JP2015193658A - 6−ケトモルフィナンのn−脱メチル化 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケトン官能基を含むN−メチルモルフィナンの脱メチル化のための方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、ケトン官能基を含むN−メチルモルフィナンの脱メチル化のための方法を提供する。特に、本発明は、N−メチルモルフィナンの脱メチル化中に不純物が発生しないような、ケトン官能基の保護のための手法を提供する。本発明の一態様は、6−ケトン基を含むN−メチルモルフィナンを脱メチル化するための方法を包括する。該方法は、炭素6に、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールまたはエノールエーテル基を形成することによって該6−ケトン基を保護するステップと、次いで、ハロギ酸ヒドロカルビルとの接触によってN−メチル基を除去して、6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを形成するステップとを含む。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、ケトン官能基を含むN−メチルモルフィナンの脱メチル化のための方法を提供する。特に、本発明は、N−メチルモルフィナンの脱メチル化中に不純物が発生しないような、ケトン官能基の保護のための手法を提供する。本発明の一態様は、6−ケトン基を含むN−メチルモルフィナンを脱メチル化するための方法を包括する。該方法は、炭素6に、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールまたはエノールエーテル基を形成することによって該6−ケトン基を保護するステップと、次いで、ハロギ酸ヒドロカルビルとの接触によってN−メチル基を除去して、6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを形成するステップとを含む。
【選択図】なし
Description
(関連出願への相互参照)
本出願は、2010年8月4日に出願された米国仮出願第61/370,653号の利益を主張し、上記米国仮出願第61/370,653号は、その全容が本明細書に援用される。
本出願は、2010年8月4日に出願された米国仮出願第61/370,653号の利益を主張し、上記米国仮出願第61/370,653号は、その全容が本明細書に援用される。
(発明の分野)
本発明は、概して、ケトン官能基を含むモルフィナンのN−脱メチル化に関する。
本発明は、概して、ケトン官能基を含むモルフィナンのN−脱メチル化に関する。
(発明の背景)
オピエート誘導体のN−脱メチル化は、ナルトレキソンおよびナロキソンを包含する「Nal」生成物の調製において必要な化学的ステップである。「Nal」化合物はいずれもノルオピエート(NH基を含有したオピエート)から調製され、天然オピエート、またはN−脱メチル化されたその誘導体から誘導される。したがって、NH官能基を経由するN−メチル官能基からN−アルキル官能基への変換は、オピエートの生成において重要な形質転換プロセスである。
オピエート誘導体のN−脱メチル化は、ナルトレキソンおよびナロキソンを包含する「Nal」生成物の調製において必要な化学的ステップである。「Nal」化合物はいずれもノルオピエート(NH基を含有したオピエート)から調製され、天然オピエート、またはN−脱メチル化されたその誘導体から誘導される。したがって、NH官能基を経由するN−メチル官能基からN−アルキル官能基への変換は、オピエートの生成において重要な形質転換プロセスである。
ケトン基を含有するオピエートのN−脱メチル化のための現在の方法の1つは、オピエートをアルキルオキシ−またはアリールオキシ−カルボニルオピエートに変換し、続いてその加水分解によってノルオピエートを形成することである。例えば、オキシコドンはエトキシカルボニル−ノルオキシコドンに変換され、その後の強酸または強塩基のいずれかによるエトキシカルボニル−ノルオキシコドンの加水分解により、ノルオキシコドンを形成する。しかしながら、形質転換は、所望生成物から除去することが極めて困難なアルドール二量体不純物の形成を伴う。故に、アルドール二量体不純物の形成が最小化または解消されるような、ケトン基を含むオピエートのN−脱メチル化のための改良された方法が必要である。
(発明の概要)
本発明は、アルドール二量体不純物が実質的に形成されないような、6−ケトモルフィナンを脱メチル化するための方法を提供する。
本発明は、アルドール二量体不純物が実質的に形成されないような、6−ケトモルフィナンを脱メチル化するための方法を提供する。
したがって、手短に述べると、本発明の一態様は、6−ケトン基を含むN−メチルモルフィナンを脱メチル化するための方法を包括する。該方法は、炭素6に、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールまたはエノールエーテル基を形成することによって該6−ケトン基を保護するステップと、次いで、ハロギ酸ヒドロカルビルとの接触によってN−メチル基を除去して、6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを形成するステップとを含む。
本発明の別の態様は、式(I)を含む化合物から式(III)を含む化合物を調製するための方法を提供する。該方法は、下記の反応スキーム:
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R8およびZは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
Lはハロゲンであり、かつ
Yは、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールおよびエノールエーテルから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す]
に従って、(a)式(I)を含む化合物を、ケトン保護基を形成する作用物質と接触させて、式(II)を含む化合物を形成するステップと、(b)式(II)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体と接触させて、式(III)を含む化合物を形成するステップとを含む。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
6−ケトン基を含むN−メチルモルフィナンを脱メチル化するための方法であって、
炭素6に、アルケンアセタール基、ジアルキルアセタール基またはエノールエーテル基を形成することによって該6−ケトン基を保護するステップと、
ハロギ酸ヒドロカルビルとの反応によってN−メチル基を除去して、6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを形成するステップと
を含む、方法。
(項目2)
前記6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを加水分解して、6−ケトンが保護されたノルモルフィナンを形成する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記6−ケトンが保護されたノルモルフィナンを加水分解して、6−ケトンノルモルフィナンを形成する、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンが式(III)を含む化合物である項目1に記載の方法であって、
a)式(I)を含む化合物を、ケトン保護基を形成する作用物質と接触させて、式(II)を含む化合物を形成するステップと、
b)該式(II)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体と接触させて、該式(III)を含む化合物を形成するステップと
をさらに含み;
式中、
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R8およびZは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
Lはハロゲンであり、かつ
Yは、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールおよびエノールエーテルから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す、
方法。
(項目5)
R1、R2およびR14が、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アルコキシカルボニルおよびアロキシカルボニルから独立に選択され、
R3が、水素、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アシル、アルコキシカルボニル、アロキシカルボニル、アセタール、エーテル、シリルエーテルおよびアルキルスルホニルから選択され、かつ
Zが、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アラルキル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキルアリール、置換アラルキルおよび置換アリールから選択される、
項目4に記載の方法。
(項目6)
前記式(II)を含む化合物が、
(a)前記式(I)を含む化合物をアルケンジオールおよびプロトン供与体と接触させることによって形成される、式(IIa)を含むアルケンアセタールであって、該式(IIa)を含むアルケンアセタールは以下:
であり、式中、
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、かつ
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択される、
式(IIa)を含むアルケンアセタール、
(b)前記式(I)を含む化合物を少なくとも1つのアルコールおよびプロトン供与体と接触させることによって形成される、式(IIb)を含むジアルキルアセタールであって、該式(IIb)を含むジアルキルアセタールは以下:
であり、式中、
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、かつ
R5、R6およびR8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択される、
式(IIb)を含むジアルキルアセタール、および
(c)a)前記式(I)を含む化合物をアルコールおよびプロトン供与体と接触させ、続いて該アルコールを蒸留することによって、またはb)前記式(I)を含む化合物をプロトン受容体および硫酸ジアルキルと接触させることによってのいずれかで形成される、式(IIc)を含むエノールエーテルであって、該式(IIc)を含むエノールエーテルは以下:
であり、式中、
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、かつ
R7およびR8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択される、
式(IIc)を含むエノールエーテル
から選択される、項目4または5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
ステップ(a)の反応が、非プロトン性溶媒、非極性溶媒またはそれらの組合せの存在下で行われ;該溶媒対前記式(I)を含む化合物の重量比が約0.5:1から約20:1までであり;ステップ(a)の反応が、約0℃から約60℃までの温度で行われ;前記N−脱メチル化剤が、ハロギ酸アルキル、ハロギ酸アルコキシアルキル、ハロギ酸フェニル、ハロギ酸ベンジル、ハロギ酸ビニルおよびハロギ酸2−クロロアルキルから選択され;前記プロトン受容体が、約7より大きいpKaを有し;前記式(II)を含む化合物対LC(O)OZ対該プロトン受容体のモル比が約1:1:1から約1:3:6までであり;ステップ(b)の反応が、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、トルエンおよびそれらの組合せから選択される溶媒の存在下で行われ;該溶媒対該式(II)を含む化合物の重量比が約0.5:1から約20:1までであり;かつ、ステップ(b)の反応が、約0℃から約120℃までの温度で行われる、項目4から6のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記式(III)を含む化合物を、アミド、アルコキシド、水素化物から選択される求核試薬と接触させて、式(IV):
を含む化合物を形成するステップをさらに含み、式中、
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R8は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、かつ
Yは、環状アルケンアセタール、ジアルケノールアセタールおよびエノールエーテルから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す、
項目4から7のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記式(IV)を含む化合物をプロトン供与体と接触させて、式(V):
を含む化合物を形成するステップをさらに含み、式中、
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、かつ
R8は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである、
項目8に記載の方法。
(項目10)
前記プロトン供与体が約−2未満のpKaを有し;かつ、前記式(IV)を含む化合物対該プロトン供与体のモル比が約1:2から約1:10である、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記アルケンジオールがエチレングリコールであり;前記プロトン供与体がメタンスルホン酸であり;前記式(I)を含む化合物対エチレングリコール対メタンスルホン酸のモル比が約1:4〜30:3であり;かつ、ステップ(a)の反応が約40℃未満の温度で行われる、項目6に記載の方法。
(項目12)
前記プロトン受容体が水素化ナトリウムであり;前記硫酸ジアルキルが硫酸ジメチルであり;前記式(I)を含む化合物対該プロトン受容体対該硫酸ジアルキルのモル比が約1:1.5:1.4であり;かつ、ステップ(a)の反応が約40℃未満の温度で行われる、項目6に記載の方法。
(項目13)
前記N−脱メチル化剤がクロロギ酸エチルまたはクロロギ酸フェニルであり;前記プロトン受容体が炭酸塩または重炭酸塩であり;前記式(II)を含む化合物対該脱メチル化剤対該プロトン受容体のモル比が約1:1.2:2〜3であり;ステップ(b)の反応が、約40℃から約80℃までの温度で行われ;該式(III)を含む化合物が約0.05重量%未満のアルドール二量体不純物を含み;前記式(I)を含む化合物、該式(II)を含む化合物または該式(III)を含む化合物の光学活性が、(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体およびそれらの組合せから選択され;かつ、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSRおよびSSSSからそれぞれ選択され、但し、C−15およびC−16の両方が、分子のアルファ面またはベータ面のいずれかの上にある、項目11または12に記載の方法。
(項目14)
前記式(I)を含む化合物、前記式(II)を含む化合物または前記式(III)を含む化合物の光学活性が、(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体およびそれらの組合せから選択され;かつ、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSRおよびSSSSからそれぞれ選択され、但し、C−15およびC−16の両方が、分子のアルファ面またはベータ面のいずれかの上にある、項目4から13のいずれかに記載の方法。
(項目15)
前記6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンが、約0.05重量%未満のアルドール二量体不純物を含む、項目1から14のいずれかに記載の方法。
本発明の他の特色および反復を、以下でさらに詳細に記述する。
(項目1)
6−ケトン基を含むN−メチルモルフィナンを脱メチル化するための方法であって、
炭素6に、アルケンアセタール基、ジアルキルアセタール基またはエノールエーテル基を形成することによって該6−ケトン基を保護するステップと、
ハロギ酸ヒドロカルビルとの反応によってN−メチル基を除去して、6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを形成するステップと
を含む、方法。
(項目2)
前記6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを加水分解して、6−ケトンが保護されたノルモルフィナンを形成する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記6−ケトンが保護されたノルモルフィナンを加水分解して、6−ケトンノルモルフィナンを形成する、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンが式(III)を含む化合物である項目1に記載の方法であって、
a)式(I)を含む化合物を、ケトン保護基を形成する作用物質と接触させて、式(II)を含む化合物を形成するステップと、
b)該式(II)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体と接触させて、該式(III)を含む化合物を形成するステップと
をさらに含み;
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R8およびZは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
Lはハロゲンであり、かつ
Yは、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールおよびエノールエーテルから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す、
方法。
(項目5)
R1、R2およびR14が、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アルコキシカルボニルおよびアロキシカルボニルから独立に選択され、
R3が、水素、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アシル、アルコキシカルボニル、アロキシカルボニル、アセタール、エーテル、シリルエーテルおよびアルキルスルホニルから選択され、かつ
Zが、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アラルキル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキルアリール、置換アラルキルおよび置換アリールから選択される、
項目4に記載の方法。
(項目6)
前記式(II)を含む化合物が、
(a)前記式(I)を含む化合物をアルケンジオールおよびプロトン供与体と接触させることによって形成される、式(IIa)を含むアルケンアセタールであって、該式(IIa)を含むアルケンアセタールは以下:
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、かつ
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択される、
式(IIa)を含むアルケンアセタール、
(b)前記式(I)を含む化合物を少なくとも1つのアルコールおよびプロトン供与体と接触させることによって形成される、式(IIb)を含むジアルキルアセタールであって、該式(IIb)を含むジアルキルアセタールは以下:
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、かつ
R5、R6およびR8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択される、
式(IIb)を含むジアルキルアセタール、および
(c)a)前記式(I)を含む化合物をアルコールおよびプロトン供与体と接触させ、続いて該アルコールを蒸留することによって、またはb)前記式(I)を含む化合物をプロトン受容体および硫酸ジアルキルと接触させることによってのいずれかで形成される、式(IIc)を含むエノールエーテルであって、該式(IIc)を含むエノールエーテルは以下:
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、かつ
R7およびR8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択される、
式(IIc)を含むエノールエーテル
から選択される、項目4または5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
ステップ(a)の反応が、非プロトン性溶媒、非極性溶媒またはそれらの組合せの存在下で行われ;該溶媒対前記式(I)を含む化合物の重量比が約0.5:1から約20:1までであり;ステップ(a)の反応が、約0℃から約60℃までの温度で行われ;前記N−脱メチル化剤が、ハロギ酸アルキル、ハロギ酸アルコキシアルキル、ハロギ酸フェニル、ハロギ酸ベンジル、ハロギ酸ビニルおよびハロギ酸2−クロロアルキルから選択され;前記プロトン受容体が、約7より大きいpKaを有し;前記式(II)を含む化合物対LC(O)OZ対該プロトン受容体のモル比が約1:1:1から約1:3:6までであり;ステップ(b)の反応が、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、トルエンおよびそれらの組合せから選択される溶媒の存在下で行われ;該溶媒対該式(II)を含む化合物の重量比が約0.5:1から約20:1までであり;かつ、ステップ(b)の反応が、約0℃から約120℃までの温度で行われる、項目4から6のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記式(III)を含む化合物を、アミド、アルコキシド、水素化物から選択される求核試薬と接触させて、式(IV):
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R8は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、かつ
Yは、環状アルケンアセタール、ジアルケノールアセタールおよびエノールエーテルから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す、
項目4から7のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記式(IV)を含む化合物をプロトン供与体と接触させて、式(V):
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、かつ
R8は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである、
項目8に記載の方法。
(項目10)
前記プロトン供与体が約−2未満のpKaを有し;かつ、前記式(IV)を含む化合物対該プロトン供与体のモル比が約1:2から約1:10である、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記アルケンジオールがエチレングリコールであり;前記プロトン供与体がメタンスルホン酸であり;前記式(I)を含む化合物対エチレングリコール対メタンスルホン酸のモル比が約1:4〜30:3であり;かつ、ステップ(a)の反応が約40℃未満の温度で行われる、項目6に記載の方法。
(項目12)
前記プロトン受容体が水素化ナトリウムであり;前記硫酸ジアルキルが硫酸ジメチルであり;前記式(I)を含む化合物対該プロトン受容体対該硫酸ジアルキルのモル比が約1:1.5:1.4であり;かつ、ステップ(a)の反応が約40℃未満の温度で行われる、項目6に記載の方法。
(項目13)
前記N−脱メチル化剤がクロロギ酸エチルまたはクロロギ酸フェニルであり;前記プロトン受容体が炭酸塩または重炭酸塩であり;前記式(II)を含む化合物対該脱メチル化剤対該プロトン受容体のモル比が約1:1.2:2〜3であり;ステップ(b)の反応が、約40℃から約80℃までの温度で行われ;該式(III)を含む化合物が約0.05重量%未満のアルドール二量体不純物を含み;前記式(I)を含む化合物、該式(II)を含む化合物または該式(III)を含む化合物の光学活性が、(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体およびそれらの組合せから選択され;かつ、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSRおよびSSSSからそれぞれ選択され、但し、C−15およびC−16の両方が、分子のアルファ面またはベータ面のいずれかの上にある、項目11または12に記載の方法。
(項目14)
前記式(I)を含む化合物、前記式(II)を含む化合物または前記式(III)を含む化合物の光学活性が、(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体およびそれらの組合せから選択され;かつ、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSRおよびSSSSからそれぞれ選択され、但し、C−15およびC−16の両方が、分子のアルファ面またはベータ面のいずれかの上にある、項目4から13のいずれかに記載の方法。
(項目15)
前記6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンが、約0.05重量%未満のアルドール二量体不純物を含む、項目1から14のいずれかに記載の方法。
本発明の他の特色および反復を、以下でさらに詳細に記述する。
(発明の詳細な説明)
本明細書において開示されるのは、アルドール二量体不純物が実質的に形成されないように、6−ケトン官能基を含むN−メチルモルフィナンを脱メチル化することができる方法である。特に、脱メチル化反応の前に6−ケトン基を保護するための手法が開示される。結果として、脱メチル化されたモルフィナンは、アルドール二量体不純物を除去するための複雑な精製手順を実施せずに、容易に精製および単離され得る。
本明細書において開示されるのは、アルドール二量体不純物が実質的に形成されないように、6−ケトン官能基を含むN−メチルモルフィナンを脱メチル化することができる方法である。特に、脱メチル化反応の前に6−ケトン基を保護するための手法が開示される。結果として、脱メチル化されたモルフィナンは、アルドール二量体不純物を除去するための複雑な精製手順を実施せずに、容易に精製および単離され得る。
(I)6−ケトンモルフィナンのN−脱メチル化のための方法
本発明の一態様は、6−ケトン基を含むN−メチルモルフィナンを脱メチル化するための方法を包括する。該方法は、6−ケトンが保護されたN−メチルモルフィナンが形成されるように、炭素6に、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールまたはエノールエーテル基を形成することによって6−ケトン基を保護するステップを含む。該方法は、6−ケトンが保護されたN−メチルモルフィナンをハロギ酸ヒドロカルビルと接触させることによってN−メチル基を除去して、6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを形成するステップをさらに含む。
本発明の一態様は、6−ケトン基を含むN−メチルモルフィナンを脱メチル化するための方法を包括する。該方法は、6−ケトンが保護されたN−メチルモルフィナンが形成されるように、炭素6に、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールまたはエノールエーテル基を形成することによって6−ケトン基を保護するステップを含む。該方法は、6−ケトンが保護されたN−メチルモルフィナンをハロギ酸ヒドロカルビルと接触させることによってN−メチル基を除去して、6−ケトンが保護されたN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナンを形成するステップをさらに含む。
概して、本明細書において詳述するモルフィナンは、以下で図示する通りのモルフィナン構造を含む任意の化合物を包含する。例証目的で、コアモルフィナン構造の環原子に以下で図示する通り番号付けし、ここで、Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである:
(II)式(I)を含む化合物からの、式(III)を含む化合物の調製のための方法
本発明の別の実施形態において、式(III)を含むN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナン化合物は、式(I)を含む6−ケトン、N−メチルモルフィナンから調製される。該方法は、式(I)を含む化合物を、ケトン保護基を形成する作用物質と接触させて、式(II)を含む化合物を形成するステップを含む。該方法は、式(II)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体と接触させて、式(III)を含む化合物を形成するステップをさらに含む。N−脱メチル化反応中、ケトン官能基が保護されるため、アルドール二量体不純物は実質的に形成されない。その上、以下で詳述する通り、式(III)を含む化合物を、求核試薬との接触によってノルモルフィナン化合物に変換することができ、ケトン保護基を、プロトン供与体との接触によって除去することができる。例証目的で、反応スキーム1は、本発明のこの態様に従う、式(III)を含む化合物の合成を描写するものである:
本発明の別の実施形態において、式(III)を含むN−ヒドロカルボキシカルボニルモルフィナン化合物は、式(I)を含む6−ケトン、N−メチルモルフィナンから調製される。該方法は、式(I)を含む化合物を、ケトン保護基を形成する作用物質と接触させて、式(II)を含む化合物を形成するステップを含む。該方法は、式(II)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体と接触させて、式(III)を含む化合物を形成するステップをさらに含む。N−脱メチル化反応中、ケトン官能基が保護されるため、アルドール二量体不純物は実質的に形成されない。その上、以下で詳述する通り、式(III)を含む化合物を、求核試薬との接触によってノルモルフィナン化合物に変換することができ、ケトン保護基を、プロトン供与体との接触によって除去することができる。例証目的で、反応スキーム1は、本発明のこの態様に従う、式(III)を含む化合物の合成を描写するものである:
R1およびR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
R3は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、{−}OR8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され、
R8およびZは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから独立に選択され、
Lはハロゲンであり、かつ
Yは、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールおよびエノールエーテルから選択され、ここで、各破線は、任意選択の二重結合を示す]。
一実施形態において、R1、R2およびR14は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アルコキシカルボニルおよびアロキシカルボニルから独立に選択される。好ましい実施形態において、R1およびR2は水素であり、かつR14は、水素、ヒドロキシルまたは保護ヒドロキシルである。別の実施形態において、R3は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アシル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アセタール、エーテル、シリルエーテルおよびアルキルスルホニルから選択される。好ましくは、R3は、水素、メチルまたは酸素保護基である。さらなる実施形態において、Yは、エチレンアセタール、プロピレンアセタール、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、メチルエノールエーテルまたはエチルエノールエーテルである。また別の実施形態において、Zは、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アラルキル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキルアリール、置換アラルキルおよび置換アリールから選択される。好ましいZ基は、アルキル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニルおよび2−クロロエチルを包含する。さらに一層好ましいZ基は、アルキルおよびフェニルである。
好ましい実施形態において、R1およびR2は水素であり;R3は、水素、メチルまたは酸素保護基であり;R14は、水素、ヒドロキシまたは保護ヒドロキシであり;Yは、エチレンアセタール、ジメチルアセタールまたはメチルエノールエーテルであり;かつ、Zはアルキルまたはフェニルである。
(a)方法のステップA
方法は、ケトン保護基を形成する作用物質との接触による、式(I)を含む化合物の6−ケトン基の保護から開始する。上記で詳述した通り、ケトン保護基は、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールまたはエノールエーテルであってよい。各種のケトン保護基の形成について以下で記述する。
方法は、ケトン保護基を形成する作用物質との接触による、式(I)を含む化合物の6−ケトン基の保護から開始する。上記で詳述した通り、ケトン保護基は、アルケンアセタール、ジアルキルアセタールまたはエノールエーテルであってよい。各種のケトン保護基の形成について以下で記述する。
(i)アルケンアセタール
一実施形態において、式(II)を含む化合物は、式(IIa)を含むアルケンアセタール:
一実施形態において、式(II)を含む化合物は、式(IIa)を含むアルケンアセタール:
式(IIa)を含む化合物を形成するために、式(I)を含む化合物を、アルケンジオールおよびプロトン供与体と接触させてよい。概して、アルケンジオールは、約2から6個までの炭素原子を含む。適切なアルケンジオールの非限定的例は、エタンジオール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオールおよびヘキサンジオールを包含する。例示的な実施形態において、アルケンジオールは、エチレングリコール(すなわち、エタン−1,2−ジオール)またはプロピレングリコール(すなわち、プロパン−1,2−ジオール)であってよい。
式(I)を含む化合物と接触させられるアルケンジオールの量は、変動してよく、そうなるであろう。概して、式(I)を含む化合物対アルケンジオールのモル比は、約1:1から約1:50までの範囲であってよい。種々の実施形態において、式(I)を含む化合物対アルケンジオールのモル比は、約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:8、1:10、1:15、1:20、1:25、1:30、1:35、1:40または1:50であってよい。例示的な実施形態において、式(I)を含む化合物対アルケンジオールのモル比は、約1:4から約1:30までの範囲であってよい。
様々なプロトン供与体が、この方法において使用するのに適している。概して、プロトン供与体は、約0未満のpKaを有する。この特徴を有するプロトン供与体の非限定的例は、ハロゲン化水素(例えば、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、ヨウ化水素酸(HI)等);ハロゲンオキソ酸(例えば、塩素酸(HClO3)、過塩素酸(HClO4)、ならびに臭素およびヨウ素の対応する化合物);硫酸(H2SO4);フルオロ硫酸(FSO3H);硝酸(HNO3)、フルオロアンチモン酸;ホウフッ化水素酸;ヘキサフルオロリン酸;クロム酸;ホウ酸;およびスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸(またはメシル酸、CH3SO3H)、エタンスルホン酸(またはエシル酸、CH3CH2SO3H)、ベンゼンスルホン酸(またはベシル酸、C6H5SO3H);p−トルエンスルホン酸(またはトシル酸、CH3C6H4SO3H)、トリフルオロメタンスルホン酸(またはトリフリン酸、CF3SO3H)等)を包含する。例示的な実施形態において、プロトン供与体は、メタンスルホン酸であってよい。
式(I)を含む化合物対プロトン供与体のモル比は、変動し得る。概して、式(I)を含む化合物対プロトン供与体のモル比は、約1:0.1から約1:10までの範囲であってよい。いくつかの実施形態において、式(I)を含む化合物対プロトン供与体のモル比は、約1:0.1、1:0.25、1:0.5、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9または1:10であってよい。例示的な実施形態において、式(I)を含む化合物対プロトン供与体のモル比は、約1:3であってよい。
(ii)ジアルキルアセタール
別の実施形態において、式(II)を含む化合物は、式(IIb)を含むジアルキルアセタール:
別の実施形態において、式(II)を含む化合物は、式(IIb)を含むジアルキルアセタール:
好ましい実施形態において、R5およびR6は、独立に、アルキルまたは置換アルキルであり、ここで、該アルキルは1から8個までの炭素原子を含む。
式(IIb)を含む化合物を形成するために、式(I)を含む化合物を、少なくとも1つのアルコールおよびプロトン供与体と接触させてよい。典型的には、該少なくとも1つのアルコールは、1から8個までの炭素原子を含むアルカノールであってよい。適切なアルカノールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール等を包含するがこれらに限定されない。
式(I)を含む化合物と接触させられるアルコールの量は、変動してよく、そうなるであろう。概して、式(I)を含む化合物対アルコールのモル比は、約1:1から約1:300までの範囲であってよい。ある特定の実施形態において、式(I)を含む化合物対アルコールのモル比は、約1:1から約1:5まで、約1:5から約1:25まで、約1:25から約1:100まで、または約1:100から約1:300までの範囲であってよい。例示的な実施形態において、式(I)を含む化合物対アルコールのモル比は、約1:150から約1:200までの範囲、またはより好ましくは約1:180であってよい。
様々なプロトン供与体が、式(IIb)を含む化合物を調製するために使用され得る。概して、プロトン供与体は、約0未満のpKaを有し得る。適切なプロトン供与体は、節(II)(a)(i)において上記で記載されている。
式(I)を含む化合物と接触させられるプロトン供与体の量は、変動し得る。概して、式(I)を含む化合物対プロトン供与体のモル比は、約1:0.1から約1:5までの範囲であってよい。種々の実施形態において、式(I)を含む化合物対プロトン供与体のモル比は、約1:0.1、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.8、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5または1:5であってよい。例示的な実施形態において、式(I)を含む化合物対プロトン供与体のモル比は、約1:1から約1:1.5までの範囲、またはより好ましくは約1:1.05であってよい。
(iii)エノールエーテル
さらなる実施形態において、式(II)を含む化合物は、式(IIc)を含むエノールエーテル:
さらなる実施形態において、式(II)を含む化合物は、式(IIc)を含むエノールエーテル:
好ましい実施形態において、R7はアルキルまたは置換アルキルであり、ここで、該アルキルは、1から8個までの炭素原子を含む。
式(IIc)を含む化合物は、2つの手法のいずれかによって形成され得る。第一に、式(IIc)を含む化合物は、式(I)を含む化合物を、本質的に節(II)(a)(ii)において上記で詳述した通りのアルコールおよびプロトン供与体と接触させ、続いてアルコールを蒸留することによって形成され得る。当業者であれば、適切な蒸留技術を熟知している。第二に、式(IIc)を含む化合物は、式(I)を含む化合物を、プロトン受容体および硫酸ジアルキルと接触させることによって形成され得る。
様々なプロトン受容体が、式(IIc)を含む化合物の調製において使用するのに適している。概して、プロトン受容体は、約13より大きい、またはより好ましくは約20より大きいpKaを有する。この特徴を有する適切なプロトン受容体の非限定的例は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、NaOHおよびCa(OH)2等)、ならびに、カルバニオンの第1族の塩、アルキルアミドおよび水素化物(例えば、ブチルリチウム、リチウムメチルアミド、リチウムイソプロピルアミド、水素化ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム等)を包含する。例示的な実施形態において、プロトン受容体は、水素化ナトリウムであってよい。
該方法において使用されるプロトン受容体の量は、変動してよく、そうなるであろう。概して、式(I)を含む化合物対プロトン受容体のモル比は、約1:1から約1:3までの範囲であってよい。ある特定の実施形態において、式(I)を含む化合物対プロトン受容体のモル比は、約1:1.0、1:1.2、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.8、1:2.0、1:2.2、1:2.4、1:2.6、1:2.8または1:3.0であってよい。例示的な実施形態において、式(I)を含む化合物対プロトン受容体のモル比は、約1:1.5であってよい。
式(IIc)を含む化合物を調製するために使用される硫酸ジアルキルの正体は、変動してよく、そうなるであろう。適切な硫酸ジアルキルの非限定的例は、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジプロピル、硫酸ジイソプロピル、硫酸ジブチル、硫酸ジペンチルおよび硫酸ジベンジルを包含する。例示的な実施形態において、硫酸ジアルキルは、硫酸ジメチルであってよい。
式(IIc)を含む化合物を調製するために使用される硫酸ジアルキルの量は、変動し得る。概して、式(I)を含む化合物対硫酸ジアルキルのモル比は、約1:1から約1:3までの範囲であってよい。種々の実施形態において、式(I)を含む化合物対硫酸ジアルキルのモル比は、約1:1.0、1:1.2、1:1.4、1:1.6、1:1.8、1:2.0、1:2.2、1:2.4、1:2.6、1:2.8または1:3.0であってよい。例示的な実施形態において、式(I)を含む化合物対硫酸ジアルキルのモル比は、約1:1.4であってよい。
(iv)溶媒
節(II)(a)(i)、(ii)および(iii)において上記で詳述した反応のそれぞれについて、反応は溶媒の存在下で行われる。適切な溶媒は、非極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、およびそれらの組合せを包含する。適切な非極性溶媒の非限定的例は、ベンゼン、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、クロロメタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジ−tert−ブチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチルエーテル、ジグリム、ジイソプロピルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル、エチレンオキシド、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、およびそれらの組合せを包含する。適切な非プロトン性溶媒は、アセトン、アセトニトリル、ジエトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、ギ酸エチル、ホルムアミド、ヘキサクロロアセトン、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、メトキシエタン、モルホリン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、酢酸プロピル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トリクロロメタン、およびそれらの組合せを包含するがこれらに限定されない。好ましい実施形態において、溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)またはジメチルスルホキシド(DMSO)であってよい。
節(II)(a)(i)、(ii)および(iii)において上記で詳述した反応のそれぞれについて、反応は溶媒の存在下で行われる。適切な溶媒は、非極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、およびそれらの組合せを包含する。適切な非極性溶媒の非限定的例は、ベンゼン、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、クロロメタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジ−tert−ブチルエーテル、ジメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチルエーテル、ジグリム、ジイソプロピルエーテル、エチルtert−ブチルエーテル、エチレンオキシド、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、メチルtert−ブチルエーテル、トルエン、およびそれらの組合せを包含する。適切な非プロトン性溶媒は、アセトン、アセトニトリル、ジエトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、ギ酸エチル、ホルムアミド、ヘキサクロロアセトン、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、メトキシエタン、モルホリン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、酢酸プロピル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トリクロロメタン、およびそれらの組合せを包含するがこれらに限定されない。好ましい実施形態において、溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)またはジメチルスルホキシド(DMSO)であってよい。
反応混合物に添加される溶媒の量は、変動してよく、そうなるであろう。概して、溶媒対式(I)を含む化合物のモル比は、約0.5:1から約100:1までの範囲であってよい。種々の実施形態において、溶媒対式(I)を含む化合物のモル比は、0.5:1から約5:1まで、約5:1から約25:1まで、または約25:1から約100:1までの範囲であってよい。好ましい実施形態において、溶媒対式(I)を含む化合物のモル比は、約0.5:1から約20:1までの範囲であってよい。
(v)反応条件
概して、(i)、(ii)および(iii)において上記で詳述した反応は、約0℃から約60℃までの範囲である温度で行われ得る。種々の実施形態において、反応は、約0℃から10℃まで、約10℃から約20℃まで、約20℃から約30℃まで、約30℃から約40℃まで、または約40℃から約60℃までの範囲である温度で行われ得る。例示的な実施形態において、反応温度は、約40℃未満であってよい。反応は、概して、周囲圧力下で実施される。
概して、(i)、(ii)および(iii)において上記で詳述した反応は、約0℃から約60℃までの範囲である温度で行われ得る。種々の実施形態において、反応は、約0℃から10℃まで、約10℃から約20℃まで、約20℃から約30℃まで、約30℃から約40℃まで、または約40℃から約60℃までの範囲である温度で行われ得る。例示的な実施形態において、反応温度は、約40℃未満であってよい。反応は、概して、周囲圧力下で実施される。
典型的には、反応は、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって決定した際に、反応が完了するまで十分な期間にわたって継続することが可能である。この文脈において、「完全な反応」は概して、反応混合物が、反応開始時に存在するそれぞれの量と比較して、有意に減少した量の式(I)を含む化合物、および有意に増加した量の式(II)を含む化合物を含有することを意味する。典型的には、反応が完了した後に反応混合物中に残っている式(I)を含む化合物の量は、約3%未満、好ましくは約1%未満となり得る。概して、反応は、約2分から約8時間継続し得る。ある特定の実施形態において、反応は、約5、10、20、30、40、50もしくは60分間、または1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7もしくは8時間継続することが可能であり得る。
式(II)を含む化合物は、当業者に公知の技術を使用して、反応混合物から単離され得る。適切な技術の非限定的例は、沈殿、抽出、蒸発、蒸留、クロマトグラフィーおよび結晶化を包含する。
式(II)を含む化合物の収率は、変動してよく、そうなるであろう。典型的には、式(II)を含む化合物の収率は、少なくとも約65%であってよい。一実施形態において、式(II)を含む化合物の収率は、約65%から約75%までの範囲であってよい。別の実施形態において、式(II)を含む化合物の収率は、約75%から約85%までの範囲であってよい。さらなる実施形態において、式(II)を含む化合物の収率は、約85%から約95%までの範囲であってよい。さらに別の実施形態において、式(II)を含む化合物の収率は、約95%より大きくてよい。
(b)方法のステップB
方法は、式(II)を含むケトンが保護された化合物のN−メチル基を除去するステップをさらに含む。このために、式(II)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体(そのそれぞれについては以下で詳述する)と接触させて、式(III)を含む化合物を形成する。
方法は、式(II)を含むケトンが保護された化合物のN−メチル基を除去するステップをさらに含む。このために、式(II)を含む化合物を、LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤およびプロトン受容体(そのそれぞれについては以下で詳述する)と接触させて、式(III)を含む化合物を形成する。
(i)LC(O)OZを含むN−脱メチル化剤
様々なN−脱メチル化剤が、この方法において使用するのに適している。概して、N−脱メチル化剤は、式LC(O)OZ[式中、LおよびZは、上記で定義された通りである]を有するハロギ酸ヒドロカルビルとなる。好ましい実施形態において、Lは、クロロまたはブロモであってよく、Zは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニルまたは2−クロロエチルであってよい。好ましい実施形態において、N−脱メチル化剤は、ハロギ酸アルキル(例えば、クロロギ酸メチル、ブロモギ酸メチル、クロロギ酸エチル、ブロモギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、ブロモギ酸プロピル、クロロギ酸イソプロピル、ブロモギ酸イソプロピル、クロロギ酸ブチル、ブロモギ酸ブチル、クロロギ酸イソブチル、ブロモギ酸イソブチル等)、ハロギ酸アルコキシアルキル(例えば、クロロギ酸メトキシメチル、ブロモギ酸メトキシメチル、クロロギ酸エトキシメチル、ブロモギ酸エトキシメチル等)、ハロギ酸ベンジル、ハロギ酸フェニル、ハロギ酸ビニルまたはハロギ酸2−クロロアルキルであってよい。概して、アルキルは、1から8個までの炭素原子を含む。例示的な実施形態において、N−脱メチル化剤は、クロロギ酸アルキル、クロロギ酸フェニル、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸ビニルまたはクロロギ酸2−クロロアルキルであってよい。
様々なN−脱メチル化剤が、この方法において使用するのに適している。概して、N−脱メチル化剤は、式LC(O)OZ[式中、LおよびZは、上記で定義された通りである]を有するハロギ酸ヒドロカルビルとなる。好ましい実施形態において、Lは、クロロまたはブロモであってよく、Zは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニルまたは2−クロロエチルであってよい。好ましい実施形態において、N−脱メチル化剤は、ハロギ酸アルキル(例えば、クロロギ酸メチル、ブロモギ酸メチル、クロロギ酸エチル、ブロモギ酸エチル、クロロギ酸プロピル、ブロモギ酸プロピル、クロロギ酸イソプロピル、ブロモギ酸イソプロピル、クロロギ酸ブチル、ブロモギ酸ブチル、クロロギ酸イソブチル、ブロモギ酸イソブチル等)、ハロギ酸アルコキシアルキル(例えば、クロロギ酸メトキシメチル、ブロモギ酸メトキシメチル、クロロギ酸エトキシメチル、ブロモギ酸エトキシメチル等)、ハロギ酸ベンジル、ハロギ酸フェニル、ハロギ酸ビニルまたはハロギ酸2−クロロアルキルであってよい。概して、アルキルは、1から8個までの炭素原子を含む。例示的な実施形態において、N−脱メチル化剤は、クロロギ酸アルキル、クロロギ酸フェニル、クロロギ酸ベンジル、クロロギ酸ビニルまたはクロロギ酸2−クロロアルキルであってよい。
式(II)を含む化合物対N−脱メチル化剤のモル比は、状況に応じて変動してよく、そうなるであろう。概して、式(II)を含む化合物対N−脱メチル化剤のモル比は、約1:1から約1:3までの範囲であってよい。種々の実施形態において、式(II)を含む化合物対N−脱メチル化剤のモル比は、約1:1.0、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2.0、1:2.1、1:2.2、1:2.3、1:2.4、1:2.5、1:2.6、1:2.7、1:2.8、1:2.9または1:3.0であってよい。例示的な実施形態において、式(II)を含む化合物対N−脱メチル化剤のモル比は、約1:1.2であってよい。
(ii)プロトン受容体
式(II)を含む化合物のN−脱メチル化を容易にするために、反応は、典型的にはプロトン受容体の存在下で実行される。概して、プロトン受容体は、約7から約13、好ましくは約8から約10のpKaを有する。用いられ得る代表的なプロトン受容体は、ホウ酸塩(例えば、Na3BO3等)、第二および第三リン酸塩(例えば、Na2HPO4およびNa3PO4等)、重炭酸塩(例えば、NaHCO3、KHCO3、それらの混合物等)、水酸化物塩(例えば、NaOH、KOH、それらの混合物等)、炭酸塩(例えば、Na2CO3、K2CO3、それらの混合物等)、有機塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、およびそれらの混合物等)、有機緩衝剤(例えば、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、3(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)、2(4モルホリニル)エタンスルホン酸(MES)、4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES)、それらの塩および/または混合物等)、ならびにそれらの組合せを包含するがこれらに限定されない。プロトン受容体が有機緩衝剤である場合、該有機緩衝剤は好ましくはヒドロキシ置換窒素原子を欠いており、それは、この置換基が反応物のハロギ酸ヒドロカルビルとの反応と競合し得るためである。一実施形態において、プロトン受容体は、NaHCO3、KHCO3、K2CO3、NaOH、KOHおよびそれらの混合物から選択される。好ましい実施形態において、プロトン受容体は、NaHCO3、KHCO3またはそれらの組合せである。
式(II)を含む化合物のN−脱メチル化を容易にするために、反応は、典型的にはプロトン受容体の存在下で実行される。概して、プロトン受容体は、約7から約13、好ましくは約8から約10のpKaを有する。用いられ得る代表的なプロトン受容体は、ホウ酸塩(例えば、Na3BO3等)、第二および第三リン酸塩(例えば、Na2HPO4およびNa3PO4等)、重炭酸塩(例えば、NaHCO3、KHCO3、それらの混合物等)、水酸化物塩(例えば、NaOH、KOH、それらの混合物等)、炭酸塩(例えば、Na2CO3、K2CO3、それらの混合物等)、有機塩基(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、およびそれらの混合物等)、有機緩衝剤(例えば、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、3(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)、2(4モルホリニル)エタンスルホン酸(MES)、4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES)、それらの塩および/または混合物等)、ならびにそれらの組合せを包含するがこれらに限定されない。プロトン受容体が有機緩衝剤である場合、該有機緩衝剤は好ましくはヒドロキシ置換窒素原子を欠いており、それは、この置換基が反応物のハロギ酸ヒドロカルビルとの反応と競合し得るためである。一実施形態において、プロトン受容体は、NaHCO3、KHCO3、K2CO3、NaOH、KOHおよびそれらの混合物から選択される。好ましい実施形態において、プロトン受容体は、NaHCO3、KHCO3またはそれらの組合せである。
式(II)を含む化合物対プロトン受容体のモル比は、約1:1から約1:6までの範囲であってよい。いくつかの実施形態において、式(II)を含む化合物対プロトン受容体のモル比は、約1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5または1:6であってよい。例示的な実施形態において、式(II)を含む化合物対プロトン受容体のモル比は、約1:2から約1:3までの範囲であってよい。
(iii)溶媒
反応は概して溶媒の存在下で行われる。溶媒は、非極性有機溶媒であっても極性非プロトン性溶媒であってもよい。代表的な非極性溶媒は、アルカンおよび置換アルカン溶媒(シクロアルカンを包含する)、芳香族炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、ならびにそれらの組合せを包含するがこれらに限定されない。用いられ得る具体的な非極性溶媒は、例えば、ベンゼン、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルケトン、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、イソブチルメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ペンチル、酢酸プロピル、トルエン、およびそれらの組合せを包含する。適切な非プロトン性溶媒の非限定的例は、アセトン、アセトニトリル、ジエトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,4−ジオキサン、ギ酸エチル、ホルムアミド、ヘキサクロロアセトン、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、メトキシエタン、モルホリン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トリクロロメタン、およびそれらの組合せを包含する。例示的な実施形態において、溶媒は、クロロホルム、酢酸エチルまたはアセトニトリルであってよい。
反応は概して溶媒の存在下で行われる。溶媒は、非極性有機溶媒であっても極性非プロトン性溶媒であってもよい。代表的な非極性溶媒は、アルカンおよび置換アルカン溶媒(シクロアルカンを包含する)、芳香族炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、ならびにそれらの組合せを包含するがこれらに限定されない。用いられ得る具体的な非極性溶媒は、例えば、ベンゼン、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルケトン、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、イソブチルメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ペンチル、酢酸プロピル、トルエン、およびそれらの組合せを包含する。適切な非プロトン性溶媒の非限定的例は、アセトン、アセトニトリル、ジエトキシメタン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,4−ジオキサン、ギ酸エチル、ホルムアミド、ヘキサクロロアセトン、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、メトキシエタン、モルホリン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トリクロロメタン、およびそれらの組合せを包含する。例示的な実施形態において、溶媒は、クロロホルム、酢酸エチルまたはアセトニトリルであってよい。
概して、溶媒対式(II)を含む化合物のモル比は、約0.5:1から約100:1までの範囲となる。種々の実施形態において、溶媒対式(II)を含む化合物のモル比は、0.5:1から約5:1まで、約5:1から約25:1まで、または約25:1から約100:1までの範囲であってよい。好ましい実施形態において、溶媒対式(II)を含む化合物のモル比は、約0.5:1から約20:1までの範囲であってよい。例示的な実施形態において、溶媒対式(II)を含む化合物のモル比は、約2:1から約10:1までの範囲であってよい。
(iv)反応条件
概して、反応は、約0℃から約120℃まで、より好ましくは約20℃から約80℃までの範囲である温度で行われることになる。種々の実施形態において、脱メチル化反応は、約30℃、約40℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃または約80℃で行われ得る。反応は、典型的には、周囲圧力下、好ましくは不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)中で実施される。
概して、反応は、約0℃から約120℃まで、より好ましくは約20℃から約80℃までの範囲である温度で行われることになる。種々の実施形態において、脱メチル化反応は、約30℃、約40℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃または約80℃で行われ得る。反応は、典型的には、周囲圧力下、好ましくは不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)中で実施される。
典型的には、反応は、上記で定義した通り、反応が完了するまで十分な期間にわたって継続することが可能である。典型的には、反応が完了した後に反応混合物中に残っている式(II)を含む化合物の量は、約3%未満、好ましくは約1%未満となり得る。概して、反応は、約1時間から約24時間、より典型的には約2時間から約8時間継続し得る。
式(III)を含む化合物は、当業者に公知の技術を使用して、反応混合物から単離され得る。適切な技術の非限定的例は、沈殿、抽出、蒸発、蒸留、クロマトグラフィーおよび結晶化を包含する。
式(III)を含む化合物の収率は、変動してよく、そうなるであろう。典型的には、式(III)を含む化合物の収率は、少なくとも約40%であってよい。一実施形態において、式(III)を含む化合物の収率は、約40%から約60%までの範囲であってよい。別の実施形態において、式(III)を含む化合物の収率は、約60%から約80%までの範囲であってよい。さらなる実施形態において、式(III)を含む化合物の収率は、約80%から約90%までの範囲であってよい。さらに別の実施形態において、式(III)を含む化合物の収率は、約90%より大きくてよく、より好ましくは、約95%より大きくてよい。
重要なことには、式(III)を含む化合物は、アルドール二量体不純物を実質的に含有しない。概して、式(III)を含む化合物は、約0.05重量%未満のアルドール二量体不純物を含む。いくつかの実施形態において、アルドール二量体不純物の濃度は、約0.01%未満、約0.005%未満、または約0.001%未満である。
(c)N−ヒドロカルボキシカルボニル基の加水分解
方法は、式(III)を含む化合物を、N−ヒドロカルボキシカルボニル基が開裂されるような求核試薬と接触させて、式(IV)を含む化合物を形成するステップをさらに含み得る。反応スキーム2は、この反応プロセスを示す:
方法は、式(III)を含む化合物を、N−ヒドロカルボキシカルボニル基が開裂されるような求核試薬と接触させて、式(IV)を含む化合物を形成するステップをさらに含み得る。反応スキーム2は、この反応プロセスを示す:
反応混合物に添加される求核試薬の量は、変動してよく、そうなるであろう。概して、式(III)を含む化合物対求核試薬のモル比は、約1:1から約1:8までの範囲であってよい。種々の実施形態において、式(III)を含む化合物対求核試薬のモル比は、約1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5、1:6、1:6.5、1:7、1:7.5または1:8であってよい。例示的な実施形態において、式(III)を含む化合物対求核試薬の比は、約1:4であってよい。
求核試薬との接触は、溶媒の存在下で実施され得る。適切な溶媒は、節(II)(b)(iii)において上記で詳述されている。いくつかの実施形態において、溶媒は、プロトン性溶媒をさらに含み得る。適切なプロトン性溶媒の非限定的例は、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール;プロピレングリコール等のジオール;ギ酸、酢酸等の有機酸;ホルムアミド、アセトアミド等のアミド;ならびに上記のいずれかの組合せを包含する。
加水分解ステップは、約50℃から約100℃までの範囲である温度で行われ得る。種々の実施形態において、反応温度は、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃または100℃であってよい。好ましい実施形態において、反応は、約60℃から約90℃までの範囲である温度で行われ得る。
典型的には、反応は、上記で詳述した通り、反応が完了するまで十分な期間にわたって継続することが可能である。完全な反応において、反応混合物中に残っている式(III)を含む化合物の量は、約3%未満、好ましくは約1%未満となり得る。概して、反応は、約1時間から約12時間、より典型的には約2時間から約6時間継続し得る。
式(IV)を含む化合物は、当業者に公知の技術を使用して、反応混合物から単離され得る。適切な技術の非限定的例は、沈殿、抽出、蒸発、蒸留、クロマトグラフィーおよび結晶化を包含する。式(IV)を含む化合物は、そのまま使用してもよく、または当業者によく知られている技術を使用して別の化合物に変換してもよい。
式(IV)を含む化合物の収率は、変動してよく、そうなるであろう。典型的には、式(IV)を含む化合物の収率は、少なくとも約35%であってよい。一実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約35%から約65%までの範囲であってよい。別の実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約65%から約75%までの範囲であってよい。また別の実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約75%から約85%までの範囲であってよい。さらなる実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約85%から約95%までの範囲であってよい。さらに別の実施形態において、式(IV)を含む化合物の収率は、約95%より大きくてよい。
(d)ケトン保護基の除去
反応スキーム3において以下で図示する通り、式(IV)を含む化合物を、ケトン保護基が除去されて式(V)を含む化合物を形成するようなプロトン供与体と接触させてもよい。
反応スキーム3において以下で図示する通り、式(IV)を含む化合物を、ケトン保護基が除去されて式(V)を含む化合物を形成するようなプロトン供与体と接触させてもよい。
式(IV)を含む化合物と接触させられるプロトン供与体の量は、変動してよく、そうなるであろう。概して、式(IV)を含む化合物対プロトン供与体のモル比は、約1:2から約1:10までの範囲であってよい。種々の実施形態において、式(IV)を含む化合物対プロトン供与体のモル比は、約1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、1:5、1:5.5、1:6、1:6.5、1:7、1:7.5、1:8、1:9または1:10であってよい。例示的な実施形態において、式(IV)を含む化合物対プロトン供与体の比は、約1:5.5であってよい。
プロトン供与体との接触は、溶媒の存在下で実施され得る。適切な溶媒は、節(II)(c)において上記で詳述されている。反応は、約25℃から約80℃までの範囲である温度で行われ得る。種々の実施形態において、反応温度は、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃または80℃であってよい。好ましい実施形態において、反応は、約40℃から約50℃までの範囲である温度で行われ得る。
典型的には、反応は、上記で詳述した通り、反応が完了するまで十分な期間にわたって継続することが可能である。完全な反応において、反応混合物中に残っている式(IV)を含む化合物の量は、約3%未満、好ましくは約1%未満となり得る。概して、反応は、約30分間から約12時間継続し得る。
式(V)を含む化合物は、当業者に公知の技術を使用して、反応混合物から単離され得る。適切な技術の非限定的例は、沈殿、抽出、蒸発、蒸留、クロマトグラフィーおよび結晶化を包含する。式(V)を含む化合物は、そのまま使用してもよく、または当業者によく知られている技術を使用して別の化合物に変換してもよい。
式(V)を含む化合物の収率は、変動してよく、そうなるであろう。典型的には、式(V)を含む化合物の収率は、少なくとも約35%であってよい。一実施形態において、式(V)を含む化合物の収率は、約35%から約65%までの範囲であってよい。別の実施形態において、式(V)を含む化合物の収率は、約65%から約75%までの範囲であってよい。また別の実施形態において、式(V)を含む化合物の収率は、約75%から約85%までの範囲であってよい。さらなる実施形態において、式(V)を含む化合物の収率は、約85%から約95%までの範囲であってよい。さらに別の実施形態において、式(V)を含む化合物の収率は、約95%より大きくてよい。
(e)立体化学
式(I)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(III)、(IV)または(V)のいずれかを含む化合物は、偏光の回転に対して(−)または(+)配向を有し得る。より具体的には、モルフィナンの各キラル中心は、RまたはS配置を有し得る。本明細書において記述されている化合物は、少なくとも4つのキラル中心、すなわち炭素C−5、C−9、C−13およびC−14を有し得る。各キラル中心において、炭素原子の立体化学は、独立に、RまたはSである。C−5、C−9、C−13およびC−14の配置はそれぞれ、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSRまたはSSSSであってよく、但し、C−15およびC−16原子の両方が分子のアルファ面上に、または両方が分子のベータ面上にある。
式(I)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(III)、(IV)または(V)のいずれかを含む化合物は、偏光の回転に対して(−)または(+)配向を有し得る。より具体的には、モルフィナンの各キラル中心は、RまたはS配置を有し得る。本明細書において記述されている化合物は、少なくとも4つのキラル中心、すなわち炭素C−5、C−9、C−13およびC−14を有し得る。各キラル中心において、炭素原子の立体化学は、独立に、RまたはSである。C−5、C−9、C−13およびC−14の配置はそれぞれ、RRRR、RRRS、RRSR、RSRR、SRRR、RRSS、RSSR、SSRR、SRRS、SRSR、RSRS、RSSS、SRSS、SSRS、SSSRまたはSSSSであってよく、但し、C−15およびC−16原子の両方が分子のアルファ面上に、または両方が分子のベータ面上にある。
式(I)、(II)、(IIa)、(IIb)、(IIc)、(III)、(IV)または(V)のいずれかを含む化合物は、遊離塩基または薬学的に許容される塩であってよい。薬学的に許容される塩は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酒石酸水素塩、クエン酸塩、ギ酸塩、グルコン酸塩、グロクロン酸塩、グルタミン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、次亜リン酸塩、イソ酪酸塩、イソクエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メコン酸塩、臭化メチル、メタンスルホン酸塩一水和物、ムチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テレフタル酸塩、吉草酸塩等を包含するがこれらに限定されない。
定義
本明細書において記述されている化合物は、不斉中心を有する。不斉置換原子を含有する本発明の化合物は、光学活性またはラセミ体で単離され得る。特定の立体化学または異性体が具体的に示されているのでない限り、構造のすべてのキラル、ジアステレオマー、ラセミ体およびすべての幾何異性体が意図されている。
本明細書において記述されている化合物は、不斉中心を有する。不斉置換原子を含有する本発明の化合物は、光学活性またはラセミ体で単離され得る。特定の立体化学または異性体が具体的に示されているのでない限り、構造のすべてのキラル、ジアステレオマー、ラセミ体およびすべての幾何異性体が意図されている。
用語「アシル」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、有機カルボン酸の基COOHからのヒドロキシ基の除去によって形成される部分、例えば、RC(O)−[ここで、Rは、R1、R1O−、R1R2N−またはR1S−であり、R1は、ヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり、かつR2は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである]を表す。
用語「アシルオキシ」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、酸素連結(O)を介して結合している上述した通りのアシル基、例えばRC(O)O−[ここで、Rは、用語「アシル」に関連して定義されている通りである]を表す。
用語「アルキル」は、本明細書において使用される場合、好ましくは、主鎖中に1から8個までの炭素原子、および最大20個の炭素原子を含有する低級アルキルである基を記述するものである。これらは、直鎖もしくは分枝鎖または環状であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル等を包含する。
用語「アルケニル」は、本明細書において使用される場合、好ましくは、主鎖中に2から8個までの炭素原子、および最大20個の炭素原子を含有する低級アルケニルである基を記述するものである。これらは、直鎖もしくは分枝鎖または環状であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニル等を包含する。
用語「アルキニル」は、本明細書において使用される場合、好ましくは、主鎖中に2から8個の炭素原子、および最大20個の炭素原子を含有する低級アルキニルである基を記述するものである。これらは、直鎖または分枝鎖であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニル等を包含する。
用語「芳香族」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、非局在化電子を含む、場合により置換されている単素環または複素環共役平面環または環系を表す。これらの芳香族基は、好ましくは、環部に5から14個までの原子を含有する単環式(例えば、フランまたはベンゼン)、二環式または三環式基である。用語「芳香族」は、以下で定義する「アリール」基を包括する。
用語「アリール」または「Ar」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチル等、環部に6から10個までの炭素を含有する、場合により置換されている単素環芳香族基、好ましくは単環式または二環式基を表す。
用語「カルボシクロ」または「炭素環式」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、環中の原子すべてが炭素である、好ましくは各環中に5または6個の炭素原子がある、場合により置換されている芳香族または非芳香族の単素環式環または環系を表す。例示的な置換基は、下記の基の1つまたは複数を包含する:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロおよびチオ。
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を指す。
用語「ヘテロ原子」は、炭素および水素以外の原子を指す。
用語「ヘテロ芳香族」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、少なくとも1つの環中に少なくとも1つのヘテロ原子を、好ましくは各環中に5または6個の原子を有する、場合により置換されている芳香族基を表す。ヘテロ芳香族基は、好ましくは、環中に1もしくは2個の酸素原子および/または1から4個の窒素原子を有し、炭素を介して分子の残りと結合している。例示的な基は、フリル、ベンゾフリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル、カルバゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾピリジル等を包含する。例示的な置換基は、下記の基の1つまたは複数を包含する:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロおよびチオ。
用語「ヘテロシクロ」または「複素環」は、本明細書において使用される場合、単独でまたは別の基の一部として、少なくとも1つの環中に少なくとも1つのヘテロ原子を、好ましくは各環中に5または6個の原子を有する、場合により置換されている完全飽和または不飽和、単環式または二環式の芳香族または非芳香族基を表す。ヘテロシクロ基は、好ましくは、環中に1もしくは2個の酸素原子および/または1から4個の窒素原子を有し、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りと結合している。例示的なヘテロシクロ基は、上述した通りのヘテロ芳香族を包含する。例示的な置換基は、下記の基の1つまたは複数を包含する:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロおよびチオ。
用語「炭化水素」および「ヒドロカルビル」は、本明細書において使用される場合、元素の炭素および水素のみからなる有機化合物またはラジカルを記述するものである。これらの部分は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分を包含する。これらの部分は、アルカリール、アルケナリールおよびアルキナリール等、他の脂肪族または環式炭化水素基で置換されている、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分も包含する。別段の指示がない限り、これらの部分は、好ましくは1から20個の炭素原子を含む。
用語「酸素保護基」は、本明細書において使用される場合、酸素原子を保護する(それ故、保護ヒドロキシを形成する)ことができる基を表し、ここで、該保護基は、保護が用いられる反応の後で、分子の残りを妨害することなく除去できる。例示的な保護基は、エーテル(例えば、アリル、トリフェニルメチル(トリチルまたはTr)、p−メトキシベンジル(PMB)、p−メトキシフェニル(PMP))、アセタール(例えば、メトキシメチル(MOM)、β−メトキシエトキシメチル(MEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、エトキシエチル(EE)、メチルチオメチル(MTM)、2−メトキシ−2−プロピル(MOP)、2−トリメチルシリルエトキシメチル(SEM))、エステル(例えば、ベンゾエート(Bz)、アリルカーボネート、2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカーボネート)、シリルエーテル(例えば、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS))等を包含する。様々な保護基およびその合成は、「Protective Groups in Organic Synthesis」、T.W. GreeneおよびP.G.M. Wuts著、第3版、John Wiley & Sons、1999年において見ることができる。
本明細書において記述されている「置換ヒドロカルビル」部分は、炭素鎖原子が窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素またはハロゲン原子等のヘテロ原子で置換されている部分、および炭素鎖が追加の置換基を含む部分を包含する、炭素以外の少なくとも1つの原子で置換されているヒドロカルビル部分である。これらの置換基は、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルケニル、アルケノキシ、アリール、アリールオキシ、アミノ、アミド、アセタール、カルバミル、カルボシクロ、シアノ、エステル、エーテル、ハロゲン、ヘテロシクロ、ヒドロキシ、ケト、ケタール、ホスホ、ニトロおよびチオを包含する。
本発明またはその好ましい実施形態(複数可)の要素を紹介する際、冠詞「a」、「an」、「the」および「前記」は、該要素が1つまたは複数あることを意味するように意図されている。用語「を含む」、「を包含する」および「を有する」は、包含的であるように、かつ、記載されている要素以外に追加の要素があり得ることを意味するように意図されている。
本発明について詳細に記述したが、添付の請求項において定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、修正および変形が可能なことが明らかである。
下記の例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために包含されるものである。例において開示されている技術は、本発明の実施において存分に機能するような本発明者らによって発見された技術の代表であることが、当業者には理解されるはずである。しかしながら、当業者は、本開示を踏まえて、開示されている特定の実施形態において多くの変更が為され得、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく類似または同様の結果を依然として取得することができ、したがって、説明されているすべての事柄が、例証として解釈されるべきであり、限定的意義で解釈されるべきではないことを理解するはずである。
(実施例1)
ジヒドロ−環状−エチレン−アセタール−コデイノンの合成
ヒドロコドン(306g)をエチレングリコール(1224mL)に懸濁させ、5〜10℃に冷却した。反応混合物を40℃より下に維持しながら、MeSO3H(108.3mL)を添加して溶液を形成した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶液を氷冷3%NH4OH(6120mL)に撹拌しながら添加して、懸濁液を形成した。これを0〜10℃で2時間撹拌し、濾過した。結果として生じた固体を水(3×153mL)で洗浄し、減圧下60℃で24時間乾燥させて、327gの固体を得た。
ジヒドロ−環状−エチレン−アセタール−コデイノンの合成
ヒドロコドン(306g)をエチレングリコール(1224mL)に懸濁させ、5〜10℃に冷却した。反応混合物を40℃より下に維持しながら、MeSO3H(108.3mL)を添加して溶液を形成した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。溶液を氷冷3%NH4OH(6120mL)に撹拌しながら添加して、懸濁液を形成した。これを0〜10℃で2時間撹拌し、濾過した。結果として生じた固体を水(3×153mL)で洗浄し、減圧下60℃で24時間乾燥させて、327gの固体を得た。
(実施例2)
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(エトキシカルボニル)−ノルコデイノンの合成
上記のジヒドロ−環状−エチレン−アセタール−コデイノン(327g)をCHCl3(1308mL)に溶解した。Na2CO3(505g)およびMgSO4(109g)を添加した。混合物を55℃に加熱した。クロロギ酸エチル(363mL)を添加した。反応混合物を6時間加熱還流し、室温まで冷却し、濾過した。取得された固体をCHCl3(2×327mL)で洗浄した。濾液をNaOHの5%水性溶液(1635mL)で処理した。水層を分離し、CHCl3(327mL)で抽出した。合わせた有機層を0.1N HCl(1635mL)および水(1635mL)で洗浄した。有機層をポンプで引いて乾燥させて、生成物を固体として得た。
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(エトキシカルボニル)−ノルコデイノンの合成
上記のジヒドロ−環状−エチレン−アセタール−コデイノン(327g)をCHCl3(1308mL)に溶解した。Na2CO3(505g)およびMgSO4(109g)を添加した。混合物を55℃に加熱した。クロロギ酸エチル(363mL)を添加した。反応混合物を6時間加熱還流し、室温まで冷却し、濾過した。取得された固体をCHCl3(2×327mL)で洗浄した。濾液をNaOHの5%水性溶液(1635mL)で処理した。水層を分離し、CHCl3(327mL)で抽出した。合わせた有機層を0.1N HCl(1635mL)および水(1635mL)で洗浄した。有機層をポンプで引いて乾燥させて、生成物を固体として得た。
(実施例3)
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(フェノキシカルボニル)−ノルコデイノンの合成
氷浴(10分間予冷したもの)中の、ジヒドロ−環状−エチレン−アセタール−コデイノン(32.4g)、重炭酸ナトリウム(23.8g)およびクロロホルム(145mL)の冷却した混合物に、クロロギ酸フェニル(14.2mL)を滴下添加した。得られた混合物を53℃に3時間徐々に加熱し、次いで反応生成物を室温に冷却し、混合物を濾過した。固形物をCHCl3(2×20mL)で洗浄した。濾液を氷冷5%Na2CO3水性溶液(145mL)に添加した。水相をCHCl3(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×100mL)で洗浄した。有機層をローターベーパー(rotar−vapor)において蒸発させて、泡状固体、44.7gを得た。
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(フェノキシカルボニル)−ノルコデイノンの合成
氷浴(10分間予冷したもの)中の、ジヒドロ−環状−エチレン−アセタール−コデイノン(32.4g)、重炭酸ナトリウム(23.8g)およびクロロホルム(145mL)の冷却した混合物に、クロロギ酸フェニル(14.2mL)を滴下添加した。得られた混合物を53℃に3時間徐々に加熱し、次いで反応生成物を室温に冷却し、混合物を濾過した。固形物をCHCl3(2×20mL)で洗浄した。濾液を氷冷5%Na2CO3水性溶液(145mL)に添加した。水相をCHCl3(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×100mL)で洗浄した。有機層をローターベーパー(rotar−vapor)において蒸発させて、泡状固体、44.7gを得た。
(実施例4)
ジヒドロテバインの合成
ジヒドロコドン(5.7g)および乾燥DMF(66mL)の溶液に、60%鉱油中の水素化ナトリウム(0.9g)を添加した。得られた淡黄色混合物を窒素下で15分間撹拌し、次いで0℃に氷浴中で10分間冷却し、その後、冷却された淡黄色混合物に硫酸ジメチル(2.4mL)を添加し、30分間撹拌した。反応生成物を氷/水混合物(250mL)に注ぎ入れ、生成物を酢酸エチル(400mL)で抽出し、有機相を分離し、1%水酸化アンモニウムブライン(50mL×5)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、油残留物が残された。粗材料を、シリカゲル上、3:1:1 EtOAc/ヘプタン/DCM+1%Et3N+1%MeOHで精製した。最終生成物の白色固体、2.8gが取得された。
ジヒドロテバインの合成
ジヒドロコドン(5.7g)および乾燥DMF(66mL)の溶液に、60%鉱油中の水素化ナトリウム(0.9g)を添加した。得られた淡黄色混合物を窒素下で15分間撹拌し、次いで0℃に氷浴中で10分間冷却し、その後、冷却された淡黄色混合物に硫酸ジメチル(2.4mL)を添加し、30分間撹拌した。反応生成物を氷/水混合物(250mL)に注ぎ入れ、生成物を酢酸エチル(400mL)で抽出し、有機相を分離し、1%水酸化アンモニウムブライン(50mL×5)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、油残留物が残された。粗材料を、シリカゲル上、3:1:1 EtOAc/ヘプタン/DCM+1%Et3N+1%MeOHで精製した。最終生成物の白色固体、2.8gが取得された。
(実施例5)
ジヒドロ−N−(フェノキシカルボニル)−ノルテバインの合成
氷浴中の、ジヒドロテバイン(30g)、重炭酸ナトリウム(29g)および216mLのアセトニトリルの冷却した混合物に、クロロギ酸フェニル(24mL)を滴下添加した。添加終了後、反応混合物を50℃に(油浴)5時間徐々に加熱した。次いで、反応生成物を室温に冷却し、冷却された反応生成物に500mLの酢酸エチルおよび200mLの水を添加し、有機相を分離し、2N水酸化ナトリウム(4×150mL)、水(200mL)、続いて5%ギ酸溶液(2×60mL)およびブラインで洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、42gの淡紫色固体を得た。
ジヒドロ−N−(フェノキシカルボニル)−ノルテバインの合成
氷浴中の、ジヒドロテバイン(30g)、重炭酸ナトリウム(29g)および216mLのアセトニトリルの冷却した混合物に、クロロギ酸フェニル(24mL)を滴下添加した。添加終了後、反応混合物を50℃に(油浴)5時間徐々に加熱した。次いで、反応生成物を室温に冷却し、冷却された反応生成物に500mLの酢酸エチルおよび200mLの水を添加し、有機相を分離し、2N水酸化ナトリウム(4×150mL)、水(200mL)、続いて5%ギ酸溶液(2×60mL)およびブラインで洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、42gの淡紫色固体を得た。
(実施例6)
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノンの合成
上記のジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(エトキシカルボニル)−ノルコデイノンを加熱し、DMSO(981mL)およびエチレングリコール(196mL)に窒素下で溶解した。水(196mL)およびKOH(50%、327mL)を添加した。混合物を100℃で10時間加熱した。さらなる水(5886mL)を添加し、添加完了後、さらに1時間加熱した。これを室温まで冷却させ、室温で2時間撹拌し、濾過した。取得された固体を水(3×327mL)で洗浄し、80℃で6時間減圧下で乾燥させて、287gの固体を得た。
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノンの合成
上記のジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(エトキシカルボニル)−ノルコデイノンを加熱し、DMSO(981mL)およびエチレングリコール(196mL)に窒素下で溶解した。水(196mL)およびKOH(50%、327mL)を添加した。混合物を100℃で10時間加熱した。さらなる水(5886mL)を添加し、添加完了後、さらに1時間加熱した。これを室温まで冷却させ、室温で2時間撹拌し、濾過した。取得された固体を水(3×327mL)で洗浄し、80℃で6時間減圧下で乾燥させて、287gの固体を得た。
(実施例7)
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノン塩酸塩の合成
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(フェノキシカルボニル)−ノルコデイノン(5g)、トルエン(19mL)、ジメチルスルホキシド(4mL)および水酸化カリウム(2.3g)の混合物を、86℃に(油浴)5時間加熱し、次いで反応生成物を30〜35℃に冷却し、水(11mL)の添加によってクエンチし、得られた混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物に150mLの塩化メチレンを添加し、有機相を分離し、水相を塩化メチレン(50mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を希水酸化アンモニアで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、残留物に100mLのトルエンを添加し、氷浴中の溶液に塩化水素ガスを吹き込んで発泡させると、多量の白色沈殿物が形成された。得られた混合物を氷浴中で2時間撹拌し、固体を濾過し、トルエンで洗浄し、終夜風乾させ、減圧オーブン中、60℃でさらに乾燥させて、2.91gの白色固体を得た。
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノン塩酸塩の合成
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(フェノキシカルボニル)−ノルコデイノン(5g)、トルエン(19mL)、ジメチルスルホキシド(4mL)および水酸化カリウム(2.3g)の混合物を、86℃に(油浴)5時間加熱し、次いで反応生成物を30〜35℃に冷却し、水(11mL)の添加によってクエンチし、得られた混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物に150mLの塩化メチレンを添加し、有機相を分離し、水相を塩化メチレン(50mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を希水酸化アンモニアで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、残留物に100mLのトルエンを添加し、氷浴中の溶液に塩化水素ガスを吹き込んで発泡させると、多量の白色沈殿物が形成された。得られた混合物を氷浴中で2時間撹拌し、固体を濾過し、トルエンで洗浄し、終夜風乾させ、減圧オーブン中、60℃でさらに乾燥させて、2.91gの白色固体を得た。
(実施例8)
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノン塩酸塩の合成
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(フェノキシカルボニル)−ノルコデイノン(5g)、トルエン(19mL)、ジメチルアセトアミド(4mL)および水酸化カリウム(2.3g)の混合物を、86℃に(油浴)2時間加熱し、次いで反応生成物を室温に冷却し、水(30mL)の添加によってクエンチした。生成物をジクロロメタン(3×60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を希水酸化アンモニアで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、残留物に100mLのトルエンを添加し、氷浴中の溶液に塩化水素ガスを吹き込んで発泡させると、多量の白色沈殿物が形成された。得られた混合物を氷浴中で2時間撹拌し、固体を濾過し、トルエンで洗浄し、終夜風乾させ、減圧オーブン中、60℃でさらに乾燥させて、2.7gの白色固体を得た。
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノン塩酸塩の合成
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(フェノキシカルボニル)−ノルコデイノン(5g)、トルエン(19mL)、ジメチルアセトアミド(4mL)および水酸化カリウム(2.3g)の混合物を、86℃に(油浴)2時間加熱し、次いで反応生成物を室温に冷却し、水(30mL)の添加によってクエンチした。生成物をジクロロメタン(3×60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を希水酸化アンモニアで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、残留物に100mLのトルエンを添加し、氷浴中の溶液に塩化水素ガスを吹き込んで発泡させると、多量の白色沈殿物が形成された。得られた混合物を氷浴中で2時間撹拌し、固体を濾過し、トルエンで洗浄し、終夜風乾させ、減圧オーブン中、60℃でさらに乾燥させて、2.7gの白色固体を得た。
(実施例9)
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノン塩酸塩の合成
出発材料ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(フェノキシカルボニル)−ノルコデイノン(5g)、トルエン(19mL)、テトラメチレンスルホン(4mL)および水酸化カリウム(2.3g)の混合物を、86℃に(油浴)3時間加熱し、次いで反応生成物を室温に冷却し、水(30mL)の添加によってクエンチした。生成物をジクロロメタン(3×60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を希水酸化アンモニアで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、残留物に80mLのトルエンを添加し、氷浴中の溶液に塩化水素ガスを吹き込んで発泡させると、多量の白色沈殿物が形成された。得られた混合物を氷浴中で2時間撹拌し、固体を濾過し、トルエンで洗浄し、終夜風乾させ、減圧オーブン中、60℃でさらに乾燥させて、3.0gの白色固体を得た。
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノン塩酸塩の合成
出発材料ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−(フェノキシカルボニル)−ノルコデイノン(5g)、トルエン(19mL)、テトラメチレンスルホン(4mL)および水酸化カリウム(2.3g)の混合物を、86℃に(油浴)3時間加熱し、次いで反応生成物を室温に冷却し、水(30mL)の添加によってクエンチした。生成物をジクロロメタン(3×60mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を希水酸化アンモニアで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。揮発物を除去した後、残留物に80mLのトルエンを添加し、氷浴中の溶液に塩化水素ガスを吹き込んで発泡させると、多量の白色沈殿物が形成された。得られた混合物を氷浴中で2時間撹拌し、固体を濾過し、トルエンで洗浄し、終夜風乾させ、減圧オーブン中、60℃でさらに乾燥させて、3.0gの白色固体を得た。
(実施例10)
ノルジヒドロテバインの合成
ジヒドロ−N−(フェノキシカルボニル)ノルテバイン(10g)、トルエン(43mL)、DMSO(11mL)および水酸化カリウム(10.8g)の混合物を、86℃に(油浴)5時間加熱し、反応生成物を室温に冷却し、冷却された反応生成物に100mLの水を添加した。有機相を分離し、水(2×30mL)で洗浄し、水性洗浄液を水相と合わせ、合わせた水相を1:9 MeOH/ジクロロメタン(4×70mL)で抽出し、有機相を合わせ、2N水酸化ナトリウム溶液(4×50mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ローターベーパーにおいて揮発物を除去した後、残留物を60℃で12時間さらに減圧下で乾燥させて、2.2gの淡黄色固体を得た。
ノルジヒドロテバインの合成
ジヒドロ−N−(フェノキシカルボニル)ノルテバイン(10g)、トルエン(43mL)、DMSO(11mL)および水酸化カリウム(10.8g)の混合物を、86℃に(油浴)5時間加熱し、反応生成物を室温に冷却し、冷却された反応生成物に100mLの水を添加した。有機相を分離し、水(2×30mL)で洗浄し、水性洗浄液を水相と合わせ、合わせた水相を1:9 MeOH/ジクロロメタン(4×70mL)で抽出し、有機相を合わせ、2N水酸化ナトリウム溶液(4×50mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ローターベーパーにおいて揮発物を除去した後、残留物を60℃で12時間さらに減圧下で乾燥させて、2.2gの淡黄色固体を得た。
(実施例11)
3−ブロモ−ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノンの合成
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノン(275g)を、クロロホルム(1375mL)およびエチレングリコール(186mL)に溶解し、0〜10℃まで冷却した。添加中、反応温度を15℃より下に維持しながら、MeSO3H(87mL)を添加して溶液を形成した。NBA(115.6g、1当量)を0〜10℃で3時間かけて添加した。溶液を30分間撹拌し、5%NH4OHの氷冷溶液(1100mL)中に移した。水層をクロロホルム(275mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×825mL)で洗浄し、ポンプで引いて乾燥させて、粗生成物を固体として得た。
3−ブロモ−ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノンの合成
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノン(275g)を、クロロホルム(1375mL)およびエチレングリコール(186mL)に溶解し、0〜10℃まで冷却した。添加中、反応温度を15℃より下に維持しながら、MeSO3H(87mL)を添加して溶液を形成した。NBA(115.6g、1当量)を0〜10℃で3時間かけて添加した。溶液を30分間撹拌し、5%NH4OHの氷冷溶液(1100mL)中に移した。水層をクロロホルム(275mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×825mL)で洗浄し、ポンプで引いて乾燥させて、粗生成物を固体として得た。
(実施例12)
3−ブロモ−ノルヒドロコドン臭化水素酸塩の合成
上記の固体、3−ブロモ−ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノンを、水中HBrの溶液(510mLのc−HBrおよび1530mLの水から作製されたもの)に溶解した。これを40℃で40分間加熱し、5℃まで3時間冷却し、濾過した。取得された固体を、水中5%HBrの冷却溶液(3×170mL、5℃)で洗浄し、60℃で18時間減圧下で乾燥させて、335gの固体を得た。生成物は、アルドール二量体を含有していなかった。
3−ブロモ−ノルヒドロコドン臭化水素酸塩の合成
上記の固体、3−ブロモ−ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−ノルコデイノンを、水中HBrの溶液(510mLのc−HBrおよび1530mLの水から作製されたもの)に溶解した。これを40℃で40分間加熱し、5℃まで3時間冷却し、濾過した。取得された固体を、水中5%HBrの冷却溶液(3×170mL、5℃)で洗浄し、60℃で18時間減圧下で乾燥させて、335gの固体を得た。生成物は、アルドール二量体を含有していなかった。
(実施例13)
ノルヒドロコドン臭化水素酸塩の合成
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−ノルコデイノン(10g)を、水中HBrの溶液(12mLのc−HBrおよび38mLの水から作製されたもの)に溶解した。これを40℃で40分間加熱し、5℃まで3時間冷却し、濾過した。取得された固体を、水中5%HBrの冷却溶液(2×4mL、5℃)で洗浄し、60℃で18時間減圧下で乾燥させて、6.8gの固体を得た。
ノルヒドロコドン臭化水素酸塩の合成
ジヒドロ環状−エチレン−アセタール−N−ノルコデイノン(10g)を、水中HBrの溶液(12mLのc−HBrおよび38mLの水から作製されたもの)に溶解した。これを40℃で40分間加熱し、5℃まで3時間冷却し、濾過した。取得された固体を、水中5%HBrの冷却溶液(2×4mL、5℃)で洗浄し、60℃で18時間減圧下で乾燥させて、6.8gの固体を得た。
(実施例14)
ノルヒドロコドンの合成
50mLの水中のノルジヒドロテバイン(2.4g)の懸濁液に、25mLのメタノール中1.25M HClを添加し、得られた溶液を室温で30分間撹拌した。反応生成物の揮発物をローターベーパーにおいて除去して、2.3gの黄色固体を産出した。
ノルヒドロコドンの合成
50mLの水中のノルジヒドロテバイン(2.4g)の懸濁液に、25mLのメタノール中1.25M HClを添加し、得られた溶液を室温で30分間撹拌した。反応生成物の揮発物をローターベーパーにおいて除去して、2.3gの黄色固体を産出した。
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