を得た。

Claims (12)

  1. 以下の反応スキーム:
    Figure 0005587204
    に従って化合物8−1を調製するためのプロセスであって、ここで
    は、メチルであり
    は、水素およびメチルからなる群より択され;
    1aは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
    は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールからなる群より選択され
    は、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され
    、およびRは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、SH、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より独立して選択され、ここでR、およびRは一緒になって、=O、および=Sからなる群より選択される基を形成してもよく;
    は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、NH、CN、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;
    Xは、ハロゲンおよび水素からなる群より選択され;
    X’は、ハロゲンであり;
    Yは、酸素、硫黄、および>NHからなる群より選択され;そして
    ヒドロカルビルは、C〜C20を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリールからなる群より選択され、置換されたヒドロカルビルは、窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、硫黄、もしくはハロゲン原子で置換されている、
    プロセス。
  2. 1aは、アルキル、ビニル、アリール、{−}CH−アリールからなる群より選択され;
    は、アルキル、ビニル、アリール、{−}CH−アリールからなる群より選択され;
    Xはブロミドであり;そして
    Yは酸素である、
    請求項1に記載のプロセス。
  3. 1aは、{−}CH2−シクロプロピルであり、Rは、水素であり、Yは酸素である、請求項1〜2のいずれか1項に記載のプロセス。
  4. 1aは、{−}CHCHCHであり、Rは水素であり、Yは酸素である、請求項1〜2のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. 化合物2−1を含む化合物を調製するためのプロセスをさらに包含する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロセスであって、該プロセスは、以下の反応スキーム:
    Figure 0005587204
    に従って、化合物2−1(a)と、ハロゲンXを接触させて、化合物2−1(b)を形成する工程、および化合物2−1(b)と、プロトンアクセプターとを接触させて、化合物2−1を形成する工程を包含し、ここで
    、R、R、R、RおよびYは、請求項1に定義されるとおりである、
    プロセス。
  6. 、R、およびRは、各々水素であり;
    Yは酸素であり;そして
    ここで前記ハロゲン化反応は、有機溶媒の存在下で行われ、化合物2−1(a) 対 ハロゲンのモル比は、1:2〜1:10であり、該ハロゲン化反応は、−40℃〜20℃の範囲に及ぶ温度で行われ;化合物2−1(b) 対 プロトンアクセプターのモル比は、1:1〜1:10であり、前記反応は、非プロトン溶媒の存在下で80℃〜140℃の範囲に及ぶ温度で行われる、
    請求項5に記載のプロセス。
  7. 化合物2−1 対(RCO)Oのモル比は、1:2〜1:20であり;前記反応は、非プロトン溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、20℃〜100℃の範囲に及ぶ温度で行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロセス。
  8. 化合物3−1 対 酸化剤のモル比は、1:1〜1:2であり;該酸化剤は、RCOH、RCOH/H、およびRCOH/他の酸化体からなる群より選択され、ここでRは、アルキル、置換されたアルキル、アリール、および置換されたアリールからなる群より選択され;前記反応は、プロトン溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、0℃〜100℃の範囲に及ぶ温度で行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 化合物4−1は、接触水素化によって還元され;化合物4−1 対 還元剤のモル比は、1:0.0005〜1:0.005であり;前記反応は、非プロトン溶媒の存在下で行われ;該反応は、20℃〜120℃の範囲に及ぶ温度で行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載のプロセス。
  10. 化合物5−1 対 N−脱メチル化剤のモル比は、1:2〜1:20であり、化合物5−1 対 プロトンアクセプターのモル比は、1:1〜1:20であり、N−脱メチル化剤
    対 プロトンアクセプターのモル比は、2:1〜1:1であり、該N−脱メチル化剤は、ClCOであり、ここでRは、ヒドロカルビル、および置換されたヒドロカルビルからなる群より選択され;前記反応は、非プロトン溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、50℃〜120℃の範囲に及ぶ温度で行われる、請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 化合物6−1 対 プロトン供与体のモル比は、1:2〜1:20であり;該プロトン供与体は、0より小さいpKaを有し;前記反応は、プロトン溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、80℃〜120℃の範囲に及ぶ温度で行われる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 化合物7−1 対 1a X’のモル比は、1:1〜1:2であり、前記反応は、有機溶媒の存在下で行われ;そして該反応は、20℃〜120℃の範囲に及ぶ温度で行われる、請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
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