JP2016176014A - アゾメチン金属錯体の固溶体 - Google Patents

アゾメチン金属錯体の固溶体 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷インキ、塗料、プラスチックの着色、カラーフィルタ、トナー、インクジェット用インキなどに使用する着色剤として、彩度、着色力の高い黄色の色相を有する、新規アゾメチン金属錯体の固溶体、およびその製造方法、該固溶体を含有する着色組成物を提供することにある。【解決手段】アゾメチン銅金属錯体およびアゾメチン亜鉛金属錯体からなる新規アゾメチン金属錯体の固溶体は、彩度、着色力に優れ、これらの二種類の化合物の物理的混合物では調色できない赤味な黄色を呈することを見出した。【選択図】 図1

Description

本発明は、新規なアゾメチン金属錯体の固溶体、およびその製造方法、該固溶体を含有する着色組成物に関する。
着色顔料を含有する塗料やインキにおいては、所望の色相を得るために、通常は色相の異なる二種類以上の顔料を混合して調色する。しかしながら、二種類以上の顔料を物理的に混合した場合は減法混色となるため、このようにして調色した塗料やインキの塗膜においては、一般的に彩度が低下することが知られている。
従来、二種類以上の顔料を少量の溶媒や添加剤とともにビーズミルやボールミル等の分散機中で摩砕混合することにより固溶体顔料が得られることは広く知られている(特許文献1)。例えば、C.I.Pigment Yellow 110と赤色有機顔料である2,9−ジクロロキナクリドン顔料とを、水および水素化アビエチン酸の存在下で、ビーズミルにより共摩砕を行うことにより、赤みがかった黄色の固溶体顔料が得られることが知られている。また、中心金属として亜鉛を配位したアゾメチン金属錯体を含有するカラーフィルタ組成物が提案されている(特許文献2)。
特開平2−113074号公報 WO2008/123294号公報
本発明が解決しようとする課題は、印刷インキ、塗料、プラスチックの着色、カラーフィルタ、トナー、インクジェット用インキ等に使用する着色剤として、彩度、着色力が高い黄色の色相を有する、新規アゾメチン金属錯体の固溶体、およびその製造方法、該固溶体を含有する着色組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記式(1)および式(2)からなるアゾメチン金属錯体の固溶体は、彩度、着色力に優れ、これらの二種類の化合物の物理的混合物では調色できない、赤味な黄色を呈することを見出した。さらに、該アゾメチン金属錯体の固溶体は、Cu−Kα線によるX線回折において、式(1)、もしくは式(2)、それぞれ単独の回折パターン、あるいは該二種類の化合物を物理的に混合したものの回折パターンのいずれとも異なった回折パターンを示す、新規アゾメチン金属錯体の固溶体であることを見出した。
式(1)
Figure 2016176014
式(2)
Figure 2016176014
即ち本発明は、前記式(1)および式(2)からなるアゾメチン金属錯体の固溶体。
また、質量換算で式(1)の化合物100部に対して式(2)の化合物を10〜900部含有してなるアゾメチン金属錯体の固溶体。
また、該アゾメチン金属錯体の固溶体の製造方法。
さらに、該アゾメチン金属錯体の固溶体を含有することを特徴とする着色組成物に関するものである。
本発明の新規なアゾメチン金属錯体の固溶体は、着色組成物として使用することで、彩度、着色力に優れ、物理的な混合物では調色できない、赤味な黄色着色物が得られるという格別顕著な技術的効果を奏する。
実施例1で得たアゾメチン金属錯体の固溶体の粉末X線回折図 実施例2で得たアゾメチン金属錯体の固溶体の粉末X線回折図 実施例3で得たアゾメチン金属錯体の固溶体の粉末X線回折図 実施例4で得たアゾメチン金属錯体の固溶体の粉末X線回折図 比較例1で得たアゾメチン銅錯体の粉末X線回折図 比較例2で得たアゾメチン亜鉛錯体の粉末X線回折図 比較例3で得たアゾメチン銅錯体とアゾメチン亜鉛錯体の物理的混合物の粉末X線回折図 比較例4で得たアゾメチン銅錯体とアゾメチン亜鉛錯体の物理的混合物の粉末X線回折図 比較例5で得たアゾメチン銅錯体とアゾメチン亜鉛錯体の物理的混合物の粉末X線回折図 比較例6で得たアゾメチン銅錯体とアゾメチン亜鉛錯体の物理的混合物の粉末X線回折図
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のアゾメチン金属錯体の固溶体は、原料として、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒドと2−アミノフェノールとを縮合し、銅金属および亜鉛金属で錯塩化した化合物を顔料化することで得られるアゾメチン金属錯体の固溶体である。
従来、アゾメチン金属錯体の合成方法については、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒドと2−アミノフェノールとを非酸化条件下の水溶液中で反応させて得た縮合物を、水溶性金属塩と水酸化アンモニウムを用いて錯塩化した特公昭52−27171号公報で開示されている方法を用いることができる。上記の方法で合成した化合物は、水、アセトン、アルコール等の溶剤で洗浄することにより精製し、高純度で得ることができる。但し、合成法および精製法は上記の方法に限定されない。
アゾメチン金属錯体の固溶体の製造方法としては、アゾメチン銅錯体とアゾメチン亜鉛錯体の両者を同時に合成する方法、何れか一方の化合物の存在下に他の化合物を合成する方法、または顔料化処理が施されていない、アゾメチン銅錯体ならびにアゾメチン亜鉛錯体とを混合する方法等を用い、その後に顔料化処理を行う。
本発明のアゾメチン金属錯体の固溶体は、質量換算でアゾメチン銅錯体100部に対してアゾメチン亜鉛錯体を10〜900部、好ましくは25〜400部である。この範囲であれば、固溶体であるかどうかの判定が容易であり、着色力や色相の優れた特徴が容易に発揮される。
本発明の固溶体の定義としては、各々のアゾメチン銅錯体、アゾメチン亜鉛錯体単体および物理的混合物のX線回折ピーク以外に回折ピークを有することとしている。アゾメチン銅錯体は、Cu−Kα線によるX線回折において、7.0、9.1および10.1に特徴的な回折ピークを有し、アゾメチン亜鉛錯体は、7.8、11.0に特徴的な回折ピークを有する。アゾメチン金属錯体の固溶体は、5.6〜6.9、8.5〜9.8の範囲に特徴的な回折ピークを有する。
Cu−Kα線(波長1.54Å)によるX線回折の測定方法としては、株式会社リガク製 X線回折装置「RINT−TTR II」(平行ビーム光学系、長軸スリット0.114°使用)を用いて、下記条件で行った。
X線出力:50kv、300mA
発散スリット:0.5mm
散乱スリット:20mm
受光スリット:20mm
走査ステップ:0.02°
走査スピード:2°/min.
上記の固溶体の平均粒子径については、10〜500nmであることが好ましく、50〜400nmであることがより好ましい。平均粒子径が10nmより小さい場合は、着色力や耐候性が不十分となり、また、平均粒子径が500nmより大きい場合は、色相の鮮やかさや透明性が不十分となる。
アゾメチン金属錯体を顔料化する方法としては公知慣用の方法が利用でき、例えば溶解析出法、アトラーター、ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等のドライミリング法、ソルベントミリング法、ソルトミリング法、ソルベントソルトミリング法、もしくはこれらを組み合わせた方法を挙げることができるが、粒子径が制御された微粒子を得られる点で、ソルベントミリング法、ソルトミリング法、ソルベントソルトミリング法、もしくはこれらを組み合わせた方法等が特に好ましい。但し、顔料化の方法も特に限定されるものではない。しかし、アシッドペースティング法、アシッドスラリー法はアゾメチン金属錯体に配位した金属が脱離する可能性があるため適切ではない。
本発明の製造方法では、顔料化処理方法として一次粒子サイズが小さく、粒度分布が均一なソルベントソルトミリング法を採用している。ソルベントソルトミリングとは、錯塩化したアゾメチン金属錯体と水溶性無機塩と親水性有機溶剤とを混練することを意味する。具体的には、顔料化処理が施されていない、アゾメチン銅錯体ならびにアゾメチン亜鉛錯体からなる組成物と、水溶性無機塩と、それを溶解しない親水性有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練共摩砕を行う。この操作を行うことにより、一次粒子が微細で、二次粒子が均一なアゾメチン金属錯体の固溶体を容易に得ることができる。
水溶性無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
また、当該無機塩の使用量は、質量換算でアゾメチン金属錯体1部に対して、3〜100部とするのが好ましく、5〜20部とするのがより好ましい。無機塩の使用量は、多すぎても生産性が低くなり、製造コストもかかることから、上記の範囲が望ましい。
親水性有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得るものが好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等を用いることができるが、エチレングリコール、またはジエチレングリコールが好ましい。
当該親水性有機溶剤の使用量は特に限定されるものではないが、質量換算でアゾメチン金属錯体1部に対して、0.01〜5部が好ましい。
混練温度は、30〜150℃の間で行うことが好ましく、アゾメチン金属錯体の場合、上記の温度が50〜120℃の間で行うことがさらに好ましい。
この混練に用いる装置としては、ニーダー、ミックスマーラー、特開2007−100008公報に記載のプラネタリー型ミキサーである株式会社井上製作所製 トリミックス(商標名)や、特開平4−122778号公報に記載の連続式二軸押出機や、特開2006−306996号公報に記載の連続式一軸混練機である淺田鉄工株式会社製 ミラクルKCK(商標名)等を用いることができる。
ソルベントソルトミリングにより得られた本発明の固溶体は、印刷インキ、塗料、プラスチックの着色、カラーフィルタ、トナー、インクジェット用インキ等、特に限定されるものではないが、各基材に着色を目的とした着色材として一般的に溶剤、水に不溶な顔料のカテゴリーとして使用される。また、本発明の固溶体は、着色の目的のみではなく電気的な特性を有する半導体等の電子材料としての使用も可能である。
得られた固溶体は、通常のろ過、洗浄、乾燥、粉砕の各工程を経て、そのまま顔料として使用できるが、着色力や耐候性等を高める目的で、公知慣用の後処理を行って、用途に適した所望の粒子径に調整することもできる。具体的には、例えば、得られた固溶体が微細であり、顔料の結晶をより大きな結晶へと成長させたい場合には、固溶体のウェットケーキ、または乾燥後、粉砕後の固溶体固形物を溶媒中で再スラリー化した後、常圧または加圧下で熱処理すればよい。
上記の再スラリー化に用いる溶媒としては、ベンゼン、キシレン、トルエン等の芳香族系溶媒、ピリジン、ピコリン、キノリン等のピリジン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン系溶媒、メタノール、ブタノール、イソブタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒、あるいは水等を挙げることができる。水を用いる場合は、適宜界面活性剤等の添加剤を加えてもよい。
したがって、本発明のアゾメチン金属錯体の固溶体は、着色材として塗料や印刷インキ、プラスチックの着色、トナー、カラーフィルタ着色材、インクジェット用インキ等の着色されたアプリケーションとして幅広い用途に使用することができる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。特に断らない限り、「部」および「%」は、いずれも質量を基準とする。
(実施例1)
2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)44.3部、2−アミノフェノール(和光純薬工業株式会社製)27.3部を入れたビーカーに、水1000部を加えて5分間撹拌した。25%苛性ソーダ(伊勢久株式会社製)41.4部を水100部で希釈した溶液を加え、5分間撹拌した後、亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)38.6部を加えた。60分かけて90℃まで昇温し、90℃で15分間加熱撹拌した。ろ過、水洗して得られたウェットケーキを水1300部で分散させてスラリー化した。一方、硫酸銅無水物32.4部を水160部に、硫酸亜鉛七水和物(和光純薬工業株式会社製)14.3部を水40部に溶解させた後、各々に28%水酸化アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)を加え、最初に析出した沈殿物が再溶解するまで添加した。それら水溶液をスラリーに加えて、60分かけて90℃まで昇温し、90℃で120分間加熱撹拌した。ろ過、水洗して、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、黄緑色の生成物78.9部を得た。
上記で得た黄緑色の生成物58.0部、塩化ナトリウム580部、およびジエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)125部を1.3Lニーダーに仕込み、混練物の温度が70℃になるように調節しながら、8時間混練摩砕処理を行った。得られた摩砕物に水3000部を投入して分散させた後、ろ過、水洗して塩化ナトリウム、およびエチレングリコールを除去し、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、本発明によるアゾメチン銅錯体4部とアゾメチン亜鉛錯体1部からなるアゾメチン金属錯体の固溶体53.4部を得た。
実施例1より得た固溶体の粉末X線回折図を図1に示す。
(実施例2)
2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)44.3部、2−アミノフェノール27.3部(和光純薬工業株式会社製)を入れたビーカーに、水1000部を加えて5分間撹拌した。25%苛性ソーダ41.4部(伊勢久株式会社製)を水100部で希釈した溶液を加え、5分間撹拌した後、亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)38.6部を加えた。60分かけて90℃まで昇温し、90℃で15分間加熱撹拌した。ろ過、水洗して得られたウェットケーキを水1300部で分散させてスラリー化した。一方、硫酸銅無水物(和光純薬工業株式会社製)20.3部を水70部に、硫酸亜鉛七水和物(和光純薬工業株式会社製)35.7部を水130部に溶解させた後、各々に28%水酸化アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)を加え、最初に析出した沈殿物が再溶解するまで添加した。それら水溶液をスラリーに加えて、60分かけて90℃まで昇温し、90℃で120分加熱撹拌した。ろ過、水洗して、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、黄色の生成物79.0部を得た。
上記で得た黄色の生成物58.0部、塩化ナトリウム580部、およびジエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)124.9部を1.3Lニーダーに仕込み、混練物の温度が70℃になるように調節しながら、8時間混練摩砕処理を行った。得られた摩砕物に水3000部を投入して分散させた後、ろ過、水洗して塩化ナトリウム、およびエチレングリコールを除去し、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、本発明によるアゾメチン銅錯体1部とアゾメチン亜鉛錯体1部からアゾメチン金属錯体の固溶体53.9部を得た。
実施例2より得た固溶体の粉末X線回折図を図2に示す。
(実施例3)
2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド44.3部(和光純薬工業株式会社製)、2−アミノフェノール27.3部(和光純薬工業株式会社製)を入れたビーカーに、水1000部を加えて5分間撹拌した。25%苛性ソーダ(伊勢久株式会社製)41.4部を水100部で希釈した溶液を加え、5分間撹拌した後、亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)38.6部を加えた。60分かけて90℃まで昇温し、90℃で15分間加熱撹拌した。ろ過、水洗して得られたウェットケーキを水1300部で分散させてスラリー化した。一方、硫酸銅無水物(和光純薬工業株式会社製)13.5部を水70部に、硫酸亜鉛七水和物(和光純薬工業株式会社製)47.6部を水130部に溶解させた後、各々に28%水酸化アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)を加え、最初に析出した沈殿物が再溶解するまで添加した。それら水溶液をスラリーに加えて、60分かけて90℃まで昇温し、90℃で120分加熱撹拌した。ろ過、水洗して、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、黄色の生成物78.2部を得た。
上記で得た黄色の生成物58.0部、塩化ナトリウム580部、およびジエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)125.3部を1.3Lニーダーに仕込み、混練物の温度が70℃になるように調節しながら、8時間混練摩砕処理を行った。得られた摩砕物に水3000部を投入して分散させた後、ろ過、水洗して塩化ナトリウム、およびエチレングリコールを除去し、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、本発明によるアゾメチン銅錯体1部とアゾメチン亜鉛錯体2部からなるアゾメチン金属錯体の固溶体54.3部を得た。
実施例3より得た固溶体の粉末X線回折図を図3に示す。
(実施例4)
2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)44.3部、2−アミノフェノール(和光純薬工業株式会社製)27.3部を入れたビーカーに、水1000部を加えて5分間撹拌した。25%苛性ソーダ(伊勢久株式会社製)41.4部を水100部で希釈した溶液を加え、5分間撹拌した後、亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)38.6部を加えた。60分かけて90℃まで昇温し、90℃で15分加熱撹拌した。ろ過、水洗して得られたウェットケーキを水1300部で分散させてスラリー化した。一方、硫酸銅無水物(和光純薬工業株式会社製)8.1部を水70部に、硫酸亜鉛七水和物(和光純薬工業株式会社製)57.1部を水130部に溶解させた後、各々に28%水酸化アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)を加え、最初に析出した沈殿物が再溶解するまで添加した。それら水溶液をスラリーに加え、60分かけて90℃まで昇温し、90℃で120分加熱撹拌した。ろ過、水洗して、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、黄色の生成物78.2部を得た。
上記で得た黄色の生成物58.0部、塩化ナトリウム580部、およびジエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)125部を1.3Lニーダーに仕込み、混練物の温度が70℃になるように調節しながら、8時間混練摩砕処理を行った。得られた摩砕物に水3000部を投入して分散させた後、ろ過、水洗して塩化ナトリウム、およびエチレングリコールを除去し、60℃の17時間乾燥機で乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、本発明によるアゾメチン銅錯体1部とアゾメチン亜鉛錯体4部からなるアゾメチン金属錯体の固溶体53.2部を得た。
実施例4より得た固溶体の粉末X線回折図を図4に示す。
[比較例1]
2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)53.8部、2−アミノフェノール(和光純薬工業株式会社製)33.0部を入れたビーカーに、水470部を加えて5分間撹拌した。25%苛性ソーダ(伊勢久株式会社製)49.1部を水100部で希釈した溶液を加え、5分間撹拌した後、亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)46.8部を加えた。60分かけて90℃まで昇温し、90℃で15分加熱撹拌した。ろ過、水洗して得られたウェットケーキを水625部で分散させてスラリー化した。一方、硫酸銅無水物(和光純薬工業株式会社製)49.1部を水250部に溶解させた後、28%水酸化アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)を加え、最初に析出した沈殿物が再溶解するまで添加して調整した水溶液をスラリーに入れた。60分かけて90℃まで昇温し、90℃で90分加熱撹拌した。ろ過、水洗し、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、緑色の生成物95.4部を得た。
上記で得た緑色の生成物58.0部、塩化ナトリウム580部、およびジエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)125部を1.3Lニーダーに仕込み、混練物の温度が70℃になるように調節しながら、8時間混練摩砕処理を行った。得られた摩砕物に水3600部を投入して分散させた後、ろ過、水洗して塩化ナトリウム、およびエチレングリコールを除去し、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、アゾメチン銅錯体52.4部を得た。
比較例1より得た固溶体の粉末X線回折図を図5に示す。
[比較例2]
2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)44.3部、2−アミノフェノール(和光純薬工業株式会社製)27.3部を入れたビーカーに、水1000部を加えて5分間撹拌した。25%苛性ソーダ(伊勢久株式会社製)41.4部を水100部で希釈した溶液を加え、5分間撹拌した後、亜硫酸水素ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)38.6部を加えた。60分かけて90℃まで昇温し、90℃で15分加熱撹拌した。ろ過、水洗して得られたウェットケーキを水1300部で分散させてスラリー化した。一方、硫酸亜鉛七水和物(和光純薬工業株式会社製)71.5部を水200部に溶解させ、28%水酸化アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)を加え、最初に析出した沈殿物が再溶解するまで添加して調整した水溶液をスラリーに入れた。60分かけて90℃まで昇温し、90℃で120分加熱撹拌した。ろ過、水洗し、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、黄色の生成物78.7部を得た。
上記で得た黄色の生成物58.0部、塩化ナトリウム580部、およびジエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)126.3部を1.3Lニーダーに仕込み、混練物の温度が70℃になるように調節しながら、8時間混練摩砕処理を行った。得られた摩砕物に水3200部を投入して分散させた後、ろ過、水洗して塩化ナトリウム、およびエチレングリコールを除去し、60℃の乾燥機で17時間乾燥した。得られた固形物をジューサーミキサーで粉砕し、アゾメチン亜鉛錯体51.2部を得た。
比較例2より得た固溶体の粉末X線回折図を図6に示す。
[比較例3]
比較例1で得たアゾメチン銅錯体4部と、比較例2で得たアゾメチン亜鉛錯体1部を乾式で均一に混合し、実施例1と同一組成のアゾメチン金属錯体の物理的混合物を調整した。
比較例3より得た固溶体の粉末X線回折図を図7に示す。
[比較例4]
比較例1で得たアゾメチン銅錯体1部と、比較例2で得たアゾメチン亜鉛錯体1部を乾式で均一に混合し、実施例2と同一組成のアゾメチン金属錯体の物理的混合物を調整した。
比較例4より得た固溶体の粉末X線回折図を図8に示す。
[比較例5]
比較例1で得たアゾメチン銅錯体1部と、比較例2で得たアゾメチン亜鉛錯体2部を乾式で均一に混合し、実施例3と同一組成のアゾメチン金属錯体の物理的混合物を調整した。
比較例5より得た固溶体の粉末X線回折図を図9に示す。
[比較例6]
比較例1で得たアゾメチン銅錯体1部と、比較例2で得たアゾメチン亜鉛錯体4部を乾式で均一に混合し、実施例4と同一組成のアゾメチン金属錯体の物理的混合物を調整した。
比較例6で得た固溶体の粉末X線回折図を図10に示す。
本発明で得た実施例1〜4の粉末X線回折図は、比較例1のアゾメチン銅錯体、比較例2のアゾメチン亜鉛錯体、ならびに比較例3〜6の二種類のアゾメチン金属錯体の物理的混合物とは異なる回折ピークを有することから、固溶体であることが確認された。
次にグラビアンインキの評価方法および結果を表1にまとめた。
(グラビアインキ評価方法)
3mmガラスビーズ90部、実施例1〜4で得たアゾメチン金属錯体の固溶体6.0部、塩酢ビ樹脂系グラビアインキ用ワニス6.0部、ポリウレタン樹脂溶液9.0部、メチルエチルケトン5.4部、トルエン5.4部を100mlポリビンに入れ、東洋精機株式会社製 ペイントコンディショナーで60分間分散した。その後、上記のポリウレタン樹脂溶液10.2部、メチルエチルケトン9.0部、トルエン9.0部を追加し、さらに60分間分散した。このグラビアインキをバーコーターNo.6でPETフィルムに展色した。比較例1、2で得たアゾメチン金属錯体についても、上記と同様にしてインキを作製して、PETフィルムに展色した。
得られたフィルムの色度(L*、a*、b*)は、X−Rite社製 GretagMacbethTM SpectroEyeTMを用いて評価した。
Figure 2016176014
本発明で得た実施例1〜4は、着色力、彩度に優れ、比較例1と比較例2の物理的混合物では調色できない、赤味な黄色の色相を有した。

Claims (4)

  1. 下記式(1)および式(2)からなるアゾメチン金属錯体の固溶体。
    式(1)
    Figure 2016176014
    式(2)
    Figure 2016176014
  2. 質量換算で前記式(1)の化合物100部に対して前記式(2)の化合物を10〜900部含有してなる請求項1記載のアゾメチン金属錯体の固溶体。
  3. 請求項1または2記載のアゾメチン金属錯体の固溶体の製造方法。
  4. 請求項1または2記載のアゾメチン金属錯体の固溶体を含有することを特徴とする着色組成物。
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