JP7282369B2 - 害虫忌避性間仕切り用シート - Google Patents
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Description
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、防虫成分と防虫性付与成分とを含む樹脂組成物の成形体とすることで、間仕切り用シートとして防虫性分の含有量を抑えつつ防虫効果を安定して発揮できる従来にない間仕切り用シートが得られることを見出し、本発明の完成に至ったのである。
樹脂組成物の主成分としては、シート材とした場合に透明性に優れ、かつ柔軟性に富む塩化ビニル系樹脂が用いられる。塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの重合体又は塩化ビニルと共重合可能な他単量体との共重合体を用いることができる。塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられる。これらの塩化ビニル系樹脂は、一種類又は二種類以上を組み合わせて用いることができ、また他の合成樹脂がブレンドされてもよい。
樹脂組成物の防虫成分としては、通常防虫剤として用いられる各種生理活性物質のうち、非蒸散性で、優れた忌避性と速効性を有し、しかも急性毒性を示しにくいピレスロイド系防虫剤が用いられる。ピレスロイド系化合物としては、例えば、ピレトリン、ペルメトリン、アレスリン、フタルスリン、プラレトリン、シフェノトリン、フェノトリン、レスメトリン、フラメトリン、イミプロトリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、シハロトリン、シフルトリン、エトフェンプロックス、トラロメトリン、エスビオスリン及びテラレトリン等が挙げられ、これらの中でも、特にエトフェンプロックスが好ましく用いられる。エトフェンプロックスは、ピレスロイド系防虫剤の中でも、低濃度で防虫効果を発揮しやすいとともに、人や動物に対する安全性を確保しやすいため好適である。これらの防虫成分は、一種類又は二種類以上を組み合わせて用いることができる。
防虫性付与成分とは、間仕切り用シート1に害虫が忌避する機能(防虫性)を付与する成分のことで、具体的には、樹脂組成物の防虫性付与成分としては、350~360nmの光の透過を阻止するための紫外線吸収剤と、400~550nmの光の透過を阻止するべく間仕切り用シート1をオレンジ色に着色するための染料又は顔料が用いられる。害虫は、主に紫外線領域の350~360nmの光に感応して活動し、400~550nm、特に470~480nmの光に感応して活動するものがあるため、かかる波長の光の透過を阻止することで、間仕切り用シート1として上述した防虫成分で不足する性能を補いつつ、長期に渡り安定して防虫性能を発揮できるようになる。
樹脂組成物には、その他、任意の機能を付与するための各種成分を機能性材料として含んでもよい。機能性材料としては、例えば、可塑剤、安定剤、艶消剤、抗酸化剤、分散剤等の添加材料の他、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、耐候剤等が挙げられる。この種の機能性材料は、樹脂組成物に含有されて間仕切り用シート1において防虫剤3とともに母材2の中に分散されてもよく、母材2とは異なる樹脂層に含有された状態で母材2の表面に存在するようにしてもよい(図3等参照)。
図1に示したように、間仕切り用シート1は一つのシート状樹脂成形体よりなる単層で形成されているが、例えば、図2に示すように複数(図2では3層)のシート状樹脂成形体の積層体として形成してもよく、図3に示すように母材2とは異なり防虫性能を発揮しないが他の機能有する樹脂層4を有する一種又は二種以上のシート状樹脂成形体の積層体として形成してもよい。後者の樹脂層4としては、難燃剤、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、耐候剤等の機能性材料を配合して所与の機能を発現するようにしてもよい。
主成分としての塩化ビニル系樹脂、防虫成分としてのピレスロイド系防虫剤、防虫性付与成分としての紫外線吸収剤及び顔料、可塑剤、安定剤等を、表1に示す割合でそれぞれ配合した樹脂組成物を混練し、混練物をカレンダー成形機にて180℃で成形を行って、厚さが0.5mmの各試料(シート状樹脂成形体)を得た。各試料は、防虫剤としてマスターバッチペレット(エトフェンプロックス濃度が15重量%及び20重量%のもの)の配合量を変えることで、樹脂組成物中のエトフェンプロックスの成分濃度が異なるように調製した(実施例1~4、比較例1~2)。なお、同様に、防虫成分の含有しない試料を調製し、これをブランク試料とした。
塩化ビニル系樹脂:PVC(カネビニールS1003N、カネカ社製)
可塑剤:DOP(DOP、ジェイ・プラス社製)
可塑剤:TPP(レオフォス65、味の素ファインテクノ社製)
可塑剤:ESBO(ケミサイザーSE-100、三和合成化学社製)
安定剤(AC-293、AP-551、AC-292、ADEKA社製)
ピレスロイド系防虫剤:エトフェンプロックス(NIXAM416-X、ニックス社製)
紫外線吸収剤(キマソーブ81、BASFジャパン社製)
顔料(イソインドリノンイエロー、縮合アゾレッド、大日精化工業社製)
間切り用シートとしての忌避性能を評価するために害虫忌避率試験を行った。具体的には、上部が開放された有底の試験容器内に、餌及び水とともに、害虫(チャバネゴキブリ)が隠れることのできる2つの営巣用シェルターA、Bを設置した。シェルターAは内部に実施例1~4及び比較例1~2に係る試料(一辺の長さが50mmの正方形)を設置したものとし、シェルターBは防虫成分の含有しないブランク試料を設置したものとした。そして、試験容器内にチャバネゴキブリ10匹を投入して上方より光を照射した状態で10時間放置した後、試験容器からシェルターA、Bを取り出して、それぞれのシェルター内にいるチャバネゴキブリの数を数え、忌避率[%]={(シェルターBの害虫の数-シェルターAの害虫の数)/シェルターBの害虫の数}×100の式により、忌避率(%)を算出した。同様の試験をそれぞれ3回行い、その平均値から忌避性能を評価した。
間切り用シートとしての使用性能を確認するために、防虫剤表面量測定及び防虫剤除放量測定を行った。具体的には、防虫剤表面量測定は、実施例4に係る試料を粉砕したものの表面をメタノールで洗浄し、高速液体クロマトグラフィ(島津製作所製:LC-2010HT)にて洗浄溶液に含まれる防虫成分量を測定し、試料1cm2当たりの表面量(μg/cm2)を算出した。また、薬剤除放量測定は、同様の試料を24時間放置後に再び防虫成分量を測定し、試料1cm2当たりの表面量を算出したものを薬剤除放量(μg/cm2・24h)とした。
2 母材
3 防虫剤
Claims (3)
- 防虫成分を放出可能な徐放性防虫樹脂成形体である間仕切り用シートにおいて、
主成分として平均重合度が700~1700の塩化ビニル系樹脂と、
フタル酸エステル系可塑剤及び可塑剤全量に対して20~50重量%のリン酸エステル系可塑剤を含む二種以上の可塑剤と、
防虫成分として組成物全量に対して0.6~5.0重量%のピレスロイド系防虫剤と、
防虫性付与成分として紫外線吸収剤及びオレンジ色に着色するための染料又は顔料と、
を含む樹脂組成物をシート状に成形してなる、
ことを特徴とする害虫忌避性間仕切り用シート。 - 前記ピレスロイド系防虫剤がエトフェンプロックスである請求項1に記載の害虫忌避性間仕切り用シート。
- 複数のシート状樹脂成形体を積層してなる請求項1又は請求項2に記載の害虫忌避性間仕切り用シート。
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