JP7305012B1 - 非水電解質二次電池、電池モジュール、及び電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイレートサイクル特性に優れるとともに、急速過充電時における発熱抑制および発熱時の放熱性に優れる非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】正極1、負極3、及び正極1と負極3との間に存在する非水電解液4を備え、正極1は、正極集電体11と、正極集電体11上に存在する正極活物質層12を有し、正極集電体11の正極活物質層12側の表面の少なくとも一部に、導電材料を含む集電体被覆層が存在し、正極活物質層12は正極活物質粒子を含み、正極活物質粒子が、正極活物質である芯部と導電性炭素を含む活物質被覆部とを有する被覆粒子を含み、正極活物質が、LiFexM(1-x)PO4で表される化合物を含み、正極活物質層12の総質量に対して導電性炭素の含有量が0.5質量%以上3.5質量%未満であり、正極1の容量Cに対する負極3の容量Aの比を表すA/C比が1.1~1.5である、非水電解質二次電池10。【選択図】図2

Description

本発明は、非水電解質二次電池、電池モジュール、及び電池システムに関する。
非水電解質二次電池は、一般的に、正極、非水電解質、負極、及び正極と負極との間に設置される分離膜(セパレータ)により構成される。
非水電解質二次電池の正極としては、リチウムイオンを含む正極活物質、導電助剤、及び結着材からなる組成物を、金属箔(集電体)の表面に固着させたものが知られている。
リチウムイオンを含む正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)等のリチウム遷移金属複合酸化物や、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウムリン酸化合物が実用化されている。
特許文献1は、電池が過充電状態になったときの発熱防止を課題とするもので、負極活物質として黒鉛を用い、正極活物質としてニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム(NCM433)、又は前記NCM433とLiMnOとの混合活物質を用い、導電助剤としてカーボンブラック(CB)を用いた非水電解質二次電池の例が記載されている。
実施例には、黒鉛とCBを94:6の質量比で含む負極スラリーを、銅箔上に塗布し、加熱乾燥し、プレスして負極を作製し、NCM433とCBとバインダーを93:3:3の質量比で含む正極スラリー、又は前記混合活物質とCBとバインダーを90:5:5の質量比で含む正極スラリーを、アルミニウム箔上に塗布し、加熱乾燥し、プレスして正極を作製した例が記載されている。セパレータとして用いる樹脂フィルムの熱収縮率を小さくすると、150℃の加温試験における電池の発熱が抑制される傾向があることが示されている。
特開2017-33827号公報
非水電解質二次電池にあっては、電池特性の向上が求められるとともに、安全性をより高めることが求められている。例えば、急速充電による過充電(急速過充電)が起こると、過充電防止機能が働く前に大きな電流が流れて発熱し、非水電解質二次電池の温度が高くなる場合がある。
本発明は、ハイレートサイクル特性に優れるとともに、急速過充電時における発熱抑制および発熱時の放熱性に優れる非水電解質二次電池を提供する。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 正極、負極、及び前記正極と負極との間に存在する非水電解液を備え、
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に存在する正極活物質層を有し、
前記正極集電体の、前記正極活物質層側の表面の少なくとも一部に、導電材料を含む集電体被覆層が存在し、
前記正極活物質層は正極活物質粒子を含み、
前記正極活物質粒子が、正極活物質である芯部と、導電性炭素を含む活物質被覆部とを有する被覆粒子を含み、
前記正極活物質が、一般式LiFe(1-x)PO(式中、0≦x≦1、MはCo、Ni、Mn、Al、Ti又はZrである。)で表される化合物を含み、
前記正極活物質層の総質量に対して導電性炭素の含有量が0.5質量%以上3.5質量%未満であり、
前記正極の単位面積当たりの容量C(単位:mAh/cm)に対する、負極の単位面積当たりの容量A(単位:mAh/cm)の比を表すA/C比が1.1~1.5である、非水電解質二次電池。
[2] 前記非水電解質二次電池の、エネルギー密度(単位:Wh/kg)に対する出力密度(単位:W/kg)の比を表すW/Wh比が25以上50未満である、[1]の非水電解質二次電池。
[3] 前記[1]又は[2]の非水電解質二次電池の複数個を備える、電池モジュール又は電池システム。
本発明によれば、ハイレートサイクル特性に優れるとともに、急速過充電時における発熱抑制および発熱時の放熱性に優れる非水電解質二次電池が得られる。
本発明に係る非水電解質二次電池用正極の一例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る非水電解質二次電池の一例を模式的に示す断面図である。 A/C比の測定に用いるコインセルを示す断面図である。
本明細書及び特許請求の範囲において、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載した数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
図1は、本発明の非水電解質二次電池用正極の一実施形態を示す模式断面図であり、図2は本発明の非水電解質二次電池の一実施形態を示す模式断面図である。
なお、図1、2は、その構成をわかりやすく説明するための模式図であり、各構成要素の寸法比率等は、実際とは異なる場合もある。
以下、実施形態を挙げて本発明を説明する。
図2に示すように、本実施形態の非水電解質二次電池は、正極1(以下「非水電解質二次電池用正極」ともいう。)、負極3、及び正極1と負極3との間に存在する非水電解液4を備える。
<非水電解質二次電池用正極>
図1に示すように、本実施形態における正極1は、集電体(以下「正極集電体」という。)11と正極活物質層12を有する。
本実施形態において、正極活物質層12は正極集電体11の両面上に存在する。ただし、本発明において、正極集電体11の一方の面にのみ、正極活物質層12が存在してもよい。
図1の例において、正極集電体11は、正極集電体本体14と、正極集電体本体14の正極活物質層12側の表面を被覆する集電体被覆層15とを有する。集電体被覆層15は導電材料を含む。ただし、本発明においては、正極集電体11の、正極活物質層12側の表面の少なくとも一部に集電体被覆層15が存在すればよい。
[正極活物質層]
正極活物質層12は正極活物質粒子を含む。
正極活物質層12は、さらに結着材を含むことが好ましい。
正極活物質層12は、さらに導電助剤を含んでもよい。本明細書において、「導電助剤」という用語は、正極活物質層を形成するにあたって正極活物質粒子と混合する、粒状、繊維状などの形状を有する導電材料であって、正極活物質粒子を繋ぐ形で正極活物質層中に存在させる導電材料を指す。
正極活物質層12は、さらに分散剤を含んでもよい。
正極活物質層12の総質量に対して、正極活物質粒子の含有量は80.0~99.9質量%が好ましく、90~99.5質量%がより好ましい。
正極活物質層の厚み(正極集電体の両面上に正極活物質層が存在する場合、両面の合計)は30~500μmであることが好ましく、40~400μmであることがより好ましく、50~300μmであることが特に好ましい。正極活物質層の厚みが上記範囲の下限値以上であると、正極を組み込んだ電池のエネルギー密度が高くなりやすく、上記範囲の上限値以下であると、正極活物質層の剥離強度が高く、充放電時に剥がれを抑制できる。
[正極活物質粒子]
正極活物質粒子は、正極活物質を含む。正極活物質粒子の少なくとも一部は、被覆粒子である。
被覆粒子において、正極活物質粒子の表面には、導電材料を含む被覆部(以下、「活物質被覆部」ともいう。)が存在する。正極活物質粒子が活物質被覆部を有することで、電池容量、サイクル特性をより高められる。
例えば、活物質被覆部は、予め正極活物質粒子の表面に形成されており、かつ正極活物質層中において、正極活物質粒子の表面に存在する。即ち、本明細書における活物質被覆部は、正極製造用組成物の調製段階以降の工程で新たに形成されるものではない。加えて、活物質被覆部は、正極製造用組成物の調製段階以降の工程で欠落するものではない。
例えば、正極製造用組成物を調製する際に、被覆粒子を溶媒と共にミキサー等で混合しても、活物質被覆部は正極活物質の表面を被覆している。また、仮に、正極から正極活物質層を剥がし、これを溶媒に投入して正極活物質層中の結着材を溶媒に溶解させた場合にも、活物質被覆部は正極活物質の表面を被覆している。また、仮に、正極活物質層中の粒子の粒度分布をレーザー回折・散乱法により測定する際に、凝集した粒子をほぐす操作を行った場合にも活物質被覆部は正極活物質の表面を被覆している。
活物質被覆部は、正極活物質粒子の外表面全体の面積の50%以上に存在することが好ましく、70%以上に存在することが好ましく、90%以上に存在することが好ましい。
すなわち、被覆粒子は、正極活物質である芯部と、前記芯部の表面を覆う活物質被覆部とを有し、芯部の表面積に対する活物質被覆部の面積(被覆率)は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
被覆粒子の製造方法としては、例えば、焼結法、蒸着法等が挙げられる。
焼結法としては、正極活物質の粒子と有機物とを含む活物質製造用組成物(例えば、スラリー)を、大気圧下、500~1000℃、1~100時間で焼成する方法が挙げられる。活物質製造用組成物に添加する有機物としては、サリチル酸、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、ヘキサヒドロキシベンゼン、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、フェニルアラニン、水分散型フェノール樹脂、スクロース、グルコース、ラクトース等の糖類、リンゴ酸、クエン酸などのカルボン酸、アリルアルコール、プロパルギルアルコール等の不飽和一価アルコール、アスコルビン酸、ポリビニルアルコール等が挙げられる。この焼結法によれば、活物質製造用組成物を焼成することで、有機物中の炭素を正極活物質の表面に焼結して、活物質被覆部を形成する。
また、他の焼結法としては、いわゆる衝撃焼結被覆法が挙げられる。
衝撃焼結被覆法は、例えば、衝撃焼結被覆装置において燃料の炭化水素と酸素の混合ガスを用いてバーナに点火し燃焼室で燃焼させてフレームを発生させ、その際、酸素量を燃料に対して完全燃焼の当量以下にしてフレーム温度を下げ、その後方に粉末供給用ノズルを設置し、そのノズルから被覆する有機物と溶媒を用いて溶かしスラリー状にしたものと燃焼ガスからなる固体-液体-気体三相混合物を粉末供給ノズルから噴射させ、室温に保持された燃焼ガス量を増して、噴射微粉末の温度を下げて、粉末材料の変態温度、昇華温度、蒸発温度以下で加速し、衝撃により瞬時焼結させて、正極活物質の粒子を被覆する。
蒸着法としては、物理気相成長法(PVD)、化学気相成長法(CVD)等の気相堆積法、メッキ等の液相堆積法等が挙げられる。
前記被覆率は次のような方法により測定することができる。まず、正極活物質層中の粒子を、透過電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分光法(TEM-EDX)により分析する。具体的には、TEM画像における正極活物質粒子の外周部をEDXで元素分析する。元素分析は炭素について行い、正極活物質粒子を被覆している炭素を特定する。炭素の被覆部が1nm以上の厚さである箇所を被覆部分とし、観察した正極活物質粒子の全周に対して被覆部分の割合を求め、これを被覆率とすることができる。測定は例えば、10個の正極活物質粒子について行い、これらの平均値とすることができる。
また、前記活物質被覆部は、正極活物質のみから構成される粒子(芯部)の表面上に直接形成された厚み1nm~100nm、好ましくは5nm~50nmの層であり、この厚みは上述した被覆率の測定に用いるTEM-EDXによって確認することができる。
本発明において、被覆粒子の被覆率(芯部の表面積に対する活物質被覆部の面積)は100%が特に好ましい。
なお、この被覆率(%)は、正極活物質層中に存在する正極活物質粒子全体についての平均値であり、この平均値が上記下限値以上となる限り、活物質被覆部を有しない正極活物質粒子が微量に存在することを排除するものではない。活物質被覆部を有しない正極活物質粒子(単一粒子)が正極活物質層中に存在する場合、その量は、正極活物質層中に存在する正極活物質粒子全体の量に対して、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下である。
活物質被覆部を構成する導電材料は、炭素(導電性炭素)を含む。該導電材料は、炭素のみでもよく、炭素と炭素以外の他の元素とを含む導電性有機化合物でもよい。他の元素としては、窒素、水素、酸素等が例示できる。前記導電性有機化合物において、他の元素は10原子%以下が好ましく、5原子%以下がより好ましい。活物質被覆部を構成する導電材料は、炭素のみからなることがさらに好ましい。
活物質被覆部を有する正極活物質粒子の総質量に対して、導電材料の含有量は0.1~4.0質量%が好ましく、0.5~3.0質量%がより好ましく、0.7~2.5質量%がさらに好ましい。多すぎる場合は正極活物質粒子の表面から導電材料が剥がれ、独立した導電助剤粒子として残留する可能性があるため、好ましくない。
活物質被覆部を炭素で構成する場合、アモルファス(非晶質)カーボンであることが望ましい。
非晶質性の炭素を被覆した正極活物質を得る製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、正極活物質粒子に対して、炭素前駆体として、易黒鉛化性樹脂あるいは難黒鉛化性樹脂、ナフタレン、コールタール、バインダーピッチ等を添加し、600~1300℃で熱処理をする方法が挙げられる。また、正極活物質粒子を流動状態とし、化学蒸着炭素源としてメタノール、エタノール、ベンゼンやトルエン等の炭化水素化合物等を用い、600~1300℃の熱処理温度で化学的気相蒸着(CVD)処理をし、正極活物質粒子の表面に炭素被膜を形成させる方法が挙げられる。これらの方法により形成した活物質被覆部は、活物質被覆部を構成する炭素の大部分がアモルファス(非晶質)である。
活物質被覆部をアモルファスの炭素ではなく、導電性が高く、結晶性も高いカーボンナノチューブ、グラフェン等を用いて形成した場合、活物質被覆部は抵抗が低くなりすぎて、充放電サイクルを行った際に電解液との副反応性が高まり電池の寿命特性が低下しやすい。
例えば、EELSスペクトル(C-Kエッジ)の形状の違いから、sp結合割合を確認することにより、活物質被覆部の炭素が結晶質であるか、アモルファスであるかを判定することができる。同様にラマンスペクトルの波数1200cm-1~1800cm-1におけるピーク位置を確認することにより、活物質被覆部の炭素が結晶質であるか、アモルファスであるかを判定することができる。
活物質被覆部において、非晶質炭素の存在比率が結晶質炭素の存在比率よりも高いことが好ましい。
正極活物質粒子は、一般式LiFe(1-x)PO(以下「一般式(I)」ともいう。)で表される化合物(I)を含む。化合物(I)はオリビン型結晶構造を有する化合物である。一般式(I)において0≦x≦1である。MはCo、Ni、Mn、Al、Ti又はZrである。物性値に変化がない程度に微小量の、FeおよびM(Co、Ni、Mn、Al、Ti又はZr)の一部を他の元素に置換することもできる。一般式(I)で表される化合物(I)は、微量の金属不純物が含まれていても本発明の効果が損なわれるものではない。
一般式(I)で表される化合物(I)は、LiFePOで表されるリン酸鉄リチウム(以下、単に「リン酸鉄リチウム」ともいう。)が好ましい。
正極活物質粒子として、表面の少なくとも一部に導電材料を含む活物質被覆部が存在するリン酸鉄リチウム粒子(以下「被覆リン酸鉄リチウム粒子」ともいう。)がより好ましい。電池容量、サイクル特性により優れる点から、リン酸鉄リチウム粒子の表面全体が導電材料で被覆されていることがさらに好ましい。
被覆リン酸鉄リチウム粒子は公知の方法で製造できる。
被覆リン酸鉄リチウム粒子の活物質被覆部は、非晶質炭素の存在比率が結晶質炭素の存在比率よりも高い、低結晶性の炭素で構成されることが好ましい。
低結晶性の炭素を被覆したリン酸鉄リチウム粒子を得る製造方法は、特に制限はないが、例えば、リン酸鉄粒子に対して前記炭素前駆体を添加して熱処理する方法や、リン酸鉄リチウム粒子を流動させながら、前記化学蒸着炭素源を用いたCVD処理を施して表面に炭素被膜を形成させる方法が挙げられる。
リン酸鉄粒子の粒子径は、粉砕工程における粉砕時間等によって調整できる。リン酸鉄リチウム粉末を被覆する炭素の量は、炭素を被覆する処理の温度や時間によって調整できる。被覆されなかった炭素粒子はその後の分級や洗浄などの工程などにより取り除くことが望ましい。
正極活物質粒子は、前記一般式(I)で表される化合物(I)以外の他の正極活物質を含む他の正極活物質粒子を1種以上含んでもよい。
他の正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム(LiNiCoAl、ただしx+y+z=1)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNiCoMn、ただしx+y+z=1)、マンガン酸リチウム(LiMn)、コバルトマンガン酸リチウム(LiMnCoO)、クロム酸マンガンリチウム(LiMnCrO)、バナジウムニッケル酸リチウム(LiNiVO)、ニッケル置換マンガン酸リチウム(例えば、LiMn1.5Ni0.5)、及びバナジウムコバルト酸リチウム(LiCoVO)、これらの化合物の一部を金属元素で置換した非化学量論的化合物等が挙げられる。前記金属元素としては、Mn、Mg、Ni、Co、Cu、Zn及びGeからなる群から選択される1種以上が挙げられる。
他の正極活物質粒子の表面の少なくとも一部に、前記活物質被覆部が存在してもよい。
正極活物質粒子の総質量(活物質被覆部を有する場合は活物質被覆部の質量も含む)に対して、前記一般式(I)で表される化合物の含有量は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。100質量%でもよい。
被覆リン酸鉄リチウム粒子を用いる場合、正極活物質粒子の総質量に対して、被覆リン酸鉄リチウム粒子の含有量は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。100質量%でもよい。
正極活物質粒子の活物質被覆部の厚さは、1~100nmが好ましい。
正極活物質粒子の活物質被覆部の厚さは、正極活物質粒子の透過電子顕微鏡(TEM)像における活物質被覆部の厚さを計測する方法で測定できる。正極活物質粒子の表面に存在する活物質被覆部の厚さは均一でなくてもよい。正極活物質粒子の表面の少なくとも一部に厚さ1nm以上の活物質被覆部が存在し、活物質被覆部の厚さの最大値が100nm以下であることが好ましい。
正極活物質粒子の平均粒子径(活物質被覆部を有する場合は活物質被覆部の厚さも含む)は、0.1~20.0μmが好ましく、0.5~15.0μmがより好ましい。正極活物質粒子を2種以上用いる場合、それぞれの平均粒子径が上記の範囲内であればよい。
前記平均粒子径が上記範囲の下限値以上であると、正極製造用組成物における分散性が良くなりやすく、また、凝集物が発生し難くなりやすい。一方、上記範囲の上限値以下であると比表面積が適度に大きくなり、充放電で反応する面積を確保しやすい。その結果、電池として抵抗が低くなり、入出力特性が低下し難くなる。
本明細書における正極活物質粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による粒度分布測定器を用いて測定した体積基準のメジアン径である。
[結着材]
正極活物質層12に含まれる結着材は有機物であり、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸リチウム、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、スチレンブタジエンゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルニトリル、ポリイミド等が挙げられる。結着材は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
正極活物質層の総質量に対して、結着材の含有量は1.0質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましい。
正極活物質層が結着材を含有する場合、結着材の含有量の下限値は、正極活物質層の総質量に対して0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。
[導電助剤]
正極活物質層12に含まれる導電助剤は、公知のものを用いることができる。
導電性炭素を含む導電助剤としては、グラファイト、グラフェン、ハードカーボン、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)等が挙げられる。導電助剤は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
正極活物質層における導電助剤の含有量は、例えば、正極活物質の総質量100質量部に対して、4質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、1質量部以下がさらに好ましく、導電助剤を含まないことが特に好ましく、独立した導電助剤粒子(例えば独立した炭素粒子)が存在しない状態が望ましい。
正極活物質層に導電助剤を配合する場合、導電助剤の含有量の下限値は、導電助剤の種類に応じて適宜決定され、例えば、正極活物質層の総質量に対して0.1質量%超とされる。
なお、正極活物質層が「導電助剤を含まない」とは、実質的に含まないことを意味し、本発明の効果に影響を及ぼさない程度に含むものを排除するものではない。例えば、導電助剤の含有量が正極活物質層の総質量に対して0.1質量%以下であれば、実質的に含まれないと判断できる。
[分散剤]
正極活物質層12に含まれる分散剤は有機物であり、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルホルマール(PVF)等が挙げられる。分散剤は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
分散剤は正極活物質層における粒子の分散性向上に寄与する。一方、分散剤の含有量が多すぎると抵抗が増大しやすい。
正極活物質層の総質量に対して、分散剤の含有量は0.5質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましい。
正極活物質層が分散剤を含有する場合、分散剤の含有量の下限値は、正極活物質層の総質量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。
[正極集電体本体]
正極集電体本体14を構成する材料としては、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性を有する金属が例示できる。
正極集電体本体14は、金属材料からなる箔(金属箔)であり、表面に形成される酸化膜を含んでいてもよい。
正極集電体本体14の厚みは、例えば8~40μmが好ましく、10~25μmがより好ましい。
正極集電体本体14の厚み及び正極集電体11の厚みは、マイクロメータを用いて測定できる。測定器の一例としてはミツトヨ社製品名「MDH-25M」が挙げられる。
[集電体被覆層]
正極集電体本体14の表面の少なくとも一部に集電体被覆層15が存在する。集電体被覆層15は導電材料を含む。
ここで、「表面の少なくとも一部」とは、正極集電体本体の表面の面積の10%~100%、好ましくは30%~100%、より好ましくは50%~100%を意味する。
集電体被覆層15中の導電材料は、炭素(導電性炭素)を含むことが好ましい。炭素のみからなる導電材料がより好ましい。
集電体被覆層15は、例えばカーボンブラック等の炭素粒子と結着材を含むコーティング層が好ましい。集電体被覆層15の結着材は、正極活物質層12の結着材と同様のものを例示できる。
正極集電体本体14の表面を集電体被覆層15で被覆した正極集電体11は、例えば、導電材料、結着材、及び溶媒を含むスラリーを、グラビア法等の公知の塗工方法を用いて正極集電体本体14の表面に塗工し、乾燥して溶媒を除去する方法で製造できる。
集電体被覆層15の厚さは、0.1~4.0μmが好ましい。
集電体被覆層の厚さは、集電体被覆層の断面の透過電子顕微鏡(TEM)像又は走査型電子顕微鏡(SEM)像における被覆層の厚さを計測する方法で測定できる。集電体被覆層の厚さは均一でなくてもよい。正極集電体本体14の表面の少なくとも一部に厚さ0.1μm以上の集電体被覆層が存在し、集電体被覆層の厚さの最大値が4.0μm以下であることが好ましい。
[導電性炭素含有量]
本実施形態において、正極活物質層12は導電性炭素を含む。
正極活物質層の総質量に対して、導電性炭素の含有量は0.5質量%以上3.5質量%未満が好ましく、1.0~3.0質量%がより好ましく、1.2~2.8質量%がさらに好ましい。
正極活物質層中の導電性炭素の含有量が、上記範囲の下限値以上であると正極活物質層12の抵抗が低くなり、急速充電時の発熱を抑制しやすい。上限値以下であると、放熱に寄与する正極活物質粒子の含有量を相対的に多くすることができ、急速充電時の発熱抑制効果及び放熱性向上効果を高めやすい。加えて、非水電解質二次電池のエネルギー密度及び入出力密度を高めやすい。
導電性炭素による抵抗低減効果と、正極活物質による放熱効果とのバランスに優れる点で、正極活物質と導電性炭素の合計量に対して、導電性炭素の含有量は0.5~3.0質量%が好ましく、0.7~2.5質量%がより好ましく、1.0~2.0質量%がさらに好ましい。
正極活物質層の総質量に対する導電性炭素の含有量は、正極から正極活物質層を剥がして120℃環境で真空乾燥した乾燥物(粉体)を測定対象物として、下記≪導電性炭素含有量の測定方法≫で測定できる。
例えば、正極活物質層の最表面の、深さ数μmの部分をスパチュラ等で剥がした粉体を120℃環境で真空乾燥させて測定対象物とすることができる。
下記≪導電性炭素含有量の測定方法≫で測定した導電性炭素の含有量は、活物質被覆部中の炭素と、導電助剤中の炭素を含む。結着材中の炭素は含まれない。分散剤中の炭素は含まれない。
≪導電性炭素含有量の測定方法≫
[測定方法A]
測定対象物を均一に混合して試料(質量w1)を量りとり、下記の工程A1、工程A2の手順で熱重量示差熱(TG-DTA)測定を行い、TG曲線を得る。得られたTG曲線から下記第1の重量減少量M1(単位:質量%)及び第2の重量減少量M2(単位:質量%)を求める。M2からM1を減算して導電性炭素の含有量(単位:質量%)を得る。
工程A1:300mL/分のアルゴン気流中において、10℃/分の昇温速度で30℃から600℃まで昇温し、600℃で10分間保持したときの質量w2から、下記式(a1)により第1の重量減少量M1を求める。
M1=(w1-w2)/w1×100 …(a1)
工程A2:前記工程A1の直後に600℃から10℃/分の降温速度で降温し、200℃で10分間保持した後に、測定ガスをアルゴンから酸素へ完全に置換し、100mL/分の酸素気流中において、10℃/分の昇温速度で200℃から1000℃まで昇温し、1000℃にて10分間保持したときの質量w3から、下記式(a2)により第2の重量減少量M2(単位:質量%)を求める。
M2=(w1-w3)/w1×100 …(a2)
[測定方法B]
測定対象物を均一に混合して試料を0.0001mg精秤し、下記の燃焼条件で試料を燃焼し、発生した二酸化炭素をCHN元素分析装置により定量し、試料に含まれる全炭素量M3(単位:質量%)を測定する。また、前記測定方法Aの工程A1の手順で第1の重量減少量M1を求める。M3からM1を減算して導電性炭素の含有量(単位:質量%)を得る。
[燃焼条件]
燃焼炉:1150℃
還元炉:850℃
ヘリウム流量:200mL/分
酸素流量:25~30mL/分
[測定方法C]
上記測定方法Bと同様にして、試料に含まれる全炭素量M3(単位:質量%)を測定する。また、下記の方法で結着材由来の炭素の含有量M4(単位:質量%)を求める。M3からM4を減算して導電性炭素の含有量(単位:質量%)を得る。
結着材がポリフッ化ビニリデン(PVDF:モノマー(CHCF)の分子量64)である場合は、管状式燃焼法による燃焼イオンクロマトグラフィーにより測定されたフッ化物イオン(F)の含有量(単位:質量%)、PVDFを構成するモノマーのフッ素の原子量(19)、及びPVDFを構成する炭素の原子量(12)から以下の式で計算することができる。
PVDFの含有量(単位:質量%)=フッ化物イオンの含有量(単位:質量%)×64/38
PVDF由来の炭素の含有量M4(単位:質量%)=フッ化物イオンの含有量(単位:質量%)×12/19
結着材がポリフッ化ビニリデンであることは、試料、又は試料をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒により抽出した液体をフーリエ変換赤外スペクトル(FT-IR)測定し、C-F結合由来の吸収を確認する方法で確かめることができる。同様に19F-NMR測定でも確かめることができる。
結着材がPVDF以外と同定された場合は、その分子量に相当する結着材の含有量(単位:質量%)および炭素の含有量(単位:質量%)を求めることで、結着材由来の炭素量M4を算出できる。
分散剤が含まれる場合は、前記M3からM4を減算し、さらに分散剤由来の炭素量を減算して導電性炭素の含有量(単位:質量%)を得ることができる。
これらの手法は下記複数の公知文献に記載されている。
東レリサーチセンター The TRC News No.117 (Sep.2013)第34~37頁、[2021年2月10日検索]、インターネット<https://www.toray-research.co.jp/technical-info/trcnews/pdf/TRC117(34-37).pdf>
東ソー分析センター 技術レポート No.T1019 2017.09.20、[2021年2月10日検索]、インターネット<http://www.tosoh-arc.co.jp/techrepo/files/tarc00522/T1719N.pdf>
≪導電性炭素の分析方法≫
正極活物質の活物質被覆部を構成する導電性炭素と、導電助剤である導電性炭素は、以下の分析方法で区別できる。
例えば、正極活物質層中の粒子を透過電子顕微鏡電子エネルギー損失分光法(TEM-EELS)により分析し、粒子表面近傍にのみ290eV付近の炭素由来のピークが存在する粒子は正極活物質であり、粒子内部にまで炭素由来のピークが存在する粒子は導電助剤と判定することができる。ここで「粒子表面近傍」とは、粒子表面からの深さが、約100nmまでの領域を意味し、「粒子内部」とは前記粒子表面近傍よりも内側の領域を意味する。
他の方法としては、正極活物質層中の粒子をラマン分光によりマッピング解析し、炭素由来のG-bandとD-band、及び正極活物質由来の酸化物結晶のピークが同時に観測された粒子は正極活物質であり、G-bandとD-bandのみが観測された粒子は導電助剤と判定することができる。
さらに他の方法としては、広がり抵抗顕微鏡(SSRM:Scanning Spread Resistance Microscope)により、正極活物質層の断面を観察し、粒子表面に粒子内部より抵抗が低い部分が存在する場合、抵抗が低い部分は活物質被覆部に存在する導電性炭素であると判定できる。そのような粒子以外に独立して存在し、かつ抵抗が低い部分は導電助剤であると判定することができる。
なお、不純物として考えられる微量な炭素や、製造時に正極活物質の表面から意図せず剥がれた微量な炭素などは、導電助剤と判定しない。
これらの方法を用いて、炭素材料からなる導電助剤が正極活物質層に含まれるか否かを確認することができる。
<正極の製造方法>
本実施形態の正極1の製造方法は、正極活物質を含む正極製造用組成物を調製する組成物調製工程と、正極製造用組成物を正極集電体11上に塗工する塗工工程を有する。
例えば、正極活物質及び溶媒を含む正極製造用組成物を、正極集電体11上に塗工し、乾燥し溶媒を除去して正極活物質層12を形成する方法で正極1を製造できる。正極製造用組成物は導電助剤を含んでもよい。正極製造用組成物は結着材を含んでもよい。正極製造用組成物は分散剤を含んでもよい。
正極集電体11上に正極活物質層12を形成した積層物を、2枚の平板状冶具の間に挟み、厚み方向に均一に加圧する方法で、正極活物質層12の厚みを調整できる。例えば、ロールプレス機を用いて加圧する方法を使用できる。
正極製造用組成物の溶媒は非水系溶媒が好ましい。例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等のアルコール;N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等の鎖状又は環状アミド;アセトン等のケトンが挙げられる。溶媒は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
<非水電解質二次電池>
図2に示す本実施形態の非水電解質二次電池10は、本実施形態の非水電解質二次電池用正極1と、負極3と、非水電解液4とを備える。さらにセパレータ2を備えてもよい。図中符号5は外装体である。
本実施形態において、正極1は、板状の正極集電体11と、その両面上に設けられた正極活物質層12と有する。正極活物質層12は正極集電体11の表面の一部に存在する。正極集電体11の表面の縁部は、正極活物質層12が存在しない正極集電体露出部13である。正極集電体露出部13の表面には、集電体被覆層15が存在していてもよいし、集電体被覆層15が存在しなくてもよい(すなわち、正極集電体本体14が露出していてもよい)。正極集電体露出部13の任意の箇所に、図示しない端子用タブが電気的に接続する。
本実施形態において、負極3は、板状の負極集電体31と、その両面上に設けられた負極活物質層32とを有する。負極活物質層32は負極集電体31の表面の一部に存在する。負極集電体31の表面の縁部は、負極活物質層32が存在しない負極集電体露出部33である。負極集電体露出部33の任意の箇所に、図示しない端子用タブが電気的に接続する。
正極1、負極3およびセパレータ2の形状は特に限定されない。例えば平面視矩形状でもよい。
図2では、代表的に、負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極の順に積層した構造を示しているが、電極の数は適宜変更できる。正極1は1枚以上あればよく、得ようとする電池容量に応じて任意の数の正極1を用いることができる。負極3及びセパレータ2は、正極1の数より1枚多く用い、最外層が負極3となるように積層する。
[負極]
負極活物質層32は負極活物質を含む。負極活物質層32はさらに結着材を含んでもよい。負極活物質層32はさらに導電助剤を含んでもよい。負極活物質の形状は、粒子状が好ましい。
負極3は、例えば、負極活物質、結着材、及び溶媒を含む負極製造用組成物を調製し、これを負極集電体31上に塗工し、乾燥し溶媒を除去して負極活物質層32を形成する方法で製造できる。負極製造用組成物は導電助剤を含んでもよい。
負極活物質及び導電助剤としては、例えば炭素材料、チタン酸リチウム(LTO)、シリコン、一酸化シリコン等が挙げられる。炭素材料としては、グラファイト、グラフェン、ハードカーボン、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)等が挙げられる。負極活物質及び導電助剤は、それぞれ1種でもよく2種以上を併用してもよい。
負極集電体31の材料は、上記した正極集電体11の材料と同様のものを例示できる。
負極製造用組成物中の結着材としては、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン-六フッ化プロピレン共重合体(PVDF-HFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)等が例示できる。結着材は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
負極製造用組成物中の溶媒としては、水、有機溶媒が例示できる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等のアルコール;N-メチルピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)等の鎖状又は環状アミド;アセトン等のケトンが例示できる。溶媒は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
負極活物質層32の総質量に対して、負極活物質及び導電助剤の合計の含有量は80.0~99.9質量%が好ましく、85.0~98.0質量%がより好ましい。
[セパレータ]
セパレータ2を負極3と正極1との間に配置して短絡等を防止する。セパレータ2は、後述する非水電解液4を保持してもよい。
セパレータ2としては、特に限定されず、多孔性の高分子膜、不織布、ガラスファイバー等が例示できる。
セパレータ2の一方又は両方の表面上に絶縁層を設けてもよい。絶縁層は、絶縁性微粒子を絶縁層用結着材で結着した多孔質構造を有する層が好ましい。
セパレータ2の厚さは、例えば、5~30μmとされる。
セパレータ2は、各種可塑剤、酸化防止剤、難燃剤を含んでもよい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリフェノール系酸化防止剤等のフェノール系酸化防止剤;ヒンダードアミン系酸化防止剤;リン系酸化防止剤;イオウ系酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系酸化防止剤;ベンゾフェノン系酸化防止剤;トリアジン系酸化防止剤;サルチル酸エステル系酸化防止剤等が例示できる。フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましい。
[非水電解液]
非水電解液4は正極1と負極3との間を満たす。例えば、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ等において公知の非水電解液を使用できる。
非水電解質二次電池10の製造に用いる非水電解液は、有機溶媒と電解質塩とを含む。さらに添加剤を含んでもよい。
製造後(初期充電後)の非水電解質二次電池10は、有機溶媒と電解質塩を含み、さらに添加剤に由来する残留物又は痕跡を含んでもよい。
有機溶媒は、高電圧に対する耐性を有するものが好ましい。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ-ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、テトロヒドラフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、又はこれら極性溶媒の2種類以上の混合物が挙げられる。
電解質塩は、特に限定されず、例えばLiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCF、LiCFCO、LiPFSO、LiN(SOF)、LiN(SOCF、Li(SOCFCF、LiN(COCF、LiN(COCFCF等のリチウムを含む塩、又はこれら塩の2種以上の混合物が挙げられる。
添加剤としては、硫黄原子及び窒素原子の一方又は両方を含む化合物Aが挙げられる。添加剤は、1種単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
化合物Aの例としては、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiN(SOF)、以下「LiFSI」とも記す)等が挙げられる。
<非水電解質二次電池の製造方法>
本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法は、正極、セパレータ、負極、非水電解液、外装体等を公知の方法で組み立て、非水電解質二次電池を得る方法が挙げられる。
本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法の一例について説明する。例えば、正極1と負極3を、セパレータ2を介して交互に積層した電極積層体を作製する。電極積層体をアルミラミネート袋等の外装体(筐体)5に封入する。次いで、非水電解液4を外装体に注入し、外装体5を密閉して、非水電解質二次電池とする。
本実施形態の非水電解質二次電池は、正極の単位面積当たりの容量C(単位:mAh/cm)に対する負極の単位面積当たりの容量A(単位:mAh/cm)の比を表すA/C比が1.1~1.5であり、1.2~1.48が好ましく、1.3~1.45がより好ましい。
A/C比が上記範囲の下限値以上であると正極の容量に対して十分に負極の容量が高く急速過充電時に負極でのリチウムイオンを受け入れる余裕があるため安全性が高まる。上限値以下であると負極の余剰な容量が適切な範囲で調整され、電池のエネルギー密度を高めることができる。A/C比が上記範囲内であると、ハイレートサイクル特性に優れる。
負極の単位面積当たりの容量Aの範囲は特に限定されない。例えば2~10mAh/cmの範囲内とすることができる。
正極の単位面積当たりの容量Cの範囲は特に限定されない。例えば2~10mAh/cmの範囲内とすることができる。
正極又は負極の単位面積当たりの容量は、活物質層の厚み、活物質層に含まれる活物質の種類、割合等によって調整できる。例えば、活物質層を厚くして単位面積当たりの密度(mg/cm)を高めると、容量が増大する傾向がある。
正極活物質については、例えば、ニッケル・コバルト・マンガン酸リチウムにおいて、ニッケルの割合を増やすことで、リン酸鉄リチウムよりも単位重量当たりの容量(mAh/g)を高めることができる。一方で、マンガン酸リチウムの方がリン酸鉄リチウムよりも単位重量当たりの容量は小さい。負極活物質については、例えば、シリコン系の活物質を用いることでグラファイト系と比較して高い単位重量当たりの容量が得られる。一方で、チタン酸リチウムはグラファイト系よりも単位重量当たりの容量は小さい。これら活物質の単位重量当たりの容量を鑑みて使用することにより単位面積当たりの容量を調整できる。
また、活物質層における活物質の含有比率を高めると、容量が増大する傾向がある。
正極の単位面積当たりの容量C、負極の単位面積当たりの容量A、及びA/C比は、後述の実施例に記載の方法で測定できる。
本実施形態によれば、正極活物質としてオリビン型結晶構造を有する特定の化合物を用い、正極に集電体被覆層を設け、正極活物質層における導電性炭素の含有比率を適度に少なくして正極活物質の含有比率を相対的に多くすることによって、非水電解質二次電池の急速充填時における温度上昇を良好に抑えることができ、非水電解質二次電池の安全性をより高めることができる。加えて、エネルギー密度および入出力密度の両方が高く、良好なハイレートサイクル特性を示す非水電解質二次電池が得られる。
本実施形態の非水電解質二次電池において、集電体被覆層及び導電性炭素の存在が導電性の確保に寄与し、抵抗が低い導電性炭素が急速充電時の発熱抑制に寄与し、比較的熱伝導性が高い正極活物質が急速充電時の放熱に寄与すると考えられる。
また非水電解質二次電池において、一般に、エネルギー密度と入出力密度はどちらか一方を高めると、もう一方が低くなるトレードオフの関係にあるが、本実施形態によれば両方をバランス良く高めることができ、エネルギー密度に対する出力密度の比を表すW/Wh比が25以上50未満を実現できる。
入出力密度が高いと急速充填に好適である。また入出力密度が高まると、ハイレートでの充放電特性も同時に高められ、ハイレートサイクル試験における容量維持率を向上できる。
本明細書における、エネルギー密度、出力密度、及び出力密度/エネルギー密度の比率であるW/Wh比は、後述の実施例に記載の測定方法で得られる値である。
W/Wh比は25以上50未満が好ましく、30~45がより好ましく、35~40がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると入出力特性が高く、ハイレートでの充放電特性が高まり、急速過充電においても電力の受け入れ性能が高まり安全性がより向上する。上限値以下であると自動車用途等で使用可能な程度にエネルギー密度が高まる。
エネルギー密度の範囲は特に限定されない。例えば30~300Wh/kgの範囲内とすることができる。
出力密度の範囲は特に限定されない。例えば1000~10000W/kgの範囲内とすることができる。
本実施形態の非水電解質二次電池は、産業用、民生用、自動車用、住宅用等、各種用途のリチウムイオン二次電池として使用できる。
本実施形態の非水電解質二次電池の使用形態は特に限定されない。例えば、複数個の非水電解質二次電池を直列又は並列に接続して構成した電池モジュール、電気的に接続した複数個の電池モジュールと電池制御システムとを備える電池システム等に用いることができる。
電池システムの例としては、電池パック、定置用蓄電池システム、自動車の動力用蓄電池システム、自動車の補機用蓄電池システム、非常電源用蓄電池システム等が挙げられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
[正極の単位面積当たりの容量C、負極の単位面積当たりの容量A、A/C比]
正極の単位面積当たりの容量Cは、例えば、図3に示すコインセル100を用い、以下の測定方法により測定できる。
コインセル100は、電池ケース101と、封口板106と、ガスケット105と、正極102と、セパレータ104と、対極103と、非水電解液108と、を備える。
電池ケース101は、上端に開口部を有するカップ形状である。封口板106は、絶縁材で構成されたガスケット105を介して、電池ケース101にかしめられて、電池ケース101の開口部を塞いでいる。
正極102と対極103とセパレータ104とは、電池ケース101内に位置している。正極102と対極103とは、セパレータ104を介して対向している。非水電解液108は、電池ケース101と封口板106とで囲まれた内部空間に充填されている。
コインセル100の製造方法を以下に説明する。
直径14mmの円形(φ14サイズ)、面積1.54cmの正極102を得る。評価対象の正極が、正極集電体本体14の両面に、集電体被覆層15と正極活物質層12の積層体(以下、「合材積層体」ともいう。)を有する場合には、片面に純水を浸透させて合材積層体を剥がし、片面のみに合材積層体を有する正極(以下、「片面正極」ということがある)102とする。評価対象の正極が、片面のみに合材積層体を有する場合には、これを片面正極102とする。
片面正極102を用いて、2016型コインセルを作製する。
電池ケース101内にガスケット105を設置する。
ガスケット105を設置した電池ケース(2016型ケース)101内に、片面正極102を設置する。この際、合材積層体を上方とする。片面正極102に対し、十分に浸透する量(50~100μL)の非水電解液108を滴下する。非水電解液108は、エチレンカーボネート3体積部とエチルカーボネート7体積部とを混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウムを電解塩として1M/Lの濃度で溶解した液体である。
直径18mmの円形(φ18サイズ)に打ち抜いたセパレータ104(材質:ポリエチレン、厚さ:30μm)を片面正極102の合材積層体上に設置し、セパレータ104に対して、十分に浸透する量(50~100μL)の電解液を滴下する。Li金属箔を直径16mmの円形(φ16サイズ)に打ち抜いて、対極103とする。セパレータ104を介して、対極103を片面正極102に対向させて、対極103をセパレータ104上に載置する。
電池ケース101の開口部に封口板106を被せ、ガスケット105を介して、封口板106を電池ケース101にかしめて、封止する。こうしてコインセル100を用いて単位面積当たりの容量(mAh/cm)を測定する。
コインセル100を充放電装置と接続し、電流値を0.1mAとし、電位(VvsLi/Li)が3.8Vとなるまで定電流充電を行う。その後、電位を3.8Vで維持し、電流値が0.01mAとなるまで定電圧充電を行い、満充電状態とする。満充電状態となった30分間(休止時間)経過後に、電流値0.1mAにて、電位2.0Vとなるまで放電を行う。放電の際に得られた電気容量を面積1.54cmで除して、正極の単位面積当たりの容量C(mAh/cm)を得る。
負極の単位面積当たりの容量Aについても、同様にコインセルを用いて測定できる。
負極の場合は、前記測定方法において正極102を負極に変更してコインセル100を作製する。得られたコインセル100を充放電装置と接続し、前記正極の場合とは逆に電位を下げる方向で充電を行う。電流値を0.1mAとし、電位(VvsLi/Li)が0.05Vとなるまで定電流充電を行う。その後、電位を0.05Vで維持し、電流値が0.01mAとなるまで定電圧充電を行い、満充電状態とする。満充電状態となった30分間(休止時間)経過後に、電流値0.1mAにて、電位2.0Vとなるまで放電を行う。放電の際に得られた電気容量を面積1.54cmで除して、負極の単位面積当たりの容量A(mAh/cm)を得る。
こうして得られた、負極の単位面積当たりの容量Aを、正極の単位面積当たりの容量Cで除してA/C比を求める。
[出力密度(W/kg)の測定方法]
(1)定格容量が20Ahとなるように非水電解質二次電池(セル)を作製した。
(2)25℃で0.2Cレート、電圧3.6VのCCCV充電を行った。CV充電は0.05C終止とし満充電状態とした。
(3)放電を行い、充電状態(State Of Charge:SOC)が50%となるように10Ahの容量を放電して調整した。
(4)放電後から開回路状態で30分間休止したのちの開回路電圧を測定した。
(5)出力密度の測定として、10Cレート、すなわち電流値200Aにて10秒間のパルス放電を行い、10秒後の閉回路電圧を測定した。
(6)前記(4)と前記(5)で得られた開回路電圧、閉回路電圧から10秒間でセルの下限電圧1.8Vに到達する際の最大電流(A)を求め、最大電流(A)と下限電圧1.8Vとの積を非水電解質二次電池の出力(単位:W)とした。
(7)得られた出力(単位:W)をセルの重量(kg)で除して、出力密度(単位:W/kg)を求めた。
[エネルギー密度(Wh/kg)の測定方法]
定格容量が20Ahとなるように非水電解質二次電池(セル)を作製し、25℃で充放電を一度行い、放電電力(単位:Wh)を測定した。放電電力を、セルの重量(kg)で除して、重量当たりのエネルギー密度(単位:Wh/kg)とした。
この際の充電はCC充電を3.6V、0.2Cレートで行い、CV充電を0.05Cレート終止とした。放電はCC放電を2.5V、0.2Cレートとした。
[W/Wh比の求め方]
上記の測定方法により得られた出力密度を、エネルギー密度で除してW/Wh比を求めた。
[急速過充電試験]
定格容量が20Ahとなるように非水電解質二次電池(セル)を作製し、25℃で充放電を一度行った。この際の充電はCC充電を3.6V,0.2Cレートで行い、CV充電を0.05Cレート終止とした。放電はCC放電を2.5V、0.2Cレートとした。
放電後のセルの中心部分に熱電対を装着した後、急速過充電試験として10Cレートで電圧4.2Vに到達するまでCC充電を実施した。4.2Vに到達後、直ちに電流を停止し、電流停止時からセルの最大温度に到達するまでの時間(秒)、およびセルの最大温度(℃)を測定した。
発熱抑制効果に優れるとセルの最大温度(℃)が低くなり、放熱性に優れると電流停止時からセルの最大温度に到達するまでの時間が短くなる。安全性がより高まる点で、セルの最大温度(℃)が低く、かつ、電流停止時からセルの最大温度に到達するまでの時間が短い方が好ましい。
<評価方法>
[サイクル容量維持率]
サイクル容量維持率の評価は、下記(1)~(7)の手順に沿って行った。
(1)定格容量が20Ahとなるように非水電解質二次電池(セル)を作製し、常温(25℃)下で、サイクル評価を実施した。
(2)得られたセルに対して、0.2Cレート(即ち、4A)で一定電流にて終止電圧3.6Vで充電を行った後、一定電圧にて前記充電電流の1/10を終止電流(即ち、0.4A)として充電を行った。
(3)容量確認のための放電を0.2Cレートで一定電流にて終止電圧2.5Vで行った。このときの放電容量を基準容量とし、基準容量を1Cレートの電流値とした(即ち、20Aとした)。
(4)セルの3Cレート(即ち、60A)で一定電流にて終止電圧3.8Vで充電を行った後、10秒間休止し、この状態から3Cレートにて終止電圧2.0Vで放電を行い、10秒間休止した。
(5)(4)のサイクル試験を1,000回繰り返した。
(6)(2)と同様の充電を実施した後に、(3)と同じ容量確認を実施した。
(7)(6)で測定された容量確認での放電容量をサイクル試験前の基準容量で除して百分率とする事で、1,000サイクル後のサイクル容量維持率(1,000回サイクル容量維持率、単位:%)とした。
<使用材料>
[負極]
負極:下記負極製造例1で製造した負極。
[集電体]
「集電体被覆層あり」の集電体:下記集電体製造例1で製造した集電体。
「集電体被覆層無し」の集電体:厚さ15μmのアルミニウム箔(正極集電体本体のみ)。
[正極活物質粒子]
正極活物質粒子として、リン酸鉄リチウムからなる芯部と低結晶性の炭素からなる被覆部を有する被覆粒子(以下「LFP被覆粒子」ともいう。)を用いた。
LFP:平均粒子径12.4μm、炭素含有量1.0質量%のLFP被覆粒子。
[その他]
導電助剤として、カーボンブラック(CB)を用いた。CBは不純物が定量限界以下であり、炭素含有量100質量%とみなすことができる。
結着材として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた。
溶媒として、N-メチルピロリドン(NMP)を用いた。
<負極製造例1:負極(1)の製造>
負極活物質である人造黒鉛100質量部と、結着材であるスチレンブタジエンゴム1.5質量部と、増粘材であるカルボキシメチルセルロースNa1.5質量部と、溶媒である水とを混合し、固形分50質量%の負極製造用組成物を得た。
得られた負極製造用組成物を、銅箔(厚さ8μm)の両面上にそれぞれ塗工し、100℃で真空乾燥して負極活物質層を形成した。負極製造用組成物の塗工量(表裏両面合計)は10mg/cmとした。両面それぞれの負極活物質層は、塗工量及び厚みが互いに均等になるように形成した。塗工後に線圧を2kN/mとして加圧プレスし、負極シートを得た。
得られた負極シートを打ち抜き、負極(1)とした。
<集電体製造例1:(集電体被覆層あり)の製造>
カーボンブラック100質量部と、結着材であるポリフッ化ビニリデン40質量部と、溶媒であるN-メチルピロリドン(NMP)とを混合してスラリーを得た。NMPの使用量はスラリーを塗工するのに必要な量とした。
得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(正極集電体本体)の表裏両面に、乾燥後の集電体被覆層の厚さ(両面合計)が2μmとなるように、グラビア法で塗工し、乾燥し溶媒を除去して正極集電体とした。両面それぞれの集電体被覆層は、塗工量及び厚みが互いに均等になるように形成した。
<実施例1~5、比較例1~5>
以下の方法で正極活物質層を形成した。
表1に示す配合の正極活物質粒子、導電助剤、結着材、及び溶媒をミキサーにて混合して正極製造用組成物を得た。溶媒の使用量は、正極製造用組成物を塗工するのに必要な量とした。
得られた正極製造用組成物を、正極集電体の両面上にそれぞれ塗工し、予備乾燥後、120℃環境で真空乾燥して正極活物質層を形成した。正極製造用組成物の塗工量(表裏両面合計)は20.0mg/cmとした。両面それぞれの正極活物質層は、塗工量及び厚みが互いに均等になるように形成した。塗工後に線圧を10kN/mとして加圧プレスし、正極シートを得た。
得られた正極シートを打ち抜き、正極とした。
なお、実施例2、3及び比較例1は、同じ正極製造用組成物を用い、正極の単位面積当たりの容量Cが表2に示す値となるように、正極活物質層の塗工量(mg/cm)を変化させた。
また、実施例1、4、5及び比較例4、5は、同じ正極製造用組成物を用い、正極の単位面積当たりの容量Cが表2に示す値となるように、正極活物質層の塗工量(mg/cm)を変化させた。
得られた正極シートについて、正極活物質層の総質量に対する導電性炭素含有量を求めた。結果を表2に示す。
正極活物質粒子の炭素含有量と配合量、及び導電助剤の炭素含有量と配合量に基づいて、正極活物質層の総質量に対する導電性炭素の含有量を算出した。上記≪導電性炭素含有量の測定方法≫に記載の方法を用いて確認することも可能である。
以下の方法で、図2に示す構成の非水電解質二次電池を製造した。
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を、EC:DECの体積比が3:7となるように混合した溶媒に、電解質としてLiPFを1モル/リットルとなるように、添加剤としてLiFSIを0.5モル/リットル、ビニレンカーボネート(VC)を0.5wt%/リットルとなるように溶解して、非水電解液を調製した。
上記で得た正極と負極とを、セパレータを介して交互に積層し、最外層が負極である電極積層体を作製した。セパレータとしては、ポリオレフィンフィルム(厚さ15μm)を用いた。
電極積層体を作製する工程では、まず、セパレータ2と正極1とを積層し、その後、セパレータ2上に負極3を積層した。
電極積層体の正極集電体露出部13及び負極集電体露出部33のそれぞれに、端子用タブを電気的に接続し、端子用タブが外部に突出するように、アルミラミネートフィルムで電極積層体を挟み、三辺をラミネート加工して封止した。
続いて、封止せずに残した一辺から非水電解液を注入し、真空封止して非水電解質二次電池(ラミネートセル)を製造した。
得られた非水電解質二次電池について、表2に示す各項目の測定又は評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0007305012000002
Figure 0007305012000003
表2の結果に示されるように、実施例1~5の非水電解質二次電池は、エネルギー密度および入出力密度の両方が高く、急速過充電時の発熱抑制効果、および放熱性に優れるため温度上昇による熱暴走を抑制することが可能であり、ハイレートサイクル特性にも優れていた。
実施例1と実施例2、3を比べると、導電性炭素の含有量が多い実施例2、3は、実施例1に比べてエネルギー密度および出力密度がやや低くなったが、W/Wh比は実施例1とほぼ同等であった。導電性炭素の含有割合が増えたことにより、出力密度及びエネルギー密度に寄与する正極活物質の含有割合が減少したためと考えられる。
実施例4は正極の容量Cを高めてA/C比を変化させた例であり、実施例5は正極の容量Cを減少させてA/C比を変化させた例である。A/C比が1.10から1.50の範囲においては実施例1と同様に出力密度及びエネルギー密度が高く、急速過充電試験におけるセル最大温度が低く、電流停止から最大温度到達までの時間が短く、より高い安全性を示し、ハイレートサイクル特性にも優れる効果を発揮した。
一方、集電体被覆層を設けなかった比較例1は、エネルギー密度は高くなったが、出力密度が低くなり、急速過充電時の発熱が大きくなった。電流停止後から最大温度到達までの時間も長くなった。セル抵抗が増大したためと考えられる。
比較例1より、正極活物質の割合を減らして、導電助剤の割合を多く添加した比較例2は、セル抵抗がやや低減したため、比較例1に比べると出力密度がやや高まったが、急速過充電時の発熱抑制効果は不充分であり、セル最大温度が高かった。また、電流停止後から最大温度到達までの時間が比較例1よりも長くなった。導電助剤は正極活物質よりも放熱性が低いためと考えられる。すなわち、導電助剤の増加によりセル抵抗の低減および抵抗発熱の低減は可能であるが、放熱性は導電助剤より正極活物質の方が高いため、正極活物質が相対的に減少したことにより、温度上昇する時間がより長くなった。
比較例2に対して集電体被覆層を設けた比較例3は、セル抵抗がさらに低減したため、出力密度が高くなり、ハイレートサイクル特性に優れる結果が得られたが、急速過充電時にセル最大温度に到達するまでの時間は同様に長かった。導電助剤を相対的に多く含むことによる放熱性の低下と考えられる。
比較例4は正極の容量Cを低減し、A/C比を高くした例である。実施例と同様に急速過充電試験において高い安全性を示したが、正極の容量に対して負極の容量が過剰であるため、エネルギー密度が低くなり、W/Wh比が高くなった。ハイレートサイクル時には負極に十分なリチウムイオンの挿入が無く、抵抗が高くなるためサイクル容量維持率が低くなったと考えられる。
比較例5は正極の容量Cを増加し、A/C比を低くした例である。負極側に余剰な容量が少なく、高いエネルギー密度を示したが、急速過充電試験におけるセル最大温度が高く、サイクル容量維持率が低かった。負極側に容量の余裕がなく、充電によりリチウムが挿入された場合はほぼ全ての容量を使用し、抵抗が高くなるため、セル最大温度が高くなったと考えられる。同様にハイレートサイクル試験においても、負極の充電時にほぼ全ての容量が使用され、抵抗が高くなるため、充放電反応に寄与しない劣化を加速させる副反応性が高まり、サイクル容量維持率が低下したと考えられる。
1 正極
2 セパレータ
3 負極
4 非水電解液
5 外装体
10 非水電解質二次電池
11 正極集電体
12 正極活物質層
13 正極集電体露出部
14 正極集電体本体
15 集電体被覆層
31 負極集電体
32 負極活物質層
33 負極集電体露出部
100 コインセル
101 電池ケース
102 正極(片面正極)
103 対極
104 セパレータ
105 ガスケット
106 封口板
108 非水電解液

Claims (3)

  1. 正極、負極、及び前記正極と負極との間に存在する非水電解液を備え、
    前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に存在する正極活物質層を有し、
    前記正極集電体の、前記正極活物質層側の表面の少なくとも一部に、導電材料を含む集電体被覆層が存在し、
    前記正極活物質層は正極活物質粒子を含み、
    前記正極活物質粒子が、正極活物質である芯部と、導電性炭素を含む活物質被覆部とを有する被覆粒子を含み、
    前記正極活物質が、一般式LiFe(1-x)PO(式中、0≦x≦1、MはCo、Ni、Mn、Al、Ti又はZrである。)で表される化合物を含み、
    前記正極活物質層の総質量に対して、前記正極活物質層中に存在するすべての導電性炭素の含有量が0.5質量%以上3.5質量%未満であり、
    前記正極の単位面積当たりの容量C(単位:mAh/cm)に対する、負極の単位面積当たりの容量A(単位:mAh/cm)の比を表すA/C比が1.1~1.5である、非水電解質二次電池。
  2. 前記非水電解質二次電池の、25℃環境下におけるエネルギー密度(単位:Wh/kg)に対する、25℃環境下、充電状態50%から10秒間、10Cレートにて放電した際に測定される出力密度(単位:W/kg)の比を表すW/Wh比が25以上50未満である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 請求項1又は2に記載の非水電解質二次電池の複数個を備える、電池モジュール又は電池システム。
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