JP7282209B2 - 鏡筒、鏡筒の光学調整方法及びレンズ装置 - Google Patents

鏡筒、鏡筒の光学調整方法及びレンズ装置 Download PDF

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Description

本発明は、鏡、鏡筒の光学調整方法及びレンズ装置に関する。
偏芯ピン(偏芯ローラ、偏芯コロなどともいう)を使用して、特定のレンズ保持枠の傾きを調整する技術が知られている。
特許文献1には、調整したレンズ保持枠を接着剤で固定することにより、調整後の状態を長期間安定して保持する技術が記載されている。
特許文献2には、レンズ保持枠に複数の突当部を設け、各突当部を本体枠側に付勢して、本体枠側に備えられた基準面に突き当てることにより、傾きの調整を不要又は微調整で済むようにする技術が記載されている。
特開2010-191070号公報 特開2016-122134号公報
本開示の技術に係る1つの実施形態は、調整の際のリニアリティーを向上できる鏡、鏡筒の光学調整方法及びレンズ装置を提供する。
(1)第1枠と、第1枠の内側に配置される第2枠と、第2枠に備えられ、第1枠に備えられた第1孔に嵌められる第1偏芯ピンと、第2枠に備えられ、第1枠の軸に沿って第1枠に備えられた直線状の溝に嵌められる凸部と、を備えた鏡筒。
(2)第1偏芯ピンは、第2枠の周方向の複数箇所に備えられる、(1)の鏡筒。
(3)第1偏芯ピンは、第2枠の周方向の3箇所に備えられる、(2)の鏡筒。
(4)第1偏芯ピンは、第2枠の周方向に等間隔に備えられる、(3)の鏡筒。
(5)凸部は、溝の幅方向の両側の内壁面に複数箇所で接触する、(1)から(4)のいずれか一の鏡筒。
(6)凸部は、溝の幅方向の両側の内壁面に面で接触する、(1)から(4)のいずれか一の鏡筒。
(7)凸部は、溝の幅方向の両側の内壁面と対向する面に凹部を有する、(5)又は(6)の鏡筒。
(8)溝に接着剤が付与されて、第2枠が第1枠に固定される、(1)から(7)のいずれか一の鏡筒。
(9)更に、第1孔に接着剤が付与されて、第2枠が第1枠に固定される、(8)の鏡筒。
(10)溝が、第1枠の先端から第1枠の軸に沿って延びる、(1)から(9)のいずれか一の鏡筒。
(11)溝及び第1孔が第1枠の周方向に交互に配置される、(1)から(10)のいずれか一の鏡筒。
(12)凸部が、第2枠に着脱可能に設けられる、(1)から(11)のいずれか一の鏡筒。
(13)第2枠の内側に配置される第3枠と、第2枠の外周に備えられる第2枠フランジ部と、第3枠の外周に備えられ、第2枠フランジ部と対向して配置される第3枠フランジ部と、第3枠フランジ部の周方向の1箇所に備えられ、第2枠フランジ部に備えられた基準孔に嵌められる基準ピンと、第3枠フランジ部の周方向の複数箇所に備えられ、第2枠フランジ部に備えられた第2孔に嵌められる複数の第2偏芯ピンと、第3枠フランジ部を第2枠フランジ部に向けて付勢する付勢部と、を更に備えた(1)から(12)のいずれか一の鏡筒。
(14)第2枠フランジ部及び第3枠フランジ部のいずれか一方は切欠き部を備え、他方は切欠き部に嵌まる突出部を備え、切欠き部に接着剤が付与されて、第3枠が第2枠に対し固定される、(13)の鏡筒。
(15)複数のレンズ群で構成される光学系と、(1)から(12)のいずれか一の鏡筒と、を備え、光学系を構成する複数のレンズ群のうち最も物体側に配置される第1レンズ群が、第2枠に保持される、レンズ装置。
(16)(2)の鏡筒の光学調整方法であって、複数の第1偏芯ピンの少なくとも一つを回転させて、第1枠の軸に対する第2枠の軸の傾きを調整する工程と、複数の第1偏芯ピンを回転させて、第1枠に対する第2枠の相対位置を調整する工程と、を含む鏡筒の光学調整方法。
(17)光学調整後、溝及び第1孔の少なくとも一方に接着剤を付与して、第2枠を第1枠に固定する工程を更に含む、(16)の鏡筒の光学調整方法。
(18)光学調整後、溝に接着剤を付与して、第2枠を第1枠に固定したのち、更に、第1孔に接着剤を付与して、第2枠を第1枠に固定する、(16)の鏡筒の光学調整方法。
(19)第1枠と、第1枠の内側に配置される第2枠と、第2枠の周方向の複数箇所に備えられ、第1枠の対応する孔に嵌められる複数の偏芯ピンと、を備えた鏡筒の光学調整方法であって、複数の偏芯ピンの少なくとも一つを回転させて、第1枠の軸に対する第2枠の軸の傾きを調整する工程と、複数の偏芯ピンを回転させて、第1枠に対する第2枠の相対位置を調整する工程と、を含む鏡筒の光学調整方法。
交換レンズの全体の概略構成を示す断面図 第1レンズ群保持枠の構成を示す斜視図 第1レンズ群保持枠の構成を示す側面断面図 図3の4-4断面図 第1枠を除いた第1レンズ群保持枠の斜視図 第1レンズ群保持枠の正面図 第1レンズ群保持枠の側面図 第1レンズ群保持枠の平面図 第2枠の保持構造の変形例を示す図 第2枠の保持構造の変形例を示す図 第2枠の保持構造の変形例を示す図 凸部(キー部)の変形例を示す図 第3枠の保持構造の変形例を示す図 第3枠の保持構造の変形例を示す図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
ここでは、本発明をレンズ交換式カメラの交換レンズに適用した場合を例に説明する。交換レンズは、レンズ装置の一例である。
[交換レンズの構成]
図1は、本実施の形態の交換レンズの全体の概略構成を示す断面図である。
同図に示す交換レンズ1は、いわゆる単焦点のAFレンズである。AFレンズは、AF(Auto Focus)機能を備えたレンズである。
[光学系]
図1に示すように、交換レンズ1は、光学系として、物体側(図1において左側)から順に第1レンズ群L1、第2レンズ群L2及び第3レンズ群L3を有する。第1レンズ群L1及び第3レンズ群L3は、固定のレンズ群である。第2レンズ群L2は、移動するレンズ群である。第2レンズ群L2を光軸Zに沿って移動させることにより、焦点が調節される。
第1レンズ群L1は、光軸Zに沿って物体側から順に第1レンズ群前群L11及び第1レンズ群後群L12を有する。第1レンズ群前群L11及び第1レンズ群後群L12は、少なくとも1枚のレンズで構成される。
第2レンズ群L2は、光軸Zに沿って物体側から順に第2レンズ群前群L21及び第2レンズ群後群L22を有する。第2レンズ群前群L21及び第2レンズ群後群L22は、少なくとも1枚のレンズで構成される。第2レンズ群前群L21及び第2レンズ群後群L22の間には、絞りStが備えられる。
第3レンズ群L3は、少なくとも1枚のレンズで構成される。
[鏡筒]
図1に示すように、交換レンズ1の鏡筒10は、固定筒12、カム筒14、外装体16、第1レンズ群保持枠100、第2レンズ群保持枠18、第3レンズ群保持枠20及びマウント22等を組み合わせて構成される。
固定筒12は、交換レンズ1をカメラ本体に装着すると、カメラ本体と一体化される。すなわち、固定筒12は、カメラ本体に対し、固定の構成要素である。
カム筒14は、固定筒12の外周部に備えられる。カム筒14は、固定筒12の外周部に嵌合して、固定筒12の外周部を周方向に回転可能に保持される。カム筒14は、モータ(フォーカスモータ)24に駆動されて回転する。モータ24は、固定筒12の外周部に備えられる。モータ24の出力軸には駆動ギア26が備えられる。駆動ギア26は、カム筒14に備えられたギア部14Aに噛み合わされる。ギア部14Aは、カム筒14の外周部に備えられる。モータ24を駆動すると、駆動ギア26及びギア部14Aを介して、カム筒14に伝達され、カム筒14が回転する。
外装体16は、複数の外装体パーツ(第1外装体16A、第2外装体16B及び第3外装体16C)を同軸上に繋ぎ合わせて構成される。第1外装体16Aは、外装体16の先端部分を構成する外装体パーツである。第1外装体16Aは、第2外装体16Bの先端部に連結される。第1外装体16Aは、図示しないネジで第2外装体16Bに固定されて、第2外装体16Bと一体化される。第2外装体16Bは、外装体16の中央部分を構成する外装体パーツである。第2外装体16Bは、第3外装体16Cの先端部に連結される。第2外装体16Bは、図示しないネジで第3外装体16Cに固定されて、第3外装体16Cと一体化される。第3外装体16Cは、外装体16の後端部分を構成する外装体パーツである。第3外装体16Cは、図示しないネジで固定筒12に固定されて、固定筒12に一体化される。固定筒12は、外装体16の内側に収容される。第1外装体16Aの外周部には、フォーカスリング28が備えられる。第3外装体16Cの外周部には、絞りリング30が備えられる。フォーカスリング28は、マニュアルで焦点調節するための操作リングである。絞りリング30は、絞りを操作するための操作リングである。
第1レンズ群保持枠100は、第1レンズ群L1を保持する。第1レンズ群保持枠100は、第1枠110、第2枠112及び第3枠114を有する。
第1枠110は、固定筒12の先端部(物体側の端部)に取り付けられる。第1枠110は、固定筒12の先端の内周部に嵌合し、図示しないネジで固定筒12に固定されて、固定筒12と一体化される。固定筒12に固定された第1枠110は、固定筒12と同軸上に保持される。
第2枠112は、第1レンズ群後群L12を保持する。第2枠112は、第1枠110に保持される。第2枠112の保持構造については、後述する。
第3枠114は、第1レンズ群前群L11を保持する。第3枠114は、第2枠112に保持される。第3枠114の保持構造については、後述する。
第2レンズ群保持枠18は、第2レンズ群L2を保持する。第2レンズ群保持枠18は、固定筒12の内側に配置される。第2レンズ群保持枠18は、第2レンズ群保持枠本体32、第2レンズ群前群保持枠34及び第2レンズ群後群保持枠36を有する。
第2レンズ群保持枠本体32は、固定筒12の内側に配置される。第2レンズ群保持枠本体32は、固定筒12の内周部に嵌合し、固定筒12の内周部を光軸Zに沿って前後移動可能に保持される。第2レンズ群保持枠本体32は、外周部に3本のカムピン38を有する(図1では1本のみ図示)。3本のカムピン38は、周方向に沿って等間隔(120°間隔)に配置される。固定筒12は、3本のカムピン38に対応して、3本の直進溝40を有する(図1では1本のみ図示)。3本の直進溝40は、光軸Zに沿って延びる溝で構成される。3本の直進溝40は、周方向に沿って等間隔に配置される。カム筒14は、3本のカムピン38に対応して、3本のカム溝42を有する(図1では1本のみ図示)。3本のカム溝42は、周方向に沿って等間隔に配置される。3本のカムピン38は、それぞれ対応する直進溝40及びカム溝42に嵌合する。これにより、カム筒14を回転させると、第2レンズ群保持枠本体32が光軸Zに沿って前後移動する。
第2レンズ群前群保持枠34は、第2レンズ群前群L21を保持する。第2レンズ群前群保持枠34は、第2レンズ群保持枠本体32の先端側(物体側)の内周部に嵌合し、図示しないネジで第2レンズ群保持枠本体32に固定されて、第2レンズ群保持枠本体32に一体化される。
第2レンズ群後群保持枠36は、第2レンズ群後群L22を保持する。第2レンズ群後群保持枠36は、第2レンズ群保持枠本体32の後端側(像面側)の内周部に嵌合し、図示しないネジで第2レンズ群保持枠本体32に固定されて、第2レンズ群保持枠本体32に一体化される。
絞りStは、その駆動機構を含むユニット(絞りユニット)44が、第2レンズ群保持枠本体32に組み付けられる。第2レンズ群保持枠本体32に組み付けられた絞りユニット44は、第2レンズ群前群L21及び第2レンズ群後群L22の間に配置される。
絞りStを含む第2レンズ群L2は、第2レンズ群保持枠本体32が移動することにより、光軸Zに沿って移動する。これにより、焦点が調節される。
第3レンズ群保持枠20は、第3レンズ群L3を保持する。第3レンズ群保持枠20は、固定筒12の後端部(像面側の端部)に取り付けられる。第3レンズ群保持枠20は、固定筒12の後端の内周部に嵌合し、図示しないネジで固定筒12に固定されて、固定筒12と一体化される。固定筒12に固定された第3レンズ群保持枠20は、固定筒12と同軸上に保持される。
マウント22は、鏡筒10の後端部に取り付けられる。マウント22は、第3外装体16Cの後端面に図示しないネジで固定されて、第3外装体16Cと一体化される。
[第1レンズ群保持枠]
図2は、第1レンズ群保持枠の構成を示す斜視図である。図3は、第1レンズ群保持枠の構成を示す側面断面図である。図4は、図3の4-4断面図である。また、図5は、第1枠を除いた第1レンズ群保持枠の斜視図である。図6、図7、図8は、それぞれ図5に示す第1レンズ群保持枠の正面図、側面図、平面図である。
上記のように、第1レンズ群保持枠100は、第1枠110、第2枠112及び第3枠114を有する。第1枠110は、固定筒12に固定される。第2枠112は、第1枠110に保持される。第3枠114は、第2枠112に保持される。
[第2枠の保持構造]
第2枠112は、その一部が第1枠110の内側に収容されて、第1枠110に保持される。
第1枠110は、周方向の3箇所に3つの第1ピン孔116を有する。3つの第1ピン孔116は、周方向に沿って等間隔に配置される。3つの第1ピン孔116は、周方向に沿って延びる長孔で構成される。第1ピン孔116は、第1孔の一例である。
第1枠110は、周方向の3箇所に3つのキー溝118を有する。3つのキー溝118は、周方向に沿って等間隔に配置される。キー溝118は、隣り合う第1ピン孔116の間に配置される。したがって、第1枠110の外周には、キー溝118及び第1ピン孔116が交互に配置される。
キー溝118は、第1枠110の軸に沿って延びる直線状の溝で構成される。特に、本実施の形態のキー溝118は、第1枠110の先端(物体側の端部)から延びる溝で構成される。第1枠110の先端から延びることで、本実施の形態のキー溝118は、先端が開口した溝で構成される。
第2枠112は、外周に第2枠フランジ部120を有する。第2枠フランジ部120は、第3枠114の保持部として機能する。この点については、後述する。
第2枠112は、外周に円筒状の嵌合部122を有する。嵌合部122は、肉抜きが施されたリブ構造を有する。嵌合部122の外周には、周方向に沿って円弧状の突起部122Bが複数箇所に備えられる。第2枠112は、この突起部122Bが、第1枠110の内周面に当接して、第1枠110の内側に嵌合する。突起部122Bは、ほぼ点接触の状態で第1枠110の内周面に当接する。
第2枠112は、外周の3箇所に3つの第1偏芯ピン124を有する。3つの第1偏芯ピン124は、周方向に沿って等間隔に配置される。第1偏芯ピン124は、ピン本体124A及び軸部124Bを有する。ピン本体124Aは、第1ピン孔116に嵌められる部分である。ピン本体124Aは、円盤状の形状を有する。軸部124Bは、第1偏芯ピン124の回転軸として機能する。ピン本体124Aは、軸部124Bに対し偏芯している。第1偏芯ピン124は、軸部124Bを軸に回転させると、ピン本体124Aが偏芯して回転する。
第2枠112は、外周の3箇所に3つの第1偏芯ピン取付孔126を有する。3つの第1偏芯ピン取付孔126は、周方向に沿って等間隔に配置される。第1偏芯ピン124は、軸部124Bを第1偏芯ピン取付孔126に嵌めて、第2枠112に取り付けられる。第1偏芯ピン124は、軸部124Bの軸に沿って貫通する孔を有する。第1偏芯ピン124は、その孔にネジが通されて、第2枠112に固定される。ネジで固定された第1偏芯ピン124は、一定以上のトルクを付与することで回転する。
3つの第1偏芯ピン124は、第1枠110に備えられた3つの第1ピン孔116に嵌められる。3つの第1ピン孔116は、3つの第1偏芯ピン124に対応して設けられる。3つの第1偏芯ピン124が、3つの第1ピン孔116に嵌められることにより、第2枠112が第1枠110の内側に保持される。第2枠112は、3つの第1偏芯ピン124を個別に回転させることにより、その軸が第1枠110の軸に対し傾斜する。
第2枠112は、外周の3箇所に3つのキー部128を有する。3つのキー部128は、周方向に沿って等間隔に配置される。3つのキー部128は、第1枠110に備えられた3つのキー溝118に嵌められる。キー部128は、凸部の一例である。本実施の形態の第2枠112は、3つのキー部128が、嵌合部122に一体的に備えられる。このため、本実施の形態のキー部128は、リブ構造を有する。より具体的には、軸方向に沿って延びる平板状のベース部128Aと、ベース部128Aの両サイドから周方向に沿って延びる複数の平板状のキー嵌合部128Bと、を有する。複数のキー嵌合部128Bが、実質的にキー溝118に嵌まる部分である。このような構成のキー部128は、キー溝118の幅方向の両側の内壁面118Aと対向する面128Cに凹部128Dが備えられる。凹部128Dは、複数のキー嵌合部128Bの間に備えられる。キー部128は、キー溝118に嵌め込まれることにより、キー溝118の幅方向の両側の内壁面118Aと面で接触し、かつ、複数箇所で接触する。
キー溝118に嵌め込まれたキー部128は、第1偏芯ピン124によって第2枠112を偏芯させる際、第2枠112の軸が揺らぐ動きを規制する。すなわち、キー部128及びキー溝118は、第2枠112の軸がブレなく安定して傾斜するようにガイドする機能を有する。これにより、調整の際のリニアリティー(直線性)が向上する。
[第3枠の保持構造]
第3枠114は、その一部が第2枠112の内側に収容されて、第2枠112に保持される。
第3枠114は、外周に第3枠フランジ部130を有する。第3枠フランジ部130は、第2枠フランジ部120と対向して配置される。第3枠114は、この第3枠フランジ部130を用いて、第2枠112に保持される。
第2枠フランジ部120は、先端側(物体側)の端面に基準ピン132を有する。基準ピン132は、円柱状のピンで構成される。基準ピン132は、第2枠112の軸と平行に配置される。第3枠フランジ部130は、基準ピン132が嵌まる基準孔134を有する。基準孔134は、径方向に延びる長孔で構成される。第3枠114は、基準孔134に基準ピン132が嵌まることにより、基準ピン132を支点として、第2枠112の軸と直交する面内を揺動可能に保持される。
第2枠フランジ部120は、端面の2箇所に2つの第2偏芯ピン136X、136Yを有する。一方の第2偏芯ピン136Xは、第2枠112の軸を中心にして、基準ピン132の位置から90°回転した位置に備えられる。他方の第2偏芯ピン136Yは、第2枠112の軸を中心にして基準ピン132の位置から180°回転した位置に備えられる。第2偏芯ピン136X、136Yは、軸部136A、円盤部136B及び偏芯ピン部136Cを有する。軸部126Aは、第2偏芯ピン136X、136Yの回転軸として機能する。軸部136A及び円盤部136Bは、同軸上に配置される。偏芯ピン部136Cは、軸部136Aに対し偏芯して配置される。したがって、軸部136Aを軸に回転させると、第2偏芯ピン136X、136Yは、偏芯ピン部136Cが偏芯して回転する。第2偏芯ピン136X、136Yは、第2枠フランジ部120の2箇所に備えられた2つの軸受孔138に軸部136Aが嵌め込まれて、第2枠フランジ部120に取り付けられる。2つの軸受孔138は、第2偏芯ピン136X、136Yの設置位置に対応して備えられる。第2枠フランジ部120に取り付けられ第2偏芯ピン136X、136Yは、その円盤部136B、136Bが、第2枠フランジ部120の先端側の端面に備えられた凹状の収容部139に収容される。収容部139は、第2偏芯ピン136X、136Yの設置位置に対応して備えられる。
第3枠フランジ部130は、周方向の2箇所に2つの第2ピン孔140X、140Yを有する。2つの第2ピン孔140X、140Yは、2つの第2偏芯ピン136X、136Yに対応して設けられる。2つの第2ピン孔140X、140Yには、2つの第2偏芯ピン136X、136Yの偏芯ピン部136Cが嵌め込まれる。2つの第2ピン孔140X、140Yは、それぞれ長孔で構成される。一方の第2ピン孔140Xは、第3枠114の軸と直交する面内で第2方向(図6においてy軸の方向)に沿って延びる長孔で構成される。他方の第2ピン孔140Yは、第3枠114の軸と直交する面内で第1方向(図6においてx軸の方向)に沿って延びる長孔で構成される。第1方向及び第2方向は、互いに直交する方向である。第2ピン孔140X、140Yは、第2孔の一例である。
第3枠114は、一方の第2偏芯ピン136Xを回転させることにより、基準ピン132を基準にして、第2枠112の軸と直交する面内を第1方向(図6のx軸の方向)に揺動する。また、第3枠114は、他方の第2偏芯ピン136Yを回転させることにより、基準ピン132を基準にして、第2枠112の軸と直交する面内を第2方向(図6のy軸の方向)に揺動する。これにより、第3枠114が、第2枠112に対しシフトする。
第3枠フランジ部130は、周方向の3箇所に3つの貫通孔142を有する。3つの貫通孔142は、周方向に沿って等間隔に配置される。3つの貫通孔142には、3本のガイドピン144が通される。各ガイドピン144は、一端(物体側の端部)に頭部144Aを有し、他端(像面側の端部)にネジ部(不図示)を有する。各ガイドピン144は、ネジ部を第2枠フランジ部120に備えられたネジ孔(不図示)に締結されて、第2枠フランジ部120に固定される。ネジ孔は、第2枠フランジ部120の3箇所に備えられる。3つのネジ孔は、周方向に沿って等間隔に配置される。ネジ孔に締結されたガイドピン144は、第2枠112の軸と平行に配置される。各ガイドピン144は、コイルばね146を通して、第2枠112に固定される。各ガイドピン144に通されたコイルばね146は、各ガイドピン144の頭部144Aと第3枠フランジ部130の間に配置され、第3枠114を第2枠112に向けて付勢する。コイルばね146は、付勢部の一例である。
[交換レンズの作用]
以上のように構成される本実施の形態の交換レンズ1は、光学調整の機能として、ティルト調整の機能、シフト調整の機能及び軸間距離の調整機能を有する。以下、ティルト、シフト及び軸間距離の各項目の調整方法(光学調整方法)について方法について説明する。
[ティルト調整]
ティルト調整は、3つの第1偏芯ピン124を個別に回転させることにより行われる。3つの第1偏芯ピン124を個別に回転させると、第2枠112が第1枠110に対し傾斜する。第2枠112は、回転させるピンの位置に応じた方向に傾斜する。以下、この傾斜のメカニズムについて説明する。
第1偏芯ピン124を回転させると、そのピン本体124Aが偏芯して回転する。ピン本体124Aが偏芯して回転すると、ピン本体124Aが嵌め込まれた第1ピン孔116の位置が、光軸Zに沿って変位する。これにより、第1ピン孔116が備えられた第2枠112が、第1枠110に対し傾斜する。
このように、本実施の形態の交換レンズ1では、偏芯ピン(第1偏芯ピン124)を用いて、ティルト調整が行われる。
ところで、偏芯ピンを用いたティルト調整機構は、調整の際に、軸が揺らぐ動きをするという課題がある。この軸の揺らぎは不規則であり、ティルトの調整作業を困難にしていた。すなわち、揺らぐ動きが不規則であるため、所望の傾きを実現するために、何度も微調整を繰り返す必要があった。
本実施の形態の交換レンズ1は、第1枠110及び第2枠112にキー部128及びキー溝118を有することにより、ティルト調整の際に生じる軸の揺らぎが規制される。これにより、調整の際のリニアリティーが向上し、効率よくティルト調整の作業ができる。
本実施の形態の交換レンズ1では、キー部128がキー溝118の両側の内壁面118Aに面で接触する。第1偏芯ピン124を回転させて、第2枠112を傾斜させる際、直線状のキー溝118の内壁面118Aが、ガイドとして機能し、軸が揺らぐ動きが規制される。軸の揺らぎが規制されることにより、調整の際のリニアリティーが向上する。これにより、所望の傾きを簡単に実現できる。すなわち、操作入力に対し、高いリニアリティーをもって傾きを調整できるので、熟練者でなくても、簡単に所望の傾きに調整できる。
[シフト調整]
シフト調整は、2つの第2偏芯ピン136X、136Yを個別に回転させることにより行われる。一方の第2偏芯ピン136Xを回転させると、第3枠114が第2枠112に対し第1方向(図6のx軸の方向)にシフトする。他方の第2偏芯ピン136Yを回転させると、第3枠114が第2枠112に対し第2方向(図6のy軸の方向)にシフトする。以下、このシフトのメカニズムについて説明する。
一方の第2偏芯ピン136Xを回転させると、その偏芯ピン部136Cが偏芯して回転する。偏芯ピン部136Cが偏芯して回転すると、偏芯ピン部136Cが嵌め込まれた第2ピン孔140Xの位置が、第1方向に沿って変位する。これにより、第2ピン孔140Xが備えられた第3枠114が、基準ピン132を支点として、第1方向に沿って揺動する。この結果、第2枠112に対し、第3枠114が第1方向にシフトする。
同様に、他方の第2偏芯ピン136Yを回転させると、その偏芯ピン部136Cが偏芯して回転する。偏芯ピン部136Cが偏芯して回転すると、偏芯ピン部136Cが嵌め込まれた第2ピン孔140Yの位置が、第2方向に沿って変位する。これにより、第2ピン孔140Yが備えられた第3枠114が、基準ピン132を支点として、第2方向に沿って揺動する。この結果、第2枠112に対し、第3枠114が第2方向にシフトする。
[軸間距離の調整]
ここでの軸間距離の調整とは、交換レンズ1の光学系を構成する第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間の空気間隔の調整のことである。より詳しくは、第1レンズ群L1を構成する第1レンズ群後群L12と第2レンズ群L2を構成する第2レンズ群前群L21との間の空気間隔の調整のことである。
第1レンズ群L1と第2レンズ群L2との間の空気間隔は、第1枠110に対する第2枠112の相対位置(光軸Zに沿う方向の相対位置)を変えることにより、調整される。第1枠110に対する第2枠112の相対位置は、3つの第1偏芯ピン124を回転させることにより調整される。具体的には、各第1偏芯ピン124を回転させて、各第1偏芯ピン124が嵌められた第1ピン孔116を同方向に同量変位させる。これにより、軸が傾くことなく、第2枠112が第1枠110に対し軸方向に変位する。
各第1偏芯ピン124の回転位置が同位相の位置にある場合、第2枠112は、各第1偏芯ピン124を同方向に同量回転させることにより、同一姿勢(同じ傾き)を維持して、第1枠110の軸方向に変位する。同位相の位置とは、ピン本体124Aが原点位置から同方向に同量回転した位置のことをいう。原点位置は、たとえば、ピン本体124Aの中心が最も像面側に位置する点に設定される。
[光学調整]
実際の光学調整は、鏡筒10を光学調整装置に設置して行われる。作業者は、光学調整装置上で第1偏芯ピン124を個別に回転させて、ティルト調整を行う。また、第2偏芯ピン136X、136Yを個別に回転させて、シフト調整を行う。更に、3つの第1偏芯ピン124を回転させて、軸間距離(空気間隔)を調整する。
光学調整後、光学調整装置上で第2枠112及び第3枠114を固定し、光学調整した状態が崩れないようにする。固定は、次のように行われる。
[第2枠の固定]
第2枠112の固定は、キー溝118に接着剤を付与することにより行われる。あるいは、第1ピン孔116に接着剤を付与することにより行われる。キー溝118あるいは第1ピン孔116に接着剤を付与することにより、第2枠112が第1枠110に接着固定される。
キー溝118を利用して固定する場合は、キー部128の凹部128Dを利用して、接着剤をキー溝118に付与することが好ましい。これにより、たとえば、メンテナンスなどで再調整が必要な場合に、塵(接着剤の剥離屑等)の発生を抑えて、分解及び再調整を行うことができる。
なお、キー溝118を利用して固定する場合は、図8に示すように、キー部128の周囲に仕切り150を備えることが好ましい。これにより、キー溝118に付与した接着剤が、周囲に流れるのを防止できる。また、これにより、更に効果的に塵の発生を抑制できる。
より強固に固定する場合は、第1ピン孔116を利用して固定する。あるいは、キー溝118と第1ピン孔116の双方を利用して固定する。
上記のように、キー溝118を利用した固定は、容易に分解でき、かつ、塵の発生も抑制できる。したがって、キー溝118を利用した固定は、仮固定に最適である。たとえば、最終的な接着工程(第1ピン孔116を利用した接着工程)を光学調整装置外で行う場合などには、キー溝118を利用して、光学調整装置上で第2枠112を第1枠110に仮固定する。これにより、光学調整装置から鏡筒10を取り外しても、調整状態を維持できる。また、その後に再調整の必要が生じた場合であっても、容易に分解し、再調整の作業を行うことができる。
[第3枠の固定]
第3枠114の固定は、第2ピン孔140X、140Yに接着剤を付与することにより行われる。第2ピン孔140X、140Yに接着剤を付与することにより、第3枠フランジ部130が第2枠フランジ部120に固定される。
[交換レンズの効果]
以上説明したように、本実施の形態の交換レンズ1によれば、ティルト調整する際、キー溝118及びキー部128の作用で軸が揺らぐ動きを防止できる。これにより、調整の際のリニアリティーが向上し、効率よくティルト調整の作業ができる。
また、キー溝118は、第2枠112の固定にも利用でき、光学調整後の状態を安定して保持できる。更に、キー溝118を利用した接着固定は、塵の発生も抑制できる。
[変形例]
[第2枠の保持構造の変形例(1)]
図9は、第2枠の保持構造の変形例を示す図である。
上記実施の形態では、第2枠112に備えるピンをすべてを偏芯ピン(第1偏芯ピン124)で構成している。
図9に示すように、本例では、3本のうちの1本を通常のピン152(非偏芯ピン)に置き替えている。すなわち、1本を通常のピン152で構成し、残りを偏芯ピン(第1偏芯ピン124)で構成している。
ここで、通常のピン152とは、ピン本体152Aが軸部152Bに対し偏芯していないピンのことである。したがって、通常のピン152では、ピン本体152Aが軸部152Bの同時上に配置される。
軸間調整を行わない場合は、このように1箇所を通常のピン152に置き替えることができる。1箇所を通常のピン152に置き替えた場合、その通常のピン152は、ティルト調整の際、基準のピンとして機能する。すなわち、第1偏芯ピン124を回転させて、第2枠112を傾斜させると、通常のピン152を基準にして第2枠112が傾斜する。これにより、ティルト調整の際のリニアリティーを向上できる。
[第2枠の保持構造の変形例(2)]
図10は、第2枠の保持構造の変形例を示す図である。
上記実施の形態では、第1枠110及び第2枠112の周方向の3箇所にキー溝118及びキー部128が等間隔に備えられている。
図10に示すように、本例では1箇所にキー溝118及びキー部128が備えられている。このように、キー溝118及びキー部128は、少なくとも1箇所に備えられていればよい。
なお、よりリニアリティーを向上させるためには、複数箇所にキー溝118及びキー部128を備えることが好ましい。特に、上記実施の形態の鏡筒10のように、各第1偏芯ピン124の間の位置にキー溝118及びキー部128を備えることが好ましい。
なお、複数箇所にキー溝118及びキー部128を備える場合、キー溝118及びキー部128は、必ずしも等間隔に備える必要はない。
[第2枠の保持構造の変形例(3)]
図11は、第2枠の保持構造の変形例を示す図である。
上記実施の形態の鏡筒では、第2枠112の周方向の3箇所に第1偏芯ピン124が等間隔に備えられている。
図11に示すように、本例の鏡筒では、第2枠112の周方向の1箇所に第1偏芯ピン124が備えられている。このように、第1偏芯ピン124は、少なくとも1箇所に備えられていればよい。すなわち、少なくとも1箇所に第1偏芯ピン124が備えられていれば、第2枠112の傾きを調整できる。
なお、任意の方向に傾けるためには、複数箇所に第1偏芯ピン124を備える必要がある。この場合、上記実施の形態の鏡筒10のように、第2枠112の周方向の3箇所に3つの第1偏芯ピン124を備えることが好ましい。更に、3つの第1偏芯ピン124を等間隔に配置することが、より好ましい。
[凸部(キー部)の変形例]
図12は、凸部(キー部)の変形例を示す図である。
同図に示すように、本例では、凸部であるキー部材160が、別パーツで構成される。キー部材160は、ブロック状の形状(いわゆる両角形の平行キーの形状)を有し、ネジ162を介して、第2枠112の外周に着脱可能に取り付けられる。キー部材160は、キー溝118に嵌合することにより、その幅方向(第2枠112の周方向)の両側面が、キー溝118の幅方向の両側の内壁面118Aに当接する。
このように、凸部を構成する部材は、別パーツで構成できる。なお、このように、凸部を構成する部材を別パーツで構成した場合、キー溝118は、必ずしも先端側が開口している必要はない。すなわち、キー溝は、両端が閉じた溝で構成できる。
凸部を別部材で構成する場合も、凸部は、肉抜きを施したリブ構造とすることができる。これにより、キー溝118を使用して、第2枠112を接着剤で固定する際、接着性を向上できる。また、塵等の発生を抑制できる。
凸部の具体的な形状について、特に限定されない。ただし、接着性及び解体性を考慮すると、上記実施の形態のキー部128のように、リブ構造とすることが好ましい。軸が揺らぐ動きを規制する点だけを考慮すれば、いわゆる平行キーで凸部を構成できる。この場合、凸部は、キー溝118の両側の内壁面118Aに面で接触して、キー溝118に嵌まる。凸部がリブ構造を有する場合、凸部はキー溝118の両側の内壁面に多点接触して、キー溝118に嵌まる。すなわち、仮想的に面ないし線で接触して、キー溝118に嵌まる。
[第3枠の保持構造の変形例(1)]
図13は、第3枠の保持構造の変形例を示す図である。
同図に示すように、本例では、シフト機構が省略されており、第3枠114が第2枠112に一体化されている。第3枠114は、第2枠112の内周部に嵌合し、図示しないネジで固定されて、第2枠112に一体化される。このように、シフト機構については、省略することもできる。
なお、より高精度な光学調整を実現するには、上記実施の形態の鏡筒のように、シフト機構を備えることが好ましい。
シフト機構を備える場合、その構成は、上記実施の形態のものに限定されず、他の公知の機構を採用することもできる。
なお、上記実施の形態のシフト機構のように、対物側(図3の左側)から第2偏芯ピン136X、136Yにアクセスして、調整作業を行う構成とすることにより、ティルト調整とシフト調整の混同を防止できる。これにより、光学調整の作業性を向上できる。
[第3枠の保持構造の変形例(2)]
図14は、第3枠の保持構造の変形例を示す図である。同図は、第3枠114の接着方法の他の例を示している。上記実施の形態では、シフト調整後に、第2ピン孔140X、140Yに接着剤を付与して、第3枠114を第2枠112に固定している。本例の鏡筒には、専用の接着部が備えられている。
図14に示すように、第3枠114の第3枠フランジ部130には、外周の複数箇所に切欠き部170が備えられている。一方、第2枠112の第2枠フランジ部120には、第3枠フランジ部130の切欠き部170に対応して複数箇所に突出部172が備えられている。第3枠114が第2枠112に保持されると、各突出部172が対応する切欠き部170に嵌まる。この切欠き部170及び突出部172が、接着部として機能する。第3枠114を第2枠112に固定する場合は、切欠き部170に接着剤を付与する。これにより、第3枠114が第2枠112に固定される。
このように、専用の接着部を備えることにより、第3枠114の接着性及び分解性を向上できる。また、フランジ部に接着部を備えることにより、接着の作業性を向上できる。
なお、本例では、第3枠側に切欠き部を備え、第2枠側に突出部を備える構成としているが、第2枠側に切欠き部を備え、第3枠側に突出部を備える構成としてもよい。あるいは、双方に切欠き部及び突出部を備える構成としてもよい。
また、第3枠114を第2枠112に固定する構造は、接着に限定されず、他の固定構造(たとえば、ネジを利用した固定構造)を採用することもできる。第2枠112を第1枠110に固定する構造についても同様である。
[軸間距離の調整の変形例]
上記のように、第2枠112に3つの第1偏芯ピン124を備えることにより、軸間距離を調整する機能を実現できる。軸間距離の調整は、複数の第1偏芯ピン124を備えていればよいので、キー部128及びキー溝118のない鏡筒でも実現できる。
なお、キー部128及びキー溝118を備えた場合は、調整の際に軸が揺らぐ動きを規制できるので、より高精度に軸間距離を調整できる。
[その他の実施の形態]
上記実施の形態では、光学系を構成するレンズ群のうち最も物体側に位置するレンズ群(第1レンズ群)の保持枠に本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明は、その他のレンズ群の保持枠にも同様に適用できる。
また、上記実施の形態では、いわゆる単焦点レンズの鏡筒に本発明を適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。ズーム機能を備えたズームレンズの鏡筒にも同様に適用できる。
また、上記実施の形態では、本発明をレンズ交換式のカメラの交換レンズに適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。レンズ一体式のカメラに備えられるレンズ装置にも同様に適用できる。また、カメラ以外の光学機器の鏡筒にも適用できる。なお、カメラには、いわゆるスチルカメラの他、ビデオカメラ、テレビカメラ、シネカメラ等の他、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等の電子機器に一体的に組み込まれるカメラが含まれる。
1 交換レンズ
10 鏡筒
12 固定筒
14 カム筒
14A ギア部
16 外装体
16A 第1外装体
16B 第2外装体
16C 第3外装体
18 第2レンズ群保持枠
20 第3レンズ群保持枠
22 マウント
24 モータ
26 駆動ギア
28 フォーカスリング
30 絞りリング
32 第2レンズ群保持枠本体
34 第2レンズ群前群保持枠
36 第2レンズ群後群保持枠
38 カムピン
40 直進溝
42 カム溝
44 絞りユニット
100 第1レンズ群保持枠
110 第1枠
112 第2枠
114 第3枠
116 第1ピン孔
118 キー溝
118A 内壁面
120 第2枠フランジ部
122 嵌合部
122B 突起部
124 第1偏芯ピン
124A ピン本体
124B 軸部
126 第1偏芯ピン取付孔
126A 軸部
128 キー部
128A ベース部
128B キー嵌合部
128C 面
128D 凹部
130 第3枠フランジ部
132 基準ピン
134 基準孔
136A 軸部
136B 円盤部
136C 偏芯ピン部
136X 第2偏芯ピン
136Y 第2偏芯ピン
138 軸受孔
139 収容部
140X 第2ピン孔
140Y 第2ピン孔
142 貫通孔
144 ガイドピン
144A 頭部
146 コイルばね
150 仕切り
152 ピン
152A ピン本体
152B 軸部
160 キー部材
162 ネジ
170 切欠き部
172 突出部
L1 第1レンズ群
L11 第1レンズ群前群
L12 第1レンズ群後群
L2 第2レンズ群
L21 第2レンズ群前群
L22 第2レンズ群後群
L3 第3レンズ群
St 絞り
Z 光軸

Claims (16)

  1. 第1枠と、
    前記第1枠の内側に配置される第2枠と、
    前記第2枠に備えられ、前記第1枠に備えられた第1孔に嵌められる第1偏芯ピンと、
    前記第2枠に備えられ、前記第1枠の軸に沿って前記第1枠に備えられた直線状の溝に嵌められる凸部であって、前記溝の幅方向の両側の内壁面に面で接触する凸部と、
    を備えた鏡筒。
  2. 第1枠と、
    前記第1枠の内側に配置される第2枠と、
    前記第2枠に備えられ、前記第1枠に備えられた第1孔に嵌められる第1偏芯ピンと、
    前記第2枠に備えられ、前記第1枠の軸に沿って前記第1枠に備えられた直線状の溝に嵌められる凸部であって、前記溝の幅方向の両側の内壁面と対向する面に凹部を有し、前記溝の幅方向の両側の内壁面に複数箇所で接触する凸部と、
    を備えた鏡筒。
  3. 前記第1偏芯ピンは、前記第2枠の周方向の複数箇所に備えられる、
    請求項1又は2に記載の鏡筒。
  4. 前記第1偏芯ピンは、前記第2枠の周方向の3箇所に備えられる、
    請求項に記載の鏡筒。
  5. 前記第1偏芯ピンは、前記第2枠の周方向に等間隔に備えられる、
    請求項に記載の鏡筒。
  6. 前記溝に接着剤が付与されて、前記第2枠が前記第1枠に固定される、
    請求項1からのいずれか1項に記載の鏡筒。
  7. 更に、前記第1孔に接着剤が付与されて、前記第2枠が前記第1枠に固定される、
    請求項に記載の鏡筒。
  8. 前記溝が、前記第1枠の先端から前記第1枠の軸に沿って延びる、
    請求項1からのいずれか1項に記載の鏡筒。
  9. 前記溝及び前記第1孔が前記第1枠の周方向に交互に配置される、
    請求項1からのいずれか1項に記載の鏡筒。
  10. 前記凸部が、前記第2枠に着脱可能に設けられる、
    請求項1からのいずれか1項に記載の鏡筒。
  11. 前記第2枠の内側に配置される第3枠と、
    前記第2枠の外周に備えられる第2枠フランジ部と、
    前記第3枠の外周に備えられ、前記第2枠フランジ部と対向して配置される第3枠フランジ部と、
    前記第3枠フランジ部の周方向の1箇所に備えられ、前記第2枠フランジ部に備えられた基準孔に嵌められる基準ピンと、
    前記第3枠フランジ部の周方向の複数箇所に備えられ、前記第2枠フランジ部に備えられた第2孔に嵌められる複数の第2偏芯ピンと、
    前記第3枠フランジ部を前記第2枠フランジ部に向けて付勢する付勢部と、
    を更に備えた請求項1から10のいずれか1項に記載の鏡筒。
  12. 前記第2枠フランジ部及び前記第3枠フランジ部のいずれか一方は切欠き部を備え、他方は前記切欠き部に嵌まる突出部を備え、
    前記切欠き部に接着剤が付与されて、前記第3枠が前記第2枠に対し固定される、
    請求項11に記載の鏡筒。
  13. 複数のレンズ群で構成される光学系と、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の鏡筒と、
    を備え、
    前記光学系を構成する複数の前記レンズ群のうち最も物体側に配置される第1レンズ群が、前記第2枠に保持される、
    レンズ装置。
  14. 請求項に記載の鏡筒の光学調整方法であって、
    複数の前記第1偏芯ピンの少なくとも一つを回転させて、前記第1枠の軸に対する前記第2枠の軸の傾きを調整する工程と、
    複数の前記第1偏芯ピンを回転させて、前記第1枠に対する前記第2枠の相対位置を調整する工程と、
    を含む鏡筒の光学調整方法。
  15. 光学調整後、前記溝及び前記第1孔の少なくとも一方に接着剤を付与して、前記第2枠を前記第1枠に固定する工程を更に含む、
    請求項14に記載の鏡筒の光学調整方法。
  16. 光学調整後、前記溝に接着剤を付与して、前記第2枠を前記第1枠に固定したのち、更に、前記第1孔に接着剤を付与して、前記第2枠を前記第1枠に固定する、
    請求項14に記載の鏡筒の光学調整方法。
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