JP7279583B2 - 画像読取装置、及び画像読取装置における媒体の傾き算出方法 - Google Patents

画像読取装置、及び画像読取装置における媒体の傾き算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像読取装置、及び画像読取装置における媒体の傾き算出方法に関する。
特許文献1には、所定の搬送経路に沿って搬送される媒体の画像を読取部に読み取らせ、当該画像に基づいた画像データを生成する画像読取装置の一例が記載されている。この画像読取装置では、搬送経路における媒体の収容部と読取部との間に検知センサーが配置されている。そして、検知センサーによる媒体の検知タイミングを基に、搬送経路に対する媒体の傾きが測定される。
特開2016-184827号公報
検知センサーのうち、媒体に接触する部位を接触部位とした場合、媒体の接触位置が、所定の設計位置からずれていることがある。このような場合、当該検知センサーによる検知結果に基づいて搬送経路に対する媒体の傾きを導出する場合、その精度が低くなるおそれがある。
上記課題を解決するための画像読取装置は、搬送経路に沿って搬送される媒体の画像を読み取る読取部と、前記読取部よりも前記搬送経路の上流に配置され、前記媒体を搬送すべく回転する給送ローラーと、前記搬送経路における前記給送ローラーと前記読取部との間に配置されており、且つ導電性を有する複数の電極と、複数の前記電極のうちの第1電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第1電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第1電荷検出回路と、複数の前記電極のうち、前記媒体の幅方向において前記第1電極とは異なる位置に配置される第2電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第2電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第2電荷検出回路と、前記第1電荷検出回路から出力される信号の変化、及び、前記第2電荷検出回路から出力される信号の変化を基に、前記搬送経路に対する前記媒体の傾きを傾き推定値として算出する傾き推定処理を実行する制御部と、を備える。前記第1電極及び前記第2電極は、導電性を有する複数本の繊維をそれぞれ有する。前記制御部は、前記読取部によって前記媒体の画像を読み取るときに、その読み取り結果を基に、前記搬送経路に対する当該媒体の傾きを傾き検出値として導出する傾き検出処理と、前記傾き検出値と前記傾き推定値との差が大きいほど大きくなるように補正値を導出し、当該補正値を記憶部に記憶する補正値導出処理と、を実行するようになっている。さらに、前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、当該補正値にも基づいて前記傾き推定値を算出する。
上記課題を解決するための画像読取装置における媒体の傾き算出方法は、搬送経路に沿って搬送される媒体の画像を読み取る読取部と、前記読取部よりも前記搬送経路の上流に配置され、前記媒体を搬送すべく回転する給送ローラーと、前記搬送経路における前記給送ローラーと前記読取部との間に配置されており、且つ導電性を有する複数の電極と、複数の前記電極のうちの第1電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第1電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第1電荷検出回路と、複数の前記電極のうち、前記媒体の幅方向において前記第1電極とは異なる位置に配置される第2電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第2電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第2電荷検出回路と、を備え、前記第1電極及び前記第2電極が、導電性を有する複数本の繊維をそれぞれ有する画像読取装置に適用される方法である。当該方法では、前記画像読取装置の制御部に、前記第1電荷検出回路から出力される信号の変化、及び、前記第2電荷検出回路から出力される信号の変化を基に、前記搬送経路に対する前記媒体の傾きを傾き推定値として算出する傾き推定ステップと、前記読取部によって前記媒体の画像を読み取るときに、その読み取り結果を基に、前記搬送経路に対する当該媒体の傾きを傾き検出値として導出する傾き検出ステップと、前記傾き検出値と前記傾き推定値との差が大きいほど大きくなるように補正値を導出し、当該補正値を記憶部に記憶させる補正値導出ステップと、を実行させるようになっている。さらに、前記傾き推定ステップでは、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、当該補正値にも基づいて前記傾き推定値を算出する。
実施形態の画像読取装置を模式的に示す側面図。 同画像読取装置の一部を模式的に示す平面図。 同画像読取装置の静電式検知センサーの一例を示す模式図。 電荷検出回路から出力される増幅信号の大きさである信号値の推移を示すタイミングチャート。 静電式検知センサーの電極の各繊維が変形した様子を示す模式図。 同電極の各繊維が変形した様子を示す模式図。 2つの静電式検知センサーの接触部位の搬送方向における位置が互いに異なっている様子を示す模式図。 同画像読取装置の制御部が実行する処理の流れを示すフローチャート。 搬送経路に対して媒体が傾いている様子を示す模式図。 各接触部位の搬送方向における位置が異なっている場合の傾き推定値と傾き検出値との比較を示す模式図。 補正処理の内容を示すタイミングチャート。 各接触部位の搬送方向における位置が異なっている場合の傾き推定値と傾き検出値との比較を示す模式図。 補正処理の内容を示すタイミングチャート。 各接触部位の搬送方向における位置が異なっている場合の傾き推定値と傾き検出値との比較を示す模式図。 補正処理の内容を示すタイミングチャート。 変更例において、各接触部位の搬送方向における位置が異なっている場合の傾き推定値を模式的に示す図。 変更例において、補正処理によって、一方の接触部位の搬送方向における位置が補正された様子を模式的に示す図。 変更例において、各接触部位のうち、一方の接触部位に媒体が接触した時点から他方の接触部位に媒体が接触した時点までの媒体の移動量が補正された様子を示す模式図。
以下、画像読取装置、及び画像読取装置における媒体の傾き算出方法の一実施形態を図1~図15に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の画像読取装置10は、筐体10Aと、媒体Mを重ねた状態で保持する媒体保持部11と、媒体保持部11で保持される媒体Mを搬送経路100に沿って搬送する媒体搬送装置20とを備える。媒体搬送装置20は、筐体10A内に設けられている。媒体Mとしては、例えば、用紙などのような絶縁性のものである。
また、画像読取装置10は、搬送経路100に沿って搬送される媒体Mの画像を読み取る読取部を備える。図1に示す例では、画像読取装置10は、読取部として、媒体Mの表面の画像を読み取る第1読取部12と、媒体Mの裏面の画像を読み取る第2読取部13とを備える。
媒体搬送装置20は、媒体保持部11で保持される媒体Mを読取部12,13に向けて送り出す給送ローラー21と、給送ローラー21とともに媒体Mをニップするニップ部22とを備える。ニップ部22として、例えば、分離ローラー及び分離板を挙げることができる。ニップ部22として分離ローラーを採用した場合、分離ローラーを、その回転を規制してもよいし、媒体Mを搬送方向下流Xに搬送するための回転方向の反対方向に回転させるようにしてもよい。
本実施形態の媒体搬送装置20では、給送ローラー21とニップ部22とによって媒体Mをニップし、給送ローラー21の回転によって媒体Mが搬送方向下流Xに送り出される。この際、媒体Mは、給送ローラー21及びニップ部22の双方と擦れる。そのため、媒体Mと給送ローラー21との間で静電気が発生するとともに、媒体Mとニップ部22との間で静電気が発生する。その結果、媒体Mの表面及び裏面の双方に電荷が帯電する。
媒体搬送装置20は、媒体Mの搬送方向において給送ローラー21と読取部12,13との間に配置される搬送ローラー231,232と、読取部12,13よりも搬送方向下流Xに配置される排出ローラー241,242とを備える。
媒体搬送装置20は、給送ローラー21、搬送ローラー231及び排出ローラー241の動力源となる駆動モーター25を備える。駆動モーター25の出力が給送ローラー21、搬送ローラー231及び排出ローラー241に伝わると、給送ローラー21、搬送ローラー231,232及び排出ローラー241,242が回転するため、搬送経路100に沿って搬送方向の上流から下流に向けて媒体Mが搬送される。
本実施形態の媒体搬送装置20は、搬送経路100に沿って搬送方向の上流から下流に搬送される媒体Mを検知する複数の検知センサー31,32を備える。検知センサー31は、搬送ローラー231,232よりも搬送方向上流に配置されている。検知センサー31は、媒体Mの先端Maを検知するものである。そして、検知センサー31によって媒体Mの先端Maが検知されると、読取部12,13による媒体Mの画像の読み取りが開始される。
図2に示すように、媒体搬送装置20は、静電式検知センサー32として、静電式検知センサー32Aと静電式検知センサー32Bとを備える。各静電式検知センサー32A,32Bは、搬送方向においてニップ部22と検知センサー31との間に配置される電極41と、電極41に接続される電荷検出回路42とをそれぞれ有する。静電式検知センサー32Aの電極41の搬送方向における位置は、静電式検知センサー32Bの電極41の搬送方向における位置と同じである。また、搬送経路100に沿って搬送される媒体Mの幅方向を幅方向Yとした場合、各電極41は、幅方向Yにおいて互いに異なる位置にそれぞれ配置されている。図2における二点鎖線は、搬送経路100の中心軸Zである。すなわち、各電極41は、幅方向Yにおいて中心軸Zを挟むようにそれぞれ配置されている。なお、幅方向Yにおける2つの電極41の間の距離を、電極間距離Dyという。
図2に示す例では、2つの電極41のうち、静電式検知センサー32Aの電極41を第1電極とみた場合、静電式検知センサー32Bの電極41が第2電極に該当する。また、静電式検知センサー32Aの電荷検出回路42が第1電荷検出回路に該当し、静電式検知センサー32Bの電荷検出回路42が第2電荷検出回路に該当する。
図3に示すように、各電極41は、基台46と、基台46に基端が固定される複数本の繊維45とを有する。例えば、各電極41は、基台46から各繊維45が下方に垂れるようにそれぞれ構成されている。各繊維45は、導電性を有する材料で構成されている。すなわち、各電極41は、導電性をそれぞれ有する。そのため、媒体Mに各繊維45が接触すると、媒体Mに付着している電荷が電極41に移動する。そして、電極41に移動した電荷は、配線47を介して電荷検出回路42に向かって移動する。
電荷検出回路42としては、例えば、図3に示すようなエミッタ接地回路を挙げることができる。
図3に示す電荷検出回路42は、バイポーラトランジスタ421を有する。バイポーラトランジスタ421のベース42Bに電極41が接続されている。バイポーラトランジスタ421のエミッタ42Eが接地されている。バイポーラトランジスタ421のコレクタ42Cには、配線48を介して抵抗422が接続されている。また、コレクタ42Cと抵抗422との間に位置する配線48には制御部60が接続されている。すなわち、バイポーラトランジスタ421のベース42Bには、媒体Mから電極41に移動した電荷の量に応じた大きさの信号が入力される。すると、バイポーラトランジスタ421のコレクタ42Cからは、ベース42Bに入力された信号を増幅した信号である増幅信号SGaが制御部60に出力される。なお、制御部60は、CPU及びメモリーを有する。
図4には、電荷検出回路42から制御部60に入力される増幅信号SGaの大きさである信号値SVの推移が示されている。図4に示すように、タイミングt11以前では、媒体Mに電極41が接触していないため、信号値SVが判定信号値SVTh未満となる。タイミングt11で媒体Mに電極41が接触すると、信号値SVが大きくなる。そして、信号値SVが判定信号値SVTh以上である場合、制御部60は、電極41に媒体Mが接触していると判断できる。すなわち、図4に示す例では、タイミングt11が、静電式検知センサー32が媒体Mを検知したタイミングである。
本実施形態では、各電極41は、複数本の繊維45を有するブラシ状の電極である。そのため、各電極41は経年変化する。基本的には、図5に示すように、電極41は、各繊維45の先端が搬送方向下流Xに変位する態様で変形する。しかし、各電極41が図5に示すようなかたちで変形したとしても、その際の各電極41の変形度合いが同じになるとは限らない。この場合、静電式検知センサー32Aの電極41の基台46と、静電式検知センサー32Bの電極41の基台46との搬送方向における位置は同じであるものの、図7に示すように、静電式検知センサー32Aの電極41における媒体Mとの接触部位50Aと、静電式検知センサー32Bの電極41における媒体Mとの接触部位50Bとの搬送方向における位置が互いに相違することになる。
また、画像読取装置10のメンテナンスなどのためにユーザーが筐体10A内に手を入れて作業を行うことがある。このとき、電極41にユーザーが触れた場合、例えば図6に示すように、電極41は、各繊維45の先端が搬送方向の上流に変位する態様で変形することがある。2つの電極41のうち、一方の電極41が図5に示すように変形し、他方の電極41が図6に示すように変形した場合、当然、図7に示すように、静電式検知センサー32Aの電極41の接触部位50Aと、静電式検知センサー32Bの電極41の接触部位50Bとの搬送方向における位置が互いに相違することになる。
次に、図8~図15を参照し、搬送経路100に対する媒体Mの傾きを導出する際の処理の流れについて説明する。図8に示す各処理は、制御部60によって実行される。すなわち、図8は、画像読取装置10における媒体Mの傾き算出方法を示すフローチャートである。
媒体Mの搬送が開始されると、図8に示す一連の処理が実行される。はじめのステップS11では、1枚目の媒体Mの搬送であるか否かの判定が行われる。ここでいう「1枚目」とは、画像読取装置10の電源がオンとなった時点からの媒体Mの搬送枚数である。1枚目の媒体Mの搬送である場合(S11:YES)、処理が次のステップS12に移行される。ステップS12において、2つの静電式検知センサー32A,32Bの双方が媒体Mを検知しているか否かの判定が行われる。制御部60は、静電式検知センサー32Aの電荷検出回路42から入力された増幅信号SGaの大きさである信号値SVが判定信号値SVTh以上であるときには、静電式検知センサー32Aが媒体Mを検知していると判定する。また、制御部60は、静電式検知センサー32Bの電荷検出回路42から入力された増幅信号SGaの大きさである信号値SVが判定信号値SVTh以上であるときには、静電式検知センサー32Bが媒体Mを検知していると判定する。
ステップS12において、静電式検知センサー32A及び静電式検知センサー32Bのうちの少なくとも一方のセンサーが媒体Mを検知していない場合(NO)、双方のセンサー32A,32Bが媒体Mを検知した状態になるまでステップS12の判定が繰り返される。一方、2つの静電式検知センサー32A,32Bの双方が媒体Mを検知している場合(S12:YES)、処理が次のステップS13に移行される。ステップS13において、搬送経路100に対する媒体Mの傾きとして傾き推定値θeを算出する傾き推定処理が実行される。本実施形態では、ステップS13が、第1電荷検出回路から出力される信号の変化、及び、第2電荷検出回路から出力される信号の変化を基に、搬送経路100に対する媒体Mの傾きを傾き推定値θeとして算出する「傾き推定ステップ」の一例に相当する。より詳しくは、ステップS13が、後述する補正値CVが記憶部61に記憶されていない場合における「傾き推定ステップ」の一例に相当する。
なお、図9には、搬送経路100に対して媒体Mが傾いている状態の一例が図示されている。図9における破線は、幅方向Yに延びている。そのため、当該破線と媒体Mの先端Maとのなす角の推定値が、傾き推定値θeとして算出される。
傾き推定処理の一例について説明する。
各静電式検知センサー32A,32Bのうち、先に媒体Mを検知したセンサーを第1センサーといい、後に媒体Mを検知したセンサーを第2センサーという。例えば、第1センサーが媒体Mを検知した時点である第1時点から、第2センサーが媒体Mを検知した時点である第2時点までの経過時間Tが取得される。経過時間Tが取得されると、傾き推定処理では、以下の関係式(式1)を用いることにより、傾きの推定値θeが算出される。関係式(式1)において、「S」は媒体Mの搬送速度であり、「Dy」は幅方向Yにおける2つの電極41の間の距離である。関係式(式1)における「T・S」は、計測された経過時間T中における媒体Mの搬送量に相当する値であり、第1時点から第2時点までの時間差が大きいほど大きくなる。したがって、傾きの推定値θeは、当該時間差が大きいほど大きくなる。
Figure 0007279583000001
図8に戻り、傾き推定値θeが算出されると、処理が次のステップS14に移行される。ステップS14において、傾き推定値θeが傾き判定値θTh未満であるか否かの判定が行われる。傾き判定値θThは、媒体Mを保護するために媒体Mの搬送を中止するか否かの判断基準として設定されている。傾き推定値θeが傾き判定値θTh以上である場合(S14:NO)、媒体Mの一部分が搬送経路100の外に出ている可能性があるため、処理が次のステップS15に移行される。
ステップS15において、エラー処理が実行される。例えば、エラー処理として、媒体Mの搬送が中止される。また、エラー処理として、搬送している媒体Mが搬送経路100に対して傾いている旨が報知される。そして、エラー処理が実行されると、図8に示す一連の処理が終了される。
一方、ステップS14において、傾き推定値θeが傾き判定値θTh未満である場合(YES)、処理が次のステップS16に移行される。ステップS16において、検知センサー31によって媒体Mの先端Maが検知されたか否かの判定が行われる。先端Maが未だ検知されていない場合(S16:NO)、先端Maが検知されるまでステップS16の判定が繰り返される。先端Maが検知された場合(S16:YES)、処理が次のステップS17に移行される。
ステップS17において、各読取部12,13に媒体Mの画像を読み取らせる処理である読み取り処理が実行される。そして、次のステップS18では、読み取り処理の終了条件が成立しているか否かの判定が行われる。例えば、各読取部12,13によって、媒体Mの終端が検知できた場合、画像の更なる読み取りが不要であるため、終了条件が成立したとの判定がなされる。終了条件が未だ成立していない場合(S18:NO)、処理が前述したステップS17に移行される。すなわち、読み取り処理が継続される。一方、終了状条件が成立している場合(S18:YES)、処理が次のステップS19に移行される。すなわち、読み取り処理が終了される。
ステップS19において、読み取り処理での読み取り結果を基に、すなわち読み取り処理で得られた画像データの解析結果を基に、搬送経路100に対する媒体Mの傾きが傾き検出値θsとして導出される。傾き検出値θsは画像データの解析結果から導出された値であるため、その精度は傾き推定値θeの算出精度よりも高い。したがって、本実施形態では、ステップS19が、読取部12,13によって媒体Mの画像を読み取るときに、その読み取り結果を基に、搬送経路100に対する媒体Mの傾きを傾き検出値θsとして導出する「傾き検出ステップ」に相当する。そして、傾き検出値θsが導出されると、処理が次のステップS20に移行される。
ステップS20において、傾き検出値θsと傾き推定値θeとを基に、補正値CVが導出される。すなわち、補正値CVとして、傾き検出値θsと傾き推定値θeとの差が大きいほど大きい値が設定される。例えば、傾き検出値θsと傾き推定値θeとの差が、補正値CVとして算出される。続いて、次のステップS21では、補正値CV、傾き推定値θe及び傾き検出値θsが制御部60の記憶部61に記憶される。したがって、本実施形態では、ステップS20,S21により、傾き検出値θsと傾き推定値θeとの差が大きいほど大きくなるように補正値CVを導出し、補正値CVを記憶部61に記憶させる「補正値導出ステップ」が構成される。記憶部61に補正値CVが記憶されると、図8に示す一連の処理が終了される。そして、次に媒体Mが搬送される場合には、ステップS11の処理から順に処理が実行される。
その一方で、ステップS11において、画像読取装置10の電源がオンとなってからの媒体Mの搬送枚数が1枚目ではない場合(NO)、処理が次のステップS22に移行される。ステップS22において、記憶部61に補正値CVが記憶されているか否かの判定が行われる。記憶部61に補正値CVが記憶されていない場合(S22:NO)、処理が前述したステップS12に移行される。一方、記憶部61に補正値CVが記憶されている場合(S22:YES)、処理が次のステップS23に移行される。
ステップS23において、2つの静電式検知センサー32A,32Bの双方が媒体Mを検知しているか否かの判定が行われる。ステップS23の判定処理の内容は、上記ステップS12の判定処理の内容と同じである。静電式検知センサー32A及び静電式検知センサー32Bのうちの少なくとも一方のセンサーが媒体Mを検知していない場合(S23:NO)、双方のセンサー32A,32Bが媒体Mを検知した状態になるまでステップS23の判定が繰り返される。一方、2つの静電式検知センサー32A,32Bの双方が媒体Mを検知している場合(S23:YES)、処理が次のステップS24に移行される。ステップS24において、記憶部61に記憶されている補正値CV、傾き推定値θe及び傾き検出値θsを用いた補正処理が実行される。
補正処理の一例について説明する。
各静電式検知センサー32A,32Bのうち、先に媒体Mを検知したセンサーである第1センサーが媒体Mを検知した時点を第1時点とし、後に媒体Mを検知したセンサーである第2センサーが媒体Mを検知した時点を第2時点とする。本実施形態で実行される補正処理では、第1時点及び第2時点のうちの一方の時点が、補正値CVに基づいて補正される。第1時点及び第2時点のうち、接触部位が搬送方向の上流に位置する電極を有する静電式検知センサーが媒体Mを検知した時点を、補正値CVによって補正するとよい。この場合、例えば、静電式検知センサー32Aの接触部位50Aが静電式検知センサー32Bの接触部位50Bよりも搬送方向の上流に位置するときには、第1時点が補正値CVによって補正されることになる。
図10に示す例は、傾き推定値θeの正負の符号は傾き検出値θsの正負の符号と同じではあるものの、傾き検出値θsが傾き推定値θeよりも大きい場合である。記憶部61には、補正値CVとともに、図10に示すような傾き推定値θe及び傾き検出値θsが記憶されているものとする。なお、図10に示すように媒体Mが傾いている場合の傾き推定値θeの正負の符号が正であるものとする。このように、傾き推定値θe及び傾き検出値θsの双方が正の値であり、且つ、傾き検出値θsが傾き推定値θeよりも大きい場合、制御部60は、接触部位50Aが接触部位50Bよりも搬送方向の上流に位置すると判断する。
このように接触部位50Aが接触部位50Bよりも搬送方向の上流に位置すると判断されている場合に、搬送される媒体Mが再び図10に示すような態様で搬送経路100に対して傾いていると、接触部位50Bのほうが接触部位50Aよりも先に媒体Mに接触する。その結果、図11に実線で示すように、静電式検知センサー32Bによる媒体Mの検知タイミングであるタイミングt21は、静電式検知センサー32Aによる媒体Mの検知タイミングであるタイミングt22よりも時間的に前である。つまり、時間軸上においては、第2時点が第1時点よりも手前となる。
上述したように、制御部60は、接触部位50Aが接触部位50Bよりも搬送方向の上流に位置すると判断している。そのため、制御部60は、今回の媒体Mの搬送に際し、接触部位50Aを有する静電式検知センサー32Aが媒体Mを検知した時点である第1時点が補正値CVに基づいて補正する時点であると判断する。よって、制御部60は、今回の媒体Mの搬送時に得られた第1時点を、補正値CVに基づいて時間的に後ろに遅らせる補正を行う。この際の第1時点の補正量は、補正値CVが大きいほど大きい。好ましくは、制御部60は、補正値CVを基に、接触部位50Aの搬送方向における位置が接触部位50Bの搬送方向における位置と同じと仮定した場合における接触部位50Aと媒体Mとの接触タイミングを導出する。その結果、図11に破線で示すように、制御部60は、タイミングt22よりも後のタイミングt23で、静電式検知センサー32Aが媒体Mを検知したものとみなす。タイミングt22とタイミングt23との差が、補正値CVに応じた値となる。
そして、制御部60は、タイミングt21からタイミングt23までの時間を経過時間Tとして導出する。すなわち、経過時間Tが補正値CVによって補正されたということもできる。
図12に示す例は、媒体Mの傾き方向が図10に示した例とは反対の場合である。すなわち、図12における傾き推定値θeの正負の符号は、図10における傾き推定値θeの正負の符号と反対である。記憶部61には、補正値CVとともに、図12に示すような傾き推定値θe及び傾き検出値θsが記憶されているものとする。なお、図10に示す例での傾き推定値θeの正負の符号を正とした場合、図12に示すように媒体Mが傾いている場合の傾き推定値θeの正負の符号は負となる。このように、傾き推定値θe及び傾き検出値θsの双方が負の値であり、且つ、傾き検出値θsの絶対値が傾き推定値θeの絶対値よりも大きい場合、制御部60は、接触部位50Bが接触部位50Aよりも搬送方向の上流に位置すると判断する。
このように接触部位50Bが接触部位50Aよりも搬送方向の上流に位置すると判断されている場合に、搬送される媒体Mが再び図12に示すような態様で搬送経路100に対して傾いていると、接触部位50Aのほうが接触部位50Bよりも先に媒体Mに接触する。その結果、図13に実線で示すように、静電式検知センサー32Aによる媒体Mの検知タイミングであるタイミングt31は、静電式検知センサー32Bによる媒体Mの検知タイミングであるタイミングt32よりも時間的に前である。つまり、時間軸上においては、第1時点が第2時点よりも手前となる。
上述したように、制御部60は、接触部位50Bが接触部位50Aよりも搬送方向の上流に位置すると判断している。そのため、制御部60は、今回の媒体Mの搬送に際し、接触部位50Bを有する静電式検知センサー32Bが媒体Mを検知した時点である第2時点が補正値CVに基づいて補正する時点であると判断する。よって、制御部60は、今回の媒体Mの搬送時に得られた第2時点を、補正値CVに基づいて時間的に後ろに遅らせる補正を行う。この際の第2時点の補正量は、補正値CVが大きいほど大きい。好ましくは、制御部60は、補正値CVを基に、接触部位50Bの搬送方向における位置が接触部位50Aの搬送方向における位置と同じと仮定した場合における接触部位50Bと媒体Mとの接触タイミングを導出する。その結果、図13に破線で示すように、制御部60は、タイミングt32よりも後のタイミングt33で、静電式検知センサー32Bが媒体Mを検知したものとみなす。タイミングt32とタイミングt33との差が、補正値CVに応じた値となる。
そして、制御部60は、タイミングt31からタイミングt33までの時間を経過時間Tとして導出する。すなわち、経過時間Tが補正値CVによって補正されたということもできる。
図14に示す例は、傾き推定値θeの正負の符号は傾き検出値θsの正負の符号と同じではあるものの、傾き検出値θsの絶対値が傾き推定値θeの絶対値よりも小さい場合である。記憶部61には、補正値CVとともに、図14に示すような傾き推定値θe及び傾き検出値θsが記憶されているものとする。なお、傾き推定値θe及び傾き検出値θsがそれぞれ正の値であるものとする。このように、傾き推定値θe及び傾き検出値θsの双方が正の値であり、且つ、傾き推定値θeが傾き検出値θsよりも大きい場合、制御部60は、接触部位50Bが接触部位50Aよりも搬送方向の上流に位置すると判断する。
このように接触部位50Bが接触部位50Aよりも搬送方向の上流に位置すると判断されている場合に、搬送される媒体Mが再び図14に示すような態様で搬送経路100に対して傾いていると、接触部位50Bのほうが接触部位50Aよりも先に媒体Mに接触する。その結果、図15に実線で示すように、静電式検知センサー32Bによる媒体Mの検知タイミングであるタイミングt41は、静電式検知センサー32Aによる媒体Mの検知タイミングであるタイミングt43よりも時間的に前である。つまり、時間軸上においては、第2時点が第1時点よりも手前となる。
上述したように、制御部60は、接触部位50Bが接触部位50Aよりも搬送方向の上流に位置すると判断している。そのため、制御部60は、今回の媒体Mの搬送に際し、接触部位50Bを有する静電式検知センサー32Bが媒体Mを検知した時点である第2時点が補正値CVに基づいて補正する時点であると判断する。よって、制御部60は、今回の媒体Mの搬送時に得られた第2時点を、補正値CVに基づいて時間的に後ろに遅らせる補正を行う。この際の第2時点の補正量は、補正値CVが大きいほど大きい。好ましくは、制御部60は、補正値CVを基に、接触部位50Bの搬送方向における位置が接触部位50Aの搬送方向における位置と同じと仮定した場合における接触部位50Bと媒体Mとの接触タイミングを導出する。その結果、図15に破線で示すように、制御部60は、タイミングt41よりも後のタイミングt42で、静電式検知センサー32Bが媒体Mを検知したものとみなす。タイミングt42は、タイミングt43よりも前のタイミングである。タイミングt41とタイミングt42との差が、補正値CVに応じた値となる。
そして、制御部60は、タイミングt42からタイミングt43までの時間を経過時間Tとして導出する。すなわち、経過時間Tが補正値CVによって補正されたということもできる。
図8に戻り、上述したような補正処理が終了すると、処理が次のステップS25に移行される。ステップS25において、傾き推定値θeを算出する傾き推定処理が実行される。本実施形態では、ステップS25が、補正値CVが記憶部61に記憶されている場合における「傾き推定ステップ」の一例に相当する。例えば、傾き推定処理では、上記ステップS13の場合と同様に、上記関係式(式1)を用いることにより、傾き推定値θeが算出される。ただし、関係式(式1)の「T」に代入される値は、ステップS24の補正処理で導出された経過時間Tとなる。この経過時間Tは、補正値CVを用いて補正されたものである。傾き推定値θeが算出されると、処理が前述したステップS14に移行される。
なお、記憶部61に補正値CVが記憶されている場合であっても、ステップS25では、補正値CVを考慮して算出した傾き推定値θeの他、補正値CVを考慮しないで傾き推定値θeを算出することが好ましい。このように補正値CVを考慮しないで算出した傾き推定値θeを「補正前傾き推定値θe1」とする。そして、その後に実行されるステップS20では、ステップS19で導出した傾き検出値θsと、補正前傾き推定値θe1との差が大きいほど大きくなるように補正値CVを算出するとよい。そして、その後のステップS21では、当該補正値CVと、傾き検出値θsと、補正前傾き推定値θe1とを記憶部61に記憶させるとさらによい。
上記実施形態によれば、以下のような作用及び効果を得ることができる。
(1)各電極41のうちの少なくとも一方の電極の形状が変化すると、媒体Mの搬送方向において、静電式検知センサー32Aの接触部位50Aと、静電式検知センサー32Bの接触部位50Bとの位置関係が変わることがある。搬送方向における接触部位50Aと接触部位50Bとの位置関係が変わると、傾き推定処理による傾き推定値θeの算出精度が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、読取部12,13によって媒体Mの画像が読み取られたときには、傾き検出処理によって、そのときの読み取り結果を基に傾き検出値θsが導出される。傾き検出値θsと傾き推定値θeとの乖離が大きいほど、搬送方向における接触部位50Aと接触部位50Bとのずれ量が大きいと推測できる。そのため、補正値導出処理によって、傾き検出値θsと傾き推定値θeとの差を基に、補正値CVが導出され、補正値CVが記憶部61に記憶される。
このように記憶部61に補正値CVが記憶されている状況下で媒体Mが搬送経路100に沿って搬送される場合、傾き推定処理では、記憶部61に記憶されている補正値CVを基に、傾き推定値θeが算出される。すなわち、搬送方向における接触部位50Aと接触部位50Bとの乖離を考慮して傾き推定値θeを算出できる。その結果、各電極41のうちの少なくとも一方の電極41の形状の変化に起因する傾き推定値θeの算出精度の低下を抑制できる。
(2)本実施形態で実行される傾き推定処理では、第1時点と第2時点とのうちの何れか一方が補正値CVに基づいて補正される。すなわち、第1時点と第2時点との時間差である経過時間Tが補正され、補正後の経過時間Tを用いて傾き推定値θeが算出される。これにより、搬送方向における接触部位50Aと接触部位50Bとの乖離を考慮して傾き推定値θeを算出できる。
(3)各電極41は、基台46から各繊維45が下方に延びる態様で構成されている。そのため、基台46から上方に各繊維45が延びる態様で各電極41が配置される場合と比較し、搬送経路100に沿って搬送される媒体Mに各電極41の各繊維45に接触させやすい。したがって、静電式検知センサー32A,32Bの媒体Mの検知精度を高くできる。
(4)検知センサー31よりも搬送方向の上流に各電極41が配置されている。そのため、搬送経路100に沿って搬送される媒体Mを、静電式検知センサー32A,32Bによって早期に検知できる。そのため、傾き推定値θeが傾き判定値θTh以上となる場合には、媒体Mの搬送を早期に中止させることができる。これにより、媒体Mを保護できる。
(5)記憶部61に補正値CVが記憶されている場合では、媒体Mの搬送の中止を判断する際には、補正値CVをも基づいて算出された傾き推定値θeが用いられる。そのため、搬送方向における接触部位50Aと接触部位50Bとの乖離が大きい場合において、本来は搬送を中止する必要がない程度の媒体Mの搬送経路100に対する傾きであるときに、媒体Mの搬送が不要に中止されることを抑制できる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・記憶部61は、不揮発性のメモリーによって構成されてもよい。この場合、記憶部61に記憶された補正値CVは、画像読取装置10の電源がオフになっても消去されない。そのため、その後に画像読取装置10の電源が再びオンにされた場合であっても、記憶部61に補正値CVが記憶されている。したがって、電源がオンにされて1枚目の媒体Mの搬送時であっても、記憶部61に補正値CVが記憶されている場合の傾き推定処理を実行するようにしてもよい。
なお、図8に示したようにステップS11の判定処理を実行する場合にあっては、記憶部61を不揮発性のメモリーで構成しなくてもよい。
・上記実施形態においてステップS25では、補正値CVを反映した傾き推定値θeの他、補正値CVを反映していない補正前傾き推定値θe1を算出している。そして、その後に実行されるステップS20では、補正前傾き推定値θe1を用いて補正値CVを新たに算出し、次のステップS21では当該補正値CVを記憶部61に記憶させている。しかし、ステップS25では、補正前傾き推定値θe1を算出しなくてもよい。この場合、その後に実行されるステップS20では、傾き推定値θeと傾き検出値θsとの差を基に、補正値CVの更新量ΔCVを算出するとよい。この場合、更新量ΔCVは、差が大きいほど大きくなるように算出される。そして、記憶部61に記憶されている補正値CVと更新量ΔCVとの和を、新たな補正値CVとして算出し、次のステップS21では当該補正値CVを記憶部61に記憶させるようにしてもよい。この場合であっても、上記実施形態と同等の効果を得ることができる。
・上記実施形態では、各接触部位50A,50Bのうち、搬送方向の上流に位置する接触部位と媒体Mとの接触タイミングが補正値CVに基づいて補正される。しかし、各接触部位50A,50Bのうち、搬送方向下流Xに位置する接触部位と媒体Mとの接触タイミングを、補正値CVに基づいて補正するようにしてもよい。
また、搬送方向における各接触部位50A,50Bの位置関係に拘わらず、各接触部位50A,50Bの中で媒体Mとの接触タイミングを補正する接触部位を固定してもよい。
・上記実施形態では、記憶部61に記憶されている補正値CVを用い、第1時点及び第2時点のうちの何れか一方の時点を補正している。しかし、補正値CVを用い、他のパラメータを補正するようにしてもよい。
例えば、各接触部位50A,50Bのうちの一方の接触部位の搬送方向における位置を、補正値CVに基づいて補正してもよい。この場合の補正処理について、図16及び図17を参照して説明する。すなわち、静電式検知センサー32Bの接触部位50Bを基準位置と見なし、接触部位50Bの座標を(0、0)とする。そして、静電式検知センサー32Aの接触部位50Aの座標を(Y1、0)とする。なお、「Y1」は、電極間距離Dyに応じた値である。
例えば図16に示すように媒体Mが搬送経路100に対して傾いている場合、静電式検知センサー32Aによって媒体Mが検知された後に、静電式検知センサー32Bによって媒体Mが検知される。そして、傾き推定処理によって傾き推定値θeが算出される。図16に示す例では、その後の傾き検出処理によって導出される傾き検出値θsの絶対値は、傾き推定値θeの絶対値よりも小さくなる。そのため、接触部位50Aが接触部位50Bよりも搬送方向の上流に位置することが把握される。
そこで、補正処理では、接触部位50Aの座標(Y1、0)における搬送方向の成分が下流側に補正される。すなわち、図17に示すように、接触部位50Aの座標が、(Y1、0)から(Y1、-X1)に補正される。補正値CVが大きいほど大きい値が「X1」として設定される。なお、こうした接触部位50Aの座標の補正は、記憶部61に補正値CVとともに記憶されている傾き検出値θs及び傾き推定値θeを用いて行われる。
すると、続いて実行される傾き推定処理では、例えば以下の関係式(式2)を用いて傾き推定値θeが算出される。この場合であっても、搬送方向における接触部位50Aと接触部位50Bとの乖離を考慮して傾き推定値θeを算出できる。
Figure 0007279583000002
・媒体Mの搬送量を検出できる場合、傾き推定処理では、2つの静電式検知センサー32A,32Bのうち、一方のセンサーが媒体Mを検知した第1時点から、他方のセンサーが媒体Mを検知した第2時点までの媒体Mの移動量Dxを基に傾き推定値θeを算出してもよい。この場合、例えば、以下の関係式(式3)を用いて傾き推定値θeが算出される。
Figure 0007279583000003
この場合、補正値CV、傾き推定値θe及び傾き検出値θsが記憶部61に記憶されている場合、第1時点から第2時点までの媒体Mの移動量Dxを、補正値CVに基づいて補正してもよい。
例えば図18に示すように媒体Mが搬送経路100に対して傾いていた場合、静電式検知センサー32Aによって媒体Mが検知された後に、静電式検知センサー32Bによって媒体Mが検知される。そして、傾き推定処理によって傾き推定値θeが算出される。図18に示す例では、その後の傾き検出処理によって導出される傾き検出値θsの絶対値は、傾き推定値θeの絶対値よりも小さくなる。そのため、接触部位50Aが接触部位50Bよりも搬送方向の上流に位置することが把握される。
そこで、次回以降での媒体Mの搬送時に実行される補正処理では、上記の移動量Dxが補正される。補正前の移動量Dxを、補正前移動量Dx1とする。搬送される媒体Mが再び図18に示すような態様で傾いていたとする。このような場合、導出された補正前移動量Dx1が減少補正される。この際の減少補正量ΔDxは、補正値CVが大きいほど大きい。具体的には、減少補正量ΔDxは、搬送方向における接触部位50Aと接触部位50Bとのずれ量に相当する。補正前移動量Dx1から減少補正量ΔDxを引いた値が補正後移動量Dx2となる。
このように補正後移動量Dx2が導出されると、続いて実行される傾き推定処理では、上記の関係式(式3)を用いて傾き推定値θeが算出される。この場合、関係式(式3)の「Dx」には、補正後移動量Dx2が代入される。この場合であっても、搬送方向における接触部位50Aと接触部位50Bとの乖離を考慮して傾き推定値θeを算出できる。
・媒体搬送装置20は、3つ以上の静電式検知センサーを備える構成であってもよい。この場合であっても、幅方向Yにおいて各電極41の位置が互いに異なるようにしてもよい。また、各電極41のうちの一部の電極41を、残りの電極41とは搬送方向において異なる位置に配置してもよい。
・給送ローラー21の回転によって媒体Mを搬送方向下流Xに搬送できるのであれば、媒体搬送装置20は、ニップ部22を備えなくてもよい。
・電荷検出回路42は、媒体Mから電極41に移動した電荷の量が多いほど大きな信号を出力できる回路であれば、図3に示した構成とは別の構成の回路であってもよい。
・記憶部61に補正値CVの大きさが所定の閾値以上であるときには、搬送方向における接触部位50Aと接触部位50Bとの乖離が大きすぎると判定し、媒体搬送装置20のメンテナンスを促す旨を報知するようにしてもよい。
・制御部60は、コンピュータープログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサー、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェアなどの1つ以上の専用のハードウェア回路又はこれらの組み合わせを含む回路として構成し得る。専用のハードウェアとしては、例えば、特定用途向け集積回路であるASICを挙げることができる。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROMなどのメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。メモリー、すなわち記憶媒体は、汎用又は専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)画像読取装置は、搬送経路に沿って搬送される媒体の画像を読み取る読取部と、前記読取部よりも前記搬送経路の上流に配置され、前記媒体を搬送すべく回転する給送ローラーと、前記搬送経路における前記給送ローラーと前記読取部との間に配置されており、且つ導電性を有する複数の電極と、複数の前記電極のうちの第1電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第1電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第1電荷検出回路と、複数の前記電極のうち、前記媒体の幅方向において前記第1電極とは異なる位置に配置される第2電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第2電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第2電荷検出回路と、前記第1電荷検出回路から出力される信号の変化、及び、前記第2電荷検出回路から出力される信号の変化を基に、前記搬送経路に対する前記媒体の傾きを傾き推定値として算出する傾き推定処理を実行する制御部と、を備える。前記第1電極及び前記第2電極は、導電性を有する複数本の繊維をそれぞれ有する。前記制御部は、前記読取部によって前記媒体の画像を読み取るときに、その読み取り結果を基に、前記搬送経路に対する当該媒体の傾きを傾き検出値として導出する傾き検出処理と、前記傾き検出値と前記傾き推定値との差が大きいほど大きくなるように補正値を導出し、当該補正値を記憶部に記憶する補正値導出処理と、を実行するようになっている。さらに、前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、当該補正値にも基づいて前記傾き推定値を算出する。
給送ローラーの回転によって媒体を搬送経路に沿って搬送する場合、媒体が給送ローラーに擦れるため、媒体と給送ローラーとの間に静電気が発生する。すなわち、媒体に電荷が付着する。そして、電荷が付着している媒体が搬送されていると、媒体に電極が接触する。すると、媒体から電極に電荷が移動し、電荷検出回路からは、媒体から電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号が出力される。そのため、制御部では、電荷検出回路から出力される信号の大きさの変化を基に、電極に媒体が接触しているか否かを判定できる。
第1電極及び第2電極は、複数本の繊維を含んでそれぞれ構成されている。そのため、第1電極及び第2電極は、それぞれ変形することがある。第1電極及び第2電極のうちの少なくとも一方の電極の形状が変化すると、媒体の搬送方向において、第1電極における媒体との接触部位である第1接触部位と、第2電極における媒体との接触部位である第2接触部位との位置関係が変わることがある。搬送方向における第1接触部位と第2接触部位との位置関係が変わると、傾き推定処理によって算出される傾き推定値の精度が低下するおそれがある。
そこで、上記構成では、読取部によって媒体の画像が読み取られたときには、傾き検出処理によって、そのときの読み取り結果を基に傾き検出値が導出される。傾き検出値と傾き推定値との乖離が大きいほど、第1電極及び第2電極のうちの少なくとも一方の電極の形状の変化度合いが大きいと推測できる。そのため、補正値導出処理によって、傾き検出値と傾き推定値との差を基に、補正値が導出され、当該補正値が記憶部に記憶される。
このように記憶部に補正値が記憶されている状況下で媒体が搬送経路に沿って搬送される場合、傾き推定処理では、記憶部に記憶されている補正値を基に、傾き推定値が算出される。すなわち、搬送方向における第1接触部位と第2接触部位との乖離を加味しつつ傾き推定値を算出できる。したがって、第1電極及び第2電極のうちの少なくとも一方の電極の形状の変化に起因する傾き推定値の算出精度の低下を抑制できる。
(B)画像読取装置の一態様において、前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合において、前記第1電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第1時点とし、前記第2電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第2時点としたとき、前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合、前記第1時点と前記第2時点との時間差が大きいほど大きくなるように前記傾き推定値を算出するようになっている。この場合、前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、前記第1時点及び前記第2時点の何れか一方の時点を前記補正値を用いて補正し、その上で前記時間差を導出し、当該時間差に基づいて前記傾き推定値を算出する。
上記構成によれば、傾き推定処理では、第1時点と第2時点との時間差を基に、傾き推定値が算出される。そして、記憶部に補正値が記憶されている場合における傾き推定処理では、第1時点と第2時点との何れか一方の時点が補正値によって補正される。例えば、一方の時点が、実際に電極に媒体が接触した時点よりも前の時点とされたり、実際に電極に媒体が接触した時点よりも後の時点とされたりする。すると、時間差が、補正値によって補正されたかたちとなる。そして、補正後の時間差に基づいて傾き推定値が算出される。すなわち、搬送方向における第1接触部位と第2接触部位との乖離を加味しつつ傾き推定値を算出できる。
(C)画像読取装置の一態様において、前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、前記第1電極の先端が前記第2電極の先端よりも前記搬送方向の上流に位置するときには前記第1時点を前記補正値を用いて補正する一方、前記第2電極の先端が前記第1電極の先端よりも前記搬送方向の上流に位置するときには前記第2時点を前記補正値を用いて補正する。
媒体は、搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて搬送される。そのため、電極を構成する繊維は、その先端が搬送方向の下流に変位する態様で変形しやすい。言い換えると、繊維の先端が搬送方向の上流に変位することは、何らかの異常が発生している可能性がある。
上記構成では、記憶部に補正値が記憶されている場合の傾き推定処理では、第1電極及び第2電極のうち、先端が搬送方向の上流に位置する電極が検出される。このように検出された電極では、各繊維の先端が、初期位置よりも搬送方向における上流に変位しているおそれがある。初期位置とは、画像読取装置が製造された時点での各繊維の先端の搬送方向における位置である。そして、検出された電極で媒体を検知した時点が補正値に基づいて補正される。
(D)画像読取装置の一態様において、前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合において、前記第1電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第1時点とし、前記第2電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第2時点としたとき、前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合、前記第1時点と前記第2時点との時間差が大きいほど大きくなるように前記傾き推定値を算出するようになっている。この場合、前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、前記第1電極及び前記第2電極の何れか一方の電極の前記搬送方向における位置を前記補正値を用いて補正し、その上で前記媒体の傾きの推定値を算出する。
上記構成によれば、記憶部に補正値が記憶されている場合における傾き推定処理では、第1接触位置と第2接触位置とのうちの何れか一方の接触位置の搬送方向における位置が、補正値によって補正される。例えば、一方の接触位置が、諸元から設定されている接触位置よりも搬送方向上流に補正されたり、諸元から設定されている接触位置よりも搬送方向下流に補正されたりする。すると、第1時点と第2時点とのうち、一方の接触位置に対応する時点が、補正値によって補正されたかたちとなる。その結果、上記の時間差が、補正値によって補正されたかたちとなる。そして、補正後の時間差に基づいて傾き推定値が算出される。すなわち、搬送方向における第1接触部位と第2接触部位との乖離を加味しつつ傾き推定値を算出できる。
(E)画像読取装置の一態様において、前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合において、前記第1電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第1時点とし、前記第2電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第2時点としたとき、前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合、前記第1時点と前記第2時点までの前記媒体の移動量が多いほど大きくなるように前記傾き推定値を算出するようになっている。この場合、前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、前記第1時点から前記第2時点までの前記媒体の移動量を前記補正値を用いて補正し、その上で補正後の前記移動量を基に前記傾き推定値を算出する。
上記構成によれば、傾き推定処理では、第1時点から第2時点までの媒体の移動量を基に、傾き推定値が算出される。そして、記憶部に補正値が記憶されている場合における傾き推定処理では、第1時点から第2時点までの媒体の移動量が補正値によって補正される。そして、補正後の移動量に基づいて傾き推定値が算出される。すなわち、搬送方向における第1接触部位と第2接触部位との乖離を加味しつつ傾き推定値を算出できる。
(F)画像読取装置の一態様において、前記第1電極及び前記第2電極は、基台をそれぞれ有するとともに、前記基台から前記各繊維が垂れるようにそれぞれ構成されている。
上記構成によれば、搬送経路に沿って搬送される媒体を、電極を構成する各繊維に接触させやすい。
(G)画像読取装置の一態様は、前記媒体の端を検知するものであり、前記搬送経路において前記給送ローラーと前記読取部との間に配置されている検知センサーを備える。この場合、前記第1電極及び前記第2電極は、前記搬送経路における前記検知センサーと前記給送ローラーとの間にそれぞれ配置されている。
上記構成によれば、検知センサーよりも搬送方向の上流に第1電極及び第2電極がそれぞれ配置されている。そのため、搬送経路に沿って搬送される媒体を、電極によって早期に検知できる。
(H)画像読取装置の一態様において、前記制御部は、前記傾き推定値が傾き判定値以上であるときには、当該媒体の搬送を中止する。
上記構成によれば、搬送経路に対する媒体の傾きが大きい場合、媒体の一部が搬送経路の外側に逸脱し、媒体が破損するおそれがある。そこで、傾き推定値が傾き判定値以上であるときには、媒体の搬送が中止される。これにより、媒体を保護できる。
(I)画像読取装置における媒体の傾き算出方法は、搬送経路に沿って搬送される媒体の画像を読み取る読取部と、前記読取部よりも前記搬送経路の上流に配置され、前記媒体を搬送すべく回転する給送ローラーと、前記搬送経路における前記給送ローラーと前記読取部との間に配置されており、且つ導電性を有する複数の電極と、複数の前記電極のうちの第1電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第1電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第1電荷検出回路と、複数の前記電極のうち、前記媒体の幅方向において前記第1電極とは異なる位置に配置される第2電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第2電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第2電荷検出回路と、を備え、前記第1電極及び前記第2電極が、導電性を有する複数本の繊維をそれぞれ有する画像読取装置に適用される方法である。当該方法では、前記画像読取装置の制御部に、前記第1電荷検出回路から出力される信号の変化、及び、前記第2電荷検出回路から出力される信号の変化を基に、前記搬送経路に対する前記媒体の傾きを傾き推定値として算出する傾き推定ステップと、前記読取部によって前記媒体の画像を読み取るときに、その読み取り結果を基に、前記搬送経路に対する当該媒体の傾きを傾き検出値として導出する傾き検出ステップと、前記傾き検出値と前記傾き推定値との差が大きいほど大きくなるように補正値を導出し、当該補正値を記憶部に記憶させる補正値導出ステップと、を実行させるようになっている。さらに、前記傾き推定ステップでは、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、当該補正値にも基づいて前記傾き推定値を算出する。この構成によれば、上記画像読取装置と同等の効果を得ることができる。
M…媒体、Ma…先端、10…画像読取装置、10A…筐体、11…媒体保持部、12…第1読取部、13…第2読取部、20…媒体搬送装置、21…給送ローラー、22…ニップ部、25…駆動モーター、31…検知センサー、32…静電式検知センサー、32A…静電式検知センサー、32B…静電式検知センサー、41…電極、42…電荷検出回路、42B…ベース、42C…コレクタ、42E…エミッタ、45…繊維、46…基台、47…配線、48…配線、50A…接触部位、50B…接触部位、60…制御部、61…記憶部、100…搬送経路、231…搬送ローラー、232…搬送ローラー、241…排出ローラー、242…排出ローラー、421…バイポーラトランジスタ、422…抵抗。

Claims (9)

  1. 搬送経路に沿って搬送される媒体の画像を読み取る読取部と、
    前記読取部よりも前記搬送経路の上流に配置され、前記媒体を搬送すべく回転する給送ローラーと、
    前記搬送経路における前記給送ローラーと前記読取部との間に配置されており、且つ導電性を有する複数の電極と、
    複数の前記電極のうちの第1電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第1電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第1電荷検出回路と、
    複数の前記電極のうち、前記媒体の幅方向において前記第1電極とは異なる位置に配置される第2電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第2電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第2電荷検出回路と、
    前記第1電荷検出回路から出力される信号の変化、及び、前記第2電荷検出回路から出力される信号の変化を基に、前記搬送経路に対する前記媒体の傾きを傾き推定値として算出する傾き推定処理を実行する制御部と、を備え、
    前記第1電極及び前記第2電極は、導電性を有する複数本の繊維をそれぞれ有し、
    前記制御部は、
    前記読取部によって前記媒体の画像を読み取るときに、その読み取り結果を基に、前記搬送経路に対する当該媒体の傾きを傾き検出値として導出する傾き検出処理と、
    前記傾き検出値と前記傾き推定値との差が大きいほど大きくなるように補正値を導出し、当該補正値を記憶部に記憶する補正値導出処理と、を実行するようになっており、
    前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、当該補正値にも基づいて前記傾き推定値を算出する
    ことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合において、前記第1電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第1時点とし、前記第2電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第2時点としたとき、
    前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合、前記第1時点と前記第2時点との時間差が大きいほど大きくなるように前記傾き推定値を算出するようになっており、
    前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、前記第1時点及び前記第2時点のうち一方の時点を前記補正値を用いて補正し、その上で前記時間差を導出し、当該時間差に基づいて前記傾き推定値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、前記第1電極の先端が前記第2電極の先端よりも前記搬送方向の上流に位置するときには前記第1時点を前記補正値を用いて補正する一方、前記第2電極の先端が前記第1電極の先端よりも前記搬送方向の上流に位置するときには前記第2時点を前記補正値を用いて補正する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合において、前記第1電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第1時点とし、前記第2電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第2時点としたとき、
    前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合、前記第1時点と前記第2時点との時間差が大きいほど大きくなるように前記傾き推定値を算出するようになっており、
    前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、前記第1電極及び前記第2電極の何れか一方の電極の前記搬送方向における位置を前記補正値を用いて補正し、その上で前記傾き推定値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  5. 前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合において、前記第1電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第1時点とし、前記第2電荷検出回路から出力される信号の大きさが検出判定値以上になる時点を第2時点としたとき、
    前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記搬送経路に沿って搬送方向の上流から下流に向けて前記媒体が搬送される場合、前記第1時点と前記第2時点までの前記媒体の移動量が多いほど大きくなるように前記傾き推定値を算出するようになっており、
    前記制御部は、前記傾き推定処理では、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、前記第1時点から前記第2時点までの前記媒体の移動量を前記補正値を用いて補正し、その上で補正後の前記移動量を基に前記傾き推定値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  6. 前記第1電極及び前記第2電極は、基台をそれぞれ有するとともに、前記基台から前記各繊維が垂れるようにそれぞれ構成されている
    ことを特徴とする請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の画像読取装置。
  7. 前記媒体の端を検知するものであり、前記搬送経路において前記給送ローラーと前記読取部との間に配置されている検知センサーを備え、
    前記第1電極及び前記第2電極は、前記搬送経路における前記検知センサーと前記給送ローラーとの間にそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項1~請求項6のうち何れか一項に記載の画像読取装置。
  8. 前記制御部は、前記傾き推定値が傾き判定値以上であるときには、当該媒体の搬送を中止する
    ことを特徴とする請求項1~請求項7のうち何れか一項に記載の画像読取装置。
  9. 搬送経路に沿って搬送される媒体の画像を読み取る読取部と、
    前記読取部よりも前記搬送経路の上流に配置され、前記媒体を搬送すべく回転する給送ローラーと、
    前記搬送経路における前記給送ローラーと前記読取部との間に配置されており、且つ導電性を有する複数の電極と、
    複数の前記電極のうちの第1電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第1電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第1電荷検出回路と、
    複数の前記電極のうち、前記媒体の幅方向において前記第1電極とは異なる位置に配置される第2電極に前記媒体が接触したときに、当該媒体から当該第2電極への電荷の移動量に応じた大きさの信号を出力する第2電荷検出回路と、を備え、
    前記第1電極及び前記第2電極が、導電性を有する複数本の繊維をそれぞれ有する画像読取装置に適用され、
    前記画像読取装置の制御部に、
    前記第1電荷検出回路から出力される信号の変化、及び、前記第2電荷検出回路から出力される信号の変化を基に、前記搬送経路に対する前記媒体の傾きを傾き推定値として算出する傾き推定ステップと、
    前記読取部によって前記媒体の画像を読み取るときに、その読み取り結果を基に、前記搬送経路に対する当該媒体の傾きを傾き検出値として導出する傾き検出ステップと、
    前記傾き検出値と前記傾き推定値との差が大きいほど大きくなるように補正値を導出し、当該補正値を記憶部に記憶させる補正値導出ステップと、を実行させるようになっており、
    前記傾き推定ステップでは、前記記憶部に前記補正値が記憶されている場合、当該補正値にも基づいて前記傾き推定値を算出する
    ことを特徴とする画像読取装置における媒体の傾き算出方法。
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