JP2023112949A - 糖質食品用組成物、糖質食品、および糖質食品の作製方法 - Google Patents

糖質食品用組成物、糖質食品、および糖質食品の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い含有量で食物繊維を含み、食感が良好な糖質食品を得ることができる糖質食品用組成物、糖質食品、および糖質食品の作製方法を提供する。【解決手段】イヌリンとオーツ麦繊維とを含む、糖質食品用組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、糖質食品用組成物、糖質食品、および糖質食品の作製方法に関する。
イヌリンは、整腸作用等の機能性が認められた水溶性食物繊維であり、様々な食品に添加され、使用されている。これまでに、水溶性食物繊維であるイヌリンを添加した小麦粉食品が報告され、イヌリンと不溶性食物繊維や増粘多糖類等とを併用したパンやケーキ類、麺類等が報告されている。
例えば、特許文献1には、伸展性試験においてドウにした際の最大伸長距離が44mm以上になる粉末状小麦タンパク質A、および伸展性試験においてドウにした際の最大伸長距離が39mm以下になる粉末状小麦タンパク質Bを、粉末状小麦タンパク質A:粉末状小麦タンパク質Bが15:85~85:15の重量比で含む、イヌリン等の難消化性素材を含む低糖質小麦粉食品に対して使用される品質改良剤が記載されている。
例えば、特許文献2には、小麦粉と、難消化性澱粉と、小麦蛋白と、一部ナノファイバー化した食物繊維含有素材とを含有し、小麦粉、難消化性澱粉および小麦蛋白の合計量を100質量部としたとき、イヌリンを2~10質量部含有する麺類が記載されている。
特許文献3には、可消化炭水化物を含む別個の単位のデンプン顆粒、および非消化性保護物質を含む保護食品膜ネットワークを含む改変されたマトリックス構造を有する、パスタ、ヌードル等の低減可消化炭水化物食品であって、食品は、粉および非消化性保護物質を含む生地から作られたパスタ、ヌードルまたは再構成米粒であり、食品は、重量で、a)少なくとも50%の小麦等の粉、およびb)2%~40%の非消化性保護物質であって、(1)(I)カラギーナン等の構造/粘稠発酵性物質、を含み、所望により(II)グルテン等の構造タンパク質ポリマーをさらに含む構造物質、(2)非消化性保護物質の重量の25%~90%のイヌリン等のレオロジー調整剤を含む、低減可消化炭水化物食品が記載されている。
特許文献4には、改変されたマトリックス構造を有する低減可消化炭水化物食物であって、食物は粉および非消化保護物質を含む生地から作られたパスタ、ヌードルまたは再構成米粒であり、重量でa)少なくとも50%の小麦等の粉、およびb)2%~40%の非消化保護物質であって、(1)(I)カラギーナン等の構造/粘稠発酵性物質、を含み、所望により(II)グルテン等の構造タンパク質ポリマーをさらに含む構造物質、(2)非消化性保護物質の重量の少なくとも25%の(i)フルクトオリゴ糖類またはイヌリン、(ii)グリセリン等を含む非消化保護物質を含むレオロジー調整剤を含む、低減可消化炭水化物食品が記載されている。
小麦粉食品や米粉食品等の糖質食品にイヌリンを添加すると、食感がしっとりして、軟らかくなる傾向がある。しっとりして、軟らかくなることによって、食感へ影響が出る他に、食品製造上の作業性や加工適性が悪化したり、その結果として、外観(形状)不良となることがある。また、イヌリンの粉末は、吸湿性が高く、固結し易い素材でもある。
特開2021-010325号公報 特開2019-106970号公報 特許第5728408号公報 特許第5448297号公報
本発明の目的は、高い含有量で食物繊維を含み、食感が良好な糖質食品を得ることができる糖質食品用組成物、糖質食品、および糖質食品の作製方法を提供することにある。
本発明は、イヌリンとオーツ麦繊維とを含む、糖質食品用組成物である。
前記糖質食品用組成物において、前記オーツ麦繊維の平均繊維長は、50~180μmの範囲であることが好ましい。
前記糖質食品用組成物において、前記イヌリンに対する前記オーツ麦繊維の重量比率は、0.2倍~4.0倍の範囲であることが好ましい。
本発明は、糖質食品用材料と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、を含む、糖質食品である。
前記糖質食品において、前記オーツ麦繊維の平均繊維長は、50~180μmの範囲であることが好ましい。
前記糖質食品において、前記イヌリンに対する前記オーツ麦繊維の重量比率は、0.2倍~4.0倍の範囲であることが好ましい。
本発明は、糖質食品用材料と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、を用いる、糖質食品の作製方法である。
前記糖質食品の作製方法において、前記オーツ麦繊維の平均繊維長は、50~180μmの範囲であることが好ましい。
前記糖質食品の作製方法において、前記イヌリンに対する前記オーツ麦繊維の重量比率は、0.2倍~4.0倍の範囲であることが好ましい。
本発明によって、高い含有量で食物繊維を含み、食感が良好な糖質食品を得ることができる糖質食品用組成物、糖質食品、および糖質食品の作製方法を提供することができる。
実施例1~7、比較例1~5で作製した食パンを示す写真である。 実施例8、比較例6,7で作製した米粉パンを示す写真である。 実施例9、比較例8,11で作製したパスタを示す写真である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る糖質食品用組成物は、イヌリンとオーツ麦繊維とを含む組成物である。
上記の通り、小麦粉食品や米粉食品等の糖質食品にイヌリンを添加すると、特に高い含有量(例えば、小麦粉に対して10質量%以上)で添加すると、食感がしっとりして、軟らかくなる傾向がある。本発明者らは、水溶性食物繊維であるイヌリンと、不溶性食物繊維の中でもオーツ麦繊維を併用することによって、高い含有量で食物繊維を含み、食感が良好な糖質食品を得ることができることを見出した。食感がしっとりして、軟らかくなりすぎることが抑制されることによって、食感へ影響が低減される他に、食品製造上の作業性や加工適性が良好となり、その結果として、外観(形状)も良好となる。また、イヌリンをオーツ麦繊維と併用することによって、取り扱いのときにイヌリンの粉末が固結するという問題も解決することができる。
イヌリンは、水溶性食物繊維であり、スクロースのフルクトース側にD-フルクトースがβ-(2→1)結合で順次脱水重合した多糖類であって、グルコースに2分子以上のフルクトースが重合したものであり、2~4分子のフルクトースが重合した低重合度のフルクトオリゴサッカライドも含むものである。イヌリンの重合度は、例えば、10~20の範囲である。イヌリンの重合度は、イオンクロマト法により測定することができる。イヌリンを食品に加えることによって、食品のカロリーを低減することができる。
オーツ麦繊維は、オーツ麦(またはオート麦)から得られる繊維である。オーツ麦は、イネ科カラスムギ属に分類されるえん麦の種子である。オーツ麦には、水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も含まれる(https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=1_01004_7)。本実施形態に係る糖質食品用組成物で用いられるオーツ麦繊維は、オーツ麦から不溶性食物繊維を取り出したものである。
オーツ麦繊維の平均繊維長は、特に制限はないが、50~180μmの範囲であることが好ましく、50μmの方が180μmよりも好ましい。オーツ麦繊維の平均繊維長が50μm未満であると、食品の形状が良好でない場合があり、180μmより大きいと、他の原料との混合が難しくなったり、食品にざらつく食感が出たりする場合がある。オーツ麦繊維の平均繊維長は、一般的な粒度分布測定で測定した平均の繊維長である。
食物繊維は一日あたり約20g以上の摂取が推奨されており、食品100g中6g以上で量が多い旨、3g以上添加することによって強化した旨を表示することができる(消費者庁)。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とを合わせて摂取することは、健康面や栄養面でも有効であることが報告されている。例えば、便秘には、不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1の比率で摂取するのがよいとされている(https://style.nikkei.com/article/DGXDZO14410630Q0A910C1W13000?page=2#:~:text=%E9%A3%9F%E7%89%A9%E7%B9%8A%E7%B6%AD%E3%82%92%E3%81%86%E3%81%BE%E3%81%8F%E3%81%A8%E3%81%A3,%E6%91%82%E5%8F%96%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8C%E3%82%88%E3%81%84%E3%80%8D%E3%80%82)。
本実施形態に係る糖質食品用組成物において、イヌリンに対するオーツ麦繊維の重量比率は、特に制限はないが、0.2倍~4.0倍の範囲であることが好ましく、0.4倍~2.3倍の範囲であることがより好ましく、1倍であることがさらに好ましい。イヌリンに対するオーツ麦繊維の重量比率が0.2倍未満であると、食品の形状や食感が良好でない場合があり、4.0倍を超えると、食品の食感が良好でない場合がある。
本実施形態に係る糖質食品用組成物は、イヌリン、オーツ麦繊維の他に、炭水化物、タンパク質、脂質、水、ミネラル等の他の成分を含んでもよい。
他の成分を含む場合、その含有量は、特に制限はないが、例えば、イヌリンに対する重量比率で、1倍~50倍の範囲であり、好ましくは7倍~20倍の範囲である。
本実施形態に係る糖質食品用組成物は、粉末の形態であってもよいし、粒状に造粒した顆粒の形態であってもよい。
<糖質食品>
本発明の実施形態に係る糖質食品は、糖質食品用材料と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、を含む食品である。また、本発明の実施形態に係る糖質食品は、糖質食品用材料と、イヌリンとオーツ麦繊維とを含む糖質食品用組成物と、を含む食品である。
水溶性食物繊維であるイヌリンと、不溶性食物繊維の中でもオーツ麦繊維を併用することによって、高い含有量で食物繊維を含み、食感が良好な糖質食品を得ることができる。食感がしっとりして、軟らかくなりすぎることが抑制されることによって、食感へ影響が低減される他に、食品製造上の作業性や加工適性が良好となり、その結果として、外観(形状)も良好となる。
糖質食品は、炭水化物食品とも呼ぶことができ、糖質を含む食品である。一般的な定義として、糖質は、炭水化物から食物繊維を除いたものである。糖質食品としては、小麦粉食品、米粉食品、その他の糖質食品である炭水化物食品、菓子類等が挙げられる。
小麦粉食品としては、小麦粉を含む食品であればよく、特に制限はないが、例えば、パン、ホットケーキ、クッキー(例えば、脂質含量19.4~26.8%程度)等のベーカリー食品、パスタ、中華麺等の麺類、餃子、中華まん等の麺皮類、お好み焼き、たこ焼き等の粉もの食品類等が挙げられ、好ましくは、パン、パスタである。
米粉食品としては、米粉を含む食品であればよく、特に制限はないが、例えば、米粉パン、米粉クッキー等のベーカリー食品、米粉パスタ、フォー等の麺類等が挙げられ、好ましくは、米粉パン、米粉パスタである。
パンまたは米粉パンとしては、食パン、フランスパン、菓子パン、テーブルロール、クロワッサン、デニッシュ、蒸しパン、ベーグル等が挙げられる。
麺類としては、穀粉から得た生地を細長く成形した食品であればよく、特に制限はないが、中華麺、パスタ、うどん、そば、素麺、冷麦、春雨、ビーフン、フォー等が挙げられる。麺類の形態としては、生麺類、乾麺類、即席麺類、冷凍麺類等が挙げられる。
その他の糖質食品である炭水化物食品、菓子類としては、こし餡(例えば、脂質含量0.3%程度)、つぶ餡等の脂質含量の低い(例えば、脂質含量30%未満)炭水化物食品、菓子類等や、チョコレート(例えば、脂質含量33.8~36%程度)等の脂質含量の高い(例えば、脂質含量30%以上)炭水化物食品、菓子類等が挙げられ、好ましくは、こし餡、つぶ餡である。
糖質食品中の脂質含量が多い場合、イヌリンを添加すると食感がしっとりして軟らかくなるという問題に対しては、脂質の融点等が最も影響を与えると予想される。
糖質食品に含まれるオーツ麦繊維の平均繊維長は、特に制限はないが、50~180μmの範囲であることが好ましく、50μmの方が180μmよりも好ましい。糖質食品に含まれるオーツ麦繊維の平均繊維長が50μm未満であると、食品の形状が良好でない場合があり、180μmより大きいと、他の原料との混合が難しくなったり、食品にざらつく食感が出たりする場合がある。
糖質食品中のイヌリンの含有量は、特に制限はないが、例えば、糖質食品全体の質量に対して50%以下であり、2%~10%の範囲であることが好ましい。糖質食品中のイヌリンの含有量が糖質食品全体の質量に対して2%未満であると、食品中の食物繊維含量が低くなる場合があり、50%を超えると、食品の製造が著しく困難になったり、食品の形状や食感が良好でなかったりする場合がある。
糖質食品に含まれるイヌリンに対するオーツ麦繊維の重量比率は、特に制限はないが、0.2倍~4.0倍の範囲であることが好ましく、0.4倍~2.3倍の範囲であることがより好ましく、1倍であることがさらに好ましい。糖質食品に含まれるイヌリンに対するオーツ麦繊維の重量比率が0.2倍未満であると、食品の形状や食感が良好でない場合があり、4.0倍を超えると、食品の食感が良好でない場合がある。
糖質食品中の食物繊維の含有量は、特に制限はないが、例えば、食品100g中3g以上であり、好ましくは6g以上である。
糖質食品用材料としては、特に制限はないが、小麦、大麦、ライ麦等の麦類、米、そば、とうもろこし、豆類、芋類、木の実等の穀物を粉にした穀粉等が挙げられる。穀粉としては、特に制限はないが、小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉、そば粉、片栗粉、とうもろこし粉、大豆粉等が挙げられる。糖質食品用材料は、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。穀粉としては、一般的に小麦粉や米粉が用いられる。
小麦粉としては、小麦を粉にしたものであればよく、特に制限はないが、例えば、普通小麦から得られる薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉、超強力粉等の普通小麦粉、加熱処理等を施した加工小麦粉や、デュラム小麦から得られるデュラム粉、デュラムセモリナ等が挙げられる。小麦粉は、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
米粉としては、米を粉にしたものであればよく、特に制限はないが、例えば、うるち米粉、もち米粉等が挙げられる。米粉は、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る糖質食品は、上記糖質食品用材料、イヌリン、オーツ麦繊維の他に、一般的に糖質食品に用いられる食品素材、食品添加物等を含んでもよい。
例えば、パンは、小麦粉、米粉、他の穀粉、イヌリン、オーツ麦繊維の他に、例えば、イースト、卵成分、乳成分、塩類、糖類、油脂、乳化剤、ビタミンC、酵素等の一般的にパンに用いられる他の成分を含んでもよい。
例えば、米粉パンは、米粉、小麦粉、他の穀粉、イヌリン、オーツ麦繊維の他に、例えば、イースト、卵成分、乳成分、塩類、糖類、油脂、乳化剤、ビタミンC、酵素等の一般的に米粉パンに用いられる他の成分を含んでもよい。
パン、米粉パンにおいて、その他の成分の配合量は、各種パン類の製造の常法に従えばよく、特に制限はない。
イーストとしては、特に制限はなく、例えば、ドライイースト、生イースト、インスタントドライイースト等が挙げられる。イーストは、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。イーストの含有量は、特に制限はなく、例えば、小麦粉の質量に対して、0.05~30質量%の範囲である。
卵成分としては、卵黄、卵白、全卵、乾燥卵白等が挙げられる。卵成分は、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。卵成分の含有量は、特に制限はなく、例えば、小麦粉の質量に対して、10~100質量%の範囲である。
乳成分としては、牛乳、脱脂粉乳等が挙げられる。乳成分は、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。乳成分の含有量は、特に制限はなく、例えば、小麦粉の質量に対して、30~150質量%の範囲である。
塩類としては、食塩、有機酸塩、無機塩等が挙げられる。塩類は、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩類の含有量は、特に制限はなく、例えば、小麦粉の質量に対して、0.1~10質量%の範囲である。
糖類としては、砂糖、麦芽糖、トレハロース、デキストリン等が挙げられる。糖類は、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。糖類の含有量は、特に制限はなく、例えば、小麦粉の質量に対して、0.1~30質量%の範囲である。
油脂としては、バター、マーガリン、ショートニング等が挙げられる。油脂は、これらのうち1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。油脂の含有量は、特に制限はなく、例えば、小麦粉の質量に対して、0.1~10質量%の範囲である。
例えば、麺類は、小麦粉、米粉、他の穀粉、イヌリン、オーツ麦繊維の他に、食塩、かんすい、増粘多糖類、加工デンプン等の他の成分を含んでもよい。
麺類において、その他の成分の配合量は、各種麺類の製造の常法に従えばよく、特に制限はない。
例えば、こし餡、つぶ餡は、餡、イヌリン、オーツ麦繊維の他に、小豆、いんげん豆等の豆類、砂糖、澱粉等の糖類、食塩等の塩類、栗、抹茶等の他の成分を含んでもよい。
こし餡、つぶ餡において、その他の成分の配合量は、こし餡、つぶ餡の製造の常法に従えばよく、特に制限はない。
本実施形態に係る糖質食品は、高い含有量で食物繊維を含み、食感が良好な糖質食品である。
<糖質食品の作製方法>
本発明の実施形態に係る糖質食品の作製方法は、糖質食品用材料と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、を用いる方法である。また、本発明の実施形態に係る糖質食品の作製方法は、糖質食品用材料と、イヌリンとオーツ麦繊維とを含む糖質食品用組成物と、を用いる方法である。
例えば、糖質食品用材料と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、水とを混合し、撹拌して生地を作製し、この生地を用いて糖質食品を作製すればよい。また、例えば、糖質食品用材料と、イヌリンとオーツ麦繊維とを含む糖質食品用組成物と、水とを混合し、撹拌して、生地を作製し、この生地を用いて糖質食品を作製すればよい。
例えば、パンは、例えば、小麦粉と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、水と、イースト(酵母)と、必要に応じて米粉や他の穀粉と、卵成分、乳成分、塩類、糖類、油脂等の通常パンの製造で使用される成分と、を混合し、混捏することによってパン用生地を作製し、所定の温度、時間で、焼成装置で焼成することによって作製すればよい。
例えば、米粉パンは、例えば、米粉と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、水と、イースト(酵母)と、必要に応じて小麦粉や他の穀粉と、卵成分、乳成分、塩類、糖類、油脂等の通常パンの製造で使用される成分と、を混合し、混捏することによって米粉パン用生地を作製し、所定の温度、時間で、焼成装置で焼成することによって作製すればよい。
例えば、麺類は、小麦粉または米粉と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、水と、必要に応じて通常麺類の製造で使用される成分と、を混合し、混合した原料を、製麺機等を用いて圧延して製麺した後、切出して得ることができる。切出した麺を茹でた後、急速冷凍を行い、冷凍麺としてもよい。切出した麺を乾燥して乾燥麺としてもよい。
例えば、こし餡、つぶ餡は、餡と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、必要に応じて通常こし餡やつぶ餡の製造で使用される成分と、を混合することによって得ることができる。
水としては、特に制限はないが、水道水、純水、軟水、硬水等が挙げられる。
本実施形態に係る糖質食品の作製方法において、オーツ麦繊維の平均繊維長は、特に制限はないが、50~180μmの範囲であることが好ましく、50μmの方が180μmよりも好ましい。用いるオーツ麦繊維の平均繊維長が50μm未満であると、食品の形状が良好でない場合があり、180μmより大きいと、他の原料との混合が難しくなったり、食品にざらつく食感が出たりする場合がある。
本実施形態に係る糖質食品の作製方法において、イヌリンに対するオーツ麦繊維の重量比率は、特に制限はないが、0.2倍~4.0倍の範囲であることが好ましく、0.4倍~2.3倍の範囲であることがより好ましく、1倍であることがさらに好ましい。イヌリンに対するオーツ麦繊維の重量比率が0.2倍未満であると、食品の形状や食感が良好でない場合があり、4.0倍を超えると、食品の食感が良好でない場合がある。
本実施形態に係る糖質食品の作製方法によって、高い含有量で食物繊維を含み、食感が良好な糖質食品を得ることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1~7、比較例1~5>
[食パンの作製]
表1に示す配合比(質量部)で、下記方法で食パンを作製した。焼成後の食パンの質量の測定を行い、食パン中の繊維含量(質量%)を算出した。また、焼成後の食パンの体積(cc)を、レーザー体積計(SMS社製、Volscan Profiler 300)を用いて測定し、外観(形状、色)、風味、食感を下記基準で評価した。官能評価は、7名のパネラーによる評価の平均値である。結果を表2に示す。また、作製した食パンの写真を図1に示す。
なお、使用した原料の繊維含量は、以下の通りである。
小麦粉(強力粉)2.7% 日本食品標準成分表(八訂)参照
こし餡6.8% 日本食品標準成分表(八訂)参照
イヌリン94.0%
オーツ麦繊維90.0%
ふすま粉40.0%
シトラス繊維85.0%
(1)表1に示す組成で各原料を混合し、ホームベーカリーの早焼きモードにて製パンした(約2時間)。
(2)常温(25℃±5℃)にて2時間、放冷した。得られた食パンの体積(cc)を測定した後、20mm厚にスライスし、官能評価を行った。
[官能評価基準]
(外観(形状・色))
5:非常に良い
4:良い
3:普通
2:悪い(違和感を感じる)
1:非常に悪い
(風味)
5:非常に良い
4:良い
3:普通
2:悪い(違和感を感じる)
1:非常に悪い
(食感)
5:非常に良い
4:良い
3:普通
2:悪い(違和感を感じる)
1:非常に悪い
実施例の食パンは、外観(形状、色)、風味、食感ともに良好であった。オーツ麦繊維以外の不溶性食物繊維として、ふすま粉(小麦の外皮部分)を用いた場合(比較例4)は、着色(褐色)があり、ふすま粉は粒が粗く、風味、食感も悪かった。ふすま粉は繊維含量が低く、添加量が多くなってしまう。シトラス繊維を用いた場合(比較例3)は、やや酸っぱくなり、風味に影響があった。また、パンの形状が悪く、加工適性が劣っていた。オーツ麦繊維を単独で用いた場合(比較例5)は、食感が硬くなった。ただし、比較例5においては、加水量の調整によって課題を解決できる可能性が示唆された。一方、イヌリンとオーツ麦繊維とを併用することによって、加水量の調整を行わなくてもよく、これら比較例の課題を解決できる。イヌリン、オーツ麦繊維を用いない場合(比較例1)は、繊維含量が低い。
<実施例8、比較例6,7>
[米粉パンの作製]
表3に示す配合比(質量部)で、下記方法で米粉パンを作製した。焼成後の米粉パンの質量の測定を行い、米粉パン中の繊維含量(質量%)を算出した。また、焼成後の米粉パンの体積(cc)を測定し、外観(色)、風味、食感を下記基準で評価した。官能評価は、7名のパネラーによる評価の平均値である。結果を表4に示す。また、作製した米粉パンの写真を図2に示す。
(1)表3に示す組成で各原料を混合し、ホームベーカリーの米粉パンモードにて製パンした(約2時間)。
(2)常温(25℃±5℃)にて2時間、放冷した。得られた米粉パンの体積(cc)を測定した後、20mm厚にスライスし、官能評価を行った。
[官能評価基準]
(外観(色))
3:通常のパン(小麦粉を使った食パン)に近い色
2:通常の米粉パンに近い色
1:悪い
(風味)
3:通常のパン(小麦粉を使った食パン)に近い風味
2:通常の米粉パンに近い風味
1:悪い
(食感)
3:通常のパン(小麦粉を使った食パン)に近い食感
2:通常の米粉パンに近い食感
1:悪い
実施例の米粉パンは、外観(色)、風味、食感ともに良好であった。オーツ麦繊維以外の不溶性食物繊維として、ふすま粉(小麦の外皮部分)を用いた場合(比較例7)は、外観(色)、風味、食感ともに劣っていた。米粉パンは小麦粉を含まないグルテンフリーのパンであるが、ふすま粉は小麦アレルゲンを含む。イヌリン、オーツ麦繊維を用いない場合(比較例6)は、繊維含量が低い。
<実施例9,10、比較例8~11>
[パスタの作製]
表5に示す配合比(質量部)で、下記方法でパスタを作製した。パスタ中の繊維含量(質量%)を算出した。また、パスタの加工適性、外観(色)、食感を下記基準で評価した。官能評価は、7名のパネラーによる評価の平均値である。結果を表6に示す。また、作製したパスタ(実施例9、比較例8,11)の写真を図3に示す。
(1)表5に示す組成で各原料を混合し、パスタマシン(不二精機製、小型パスタ機II)を用いて、1.1mm×6.5mmに押出製麺を行った。約30cmにカットしてパスタを得た。
(2)得られたパスタを沸騰した湯の中で3分間茹でて、氷水で冷却後、ブラストチラー(ニチワ電機製、NBC-610RH)を用いて-40℃で60分間、急速冷凍を行い、冷凍パスタとした。
(3)冷凍パスタを電子レンジで解凍して、加工適性、外観(色)、食感を評価した。
[官能評価基準]
(加工適性)
3:良い
2:どちらでもない
1:悪い
(外観(色))
3:通常のパスタと同じ
2:通常のパスタに近い
1:通常のパスタと異なる
(食感)
3:通常のパスタと同じ
2:通常のパスタに近い
1:通常のパスタと異なる
実施例のパスタは、加工適性、外観(色)、食感ともに良好であった。オーツ麦繊維以外の不溶性食物繊維として、ふすま粉(小麦の外皮部分)を用いた場合(比較例11)は、加工適性、外観(色)、食感ともに劣っていた。イヌリン、オーツ麦繊維を用いない場合(比較例8)は、繊維含量が低い。
<実施例11、比較例12~14>
[こし餡の作製]
表7に示す配合比(質量部)で、下記方法でこし餡を作製した。こし餡中の繊維含量(質量%)を算出した。また、こし餡の作業性、食感(口当たり、かたさ)を下記基準で評価した。官能評価は、7名のパネラーによる評価の平均値である。結果を表8に示す。
(1)表7に示す組成で各原料をボウル内で混合して、こし餡を作製した。
[官能評価基準]
(作業性)
3:良い
2:どちらでもない
1:悪い
(食感(口当たり))
3:非常に良い
2:良い
1:普通
(食感(かたさ))
3:通常のこし餡と同じ
2:通常のこし餡に近い
1:通常のこし餡と異なる
実施例のこし餡は、作業性、食感(口当たり、かたさ)ともに良好であった。イヌリン、オーツ麦繊維を用いない場合(比較例12)は、繊維含量が低い。
<実施例12、比較例15,16>
[粉末状態での固結試験]
表9に示す配合比(質量部)で、下記方法で粉末試料を作製した。また、粉末試料の固結状態を下記基準で評価した。官能評価は、7名のパネラーによる評価の平均値である。結果を表10に示す。
(1)表9に示す組成で各原料を混合し、粉末試料を作製した。
(2)得られた粉末試料をφ40mm×7mm厚のプラスチック容器に充填し、加湿した40℃の恒温槽に24時間静置した。
[官能評価基準]
(固結状態)
3:全く固まっていない(サラサラしている)
2:固まっているが、崩せる
1:完全に固結(または潮解)しており、崩せない
実施例の粉末試料は、多少固まっていたものの、十分に崩せる状態であった。イヌリンのみの場合(比較例15)は、潮解したような状態で、完全に固まったまま、全く崩れなかった。
以上の通り、実施例の糖質食品用組成物によって、高い含有量で食物繊維を含み、食感が良好な糖質食品を得ることができた。

Claims (9)

  1. イヌリンとオーツ麦繊維とを含むことを特徴とする糖質食品用組成物。
  2. 請求項1に記載の糖質食品用組成物であって、
    前記オーツ麦繊維の平均繊維長は、50~180μmの範囲であることを特徴とする糖質食品用組成物。
  3. 請求項1または2に記載の糖質食品用組成物であって、
    前記イヌリンに対する前記オーツ麦繊維の重量比率は、0.2倍~4.0倍の範囲であることを特徴とする糖質食品用組成物。
  4. 糖質食品用材料と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、を含むことを特徴とする糖質食品。
  5. 請求項4に記載の糖質食品であって、
    前記オーツ麦繊維の平均繊維長は、50~180μmの範囲であることを特徴とする糖質食品。
  6. 請求項4または5に記載の糖質食品であって、
    前記イヌリンに対する前記オーツ麦繊維の重量比率は、0.2倍~4.0倍の範囲であることを特徴とする糖質食品。
  7. 糖質食品用材料と、イヌリンと、オーツ麦繊維と、を用いることを特徴とする糖質食品の作製方法。
  8. 請求項7に記載の糖質食品の作製方法であって、
    前記オーツ麦繊維の平均繊維長は、50~180μmの範囲であることを特徴とする糖質食品の作製方法。
  9. 請求項7または8に記載の糖質食品の作製方法であって、
    前記イヌリンに対する前記オーツ麦繊維の重量比率は、0.2倍~4.0倍の範囲であることを特徴とする糖質食品の作製方法。
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