JP7279340B2 - 水系樹脂組成物及び表面処理方法 - Google Patents

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本発明は、コンクリート構造物等の表面処理に適用することができる水系樹脂組成物及びこれを用いた表面処理方法に関する。
コンクリート構造物は、過酷な環境条件下での耐久性を向上させるために、種々の樹脂材料を用いた表面処理が施されている。
前記樹脂材料としては、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性に優れた皮膜を形成することができることから、ビニルエステル樹脂やポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレア、ウレタン樹脂等を用いた有機溶剤系樹脂材料が一般的に用いられている。
これに対して、水系樹脂材料は、有機溶剤系樹脂材料のように多くの架橋点を存在させることが難しく、十分な強度を有する皮膜が得られないため、有機溶剤系樹脂材料に比べて、表面処理効果が劣る傾向にあった。
しかしながら、揮発性有機化合物(VOC)の規制の強化や社会の環境保全の観点から、有機溶剤系樹脂材料の使用の規制が厳しくなり、特に、土木・建築分野においては、臭気及び揮発成分の規制の他、その使用原料等についても規制が厳しくなってきている。
このため、コンクリート構造物の表面処理用の樹脂材料は、有機溶剤系から水系への転換が進みつつあり、水系樹脂材料の改良及び開発が求められている。
これまでに、本発明者らは、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性を有する皮膜を形成することが可能な水系樹脂材料として、水系合成樹脂エマルジョン及び有機フィラーを含有し、不揮発分が所定量である厚膜施工用水系樹脂組成物を提案した(特許文献1参照)。さらに、水系合成樹脂エマルジョン及び有機フィラーを含有し、前記水系合成樹脂エマルジョンが、水溶性又は水分散性ポリエステルを保護コロイドとするものである、耐有機酸性水系樹脂組成物を提案した(特許文献2参照)。
特開2014-028960号公報 国際公開第2017/141550号
近年、コンクリート構造物には、より高い耐食性が要求されるようになってきている。例えば、下水道施設においては、施設の覆蓋化が進められた結果、施設内で生成した硫酸によるコンクリート構造物の腐食が新たな課題として生じることとなった。また、下水道施設に流入する汚水中には、食品由来と推測される酪酸や酢酸、プロピオン酸等の種々の有機酸が含まれており、このような有機酸に対する耐性も求められている。
また、コンクリート構造物の表面処理の施工は、気温の低い(例えば、5℃以下)環境下でも使用可能な表面処理剤が求められている。
しかしながら、上記の特許文献1に記載されているような水系樹脂組成物は、これにより形成される皮膜の耐有機酸性が十分ではなく、また、低温での造膜性が十分であるとは言えなかった。
また、上記の特許文献2に記載されているような水系樹脂組成物は、これにより形成される皮膜の耐有機酸性は向上しているものの、有機酸と接触して数週間経過した皮膜は膨れを生じることがあり、長時間の耐性の点では、なお十分と言えるものではなかった。
したがって、コンクリート構造物の表面処理において、気温の低い環境下での施工時にも良好な作業性を確保しつつ、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性はもちろん、より優れた耐有機酸性を有する皮膜を形成することが可能である水系樹脂組成物が望まれている。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性に優れ、特に、耐有機酸性に優れた皮膜を形成することができ、かつ、表面処理施工時の良好な作業性を確保しつつ使用することができ、気温の低い環境下での造膜も可能な水系樹脂組成物、及びこれを用いた表面処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、ガラスフィラー及び所定のポリカルボン酸化合物を配合した水系樹脂組成物が、低温での造膜性に優れ、かつ、耐有機酸性に優れた皮膜を形成可能であることを見出したことに基づくものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[13]を提供するものである。
[1]水系合成樹脂エマルジョン、フィラー、及びポリカルボン酸化合物を含む水系樹脂組成物であって、前記フィラーは、ガラスフィラーを含み、前記ポリカルボン酸化合物は、重量平均分子量が10,000~50,000であり、前記ポリカルボン酸化合物の含有量が、前記水系合成樹脂エマルジョン及び前記フィラーの不揮発分の合計100質量部に対して0.10~1.00質量部である、水系樹脂組成物。
[2]前記ポリカルボン酸化合物の酸価が150~300mgKOH/gである、上記[1]に記載の水系樹脂組成物。
[3]前記ガラスフィラーが、ガラスフリット、ガラスフレーク及びガラスビーズから選ばれるいずれか1種以上である、上記[1]又は[2]に記載の水系樹脂組成物。
[4]前記フィラーが有機フィラーを含む、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
[5]前記フィラーが、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、タルク及びクレーから選ばれる1種以上を含む、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
[6]前記フィラーの含有量が、前記水系合成樹脂エマルジョンの不揮発分100質量部に対して25~400質量部である、上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
[7]前記フィラーの50%体積累積粒子径D50が1μm超150μm以下である、上記[1]~[6]のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
[8]前記水系合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂が、下記一般式(1)で表される化合物をエチレン性不飽和単量体構成単位として含む重合体(a-1)、又は、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とをエチレン性不飽和単量体構成単位として含む共重合体(a-2)である、上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
CH2=C(R3)Ar (2)
(式(1)及び(2)中、R1及びR3は、水素原子又はメチル基である。R2は、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、前記アルキル基の水素原子の少なくとも1つが、水酸基、アミノ基又はカルボキシ基で置換されていてもよい。Arは、フェニル基、ナフチル基又はビフェニリル基であり、これらの基の水素原子の少なくとも1つが、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、シアノ基、又は炭素数2~5のシアノアルキル基で置換されていてもよい。)
[9]前記水系合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂が前記共重合体(a-2)である、上記[8]に記載の水系樹脂組成物。
[10]前記一般式(2)で表される少なくとも1種の化合物がスチレンである、上記[8]又は[9]に記載の水系樹脂組成物。
[11]最低造膜温度が5℃以下である、上記[1]~[10]のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
[12]上記[1]~[11]のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物を処理対象物上に塗布し、乾燥させて、膜厚0.1~2.0mmの皮膜を形成する工程を有する、表面処理方法。
[13]前記処理対象物がコンクリート構造物である、上記[12]に記載の表面処理方法。
本発明によれば、気温の低い環境下での施工時にも良好な作業性を確保しつつ、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性に優れ、特に、耐有機酸性に優れた皮膜を形成することができる水系樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明の水系樹脂組成物を用いることにより、有機溶剤による作業環境の問題も生じることなく、良好な作業性を確保しつつ、気温の低い環境下での施工性にも優れた表面処理方法を提供することができる。
以下、本発明の水系樹脂組成物、及び該水系樹脂組成物を用いた表面処理方法を詳細に説明する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とはアクリル及びメタクリルの総称を表し、また、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート及びメタクリレートの総称を表す。
[水系樹脂組成物]
本発明の水系樹脂組成物は、水系合成樹脂エマルジョン、フィラー及びポリカルボン酸化合物を含む。そして、前記フィラーは少なくともガラスフィラーを含み、前記ポリカルボン酸化合物は、重量平均分子量が10,000~50,000であり、前記ポリカルボン酸化合物の含有量が、前記水系合成樹脂エマルジョン及び前記フィラーの不揮発分の合計100質量部に対して0.10~1.00質量部であることを特徴とする。
このような水系樹脂組成物は、例えば、10℃以下等の気温の低い環境下でも造膜が可能であり、かつ、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性に優れ、特に、耐有機酸性にも優れた皮膜を形成することができる。
前記水系樹脂組成物は、水系媒体の量の変更により、その不揮発分を調整することができる。前記不揮発分は、該水系樹脂組成物から皮膜を形成する際の良好な乾燥性や、該水系樹脂組成物の分散安定性及び良好な作業性が得られる粘度等の観点から、40~90質量%であることが好ましく、より好ましくは65~80質量%、さらに好ましくは65~75質量%である。
なお、前記不揮発分は、前記水系樹脂組成物を大気圧下、105℃で1時間乾燥させた後の残分を乾燥前の質量に対する割合で表したものである。具体的な測定方法は、下記実施例に記載のとおりである。後述する水系合成樹脂エマルジョンの不揮発分についても、同様である。
本明細書で言う水系媒体は、水を主成分とする媒体であり、有機溶剤を含んでいてもよい。前記有機溶剤は、前記水系合成樹脂エマルジョンの製造方法等に起因して不可避的に含まれる場合もある。ただし、該水系樹脂組成物により皮膜を形成する際の作業環境等の観点から、該水系媒体100質量%中に含まれる有機溶剤は、5.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2.0質量%以下である。さらに好ましくは、0質量%、すなわち、前記水系媒体には、有機溶剤を含まれていないことが好ましい。
前記水系樹脂組成物中には、前記水系合成樹脂エマルジョン、前記フィラー及び前記ポリカルボン酸化合物以外に、該水系樹脂組成物及びこれから形成される皮膜の物性や取り扱い性の向上等の観点から、後述するその他の添加剤が含まれていてもよい。前記水系樹脂組成物中の前記添加剤の合計含有量は、本発明の効果を損なわない範囲内とし、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下、さらに好ましくは10.0質量%以下である。
前記水系樹脂組成物を用いて皮膜を形成させる際、特に、1.0mm以上の厚膜の施工において、タレや乾燥時の割れ等の欠陥の発生の抑制、及び取り扱い容易性等の観点から、前記水系樹脂組成物の粘度が、2,000~12,000mPa・sであることが好ましく、より好ましくは2,500~11,000mPa・s、さらに好ましくは3,000~10,000mPa・sである。なお、使用時の粘度が低い場合には、本発明の効果を損なわない範囲内での増粘剤の添加により、粘度調整を行ってもよい。
なお、前記粘度は、JIS K 7117-1:1999に準じて、ブルックフィールドB型回転粘度計で測定される値である。具体的な測定方法は、下記実施例に記載のとおりである。
前記水系樹脂組成物は、最低造膜温度が5℃以下であることが好ましく、より好ましくは℃以下、さらに好ましくは-5℃以下である。このため、前記水系樹脂組成物は、気温の低い環境下での施工時にも良好な作業性を確保しつつ、皮膜を形成することができる。
なお、前記最低造膜温度は、前記水系樹脂組成物を乾燥させた際に、亀裂のない均一な皮膜が形成される最低温度を言い、JIS K 6828-2:2003に記載の方法により測定することができる。具体的な測定方法は、下記実施例に記載のとおりである。
(水系合成樹脂エマルジョン)
本発明の水系樹脂組成物中の水系合成樹脂エマルジョンは、水系媒体中に合成樹脂の微粒子が分散しているものである。前記合成樹脂の微粒子は、エマルジョンの安定性の観点から、50%体積累積粒子径D50(以下、単に「D50」とも言う。)が10nm以上1μm以下であることが好ましく、より好ましくは30~500nm、さらに好ましくは50~200nmである。
なお、本明細書で言うD50は、レーザー回折散乱法で測定される体積基準の粒度分布において、体積累積値が50%となる粒子径の値である。具体的には、粒度分布測定装置「MT3000II」(マイクロトラック・ベル株式会社製)で測定することができる。
前記合成樹脂としては、水系媒体中に微粒子として分散し得るものが用いられ、エチレン性不飽和単量体を単量体構成単位として含む重合体が好ましい。
前記水系合成樹脂エマルジョン中の前記合成樹脂の含有量は、前記水系媒体に対する分散性や前記水系樹脂組成物の製造時の他の成分との混和性、前記水系樹脂組成物の使用時における乾燥効率等の観点から適宜設定することができる。通常、不揮発分が30~80質量%であることが好ましく、より好ましくは35~70質量%、さらに好ましくは40~60質量%である。
前記エチレン性不飽和単量体としては、少なくとも1個の重合可能なビニル基を有する化合物であればよく、また、架橋性単量体であってもよい。前記エチレン性不飽和単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記エチレン性不飽和単量体としては、例えば、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を有する不飽和カルボン酸エステル類;スチレン、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル、アルカン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のエチレン性不飽和カルボン酸類;ダイアセトンアクリルアミド等のカルボニル基(好ましくはケトン基)含有エチレン性不飽和化合物;p-トルエンスルホン酸等のスルホ基含有エチレン性不飽和化合物;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物;ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物が挙げられる。
前記合成樹脂としては、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐有機酸性を向上させる観点から、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド等の2つ以上のヒドラジド基を有するポリヒドラジン化合物等で架橋されたものであることも好ましい。
前記エチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリレートが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記合成樹脂は、ラジカル重合による合成の容易性や、前記水系樹脂組成物による低温での造膜のためのガラス転移温度の設計等の観点から、下記一般式(1)で表される化合物をエチレン性不飽和単量体構成単位として含む重合体(a-1)、又は、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とをエチレン性不飽和単量体構成単位として含む共重合体(a-2)であることが好ましい。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
CH2=C(R3)Ar (2)
式(1)及び(2)中、R1及びR3は、水素原子又はメチル基である。
2は、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、前記アルキル基の水素原子の少なくとも1つが、水酸基、アミノ基又はカルボキシ基で置換されていてもよい。R2の好ましい例としては、メチル基、2-エチルヘキシル基、2-ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
Arは、フェニル基、ナフチル基又はビフェニリル基であり、これらの基の水素原子の少なくとも1つが、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、シアノ基、又は炭素数2~5のシアノアルキル基で置換されていてもよい。Arの好ましい例としては、フェニル基等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物のうち、重合反応原料の混和性や取り扱い性等の観点から、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物のうち、共重合体(a-2)における前記一般式(1)で表される化合物との混和性等の観点から、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルビフェニルが好ましく、スチレンがより好ましい。
前記重合体(a-1)又は前記共重合体(a-2)は、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜に耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性を付与する上で好ましく、耐酸性及び耐アルカリ性の観点からは、前記共重合体(a-2)がより好ましい。
この場合、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の靭性、伸度等の観点から、前記一般式(2)で表される化合物がスチレンであることがより好ましい。前記スチレンは、前記共重合体(a-2)の構成単位となるエチレン性不飽和単量体の合計量100質量%中、10~80質量%含まれていることが好ましく、より好ましくは20~70質量%、さらに好ましくは40~60質量%である。
<水系合成樹脂エマルジョンの製造>
前記水系合成樹脂エマルジョンは、前記エチレン性不飽和単量体等の単量体構成単位となる化合物を、前記水系媒体中でラジカル乳化重合させることにより得ることができる。
重合反応は、常圧又は耐圧反応器で、バッチ式、半連続式又は連続式のいずれの方法で行ってもよい。反応温度は、通常、10~100℃であり、好ましくは30~90℃である。反応時間は、各成分の配合量及び反応温度等に応じて適宜調整される。
重合系内には、重合反応原料の溶解性又は分散性や、反応により得られた重合体(合成樹脂)の分散性等の観点から、界面活性剤を重合系内に添加してもよい。前記界面活性剤の種類や使用量は、前記エチレン性不飽和単量体等の重合反応原料の種類や配合量に応じて適宜調整される。前記界面活性剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル等のノニオン系界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤が挙げられる。
また、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性界面活性剤を用いることもできる。前記反応性界面活性剤としては、例えば、アルキルアリルスルホコハク酸塩、メタクリロイルオキシポリオキシプロピレン硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル等が挙げられる。
また、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐水性を損なわない範囲内において、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子を重合系内に添加してもよい。前記水溶性高分子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤としては、公知のものを用いることができ、水溶性であることが好ましい。例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、tert-ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。前記重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記重合開始剤の種類や使用量は、前記エチレン性不飽和単量体等の重合反応原料の種類や配合量に応じて適宜調整される。
また、前記重合開始剤と、ナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、アスコルビン酸、亜硫酸塩、酒石酸又はこれらの塩等とを併用して、レドックス重合を行ってもよい。また、重合体の所望の重合度等に応じて、アルコール、メルカプタン等の連鎖移動剤を使用してもよい。
なお、前記水系樹脂組成物のその他の添加剤を、前記水系合成樹脂エマルジョンの製造の際に添加するようにしてもよい。すなわち、前記水系合成樹脂エマルジョンが、前記添加剤を予め含むものとして製造してもよい。
(フィラー)
フィラーは、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐久性を向上させる観点から、該水系樹脂組成物に配合される。
前記水系樹脂組成物中の前記フィラーの含有量は、前記水系合成樹脂エマルジョンの不揮発分100質量部に対して、25~400質量部であることが好ましく、より好ましくは40~300質量部、さらに好ましくは50~200質量部、よりさらに好ましくは60~150質量部である。
前記フィラーの含有量が25質量部以上であれば、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐久性を向上させる上で好ましい。また、400質量部以下であれば、前記水系樹脂組成物による造膜性が良好である。
前記フィラーの50%体積累積粒子径D50は、前記水系樹脂組成物における分散性の観点から、1μm超150μm以下であることが好ましく、より好ましくは5~100μm、さらに好ましくは10~50μmである。
前記フィラーのD50が1μm超であれば、前記水系樹脂組成物における該フィラーの凝集を十分に防止でき、分散性が良好である。また、150μm以下であれば、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜が十分な強度及び十分な耐久性を有するものとなる。
<ガラスフィラー>
前記水系樹脂組成物中のフィラーは、ガラスフィラーを必須成分として含む。ガラスフィラーは耐有機酸性を有するため、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐有機酸性を向上させることができる。
前記ガラスフィラーとしては、具体的には、ガラスフリット、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラス繊維等が挙げられる。前記ガラスフィラーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記ガラスフィラーのうち、前記水系樹脂組成物中の他の成分との混和性や該水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐久性等の観点から、ガラスフリット、ガラスフレーク、ガラスビーズが好ましく、より好ましくは、ガラスフリット、ガラスフレークが用いられる。
前記フィラーの合計量100質量%中の前記ガラスフィラーの含有量は、前記水系樹脂組成物における混和性や、該水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐有機酸性等の観点から、20~90質量%であることが好ましく、より好ましくは30~80質量%、さらに好ましくは40~70質量%である。
<有機フィラー>
前記フィラーは、前記ガラスフィラー以外に有機フィラーを含むことも好ましい。前記有機フィラーとしては、特に限定されないが、水難溶性の有機高分子粉末であることが好ましい。ここで、水難溶性とは、1atmにおける23℃の水100gに対する溶解度が0.1g以下であることを意味する。
前記有機フィラーとしては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂成形物のクラックやそり防止等に使用される熱可塑性樹脂粉末(低収縮剤)等を用いることができる。具体的な材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート及びその共重合体、酢酸ビニル及びその共重合体、脂肪族系又は芳香族系不飽和ポリエステル、セルロースアセテートブチレート、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。また、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)ブロックポリマー等のエラストマーや、澱粉粉末、セルロース粉末等も挙げられる。前記熱可塑性樹脂粉末は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記熱可塑性樹脂粉末のうち、前記水系樹脂組成物における混和性や、該水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐有機酸性等の観点から、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、より好ましくはポリスチレンが用いられる。
前記フィラーの合計量100質量%中の前記有機フィラーの含有量は、前記水系樹脂組成物における混和性や、該水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐有機酸性等の観点から、10~80質量%であることが好ましく、より好ましくは20~70質量%、さらに好ましくは30~60質量%である。
<無機フィラー>
前記フィラーは、前記ガラスフィラー以外の無機フィラーを含むことも好ましい。前記無機フィラーとしては、例えば、珪砂、タルク、マイカ、カオリンクレーや焼成クレー等のクレー、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、珪酸、珪酸塩、酸化マグネシウム、シリカ等が挙げられる。前記フィラーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記フィラーのうち、前記水系樹脂組成物における混和性や、該水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐久性等の観点から、タルク、クレーが好ましい。
前記フィラーの合計量100質量%中の前記無機フィラーの含有量は、前記水系樹脂組成物における混和性や、該水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐有機酸性等の観点から、10~60質量%であることが好ましく、より好ましくは15~50質量%、さらに好ましくは20~30質量%である。
(ポリカルボン化合物)
ポリカルボン酸化合物は、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐有機酸性を向上させる観点から、該水系樹脂組成物に配合される。
前記ポリカルボン酸化合物によって、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐有機酸性が向上する理由の詳細は明らかではないが、以下のような理由が推測される。
前記ポリカルボン酸化合物は前記ガラスフィラーに対する吸着性が良好である。このため、前記水系樹脂組成物中での前記ガラスフィラーの分散性を向上させることができる。これにより、前記水系合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂と前記ガラスフィラーとの密着力が強まることが要因であると考えられる。
また、前記水系樹脂組成物中での前記合成樹脂及び前記ガラスフィラーを含むフィラーの分散性が向上することに伴い、該水系樹脂組成物の増粘が抑制され、該水系樹脂組成物の塗布等の作業性が良好となり、造膜性が向上することも要因の一つであると考えられる。
本発明で言うポリカルボン酸化合物とは、複数のカルボキシ基を有する化合物、及びその塩も含むものとする。前記ポリカルボン酸化合物としては、例えば、ポリアルキレングリコールメタクリル酸エステルとメタクリル酸との共重合体、アリルアルコールのアルキレンオキシド付加物とマレイン酸の共重合体、及びこれらのアンモニウム塩等の高分子化合物が挙げられる。
前記ポリカルボン酸化合物は、重量平均分子量(以下、単に「Mw」とも言う。)が10,000~50,000であり、好ましくは15,000~45,000、より好ましくは20,000~40,000である。
前記Mwが10,000以上であれば、該水系樹脂組成物は、前記フィラーの分散性が良好となり、粘度が低下し、また、該水系樹脂組成物から形成される皮膜の耐有機酸性が向上する。また、前記Mwが50,000以下であれば、該水系樹脂組成物中での前記フィラーの分散性が阻害されない。前記ポリカルボン酸化合物は、前記ガラスフィラー間に跨って吸着する可能性が低いためであると考えられる。
なお、本発明におけるMwは、水系ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて、プルラン換算として求められる値である。
前記ポリカルボン酸化合物の含有量は、前記水系合成樹脂エマルジョン及び前記フィラーの不揮発分の合計100質量部に対して、0.10~1.00質量部であり、好ましくは0.13~0.80質量部であり、さらに好ましくは0.15~0.50質量部である。
前記ポリカルボン酸化合物の含有量が0.10質量部以上であれば、該水系樹脂組成物は、前記フィラーの分散性が良好となり、粘度が低下し、また、該水系樹脂組成物から形成される皮膜が十分な耐有機酸性を有するものとなる。また、1.00質量部以下であれば、該水系樹脂組成物から形成される皮膜が十分な耐水性を有するものとなる。
前記ポリカルボン酸化合物の酸価は150~300mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは150~280mgKOH/g、さらに好ましくは160~250mgKOH/gである。
前記酸価が150mgKOH/g以上であれば、該水系樹脂組成物は、前記フィラーの分散性が良好となり、粘度が低下し、また、該水系樹脂組成物から形成される皮膜が十分な耐有機酸性を有するものとなる。また、300mgKOH/g以下であれば、該水系樹脂組成物から形成される皮膜が十分な耐水性を有するものとなる。
ここで、本発明で言う酸価は、JIS K 0070-1992の「3.1 中和滴定法」に従って測定される値である。
(その他の添加剤)
前記水系樹脂組成物は、上述したように、本発明の効果を阻害しない範囲内において、使用目的に応じて、その他の添加剤を含んでいてもよい。前記添加剤としては、例えば、公知の可塑剤、増粘剤、硬化促進剤、消泡剤、防腐剤、造膜助剤、着色剤等が挙げられる。
前記可塑剤としては、例えば、塩素化パラフィン、リン酸エステル、フタル酸エステル等が挙げられる。
前記増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;メチルセルロース、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の高分子系化合物等が挙げられる。
前記消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤、非シリコーン系消泡剤等が挙げられる。
前記防腐剤としては、例えば、1,2-ベンゾイソチアゾール-3-オン、メチルイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノン等が挙げられる。
前記造膜助剤としては、例えば、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート、ベンジルアルコール、エチレングリコール等が挙げられる。
前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、フタロシアニン染料、インジゴイド染料等が挙げられる。
(水系樹脂組成物の製造方法)
前記水系樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、前記水系合成樹脂エマルジョン、フィラー、ポリカルボン酸化合物、及びその他の添加剤等の任意成分を混合することにより製造することができる。これらの混合成分を均質に混合できればよく、混合の順序は問わない。
混合温度は、5~40℃であることが好ましく、より好ましくは10~35℃、便宜上、さらに好ましくは15~30℃である。
混合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、ディゾルバー、バンバリー(登録商標)ミキサー、プラネタリーミキサー、グレンミキサー、オープンニーダー、真空ニーダー等の公知の混合装置を用いて行うことができる。混合中又は混合後、例えば、真空ポンプ等を用いて減圧して混合物を脱泡する真空脱泡処理を行ってもよい。
[表面処理方法]
本発明の表面処理方法は、前記水系樹脂組成物を処理対象物上に塗布し、乾燥させて、膜厚0.1~2.0mmの皮膜を形成する工程を有している。
前記水系樹脂組成物を用いることにより、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性に優れ、特に、耐有機酸性に優れ、良好な作業性を確保しつつ、気温の低い環境下でも皮膜を形成することができる。したがって、前記水系樹脂組成物を用いた表面処理方法は、作業時の有機溶剤による臭気も抑制され、良好な作業性を確保しつつ、気温の低い環境下での施工性にも優れている。
前記表面処理方法は、特に、前記処理対象物がコンクリート構造物である場合に好適に適用することができる。
本発明で言うコンクリート構造物とは、コンクリートやモルタル等を含む一般的な構造物の概念である。
前記表面処理方法における塗布の方法は、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー塗布、ローラー塗布、コテ塗り等が挙げられる。
塗布量は、使用目的に応じて適宜設定することができるが、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の乾燥性や、該皮膜にピンホール等の欠陥を生じることなく、連続性を有し、十分な皮膜性能を発揮できるようにする観点から、不揮発分換算で0.1~3.0kg/m2であることが好ましく、より好ましくは0.2~2.8kg/m2、さらに好ましくは0.5~2.5kg/m2である。
前記表面処理方法における乾燥の温度は、0~50℃が好ましく、より好ましくは10~40℃、便宜上、さらに好ましくは15~35℃である。
前記皮膜は、前記水系樹脂組成物から形成される皮膜の乾燥性や、該皮膜にピンホール等の欠陥を生じることなく、連続性を有し、十分な皮膜性能を発揮できるようにする観点から、膜厚が0.1~2.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.2~1.8mm、さらに好ましくは0.5~1.5mmである。
なお、前記膜厚は、一般的な膜厚計を用いて測定することができる。
前記表面処理方法においては、前記水系樹脂組成物と前記コンクリート構造物等の被処理対象物との接着性をより高める等の観点から、前記非処理対象物の表面に、下塗り塗料を塗布し、その上に前記水系樹脂組成物を塗布するようにしてもよい。前記下塗り塗料としては、例えば、アクリルエマルジョン系下塗り塗料(プライマー、シーラー)、エポキシ系下塗り塗料、ウレタン系下塗り塗料等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
下記実施例及び比較例で用いた配合原料の詳細を以下に示す。
<水系合成樹脂エマルジョン>
・下記製造例1で製造したもの
<フィラー>
・ガラスフィラー:「CF0007-05B」、日本フリット株式会社製、D50:15μm、ガラスビーズ
・有機フィラー:ポリスチレン系粉末粒子;「SGP-70C」、綜研化学株式会社製、D50:19μm
<ポリカルボン酸化合物>
(1)「SNディスパーサント5023」、サンノプコ株式会社製、ポリカルボン酸アンモニウム40質量%水溶液、Mw:34,700、酸価212mgKOH/g
(2)「SNディスパーサント5468」、サンノプコ株式会社製、ポリカルボン酸アンモニウム40質量%水溶液、Mw:18,600、酸価230mgKOH/g
(3)「SNディスパーサント5027」、サンノプコ株式会社製、ポリカルボン酸アンモニウム20質量%水溶液、Mw:1,100、酸価52mgKOH/g
(4)「SNディスパーサント5468」、サンノプコ株式会社製、ポリカルボン酸アンモニウム40質量%水溶液、Mw:1,700、酸価89mgKOH/g
<消泡剤>
・「ノプコ8034-L」、サンノプコ株式会社製
<増粘剤>
・「アデカノール(登録商標)UH-420」、株式会社ADEKA製、ノニオン性高分子界面活性剤、有効成分30質量%(カタログ値;ここでは、有効成分を不揮発分とみなす。)
(製造例1)水系合成樹脂エマルジョンの製造
エチレン性不飽和単量体として、スチレン150質量部(エチレン性不飽和単量体の合計量100質量%中42.5質量%)、メチルメタクリレート(三井化学株式会社製)115質量部(同32.6質量%)、2-エチルヘキシルアクリレート(ダウ・ケミカル日本株式会社製)81質量部(同22.9質量%)、及び2-ヒドロキシエチルメタクリレート(株式会社日本触媒製)7質量部(同2.0質量%)を用い、アニオン性界面活性剤(「ハイテノール(登録商標)08E」、第一工業製薬株式会社製、乳化剤)3質量部、及びイオン交換水150質量部とともに、ホモミキサー(「T.K.ロボミックス」、特殊機化工業株式会社製)で混合し、エチレン性不飽和単量体の乳化混合物を調製した。
撹拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた4つ口フラスコの反応器に、イオン交換水144質量部を入れ、80℃に昇温した。この反応器に、過硫酸カリウム0.4質量部を投入するとともに、先に調製した乳化混合物、及び過硫酸カリウム0.8質量部をイオン交換水46質量部で溶解したものの滴下を開始した。滴下は、反応器内の温度を80℃に保ちながら、3時間かけて行った。滴下終了後、80℃で1時間保持した後、室温まで冷却した。造膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート(「CS-12」、JNC株式会社製)99質量部(不揮発分50質量%)を添加した後、さらに調整水としてイオン交換水18質量部を添加混合して、不揮発分50質量%の水系合成樹脂エマルジョン(合成樹脂微粒子のD50:110nm)を得た。
[水系樹脂組成物の製造]
(実施例1)
上記製造例1で得られた水系合成樹脂エマルジョン100質量部に、ガラスフィラー25質量部、有機フィラー25質量部、ポリカルボン酸化合物(1)0.4質量部(水系合成樹脂エマルジョン及びフィラーの不揮発分の合計100質量部に対して不揮発分換算で0.16質量部)を添加し、さらに、消泡剤0.05質量部を添加した後、プラネタリーミキサー(「ハイビスディスパーミックス3D-5型」、プライミクス株式会社製、回転数45rpm)を用いて、5分間混合撹拌した。オイルロータリー真空ポンプにて-0.09MPaGまで減圧し、さらに、混合撹拌を10分間続けて、水系樹脂組成物を得た。得られた水系樹脂組成物をろ布(「ニップ(ポリエチレン)強力網 80目」、株式会社NBCメッシュテック製、目開き261μm)でろ過を行った結果、目視にて粗粒及び凝集物は生じていないことが確認された。
(実施例2~5及び比較例1~7)
実施例1において、ポリカルボン酸化合物の種類及び量を下記表1に示すように変更し、それ以外は、実施例1と同様にして、水系樹脂組成物を得た。
なお、実施例3においては、実施例2の配合組成において、さらに、増粘剤0.2質量部(水系合成樹脂エマルジョン及びフィラーの不揮発分の合計100質量部に対して不揮発分換算で0.06質量部)を添加した。
[水系樹脂組成物の評価]
上記実施例及び比較例で得られた各水系樹脂組成物について、以下の各種評価を行った。
(不揮発分)
直径5cmのアルミ皿に水系樹脂組成物約1gを精密天秤(「ITX220」、アズワン株式会社製)で精秤した。大気圧下、105℃で1時間乾燥させた後、秤量した。乾燥前の試料の質量に対する乾燥残分の質量の割合を算出して、不揮発分を求めた。
(粘度)
JIS K 7117-1:1999に準じて、ブルックフィールドB型回転粘度計(「TV-25」、東機産業株式会社製)を用いて、恒温槽(「PH-102」、エスペック株式会社製)内で、500mLビーカーに入れた水系樹脂組成物400mLを液温23℃とし、回転数10rpm、スピンドル(ローター)No.5にて、該水系樹脂組成物の粘度を測定した。
(最低造膜温度)
JIS K 6828-2:2003に準じて、乾燥剤設置式測定装置を用いて、以下のようにして、最低造膜温度を測定した。
前記装置のSUS板を低温側が-7℃、高温側が30℃になるように調整し、該SUS板上に、水系樹脂組成物を厚さ0.1mmになるようにアプリケーターで塗布した。そして、乾燥剤を乗せた受け皿を設置して、前記SUS板の塗布面と前記受け皿とを透明カバーで覆って密閉した。24時間静置して乾燥させた塗膜の表面を観察し、亀裂が生じていない部分の最低温度を最低造膜温度とした。
(皮膜の耐有機酸性)
JIS R 5201:2015の「10.4 パットの作り方」に準じた方法で作製したセメントモルタル板(150mm×70mm×20mm)の表面に、水系樹脂組成物を、金ゴテで表面が平滑になるように目付0.5kg/m2で塗布して、23℃、湿度50%RHで24時間養生した。同様の作業を3回繰り返し、3回目の塗布後に7日間養生して、試験片を作製した。この試験片を以下の(1)又は(2)の条件で、有機酸水溶液に浸漬した後、取り出して、試験片の表面の皮膜(水系樹脂組成物試料の硬化物)を目視観察にて評価した。
(1)23℃の濃度1質量%有機酸水溶液に1か月間浸漬した。なお、1質量%有機酸水溶液には、酪酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸及び吉草酸をそれぞれ、0.2質量%ずつ水に溶解した酸混合溶液を用いた。
(2)40℃の濃度5質量%有機酸水溶液に1か月間浸漬した。なお、5質量%有機酸水溶液には、酪酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸及び吉草酸をそれぞれ、2質量%ずつ水に溶解した酸混合溶液を用いた。
評価結果は、皮膜にふくれ、割れ、軟化及び溶出がなかったものを○、皮膜にふくれ、割れ、軟化又は溶出があったものを×として、下記表1に示す。
Figure 0007279340000001
表1に示した評価結果から分かるように、所定のポリカルボン酸化合物を用いた水系樹脂組成物(実施例1~5)は、耐有機酸性に優れた皮膜を形成することができ、かつ、0℃以下でも造膜可能であることが認められた。
また、水系樹脂組成物は、所定のポリカルボン酸化合物が配合されることによって粘度が低下するため、塗布等における良好な作業性を確保することができると言える。必要に応じて、増粘剤を添加して粘度調整することが可能であり(実施例3)、この場合も、皮膜の耐有機酸性、かつ、気温の低い環境下での造膜性が保持されることが確認された。
[品質規格試験]
上記実施例で得られた各水系樹脂組成物について、コンクリート構造物の表面処理に用いる際に求められる品質規格への適合性を確認する試験を行った。試験は、「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」(平成24年4月)に規定される塗布型ライニング工法のC種及びD種の品質規格試験方法に基づいて、以下の項目についての評価試験を行った。下記表2に、評価結果をまとめて示す。
(被覆の外観)
JIS K 5600-1-1:1999の「4.4 塗膜の外観」に準じた方法で試験片を作製し、皮膜(被覆)の外観を目視によって評価した。試験片は、JIS A 5430:2013に規定されているフレキシブル板(200mm×150mm×6mm)の表面に、水系樹脂組成物を、金ゴテで表面が平滑になるように目付0.5kg/m2で塗布して、23℃、湿度50%RHで24時間養生した。同様の作業を3回繰り返し、3回目の塗布後に7日間養生して作製した。
なお、C種は設計膜厚を0.6mmとし、また、D種は設計膜厚を0.8mmとした(以下の各項目の試験においても同様。)。
評価結果は、皮膜にしわ、むら、剥がれ及び割れがなかったものを○、皮膜にしわ、むら、剥がれ又は割れがあったものを×として、下記表2に示す。評価が○である皮膜は、耐水性に優れていると言える。
(コンクリートとの接着性)
JIS A 6909:2014の「7.10 付着強さ試験」に準じた方法により、接着性の評価試験を行った。
JIS A 6909:2014の「7.3 b)付着強さ試験及び温冷繰返し試験用基板」に準じて、セメントモルタル板(70mm×70mm×20mm)の基板を作製した。
基板表面に、水系樹脂組成物を、金ゴテで表面が平滑になるように目付0.5kg/m2で塗布して、23℃、湿度50%RHで24時間養生した。同様の作業を3回繰り返し、3回目の塗布後に7日間養生したものを標準状態の試験体とした。
また、基板を23±2℃の水中に24時間浸漬した後、清浄な布で表面をふき取り、その表面に、前記標準状態の試験体の作製と同様にして、水系樹脂組成物を塗布して養生したものを吸水状態の試験体とした。
C種及びD種ともに、標準状態における付着強さが1.5N/mm2以上、吸水状態における付着強さが1.2N/mm2以上であることが品質規格とされている。
(耐酸性)
JIS K5600-6-1:2016の「7 方法1(浸せき法)」に準じた方法により、耐酸性の評価試験を行った。
JIS R 5201:2015の「10.4 パットの作り方」に準じた方法で作製したセメントモルタル板(150mm×70mm×20mm)の表面に、水系樹脂組成物を、金ゴテで表面が平滑になるように目付0.5kg/m2で塗布して、23℃、湿度50%RHで24時間養生した。同様の作業を3回繰り返し、3回目の塗布後に7日間養生したものを標準状態の試験体とした。
C種の試験片は、20℃の10質量%硫酸水溶液に45日間浸漬した。また、D種の試験片は、20℃の10質量%硫酸水溶液に60日間浸漬した。各試験片を取り出した後、試験片の表面の皮膜を目視観察にて評価した。評価結果は、皮膜にふくれ、割れ、軟化及び溶出がなかったものを○、皮膜にふくれ、割れ、軟化又は溶出があったものを×として、下記表2に示す。
(硫黄侵入深さ)
上記の耐酸性の評価試験と同様にして、試験片を作製した。
試験片を20℃の10質量%硫酸水溶液に120日間浸漬した後、取り出し、モルタル用カッターを用いて試験片の中央部から厚さ1cmの部分試験片を切り出した。部分試験片の切断面を電子分析用研磨機で鏡面研磨し、鏡面研磨面に白金蒸着を施して、分析用試料を作成した。電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)で、下記の測定条件にて、マッピング画像における表面から硫黄侵入深さを測定した。測定は、バックグラウンドに対して、硫黄元素のX線カウントが15カウント以上である部分を硫黄侵入領域とみなして行った。
<EPMA測定条件>
加速電圧:15kV
照射電流:100±10nA
電子ビーム径:2μm
サンプリング時間:50ms
データポイント:X方向512×Y方向512
表面からの硫黄侵入深さが、C種では、設計膜厚に対して10%以下であり、かつ、200μm以下であること、また、D種では、設計膜厚に対して5%以下であり、かつ、100μm以下であることが品質規格とされている。
(耐アルカリ性)
上記の耐酸性の評価試験において、浸漬液を20℃の水酸化カルシウム飽和水溶液とし、それ以外は、上記の耐酸性の評価試験と同様にして、耐アルカリ性の評価試験を行った。
(透水性)
JIS A 1404:2015の「7.6 透水試験」に準じた方法により、透水性の評価試験を行った。
上記の被覆の外観の評価において作製した試験片に、3kgf/cm2の水圧を1時間かけて、試験前後で重量変化を測定し、透水量を算出した。
透水量が、C種は0.20g以下であること、また、D種は0.15g以下であることが品質規格とされている。
Figure 0007279340000002
表2に示した評価結果から分かるように、実施例1~5の水系樹脂組成物によれば、「下水道コンクリート構造物の腐食抑制技術及び防食技術マニュアル」(平成24年4月)に規定されている塗布型ライニング工法のC種及びD種の品質規格に適合することが確認された。
以上から、本発明の水系樹脂組成物を用いることにより、良好な作業性を確保しつつ、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性に優れ、特に、耐有機酸性にも優れた皮膜による表面処理を行うことができ、また、気温の低い環境下での表面処理の施工も可能であると言える。

Claims (11)

  1. 水系合成樹脂エマルジョン、フィラー、及びポリカルボン酸化合物を含む、コンクリート構造物表面処理用水系樹脂組成物であって、
    前記水系合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂が、下記一般式(1)で表される化合物をエチレン性不飽和単量体構成単位として含む重合体(a-1)、又は、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とをエチレン性不飽和単量体構成単位として含む共重合体(a-2)であり、
    CH 2 =C(R 1 )COOR 2 (1)
    CH 2 =C(R 3 )Ar (2)
    (式(1)及び(2)中、R 1 及びR 3 は、水素原子又はメチル基である。R 2 は、炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、前記アルキル基の水素原子の少なくとも1つが、水酸基、アミノ基又はカルボキシ基で置換されていてもよい。Arは、フェニル基、ナフチル基又はビフェニリル基であり、これらの基の水素原子の少なくとも1つが、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、シアノ基、又は炭素数2~5のシアノアルキル基で置換されていてもよい。)
    前記フィラーは、ガラスフィラーを含み、
    前記ポリカルボン酸化合物は、重量平均分子量が10,000~50,000であり、
    前記ポリカルボン酸化合物の含有量が、前記水系合成樹脂エマルジョン及び前記フィラーの不揮発分の合計100質量部に対して0.10~1.00質量部である、水系樹脂組成物。
  2. 前記ポリカルボン酸化合物の酸価が150~300mgKOH/gである、請求項1に記載の水系樹脂組成物。
  3. 前記ガラスフィラーが、ガラスフリット、ガラスフレーク及びガラスビーズから選ばれるいずれか1種以上である、請求項1又は2に記載の水系樹脂組成物。
  4. 前記フィラーが有機フィラーを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
  5. 前記フィラーが、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、タルク及びクレーから選ばれる1種以上を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
  6. 前記フィラーの含有量が、前記水系合成樹脂エマルジョンの不揮発分100質量部に対して25~400質量部である、請求項1~5のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
  7. 前記フィラーの50%体積累積粒子径D50が1μm超150μm以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
  8. 前記水系合成樹脂エマルジョン中の合成樹脂が前記共重合体(a-2)である、請求項1~7のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
  9. 前記一般式(2)で表される少なくとも1種の化合物がスチレンである、請求項1~8のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
  10. 最低造膜温度が5℃以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の水系樹脂組成物をコンクリート構造物表面に塗布し、乾燥させて、膜厚0.1~2.0mmの皮膜を形成する工程を有する、表面処理方法。
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