JP7295583B2 - ペリレン系黒色顔料微粒子、その製造方法、それを含む黒色顔料組成物、並びに色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法 - Google Patents

ペリレン系黒色顔料微粒子、その製造方法、それを含む黒色顔料組成物、並びに色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ペリレン系黒色顔料微粒子、その製造方法、それを含む黒色顔料組成物、並びに色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法に関する。
黒色顔料として、従来、カーボンブラック、ペリレン系黒色顔料等が使用されている。カーボンブラックは、黒色顔料として最も広く使用されており、高い着色力を有し、黒色度、耐酸性及び耐候性に優れている。しかし、カーボンブラックは、電気抵抗が低いため、液晶カラーフィルター用ブラックマトリックス及びブラックカラムスペーサーの様な高抵抗が要求される用途への適用が困難である(特許文献1)。更に、フォトリソグラフィー法を用いてガラス基板上にブラックマトリックス又はブラックカラムスペーサーを形成する際、カーボンブラックは近赤外領域における光透過率が低いために、アライメントを行うことが困難という問題もある(特許文献2)。
このようにカーボンブラックには問題があるため、特許文献2~4では、カーボンブラックとペリレン系黒色顔料とを組み合わせて用いる方法が提案されている。
一方、ペリレン系顔料は、堅牢な顔料として広く用いられており、固体状態で赤-すみれ-茶-黒色を呈するが、その色調は熱的に必ずしも安定なものではない(特許文献1)。そこで、特許文献1では、ペリレンテトラカルボン酸のジイミド誘導体、ペリレンジイミノジカルボン酸のジイミド誘導体から選択される少なくとも1種の化合物を、真空中又は不活性ガス雰囲気下で200~600℃の温度で焼成して得られるペリレン系黒色顔料が提案されている。しかし、実施例1で、500℃で1時間焼成したブチル基を有するペリレン系黒色顔料を調製しているが、実施例1のペリレン系黒色顔料は、比較例1の未焼成のペリレン系黒色顔料と比較して、耐候性及び耐熱性が優れているものの、色調に関しては、黒色度及び着色力が改善されていない。
特開2003-041144号公報 特開2012-068613号公報 特開平10-219167号公報 特開2012-212051号公報
上記の通り、ペリレン系顔料の色調は熱的に必ずしも安定なものではない。特許文献1では、焼成することによって、黒色度と着色力が高く、耐熱性と耐候性が優れたペリレン系黒色顔料を調製することが試みられたが、色調に関しては、黒色度及び着色力が改善されていない。また、代表的なペリレン系黒色顔料であるC.I.Pigment Black 31とC.I.Pigment Black 32は、520nm近傍に光吸収の谷間があるため、色調は緑色を帯びており、いわゆる黒らしい黒からは程遠いものである。
更に、ペリレンイミドに分類される化合物は、元来、結晶成長を起こしやすい性質を有し、顔料化の際に針状結晶になりやすい傾向がある。そのため、分散性が悪く、ペーストの様な顔料組成物を形成する際に成型が困難という問題がある。また、顔料粒子のパッキングが疎になり、隙間が生じることで隠蔽性が低下し、黒色度が不十分となり、表示装置に用いた場合に表示品質が劣る。
特に、市場での競争が激しいスマートフォン等の民生機器の表示装置においては、商品差別化のため、表示品質に対する要求の一つとして、黒色における色味を正確に制御することが求められている。そこで、カーボンブラックに替えて、電気抵抗の問題が無いペリレン系黒色顔料を表示装置の黒色顔料として用いた場合、上記の通り、色調の精密な制御が困難であるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、隠蔽性及び遮光性が高く、色相及び彩度が制御されたペリレン系黒色顔料を提供することにある。また、本ペリレン系黒色顔料を簡便に製造する方法等を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究した結果、平均円形度が0.8以上であり、非晶質であることを特徴とするペリレン系黒色顔料微粒子を用いて、条件を変えて熱処理を行うことで、色相及び/又は彩度を制御することができ、隠蔽性及び遮光性が高く、色相及び彩度が制御されたペリレン系黒色顔料を製造することができることを見出して、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]本発明の第1の態様は、平均円形度が0.8以上であり、非晶質であることを特徴とするペリレン系黒色顔料微粒子である。
[2]本発明の第2の態様は、平均一次粒子径が80nm以下であることを特徴とする、[1]に記載のペリレン系黒色顔料微粒子である。
[3]本発明の第3の態様は、ペリレン系黒色顔料を溶解させた顔料溶液と、前記顔料溶液からペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒とを混合して、ペリレン系黒色顔料微粒子を生成させる工程を含み、
前記顔料溶液と前記析出溶媒のうち、少なくとも一方に独立してアルカリ土類金属の塩及び/又は粒子成長抑制剤が含まれることを特徴とする、[1]又は[2]に記載のペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法である。
[4]本発明の第4の態様は、前記アルカリ土類金属がカルシウムであることを特徴とする、[3]に記載の製造方法である。
[5]本発明の第5の態様は、前記顔料溶液と前記析出溶媒との混合を、接近および離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面間に導入することで形成される薄膜流体中で行うことを特徴とする、[3]又は[4]に記載のペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法である。
[6]本発明の第6の態様は、[1]又は[2]に記載のペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物である。
[7]本発明の第7の態様は、[1]若しくは[2]に記載のペリレン系黒色顔料微粒子、又は[6]に記載の黒色顔料組成物に熱処理を行うことによる、色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子、又は当該ペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物の製造方法である。
[8]本発明の第8の態様は、前記熱処理の時間及び/又は温度を制御することで、色相及び/又は彩度を制御する、[7]に記載の、ペリレン系黒色顔料微粒子、又は当該ペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物の製造方法である。
本発明のペリレン系黒色顔料微粒子を用いて、条件を変えて熱処理を行うことで、色相及び/又は彩度を制御することができ、隠蔽性及び遮光性が高く、色相及び彩度が制御されたペリレン系黒色顔料を製造することができる。これによって、表示装置における表示品質に対する市場の要求に応えることが可能となる。
色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子は、高い隠蔽性及び遮光性、が要求される様々な用途、例えば、インキ、塗料、インクジェット用インキ、電子写真用トナー、ゴム・プラスティック用の着色顔料、更には高い抵抗値が要求される液晶カラーフィルター用ブラックマトリックス及びブラックカラムスペーサー等の用途に用いることができる。
また、色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子を製造するために用いられる本発明のペリレン系黒色顔料微粒子は、アルカリ土類金属の塩及び/又は粒子成長抑制剤を添加するとの比較的簡便な処理で製造することができる。
実施例1のペリレン系黒色顔料微粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 比較例1のペリレン系黒色顔料微粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 実施例1のペリレン系黒色顔料微粒子のX線回折の測定結果を示す図である。 表3に示したa及びbをCIE-Lab表色系色度図にプロットした図である。
1.ペリレン系黒色顔料微粒子
本発明のペリレン系黒色顔料微粒子は、平均円形度が0.8以上であり、非晶質であることを特徴とする。
本発明において使用するペリレン系黒色顔料としては、ペリレン骨格を有する黒色顔料が挙げられ、具体的には、例えば特許文献1及び特表2007-522297等に記載されたペリレン系黒色顔料が挙げられる。好ましいペリレン系黒色顔料として、市販され広く用いられているC.I.Pigment Black 31、C.I.Pigment Black 32等のペリレンイミド系黒色顔料が挙げられる。
円形度は、微粒子の画像において微粒子を楕円に近似させて、その楕円の長径(A)、周囲長(L)、面積(S)を用いて、後述の通り、測定される。完全な球形であれば、円形度は1になる。本発明のペリレン系黒色顔料微粒子の平均円形度は、0.8以上であり、好ましくは0.85以上であり、より好ましくは0.9以上である。
本発明のペリレン系黒色顔料微粒子は、平均円形度が0.8以上であるため、球形に近く、各々の微粒子間の距離が均一化され、微粒子間の隙間が生じにくく、隠蔽性が高い。なお、本発明においては全ての粒子の円形度が前記範囲にある必要はなく、平均値である平均円形度が前記範囲内であればよい。
ペリレン系黒色顔料微粒子の結晶性は、後述の通り、X線回折(XRD)測定で確認することができる。非晶質であることは、X線回折測定でピークが観測されないことで確認される。例えば、図3に実施例1のペリレン系黒色顔料微粒子のX線回析測定の結果を示すが、ピークが観測されていないために、非晶質であると判断される。
本発明のペリレン系黒色顔料微粒子の平均一次粒子径は、パッキングが密になり、隠蔽性を向上させ、遮光性が高い黒色顔料組成物を提供する観点から、80nm以下が好ましく、また顔料分散の容易性の観点から、5nm以上が好ましい。より好ましい平均一次粒子径としては、10~70nmの範囲が挙げられ、更に好ましくは20~60nmの範囲が挙げられ、特に好ましくは30~55nmの範囲が挙げられる。平均一次粒子径がこれらの範囲にあることによって、ペリレン系黒色顔料微粒子のパッキングがより密になり、隠蔽性が一層向上し、遮光性がより高い黒色顔料組成物を提供することができる。なお、本発明においては全ての粒子の一次粒子径が前記範囲にある必要はなく、平均値である平均一次粒子径が前記範囲内であればよい。
2.ペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法
本発明のペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法は、ペリレン系黒色顔料を溶解させた顔料溶液と、前記顔料溶液からペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒とを混合して、ペリレン系黒色顔料微粒子を生成させる工程を含み、前記顔料溶液と前記析出溶媒のうち、少なくとも一方に独立してアルカリ土類金属の塩及び/又は粒子成長抑制剤が含まれることを特徴とするペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法である。
ペリレン系黒色顔料を溶解させた顔料溶液としては、例えば、ペリレン系黒色顔料をアルカリ存在下で非プロトン性有機溶媒に溶解した溶液が挙げられる。
非プロトン性有機溶媒としては、ペリレン系黒色顔料を溶解するものであれば、いかなるものでも使用可能である。具体的には、例えば、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトン又はアセトニトリル、テトラヒドロフラン、γ-ブチロラクトン等が挙げられ、好ましくは、N-メチルピロリドン等が挙げられる。これらの溶媒は1種類単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
ペリレン系黒色顔料を可溶化するアルカリとしては、本発明の目的を達成できるものであればいかなるものでも使用できる。具体的には、例えば、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属のアルコキシド、第四級アンモニウムの水酸化物等が挙げられる。好ましくは、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の第四級アンモニウムの水酸化物が挙げられ、例えば、メタノール溶液等の形で市販されているものは取り扱いが容易であり、好適に用いられる。これらのアルカリは、1種類単独で、又は2種類以上を混合して用いることができる。
顔料溶液中のペリレン系黒色顔料の濃度としては、例えば、0.2~10重量%が挙げられ、好ましくは0.5~5重量%が挙げられ、より好ましくは1~3重量%が挙げられる。
顔料溶液からペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒としては、例えば、ペリレン系黒色顔料の溶解度が低い溶媒が挙げられる。具体的には、例えば、水、親水性有機溶媒と水の混合溶媒、水混和性の有機溶媒と水の混合溶媒等の水性溶媒が挙げられる。親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール、アセトン等のケトン、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド、酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。好ましくは、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール等が挙げられる。水混和性の有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル等が挙げられる。好ましい析出溶媒としては、水が挙げられる。析出溶媒には、必要に応じて分散剤又はアルカリを中和させるための酸を溶解させてもよい。有機溶媒は、例えば、分散剤等を均一に溶解するために水のみでは不十分な場合、流路中を流通するのに必要な粘性を得るのに水のみでは不十分な場合などに添加することができる。
混合時の顔料溶液と析出溶媒の体積比は、顔料溶液中のペリレン系黒色顔料の濃度、及び析出溶媒と顔料溶液が混合した混合液におけるペリレン系黒色顔料の溶解度に応じて、適宜、変更して調整することができる。顔料溶液と析出溶媒の体積比としては、例えば、1:100~1:1が挙げられ、好ましくは1:40~1:2が挙げられ、より好ましくは1:20~1:4が挙げられ、更に好ましくは1:15~1:5が挙げられる。
前記顔料溶液と前記析出溶媒の少なくとも一方に、アルカリ土類金属の塩及び/又は粒子成長抑制剤が含まれる。後述の各比較例に記載の通り、アルカリ土類金属の塩、粒子成長抑制剤のいずれも添加しない場合、析出したペリレン系黒色顔料微粒子の円形度は0.5程度と低く、粒子径も大きい。
アルカリ土類金属の塩としては、具体的には、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム等の塩が挙げられ、好ましくはカルシウムの塩が挙げられる。塩としては、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等の無機塩、酢酸、メタンスルホン酸等の有機酸の塩が挙げられる。後述の比較例2と3に記載の通り、硝酸ナトリウム又は硝酸カリウムのようなアルカリ金属の塩を添加した場合、析出したペリレン系黒色顔料微粒子の円形度が0.5程度と低く、粒子径も大きい。しかし、後述の実施例1~8に記載の通り、アルカリ土類金属の塩を添加した場合、析出したペリレン系黒色顔料微粒子は、円形度が0.85以上であり、粒子径も80nm以下とすることができた。このように、アルカリ土類金属の塩を添加することで、ペリレン系黒色顔料微粒子の円形度を顕著に高くすることができ、また粒子径を顕著に小さくすることができる。
アルカリ土類金属の塩は、顔料溶液と析出溶媒のいずれか一方、又は双方に添加することができる。好ましくは、析出溶媒に添加される。アルカリ土類金属の塩を析出溶媒に添加する場合、析出溶媒中のアルカリ土類金属の塩の濃度としては、例えば、0.05~5重量%が挙げられ、好ましくは0.1~2重量%が挙げられ、より好ましくは0.2~1重量%が挙げられる。
粒子成長抑制剤は、疎水性基と親水性基とを有する化合物であって、ペリレン系黒色顔料分子の炭素骨格に親和性を有し、析出時に成長速度を低下させる疎水性基と、析出溶媒中で顔料微粒子を安定化させる親水性基とを有する化合物である。
ペリレン系黒色顔料分子の炭素骨格に親和性を有し、析出時に成長速度を低下させる疎水性基の好ましい例として、脂肪族基、アリール基等が挙げられる。脂肪族基は、その脂肪族部位が直鎖、分岐鎖または環状であって、飽和および不飽和のいずれであってもよく、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基を含み、無置換であっても置換基で置換されていてもよい。また、アリール基は、単環および縮合環のいずれでもよく、例えばフェニル基、ナフチル基が含まれ、無置換であっても置換基で置換されていてもよい。
析出溶媒中で顔料微粒子を安定化させる親水性基としては、本発明の目的を達成できるものであればいかなるものでも使用可能であるが、好ましい例として、アミノ基、アンモニウム基、水酸基、カルボキシル基またはその共役塩基等が挙げられる。
具体的には、例えば、オクチルアミン、ヘキサデシルアミン等のC~C20アルキルアミン等の脂肪族アミン、オレイルアミン等のC~C20アルケニルアミン等の不飽和脂肪族アミン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩等のC~C20アルキルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩、オクタノール、ヘキサデカノール等のC~C20アルカノール等の脂肪族アルコール、及びラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム等のC~C20アルカン酸塩等の脂肪酸塩等が挙げられる。
また、上記親水性基は加水分解等の化学反応の結果、親水性を有する構造に変化するものであってもよい。具体的な粒子成長抑制剤としては、アルキルアルコキシシラン、アリールアルコキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられ、例えば、ドデシルトリメトキシシラン、トリメトキシフェニルシラン等が挙げられる。
後述の実施例9~16に記載の通り、粒子成長抑制剤を添加した場合、析出したペリレン系黒色顔料微粒子は、円形度が0.88以上であり、粒子径も80nm以下とすることができた。このように、粒子成長抑制剤を添加することで、ペリレン系黒色顔料微粒子の円形度を顕著に高くすることができ、また粒子径を顕著に小さくすることができる。
粒子成長抑制剤は顔料溶液と析出溶媒のいずれか一方、又は双方に添加することができる。好ましくは、顔料溶液に添加される。粒子成長抑制剤を顔料溶液に添加する場合、顔料溶液中の粒子成長抑制剤の濃度としては、例えば、0.01~5重量%が挙げられ、好ましくは0.05~2重量%が挙げられ、より好ましくは0.1~1重量%が挙げられる。
顔料溶液と析出溶媒との混合は、好ましくは、接近及び離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面間に流体を導入することで形成される薄膜流体中で行われる。具体的には、特開2010-189661に示されている、エム・テクニック株式会社製の強制薄膜式マイクロリアクターを用いることが挙げられる。
ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させる際の条件に特に制限はない。析出時の圧力としては、例えば、常圧から亜臨界、超臨界条件の範囲を選択できる。また、温度としては、例えば、-30~100℃が挙げられ、好ましくは-10~60℃が挙げられ、より好ましくは0~30℃が挙げられる。析出後の混合液中のペリレン系黒色顔料微粒子の濃度は、特に制限されないが、例えば、混合液1000mLに対してペリレン系黒色顔料微粒子が10~40000mgの範囲であり、好ましくは50~20000mgの範囲であり、より好ましくは100~10000mgの範囲である。
3.黒色顔料組成物
本発明のペリレン系黒色顔料微粒子は、黒色顔料組成物に配合して用いることができる。黒色顔料組成物に含まれる他の成分は、用いられる黒色顔料組成物の用途ごとに異なり、その用途ごとに通常用いられる成分が挙げられる。また、常法に従ってこれらの成分と混合することで黒色顔料組成物を製造することができる。具体的な用途としては、例えば、インキ、塗料、インクジェット用インキ、電子写真用トナー、ゴム・プラスティック用の着色顔料、更には高い抵抗値が要求される液晶カラーフィルター用ブラックマトリックス及びブラックカラムスペーサー等の用途が挙げられる。
4.色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子等の製造方法
本発明のペリレン系黒色顔料微粒子、又は本発明のペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物に熱処理を行うことで、色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子、又は当該ペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物を製造することができる。
例えば、本発明のペリレン系黒色顔料微粒子を、懸濁液の状態で熱処理を施すことで、非晶質のペリレン系黒色顔料微粒子の結晶化を促進させて、その色相及び/又は彩度を調整することができる。懸濁液に用いる溶媒としては、例えば、水が挙げられ、好ましくは、ペリレン系黒色顔料微粒子の凝集を抑制するために塩類を除去したイオン交換水が挙げられる。熱処理において、ペリレン系黒色顔料微粒子の表面に吸着して保護剤となりうる物質、例えば界面活性剤等を水に共存させて処理を行うことが好ましい。これらの物質によって、凝集及び粒子成長を抑制することができる。
熱処理の温度としては、目的とする色相及び/又は彩度に応じて、適宜選択されるが、オートクレーブ等の封缶を使用することで水の沸点以上の温度で処理することが好ましい。具体的な温度としては、例えば、100~400℃が挙げられ、好ましくは120~300℃が挙げられ、より好ましくは150~250℃が挙げられる。また、熱処理の時間としては、目的とする色相及び/又は彩度に応じて、適宜選択されるが、例えば、10分~5時間が挙げられ、好ましくは20分~2時間が挙げられ、より好ましくは30分~1時間半が挙げられる。後述の実施例に記載の通り、150~200℃で1時間の熱処理を行うことで、色相及び/又は彩度を明確に調整することができる。特許文献1では500℃で1時間の熱処理を行い、黒色度及び着色力が変化していないことからは、本発明における熱処理の効果は当業者には予測することができない顕著な効果である。
以上、本発明のペリレン系黒色顔料微粒子の熱処理について説明したが、本発明のペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物に対しても同様に熱処理を行うことで、含まれる本発明のペリレン系黒色顔料微粒子の色相及び/又は彩度を制御することができる。
5.色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子
上記4で製造される色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子は、例えば黒色顔料組成物に配合して、黒色顔料組成物として用いることができる。また、上記4で製造される色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物も、そのまま黒色顔料組成物として用いることができる。
黒色顔料組成物に含まれる他の成分は、用いられる黒色顔料組成物の用途ごとに異なり、その用途ごとに通常用いられる成分が挙げられる。また、常法に従ってこれらの成分と混合することで黒色顔料組成物を製造することができる。具体的な用途としては、例えば、インキ、塗料、インクジェット用インキ、電子写真用トナー、ゴム・プラスティック用の着色顔料、更には高い抵抗値が要求される液晶カラーフィルター用ブラックマトリックス及びブラックカラムスペーサー等の用途が挙げられる。
6.ペリレン系黒色顔料微粒子の色相及び/又は彩度の制御方法
本発明によって、非晶質のペリレン系黒色顔料微粒子に熱処理を行うことによる、ペリレン系黒色顔料微粒子の色相及び/又は彩度の制御方法が提供される。
熱処理を行う非晶質のペリレン系黒色顔料微粒子としては、好ましくは平均円形度が0.8以上であり、平均一次粒子径が80nm以下であるペリレン系黒色顔料微粒子が挙げられる。
熱処理は、前記の通りである。前記と同様に熱処理を行うことで、ペリレン系黒色顔料微粒子の色相及び/又は彩度の制御を行うことができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下に「部」及び「%」とあるのは特に示さない限り、質量基準である。
[粒子径及び円形度の測定]
実施例及び比較例のペリレン系黒色顔料微粒子の粒子径及び円形度は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって、以下のようにして求めた。
支持膜付きメッシュ上に顔料粒子分散液を滴下し、乾燥したものを試料として、透過型電子顕微鏡 JEM-2100(日本電子株式会社製)を用い、加速電圧80kVで観察を行った。続いて、5万倍で撮影した画像から粒子100個を1つずつTEM用画像解析ソフトウェア iTEM(Olympus Soft Imaging Solutions GmbH製)を使用して楕円として近似した。次に、TEM用画像解析ソフトウェアの解析結果より、前記顔料粒子の投影像である楕円の長径(A)、周囲長(L)、面積(S)を求めた。
この際、前記のように分散液を支持膜付きメッシュ上で乾燥させるため、前記分散液中のペリレン系黒色顔料微粒子が良好に分散した状態であっても、乾燥の過程で見かけ上凝集してしまい、正確な粒子形状が判別しにくい場合がある。このような場合には、重なっていない独立した粒子100個について画像解析を行った。
撮影した画像の粒子100個について、楕円の長径(A)の平均値を求め、平均一次粒子径とした。
円形度とは、ある一粒の顔料粒子の投影像を楕円として近似し、近似した楕円の周囲長(L)、面積(S)を用いて式(1)によって計算した値を表す。円形度の値が1に近いほど、粒子が球形に近く、粒子形状が真球の場合には、円形度は最大値1となる。
円形度=4πS/L (1)
撮影した画像の粒子100個の円形度の平均値を求め、この平均値を平均円形度とした。
[結晶性の測定]
実施例及び比較例のペリレン系黒色顔料微粒子の結晶性は、X線回折(XRD)測定によって、以下のようにして確認した。
ペリレン系黒色顔料微粒子の乾燥粉体を試料として粉末X線回折測定装置 EMPYREAN(スペクトリス株式会社PANalytical事業部製)を用いて、CuKα線をX線源とし、測定範囲を5~60°2θとして測定した。X線回折測定において被検試料にピークが散在する場合に、被検試料と同条件で標準試料を測定し、粉末X線回折総合ソフトウェア HighScore Plus(スペクトリス株式会社PANalytical事業部製)を使用した解析によりそれぞれのX線回折パターンからピーク位置と半値幅を求め、シェラーの式の解析プログラムによって結晶子サイズを求めた。
[反射率スペクトル(%R)、色相H、彩度C及び光学密度ODの測定]
実施例及び比較例のペリレン系黒色顔料微粒子の乾燥粉体を試料として、紫外可視近赤外分光光度計 V-770(日本分光株式会社製)で積分球ユニットを用いて、測定範囲を200~2500nmとして反射率スペクトル(%R)を測定した。
実施例及び比較例のペリレン系黒色顔料微粒子の色相、彩度は、反射率スペクトル(%R)測定結果を用いて、以下のようにして求めた。
測定結果から測定・解析用ソフトウェア スペクトルマネージャ Ver.2 スペクトル解析(日本分光株式会社製)を使用して得たCIE-Lab表色系、及びCIE-XYZ表色系における色彩値を用いて、下式(2)、(3)及び(4)によって、色相、彩度、光学密度を求めた。なお、以下では、CIE-Lab表色系の色彩値を、単に「L値」と呼ぶ。
色相 H=b/a (2)
彩度 C=((a+(b1/2 (3)
光学密度 OD=log(100/Y) (4)
まず、実施例1~8によって、アルカリ土類金属の塩を添加してペリレン系黒色顔料微粒子を析出させる場合について説明する。
<実施例1>
N-メチル-2-ピロリドン(キシダ化学株式会社製)960部にC.I.Pigment Black 31のペリレン系黒色顔料15部を空気雰囲気下、25℃で懸濁させた。次に、40%水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムメタノール溶液(東京化成株式会社製)25部を添加して、ペリレン系黒色顔料を溶解し、顔料溶液(1)とした。イオン交換水9950部に硝酸カルシウム・四水和物(関東化学株式会社製)50部を空気雰囲気下、25℃で溶解し、ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒(1)とした。
強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として析出溶媒(1)を300mL/分で、第2流体として顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。なお、各実施例において、第1流体、第2流体とは、前述の特開2010-189661に記載のものと同じである。
懸濁液に含まれるペリレン系顔料微粒子を、硬質濾紙(目開き1μm)を用いた減圧濾過により濾集し、イオン交換水で3回水洗いして、ペリレン系黒色顔料微粒子のウェットケーキを得た。分散剤 ネオゲンR-K(第一工業製薬株式会社製)をイオン交換水に溶解し、さらにこの溶液に洗浄後に得られたペリレン系黒色顔料微粒子のウェットケーキを分散させ、超音波ホモジナイザー GSD50CF(株式会社ギンセン製)を用いて、超音波を15分照射することで、顔料微粒子分散液を調製した。
分散液の作製に使用しなかったペリレン系黒色顔料微粒子のウェットケーキは、-0.1MPaGの条件で減圧乾燥して、乾燥粉体とした。
<実施例2>
強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として実施例1と同じ析出溶媒(1)を500mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を100mL/分でそれぞれ送液し、5000rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<実施例3>
イオン交換水9980部に硫酸カルシウム・二水和物(関東化学株式会社製)20部を空気雰囲気下、25℃で溶解し、ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒(2)とした。強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として析出溶媒(2)を300mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<実施例4>
イオン交換水9963部に酢酸カルシウム・一水和物(関東化学株式会社製)37部を空気雰囲気下、25℃で溶解し、ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒(3)とした。強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として析出溶媒(3)を300mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<実施例5>
イオン交換水9976部に塩化カルシウム(関東化学株式会社製)24部を空気雰囲気下、25℃で溶解し、ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒(4)とした。強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として析出溶媒(4)を300mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<実施例6>
イオン交換水9937部に硝酸カルシウム・四水和物(関東化学株式会社製)50部、60%硝酸(関東化学株式会社製)13部を空気雰囲気下、25℃で溶解し、ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒(5)とした。強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として析出溶媒(5)を300mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<実施例7>
イオン交換水9933部に硝酸マグネシウム・六水和物(関東化学株式会社製)54部、60%硝酸(関東化学株式会社製)13部を空気雰囲気下、25℃で溶解し、ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒(6)とした。強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として析出溶媒(6)を300mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<実施例8>
イオン交換水9942部に硝酸ストロンチウム(関東化学株式会社製)45部、60%硝酸(関東化学株式会社製)13部を空気雰囲気下、25℃で溶解し、ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒(7)とした。強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として析出溶媒(7)を300mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<比較例1>
強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体としてイオン交換水を300mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<比較例2>
イオン交換水9964部に硝酸ナトリウム(関東化学株式会社製)36部を空気雰囲気下、25℃で溶解し、ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒(8)とした。強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として析出溶媒(8)を300mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<比較例3>
イオン交換水9957部に硝酸カリウム(関東化学株式会社製)43部を空気雰囲気下、25℃で溶解し、ペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒(9)とした。強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体として析出溶媒(9)を300mL/分で、第2流体として実施例1と同じ顔料溶液(1)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
各実施例及び比較例で調製したペリレン系黒色顔料微粒子の粒子径と円形度を透過型電子顕微鏡(TEM)観察により確認した。表1の結果から明らかなように、本発明に従って粒子の調製時にアルカリ土類金属の塩を共存させると、球形に近いペリレン系黒色顔料微粒子が得られていることが分かる。
Figure 0007295583000001
次に、実施例9~16によって、粒子成長抑制剤を添加してペリレン系黒色顔料微粒子を析出させる場合について説明する。
<実施例9>
N-メチル-2-ピロリドン(キシダ化学株式会社製)955部にC.I.Pigment Black 31のペリレン系黒色顔料15部を空気雰囲気下、25℃で懸濁させた。次に、40%水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムメタノール溶液(東京化成株式会社製)25部とオクチルアミン5部を添加して、ペリレン系黒色顔料を溶解し、顔料溶液(2)とした。
強制薄膜式マイクロリアクター ULREA(エム・テクニック株式会社製)を使用し、第1流体としてイオン交換水を300mL/分で、第2流体として顔料溶液(2)を30mL/分でそれぞれ送液し、1700rpmで回転させたディスク間に導入して混合し、ペリレン系黒色顔料微粒子を含む懸濁液を得た。前記以外の操作は実施例1と同様に行った。
<実施例10>
実施例9の顔料溶液(2)におけるオクチルアミン5部に替えてヘキサデシルアミン5部とし、前記以外の条件は実施例9と同様である。
<実施例11>
実施例9の顔料溶液(2)におけるオクチルアミン5部に替えてオレイルアミン5部とし、前記以外の条件は実施例9と同様である。
<実施例12>
実施例9の顔料溶液(2)におけるオクチルアミン5部に替えてヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド5部とし、前記以外の条件は実施例9と同様である。
<実施例13>
実施例9の顔料溶液(2)におけるオクチルアミン5部に替えてオクタノール5部とし、前記以外の条件は実施例9と同様である。
<実施例14>
実施例9の顔料溶液(2)におけるオクチルアミン5部に替えてヘキサデカノール5部とし、前記以外の条件は実施例9と同様である。
<実施例15>
実施例9の顔料溶液(2)におけるオクチルアミン5部に替えてドデシルトリメトキシシラン5部とし、前記以外の条件は実施例9と同様である。
<実施例16>
実施例9の顔料溶液(2)におけるオクチルアミン5部に替えてトリメトキシフェニルシラン5部とし、前記以外の条件は実施例9と同様である。
実施例9~16で調製したペリレン系黒色顔料微粒子の粒子径と円形度を透過型電子顕微鏡(TEM)観察により確認した。表2の結果から明らかなように、本発明に従って粒子の調製時に粒子成長抑制剤を共存させると、球形に近いペリレン系黒色顔料微粒子が得られていることが分かる。
Figure 0007295583000002
代表例として実施例1及び比較例1のTEM画像を、それぞれ図1及び図2に示す。
各実施例、比較例で作製したペリレン系黒色顔料微粒子の結晶性をX線回折(XRD)測定により確認した。各実施例で作製したペリレン系黒色顔料微粒子の乾燥粉体は、X線回折測定の結果、いずれもハロー回折像のみが確認され、非晶質であった。比較例で作製したペリレン系黒色顔料微粒子の乾燥粉体は、X線回折測定の結果、ブロードな回折パターンが確認された。
<熱処理によるペリレン系黒色顔料微粒子の結晶化>
実施例2で調製したペリレン系黒色顔料微粒子の乾燥粉体をイオン交換水中に懸濁させ、オートクレーブ中に封入し、恒温槽 AVO-250N(アズワン株式会社製)を使用して150℃、175℃、200℃でそれぞれ1時間の熱処理を行った。熱処理後の懸濁液を遠心分離することによってペリレン系黒色顔料微粒子を含むウェットケーキを分離し、-0.1MPaGの条件で減圧乾燥して、乾燥粉体とした。
乾燥後に得られたペリレン系黒色顔料微粒子の乾燥粉体を試料としてX線回折測定を行い、結晶子サイズを算出した。熱処理により、結晶のX線回折パターンが現れ、処理温度の増加に伴いX線回折パターンがシャープになり結晶子サイズが増加した(表3)。
<熱処理によるペリレン系黒色顔料微粒子の色相及び/又は彩度の制御>
各熱処理で得られたペリレン系黒色顔料微粒子の反射率スペクトル(%R)を測定し、色相、彩度、光学密度を確認した。
表3に熱処理後に得られたペリレン系黒色顔料微粒子の結晶子サイズ、L値、色相、彩度、光学密度を示す。表3の結果から、本発明で得られたペリレン系黒色顔料微粒子を熱処理すると、処理温度の増加に伴って彩度が低下し、Lが低下し、光学密度が増加していることが分かる。
Figure 0007295583000003
表3に示したa、bをCIE-Lab表色系色度図にプロットした図を、図4に示す。熱処理温度の増加に伴って、b/aが減少傾向にあり、原点(a=0、b=0)に近づいていることが分かる。
本発明によって、隠蔽性及び遮光性が高く、色相及び彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子および、それを簡便に製造する方法等を提供することができる。

Claims (8)

  1. 平均円形度が0.8以上であり、非晶質であることを特徴とするペリレン系黒色顔料微粒子。
  2. 平均一次粒子径が80nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のペリレン系黒色顔料微粒子。
  3. ペリレン系黒色顔料を溶解させた顔料溶液と、前記顔料溶液からペリレン系黒色顔料微粒子を析出させるための析出溶媒とを混合して、ペリレン系黒色顔料微粒子を生成させる工程を含み、
    記析出溶媒アルカリ土類金属の塩含まれ、及び/又は前記顔料溶液に粒子成長抑制剤が含まれ、
    前記粒子成長抑制剤が、C ~C 20 アルキルアミン、C ~C 20 アルケニルアミン、C ~C 20 アルキルトリメチルアンモニウム塩、C ~C 20 アルカノール、アルキルアルコキシシラン及びアリールアルコキシシランからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法。
  4. 前記アルカリ土類金属がカルシウムであることを特徴とする、請求項3に記載のペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法。
  5. 前記顔料溶液と前記析出溶媒との混合を、接近および離反可能に互いに対向して配設され、少なくとも一方が他方に対して相対的に回転する少なくとも2つの処理用面間に導入することで形成される薄膜流体中で行うことを特徴とする、請求項3又は4に記載のペリレン系黒色顔料微粒子の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載のペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物。
  7. 請求項1若しくは2に記載のペリレン系黒色顔料微粒子、又は請求項6に記載の黒色顔料組成物に熱処理を行うことによる、色相及び/又は彩度が制御されたペリレン系黒色顔料微粒子、又は当該ペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物の製造方法。
  8. 前記熱処理の時間及び/又は温度を制御することで、色相及び/又は彩度を制御する、請求項7に記載の、ペリレン系黒色顔料微粒子、又は当該ペリレン系黒色顔料微粒子を含む黒色顔料組成物の製造方法。
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