JP7297478B2 - 繊維製品用液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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一方、例えば北海道の冬季の環境温度が-20℃付近になることが知られている。-20℃においては、水を含有する繊維製品用液体洗浄剤組成物は凍結する。凍結した繊維製品用液体洗浄剤組成物は、容器から出てこないために、当該組成物が融解するまで温度を上げで使用することが一般的に行われる。以後、一度凍結し融解することを凍結回復すると称する場合がある。凍結回復した後の当該組成物の外観は、凍結する前の組成物と同程度の外観であることが望まれている(以後、凍結回復性に優れると称する場合がある)。
ここで、内部オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸又はその塩、水酸基を有する有機溶剤及び水を含有する繊維製品用液体洗浄剤組成物の凍結回復が1~3回程度繰り返されても凍結回復性に優れるが、凍結回復が更に繰り返されても、凍結回復性を維持できることが望まれていた。
(a)成分:炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩
(b)成分:ノニオン界面活性剤
(c)成分:炭素数10以上16以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸塩、及び炭素数10以上22以下の炭化水素基を有するスルホン酸塩〔(a)成分を除く〕から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤
(d)成分:炭素数10以上20以下の脂肪酸又はその塩
(e)成分:水酸基を有する有機溶剤
本発明の(a)成分は、炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩である。(a)成分は、繊維製品に付着した汚れを洗浄する作用を有する。(a)成分は、炭素数16以上24以下の内部オレフィンをスルホン化して得ることができる。前記内部オレフィンとは二重結合が2位より内部に存在するオレフィンを表す。内部オレフィンは、例えば1-アルコールを脱水して得られた1-オレフィンを異性化して得ることができる。内部オレフィンをスルホン化すると、定量的にβ-サルトンが生成し、β-サルトンの一部は、γ-サルトン、オレフィンスルホン酸へと変化し、更にこれらは中和・加水分解工程においてヒドロキシアルカンスルホン酸塩と、オレフィンスルホン酸塩へと転換する(例えば、J. Am. Oil Chem. Soc. 69, 39(1992)) 。ここで、得られるヒドロキシアルカンスルホン酸塩のヒドロキシ基は、アルカン鎖の内部にあり、オレフィンスルホン酸塩の二重結合はオレフィン鎖の内部にある。また、得られる生成物は、主にこれらの混合物であり、またその一部には、炭素鎖の末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシアルカンスルホン酸塩、又は炭素鎖の末端に二重結合を有するα-オレフィンスルホン酸塩が微量に含まれる場合もある。本明細書では、これらの各生成物及びそれらの混合物を総称して内部オレフィンスルホン酸塩((a)成分)という。また、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体(以下、HASともいう。)、オレフィンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のオレフィン体(以下、IOSともいう。)という。
なお、(a)成分中の化合物の質量比は、高HPLC-MSにより測定できる。具体的には、(a)成分のHPLC-MSピーク面積から質量比を求めることができる。
(b)成分は、ノニオン界面活性剤である、本発明の課題を解決する観点から、(b)成分は、好ましくは、HLBが10以上19以下のノニオン界面活性剤である。(b)成分のHLBは、凍結回復性をより向上できる観点から、より好ましくは11以上、更に好ましくは12以上、より更に好ましくは12.5以上、より更に好ましくは13以上、より更に好ましくは14以上、より更に好ましくは15以上、より更に好ましくは16以上、そして、好ましくは19以下である。
HLB=〔(ポリオキシエチレン基の平均分子量)/〔(b)成分の平均分子量〕〕×20
尚、以下に具体的なノニオン界面活性剤を例示するが、前記のオキシエチレン基をエチレンオキシ基と称する場合がある。
また、本発明において、ノニオン界面活性剤がポリオキシエチレン基を含まない場合、ノニオン界面活性剤のHLBは、“Journal of Colloid and Interface Science,Vol.107.No.1,September1985”に記載された国枝らの方法に従って測定されたものを言う。この文献には、特定の温度(THLB)とグリフィン(Griffin)によるHLB数とが線形関係にあるという知見に基づくHLBの測定法である。
R1(CO)mO-(A1O)n-R2 (b1)
〔式中、R1は炭素数9以上18以下の脂肪族炭化水素基であり、R2は水素原子又はメチル基であり、COはカルボニル基であり、mは0又は1の数であり、A1O基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基であり、nは平均付加モル数であり、当該ノニオン界面活性剤のHLBが10以上19以下となる数である。〕
(c)成分は、(c1)炭素数10以上16以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸塩〔以下、(c1)成分という場合もある〕、及び炭素数10以上22以下の炭化水素基を有するスルホン酸塩〔(a)成分を除く〕〔以下、(c2)成分という場合もある〕から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤である。(c)成分は、前記の(a)成分及び(b)成分と共に用いることで、凍結回復性をより高める作用を有する。
(c1-1)成分:アルキル基の炭素数が10以上16以下のアルキル硫酸エステル塩又はアルケニル基の炭素数が10以上16以下のアルケニル硫酸エステル塩
(c1-2)成分:アルキル基の炭素数が10以上16以下であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が1以上5以下のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニル基の炭素数が10以上16以下であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が1以上5以下のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩
(c2)成分として、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上16以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルケニル基の炭素数が10以上16以下のアルケニルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基の炭素数が10以上16以下のアルカンスルホン酸塩、α-オレフィン部分の炭素数が10以上14以下のα-オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下のα-スルホ脂肪酸塩、及び脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下であり、エステル部分の炭素数が1以上5以下であるα-スルホ脂肪酸低級アルキルエステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。凍結回復性を更に高める観点から、(c2)成分は、アルキル基の炭素数が11以上16以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が11以上16以下のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。凍結回復性を更に高める観点から、(c2)成分は、アルキル基の炭素数が12以上14以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が12以上14以下のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
(d)成分は、炭素数10以上20以下の脂肪酸又はその塩である。(d)成分は、繊維製品用液体洗浄剤組成物の製造時や洗浄時やすすぎ時の泡立ち、すすぎ時の泡切れなどを制御する為に用いられることが多い。本発明でもそのような観点で配合されてよい成分である。なお、(d)成分を含有する繊維製品用液体洗浄剤組成物は、当該組成物が凍結回復した後の外観が濁ったり、2つの層に分離したりしやすい傾向があり、これを踏まえて(d)成分の種類や配合量を選定することが好ましい。
(e)成分は、水酸基を有する有機溶剤である。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の凍結回復性を更に高める観点から、(e)成分は、CLogPが-1.5以上2以下の水酸基を有する有機溶剤であることが好ましい。本発明においてCLogPはPerkin Elmer社のChemBioDraw Ultra ver.14.0のChemPropertyを用いて算出した計算値を用いる。なお、ClogPの値が大きい程、疎水性が高いことを表す。
(e1)成分:炭素数2以上6以下の1価のアルコール
(e2)成分:炭素数2以上12以下、且つ2価以上12価以下のアルコール
(e3)成分:炭素数1以上8以下の炭化水素基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤(但し、炭化水素基は芳香族基を除く。)
(e4)成分:部分的に置換していても良い芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤
以下に(e1)成分~(e4)成分の具体例を示す。尚( )内の数字は、Perkin Elmer社のChem Bio DrawUltra ver.14.0のChem
Propertyを用いて算出した各成分の計算値(CLogP)である。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物は水を含有する。例えば、本発明の組成物の4℃以上40℃以下における性状を液体状態とする為に、水を含有することが出来る。水は脱イオン水(イオン交換水とも言う場合もある)や次亜塩素酸ソーダをイオン交換水に対して1mg/kg以上5mg/kg以下、添加した水を使用することが出来る。また、水道水も使用できる。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物で洗浄する繊維製品を構成する繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでも良い。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(綿、もめん、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が例示される。
本発明において繊維製品とは、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(a)成分の含有量は、洗浄性の観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、凍結回復性を更に高める観点から、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、更に好ましくは29質量%以下であり、より更に好ましくは23質量%以下であり、より更に好ましくは22質量%以下である。なお繊維製品用液体洗浄剤組成物に含まれる(a)成分の含有量は、対イオンをカリウムイオンに換算して算出した値に基づくものとする。すなわち、カリウム塩換算での含有量である。
(g1)ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロースなどの再汚染防止剤及び分散剤を組成物中0.01質量%以上10質量%以下
(g2)過酸化水素、過炭酸ナトリウム又は過硼酸ナトリウム等の漂白剤を組成物中0.01質量%以上10質量%以下
(g3)テトラアセチルエチレンジアミン、特開平6-316700号の一般式(I-2)~(I-7)で表される漂白活性化剤等の漂白活性化剤を組成物中0.01質量%以上10質量%以下、
(g4)セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼから選ばれる1種以上の酵素、好ましくはアミラーゼ及びプロテアーゼから選ばれる1種以上の酵素を組成物中0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、2質量%以下、好ましくは1質量%以下
(g5)蛍光染料、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料を組成物中0.001質量%以上1質量%以下
(g6)ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を組成物中0.01質量%以上2質量%以下
(g7)色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤を適量。
下記の方法に従って、(a-1)成分の原料となる、炭素数16の内部オレフィンa1を製造した。炭素数16の内部オレフィンに関しては特開2014-76988号の製造例Cに準じて内部オレフィンを製造した。内部オレフィンの二重結合分布は以下の通りである。
二重結合の位置が下記の位置にある内部オレフィンの質量割合は、1位/2位/3位/4位/5位/6位/7位/8位=2.3%/23.6%/18.9%/17.5%/13.7%/11.2%/6.4%/6.4% (合計100質量%)
(a-2)成分の原料となる内部オレフィンa2を下記の通り製造した。
攪拌装置付きフラスコに1-オクタデカノール(製品名:カルコール8098、花王株式会社製)7000g(25.9モル)、固体酸触媒としてγ―アルミナ(STREM Chemicals,Inc社)700g(原料アルコールに対して10質量%)を仕込み、攪拌下、280℃にて系内に窒素(7000mL/min.)を流通させながら反応時間を制御して反応を行った。得られた粗内部オレフィンを蒸留用フラスコに移し、148-158℃/0.5mmHgで蒸留することでオレフィン純度100%の炭素数18の内部オレフィンa2を得た。内部オレフィンの二重結合分布は以下の通りである。
二重結合の位置が下記の位置にある内部オレフィンの質量割合は、1位/2位/3位/4位/5位/6位/7位/8位=2.3%/26.3%/20.8%/17.2%/11.7%/8.3%/5.9%/3.6%/3.6% (合計100質量%)
また、測定に使用した装置及び分析条件は次の通りである。GC装置「HP6890」(HEWLETT PACKARD社製)、カラム「Ultra-Alloy-1HTキャピラリーカラム」(30m×250μm×0.15μm、フロンティア・ラボ株式会社製)、検出器(水素炎イオン検出器(FID))、インジェクション温度300℃、ディテクター温度350℃、He流量4.6mL/分
前記の内部オレフィンa1又は内部オレフィンa2を、外部にジャケットを有する薄膜式スルホン化反応器を使用して三酸化硫黄ガス、反応器外部ジャケットに20℃の冷却水を通液することでスルホン化反応を行った。スルホン化反応の際のSO3/内部オレフィンのモル比は1.09に設定した。得られたスルホン化物を、理論酸価に対し1.5モル倍量の水酸化カリウムで調製したアルカリ水溶液へ添加し、攪拌しながら30℃、1時間中和した。中和物をオートクレーブ中で160℃、1時間加熱することで加水分解を行い、炭素数16内部オレフィンスルホン酸カリウム粗生成物を得た。該粗生成物300gを分液漏斗に移し、エタノール300mLを加えた後、1回あたり石油エーテル300mLを加えて油溶性の不純物を抽出除去した。この際、エタノールの添加により油水界面に析出した無機化合物(主成分は硫酸カリウム)も、油水分離操作により水相から分離除去した。この抽出除去操作を3回行った。水相側を蒸発乾固することで、内部オレフィンスルホン酸カリウムを得た。内部オレフィンa1から製造したものを(a-1)、内部オレフィンa2から製造したものを(a-2)とした。
実施例及び比較例では、以下の成分を用いた
〔(a)成分〕
(a-1):前記の方法で製造された炭素数16の内部オレフィンスルホン酸カリウム塩(a-2):前記の方法で製造された炭素数18の内部オレフィンスルホン酸カリウム塩
(b-1):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(オキシエチレン基の平均付加モル数は6モル、HLB=11.5、一般式(b1)において、R1:ラウリル基とミリスチル基の混合アルキル基であり、ラウリル基の質量とミリスチル基の質量との比である、ラウリル基/ミリスチル基=7/3、m:0、A1O:エチレンオキシ基、n:6、R2:水素原子の化合物)
(b-2):ポリオキシアルキレンラウリルエーテル(オキシエチレン基の平均付加モル数は10モル、HLB=14.0、一般式(b1)において、R1:ラウリル基、m:0、A1O:エチレンオキシ基、n:10、R2:水素原子の化合物)
(b-3):ポリオキシアルキレンラウリルエーテル(オキシエチレン基の平均付加モル数は21モル、HLB=16.6、一般式(b1)において、R1:ラウリル基、m:0、A1O:エチレンオキシ基、n:10、R2:水素原子の化合物)
(b-4):ポリオキシアルキレンラウリルエーテル(ラウリルアルコール1モルに対し、エチレンオキシ基を平均で9モル付加した後、プロピレンオキシ基を平均で2モル付加した後、エチレンオキシ基を平均で9モル付加した化合物、HLB=14.5、一般式(b1)において、R1:ラウリル基、m:0、A1O:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基、n:20、R2:水素原子の化合物)
(c-1):アルキル鎖がC8:C10:C12=5:5:90(質量比、Cの次の数字は炭素数を意味する)の天然アルコール1モルにプロピレンオキシドを0.6モル付加して得られたものを三酸化イオウにより硫酸化したのち、水酸化ナトリウム水溶液で中和した(水で10%希釈したもののpHが11になるまで中和した)もの。
(c-2):ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG-25、花王(株)製)
(c-3):ドデシル硫酸ナトリウム(エマール10、花王(株)製)
(c-4):ポリオキシエチレン(平均付加モル数3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王(株)製)
(d-1):ミリスチン酸(和光純薬工業(株))
(d-2):混合脂肪酸(花王(株)の各種脂肪酸を混合して混合脂肪酸を得た。飽和脂肪酸(全て直鎖)の炭素数組成は、炭素数10/炭素数12/炭素数14/炭素数16/炭素数18=1/57/22/10/3(質量比)であり、残りが不飽和脂肪酸であり、その組成がリノール酸/リノレイン酸=6/1(質量比)である。
(e-1):2-フェノキシエタノール(和光純薬工業(株))
(e-2):ジエチレングリコールモノブチルエーテル(和光純薬工業(株))
(f-1):p-クメンスルホン酸(和光純薬工業(株))
(g-1):4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(ダイクロサン、商品名「Tinosan HP100」 BASF社製
(g-2):2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)
イオン交換水
上記の配合成分を用いて、表1~4に示す繊維製品用液体洗浄剤組成物を調製し、以下の項目について評価を行った。結果を表1~4に示す。また、表5の配合例も同様に調製した。
表に示す繊維製品用液体洗浄剤組成物は、具体的には次の通り調製した。200mL容量のガラス製ビーカーに長さ5cmのテフロン(登録商標)製スターラーピースを投入し質量を測定した。調製は全て25℃のウォーターバス内で行った。次に、20℃のイオン交換水10g、(b)成分、最終的なpHが8.0になるような所定量のモノエタノールアミンを投入しpHを調製後、100r/minで5分撹拌した。(g)成分を使用する場合は、(g)成分を投入し5分間攪拌した。次に60℃で溶融させた(e)成分を投入し、完全に溶解したことを確認後、(d)成分、(f)成分を入れ、100r/minで5分撹拌した。次に、(a)成分、(c)成分を投入し、100r/minで20分間撹拌した。次に、最終的なpHが8.0になるような所定量のモノエタノールアミンを投入しpHを調製後、内容物の質量が100gになるように、イオン交換水を入れ、再度、100r/minで30秒間撹拌し、表1~4、または表5に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物を得た。
pHメーター(HORIBA製 pH/イオンメーター F-23)にpH測定用複合電極(HORIBA製 ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を投入する。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)を使用する。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬する。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行う。測定対象となるサンプルを25℃に調整し、前記のpHメーターの電極をサンプルに浸漬し、1分後のpHを測定する。
表1~4に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物30gを、No.6のガラス製規格瓶に入れキャップを閉めた。
繊維製品用液体洗浄剤組成物を収容した前記規格瓶を、20℃の恒温器に入れ11時間放置した。11時間経過後、40℃/hrの速度で、環境温度が-20℃になるまで降温し、前記規格瓶を-20℃の環境下で11時間放置した。その後、40℃/hrの速度で、環境温度が20℃になるまで昇温し、前記規格瓶を20℃の環境下に8時間おいた。これを1サイクルとした。規格瓶の中の繊維製品用液体洗浄剤組成物の外観を1サイクル終了ごとに目視観察し、以下の基準で評価した。評価が△になるまでのサイクル数、及び評価が×になるまでのサイクル数をそれぞれ表1~4に示した。なお、10回目のサイクルで△又は×になっていない場合は「10超」とした。また、表中「-」は評価を行わなかったことを意味する。
○:前記サイクルによる試験後の繊維製品用液体洗浄剤組成物の外観が、保存前の当該組成物の外観と同じ外観である。
△:前記サイクルによる試験後の繊維製品用液体洗浄剤組成物の外観が、保存前の当該組成物の外観と同じではなく、内容物が僅かに2層に分離または僅かに固形物が析出しているが、許容範囲内である。尚、僅かに分離しているとは、規格瓶を正立状態から180度反転し倒立状態とした後に、再び正立状態に戻す作業を10回した後の当該組成物の外観が、保存前の外観と同じであることを意味する。
×:前記サイクルによる試験後の繊維製品用液体洗浄剤組成物中に固形物が析出し流動性を失っている、又は、当該組成物が均一でなく2層以上に分離し、規格瓶を正立状態から180度反転し倒立状態とした後に、再び正立状態に戻す作業を10回した後の当該組成物の外観が保存前の外観と同じではない。
Claims (5)
- 下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、(e)成分、(g7)成分及び水を含有し、
繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(a)成分の含有量が2質量%以上30質量%以下であり、
繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(b)成分の含有量が1質量%以上20質量%以下であり、
繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(c)成分の含有量が1質量%以上25質量%以下であり、
繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(d)成分の含有量が2質量%以上8質量%以下であり、
繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(e)成分の含有量が4質量%以上15質量%以下であり、
繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(g7)成分の含有量が0.01質量%以上1質量%以下であり、
繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(a)成分の含有量と(b)成分の含有量の合計量が20質量%以上50質量%以下であり、
繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(c)成分の含有量と(a)成分の含有量の質量比である、(c)成分/(a)成分が、0.05以上10以下であり、
(d)成分として、炭素数12の脂肪酸又はその塩、炭素数14の脂肪酸又はその塩及び炭素数16以上20以下の脂肪酸又はその塩を含有し、炭素数16以上20以下の脂肪酸又はその塩の合計量と、炭素数12の脂肪酸又はその塩及び炭素数14の脂肪酸又はその塩の合計量の比である、(炭素数16以上20以下の脂肪酸又はその塩/〔(炭素数12の脂肪酸又はその塩)+(炭素数14の脂肪酸又はその塩)〕が、0を超え、0.4以下である、
繊維製品用液体洗浄剤組成物。
(a)成分:炭素数16以上18以下の内部オレフィンスルホン酸塩
(b)成分:HLBが10以上19以下であり、且つ下記一般式(b1)で表されるノニオン界面活性剤
R1(CO)mO-(A1O)n-R2 (b1)
〔式中、R1は炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基であり、前記脂肪族炭化水素基は脂肪族アルキル基及び脂肪族アルケニル基から選ばれる基であり、R2は水素原子であり、COはカルボニル基であり、mは0であり、A1O基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基であり、nは平均付加モル数であり、当該ノニオン界面活性剤のHLBが10以上19以下となる数であり、6以上24以下の数である。〕
(c)成分:炭素数10以上16以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸塩、及び炭素数10以上22以下の炭化水素基を有するスルホン酸塩〔(a)成分を除く〕から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤
(d)成分:炭素数10以上20以下の脂肪酸又はその塩
(e)成分:下記(e4)成分から選ばれる1種以上の、水酸基を有する有機溶剤
(e4)成分:部分的に置換していても良い芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤であって、2-フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、及びトリエチレングリコールモノフェニルエーテルから選ばれる有機溶剤
(g7)成分:4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル及び、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれる1種以上のフェノール系抗菌剤 - 繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(b)成分の含有量と(a)成分の含有量の質量比である、(b)成分/(a)成分が、0.05以上10以下である、請求項1に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
- 繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(b)成分の含有量と、(a)成分の含有量及び(c)成分の含有量の合計含有量との質量比である、(b)成分/〔(a)成分+(c)成分〕が、0.05以上5以下である、請求項1又は2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
- 繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(a)成分の含有量と(c)成分の含有量の合計量が、15質量%以上50質量%以下である、請求項1~3のいずれかに記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
- (c)成分であるアニオン界面活性剤のうち、炭素数10以上16以下の脂肪族炭化水素基を有する硫酸塩が、下記(c1-1)成分及び(c1-2)成分から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤である、請求項1~4のいずれかに記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
(c1-1)成分:アルキル基の炭素数が10以上16以下のアルキル硫酸エステル塩又はアルケニル基の炭素数が10以上16以下のアルケニル硫酸エステル塩
(c1-2)成分:アルキル基の炭素数が10以上16以下であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が1以上5以下のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニル基の炭素数が10以上16以下であり、オキシアルキレン基の平均付加モル数が1以上5以下のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩
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