基台カバーの扉部を開けてノズル交換台の交換作業を行う場合は、作業者の安全を確保する観点から、部品実装装置による部品実装動作を全て停止させる必要があった。特に、複数の装着ヘッドを有する部品実装装置において機種切替の対象となっている一部の装着ヘッド用のノズル交換台を交換する場合でも、機種切替の対象となっていない他の装着ヘッドの部品実装作業までも停止させなければならず、部品実装装置における生産性を損なうという問題点があった。
そこで本開示は、部品実装作業を中断させることなくノズル交換台の交換作業を容易に行うことが可能な部品実装装置及び作業システムを提供することを目的とする。
図面を参照しながら、本開示の実施の形態を説明する。図1、図2及び図3は本開示の一実施の形態の部品実装装置1を示している。部品実装装置1は、外部から搬入した基板KBに部品BHを装着して部品実装基板を生産する装置であり、基台11、基台カバー12、2つの搬送コンベア13、2台のフィーダ台車14、パーツフィーダ15、ヘッド移動機構16、2つの装着ヘッド17、2つの部品カメラ18等を備えている。本実施の形態では説明の便宜上、部品実装装置1の左右方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。また、部品実装装置1の前後方向の一方側をフロント側とし、他方側をリア側とする。
図1、図2及び図3において、2つの搬送コンベア13はフロント側の搬送コンベア13とリア側の搬送コンベア13から成る。2つの搬送コンベア13はそれぞれX軸方向に延びている。2つの搬送コンベア13はそれぞれ基板位置決め部として機能し、外部から搬入した基板KBをX軸方向に搬送して所定の作業位置に位置決めする。
基台カバー12は基台11を覆って設けられており、基台11の上面との間に作業空間11Sを形成している(図1及び図3)。基台カバー12のフロント側とリア側のそれぞれには、基台カバー12の一部から成る扉部12Cが設けられている(図3)。扉部12Cは上下方向に開閉自在であり、作業者OPは手動により開閉することができる。図3中に、上方に開いた状態の扉部12Cを一点鎖線で示す。
図1、図2及び図3において、フィーダ台車14は基台11のフロント側とリア側のそれぞれに連結分離自在に連結されている。基台11上のフロント側の搬送コンベア13よりも前側の領域はフロント側の設備設置領域となっており、フロント側のフィーダ台車14はフロント側の設備設置領域の前方に隣接するように連結される。基台11上のリア側の搬送コンベア13よりも後側の領域はリア側の設備設置領域となっており、リア側のフィーダ台車14はリア側の設備設置領域の後方に隣接するように連結される。
図1、図2及び図3において、各フィーダ台車14は平板状のフィーダベース14Fを備えている。フィーダベース14Fの上面側にはパーツフィーダ15が取り付けられている。フィーダベース14Fには複数のパーツフィーダ15をX軸方向に並べて取り付けることができる(図2及び図4)。フロント側のフィーダ台車14とリア側のフィーダ台車14のそれぞれにおいて、そのフィーダ台車14が基台11に連結された状態で基台11の中央部を向く側をそのフィーダ台車14の「基台側」と称する。
パーツフィーダ15は、フィーダ台車14のフィーダベース14Fに着脱自在に取り付けられ、部品供給口15Kに部品BHを供給する。パーツフィーダ15は、フィーダベース14Fに取り付けられた状態で、部品供給口15Kをフィーダベース14Fの基台側の端部の上方に位置させる(図2及び図3)。ここではパーツフィーダ15は、部品BHを封入したキャリアテープをピッチ送りして部品供給口15Kに部品BHを供給するタイプのテープフィーダを想定しているが、パーツフィーダ15はテープフィーダに限られず、バルクフィーダやスティックフィーダ等であってもよい。
図2及び図4において、各フィーダ台車14の左右には作業者OPが両手で操作する2つの操作部14Sが設けられている。作業者OPは操作部14Sを操作し、フィーダベース14Fの基台側の端部が基台11の中央部に向くように接近させて、そのフィーダ台車14を基台11に連結させる。フィーダ台車14が基台11に連結されると、フィーダベース14Fに取り付けられた複数のパーツフィーダ15が一括して基台11に接続される。
フィーダ台車14が基台11に連結されることによってパーツフィーダ15が基台11に接続されると、そのパーツフィーダ15の部品供給口15Kが作業空間11S内に位置する(図3)。このため基台11に接続されたパーツフィーダ15が部品供給口15Kに部品BHを送ると、作業空間11S内に部品BHが供給される。
図5において、フィーダ台車14の基台側の端部には基台11の中央側に突出した台車側コネクタ14Cが設けられている。基台11側には基台側コネクタ11Cが設けられており、フィーダ台車14が基台11に連結された状態では、台車側コネクタ14Cが基台側コネクタ11Cに嵌入する。
台車側コネクタ14Cが基台側コネクタ11Cに嵌入すると、フィーダ台車14に取り付けられた各パーツフィーダ15がフィーダ台車14を介して基台11に備えられた制御装置20(図3)と電気的に接続される。パーツフィーダ15が制御装置20と電気的に接続されると、そのパーツフィーダ15の動作を制御装置20により制御することができるようになる。
図5及び図6において、基台11には台車側コネクタ14Cが基台側コネクタ11Cに嵌入した状態を検出する台車検出センサ11Mが設けられている。制御装置20は台車検出センサ11Mの出力に基づいて、フィーダ台車14が基台11に連結可能な位置に位置していることを検知する。
図2、図5及び図6において、基台11の連結されるフィーダ台車14の左右側方に位置する部分には、左右一対の台車ロック部11Rが設けられている。台車ロック部11Rはフィーダ台車14を機械的に保持する連結機構として機能する。台車ロック部11Rは、台車検出センサ11Mによってフィーダ台車14が連結可能な位置に到達したことが検出されると制御装置20に制御されて連結機構が作動し、フィーダ台車14を基台11にロックする。これによりフィーダ台車14は基台11に連結される。台車ロック部11Rによってフィーダ台車14が基台11にロックされると、作業者OPはそのロックが解除されない限り、そのフィーダ台車14を基台11から分離させることができなくなる。なお、連結機構としては、特開2009-71029に記載の台車位置決め機構が適用可能である。勿論、これ以外の連結機構も適用可能である。
図1、図2及び図3において、ヘッド移動機構16は基台11上に設置されている。ヘッド移動機構16は、図2及び図3に示すように、固定ビーム16a、フロント側とリア側の2つの移動ビーム16b及びフロント側とリア側の2つのヘッド保持プレート16cを備えている。
固定ビーム16aはY軸方向に延びた形状を有して基台11上に設置されている。2つの移動ビーム16bはそれぞれX軸方向に延びた形状を有しており、一端側が固定ビーム16aに沿って移動(すなわちY軸方向に移動)自在である。2つのヘッド保持プレート16cのうちフロント側のヘッド保持プレート16cはフロント側の移動ビーム16bに取り付けられており、フロント側の移動ビーム16bに沿ってX軸方向に移動自在である。2つのヘッド保持プレート16cのうちリア側のヘッド保持プレート16cはリア側の移動ビーム16bに取り付けられており、リア側の移動ビーム16bに沿ってX軸方向に移動自在である。
2つの装着ヘッド17はフロント側の装着ヘッド17とリア側の装着ヘッド17から成る。フロント側の装着ヘッド17はフロント側のヘッド保持プレート16cに取り付けられており、リア側の装着ヘッド17はリア側のヘッド保持プレート16cに取り付けられている。
フロント側の装着ヘッド17は、固定ビーム16aに対するフロント側の移動ビーム16bのY軸方向への移動と、フロント側の移動ビーム16bに対するフロント側のヘッド保持プレート16cのX軸方向への移動とによって作業空間11S(主として作業空間11Sのフロント側)内をXY面内方向に移動する。リア側の装着ヘッド17は、固定ビーム16aに対するリア側の移動ビーム16bのY軸方向への移動と、リア側の移動ビーム16bに対するリア側のヘッド保持プレート16cのX軸方向への移動とによって作業空間11S(主として作業空間11Sのリア側)内を水平方向に移動する。
フロント側の装着ヘッド17の移動とリア側の装着ヘッド17の移動は、相互に干渉しない範囲で別個独立に行われる。フロント側の装着ヘッド17はその可動範囲内にフロント側の設備設置領域を含んでおり、リア側の装着ヘッド17はその可動範囲内にリア側の設備設置領域を含んでいる。
図3及び図7において、2つの装着ヘッド17はそれぞれ、下方に延びた複数のノズルシャフト17Sを備えている。各ノズルシャフト17Sの下端にはノズル21が着脱自在に取り付けられている。各ノズルシャフト17Sは(すなわち各ノズル21は)装着ヘッド17に対して昇降自在かつ上下軸回りに回動自在になっている。
図7において、各ノズル21は、基部22と、管部23と、鍔部24を備えている。基部22はノズルシャフト17Sの下端に外嵌される筒状の部位である。管部23は基部22の内部と連通した内部管路を有する管状の部位である。鍔部24は基部22と管部23との間に位置する円盤状の部位である。
基部22がノズルシャフト17Sの下端に外嵌された状態では、管部23は基部22から下方に延び、鍔部24は水平に広がった姿勢となる。ノズルシャフト17Sを通じてノズル21に真空圧が供給されると、ノズル21の下端(管部23の下端)に吸引力が発生する。
装着ヘッド17は、ノズル21の下端に発生した吸引力により、パーツフィーダ15が部品供給口15Kに供給する部品BHを吸着することができる。フロント側の装着ヘッド17は基台11のフロント側に接続されたパーツフィーダ15が供給する部品BHを吸着し、リア側の装着ヘッド17は基台11のリア側に接続されたパーツフィーダ15が供給する部品BHを吸着する。
装着ヘッド17は、パーツフィーダ15から部品BHを吸着するときは、そのパーツフィーダ15の部品供給口15Kの上方にノズル21が位置するように移動し、ノズルシャフト17Sを下降させる。そして、部品供給口15Kに供給されている部品BHにノズル21の管部23の下端を近づけて空気を吸引する。これにより部品供給口15Kに供給された部品BHがノズル21によって吸着され、部品BHが装着ヘッド17によってピックアップされる。
図2及び図3において、2つの部品カメラ18はフロント側の部品カメラ18とリア側の部品カメラ18から成る。フロント側の部品カメラ18は、基台11のフロント側の設備設置領域内に設けられており(図4も参照)、リア側の部品カメラ18は、基台11のリア側の設備設置領域内に設けられている。
図4において、2つの部品カメラ18はそれぞれ撮像視野を上方に向けており、それぞれ、装着ヘッド17がノズル21により吸着した部品BHを下方から撮像する。フロント側の部品カメラ18はフロント側の装着ヘッド17が吸着した部品BHを撮像し、リア側の部品カメラ18はリア側の装着ヘッド17が吸着した部品BHを撮像する。
図3において、制御装置20は、2つの搬送コンベア13による基板KBの搬送及び位置決め動作、各パーツフィーダ15による部品BHの供給動作、ヘッド移動機構16による2つの装着ヘッド17の移動動作の各制御を行う。また制御装置20は、2つの装着ヘッド17それぞれのノズルシャフト17Sの(ノズル21の)昇降と上下軸回りの回動動作、各ノズル21による部品BHの吸引動作、台車ロック部11Rによるフィーダ台車14の基台11へのロックとその解除動作の各制御を行う。また制御装置20は、2つの部品カメラ18の撮像動作の制御を行い、各部品カメラ18の撮像によって得られた部品BHの画像に基づいた部品BHの認識を行う。また、後述するフロント側の交換台保持部32とリア側の交換台保持部32それぞれの動作制御も行う。
図1及び図2において、基台カバー12のフロント側とリア側のそれぞれには、タッチパネルTPが設けられている。各タッチパネルTPは、制御装置20に入力操作を行う入力部と、制御装置20からの出力を表示する出力部とを兼ねた機能を有している。
前述したように、基台カバー12にはフロント側の扉部12Cとリア側の扉部12Cが設けられており、作業者OPは扉部12Cを開けて形成される開口から作業空間11S内に手を差し入れることができる。これにより作業者OPは、基台11上に配置された設備の点検作業等を行うことができる。
制御装置20は、フロント側とリア側それぞれの扉部12Cの開閉状態を常時監視しており、部品実装装置1が部品実装動作を行っているときに扉部12Cが開けられた場合には、搬送コンベア13、パーツフィーダ15、ヘッド移動機構16、装着ヘッド17等の動作機構部の動作を停止させて、全ての部品実装動作を停止させるようになっている。このような安全装置は作業者OPの安全を確保する観点から設けられており、フロント側の扉部12Cとリア側の扉部12Cの少なくとも一方が開けられた場合には、制御装置20は全ての動作機構部の動作を停止させる。
部品実装装置1が基板KBに部品BHを装着して実装基板を生産する場合、フロント側の搬送コンベア13とリア側の搬送コンベア13はそれぞれ制御装置20に制御されて動作し、上流工程側の装置から送られてくる基板KBを受け取って搬送し、作業位置に位置決めする。各搬送コンベア13が基板KBを作業位置に位置決めしたらヘッド移動機構16がフロント側の装着ヘッド17とリア側の装着ヘッド17をそれぞれ移動させて、部品BHを基板KBに装着させる。
このときフロント側の装着ヘッド17はフロント側の搬送コンベア13によって位置決めされた基板KBに装着し、リア側の装着ヘッド17はリア側の搬送コンベア13によって位置決めされた基板KBに装着する。なお、これは原則的な動作であり、フロント側の装着ヘッド17とリア側の装着ヘッド17の双方でフロント側の搬送コンベア13によって位置決めされた基板KBとリア側の搬送コンベア13によって位置決めされた基板KBとの双方に部品BHを装着することもできる。
このような部品実装動作が繰り返されることによって実装基板が生産されるが、部品BHの形状や大きさに応じて装着ヘッド17のノズル21を交換する必要がある。このため部品実装装置1は交換用のノズル21を保持したノズル交換台31を備えている。図1及び図2に示すように、基台11上のフロント側とリア側のそれぞれは交換台保持部32が設けられており、これらフロント側の交換台保持部32とリア側の交換台保持部32のそれぞれに、ノズル交換台31が保持されている。
図1及び図2において、フロント側の交換台保持部32は基台11のフロント側の設備設置領域内に設けられており(図4及び図6も参照)、フロント側のノズル交換台31を保持してフロント側の設備設置領域内(すなわちフロント側の装着ヘッド17の可動範囲内)に位置させている。リア側の交換台保持部32は基台11のリア側の設備設置領域内に設けられており、リア側のノズル交換台31を保持してリア側の設備設置領域内(すなわちリア側の装着ヘッド17の可動範囲内)に位置させている。
図1及び図2において、フロント側の設備設置領域とリア側の設備設置領域のそれぞれには、部品廃棄ボックス33が設置されている。部品廃棄ボックス33は上方に開口した箱形状を有している(図4も参照)。
部品実装装置1による部品実装動作中において、装着ヘッド17がノズル21により吸着した部品BHを部品カメラ18によって撮像した結果、正常な認識結果が得られなかった場合には、その部品BHは基板KBに装着されることなく、廃棄部品として部品廃棄ボックス33に投入される。フロント側の部品廃棄ボックス33にはフロント側の装着ヘッド17から廃棄部品が投入され、リア側の部品廃棄ボックス33にはリア側の装着ヘッド17から廃棄部品が投入される。
図4、図8及び図9において、フィーダ台車14の基台側の端部には、キャリア保持部材14AがX軸方向に延びて設けられている。キャリア保持部材14Aには、部品廃棄ボックス33のキャリアであるボックス保持部材34の基部が取り付けられている。ボックス保持部材34は基台11の中央部側に向かって延びており、その先端部においてボックス保持部材34を着脱自在に保持している。ボックス保持部材34は、フィーダベース14Fよりも基台11側に突出した位置、言い換えればフィーダベース14Fに対して基板位置決め部としての搬送コンベア13側に突出した位置に位置している。ボックス保持部材34の先端部は、フィーダ台車14基台11に連結された状態で基台11の設備設置領域内に位置するようになっており、従ってフィーダ台車14が基台11に連結された状態で、部品廃棄ボックス33は基台11の設備設置領域内(すなわち、装着ヘッド17の可動領域内)に位置した状態となっている(図4)。
図2及び図4において、基台11のフロント側の設備設置領域と、基台11のリア側の設備設置領域のそれぞれにはシュータ35が設けられている。図6にも示すように、シュータ35は全体として筒状に構成されており、上方に開口した投入口35Pと下方に開口した排出口35Qを有している。シュータ35は基台11に取り付けられたシュータブラケット35Bを介して基台11に取り付けられており、シュータ35は基台11に対して相対的に固定された状態となっている。投入口35Pの開口面積は排出口35Qの開口面積よりも大きくなっている。
装着ヘッド17は、廃棄部品を部品廃棄ボックス33に廃棄するときは、シュータ35の投入口35Pに廃棄部品を投入する。シュータ35の投入口35Pに投入された廃棄部品は排出口35Qから排出され、部品廃棄ボックス33内に収容(廃棄)される。
図9において、フィーダ台車14に設けられたキャリア保持部材14Aには、前述のボックス保持部材34ほか、ノズル交換台31のキャリアである載置台36がブラケット14Bを介して取り付けられている。載置台36はXY面内に広がった形状を有しており、交換台保持部32によって保持される前のノズル交換台31が載置(仮置き)される。載置台36の上面には下方に窪んだ形状の嵌入穴36Kが設けられている。載置台36は、前述のボックス保持部材34と同様に、フィーダベース14Fよりも基台11側に突出した位置、言い換えればフィーダベース14Fよりも基板位置決め部としての搬送コンベア13側に突出した位置に位置している。
図10A,Bはノズル交換台31を示している。ここではフロント側のノズル交換台31を示すが、リア側のノズル交換台31の構成も同様である。図10A,Bにおいて、ノズル交換台31は、台座41、2つの支柱42、4つのローラ43、ベース部44、ノズル支持体45及びシャッタ46を備えている。台座41の下面の中央には下方に突出した位置決め突起41Kが設けられている(図9も参照)。位置決め突起41Kは、載置台36の上面に設けられた嵌入穴36Kに上方から嵌入し得る形状を有している。
図10A,Bにおいて、台座41のX軸方向の両端部には、下方に突出した2つのガイド突起41Tが設けられている(図9も参照)。2つのガイド突起41Tの間の距離は、載置台36のX軸方向の長さよりもやや大きい寸法となっている。台座41のうち基台側の半体部(台座奥部41Bと称する)のX軸方向の長さはそれよりも手前側の半体部のX軸方向の長さよりも小さくなっている。台座奥部41BのX軸方向の両側面は、YZ面に平行な被ガイド面41Gとなっている。
図10A,Bにおいて、2つの支柱42は台座41の上面のX軸方向の両端部にX軸方向に対向して設けられており、それぞれZ軸方向に延びている。4つのローラ43は2つの支柱42それぞれの外側の側面に2つずつZ軸方向に並んで設けられている。ベース部44はXY面内に広がった形状を有しており、2つの支柱42によって下面が支持されている。
図10A,Bにおいて、ノズル支持体45はブロック状の部材から成っており、ベース部44の上面側に設けられている。ノズル支持体45には、上面に開口した複数のノズル挿入穴45Hがマトリクス状に設けられている(図11A,Bも参照)。各ノズル挿入穴45Hの内径は、ノズル21の管部23の外径よりも若干大きい寸法となっている。
図10A,Bにおいて、シャッタ46はXY面内に広がる矩形平板状の部材から構成されている。シャッタ46はノズル支持体45の上方に位置しており、ノズル支持体45に対してX軸方向にスライド自在になっている。シャッタ46は、ノズル支持体45に設けられた複数のノズル挿入穴45Hと同じ配置で設けられた複数の円形孔46Cを有している(図11A,Bも参照)。
シャッタ46が備える各円形孔46Cの内径は、ノズル支持体45のノズル挿入穴45Hの内径よりも大きく、ノズル21の鍔部24の外径よりも大きい寸法となっている。X軸方向に並んだ複数の円形孔46Cは、X軸方向に延びる溝46Mによって貫かれている(図11A,Bも参照)。各溝46Mの幅(Y軸方向寸法)は、ノズル21の鍔部24の外径よりは小さく、ノズル21の基部22の外径よりは大きい寸法となっている。
図10A,B及び図11A,Bにおいて、シャッタ46の下方には、シャッタ46に結合されてシャッタ46と一体にX軸方向に移動する枠状部材47が設けられている。枠状部材47の基台11の中央部側の端部には、基台11の中央部側に突出して延びた被操作片48が設けられている(図10B及び図11A,B)。図11A,Bにおいて、枠状部材47とノズル支持体45との間には、例えば引っ張りばねから構成される付勢部材49が設けられている。付勢部材49は、ノズル支持体45に対して枠状部材47を(すなわちシャッタ46を)X軸方向に付勢する。
シャッタ46は、被操作片48に力が作用していない状態では、付勢部材49に付勢されて閉止位置(図11A)に位置する。シャッタ46が閉止位置に位置した状態では、シャッタ46に設けられた複数の円形孔46Cそれぞれの中心はノズル支持体45に設けられた各ノズル挿入穴45Hの中心に対してX軸方向にずれた位置に位置する(図11A)。
シャッタ46が閉止位置に位置した状態から、被操作片48が付勢部材49の付勢力に抗してX軸方向(図11A,B)では図の左方向)に操作されると(図11B中に示す矢印F)、枠状部材47を介して被操作片48と一体となっているシャッタ46がその操作方向にスライドされる。そして、そのシャッタ46は、閉止位置からX軸方向にずれた開放位置に位置する(図11A→図11B)。
シャッタ46が開放位置に位置した状態では(図11B)、シャッタ46に設けられた複数の円形孔46Cそれぞれの中心が、ノズル支持体45に設けられた各ノズル挿入穴45Hの中心と一致する。シャッタ46が開放位置に位置した状態では、シャッタ46の円形孔46Cを通してノズル支持体45のノズル挿入穴45Hにノズル21の管部23を上方から挿通することができ、ノズル挿入穴45Hに管部23が挿入されたノズル21を上方に引き抜くこともできる。
シャッタ46が開放位置に位置した状態から被操作片48をX軸方向に操作する操作力を除去すると、シャッタ46は付勢部材49に付勢されて閉止位置に戻る(図11B→図11A)。シャッタ46が閉止位置に位置した状態では(図11A)、ノズル挿入穴45Hに管部23が挿入されたノズル21はその鍔部24がシャッタ46の下面と干渉するので上方に引き抜くことはできない。このためノズル挿入穴45Hに挿入された状態のノズル21は、シャッタ46が閉止位置にある状態では、ノズル交換台31から脱落することはない。
図12は交換台保持部32を示している。ここではフロント側の交換台保持部32を示すが、リア側の交換台保持部32も同様の構成を有している。図12において、交換台保持部32は、ベースプレート51、2つの支持プレート52、2つのローラガイド53、昇降シリンダ54、昇降プレート55、シャッタ操作シリンダ56及び可動部操作部としてのシャッタ操作部57を備えている。ベースプレート51は平板状の部材から構成されている。2つの支持プレート52は基台11のX軸方向の両端部にX軸方向に対向して設けられており、それぞれZ軸方向に延びている。2つのローラガイド53は、2つの支持プレート52それぞれの内面側(支持プレート52同士がX軸方向に対向する側の面)に設けられている。
図12及び図13において、2つのローラガイド53はそれぞれ、前壁61と前壁61の基台11の中央部側に位置する後壁62とを有している。前壁61と後壁62の間の空間はZ軸方向に延びたガイド溝63となっている。ガイド溝63は、ローラ43の外径W1(図10A)よりもやや大きい寸法の横幅W2(図12及び図13)を有している。前壁61にはY軸方向に貫通した溝部61MがZ軸方向に延びて設けられている(図13)。溝部61Mの縦幅W3(図12及び図13)は、ローラ43の外径W1よりも大きい寸法となっている。
図12及び図13において、ノズル交換台31を昇降させる昇降手段としての昇降シリンダ54は、そのピストンロッドである昇降ロッド54Rを下方に向けた姿勢で設けられている。昇降プレート55はノズル交換台31の台座41を下方から支持する部材であり、昇降ロッド54Rの下端に連結されている。昇降プレート55は、昇降シリンダ54が昇降ロッド54Rを動作させるとZ軸方向に移動(昇降)する。
図12において、昇降プレート55の上面のX軸方向の両端部のそれぞれには、Z軸方向に延びてZ軸回りに回転自在なガイドローラ55RがY軸方向に2つずつ並んで設けられている(図13も参照)。これら4つのガイドローラ55Rのうち左右それぞれの2つのガイドローラ55R(Y軸方向に並んだ2つのガイドローラ55R)の上方には押さえ部材55PがY軸方向に延びて設けられている。X軸方向に対向する2つのガイドローラ55R同士の間隔(X軸方向の間隔)は、ノズル交換台31の台座奥部41BのX軸方向の幅よりもやや大きい寸法となっている。また、ベースプレート51の上面と各押さえ部材55Pの下面との間の間隔(Z軸方向の間隔)は、ノズル交換台31の台座奥部41Bの厚さ方向寸法よりもやや大きい寸法となっている。
図12において、シャッタ操作シリンダ56は、そのピストンロッドであるシャッタ操作ロッド56RをX軸方向に向けた姿勢で、昇降シリンダ54よりも基台11の中央部側の位置に設けられている。シャッタ操作部57はZ軸方向に延びており、その下端はシャッタ操作ロッド56Rの先端部に連結されている。シャッタ操作部57は、シャッタ操作シリンダ56がシャッタ操作ロッド56Rを動作させると、Z軸方向に延びた姿勢を保ったまま、X軸方向に移動する。
フィーダ台車14を基台11に連結させることによって交換台保持部32に保持させる(すなわち、ノズル交換台31を基台11上に設置する)場合には、先ず、フィーダ台車14のキャリア保持部材14Aに取り付けられている載置台36にノズル交換台31を載置する。ノズル交換台31を載置台36に載置するときは、ノズル交換台31の台座41を載置台36の上面に載せる(図9→図14)。このとき、台座41の下面の位置決め突起41Kを載置台36の嵌入穴36Kに上方から嵌入させるとともに、2つのガイド突起41Tの間に載置台36を位置させる。これによりノズル交換台31は載置台36に対する規定の位置に位置した状態となる(図14)。
載置台36にノズル交換台31を載置したら、作業者OPは、フィーダ台車14を床面上で走行させて基台11まで搬送し、フィーダ台車14の台車側コネクタ14Cを基台側コネクタ11Cに嵌入させる。台車検出センサ11Mによってその嵌合が検出されたら、制御装置20に制御された台車ロック部11Rが、フィーダ台車14を基台11にロックしてフィーダ台車14を基台11に連結する。フィーダ台車14が基台11に連結されたら、載置台36に載置されたノズル交換台31は、フィーダ台車14に取り付けられたパーツフィーダ15と交換台保持部32との間の領域で、交換台保持部32に受け渡される。
フィーダ台車14が基台11に押し込まれるとき、載置台36に載置されたノズル交換台31の台座奥部41Bは、交換台保持部32の昇降プレート55と押さえ部材55Pとの間の空間に入り込む(図15→図16→図17)。これにより交換台保持部32は、載置台36からノズル交換台31を受け取った状態となる。ノズル交換台31の台座奥部41Bが交換台保持部32の昇降プレート55と押さえ部材との間に入り込むとき、ノズル交換台31の台座奥部41Bの両端の2つの被ガイド面41Gは、交換台保持部32に備えられた4つ(左右2つずつ)のガイドローラ55Rによって側方(X軸方向)からガイドされる。
上記のようにして昇降プレート55と押さえ部材55Pの間に入り込んだノズル交換台31の台座奥部41Bは、押さえ部材55Pを上方に押圧しながら少量上昇する。このためノズル交換台31は昇降プレート55を上昇させながら、交換台保持部32に対して基台11の中央部側に向けて斜め上方に移動する(図16→図17)。
ノズル交換台31が交換台保持部32に対して基台11の中央部側に向けて斜め上方に移動すると、左右の上下のローラ43が、交換台保持部32が備える左右の2つのローラガイド53のガイド溝63内に進入する(図16→図17。図16中に示す矢印M1,M2参照)。詳細には、上下のローラ43のうち上側のローラ43は前壁61に設けられた溝部61Mを通ってガイド溝63内に進入し(矢印M1)、下側のローラ43は下側の前壁61の下方からガイド溝63内に進入する(矢印M2)。
左右の上下のローラ43は、フィーダ台車14が基台11に連結された時点で、左右のローラガイド53のガイド溝63内への進入を完了する。フィーダ台車14が台車ロック部11Rによって基台11にロックされて基台11に連結されたら、昇降シリンダ54は昇降プレート55を上昇させる。これによりノズル交換台31は昇降プレート55を介して昇降シリンダ54によって持ち上げられ(図17→図18)、ノズル交換台31の台座41は交換台保持部32の昇降プレート55から離間して(従って、フィーダ台車14から機械的に分離して)、上方に移動する。そして、ノズル交換台31が前述の保持位置に相当する所定の高さの位置に達したところで昇降シリンダ54は昇降プレート55の上昇を停止させる。
ノズル交換台31が昇降シリンダ54によって持ち上げられるとき、ノズル交換台31の4つのローラ43(左右の上下のローラ43)は、左右のローラガイド53のガイド溝63にガイドされて、ガイド溝63内を鉛直上方に真っ直ぐに移動(上昇)する。そして、ノズル交換台31が保持位置に位置したところで、左右の上下のローラ43はそれぞれ前壁61と後壁62とによって挟持される。このためノズル交換台31は、交換台保持部32によって、所定の保持位置にしっかりと保持された状態となる(図18及び図19)。
このように、本実施の形態における部品実装装置1は、装着ヘッド17に着脱される交換用のノズル21を保持するノズル交換台31と、基台11に設けられ、装着ヘッド17の可動範囲内の所定の保持位置においてノズル交換台31を保持する交換台保持部32と、フィーダ台車14に設けられ、交換台保持部32が保持する前のノズル交換台31が載置される載置台36とを備えたものとなっている。そして、フィーダ台車14が基台11に連結されると、交換台保持部32は載置台36からノズル交換台31を受け取って上昇させ、ノズル交換台31を載置台36から離間させた状態で保持位置に保持するようになっている。
交換台保持部32は、載置台36から受け取ったノズル交換台31を昇降させる交換台移動手段として昇降シリンダ54及び昇降シリンダ54によって上昇移動されるノズル交換台31が保持位置に向けて上昇するようにガイドするガイド部材としての左右のローラガイド53を備えている。ノズル交換台31は、昇降シリンダ54によって上昇移動されるとき、ノズル交換台31が備える4つのローラが左右のローラガイド53によってガイドされることで、鉛直上方に真っ直ぐに上昇して保持位置に保持されるようになっている。
また、上記のように、ノズル交換台31が交換台保持部32に対して基台11の中央部側に向けて斜め上方に移動する動きにより(図16→図17)、ノズル交換台31の被操作片48は、交換台保持部32が備えるシャッタ操作部57の側方に位置する(図16→図17及び図20A→図20B)。そして、その後、ノズル交換台31は昇降シリンダ54によって上方に移動されるが、このときノズル交換台31は真っ直ぐに上方に移動するので、被操作片48はシャッタ操作部57の側方に位置した状態を維持する(図17→図18)。
上記のように、ノズル交換台31が交換台保持部32により所定の保持位置に保持された状態では、被操作片48はシャッタ操作部57の側方に位置するため、シャッタ操作シリンダ56によってシャッタ操作部57をX軸方向に移動させることで、シャッタ46を閉止位置から開放位置に切り替えることができる(図21A→図21B)。また、シャッタ46を開放位置に切り替えた後、シャッタ操作シリンダ56によりシャッタ操作部57を元の位置に戻すと、シャッタ46は付勢部材49の付勢力によって閉止位置に復帰する(図21B→図21A)。
このように、本実施の形態では、ノズル交換台31の可動部であるシャッタ46を操作する可動部操作部としてのシャッタ操作部57及びシャッタ操作部57を駆動するアクチュエータとしてのシャッタ操作シリンダ56が交換台保持部32に備えられている。そして、ノズル交換台31が交換台保持部32によって保持位置に保持された状態で、シャッタ操作部57がノズル交換台31のシャッタ46を操作できる位置に位置するようになっている。
図9において、載置台36には載置状態検出センサ71が設けられている。載置状態検出センサ71は、載置台36にノズル交換台31が載置されている状態を検出してその検出信号を制御装置20に出力する。制御装置20は、載置状態検出センサ71の出力に基づいて、ノズル交換台31が載置台36に載置されている状態を検知する。
図12において、交換台保持部32には保持状態検出センサ72が設けられている。保持状態検出センサ72は、昇降シリンダ54のピストンロッド(昇降ロッド54R)の下方への突出量と負荷の大きさとに基づいて、ノズル交換台31が保持位置に保持された状態を検出し、その検出信号を制御装置20に出力する。制御装置20は、保持状態検出センサ72の出力に基づいて、ノズル交換台31が保持位置に保持された状態を検知する。
上記のように、フィーダ台車14が基台11に押し込まれるとき、フィーダ台車14に取り付けられた部品廃棄ボックス33は基台11の設備設置領域内に進入し、シュータ35の排出口35Qの下方に位置する(図22A→図22B)。このため作業者OPは、基台カバー12の扉部12Cを開けることなく、フィーダ台車14を基台11に連結することによって、部品廃棄ボックス33を装着ヘッド17の可動範囲内に設置することができる。
ノズル21の交換作業は、ノズル交換台31が交換台保持部32によって保持位置に保持されている状態で実行される。ノズル21の交換作業は、ノズルシャフト17Sに取り付けられているノズル21をノズル交換台31に保持させてノズルシャフト17Sから取り外した後、ノズル交換台31に保持されている交換用のノズル21をノズルシャフト17Sに取り付けることによって行う。このとき交換作業を行うノズル21が複数あるときには、それら複数のノズル21についての交換作業を一括して実行する。
ノズル交換作業において、ノズルシャフト17Sからノズル21を取り外す場合には、先ず、シャッタ操作シリンダ56が作動して、シャッタ46を閉止位置から開放位置に位置させる(図21A→図21B)。そして、装着ヘッド17が移動し、ノズル21の上下中心軸をノズル交換台31のノズル挿入穴45Hの上下中心軸に一致させる。ノズル21の上下中心軸とノズル挿入穴45Hの上下中心軸とが一致したら装着ヘッド17がノズルシャフト17Sを下降させ、ノズルシャフト17Sに取り付けられているノズル21を、空いているノズル挿入穴45Hに挿入させる。
ノズル21がノズル挿入穴45Hに挿入したら、シャッタ操作シリンダ56が作動して、シャッタ46を開放位置から閉止位置に位置させる(図21B→図21A)。シャッタ46が閉止位置に位置した状態で装着ヘッド17がノズルシャフト17Sを上方に引き上げると、ノズル21の鍔部24はシャッタ46と干渉して上方への移動が妨げられるので、ノズル21はノズルシャフト17Sから抜き取られ、ノズル21はノズル交換台31に残留する。これによりノズルシャフト17Sからノズル21が取り外された状態となる。
このようにしてノズル21が取り外されたノズルシャフト17Sに交換用のノズル21を取り付ける場合には、先ず、装着ヘッド17が移動して、ノズル交換台31に保持されている交換用のノズル21の上方に、そのノズル21が取り付けられるノズルシャフト17Sを位置させる。そして、ノズルシャフト17Sの上下中心軸をノズル21の上下中心軸に一致させ、ノズルシャフト17Sを下降させる。これによりノズルシャフト17Sの下端に交換用のノズル21の基部22が結合(外嵌)する。
ノズルシャフト17Sの下端にノズル21の基部22が結合したら、シャッタ操作シリンダ56が作動して、シャッタ46を閉止位置から開放位置に位置させる(図21A→図21B)。シャッタ46が開放位置に位置したら、装着ヘッド17はノズルシャフト17Sを上方へ引き上げる。これによりノズル21はノズルシャフト17Sの下端に結合された状態で引き上げられ、ノズルシャフト17Sに交換用のノズル21が取り付けられた状態となる。これによりノズル21の交換作業が終了する。
交換台保持部32により保持位置に保持されたノズル交換台31を、基台11からフィーダ台車14を分離させる動作によって取り外す場合には、フィーダ台車14を基台11から分離させる前に、昇降シリンダ54が昇降プレート55を下降させる。これにより昇降プレート55によって持ち上げられた状態となっているノズル交換台31は保持位置に保持される場合とは逆の経路で移動し、フィーダ台車14に設けられた載置台36に載置される。このときノズル交換台31の4つのローラ43は交換台保持部32が有する2つのローラガイド53それぞれのガイド溝63内を通って鉛直下方に真っ直ぐに移動する(図18→図17)。
上記のようにしてノズル交換台31が載置台36に載置された後、フィーダ台車14を基台11から分離させると、ノズル交換台31は載置台36に載置された状態のまま、基台11の中央部から離れる方向に向けた斜め下方に移動し、昇降プレート55から分離する(図17→図16)。そして、その後は載置台36に載置された状態のままフィーダ台車14とともに移動し、基台11から離間する(図16→図15)。このように交換台保持部32は、保持位置からノズル交換台31を下降させて載置台36に載置させるようになっている。
上記のように、フィーダ台車14が基台11から分離されるとき、フィーダ台車14に取り付けられた部品廃棄ボックス33は基台11の設備設置領域の外部に退避する(図22B→図22A)。このため本実施の形態では、フィーダ台車14を基台11から分離させることによって、部品廃棄ボックス33を装着ヘッド17の可動範囲内から離脱させることができる。
部品実装装置1による基板生産が進行していくと、ノズル交換台31には保持されていなかった種類のノズル21を部品実装装置に供給する必要がでてくる。この場合、作業者OPは、ノズル交換台31の交換作業を行うことになる。また、基板生産が進行していくと、それまでに部品廃棄ボックス33に溜められた廃棄部品を回収するために部品廃棄ボックス33を交換する作業を行う必要もでてくる。
このようなノズル交換台31や部品廃棄ボックス33の交換作業は、その交換するノズル交換台31や部品廃棄ボックス33が設置されている側における部品実装動作が停止している状況において、その側の扉部12Cを開けた状態で作業者OPが作業空間11S内に手を差し入れて行うことができる。但し、この場合には、扉部12Cを開けることで安全装置がはたらくので、ノズル交換台31の交換或いは部品廃棄ボックス33の交換作業を行っている間、作業を行う側とは反対側の部品実装動作も強制的に停止される。
本実施の形態では、前述したように、基台11にフィーダ台車14を連結させることによって、ノズル交換台31と部品廃棄ボックス33を基台11の設備設置領域内(すなわち装着ヘッド17の可動範囲内)に設置することができ、基台11からフィーダ台車14を分離させることによって、ノズル交換台31と部品廃棄ボックス33を基台11の設備設置領域内から離脱させることができる。そのため、扉部12Cを開けることなく、ノズル交換台31の交換は部品廃棄ボックス33の交換を行うことができる。この場合、作業者OPは、基台カバー12の扉部12Cを開ける必要はないので安全装置は作動せず、フロント側とリア側の一方においてノズル交換台31の交換や部品廃棄ボックス33の交換を行っている間でも、他方においては部品実装動作が継続されるので、部品実装装置1の全体としての稼動が維持される。
従って本実施の形態における部品実装装置1では、ノズル交換台31の交換作業と部品廃棄ボックス33の交換作業(すなわち廃棄部品の回収作業)を、基台カバー12の扉部12Cを開けることなく容易に行うことができる。また、扉部12Cは開けられないので、安全装置がはたらいて部品実装動作が強制停止されることはなく、ノズル交換台31の交換作業と部品廃棄ボックス33の交換作業を効率よく行うことができる。次に、このようなフィーダ台車14によるノズル交換台31の交換作業における、部品実装装置1の各部の動作の流れを説明する。
図23は、ノズル交換台31の交換作業において、基台11に連結されたフィーダ台車14を基台11から分離させる場合の部品実装装置1の動作の流れを示している。基台11に連結されたフィーダ台車14を基台11から分離させる場合には、作業者OPは先ず、タッチパネルTPからフィーダ台車14を分離させることの許可(分離許可)を要求する入力操作を行う(図23のフローチャートのステップST1)。この分離許可の要求操作は、作業者OPがフィーダ台車14を分離させようとする側のタッチパネルTPから行う。詳細には、基台11のフロント側のフィーダ台車14を基台11から分離させようとする場合にはフロント側のタッチパネルTPから分離許可の要求操作を行い、基台11のリア側のフィーダ台車14を基台11から分離させようとする場合にはリア側のタッチパネルTPから分離許可の要求操作を行う。
制御装置20は、タッチパネルTPから分離許可の要求操作があったことを検知した場合には、フィーダ台車14を基台11から分離させる際に、交換台保持部32が保持しているノズル交換台31も一緒に取り外すかどうかを作業者OPに確認する通知を行う(ステップST2)。この通知は、タッチパネルTPの画面にノズル交換台31を取り外すかどうかを問い合わせるメッセージを表示することで行われる。そして、その通知に対する回答の入力を作業者OPがタッチパネルTPで行ったら(ステップST3)、制御装置20は、ステップST3で作業者OPによって入力された回答の内容を確認する(ステップST4)。そして、制御装置20は、入力された回答がノズル交換台31を取り外す場合には、交換台保持部32の昇降シリンダ54を作動させてノズル交換台31を下ろし、載置台36に載置させることによって、ノズル交換台31を交換台保持部32から取り外す(ステップST5)。
制御装置20は、交換台保持部32からノズル交換台31を取り外したら、載置状態検出センサ71からの出力に基づいて、ノズル交換台31の取り外しが正常に行われたか否かを判断する(ステップST6)。具体的には、昇降シリンダ54を作動させ始めてから所定の時間以内にノズル交換台31が載置台36に載置されたことが検出された場合には、ノズル交換台31の取外しが正常に行われたと判断する。これに対し、所定の時間が経過してもノズル交換台31が載置台36に載置されたことが検出されなかった場合には、ノズル交換台31の取外しが正常に行われなかったと判断する。
制御装置20は、ノズル交換台31の取外しが正常に行われたと判断した場合には、台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させる動作を行わせる(ステップST7)。一方、ノズル交換台31の取外しが正常に行われなかったと判断した場合には、制御装置20は、台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させる動作を行わせることなく、タッチパネルTPを通じて作業者OPにエラー通知を行う(ステップST8)。また、制御装置20は、作業者OPによって入力された回答がノズル交換台31を取り外さない内容であることをステップST4で確認した場合には、交換台保持部32からノズル交換台31を取り外すことなく、台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させる(ステップST7)。
制御装置20は、台車ロック部11Rによるフィーダ台車14のロックの解除が完了したら、タッチパネルTPを通じて、作業者OPに、フィーダ台車14のロック解除が完了した旨を通知する(ステップST9)。作業者OPは、タッチパネルTPを通じてフィーダ台車14のロックが解除された旨の通知を受けたら、フィーダ台車14を操作し、基台11から分離させる(ステップST10)。これにより基台11からのフィーダ台車14の分離作業が完了する。
このように、本実施の形態における部品実装装置1では、入力部としてのタッチパネルTPから、フィーダ台車14を基台11から分離させる許可を求める入力がなされた場合に、制御装置20は、交換台保持部32により保持されているノズル交換台31を交換台保持部32から取り外すか否かの問い合わせを作業者OPに対して行う。作業者OPからの回答がノズル交換台31を取り外す内容であれば、交換台保持部32にノズル交換台31を取り外させて載置台36に載置させたうえで台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させ、回答がノズル交換台31を交換台保持部32から取り外さない内容であれば、交換台保持部32にノズル交換台31を取り外させることなく台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させるようになっている。
上記例では、基台11からフィーダ台車14を分離させる際、交換台保持部32に保持されているノズル交換台31も一緒に取り外すことができるので、基台カバー12の扉部12Cを開けなくてもノズル交換台31の交換作業を容易に行うことができる。なお、作業者OPは、前述したように、部品実装装置1の部品実装動作が全く行われていないとき等には、扉部12Cを開け作業空間11S内に手を差し入れ、手作業によって、交換台保持部32に対するノズル交換台31の交換作業を行うことも可能である。この場合、交換台保持部32に保持されたノズル交換台31を手作業で取り外すときには、保持位置に位置したノズル交換台31をそのまま上方へ引き抜けばよく、ノズル交換台31を取り付けるときは、取り外すときと逆の手順によればよい。
図24は、ノズル交換台31の交換作業において、フィーダ台車14を基台11に連結させることによって、ノズル交換台31を基台11上に設置する場合の部品実装装置1の動作の流れを示している。フィーダ台車14を基台11に連結させることによってノズル交換台31を基台11上に設置する場合には、作業者OPは、先ず、載置台36に、ノズル交換台31を載置する(図24のフローチャートのステップST11)。そして、タッチパネルTPから、フィーダ台車14を基台11に連結させることの許可(連結許可)を要求する入力操作を行う(ステップST12)。この連結許可の要求操作は、作業者OPがフィーダ台車14を連結させようとする側のタッチパネルTPから行う。詳細には、基台11のフロント側にフィーダ台車14を連結させようとする場合にはフロント側のタッチパネルTPから連結許可の要求操作を行い、基台11のリア側にフィーダ台車14を連結させようとする場合にはリア側のタッチパネルTPから連結許可の要求操作を行う。
制御装置20は、フロント側或いはリア側のタッチパネルTPから連結許可の要求操作があったことを検知した場合には、タッチパネルTPを通じて作業者OPに、フィーダ台車14を連結しようとしている側の交換台保持部32が空いているかどうかの確認を要求する(ステップST13)。この要求は、作業者OPに注意を喚起するメッセージをタッチパネルTPの画面に表示することで行われる。これにより、作業者OPが、交換台保持部32に取り外されていないノズル交換台31が載置されている状態でノズル交換台31付きのフィーダ台車14を連結してしまう誤った作業を行うことがないようにしている。そして、作業者OPが目視等で交換台保持部32にノズル交換台31が載置されていない状態を確認した後、その旨の回答をタッチパネルTPから行ったら(ステップST14)、制御装置20は、タッチパネルTPを通じて作業者OPに、基台11にフィーダ台車14を連結するように促す(ステップST15)。
作業者OPは、基台11にフィーダ台車14を連結するように促されたら、フィーダ台車14を基台11に押し込む(ステップST16)。制御装置20は、ステップST15で作業者OPに基台11にフィーダ台車14を連結するように促した後、台車検出センサ11Mの出力に基づいて、フィーダ台車14が基台11に連結可能な位置に到達したかを監視する(ステップST17)。そして、制御装置20は、フィーダ台車14が連結可能な位置に到達したことを検知した場合には、台車ロック部11Rにフィーダ台車14をロックさせて基台11に連結した後(ステップST18)、交換台保持部32の昇降シリンダ54を作動させて、交換台保持部32によってノズル交換台31を保持する(ステップST19)。これによりノズル交換台31の基台11上への設置が完了する。
なお、図23のフローチャートに示す作業では、作業者OPが、フィーダ台車14とともにノズル交換台31を取り外すかどうかを判断していたが、部品実装装置1で判断するようにしてもよい。図25はその変形例を示すフローチャートである。
作業者OPは先ず、タッチパネルTPからフィーダ台車14を分離させることの許可(分離許可)を要求する入力操作を行う(ステップST21)。この分離許可の要求操作は、作業者OPがフィーダ台車14を分離させようとする側のタッチパネルTPから行う。制御装置20は、タッチパネルTPから分離許可の要求操作があったことを検知した場合には、制御装置20の記憶部或いは制御装置20と通信可能なサーバー装置に記憶されている段取り換え情報を参照する(ステップST22)。
この段取り換え情報は生産計画に基づいて予め作成されたものである。そして制御装置20は、分離許可の要求のあったフィーダ台車14とともにノズル交換台31を取り外すことが段取り換え情報で確認できたならば(ステップST23)交換台保持部32の昇降シリンダ54を作動させてノズル交換台31を下ろし、載置台36に載置させることによって、ノズル交換台31を交換台保持部32から取り外す(ステップST24)。そして、ノズル交換台31の取外しが正常に行われたことが確認できたら(ステップST25)、台車ロック部11Rにロックを解除させる(ステップST26)。また、制御装置20はノズル交換台31を取り外さないことを確認したら(ステップST23)、ステップST24、ステップST25をスキップして台車ロック部11Rにロックを解除させる(ステップST26)。ノズル交換台31の取外しが正常に行われなかったと判断した場合には、制御装置20は、台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させる動作を行わせることなく、タッチパネルTPを通じて作業者OPにエラー通知を行う(ステップST27)。
制御装置20は、台車ロック部11Rによるフィーダ台車14のロックの解除が完了したら、タッチパネルTPを通じて、作業者OPに、フィーダ台車14のロック解除が完了した旨を通知する(ステップST28)。作業者OPは、タッチパネルTPを通じてフィーダ台車14のロックが解除された旨の通知を受けたら、フィーダ台車14を操作し、基台11から分離させる(ステップST29)。このように、変形例では生産計画に基づく情報(段取り換え情報)に基づいてノズル交換台31を取り外すかどうかを部品実装装置1が判断するので作業者OPの判断ミス、確認ミスを未然に防止できる。
図26は、部品実装装置1を含む実装システムと、自走式の自動搬送車81と、自動搬送車81を誘導して床面上を走行させる管理装置82を有する自動搬送システムとを組み合わせた作業システム83の構成例を示している。自動搬送車81は無線通信機81Tを搭載しており、管理装置82は、無線通信機82Tにより無線通信機81Tを通じて自動搬送車81との間で信号を無線で授受する。自動搬送車81はフィーダ台車14を持ち上げて捕捉する捕捉機構81A(図29参照)を備えている。自動搬送車81は管理装置82により無線誘導されて走行し、フィーダ台車14の下方に入り込んだうえで、捕捉機構81Aによりフィーダ台車14を捕捉し、床面から浮かせた状態で搬送する(図30参照)。この作業システム83では、管理装置82が自動搬送車81を走行させてフィーダ台車14を搬送することで、フィーダ台車14を基台11に連結し、或いは分離させることができる。なお、捕捉機構81Aとしてはフィーダ台車14を持ち上げるものに限定されるものではなく、牽引可能な状態でフィーダ台車14に係合するものでもよい。
実装システムは少なくとも部品実装装置1と、部品実装装置1の制御装置200に接続された情報管理部205を備えている。情報管理部205は部品実装装置1の上位の制御部として機能し、部品実装装置1の運転に必要なデータやプログラム等を部品実装装置1へダウンロードし、部品実装装置1の状態を示す情報やログ情報等を受信する。管理装置82、情報管理部205、制御装置200は有線又は無線による通信ネットワークで接続されており、自動搬送システムと実装システムは通信ネットワークで通信を行いながらフィーダ台車14の搬送を行う。
管理装置82は、自動搬送車81がフィーダ台車14を搬送可能な位置に到着した旨の到着通知を実装システムへ通知する第1の通知部821と、実装システムから台車ロック部11Rによるフィーダ台車14のロックが解除された旨の解除通知を受信したら自動搬送車81を基台11から離れる方向へ移動させてフィーダ台車14を部品実装装置1から分離させる第1の処理部822を有している。
制御装置200は、部品実装装置1を制御する機能を有するとともに、第2の通知部202及び第2の処理部203を有している。第2の処理部203は、自動搬送システムから到着通知を受信したら、ノズル交換台31を交換台保持部32から載置台36に受け渡す受渡し動作及び台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させる解除動作を行わせる。第2の通知部202は台車ロック部11Rによる解除動作が正常に行われたら解除通知を自動搬送システムに通知する。
更に、制御装置200は交換台保持部32により保持されているノズル交換台31を取り外すか否かを判断する判断部204を有している。判断部204は制御装置200若しくは情報管理部205に記憶されている段取り換え情報を参照してノズル交換台31を取り外すか否かを判断する。この段取り換え情報は生産計画に基づいて予め作成されたものである。
図27は、基台11に連結されたフィーダ台車14を自動搬送車81によって基台11から分離させる場合の動作の流れを示している。基台11に連結されたフィーダ台車14を自動搬送車81によって基台11から分離させる場合には、先ず、自動搬送車81が管理装置82によって部品実装装置1の近傍位置に呼び寄せられ、更に、部品実装装置1に装着されている所定のフィーダ台車14を分離する分離作業を開始可能な位置(分離作業待機位置)へ移動させられる。本実施の形態では、フィーダ台車14の下が分離作業待機位置となっている。そして、自動搬送車81が分離作業待機位置に到着したら(図27のステップST31)、第1の通知部821が、部品実装装置1の制御装置20に対し、自動搬送車81が部品実装装置1の近傍位置、すなわち分離作業待機位置に到着したことを意味する到着通知を実装システムへ通知する(ステップST32)。この到着通知は、情報管理部205を経由して取外し対象のフィーダ台車14が装着されている部品実装装置1の制御装置20に通知される。
判断部204は、到着通知を受けたら、段取り換え情報を参照してノズル交換台31を取り外すか否かを判断する(ステップST33)。そして、第2の処理部203は、判断部204がノズル交換台31を取り外すと判断した場合には、交換台保持部32にノズル交換台31を取り外させる(ステップST34)。そして、載置状態検出センサ71からの出力に基づいて、交換台保持部32によるノズル交換台31の取外しが正常に行われたか否かを判断する(ステップST35)。ノズル交換台31の取外しが正常に行われたと判断部204が判断した場合、第2の処理部203は分離作業を開始し、台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させる(ステップST36)。
一方、第2の処理部203は、ステップST35で、ノズル交換台31の取外しが正常に行われなかったと判断した場合には、台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させることなく、タッチパネルTPを通じて作業者OPにエラー通知を行う(ステップST37)。また、第2の処理部203は、判断部204がステップST23でノズル交換台31を取り外さないと判断した場合には、交換台保持部32にノズル交換台31を取り外させることなく分離作業を開始し、台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させる(ステップST36)。
第2の通知部202は、ステップST36で台車ロック部11Rのロックが解除されたら、情報管理部205を通じて、自動搬送システムにロック解除が完了した旨を通知(以下、ロック解除通知と呼ぶ。)する(ステップST38)。そして、管理装置82の第1の通知部821は、ロック解除通知を受けると自動搬送車81に対してフィーダ台車14の分離(台車分離)を指示する(ステップST39)。台車分離の指示を受けた自動搬送車81は、フィーダ台車14を持ち上げて床面から浮かせる等してこれを捕捉し、フィーダ台車14を床面から浮かせた状態で部品実装装置1から離れる方向へ走行する(ステップST40)。これにより、フィーダ台車14を基台11から分離させる分離作業が完了する。
このように、実装システムと自動搬送システムで構成される作業システム83では、管理装置82が自動搬送車81にフィーダ台車14を搬送させてフィーダ台車14を基台11から分離させる前に、制御装置200は交換台保持部32により保持されているノズル交換台31を交換台保持部32から取り外すか否かを判断する。ノズル交換台31を取り外す場合には、交換台保持部32にノズル交換台31を取り外させて載置台36に載置させたうえで台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させ、ノズル交換台31を取り外さない場合には、交換台保持部32にノズル交換台31を取り外させることなく台車ロック部11Rにフィーダ台車14のロックを解除させるようになっている。
図28は、自動搬送車81により基台11にフィーダ台車14を連結させてノズル交換台31を基台11上に設置する場合の動作の流れを示している。自動搬送車81により基台11にフィーダ台車14を連結させる場合には、先ず、自動搬送車81が部品実装装置1に連結予定のフィーダ台車14を部品実装装置1の近傍の連結作業待機位置まで搬送する。そして、自動搬送車81が連結作業待機位置に到着したら(図28のステップST41)、これを検知した第1の通知部821は、実装システムの情報管理部205に、自動搬送車81がフィーダ台車14を連結作業を開始可能な連結作業待機位置まで搬送した旨を意味する到着通知を通知する(ステップST42)。連結作業待機位置において、自動搬送車81はフィーダ台車14の載置台36を部品実装装置1側に向けた状態で待機する。
情報管理部205は、第1の通知部821からの到着通知を部品実装装置1の制御装置200に中継する。制御装置200の第2の処理部203は、到着通知を受けたら、フィーダ台車14が連結される側の交換台保持部32にノズル交換台31が残っているかどうかを確認する(ステップST43)。この確認は、具体的には、前述の保持状態検出センサ72の出力に基づいて、交換台保持部32にノズル交換台31が保持されているかどうかを判断して行う。
第2の処理部203は、交換台保持部32にノズル交換台31が保持されているかどうかに基づいて、交換台保持部32にノズル交換台31を取り付けることができる否かを判断する(ステップST44)。そして、第2の処理部203は、交換台保持部32にノズル交換台31が保持されておらず、ノズル交換台31の取付けが可能であると判断した場合には、情報管理部205を通じて、自動搬送システム側に連結許可を通知し(ステップST45)、自動搬送車81によって搬送されるフィーダ台車14が台車検出センサ11Mで検出されるのを待つ待機状態となる(ステップST46)。一方、ステップST44で、ノズル交換台31の取付けが可能でないと判断した場合には、タッチパネルTPを通じて作業者OPにエラー通知を行う(ステップST47)。
管理装置82の第1の処理部822は、実装システム側から連結許可を受け取ったら、連結作業待機位置で待機している自動搬送車81に動作指令を送って連結作業を開始させる(ステップST48)。第1の処理部822から動作指示を受けた自動搬送車81はフィーダ台車14を基台11に向かって搬送する(ステップST49)。
フィーダ台車14が基台11に接近して台車側コネクタ14Cが基台側コネクタ11Cに嵌入すると台車検出センサ11Mが反応し、これにより第2の処理部203はフィーダ台車14が基台11に対する連結作業待機位置に到達したことを検知する(ステップST46)。第2の処理部203は、フィーダ台車14が連結作業待機位置に到達したことを検出すると、台車ロック部11Rにフィーダ台車14をロックさせて基台11に連結する(ステップST50)。これによりフィーダ台車14の連結作業が完了する。その後、第2の処理部203は交換台保持部32の昇降シリンダ54を作動させて、交換台保持部32によってノズル交換台31を保持させる(ステップST51)。これによりノズル交換台31の基台11上への設置が完了する。なお、交換用のノズル交換台31がセットされていないフィーダ台車14が連結された場合には、ステップST51はスキップされる。
第2の通知部202は、交換台保持部32にノズル交換台31を保持させたら、フィーダ台車14の連結作業が完了した旨の連結完了を自動搬送システムへ通知する(ステップST52)。連結完了の通知を受けた第1の処理部822は自動搬送車81に離脱を指示する(ステップST53)。離脱の指示を受けた自動搬送車81は、フィーダ台車14の捕捉を解いて、フィーダ台車14から離脱する(ステップST54)。
これまで述べたように、本実施の形態における部品実装装置1では、載置台36にノズル交換台31を載置した状態でフィーダ台車14を基台11に連結させると、交換台保持部32はノズル交換台31を載置台36から受け取り、装着ヘッド17の可動範囲内に保持するように動作するので、作業者OPは基台カバー12の扉部12Cを開けることなく、容易にノズル交換台31を基台11上に設置することができる。
また、ノズル交換台31を保持するにおいて、交換台保持部32は、載置台36から離間させた状態でノズル交換台31を保持しているので、交換台保持部32にノズル交換台31が保持された後は、そのままフィーダ台車14を基台11から取り外すことができる。また、交換台保持部32が、保持したノズル交換台31を載置台36に戻した後、フィーダ台車14を基台11から分離させることで、ノズル交換台31をフィーダ台車14とともに基台11の外部に退避させて基台11上から取り外すことができる。このため本実施の形態における部品実装装置1によれば、作業者OPは基台カバー12の扉部12Cを開けることなく、容易に基台11上からのノズル交換台31の取り外しを行うことができる。
上記のノズル交換台31の設置及び取外しの際には、基台カバー12の扉部12Cは開けられないので、安全装置がはたらいて部品実装動作が停止させることはなく、作業者OPは効率よくノズル交換台31の交換作業を行うことができる。このため本実施の形態の部品実装装置1によれば、作業者OPは基台カバー12の一部(扉部12C)を開けることなく、容易にかつ効率よくノズル交換台31の交換を行うことができる。
また、フィーダ台車14を基台11に連結させると、フィーダ台車14に取り付けられた部品廃棄ボックス33が装着ヘッド17の可動範囲内に位置するので、作業者OPは、基台カバー12の扉部12Cを開けることなく、容易に部品廃棄ボックス33を基台11上に設置することができる。また、フィーダ台車14を基台11から分離させることで、部品廃棄ボックス33をフィーダ台車14とともに基台11の外部に引き出して基台11上から取り外すことができ、装着ヘッド17によって部品廃棄ボックス33に投入された廃棄部品を回収することができる。このため本実施の形態における部品実装装置によれば、作業者OPは基台カバー12の扉部12Cを開けることなく、容易に部品廃棄ボックス33の交換作業(廃棄部品の回収作業)を行うことができる。
また、部品廃棄ボックス33の設置及び取外しの際に基台カバー12の扉部12Cは開けられないので、安全装置がはたらいて部品実装動作が停止されることはなく、作業者OPは効率よく部品廃棄ボックス33の交換作業を行うことができる。このため本実施の形態における部品実装装置1によれば、作業者OPは基台カバー12の一部(扉部12C)を開けることなく、容易に、かつ効率よく部品廃棄ボックス33の交換作業(廃棄部品の回収作業)を行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態における部品実装装置1によれば、作業者OPは基台カバー12の一部(扉部12C)を開けることなく、また、これにより部品実装装置1における部品実装作業を中断させることなく、ノズル交換台31を基台11上に設置し、また基台11上に設置されたノズル交換台31を基台11上から取り外すことができるので、ノズル交換台31の交換作業を容易に、かつ効率よく行うことができる。
これまで本開示の実施の形態について説明してきたが、本開示は上述したものに限定されず、種々の変形等が可能である。例えば、上述の実施の形態では、フィーダ台車14は基台11の複数箇所(フロント側とリア側)に連結されるようになっていたが、これは一例であり、基台11の一箇所に取り付けられる構成であっても構わない。また、フロント側とリア側それぞれの複数箇所にフィーダ台車14を連結させることができるようになっていてもよい。また、ノズル交換台31の構成、交換台保持部32、部品廃棄ボックス33、ボックス保持部材34等の構成は一例であり、前述の実施の形態に示した構成以外の構成を有していてもよい。また、台車検出センサ11Mはフィーダ台車14が基台11に連結可能な位置に位置していることを検出する台車検出手段となっているが、台車検出手段としては光学センサや磁気センサ、或いは電気的に検出するものを用いるものでもよい。
また、作業システム83の例では、管理装置82が第1の通知部821と第1の処理部822を有する構成にしているが、これらの全部又は一部を自動搬送車81で実現するようにしてもよい。同様に、制御装置200が第2の通知部202、第2の処理部203、判断部204を有する構成にしているが、これらの全部又は一部を情報管理部205で実現するようにしてもよい。