JP2006163097A - ベルト搬送装置および画像形成装置 - Google Patents

ベルト搬送装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 無端ベルトの破損を抑制しながら、無端ベルトの蛇行を検出する。
【解決手段】 無端ベルトとしての二次転写搬送ベルト21は、転写ロールを兼ねる駆動ロール22および従動ロール23に回動可能に張架支持される。二次転写搬送ベルト21を挟んで駆動ロール22と対向する位置には、ファーブラシ24が接触配置されている。ファーブラシ24には電源が接続され、駆動ロール22は接地される。ファーブラシ24に電源にてバイアスを印加することにより、二次転写ベルト21に付着した残留トナー等をファーブラシ24に静電吸着する。また、二次転写搬送ベルト21が蛇行した場合にはファーブラシ24および駆動ロール22が直接接触する領域Sが形成されることから、ファーブラシ24および駆動ロール22を流れる電流の大きさを測定することで、二次転写搬送ベルト21の蛇行を検出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば無端ベルトを用いて用紙やトナー像を搬送するベルト搬送装置等に係り、特に、回動する無端ベルトの蛇行を検出する機能を備えたベルト搬送装置等に関する。
近年、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、カラー画像を高速且つ高画質に形成することを目的として、所謂フルカラーのタンデム機が提案されている。このタンデム機の代表的なものとしては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニットを互いに並列的に配置し、これらの各画像形成ユニットにて順次形成されるイエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルト上に一旦、多重に転写(一次転写)した後、この中間転写ベルトから記録材(用紙)上に一括して転写(二次転写)し、この記録材上に形成されたトナー像を定着することによって、フルカラーや白黒(モノクロ)の画像を形成するものが挙げられる。
ここで、従来技術として、中間転写ベルトに二次転写ロールを対峙させ、この二次転写ロールが配置された二次転写部にて、中間転写ベルトから記録材に対してトナー像を転写する技術が広く採用されている。しかしながら、二次転写ロールを中間転写ベルトに当接させて、搬送される記録材に二次転写を行う際、薄紙コート紙などが搬送されると、この二次転写ロール側に記録材が巻きついてしまい、ジャムなどのトラブルを引き起こす場合があった。そこで、例えばタンデム機における二次転写部にて、記録材を搬送させる転写ベルトを中間転写ベルトに圧接配置させ、また、この二次転写部における転写ロールとして、転写ベルトを張架する張架ロールを用いて中間転写ベルトに転写ベルトを圧接配置させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。かかる技術では、例えば転写ベルトに記録材を静電吸着させて転写/搬送し、曲率が小さい張架ロール位置にて記録材を転写ベルトから剥離するように構成することで、例えば薄紙コート紙での剥離トラブルの発生を防止することができる。
ところで、張架ロールに張架された転写ベルトは、張架ロール同士の平行度、張架ロールの円柱精度、転写ベルト両端側の周長差等に起因して、回動時に搬送方向と直交する方向(張架ロールの軸方向に相当)に移動する所謂蛇行現象が生ずることがある。このような蛇行現象が生じると、例えば転写ベルトの端面が装置に設けられたフレームに擦られることによって無端ベルトが破断してしまったり、あるいは、転写ベルトが張架ロールから外れてしまったりするという問題が生じ得る。
そこで、転写ベルト等の無端ベルトの端縁近傍にリミットスイッチを設け、リミットスイッチによって所定時間以上無端ベルトの存在が検知された場合に無端ベルトが蛇行したものとして検出する技術が開示されている(特許文献2参照。)。また、無端ベルトの側端部近傍にセンサを取り付ける一方、無端ベルトの側端部にマーキングを施し、このマーキングを一定時間以上センサが検出した場合に、無端ベルトが蛇行したものとして検出する技術も存在する。
特開平10−319741号公報(第4−6頁、図2) 特開平1−281237号公報(第2−4頁、第3図)
しかしながら、上記特許文献2では、無端ベルトがリミットスイッチに接触することにより無端ベルトの蛇行を検出しているため、ベルトが蛇行した際に無端ベルトの側端が擦られてしまう。無端ベルトの側端が擦られると、無端ベルトが傷つけられたり、あるいは、破断してしまったりするおそれがある。また、無端ベルトの蛇行を検出するためのリミットスイッチを別個設けなければならないため、装置構成が複雑化する他、かかるコストも嵩んでしまうという問題が生じる。特に、上述した転写ベルトの場合、転写ベルトの周囲には、中間転写ベルト、二次転写ロールや転写ベルトの外周面に付着したトナーや紙粉等の異物を取り除くクリーナ等が設けられるため、スペース的な制約があり、新たにリミットスイッチやセンサなどを装着しようとすると、装置が大型化してしまうという問題もある。
他方、無端ベルトにマーキングとして例えば反射シールを貼り付けるような場合には、経時的な劣化によって無端ベルトから反射シールが剥がれてしまうおそれがある。そして、反射シールが剥がれてしまった後は、無端ベルトの蛇行が検出できなくなってしまうことになる。
なお、このような問題は、上述した転写ベルトに限られるものではなく、例えば画像形成装置における中間転写ベルトや使用される他の無端ベルトにおいても同様に生じ得るものである。
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、無端ベルトの破損を抑制しながら、無端ベルトの蛇行を検出することにある。
また、他の目的は、また、装置構成の簡略化、小型化を図りながら、無端ベルトの蛇行を検出することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用されるベルト搬送装置は、回動可能に配設される無端ベルトと、無端ベルトの外周面に接触配置される第1の部材と、無端ベルトを挟んで第1の部材と対向し且つ無端ベルトの内周面に接触配置される第2の部材と、第1の部材と第2の部材との間に所定のバイアスを印加する電源とを備え、第1の部材および第2の部材を流れる電流の大きさの変化によって第1の部材および第2の部材の接触を検出し、無端ベルトの蛇行を検出することを特徴としている。
ここで、電源は、バイアスとして一定値の電圧を印加し、第1の部材および第2の部材に流れる電流の大きさが所定の閾値を超えたときに、無端ベルトの蛇行を検出することを特徴とすることができる。
また、本発明が適用される画像形成装置は、トナー像が担持される像担持体と、像担持体に接触配置され、像担持体に担持されたトナー像を記録材に対して転写せしめる転写ベルトと、転写ベルトの外周面に接触配置され、転写ベルトの外周面に付着した異物を除去する清掃部材と、転写ベルトを挟んで清掃部材と対向し且つ転写ベルトの内周面に接触配置される対向部材と、清掃部材と対向部材との間に異物を静電吸着させるための清掃バイアスを印加する清掃電源と、清掃部材および対向部材を流れる電流の大きさに基づいて転写ベルトの蛇行を検出する蛇行検出部とを含んでいる。
ここで、清掃部材は、回転可能に配設される導電性ブラシからなることを特徴とすることができる。また、転写ベルトは5logΩ以上の抵抗値を有していることを特徴とすることができる。さらに、対向部材は9logΩ以下の抵抗値を有していることを特徴とすることができる。
さらに、他の観点から捉えると、本発明が適用される画像形成装置は、トナー像が担持される像担持体と、像担持体に接触配置され、像担持体に担持されたトナー像を記録材に対して転写せしめる転写ベルトと、転写ベルトを挟んで像担持体に圧接配置される転写部材と、像担持体と転写部材との間にトナー像を転写するための転写バイアスを印加する転写電源と、像担持体および転写部材を流れる電流の大きさに基づいて転写ベルトの蛇行を検出する蛇行検出部とを含んでいる。
ここで、蛇行検出部は、像担持体と転写ベルトとの間に記録材が挿通されていないときに、転写ベルトの蛇行を検出することを特徴とすることができる。
本発明によれば、無端ベルトの蛇行を電流の変化として検出するようにしたので、無端ベルトの破損を抑制しながら、無端ベルトの蛇行を検出することができる。
また、本発明によれば、清掃部材(あるいは転写部材)に印加されるバイアスを利用して電流の変化を検出するようにしたので、装置構成の簡略化、小型化を図りながら、無端ベルトの蛇行を検出することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
―実施の形態1―
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置を示す概略構成図である。同図に示す画像形成装置は、所謂タンデム型の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させる中間転写ベルト15を備えている。また画像形成装置は、中間転写ベルト15上に転写された重ね画像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置20、二次転写された画像を記録材としての用紙P上に定着させる定着装置30を備えている。また、各装置の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、矢印A方向に回転する感光体ドラム11、感光体ドラム11の周囲に配設され、これらの感光体ドラム11が帯電される帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像が書込まれるレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)を備えている。また、画像形成ユニット10は、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16を備えている。さらに、画像形成ユニット10は、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ17を備えている。これらの画像形成ユニット10は、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に配置されている。
また、中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の導電剤を適当量含有させたものが用いられ、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度のフィルム状の無端ベルトで構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)可能に構成されている。これら各種ロールとして、図示しないモータにより駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する機能を備えたテンションロール32、中間転写ベルト15を支持し、一定の張力を与える従動ロール33、二次転写する部分に設けられたバックアップロール(支持ロール)28が設けられている。
各感光体ドラム11に対向して設けられたIBTモジュール18において、略直線状に延びる中間転写ベルト15の内側に設けられる各一次転写ロール16には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重ねトナー像が形成されるようになっている。
二次転写装置20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写搬送ベルト21を備えている。その対向ロールとしてのバックアップロール28は、表面にカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブで、内部はEPDMゴムからなり、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□でロール径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば70度(アスカーC)に設定されている。バックアップロール28は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写搬送ベルト21の対向電極をなしている。そして、バックアップロール28には、二次転写バイアスを安定的に印加させるためのステンレス製でロール径が14mmの給電ロール29が当接配置されている。
一方、二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22と従動ロール23とによって張架された、例えば体積抵抗率が10〜1010Ω(6〜10logΩ)の半導電性の無端環状ベルトであり、100%伸張モジューラスが3.8MPaの材料が使用されている。この二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22によって所定の速度で搬送され、また、駆動ロール22と従動ロール23とによって所定のテンションが与えられている。
ここで、駆動ロール22は、二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール28に圧接配置され、二次転写搬送ベルト21上に搬送される用紙Pに対して二次転写を施すための二次転写ロールとして機能している。また、バックアップロール28と駆動ロール22との圧力状態を変えることで二次転写部の当接状態を変えることができ、アライメント調整、画像平行度の調整を行うことができる。本実施の形態において、駆動ロール22は、体積抵抗が10Ω(9logΩ)以下でロール径が28mmの半導電性ゴムにて構成される。半導電性ゴムとしては、例えばEPDMからなる発泡ゴムにカーボンブラックを適量含有させたものが用いられる。一方、従動ロール23は、例えばゴム材にて構成され、その直径は、薄紙コート紙などが搬送された場合であっても二次転写搬送ベルト21に巻きつかない程度に、小さな径が採用されている。
さらに、二次転写搬送ベルト21には、中間転写ベルト15と当接する二次転写部の上流側近傍に、導電性のファーブラシ24及び回収ロール26を備えたクリーニング装置60と、導電性のファーブラシ25及び回収ロール27を備えたクリーニング装置70とが配置されている。導電性のファーブラシ24,25は、二次転写搬送ベルト21に接触して配置され、二次転写搬送ベルト21に付着したトナーや紙粉等の異物(汚れ)を除去する。回収ロール26,27は、ファーブラシ24,25に隣接して配置され、ファーブラシ24,25で除去された異物(汚れ)を回収する。
また、バックアップロール28の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングするベルトクリーナ41が中間転写ベルト15に対して接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット10Yの上流側には、各画像形成ユニット10における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)43が配置されている。この基準センサ43は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生し、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット10は画像形成を開始するように構成されている。また、黒の画像形成ユニット10Kの下流側には、各画像形成ユニット10によって形成される画像の画質調整を行うための画像濃度センサ42が配設されている。
更に、画像形成装置には、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50と、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51とが設けられている。また、ピックアップロール51にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52と、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写装置20による二次転写位置へと送り込む搬送シュート53とを備えている。さらに、二次転写後の用紙Pを定着装置30へと搬送する搬送ベルト54,55と、搬送ベルト54,55間で用紙Pを案内するシュート56とを備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図1に示す画像形成装置に入力される。画像形成装置では、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット10等によって作像作業が実行される。画像処理装置(IPS)では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部にて、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部において、一次転写ロール16にて中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性の電圧が付加され、未定着トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせられて一次転写が行われる。このようにして一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写装置20に搬送される。
一方、用紙搬送系では、画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写装置20に到達する。この二次転写装置20に到達する前に、搬送シュート53が、二次転写搬送ベルト21の上昇動作(アドバンス動作)に連動して上昇し、二次転写装置20への搬送路を形成している。用紙Pは一旦停止され、前述のようにしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写装置20では、用紙Pへの二次転写のタイミングに合わせ、半導電性の二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15が間に挟まれた状態にて駆動ロール22がバックアップロール28に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に挟み込まれる。かかる際に、給電ロール29にトナーの帯電極性と同極性の電圧(正規の転写バイアス)が印加されると転写電界が形成される。そして形成された転写電界により、駆動ロール22とバックアップロール28とによって押圧される二次転写位置にて、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像が用紙Pに静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写搬送ベルト21の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト54まで一定速度で搬送される。搬送ベルト54の終端まで搬送された用紙Pは、シュート56を介して搬送ベルト55に移送される。搬送ベルト55では、定着装置30における最適な搬送速度に合わせて速度を変え、用紙Pを定着装置30まで搬送する。用紙P上の未定着トナー像は、定着装置30によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着され、定着画像が形成された用紙Pは、排出ロール(図示せず)によって装置の外部に排出される。一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、ベルトクリーナ41によって中間転写ベルト15上から除去される。
図2は、図1に示す二次転写搬送ベルト21周辺の構成を示した図である。同図に示すように、二次転写搬送ベルト21(転写ベルト、無端ベルト)を駆動する駆動ロール22(第2の部材、対向部材)は、中間転写ベルト15(像担持体)を挟んでバックアップロール28を押圧するように構成され、中間転写ベルト15に担持されたトナー像を用紙Pに二次転写するための転写ロールとしても機能している。また、駆動ロール22及び従動ロール23は共に接地されており、二次転写搬送ベルト21を挟んでファーブラシ24,25(第1の部材、清掃部材)に隣接する駆動ロール22は、クリーニング装置60,70の対向電極としても機能する。本実施の形態では、駆動ロール22にクリーニング装置60,70の対向電極としての機能を持たせる目的で、駆動ロール22の体積抵抗を10Ω(9logΩ)以下としている。また、張架される二次転写搬送ベルト21が蛇行(ウォーク)しにくいようにするために、駆動ロール22の硬度をアスカーCで25°以上にしている。硬度が低すぎて柔らかすぎると、二次転写搬送ベルト21のウォークによってシワが発生し、ファーブラシ24,25によるクリーニングが不完全となることを考慮して、駆動ロール22の硬度を規定している。
また、クリーニング装置60(70)において、ファーブラシ24(25)は、例えば導電性ナイロンにて構成され、その径は17mmに、その体積抵抗率は10〜10Ω・cmの範囲より適宜設定される。そして、回収ロール26(27)は、例えば導電性フェノール樹脂にて構成され、そのロール径は16mmに、その体積抵抗率は10〜10Ω・cmの範囲より適宜設定される。そして、回収ロール26(27)には、回収ロール26(27)に付着した異物を除去するためのスクレーパ61(71)がカウンタ方向に当接配置されている。このスクレーパ61(71)は、例えば厚さ0.mm程度のステンレス板にて構成されている。
そして、中間転写ベルト15の回転方向上流側に位置するクリーニング装置60とその下流側に位置するクリーニング装置70とには、互いに異なる極性のバイアスが印加されている。すなわち、転写後に二次転写搬送ベルト21に残ったトナーや紙粉は異なる極性に帯電している可能性があることから、クリーニング装置60には、マイナスに帯電しているトナーを吸着するために正極性のバイアスが印加され、クリーニング装置70には、プラスに帯電しているトナーを吸着するために負極性のバイアスが印加されている。
また、クリーニング装置60において、ファーブラシ24と回収ロール26とバイアスの大きさが異なるように正極性が印加されている。すなわち、ファーブラシ24には、電源72にて小さいバイアスが印加され、回収ロール26は、電源73にてより大きいバイアスが印加される。一方、クリーニング装置70において、ファーブラシ25と回収ロール27とでバイアスの大きさが異なるよう負極性が印加されている。すなわち、ファーブラシ25には、電源74にてより小さいバイアスが印加され、回収ロール27には電源75にてより大きいバイアスが印加される。このように、回収ロール26,27に印加するバイアスをファーブラシ24,25に印加するバイアスよりも大きい値とすることで、ファーブラシ24,25で回収されたトナーを回収ロール26,27へと円滑に転移させることができ、ファーブラシ24,25によるクリーニング能力を維持している。なお、これら電源72,74は、清掃電源として機能している。
また、図2に示すように、電源72にて印加されたバイアスによってファーブラシ24に流れる電流値を測定する電流測定部76が設けられている。本実施の形態では、この電流測定部76によって測定された電流値に基づいて、制御部40(蛇行検出部)で二次転写搬送ベルト21のウォーク(蛇行)の有無を判断するのであるが、その詳細については後述する。
さらに、本実施の形態では、制御部40が、クリーニング装置60およびクリーニング装置70に印加するバイアスの極性を、所定のプリントサイクルごとに反転させるように構成している。トナーは通常どちらか一方の極性を有しており、現像装置14においてトナーを負極性に帯電させている場合には、マイナスに帯電しているトナーがプラスに帯電しているトナーよりも多くなる。このため、まずクリーニング装置60でマイナスに帯電している多くのトナーを除去した後に、プラスに帯電している比較的量の少ないトナーをクリーニング装置70により除去することになる。すると、クリーニング装置60のトナー除去量の方がクリーニング装置70のトナー除去量よりも多いため、図示しないトナー回収ボックスに堆積する異物の増加割合は、クリーニング装置70よりもクリーニング装置60のほうが大きい。かかる事情を考慮し、所定のプリントサイクルごとに、クリーニング装置60とクリーニング装置70との極性を互いに反転させることで、トナー回収ボックス内の堆積を均一化することができ、トナー回収ボックスの容量を有効に使用できるようにしている。
図2に示すように、バックアップロール28に当接配置されている給電ロール29には、転写バイアス印加装置80が設けられている。すなわち、転写バイアスをバックアップロール28側から印加されている。なお、上述したように、駆動ロール22は接地されている。
このように構成したのは次の理由による。駆動ロール22側から転写用のバイアスを印加すると、駆動ロール22は、電位を有することになるため、クリーニング装置60,70の対向電極としての機能を果たすことができない。その一方で、中間転写ベルト15の内面側に位置するバックアップロール28側から転写用のバイアスを印加し、駆動ロール22を接地すれば、1つのロールで転写ロールとクリーニング装置の対向電極を共用することが可能になり、装置構成を簡易なものとすることができる。
転写バイアス印加装置80は、制御部40によって印加する転写バイアスの極性を正極性または負極性に切り換えることができるように構成されている。通常は、転写バイアスとしてトナーの極性と同極性である負極性のバイアスが印加されているが、用紙Pが走行していないとき(非通紙時)には、その逆の極性である正極性のバイアスが印加されるようになっている。例えば用紙詰まり(ジャム)が発生して多量のトナーが二次転写搬送ベルト21に転移したときには、クリーニング装置60,70だけでは対応することができないことから、第3のクリーニング装置として、中間転写ベルト15用のベルトクリーナ41(図1参照)を利用する。すなわち、用紙詰まり等が生じたときには制御部40が転写バイアス印加装置80に転写バイアスとは逆の極性である正極性のバイアスを印加するように信号を送り、これにより、二次転写搬送ベルト21から中間転写ベルト15にトナーが転移し、中間転写ベルト15に転移したトナーは、ベルトクリーナ41によっても除去回収されることになる。このようにして、二次転写搬送ベルト21の表面をより確実にクリーニングすることが可能になる。
ここで、図3は、図2のIII−III断面図を示している。本実施の形態において、中間転写ベルト15および二次転写搬送ベルト21の移動方向に直交する方向の長さ(幅)は、略同一に設定されている。そして、その大きさは、例えばこの画像形成装置で使用可能な最大幅の用紙P(例えばA3SEF)よりも大きくなるように設定される。また、バックアップロール28,駆動ロール22,ファーブラシ24,および回収ロール26の移動方向に直交する方向の長さ(幅)も、略同一に設定されている。ただし、これらバックアップロール28,駆動ロール22,ファーブラシ24,および回収ロール26の幅は、この画像形成装置で使用可能な最大幅の用紙よりもわずかに大きく、且つ、上述した中間転写ベルト15および二次転写搬送ベルト21の幅よりも小さくなるように設定されている。
そして、画像形成装置の製造時には、駆動ロール22の軸方向中央部と二次転写搬送ベルト21の移動方向に直交する方向中央部とが一致するように、二次転写搬送ベルト21が駆動ロール22に巻き回され、セットされる。これにより、通常の状態では、転写ロール22の軸方向両端が、図3に示すように、二次転写搬送ベルト21の両端よりも内側となるように配置される。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置における特徴点である、二次転写搬送ベルト21の蛇行検出について詳細に説明する。なお、二次転写搬送ベルト21の蛇行検出は、用紙Pが二次転写装置20に挿通(搬入)されない状態、つまり、非通紙時に行われる。
通常時すなわち二次転写搬送ベルト21が蛇行していない場合、二次転写搬送ベルト21は図3に示す状態になっている。これを具体的に説明すると、二次転写搬送ベルト21の移動方向に直交する方向両端は、駆動ロール22の軸方向両端よりも外側にあり、且つ、ファーブラシ24の軸方向両端よりも外側にある。このとき、電源72によってファーブラシ24にバイアスが印加されると、ファーブラシ24、二次転写搬送ベルト21、および駆動ロール22を介して電流が流れる。つまり、この場合には、ファーブラシ24、二次転写搬送ベルト21、および駆動ロール22の合成抵抗に見合った電流値が電流測定部76によって測定されることになる。
一方、二次転写搬送ベルト21が蛇行した場合、二次転写搬送ベルト21は図4に示す状態となる。すなわち、二次転写搬送ベルト21の移動方向に直交する方向の一端が、駆動ロール22の軸方向一端よりも内側になり、且つ、ファーブラシ24の軸方向一端よりも内側になる。すると、図4に示すように、駆動ロール22とファーブラシ24とが二次転写搬送ベルト21を介さずに直接接触する領域Sが生じることになる。このとき、電源72によってファーブラシ24にバイアスが印加されると、電流は抵抗がより低いところを流れるために、ファーブラシ24および駆動ロール22を介して電流が流れる。つまり、この場合には、ファーブラシ24および駆動ロール22の合成抵抗に見合った電流値が電流測定部76によって測定されることになる。
当然のことながら、同じ大きさのバイアス(ここでは電圧)を印加したとすると、二次転写搬送ベルト21に蛇行が生じたときに電流測定部76で測定される電流値の大きさは、二次転写搬送ベルト21に蛇行が生じていないときに電流測定部76で測定される電流値をよりも大幅に大きくなる。このため、電流測定部76によって測定される電流値の大きさを制御部40で監視することにより、二次転写搬送ベルト21の蛇行の有無を検出することが可能になる。
そして、制御部40によって二次転写搬送ベルト21の蛇行が検出された場合には、例えば実行中の画像形成動作を緊急停止させ、また、図示しないユーザインタフェース(UI)にトラブルが発生した旨の表示を行わせるようにすればよい。このようにすることで、蛇行による二次転写搬送ベルト21の破断や駆動ロール22,従動ロール23から外れてしまうといった事態を回避することができる。
次に、本発明者が行った実験について説明する。本発明者は、本実施の形態に係る画像形成装置を用い、二次転写搬送ベルト21の蛇行の程度とファーブラシ24を介して駆動ロール22に流れる電流との関係について調査を行った。なお、この実験では、二次転写搬送ベルト21の幅を駆動ロール22の幅よりも10mm大きくし、二次転写搬送ベルト21の両端を駆動ロール22の両端よりもそれぞれ5mmずつ外側に位置するように配置した。そして、二次転写搬送ベルト21の位置を幅方向にずらしながら、流れる電流値を測定した。
図5は、実験によって得られた結果を示している。ここで、横軸の距離とは、二次転写搬送ベルト21の一側端と駆動ロール22の一側端との距離を意味しており、初期状態においては上述したように5mmである。また、距離が0mmであるということは、二次転写搬送ベルト21の一側端と駆動ロール22の一側端とが重なった状態にあるということになる。図5より、距離が0mmを下回る(マイナスになる)と、流れる電流値が著しく増大していることが理解される。距離が0mmを下回るということは、駆動ロール22とファーブラシ24とが直接接触する状態になったこと、すなわち二次転写搬送ベルト21が蛇行したことを意味し、電流測定部76にて電流値を測定することにより、二次転写搬送ベルト21の蛇行の有無を検出できることが理解される。
また、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21が数mm程度蛇行した程度では、二次転写搬送ベルト21の側端部が画像形成装置に設けられたフレーム(図示せず)に接触することはなく、したがって二次転写搬送ベルト21が破断するおそれもない。また、この程度の蛇行であれば、さらに二次転写搬送ベルト21が回動することによって蛇行のない元の状態に戻る可能性もある。このため、本実施の形態では、電流値に閾値を設けている。つまり、8mm程度のずれが生じたと推定される100μAまでは許容範囲とし、画像形成動作の停止等は行わないこととしている。
ここで、例えば二次転写搬送ベルト21の抵抗が低すぎる場合には、二次転写部のシステム抵抗に占める二次転写搬送ベルト21の抵抗の割合が小さくなりすぎてしまうために、二次転写搬送ベルト21の蛇行の有無によって大きな抵抗差が生じず、流れる電流の大きさがあまり変化しないことになってしまう。そこで、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21の抵抗値を105Ω(5logΩ)以上に設定することで、抵抗変化すなわち電流値の変化が観測できるようにしている。
また、例えば駆動ロール22の抵抗が高すぎる場合には、二次転写部のシステム抵抗に占める駆動ロール22の抵抗の割合が大きくなりすぎてしまうために、二次転写搬送ベルト21の蛇行の有無によって大きな抵抗差が生じず、流れる電流の大きさがあまり変化しないことになってしまう。そこで、本実施の形態では、駆動ロール22の抵抗値を109Ω(9logΩ)以下に設定することで、抵抗変化すなわち電流値の変化が観測できるようにしている。
以上説明したように、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21を静電的にクリーニングするファーブラシ24を設けると共に、このファーブラシ24に流れる電流の大きさに基づいて、二次転写搬送ベルト21が蛇行しているか否かを検出するようにした。このように、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21を介して流れる電流の変化に基づいて蛇行の検出を行うようにしたので、二次転写搬送ベルト21のエッジ(側端)が傷つけられるといった事態を防止することができる。また、クリーニング装置とベルト蛇行の検出装置とを兼用することにより、二次転写回りの装置構成を簡略化することができ、また、小型化を図ることができる。
さらに、二次転写搬送ベルト21にマーキングを施す必要もないため、二次転写搬送ベルト21の信頼性が向上し、長寿命化を図ることもできる。
なお、本実施の形態では、クリーニング装置60に設けられたファーブラシ24に流れる電流の大きさに基づいて、二次転写搬送ベルト21の蛇行を検出する例を説明した。ただし、これに限られるものではなく、例えばクリーニング装置70に設けられたファーブラシ25に流れる電流の大きさに基づいて、二次転写搬送ベルト21の蛇行を検出することも可能である。
また、本実施の形態では、ファーブラシ24(25)を用いて二次転写搬送ベルト21のクリーニングを行っていたが、充分に柔らかい材質で構成され、二次転写搬送ベルト21の蛇行した際に駆動ロール22と接触するものであれば、例えばゴムロール等のロール材であっても構わない。
さらに、本実施の形態では、クリーニング装置60を用いて二次転写搬送ベルト21のクリーニングおよび蛇行検出を行う例について説明を行ったが、例えばベルトクリーナ41を用いて中間転写ベルト15のクリーニングおよび蛇行検出を行うこともできる。但し、この場合には、ベルトクリーナ41として、本実施の形態で説明したような静電吸着を利用したクリーニング手段を使用する必要がある。
さらにまた、本実施の形態では、中間転写ベルト15に対向配置される二次転写搬送ベルト21の蛇行を検出する例について説明を行ったが、例えば感光体ドラム11に直接転写搬送ベルトを対向配置するような場合にも適用することが可能である。
また、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21の駆動ロール22をファーブラシ24(25)の対向電極として用いていたが、これに限られるものではなく、例えば従動ロール23を対向電極としてもよい。すなわち、対向電極が二次転写搬送ベルト21の駆動ロールとしての機能、あるいは、転写ロールとしての機能を有している必要はない。
―実施の形態2―
本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、転写バイアス印加装置80によって二次転写バイアスを印加する際に駆動ロール22に流れる電流の大きさに基づいて、二次転写搬送ベルト21の蛇行を検出するようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6は、本実施の形態に係る二次転写搬送ベルト21周辺の構成を示した図である。同図に示すように、本実施の形態では、転写バイアス印加装置80(転写電源)と給電ロール29との間に電流測定部77が設けられており、二次転写バイアスが印加された際に給電ロール29、バックアップロール28、中間転写ベルト15(像担持体)、二次転写搬送ベルト21(転写ベルト)、および駆動ロール22(転写部材)を介して流れる二次転写電流が検出されるようになっている。
次に、本実施の形態における二次転写搬送ベルト21の蛇行検出について詳細に説明する。なお、本実施の形態においても、二次転写搬送ベルト21の蛇行検出は、用紙Pが二次転写装置20に挿通されない状態で行われる。
通常時すなわち二次転写搬送ベルト21が蛇行していない場合、二次転写搬送ベルト21は図3に示す状態になっている。これを具体的に説明すると、二次転写搬送ベルト21の移動方向に直交する方向両端は、駆動ロール22の軸方向両端よりも外側にあり、且つ、ファーブラシ24の軸方向両端よりも外側にある。このとき、転写バイアス印加装置80によって給電ロールにバイアスが印加されると、給電ロール29、バックアップロール28、中間転写ベルト15、二次転写搬送ベルト21、および駆動ロール22を介して電流が流れる。つまり、この場合には、給電ロール29、バックアップロール28、中間転写ベルト15、二次転写搬送ベルト21、および駆動ロール22の合成抵抗に見合った電流値が電流測定部77によって測定されることになる。
一方、二次転写搬送ベルト21が蛇行した場合、二次転写搬送ベルト21は図4に示す状態となる。すなわち、二次転写搬送ベルト21の移動方向に直交する方向の一端が、駆動ロール22の軸方向一端よりも内側になり、且つ、ファーブラシ24の軸方向一端よりも内側になる。すると、図4に示すように、駆動ロール22とファーブラシ24とが二次転写搬送ベルト21を介さずに直接接触する領域Sが生じることになる。このとき、転写バイアス印加装置80によって給電ロール29にバイアスが印加されると、電流は抵抗がより低いところを流れるために、給電ロール29、バックアップロール28、中間転写ベルト15、および駆動ロール22を介して電流が流れる。つまり、この場合には、給電ロール29、バックアップロール28、中間転写ベルト15、および駆動ロール22の合成抵抗に見合った電流値が電流測定部77によって測定されることになる。
実施の形態1と同様、同じ大きさのバイアス(ここでは電圧)を印加したとすると、二次転写搬送ベルト21に蛇行が生じたときに電流測定部77で測定される電流値の大きさは、二次転写搬送ベルト21に蛇行が生じていないときに電流測定部77で測定される電流値をよりも大幅に大きくなる。このため、電流測定部77によって測定される電流値の大きさを制御部40で監視することにより、二次転写搬送ベルト21の蛇行の有無を検出することが可能になる。
そして、制御部40によって二次転写搬送ベルト21の蛇行が検出された場合には、例えば実行中の画像形成動作を緊急停止させ、また、図示しないユーザインタフェース(UI)にトラブルが発生した旨の表示を行わせるようにすればよい。このようにすることで、蛇行による二次転写搬送ベルト21の破断や駆動ロール22,従動ロール23から外れてしまうといった事態を回避することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、二次転写バイアスを印加するために設けられた転写バイアス印加装置80によって二次転写バイアスが印加されたときに流れる電流の大きさに基づいて、二次転写搬送ベルト21が蛇行しているか否かを検出するようにした。本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21を介して流れる電流の変化に基づいて蛇行の検出を行うようにしたので、二次転写搬送ベルト21のエッジ(側端)が傷つけられるといった事態を防止することができる。また、二次転写バイアスの印加装置とベルト蛇行の検出装置とを兼用することにより、二次転写回りの装置構成を簡略化することができ、また、小型化を図ることができる。
本実施の形態が適用される画像形成装置の概略を示す図である。 実施の形態1における二次転写搬送ベルト周辺の構成を示す図である。 図2のIII−III断面図である。 二次転写搬送ベルトが蛇行した状態を示す断面図である。 二次転写搬送ベルトの蛇行量(ずれ量)とファーブラシに流れる電流値との関係を示すグラフ図である。 実施の形態2における二次転写搬送ベルト周辺の構成を示す図である。
符号の説明
10(10Y,10M,10C,10K)…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、15…中間転写ベルト、20…二次転写装置、21…二次転写搬送ベルト、22…駆動ロール(転写ロール)、23…従動ロール、24…ファーブラシ、25…ファーブラシ、26…回収ロール、27…回収ロール、28…バックアップロール、29…給電ロール、40…制御部、60…クリーニング装置、61…スクレーパ、70…クリーニング装置、71…スクレーパ、76…電流測定部、77…電流測定部、80…転写バイアス印加装置

Claims (8)

  1. 回動可能に配設される無端ベルトと、
    前記無端ベルトの外周面に接触配置される第1の部材と、
    前記無端ベルトを挟んで前記第1の部材と対向し且つ当該無端ベルトの内周面に接触配置される第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間に所定のバイアスを印加する電源とを備え、
    前記第1の部材および前記第2の部材を流れる電流の大きさの変化によって当該第1の部材および当該第2の部材の接触を検出し、前記無端ベルトの蛇行を検出することを特徴とするベルト搬送装置。
  2. 前記電源は、前記バイアスとして一定値の電圧を印加し、
    前記第1の部材および前記第2の部材に流れる電流の大きさが所定の閾値を超えたときに、前記無端ベルトの蛇行を検出することを特徴とする請求項1記載のベルト搬送装置。
  3. トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体に接触配置され、当該像担持体に担持されたトナー像を記録材に対して転写せしめる転写ベルトと、
    前記転写ベルトの外周面に接触配置され、当該転写ベルトの外周面に付着した異物を除去する清掃部材と、
    前記転写ベルトを挟んで前記清掃部材と対向し且つ当該転写ベルトの内周面に接触配置される対向部材と、
    前記清掃部材と前記対向部材との間に前記異物を静電吸着させるための清掃バイアスを印加する清掃電源と、
    前記清掃部材および前記対向部材を流れる電流の大きさに基づいて前記転写ベルトの蛇行を検出する蛇行検出部と
    を含む画像形成装置。
  4. 前記清掃部材は、回転可能に配設される導電性ブラシからなることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記転写ベルトは5logΩ以上の抵抗値を有していることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  6. 前記対向部材は9logΩ以下の抵抗値を有していることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  7. トナー像が担持される像担持体と、
    前記像担持体に接触配置され、当該像担持体に担持されたトナー像を記録材に対して転写せしめる転写ベルトと、
    前記転写ベルトを挟んで前記像担持体に圧接配置される転写部材と、
    前記像担持体と前記転写部材との間に前記トナー像を転写するための転写バイアスを印加する転写電源と、
    前記像担持体および前記転写部材を流れる電流の大きさに基づいて前記転写ベルトの蛇行を検出する蛇行検出部と
    を含む画像形成装置。
  8. 前記蛇行検出部は、前記像担持体と前記転写ベルトとの間に前記記録材が挿通されていないときに、当該転写ベルトの蛇行を検出することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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