JP7296786B2 - 熱可塑性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
〔1〕非晶性α-オレフィン(共)重合体(A1)、結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A3)、および、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体またはその水素添加物(A4)よりなる群から選ばれる1種類以上を含む熱可塑性樹脂(A)と、
下記の要件(b-1)~(b-4)を満たす低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)と
を含有する熱可塑性樹脂組成物。
(b-1)1H-NMRから測定されるメチル基指標が25~60%である。(ここで、当該メチル基指標とは、上記α-オレフィン(共)重合体を重クロロホルム中に溶解させて1H-NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく7.24ppmに現れる溶媒ピークをリファレンスとしたときにおける、0.50~2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50~1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をいう。)
(b-2)示差走査熱量分析(DSC)において融点が観測されない。
(b-3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~20,000である。
(b-4)ピクノメータ法により測定される密度が810~870kg/m3である。
(b-5)40℃における動粘度が10~70,000mm2/sである。
結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A3)および、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体またはその水素添加物(A4)よりなる群から選ばれる1種類以上を含む、上記〔1〕または〔2〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
エチレン・酢酸ビニル共重合体(A3)、および、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体またはその水素添加物(A4)の1種類以上を含む、上記〔1〕または〔2〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔6〕上記熱可塑性樹脂(A)5~99.99質量%と、特定の物性を有する低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)0.01~95質量%とを含む、上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔7〕ホットメルト接着剤用樹脂組成物である、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔8〕上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形体。
〔9〕上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を含むホットメルト接着剤。
なお、以下の説明において、数値範囲「N1以上N2以下」(N1およびN2は、それぞれ該数値範囲の下限値および上限値を示す)を、単に「N1~N2」と記載することもある。例えば、炭素数3以上20以下のα-オレフィンを、「炭素数3~20のα-オレフィン」と記載することもある。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)とを含有する。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)は、非晶性α-オレフィン(共)重合体(A1)、結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A3)、および、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体またはその水素添加物(A4)のいずれかを1種類以上、好ましくは2種類以上含む。
本発明において、非晶性α-オレフィン(共)重合体(A1)および後述する結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)は、いずれも、好ましくは炭素原子数2~20のα-オレフィンの単独重合体あるいは二種以上のα-オレフィンの共重合体である。
本発明において、結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)は、非晶性α-オレフィン(共)重合体の項で上述した通り、好ましくは炭素原子数2~20のα-オレフィンの単独重合体あるいは二種以上のα-オレフィンの共重合体である。炭素原子数2~20のα-オレフィンとしては、上記で例示したものが好ましく用いられる。
本発明におけるエチレン・酢酸ビニル共重合体(A3)は、エチレンおよび酢酸ビニルを含む共重合体であり、エチレン含有量が通常10~95質量%、機械物性の観点から、好ましくは55~90質量%であり、酢酸ビニル含有量が通常5~90質量%、機械物性の観点から、好ましくは10~45質量%である。酢酸ビニル含量が上記範囲にあると、非極性樹脂、極性の樹脂及び金属双方との親和性が良好となり易く好ましい。非極性樹脂、極性の樹脂及び金属との親和性が良好であると、例えば、ホットメルトやヒートシール材料等の接着材料として使用した際に、広範囲な樹脂、金属へ適応できるため有用である。
本発明における、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体またはその水素添加物(A4)は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとを有する。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)は、上述した(A1)~(A4)の各成分から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じてその他の熱可塑性樹脂を含んでもよい。その他の熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル- ブタジエン-スチレン共重合体などのスチレン系重合体およびその水素添加物;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルなどのビニルカルボン酸重合体およびビニルカルボン酸エステル重合体;エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、;ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロンMXD6、全芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミドなどのポリアミド;ポリアセタール等が挙げられる。熱可塑性樹脂(A)全体中におけるその他の熱可塑性樹脂の含有量は、通常50質量%以下、好ましくは30質量%以下である。特に好ましくは、熱可塑性樹脂(A)がその他の熱可塑性樹脂を含まず、上述した(A1)~(A4)の各成分よりなる群から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂のみから構成されるのが望ましい。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)は、上述した、非晶性α-オレフィン(共)重合体(A1)、結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A3)、および、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体またはその水素添加物(A4)のいずれかを1種類以上含む。
(1)非晶性α-オレフィン(共)重合体(A1)を含み、且つ、
結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A3)および、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体またはその水素添加物(A4)よりなる群から選ばれる1種類以上を含む熱可塑性樹脂(A)、
(2)結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)を含み、且つ、
エチレン・酢酸ビニル共重合体(A3)、および、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体またはその水素添加物(A4)の1種類以上を含む熱可塑性樹脂(A)
等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物全体における熱可塑性樹脂(A)の含有量は、5~99.99質量%、好ましくは20~99.99質量%、さらに好ましくは30~90質量%、特に好ましくは40~80質量%である。
本発明で用いられる低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)は、後述する要件(b-1)~(b-5)を満たす。本発明において、低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)は、好ましくは炭素原子数2~20のα-オレフィンの単独重合体あるいは二種以上のα-オレフィンの共重合体である。
1H-NMRから測定されるメチル基指標が、25~60%である。
ここで、当該メチル基指標とは、上記低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)を重クロロホルム中に溶解させて1H-NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく7.24ppmに現れる溶媒ピークをリファレンスとしたときにおける、0.50~2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50~1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をいう。
このように、本発明に係る低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)は、全プロトン中に占めるメチル基の割合がある一定の範囲内、すなわち25~60%の範囲内にある。
示差走査熱量分析(DSC)において融点が観測されない。
本発明に係る低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)は、示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点が観測されない、という要件(b-2)を満たす。ここで、融点(Tm)が観測されないとは、示差走査型熱量測定(DSC)で測定される融解熱量(ΔH)(単位:J/g)が実質的に計測されないことをいう。融解熱量(ΔH)が実質的に計測されないとは、示差走査熱量計(DSC)測定においてピークが観測されないか、あるいは観測された融解熱量が40J/g以下であることである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~20,000である。
ピクノメータ法により測定される密度が810~870kg/m3である。
本発明に係る低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)は、密度が810~870kg/m3であり、好ましくは820~855kg/m3であり、より好ましくは830~850kg/m3であり、特に好ましくは840~850kg/m3である。低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)の密度が上記範囲内にあると、熱可塑性樹脂組成物が良好な軽量性を示し易くなり好ましい。また、低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)の密度が上記範囲内にあると、熱可塑性樹脂(A)との相容性が良好になり易く、熱可塑性樹脂組成物の機械物性を保持することができる。特に、熱可塑性樹脂(A)が非晶性α-オレフィン(共)重合体(A1)や結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)である場合、その非晶部と低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)とが優れた相容性を示すことから、樹脂組成物のブリードアウトを防ぐとともに、機械物性や外観を良好に保持することができる。
40℃における動粘度が10~70,000mm2/sである。
本発明に係る低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)は、40℃における動粘度が10~50,000mm2/sであり、好ましくは100~50,000mm2/sであり、より好ましくは600~45,000mm2/s、さらに好ましくは5,000~45,000mm2/s、特に好ましくは5,000~25,000mm2/sである。
本発明に係る低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)は、上記の要件(b-1)~(b-5)の要件をすべて満たすものであればよく、特に限定されるものではないが、たとえば、高級α-オレフィン(共)重合体、エチレン・α-オレフィン共重合体などが、好ましい態様として挙げられる。以下、低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)のこれらおよびその他の好適な態様についてさらに説明する。
本発明に係る低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)の好ましい一態様は、1種以上の炭素原子数6~20のα-オレフィンからなる単量体の(共)重合体である。ここでいう、1種以上の炭素原子数6~20のα-オレフィンからなる単量体の(共)重合体とは、炭素原子数6~20のα-オレフィン単独重合体、または、炭素原子数6~20のα-オレフィンに対応する構成単位を1種以上含む炭素原子数6~20のα-オレフィン共重合体である。本明細書において、このようなα-オレフィン(共)重合体を、便宜上「高級α-オレフィン(共)重合体」と呼ぶ場合がある。更に、このようなα-オレフィン(共)重合体には、必要に応じて50モル%を超えない範囲で、エチレン及び/または炭素原子数3~5のα-オレフィンを共重合成分として導入することもできる。このような高級α-オレフィン(共)重合体は一般的にPAOと総称される。
これらのα-オレフィンは1種単独でまたは2種以上組合せて用いることができる。
本発明に係る低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)の好ましい別の一態様は、エチレンと炭素原子数3以上のα-オレフィンとの共重合体(以下、「エチレン・α-オレフィン共重合体」とも呼ぶ。)である。
本発明に係る低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)は、非変性体であってもよいし、あるいは、変性体であってもよい。変性の方法については、公知の種々の方法を利用することができ、例えば、酸化変性、クロロスルホン化、塩素化、臭素化などのハロゲン化変性、酸、酸無水物、エステル、アルコール、エポキシ、エーテル等の酸素含有基を有するビニル化合物、イソシアネート、アミド等の窒素含有基を有するビニル化合物、ビニルシラン等のケイ素含有基を有するビニル化合物とのグラフト変性や末端変性などが挙げられる。グラフト変性や末端変性に用いられるビニル化合物の例としては、具体的には、不飽和グリシジルエーテル、不飽和グリシジルエステル(例えば、グリシジルメタクリレート)などの不飽和エポキシ単量体、トリメトキシビニルシラン、ジメチルメトキシビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリメチルビニルシラン、ジエチルメチルビニルシラン、ジアセトキシエチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、トリアセトキシビニルシラン、トリス(2-メトキシエトキシ)ビニルシラン、トリフエニルビニルシラン、トリフエノキシビニルシランなどのモノビニルシラン、ジフエニルジビニルシラン、アリロキシジメチルビニルシランなどのポリビニルシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの不飽和カルボン酸エステル系シラン化合物、スチリルトリメトキシシランなどのスチリル系シラン化合物などのケイ素含有基を有するビニル化合物、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸TM(エンドシス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)などの不飽和カルボン酸、および上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物、及びエステル化合物などの誘導体、を挙げることができる。上記不飽和カルボン酸の誘導体の例としては、具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどがある。これらの中では、不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物がより好ましく、特にマレイン酸、ナジック酸TM及びこれらの酸無水物が特に好ましく用いられる。
(2)上記低分子量α-オレフィン(共)重合体を溶媒に溶解させて、極性基を有するビニル化合物又はその誘導体などを添加してグラフト共重合させる方法。
本発明の熱可塑性樹脂組成物全体における低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)の含有量は、0.01~95質量%、好ましくは0.1~50質量%、さらに好ましくは1~30質量%、特に好ましくは5~20質量%である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上述した熱可塑性樹脂(A)および低分子量α-オレフィン共重合体(B)に加えて、必要に応じて、粘着性樹脂(C)を含有してもよい。特に本発明の熱可塑性樹脂組成物をホットメルト接着剤用樹脂組成物として用いる場合には、粘着性樹脂(C)を含有することが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤、金属石鹸、充填剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、顔料、発泡剤、架橋剤等の添加剤を含有してもよい。
上記添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の割合および任意の添加方法にて使用できる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)および低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)を必須成分とすることを特徴とする。また、発明の効果を損なわない範囲にて、上述のその他成分を含有することができる。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、発明の効果を損なわない範囲で種々の方法により製造することができるが、特に、熱可塑性樹脂(A)、低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)及び必要に応じた添加剤を、1軸押出機、2軸押出機、プラストミル、ブラベンダー、ニーダー、ロールミキサー、バンバリーミキサー等により、溶融混練することによって製造する方法が望ましい。例えば、熱可塑性樹脂(A)と低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)とを、ヘンシェルミキサーなどの高速ミキサーやタンブラーなどを用いてドライブレンドした後に押出機等により溶融混練する方法や、熱可塑性樹脂(A)を押出機により溶融混練している際に、低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)を開放部から直接添加したり、サイドフィーダーや液体フィードポンプにより挿入したりすることで溶融混練する方法などが挙げられる。また、低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)は、熱可塑性樹脂(A)の一部やその他樹脂と共に事前に溶融混錬して製造したマスターバッチや、ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、ポリブタジエン等からなる溶融袋へ充填する方式などを用いて添加することもできる。
本発明の成形体は、上記の本発明の熱可塑性樹脂組成物を含む成形体である。本発明の成形体は、例えば、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物を、Tダイ成形、ブロー成形、射出成形、その他公知の成形方法により、成形することで得られる。また、本発明の成形体は、上記本は詰めの熱可塑性樹脂に発泡剤や架橋剤を加え、発泡成形や架橋成形させることにより得られる発泡体や架橋体であってもよい。
以下の実施例および比較例において、各物性は、以下の方法により測定あるいは評価した。
日本電子(株)製EX270型核磁気共鳴装置を用い、溶媒として重クロロホルム,試料濃度として55mg/0.6mL、測定温度として室温、観測核として1H(270MHz)、シーケンスとしてシングルパルス、パルス幅として6.5μ秒(45°パルス)、繰り返し時間として5.5秒、積算回数としては16回、ケミカルシフトの基準値として重クロロホルム中のCHCl3に基づく溶媒ピークの7.24ppmを用いて測定した。
融点は、セイコーインスツルメント社製X-DSC-7000を用いて測定した。簡易密閉できるアルミサンプルパンに約8mgのサンプルを入れてDSCセルに配置し、DSCセルを窒素雰囲気下にて室温から、200℃まで10℃/分で昇温し、次いで、200℃で5分間保持した後、10℃/分で降温し、DSCセルを-100℃まで冷却した(降温過程)。次いで、-100℃で5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温し、昇温過程で得られるエンタルピー曲線が極大値を示す温度を融点(Tm)とし、融解に伴う吸熱量の総和を融解熱量(ΔH)とした。ピークが観測されないか、融解熱量(ΔH)の値が40J/g以下の場合、融点(Tm)は観測されないとみなした。融点(Tm)、および融解熱量(ΔH)の求め方はJIS K7121に基づいて行った。
低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)の分子量は、下記の高速GPC測定装置を用い測定を行った。標準物質として分子量既知の単分散ポリスチレンを用い校正を行った。
測定装置:東ソー社製HLC8320GPC
移動相:THF(和光純薬工業社製、安定剤不含有、液体クロマトグラフィー用グレード)
カラム:東ソー社製TSKgel Super MultiporeHZ-M 2本を直列連結した。
サンプル濃度:5mg/mL
移動相流速:0.35mL/分
測定温度:40℃
検量線用標準サンプル:東ソー社製PStQuick MP-M
測定装置:東ソー社製HLC―8321GPC/HT型
移動相:o-ジクロロベンゼン
カラム:東ソー社製TSKgel GMH6-HTを2本、TSKgel GMH6-HTLを2本直列に接続
サンプル濃度:0.1mg/mL
移動相流速:1.0mL/分
測定温度:140℃
検量線用標準サンプル:東ソー社製単分散ポリスチレン #3 std set
低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)の密度は、JIS K2249-3に準じて、ピクノメータ法により求めた。
熱可塑性樹脂(A)のMFRは、JIS K 7210に準拠し、190℃、 試験荷重2.16kgfもしくは230℃、 試験荷重2.16kgfの条件にて測定した。
また熱可塑性樹脂組成物のMFRは、JIS K 7210に準拠し、190℃、 試験荷重2.16kgfの条件にて測定した。
熱可塑性樹脂(A)の溶融粘度は、Brookfield Engineering社製、デジタル粘度計HBDV2Tを用い、190℃条件にて測定した。
熱可塑性樹脂(A)
〔非晶性α-オレフィン(共)重合体:APAO1〕
REXtac.LLC.社製 非晶性ポリαオレフィン RT2180(溶融粘度(190℃)=8,000 mPa・s,融解エンタルピー(ΔH)=5J/g,固体のため、40℃における動粘度は測定できない。)
Dow Chemical Company製 ポリオレフィン・エラストマー ENGAGE 8003EL(MFR(190℃,2.16kg)=1g/10min,融点=77℃)
Exxon Mobil Corporation製 ポリオレフィン・エラストマー Vistamax 6502(MFR(190℃,2.16kg)=21g/10min,融点=107℃)
三井・ダウポリケミカル社製 エチレン・酢酸ビニル共重合体 エバフレックス EV460(MFR(190℃,2.16kg)=2.5g/10min,酢酸ビニル分率:19質量%)
三井・ダウポリケミカル社製 エチレン・酢酸ビニル共重合体 エバフレックス EV150(MFR(190℃,2.16kg)=30g/10min,酢酸ビニル分率:19質量%)
クラレ社製 水添スチレン-b-ブタジエン-b-スチレン共重合体 セプトン 2007(MFR(230℃,2.16kg)=2.4g/10min,スチレン分率30質量%)
クラレ社製 水添スチレン-b-ブタジエン-b-スチレン共重合体 セプトン 8076(MFR(230℃,2.16kg)=65g/10min,スチレン分率30質量%)
〔低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体1の製造例〕
低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体1は以下の方法で製造した。
〔合成例1〕
[メチルフェニルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリドの合成
(i)6-メチル-6-フェニルフルベンの合成
窒素雰囲気下、200mL三口フラスコにリチウムシクロペンタジエン7.3g (1
01.6mmol)および脱水テトラヒドロフラン100mLを加えて攪拌した。溶液をアイスバスで冷却し、アセトフェノン15.0g(111.8mmol)を滴下した。その後、室温で20時間攪拌し、得られた溶液を希塩酸水溶液でクエンチした。ヘキサン100mLを加えて可溶分を抽出し、この有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、溶媒を留去し、得られた粘性液体をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で分離し、目的物である6-メチル-6-フェニルフルベン(赤色粘性液体)を得た。
窒素雰囲気下、100mL三口フラスコに2,7-ジ-t-ブチルフルオレン2.01g(7.20mmol)および脱水t-ブチルメチルエーテル50mLを添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.65M)4.60mL(7.59mmol)を徐々に添加し、室温で16時間攪拌した。6-メチル-6-フェニルフルベン1.66g(9.85mmol)を添加した後、加熱還流下で1時間攪拌した。氷浴で冷却しながら水50mLを徐々に添加し、得られた二層の溶液を200mL分液漏斗に移した。ジエチルエーテル50mLを加えて数回振った後水層を除き、有機層を水50mLで3回、飽和食塩水50mLで1回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。少量のヘキサンを加えて得た溶液に超音波を当てたところ固体が析出したので、これを採取して少量のヘキサンで洗浄した。減圧下で乾燥し、白色固体としてメチル(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)(フェニル)メタン2.83gを得た。
窒素雰囲気下、100mLシュレンク管にメチル(シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)(フェニル)メタン1.50g(3.36mmol)、脱水トルエン50mLおよびTHF 570μL(7.03mmol)を順次添加した。氷浴で冷却しながらn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.65M)4.20mL(6.93mmol)を徐々に添加し、45℃で5時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、脱水ジエチルエーテル40mLを添加して赤色溶液とした。メタノール/ドライアイス浴で冷却しながら四塩化ジルコニウム 728mg(3.12mmol)を添加し、室温まで徐々に昇温しながら16時間攪拌したところ、赤橙色スラリーが得られた。減圧下で溶媒を留去して得られた固体をグローブボックス内に持ち込み、ヘキサンで洗浄した後、ジクロロメタンで抽出した。減圧下で溶媒を留去して濃縮した後、少量のヘキサンを加え、-20℃で放置したところ赤橙色固体が析出した。この固体を少量のヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥することにより、赤橙色固体として[メチルフェニルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド1.20gを得た。
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにヘプタン710mLおよびプロピレン145gを装入し、系内の温度を150℃に昇温した後、水素0.40MPa、エチレン0.27MPaを供給することにより全圧を3MPaGとした。次にトリイソブチルアルミニウム0.4mmol、[メチルフェニルメチレン(η5-シクロペンタジエニル)(η5-2,7-ジ-t-ブチルフルオレニル)]ジルコニウムジクロリド 0.0001mmolおよびN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.001mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を400rpmにすることにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3MPaGに保ち、150℃で5分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレン、プロピレン、水素をパージした。得られたポリマー溶液を、0.2mol/Lの塩酸1000mLで3回、次いで蒸留水1000mLで3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。
〔粘着性樹脂〕
粘着性樹脂(C)(粘着付与剤)として、ヤスハラケミカル社製、水添テルペン樹脂、アルコン P125(軟化点125℃)を用いた。
〔酸化防止剤〕
酸化防止剤として、BASFジャパン株式会社社製 フェノール系酸化防止剤 イルガノックス1010を用いた。
ワックスとして、日本精鑞社製 パラフィンワックス 140(融点61℃)を用いた。
ポリイソブチレンとして、日本石油株式会社製、日石ポリブテン HV-300(メチル基指標:74%、重量平均分子量(Mw):2900、分子量分布(Mw/Mn):1.7、密度:898kg/m3、融点無し)。
表1に示す配合量に従い、APAO1、低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体1および酸化防止剤を、ラボプラストミル(東洋精機製)にて混練し、熱可塑性樹脂組成物を得た(混練条件:190℃、5min、60rpm)。得られた熱可塑性樹脂組成物は、卓上テストプレス機(神藤金属工業所社製)を用いて、厚さ2mmのシート状に成形し、下記の方法にて各種物性を評価した。熱可塑性樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
表1および表2に示した配合量に従い、参考例1と同様の方法にて各配合剤を混錬し、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物は、卓上テストプレス機(神藤金属工業所社製)を用いて、厚さ2mmのシート状に成形し、下記の方法にて各種物性を評価した。熱可塑性樹脂組成物の評価結果を表1および表2に示す。
熱可塑性樹脂組成物の密度は、JIS K7112に従い、密度勾配管法により測定した。熱可塑性樹脂組成物の密度が870kg/m3未満である場合を◎、870kg/m3以上、900kg/m3未満である場合を0、900kg/m3以上である場合を△として評価し、表1及び表2に測定結果を示した。熱可塑性樹脂組成物の密度が小さいである程、成形体の軽量化効果が期待できるため好ましい。
熱可塑性樹脂組成物のMFRは、JIS K 7210に準拠し、190℃、 試験荷重2.16kgfの条件にて測定した。熱可塑性樹脂組成物のMFRが、40g/10min以上である場合を◎、40g/10min未満10g/10min以上である場合を〇、10g/10min未満である場合を△として評価し、表1及び表2に示した。MFRの値が大きい程、溶融時の流動性に優れることを示しており、熱可塑性樹脂組成物の成形性改善の観点から好ましい。
熱可塑性樹脂組成物の柔軟性の指標として、JIS K 7215に従い、室温下でのDuro-A硬度を測定した。硬度75未満を◎、硬度75以上80未満を〇、硬度80以上を△として評価し、表1及び表2に結果を示す。硬度が小さい程、熱可塑性樹脂組成物がより柔軟性に優れることを示しており、より好ましい。例として、本発明の熱可塑性樹脂組成物を、電線やワイヤーやケーブル、シューズやサンダル、ゴルフクラブやテニスラケットのグリップ等に使用した場合、折り曲げが容易になったり、クッション性や手への密着性が良好になるため好ましい。
JIS K 7161に従い、23℃条件での引張破断強度および引張破断伸びを測定し、以下の式に従って、熱可塑性樹脂組成物の引張抗張積を求めた。
「引張抗張積」=「引張破断強度」×「引張破断伸び」
得られた結果について、引張抗張積が1,000MPa・%以上である場合を◎、1,000MPa・%未満、100MPa・%以上である場合を〇、100MPa・%未満である場合を△として評価し、表1及び表2に結果を示す。引張抗張積の値がより大きい程、熱可塑性樹脂組成物が引張の破断に強く、機械特性に優れることを表しており好ましい。熱可塑性樹脂組成物の機械特性が優れると、成形体の亀裂発生や破断、へたれの抑制が期待できるため好ましく、例として、電線やワイヤーやケーブル、シューズやサンダル、ゴルフクラブやテニスラケットのグリップ、各種フィルムやシートなどに好適である。
熱可塑性樹脂組成物の耐熱クリープ性の評価は、粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製、RSA-III)を用いた。室温下で試験片の上下端をチャック治具で軽く固定し、-40℃に冷却後しっかりと固定し、次に80℃まで昇温させ温度が安定した後、0.1MPaの張力を加え、歪(%)を測定した。歪が20%未満の場合には◎、歪が20%以上、40%未満の場合には〇、歪が40%以上もしくは測定終了までの30分間に伸びきった場合を△として評価し、表1及び表2に結果を示す。歪が小さい程、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性に優れることを示しており好ましい。
表3に示す配合量に従い、APAO1、粘着性樹脂、低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体1および酸化防止剤を、ラボプラストミル(東洋精機製)にて混練し、熱可塑性樹脂組成物を得た(混練条件:190℃、5min、40rpm)。得られた熱可塑性樹脂組成物は、下記の方法にて各種物性を評価した。熱可塑性樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
表3および表4に示した配合に従い、参考例8と同様の方法にて各配合成分を混錬し、
熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた熱可塑性樹脂組成物は、下記の方法にて各種物性を
評価した。熱可塑性樹脂組成物の評価結果を表3および表4に示す。
熱可塑性樹脂組成物の密度は、JIS K7112に従い、密度勾配管法により測定した。熱可塑性樹脂組成物の密度が880kg/m3未満である場合を◎、880kg/m3以上、900kg/m3未満である場合を〇、900kg/m3以上である場合を△として評価し、表3および表4に測定結果を示した。熱可塑性樹脂組成物の密度が小さいである程、成形体の軽量化効果が期待できるため好ましい。
熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度は、Brookfield Engineering社製、デジタル粘度計HBDV2Tを用い、190℃条件にて測定した。熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度が、10,000mPa・s未満である場合を◎、10,000mPa・s以上、30,000mPa・s未満である場合を〇、30,000mPa・s以上、100,000mPa・s未満である場合を△として評価し、表3および表4に結果を示した。溶融粘度が低い程、熱可塑性樹脂組成物の流動性が高い事を示しており好ましい。特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物をホットメルト接着剤やヒートシール材料、粘着テープ等の接着剤や粘着材に用いる場合、優れた流動性を示すことから、溶融させた際の塗工が容易になったり、より低温での塗工が可能となったりするため、好適である。
得られた熱可塑性樹脂組成物を、卓上テストプレス機(神藤金属工業所社製)を用いて、厚さ2mmのシート状に成形し、JIS K 7215に従い、室温下でのDuro-A硬度を測定した。硬度60未満を◎、硬度60以上63未満を〇、硬度63以上を△として評価し、表3および表4に結果を示す。硬度が小さい程、熱可塑性樹脂組成物がより柔軟性に優れることを示しており、より好ましい。特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物をホットメルト接着剤やヒートシール材料、粘着テープ等の接着剤や粘着材に用いる場合、優れた柔軟性を示すことから、基材が折り曲げられた際も、接着材や粘着材が追従できるようになり、接着材や粘着材の剥がれを抑制できるため好適である。
得られた熱可塑性樹脂組成物を、卓上テストプレス機(神藤金属工業所社製)を用いて、厚さ0.3mmのシート状に成形し、接着層とした。続いて、被着体PPとして0.3mm厚みのホモポリプロピレンのキャストシートを用い、ヒートシーラーを用いて、被着体PP/接着層/被着体PPからなる構成の積層サンプルを作成した。シール条件は、170℃、0.1MPa、5秒とした。得られた積層サンプルの被着体同士をそれぞれ、23℃条件下および80℃条件下にて1日置いた後、同温度条件にて引っ張り、剥離試験を実施した(180°、200mm/分、幅15mm)。その際の最大応力を対PP接着力(N/15mm)とした。得られた結果について、23℃条件での接着強度は、接着強度が15N/15mm以上である場合を◎、15N/15mm未満、5N/15mm以上である場合を〇、5N/15mm未満である場合を△として評価し、表3及び表4に結果を示した。また、80℃条件での接着強度は、接着強度が7N/15mm以上である場合を◎、7N/15mm未満、3N/15mm以上である場合を〇、3N/15mm未満である場合を△として評価し、表3及び表4に結果を示した。本発明の熱可塑性樹脂組成物をホットメルト接着剤やヒートシール材料、粘着テープ等の接着剤や粘着材に用いる場合、接着強度が高い程、基材同士の剥がれを防止できるため、好ましい。特に80℃での接着強度に優れると、高温環境下でも接着材や粘着材として使用できるようになるため好ましい。
Claims (6)
- 非晶性α-オレフィン(共)重合体(A1)を含み、且つ、
結晶性α-オレフィン(共)重合体(A2)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A3)および、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックを含有するブロック共重合体またはその水素添加物(A4)よりなる群から選ばれる1種類以上を含む、熱可塑性樹脂(A)と、
下記の要件(b-1)~(b-5)を満たす低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)と
を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、
上記低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)がエチレン・プロピレン共重合体である熱可塑性樹脂組成物。
(b-1)1H-NMRから測定されるメチル基指標が40~60%である。(ここで、当該メチル基指標とは、上記α-オレフィン(共)重合体を重クロロホルム中に溶解させて1H-NMRを測定し、重クロロホルム中のCHCl3に基づく7.24ppmに現れる溶媒ピークをリファレンスとしたときにおける、0.50~2.20ppmの範囲内にあるピークの積分値に対する、0.50~1.15ppmの範囲内にあるピークの積分値の割合をいう。)
(b-2)示差走査熱量分析(DSC)において融点が観測されない。
(b-3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~20,000である。
(b-4)ピクノメータ法により測定される密度が810~870kg/m3である。
(b-5)40℃における動粘度が10~70,000mm2/sである。 - さらに、粘着性樹脂(C)を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 上記熱可塑性樹脂(A)5~99.99質量%と、上記低分子量α-オレフィン(共)重合体(B)0.01~95質量%とを含む、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- ホットメルト接着剤用樹脂組成物である、請求項1~3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形体。
- 請求項1~4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を含むホットメルト接着剤。
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