JP7186609B2 - 繊維製品用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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本発明は、繊維製品用液体洗浄剤組成物に関する。
従来、アニオン性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数2~3のオキシアルキレン基を含むノニオン界面活性剤、オレフィンスルホン酸塩、例えば二重結合をオレフィン鎖の末端ではなく内部に有する内部オレフィンを原料として得られる内部オレフィンスルホン酸塩、あるいはノニオン界面活性剤、例えば炭素数2~3のオキシアルキレン基を含むノニオン界面活性剤などは、家庭用及び工業用の洗浄成分として広く用いられる。
特許文献1、2には、炭素数16の内部オレフィンスルホン酸塩及び炭素数18の内部オレフィンスルホン酸塩を特定比で含有し、ヒドロキシ体/オレフィン体が特定比である、起泡性等に優れた内部オレフィンスルホン酸塩組成物が開示されている。特許文献3には、液体洗浄剤組成物の安定性、溶解性の観点から水混和性有機溶剤を用いることが示されている。
特許文献4には、低温環境下に曝露されても、該組成物中の固形物の発生や分離を抑制できる溶剤として水酸基を有する有機溶剤を用いることが示されている。特許文献5には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、プロテアーゼ、脂肪酸、硫酸ナトリウムを含有する組成物が開示されている。
特開2015-28123号公報 特開2014-77126号公報 特開2011-32456号公報 特開2017-214571号公報 特開2001-524591号公報
北海道の冬季の環境温度が-20℃付近になることが知られている。-20℃においては、水を含有する繊維製品用液体洗浄剤組成物は凍結する。凍結した繊維製品用液体洗浄剤組成物は、容器から出てこないために、当該組成物が融解するまで温度を上げで使用することが一般的に行われる(以後、一度凍結し融解することを凍結回復すると称する場合がある)。凍結回復した後の当該組成物の外観は、凍結する前の組成物と同程度の外観であることが望まれている(以後、凍結回復性に優れると称する場合がある)。
本発明は、凍結回復が繰り返されても、無機硫酸塩を含む該組成物中の固形物の発生や分離を抑制できる繊維製品用液体洗浄剤組成物を提供する。
特許文献1~5には、硫酸イオンと水との特定モル比、特定のアニオン界面活性剤と有機カルボン酸又はスルホン酸誘導体とのモル比を制御することで、凍結回復性を解決する手段の開示はない。
本発明は、下記の(a)成分を10質量%以上60%質量%以下、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び水を含有する、繊維製品用液体洗浄剤組成物であって、
(b)成分の含有量と(a)成分の含有量とのモル比(b)/(a)がXであり、(c)成分の含有量と水の含有量とのモル比(c)/水がYであり、XとYが、下記式(1)及び式(2)の条件を満たす、繊維製品用液体洗浄剤組成物に関する。
(a)成分:炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤
(b)成分:総炭素数7以上10以下の安息香酸誘導体、及び総炭素数6以上10以下のベンゼンスルホン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物
(c)成分:硫酸イオン
(d)成分:水酸基を有する有機溶剤
0<X≦0.47 式(1)
X-(300×Y)+0.47≧0 式(2)
本発明によれば、凍結回復が繰り返されても、該組成物中に固形物の発生や分離を抑制できる繊維製品用液体洗浄剤組成物を得ることが出来る。
<繊維製品用液体洗浄剤組成物>
本発明者らは、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤(本願の(a)成分)、水酸基を有する有機溶剤(本願の(d)成分)、及び水を含有する繊維製品用液体洗浄剤組成物において、凍結回復性を更に改善することが必要であることを見出した。本発明者らは、この繊維製品用液体洗浄剤組成物に、総炭素数6以上10以下の安息香酸誘導体及び総炭素数6以上10以下のベンゼンスルホン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物である本願の(b)成分と、前記アニオン界面活性剤である本願(a)成分を特定のモル比Xで含有し、且つ本願(c)成分である硫酸イオンと水のモル比Yが前記式(2)を満たすように含有することで、繊維製品用液体洗浄剤組成物が低温に保管されて常温に戻した際に固形物の発生や分離を抑制でき、また凍結回復が多く行われても外観を維持できることを見出した。この知見は従来知られていなかった。
<式(1)について>
下記式(1)は、本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(b)成分の含有量と(a)成分の含有量のモル比(b)/(a)であるXが満たす数値範囲を表す式である。
0<X≦0.47 式(1)
本発明の(b)成分は、(a)成分である特定の構造を有するアニオン界面活性剤と相互作用することで集合体を形成することで、繊維製品用液体洗浄剤組成物に含まれる有機化合物の結晶化が抑制され、低温時であっても析出が抑制された安定な組成物を獲得することができる。従って、前記モル比であるXは、0を超える組成領域となるように(b)成分を使用する。
また水に比べて親油性の性質を有する(b)成分が、(a)成分に対して過剰モル数含有する組成領域では、(b)成分は(a)成分に取り込まれにくくなる。その結果、水酸基を有する有機溶剤を含有しても、水を含む繊維製品用液体洗浄剤組成物の凍結回復性は損なわれてしまう。従って、前記モル比であるXは、0.47以下となる組成領域となるように(a)成分と(b)成分を使用する。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物において、凍結回復性をより高める観点から、前記モル比であるXは、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.35以下、更に好ましくは0.30以下、そして、同じ観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.10以上、更に好ましくは0.15以上、より更に好ましくは0.20以上である。
<式(2)について>
下記式(2)は、本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の(b)成分の含有量と(a)成分の含有量のモル比であるXと、(c)成分の含有量と水の含有量とのモル比(c)/水であるYの関係を表す式である。
X-(300×Y)+0.47≧0 式(2)
本発明者は、繊維製品用液体洗浄剤組成物の凍結回復性について、試行錯誤を重ねた結果、モル比Xとモル比Yに着目し、これらのモル比が上記式を満たす場合とそうでない場合で、凍結回復性に明確な違いが生じることを見出した。式(2)は、モル比Xを縦軸、モル比Yを横軸にして、組成の異なる幾多の組成物のサンプルをプロットし、凍結回復性のよいサンプルとそうでないサンプルとの境界を近似式にして表したものである。
Yは、(c)成分である硫酸イオンと水のモル比であり、繊維製品用液体洗浄剤組成物の凍結回復性を更に高める因子となる。繊維製品用液体洗浄剤組成物の凍結回復性をより高める観点から、Yは小さい値をとることが好ましい。前記のYが高い値をとる場合には、水のイオン強度が高まる結果、塩析などの作用によって、繊維製品用液体洗浄剤組成物の凍結回復性が低下する。従って、Yが高い値をとる場合には、(b)成分と(a)成分のモル比であるXを式(2)の条件を満たすように制御することで、繊維製品用液体洗浄剤組成物の凍結回復性を更に高めることができる。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物において、凍結回復性をより高める観点から、式(2)で得られる値は、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.75以下、より更に好ましくは0.50以下、そして、同じ観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上である。
<(a)成分>
本発明の(a)成分は、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤である。(a)成分は、繊維製品に付着した汚れを洗浄する作用を有する。
本発明では、炭素数が最も大きい脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子に、前記親水基が、炭素数1以上3以下のアルキレン基を介して、結合している構造を有するものが(a)成分に含まれる。この場合、前記アルキレン基の炭素数と脂肪族炭化水素の炭素数の合計が16以上24である。
(a)成分は、(b)成分、(c)成分及び水を特定モル比で使用することによる凍結回復性をより高める観点から、前記脂肪族炭化水素の、より内部の炭素原子、すなわち2位又は2位よりも大きな番号の位置に存在する炭素原子に、前記親水基が結合したアニオン界面活性剤が好ましい。
(a)成分において、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上4位以下の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤(a-1S)と、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の5位以上の炭素原子に、スルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤(a-2S)との質量比(a-2S)/(a-1S)は、低温での凍結回復性を更に高める観点から、好ましくは0を超え5以下である。
(a)成分における、(a-2S)の含有量と、(a-1S)の含有量との質量比(a-2S)/(a-1S)は、低温での凍結回復性を更に高める観点から、好ましくは0を超え、より好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.25以上、より更に好ましくは0.35以上、より更に好ましくは0.40以上、より更に好ましくは0.50以上、より更に好ましくは0.60以上、より更に好ましくは0.70以上、より更に好ましくは0.80以上、より更に好ましくは0.90以上、そして、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
(a)成分の具体例としては、例えば以下の(a1)~(a3)から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。(a)成分は、以下の(a1)から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好ましい。
(a1)炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸又はその塩〔以下、(a1)成分ともいう〕
(a2)下記一般式(a2)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩〔以下、(a2)成分ともいう〕
(a3)下記一般式(a3)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩〔以下、(a3)成分ともいう〕
Figure 0007186609000001
〔式中、R、Rは、それぞれ、直鎖アルキル基であり、RとRの炭素数の合計は15以上23以下である。Mは対イオンである。〕
Figure 0007186609000002
〔式中、R、Rは、それぞれ、炭素数6以上12以下の直鎖アルキル基であり、Xは炭素数1以上3以下のアルキレン基である。RとRとXは、RとRとCH-Xの炭素数の合計が16以上24以下となるように選択される。Mは対イオンである。〕
〔(a1)成分:炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩〕
(a1)成分は、炭素数16以上24以下の内部オレフィンをスルホン化して得ることができる。前記内部オレフィンとは二重結合が2位より内部に存在するオレフィンを表す。内部オレフィンは、例えば1-アルコールを脱水して得られた1-オレフィンを異性化して得ることができる。内部オレフィンをスルホン化すると、定量的にβ-サルトンが生成し、β-サルトンの一部は、γ-サルトン、オレフィンスルホン酸へと変化し、更にこれらは中和・加水分解工程においてヒドロキシアルカンスルホン酸塩と、オレフィンスルホン酸塩へと転換する(例えば、J. Am. Oil Chem. Soc. 69, 39(1992)) 。ここで、得られるヒドロキシアルカンスルホン酸塩のヒドロキシ基は、アルカン鎖の内部にあり、オレフィンスルホン酸塩の二重結合はオレフィン鎖の内部にある。また、得られる生成物は、主にこれらの混合物であり、またその一部には、炭素鎖の末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシアルカンスルホン酸塩、又は炭素鎖の末端に二重結合を有するα-オレフィンスルホン酸塩が微量に含まれる場合もある。本明細書では、これらの各生成物及びそれらの混合物を総称して内部オレフィンスルホン酸塩((a1)成分)という。また、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体(以下、HASともいう。)、オレフィンスルホン酸塩を内部オレフィンスルホン酸塩のオレフィン体(以下、IOSともいう。)という。
本発明において、(a1)成分は、前記HAS体におけるスルホン酸塩が炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素基の2位以上に存在する化合物を含む混合物の総称である。
なお、(a1)成分中のHAS体の質量比は、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(以下、HPLC-MSと省略)により測定できる。具体的には、(a1)成分のHPLC-MSピーク面積から質量比を求めることができる。
凍結回復性をより高める観点から、(a1)成分は、好ましくはスルホン酸基が2位以上4位以下に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO-1S)と、スルホン酸基が5位以上に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO-2S)とを含み、質量比(IO-2S)/(IO-1S)が好ましくは0.1以上5以下である。なお、(IO-2S)/(IO-1S)の質量比は、前記の(a-2S)/(a-1S)の質量比に相当する。
(a1)成分における、(IO-2S)の含有量と、(IO-1S)の含有量との質量比(IO-2S)/(IO-1S)は、低温での凍結回復性を更に高める観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.25以上、より更に好ましくは0.35以上、より更に好ましくは0.40以上、より更に好ましくは0.50以上、より更に好ましくは0.60以上、より更に好ましくは0.70以上、より更に好ましくは0.80以上、より更に好ましくは0.90以上、より更に好ましくは1.0以上、より更に好ましくは1.2以上、より更に好ましくは1.4以上、そして、5以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、より更に好ましくは1.8以下である。
尚、(a1)成分中における、スルホン酸基の位置の異なる各化合物の含有量は、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(以下、HPLC-MSと省略)により測定できる。本明細書におけるスルホン酸基の位置の異なる各化合物の含有量は、(a1)成分の全HAS体における、スルホン酸基が各位置にある化合物のHPLC-MSピーク面積に基づく質量比として求めるものとする。
本発明において、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO-1S)の含有量とは、炭素数16以上24以下のHAS体における、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在する炭素数16以上24以下のスルホン酸塩のHPLC-MSのピーク面積に基づく数値を代表値とするものである。
また、スルホン酸基が5位以上に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO-2S)の含有量とは、炭素数16以上24以下のHAS体における、スルホン酸基が5位以上に存在する炭素数16以上24以下のスルホン酸塩のHPLC-MSのピーク面積に基づく数値を代表値とするものである。
なお、(a1)成分である内部オレフィンスルホン酸塩は、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO-1S)と、スルホン酸基が5位以上に存在する炭素数16以上24以下の内部オレフィンスルホン酸塩(IO-2S)とを含んで構成される。内部オレフィンスルホン酸塩(IO-2S)におけるスルホン酸基の結合の位置の最大値は、炭素数により異なる。
(a1)成分についての質量比(IO-2S)/(IO-1S)は、最終的に得られた(a1)成分を基準とするものである。例えば、質量比(IO-2S)/(IO-1S)が前記範囲を外れる内部オレフィンスルホン酸塩を混合して得られた内部オレフィンスルホン酸塩であっても、内部オレフィンスルホン酸塩の組成において質量比(IO-2S)/(IO-1S)が前記範囲にある場合は、(a1)成分の内部オレフィンスルホン酸塩に該当するものとする。
(a1)成分の内部オレフィンスルホン酸塩の炭素数は、16以上、そして、24以下、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。なお、(a1)成分の炭素数には、塩の部分の炭素の数は算入しない。すなわち、オレフィン部分の炭素数が(a1)成分の炭素数である。つまり、(a1)成分の炭素数は、スルホン酸塩が共有結合した内部オレフィンの炭素数を表す。
内部オレフィンスルホン酸塩の塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属(1/2原子)塩、アンモニウム塩又は有機アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。有機アンモニウム塩としては、炭素数1以上6以下のアルカノールアンモニウム塩が挙げられる。
(a1)成分には、スルホン酸塩の位置が炭素鎖の1位に存在する、いわゆるアルファオレフィンスルホン酸塩(以下、α-オレフィンスルホン酸塩ともいう。)を微量に含有するものも含まれる。該内部オレフィンスルホン酸塩中のα-オレフィンスルホン酸塩の含有量は、洗浄に用いる水の温度が0℃以上15℃以下の低温であっても、繊維製品に付着した汚れの洗浄性をより向上できる観点から、含有量が制限され、含有量の上限として10質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、そして、生産コストの低減、及び生産性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上である。
〔(a2)成分:前記一般式(a2)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩〕
(a2)成分は、前記一般式(a2)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩である。(a2)成分は、炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上に硫酸エステル塩を有するアニオン界面活性剤であり、繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に付着した汚れに吸着し汚れを洗浄液中に脱離しやすくすることで、洗浄力を発揮する。
(a2)成分としては、R-CH(OH)-Rで表される炭素数16以上24以下のアルコールの硫酸エステル又はその塩を挙げることができる。(a2)成分の炭素数は、好ましくは16以上18以下である。この炭素数は、一般式(a2)のR-CH(R)-部分の炭素数である。
一般式(a2)中、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイオンが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。有機アンモニウムイオンとしては、炭素数1以上6以下のアルカノールアンモニウムイオンが挙げられる。
〔(a3)成分:前記一般式(a3)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩〕
(a3)成分は、前記一般式(a3)で表されるアルキル硫酸エステル又はその塩である。(a3)成分は、繊維製品、とりわけ化学繊維を含む繊維製品に付着した汚れに吸着し汚れを洗浄液中に脱離しやすくすることで、洗浄力を発揮する。
一般式(a3)中、R、Rは、それぞれ、炭素数6以上12以下の直鎖アルキル基である。また、Xは炭素数1以上3以下のアルキレン基である。RとRとXは、RとRとCH-Xの炭素数の合計が16以上24以下となるように選択される。一般式(a3)中、R、Rは、それぞれ、炭素数が偶数の直鎖アルキル基が好ましい。Xは炭素数1のアルキレン基が好ましい。(a3)成分の炭素数は、好ましくは16以上20以下である。この炭素数は、一般式(a3)のR-CH(R)-X-部分の炭素数である
一般式(a3)中、Mは対イオンであり、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2原子)、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイオンが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが挙げられる。有機アンモニウムイオンとしては、炭素数1以上6以下のアルカノールアンモニウムイオンが挙げられる。
(a3)成分において、例えば-X-がメチレン基である化合物は、直鎖の一級アルコールを、例えばKOH/ZnO触媒の存在下で、ゲルベ縮合(二量化)させることによって得られた一級ゲルベアルコールを、公知の方法、例えば連続薄膜式硫酸化反応機で、希釈亜硫酸ガスで硫酸化を行い、反応物を水酸化ナトリウム等のアルカリ剤で中和することによって得ることができる。
<(b)成分>
本発明の(b)成分は、総炭素数7以上10以下の安息香酸誘導体、及び総炭素数6以上10以下のベンゼンスルホン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物である。(b)成分は前記(a)成分と特定のモル比で用いる事で、繊維製品用液体洗浄剤組成物の凍結回復性を更に高めることができる。総炭素数7以上10以下の安息香酸誘導体、及び総炭素数6以上10以下のベンゼンスルホン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物における、総炭素数とは、カルボキシル基又はスルホン酸基が共有結合した化合物の総炭素数を表す。安息香酸誘導体とは、安息香酸のベンゼン骨格の水素原子の一つ又は複数個が、水酸基、カルボキシル基及び炭素数1以上4以下の炭化水素基から選ばれる基と置換されていてもよい化合物のことを表す。またベンゼンスルホン酸誘導体とは、ベンゼンスルホン酸のベンゼン骨格の水素原子の一つ又は複数個が、水酸基、カルボキシル基及び炭素数1以上4以下の炭化水素基から選ばれる基と置換されていてもよい化合物のことを表す。本発明の(b)成分は酸として用いてもよく、塩として用いてもよい。また、(b)成分の全て又は一部を酸の状態で使用し、別途アルカリ剤を用いる事で、本発明の組成物中で塩の状態になるように調製してもよい。
総炭素数7以上10以下の安息香酸誘導体としては、(a)成分と相互作用することで、凍結回復性を更に高める観点から、サリチル酸(総炭素数7)、安息香酸(総炭素数7)、トルイル酸(総炭素数8)、ジメチル安息香酸(総炭素数9)、及びこれらの塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、より好ましくはサリチル酸である。
総炭素数6以上10以下のベンゼンスルホン酸誘導体としては、(a)成分と相互作用することで、凍結回復性を更に高める観点から、ベンゼンスルホン酸(炭素数6)、トルエンスルホン酸(炭素数7)、炭素数1以上4以下のアルキルオキシ基がベンゼン骨格の水素原子の一つ以上に置換した化合物(総炭素数7以上10以下)、クメンスルホン酸(総炭素数9)、キシレンスルホン酸(総炭素数8)、パラトルエンスルホン酸(総炭素数7)、及びこれらの塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。炭素数1以上4以下のアルキルオキシ基がベンゼン骨格の水素原子の一つ以上に置換した化合物(総炭素数炭素数7以上10以下)のより好ましい例として、メトキシベンゼンスルホン酸(総炭素数7)又はその塩が挙げられる。凍結回復性が優れる観点から、総炭素数6以上10以下のベンゼンスルホン酸誘導体はクメンスルホン酸又はその塩が好ましい。
総炭素数7以上10以下の安息香酸誘導体及び総炭素数6以上10以下のベンゼンスルホン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物を塩として用いる場合の塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、炭素数1以上7以下の有機アンモニウム塩から選ばれる1種以上の塩が好ましい。アルカリ金属塩としてはナトリウム塩及びカリウム塩から選ばれる1種以上の塩が挙げられる。アルカリ土類金属塩としてはマグネシウム塩が挙げられる。炭素数1以上7以下の有機アンモニウム塩としては、メチルエタノールアンモニウム塩、メチルジエタノールアンモニウム塩及びトリエタノールアンモニウム塩から選ばれる1種以上の塩が挙げられる。
(b)成分は、(a)成分と相互作用することで、凍結回復性を更に高める観点から、安息香酸、サリチル酸、クメンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
<(c)成分>
(c)成分、硫酸イオンである。硫酸イオンと水のモル比を特定の範囲に制御することで、繊維製品用液体洗浄剤組成物の凍結回復性を高めることができる。硫酸イオンは、例えば硫酸、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、硫酸アンモニウム、及び炭素数1以上6以下のアルカノールアンモニウム硫酸塩から選ばれる1種以上の化合物を用いることで、組成物中に含有することができる。繊維製品用液体洗浄剤組成物中の含有モル数は、硫酸イオン量をイオンクロマトグラフにより定量し算出することができる。より具体的には、実施例に記載の方法で求めることができる。
アルカリ金属硫酸塩のアルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。アルカリ土類金属硫酸塩のアルカリ土類金属塩としては、硫酸マグネシウムが挙げられる。炭素数1以上6以下のアルカノールアンモニウム硫酸塩の塩としては、メチルエタノールアンモニウム塩、メチルジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭素数1以上6以下のアルカノールアミンと硫酸とを配合することで、繊維製品用液体洗剤組成物中に(c)成分である硫酸イオンを生成することもできる。アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。アルカリ土類水酸化物としては水酸化マグネシウムが挙げられる。炭素数1以上6以下のアルカノールアミンとしては、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンが挙げられる。
<(d)成分>
(d)成分は、水酸基を有する有機溶剤である。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物が凍結回復を繰り返されても、当該組成物中に固形物の析出を抑制する観点、又は当該組成物の分離を抑制する観点から、(d)成分は、CLogPが-1.5以上2以下の水酸基を有する有機溶剤であることが好ましい。本発明においてCLogPはPerkin Elmer社のChemBio Draw Ultra ver.14.0のChemPropertyを用いて算出した計算値を用いる。なお、ClogPの値が大きい程、疎水性が高いことを表す。
(d)成分は、凍結回復性を更に高める観点から、CLogPが、好ましくは-1.4以上、より好ましくは-1.2以上、更に好ましくは-1以上、より更に好ましくは-0.8以上、更に好ましくは-0.5以上、より更に好ましくは-0.1以上、より更に好ましくは0以上、より更に好ましくは0.2以上、より更に好ましくは0.4以上、より更に好ましくは0.6以上、そして、好ましくは2以下、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.7以下、より更に好ましくは1.6以下、より更に好ましくは1.5以下の水酸基を有する有機溶剤である。
(d)成分としては、下記(d1)~(d4)成分から選ばれる1種以上の水酸基を有する有機溶剤が挙げられる。
(d1)成分:炭素数2以上6以下の1価のアルコール
(d2)成分:炭素数2以上12以下、且つ2価以上12価以下のアルコール
(d3)成分:炭素数1以上8以下の炭化水素基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤(但し、炭化水素基は芳香族基を除く。)
(d4)成分:部分的に置換していてもよい芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤
以下に(d1)成分~(d4)成分の具体例を示す。尚( )内の数字は、Perkin Elmer社のChem Bio Draw Ultra ver.14.0のChemPropertyを用いて算出した各成分の計算値(CLogP)である。
(d1)成分である、炭素数2以上6以下の1価のアルコールとして例えば、エタノール(-0.24)、1-プロパノール(0.29)、2-プロパノール(0.07)、フェノール(1.48)が挙げられる。
(d2)成分である、炭素数2以上12以下、且つ2価以上12価以下のアルコールとして例えば、エチレングリコール(-1.4)、プロピレングリコール(-1.1)、ブチレングリコール(-0.73)、ヘキシレングリコール(-0.02)、ジエチレングリコール(-1.3)、トリエチレングリコール(-1.5)、テトラエチレングリコール(-1.66)、ジプロピレングリコール(-0.69)、トリプロピレングリコール(-0.55)、グリセリン(-1.5)が挙げられる。
(d3)成分である、炭素数1以上8以下の炭化水素基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤(但し、炭化水素基は芳香族基を除く。)として例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(-0.78)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(-0.26)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(-0.96)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(-0.39)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(0.52)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(0.67)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(-0.16)、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル(0.23)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(-0.03)、1-メトキシ-2-プロパノール(-0.30)、1-エトキシ-2-プロパノール(0.09)、1-メチルグリセリンエーテル(-1.43)、2-メチルグリセリンエーテル(-0.73)、1,3-ジメチルグリセリンエーテル(-0.67)、1-エチルグリセリンエーテル(-1.04)、1,3-ジエチルグリセリンエーテル(0.11)、トリエチルグリセリンエーテル(0.83)、1-ペンチルグリセリルエーテル(0.54)、2-ペンチルグリセリルエーテル(1.25)、1-オクチルグリセリルエーテル(2.1)、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル(2.0)が挙げられる。
(d4)成分である、部分的に置換していてもよい芳香族基、エーテル基及び水酸基を有する有機溶剤として例えば、2-フェノキシエタノール(1.2)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(1.25)、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル(1.08)、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル(算出不可)、2-ベンジルオキシエタノール(1.1)、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル(0.96)が挙げられる。
(d)成分は、前記の(d3)成分及び(d4)成分から選ばれる水酸基を有する有機溶剤であって、前記のClogPが-1.2以上1.5以下の有機溶剤が好ましい。
<水>
本発明の水は、本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物の4℃以上40℃以下における性状を液体状態とする為に用いる。水はイオン交換水、次亜塩素酸ソーダを水に対して1mg/kg以上5mg/kg以下、添加した水を使用することが出来る。
<繊維>
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物で洗浄する繊維製品を構成する繊維は、疎水性繊維、親水性繊維のいずれでもよい。疎水性繊維としては、例えば、タンパク質系繊維(牛乳タンパクガゼイン繊維、プロミックスなど)、ポリアミド系繊維(ナイロンなど)、ポリエステル系繊維(ポリエステルなど)、ポリアクリロニトリル系繊維(アクリルなど)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロンなど)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニルなど)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデンなど)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン系繊維(ポリウレタンなど)、ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコール共重合系繊維(ポリクレラールなど)等が例示される。親水性繊維としては、例えば、種子毛繊維(綿、もめん、カポックなど)、靭皮繊維(麻、亜麻、苧麻、大麻、黄麻など)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻など)、やし繊維、いぐさ、わら、獣毛繊維(羊毛、モヘア、カシミヤ、らくだ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラなど)、絹繊維(家蚕絹、野蚕絹)、羽毛、セルロース系繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテートなど)等が例示される。
<繊維製品>
本発明において繊維製品とは、前記の疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ等の製品を意味する。
<組成>
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の、(a)成分の含有量は、本発明の凍結回復性の課題が生じる観点から、10質量%以上60質量%以下である。本発明の凍結回復性の課題がより生じる観点から、(a)成分の含有量は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、そして、凍結回復性を更に高める観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下である。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物において、(a)成分中の(a1)成分の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、そして、100質量%以下であり、また100質量%であってよい。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の、(b)成分の含有量は、(a)成分の含有量と前記式(1)により決められるものである。本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の、(b)成分の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは3質量%以上、そして、好ましくは7質量%以下、より好ましくは6質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の、(c)成分の含有量は、(a)成分の含有量、(b)成分の含有量、水の含有量及び前記式(1)から、前記式(2)を満足する量で制御して決められるものである。本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の、(c)成分の含有量は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、そして、0質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上である。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の、(d)成分の含有量は、本発明の凍結回復性を更に高める観点から、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは6質量%以上、そして、同じ観点から、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、より更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下である。
本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の、水の含有量は、(a)成分の含有量、(b)成分の含有量、及び(c)成分の含有量を基に、前記式(1)及び前記式(2)を満足する量で制御して決められるものである。本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の、水の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下である。
<任意成分>
<(e)成分>
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、(e)成分として、ノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。(e)成分であるノニオン界面活性剤は(a)成分と協働して繊維製品に付着した汚れの洗浄性を更に高めることができる。また、(e)成分は繊維製品用液体洗浄剤組成物に含まれる水を取り込みやすく、凍結回復性を低下する場合があるが、本発明の繊維製品用液体洗浄剤組成物は、(e)成分を含んでいても、優れた凍結回復性を得ることが出来る。
(e)成分は、本発明の課題である凍結回復性を更に高める観点から、水酸基及びポリオキシアルキレン基から選ばれる1種以上の基を有するノニオン界面活性剤が好ましい。(e)成分は、ポリオキシアルキレン基を有しHLBが7以上20以下のノニオン界面活性剤が好ましい。(e)成分は、(a)成分と協働して繊維製品に付着した汚れの洗浄性をより高める観点から、好ましいHLBは8以上、より好ましくは9以上、更に好ましくは10以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは19以下である。
ポリオキシエチレン基を含む(e)成分のHLBは、下記式で表されるグリフィン法(Griffin)によるHLBで求められる。
HLB(グリフィン)=〔(ポリオキシエチレン基の分子量)/((e)成分の分子量)〕×20
尚、ポリオキシエチレン基の分子量は、ポリオキシエチレン基の平均付加モル数の値を用いて算出するものとする。
また、ポリオキシエチレン基を含まない(e)成分のHLBはデービス法(Davis)によるHLBで求めることが出来る。
より具体的な(e)成分は、HLBが好ましくは7以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは9以上、より更に好ましくは10以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは19以下であり、且つ下記一般式(e)で表されるノニオン界面活性剤が挙げられる。
(CO)O-(AO)-R (e)
〔式中、Rは炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基であり、Rは水素原子又はメチル基であり、COはカルボニル基であり、mは0又は1の数であり、AO基はエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基であり、nは平均付加モル数であって、3以上50以下の数である。〕
一般式(e)中、Rは炭素数9以上16以下の脂肪族炭化水素基である。他の構造が同じであれば、Rの炭素数が長くなるほどHLBの値は低くなり、また短い方がHLBの値が高くなる。繊維製品に付着した汚れをより落としやすくする点で、Rの炭素数は、9以上、好ましくは10以上、より好ましくは11以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは15以下、より更に好ましくは14以下である。Rの脂肪族炭化水素基としては、アルキル基及びアルケニル基から選ばれる基が挙げられる。
一般式(e)中、AO基は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる1種以上の基である。エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基を含む場合は、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基は、ブロック型結合でもランダム型結合であってもよい。本発明の安定化効果をより得やすい観点から、AO基はエチレンオキシ基を含む基であることが好ましい。エチレンオキシ基はプロピレンオキシ基よりもHLBの値が高くなる。
一般式(e)中、nは平均付加モル数であって、3以上50以下の数である。他の構造が同じであれば、nの数が大きくなる程HLBの値は高くなり、小さくなる程HLBの値は低くなる。本発明の安定化効果をより得やすい観点から、nは、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは6以上、そして、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは15以下である。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物が(e)成分を含有する場合、該組成物中の(e)成分の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物が(e)成分を含有する場合、(a)成分と協働して繊維製品に付着した汚れの洗浄性をより高める観点から、(e)成分の含有量と(a)成分の含有量の質量比(e)/(a)が、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.2以上であり、更に好ましくは0.3以上であり、より更に好ましくは0.5以上であり、そして、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下であり、更に好ましくは2以下、より更に好ましくは1以下である。
<(f)成分>
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、(f)成分として(a)成分以外のアニオン界面活性剤を含有することが出来る。
(f)成分として、下記(f1)成分、(f2)成分、(f3)成分及び(f4)成分から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。
(f1)成分:アルキル又はアルケニル硫酸エステル塩(但し、(a)成分を除く)
(f2)成分:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩(但し、(a)成分を除く)
(f3)成分:スルホン酸塩基を有するアニオン界面活性剤(但し、(a)成分を除く)
(f4)成分:脂肪酸又はその塩
(f1)成分は、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上18以下のアルキル硫酸エステル塩、及びアルケニル基の炭素数が10以上18以下のアルケニル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。洗浄性の向上の観点から、(f1)成分は、アルキル基の炭素数が12以上14以下のアルキル硫酸塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が好ましく、アルキル基の炭素数が12以上14以下のアルキル硫酸ナトリウムから選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤がより好ましい。
(f2)成分は、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上18以下、アルキレンオキシドの平均付加モル数が1以上3以下のポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、及びアルケニル基の炭素数が10以上18以下、及びアルキレンオキシドの平均付加モル数が1以上3以下のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。洗浄性の向上の観点から、(f2)成分は、エチレンオキシドの平均付加モル数が1以上2.2以下であるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が12以上14以下でかつ、エチレンオキシドの平均付加モル数が1以上2.2以下であるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩がより好ましく、さらに、これらのナトリウム塩が更に好ましい。
(f3)成分であるスルホン酸塩基を有するアニオン界面活性剤とは、親水基としてスルホン酸塩を有するアニオン界面活性剤を表す(但し、(a)成分を除く)。
(f3)成分は、より具体的には、アルキル基の炭素数が10以上18以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルケニル基の炭素数が10以上18以下のアルケニルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基の炭素数が10以上18以下のアルカンスルホン酸塩、α-オレフィン部分の炭素数が10以上18以下のα-オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下のα-スルホ脂肪酸塩、及び脂肪酸部分の炭素数が10以上18以下であり、エステル部分の炭素数が1以上5以下であるα-スルホ脂肪酸低級アルキルエステル塩から選ばれる1種以上のアニオン界面活性剤が挙げられる。洗浄性の向上の観点から、(f3)成分は、アルキル基の炭素数が11以上14以下のアルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、アルキル基の炭素数が11以上14以下のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。
(f4)成分である脂肪酸又はその塩としては、炭素数10以上20以下の脂肪酸又はその塩が挙げられる。(a)成分による繊維の柔軟化効果をより高める観点から、(f4)成分の炭素数は、10以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、そして、20以下、好ましくは18以下である。
(f1)成分~(f4)成分であるアニオン界面活性剤の塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物が(f)成分を含有する場合、本発明の課題を解決する観点から、該組成物中の(f)成分の含有量と(a)成分の含有量との質量比(f)/(a)は、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.7以下であり、更に好ましくは0.5以下であり、そして、0を超え、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上である。
この他に、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物には、下記(g1)~(g8)成分を、下記記載の含有量で配合してもよい。
(g1)成分:ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロースなどの再汚染防止剤及び分散剤を該組成物中0.01質量%以上10質量%以下
(g2)成分:過酸化水素、過炭酸ナトリウム又は過硼酸ナトリウム等の漂白剤を該組成物中0.01質量%以上10質量%以下
(g3)成分:テトラアセチルエチレンジアミン、特開平6-316700号の一般式(I-2)~(I-7)で表される漂白活性化剤等の漂白活性化剤を該組成物中0.01質量%以上10質量%以下、
(g4)成分:セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼから選ばれる1種以上の酵素、好ましくはアミラーゼ及びプロテアーゼから選ばれる1種以上の酵素を該組成物中0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、2質量%以下、好ましくは1質量%以下
(g5)成分:蛍光染料、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料を該組成物中0.001質量%以上1質量%以下
(g6)成分:ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を該組成物中0.01質量%以上2質量%以下
(g7)成分:色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤を適量。
(g8)成分:水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカリ剤を該組成物中0.1質量%以上5質量%以下
〔(a)成分の調製〕
(1)内部オレフィンの調製
(a)成分の原料となる内部オレフィンは、以下のものである。
・内部オレフィンA
内部オレフィンAは、炭素数が16の内部オレフィンであり、特開2014-76988号の製造例Cに記載の方法を参考にして得られた内部オレフィンを使用した。内部オレフィンAの二重結合分布は以下の通りである。
二重結合の位置が下記の位置にある内部オレフィンAの質量割合:1位/2位/3位/4位/5位/6位/7位/8位=1.0%/29.8%/24.4%/18.3%/13.0%/7.1%/3.2%/3.2%(合計100質量%)
・内部オレフィンB
内部オレフィンBは、炭素数が18の内部オレフィンであり、特開2014-76988号の製造例に記載の方法を参考にして得られた内部オレフィンを使用した。内部オレフィンBの二重結合分布は以下の通りである。
二重結合の位置が下記の位置にある内部オレフィンBの質量割合:1位/2位/3位/4位/5位/6位/7位/8位/9位=2.3%/25.7%/21.6%/19.1%/12.3%/8.0%/5.4%/2.8%/2.8%(合計100質量%)
内部オレフィンA及び内部オレフィンBの二重結合分布は、ガスクロマトグラフィー(以下、GCと省略)により測定した。具体的には、内部オレフィンに対しジメチルジスルフィドを反応させることでジチオ化誘導体とした後、各成分をGCで分離した。結果、それぞれのピーク面積より内部オレフィンの二重結合分布を求めた。なお、炭素数18のオレフィンでは、二重結合が8位に存在する内部オレフィンと二重結合が9位に存在する内部オレフィンは構造上区別できないが、スルホン化された場合には区別されるため、便宜的に、二重結合が8位に存在する内部オレフィンの量を2で割った値を、8位、9位のそれぞれの欄に示した。同様に、炭素数16のオレフィンでは、便宜的に、二重結合が7位に存在する内部オレフィンの量を2で割った値を、7位、8位のそれぞれの欄に示した。
また、測定に使用した装置及び分析条件は次の通りである。GC装置「HP6890」(HEWLETTPACKARD社製)、カラム「Ultra-Alloy-1HTキャピラリーカラム」(30m×250μm×0.15μm、フロンティア・ラボ株式会社製)、検出器(水素炎イオン検出器(FID))、インジェクション温度300℃、ディテクター温度350℃、He流量4.6mL/分
(2)(a-1)及び(a-2)の合成
内部オレフィンA又は内部オレフィンBを用いて、特開2014-76988号の製造例に記載の方法を参考にして、下記の各内部オレフィンスルホン酸カリウム塩を得た。
ここで、内部オレフィンAを原料として得られた内部オレフィンスルホン酸カリウム塩を(a-1)、内部オレフィンBを原料として得られた内部オレフィンスルホン酸カリウム塩を(a-2)とした。
内部オレフィンスルホン酸カリウム塩の詳細について、以下に示す。
(a-1):内部オレフィンAから得られた内部オレフィンスルホン酸カリウム塩
(a-1)中のヒドロキシ体(ヒドロキシアルカンスルホン酸カリウム)/オレフィン体(オレフィンスルホン酸カリウム)の質量比は83/17である。(a-1)中のヒドロキシ体のスルホン酸基の位置分布の質量割合は、1位/2位/3位/4位/5位/6~9位=1.6%/31.5%/25.1%/24.7%/10.3%/6.8%(合計100質量%)である。質量比(IO-1S)/(IO-2S)は、4.8である。
(a-2):内部オレフィンBから得られた内部オレフィンスルホン酸カリウム塩
(a-2)中のヒドロキシ体(ヒドロキシアルカンスルホン酸カリウム)/オレフィン体(オレフィンスルホン酸カリウム)の質量比は84/16である。(a-2)中のヒドロキシ体のスルホン酸基の位置分布の質量割合は、1位/2位/3位/4位/5位/6~9位=1.5%/22.1%/17.2%/21.8%/13.5%/23.9%(合計100質量%)である。質量比(IO-1S)/(IO-2S)は、1.6である。
とした。
内部オレフィンスルホン酸塩におけるスルホン酸基の位置分布の質量割合は、高速液体クロマトグラフィー/質量分析計(HPLC-MS)により測定した。具体的には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりスルホン酸基が結合しているヒドロキシ体を分離し、それぞれを質量分析計(MS)にかけることで同定した。結果、そのHPLC-MSピーク面積から各々の割合を求めた。本明細書においては、ピーク面積から求めた各々の割合を質量割合として算出した。
尚、測定に使用した装置及び条件は次の通りである。HPLC装置「LC-20ASXR」((株)島津製作所製)、カラム「ODS Hypersil(登録商標)」(4.6×250mm、粒子サイズ:3μm、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)、サンプル調製(メタノールで1000倍希釈)、溶離液A(10mM酢酸アンモニウム添加水)、溶離液B(10mM酢酸アンモニウム添加 メタクリロニトリル/水=95/5(v/v)溶液)、グラジェント(0分(A/B=60/40)→15.1~20分(30/70)→20.1~30分(60/40)、MS装置「LCMS-2020」((株)島津製作所製)、ESI検出(陰イオン検出m/z:321.10(炭素数16の(a)成分)、カラム温度(40℃)、流速(0.5mL/min)、インジェクション容量(5μL)
内部オレフィンスルホン酸塩のヒドロキシ体/オレフィン体の質量比は、HPLC-M
Sにより測定した。具体的には、HPLCによりヒドロキシ体とオレフィン体を分離し、
それぞれをMSにかけることで同定した。結果、そのHPLC-MSピーク面積から各々
の割合を求めた。
尚、測定に使用した装置および条件は次の通りである。HPLC装置(商品名:アジレントテクノロジー1100、アジレントテクノロジー社製)、カラム(商品名:L-columnODS4.6×150mm、一般財団法人化学物質評価研究機構製)、サンプル調製(メタノールで1000倍希釈)、溶離液A(10mM酢酸アンモニウム添加水)、溶離液B(10mM酢酸アンモニウム添加メタノール)、グラジェント(0分(A/B=30/70%)→10分(30/70%)→55分(0/100%)→65分(0/100%)→66分(30/70%)→75分(30/70%))、MS装置(商品名:アジレントテクノロジー1100MS SL(G1946D)),MS検出(陰イオン検出 m/z60-1600、UV240nm)
また、同じ炭素数の脂肪族炭化水素基を有するα-オレフィンスルホ酸塩を規定量外部標準として(a)成分に添加し、α-オレフィンスルホン酸塩のピーク面積と、(a)成分のピーク面積を対比して(a)成分の質量を算出した。(a)成分の分子量から(a)成分のモル数を算出した。(a)成分の分子量は酸型で算出した。例えば、(a-1)成分である、炭素数16の内部オレィンスルホン酸塩のオレフィン体の分子量は304.5、HAS体の分子量は322.6である。(a-2)成分である、炭素数18の内部オレィンスルホン酸塩のオレフィン体の分子量は332.5、HAS体の分子量は350.6である。
〔(b)成分〕
(b-1):クメンスルホン酸(総炭素数は9、分子量は199、和光純薬工業(株)製)
(b-2):p-トルエンスルホン酸(総炭素数は7、分子量は177.2、和光純薬工業(株)製)
(b-3):メタキシレンスルホン酸(総炭素数は8、分子量は186.2、和光純薬工業(株)製)
(b-4):サリチル酸(総炭素数は7、分子量は122.1、和光純薬工業(株)製)
(b-5):安息香酸(総炭素数は7、分子量は138.1、和光純薬工業(株)製)
〔(c)成分〕
(c-1):硫酸イオン(表1、2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物を調製した後に、実施例に記載の方法で含有量を測定した値。また、別途1N硫酸を用いて含有量を調製する場合がある。分子量は96.1.)
〔(d)成分〕
(d-1):フェノキシエタノール(ClogP=1.2)
〔水〕
・イオン交換水(表中の水の含有量は、イオン交換水の配合量及び、各成分中の水分量の合計量を記載した。分子量は18)
〔(e)成分〕
(e-1):ポリオキシアルキレンラウリルエーテル(ラウリルアルコール1モルに対し、エチレンオキシ基を平均で9モル付加した後、プロピレンオキシ基を平均で2モル付加した後、エチレンオキシ基を平均で9モル付加した化合物、HLB=14.5)
〔(f)成分〕
(f-1):脂肪酸(ラウリン酸とミリスチン酸を、ラウリン酸/ミリスチン酸=55/45の質量比で混合した脂肪酸)
(f-2):ミリスチン酸
〔(g)成分〕
(g-1):モノエタノールアミン
<繊維製品用液体洗浄剤組成物の調製>
上記の配合成分を用いて、表1、2に示す繊維製品用液体洗浄剤組成物を調製し、以下の項目について評価を行った。結果を表1、2に示す。
表1、2に示す繊維製品用液体洗浄剤組成物は、具体的には次の通り調製した。300mL容量のガラス製ビーカーに長さ5cmのテフロン(登録商標)製スターラーピースを投入し、質量を測定した。次に必要量の20℃のイオン交換水、(a)成分、(b)成分、及び任意の(e)成分、(f)成分、(g)成分を投入し、ビーカーの上面をサランラップ(登録商標)で封をした。
内容物が入ったビーカーをマグネチックスターラーに設置した60℃のウォーターバスに入れ、ウォーターバス内の水の温度が60±2℃の温度範囲内で、100r/minで30分間撹拌した。次に、ウォーターバス内の水を5℃の水道水に替え、ビーカー内の該組成物の温度が20℃になるまで冷却した。次に、サランラップ(登録商標)を外し、内容物の重量が200gになるように、イオン交換水を入れ、再度、100r/minで30秒間撹拌し、表1、2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物を得た。また(c)成分については、下記の硫酸イオンの含有量を測定し、必要であれば、(c)成分である硫酸イオンの供給源となる1N硫酸を添加して調製した。なお調製した表1、2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物は、いずれも均一透明であった。また表1、2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物中の各成分の含有量は有効分量である。
<硫酸イオンの含有量の測定>
表1、2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物中に含まれる硫酸イオンの含有量はイオンクロマトグラフにより硫酸イオンの濃度を測定し導出した。具体的には、超純水を用いて質量基準で10倍に希釈した繊維製品用液体洗浄剤組成物を、イオンクロマトグラフ解析を行い、既知濃度の硫酸ナトリウム水溶液による検量線とのピーク面積比較から導出した。硫酸イオンの分子量は96を使用した。
また、測定に使用した装置及び分析条件は次の通りである。
イオンクロマト分析装置「ICS-2100」(DIONEX社製)、カラム:IonPac AS11-HC、溶離液:KOH、流量:1.5mL/min、セル温度:35℃、カラム温度:30℃、注入量:25μL、サプレッサー:ASRS(エクスターナルモード/電流値223mA)、検出器:電気伝導度検出器、バックグラウンド:3μS以下
<凍結回復性の評価>
表1、2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物30gをNo.6のガラス製規格瓶に入れキャップを閉めた。このサンプルを恒温槽に20℃で12時間保存してから-20℃で12時間保存するサイクルを1サイクルとして3日間(3サイクル)繰り返す保存試験と、20日間(20サイクル)繰り返す保存試験を行った。試験後のサンプルを20℃の部屋に移し、試験直後から6時間経過後のサンプルを20℃の状態で観察し、凍結から常温に戻った際でも均一溶解状態となるかを評価した。3サイクル後、及び20サイクル後のサンプルの外観を20℃の状態で目視観察し以下の基準で評価した。結果を表1、2に示した。
◎:3サイクル後及び20サイクル後のサンプルの外観は、いずれも保存試験開始前の繊維製品用液体洗浄剤組成物と同じ外観であり、規格瓶の背面においた新聞の文字が規格瓶を通して見て、文字を判別でき、且つ規格瓶の中の繊維製品用液体洗浄剤組成物が均一であり2層以上に分離していない。
○:3サイクル後のサンプルの外観のみ、保存試験開始前の繊維製品用液体洗浄剤組成物と同じ外観であり、規格瓶の背面においた新聞の文字が規格瓶を通して見て、文字を判別でき、且つ規格瓶の中の繊維製品用液体洗浄剤組成物が均一であり2層以上に分離していない。
×:3サイクル後及び20サイクル後のサンプルの外観は、いずれも繊維製品用液体洗浄剤組成物中に固形物が析出し、保存前の外観より濁っており、規格瓶の背面においた新聞の文字が規格瓶を通して見て、文字を判別できないか、又は規格瓶の中の繊維製品用液体洗浄剤組成物が均一ではなく2層以上に分離している。
Figure 0007186609000003
Figure 0007186609000004
表1、2中、(c)成分である硫酸イオンの対イオンは主に水素イオンであるが、その含有量は微量であり、無視できる量であるため、表中の合計量からは除外するものとした。

Claims (4)

  1. 下記の(a)成分を10質量%以上60%質量%以下、(b)成分、(c)成分、(d)成分及び水を含有する、繊維製品用液体洗浄剤組成物であって、
    (b)成分の含有量と(a)成分の含有量とのモル比(b)/(a)がXであり、(c)成分の含有量と水の含有量とのモル比(c)/水がYであり、XとYが、下記式(1)及び式(2)の条件を満たす、繊維製品用液体洗浄剤組成物。
    (a)成分:炭素数16以上24以下の脂肪族炭化水素の2位以上の炭素原子にスルホン酸塩及び硫酸エステル塩から選ばれる親水基が結合した構造を有するアニオン界面活性剤(b)成分:総炭素数7以上10以下の安息香酸誘導体、及び総炭素数6以上10以下のベンゼンスルホン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物
    (c)成分:硫酸イオン
    (d)成分:水酸基を有する有機溶剤
    0.20≦X≦0.47 式(1)
    X-(300×Y)+0.47≧0 式(2)
  2. 繊維製品用液体洗浄剤組成物に含まれる全アニオン界面活性剤中、(a)成分の含有量が60質量%以上100質量%以下である、請求項1に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
  3. (b)成分が、安息香酸、サリチル酸、クメンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上の化合物である、請求項1又は2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
  4. 更に(e)成分として、ノニオン界面活性剤を含有する、請求項1~3の何れか1項に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
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