JP2019076049A - 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類 - Google Patents
菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019076049A JP2019076049A JP2017206904A JP2017206904A JP2019076049A JP 2019076049 A JP2019076049 A JP 2019076049A JP 2017206904 A JP2017206904 A JP 2017206904A JP 2017206904 A JP2017206904 A JP 2017206904A JP 2019076049 A JP2019076049 A JP 2019076049A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wheat
- flour
- confectionery
- semolina
- durum
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
Description
植物学的分類における二粒系小麦に属するデュラム小麦は、カロテノイド色素の含量が高く、高タンパク質含量、高硬度等の特性から、硬く弾力のある食感が求められるパスタ類の製造に使用される。一般に、タンパク質含量が少ない薄力小麦粉を主体として製造する菓子類に、普通小麦から得られるパン用小麦粉(強力小麦粉)と同程度の高タンパク質含量を有するデュラム小麦を使用すると、硬い製品となったりザラついた食感になったりするため、菓子類の製造には適さないとされてきた。デュラム小麦のセモリナを、マフィンなどをどっしりした食感にするために使用したり、海外ではスージーケーキ(シンガポール)、セモリナケーキ(イタリア)などに使用する例があるが、軽い食感が好まれる菓子類に使うことは一般にはほとんどない。
デュラム小麦セモリナを菓子類に使用した例として、特許文献1には、粒径が350μm以上のデュラム小麦セモリナを30重量%以上の割合で含有する穀類粉砕物を用いて菓子類を製造することにより、通常よりも油脂含量を低減させた配合で菓子類を製造しても、過度の粘りがなく、歯切れのよい軽い良好な食感、および変化に富む、良好な刺激のある歯ごたえを有し、風味にも優れる菓子類を製造することが記載されている。しかしながらこの方法では製品のボリュームやしっとり感の点でその効果は十分とはいえなかった。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦セトデュールのセモリナを含むクッキー類又はバターケーキ類用穀粉組成物であって、普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦セトデュールのセモリナの合計質量に対して5〜25質量%のデュラム小麦セトデュールのセモリナを含むクッキー類又はバターケーキ類用穀粉組成物。
[2]普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦セトデュールのセモリナを含むスポンジケーキ類用穀粉組成物であって、普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦セトデュールのセモリナの合計質量に対して3〜15質量%のデュラム小麦セトデュールのセモリナを含むスポンジケーキ類用穀粉組成物。
[3]前記[1]又は前記[2]に記載の穀粉組成物を含む菓子類用生地。
[4]前記[3]に記載の菓子類用生地を焼成してなる菓子類。
本発明においてクッキー類とは薄力小麦粉を主原料とする小型の焼き菓子であり、例えば、クッキー、サブレ、ビスケット、クラッカー等が挙げられる。
本発明においてバターケーキ類とは、主原料の1つとしてバターを用いたケーキであり、主な原料としてバター、砂糖、卵、薄力小麦粉、必要によりベーキングパウダー等の化学気泡剤から作られる。例えばパウンドケーキ、バターケーキ、カップケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘンが挙げられる。バターについては、食感などを考慮し、マーガリンやショートニングなど他の油脂を使用してもかまわない。
本発明においてスポンジケーキ類とは卵、砂糖、薄力小麦粉を基本材料として、卵の気泡性を利用した生地を使用して作られる。例えば、スポンジケーキ、シフォンケーキ、カステラ、ブッセが挙げられる。
本発明において「セモリナ」とはデュラム小麦などの硬質小麦の製粉工程において得られる比較的粒度の粗い状態の胚乳の粉砕物を指し、一般に目開き約300μmの篩を抜けない程度の粗さのものをいう。
また本発明において「小麦粉」は小麦の胚乳部分を製粉したものであってセモリナよりも粒度が細かいものを意味し、セモリナとは区別される。なお、食品の安全性に関する国際規格であるコーデックス規格では、規格178−1991において、粒度に関して、目開き315μmの篩を最大で79%抜けるものをデュラム小麦セモリナと定義している。同規格152−1985では目開き212μmの篩を98%以上抜けるものを小麦粉と定義している。
本発明において「デュラム小麦」は、植物学的分類における二粒系小麦に属し、カロテノイド色素の含量が高く、高タンパク質含量、高硬度等の特性を有する。
本発明においてセモリナの原料となるデュラム小麦は、日本初のデュラム小麦品種である「セトデュール」のものに限定される。外国産デュラム小麦を菓子類に使用すると、硬い製品となったりザラついた食感になったりするため、菓子類の製造には適さないとされてきた。実際に外国産デュラム小麦のセモリナを使用した場合、生地がベタついて作業性が悪化し、また硬い食感の製品となり、本発明の効果を得ることが出来ない。
本発明において、「普通小麦」とは上記デュラム小麦と異なる、植物学的分類における普通系小麦に属する小麦をいう。
本発明において薄力小麦粉の原料となる普通小麦は、菓子類に適した軟質小麦品種であれば特に限定されず、例えばWW(ウェスタン・ホワイト)や国内産普通小麦であるシロガネコムギ、さとのそら、などが挙げられる。
本発明のスポンジケーキ類用穀粉組成物において、デュラム小麦セトデュールのセモリナの配合割合は、普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦セトデュールのセモリナの合計質量に対して3〜15質量%であり、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは5〜10質量%である。
本発明の菓子類用生地及び菓子類の製造においては、所定量の穀粉組成物以外に、強力小麦粉、中力小麦粉、ライ麦粉、コーンフラワー、大麦粉、米粉などの穀粉;イースト、イーストフード;タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉など及びこれらにα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理等を行った加工澱粉類;ブドウ糖、果糖、乳糖、砂糖、イソマルトースなどの糖類;卵黄、卵白、全卵その他の卵に由来する成分である卵成分;粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油等の油脂類;乳化剤;食塩等の無機塩類;保存料;ビタミン;カルシウム等の強化剤等の通常菓子類の製造に用いる副原料を使用することができる。
(1)乳化剤(三菱ケミカルフーズ株式会社製:商品名 リョートーエステルSP−A)5質量部、水25質量部、上白糖120質量部、全卵110質量部、サラダ油10質量部を加え、低速1分間ミキシングする。
(2)上記に、普通小麦の薄力小麦粉(日本製粉株式会社製:商品名 ハート)100質量部を加え、低速1分、高速1分、中速3分間ミキシングし、生地を得た。
(3)スポンジ型に350g流し込み、170℃、30分間焼成し、スポンジケーキを得た。
普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦のセモリナの添加量を表2記載の割合にした以外は製造例1に従ってスポンジケーキを製造した。
それぞれのスポンジケーキについて、生地性及び食感を、熟練パネラー10名により表1の評価基準に従って評価した。なお、セトデュールのセモリナを使用せず普通小麦の薄力小麦粉100%で製造した比較例1を3点とした。
(1)上白糖90質量部、バター90質量部を中速5分間すりあわせる。ついで全卵90質量部を添加し、低速2分間ミキシングする。更に、普通小麦の薄力小麦粉(日本製粉株式会社製:商品名 ハート)100質量部、ベーキングパウダー2質量部を加え、低速1分間ミキシングし、生地を得た。
(2)パウンド型に得られた生地を350g入れ、180℃、30分間焼成しパウンドケーキを得た。
普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦のセモリナの添加量を表3記載の割合にした以外は製造例2に従ってパウンドケーキを製造した。
それぞれのパウンドケーキについて、製品外観及び食感を、熟練パネラー10名により表1の評価基準に従って評価した。なお、セトデュールのセモリナを使用せず普通小麦の薄力小麦粉100%で製造した比較例4を3点とした。
(1)上白糖50質量部、バター70質量部、塩0.5質量部を中速5分間すりあわせる。ついで全卵10質量部を添加し、低速2分間ミキシングする。更に、普通小麦の薄力小麦粉(日本製粉株式会社製:商品名 ハート)100質量部、ベーキングパウダー0.3質量部を加え、低速1分間ミキシングし、生地を得た。
(2)冷蔵庫にて1時間休ませた前記生地を直径約3cmの棒状に成形し、再び冷蔵庫で休ませた後、厚さ約1cmにスライスし、170℃、15分間焼成しクッキーを得た。
普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦のセモリナの添加量を表5記載の割合にした以外は製造例3に従ってクッキーを製造した。
それぞれのクッキーについて、製品外観及び食感を、熟練パネラー10名により下記の表4の評価基準に従って評価した。なお、セトデュールのセモリナを使用せず普通小麦の薄力小麦粉100%で製造した比較例7を3点とした。
Claims (4)
- 普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦セトデュールのセモリナを含むクッキー類又はバターケーキ類用穀粉組成物であって、普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦セトデュールのセモリナの合計質量に対して5〜25質量%のデュラム小麦セトデュールのセモリナを含むクッキー類又はバターケーキ類用穀粉組成物。
- 普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦セトデュールのセモリナを含むスポンジケーキ類用穀粉組成物であって、普通小麦の薄力小麦粉とデュラム小麦セトデュールのセモリナの合計質量に対して3〜15質量%のデュラム小麦セトデュールのセモリナを含むスポンジケーキ類用穀粉組成物。
- 請求項1又は請求項2に記載の穀粉組成物を含む菓子類用生地。
- 請求項3に記載の菓子類用生地を焼成してなる菓子類。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017206904A JP6999359B2 (ja) | 2017-10-26 | 2017-10-26 | 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017206904A JP6999359B2 (ja) | 2017-10-26 | 2017-10-26 | 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019076049A true JP2019076049A (ja) | 2019-05-23 |
JP6999359B2 JP6999359B2 (ja) | 2022-01-18 |
Family
ID=66627096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017206904A Active JP6999359B2 (ja) | 2017-10-26 | 2017-10-26 | 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6999359B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019092402A (ja) * | 2017-11-20 | 2019-06-20 | 日本製粉株式会社 | ベーカリー食品用穀粉組成物、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品 |
WO2020257801A3 (en) * | 2019-06-21 | 2021-02-04 | Carnegie Mellon University | Flour-based shape-changing food and related methods |
JP7531886B2 (ja) | 2020-07-27 | 2024-08-13 | 有限会社 エコ・ライス新潟 | 焼き菓子及びその製造方法 |
JP7566622B2 (ja) | 2020-12-25 | 2024-10-15 | 株式会社ニップン | 乾パスタ類 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7195988B2 (ja) * | 2019-03-22 | 2022-12-26 | 株式会社ニップン | 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09149756A (ja) * | 1995-11-28 | 1997-06-10 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | 冷凍パンケーキ類の製造法 |
JPH09187216A (ja) * | 1996-01-09 | 1997-07-22 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | 菓子用穀類粉砕物 |
JP2000184848A (ja) * | 1998-10-13 | 2000-07-04 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | 菓子類用小麦粉組成物 |
-
2017
- 2017-10-26 JP JP2017206904A patent/JP6999359B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09149756A (ja) * | 1995-11-28 | 1997-06-10 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | 冷凍パンケーキ類の製造法 |
JPH09187216A (ja) * | 1996-01-09 | 1997-07-22 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | 菓子用穀類粉砕物 |
JP2000184848A (ja) * | 1998-10-13 | 2000-07-04 | Nisshin Flour Milling Co Ltd | 菓子類用小麦粉組成物 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
食品機械装置, vol. 53(6), JPN6021016617, 2016, pages 42 - 46, ISSN: 0004500897 * |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019092402A (ja) * | 2017-11-20 | 2019-06-20 | 日本製粉株式会社 | ベーカリー食品用穀粉組成物、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品 |
WO2020257801A3 (en) * | 2019-06-21 | 2021-02-04 | Carnegie Mellon University | Flour-based shape-changing food and related methods |
CN114449896A (zh) * | 2019-06-21 | 2022-05-06 | 卡内基·梅隆大学 | 变形的面粉基食品及相关方法 |
JP7531886B2 (ja) | 2020-07-27 | 2024-08-13 | 有限会社 エコ・ライス新潟 | 焼き菓子及びその製造方法 |
JP7566622B2 (ja) | 2020-12-25 | 2024-10-15 | 株式会社ニップン | 乾パスタ類 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6999359B2 (ja) | 2022-01-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6999359B2 (ja) | 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類 | |
US20100151105A1 (en) | Grain powder composition | |
KR101732333B1 (ko) | 슈 퍼프 및 그 제조 방법 | |
JP6307781B2 (ja) | 焼き菓子 | |
JP2016158608A (ja) | ベーカリー食品用組成物 | |
JP2018153127A (ja) | ベーカリー製品用組成物、ベーカリー製品用生地、及びベーカリー製品の製造方法 | |
JP6907100B2 (ja) | ベーカリー食品用穀粉組成物、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品 | |
CA2562555A1 (en) | Partial fat replacement in flat bread | |
JP7195988B2 (ja) | 菓子類用穀粉組成物、菓子類用生地及び菓子類 | |
JP7093167B2 (ja) | パンの製造方法 | |
JP6105452B2 (ja) | ベーカリー用上掛け生地 | |
AU2013297682B2 (en) | Hardening inhibitor for baked good, method for inhibiting hardening of baked good, method for producing baked good, mix flour for baked good, and baked good | |
JP2023112949A (ja) | 糖質食品用組成物、糖質食品、および糖質食品の作製方法 | |
JP4605724B1 (ja) | 菓子用プレミックス、及び菓子の製造方法 | |
JP6596859B2 (ja) | パン類の製造方法 | |
JP6330305B2 (ja) | パン類の製造方法 | |
JP7261070B2 (ja) | 新規食感を有するドーナツ | |
WO2017057484A1 (ja) | スナック及びその製造方法 | |
JP2020167943A (ja) | ベーカリー食品用穀粉組成物、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品 | |
TW202002794A (zh) | 烘焙食品之製造方法 | |
JP6055696B2 (ja) | 焼き菓子の製造方法 | |
JP7526618B2 (ja) | 中華まん類及びその製造方法 | |
JP6957313B2 (ja) | シュー皮生地及びシュー皮用ミックス粉 | |
JP6356439B2 (ja) | 食品生地練込用油脂組成物 | |
JP2024080213A (ja) | 具材入りケーキ類の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200729 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210416 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210510 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210707 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211222 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6999359 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |