JP7287105B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体に関する。さらに詳しくは、耐傷性と画像品質に優れたトナー画像が得られる電子写真感光体に関する。
近年、電子写真方式の複写機やプリンタなどの画像形成装置には、より一層の高耐久化、高画質化が望まれており、電子写真感光体においても、高耐久化、高画質化への対応が必要となっている。高耐久化に関しては、持続可能な社会の実現に貢献するためにも要求が高まっている。感光体の高耐久化を達成するにあたっては、感光体の高耐久化を決定する最大の要素である耐摩耗性や耐傷性等の機械的強度が特に重要となる。一方、高画質化に関しても、長期にわたり画質を維持できることが必要となっている。
しかし、長期にわたり感光体を使用することで生じる放電生成物等による劣化に起因して画質が低下したり、機械的強度を単純に向上させたことにより放電生成物等の付着物が取れにくくなることに起因して画像ボケ等が発生しやすくなってしまったりする問題が生じてしまう。
そこで放電生成物の影響を抑えるために酸化防止剤を併用することが提案されている。例えば、特許文献1では分子量の大きなヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含有させる提案がなされているが、硬化型表面層の適用はなく、無機フィラーも存在しないため、膜強度が不十分であり耐傷性の確保に問題が生じる。
一方、特許文献2には、熱硬化表面層に酸化防止剤を含有させる提案がなされている。しかし、表面層中に無機フィラーが存在しないため、耐傷性の確保が十分ではない。
特開2017-161777号公報 特開2002-251030号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、膜強度(耐傷性)と画像ボケ抑制を両立できる電子写真感光体を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、硬化型の最外層が、少なくとも、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーと特定の構造を有するフェノール誘導体とを含有する重合性硬化物により構成することを特徴とする電子写真感光体により、膜強度(耐傷性)と画像ボケ抑制を両立できる電子写真感光体を提供することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.硬化型の最外層を有する電子写真感光体であって、
前記最外層が、少なくとも、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーと下記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体とを含有する重合性硬化物であり、
前記表面修飾剤が、シリコーン鎖を有する表面修飾剤、及び重合性基を有する表面修飾剤を含む
ことを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0007287105000001
〔上記式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数3以上のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1以上10以下のアルキル基を表す。また、Lは少なくとも原子が12以上の原子を10個以上有する連結基を表す。〕
2.硬化型の最外層を有する電子写真感光体であって、
前記最外層が、少なくとも、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーとフェノール誘導体とを含有する重合性硬化物であり、
前記表面修飾剤が、シリコーン鎖を有する表面修飾剤、及び重合性基を有する表面修飾剤を含み、
前記フェノール誘導体が、下記構造式P1又はP3で表される構造を有する化合物である
ことを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0007287105000002
3.前記シリコーン鎖を有する表面修飾剤が、側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の電子写真感光体。
4.前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体におけるR及びRが、それぞれ独立に、炭素数が4以上8以下の分岐状のアルキル基であることを特徴とする第1項又は第3項に記載の電子写真感光体。
.前記側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤が、アクリル主鎖から分岐したシリコーン側鎖を有することを特徴とする第3項又は4項に記載の電子写真感光体。
.前記側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤が、シリコーン主鎖から分岐したシリコーン側鎖を有することを特徴とする第3項又は4項に記載の電子写真感光体。
.前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体におけるフェノール環の数が、分子全体で、2であることを特徴とする第1項、又は第3項から第項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
.前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体における連結基Lが、環状アセタール構造を有することを特徴とする第1項、又は第3項から第項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
.前記無機フィラーが、絶縁材料からなる芯材の表面に導電性金属酸化物が付着されてなる複合微粒子であることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
本発明の上記手段により、膜強度(耐傷性)と画像ボケ抑制を両立できる電子写真感光体を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の電子写真感光体においては、硬化型の最外層を有することを特徴とし、最外層として、表面修飾処理をした無機フィラーと、酸化防止剤として前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体を併用することで、酸化防止剤の効果を保ったまま、無機フィラーの凝集抑制と硬化阻害を軽減することができるため、耐傷性と画像ボケの両立を図ることができた。
詳しくは、酸化防止剤は、最外層を光硬化する際に硬化反応を阻害する特性を有しているが、本発明に係る前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体の置換基が嵩高く、2つのフェノール環構造間の結合部として原子数が多い特定の構造を有するフェノール誘導体を酸化防止剤として用いることで、硬化阻害を軽減できる。また、フェノール環間の結合原子数が多いと無機フィラーとの相溶性も向上し、フィラーの凝集を抑制できることに加えて、本来の酸化防止剤としての効果も発現する。特に、連結部に環状アセタール構造を有するフェノール誘導体は、剛直な部位の存在により、化合物の安定性が高まり、長期にわたり酸化防止剤としての効果を発揮することができる。
一方、最外層に添加する無機フィラーは、フィラー量を増やすことで最外層の耐摩耗性や耐傷性の向上を図ることができる。膜強度はあるが画像ボケが悪化する傾向が見られる無機フィラーを含有する硬化型の最外層において、当該画像ボケを抑制するためには、単純に酸化防止剤を添加するだけでは、光硬化の阻害や、無機フィラーの凝集が生じてしまい、膜強度が低下することによる耐傷性の悪化が生じやすい。これは、酸化防止剤が硬化する際に発生したラジカルを捕捉してしまうことや、無機フィラーと酸化防止剤の相溶性が低いためである。
上記問題に対し、本発明に係る最外層においては、適用する酸化防止剤として、フェノール誘導体を構成するフェノール環構造のオルト位に炭素数が3以上のアルキル基を有し、かつ、2つのフェノール環の間の連結部Lに、少なくとも原子が12以上の原子、例えば、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄等が10個以上存在する化合物を組み入れることにより、硬化阻害が軽減し、かつ、表面修飾処理をした無機フィラーとの相溶性も向上するため、硬度を保ったままフィラーの凝集を抑制し、最外層中において無機フィラーと酸化防止剤が均一に分散された状態とすることができる。
上記構成により硬化阻害が軽減する理由としては、以下のようなことが推測される。
すなわち、フェノール環構造のオルト位に嵩高い置換基が存在することで、反応性が低下することに加え、2つのフェノール環構造間の連結部Lの結合原子数が多いことにより、少ないものと比較をすると同じ体積を入れた際に反応点の数が減るためである。これに対し、結合原子数の少ない化合物の反応点の数を減らすために添加量を減らす場合には、酸化防止剤としての効果を十分に発揮できない。
フェノール環構造間の連結部Lの結合原子数が多いことで、表面修飾処理された無機フィラーと相溶できる疎水部位ができるため、無機フィラーの分散性も向上すると考えられる。
したがって、本発明で規定する様に、表面修飾処理をした無機フィラーと本発明に係る一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体を併用することで、耐傷性向上と画像ボケ抑制の両立を図ることができたものである。
本発明の電子写真感光体の構成の一例を示す断面図 本発明の電子写真感光体を備えるタンデム型の電子写真画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図 本発明の実施例において用いる複合粒子の製造に用いる微粒子製造装置の構成の一例を示す模式図 本発明の実施例において、感光体の評価方法を説明するための模式図
本発明の電子写真感光体は、硬化型の最外層を有する電子写真感光体であって、前記最外層が、少なくとも、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーと前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体とを含有する重合性硬化物であることを特徴とする。この特徴は、下記各実施形態に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記無機フィラーに対する表面修飾剤が、シリコーン鎖を有する表面修飾剤であること、更には側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤であること、無機フィラー表面が効率的に疎水化され、重合性モノマーや酸化防止剤との相溶性が向上することにより分散性が向上する。
また、一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体におけるR及びRが、それぞれ独立に、炭素数が4以上8以下の分岐状のアルキル基であることが、硬化阻害が軽減し、硬度を保ったままフィラーの凝集を抑制し、最外層中において無機フィラーと酸化防止剤が均一に分散された状態とすることができる点で好ましい。
また、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーが、重合性基を有すること、より膜強度(耐傷性)に優れた最外層を形成することができる。
また、一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体におけるフェノール環の数が、分子全体で2であること、すなわち、連結基Lに側鎖(置換基)も含めフェノール環を有さない構造であること、又は環状アセタール構造を有することが、無機フィラーと相溶できる構造とすることにより、無機フィラーの分散性がより向上することで好ましい。
また、無機フィラーが、絶縁材料からなる芯材の表面に導電性金属酸化物が付着されてなる複合微粒子であることが、本発明の効果をより発現させることができる点で好ましい。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について説明をする。なお、本願において、「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《電子写真感光体》
[電子写真感光体の基本構成]
本発明の電子写真感光体は、硬化型の最外層を有する電子写真感光体であって、当該最外層が、少なくとも、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーと前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体とを含有する重合性硬化物であり、前記表面修飾剤が、シリコーン鎖を有する表面修飾剤、及び重合性基を有する表面修飾剤を含むことを特徴とする。
図1は、本発明の電子写真感光体の構成の一例を示す断面図である。
本発明の電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)は、少なくとも本発明で規定する構成からなる硬化型の最外層を有することを特徴とする。
図1の(a)は、第1の構成の電子写真感光体101Aを示す断面図であり、導電性支持体102上に、中間層103を形成し、その上に、感光層104を設け、最表面に、本発明に係る最外層105を形成されている構成で、最外層105が、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーと、前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体とを含有する重合性硬化物により構成されていることを特徴とする。
また、図1の(b)には、第2の構成の電子写真感光体101Bを示す断面図であり、導電性支持体102上に、中間層103を形成し、その上に、電荷発生層106及び電荷輸送層107により構成されている感光層104が形成され、最表面に、本発明に係る表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーと、前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体とを含有する重合性硬化物により構成されている最外層105を有している。
[電子写真感光体の構成要素]
以下に、本発明の電子写真感光体の主要構成要素の詳細について説明する。
〔1.最外層〕
本発明に係る最外層は、主に、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーと、前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体と、重合性モノマーにより構成されている重合性硬化物により構成されている。
以下、本発明に係る最外層の各構成要素の詳細について説明する。
(無機フィラー)
本発明に係る最外層に適用する無機フィラーは、表面修飾剤で表面修飾処理されていることを特徴とする。
本発明に適用可能な無機フィラーとしては、特に制限はないが、例えば、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、二酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム、銅アルミ複合酸化物及びアンチモンをドープした酸化スズ等を挙げることができる。その中でも、酸化アルミニウム(Al)、酸化スズ(SnO)、二酸化チタン(TiO)、銅アルミ複合酸化物(CuAlO)が好ましい。
上記無機フィラーは、1種であってもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、無機フィラーは、合成品であってもよいし、市販品であってもよい。
〈コア・シェル構造の複合微粒子〉
本発明に係る無機フィラーにおいては、絶縁材料からなる芯材の表面に導電性金属酸化物が付着されてなる複合微粒子であることが好ましい形態の一つである。すなわち、無機フィラーが、絶縁材料から構成される芯材(コア)の表面に、上述したような無機フィラーからなる外殻(シェル)を有する、コア・シェル構造の複合微粒子であることが好ましい。コア・シェル構造を有さない単一材料からなる無機フィラーを用いた場合、特に数平均一次粒径が大きくなると重合性モノマーとの屈折率の差が大きくなって、最外層の硬化に用いる活性エネルギー線(特には紫外線)の透過性がコア・シェル構造を有する複合粒子からなる無機フィラーと比較をして低下する。その結果、硬化後の最外層の膜強度が複合粒子からなる無機フィラーの場合よりも低下する場合がある。また、無機フィラーをコア・シェル構造を有する複合粒子とすれば、当該複合粒子表面の表面修飾剤の量を多くすることができる。その結果、最外層中での無機フィラーの分散性がより高まり、活性エネルギー線(特には紫外線)の透過性をより高めることができる。これにより、硬化後の最外層の膜強度をより高めることができ、耐摩耗性、耐傷性等がより向上する。
上記コア・シェル構造を有する複合粒子を構成する芯材(コア)の材料の例としては、硫酸バリウム、酸化アルミニウム及びシリカが挙げられる。コア・シェル構造の複合微粒子の好ましい例としては、硫酸バリウムからなる芯材と、酸化スズからなる外殻と、を有する複合粒子が挙げられる。なお、芯材の数平均一次粒径と、外殻の厚みとの比率は、使用する芯材及び外殻の種類、ならびにこれらの組み合わせに応じて、適宜設定すればよい。
〈表面修飾剤による無機フィラーの表面修飾処理〉
本発明に係る表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーは、原料となる未処理の無機フィラーに、表面修飾剤による表面修飾処理が施されたものである。
表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーは、表面修飾剤由来の化学種(被覆層)及び無機フィラーを含む表面被覆フィラーとなると考えられる。なお、表面修飾処理された無機フィラーは、その表面上の少なくとも一部に表面修飾剤由来の化学種(被覆層)を有していればよい。
表面修飾剤で無機フィラーの表面修飾処理を行うと、無機フィラーは効率的に疎水化されることとなる。このように表面修飾処理された無機フィラーと、後述するフェノール誘導体と重合性モノマーとを用いて組成物を調製し、その重合硬化物で感光体の最外層を形成すると、当該表面修飾処理された無機フィラーは、重合性モノマーや酸化防止剤との相溶性が向上するため分散性に対して有利となる。
本発明において、無機フィラーの表面修飾処理に適用する表面修飾剤としては、無機フィラーの表面を疎水化する化合物であれば特に制限はなく、従来公知のものを用いることができる。表面修飾剤の具体例としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素系表面修飾剤、シリコーン鎖を有する表面修飾剤等が挙げられる。
本発明においては、表面修飾剤としては、分散性の観点からフッ素系又はシリコーン鎖を有するものが好ましく、シリコーン鎖を有する表面修飾剤であることがより好ましく、更には、高分子主鎖から分岐した側鎖にシリコーン鎖を有するもの、すなわち、側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤であることが好ましい。また、側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤が、アクリル主鎖から分岐したシリコーン側鎖を有すること、又は、シリコーン主鎖から分岐したシリコーン側鎖を有することが好ましい。
シリコーン鎖を有する表面修飾剤を用いると無機フィラーはより効率的に疎水化され、重合性モノマーや酸化防止剤との相溶性の向上効果がより発揮される。特に、側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤により表面修飾処理をすると、無機フィラーの表面上には高濃度のシリコーン鎖が存在することとなる。このように表面上にシリコーン鎖が高濃度に存在すると、表面修飾処理された無機フィラーと、特定のフェノール誘導体化合物と重合性モノマーとを用いて組成物を調製し、その重合性硬化物で感光体の表面層を形成した際に分散性に対して有利となる。
側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤としては、高分子主鎖は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体鎖や下記一般式(2)で示すモノマー由来の繰返し単位を有するものなどのポリ(メタ)アクリレート主鎖(単に、「アクリル主鎖」ともいう)又はシリコーン主鎖であることが、分散性がさらに高まる観点から好ましい。最外層中での無機フィラーの分散性が高まると、無機フィラーの凝集やフェノール誘導体の偏在は生じにくくなり、最外層の耐摩耗性、耐傷性等がより向上する。
Figure 0007287105000003
上記一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基であり、R′は炭素数が1~6のアルキル基を表す。
側鎖及び主鎖を構成するシリコーン鎖は、ジメチルシロキサン構造を繰り返し単位として有することが好ましく、その繰り返し単位数は、側鎖及び主鎖のいずれも、3~100個であるものが好ましく、3~50個であるものがより好ましく、3~30個であるものがさらに好ましい。側鎖及び主鎖のいずれも、繰り返し単位数が3個以上であれば、シリコーン表面修飾処理による効果を有効に発現することができ、100個以下であれば、重合性モノマーとの相性が良く、凝集・沈降することなく、分散性に優れる。主鎖のアクリル鎖は、上記に示すモノマー由来の構造を繰り返し単位として有することが好ましく、その繰り返し単位数は、3~100個であるものが好ましく、3~50個であるものがより好ましく、3~30個であるものがさらに好ましい。繰り返し単位数が3個以上であれば、シリコーン表面修飾処理による効果を有効に発現することができ、100個以下であれば、重合性モノマーとの相性が良く、凝集・沈降することなく、分散性に優れる。
表面修飾剤は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。また、表面修飾剤は、合成品であってもよいし、市販品であってもよい。市販されている表面修飾剤の具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
シランカップリング剤:KBM502、KBM503、KBM5103、KBE-502(以上、信越化学工業株式会社製)等、
チタンカップリング剤:オルガチックスTC-800(マツモトファインケミカル株式会社製)等、
フッ素系表面修飾剤:Novec1700、Novec1720、Novec2702(以上、3M社製)等、
シリコーン鎖を有する表面修飾剤:KF-99、KF-9901(以上、信越化学工業株式会社製;直鎖型)、サイマックUS-350(東亞合成株式会社製;側鎖型、アクリル主鎖)、KP-541、KP-574、KP-578(以上、信越化学工業株式会社製;側鎖型アクリル主鎖)、KF-9908、KF-9909(以上、信越化学工業株式会社製;側鎖型、シリコーン主鎖)等、
を挙げることができる。
〈重合性基を有する無機フィラー〉
本発明においては、適用する表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーが重合性基を有することが好ましい。当該重合性基は、炭素-炭素二重結合を有し、重合可能な基である。無機フィラーが有していても良い重合性基は、一種でもそれ以上でも良く、互いに同じであっても異なっていても良く、また、重合性硬化物を形成する重合性モノマーが有する重合性基と同じであっても異なっていても良い。重合性基を有する無機フィラーは、例えば、重合性基を有する化合物よりなる表面修飾剤によって無機フィラーを表面修飾処理することで得ることができる。
本発明に係る表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーが、重合性基を有することが好ましい形態の一つである。
重合性基を有する無機フィラーを用いると、無機フィラーと重合性モノマーが重合し、より機械的強度を得られやすくなるとともに、無機フィラーが脱落しにくくなるため長期にわたり効果を発揮しやすくなる。
重合性基を有する化合物(反応性有機基含有表面修飾剤)の例としては、以下のものが挙げられる。
S-1: CH=CHSi(CH)(OCH
S-2: CH=CHSi(OCH
S-3: CH=CHSiCl
S-4: CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S-5: CH=CHCOO(CHSi(OCH
S-6: CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S-7: CH=CHCOO(CHSi(OCH
S-8: CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S-9: CH=CHCOO(CHSiCl
S-10: CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S-11: CH=CHCOO(CHSiCl
S-12: CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S-13: CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S-14: CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S-15: CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S-16: CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S-17: CH=C(CH)COO(CHSiCl
S-18: CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S-19: CH=C(CH)COO(CHSiCl
S-20: CH=CHSi(C)(OCH
S-21: CH=C(CH)Si(OCH
S-22: CH=C(CH)Si(OC
S-23: CH=CHSi(OC
S-24: CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S-25: CH=CHSi(CH)Cl
S-26: CH=CHCOOSi(OCH
S-27: CH=CHCOOSi(OC
S-28: CH=C(CH)COOSi(OCH
S-29: CH=C(CH)COOSi(OC
S-30: CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S-31: CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S-32: CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
〈無機フィラーの形状〉
上記無機フィラーの形状は、特に制限されるものではなく、例えば、球状、断面楕円形
状、針状、円盤状、不定形状などが挙げられる。分散性等の観点から、球状又は断面楕円形状等が好ましい。
〈無機フィラーの特性値〉
無機フィラーの数平均一次粒径は、10~200nmの範囲内であることが好ましく、20~150nmの範囲内であることが更に好ましい。無機フィラーの数平均一次粒径が10nm以上であれば、十分な耐傷性を得ることができる。一方、無機フィラーの数平均一次粒径が200nm以下であれば、最外層の形成時に無機フィラーを溶剤に分散させる際に、分散液中で無機フィラーの沈降が生じることなく、安定して感光体を製造することができる。
無機フィラーの数平均一次粒径は、以下の方法で測定される数平均一次粒径と定義する。
まず、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)により撮影された試料(無機フィラー等)の10000倍の拡大写真をスキャナーに取り込む。次いで、得られた写真画像から、凝集した無機フィラーや粒子を除く300個の無機フィラー像又は粒子像を、ランダムに自動画像処理解析システム ルーゼックスAP ソフトウエアVer.1.32(株式会社ニレコ製)を使用して2値化処理して、当該無機フィラー像又は粒子像のそれぞれの水平方向フェレ径を算出する。そして、当該無機フィラー像又は粒子像のそれぞれの水平方向フェレ径の平均値を算出して数平均一次粒径とする。ここで、水平方向フェレ径とは、上記無機フィラー像又は粒子像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。また、上記無機フィラーの数平均一次粒径の測定は、表面修飾剤由来の化学種(被覆層)を含まない無機フィラーについて、行うものとする。無機フィラーは、表面修飾処理を施しても、無機フィラーに対して誤差範囲の厚さ(大体、無機フィラー径に対して1/10000程度の厚さ)になると考えられ、このため、表面修飾処理を施すことによっては、平均一次粒子径の変化がないとする。
(一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体)
本発明に係る最外層には、無機フィラーと共に、下記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体とを含有する。
Figure 0007287105000004
上記一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に炭素数3以上のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1以上10以下のアルキル基を表す。また、Lは少なくとも原子が12以上の原子を10個以上有する連結基を表す。なお、連結基Lの原子が12以上の原子の数は主鎖(最も長い部分)を数える。また、連結基Lにおいて、その主鎖中に環状化合物を有している場合には、環状化合物の両端部を結ぶ最長距離に存在する構造中に原子が12以上の原子数を数える。なお、連結基Lの原子が12以上の原子の数は、最外層形成用塗布液としての安定性の観点から、30以下が好ましい。
上記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体においては、さらには、フェノール環のオルト位のアルキル基が炭素数4~8の範囲内にある分岐状のアルキル基であることが好ましい。炭素数4~8の範囲内の分岐状のアルキル基の場合、直鎖のものよりも立体障害の効果を得られやすく、硬化阻害の抑制効果が高い。炭素数が8以上になると立体障害が大きくなりすぎるため、酸化防止剤としての機能が低下してしまう。
本発明に係る一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体においては、フェノール環の数が、分子全体で、2であることが好ましい。すなわち、連結基であるLには側鎖(置換基)も含めてフェノール環を有さない構造であることが好ましい。分子中にフェノール環が3つ以上存在すると、反応点の数が増えるため硬化阻害の抑制効果が低下し、耐傷性が悪化するとともに酸化防止剤としての効果の持続性も低下する傾向が見られる。
また、フェノール誘導体は、連結部であるLに環状アセタール構造を有することがさらに好ましい。環状アセタール構造が存在することで化合物としての安定性を保つことができるため、長期にわたり酸化防止剤としての効果を発揮できる。化合物としての安定性が保てる理由としては、定かではないが、分子としての剛直さや束縛と自由度のバランスが取れるためと推定している。
本発明に係る一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体としては、下記の示す構造を有する化合物を一例として挙げることができるが、本発明ではここで例示する化合物に限定されるものではない。
Figure 0007287105000005
(重合性モノマー)
本発明に係る最外層は、感光層の上に配置されるとともに感光体の表面を構成する層である。本発明において最外層は、重合性硬化物であり、重合性基を有する無機フィラーと、フェノール誘導体と、重合性モノマーを含有する組成物の重合硬化物で構成されていることが好ましい。これにより、最外層は、重合性モノマーの重合による一体的な重合体で構成され、その内部に無機フィラー粒子等が分散されている。また、当該無機フィラー粒等を、上記重合体と重合反応による共有結合によって結合させることができる。これら重合性モノマー、及び無機フィラーはそれぞれ、一種単独で用いられても良いし、二種以上を混合して用いられても良い。以下、最外層を構成するための材料について詳細に説明する。
本発明に係る重合性モノマーは、重合性基を有し、紫外線、可視光線、電子線等の活性線の照射により、又は加熱等のエネルギーの付加により、重合(硬化)して、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となる化合物である。重合性モノマーとしては、ラジカル重合反応を経て硬化するラジカル重合性モノマーであることが好ましい。重合性モノマーとしては、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N-ビニルピロリドン系モノマー等が挙げられ、バインダー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリアクリレート等が挙げられる。重合性モノマーが有する重合性基は、炭素-炭素二重結合を有し、重合可能な基である。重合性基は、少ない光量又は短い時間での硬化が可能であることから、アクリロイル基(CH=CHCO-)又はメタクリロイル基(CH=C(CH)CO-)であることが特に好ましい。重合性モノマーとしては、具体的には、例えば、以下の化合物M1~M11が挙げられるが、これらに限定されるものではない。下記の各式中、Rは、アクリロイル基を表し、R′は、メタクリロイル基を表す。
Figure 0007287105000006
上記重合性モノマーは、公知の方法で合成することができ、また市販品としても入手することができる。
また、重合性モノマーとしては、重合性基を3個以上有する化合物であることが、架橋密度の高い高硬度の最外層を形成する観点から好ましい。
次いで、本発明の電子写真感光体の他の構成要素について説明する。
〔2.導電性支持体〕
本発明の感光体を構成する導電性支持体は、導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレスなどの金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂とともに塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
〔3.中間層〕
本発明の感光体には、導電性支持体と感光層との間にバリアー機能と接着機能を有する中間層を設けることもできる。種々の故障防止などを考慮すると、中間層を設けるのが好ましい。
このような中間層は、例えば、バインダー樹脂(以下、「中間層用バインダー樹脂」ともいう。)及び必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子が含有されてなるものである。
中間層用バインダー樹脂としては、特に制限されず、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン-アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。これらの中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。これら中間層用バインダー樹脂は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
中間層には、抵抗調整の目的で各種の導電性粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの各種金属酸化物粒子を用いることができる。また、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
このような金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
これら金属酸化物粒子は、1種単独でも又は2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合した場合には、固溶体又は融着の形をとってもよい。
導電性粒子又は金属酸化物粒子の含有割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20~400質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50~350質量部の範囲内である。
中間層の層厚は、0.1~15μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.3~10μmの範囲内である。
〔4.感光層〕
本発明の感光体では、中間層と最外層との間に、感光層を有する。より詳しくは、感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とで構成されている。
(電荷発生層)
感光体を構成する感光層における電荷発生層は、電荷発生物質及びバインダー樹脂(以下、「電荷発生層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷発生物質としては、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン、アントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、ピランスロン、ジフタロイルピレンなどの多環キノン顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、多環キノン顔料、チタニルフタロシアニン顔料が好ましい。これらの電荷発生物質は、1種単独でも又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層用バインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、及びこれらの樹脂の内二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ-ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。これら電荷発生層用バインダー樹脂は、1種単独でも又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有割合は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して1~600質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50~500質量部の範囲内である。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダー樹脂の特性、含有割合などにより異なるが、おおむね0.01~5μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.05~3μmの範囲内である。
(電荷輸送層)
感光体を構成する感光層における電荷輸送層は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂(以下、「電荷輸送層用バインダー樹脂」ともいう。)が含有されてなるものである。
電荷輸送層の電荷輸送物質としては、電荷(正孔)を輸送する物質として、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられる。
最外層の下部に形成される電荷輸送層には、移動度が高く、分子量が大きい電荷輸送物質を含有させることが好ましく、このような電荷輸送物質としては、公知の化合物を併用することが可能で、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ-1-ビニルピレン及びポリ-9-ビニルアントラセン等が挙げられる。これらの化合物を単独又は2種類以上混合して使用することができる。
電荷輸送層用バインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン-アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられるが、ポリカーボネート樹脂が好ましい。さらにはBPA(ビスフェノールA)型、BPZ(ビスフェノールZ)型、ジメチルBPA型、BPA-ジメチルBPA共重合体型のポリカーボネート樹脂などが耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。これら電荷輸送層用バインダー樹脂は1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有割合は、電荷輸送層用バインダー樹脂100質量部に対して10~500質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは20~250質量部の範囲内である。
電荷輸送層の層厚は、電荷輸送物質の特性、電荷輸送層用バインダー樹脂の特性及び含有割合などによって異なるが、5~40μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10~30μmの範囲内である。
電荷輸送層中には、酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどを添加してもよい。酸化防止剤については特開2000-305291号公報、電子導電剤は特開昭50-137543号公報、同58-76483号公報などに開示されているものが好ましい。
《電子写真感光体の製造方法》
本発明の感光体を製造する方法としては、導電性支持体上の感光層上に、重合性化合物を含有する未硬化膜を形成する工程と、前記未硬化膜に光照射して硬化樹脂を含有する最外層を形成する工程とを備え、その他、特に制限されないが、下記工程を有する製造方法で製造されることが好ましい。
工程(1):導電性支持体の外周面に中間層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより、中間層を形成する工程、
工程(2):導電性支持体の外周面に、又は工程(1)により導電性支持体上に形成された中間層の外周面に、電荷発生層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷発生層を形成する工程、
工程(3):導電性支持体の外周面、又は中間層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用の塗布液を塗布し、乾燥することにより電荷輸送層を形成する工程、
工程(4):電荷発生層上に形成された電荷輸送層の外周面に、最外層形成用の塗布液を塗布し、重合し、硬化させることにより最外層を形成する工程。
各層を形成するための塗布液中の各成分の濃度は、各層の層厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
各層を形成するための塗布液において、導電性粒子や金属酸化物粒子等の粒子や電荷発生物質等の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ホモミキサーなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
各層を形成するための塗布液の塗布方法としては、特に制限されないが、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法が挙げられる。
塗膜の乾燥方法は、溶媒の種類、層厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥、又は自然乾燥が好ましい。
以下、各層の形成工程の詳細を説明する。
〈工程(1):中間層の形成〉
中間層は、溶媒中に中間層用バインダー樹脂を溶解させて、中間層形成用塗布液を調製し、必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子、分散剤やレベリング剤等の他の成分を分散又は溶解させた後、当該塗布液を導電性支持体上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
中間層形成用塗布液は、浸漬コーティング法を用いて塗布することが好ましい。
中間層の形成工程において使用する溶媒としては、導電性粒子や金属酸化物粒子を良好に分散し、中間層用バインダー樹脂、特にポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール(2-ブタノール)などの炭素数1~4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用でき、好ましい効果を得られる助溶媒としては、ベンジルアルコール、トルエン、ジクロロメタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
〈工程(2):電荷発生層の形成〉
電荷発生層は、溶媒中に電荷発生層用バインダー樹脂を溶解させた溶液中に、電荷発生物質を分散して、電荷発生層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を中間層上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷発生層形成用塗布液は、浸漬コーティング法を用いて塗布することが好ましい。
電荷発生層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸tert-ブチル、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール(2-ブタノール)、メチルセロソルブ、4-メトキシ-4-メチル-2-ペンタノン、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〈工程(3):電荷輸送層の形成〉
電荷輸送層は、溶媒中に電荷輸送層用バインダー樹脂及び電荷輸送物質を溶解させた、電荷輸送層形成用塗布液を調製し、当該塗布液を電荷発生層上に一定の層厚に塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を乾燥することにより形成することができる。
電荷輸送層形成用塗布液は、浸漬コーティング法を用いて塗布することが好ましい。
電荷輸送層の形成に用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール(2-ブタノール)、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
〈工程(4):最外層の形成〉
最外層は、例えば、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラー、好ましくは、重合性基を有する表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラー、本発明に係る一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体、必要に応じて重合開始剤、特定のラジカル捕捉剤、潤滑剤及び電荷輸送物質等の他の成分を公知の溶媒に添加して、最外層形成用塗布液を調製し、この最外層形成用塗布液を工程(3)により形成された電荷輸送層の外周面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を乾燥し、紫外線や電子線などの活性線を照射することによって塗膜中の重合性化合物成分を重合させ、硬化されることにより最外層を形成することができる。
最外層形成用塗布液は、円形スライドホッパー塗布装置を用いてスライドホッパー法にて塗布することが好ましく、例えば、特開2015-114454号公報など開示されている方法で塗布することができる。
最外層の形成に用いられる溶媒としては、重合性化合物、金属酸化物粒子等を溶解又は分散させることができればいずれのものも使用でき、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール(2-ブタノール)、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
重合性化合物を反応させる方法としては、特に制限されないが、例えば、電子線開裂で反応する方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応する方法等が挙げられる。
硬化樹脂成分は、硬化処理として塗膜に活性線を照射し、ラジカルを発生させて重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化することにより、生成される。活性線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノンなどを用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、好ましくは5~500mJ/cmの範囲内、より好ましくは5~100mJ/cmの範囲内である。
ランプの電力は、好ましくは0.1~5kWの範囲内であり、より好ましくは0.5~4kWの範囲内であり、さらに好ましくは0.5~3kWの範囲内である。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒間~10分間が好ましく、作業効率の観点から0.1秒間~5分間がより好ましい。
最外層の形成の工程においては、活性線を照射する前後、及び活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
(最外層の硬化装置及び条件)
本発明では、最外層塗布後の光照射条件により、感光体の長軸方向における表面硬度を調整することができる。
光照射装置によって、感光体の表面硬度が変えられる理由として、表面硬度は、感光体に照射する光の積算照射光量と相関があり、積算照射光量は、(積算照射光量)=(感光体ドラム面の単位面積当たりの照射光量)×(単位面積当たりの照射時間)で決定されるため、(i)照射光量又は(ii)照射時間を変えることで、感光体の表面硬度を変えることができる。
例として、特開2013-57787号公報で記載されている光照射装置を用いた場合、感光体ワークを下方から上方へ引き上げる際に、任意の位置で(i)光の照射強度を変える、又は(ii)ワークの引き上げ速度を変える、すなわち、照射時間を変えることにより、感光体の長軸方向で感光体ドラム面の積算照射光量を変えることができ、感光体の表面硬度を変えることができる。特に、(ii)のワーク引き上げ速度を変える手段の方が、制御性の観点から好ましい。
《電子写真画像形成方法》
本発明の電子写真画像形成方法は、少なくとも、
1)電子写真感光体の表面を帯電する帯電工程と、
2)当該電子写真感光体の表面を露光することにより、静電潜像を形成する露光工程と、
3)当該静電潜像をトナーにより顕像化しトナー画像を形成する現像工程と、
4)当該トナー画像を転写媒体に転写する転写工程と、
を有し、1)~4)で使用する電子写真感光体が本発明の電子写真感光体であることを特徴とする。
また、必要に応じて
5)残存トナーを除去するクリーニング工程と、
6)残存電荷を除去する除電工程を、
有していてもよい。
本発明の電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう。)は、電子写真方式の公知の種々の画像形成方法において用いることができる。例えば、モノクロの画像形成方法やフルカラーの画像形成方法に用いることができる。フルカラーの画像形成方法では、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各々に係る4種類のカラー現像装置と、一つの感光体とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像装置及び感光体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法も用いることができる。
本発明の電子写真画像形成方法としては、具体的には、本発明の感光体を使用して、感光体上に帯電装置にて帯電(帯電工程)し、像露光(露光工程)することにより形成された静電潜像を、現像装置を用いて現像(現像工程)することにより顕像化させてトナー画像を得る。このトナー画像をコピー用紙又は転写ベルト等の転写媒体上に転写(転写工程)し、その後、除電工程を経て、次の画像形成のサイクルが行われる。転写ベルト等の転写媒体上に転写されたトナー画像は、コピー用紙上に転写され、コピー用紙上に転写されたトナー画像を接触加熱方式等の定着処理によってコピー用紙に定着(定着工程)させることにより、可視画像を得る。転写工程の後、感光体上に残留したトナー(転写残トナー)は、ゴムブレード等により除去(クリーニング工程)される。このクリーニング工程は、除電工程の前でも後であってもよいが、除電工程が光照射による除電の場合は、クリーニング工程の後の方が、感光体上に残留するトナーが除電光の吸収を妨げることがないので、効果的に除電が行えるので好ましい。
除電工程においては、交流除電(AC除電)又は光除電のどちらでもよいが、交流除電では、交流電源の設置が必要になり、スペースの問題、あるいは装置が大がかりになるなどの問題があり、光除電の方が好ましい。
《電子写真画像形成装置》
次いで、具体的な電子写真画像形成方法について、電子写真画像形成装置を用いて説明する。
本発明において、電子写真画像形成装置は、本発明の感光体を使用して、感光体上に帯電装置にて帯電する帯電手段、像露光することにより形成された静電潜像を形成する露光手段、現像装置を用いて現像することにより顕像化させてトナー画像を得る現像手段、このトナー画像を用紙又は転写ベルト等の転写媒体上に転写する転写手段、及び除電手段を有している。コピー用紙上に直接転写されたトナー画像及び転写ベルト等の転写媒体を経て用紙上に転写されたトナー画像は接触加熱方式等の定着処理によってコピー用紙に定着する定着手段により可視画像を得る。転写の後、感光体上に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニングブレード等のクリーニング手段によりにより除去される。
図2は、本発明の電子写真感光体を備えるタンデム型の電子写真画像形成装置の構造を示す断面模式図である。
図2に示す画像形成装置300は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Kと、中間転写体ユニット70と、給紙手段21及び定着手段24とからなる。電子写真画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
4つの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、感光体1Y、1M、1C、1Kを中心に、帯電手段2Y、2M、2C、2Kと、露光手段3Y、3M、3C、3Kと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4K、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C、5K、及び感光体1Y、1M、1C、1Kをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Kより構成されている。
なお、本発明の電子写真画像形成装置は、感光体1Y、1M、1C、1Kとして、各々上記説明した本発明の感光体を用いる。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、備えるトナーの色がそれぞれイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、黒(K)色というように異なることを除き同じ構成である。よって、以下では、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを有し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。
帯電手段2Yは、感光体1Yの表面を一様に負極性に帯電させる手段である。本実施形態の電子写真画像形成装置においては、帯電手段2Yとして帯電ローラーを用いることが好ましい。
露光手段3Yは、帯電手段2Yにより一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段である。この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、又は、レーザー光学系などが用いられる。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ41Y及び感光体と、この現像スリーブとの間に直流及び/又は交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
現像手段4Yは、例えばマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ、及び当該現像スリーブと感光体との間に直流及び/又は交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
定着手段24は、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラーと、この加熱ローラーに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラーとにより構成されてなる熱ローラー定着方式のものが挙げられる。
クリーニング手段6Yは、クリーニングブレードと、このクリーニングブレードより上流側に設けられたブラシローラーとにより構成される。
画像形成装置300としては、感光体と、現像手段、クリーニング手段などの構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。また、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段の少なくとも一つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
無端ベルト状中間転写体ユニットは、複数のローラーにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C及び10Kより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する画像支持体:例えば普通紙、透明シートなど)Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D、及びレジストローラー23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラー5bに搬送され、転写材P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラー25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材などの感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラー5bにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラー5Kは常時、感光体1Kに当接している。他の一次転写ローラー5Y、5M及び5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M及び1Cに当接する。
二次転写ローラー5bは、ここを転写材Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体80を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体80は、画像形成部10Y、10M、10C及び10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とからなる。
画像形成部10Y、10M、10C及び10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C及び1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラー71、72、73及び74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラー5Y、5M、5C及び5K、並びにクリーニング手段6bとからなる。
《トナー及び現像剤》
本発明において、「トナー母体粒子」とは、「トナー粒子」の母体を構成するものである。「トナー母体粒子」は、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含むものであり、その他必要に応じて、離型剤(ワックス)、荷電制御剤などの他の構成成分を含有してもよい。「トナー母体粒子」は、外添剤の添加によって「トナー粒子」と称される。そして、「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。
本発明において、画像形成装置に適用するトナーとしては、特に制限されず、公知の各種トナーを用いることができる。
トナーとしては、粉砕トナー及び重合トナーのいずれを用いることもできるが、高い画質の画像が得られる観点から、重合トナーを用いることが好ましい。
トナーの平均粒径は、特に制限されないが、体積基準のメジアン径で2~8μmの範囲内であることが好ましい。この範囲とすることにより、解像度をより高くすることができる。
また、トナー母体粒子には、外添剤として、平均粒径10~300nm程度のシリカ及びチタニアなどの無機粒子、0.2~3μm程度の研磨剤等を適宜量、外添剤として外部添加することができる。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウム及び鉛などの合金、フェライト及びマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができる。これらの中でも、特にフェライトが好ましい。
キャリアとしては、さらに樹脂により被覆されているもの、又は樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを用いることが好ましい。被覆用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、シクロヘキシルメタクリレート-メチルメタクリレート共重合体などを用いることが好ましい。
キャリアの体積基準のメジアン径は15~100μmの範囲内が好ましく、25~60μmの範囲内がより好ましい。
二成分現像剤に含まれるトナーの濃度は、4.0~8.0質量%の範囲内であることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行った。
《表面修飾処理した無機フィラーの調製》
〔複合粒子C-1(コア-シェル粒子)の調製〕
図3に記載の微粒子製造装置を用い、コア粒子として硫酸バリウムの表面に、酸化スズの外殻(シェル)を形成して構成される複合粒子C-1を調製した。
具体的には、図3に示す母液槽111中に純水3500mLを投入し、次に平均粒径D50が100nmである球状の硫酸バリウム芯材の900gを投入して、5サイクル循環させた。母液槽111から流出するスラリーの流速は2280mL/minであった。また、強分散装置113の撹拌速度を16000rpmとした。
循環完了後のスラリーを純水で全量9000mLにメスアップし、そこに1600gのスズ酸ナトリウム及び2.3mLの水酸化ナトリウム水溶液(濃度25N)を投入して5サイクル循環させて、母液を調製した。
次いで、この母液を、母液槽111から流出する流速S1が200mL/minとなるように循環させながら、強分散装置113としての「ホモジナイザー magic LAB」(IKAジャパン株式会社製)に20質量%の硫酸を供給した。供給速度S3を9.2mL/minとした。ホモジナイザーの容積は20cm、撹拌速度は16000rpmであった。循環を15分間行い、その間硫酸を連続的にホモジナイザーに供給した。このようにして、硫酸バリウム芯材の表面に酸化スズの被覆層(シェル層)が形成されたコア・シェル型粒子を得た。得られた粒子を含むスラリーを、その導電率が600μS/cm以下となるまでリパルプ洗浄した後、ヌッチェ濾過を行い、ケーキを得た。
このケーキを大気中、150℃で10時間乾燥させた。得られた乾燥ケーキを粉砕し、その粉砕粉を1体積%H/N雰囲気下で、450℃において45分間の還元焼成を行った。これによって、硫酸バリウム芯材の表面に酸化スズの外殻(シェル層)が形成されてなる、数平均一次粒径が100nmである複合粒子C-1を調製した。
ここで、図3に示す微粒子製造装置において、符号112及び114は、母液槽111と強分散装置113との間に循環路を形成するための循環配管であり、符号115及び116は、循環配管112及び114の経路に設けられたポンプ、符号11aは撹拌翼、符号13aは撹拌部、符号111b及び113bはシャフト、符号111c及び113cはモーターを示す。
〔表面修飾処理された無機フィラーF-1の調製〕
メタノール40mLに、母体としての酸化スズ(数平均一次粒径:100nm)20gを加え、超音波ホモジナイサーを用いて120分間分散させた。次いで、重合性基を有する反応性有機基含有表面修飾剤として、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM503)1g及びトルエン40mLを加え、室温で2時間撹拌した。次いで、エバポレーターによって溶剤を除去した後、120℃で1時間加熱することにより、反応性有機基含有表面修飾剤(KBM503)により表面修飾処理が施された、重合性基を有する無機フィラーを得た。得られた重合性基を有するフィラー10gを、2-ブタノール100mLに加え、超音波ホモジナイザーを用いて60分間分散させた。次いで、シリコーン主鎖の側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤として、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン(信越化学工業株式会社製、商品名:KF-9908)0.3gを加えて、さらに60分間、超音波ホモジナイザーを用いて分散を行った。分散後、溶剤を室温下で揮発させ、80℃で60分間乾燥させることにより、反応性有機基含有表面修飾剤由来の重合性基を有し、かつ側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤で表面修飾処理が施された無機フィラーF-1を調製した。
〔表面修飾処理された無機フィラーF-2~F-8の調製〕
上記表面修飾処理された無機フィラーF-1の調製において、無機フィラー母体と表面修飾剤の構成を、表Iに記載のように変更した以外は同様にして、表面修飾処理が施された無機フィラーF-2~F-8を調製した。
〔表面修飾処理された無機フィラーF-9の調製〕
2-ブタノール20mLに母体として上記複合粒子C-1を10g加え、超音波ホモジナイサーを用いて60分間分散させた。次いで、シリコーン主鎖の側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤として、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン(信越化学工業株式会社製、商品名:KF-9908)0.3gを加えて、さらに60分間、超音波ホモジナイザーを用いて分散を行った。分散後、溶剤を室温下で揮発させ、80℃で60分間乾燥させることにより、側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤で表面修飾処理が施された無機フィラーF-9を調製した。表面修飾処理された無機フィラーF-9は、重合性基を有する化合物よりなる表面修飾剤による表面修飾処理は施されていない。
〔表面修飾処理されたフィラーF-10の作製〕
メタノール40mLに母体として上記複合粒子C-1を20g加え、超音波ホモジナイサーを用いて120分間分散させた。次いで、重合性基を有する反応性有機基含有表面修飾剤として3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM503)を1g及びトルエンを40mL加え、室温で2時間撹拌した。エバポレーターによって溶剤を除去した後、120℃で1時間加熱することにより、反応性有機基含有表面修飾剤由来の重合性基を有する無機フィラーCF-10を調製した。表面修飾処理された無機フィラーCF-10は、重合性基を有する反応性有機基含有表面修飾剤のみで表面修飾処理が施されている。
Figure 0007287105000007
上記表Iに略称で記載した各表面修飾剤の詳細は以下の通りである。
KF-9908:トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン(新越化学工業社製)
KF-9909:トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン(信越化学工業社製)
KF-99:直鎖型メチルハイドロジェン シリコーンオイル(信越化学工業社製)
KP-574:アクリル主鎖の側鎖にシリコーン鎖を有する表面処理剤、(アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(信越化学工業社製)
KP-578:アクリルポリマーをシリコーン鎖で修飾した、アクリルポリマーとジメチルポリシロキサンからなるグラフト共重合体(信越化学工業社製)
Novec2702:フッ素化メタクリル酸エステル重合体含有のフッ素樹脂系表面処理剤(3M社製)
KBM-503:シランカップリング剤、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)
《感光体の作製》
〔感光体1の作製〕
(1)導電性支持体の準備
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、導電性支持体を準備した。
(2)中間層の作製
下記構成成分を混合し、分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行い、中間層形成用塗布液を調製した。調製した中間層形成用塗布液を浸漬塗布法によって、上記作製した導電性支持体の表面に塗布し、110℃で20分間乾燥し、膜厚が2μmの中間層を導電性支持体上に形成した。
ポリアミド樹脂:X1010 ダイセル・エボニック社製 10質量部
酸化チタン粒子:SMT500SAS テイカ社製、数平均一次粒径:0.035μm 11質量部
エタノール 200質量部
(3)電荷発生層の形成
下記構成成分を混合し、循環式超音波ホモジナイザー(RUS-600TCVP;株式会社日本精機製作所製)を用いて、19.5kHz、600Wにて循環流量40L/時間で0.5時間にわたって分散することにより、電荷発生層形成用塗布液を調製した。
上記調製した電荷発生層形成用塗布液を浸漬塗布法によって、中間層の表面に塗布し、乾燥させて、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。なお、下記に記載の電荷発生物質は、Cu-Kα特性X線回折スペクトル測定で8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークを有するチタニルフタロシアニン及び(2R,3R)-2,3-ブタンジオールの1:1付加体と、未付加のチタニルフタロシアニンとの混晶を使用した。
電荷発生物質 24質量部
ポリビニルブチラール樹脂:エスレック(登録商標)BL-1 積水化学工業社製) 12質量部
混合溶媒:3-メチル-2-ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(体積比)
400質量部
(4)電荷輸送層の形成
下記構成成分を混合した電荷輸送層形成用塗布液を、浸漬塗布法によって電荷発生層の表面に塗布し、120℃で70分間乾燥することにより、膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質1(下記参照) 60質量部
ポリカーボネート樹脂:ユーピロンZ300(三菱ガス化学社製、ビスフェノールZ型ポリカーボネート) 100質量部
酸化防止剤:IRGANOX1010(BASF社製) 4質量部
Figure 0007287105000008
(5)最外層の形成
下記構成成分を混合して調製した最外層形成用塗布液を、電荷輸送層の表面に、円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布した。次いで、塗布した最外層塗膜に、メタルハライドランプを用いて紫外線(主波長:365nm)を1分間照射して(紫外線照度:16mW/cm、積算光量:960mJ/cm)、最外層塗膜を硬化させることにより、膜厚5.0μmの最外層を電荷輸送層上に形成し、感光体1を作製した。なお、重合開始剤は、IRGACURE819(BASFジャパン株式会社製)を使用した。
重合性モノマー:例示化合物M2 100質量部
表面修飾処理された無機フィラーF-1 100質量部
フェノール誘導体:例示化合物P1 3質量部
重合開始剤:IRGACURE819(BASF社製) 10質量部
2-ブタノール 400質量部
〔感光体2~11、感光体13~17の作製〕
上記感光体1の作製において、最外層の形成に用いる表面修飾処理された無機フィラーの種類及びフェノール誘導体の種類を下記表IIに記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、感光体2~11、13~17を作製した。
なお、比較例である感光体15~17の作製で使用した比較例のフェノール誘導体の化合物A1~A3の詳細は、以下の通りである。
Figure 0007287105000009
〔感光体12の作製〕
前記感光体3の作製において、最外層の形成に用いた最外層形成用塗布液に、さらに下記化合物1を3質量部添加した以外は同様にして、感光体12を作製した。
Figure 0007287105000010
〔感光体18の作製〕
上記感光体3の作製において、最外層の形成に用いた最外層形成用塗布液から表面修飾処理された無機フィラーF-3を添加しなかった以外は同様にして、感光体18を作製した。
〔感光体19の作製〕
感光体1の作製において、最外層を下記の方法により形成した以外は同様にして、感光体19を作製した。
(最外層の形成)
下記構成成分を混合し、50℃で24時間攪拌を行い、オリゴマー化溶液を調製した。
〈オリゴマー化溶液〉
メチルトリメトキシシラン 70質量部
ジメトキシジメチルシラン 25質量部
2-プロパノール 50質量部
3%酢酸 10質量部
次いで、下記構成成分を混合して調製した最外層形成用塗布液を、電荷輸送層の表面に円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布した。次いで、120℃で1時間の加熱硬化を行い、膜厚5.0μmの最外層を形成した。
〈最外層形成用塗布液〉
上記オリゴマー化溶液 155質量部
テトラメトキシシラン 10質量部
下記シリル基含有ビニル系樹脂(固形分:50質量%) 100質量部
フェノール誘導体:例示化合物P1 3質量部
2-プロパノール 30質量部
2-ブタノン 100質量部
アルミキレートA(W)(川研ケミカル社製) 10質量部
〈シリル基含有ビニル系樹脂の合成〉
モノマーとして、メチルメタクリレート65質量部、n-ブチルアクリレート35質量部、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、商品名:KBM503)20質量部、N-メチロールアクリルアミド10質量部、及びアクリル酸6質量部を、イソプロピルアルコール130質量部に混合溶解し、80℃にて攪拌した。キシレン10質量部にアゾビスイソブチロニトリル4質量部を溶解した液を滴下し、4時間反応させて、固形分濃度が50質量%のシリル基含有ビニル系樹脂を調製した。
〔感光体20の作製〕
前記感光体13の作製において、最外層の重合性モノマーである例示化合物M2に代えて、ポリカーボネート樹脂としてユーピロンZ300(三菱ガス化学社製)を用い、2-ブタノールの代わりに、THF(テトラヒドロフラン)を用い、また、紫外線照射の代わりに熱乾燥(120℃で60分間)した以外は同様にして、感光体20を作製した。
Figure 0007287105000011
《感光体の評価》
〔画像形成装置の準備〕
フルカラー印刷機(bizhub PRESS C1070、コニカミノルタ社製)を線速500mm/secに改造した画像形成装置を用いて、上記作製した各感光体を、画像形成ユニットのブラック(K)の位置に配置して、評価用の画像形成装置を作製した。
〔感光体の評価〕
(画像ボケ耐性の評価)
下記の方法に従って、印刷初期と、耐久試験後の形成画像について、画像ボケ耐性について評価を行った。
〈印刷初期の画像ボケ耐性〉
印刷初期の画像ボケ耐性の評価は、30℃、85%RH環境下で、図4で示すようなカバレッジ10%の縦帯状ベタ画像からなるテスト画像をA4横送りにおいて1万枚印刷した後、すぐに画像形成装置の主電源を切った。
次いで、主電源を切った24時間後に主電源を入れ印刷可能状態になった後、直ちにA3サイズの転写材の全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)を印字して、印刷初期の画像ボケ耐性評価用の印刷物を作製した。
〈耐久試験後の画像ボケ耐性〉
耐久試験は、23℃、50%RH環境下で、図4に示すカバレッジ10%の縦帯状ベタ画像からなるテスト画像をA4横送りにおいて10万枚連続印刷した。
次いで、上記初期印刷の評価方法と同様にして、30℃、85%RH環境下で、図4で示すようなカバレッジ10%の縦帯状ベタ画像からなるテスト画像をA4横送りにおいて1万枚印刷した後、すぐに画像形成装置の主電源を切った。
次いで、主電源を切った24時間後に主電源を入れ印刷可能状態になった後、直ちにA3サイズの転写材の全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)を印字して、耐久試験後の画像ボケ耐性評価用の印刷物を作製した。
上記により作成した各評価用の印刷物について、印字したハーフトーン画像の画質状態を目視により観察し、以下の評価基準により評価した。なお、濃度ムラが認められた場合は、マクベス濃度計により濃度測定を実施した。ここではランクA~Cを合格とし、ランクD~Eを不合格とした。
A:画像ボケ発生がなく良好である
B:感光体長軸方向に周囲との濃度差が0.1以下の帯状濃度ムラの発生が認められるが、ハーフトーン画像3枚印字後には濃度ムラがなく、実用上問題はない
C:感光体長軸方向に周囲との濃度差が0.1以下の帯状濃度ムラの発生が認められるが、ハーフトーン画像10枚印字後には濃度ムラがなく、実用上問題はない
D:感光体長軸方向に周囲との濃度差が0.1以下の帯状濃度ムラの発生が認められ、ハーフトーン画像10枚印字後にも濃度ムラの発生が認められ、実用上問題がある
E:感光体長軸方向に周囲との濃度差が0.1よりも大きい帯状濃度ムラが認められ、ハーフトーン画像10枚印字後にも濃度ムラの発生が認められ、実用上問題がある
(耐傷性の評価)
〈耐久試験〉
耐久試験として、23℃、50%RH環境下で、図4に示すカバレッジ10%の縦帯状ベタ画像からなるテスト画像をA4横送りにおいて10万枚連続印刷した。
次いで、23℃、50%RH環境下で、感光体の表面状態を目視観察するとともに、耐久試験後の感光体を用いて、A3サイズの転写材の全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)を印字し、耐久試験後の画像不良の有無を確認し、下記の基準に従って、ランク付を行った。評価ランクとして、ランクA~Cを合格とし、ランクDを不合格とした。
A:感光体表面に目視でみられる傷の発生はなく、出力したハーフトーン画像にも感光体の傷に対応する画像不良の発生は認められず、良好な品質である
B:感光体表面に目視で軽微な傷の発生が1~3か所認められるが、出力したハーフトーン画像には感光体傷に対応する画像不良の発生は見あたらず、実用上問題はない
C:感光体表面に目視で軽微な傷の発生が4~6か所認められるが、出力したハーフトーン画像には感光体傷に対応する画像不良の発生は見あたらず、実用上問題はない
D:感光体表面に目視で明らかな傷の発生が認められ、出力したハーフトーン画像にも感光体の傷に対応する画像不良の発生が認められ、実用上問題がある
Figure 0007287105000012
表IIIに記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる電子写真感光体は、比較例に対し、長期に渡り出力を行ったのちでも、画像ボケが抑制でき、かつ、耐傷性も良好であることがわかる。
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 一次転写ローラー
5b 二次転写ローラー
6Y、6M、6C、6K、6b クリーニング手段
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 給紙カセット
21 給紙手段
22A、22B、22C、22D 中間ローラー
23 レジストローラー
24 定着手段
25 排紙ローラー
26 排紙トレイ
30 ブレード部材
31 支持部材
41Y 現像手段4Yが備える現像スリーブ
70 中間転写体ユニット
71、72、73、74 ローラー
77 中間転写体
80 筐体
82L、82R 支持レール
A 本体
SC 原稿画像読み取り装置
P 転写材
101A、101B 電子写真感光体
102 導電性支持体
103 中間層
104 感光層
105 最外層
106 電荷発生層
107 電荷輸送層
110 導電性粒子の製造装置
111 母液槽
111a 撹拌翼
111b 第1シャフト
111c 第1モーター
112 第1配管
113 強分散装置
113a 撹拌部
113b 第2シャフト
113c 第2モーター
114 第2配管
115 第1ポンプ
116 第2ポンプ

Claims (9)

  1. 硬化型の最外層を有する電子写真感光体であって、
    前記最外層が、少なくとも、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーと下記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体とを含有する重合性硬化物であり、
    前記表面修飾剤が、シリコーン鎖を有する表面修飾剤、及び重合性基を有する表面修飾剤を含む
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0007287105000013
    〔上記式中、R及びRはそれぞれ独立に炭素数3以上のアルキル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数が1以上10以下のアルキル基を表す。また、Lは少なくとも原子が12以上の原子を10個以上有する連結基を表す。〕
  2. 硬化型の最外層を有する電子写真感光体であって、
    前記最外層が、少なくとも、表面修飾剤で表面修飾処理された無機フィラーとフェノール誘導体とを含有する重合性硬化物であり、
    前記表面修飾剤が、シリコーン鎖を有する表面修飾剤、及び重合性基を有する表面修飾剤を含み、
    前記フェノール誘導体が、下記構造式P1又はP3で表される構造を有する化合物である
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0007287105000014
  3. 前記シリコーン鎖を有する表面修飾剤が、側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体におけるR及びRが、それぞれ独立に、炭素数が4以上8以下の分岐状のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤が、アクリル主鎖から分岐したシリコーン側鎖を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記側鎖にシリコーン鎖を有する表面修飾剤が、シリコーン主鎖から分岐したシリコーン側鎖を有することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電子写真感光体。
  7. 前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体におけるフェノール環の数が、分子全体で、2であることを特徴とする請求項1、又は請求項3から請求項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記一般式(1)で表される構造を有するフェノール誘導体における連結基Lが、環状アセタール構造を有することを特徴とする請求項1、又は請求項3から請求項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記無機フィラーが、絶縁材料からなる芯材の表面に導電性金属酸化物が付着されてなる複合微粒子であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体。
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