JP7296206B2 - 固化抑制剤 - Google Patents

固化抑制剤 Download PDF

Info

Publication number
JP7296206B2
JP7296206B2 JP2018231995A JP2018231995A JP7296206B2 JP 7296206 B2 JP7296206 B2 JP 7296206B2 JP 2018231995 A JP2018231995 A JP 2018231995A JP 2018231995 A JP2018231995 A JP 2018231995A JP 7296206 B2 JP7296206 B2 JP 7296206B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
mass
flour
rice flour
takoyaki
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018231995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020092633A (ja
Inventor
大次郎 篠原
和也 藤原
哲郎 二瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Showa Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Sangyo Co Ltd filed Critical Showa Sangyo Co Ltd
Priority to JP2018231995A priority Critical patent/JP7296206B2/ja
Publication of JP2020092633A publication Critical patent/JP2020092633A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7296206B2 publication Critical patent/JP7296206B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

Landscapes

  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Description

本技術は、固化抑制剤に関する。より詳しくは、でん粉質飲食品に対してとろりとした食感を付与できる固化抑制剤に関する。
従来、小麦粉等を含むでん粉質飲食品において、喫食時の食感を改良するための技術が開発されている。
例えば、でん粉質飲食品の一つであるたこ焼類では、喫食時にその内層が軟らかく、かつ、口溶けが良いことが好まれる。このような食感を与える技術として、例えば、特許文献1には、穀粉類100質量部に対して、アセチル化酸化澱粉1~30質量部を含有することを特徴とするたこ焼き粉ミックスが開示されている。また、特許文献2には、セルロースエーテルを含んでなることを特徴とするたこ焼用プレミックスが開示されている。更に、特許文献3には、穀類粉100質量部に対し米粉が10~100質量部であり、穀類粉100質量部に対し食物繊維0.2~2.5質量部を含有するたこ焼き用プレミックス粉が開示されている。
また、でん粉質飲食品の一つであるホワイトソースにおいても、口溶けが良いことが好まれる。このような食感を与える技術として、例えば、特許文献4には、架橋澱粉を添加することを特徴とするホワイトソースの製造方法が開示されている。
特開2013-85524号公報 特開2013-252104号公報 特開2013-192518号公報 特開平9-262077号公報
しかしながら、でん粉質飲食品にとろりとした食感を付与することができる技術の更なる開発が求められているという実情がある。
そこで、本技術では、でん粉質飲食品にとろりとした食感を付与することができる新規な固化抑制剤を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、鋭意実験検討を行った結果、米粉の損傷澱粉量に着目し、特定の損傷澱粉量の範囲になるよう調製した米粉を用い、かつ、原料粉に対して該米粉を特定量配合させることにより、でん粉質飲食品にとろりとした食感を付与することができることを発見し、本技術を完成させるに至った。
すなわち、本技術では、まず、有効成分が、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉である、でん粉質糊化部の固化抑制剤であって、でん粉質糊化部を含むソース類又はたこ焼の固化を抑制するためのものであって、前記ソース類又はたこ焼中の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉を0.3~30質量部含むように配合される、前記でん粉質糊化部の固化抑制剤を提供する。
更に、本技術では、前記ソース類又はたこ焼の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉を25質量部以下含むように配合されていても良い。
加えて、本技術では、前記米粉のα化度が、10~30%であっても良い。
また、本技術では、前記米粉の粒子径の累積分布におけるメジアン径(D50)が、30~130μmであっても良い。
また、本技術では、原料粉100質量部と、前記原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉を0.3~30質量部含む、ソース類又はたこ焼用組成物を提供する。
更に、本技術では、前記固化抑制剤、又は前記ソース類又はたこ焼用組成物を用いた、ソース類又はたこ焼も提供する。
加えて、本技術では、でん粉質糊化部を含むソース類又はたこ焼の固化を抑制し、前記ソース類又はたこ焼中の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉を0.3~30質量部となるように含有させる、ソース類又はたこ焼にとろりとした食感を付与する方法も提供する。
本技術によれば、でん粉質飲食品にとろりとした食感を付与することができる新規な固化抑制剤を提供することができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であっても良い。
試験例1における物性評価の結果を示した図面代用グラフである。
以下、本技術を実施するための好適な形態について説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
1.固化抑制剤
本技術に係る固化抑制剤は、でん粉質糊化部を含むでん粉質飲食品の固化を抑制し、前記でん粉質飲食品中の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上である米粉0.3~30質量部を有効成分とすることを特徴とする。
本明細書において、「でん粉質糊化部」とは、小麦粉、でん粉、小麦粉以外の穀粉等のでん粉質が水分を含んで加熱されることにより糊化した部分であり、ゾル状態の部分及び/又はゲル状態の部分を含む。
本技術では、でん粉質飲食品の中でも、でん粉質糊化部を含むでん粉質飲食品の食感に着目した。このようなでん粉質飲食品においては、このでん粉質糊化部がとろりとした食感を有することが好まれる。これに対し、本技術に係る固化抑制剤を用いることにより、でん粉質糊化部の固化を抑制し、とろりとした食感を付与できるとともに、なめらかな口当たりとなり、その口溶けも良好にすることができる。
また、本技術に係る固化抑制剤を用いたでん粉質飲食品は、冷めた後でもとろりとした食感及び良好な口溶けを提供することができる。
更には、本技術に係る固化抑制剤は、その有効成分が米粉からなり、加工でん粉や増粘剤等の食品添加物を用いることなくとろりとした食感を付与することができるため、非常に有用である。
本技術に係る固化抑制剤が用いられるでん粉質飲食品は、でん粉質糊化部を含むものであれば特に限定されず、例えば、ホワイトソース、カレーソース、カスタードソース等のソース類;たれ類;カスタードクリーム等のフィリング類;葛湯;各種のベーカリー製品;プディング、ブラマンジュ、くずもち、求肥等の菓子類(クリーム自体も含む。);うどん、中華麺、そば、そうめん、ひやむぎ、きしめん、パスタ等の麺類;餃子、焼売、小龍包、ワンタン等の皮類;揚げ物;お好み焼;たこ焼等が挙げられる。本技術では、でん粉質飲食品は、でん粉質糊化部以外の部分を有することなくでん粉質糊化部のみにより形成されていてもよい。
本技術では、これらの中でも、でん粉質糊化部にとろりとした食感が求められるソース類又はたこ焼とすることが好ましい。なお、たこ焼において、「でん粉質糊化部」は、たこ焼の内層のゲル状態の部分のことである。また、ソース類において、「でん粉質糊化部」は、ソース全体であって、ゾル状態の部分のことである。
<損傷澱粉量>
本明細書において、「損傷澱粉量(以下、「DS」とも称する。)(%)」とは、米粉全量中の損傷を受けた澱粉の量である。当該「損傷澱粉」とは、米を粉砕する時の圧力や衝撃等により、澱粉粒が物理的な損傷を受けた澱粉のことをいう。
本技術に係る固化抑制剤において、米粉は、損傷澱粉量が20%以上であることを特徴とする。これにより、でん粉質糊化部の固化を抑制し、とろりとした食感となめらかな口当たりを付与でき、かつ、口溶けの良い良好な食感を提供することができる。
また、本技術において、損傷澱粉量は、40%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましい。これにより、より口溶けが良好なでん粉質飲食品を得ることができる。米粉の損傷澱粉量が40%超であると、特に、口の中に張り付くような食感で、口溶けが悪くなってしまうため好ましくない。
損傷澱粉量は、AACC Method 76-31に従って測定することができる。具体的には、試料中に含まれている損傷澱粉のみをカビ由来α-アミラーゼでマルトサッカライドと限界デキストリンに分解し、次いで、アミログルコシダーゼでグルコースにまで分解し、生成されたグルコースを定量することにより測定する。また、StarchDamage Assay Kit(Megazyme製)等の市販のキットを用いて測定しても良い。
<米粉の含有量>
本技術に係る固化抑制剤において、損傷澱粉量が20%以上である米粉は、前記でん粉質飲食品中の原料粉100質量部に対して、0.3~30質量部を有効成分とすることを特徴とする。0.3質量部未満であると、でん粉質糊化部の固化を十分に抑制することができない。また、30質量部超であると、口の中に残りやすく、粘りけが出てしまい、口溶けが悪くなるので好ましくない。
また、本技術において、損傷澱粉量が20%以上である米粉は、前記でん粉質飲食品の原料粉100質量部に対して、25質量部以下で含有されることが好ましく、20質量部以下で含有されることがより好ましく、10質量部以下で含有されることが更に好ましく、5質量部以下で含有されることが特に好ましい。これにより、より良好な食感のでん粉質飲食品を提供できる。
<α化度>
本技術に係る固化抑制剤において、米粉は、α化されていることが好ましく、そのα化度が、10~30%であることがより好ましい。これにより、とろりとした食感を付与したでん粉質飲食品を得ることができる。
α化度は、β-アミラーゼ・プルラナーゼ法(BAP法)(中村道徳、貝沼圭二編集、生物化学実験法19澱粉・関連糖質実験法、p190~191)により測定することができる。
<メジアン径>
本技術に係る固化抑制剤において、米粉は、粒子径の累積分布におけるメジアン径(D50)を所定の範囲内に調整したものが好ましく、30~130μmであることがより好ましく、35μm~120μmであることがより好ましく、40μm~100μmであることが更に好ましい。これにより、口溶けが良好なでん粉質飲食品を得ることができる。
また、このようなメジアン径(D50)であれば、米粉のハンドリング性に優れる。なお、本明細書において、「米粉のハンドリング性」とは、米粉の取扱いに関する性能全般を総称していい、「ハンドリング性に優れる」とは、性能上の問題が生じにくいことを示す。この問題には、米粉の取り扱い中に舞い上がること、米粉が固結しやすいこと、他の粉と混合したときに分離しやすいこと等が含まれる。
粒径及び粒度分布の測定方法は、レーザー回折式粒子径分布測定装置 HELOS&RODOS(株式会社日本レーザー製)を用いて乾式で測定できる。また、粒度分布における累積分布は、小粒径から積算した粒子の体積分率で表される。例えば、累積分布のD50における粒径とは、小粒径から積算していき体積分率が50%になった時の粒径を表す。
<米粉の製造方法>
本技術に係る固化抑制剤に用いられる米粉は、生米を、乾式で粉砕(好適には、摩擦粉砕、気流粉砕、又は衝撃式粉砕)して製造することが好ましい。原料生米の水分含有量は、20質量%以下が好ましく、5~17質量%がより好ましい。
米粉の原料としては、うるち米及び/又はもち米及び/又は低アミロース米及び/又は高アミロース米及び/又は超硬質米を使用できる。うるち米、もち米、低アミロース米、高アミロース米及び超硬質米の種類としては、特に限定されないが、ジャポニカ種、インディカ種、ジャバニカ種を用いることができる。本技術では、これらの中でも、うるち米が好ましい。
前記原料の米の種類は特に限定されず、例えば、精白米、5分付き米、玄米、屑米等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
米粉を粉砕する装置としては、例えば、ロール粉砕装置(例えば、ロールミル等)、気流粉砕装置(例えば、サイクロンミル、ジェットミル等)、衝撃式粉砕装置(例えば、ハンマーミル、ピンミル等)、摩擦粉砕装置(例えば、臼式粉砕、ローラーミル等)、せん断粉砕装置(例えば、カッターミル等)、媒体式(例えば、ボールミル、ビーズミル等)等が挙げられるが、本技術ではこれらに限定されない。
原料生米を粉砕する際には、粉砕中の生米の温度、すなわち、粉砕途中の米粒や米粉の品温が、好ましくは15~30℃、より好ましくは15~25℃になるように調整する。本技術では、粉砕直後の米粉の温度を測定して粉砕中の生米の温度とする。例えば、室内温度や粉砕機の運転条件等を調整して粉砕を行うことができる。これにより、摩擦熱等を抑え、粉砕された米粉の粘性を抑えることができる。
粉砕後、所望の篩等の分級によって米粉の粒径及び粒度を整えることができる。例えば、米粉の粒度調整は、所望の粒径範囲となるような目開きの篩を用いて行うことができる。また、一定質量の米粉を複数の異なる目開きの篩を用いて、粗い目開きの篩から順次かけていき、各篩上に残った画分及び全ての篩を通過した画分の配合割合を調整することによって行うこともできる。なお、粒径及び粒度分布は、前述した測定方法にて測定すれば良い。
更に、米粉の損傷澱粉量を測定することにより、損傷澱粉量が所望の範囲であることを確認することが好ましい。損傷澱粉量は、前述したAACCMethod 76-31に従って測定することができる。
2.でん粉質飲食品用組成物
本技術に係るでん粉質飲食品用組成物は、原料粉100質量部と、前記固化抑制剤と、を含む。本技術に係るでん粉質飲食品用組成物を用いることにより、でん粉質糊化部の固化を抑制し、とろりとした食感を付与できるとともに、なめらかな口当たりとなり、その口溶けも良好にすることができる。
原料粉としては、例えば、小麦粉、でん粉、小麦粉以外の穀粉等が挙げられ、これらを1種又は2種以上自由に選択して用いることができる。
小麦粉としては、例えば、薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、全粒粉、デュラム小麦粉等が挙げられ、これらを1種又は2種以上自由に選択して用いることができる。本技術では、これらの中でも、薄力粉、中力粉、準強力粉が好ましく、薄力粉、中力粉がより好ましい。
でん粉としては、例えば、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、ワキシー米澱粉、小麦澱粉、ワキシー小麦澱粉、サゴ澱粉などの澱粉(地上系澱粉)、馬鈴薯澱粉、ワキシー馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、ワキシータピオカ澱粉、甘藷澱粉、ワキシー甘藷澱粉などのような地下茎又は根由来の澱粉(地下系澱粉)、これらを原料とした加工でん粉等が挙げられ、これらを1種又は2種以上自由に選択して用いることができる。
小麦粉以外の穀粉としては、例えば、大麦粉、大豆粉、そば粉、ライ麦粉、米粉(ただし、本発明の損傷澱粉量が20%以上である米粉を除く。)、トウモロコシ粉等が挙げられ、これらを1種又は2種以上自由に選択して用いることができる。
でん粉質飲食品用組成物の具体的な態様は特に限定されないが、例えば、各種飲食品用ミックス(ホットケーキミックス、ベーカリー用ミックス、洋菓子用ミックス、和菓子用ミックス、パン粉付けフライ食品用バッターミックス、麺類/皮類用ミックス等)、各種食品用粉(天ぷら粉、から揚げ粉、お好み焼粉、たこ焼粉等)、各種飲食品用の素(菓子の素、ドーナツの素、ケーキの素、ゼリーの素、アイスクリームの素、スープの素、ソースの素、たれの素、飲料の素等)、各種飲食品品質改良剤(麺皮類改良剤、米飯改良剤、ベーカリー改良剤、ソース類改良剤等)等とすることができる。
また、本技術に係るでん粉質飲食品用組成物は、本技術の効果を損なわない限り、必要に応じて、食塩、かんすい、たん白類、重合リン酸塩類、乳化剤、増粘安定剤、保湿剤、保存剤、食用色素、卵製品、糖類、油脂類、乳製品、イースト、イーストフード、ベーキングパウダー、調味料、香料、香辛料、pH調整剤等を含有していてもよい。
3.でん粉質飲食品
本技術に係るでん粉質飲食品は、前記固化抑制剤、又は前記でん粉質飲食品用組成物を用いたものである。本技術に係るでん粉質飲食品は、でん粉質糊化部の固化が抑制され、とろりとした食感を有し、その口溶けも良好である。
でん粉質飲食品の具体的な態様は特に限定されず、例えば、ホワイトソース、カレーソース、カスタードソース等のソース類;たれ類;カスタードクリーム等のフィリング類;葛湯;各種のベーカリー製品;プディング、ブラマンジュ、くずもち、求肥等の菓子類(クリーム自体も含む。);うどん、中華麺、そば、そうめん、ひやむぎ、きしめん、パスタ等の麺類;餃子、焼売、小龍包、ワンタン等の皮類;揚げ物;お好み焼;たこ焼等が挙げられる。本技術では、これらの中でも、でん粉質糊化部にとろりとした食感が求められるソース類又はたこ焼とすることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本技術を更に詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施例は、本技術の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
<米粉>
下記表1に示す米粉A~米粉Cの各米粉は、精米後のうるち米を、所望の損傷澱粉量になるように各粉砕機で乾式粉砕し、調製したものである。各米粉は、粉砕直後の米粉の温度が約25℃になるように調製したものであり、粉砕直後の米粉の温度はそれぞれ約25℃であった。
Figure 0007296206000001
米粉A:衝撃式粉砕機(ハンマーミル;コントラプレックス250CW、槇野産業株式会社製)
米粉B、C:臼式粉砕機(臼式粉砕機;臼挽き職人 KP091、カンリウ工業株式会社製)
米粉D:清酒醸造用の酒米の製造時に産出される白糠
なお、各種測定法は、上述した<損傷澱粉量>、<α化度>、及び<メジアン径>に記載の通りである。
<試験例1:ソース類>
本試験例1では、ホワイトソースを調製し、その食感について検討した。
[ホワイトソースの調製]
下記表2に示す分量の小麦粉、米粉、及び塩を混ぜた。次いで、ボウルに小麦粉、米粉及び塩を混ぜたものとさいの目にカットしたバターを入れた。これを、電子レンジ(1500W)で20秒加熱した。次いで、ホイッパーで100回混ぜ、電子レンジ(1500W)で10秒加熱し、更にホイッパーで20回混ぜた。その後、牛乳を6回に分けて投入し、投入の度に20回混ぜた。次いで、電子レンジ(1500W)で20秒加熱し、ホイッパーで20回混ぜ、この操作をもう一度繰り返して行った。その後、電子レンジ(1500W)で20秒加熱し、ホイッパーで30回混ぜた、その後、電子レンジ(1500W)で20秒加熱し、ホイッパーで100回混ぜた。なお、電子レンジを使用する際は、すべてラップフィルムをした。
Figure 0007296206000002
[官能評価の方法]
調製した各ホワイトソースをレトルト用袋に入れ、沸騰水中で湯せんして温め、これを専門パネル10名にて試食した。試食の時の官能評価は、下記とろみ評価(5段階)、及び口溶け評価(5段階)について行い、専門パネル10名の平均点を評価点とした。また、調製した各ホワイトソースをレトルト用袋に入れ、2日間冷凍保存したものを沸騰水中で湯せんして温め、別途、専門パネル10名により評価した。
〔とろみ評価〕
5:非常になめらかな、とろりとした食感が十分にある
4:なめらかな、とろりとした食感がある
3:なめらかな、ややとろりとした食感がある
2:とろりとした食感が少ない
1:とろりとした食感がない
〔口溶け評価〕
5:口の中での分散しやすく、口溶けが非常に良好
4:口溶けが良好
3:やや口溶けが良い
2:口の中にやや残り、やや粘りがある
1:口の中に残りやすく、粘りがある
[物性評価の方法]
調製したホワイトソースのうち、参考例1、比較例1、実施例1、及び実施例2については、レトルト用袋に入れ、沸騰水中で湯せん後に、測定温度36℃、コーンプレート40mmを用いて、ModularCompact Rheometer MCR102(AntonPaar社製)により、せん断速度(s-1)を変えながら、各せん断応力(Pa)を測定した。
[評価結果]
官能評価の結果については、上記表2に併記した。また、2日間冷凍保存した各ホワイトソースについては、上記表2に記載の評価結果と同等の評価結果であった。
物性評価の結果については、図1に示す。
[考察]
米粉を全く配合していない参考例1は、とろみ及び口溶けの両方において、他の例より劣っていた。このことから、米粉を配合することにより、ホワイトソースにとろりとした食感を付与できることが分かった。
比較例1の米粉の損傷澱粉量は6%であり、これを使用したホワイトソースは、参考例1よりも口溶けがやや良くなっていたものの、実施例1~6と比較するとこれらの食感は劣っていた。一方で、実施例1~6の米粉の損傷澱粉量はいずれも20%以上であることから、米粉の損傷澱粉量は20%以上とすることが良いことが分かった。
実施例6の米粉の損傷澱粉量は56%であり、これを使用したホワイトソースは、他の実施例1~5と比較すると、とろみ及び口溶けの観点でやや劣っていたため、米粉の損傷澱粉量は40%以下が好ましいことが示唆された。
また、実施例1~6の結果から、前記でん粉質飲食品の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上である米粉は、0.3質量部含有させることが好ましいことが示唆された。また、米粉のα化度は、10~30%であることが好ましいことも示唆された。更に、米粉の粒子径の累積分布におけるメジアン径(D50)は、30~130μmであることが好ましいことも示唆された。
更に、物性評価においては、実施例1及び2は、参考例1及び比較例1と比較してせん断応力の値が低くなる傾向にあり、このことから、実施例1及び2においては、咀嚼時の口腔内での抵抗が小さく、とろりとした食感が付与されていることが物理的にも明らかとなった。
加えて、2日間冷凍保存した各ホワイトソースについても、冷凍保存前の各ホワイトソースと同等の評価結果であったことから、実施例1~6は、冷凍保存してもとろみ及び口溶けが保持されており、冷凍保存耐性を有することが明らかとなった。
<試験例2:たこ焼>
本試験例1では、たこ焼を調製し、その食感について検討した。
[たこ焼の調製]
たこ焼粉1000g、水3500g、及び卵250gを撹拌混合し、各バッター生地を調製した。200℃に加熱したたこ焼器にサラダ油を引き、各生地を流し入れた後、各窪みに茹で蛸(4g)を加え、竹串を用いて球状に形を整えながら10分間焼成し、複数のたこ焼を調製した。その後、焼成後のたこ焼をプラスチック容器に入れ、1時間保存した。
Figure 0007296206000003
[官能評価の方法]
調製した各たこ焼を、専門パネル10名にて試食した。試食の時の官能評価は、前述したとろみ評価(5段階)、及び下記口溶け評価(5段階)について行い、専門パネル10名の平均点を評価点とした。
〔口溶け評価〕
5:口溶けが非常に良好
4:口溶けが良好
3:口溶けがやや良好
2:口溶けがやや悪い
1:口溶けが悪い
[評価結果]
官能評価の結果については、上記表3に併記した。
[考察]
米粉を全く配合していない参考例2は、焼成直後及び1時間経過後のいずれにおいてもとろみ及び口溶けの両方において、他の例より劣っていた。このことから、米粉を配合することにより、たこ焼にとろりとした食感を付与できることが分かった。
比較例2の米粉の損傷澱粉量は6%であり、これを使用したたこ焼は、参考例2よりもとろみ及び口溶けが良くなっていた。しかし、実施例7~12と比較すると、焼成直後のとろみ及び口溶けには差がないものの、1時間経過後のこれらの食感は劣っていた。一方で、実施例7~12の米粉の損傷澱粉量はいずれも20%以上であることから、焼成直後及び1時間経過後の両方でとろりとした食感及び良好な口溶けを提供するためには、米粉の損傷澱粉量は20%以上とすることが良いことが分かった。
比較例3は、でん粉質飲食品の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上である米粉を51.8質量部含有しており、この場合、実施例7~12と比較して、焼成直後及び1時間経過後のいずれにおいても口溶けが不良であった。したがって、でん粉質飲食品の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上である米粉は30質量部以下で含有させることが良いことが示唆された。
また、実施例7~12の結果から、前記でん粉質飲食品の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上である米粉は、25質量部以下で含有させることが好ましいことが示唆された。

Claims (7)

  1. 有効成分が、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉である、でん粉質糊化部の固化抑制剤であって、
    でん粉質糊化部を含むソース類又はたこ焼の固化を抑制するためのものであって、
    前記ソース類又はたこ焼中の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉を0.3~30質量部含むように配合される、前記でん粉質糊化部の固化抑制剤。
  2. 前記ソース類又はたこ焼中の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉を25質量部以下含むように配合される、請求項1記載の固化抑制剤。
  3. 前記米粉のα化度が、10~30%以下である、請求項1又は2記載の固化抑制剤。
  4. 前記米粉の粒子径の累積分布におけるメジアン径(D50)が、30~130μmである、請求項1から3のいずれか一項に記載の固化抑制剤。
  5. 原料粉100質量部と
    記原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉を0.3~30質量部含む、ソース類又はたこ焼用組成物。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の固化抑制剤、又は請求項5に記載のソース類又はたこ焼用組成物を用いた、ソース類又はたこ焼。
  7. でん粉質糊化部を含むソース類又はたこ焼の固化を抑制し、
    前記ソース類又はたこ焼中の原料粉100質量部に対して、損傷澱粉量が20%以上40%以下である米粉を0.3~30質量部となるように含有させる、ソース類又はたこ焼にとろりとした食感を付与する方法。
JP2018231995A 2018-12-11 2018-12-11 固化抑制剤 Active JP7296206B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018231995A JP7296206B2 (ja) 2018-12-11 2018-12-11 固化抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018231995A JP7296206B2 (ja) 2018-12-11 2018-12-11 固化抑制剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020092633A JP2020092633A (ja) 2020-06-18
JP7296206B2 true JP7296206B2 (ja) 2023-06-22

Family

ID=71083817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018231995A Active JP7296206B2 (ja) 2018-12-11 2018-12-11 固化抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7296206B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010104244A (ja) 2008-10-28 2010-05-13 Nitto Fuji Flour Milling Co Ltd 和風スナック用ミックス粉及び和風スナック
JP2016202031A (ja) 2015-04-17 2016-12-08 昭和産業株式会社 米粉、パン類の硬化抑制剤、パン類の硬化抑制方法、パン類の製造方法、パン類及びパン類用ミックス粉

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61192255A (ja) * 1985-02-20 1986-08-26 Kikkoman Corp フライバッタ−用粉

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010104244A (ja) 2008-10-28 2010-05-13 Nitto Fuji Flour Milling Co Ltd 和風スナック用ミックス粉及び和風スナック
JP2016202031A (ja) 2015-04-17 2016-12-08 昭和産業株式会社 米粉、パン類の硬化抑制剤、パン類の硬化抑制方法、パン類の製造方法、パン類及びパン類用ミックス粉

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020092633A (ja) 2020-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5053738B2 (ja) 低澱粉損傷量であるデュラム小麦粉およびこれを含有するイースト発酵食品用小麦粉組成物
JP5428003B2 (ja) 米を原料とする食材を用いた加工食品並びにその製造法
CN101500432A (zh) 含小麦粉的食品用湿热处理小麦粉、含有该湿热处理小麦粉的混合料或食品原材料以及使用该湿热处理小麦粉制得的食品
JP2009213354A (ja) 麺類または皮類用デュラム小麦粉およびこれを含有する麺類または皮類用小麦粉組成物
JP4707694B2 (ja) 小麦生胚芽粉末を含む焼き菓子用穀粉及びこれを使用した焼き菓子
WO2016111061A1 (ja) ベーカリー食品用加工澱粉及びベーカリー食品用ミックス
TW202128025A (zh) 粉碎熱處理小麥粉之製造方法、粉碎熱處理小麥粉與烘焙食品用混合料及其製造方法
JP5855427B2 (ja) 菓子類用ミックス
JP5461160B2 (ja) もち様食品用ミックス
JP2019076049A (ja) 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類
JP7296206B2 (ja) 固化抑制剤
JP2003000165A (ja) 加熱変性小麦粉及びその小麦粉を用いた食品素材、食品
JP2010104244A (ja) 和風スナック用ミックス粉及び和風スナック
JP7460354B2 (ja) ソフトでかつもち食感を有する油ちょうベーカリー食品の配合及び製造方法
JP3902787B2 (ja) 含泡食品用粉体組成物
WO2021141114A1 (ja) パンケーキ類及びワッフル類用小麦粉組成物
JP7333698B2 (ja) 電子レンジ再加熱ベーカリー製品用レンジアップ耐性向上剤、電子レンジ再加熱ベーカリー製品のレンジアップ耐性向上方法、電子レンジ再加熱ベーカリー製品用組成物、電子レンジ再加熱ベーカリー製品用生地、電子レンジ再加熱ベーカリー製品、および電子レンジ再加熱ベーカリー製品の製造方法
JP6944276B2 (ja) 食物繊維含有素材加工品の製造方法及び食物繊維含有素材加工品
JP3902782B2 (ja) 含泡食品用粉体組成物
JP5334764B2 (ja) パン生地用組成物およびパン
JP2009017808A (ja) 製パン用小麦粉組成物及び製パン用穀粉組成物並びにこれらを使用したパン
JP6972400B2 (ja) 小麦粉製品及びこれを用いた食品
JP5740770B2 (ja) シュー生地及びもちもちシューパフ
JP6055696B2 (ja) 焼き菓子の製造方法
JP3354518B2 (ja) 加熱殺菌済みソースの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220802

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220926

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230404

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230612

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7296206

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150