JP7286455B2 - 揮散装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、芳香剤や消臭剤などの薬剤を揮散させる揮散装置に関する。
従来、芳香剤や消臭剤などの薬剤を揮散させる揮散装置として、ゲル状の薬剤(以下、単に薬剤と称する)を容器に収容したものが知られている。この種の揮散装置は、薬剤の表面を空気に触れさせて薬剤を揮散させるため、薬剤が空気に触れる表面の面積が大きいほど薬剤の揮散量が多くなる。
特許文献1の揮散装置は、容器の開口部に型部材を取り付けて、型部材を薬剤の中に挿入し、薬剤が固まった後、型部材を引き抜くことにより、薬剤中に凹んだ凹部を形成している。このように、薬剤の表面に凹部を形成することにより、薬剤の表面積を大きくして薬剤の揮散量を多くするようにしている。特許文献1の揮散装置は、凹部の形状を安定させて製品としての見栄えをよくするため、型部材の薬剤に対する剥離性をよくしている。つまり、型部材の表面を滑らかにして、型部材を薬剤から剥離する際に薬剤が崩れないようにしている。
特開2010-142459号公報
しかし、上述した従来の揮散装置は、薬剤の中に比較的大きな凹部を形成するため、その分、薬剤を収容することができる空間が小さくなり、薬剤の充填量が少なくなってしまう。反面、十分な量の薬剤を充填するための空間を容器内に確保するため、薬剤中に形成する凹部を小さくすると、その分、薬剤の表面積が小さくなり、薬剤の揮散量が少なくなってしまう。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、薬剤の充填量を多くすることができ、薬剤の揮散量を多くすることができる揮散装置を提供することを目的とする。
本発明の揮散装置の一態様は、ゲル状の薬剤を収容する容器と、容器の開口部を塞ぐ蓋体と、蓋体の内面から突出して設けられ、蓋体により開口部を塞いだ状態で薬剤中に配置され、蓋体を開口部から取り外す動作により薬剤から引き抜かれて薬剤を崩す崩し部材と、を有し、蓋体を容器から取り外した状態で使用する。
本発明の一態様によれば、薬剤の充填量を多くすることができ、薬剤の揮散量を多くすることができる揮散装置を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る揮散装置を示す断面概略図である。 図2は、図1の揮散装置の蓋体を取り外した状態を示す断面概略図である。 図3は、図2の揮散装置の容器に別の蓋体を取り付けた状態を示す断面概略図である。 図4は、第2の実施形態に係る揮散装置を示す断面概略図である。 図5は、図4の揮散装置の蓋体を取り外した状態を示す断面概略図である。 図6は、第3の実施形態に係る揮散装置を示す断面概略図である。 図7は、図6の揮散装置の蓋体を取り外した状態を示す断面概略図である。 図8は、第4の実施形態に係る揮散装置の蓋体を取り外した状態を示す断面概略図である。 図9は、図8の揮散装置の蓋体を容器側から見た底面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、第1の実施形態に係る揮散装置10は、容器2と、容器2の開口部3に取り付ける蓋体4と、を有する。容器2は、例えばポリエチレンテフタレート(PET)樹脂により形成されている。蓋体4は、例えばポリプロピレン(PP)樹脂により形成されている。容器2および蓋体4の材質は、上記のものに限定されるものではなく、例えば、容器2内に収容する薬剤Yの成分に合わせて、ポリエチレン(PE)樹脂やポリスチレン(PS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂やポリ塩化ビニル(PVC)樹脂などの合成樹脂、または合成樹脂以外にもガラスや金属など種々変更が可能である。
容器2は、ゲル状の薬剤Y(以下、単に薬剤Yと称する)を収容する。薬剤Yは、加熱溶融させた粘度が低い状態で、或いは化学的に架橋されていない粘度が低い状態で、開口部3を介して容器2内に充填される。そして、薬剤Yにゲル化剤を加えて蓋体4を容器2の開口部3に取り付けた状態で、薬剤Yの成分がゲル化剤により架橋されて薬剤Yがゲル状に固められる。薬剤Yの充填量は、容器2の開口部3から溢れることのない量にする必要があり、後述するように崩した薬剤Y’を配置可能な空間Sを薬剤Yの上面Ya上に設けるため、容器2の開口部3より所定の高さ分だけ下に薬剤Yの上面Yaが配置される量に設定することが望ましい。
薬剤Yは、水性溶媒を用いたゲル状の薬剤、または油性溶媒を用いたゲル状の薬剤のいずれでも良い。水性溶媒を用いたゲル状の薬剤としては、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、ペクチン、ジェランガム、アラビアガム、タラガムおよびタマリンドシードガム、ゼラチンからなる増粘性多糖類や、超微細植物結晶繊維であるセルロースナノファイバー(CNF)などから選ばれる1種または2種以上の水性溶媒を基材とするゲル化剤を用い、常温で固体の性状を保つものが望ましい。
また、油性溶媒を用いたゲル状の薬剤としてはステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリンなどから選ばれる1種または2種以上の油性溶媒を基材とするゲル化剤を用い、常温で固体の性状を保つものが望ましい。
容器2は、略円筒形の周壁2aと、周壁2aの軸方向一端(図示下端)を塞いだ略円形の底壁2bと、を一体に有する。蓋体4は、略円形の天壁4aと、天壁4aの外周縁に設けた略円筒形の周壁4bと、を一体に有する。周壁4bは、天壁4aの内面5から天壁4aと直交する方向に突設されている。蓋体4の天壁4aは、容器2の底壁2b(および開口部3)よりわずかに大きな直径を有する。蓋体4の周壁4bは、容器2の周壁2aの外径よりわずかに大きい内径を有する。
よって、図1に示すように、蓋体4の周壁4bを容器2の周壁2aの外面に重ねた状態で、蓋体4の天壁4aの内面5により容器2の開口部3を塞ぐことができる。容器2および蓋体4は、上述した円筒形状に限らず、例えば四角筒状などいかなる形状であってもよい。蓋体4の周壁4bの内面に図示しない係合爪を設けて、容器2の周壁2aの開口部3近くの外周面上の対応する位置に図示しない係合爪を設けてもよく、蓋体4を容器2に対してラッチ固定するようにしてもよい。または、蓋体4の周壁4bの内側に容器2の周壁2aの図示上端を圧入して両者を固定するようにしてもよい。或いは、蓋体4は、容器2に対して必ずしも固定する必要はなく、蓋体4を容器2の開口部3を塞ぐ位置に被せるだけでもよい。
蓋体4は、天壁4aの内面5に鉤棒6(崩し部材)を一体に突出して有する。鉤棒6は、天壁4aの略中央から天壁4aと直交する方向に突設されている。鉤棒6は、天壁4aから離間した先端に鉤部6a(鉤状部分)を有する。鉤部6aは、鉤棒6の棒部6bの直径より大きい直径を有し、鉤状に径方向に張り出した形状を有する。鉤棒6の形状および鉤部6aの形状は、図示の形状に限定されるものではなく、任意の形状に変更可能である。鉤棒6の本数も任意に設定可能である。
蓋体4は、鉤棒6の少なくとも一部が容器2内の薬剤Y中に配置されるように、容器2の開口部3に取り付けられる。言い換えると、鉤棒6の長さは、少なくとも鉤部6aの全体が薬剤Yの中に埋まる程度の長さである。
上述した揮散装置10を製造する場合、まず、開口部3を介して粘度が低い状態の薬剤Yを容器2内に充填する。例えば、ゲル状の薬剤Yは、加熱により溶融することにより、粘度が下がり、流動性が増すことがある。この場合、薬剤Yを容器2内に充填した後、薬剤Yが冷えてゲル状に固まる前に蓋体4を開口部3に被せて鉤棒6をその先端(鉤部6a)側から薬剤Y中に挿入する。これにより、薬剤Yは、鉤部6aの形状にならって鉤棒6の表面全体に接触する。この状態で、薬剤Yを冷却させてゲル状に固める。この状態を図1に示す。
上述したように、鉤棒6を薬剤Yの中に挿入した状態で薬剤Yを固めることにより、鉤棒6が薬剤Y中に埋まった部分が薬剤Yによって密着されて保持される。よって、本実施形態によると、蓋体4を容器2の開口部3に被せただけでラッチなどにより固定しない場合であっても、蓋体4が開口部3を塞ぐ位置に保持される。このときの蓋体4の保持力は、固化したゲル状の薬剤Yの粘度にもよるが、揮散装置10の天地を逆にしても蓋体4が脱落しない程度の保持力にすることもできる。
また、本実施形態では、薬剤Yを加熱溶融させて粘度を低くした状態、或いは薬剤が化学的に架橋されていない粘度が低い状態で容器2内に充填し、蓋体4により容器2の開口部3を塞いだ後で、ゲル化剤により薬剤Yの成分を架橋させて薬剤Yを固化させている。このとき、温度変化により薬剤Yが固化する場合は、薬剤Yの上面Yaの上の空間Sにある空気は徐々に冷却される。これにより、蓋体4により密閉した空間Sの内部圧力が負圧になり、蓋体4を容器2の開口部3に押し当てる保持力が強くなる。容器2の開口部3の縁に図示しないシール部材などを配置することで、容器2と蓋体4との間の気密性を高めて、負圧による保持力をより強くすることもできる。
図1の状態の揮散装置10の使用を開始する場合、ユーザーは、図2に示すように、蓋体4を容器2の開口部3から取り外す。このとき、蓋体4と一体の鉤棒6が薬剤Yの中から引き抜かれる。つまり、本実施形態によると、蓋体4の取り外し動作と鉤棒6の引き抜き動作を1つの動作によって行うことができ、作業性を良くすることができる。
鉤棒6を薬剤Yから引き抜くと、鉤棒6の鉤部6aにより薬剤Yが部分的に掻き出されて(崩されて)、小さな粒になった薬剤Y’が充填済の薬剤Yの上面Ya上に移動される。このとき、鉤棒6が抜けた後に薬剤Yに形成された凹部9内に薬剤Y’の一部が残ってもよい。このように、薬剤Yを部分的に崩すことにより、元々容器2内に収容されていた薬剤Yの表面積を大きくすることができることに加えて、崩した粒状の薬剤Y’の分だけ薬剤の表面積を増やすことができ、薬剤Y、Y’の単位時間当たりの揮散量を多くすることができる。
つまり、鉤棒6を引き抜くことにより薬剤Yの上面Yaに形成される凹部9の内面、および鉤棒6により崩されて粒状にされた薬剤Y’の表面が空気に触れるようになり、鉤棒6を薬剤Yから引き抜く前の状態(図1の状態)と比較して、揮散装置10の全体として薬剤Y、Y’の表面積を大きくすることができる。また、この場合、容器2内の空気に長い時間触れていた薬剤Yの上面Yaと比較して、凹部9の内面や粒状の薬剤Y’の表面は、フレッシュな面(空気に触れさせて間もない面)であり、薬剤Yの揮散量をより多くすることが期待できる。
なお、本実施形態では、薬剤Yに凹部9を形成したときに掻き出された粒状の薬剤Y’が容器2内に残るため、凹部9を設けてもその分の薬剤Yの充填量が少なくなることがなく、十分な量の薬剤Yを容器2内に収容することができる。つまり、上述した特許文献1の装置と比較して、容器2の容積を同じにした場合には、薬剤Yの充填量を多くすることができ、その分、薬剤Yの揮散量を多くした状態で、揮散装置10の使用寿命を十分に長くすることができる。
また、図1の状態から図2のように蓋体4を容器2の開口部3から取り外した後、図3に示すように、別の蓋体8を容器2の開口部3に取り付けてもよい。この蓋体8は、鉤棒6を有しておらず、複数の揮散口8aを有する以外、上述した蓋体4と同じ構造を有する。蓋体8を取り付けることにより、薬剤Yに凹部9を形成したときに掻き出された粒状の薬剤Y’が容器2から零れ落ちることを防ぐことができるとともに、容器2の開口部3から指などを挿入することを防止することができ、揮散装置10’として利便性を向上させることができる。
或いは、この別の蓋体8を用いずに、鉤棒6を有する蓋体4をそのまま容器2の開口部3に取り付けておき、揮散装置10の使用開始から所定時間後に鉤棒6により容器2内の薬剤Yをかき混ぜるようにしてもよい。このように、少し時間が経ってから薬剤Yをさらに崩すことにより、薬剤Yを空気に触れさせるフレッシュな面を増やすことができ、薬剤Yの揮散量を一時的に増やすことができる。
また、本実施形態の揮散装置10のように、薬剤Yを崩して使用する場合、容器2を透明にしておくと、容器2を透過した光が粒状に崩された薬剤Y’の表面で乱反射されてキラキラ光り、薬剤Y’を掻き出した後の凹部9の凸凹な内面で光が反射されてキラキラ光り、揮散装置10の美観を良くすることができる。
(第2の実施形態)
図4に示すように、第2の実施形態に係る揮散装置20は、蓋体4の内面5からスクリュー22(崩し部材)を突設した構造を有する。スクリュー22は、その表面21に螺旋羽根22aを備えている。また、蓋体4の周壁4bの内周面には、容器2の開口部3側の上端近くの外周面に設けた雌ネジ23に螺合する雄ネジ24(ネジ部)が設けられている。スクリュー22は、蓋体4の回転中心に設けられており、蓋体4と同軸に回転可能である。スクリュー22の螺旋羽根22aは、蓋体4の雄ネジ24と逆ネジになる方向に設けられている。
本実施形態の揮散装置20は、上述した構成(スクリュー22、雌ネジ23、雄ネジ24)以外は、上述した第1の実施形態の揮散装置10と略同じ構成を有する。よって、ここでは、第1の実施形態の揮散装置10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
上記の揮散装置20の使用を開始する場合、ユーザーは、図4の状態から、蓋体4を所定方向に回転させて、図5に示すように、容器2の開口部3から蓋体4を取り外す。このとき、蓋体4の回転によってスクリュー22が回転し、螺旋羽根22aが薬剤Yを部分的に崩す。崩された粒状の薬剤Y’は、螺旋羽根22aによって凹部9から掻き出されて薬剤Yの上面Ya上に移動される。このとき、粒状の薬剤Y’の一部が凹部9内に残ってもよい。スクリュー22の螺旋羽根22aが蓋体4の雄ネジ24と逆ネジにされているため、螺旋羽根22aの回転により薬剤Yがより効果的に崩される。
以上のように、本実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、容器2内に十分な量の薬剤Yを充填することができ、使用開始直後から薬剤Y、Y’の表面積を大きくしてその揮散量を多くすることができる。なお、本実施形態においても、蓋体4を開ける動作によりスクリュー22を回転させることができ、薬剤Yをより効果的に崩すことができ、利便性を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図6に示すように、第3の実施形態に係る揮散装置30は、蓋体4の回転中心から偏心して蓋体4の内面5から略垂直に突設した突起32(崩し部材)を有する。突起32は、蓋体4を容器2の開口部3に取り付けた状態で、少なくとも一部が薬剤Yの中に配置される突出長さを有していればよく、その形状や大きさは任意に変更可能である。本実施形態の揮散装置30は、スクリュー22の代わりに偏心した突起32を有する以外、上述した第2の実施形態の揮散装置20と略同じ構成を有する。よって、ここでは、第2の実施形態と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
上記の揮散装置30の使用を開始する場合、ユーザーは、図6の状態から、蓋体4を所定方向に回転させて、図7に示すように、容器2の開口部3から蓋体4を取り外す。このとき、蓋体4の回転中心に対して偏心した突起32が薬剤Yの中で円を描くように移動して薬剤Yを崩す。崩された粒状の薬剤Y’は、凹部9から掻き出されて薬剤Yの上面Ya上に移動される。このとき、粒状の薬剤Y’の一部が凹部9内に残ってもよい。
本実施形態によると、突起32が蓋体4の回転中心に対して偏心した位置に設けられているため、上述した第1および第2の実施形態と比較して、薬剤Yの上面Yaに形成される凹部9の大きさを大きくすることができる。よって、本実施形態によると、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を奏し得るとともに、薬剤Yの単位時間当たりの揮散量をより多くすることができる。なお、本実施形態においても、蓋体4を開ける動作により突起32を回転させることができ、薬剤Yをより効果的に崩すことができ、利便性を向上させることができる。
(第4の実施形態)
図8および図9に示すように、第4の実施形態に係る揮散装置40は、蓋体4の回転中心Cから偏心して蓋体4の内面5から略垂直に突設した3つの突起42a、42bおよび42c(崩し部材)を有する。突起42a、42b、42cは、蓋体4を容器2の開口部3に取り付けた状態で、少なくとも一部が薬剤Yの中に配置される突出長さを有していればよく、その形状や大きさは任意に変更可能であるが、図示のように3つの突起42a、42b、42cの突出長さをそれぞれ変えることで薬剤Yをより効果的に崩すことができる。
本実施形態の揮散装置40は、突起の数が複数あり、突起42の先に径方向に放射状に延設した板体43を有する以外、上述した第3の実施形態の揮散装置30と略同じ構成を有する。よって、ここでは、第3の実施形態と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
上記の揮散装置40の使用を開始する場合、ユーザーは、容器2に対して蓋体4を所定方向に回転させて、容器2の開口部3から蓋体4を取り外す。このとき、蓋体4の回転中心に対して偏心した3つの突起42a、42b、42cが薬剤Yの中で円を描くようにそれぞれ移動して薬剤Yを崩す。各突起42a、42b、42cの板体43が移動する位置で薬剤Yがより効果的に崩されるため、容器2の高さ方向の複数位置で薬剤Yが掻き混ぜられる。崩された粒状の薬剤Y’は、容器2の中で全体に散らばる。
本実施形態によると、3つの突起42a、42b、42cが蓋体4の回転中心に対して偏心した位置に設けられ、かつ、それぞれの突出長さ(板体43の高さ位置)が異なっているため、上述した第1~第3の実施形態と比較して、崩された薬剤Y‘の量を増やすことができる。よって、本実施形態によると、上述した第1~第3の実施形態と比較しても崩された薬剤Y’の表面積を増やすことができ、同様以上の効果を奏し得るとともに、薬剤Yの単位時間当たりの揮散量をより多くすることができる。なお、本実施形態においても、蓋体4を開ける動作により3つの突起42a、42b、42cを回転させることができ、薬剤Yをより効果的に崩すことができ、利便性を向上させることができる。
以上、いくつかの実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、蓋体4の内面5に一体に突設した崩し部材として、ある程度の太さを有する棒状の部材を用いた場合について説明したが、これに限らず、薬剤Yの充填量をできるだけ多くするため、平らな板状の崩し部材を用いてもよい。
また、上述した第1および第2の実施形態では、崩し部材の形状を工夫したり、蓋体4の回動動作を利用したりして薬剤Yを崩すようにしたが、これに限らず、第3の実施形態の突起32のように表面に鉤部6aや螺旋羽根22aのような突起物を持たない崩し部材であっても、突起32を薬剤Yから単に引き抜くだけで薬剤Yを崩すこともできる。例えば、この場合、突起32の表面粗さを粗くして、薬剤Yとの間の剥離性を悪くすることで、薬剤Yを崩すことができる。または、突起32の表面状態を変えずに、薬剤Yの突起32に対する接着性を高めるようにしてもよい。
また、上述した第4の実施形態の3つの突起42a、42b、42cの様に複数の突起の突出高さを異なる様にし、突起42の先端にある崩し部材の形状として板体43の様に回転によって薬剤Yを崩しやすい崩し部材を配設することで、薬剤Yの全体を崩すことができる。
また、上述した実施形態では、蓋体4を容器2の開口部3から取り外す際に、薬剤Yから鉤棒6を引き抜いたり、スクリュー22や突起32、42を回転させたりして、薬剤Yを崩すようにしたが、これに限らず、蓋体4を抉り開けて崩し部材を薬剤Yの中で移動させるようにしてもよい。この場合、蓋体4の天壁4aが傾斜して崩し部材が薬剤Y中で傾斜しながら移動する。いずれにしても、揮散装置10を使用する際に、ゲル状の薬剤Yを少なくとも部分的に崩すことができればよい。
さらに、上述した実施形態では、蓋体4の内面5に崩し部材を固設した構造について説明したが、これに限らず、蓋体4は本発明に必須の構成ではなく、単に、崩し部材を容器2内の薬剤Y中に浸漬させたものも本発明に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
ゲル状の薬剤を収容する容器と、
前記容器の開口部を塞ぐ蓋体と、
前記蓋体の内面から突出して設けられ、前記蓋体により前記開口部を塞いだ状態で前記薬剤中に配置され、前記蓋体を前記開口部から取り外す動作により前記薬剤を崩す少なくとも1つの崩し部材と、
を有する揮散装置。
[2]
前記崩し部材は、前記薬剤中に配置される鉤状部分を有する、
[1]の揮散装置。
[3]
前記蓋体は、前記開口部に螺合するネジ部を有する、
[1]の揮散装置。
[4]
前記崩し部材は、前記蓋体の回転中心に同軸に設けられ、その表面に、前記蓋体の前記ネジ部と逆ネジの螺旋羽根を備えている、
[3]の揮散装置。
[5]
前記崩し部材は、前記蓋体の回転中心に対して偏心して設けられている、
[3]の揮散装置。
[6]
前記崩し部材の表面は、当該崩し部材を前記薬剤から引き抜く動作により前記薬剤を崩すことができる程度の表面粗さを有する、
[1]の揮散装置。
[7]
前記薬剤は、前記崩し部材を前記薬剤から引き抜く動作により前記薬剤を崩すことができる程度の前記崩し部材の表面に対する接着性を有する、
[1]の揮散装置。
[8]
前記開口部から前記蓋体を取り外した後、前記開口部に取り付ける揮散口を有する別の蓋体をさらに有する、
[1]乃至[7]のうち1つの揮散装置。
[9]
ゲル状の薬剤を収容する容器と、
前記薬剤中に配置され、前記薬剤中から引き抜く動作により前記薬剤を崩す少なくとも1つの崩し部材と、
を有する揮散装置。
[10]
ゲル状の薬剤を収容する容器と、
前記薬剤の表面積を増やすように前記薬剤を崩す少なくとも1つの崩し部材と、
を有する揮散装置。
[11]
ゲル状の薬剤を収容する容器と、
前記薬剤中に配置され、前記薬剤中を回転する動作により前記薬剤を崩す少なくとも1つの崩し部材と、
を有する揮散装置。
2…容器、 3…開口部、 4…蓋体、 5…内面、 6…鉤棒、 6a…鉤部、 8…別の蓋体、 9…凹部、 10、20、30…揮散装置、 22…スクリュー、 22a…螺旋羽根、 23…雌ネジ、 24…雄ネジ、 32…突起、 42、42a、42b、42c…突起、S…空間、 Y…薬剤、 Ya…上面。

Claims (8)

  1. ゲル状の薬剤を収容する容器と、
    前記容器の開口部を塞ぐ蓋体と、
    前記蓋体の内面から突出して設けられ、前記蓋体により前記開口部を塞いだ状態で前記薬剤中に配置され、前記蓋体を前記開口部から取り外す動作により前記薬剤から引き抜かれて前記薬剤を崩す少なくとも1つの崩し部材と、を有し、
    前記蓋体を前記容器から取り外した状態で使用する揮散装置。
  2. 前記崩し部材は、前記薬剤中に配置される鉤状部分を有する、
    請求項1の揮散装置。
  3. 前記蓋体は、前記開口部に螺合するネジ部を有する、
    請求項1の揮散装置。
  4. 前記崩し部材は、前記蓋体の回転中心に同軸に設けられ、その表面に、前記蓋体の前記ネジ部と逆ネジの螺旋羽根を備えている、
    請求項3の揮散装置。
  5. 前記崩し部材は、前記蓋体の回転中心に対して偏心して設けられている、
    請求項3の揮散装置。
  6. 前記崩し部材の表面は、当該崩し部材を前記薬剤から引き抜く動作により前記薬剤を崩すことができる程度の表面粗さを有する、
    請求項1の揮散装置。
  7. 前記薬剤は、前記崩し部材を前記薬剤から引き抜く動作により前記薬剤を崩すことができる程度の前記崩し部材の表面に対する接着性を有する、
    請求項1の揮散装置。
  8. 前記開口部から前記蓋体を取り外した後、前記開口部に取り付ける揮散口を有する別の蓋体をさらに有する、
    請求項1乃至請求項7のうち1項の揮散装置。
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