JP7289686B2 - 転がり軸受 - Google Patents

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この発明は、例えば工作機械主軸等の支持に用いられる転がり軸受に関する。
工作機械主軸をはじめ、高速運転される支持軸受では、アンギュラ玉軸受が広く使用されている。その潤滑には、常に新しい油を供給し、長期にわたり安定した潤滑状態を保つことのできるエアオイル潤滑やオイルミスト潤滑がある。いずれの潤滑方法も、圧縮空気により、微量の潤滑油を軸受に供給し使用される。
微量の潤滑油を効果的に軸受内部に供給するため、図15に示すような、外輪101に外径部から内径部に直通する給油孔101aを設けた軸受がある。図15の軸受では、外輪101の給油孔101aから供給された潤滑油が、軌道面102、転動体103、保持器104に供給された後、排気用切欠き105を通じ外部に排気される。通常、排気用切欠き105は、隣接する外輪101,101の間の間座106に設けられ、ハウジング107と繋がる排気経路108から排気される。
また、この間座を除くことで、軸方向の縮小を可能にする軸受として、外輪幅面に排気用の凹部を設けたものがある(例えば、特許文献1)。図16および図17に、特許文献1の軸受を示す。図16および図17では、後述の本発明の実施形態と同じ構成には同一の符号を付している。図16および図17に示すように、特許文献1では、転動体3を中心に、給油孔5側の凹部9の大きさ(通路面積;この例では、軸方向幅)と、反給油孔5側の凹部9の大きさが同じある。
特許第6138979号公報
しかしながら、特に工作機械主軸の軸受配列では、3列や4列などの多列を背面合わせで使用する場合が多い。特許文献1では、転動体3を中心に、両側の凹部9,9の大きさが同じ大きさとなる。凹部9の大きさが同じ場合、給油孔5から軸受内部に供給されたエアオイル(潤滑油と圧縮空気)が、給油孔5側に近い、転動体3と反対側の凹部9に流れ易くなる。このため、本来の目的である、転動体3を通過し凹部9に流れるエアオイルOLが減少する。
この場合、転動体3、内輪1の軌道面1a、外輪2の軌道面2aおよび保持器4に供給される潤滑油OLが少なくなり、過酷な運転条件の場合、潤滑不足となる恐れがある。これに対応するために潤滑油OLの供給量を増やすと、潤滑油OLの停滞による意図せぬ昇温を招いたり、凹部9を通じて外部に排出される潤滑油量が増えて周辺環境に影響を与えたりする恐れがある。
この発明は、上記課題を解消するものであり、その目的は、エアオイルを有効に使うことができる転がり軸受を提供することである。
この発明の第1の構成にかかる転がり軸受は、内輪および外輪の転走面間に転動体が介
在し、複数組み合わせて用いられる転がり軸受であって、前記外輪に、軸受空間内に貫通するエアオイル潤滑用の給油孔が設けられ、前記外輪の幅面の両方に、軸受の軸方向内方に凹んでエアオイルの排気通路を形成する凹部が内径面から外径面にわたって設けられ、前記凹部は、前記転動体を中心に、給油孔側より反給油孔側の凹部の通路面積が大きく設定されている。この発明の転がり軸受は、例えば、アンギュラ玉軸受である。
この構成によると、転動体を中心に、反給油孔側の凹部の通路面積が大きいので、給油孔から軸受内部に供給されたエアオイルが反給油側の凹部が形成する排気通路に流れ易くなる。これにより、エアオイルの供給量を増やすことなく、転動体を通過して排気用の凹部に流れるエアオイルが増加する。つまり、転動体、内輪の軌道面、外輪の軌道面および保持器に関与する潤滑油が増える。このように、エアオイルを有効に使うことで、運転条件が過酷な場合でも、最小量の潤滑油で潤滑条件が良好となる。潤滑油の供給量が少なくなることで、潤滑油の停滞による意図せぬ昇温を防止できるうえに、凹部から外部に排出される潤滑油も少なくなって周辺環境に影響を与えるのを抑制できる。
この発明の第2の構成にかかる転がり軸受は、内輪および外輪の転走面間に転動体が介在し、複数組み合わせて用いられる転がり軸受であって、前記外輪に、軸受空間内に貫通するエアオイル潤滑用の給油孔が設けられ、前記外輪の幅面の一方に、軸受の軸方向内方に凹んでエアオイルの排気通路を形成する凹部が内径面から外径面にわたって設けられ、前記凹部は、転動体を中心に反給油孔側の幅面にのみ設けられている。この発明の転がり軸受は、例えば、アンギュラ玉軸受である。
この構成によっても、給油孔から軸受内部に供給されたエアオイルが反給油側の凹部に流れ易くなるので、エアオイルの供給量を増やすことなく、転動体、内輪の軌道面、外輪の軌道面および保持器に関与する潤滑油が増える。このように、エアオイルを有効に使うことで、運転条件が過酷な場合でも、最小量の潤滑油で潤滑条件が良好となる。その結果、潤滑油の停滞による意図せぬ昇温を防止できるうえに、周辺環境に影響を与えるのを抑制できる。
この発明において、前記凹部と前記給油孔の位相が異なっていてもよい。給油孔は、例えば、凹部の中心から30°以上離して設けてもよい。この構成によれば、給油孔から軸受内部に供給されたエアオイルが、各転動体を通過して凹部から排出され易くなる。
この発明の転がり軸受によれば、エアオイルを有効に使うことで、運転条件が過酷な場合でも、最小量の潤滑油で潤滑条件が良好となる。
この発明の第1の実施形態に係る転がり軸受を示す断面図である。 同転がり軸受の平面図である。 同転がり軸受のエアオイルの流れを示す断面図である。 同転がり軸受の外輪の幅面を示す図である。 (A)は同転がり軸受の変形例の外輪の一方の幅面を示す図で、(B)は外輪の他方の幅面を示す図である。 同転がり軸受を用いた工作機械用主軸の断面図である。 この発明の第2の実施形態に係る転がり軸受を示す断面図である。 同転がり軸受の平面図である。 この発明の第3の実施形態に係る転がり軸受を示す断面図である。 この発明の第4の実施形態に係る転がり軸受を示す断面図である。 この発明の第5の実施形態に係る転がり軸受を示す断面図である。 この発明の第6の実施形態に係る転がり軸受を示す断面図である。 この発明の第7の実施形態に係る転がり軸受を示す断面図である。 同転がり軸受の平面図である。 従来例の転がり軸受を用いた工作機械用主軸の断面図である。 他の従来例の転がり軸受の断面図である。 同転がり軸受の平面図である。
〔第1の実施形態〕
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。この実施形態に係る転がり軸受は、例えば、工作機械主軸の支持に用いられ、エアオイルにより潤滑される。ただし、この発明の転がり軸受の用途は、工作機械主軸の支持に限定されるものではない。図1は、4個の転がり軸受を、間座無しで背面組合わせ(DB組合わせ)とした例を示す断面図である。
図1に示すように、この転がり軸受は、内輪1と、外輪2と、これら内外輪1,2の転走面1a,2a間に介在する複数の転動体3とを備えている。この例の転がり軸受は、アンギュラ玉軸受であり、転動体3はボールからなる。各転動体3は、リング状の保持器4のポケット4a内に円周方向一定間隔おきに保持されている。保持器4は、例えば、外輪2の内径面2bに案内される外輪案内形式である。ただし、保持器4は、これに限定されない。
平面図である図2に示すように、外輪2には、エアオイル潤滑用の給油孔5と円周溝6が設けられている。給油孔5は、外輪2の外径面2cと内径面2bを径方向に連通する貫通孔である。給油孔5は、外輪2の内径面2bにおける転走面近傍位置を径方向に連通している。給油孔5は、内輪1と外輪2との間の軸受空間SP内に、エアオイルOLを供給する孔である。
ここで、「転走面近傍位置」とは、外輪2の内径面2bのうち、転動体3の中心よりも転動体3と外輪2との反接触側で、給油孔5から、吐出されたエアオイルが転動体3にかかるまでの位置をいう。また、「反接触側」とは、外輪2のうち、転走面2aに対して接触角を成す作用線L1の偏り側と反対側をいう。図4に示すように、給油孔5は、外輪2における180°対角位置に2箇所設けている。
図2に示すように、外輪2の外径面2cに円周溝6が設けられている。円周溝6は、2箇所の給油孔5,5に連通している。換言すれば、円周溝6は、外輪2の外径面2cにおける2箇所の給油孔5,5の開口先端のある箇所を通るように設けられている。図1に示すように、円周溝6は、円弧形状の断面に形成されている。円周溝6は、例えば、円周溝6の溝底位置が給油孔5,5の中心軸線に合致するように設けられている。また、この実施形態では、円周溝6内に、給油孔5,5の各開口先端が収まるように設けられている。
図1に示すように、外輪2の外径面2cにおける円周溝6の両側位置に、環状溝7,7が設けられている。各環状溝7,7に、環状のシール部材8,8が設けられている。環状のシール部材8,8は、例えば、ゴム製のOリングである。つまり、ハウジングHsの内周面と外輪2の外径面2cとの間における、円周溝6および給油孔5,5の両側位置に環状のシール部材8,8が設けられている。これにより、エアオイルOLの漏れ防止を図っている。
外輪2の両幅面2d,2eに、エアオイル排気用の凹部9,9が設けられている。図4に示すように、この実施形態では、凹部9は、給油孔5に対し位相が90°ずれた位置に
形成されている。図4では、外輪2における一方の幅面2d(2e)を示しているが、凹部9が形成される位置(位相)は、他方の幅面2e(2d)も同じである。この明細書では、転動体3を中心給油孔5が形成される側(給油孔側)の幅面2dを一方の幅面2dとし、給油孔5が形成されない側(反給油孔側)の幅面2eを他方の幅面2eとしている。なお、「幅面」を「端面」という場合がある。
図1に示すように、幅面の排気用の凹部9は、軸受の軸方向内方に凹み、且つ、外輪2の内径面2bから外径面2cにわたって設けられている。図4に示すように、凹部9,9は、外輪2の180°対角位置に配設されると共に、これら凹部9,9の幅寸法H1、つまり、周方向の直線寸法が同一寸法となるように設けられている。
図4の例では、凹部9は、給油孔5に対し位相が90°ずれた位置に形成されているが、図5(A)および(B)に示すように、外輪2の凹部9,9は、給油孔5,5の位相に対して、定められた角度(=α1)の位相をもって設けられていればよい。この角度α1は、給油孔5に対して凹部9の中心から給油孔を30°以上離して設けるのが好ましい。
給油孔側の凹部9の通路面積S1よりも、反給油孔側の凹部9の通路面積S2が大きく設定されている。この実施形態では、図2に示すように、各凹部9,9の底面の深さD1,D1が異なっている。詳細には、給油孔側の凹部9の深さD1よりも、反給油孔側の凹部9の深さD2が大きく設定されている。反給油孔側の凹部9の周方向幅H1を大きくしていないから、周方向寸法の増大による軸受幅面の面積減少が抑制される。これにより、隣接する軸受同士の接触面積の減少による接触圧力の増大を防止できる。
給油孔側の凹部9の通路面積をS1とし、反給油孔側の凹部9の通路面積をS2とすると、好ましくは、軸受単体で、反給油孔側の凹部9の通路面積S2は、給油孔側の凹部9の通路面積S1の2~4倍である。この例では、軸受単体で、通路面積S2は通路面積S1の2倍に設定されている(S2=2×S1)。
隣接する軸受の凹部9を合せた場合、給油孔側の凹部9の合計通路面積TSよりも、反給油孔側の凹部9の合計通路面積TSが大きくなる。詳細には、両端の2つの軸受では、給油孔側の凹部9の合計通路面積TSは「S1」であり、反給油孔側の凹部9の合計通路面積TSは「S1+S2」である。中央の背面組合せの2つの軸受では、給油孔側の凹部9の合計通路面積TSは「S1+S2」であり、反給油孔側の凹部9の合計通路面積TSは「S2+S2」である。
図3を用いて、この実施形態の転がり軸受の作用を説明する。エアオイルOLが、軸受外部から外輪2の給油孔5を通して軸受空間SP内に供給され、軸受の潤滑に供される。このとき、転動体3を中心に、図2の反給油孔側の凹部9の通路面積S2が大きいので、図3の給油孔5から軸受内部SPに供給されたエアオイルOLが反給油側の凹部9に流れ易くなる。これにより、エアオイルOLの供給量を増やすことなく、転動体3を通過して排気用の凹部9に流れるエアオイルOLが増加する。
このように、軸受空間SP内に供給したエアオイルOLを、軸受空間SP内に滞留させることなく、外輪2の凹部9から軸受外部にスムーズに排出することができる。このため、運転中、軸受温度が不安定に変位したり過度に昇温したりすることを未然に防止することができる。したがって、排気用の切欠きを設けた間座が不要となり、軸受同士を隣接して組み合わせたコンパクトな組合せ軸受が得られる。
複数の転がり軸受の組合せ時に、各軸受の凹部9,9の円周方向の位相を同位相に配置した場合、凹部9の合計通路面積TPを大きく確保することができる。これにより、各軸
受において潤滑に供されたエアオイルOLは、凹部9から速やかに排出される。このようにエアオイルOLについて効果的な排気および排油流れを実現することができる。したがって、軸受温度の不安定な変位を確実に解消することができる。また、保持器4を外輪案内形式にすることで、高速回転時の保持器4の振れ回りをより抑えることができる。
図6は、この実施形態に係る転がり軸受を用いた工作機械用主軸の断面図である。図6の例は、モータをハウジング内に内蔵した、いわゆるビルトインモータ駆動式の工作機械用主軸である。主軸17に、モータ18のロータ19が取り付けられ、ハウジングHsに、このモータ18のステータ20が取り付けられている。ロータ19は、例えば、永久磁石であり、ステータ20はコイル、コア等からなる。主軸17の前端(左端)側に、この実施形態のアンギュラ玉軸受ユニットBRが配置されている。アンギュラ玉軸受ユニットBRの4つのうち中央の2つの軸受が背面組合せされている。
軸受の内輪1は主軸17の外周面に嵌合され、外輪2はハウジングHsの内周面に嵌合されている。これら内外輪1,2は内輪押え21および外輪押え22により主軸17およびハウジングHsにそれぞれ固定されている。ハウジングHsにはエアオイル供給路23が設けられ、このエアオイル供給路23はエアオイル供給源(図示せず)に接続されている。エアオイル供給路23は、各外輪2の給油孔5に連通している。また、ハウジングHsに、各外輪2の凹部9に連通するエアオイル排気溝24が設けられると共に、各エアオイル排気溝24に繋がるエアオイル排気路25が設けられている。このエアオイル排気路25からエアオイルが排気される。
この場合、主軸17の前端側に、軸受を集中して配置できるため、従来のように間座を軸受間に設けた場合に比べて、主軸17の短縮化を図り軽量化することができる。これと共に、軸受温度が不安定に変動したり、過度に昇温したりすることを未然に防止できるため、主軸17の高速化および高精度化を図ることができる。
上記構成によれば、前述のように、転動体3を中心に、反給油孔側の凹部9の図2に示す通路面積S2が大きいので、給油孔5から軸受内部SPに供給されたエアオイルOLが反給油側の凹部9に流れ易くなる。これにより、エアオイルOLの供給量を増やすことなく、転動体3を通過して凹部9に流れるエアオイルOLが増加する。つまり、転動体3、内輪1の軌道面1a、外輪2の軌道面2aおよび保持器4に関与する潤滑油が増える。このように、エアオイルOLを有効に使うことで、運転条件が過酷な場合でも、最小量の潤滑油で潤滑条件が良好となる。潤滑油の供給量が少なくなることで、潤滑油の停滞による意図せぬ昇温を防止できるうえに、凹部9から外部に排出される潤滑油も少なくなって周辺環境に影響を与えるのを抑制できる。
図4に示すように、凹部9と給油孔5の位相が異なっているので、給油孔5から軸受内部SPに供給されたエアオイルOLが、転動体3を通過して凹部9から排出され易くなる。
以下に他の実施形態を説明する。各実施形態において、先行する実施形態と同じ構成には、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
〔第2の実施形態〕
図7および図8は、この発明の第2の実施形態を示す。第2の実施形態では、外輪2の反給油孔側の幅面2eにのみ凹部9が設けられ、外輪2の給油孔側の幅面2dに凹部9が設けられていない。つまり、第2の実施形態では、転動体3を中心に反給油孔側の凹部9のみが設けられている。隣接する凹部9,9を合せた場合、中央寄りの2つの軸受では、給油孔側の凹部9の合計通路面積TP(=S2)より、反給油孔側の凹部9の合計通路面
積TP(=S2+S2)が大きく設定されている。第2の実施形態では、2倍の面積が確保されている。
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、給油孔5から軸受内部SPに供給されたエアオイルOLが反給油側の凹部9に流れ易くなるので、エアオイルOLの供給量を増やすことなく、転動体3、内輪1の軌道面1a、外輪2の軌道面2aおよび保持器4に関与する潤滑油が増える。このように、エアオイルOLを有効に使うことで、運転条件が過酷な場合でも、最小量の潤滑油で潤滑条件が良好となる。その結果、潤滑油の停滞による意図せぬ昇温を防止できるうえに、周辺環境に影響を与えるのを抑制できる。
〔第3の実施形態〕
図9は、この発明の第3の実施形態を示す。第3の実施形態では、第1の実施形態の2個の転がり軸受を、間座無しで2列背面合せとした複列軸受の例を示す。第3の実施形態においても、転動体3を中心に、給油孔側の凹部9の通路面積S1よりも、反給油孔側の凹部9の通路面積S2が大きく設定されている。
〔第4の実施形態〕
図10は、この発明の第4の実施形態を示す。第4の実施形態では、第1の実施形態の3個の転がり軸受を、間座無しで3列組合せとした例を示す。第4の実施形態では、右側の2つの軸受が背面合わせと、左側の2つの軸受が並列合わせとなっている。第4の実施形態においても、転動体3を中心に、給油孔側の凹部9の通路面積S1よりも、反給油孔側の凹部9の通路面積S2が大きく設定されている。
〔第5の実施形態〕
図11は、この発明の第5の実施形態を示す。第5の実施形態では、第1の実施形態の5個の転がり軸受を、間座無しで5列組合せとした例を示す。第5の実施形態では、左側から3つ目と4つ目が背面組合せで、他は並列合わせとなっている。第5の実施形態においても、転動体3を中心に、給油孔側の凹部9の通路面積S1よりも、反給油孔側の凹部9の通路面積S2が大きく設定されている。
〔第6の実施形態〕
図12は、この発明の第6の実施形態を示す。第6の実施形態では、第1の実施形態の4個の転がり軸受を、間座無しで一部正面合せとした例を示す。第6の実施形態では、中央の2つの軸受が正面合わせで、他は並列合わせとなっている。第6の実施形態においても、転動体3を中心に、給油孔側の凹部9の通路面積S1よりも、反給油孔側の凹部9の通路面積S2が大きく設定されている。正面合わせでは、左から2-3列の合わせ面の凹部9の合計通路面積SP(=S1+S1)よりも、1-2列間および3-4列間の凹部9の合計通路面積SP(=S1+S2)の方が大きくなっている。
〔第7の実施形態〕
図13および図14は、この発明の第7の実施形態を示す。第7の実施形態では、外輪2の給油孔5が、反接触側ではなく、接触角側に設けられており、図1の第1の実施形態と同様に、4個の転がり軸受が、間座無しで、4列背面合せで配置されている。第7の実施形態においても、転動体3を中心に、給油孔側の凹部9の通路面積S1よりも、反給油孔側の凹部9の通路面積S2が大きく設定されている。給油孔9を接触角側に設けた場合、左から2-3列の合わせ面の凹部9の合計通路面積SP(=S1+S1)よりも、1-2列間および3-4列間の凹部9の合計通路面積SP(=S1+S2)の方が大きくなっている。
第3~第7の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、エアオイルOLを有効に
使うことで、運転条件が過酷な場合でも、最小量の潤滑油で潤滑条件が良好となる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明をアンギュラ玉軸受に適用した例について説明したが、本発明はアンギュラ玉軸受以外の転がり軸受にも適用可能である。また、上記実施形態では、外輪案内形式の保持器が用いられているが、転動体案内形式の保持器に変更してもよい。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 内輪
1a 内輪の転走面
2 外輪
2a 外輪の転走面
2b 外輪の内径面
2c 外輪の外径面
2d 外輪の給油孔側の幅面
2e 反給油孔側の幅面
3 転動体
5 給油孔
9 凹部
OL エアオイル
SP 軸受空間
S1 給油孔側の凹部の通路面積
S2 反給油孔側の凹部の通路面積

Claims (2)

  1. 内輪および外輪の転走面間に転動体が介在し、複数組み合わせて用いられるアンギュラ玉軸受であって、
    この複数の組み合わせは、
    間座無しで2列背面組合わせとなったもの、
    間座無しの3列組合せとしたもので、一方側の2つの軸受が背面合わせで、他方側の2つの軸受が並列合わせとなったもの、
    4個のアンギュラ玉軸受を間座無しの背面組合わせとしたもので、中央の2つの軸受が背面合わせで、他は並列合わせとなったもの、
    4個のアンギュラ玉軸受を、間座無しの一部正面組合せとしたもので、中央の2つの軸受が正面合わせで、他は並列合わせとなったもの、
    5個のアンギュラ玉軸受を、間座無しの5列組合せとしたもので、一方側から3つ目と4つ目が背面組合せで、他は並列合わせとなったもの、
    のいずれか一つであり、
    前記外輪に、軸受空間内に貫通するエアオイル潤滑用の給油孔が設けられ、
    前記外輪の幅面の両方に、軸受の軸方向内方に凹んでエアオイルの排気通路を形成する凹部が、内径面から外径面にわたって設けられ、
    一方の前記幅面に前記凹部が形成される位相は、他方の前記幅面に前記凹部が形成される位相と同じであり、
    前記凹部は、前記転動体を中心に、給油孔側より、反給油孔側の凹部の通路面積が大きく設定され、
    前記反給油孔側の凹部の通路面積S2が、前記給油孔側の凹部の通路面積S1の2~4倍に設定されているアンギュラ玉軸受
  2. 請求項1に記載のアンギュラ玉軸受において、前記凹部と前記給油孔の位相が異なっているアンギュラ玉軸受
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