JP7296815B2 - アセトフェノン化合物およびヒドロキシアセトフェノン化合物の製造方法 - Google Patents

アセトフェノン化合物およびヒドロキシアセトフェノン化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アセトフェノン化合物およびヒドロキシアセトフェノン化合物の新規な製造方法に関する。
アセトフェノン化合物とは、カルボニル基の炭素原子にフェニル基とメチル基が結合した構造をもつ化合物である。ヒドロキシアセトフェノン化合物とは、前記アセトフェノン化合物のフェニル基に水酸基が結合した構造をもつ化合物である。これらの化合物は、医薬品や天然物などの製造ステップ中に頻繁に使用される非常に有用な合成中間体である。
アセトフェノン化合物の製造方法としては、例えば、塩化メチレン中、芳香族化合物1モルに対して塩化アセチル1.05モルを混合し、これに上記芳香族化合物1モルに対して塩化アルミニウム2モルを添加して、アセトフェノン化合物を調製する方法が実施されている(特許文献1参照)。
ヒドロキシアセトフェノン化合物の製造方法としては、例えば、塩化メチレン中、アセトフェノン化合物(保護された水酸基がフェニル基に結合した化合物)1モルに対して塩化アルミニウム1モルを添加し、ヒドロキシアセトフェノン化合物を調製する方法が実施されている(特許文献1参照)。また、塩化メチレン中、芳香族化合物(保護された水酸基がフェニル基に結合した化合物)1モルに対して塩化アセチル1モルを混合し、上記芳香族化合物1モルに対して塩化アルミニウム2モルを添加して、ヒドロキシアセトフェノン化合物を調製する方法が知られている(非特許文献1参照)。
特許第2030548号
Takihiro,I. 等 Chem. Pharm. Bull. 2000,48,131
このような現状において、特許文献1に記載の製造方法により得られるアセトフェノン化合物の収率は86%であり、前記製造方法により得られるヒドロキシアセトフェノン化合物の収率は91.9%であった。また、非特許文献1に記載の製造方法により得られるヒドロキシアセトフェノン化合物の収率は84%であった。そのため、これらの製造方法は、収率の点において改良の余地があった。また、医薬品等に使用する場合には、高収率で純度の高いものが必要となる。
従って、本発明の目的は、所望するアセトフェノン化合物およびヒドロキシアセトフェノン化合物を収率良く製造できる新規な方法を提供することにある。
本発明者等は、前記アセトフェノン化合物の製造方法に対する課題を解決するために鋭意検討を重ねた。そして、前記塩化アセチルに替えて無水酢酸を使用することにより、収率良くアセトフェノン化合物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者等は、前記ヒドロキシアセトフェノン化合物の製造方法に対する課題を解決するために鋭意検討を重ねた。そして、前記した新規な製造方法により得られたアセトフェノン化合物と特定の反応剤とを接触させることにより、収率良くヒドロキシアセトフェノン化合物を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、第一の本発明は、
非プロトン性有機溶媒中、
無水酢酸と、
下記式(I):
Figure 0007296815000001
[式中、
は水酸基保護基であり、Rはアミノ基保護基であり、Arは置換基を有していてもよい芳香族環基である。]で表される芳香族化合物と、
を混合して得られる第一混合液と、
ルイス酸と、
を接触させることにより、
下記式(II):
Figure 0007296815000002
[式中、R、RおよびArは、前記式(I)におけるものと同義である。]
で表されるアセトフェノン化合物を製造する、アセトフェノン化合物の製造方法である。
また、第二の本発明は、
前記の方法により、前記式(II)で示されるアセトフェノン化合物を製造した後、
得られたアセトフェノン化合物と、
ヨウ化物および硫黄化物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の反応剤と
を接触させることにより、
下記式(III):
Figure 0007296815000003
[式中、RおよびArは前記式(II)におけるものと同義である。]
で表されるヒドロキシアセトフェノン化合物を製造する、ヒドロキシアセトフェノン化合物の製造方法である。
本発明の方法によれば、高収率で所望するアセトフェノン化合物およびヒドロキシアセトフェノン化合物を製造することができる。
≪第1の工程≫
本発明において、第1の工程とは、前記式(I)で示されるアセトフェノン化合物(以下、単に「アセトフェノン化合物」とする場合もある。)を製造する方法であり、下記工程(a)及び(b)を含むことを特徴とする。
(a)非プロトン性有機溶媒中、無水酢酸と、前記式(II)で示される芳香族化合物(以下、単に「芳香族化合物」とする場合もある。)と、を混合し、第一混合液を得る工程(工程(a))。
(b)工程(a)で得られた第一混合液と、ルイス酸とを接触させ、アセトフェノン化合物を得る工程(工程(b))。
<工程(a)>
先ず、非プロトン性有機溶媒中、無水酢酸と、前記式(I)で示される芳香族化合物と、と、を混合し、第一混合液を得る工程について説明する。
(非プロトン性有機溶媒)
本発明の製造方法において、使用する非プロトン性有機溶媒は、酸性水素原子(酸素原子や窒素原子等に結合した水素原子)をもたない有機溶媒を指す。使用する非プロトン性有機溶媒は、特に制約はなく、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類などの非プロトン性有機溶媒が挙げられる。これらの中でも、反応性を考慮すると、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類が好ましい。
本発明の製造方法において、使用する非プロトン性有機溶媒の量は、特に制限されるものではない。中でも、無水酢酸と芳香族化合物とを効果的に混合せしめるためには、芳香族化合物1gに対して、1~100mL使用することが好ましい。なお、本発明における溶媒の体積は25℃におけるものとする。
(基質;無水酢酸)
本発明の特徴は、無水酢酸を基質(原料)の一つとして使用する点にある。
本発明の製造方法において、使用する無水酢酸は、特に制約はなく、通常の市販のものを使用することができる。使用する無水酢酸の量は、特に制限されるものではないが、通常、芳香族化合物1モルに対して、1~2モルである。
(基質;芳香族化合物)
本発明の製造方法において、もう一方の基質(原料)となる芳香族化合物は、
下記式(I):
Figure 0007296815000004
で表される。
該芳香族化合物は、特に制限されるものではなく、公知の方法により製造できる。
[Arの説明]
式(I)において、Arは、置換基を有していてもよい芳香族環基である。中でも、得られるアセトフェノン化合物の有用性を考慮すると、以下の式(I-1)で表される芳香族環基であることが好ましい。
Figure 0007296815000005
式(I-1)において、Rの基の数を示すnは、0~5の整数である。nは、得られるアセトフェノン化合物の有用性を考慮すると、好ましくは0~2の整数、より好ましくは0または1である。なお、nが2以上の場合には、Rは同一の基であっても、異なる基であってもよい。中でも好ましくは、nが0となる、Arがフェニル基となる場合である。
式(I-1)において、Rは、アルキル基、又はアルコキシ基であることが好ましい。
前記アルキル基としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1~5のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
また、式(I-1)において、特に制限されるものではないが、nが1以上の場合には、得られるアセトフェノン化合物の有用性を考慮すると、少なくとも、ベンゼン環の4位にRが結合していることが好ましい。なお、当然のことながら、ベンゼン環の1位は、-O-が結合している位置である。
前記式(I)で示される芳香族化合物の中でも、より有用なアセトフェノン化合物を得るためには、前記式(I-1)で示される基は、フェニル基(式(I―1)において、n=0の基)、又は4-メトキシフェニル基(式(I―1)において、n=1であり、Rがメトキシ基である基)であることが好ましい。
[Rの説明]
前記式(I)において、Rは、一般に用いられる水酸基保護基である。例えば、エステル型保護基、アリールアルキル型保護基およびアルキル型保護基から選択される基である。
前記エステル型保護基としては、炭素数1~3のアルキルカルボニル基が好ましく、具体的には、アセチル基等が挙げられる。
前記アリールアルキル型保護基としては、炭素数7~10のアリールアルキル基が好ましく、具体的には、ベンジル基、1-フェニルエチル基等が挙げられる。
前記アルキル型保護基としては、炭素数1~5のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、t-ブチル基等である。
前記式(I)で示される芳香族化合物の中でも、より有用なアセトフェノン化合物を得るためには、Rは、メチル基であることが好ましい。
[Rの説明]
前記式(I)において、Rは、一般に用いられるアミノ基保護基である。例えば、炭素数1~10のアルキルオキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、t-ブチルオキシカルボニル基等)、炭素数7~11のアリールアルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基等)、炭素数1~10のアルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基等)、炭素数6~14のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基等)等が挙げられる。
前記式(I)で示される芳香族化合物の中でも、より有用なアセトフェノン化合物を得るためには、Rは、メチルスルホニル基(メシル基)であることが好ましい。
(好適な芳香族化合物)
好適な式(I)で示される化合物を例示すれば、3-メチルスルホニルアミノ-4-フェノキシアニソール(下記式(I-A))等が挙げられる。
Figure 0007296815000006
Phはフェニル基(Arがフェニル基)であり、Meはメチル基(Rがメチル基)であり、Msはメチルスルホニル基(Rがメチルスルホニル基)である。この化合物を使用することにより、より有益なアセトフェノン化合物を得ることができる。
(工程(a)における無水酢酸と芳香族化合物との混合;第一混合液の調製)
本発明の製造方法において、無水酢酸と芳香族化合物とを混合させる方法は、特に制限されるものではない。具体的には、非プロトン性有機溶媒中で両者を攪拌することにより、混合させることが好ましい。
混合する順序も特に制限されるものではない。例えば、攪拌機能を有する反応器内に予め芳香族化合物を導入しておき、その反応器内に、非プロトン性有機溶媒と、必要に応じて非プロトン性有機溶媒で希釈した無水酢酸と、を加え、攪拌混合する方法が挙げられる。
無水酢酸と芳香族化合物とを混合する際の温度は、特に制限されるものではない。具体的には、-10~40℃の温度範囲で実施することができる。
また、混合する際の圧力も、特に制限されるものではない。具体的には、大気圧下、減圧下、加圧下の何れの雰囲気で実施してもよい。操作性を考慮すると、大気圧下で実施することが好ましい。また、混合時の雰囲気も、特に制限されるものではない。具体的には、空気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下で実施することができる。中でも、雰囲気中の水分の混入を考慮すると、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
混合時間も、無水酢酸と芳香族化合物との混合状態を確認して適宜決定すればよい。上記混合条件であれば、無水酢酸と芳香族化合物との全量が前記反応器内に導入されてから、0.5~3時間、攪拌混合すれば十分である。
以上の方法により、第一混合液を得ることができる。
<工程(b)>
次いで、工程(a)で得られた第一混合液と、ルイス酸と、を接触させ、アセトフェノン化合物を得る工程について説明する。
(ルイス酸)
本発明の製造方法において、使用するルイス酸は、特に制約はなく、通常の市販のものを使用することができる。ルイス酸としては、トリフルオロホウ素・エーテル錯体、トリフルオロホウ素・テトラヒドロフラン錯体、臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化亜鉛、塩化鉄等が挙げられ、反応性を考慮すると、塩化アルミニウム、四塩化チタンが好ましい。なお、固体のルイス酸の場合、粒状、粉末状などいずれの形態であっても問題なく使用することができる。
また、本発明の製造方法において、使用するルイス酸の量は、特に制限されるものではないが、前記芳香族化合物1モルに対して、1~4モルが好ましい。
なお、前記第1の工程(工程(a)および工程(b))を実施することにより、アセトフェノン化合物を製造し、連続して、ヒドロキシアセトフェノン化合物を製造する場合には、ルイス酸は、特に以下の使用量とすることが好ましい。なお、前記「連続して」とは、得られたアセトフェノン化合物を反応系から一旦分離することなく、そのままヒドロキシアセトフェノン化合物を製造することを指す。この場合、使用するルイス酸の量は、芳香族化合物1モルに対して、2~4モルが好ましい。こうすることによって、アセトフェノン化合物の製造後、連続してヒドロキシアセトフェノン化合物の製造を行うことができ、効率的にヒドロキシアセトフェノン化合物を製造できる。この理由は明らかではないが、残存するルイス酸が下記に詳述する第2の工程(ヒドロキシアセトフェノン化合物を製造する工程)で好適に作用するものと考えられる。
(第一混合液とルイス酸との接触)
本発明の製造方法において、第一混合液とルイス酸とを接触させる方法は、特に制限されるものではない。具体的には、攪拌混合することにより、接触させることが好ましい。なお、第一混合液とルイス酸とを十分に攪拌混合して接触させるためには、新たに、非プロトン性有機溶媒を反応系に追加することもできる。この非プロトン性有機溶媒は、前記の例示のものが使用できる。
接触させる順序も特に制限されるものではない。例えば、攪拌機能を有する反応器内で第一混合液を調製し、その反応器内に、必要に応じて非プロトン性有機溶媒で希釈したルイス酸を加え、攪拌混合する方法が挙げられる。また、攪拌機能を有する反応器内に必要に応じて非プロトン性有機溶媒で希釈したルイス酸を添加して、その反応器内に、第一混合液を加え、攪拌混合する方法もできる。中でも、過反応による目的物の純度低下を防ぐ観点から、第一混合液に対して必要に応じて非プロトン性溶媒で希釈したルイス酸を加える方法を採用することが好ましい。このとき、第一混合液とルイス酸との接触時に発生する熱により起こる、該接触により得られる混合液の温度上昇を回避するために、第一混合液の温度を確認しながら下記に詳述する反応温度の範囲を超えないようにルイス酸を分割して少量ずつ(一度に多量にではなく)添加することが好ましい。
第一混合液とルイス酸とを接触する際の温度(反応温度)は、特に制限されるものではない。具体的には、-10~40℃の温度範囲で実施することができる。中でも、第一混合液の全量及びルイス酸の全量を接触させ終えるまでの間は、第一混合液とルイス酸が接触する際に熱を発することから、-10~10℃の温度範囲とすることが好ましく、該接触後は、反応を効率的に進行させるために、10~40℃の温度範囲とすることが好ましい。
また、混合する際の圧力も、特に制限されるものではない。具体的には、大気圧下、減圧下、加圧下の何れの雰囲気で実施してもよい。操作性を考慮すると、大気圧下で実施することが好ましい。また、接触時の雰囲気も、特に制限されるものではない。具体的には、空気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下で実施することができる。中でも、雰囲気中の水分の混入を考慮すると、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
反応時間も、原料の反応状態を確認して適宜決定すればよい。上記反応条件であれば、第一混合液とルイス酸との全量が前記反応器に導入されてから、0.5~2時間、攪拌混合すれば、十分である。
以上の方法により、前記アセトフェノン化合物を製造できる。次に、得られたアセトフェノン化合物は、反応系より分離して、精製して使用することもできる。また、第一混合液とルイス酸とを接触して得られる、アセトフェノン化合物を含む第二混合液を下記に詳述する第2の工程で使用することもできる。この第二混合液は、第一混合液とルイス酸との接触で得られる反応液に該当する。
次に、前記アセトフェノン化合物を反応系から単離精製する、後処理について説明する。
(後処理;アセトフェノン化合物の単離精製)
本発明の製造方法において、第一混合液とルイス酸との接触の後、アセトフェノン化合物を単離精製するためには、以下の後処理を行うことが好ましい。例えば、前記接触の後、反応液(第二混合液)に氷水を導入し、必要に応じてトルエン等の有機溶媒を導入し、目的物を抽出する。次いで、得られた有機層を分取し、濃縮することにより、アセトフェノン化合物を単離する。得られたアセトフェノン化合物は、カラム精製、再結晶、溶媒洗浄、水洗等の公知の手段により精製することができる。
以上の方法を行うことにより、医薬の原料・中間体など、様々な用途に使用可能なアセトフェノン化合物を高収率で製造できる。本発明の製造方法の好適な一例を反応式で示すと以下の通りである。
Figure 0007296815000007
上記式(II-A)で表されるアセトフェノン化合物は、イグラチモドの合成中間体として有用である。なお、イグラチモドは抗リウマチ薬である。
≪第2の工程≫
本発明において、第2の工程とは、前記式(III)で示されるヒドロキシアセトフェノン化合物(以下、単に「ヒドロキシアセトフェノン化合物」とする場合もある。)を製造する方法であり、下記工程(c)及び(d)を含むことを特徴とする。
(c)アセトフェノン化合物を準備する工程。
(d)工程(c)で準備したアセトフェノン化合物と、ヨウ化物およびチオールからなる群より選ばれる1種以上の反応剤とを接触させることにより、ヒドロキシアセトフェノン化合物を製造する工程。
<工程(c)>
この工程(c)は、前記工程(b)と同じであってもよい。つまり、前記工程(b)において、単離精製し得られたアセトフェノン化合物を工程(d)で使用することができる。さらには、前記の通り、アセトフェノン化合物を単離精製せずに、第一混合液とルイス酸とを接触して得られる、アセトフェノン化合物を含む第二混合液を工程(d)でそのまま使用できる。その際は、多少の濃度調整等を行うことができる。
また、前記工程(a)、(b)を経ずに得られたアセトフェノン化合物、例えば、市販のアセトフェノン化合物を工程(d)に使用することができる。
前記アセトフェノン化合物を準備する工程は、該アセトフェノン化合物を含む溶液とすることが好ましい。単離されたアセトフェノン化合物は、非プロトン性有機溶媒として前記に列挙した溶媒(以下、反応溶媒1ともいう)中に溶解させることが好ましい。
なお、工程(c)において、単離されたアセトフェノン化合物を使用する場合には、アセトフェノン化合物を含む溶液は、アセトフェノン化合物1モルに対して、前記ルイス酸が1~3モル含まれるように調製することが好ましい。
また、第二混合液を工程(d)で使用する場合には、第二混合液を製造する際に、芳香族化合物1モルに対して、前記ルイス酸を2~4モル使用することが好ましい。この場合、前記ルイス酸が残存しており、第二混合液中では、アセトフェノン化合物1モルに対して、前記ルイス酸が1~3モル程度、存在していると考えられる。
<工程(d)>
(反応剤)
工程(d)で使用する反応剤は、ルイス酸による水酸基保護基の脱保護反応を効果的に進行させるための補助剤として機能するものと考えられる。該反応剤としては、例えば、ヨウ化物または硫黄化物が挙げられる。
前記ヨウ化物としては、アルカリ金属ヨウ化物が好ましく、具体的には、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等が挙げられる。
前記硫黄化物としては、チオール類、スルフィド類が好ましい。
チオール類としては、炭素数7~15のアルカンチオールが好ましく、具体的には、ドデカンチオール等が挙げられる。
スルフィド類としては、ジメチルスルフィド、チオアニソール等が挙げられる。
好適な反応剤を例示すればヨウ化物、特にヨウ化ナトリウムが挙げられる。ヨウ化ナトリウムを使用することにより、より効率的にヒドロキシアセトフェノン化合物を得ることができる。
また、本発明の製造方法において、使用する反応剤の量は、特に制限されるものではないが、アセトフェノン化合物1モルに対して、1~2モルが好ましい。
(アセトフェノン化合物を含む溶液(第二混合液を含む)と反応剤との接触)
本発明の製造方法において、アセトフェノン化合物を含む溶液(第二混合液を含む)と反応剤とを接触させる方法は、特に制限されるものではない。具体的には、攪拌混合することにより、接触させることが好ましい。
反応剤として固体であるヨウ化物を使用する場合には、反応系における該ヨウ化物の溶解性向上を目的に、反応溶媒1とは異なる溶媒(以下、反応溶媒2ともいう)を該反応系に混合することが好ましい。上記有機溶媒としては、該ヨウ化物を溶解できるものであれば特に制限されない。中でもニトリル類、特にアセトニトリルを使用することが好ましい。
該反応系に反応溶媒2を混合するタイミングは、アセトフェノン化合物を含む溶液(第二混合液を含む)と反応剤とを接触させる時、または該接触より前であれば、特に制限されない。
使用する反応溶媒2の量は、反応剤が十分に溶解する量であれば特に制限されるものではないが、アセトフェノン化合物1gに対して、1~50mL使用することが好ましい。なお、本発明における溶媒の体積は25℃におけるものとする。
なお、反応剤として液体である硫黄化物を使用する場合には、必要に応じて新たに溶媒を混合してもよい。または、新たに溶媒を追加せずに硫黄化物のみを加えることもできる。
アセトフェノン化合物を含む溶液(第二混合液を含む)と反応剤とを接触させる順序も特に制限されるものではない。例えば、攪拌機能を有する反応器内でアセトフェノン化合物を含む溶液を調製し、その反応器内に、必要に応じて溶媒で希釈した反応剤を加え、攪拌混合する方法が挙げられる。
(後処理;ヒドロキシアセトフェノン化合物の単離精製)
本発明の製造方法において、アセトフェノン化合物を含む溶液と前記反応剤との接触の後、以下の後処理を行うことが好ましい。例えば、前記接触の後、反応液中にチオ硫酸ナトリウムナトリウム水溶液等の水溶液を添加し、有機溶媒で生成物を抽出する。次いで、得られた有機層を分取し、濃縮することにより、ヒドロキシアセトフェノン化合物を単離する。得られたヒドロキシアセトフェノン化合物は、カラム精製、再沈殿、溶媒洗浄、水洗等の公知の手段により精製することができる。特に、好ましくは、得られるヒドロキシアセトフェノン化合物の純度の観点から、溶解性の高い有機溶媒(例えば、エステル類、具体的には酢酸エチル等)に溶解した後、その中に溶解性の低い有機溶媒(例えば、脂肪族類、具体的にはヘプタン等)を混合して、再沈殿する方法が好ましい。
以上の方法を行うことにより、医薬の原料・中間体など、様々な用途に使用可能なヒドロキシアセトフェノン化合物を高収率で製造できる。本発明の製造方法の好適な一例を反応式で示すと以下の通りである。
Figure 0007296815000008
上記式(III-A)で表されるヒドロキシアセトフェノン化合物は、イグラチモドの合成中間体として有用である。なお、イグラチモドは抗リウマチ薬である。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における純度評価は、以下の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法で行った。
<HPLCの測定条件>
装置:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)。
機種:2695-2489-2998(Waters社製)。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:240nm)。
カラム:Kinetex C18、内径4.6mm、長さ25cm(粒子径5μm)(Phenomenex社製)。
カラム温度:30℃一定。
サンプル温度:25℃一定。
移動相A:アセトニトリル。
移動相B:15mMリン酸二水素カリウム水溶液(pH=2.5 リン酸にて調整)。
移動相の送液:移動相A,Bの混合比を表1のように変えて濃度勾配制御する。
Figure 0007296815000009
流速:0.8mL/分。
測定時間:45分。
上記HPLCの測定条件において確認する化合物と、そのピーク位置は以下の通りである。
・3-メチルスルホニルアミノ-4-フェノキシアニソール(前記式(I)で表される芳香族化合物であって、Rはメチル基であり、Rはメシル基(メチルスルホニル基)であり、Arは置換基を有さないベンゼン環(フェニル基)である化合物(以下、化合物(I-A)とする))は、約18.9分。
・メチル=4-メチルスルホニルアミノ-2-メトキシ-5-フェノキシフェニル=ケトン(前記式(II)で表されるアセトフェノン化合物であって、Rはメチル基であり、Rはメシル基(メチルスルホニル基)であり、Arは置換基を有さないベンゼン環(フェニル基)である化合物(以下、化合物(II-A)とする))は、約16.9分。
・前記メチル=4-メチルスルホニルアミノ-2-メトキシ-5-フェノキシフェニル=ケトンに、もう一つアセチル基が付加した付加体((以下、化合物(II-Aa)とする))は、約10.9分。
・メチル=2-ヒドロキシ-4-メチルスルホニルアミノ-5-フェノキシフェニル=ケトン(前記式(III)で表されるヒドロキシアセトフェノン化合物であって、Rはメシル基(メチルスルホニル基)であり、Arは置換基を有さないベンゼン環(フェニル基)である化合物(以下、化合物(III-A)とする))は、約18.0分。
・前記メチル=2-ヒドロキシ-4-メチルスルホニルアミノ-5-フェノキシフェニル=ケトンに、もう一つアセチル基が付加した付加体(以下、化合物(III-Aa)とする)は、約11.5分。
以下の実施例、比較例において、前記化合物(I-A)、前記化合物(II-A)、前記化合物(III-A)、前記化合物(II-Aa)、前記化合物(III-Aa)の各純度の値は、すべて、上記HPLCの測定条件で測定される全ピークの面積値(溶媒由来のピークを除く)の合計に対する各化合物のピーク面積値の割合である。
[実施例1(アセトフェノン化合物の合成;無水酢酸、塩化アルミニウム)]
以下の反応式に従って、化合物(II-A)を合成した。
Figure 0007296815000010
(工程(a):第一混合液の取得)
直径7.5cmの2枚撹拌翼を備えた1000mL四つ口フラスコに、化合物(I-A)70g(238.63mmol;芳香族化合物)を量りとり、ジクロロメタン(490mL;非プロトン性有機溶媒)を加え、窒素雰囲気下、25℃で10分間混合攪拌した。攪拌後の溶液を0℃に冷却した後、無水酢酸24.85g(243.40mmol)を加え、同温度下で10分間混合攪拌して、混合液(第一混合液)とした。
(工程(b):第一混合液とルイス酸との接触)
次いで、前記混合液に、塩化アルミニウム79.55g(596.58mmol;ルイス酸)を、該混合液の温度が7~9℃の温度範囲となるように分割してゆっくりと添加した。全量添加後に20℃まで昇温して、2時間同温度で攪拌した。該攪拌後に行った純度評価の結果を下表2に示す。
(工程(b):後処理(アセトフェノン化合物の単離精製))
反応後の溶液を0℃に冷却した後、蒸留水350mLを、反応液の温度が7~9℃の温度範囲となるようにゆっくりと滴下しながら加えた。得られた混合液を分液し、有機層を水で洗浄した後、減圧濃縮して化合物(II-A)の粗体を残渣として79.0g(収率:98.7%)取得した。さらに、得られた粗体をイソプロピルアルコールで再結晶し、化合物(II-A)の精製体を69.6g取得した(収率:87.0%)。
該化合物(II-A)の精製体の純度評価の結果を下表2に示す。
[実施例2(アセトフェノン化合物の合成;無水酢酸、四塩化チタン)]
実施例1の(工程(a):第一混合液の取得)において、使用する容器を直径5.0cmの2枚撹拌翼を備えた100mL四つ口フラスコ、化合物(I-A)の使用量を5.0g(17.05mmol)、ジクロロメタンの使用量を50mL、無水酢酸の使用量を1.77g(17.39mmol)とした。さらに、実施例1の(工程(b):第一混合液とルイス酸との接触)におけるルイス酸を四塩化チタンとし、その使用量を8.08g(42.61mmol)とした。
これら以外は実施例1と同様の条件にて2時間攪拌した。この攪拌後に行った純度評価の結果を下表2に示す。
[比較例1(アセトフェノン化合物の合成;塩化アセチル、塩化アルミニウム)]
実施例1の(工程(a):第一混合液の取得)において、使用する容器を直径5.0cmの2枚撹拌翼を備えた100mL四つ口フラスコ、化合物(I-A)の使用量を5.0g(17.05mmol)、ジクロロメタンの使用量を50mLとした。また、無水酢酸に替えて塩化アセチル1.34g(17.05mmol)を使用した。さらに、実施例1の(工程(b):第一混合液とルイス酸との接触)における塩化アルミニウムの使用量を4.55g(34.09mmol)とした以外は実施例1と同様の条件にて2時間攪拌した。この攪拌後に行った純度評価の結果を下表2に示す。
化合物(II-A)の純度は、実施例1と比べて低い結果となった。
Figure 0007296815000011
なお、表2のカッコ内の値は、単離精製後の値を示す。

[実施例3(ヒドロキシアセトフェノン化合物の合成;ヨウ化ナトリウム)]
以下の反応式に従って、化合物(III-A)を合成した。
Figure 0007296815000012
(工程(c):アセトフェノン化合物の準備)
直径5.0cmの2枚撹拌翼を備えた100mL四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、実施例1で得られたアセトフェノン化合物(II-A)の精製体5g(14.91mmol)を量りとり、ジクロロメタン(35mL;反応溶媒1)、アセトニトリル(15mL;反応溶媒2)を加えて25℃で10分間混合攪拌した。
攪拌後の溶液を0℃に冷却した後、該溶液の温度が7~9℃の温度範囲となるように塩化アルミニウム3.98g(29.82mmol)をゆっくりと添加した。
(工程(d):アセトフェノン化合物と反応剤との接触)
次いで、ヨウ化ナトリウム2.24g(14.91mmol;反応剤)を加え、20℃まで昇温して、2時間同温度で攪拌した。2時間攪拌後に行った純度評価の結果を下表3に示す。
(工程(d):後処理(ヒドロキシアセトフェノン化合物の単離精製))
反応後の溶液を0℃に冷却した後、蒸留水25mLを反応液の温度が7~9℃の温度範囲となるようにゆっくりと滴下した。得られた溶液を分液し、得られた有機層を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液25mLで洗浄した後、減圧濃縮して化合物(III-A)の粗体を残渣として4.8g(収率:100%)取得した。さらに、得られた前記化合物(III-A)の粗体4.8gに酢酸エチル25mLを加え、加熱溶解した。完全に溶解した後、ヘプタン25mLを加えて、5℃まで冷却した。5℃で12時間攪拌した後、得られたスラリー液を濾過して化合物(III-A)の湿体を得た。当該湿体を50℃で4時間真空乾燥して化合物(III-A)の精製体を4.3g取得した(収率:89.2%)。
得られた化合物(III-A)の精製体の純度評価の結果を下表3に示す。
[比較例2]
実施例3の(工程(d):アセトフェノン化合物と反応剤との接触)において、塩化アルミニウムの使用量を1.99g(14.91mmol)とし、さらにヨウ化ナトリウム(反応剤)及びアセトニトリル(反応溶媒2)を使用しなかった以外は実施例3と同様の条件にて2時間攪拌した。2時間攪拌後に行った純度評価の結果を下表3に示す。
[比較例3]
実施例3の工程(d):アセトフェノン化合物と反応剤との接触)において、ヨウ化ナトリウム(反応剤)及びアセトニトリル(反応溶媒2)を使用しなかった以外は実施例3と同様の条件にて2時間攪拌した。2時間攪拌後に行った純度評価の結果を下表3に示す。
[実施例4(ヒドロキシアセトフェノン化合物の合成;ドデカンチオール)]
実施例3の(アセトフェノン化合物と反応剤との接触)における反応剤をドデカンチオールとし、その使用量を3.02g(14.91mmol)とした。さらに、アセトニトリルを使用しなかった以外は実施例3と同様の条件にて2時間攪拌した。2時間攪拌後に行った純度評価の結果を下表3に示す。
Figure 0007296815000013
なお、表3のカッコ内の値は、単離精製後の値を示す。

[実施例5(アセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノン化合物の連続合成)]
以下の反応式に従って、化合物(III-A)を合成した。
Figure 0007296815000014
(アセトフェノン化合物の合成)
直径5.0cmの2枚撹拌翼を備えた100mL四つ口フラスコに化合物(I-A)5.0g(17.05mmol;芳香族化合物)を量りとり、ジクロロメタン(35mL;非プロトン性有機溶媒)を加え、窒素雰囲気下、25℃で10分間混合攪拌した。攪拌後の溶液を0℃に冷却した後、無水酢酸1.77g(17.39mmol)を加え、第一混合液とした。そして該第一混合液の温度が7~9℃の温度範囲となるように塩化アルミニウム5.68g(42.61mmol)をゆっくりと添加した。全量添加後に20℃まで昇温して2時間攪拌して化合物(II-A)を含む溶液(第二混合液)を得た。
該化合物(II-A)を含む溶液(第二混合液)の純度評価の結果は、以下の通りであった。
・化合物(I-A):1.386%
・化合物(II-A):95.113%
・化合物(III-A):0.807%
・化合物(II-Aa):0.278%
・化合物(III-Aa):1.819%
(ヒドロキシアセトフェノン化合物の合成)
次いで、前記アセトフェノン化合物(II-A)を含む溶液(第二混合液)を0℃に冷却した後に、窒素雰囲気下で、ヨウ化ナトリウム2.56g(17.05mmol;反応剤)、アセトニトリル15mLを加えた。その後、20℃まで昇温して2時間攪拌した。
該攪拌後に行った純度評価の結果は、以下の通りであった。
・化合物(I-A):0.909%
・化合物(II-A):未検出
・化合物(III-A):95.114%
・化合物(II-Aa):未検出
・化合物(III-Aa):1.784%
反応後の溶液を0℃に冷却した後、蒸留水25mLを反応液の温度が7~9℃の温度範囲となるようにゆっくりと滴下した。分液操作により得られたジクロロメタン層を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液25mLで洗浄した後、減圧濃縮して前記化合物(III-A)の粗体を5.4g(収率:98.6%)取得した。
前記化合物(III-A)の粗体5.4gに酢酸エチル25mLを加え、加熱溶解した。完全に溶解した後、ヘプタン25mLを加えて、5℃まで冷却した。5℃で12時間攪拌した後、得られたスラリー液を濾過して化合物(III-A)の湿体を得た。当該湿体を50℃で4時間真空乾燥して化合物(III-A)4.4gを取得した(収率:80%)。
得られた化合物(III-A)の純度評価の結果は、以下の通りであった。
・化合物(I-A):未検出
・化合物(III-A):99.611%
・化合物(III-Aa):0.285%

Claims (5)

  1. 非プロトン性有機溶媒中、
    無水酢酸と、
    下記式(I):
    Figure 0007296815000015
    [式中、Rは水酸基保護基であり、Rはアミノ基保護基であり、Arは置換基を有していてもよい芳香族環基である。]で表される芳香族化合物と、
    を混合して得られた第一混合液と、
    ルイス酸と、
    を接触させることにより、
    下記式(II):
    Figure 0007296815000016
    [式中、R、RおよびArは、前記式(I)におけるものと同義である。]
    で表されるアセトフェノン化合物を製造する、アセトフェノン化合物の製造方法。
  2. 前記ルイス酸として無水塩化アルミニウムを使用する、請求項1に記載のアセトフェノン化合物の製造方法。
  3. 前記式(I)で表される芳香族化合物1モルに対して、前記ルイス酸を1~4モル使用する、請求項1に記載のアセトフェノン化合物の製造方法。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載の方法により、前記式(II)で示されるアセトフェノン化合物を製造した後、
    得られたアセトフェノン化合物と、
    ヨウ化物および硫黄化物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の反応剤と
    を接触させることにより、
    下記式(III):
    Figure 0007296815000017
    [式中、RおよびArは前記式(II)におけるものと同義である。]
    で表されるヒドロキシアセトフェノン化合物を製造する、ヒドロキシアセトフェノン化合物の製造方法。
  5. 前記式(I)で表される芳香族化合物1モルに対して、2~4モルの前記ルイス酸と、前記第一混合液と、を接触させて、前記式(II)で示されるアセトフェノン化合物を含む第二混合液を製造した後、
    該第二混合液と前記反応剤とを接触させることにより、前記式(III)で表されるヒドロキシアセトフェノン化合物を製造する、請求項4に記載のヒドロキシアセトフェノン化合物の製造方法。
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