JP7290798B2 - 印刷済樹脂シート - Google Patents
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Description
(1)樹脂シートと、前記樹脂シートの少なくとも一方の面上に印刷層と、を有する印刷済樹脂シートであって、
前記樹脂シートが、NOR型光安定剤を含有する熱可塑性樹脂シートであり、前記熱可塑性樹脂シートに用いられる熱可塑性樹脂の燃焼試験後の残渣率が5%以下であり、
前記印刷層の破断温度が、250℃以下である
印刷済樹脂シート。
前記(1)に記載の印刷済樹脂シート。
前記(2)に記載の印刷済樹脂シート。
前記(1)~(4)のいずれかに記載の印刷済樹脂シート。
前記(5)に記載の印刷済樹脂シート。
前記インク組成物が、前記色材、前記バインダー樹脂、及び有機溶剤を含有する
前記(5)又は(6)に記載の印刷済樹脂シート。
前記(7)に記載の印刷済樹脂シート。
前記(1)~(8)のいずれかに記載の印刷済樹脂シート。
前記(9)に記載の印刷済樹脂シート。
本発明の印刷済樹脂シートは、樹脂シートと、当該樹脂シートの少なくとも一方の面上に印刷層とを有する。なお本発明における印刷層とは、後述するように、インク組成物の膜を乾燥し、溶媒を除去することにより形成される層である。また本発明における樹脂シートは、NOR型光安定剤を含有する熱可塑性樹脂シートである。この熱可塑性樹脂シートに用いられる熱可塑性樹脂の燃焼試験後の残渣率は5%以下である。
<樹脂シート>
樹脂シートは、熱可塑性樹脂にNOR型光安定剤を配合した樹脂組成物をシート状に成形することにより得ることができる。
本発明においては、熱可塑性樹脂として、燃焼試験後の残渣率が5%以下、好ましくは1%以下(0%であってもよい)のものを用いることを前提としている。残渣率が低いと、着火時に固化せず、溶融による火種の切り離しが妨げられにくいため、印刷済樹脂シートの延焼を抑えやすい。一般にオレフィン系樹脂の残渣率は低く、ポリプロピレン(PP)の残渣率は0%程度、ポリエチレン(PE)の残差率も0%程度である。なお、ポリエチレンテレフタレート(PET)の残渣率は10%程度、ポリカーボネート(PC)の残渣率は21%程度である。
上記熱可塑性樹脂の燃焼試験後の残渣率(%)は、熱重量示差熱分析装置(TG-DTA:ThermoGravimeter-Differential Thermal Analyzer)により樹脂のサンプルを600℃まで10℃/分で昇温し、昇温前のサンプルの質量(G1)に対する昇温後のサンプルの質量(G2)の割合(G2/G1×100)として算出される。複数樹脂の混合物の残渣率(%)は、混合物中の各樹脂の含有量に各樹脂の残渣率を乗算した和として算出することができる。
NOR型HALS化合物は、紫外線等による熱可塑性樹脂の劣化を抑制し、優れた耐候性を付与することができる。また、高温環境下における熱可塑性樹脂の劣化が抑制され、耐熱性に優れた印刷済樹脂シートを得ることができる。
特に式(1)で表されるNOR型HALS化合物は、他のNOR型HALS化合物に比べて化合物自体が安定であるため、樹脂シートの着色をよく防止できる。
本発明の樹脂シートは、NOR型HALS化合物と共に、必要に応じてその他の添加剤を含有してもよく、例えば、リン系化合物を含有することが好ましい。
上述した一般式P(OR3)3で表される亜リン酸エステル化合物のなかでも、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(CAS No.31570-04-4、)が好ましく、当該化合物の市販品としては、例えば「イルガフォス-168」(商品名、BASFジャパン社製)などがある。
式(3)又は式(4)で表される亜リン酸エステル化合物の具体例としては、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト;ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
なお、上述したリン系化合物は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リン系化合物の加水分解による、難燃効果の低下、ブリードアウトによる成形性及び印
刷適性の低下を抑える観点から、リン系化合物の加水分解度の値は小さい方が好ましい。
樹脂シートにおいて、NOR型HALS化合物の含有量に対するリン系化合物の含有量の比[(リン系化合物の含有量)/(NOR型HALS化合物の含有量)]は、質量基準で、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.9以上、さらに好ましくは1以上、特に好ましくは1.2以上であり、好ましくは30以下、より好ましくは14以下、さらに好ましくは6以下、特に好ましくは4以下である。つまり、NOR型HALS化合物の含有量に対して、相対的にリン系化合物の含有量が大きい方が好ましい傾向にある。NOR型HALS化合物の含有量に対するリン系化合物の含有量の比が上記範囲内であると、難燃性が向上する傾向がある。NOR型HALS化合物の含有量に対するリン系化合物の含有量の比が上記下限以上であると、樹脂シートにより高い難燃性を付与しやすい。また、上記上限以下であると配合量に応じた効果が得られるため経済的であり、またリン系化合物のブリードアウトも抑制できるため好ましい。
樹脂シートは、耐熱性及び難燃性等の効果を阻害しない範囲で、無機フィラーを含有してもよい。無機フィラーは、無機微細粉末とも呼ばれる。
無機フィラーは、樹脂シートの白色性又は不透明性を向上し得る。また、無機フィラーは、樹脂シートの延伸成形時に空孔核材として働き、樹脂シートを多孔化して白色性又は不透明性を高めやすい。したがって、無機フィラーを配合した樹脂組成物は、いわゆる合成紙の原料として有用である。
樹脂シートは、必要に応じて、分散剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、ブロッキング防止剤、結晶核剤、滑剤等の公知の添加剤を配合してもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、NOR型HALS化合物以外の光安定剤を配合してもよい。
樹脂シートは、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
樹脂シートが多層構造である場合、各層を構成する樹脂組成物は同一であっても、異なっていてもよい。例えば、最外層におけるリン系化合物の含有量が比較的大きければ、樹脂シートの難燃性が向上しやすく、また、いずれかの層の無機フィラーの含有量が比較的大きければ、合成紙として所望の白色性又は不透明性が得られやすい。
印刷層は、色材およびバインダー樹脂を含有する層である。印刷層は、インク組成物の膜を乾燥させて溶媒を除去して得られる。インク組成物は、例えば顔料、染料等の色材、バインダー樹脂、及び有機溶剤、水系媒体等の溶媒を含有する。以下、インク組成物を単にインクということがある。本発明では、上述した上記樹脂シートの少なくとも一方の面上にインク組成物の膜を形成後、乾燥して膜中の溶媒を除去することにより、印刷層が形成される。
印刷層の破断温度の下限は特に存在しないが、常温でのインク割れを防ぐために通常は50℃以上である。
印刷層の破断温度は以下のようにして測定される。
インク組成物をテフロン(登録商標)シート上に乾燥後の厚さが100μmとなるように塗工した後、乾燥させて溶媒を除去し、乾燥状態にあるインク組成物の膜である印刷層を得る。得られた印刷層を所定サイズ(長辺×短編×厚み=68mm×5mm×100μmの短冊状)にカットし、測定サンプルを作製する。このサンプルに一定の試験力を加えたまま10℃/分で昇温し、破断したときの温度を印刷層の破断温度とする。破断温度は固相動的粘弾性測定装置(DMA:Dynamic Mechanical Analyzer)により測定することができる。
インク組成物の膜の形成方法、すなわち印刷方法としては特に限定されず、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、シール印刷、又はスクリーン印刷等が挙げられる。
印刷層の破断温度は、主に用いるバインダーの種類及び配合量等によって調整することができる。
上記バインダー樹脂として用いる樹脂に、上述以外の樹脂を多少(例えば、バインダー樹脂100質量部に対して20質量部以下)併用してもよいが、その場合、印刷層の破断温度は上述した規定値250℃以下を満足する必要がある。
樹脂シートには直接印刷することが可能であるが、場合によりインク受理層を設けてもよい。インク受理層は、樹脂シートの印刷適性、特にインクの転移性及びインクの密着性を高める効果を奏する。
インク受理層は、必要に応じて、インク定着剤、帯電防止剤、架橋剤、アンチブロッキング剤、着色剤、消泡剤、防黴剤、及び滑剤等を含むことができる。
本発明の印刷済樹脂シートは、樹脂シート上にインク組成物を用いて印刷層を設けることにより製造することができる。
樹脂シートは、通常は樹脂組成物を調製し、当該樹脂組成物を成形することにより製造することができる。樹脂組成物は、樹脂シートの各成分をよく混合し、一軸又は二軸押出機で溶融混練し、調製する。または、各成分を予め混合することなく、あるいはその一部のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、樹脂組成物を調製することもできる。さらには、熱可塑性樹脂の一部に他の成分の一部を配合したものを溶融混練してマスターバッチを調製し、次いでこれに残りの熱可塑性樹脂及び他の成分を配合して溶融混練してもよい。また、樹脂シートが多層構造の場合には、各層に応じた各層形成用の樹脂組成物を調製すればよい。なお、溶融混練に際しての加熱温度は、押出機のシリンダー温度として通常180~300℃程度、特に圧縮ゾーンでのシリンダー温度として通常200~250℃程度であり、吐出される樹脂温度は通常200~250℃である。
まず、樹脂組成物を、押出機を用いて溶融混練し、単一のダイスに供給して、シート状に押し出し、熱可塑性樹脂の融点より低い温度、例えばプロピレン系樹脂の場合は40~85℃まで冷却することで、無延伸樹脂シートが得られる。次に、この無延伸樹脂シートを、熱可塑性樹脂の融点よりも2~15℃以上低い延伸温度で、縦方向に3~10倍延伸する。これにより、縦方向に配向した一軸延伸樹脂シートが得られる。続いて、この一軸延伸樹脂シートを、熱可塑性樹脂の融点よりも2℃~15℃以上低い延伸温度で、横方向に4~12倍延伸する。これにより、二軸延伸樹脂シートが得られる。
延伸後の樹脂シートには、熱処理を行うことが好ましい。熱処理の温度は、熱可塑性樹脂の融点より、1~15℃以上高い温度で行うことが好ましい。熱処理を行うことにより、熱可塑性樹脂の非晶部分の結晶化が促進されて延伸方向への熱収縮率が低減し、樹脂シートの寸法変化が少なくなる。熱処理の方法はロール加熱又は熱オーブンで行うのが一般的であるが、これらを組み合わせてもよい。
延伸後の樹脂シートには、表面処理を行ってもよい。表面処理により、樹脂シートの二次加工適性を向上させることができる。表面処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、又はオゾン処理等の酸化処理等が挙げられる。また、延伸後の樹脂シートに対して酸化処理を行った後に、アンカー剤及び帯電防止剤を塗工してもよい。
印刷層は、インク組成物を用いて印刷し、その後乾燥等を行って形成されることが好ましい。
<厚み>
樹脂シートの厚みは、所望性能に応じて適宜設定すればよく、特に制限されないが、30μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましく、50μm以上がさらに好ましい。また、同厚みは、500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、200μm以下がさらに好ましい。樹脂シートの厚みが上記下限以上であると、十分な機械的強度が得られやすく、延伸成形又は使用の際の樹脂シートの破断を防止しやすい。また厚みが上記上限以下であると、樹脂シートが重くなりすぎず、取り扱いが容易になる傾向にある。
本発明の印刷済樹脂シートの用途は特に限定されないが、特に、印刷用紙、ラベル又はシール用紙、反射シート等の用途に好適に利用可能である。
印刷が施される用途としては、例えば建材として用いられる難燃壁紙、店舗等に用いられる防炎ポスター、電飾ポスター、又はポップ等が挙げられる。ラベル又はシールの用途としては、例えば店舗に用いられる店舗ステッカー、自動車等に用いられるタグラベルやハーネス、鉄道車両等に用いられるガラスステッカー等が挙げられる。光反射機能が求められる用途としては、例えば液晶ディスプレイ用の光反射シート、電飾看板用の光反射シート、室内照明用の光反射シート、農業用マルチシート、撮影用レフ板、又はコピー機の裏蓋等が挙げられる。
プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP FY6、日本ポリプロ社製、MFR(230℃、2.16kg荷重):2.5g/10min)68.7質量%、プロピレン単独重合体(商品名:ノバテックPP MA3U、日本ポリプロ社製、MFR(230℃、2.16kg荷重):11g/10min)25.0質量%、式(1)で表される化学構造を有するNOR型HALS化合物(ビス(1-ウンデカンオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)カルボネート、CAS No.705257-84-7、商品名:アデカスタブ LA-81、ADEKA社製)0.6質量%、引火点が440℃以上であるリン系化合物(ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト(CAS No.154862-43-8、商品名:ドーバーフォス S-9228、Dover Chemical社製、加水分解度:0.7質量%)0.7質量%、及び無機フィラー(ルチル型二酸化チタン微細粉末、商品名:タイペーク CR-60、石原産業社製、平均粒子径:0.21μm)5質量%を、スーパーミキサーで混合し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を230℃に設定した二軸混練機にて溶融混練し、混練物をダイよりストランド状に押し出し、これを水槽中で冷却した後にペレタイザーでカットして、ペレットを得た。
樹脂シート(1)における樹脂組成物中のリン系化合物を、引火点が150~180℃のリン系化合物(トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、CAS No.31570-04-4、商品名:イルガフォス-168、BASFジャパン社製、加水分解度:15質量%)0.7質量%に変更した以外は、上記樹脂シート(1)と同様の手順により樹脂シート(2)を得た。
<厚み>
各実施例及び比較例で得られた樹脂シートの厚みは、定圧厚さ測定器(機器名:PG-01J、テクロック社製)を用い、JIS K7130:1999に従って求めた。
<実施例1>
上記樹脂シート(1)の一方の面に、バーコーターを用いて、アミド系樹脂を含有するグラビア印刷用の溶剤インク(商品名:ポリSダイヤDX-60-N アイ800、サカタインクス社製、破断温度:90℃)を2g/m2印刷した。その後、オーブンにて40℃で2分乾燥させて印刷層を形成し、実施例1の印刷済樹脂シートを得た。
実施例1において、グラビア印刷用の溶剤インクとして、ポリSダイヤDX-60-N アイ800の代わりに塩化ビニル系樹脂を含有するインク(商品名:MFF39 藍、東洋インキ社製、破断温度:130℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の印刷済樹脂シートを得た。
実施例1において、グラビア印刷用の溶剤インクとして、ポリSダイヤDX-60-N アイ800の代わりに塩素化プロピレン系樹脂を含有するインク(商品名:ラミングニューPPL-N アイ800 PR-30、サカタインクス社製、破断温度:105℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の印刷済樹脂シートを得た。
実施例1において、樹脂シート(1)の代わりに樹脂シート(2)を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例4の印刷済樹脂シートを得た。
実施例2において、樹脂シート(1)の代わりに樹脂シート(2)を用いた以外は、実施例2と同様にして実施例5の印刷済樹脂シートを得た。
実施例3において、樹脂シート(1)の代わりに樹脂シート(2)を用いた以外は、実施例3と同様にして実施例6の印刷済樹脂シートを得た。
実施例1において、グラビア印刷用の溶剤インクとして、ポリSダイヤDX-60-Nアイ800の代わりにウレタン系樹脂を含有するインク(商品名:ラミスターR39 藍、東洋インキ社製、破断温度:250℃より大きい)を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の印刷済樹脂シートを得た。
上記樹脂シート(1)の一方の面に、RIテスターを用いて、UV硬化型樹脂を含有するオフセット印刷用のUV硬化型インク(商品名:ベストキュアUV161、T&K TOKA社製、破断温度:250℃より大きい)を2g/m2印刷した。その後、UV照射機にて100mJ/cm2で硬化させて印刷層を形成し、比較例2の印刷済樹脂シートを得た。
比較例2において、樹脂シート(1)の代わりに樹脂シート(2)を用いた以外は、比較例2と同様にして比較例3の印刷済樹脂シートを得た。
樹脂シート(1)及び(2)が含有する各熱可塑性樹脂の燃焼試験後の残渣率は、次のようにして測定した。2種以上の熱可塑性樹脂を含有する場合は、樹脂シート中の各熱可塑性樹脂の含有量とそれぞれの残渣率とを乗算した値の和を求めた。
樹脂10mgをアルミ製の容器に入れて熱重量示差熱分析装置Thermo plus Evo TG8120(リガク社製)内に設置し、10℃/minで600℃まで昇温した。昇温前と昇温完了後の質量をそれぞれ測定し、昇温前の質量に対する昇温後の質量の割合(質量%)を残渣率として算出した。
印刷層の破断温度は、次のようにして測定した。
印刷層の形成に用いたインク(単品)を、テフロン(登録商標)シート上に、乾燥状態(ただし、UV効果型インクについては硬化後)の厚さが100μmとなるように塗工して乾燥させた。その後、長辺×短辺×厚みが68mm×5mm×100μm である短冊状の型枠によりカットした。テフロン(登録商標)シートを取り除くことで、印刷層のみのサンプルを得た。
上記の実施例及び比較例の印刷済樹脂シートについて、下記評価を行った。また、参考例1及び2としてそれぞれ印刷前の樹脂シート(1)及び(2)についても、下記評価を行った。
ヤケとは、シート成形時に樹脂が流れにくい部分が長時間加熱され、添加剤、主にリン系化合物等の難燃剤が劣化又は黒色に変色することをいう。白色の樹脂シート中にヤケが混入すると、斑点のような汚れが生じることがある。
印刷済樹脂シートからランダムに100mm×100mmを切り取り、そのシート内に存在する黒色異物の個数と大きさをルーペと定規を用いて目視で測定した。黒色異物の直径が0.3mmより大きい場合は1個につき1ポイント、0.2mm以上0.3mm以下の場合は1個につき0.5ポイント、0.2mm未満の場合は0ポイントとして、その合計ポイント数によりヤケを下記のように評価した。
A:1ポイント未満
B:1ポイント以上、3ポイント未満
C:3ポイント以上
各実施例及び比較例で得られた樹脂シートについて、消防法施行規則第4条3に規定される「45度コイル法」にて、難燃性評価試験を実施した。具体的には45度コイル法で燃焼試験を行い、燃え尽きるまでの接炎回数を測定した。なお、難燃性は下記の基準で評価した。
A(良) :4回以上
B(可) :3回
C(不可):2回以下
Claims (9)
- 樹脂シートと、前記樹脂シートの少なくとも一方の面上に印刷層と、を有する印刷済樹脂シートであって、
前記樹脂シートが、NOR型光安定剤及びリン系化合物を含有する熱可塑性樹脂シートであり、前記熱可塑性樹脂シートに用いられる熱可塑性樹脂の燃焼試験後の残渣率が5%以下であり、
前記印刷層の破断温度が、250℃以下であり、
前記リン系化合物が、下記式(3)で表される亜リン酸エステル化合物である
印刷済樹脂シート。
(式中、R 4 及びR 5 は同一であっても異なっていてもよく、置換又は無置換のC 1~30 アルキル基、置換又は無置換のC 3~30 シクロアルキル基、あるいは置換又は無置換のC 6~30 アリール基を示す。) - 前記熱可塑性樹脂が、主成分としてオレフィン系樹脂を含む
請求項1に記載の印刷済樹脂シート。 - 前記オレフィン系樹脂が、主成分としてプロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂の少なくとも1種を含む
請求項2に記載の印刷済樹脂シート。 - 前記印刷層が、色材及びバインダー樹脂を含有する
請求項1~4のいずれか一項に記載の印刷済樹脂シート。 - 前記バインダー樹脂が、アミド系樹脂、塩素化プロピレン系樹脂及び塩化ビニル系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む
請求項5に記載の印刷済樹脂シート。 - 前記印刷層が、乾燥状態にあるインク組成物の膜であり、
前記インク組成物が、前記色材、前記バインダー樹脂、及び有機溶剤を含有する
請求項5又は6に記載の印刷済樹脂シート。 - 前記インク組成物が、グラビア印刷用インク組成物である
請求項7に記載の印刷済樹脂シート。 - 前記リン系化合物が、270℃以上の引火点を有するか、引火点を有しない
請求項1又は2に記載の印刷済樹脂シート。
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