JP7289998B1 - フォアグラ代替食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】脂質分離が抑制され、好ましくはその他の品質(例えば、保色性、味、ジューシーさ、なめらかさ)も改善された、フォアグラ代替食品を提供する。【解決手段】(A1)植物性タンパク質および/または乳タンパク質と、(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、(D)卵黄と、を含み、前記成分(D)の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品。下記の工程(1)、(2)および(3)を含み、工程(3)による食品組成物中の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品の製造方法:(1)(A)植物性タンパク質、乳タンパク質および卵タンパク質からなる群より選ばれる1種または2種以上を含むタンパク質と、水と、を含む水和物を調製する工程;(2)(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、含む乳化物を調製する工程;(3)前記工程(1)による水和物と、前記工程(2)による乳化物と、必要に応じて卵黄と、を混合して食品組成物を製造する工程。【選択図】なし

Description

本発明は、フォアグラ代替食品およびその製造方法、より具体的には、脂肪分離の抑制その他の品質が改善されたフォアグラ代替食品およびその製造方法に関する。
高級品や希少価値の高い食品と知られているフォアグラは、脂肪含量が非常に多い肝臓であり、ガチョウや鴨を強制給餌で肥育させる。しかし、強制給餌は動物の健康への負荷が大きく、動物愛護の観点から、フォアグラの生産を禁止する国が増加している。一方、日本国内では、毎年のように飲食チェーンでフォアグラを使用したメニューが販売されており、人気メニューであるが、海外の動きと同じように強制給餌に対する問題意識も生まれている。そのため、強制給餌によらずに生産することのできる、フォアグラ代替食品の需要が高まっている。
従来のフォアグラ代替食品およびその製造方法としては、例えば次のようなものが知られている。
特許文献1には、動物エキスを添加した水産ねりまたはペースト状製品であって、特定量のゼラチンを分散添加したレバー様加工食品や、その製造方法であって、水、動植物タンパク、動植物性油などを混合攪拌して乳化物を形成し、これにゼラチンを加えて混合攪拌してゼラチン乳化液となし、魚のすり身に動物エキス等を加えたものに当該ゼラチン乳化液を混合分散させる工程を含む製造方法が記載されている。また、特許文献1の実施例には、油、エマルスター(カゼインナトリウムとグルテンの混合物)、ゼラチン、調整水、魚すりみ、全卵液、小麦澱粉、鶏の肝、チキンエキスおよび調味料(食塩および砂糖を含む)を含む、フォアグラ様食品の配合例が開示されており、所定の手順に従ってフォアグラ様食品を得たことが記載されている。なお、特許文献1には、レバー様加工食品の成分、原料として、「乳脂肪」や「O/W型乳化剤」は記載されていない。
特許文献2には、(1)食用油脂と、W/O型乳化剤と、卵白粉末を含む粉末素材と、を撹拌混合した油脂系混合物を作製する工程、(2)水と、O/W型乳化剤と、を撹拌混合した水系混合物を作製する工程、(3)前記油脂系混合物と、前記水系混合物と、をさらに撹拌混合した乳化ペースト物を作製する工程、などを含む、レバー様乾燥食品の製造方法が記載されている。特許文献2の実施例には、フォアグラ風のレバー様乾燥食品の製造方法として、(1)レバーパウダー、卵白粉末、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、エンドウ豆タンパク粉、W/O型乳化剤(HLB1のショ糖脂肪酸エステル)、精製ラード等を撹拌混合して油脂系混合物を作製する工程、(2)O/W型乳化剤(HLB9のショ糖脂肪酸エステル)、水等を撹拌混合して水系混合物を作製する工程、(3)作製した油脂系混合物と水系混合物を乳化攪拌して乳化ペースト物を作製する工程、などを含む、レバー様乾燥食品の製造方法が開示されている。なお、特許文献2には、レバー様乾燥食品の成分、原料として「卵黄」は記載されておらず、また「食用油脂」(段落0014)として「乳脂肪」は具体的に記載されていない。
特許文献3には、所定の条件を満たす澱粉を含有する成分(A)と、食用油脂と、タンパク質を含む乳化素材とを含む乳化原料を乳化して乳化物を得る工程などを含む、パテ様食品の製造方法であって、食用油脂の配合量や乳化物の配合量を特定の範囲とすることを特徴とする製造方法が記載されている。特許文献3の実施例(実施例1~10、表2、表3)では、所定の配合の原料を用いて、所定の工程により、パテ様食品としてフォアグラ様食品を作製したことが記載されている。フォアグラ様食品の配合としては、成分(A)と、乳化素材またはそれを含む材料としての脱脂粉乳、豆乳または大豆粉と、食用油脂として各種の調味油、固体脂または植物油と、を含む配合が開示されている。また、実施例1~7では、表2の配合に従い、成分(A)、乳化素材またはそれを含む材料(脱脂粉乳または大豆粉)、および食用油脂等を混合し、その混合物に水を加えてさらに混合して乳化物を得る工程を含む製造方法が開示されている。実施例7~10では、表3の配合に従い、成分(A)、食用油脂等を混合し、その混合物に乳化素材またはそれを含む材料(豆乳)を加えてさらに混合して乳化物を得る工程を含む製造方法が開示されている。なお、特許文献3には、乳化安定性向上の観点から、大豆タンパク質または乳タンパク質を含む乳化素材を用いることが記載されているが、「O/W型乳化剤」を用いることは記載されていない。また、特許文献3には「食用油脂」(段落0030)として「乳脂」がその他の動物脂、植物油脂等と共に例示されており、「乳化素材」に含まれる「タンパク質」(段落0035)として「卵白タンパク質、卵黄タンパク質等の卵タンパク質」がその他の動物タンパク質または植物タンパク質と共に例示されているが、実施例では「乳脂」や「卵黄タンパク質」等の卵タンパク質は用いられていない。
特開昭63-233764号公報 特開2019-176794号公報 特開2022-152094号公報
従来のフォアグラ代替食品は、脂肪含量が本物のフォアグラよりも少なく、本物同等のジューシーさがない。また、ジューシーさを出すために脂肪含量を増やすと、従来のフォアグラ代替食品の製造方法では脂肪分離が起こり、食感が悪くなる傾向にある。例えば、前掲特許文献1に記載された製造方法において、植物油脂を45%に高めると脂肪分離が起きてしまう。また、前掲特許文献2に記載された製造方法では、脂質を含む混合物を乳化する際に「W/O型乳化剤」を用いることを特徴としているが、脂質含量を増やすと乳化が良好でなく、やはり脂質分離が起きてしまう。
本発明は、脂質分離が抑制され、好ましくはその他の品質(例えば、保色性、味、ジューシーさ、なめらかさ)も改善された、フォアグラ代替食品を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定の配合組成を有する原料を用いることにより、特に原料として特定量の卵黄を配合したり、動植物性油脂だけでなく乳脂肪を必須のものとして配合したりすることにより、また製造工程において特定の手順で乳化、混合を行うことにより、脂肪含量を高めても脂質分離を起こさないフォアグラ代替食品が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は少なくとも下記の事項を包含する。
[項1]
(A1)植物性タンパク質および/または乳タンパク質と、
(B)乳脂肪と、
(C)O/W型乳化剤と、
(D)卵黄と、
を含み、前記成分(D)の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品。
[項2]
(A2)卵黄を含む卵タンパク質と、
(B)乳脂肪と、
(C)O/W型乳化剤と、
を含み、前記成分(A2)の卵タンパク質に含まれる卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品。
[項3]
(E)動物のレバーをさらに含む、項1または2に記載のフォアグラ代替食品
[項4]
(F)動物性油脂(乳脂除く)および/または植物性油脂 をさらに含む、項1~3のいずれか一項に記載のフォアグラ代替食品。
[項5]
前記(F)の植物性油脂が常温で固体である、項4に記載のフォアグラ代替食品。
[項6]
脂質含量がフォアグラ代替食品全量に対して40質量%以上である、項1~5のいずれか一項に記載のフォアグラ代替食品。
[項7]
下記の工程(1)、(2)および(3)を含み、工程(3)による食品組成物中の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品の製造方法。
(1)(A)植物性タンパク質、乳タンパク質および卵タンパク質からなる群より選ばれる1種または2種以上を含むタンパク質と、水と、を含む水和物を調製する工程。
(2)(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、を含む乳化物を調製する工程。
(3)前記工程(1)による水和物と、前記工程(2)による乳化物と、必要に応じて卵黄と、を混合して食品組成物を製造する工程。
[項8]
前記工程(2)において、(F)動物性油脂(乳脂除く)および/または植物性油脂をさらに含む乳化物を調製する、項7に記載の製造方法。
[項9]
前記工程(2)の乳化時の温度が10~20℃である、項7~8に記載の製造方法。
[項10]
前記工程(3)の混合時の温度が10~20℃である、項7~9に記載の製造方法。
本発明により、脂肪含量が比較的高くても(例えば40%以上でも)脂質分離が抑制されたフォアグラ代替食品を製造することができる。そのようなフォアグラ代替食品は、保色性(色調の変化)、味、ジューシーさ、なめらかさなどにも優れたものとすることができる。
-フォアグラ代替食品-
本発明による第1のフォアグラ代替食品は、(A1)植物性タンパク質および/または乳タンパク質と、(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、(D)卵黄と、を含み、前記成分(D)の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して特定の範囲内のものである。
本発明による第2のフォアグラ代替食品は、(A2)卵黄を含む卵タンパク質と、(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、を含み、前記成分(D)の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して所定の範囲内のものである。
本発明による「第1のフォアグラ代替食品」および「第2のフォアグラ代替食品」(本明細書において「本発明のフォアグラ代替食品」と総称する。)は、所望により、(E)動物のレバー、(F)動物性油脂(乳脂を除く)および/または植物性油脂、(G)その他の任意成分、などをさらに含むことができる。
(A1)植物性タンパク質および/または乳タンパク質
本発明における成分(A1):植物性タンパク質および/または乳タンパク質としては、公知の食品の製造に用いられているものと同様の植物性タンパク質および/または乳タンパク質を用いることができる。成分(A1)の配合量は本発明の作用効果や実施形態等を考慮しながら適宜調節することができるが、例えば、フォアグラ代替食品全量に対して2~7質量%が好ましく、3~5質量%がより好ましい。
植物性タンパク質としては、例えば、大豆タンパク質(大豆から抽出され、必要に応じて精製された、タンパク質を含む成分)、エンドウ豆タンパク質、ひよこ豆タンパク質、小麦タンパク質、ジャガイモタンパク質、米タンパク質、その他の豆類、種子類、穀類等に由来するタンパク質が挙げられる。植物性タンパク質は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で混合して用いてもよい。植物性タンパク質としては、大豆タンパク質および小麦タンパク質が好ましく、大豆タンパク質がより好ましい。植物性タンパク質は、粉末状のものが好ましい。
成分(A1)として植物性タンパク質を単独で、または乳タンパク質と共に用いる場合、その配合量は本発明の作用効果や実施形態等を考慮しながら適宜調節することができるが、フォアグラ代替食品全量に対して1.5~3質量%が好ましい。
乳タンパク質としては、例えば、カゼインタンパク質(例:カゼインNa)、ホエイタンパク質が挙げられる。乳タンパク質は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の比率で混合して用いてもよい。乳タンパク質としては、カゼインタンパク質が好ましい。乳タンパク質は、粉末状のものが好ましい。
成分(A1)として乳タンパク質を単独で、または植物性タンパク質と共に用いる場合、その配合量は本発明の作用効果や実施形態を考慮しながら適宜調節することができるが、フォアグラ代替食品全量に対して0.5~2質量%が好ましい。
(A2)卵黄を含む卵タンパク質
本発明における成分(A2):卵黄を含む卵タンパク質としては、公知の食品の製造に用いられているものと同様の卵黄を含む卵タンパク質を用いることができる。卵黄を含む卵タンパク質としては、例えば、鶏卵、ウズラ卵に由来するものが挙げられ、鶏卵に由来するものが好ましい。卵黄を含む卵タンパク質は、液状であっても、粉末化されたものであってもよい。卵黄を含む卵タンパク質は、全卵であってもよいし、卵黄のみであってもよいし、卵黄と卵白の混合物であってもよい。
成分(A2)の配合量は本発明の作用効果や実施形態を考慮しながら適宜調節することができるが、フォアグラ代替食品全量に対して5~30質量%が好ましく、5~25質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A2)中の卵黄の配合量は、脂質分離を起こさずにフォアグラ代替食品を製造できるようにするという本発明の作用効果を奏するために、フォアグラ代替食品全量に対して5~20質量%、好ましくは5~15質量%とすべきである。成分(A2)中の卵黄として、液状の卵黄を使用する場合は10~20質量%が好ましく、粉末化された卵黄を使用する場合は5~10質量%が好ましい。
(B)乳脂肪
本発明では、脂質として成分(B):乳脂肪を必須のものとして用いることにより、脂肪分離を抑制することができ、動植物性油脂のみを用いた場合と比較して喫食時の味やなめらかさが良好なものとなる。
本発明の成分(B)としては、公知の食品の製造に用いられているものと同様の乳脂肪を用いることができる。乳脂肪の由来としては、例えば、クリームチーズ、生クリーム、バター、バターオイル、サワークリーム、生乳、牛乳、全粉乳、濃縮乳、練乳などが挙げられ、クリームチーズ、生クリームが好ましい。
成分(B)の配合量(例えば、乳脂肪としてクリームチーズに由来するものを用いる場合は、クリームチーズとしての配合量)は本発明の作用効果(特に、乳化、味、ジューシーさ、なめらかさの観点)や実施形態を考慮しながら適宜調節することができるが、フォアグラ代替食品全量に対して5~25質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。
(C)O/W型乳化剤
本発明では、成分(C):O/W型乳化剤を用いて乳化処理(本発明のフォアグラ代替食品の製造方法における「乳化物調製工程」、詳細は後述)を行うことにより、脂質分離が抑制されたフォアグラ代替食品を製造することができる。
本発明の成分(C)としては、公知の食品の製造に用いられているものと同様のO/W型乳化剤、すなわちHLBが8~16で食品添加物として使用できる乳化剤を用いることができる。O/W型乳化剤のHLBは、乳化の観点から、13~16が好ましい。O/W型乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ジグリセリン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、ポリソルベート、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが挙げられ、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
成分(C)の配合量は、本発明の作用効果(特に乳化の観点)や実施形態を考慮しながら適宜調節することができるが、フォアグラ代替食品全量に対して0.1~1.0質量%が好ましく、0.3~0.5質量%がより好ましい。
(D)卵黄
本発明における成分(D):卵黄としては、公知の食品の製造に用いられているものと同様の卵黄を用いることができる。卵黄としては、例えば、鶏卵、ウズラ卵に由来するものが挙げられ、鶏卵に由来するものが好ましい。卵黄は、液状であっても、粉末化されたものであってもよい。
本発明において、成分(D)の配合量は、脂質分離を起こさずにフォアグラ代替食品を製造できるようにするという本発明の作用効果を奏するために、フォアグラ代替食品全量に対して5~20質量%、好ましくは5~15質量%とすべきである。液状の卵黄を使用する場合は10~20質量%が好ましく、粉末化された卵黄を使用する場合は5~10質量%が好ましい。
また、本発明による第1のフォアグラ代替食品において、成分(A1)に対する成分(D)の質量比:(D)/(A1)は、1~5が好ましい。
(E)動物のレバー
本発明では、成分(E):動物のレバーを用いることにより、フォアグラ代替食品の味をフォアグラに近いものとすることができる。また、一般的にレバー(鉄分)を多く含む食品は他の原料と反応して緑色に変色してしまうことがあるが(緑変)、本発明のフォアグラ代替食品はしっかり乳化されるため原料同士が反応しにくく、動物のレバーを含んでいても緑変しにくい。
本発明の成分(E)としては、公知の食品の製造に用いられているものと同様の動物のレバーを用いることができる。動物のレバーとしては、鶏、牛、豚などのレバーが挙げられるが、味、風味、食感の観点から鶏レバーが好ましい。
成分(E)の配合量は、本発明の作用効果(特に味、保色性、食感の観点)や実施形態を考慮しながら適宜調節することができるが、フォアグラ代替食品全量に対して5~30質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましく、15~20質量%がさらに好ましい。
(F)動物性油脂(乳脂を除く)および/または植物性油脂
本発明では、成分(F):動物性油脂(乳脂を除く)および/または植物性油脂を用いることにより、フォアグラ代替食品の味、ジューシーさ、なめらかさなどを向上させることができる。
植物性油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、ヤシ油、コーン油、亜麻仁油、エゴマ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、ココナッツオイル、ごま油、こめ油、ひまわり油、べに花油、綿実油、落花生油が挙げられ、菜種油、パーム油、ヤシ油が好ましく、パーム油がより好ましい。
植物性油脂は、常温で液体のもの(液油)であってもよいし、常温で固体のもの(固形油)であってもよいが、フォアグラ代替食品の硬さの観点から、融点が20℃以上であるもの、例えばパーム油、ヤシ油が好ましい。
動物性油脂としては、例えば、豚脂(ラード)、牛脂、鶏油、魚油、馬脂が挙げられ、豚脂が好ましい。
成分(F)の配合量は、本発明の作用効果や実施形態を考慮しながら適宜調節することができるが、特に味、ジューシーさ、風味、なめらかさの観点から、成分(F)の質量と、それ以外の成分、例えば成分(B):乳脂肪、成分(D):卵黄、成分(E):動物のレバー、成分(G4):食肉原料などに含まれる脂質の質量の合計(本明細書において「脂質含量」と呼ぶ)が、フォアグラ代替食品全量に対して40質量%以上となるようにすることが好ましく、43質量%以上となるようにすることがより好ましい。なお、成分(F)以外の成分に含まれる脂質の質量は、当該成分の質量×当該成分の脂質量(比率)により算出することができる。
(G)任意成分
本発明のフォアグラ代替食品は、必要に応じて、(A)~(F)以外の成分をさらに含むことができる。そのような任意成分としては、例えば、(G1)調味料、(G2)着色料、(G3)加工澱粉、(G4)食肉原料、(G5)酵素製剤、などが挙げられる。任意成分は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
成分(G1):調味料としては、例えば、アミノ酸、核酸、有機酸、上白糖、食塩、脱脂粉乳、食物繊維が挙げられる。調味料は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。調味料の配合量は、例えばフォアグラ代替食品全量に対して0.1~5質量%とすることができる。
成分(G2):着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、アントシアニン色素、アナトー色素、パプリカ色素、紅花色素、紅麹色素、フラボノイド色素、コチニール色素が挙げられる。着色料は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。着色料の配合量は、例えばフォアグラ代替食品全量に対して0.1~0.5質量%とすることができる。
成分(G3):加工澱粉としては、例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウムが挙げられる。加工澱粉は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。加工澱粉の配合量は、例えばフォアグラ代替食品全量に対して1~5質量%とすることができる。
成分(G4):食肉原料としては、例えば、牛肉、豚肉、鶏肉、馬肉、羊肉が挙げられ、鶏肉が好ましい。食肉原料は、カッティング、スライス、またはミンチ状にされたものが好ましい。食肉原料の配合量は、例えばフォアグラ代替食品全量に対して1~5質量%とすることができる。
成分(G5):酵素製剤としては、例えば、トランスグルタミナーゼ製剤が挙げられる。酵素製剤の配合量は、例えばフォアグラ代替食品全量に対して0.1~0.5質量%とすることができる。
本発明のフォアグラ代替食品における各種成分の配合量は、その製造工程において用いられた各種成分に対応する原料の配合量と等しいとみなすことができる。また、本発明のフォアグラ代替食品中の各種成分については、常法に従って定量的または定性的に分析することもできる。
例えば、脂質含量については、バブコック変法による測定値を用いて配合量を算出することもできる。バブコック変法による測定は、次のような手順で行うことができる。細かく破砕した試料を100mLビーカーにいれ、酢酸:過塩素酸混液(1:1,V/V)を
25mL添加する。添加後、150℃のホットプレートで加熱し、ガラス棒でサンプルを攪拌する。固形分がなくなるまで加熱溶解したところで、ホットプレートから降ろし、ビーカー内容物をバブコック瓶に入れる。ビーカーの残留物を酢酸:過塩素酸混液で共洗いし、バブコック瓶に入れ、60℃のウォーターバスで10分間保温する。浮かび上がった脂肪の体積を読み取り、読み取った数値(体積)に脂肪の比重0.92を乗じ、さらに補正係数0.95を乗じた値を、試料中の脂質の質量とみなす。
-フォアグラ代替食品の製造方法-
本発明のフォアグラ代替食品の製造方法は、下記の工程(1)、(2)および(3)を含み、工程(3)による食品組成物中の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して特定の範囲内のものである。
(1)(A)植物性タンパク質、乳タンパク質および卵タンパク質からなる群より選ばれる1種または2種以上を含むタンパク質と、水と、を含む水和物を調製する工程。(本明細書において「水和物調製工程」と呼ぶ。)
(2)(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、を含む乳化物を調製する工程。(本明細書において「乳化物調製工程」と呼ぶ。)
(3)前記工程(1)による水和物と、前記工程(2)による乳化物と、必要に応じて(D)卵黄と、を混合して食品組成物を製造する工程。(本明細書において「食品組成物製造工程」と呼ぶ。)
なお、上記の本発明のフォアグラ代替食品の製造方法は、本発明の第1のフォアグラ代替食品の製造方法および本発明の第2のフォアグラ代替食品の製造方法を包括的に規定したものである。本発明の第1のフォアグラ代替食品の製造方法、本発明の第2のフォアグラ代替食品の製造方法をそれぞれ別個に記載すれば、次のようになる。工程(1’)および(1’’)は、工程(1)について記載した事項に準じて実施することができ、工程(3’)および(3’’)は、工程(3)について記載した事項に準じて実施することができる。
<第1のフォアグラ代替食品の製造方法>
下記の工程(1’)、(2)および(3’)を含み、工程(3’)による食品組成物中の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して特定の範囲内のものである。
(1’)(A1)植物性タンパク質および/または乳タンパク質と、水と、を含む水和物を調製する工程。
(2)(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、を含む乳化物を調製する工程。
(3’)前記工程(1’)による水和物と、前記工程(2)による乳化物と、(D)卵黄と、を混合する工程。
<第2のフォアグラ代替食品の製造方法>
下記の工程(1’’)、(2)および(3’’)を含み、工程(3’’)による食品組成物中の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して特定の範囲内のものである。
(1’’)(A2)卵黄を含む卵タンパク質と、水と、を含む水和物を調製する工程。
(2)(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、を含む乳化物を調製する工程。
(3’’)前記工程(1’’)による水和物と、前記工程(2)による乳化物と、を混合する工程。
本発明のフォアグラ代替食品の製造方法における、工程(3)による食品組成物中の(D)卵黄の配合量の規定は、前述した本発明のフォアグラ代替食品(第1のフォアグラ代替食品および第2のフォアグラ代替食品それぞれ)における、(D)の卵黄の配合量の規定と対応する。すなわち、工程(3)により得られる食品組成物中の卵黄の配合量は、フォアグラ代替食品全量に対して5~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。
本発明のフォアグラ代替食品の製造方法で用いられる原料(B)および(C)は、本発明のフォアグラ代替食品の成分(B)および(C)として前述したものに相当し、その実施形態(種類、量など)に準じることができる。例えば、本発明のフォアグラ代替食品の成分(B)および(C)について記載した配合量は、本発明のフォアグラ代替食品の製造方法における原料(B)および(C)についての配合量に読み替えることができる。
一方、本発明のフォアグラ代替食品の製造方法で用いられる原料(A)は、「植物性タンパク質」および「乳タンパク質」は、本発明のフォアグラ代替食品の成分(A1)として前述したものに相当するが、「卵タンパク質」は、本発明のフォアグラ代替食品の成分(A2)として前述した「卵黄を含む卵タンパク質」と、「卵黄を含まない卵タンパク質」(つまり卵白タンパク質)とを統合したものに相当する。つまり、原料(A)のうち「卵タンパク質」は、全卵、卵黄のみ、卵白のみ、卵黄と卵白の混合物、いずれであってもよい。それ以外は、原料(A)の実施形態(種類、量など)は、成分(A1)または(A2)について記載した事項に準じることができる。例えば、本発明のフォアグラ代替食品の成分(A2)「卵黄を含む卵タンパク質」について記載した配合量は、本発明のフォアグラ代替食品の製造方法における原料(A)として「卵タンパク質」を用いる場合の配合量に読み替えることができる。
(1)水和物調製工程
工程(1):水和物調製工程は、一般的な混合手段(装置、方法等)により行うことができる。例えば、所定量の(A)植物性タンパク質、乳タンパク質および卵タンパク質からなる群より選ばれる1種または2種以上を含むタンパク質と、水と、を同時にまたは任意の順序でミキサーに投入し、攪拌しながら混合(カッティング)した後、冷却することにより、水和物を得ることができる。
水和物調製工程における諸条件は、本発明の作用効果や実施形態を考慮しながら適宜調節することができる。例えば、本工程の混合時の温度は10~30℃が好ましく、また冷却時の温度は5℃以下が好ましい。
(2)乳化物調製工程
工程(2):乳化物調製工程は、一般的な乳化手段(装置、方法等)により行うことができる。例えば、所定量の(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、さらに所望により(F)動物性油脂(乳脂を除く)および/または植物性油脂とを、同時にまたは任意の順序で乳化装置内の水に投入し、攪拌しながら混合(乳化)した後、冷却することにより、乳化物を得ることができる。
乳化物調製工程における諸条件は、本発明の作用効果や実施形態を考慮しながら適宜調節することができる。例えば、本工程の乳化時の温度は、10~30℃が好ましく、10~20℃がより好ましく、また冷却時の温度は5℃以下が好ましい。
(3)食品組成物製造工程
工程(3):食品組成物製造工程は、一般的な混合手段(装置、方法等)により行うことができる。例えば、工程(1)による水和物と、工程(2)による乳化物と、必要に応じて(D)卵黄と、さらに所望により(E)動物のレバーと、(G)その他の任意成分(調味料、着色料等)と、を同時にまたは任意の順序でミキサーに投入し、攪拌しながら混合することにより、食品組成物を得ることができる。
食品組成物製造工程において、(D)卵黄を用いるかどうかや、用いる場合の(D)卵黄の量は、水和物調製工程および乳化物調製工程の実施形態に応じて、工程(3)により得られる食品組成物中の(D)卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して好ましくは5~20質量%、より好ましくは5~15質量%となるように、決定することができる。より具体的には、本発明のフォアグラ代替食品の製造方法により本発明の第1のフォアグラ代替食品を製造する場合、工程(3)において、(D)卵黄を、上記のような好ましいまたはより好ましい配合量を達成できるように用いればよい。一方、本発明のフォアグラ代替食品の製造方法により本発明の第2のフォアグラ代替食品を製造する場合、水和物調製工程における「卵タンパク質」は「卵黄を含む卵タンパク質」を含むことになるが、当該工程により得られた水和物を工程(3)において用いることによって、(i)上記のような好ましいまたはより好ましい卵黄の配合量を達成できる場合は、工程(3)において(D)卵黄を追加的に用いる必要はなく、(ii)達成できない(下限値を下回る)場合はその不足分を補うよう、工程(3)において(D)卵黄を追加的に用いればよい。
食品組成物製造工程における諸条件は、本発明の作用効果や実施形態を考慮しながら適宜調節することができる。例えば、本工程の混合(練り上げ)時の温度は、10~30℃が好ましく、10~20℃がより好ましい。
(4)その他の工程
本発明のフォアグラ代替食品の製造方法は、(1)~(3)以外の工程をさらに含むことができる。そのような追加工程としては、例えば、(4)工程(3)後の食品組成物のケーシング等への充填工程、(5)工程(4)後の充填物の加熱工程、(6)工程(5)後の冷却工程、(7)工程(6)後の調理工程、などが挙げられる。どのような追加工程を行うか、また追加工程それぞれにおける諸条件をどのようにするかは、本発明のフォアグラ代替食品の製造方法の実施形態、すなわち本発明のフォアグラ代替食品の実施形態(製品)に応じて、適宜決定することができる。追加工程は、基本的に従来のフォアグラ代替食品と同様の実施形態で(装置、方法、条件等の適切な手段を用いて)行うことができ、必要に応じて本発明のフォアグラ代替食品の製造方法に適合するように調整することもできる。例えば、工程(5)の加熱工程は、スチーム加熱またはボイル加熱により行うことができ、加熱温度は70~90℃が好ましく、85~90℃がより好ましい。
本明細書に特に明記されていない技術的事項については、当業者であれば、フォアグラ代替食品に関する技術分野における、一般的な技術的事項、または公知の技術的事項を適宜適用することができ、それによって本明細書の記載事項に基づいて本発明を実施することが可能である。
[実施例1]
(1)水和物の調製
表1(水和物)の配合に従い、冷水と粉末状の大豆タンパク質(A1)を10℃でカッティングし、そこにカゼインNa(A1)を加えて20℃で練り上げた後、5℃以下で冷却して、水和物を得た。
(2)乳化物の調製
表1(乳化物)の配合に従い、O/W型乳化剤を冷水に溶かし、そこにパーム油、クリームチーズおよび豚脂を添加して混合し、15℃で乳化させた後、5℃以下で冷却して、乳化物を得た。
(3)食品組成物の製造
上記(1)で得た水和物と、上記(2)で得た乳化物とを混合し、卵黄等の表1に記載の他成分(配合剤)を添加し15℃で練り上げ、食品組成物を得た。
(4)充填~調理
上記(3)で得た食品組成物を、折径105mmの塩ビケーシングに少し緩く充填した。充填物を85℃、90分の条件で、スチーム加熱した。スチーム加熱後の充填物を冷蔵庫で(5℃以下で)冷却した。充填物を冷蔵庫から取り出し、10℃以下で厚さ1~1.5cmにカットし、両面がこんがりする程度にフライパンで焼いて、フォアグラ代替食品(サンプル)とした。
[実施例2~8、比較例1~4]
各配合を表1に記載したように変更したこと以外は、上記実施例1と同様にして、フォアグラ代替食品(サンプル)とした。
[実施例9]
乳化物の調製の乳化時の温度を25℃にしたこと、食品組成物の製造の練り上げ時の温度を25℃にしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、フォアグラ代替食品(サンプル)とした。
[実施例10]
乳化物の調製の乳化時の温度を25℃にしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、フォアグラ代替食品(サンプル)とした。
[実施例11]
食品組成物の製造の練り上げ時の温度を25℃にしたこと以外は、上記実施例1と同様にしてフォアグラ代替食品(サンプル)とした。
[評価試験]
下記の評価項目に従って、実施例1~11および比較例1~4それぞれのサンプルについて、脂肪分離、保色性、味、ジューシーさ、なめらかさ、それぞれの観点からの評価を行った。
<脂肪分離の評価>
◎:全く脂肪分離せず、外観が非常に好ましい。
〇:少し脂肪分離しているが、外観は比較的好ましい。
△:ところどころ脂肪分離しており、外観があまり好ましくない。
×:かなり脂肪分離しており、外観が好ましくない。
<保色性の評価>
◎:製造直後の色調からほとんど変色しない。
○:製造直後の色調が長時間保持される。
△:製造直後の色調が少しの間保持される。
×:製造直後の色調はほとんど保持されない。
<味の評価>
◎:うま味、濃厚感が強く良好。
〇:うま味、濃厚感があり、好ましい。
△:うま味、濃厚感がほとんどなく、好ましくない。
×:うま味、濃厚感がなく、好ましくない。
<ジューシーさの評価>
◎:フォアグラ同等のジューシーさである。
○:フォアグラよりも少し劣るがジューシーである。
△:フォアグラよりも劣るが、少しジューシーさを感じる。
×:ジューシーさを感じない。
<なめらかさの評価>
◎:舌残りせず、非常に滑らか。
〇:わずかに舌残りするが滑らか。
△:やや舌に残り、ざらつく。
×:舌に残り、非常にざらつく。
各評価試験の結果を表1にあわせて示す。実施例1~8はいずれも、全く脂肪分離せず、外観が非常に好ましいものとなっており(評価◎)、また実施例9~11も少し脂肪分離しているが、外観は比較的好ましいものとなっており(評価○)、本発明に則した様々な実施形態により本発明の効果が奏されることが分かる。中でも実施例1、2、および8は、脂肪分離以外の全ての項目、すなわち保色性、味、ジューシーさ、なめらかさの全てにおいても優れており(評価◎)、本発明の特に好ましい実施形態といえる。これに対して、乳脂肪(B)が配合されていない比較例1、乳化剤がO/W型乳化剤(C)ではなくW/O型乳化剤である比較例2および3、ならびに卵黄の配合量が特定の範囲内にない比較例4は、脂肪分離を抑制できておらず(評価△または×)、本発明の効果が奏されていないことが分かる。
Figure 0007289998000001

Claims (10)

  1. (A1)植物性タンパク質および/または乳タンパク質と、
    (B)乳脂肪と、
    (C)O/W型乳化剤と、
    (D)卵黄と、
    を含み、前記成分(D)の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品。
  2. (A2)卵黄を含む卵タンパク質と、
    (B)乳脂肪と、
    (C)O/W型乳化剤と、
    を含み、前記成分(A2)の卵タンパク質に含まれる卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品。
  3. (E)動物のレバーをさらに含む、請求項1または2に記載のフォアグラ代替食品。
  4. (F)動物性油脂(乳脂除く)および/または植物性油脂をさらに含む、請求項1または2に記載のフォアグラ代替食品。
  5. 前記(F)の植物性油脂が常温で固体である、請求項4に記載のフォアグラ代替食品。
  6. 脂質含量がフォアグラ代替食品全量に対して40質量%以上である、請求項1または2に記載のフォアグラ代替食品。
  7. 下記の工程(1)、(2)および(3)を含み、工程(3)による食品組成物中の卵黄の配合量が、フォアグラ代替食品全量に対して5質量%以上20質量%以下である、フォアグラ代替食品の製造方法。
    (1)(A)植物性タンパク質、乳タンパク質および卵タンパク質からなる群より選ばれる1種または2種以上を含むタンパク質と、水と、を含む水和物を調製する工程。
    (2)(B)乳脂肪と、(C)O/W型乳化剤と、を含む乳化物を調製する工程。
    (3)前記工程(1)による水和物と、前記工程(2)による乳化物と、必要に応じて(D)卵黄と、を混合して食品組成物を製造する工程。
  8. 前記工程(2)において、(F)動物性油脂(乳脂除く)および/または植物性油脂をさらに含む乳化物を調製する、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記工程(2)の乳化時の温度が10~20℃である、請求項7に記載の製造方法。
  10. 前記工程(3)の混合時の温度が10~20℃である、請求項7に記載の製造方法。
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インテグリカルチャー、独自の培養技術を用いて食品のみでつくった「食べられるアヒル肝臓由来細胞」の培養, JPN6023021672, 21 February 2023 (2023-02-21), ISSN: 0005072119 *
インテグリカルチャー、独自の培養技術を用いて食品のみでつくった「食べられるアヒル肝臓由来細胞」の培養に成功. [online],2023年02月21日,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000034252.html,2023年5月16日検索, インターネット

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