以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
[遊技機の構成]
遊技機1は、図1に示すように、正面側に前面枠2を備えている。図1には図示されていないが、遊技機1は、本体枠と、この本体枠の正面側に配設され、本体枠の側辺において回転可能に軸支される中枠とを備えており、前面枠2は、この中枠の正面側に配設され、中枠における本体枠に軸支される側の側辺で回転可能に軸支されている。前面枠2は、正面視(遊技盤10の表面に垂直に視たビュー)で略長方形に形成されており、中央上部に透明な窓部2aを有している。また、遊技機1は、中枠の正面側に後述する遊技盤10を備えている。そして、前面枠2の窓部2aを通して遊技盤10が視認可能となっている。なお、以下では、遊技機1の正面に向かって左側(図面における左側)を単に左側とし、その逆側を右側としている。
前面枠2の中央頂部には、発光により演出を行うためのランプ3が設けられており、このランプ3の左右には、音響により演出を行うための一対の上部スピーカー4aが設けられている。また、前面枠2の下部には、音響により演出を行うための左右一対の下部スピーカー4bが設けられている。
前面枠2の窓部2aの下方には、貸し出される遊技球や払い出される遊技球を貯留するための上皿5が設けられており、この上皿5の下方には、上皿5が一杯になった際の余分な遊技球を貯留するための下皿6が設けられている。
前面枠2の右下部には、遊技球を遊技盤10内に発射するための発射ハンドル7が設けられている。遊技機1では、遊技者が前面枠2の窓部2aを通して遊技盤10を目視しつつ発射ハンドル7を操作することによって遊技が進行する。また、上皿5の中央正面側の縁部には、演出を実行するための演出操作部8(例えば演出ボタン)が設けられており、遊技機1は、遊技者が遊技中の所定の演出タイミングにおいて演出操作部8を操作すると、所定の演出が実行されるように構成されている。
[遊技盤の構成]
遊技盤10は、図2に示すように、正面側に遊技領域10aとセグメント表示領域10bとを有しており、これらの領域は、前面枠2の窓部2aを通して視認可能に形成されている。遊技領域10aは、遊技盤10の中央の広い範囲に形成される一方、セグメント表示領域10bは、遊技盤10の右下部の狭い範囲に形成されている。
遊技盤10は、遊技領域10aの略中央に液晶表示装置11を備えている。液晶表示装置11は、表示画面内に様々な演出画像を表示可能であり、遊技の進行に応じて様々な演出表示を行うように構成されている。また、遊技領域10aにおける液晶表示装置11の周囲は、遊技球の流下領域となっており、遊技球は、この領域に配設される釘等によって移動方向を変化させながら流下する。
遊技領域10aの中央下部には、遊技領域10aを流下する遊技球を受入可能な第1始動口12が設けられており、この第1始動口12の内部には、第1始動口12への遊技球の入球(入賞)を検出可能な第1始動口センサ12aが設けられている。遊技機1は、第1始動口12への入球を検出すると、所定数の遊技球を上皿5へ払い出すとともに、第1特図に関する乱数値を取得するように構成されている。
第1始動口12の下方には、第2始動口13を備える第2始動入賞装置131が設けられており、この第2始動口13の内部には、第2始動口13への入球(入賞)を検出可能な第2始動口センサ13aが設けられている。遊技機1は、第2始動口13への入球を検出すると、所定数の遊技球を上皿5へ払い出すとともに、第2特図に関する乱数値を取得するように構成されている。
遊技盤10は、遊技領域10aの左側を流下する遊技球を第1始動口12へ導きやすく、遊技領域10aの右側を流下する遊技球を第2始動口13へ導きやすいように構成されている。
遊技領域10aの中央右部には、遊技領域10aを流下する遊技球が通過可能な作動ゲート14が設けられており、この作動ゲート14の内部には、作動ゲート14を通過する遊技球を検出可能なゲートセンサ14aが設けられている。遊技機1は、作動ゲート14において遊技球の通過を検出すると、普通図柄抽選を行うように構成されている。作動ゲート14は、いわゆる右打ちの際に遊技球が通過しやすくなるように配置される。従って、普通図柄抽選は、後述の時短状態での右打ちの際に比較的に多く実行されることになる。なお、変形例では、作動ゲート14と同様の機能を持つ作動ゲートが、作動ゲート14と略左右対称の位置に設けられてもよい。
第1始動口12は、遊技球を常に受入可能に構成されている。一方、第2始動口13は、遊技球の入球しやすさが変化する可変式である。例えば、第2始動口13は、図示しない開閉部材を備えており、この開閉部材を動作させる始動口ソレノイド13bによって、遊技球を受入困難な閉止状態又は遊技球を受入可能な開放状態のいずれか一方に制御される。通常、第2始動口13は、閉止状態に制御されているが、遊技機1は、作動ゲート14において遊技球の通過を検出すると、普通図柄抽選によって第2始動口13を開放状態に制御するか否かを決定する。
遊技領域10aの右中央部(作動ゲート14よりも下側)には、V入賞用の大入賞口(いわゆるVアタッカ)21を備える大入賞装置211が設けられている。大入賞口21は、例えば開閉扉210を備える。通常時には、V入賞用の大入賞口21は、開閉扉210を動作させる第2大入賞口ソレノイド21bにより閉止状態に制御されているが、大当り遊技状態における特定のラウンド(Vラウンド)において開放状態(図2では開放状態で図示)に制御される。また、V入賞用の大入賞口21の内部にはV入賞用の大入賞口21への入球(入賞)を検出可能な第2大入賞口センサ21aが設けられている。
また、V入賞用の大入賞口21の内部には、特定領域212と非特定領域(図示せず)が設けられる。V入賞用の大入賞口21の内部に入った遊技球は、可動片ソレノイド212bにより駆動可能な可動片(図示せず)によって、特定領域212及び非特定領域のいずれかを通るように振り分けられる。例えば、可動片が開放位置にあるときは、特定領域212を遊技球が通過可能とされ、可動片が閉塞位置にあるときは、非特定領域のみを遊技球が通過可能とされる(特定領域212を遊技球が通過困難又は通過不能とされる)。特定領域212には、特定領域212を通過する遊技球を検出する特定領域センサ212aが設けられる。
遊技領域10aの右下部には、大入賞口15-1、15-2を備える大入賞装置151が設けられている。大入賞装置151は、大入賞口ソレノイド15b-1、15b-2により閉止状態に制御されているが、特別図柄乱数値を用いた大当り判定の結果に基づいて開放状態に制御される。また、大入賞口15-1、15-2の内部には、大入賞口15-1、15-2への入球(入賞)を検出可能な大入賞口センサ15a-1、15a-2がそれぞれ設けられている。遊技機1は、大入賞口15-1、15-2への入球を検出すると、所定数の遊技球を上皿5へ払い出すように構成されている。大入賞装置151の詳細は、後述する。
遊技領域10aの下端部には、遊技領域10aを流下した遊技球を遊技機1内へ回収するための左右一対のアウト口16が設けられている。また、遊技領域10aの左部には、発射装置7aにより下側から上側へ向けて発射される遊技球をガイドするための発射レール17が設けられている。また、液晶表示装置11の上方には、遊技機1を彩る装飾部材18が設けられている。
遊技盤10は、セグメント表示領域10bに遊技に関する情報を表示するためのセグメント表示部50を備えている。セグメント表示部50は複数のLEDを有しており、遊技機1は、これらのLEDによる表示の組み合わせによって、第1特図に関する図柄変動表示、第2特図に関する図柄変動表示、第1特図に関する保留数表示、第2特図に関する保留数表示、大当り遊技状態における大当り遊技で実行可能なラウンド数の表示、普通図柄に関する図柄変動表示、普通図柄に関する保留数表示、第2始動口13が開放状態に制御されやすい電サポ状態であるか否かを示す電サポ表示、及び遊技領域10aの右側への遊技球の発射を促すタイミングであることを示す右打ち表示を行うことができる。
[電気的構成]
遊技機1は、図3に示すように、遊技の制御を行う主制御基板100と、遊技球の払い出し制御を行う払出制御基板300と、主制御基板100から送信される各種コマンドに基づいて演出制御を行う演出制御基板200とを備えている。これらの基板は、CPUと記憶部とを備えており、これらのハードウェア資源を用いて所定の機能を実現する。
主制御基板100には、演出制御基板200及び払出制御基板300に加えて、第1始動口センサ12a、第2始動口センサ13a、大入賞口センサ15a-1、15a-2、ゲートセンサ14a、始動口ソレノイド13b、大入賞口ソレノイド15b-1、15b-2、第2大入賞口センサ21a、特定領域センサ212a、及びセグメント表示部50等が接続されている。なお、変形例では、主制御基板100は、サブ制御基板(図示せず)に接続され、サブ制御基板に、第1始動口センサ12a、第2始動口センサ13a、大入賞口センサ15a-1、15a-2、ゲートセンサ14a、始動口ソレノイド13b、大入賞口ソレノイド15b-1、15b-2、第2大入賞口センサ21a、特定領域センサ212a、及びセグメント表示部50等が接続されてもよい。この場合、主制御基板100は、サブ制御基板を介して演出制御基板200に接続されてもよい。
第1始動口センサ12a、第2始動口センサ13a、大入賞口センサ15a-1、15a-2、ゲートセンサ14a、第2大入賞口センサ21a、及び特定領域センサ212aにより遊技球が検出されると、検出信号が主制御基板100へ送信される。主制御基板100は、いずれかのセンサから検出信号を受信すると、遊技の進行に応じた演算によりコマンド又は駆動信号を生成し、演出制御基板200、払出制御基板300、始動口ソレノイド13b、大入賞口ソレノイド15b-1、15b-2、第2大入賞口ソレノイド21b、可動片ソレノイド212b、及びセグメント表示部50等へ生成したコマンド又は駆動信号を送信する。
払出制御基板300には、遊技球を発射するための発射装置7a、発射ハンドル7、図示しない遊技機1に併設される台間機、玉貸ボタン、払出装置等が接続されている。また、発射装置7aには、遊技球を発射する発射モータや遊技者が発射ハンドル7に触れていることを検知するタッチスイッチが接続されている。払出制御基板300は、主制御基板100から送信される払出コマンドに基づく遊技球の払い出し制御や、発射ハンドル7の操作に基づく発射装置7aへの遊技球の発射信号の送信処理等を実行する。
演出制御基板200には、液晶表示装置11、ランプ3、スピーカー4(上部スピーカー4a、下部スピーカー4b)、演出操作部8等が接続されている。演出制御基板200は、主制御基板100から送信される各種コマンドを受信すると、各種コマンドの内容を解析し、液晶表示装置11、ランプ3、上部スピーカー4a、下部スピーカー4b、演出操作部8等を用いてコマンドの内容に応じた演出制御を行う。
[大入賞装置151の詳細]
次に、図4以降を参照して、上述した大入賞装置151に適用できるいくつかの実施例による大入賞装置の構成を説明する。なお、以下では、上述した大入賞装置151に適用できる構成を説明するが、上述した大入賞装置211に対しても同様に適用可能であるし、第2始動入賞装置131に対しても適用可能である。
以下では、原理の説明のため、非常に概略的な図を用いて説明する場合がある。以下、手前側とは、遊技盤10に対して遊技者側を指す。また、以下の各実施例において、同様の構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略する場合がある。
<実施例1>
図4から図6Aは、実施例1による大入賞装置151Aを概略的に示す斜視図である。図4は、第1入賞装置70及び第2入賞装置80がともに閉止状態である大入賞装置151Aの閉止状態を示し、図5は、第1入賞装置70が開放状態でありかつ第2入賞装置80が閉止状態である大入賞装置151Aの第1開放状態を示し、図6Aは、第1入賞装置70が閉止状態でありかつ第2入賞装置80が開放状態である大入賞装置151Aの第2開放状態を示す。図6Bは、図6Aに示す第2開放状態の上面視を示す図である。図6Cは、振り分け領域の説明図であり、大入賞装置151Aの正面図である。図6Dは、可動領域の重なりの説明図であり、大入賞装置151Aの正面図である。
大入賞装置151Aは、例えば遊技盤10に取り付けられる。例えば、大入賞装置151Aは、ベース部1511を備え、遊技盤10の所定領域にベース部1511がネジ等により固定される。大入賞装置151Aは、第1入賞装置70と、第2入賞装置80とを含む。
第1入賞装置70及び第2入賞装置80は、それぞれ別々の入賞装置であるが、図4に示すように、互いに対して近傍に配置される。すなわち、第1入賞装置70及び第2入賞装置80は、遊技盤10における共通の所定領域内に設けられる。
第1入賞装置70は、扉タイプの大入賞装置であり、大入賞口15-1(第1入賞口の一例)(図5参照)と、開閉扉71(第1可動部材の一例)とを有する。第1入賞装置70は、それ自体は一般的な扉タイプの大入賞装置の構造と同じである。
大入賞口15-1は、遊技盤10の表面に対して垂直な方向に開口する入り口を有する。大入賞口15-1の内部には、遊技球が通る通路(図示せず)が形成され、当該通路に大入賞口センサ15a-1(図5等には図示せず)が設けられる。
開閉扉71は、水平方向に延在する回転軸(図示せず)まわりに回転可能となるようにベース部1511に支持される。開閉扉71は、大入賞口15-1を閉止する閉位置と大入賞口15-1を開放する開位置との間で、大入賞口ソレノイド15b-1(図3参照)により開閉駆動される。
第2入賞装置80は、橋渡しタイプの大入賞装置であり、大入賞口15-2(第2入賞口の一例)と、可動部材82(第2可動部材の一例)とを有する。
大入賞口15-2は、遊技盤10の表面(開閉扉71の手前側の表面)よりも手前側に突出する態様で設けられる。具体的には、大入賞口15-2は、遊技盤10に取り付けられる大入賞口形成部材90により形成される。なお、大入賞口形成部材90は、遊技盤10の表面よりも奥側に延在する通路(遊技球が通る通路)を形成するが、図4等では、当該通路の一部の図示は省略されている。大入賞口15-2は、遊技盤10の表面(遊技領域10aの表面)に平行な方向(遊技盤10の表面に垂直な方向に対して交差する方向の一例)に開口する入り口を有する。具体的には、大入賞口15-2の開口の向きは、遊技盤10の表面の平行であり、かつ、右向き(又は右斜め上向き)である。なお、変形例では、大入賞口15-2の開口の向きは、遊技盤10の表面に対してわずかに傾斜してもよい。
大入賞口15-2の入り口近傍には、大入賞口センサ15a-2が設けられる。大入賞口センサ15a-2は、大入賞口15-2の入り口に対して近いほどオーバーカウントを低減できる。なお、オーバーカウントとは、例えば大当り遊技状態において1ラウンドあたり9個の遊技球の入賞でラウンド終了条件が成立する場合、1ラウンドで10個以上入賞することを意味する。
なお、本実施例では、一例として、大入賞口形成部材90は、手前側カバー部94を介して、右側の突出部材96に接続されている。右側の突出部材96は、大入賞口形成部材90と同様に遊技盤10の表面から手前側に突出する形態であり、右側から転動してくる遊技球のうちの、突出部材96の上部よりも上側を通る遊技球は、第1入賞装置70及び第2入賞装置80への入球が可能となりうる。手前側カバー部94は、遊技盤10の表面(開閉扉71の手前側の表面)よりも手前側に延在し、遊技盤10の表面との間に、遊技球の直径以上の隙間を形成する(図6B参照)。
可動部材82は、大入賞口15-2に対して設けられ、図4及び図5に示す上方位置と、図6Aに示す下方位置(第2所定位置の一例)との間で、大入賞口ソレノイド15b-2(図3参照)により駆動される。可動部材82は、回転軸28aまわりに回転可能となるようにベース部1511に支持される。
図4に示すように、第1入賞装置70及び第2入賞装置80がともに閉止状態である大入賞装置151Aの閉止状態では、開閉扉71が閉位置とされ、かつ、可動部材82が上方位置とされる。これにより、大入賞口15-1、15-2に遊技球が入球不能となる。例えば大入賞装置151Aに対して右側から転動してくる遊技球(図4中のR1参照)は、遊技盤10の表面に対して垂直方向で可動部材82と開閉扉71との間の隙間を介して、落下し(図4中のR2-1参照)、大入賞口15-1、15-2に入ることはできない。
図5に示すように、第1入賞装置70が開放状態でありかつ第2入賞装置80が閉止状態である大入賞装置151Aの第1開放状態では、開閉扉71が開位置(第1所定位置の一例)とされる。これにより、大入賞口15-1に遊技球が入球可能となる(図5の矢印R3-1参照)。なお、図5の矢印R3-1は、開閉扉71の奥側の表面に当たって大入賞口15-1に入る遊技球の入球態様を示す。大入賞口15-1に遊技球が入ると、遊技球は、大入賞口15-1内の空間を形成する底部又は側部に形成される通路(図示せず)を通り、当該通路に設けられる大入賞口センサ15a-1(図5では図示せず)により検知される。開閉扉71は、第1開放状態を終了させる際に、開位置から閉位置へ駆動される。開閉扉71が閉位置にあるとき、図4に示した大入賞装置151Aの閉止状態となり、大入賞口15-1に遊技球が入球不能となる。
なお、第1開放状態においては、大入賞口15-1に遊技球が入ってから大入賞口センサ15a-1(図5では図示せず)により検知されるまでの時間が比較的長くなるので、オーバーカウントが比較的発生しやすい入賞特性が実現される。
なお、図5に示す例では、大入賞装置151Aの閉止状態では、可動部材82は、上方位置に位置するが、開位置に至る開閉扉71と可動部材82との干渉を避けるために、下方位置や、上方位置と下方位置との間の中間位置に位置されてもよい。
図6A及び図6Bに示すように、第1入賞装置70が閉止状態でありかつ第2入賞装置80が開放状態である大入賞装置151Aの第2開放状態では、開閉扉71が閉位置とされ、かつ、可動部材82が下方位置とされる。これにより、大入賞口15-2に遊技球が入球可能となる。
可動部材82は、図6A及び図6Bに示す下方位置にあるときに、大入賞口15-2へと直線状に遊技球を導く。具体的には、可動部材82は、直線状に延在する遊技球案内部位821を有する。遊技球案内部位821は、一端(左側端部)が大入賞口15-2の下側縁部に左右方向で隣接し、他端(右側端部)が当該一端よりも高い位置にある。すなわち、遊技球案内部位821は、右側が左側よりも高くなる態様で傾斜する。傾斜角度は、任意であるが、大入賞口15-2に到達する際の遊技球の速度が適切な値になるように適合される。遊技球案内部位821は、遊技球が大入賞口15-2へとたどり着くための“橋(レール)”として機能できる。図示の例では、可動部材82が下方位置にあるとき、遊技球案内部位821は、遊技盤10の表面に対して垂直方向で、遊技盤10の表面に対して所定距離D1だけ離れて、遊技盤10の表面に対して平行に延在する。所定距離D1は、遊技球の直径よりも有意に小さい。なお、変形例では、遊技球案内部位821は、遊技盤10の表面に対してわずかに傾斜して延在してもよい。
ここで、可動部材82が下方位置にあるとき、遊技球案内部位821は、正面視で手前側カバー部94よりも下側に位置し、手前側カバー部94との間に隙間を形成するが、当該隙間は、遊技球が通過できない程度の隙間である。従って、遊技球は、遊技球案内部位821の上に乗って、遊技盤10と手前側カバー部94との間に形成されるスペースを通って、大入賞口15-2へと導かれる(図6A及び図6Bの矢印R4-2参照)。このようにして、遊技球案内部位821上に到達した遊技球(図6Aの矢印R4-1参照)は、遊技球案内部位821から手前側にこぼれ落ちることなく、大入賞口15-2へと導かれる。
可動部材82は、第2開放状態を終了させる際に、図6Aに示す下方位置から図4に示す上方位置へと速やかに駆動される。
可動部材82は、図4に示す上方位置にあるときに、遊技球案内部位821が、遊技盤10の表面に対して垂直方向で、遊技盤10の表面に対して所定距離D2だけ離れて平行に延在する。所定距離D2は、遊技球の直径よりも有意に大きい。本実施例では、一例として、所定距離D2は、上面視で遊技盤10と手前側カバー部94との間の距離D2’(図6B参照)と略同じである。すなわち、可動部材82が上方位置にあるとき、遊技球案内部位821は、手前側カバー部94の下端かつ手前側縁部に当接する。従って、遊技球は、遊技球案内部位821と遊技盤10の表面との間に到達しても、遊技球案内部位821と遊技盤10の表面との間の空間から落下するので(図4の矢印R2-1参照)、大入賞口15-2へと導かれることはない。すなわち、大入賞口15-2に遊技球が入球不能となる。
なお、図4から図6Aに示す例では、可動部材82は、遊技球案内部位821の左側端部に接続される腕部822を有する。腕部822は、屈曲した形態であり、可動部材82が図4に示す上方位置にあるときに、大入賞口15-2を塞ぐように機能する。これにより、可動部材82が図4に示す上方位置にあるときに、遊技球が大入賞口15-2に偶発的に飛び込む可能性を無くすことができる。なお、腕部822に代えて、シャッタ(図示せず)等により大入賞口15-2を塞いでもよいが、腕部822を利用することで機構の簡略を図ることができる。
なお、可動部材82は、大当り遊技状態におけるあるラウンドにおいて、図4に示す下方位置にある状態で、例えば1ラウンドあたり9個の遊技球の入賞でラウンド終了条件が成立すると、即座に上方位置へと移動される。この際、遊技球案内部位821上に乗っている遊技球(これから大入賞口15-2に到達しようとしている遊技球)は、遊技球案内部位821上から奥側(遊技球案内部位821と遊技盤10の表面との間)にこぼれ落ちることになり、オーバーカウントが比較的発生しがたい入賞特性が実現される。
ところで、近年、遊技機においては、液晶表示装置11のような液晶表示装置の大型化が進むことで、遊技球が転動可能な領域が少なくなってきている。従って、大入賞装置151Aのような各種入賞装置の配置スペースが限定されてきている。
この点、本実施例によれば、大入賞装置151Aは、上述のように、第1入賞装置70及び第2入賞装置80が互いに近傍に配置される。この際、第1入賞装置70及び第2入賞装置80は、遊技盤10上を転動してきた遊技球が大入賞口15-1又は大入賞口15-2へと開閉扉71又は可動部材82によって振り分けられて案内される振り分け領域を有するように、配置される。図6Cには、正面視で、振り分け領域GA3が模式的に示される。図6Cにおいて、領域GA1(第1領域の一例)は、遊技球が開閉扉71により大入賞口15-1へと案内される領域を模式的に示し、領域GA2(第2領域の一例)は、遊技球が可動部材82により大入賞口15-2へと案内される領域を模式的に示し、振り分け領域GA3は、領域GA1と領域GA2とが重なる部分である。なお、各領域GA1~GA3は、各大入賞口(大入賞口15-1又は大入賞口15-2)に案内されるときの各位置の遊技球を正面視方向で投影した領域(各位置の遊技球の投影領域を重ね合わせた領域)である。領域GA1に関して、最も上方の位置となる点P41は、開放した状態(図5参照)の開閉扉71の上辺に当たって大入賞口15-1内に入るときの遊技球の最上方位置に応じて決まり、最も下方の位置となる点P42は、開放した状態の開閉扉71の裏面に当たって大入賞口15-1内に入るときの遊技球の最下方位置に応じて決まる。領域GA2は、可動部材82が下方位置(図6A参照)にあるときの遊技球案内部位821に乗って移動する遊技球の軌跡に応じて決まる。すなわち、領域GA2は、遊技球案内部位821に乗って移動するときの遊技球の中心の軌跡を中心として、上下に遊技球の半径分だけ幅を有する領域である。なお、振り分け領域GA3は、正面視では平面状の領域であるが、遊技盤10の表面に垂直な方向で奥行きを有する“振り分け空間”と捉えることもできる。
換言すると、第1入賞装置70の開閉扉71及び第2入賞装置80の可動部材82は、それぞれ、開位置及び下方位置にあるとき、遊技盤10上を転動してきた遊技球に対して略同じ位置(振り分け領域GA3内の位置)から、大入賞口15-1及び大入賞口15-2へとそれぞれ案内する。「略同じ位置」とは、厳密に同じ位置である必要はなく、遊技球数個分程度のずれ(正面視でベース部1511の領域内でのずれ)を許容するものである。例えば、図5に示す矢印R3-1が付された遊技球の位置(正確にはその直後で開閉扉71に当たる位置)と、図6Aに示す矢印R4-2が付された遊技球の位置とは、略同じ位置である。図5に示す矢印R3-1が付された位置に至る遊技球は、その直後に、開位置にある開閉扉71により大入賞口15-1へと案内され、図6Aに示す矢印R4-2が付された位置に至る遊技球は、下方位置にある可動部材82により大入賞口15-2へと案内される。
このようにして、本実施例によれば、第1入賞装置70の開閉扉71及び第2入賞装置80の可動部材82は、上述のように、転動してきた球技球に対して略同じ位置から、対応する入賞口(大入賞口15-1又は大入賞口15-2)へと案内可能であるので、第1入賞装置70及び第2入賞装置80は、同じように流れてくる遊技球に対して機能できる。具体的には、第1入賞装置70及び第2入賞装置80は、例えば図4から図6Aにおいて矢印R1で示すようなルート(例えば右打ちしたときに主に生じるルート)で転動する遊技球に対して、機能できる。ここで、ある遊技球に対して機能できるとは、開放状態にあるときに当該遊技球が入球する可能性があることを意味する。例えば、第1入賞装置70及び第2入賞装置80は、結果として入球せずにこぼれ落ちる遊技球に対しても機能していることになる。従って、本実施例によれば、第1入賞装置70及び第2入賞装置80まわりの釘などの構成(遊技球の転動に係る構成)を複雑化することなく、右打ちされた遊技球に対して第1入賞装置70及び第2入賞装置80を選択的に機能させることができる。
以下、このように、転動してきた球技球に対して遊技盤10上の略同じ位置から、対応する入賞口(大入賞口15-1又は大入賞口15-2)へと案内できるほど近接して第1入賞装置70及び第2入賞装置80が配置される構成を、単に「遊技盤10上の略同じ位置で遊技球に対し選択的に機能できる近接配置構成」とも称する。
本実施例では、遊技盤10上の略同じ位置で遊技球に対し選択的に機能できる近接配置構成を適切に実現するために、第1入賞装置70の開閉扉71と第2入賞装置80の可動部材82とは、図4から図6Aの各図からわかるように、遊技盤10を正面から視た際にそれぞれの可動領域が少なくとも部分的に重なるように、配置される。これにより、第1入賞装置70及び第2入賞装置80の2つを、それぞれ別々の離れた場所に配置する場合に比べて、省スペース化が実現される態様で効率的に配置できる。すなわち、実質的に1つの大入賞装置のためのスペースに、2つの入賞装置(第1入賞装置70及び第2入賞装置80)を配置できる。このような効果は、遊技球が転動可能な領域が限られた遊技機1において特に有用となる。なお、本明細書において、遊技盤10を正面から視た際の、ある部材の可動領域とは、遊技盤10を正面から視た際の当該部材の外形の範囲内の全体領域に対応する。具体的には、図6Dには、正面視で、可動領域の重複領域MA13が模式的に示される。図6Dにおいて、領域MA11は、開閉扉71の可動領域を模式的に示し、領域MA12は、可動部材82の可動領域を模式的に示し、重複領域MA13は、領域MA11と領域MA12とが重なる部分である。領域MA11は、開閉扉71の外形に対応する。領域MA12は、可動範囲内の各位置の遊技球案内部位821を正面視方向で投影した領域(各位置の遊技球案内部位821の投影領域を重ね合わせた領域)である。
ところで、一般的に、大入賞装置や第2始動入賞装置が開放状態にあるときに、大入賞装置や第2始動入賞装置の入賞口への遊技球の入賞特性は、入賞装置のタイプにより決まる。入賞装置のタイプには、扉タイプの他、橋渡しタイプや、羽タイプ、スライドタイプ等があるが、入賞口への遊技球の入賞特性は、タイプごとに異なる。例えば、扉タイプは、オーバーカウントしやすく、遊技球がこぼれやすいのに対して、橋渡しタイプは、オーバーカウントしがたく、遊技球がこぼれがたい(入賞スピードが速い)。一般的に、設計の際に、一の入賞装置に対して、これらのうちのいずれか1つが選択されるのが通常である。
この点、実施例1によれば、実質的に1つの大入賞装置のためのスペースに、入賞特性の異なる2つの入賞装置(第1入賞装置70及び第2入賞装置80)を配置できる。これにより、例えば第1入賞装置70及び第2入賞装置80を使い分けることで、多様な入賞特性を実現でき、入賞率(出玉)を調整することも可能となる。
例えば、ある一の大当り遊技状態においては、第1入賞装置70及び第2入賞装置80のうちの選択された一方のみが作動されてもよい。この場合、大当り遊技ごとに第1入賞装置70又は第2入賞装置80を選択的に作動させることで、大当り消化の見せ方を変えることができる。この場合、第1入賞装置70及び第2入賞装置80のうちのいずれが選択されるかは、大当り種別に応じて決定されてもよい。例えば、大当り種別として、16Rと8Rの大当り遊技がある場合、16Rの大当り遊技では、ラウンド消化が比較的速い橋渡しタイプの第2入賞装置80が選択され、8Rの大当り遊技では、ラウンド消化が比較的遅くかつオーバーカウントしやすい扉タイプの第1入賞装置70が選択される。この場合、16Rの大当り遊技ではない8Rの大当り遊技においても、遊技者が当たった感じを抱きやすくすることができる。あるいは、逆に、16Rの大当り遊技では、ラウンド消化が比較的遅くかつオーバーカウントしやすい扉タイプの第1入賞装置70が選択され、8Rの大当り遊技では、ラウンド消化が比較的速い橋渡しタイプの第2入賞装置80が選択されてもよい。
あるいは、ある一の大当り遊技状態において、特定のラウンドでは、第1入賞装置70及び第2入賞装置80のうちの一方が作動され、他のラウンドでは、他方が作動されてもよい。この場合、ラウンドごとに第1入賞装置70又は第2入賞装置80を選択的に作動させることで、大当り消化の見せ方を変えることができる。また、第1入賞装置70及び第2入賞装置80に一方がV入賞用の大入賞装置を実現してもよい。この場合、上述した大入賞装置211が不要となり、更なる省スペース化を図ることができる。
<実施例2>
図7Aから図9は、実施例2による大入賞装置151Bを概略的に示す図である。図7Aは、第1入賞装置70B及び第2入賞装置80Bがともに閉止状態である大入賞装置151Bの閉止状態を示す正面図であり、図7Bは、実施例2による振り分け領域を概略的に示す説明図である。図8Aは、図7AのラインA-Aに沿った断面図であり、図8Bは、第1入賞装置70Bが開放状態でありかつ第2入賞装置80Bが閉止状態である大入賞装置151Bの第1開放状態におけるラインA-Aに沿った断面図であり、図8Cは、第1入賞装置70Bが閉止状態でありかつ第2入賞装置80Bが開放状態である大入賞装置151Bの第2開放状態におけるラインA-Aに沿った断面図である。図9は、図7AのラインB-Bに沿った断面図である。
大入賞装置151Bは、例えば遊技盤10に取り付けられる。大入賞装置151Bは、第1入賞装置70Bと、第2入賞装置80Bとを含む。
第1入賞装置70B及び第2入賞装置80Bは、それぞれ別々の入賞装置であるが、図7Aに示すように、互いに対して近傍に配置される。すなわち、第1入賞装置70B及び第2入賞装置80Bは、遊技盤10における共通の所定領域内に設けられる。
第1入賞装置70Bは、扉タイプの大入賞装置であり、大入賞口15-1(第1入賞口の一例)と、開閉扉71B(第1可動部材の一例)とを有する。開閉扉71Bは、水平方向に延在する回転軸71aまわりに回転可能に支持される。第1入賞装置70Bは、開閉扉71Bの構成以外は、一般的な扉タイプの大入賞装置の構造と同じである。開閉扉71Bは、大入賞口15-1に対して設けられ、大入賞口ソレノイド15b-1により開閉駆動される。
開閉扉71Bには、第2入賞装置80Bの可動部材82Bの手前側の端部が通過可能なスリット720を有する。なお、通過の方向(可動部材82Bの移動方向)は、遊技盤10の表面に対して垂直方向である。スリット720は、正面視で、可動部材82Bの傾斜形状(正面視での傾斜形状)に対応して傾斜している。
第2入賞装置80Bは、橋渡しタイプの大入賞装置であり、大入賞口15-2(第2入賞口の一例)と、可動部材82B(第2可動部材の一例)とを有する。また、第2入賞装置80Bは、大入賞口15-2が遊技盤10の表面(開閉扉71Bの手前側の表面)よりも手前側に突出する態様で設けられる。大入賞口15-2は、大入賞口形成部材90により形成される。大入賞口15-2の開口の向きは、上述した実施例1と同様、右向き(又は右斜め上向き)である。
図7Aから図9に示す例では、可動部材82Bは、大入賞口15-2に対して設けられ、図8A又は図8Bに示す退避位置と、図8Cに示す突出位置(第2所定位置の一例)との間で大入賞口ソレノイド15b-2により駆動される。可動部材82Bの移動方向は、遊技盤10の表面に対して垂直方向である。退避位置にある可動部材82Bは、手前側の端部がスリット720を通って開閉扉71Bよりも手前側に突出することで、突出位置に至ることができる。突出位置にある可動部材82Bは、手前側の端部がスリット720を通って開閉扉71Bよりも奥側(第1入賞装置70Bの大入賞口15-1内の空間)に退避することで、退避位置へと至ることができる。
図8Aに示すように、第1入賞装置70B及び第2入賞装置80Bがともに閉止状態である大入賞装置151Bの閉止状態では、開閉扉71Bが閉位置とされ、かつ、可動部材82Bが退避位置とされる。これにより、大入賞口15-1、15-2に遊技球が入球不能となる。
なお、図8Aに示す例では、大入賞装置151Bの閉止状態において、可動部材82Bの手前側の端部は、第1入賞装置70Bの大入賞口15-1内の空間に位置するが、これに限られない。例えば、可動部材82Bが退避位置にあるとき、可動部材82Bの手前側の端部は、第1入賞装置70Bの大入賞口15-1内の空間よりも奥側まで退避してもよい(図8B参照)。
図8Bに示すように、第1入賞装置70Bが開放状態でありかつ第2入賞装置80Bが閉止状態である大入賞装置151Bの第1開放状態では、開閉扉71Bが開位置(第1所定位置の一例)とされる。これにより、大入賞口15-1に遊技球が入球可能となる(図8Bの矢印R2参照)。大入賞口15-1に遊技球が入ると、遊技球は、大入賞口15-1内の底部又は側部に形成される通路(図8Bでは、底部に形成される通路155参照)を通り、当該通路に設けられる大入賞口センサ15a-1により検知される。開閉扉71Bは、第1開放状態を終了させる際に、図8Aに示すように、開位置から閉位置へ駆動される。開閉扉71Bが閉位置にあるとき、大入賞口15-1に遊技球が入球不能となる。
なお、第1開放状態においては、可動部材82Bは、図8Bに示すように、第1入賞装置70Bの大入賞口15-1内の空間よりも奥側まで退避される。これにより、第1入賞装置70Bの大入賞口15-1内に入った遊技球は通路155へと至ることができる。
なお、第1開放状態においては、大入賞口15-1に遊技球が入ってから大入賞口センサ15a-1により検知されるまでの時間が比較的長くなるので、オーバーカウントが比較的発生しやすい入賞特性が実現される。
図8Cに示すように、第1入賞装置70Bが閉止状態でありかつ第2入賞装置80Bが開放状態である大入賞装置151Bの第2開放状態では、開閉扉71Bが閉位置とされ、かつ、可動部材82Bが突出位置とされる。これにより、大入賞口15-2に遊技球が入球可能となる。
可動部材82Bは、図8Cに示す突出位置にあるときに、上面に乗る遊技球(図8Bの遊技球の絵参照)を大入賞口15-2へと直線状に導く。具体的には、可動部材82Bは、手前側の端部に直線状に延在する遊技球案内部位821Bを有する。遊技球案内部位821Bは、一端(左側端部)が大入賞口15-2の下側縁部に左右方向で隣接し、他端(右側端部)が当該一端よりも高い位置にある。すなわち、遊技球案内部位821Bは、右側が左側よりも高くなる態様で傾斜する。傾斜角度は、任意であるが、大入賞口15-2に到達する際の遊技球の速度が適切な値になるように適合される。遊技球案内部位821Bは、遊技球が大入賞口15-2へとたどり着くための“橋”として機能できる。図示の例では、可動部材82Bが突出位置にあるとき、遊技球案内部位821Bの手前側端部は、遊技盤10の表面に対して垂直方向で、遊技盤10の表面に対して(開閉扉71Bに対して)所定距離D3だけ離れて平行に延在する。所定距離D3は、遊技球の直径よりも有意に大きい。遊技球は、遊技球案内部位821Bの上面を転動しながら、大入賞口15-2へと導かれる。これにより、遊技球案内部位821B上に到達した遊技球が大入賞口15-2へと導かれる。
遊技球案内部位821Bは、好ましくは、図8Aから図8Cに示すように、幅が所定距離D5の凹溝823を有してもよい。凹溝823は、左右方向に延在し、遊技球の転動方向を規制するように機能する。所定距離D5は、上述のとおり、遊技球の直径よりも有意に小さい。この場合も、遊技球案内部位821B上に乗った遊技球が凹溝823に嵌りながら転動するので、遊技球案内部位821Bから手前側にこぼれ落ちる可能性を低減できる。なお、変形例では、本実施例2においても、上述した実施例1の手前側カバー部94に対応する部位(遊技球案内部位821Bの手前側で、遊技盤10の表面の平行に延在する部位)が設けられてもよい。この場合、遊技球案内部位821Bから手前側にこぼれ落ちる可能性を無くすことができる。
可動部材82Bは、第2開放状態を終了させる際に、図8Cに示す突出位置から退避位置へと駆動される。
可動部材82Bは、図8Aに示す退避位置にあるときに、開閉扉71Bよりも奥側に収容される。すなわち、可動部材82Bは、第1入賞装置70Bの大入賞口15-1内に手前側端部が退避される。従って、この状態では、遊技球は、開閉扉71Bの手前側に到達しても、開閉扉71Bの手前側で落下するので、大入賞口15-2へと導かれることはない。すなわち、大入賞口15-2に遊技球が入球不能となる。なお、可動部材82Bが退避位置にあるときに、遊技球が大入賞口15-2に飛び込む可能性を低減するために、シャッタ(図示せず)等により大入賞口15-2が塞がれてもよく、この場合、シャッタは、可動部材82Bの移動に連動する態様で、可動部材82Bに接続されてもよい。
なお、可動部材82Bは、大当り遊技状態におけるあるラウンドにおいて、図8Cに示す突出位置にある状態で、1ラウンドあたり9個の遊技球の入賞でラウンド終了条件が成立すると、即座に退避位置へと移動される。この際、遊技球案内部位821B上に乗っている遊技球(大入賞口15-2に到達していない)は、遊技球案内部位821B上から手前側にこぼれ落ちることになり、オーバーカウントが比較的発生しがたい入賞特性が実現される。
本実施例においても、上述のように、第1入賞装置70B及び第2入賞装置80Bが互いに近傍に配置される。この際、第1入賞装置70B及び第2入賞装置80Bは、遊技盤10上を転動してきた遊技球が大入賞口15-1又は大入賞口15-2へと開閉扉71B又は可動部材82Bによって振り分けられて案内される振り分け領域GA3(図7B参照)を有するように、配置される。なお、図7Bにおいて、上述した実施例1と同様、領域GA1(第1領域の一例)は、遊技球が開閉扉71Bにより大入賞口15-1へと案内される領域を模式的に示し、領域GA2(第2領域の一例)は、遊技球が可動部材82Bにより大入賞口15-2へと案内される領域を模式的に示し、振り分け領域GA3は、領域GA1と領域GA2とが重なる部分である。換言すると、第1入賞装置70Bの開閉扉71B及び第2入賞装置80Bの可動部材82Bは、それぞれ、開位置及び下方位置にあるとき、遊技盤10上を転動してきた遊技球に対して略同じ位置(振り分け領域GA3内の位置)から、大入賞口15-1及び大入賞口15-2へとそれぞれ案内する(図8B及び図8C参照)。すなわち、本実施例においても、遊技盤10上の略同じ位置で遊技球に対し選択的に機能できる近接配置構成が実現される。具体的には、第1入賞装置70Bの開閉扉71Bと第2入賞装置80Bの可動部材82Bとは、図7Aから図8Cからわかるように、遊技盤10を正面から視た際にそれぞれの可動領域が少なくとも部分的に重なるように、配置される。
従って、本実施例によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。例えば、第1入賞装置70B及び第2入賞装置80Bの2つを、それぞれ別々の離れた場所に配置する場合に比べて、省スペース化が実現される態様で効率的に配置できる。すなわち、実質的に1つの大入賞装置のためのスペースに、2つの入賞装置(第1入賞装置70B及び第2入賞装置80B)を効率的に配置できる。
なお、上述した実施例2では、大入賞口15-1内の底部に、遊技球が通る通路155が形成されるが、これに限られない。例えば、大入賞口15-1内の側部に遊技球が通る通路が形成されてもよい。この場合、当該通路は、大入賞口形成部材90に形成されてもよく、この場合、大入賞口15-2用の通路と一部が共通化されてもよい。この場合、第1開放状態においては、可動部材82Bは、図8Aに示す手前側の退避位置よりもわずかに手前側(例えば開閉扉71Bの当たる直前の位置)に位置されてもよい。この場合、大入賞口15-1内に入った遊技球は、可動部材82B上を転動しながら大入賞口センサ15a-1に向かうことができる。
<実施例3>
図10Aから図11Dは、実施例3による大入賞装置151Cを概略的に示す図である。図10Aは、第1入賞装置70C及び第2入賞装置80Cがともに閉止状態である大入賞装置151Cの閉止状態を示す正面図であり、図10Bは、実施例3による振り分け領域を概略的に示す説明図である。図11Aは、図10AのラインA1-A1に沿った断面図であり、図11Bは、第1入賞装置70Cが開放状態でありかつ第2入賞装置80Cが閉止状態である大入賞装置151Cの第1開放状態におけるラインA1-A1に沿った断面図であり、図11Cは、第1入賞装置70Cが閉止状態でありかつ第2入賞装置80Cが開放状態である大入賞装置151Cの第2開放状態におけるラインA1-A1に沿った断面図である。また、図11Dは、第2開放状態の終了直後におけるラインA1-A1に沿った断面図である。
大入賞装置151Cは、例えば遊技盤10に取り付けられる。本実施例では、大入賞装置151Cは、後述の開閉扉71Cの表面が遊技盤10の基本表面(遊技領域10aの基本表面)に対して略面一になるように、遊技盤10の基本表面から奥側に凹んだ凹部(例えば第1始動口12の上方のステージ部等)を利用して配置される。
大入賞装置151Cは、第1入賞装置70Cと、第2入賞装置80Cとを含む。本実施例では、大入賞口15-1、15-2に係る大入賞口センサ15a-1、15a-2は、共通であり、大入賞口形成部材90内の一の大入賞口センサ15a-2により実現される。すなわち、本実施例では、大入賞口センサ15a-1は省略される。
第1入賞装置70C及び第2入賞装置80Cは、それぞれ別々の入賞装置であるが、図10Aに示すように、互いに対して近傍に配置される。すなわち、第1入賞装置70C及び第2入賞装置80Cは、遊技盤10における共通の所定領域内に設けられる。
第1入賞装置70Cは、扉タイプの大入賞装置であり、大入賞口15-1(第1入賞口の一例)と、開閉扉71C(第1可動部材の一例)とを有する。開閉扉71Cは透明な部材により形成される。開閉扉71Cは、水平方向に延在する回転軸71aまわりに回転可能に支持される。例えば、開閉扉71Cは、後述の突出部材76に回転可能に支持される。第1入賞装置70Cは、開閉扉71Cの開閉機構等については、一般的な扉タイプの大入賞装置の構造と同じである。開閉扉71Cは、大入賞口15-1に対して設けられ、大入賞口ソレノイド15b-1により開閉駆動される。
開閉扉71Cの上側には、大入賞口15-1の内部空間を上側から仕切る天蓋部材74が設けられる。天蓋部材74は、大入賞口15-1の横方向全体にわたり延在する。天蓋部材74は、手前側端部が開閉扉71Cの上端付近に位置する突出位置と、手前側端部が遊技盤10の表面よりも奥側に退避する退避位置との間で駆動される。なお、天蓋部材74は、ソレノイド(図示せず)により駆動される。
天蓋部材74が突出位置にあるときは、大入賞口15-1の内部空間の上側が閉塞される。天蓋部材74は、図11A等に示すように、好ましくは上面が手前側に向かうほど下方に向かう態様で傾斜する。これにより、開閉扉71Cの開放状態(図11B参照)において、天蓋部材74上に至る遊技球を効率的に大入賞口15-1内へと落下させることができる。他方、天蓋部材74が退避位置にあるときは、大入賞口15-1の内部空間の上側が開放されることで、天蓋部材74の下方への遊技球の落下が可能となる。
開閉扉71Cの下側には、大入賞口15-1の内部空間を下側から仕切る底面部材75が設けられる。底面部材75は、大入賞口15-1の横方向全体にわたり延在する。底面部材75は、手前側端部が開閉扉71Cの下端付近に位置する突出位置と、手前側端部が遊技盤10の表面よりも奥側に退避する退避位置との間で駆動される。なお、底面部材75は、ソレノイド(図示せず)により駆動される。
底面部材75が突出位置にあるときは、大入賞口15-1の内部空間の下側が閉塞される。他方、底面部材75が退避位置にあるときは、底面部材75が突出位置にあるときに延在する領域は、空間となり、当該空間に至る遊技球は落下する。
大入賞口15-1の内部空間は、左側は大入賞口形成部材90により塞がれ、右側は、大入賞口形成部材90と同様に遊技盤10の表面から手前側に突出する形態の突出部材76により塞がれる。従って、図11Aに示す大入賞装置151Cの閉止状態では、大入賞口15-1の内部空間に遊技球が入ることはない。
このようにして、本実施例では、大入賞口15-1の内部空間は、突出位置にある天蓋部材74と、突出位置にある底面部材75と、大入賞口形成部材90と、突出部材76とにより、遊技盤10の表面よりも手前側に形成される。
第2入賞装置80Cは、橋渡しタイプの大入賞装置であり、大入賞口15-2(第2入賞口の一例)と、可動部材82C(第2可動部材の一例)とを有する。
大入賞口15-2は、大入賞口形成部材90に形成される。大入賞口形成部材90は、遊技盤10の表面よりも手前側に突出する態様で設けられる。大入賞口15-2の開口の向きは、上述した実施例1と同様、右向き(又は右斜め上向き)である。
図10Aから図11Dに示す例では、可動部材82Cは、図11Cに示す退避位置と、図11Bに示す突出位置(第2所定位置の一例)との間で可動である。可動部材82Cは、大入賞口15-2に対して設けられ、大入賞口ソレノイド15b-2により駆動される。
図11Aに示すように、第1入賞装置70C及び第2入賞装置80Cがともに閉止状態である大入賞装置151Cの閉止状態では、天蓋部材74及び底面部材75は、突出位置とされ、かつ、開閉扉71Cが閉位置とされる。これにより、大入賞口15-1、15-2への遊技球が入球不能となる。なお、大入賞装置151Cの閉止状態では、可動部材82Cは、退避位置に位置するが、突出位置に位置してもよい。
図11Bに示すように、第1入賞装置70Cが開放状態でありかつ第2入賞装置80Cが閉止状態である大入賞装置151Cの第1開放状態では、天蓋部材74及び底面部材75が突出位置とされ、開閉扉71Cが開位置(第1所定位置の一例)とされ、かつ、可動部材82Cが退避位置とされる。これにより、大入賞口15-1に遊技球が入球可能となる。大入賞口15-1に遊技球が入ると、遊技球は、左側の大入賞口形成部材90へと流れて、大入賞口形成部材90内の大入賞口センサ15a-2(図示せず)により検知される。すなわち、大入賞口15-1に遊技球が入ると、遊技球は、底面部材75上を転がり左側の大入賞口形成部材90へと流れて、大入賞口形成部材90内の大入賞口センサ15a-2(図示せず)により検知される。なお、底面部材75は、左側の大入賞口形成部材90への遊技球の流れを促進するような傾斜面を有してもよい。
なお、変形例では、第1開放状態では、天蓋部材74及び底面部材75が突出位置とされ、開閉扉71Cが開位置とされ、かつ、可動部材82Cが突出位置とされてもよい。この場合、可動部材82Cは、開閉扉71Cに近接するような更なる突出位置とされてもよい。大入賞口15-1に遊技球が入ると、遊技球は、可動部材82Cの上に乗って左側の大入賞口形成部材90へと流れて、大入賞口形成部材90内の大入賞口センサ15a-2(図示せず)により検知される。なお、このような変形例による第1開放状態では、底面部材75が退避位置とされてもよい。
なお、第1開放状態においては、大入賞口15-1に遊技球が入ってから大入賞口形成部材90内の大入賞口センサ15a-2(図示せず)により検知されるまでの時間が比較的長くなるので、オーバーカウントが比較的発生しやすい入賞特性が実現される。
図11Cに示すように、第1入賞装置70Cが閉止状態でありかつ第2入賞装置80Cが開放状態である大入賞装置151Cの第2開放状態では、天蓋部材74及び底面部材75が退避位置とされ、開閉扉71Cが閉位置とされ、かつ、可動部材82Cが突出位置とされる。これにより、大入賞口15-2に遊技球が入球可能となる。具体的には、突出部材76に対して右側から転動してくる遊技球は、突出部材76の上側を通って左側へと流れ、可動部材82Cの上に至ることができる。そして、可動部材82Cの上に至った遊技球は、可動部材82Cの上を左側の大入賞口15-2(大入賞口形成部材90)へと転動して、大入賞口形成部材90内の大入賞口センサ15a-2(図示せず)により検知される。なお、このような可動部材82Cの上の遊技球の動きを開閉扉71Cを通して遊技者が見えるように、開閉扉71Cは透明な部材により形成される。
可動部材82Cは、図11Cに示す突出位置にあるときに、大入賞口15-2へと直線状に遊技球を導く。具体的には、可動部材82Cは、手前側の端部に直線状に延在する遊技球案内部位821Cを有する。遊技球案内部位821Cは、一端(左側端部)が大入賞口15-2の下側縁部に左右方向で隣接し、他端(右側端部)が当該一端よりも高い位置にある。すなわち、遊技球案内部位821Cは、右側が左側よりも高くなる態様で傾斜する。傾斜角度は、任意であるが、大入賞口15-2に到達する際の遊技球の速度が適切な値になるように適合される。遊技球案内部位821Cは、遊技球が大入賞口15-2へとたどり着くための“橋”として機能できる。図示の例では、可動部材82Cが突出位置にあるとき、遊技球案内部位821Cの手前側端部は、遊技盤10の表面に対して垂直方向で、遊技盤10の表面から所定距離D3だけ離れて平行に延在する。所定距離D3は、遊技球の直径よりも有意に大きい。従って、遊技球は、遊技球案内部位821Cの上面を転動しながら、大入賞口15-2へと導かれる。これにより、遊技球案内部位821C上に到達した遊技球が大入賞口15-2へと導かれる。
なお、第2開放状態では、図11Cに示すように、開閉扉71Cが開位置とされるので、遊技球案内部位821C上に乗った遊技球が遊技球案内部位821Cから手前側にこぼれ落ちる可能性を低減できる。なお、変形例では、遊技球案内部位821Cは、上述した実施例2のように幅が所定距離D5の凹溝を有してもよい。当該凹溝は、左右方向に延在し、遊技球の転動方向を規制するように機能する。この場合も、遊技球案内部位821C上に乗った遊技球が遊技球案内部位821Cから手前側にこぼれ落ちる可能性を低減できる。
図11Dに示すように、可動部材82Cは、第2開放状態を終了させる際に、図11Bに示す突出位置から退避位置へと駆動される。従って、可動部材82Cが退避位置に位置するときは、遊技球は、突出位置にあるときの可動部材82Cの延在領域に到達しても、落下するので(図11Dの矢印R4参照)、大入賞口15-2へと導かれることはない。すなわち、大入賞口15-2に遊技球が入球不能となる。なお、可動部材82Cが退避位置にあるときに、遊技球が大入賞口15-2に飛び込む可能性を低減するために、シャッタ(図示せず)等により大入賞口15-2が塞がれてもよく、この場合、シャッタは、可動部材82Cの移動に連動する態様で、可動部材82Cに接続されてもよい。
なお、可動部材82Cは、大当り遊技状態におけるあるラウンドにおいて、図11Bに示す突出位置にある状態で、1ラウンドあたり9個の遊技球の入賞でラウンド終了条件が成立すると、即座に退避位置へと移動される。この際、遊技球案内部位821C上に乗っている遊技球(大入賞口15-2に到達していない)は、遊技球案内部位821C上から手前側にこぼれ落ちることになり、オーバーカウントが比較的発生しがたい入賞特性が実現される。
そして、その後、図11Aに示す大入賞装置151Cの閉止状態に戻る際には、天蓋部材74が突出位置へ駆動され、次いで、底面部材75が突出位置へ駆動される。
本実施例においても、上述のように、第1入賞装置70C及び第2入賞装置80Cが互いに近傍に配置される。この際、第1入賞装置70C及び第2入賞装置80Cは、遊技盤10上を転動してきた遊技球が大入賞口15-1又は大入賞口15-2へと開閉扉71C又は可動部材82Cによって振り分けられて案内される振り分け領域を有するように、配置される。なお、図10Bにおいて、上述した実施例1と同様、領域GA1(第1領域の一例)は、遊技球が開閉扉71Cにより大入賞口15-1へと案内される領域を模式的に示し、領域GA2(第2領域の一例)は、遊技球が可動部材82Cにより大入賞口15-2へと案内される領域を模式的に示し、振り分け領域GA3は、領域GA1と領域GA2とが重なる部分である。換言すると、第1入賞装置70Cの開閉扉71C及び第2入賞装置80Cの可動部材82Cは、それぞれ、開位置及び下方位置にあるとき、遊技盤10上を転動してきた遊技球に対して略同じ位置(振り分け領域内の位置)から、大入賞口15-1及び大入賞口15-2へとそれぞれ案内する(図11B及び図11C参照)。すなわち、本実施例においても、遊技盤10上の略同じ位置で遊技球に対し選択的に機能できる近接配置構成が実現される。具体的には、第1入賞装置70Cの開閉扉71Cと第2入賞装置80Cの可動部材82Cとは、図10Aから図11Dからわかるように、遊技盤10を正面から視た際にそれぞれの可動領域が少なくとも部分的に重なるように、配置される。
本実施例によっても、上述した実施例1と同様の効果が得られる。例えば、第1入賞装置70C及び第2入賞装置80Cの2つを、それぞれ別々の離れた場所に配置する場合に比べて、省スペース化が実現される態様で効率的に配置できる。すなわち、実質的に1つの大入賞装置のためのスペースに、2つの入賞装置(第1入賞装置70C及び第2入賞装置80C)を効率的に配置できる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
遊技盤に設けられ、第1可動部材を有し、前記第1可動部材が第1所定位置にあるときに第1入賞口に遊技球が入球可能となる第1入賞装置と、
前記遊技盤に設けられ、前記第1可動部材とは異なる可動態様の第2可動部材を有し、前記第2可動部材が第2所定位置にあるときに第2入賞口に遊技球が入球可能となる第2入賞装置とを備え、
前記第1入賞装置及び前記第2入賞装置は、前記遊技盤上を転動してきた遊技球が前記第1入賞口又は前記第2入賞口へと前記第1可動部材又は前記第2可動部材によって振り分けられて案内される振り分け領域を有するように、配置される、遊技機。
本遊技機によれば、第1入賞装置及び第2入賞装置が振り分け領域を有するように配置されるので、かかる振り分け領域を有さない場合に比べて第1入賞装置及び第2入賞装置の効率的な配置を実現できる。
(付記2)
前記振り分け領域は、前記遊技盤を正面から視た際に、前記第1可動部材によって遊技球が前記第1入賞口へと案内される第1領域と、前記第2可動部材によって遊技球が前記第2入賞口へと案内される第2領域とが重なる部分である、付記1に記載の遊技機。
本遊技機によれば、振り分け領域を適切に設定できる。
(付記3)
前記第1可動部材は、回転軸まわりに回転可能な開閉扉であり、前記第1所定位置は、開位置であり、
前記開閉扉が開位置にあるとき、前記振り分け領域では、遊技球が前記開閉扉に当たって前記第1入賞口へと案内される、付記1又は2に記載の遊技機。
本遊技機によれば、扉タイプの入賞装置(第1入賞装置)を利用して、第1入賞装置及び第2入賞装置を効率的に配置できる。
(付記4)
前記第2可動部材が前記第2所定位置にあるとき、前記振り分け領域では、遊技球が前記第2可動部材によって前記第2入賞口へと直線状に案内される、付記1~3のいずれかに記載の遊技機。
本遊技機によれば、第2入賞口へと直線状に遊技球を導くことで、比較的スピーディーかつオーバーカウントが生じがたい入賞特性を容易に実現できる。
(付記5)
前記第2可動部材は、前記第2所定位置へと並進移動可能又は回転可能である、付記3又は4に記載の遊技機。
本遊技機によれば、並進移動機構又は回転機構を利用して第2所定位置へと第2可動部材を駆動できる。
(付記6)
前記第2入賞口は、前記遊技盤の表面に垂直な方向に対して交差する方向に開口し、
前記第2可動部材は、前記第2所定位置にあるときに、案内部位の一端が前記第2入賞口に隣接し、前記案内部位の他端が前記一端よりも高い位置にあり、前記振り分け領域内に至る遊技球を前記他端から前記一端へと案内可能である、付記1~5のうちのいずれか1項に記載の遊技機。
本遊技機によれば、重力を利用した遊技球の動きを利用して直線状に第2入賞口へと遊技球を導くことができる。
(付記7)
前記第1入賞装置及び前記第2入賞装置は、特別遊技状態において開放状態とされる大入賞装置であり、
特別遊技の種別に応じて前記第1入賞装置及び前記第2入賞装置のうちの一方が開放状態とされる、付記1~6のうちのいずれか1項に記載の遊技機。
本遊技機によれば、特別遊技の種別に応じて特別遊技の見せ方を変えることができる。
(付記8)
前記第1入賞装置及び前記第2入賞装置は、特別遊技状態において開放状態とされる大入賞装置であり、
特別遊技状態において、所定のラウンドでは前記第1入賞装置が開放状態とされ、他のラウンドでは前記第2入賞装置が開放状態とされる、付記1~6のうちのいずれか1項に記載の遊技機。
本遊技機によれば、ラウンドの相違に応じてラウンド消化の見せ方を変えることができる。
(付記9)
前記第1可動部材及び前記第2可動部材は、前記遊技盤を正面から視た際にそれぞれの可動領域が少なくとも部分的に重なるように、配置される、付記1に記載の遊技機。
本遊技機によれば、2つの第1可動部材及び第2可動部材が、遊技盤を正面から視た際にそれぞれの可動領域が少なくとも部分的に重なる態様で近接して配置されるので、第1入賞装置及び第2入賞装置を効率的に配置できる。