JP7277069B2 - シリコーン粒子、シリコーン粒子の製造方法、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子 - Google Patents

シリコーン粒子、シリコーン粒子の製造方法、液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子 Download PDF

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Description

本発明は、シリコーン粒子及びシリコーン粒子の製造方法に関する。また、本発明は、上記シリコーン粒子を用いた液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。上記異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。上記異方性導電材料は、フレキシブルプリント基板(FPC)、ガラス基板、ガラスエポキシ基板及び半導体チップなどの様々な接続対象部材の電極間を電気的に接続し、接続構造体を得るために用いられている。また、上記導電性粒子として、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された導電層とを有する導電性粒子が用いられることがある。
また、液晶表示素子は、2枚のガラス基板間に液晶が配置されて構成されている。該液晶表示素子では、2枚のガラス基板の間隔(ギャップ)を均一かつ一定に保つために、ギャップ制御材としてスペーサが用いられている。
下記の特許文献1では、上記液晶表示素子用スペーサとして、シリコーンゴム粉末等のゴム粉末を用いることが記載されている。
また、下記の特許文献2には、異なる有機基を有する2種以上のポリオルガノシロキサンを有し、粒子中心部から表面方向に向かって、組成が段階的または連続的に変化している粒子が開示されている。
下記の特許文献3には、重合性不飽和基を有する多官能性シラン化合物を、界面活性剤の存在下で加水分解及び重縮合させることにより得られる粒子が開示されている。特許文献3では、上記多官能性シラン化合物が、特定の式で表される化合物及びその誘導体から選ばれた少なくとも1つのラジカル重合性基含有第1シリコン化合物である。
特開2009-139922号公報 特開2010-229303号公報 特開2000-204119号公報
特許文献1~3に記載のような粒子では、耐薬品性が低かったり、透湿性が高かったりすることがある。
例えば、特許文献1に記載のような一般的なシリコーンゴム粉末を液晶表示素子用スペーサとして用いると、シリコーンゴム粉末に起因して、液晶が汚染されることがある。また、シリコーンという材料の特性上、透湿性が高くなり、液晶表示にむらが発生することがある。
一方、近年におけるセラミックパッケージ内に配置される圧力センサ、加速度センサ、CMOSセンサ素子及びCCDセンサ素子等の電子部品では、高温、高圧という過酷な条件下においても、高精度な感知能力が要求される。このため、上記電子部品における2つのセラミック部材間の接合部における透湿性の改善は重要な課題となっている。
本発明の目的は、耐薬品性を高くし、かつ透湿性を低くすることができるシリコーン粒子及びシリコーン粒子の製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、上記シリコーン粒子を用いた液晶滴下工法用シール剤及び液晶表示素子を提供することである。
本発明の広い局面によれば、0.1μm以上、500μm以下の粒子径を有するシリコーン粒子であり、かつ、前記シリコーン粒子は、シロキサン結合と、ラジカル重合性基と、炭素数5以上の疎水基とを有するシリコーン粒子(第1のシリコーン粒子)であるか、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)であるか、もしくは、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物を反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)である、シリコーン粒子が提供される
本発明に係るシリコーン粒子のある特定の局面では、前記シリコーン粒子は、シロキサン結合と、前記シロキサン結合の末端においてラジカル重合性基と、前記シロキサン結合の側鎖において炭素数5以上の疎水基とを有するシリコーン粒子(第1のシリコーン粒子)であるか、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)であるか、もしくは、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物を反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)である。
本発明に係るシリコーン粒子のある特定の局面では、前記シリコーン粒子は、シロキサン結合と、前記シロキサン結合の末端において珪素原子に結合したラジカル重合性基と、前記シロキサン結合の側鎖において珪素原子に結合した炭素数5以上の疎水基とを有するシリコーン粒子(第1のシリコーン粒子)であるか、珪素原子に結合したラジカル重合性基を有するシラン化合物と珪素原子に結合した炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)であるか、もしくは、珪素原子に結合したラジカル重合性基を有しかつ珪素原子に結合した炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物を反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)である。
本発明に係るシリコーン粒子のある特定の局面では、前記シリコーン粒子は、1つの珪素原子に2つのメチル基が結合したジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン粒子である。
本発明に係るシリコーン粒子のある特定の局面では、前記シリコーン粒子は、30%圧縮したときの圧縮弾性率が500N/mm以下であるシリコーン粒子である。
本発明に係るシリコーン粒子のある特定の局面では、前記シリコーン粒子は、金属触媒を含まないか、又は、金属触媒を100ppm以下で含むシリコーン粒子である。
本発明に係るシリコーン粒子のある特定の局面では、前記シリコーン粒子は、遮光剤を含むシリコーン粒子である。
本発明に係るシリコーン粒子のある特定の局面では、前記シリコーン粒子は、液晶滴下工法用シール剤に用いられるシリコーン粒子である。
本発明に係るシリコーン粒子は、シロキサン結合と、ラジカル重合性基と、炭素数5以上の疎水基とを有するシリコーン粒子(第1のシリコーン粒子)であることが好ましい。
本発明に係るシリコーン粒子は、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)であるか、もしくは、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物を反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)であることも好ましい。
本発明に係るシリコーン粒子のある特定の局面では、前記シリコーン粒子は、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とをラジカル重合開始剤により反応させることにより得られるシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)であるか、もしくは、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物をラジカル重合開始剤により反応させることにより得られるシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)である。
本発明の広い局面によれば、上述したシリコーン粒子の製造方法であって、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを反応させることによりシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)を得るか、もしくは、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物を反応させることによりシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)を得る工程を備える、シリコーン粒子の製造方法が提供される。
本発明に係るシリコーン粒子の製造方法のある特定の局面では、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とをラジカル重合開始剤により反応させることによりシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)を得るか、もしくは、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物をラジカル重合開始剤により反応させることによりシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)を得る。
本発明の広い局面によれば、熱硬化性成分と、上述したシリコーン粒子とを含む、液晶滴下工法用シール剤が提供される。
本発明の広い局面によれば、第1の液晶表示素子用部材と、第2の液晶表示素子用部材と、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部と、前記シール部の内側で、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されている液晶とを備え、前記シール部が、液晶滴下工法用シール剤を熱硬化させることにより形成されており、前記液晶滴下工法用シール剤が、熱硬化性成分と、上述したシリコーン粒子とを含む、液晶表示素子が提供される。
本発明に係るシリコーン粒子は、0.1μm以上、500μm以下の粒子径を有するシリコーン粒子であり、かつ、上記シリコーン粒子は、シロキサン結合と、ラジカル重合性基と、炭素数5以上の疎水基とを有するシリコーン粒子であるか、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子であるか、もしくは、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物を反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子であるので、耐薬品性を高くし、かつ透湿性を低くすることができる。
図1は、シリコーン粒子を用いた液晶表示素子の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、導電性粒子を用いた接続構造体の一例を模式的に示す正面断面図である。 図3は、シリコーン粒子を用いた電子部品装置の一例を模式的に示す断面図である。 図4は、図3に示す電子部品装置における接合部部分を拡大して示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(シリコーン粒子)
本発明に係るシリコーン粒子は0.1μm以上、500μm以下の粒子径を有するシリコーン粒子である。
0.1μm以上、500μm以下の粒子径を有するシリコーン粒子において、本発明は、以下の構成を備える。本発明に係るシリコーン粒子は、(構成1)シロキサン結合と、ラジカル重合性基と、炭素数5以上の疎水基とを有するシリコーン粒子(第1のシリコーン粒子)であるか、(構成2)ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)であるか、もしくは、(構成3)ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物を反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)である。
上記第2のシリコーン粒子は、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物との反応物であって、シロキサン結合を有するシリコーン粒子である。上記第3のシリコーン粒子は、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物の反応物であって、シロキサン結合を有するシリコーン粒子である。
本発明では、上記の構成が採用されているため、本発明に係るシリコーン粒子の耐薬品性を高くし、かつ透湿性を低くし、耐湿性を高めることができる。
また、本発明に係るシリコーン粒子の表面に導電部を形成して導電性粒子を得て、得られた導電性粒子を含む導電材料を用いて導電接続を行った接続構造体や、本発明に係るシリコーン粒子を含む液晶滴下工法用シール剤を用いた液晶表示素子や、本発明に係るシリコーン粒子をギャップ調整材として用いて、2つのセラミック部材を接合した電子部品装置(電子機器など)において、耐薬品性を高くし、かつ透湿性を低くすることができ、高湿下での信頼性を高めることができる。
例えば、上記接続構造体において、2つの接続対象部材を接続している接続部の透湿性を低くすることができ、結果として接続抵抗を低く維持することができる。例えば、上記液晶表示素子では、シール部の透湿性を低くすることができ、結果として、液晶内への水分の浸入を抑えることができ、液晶表示のむらを防ぐことができる。例えば、上記電子部品素子において、2つのセラミック部材間の接合部における透湿性を低くすることができ、セラミックパッケージ内に配置される圧力センサ、加速度センサ、CMOSセンサ素子及びCCDセンサ素子等の電子部品の劣化を抑え、電子部品の信頼性を高めることができる。
シロキサン結合と、ラジカル重合性基と、炭素数5以上の疎水基との存在は、NMR等により測定することができる。
耐薬品性を効果的に高くし、かつ透湿性を効果的に低くすることができるので、本発明に係るシリコーン粒子は、(構成1’)シロキサン結合と、上記シロキサン結合の末端においてラジカル重合性基と、上記シロキサン結合の側鎖において炭素数5以上の疎水基とを有するシリコーン粒子(第1のシリコーン粒子)であるか、(構成2)ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)であるか、もしくは、(構成3)ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物を反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)であることが好ましい。
シロキサン結合の末端におけるラジカル重合性基は、シロキサン化合物の重合体の分子量を比較的大きくさせる効果があり、ラジカル重合性基によって、本発明のシリコーン粒子の所望の粒子径を容易に達成することができ、更に耐薬品性を高くすることができる。上記ラジカル重合性基としてはビニル基、(メタ)アクリロイル基、及びスチリル基等が挙げられる。柔軟性を高める観点からビニル基が好ましい。
シロキサン結合の側鎖における炭素数5以上の疎水基は、シロキサン化合物の重合体の透湿性を効果的に低くする効果があり、耐薬品性を高くすることができる。上記炭素数5以上の疎水基としては、炭素数5~30の直鎖アルキル基、炭素数5~30の環状アルキル基、及び炭素数5~30の芳香族基等が挙げられる。耐湿性を高める観点から、炭素数5~30の芳香族基が好ましく、さらにフェニル基がより好ましい。上記炭素数5以上の疎水基は、炭素数5以上の炭化水素基であることが好ましい。上記疎水基の炭素数は6以上であることが好ましい。
上記構成1、上記構成1’、上記構成2、及び上記構成3において、ラジカル重合性基は、珪素原子に結合していることが好ましい。
耐薬品性を効果的に高くし、かつ透湿性を効果的に低くすることができるので、上記構成1、上記構成1’、上記構成1’’、上記構成2、及び上記構成3において、上記炭素数5以上の疎水基は珪素原子に結合していることが好ましい。
本発明に係るシリコーン粒子の好ましい態様としては、該シリコーン粒子は、(構成1’’)シロキサン結合と、上記シロキサン結合の末端において珪素原子に結合したビニル基と、上記シロキサン結合の側鎖において珪素原子に結合したフェニル基とを有するシリコーン粒子(第1のシリコーン粒子)であるか、(構成2’)末端において珪素原子に結合したビニル基を有するシラン化合物と側鎖において珪素原子に結合したフェニル基を有するシラン化合物とを反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第2のシリコーン粒子)であるか、もしくは、(構成3’)末端において珪素原子に結合したビニル基を有しかつ側鎖において珪素原子に結合したフェニル基を有するシラン化合物を反応させ、シロキサン結合を形成させることにより得られるシリコーン粒子(第3のシリコーン粒子)である。
本発明に係るシリコーン粒子は、上記構成1を備えることが好ましく、上記構成1’を備えることがより好ましく、上記構成1’’を備えることが更に好ましい。本発明に係るシリコーン粒子は、上記構成2を備えることが好ましく、上記構成2’を備えることがより好ましい。本発明に係るシリコーン粒子は、上記構成3を備えることが好ましく、上記構成3’を備えることがより好ましい。本発明に係るシリコーン粒子は、上記構成2又は上記構成3を備えることが好ましく、上記構成2’又は上記構成3’を備えることがより好ましい。本発明に係るシリコーン粒子は、上記構成1と、上記構成2又は上記構成3とを備えることが好ましく、上記構成1’と、上記構成2又は上記構成3とを備えることがより好ましく、上記構成1’’と、上記構成2’又は上記構成3’とを備えることが更に好ましい。
ギャップ制御効果を高くし、更に耐薬品性を効果的に高め、透湿性を効果的に低くする観点からは、シリコーン粒子を30%圧縮したときの圧縮弾性率(30%K値)は、好ましくは1000N/mm以下、より好ましくは500N/mm以下、更に好ましくは300N/mm以下である。上記30%K値は、1N/mmを超えていてもよく、50N/mmを超えていてもよく、100N/mmを超えていてもよい。
上記シリコーン粒子の上記圧縮弾性率(30%K値)は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径100μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、圧縮速度0.3mN/秒、及び最大試験荷重20mNの条件下でシリコーン粒子1個を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH-100」等が用いられる。
30%K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S-3/2・R-1/2
F:シリコーン粒子が30%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:シリコーン粒子が30%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:シリコーン粒子の半径(mm)
上記シリコーン粒子の粒子径は、0.1μm以上、500μm以下である。シリコーン粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、シリコーン粒子を液晶滴下工法用シール剤等に好適に用いることができる。上記シリコーン粒子の粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。上記シリコーン粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、液晶表示素子部材間の間隔が適度になり、衝撃吸収性が高くなり、凝集したシリコーン粒子が形成されにくくなる。また、粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であるシリコーン粒子は、上記構成2及び上記構成2’のシラン化合物を用いることで得られやすい。
上記粒子径は、最大径を示す。従って、上記粒子径は、シリコーン粒子が真球状である場合には、直径を示し、シリコーン粒子が真球状以外である場合には、最大径を示す。
2つの液晶表示素子用部材等の間隔を高精度に制御する観点からは、上記シリコーン粒子の粒子径のCV値は、好ましくは40%以下である。
上記シリコーン粒子のアスペクト比は、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.2以下である。上記アスペクト比は、長径/短径を示す。
上記シリコーン粒子は、金属触媒を含まないか、又は金属触媒を100ppm以下で含むことが好ましい。上記金属触媒は、金属原子を含む触媒である。金属触媒を用いる場合に、金属触媒の含有量は少ないほどよい。金属触媒の含有量が多いと、汚染防止性が低下する傾向がある。金属触媒の含有量はより好ましくは80ppm以下、より一層好ましくは60ppm以下、更に好ましくは50ppm以下、更に一層好ましくは40ppm以下、特に好ましくは30ppm以下、また特に好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下である。
一般に、シリコーン粒子は、金属触媒を用いて、モノマーを重合させることにより得られていることが多い。このようなシリコーン粒子では、たとえ洗浄したとしても、金属触媒が内部に含まれ、金属触媒の含有量は100ppmを超える場合がある。これに対して、金属触媒を用いずに得られたシリコーン粒子では、金属触媒は一般に含まれない。上記金属触媒とは、白金、スズ等の硬化触媒を示す。
上記金属触媒を100ppm以下にする方法は特に限定されないが、例えば、架橋性シラン化合物を添加することで縮合する方法、シリコーン化合物に重合性官能基を導入し重合開始剤で重合する方法等が挙げられる。
上記金属触媒の含有量は、例えば、誘導結合プラズマ発光分析装置等により測定することができる。
上記シリコーン粒子の用途は特に限定されない。上記シリコーン粒子は、表面上に導電層が形成され、上記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられるか、又は液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましい。上記シリコーン粒子は、表面上に導電層が形成され、上記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられることが好ましい。上記シリコーン粒子は、液晶表示素子用スペーサとして用いられることが好ましい。
さらに、上記シリコーン粒子は、2つのセラミック部材を接合して、電子部品装置(電子機器など)を得るためにも好適に用いることができる。
さらに、上記シリコーン粒子は、充填材、衝撃吸収剤又は振動吸収剤としても好適に用いられる。例えば、ゴム又はバネ等の代替品として、上記シリコーン粒子を用いることができる。
以下、シリコーン粒子の他の詳細を説明する。
シリコーン粒子の詳細:
上記シリコーン粒子の材料は、好ましくは、ラジカル重合性基を有するシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とであるか、もしくは、ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物であることが好ましい。上記シリコーン粒子は、上述したシラン化合物を反応させ、シロキサン結合を形成させることによりシリコーン粒子を得る工程を経て得ることができる。これらの材料を反応させた場合には、シロキサン結合が形成される。得られるシリコーン粒子において、ラジカル重合性基及び炭素数5以上の疎水基は一般に残存する。このような材料を用いることで、0.1μm以上、500μm以下の粒子径を有するシリコーン粒子を容易に得ることができ、しかもシリコーン粒子の耐薬品性を高くし、かつ透湿性を低くすることができる。
上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物では、ラジカル重合性基は珪素原子に直接結合していることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジビニルメトキシビニルシラン、ジビニルエトキシビニルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、及び1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物では、炭素数5以上の疎水基は珪素原子に直接結合していることが好ましい。上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジメチルメトキシフェニルシラン、ジメチルエトキシフェニルシラン、ヘキサフェニルジシロキサン、1,3,3,5-テトラメチル-1,1,5,5-テトラフェニルトリシロキサン、1,1,3,5,5-ペンタフェニル-1,3,5-トリメチルトリシロキサン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、フェニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、及びオクタフェニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
上記ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物では、ラジカル重合性基は珪素原子に直接結合していることが好ましく、炭素数5以上の疎水基は珪素原子に直接結合していることが好ましい。上記ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物としては、フェニルビニルジメトキシシラン、フェニルビニルジエトキシシラン、フェニルメチルビニルメトキシシラン、フェニルメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルビニルメトキシシラン、ジフェニルビニルエトキシシラン、フェニルジビニルメトキシシラン、フェニルジビニルエトキシシラン、及び1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジビニルジシロキサン等が挙げられる。
シリコーン粒子を得るために、上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物と、上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とを用いる場合に、上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物と、上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物とは重量比で、1:1~1:20で用いることが好ましく、1:5~1:15で用いることがより好ましい。上記シリコーン粒子において、上記ラジカル重合性基を有するシラン化合物に由来する骨格と、上記炭素数5以上の疎水基を有するシラン化合物に由来する骨格とは重量比で、1:1~1:20であることが好ましく、1:5~1:15であることがより好ましい。
シリコーン粒子を得るためのシラン化合物の全体において、ラジカル重合性基の数と炭素数5以上の疎水基の数とは、1:0.5~1:20であることが好ましく、1:1~1:15であることがより好ましい。
耐薬品性を効果的に高くし、透湿性を効果的に低くし、30%K値を好適な範囲に制御する観点からは、上記シリコーン粒子は、1つの珪素原子に2つのメチル基が結合したジメチルシロキサン骨格を有することが好ましく、上記シリコーン粒子の材料は、1つの珪素原子に2つのメチル基が結合したシラン化合物を含むことが好ましい。
耐薬品性を効果的に高くし、透湿性を効果的に低くし、30%K値を好適な範囲に制御する観点からは、上記シリコーン粒子は、上述したシラン化合物を、ラジカル重合開始剤により反応させて、シロキサン結合を形成させることが好ましい。上記シリコーン粒子は、上述したシラン化合物のラジカル重合反応物であることが好ましい。上記シリコーン粒子は、上述したシラン化合物をラジカル重合開始剤により反応させ、かつシロキサン結合を形成させることによりシリコーン粒子を得る工程を経て得ることができる。一般に、ラジカル重合開始剤を用いて、0.1μm以上、500μm以下の粒子径を有するシリコーン粒子を得ることは困難であり、100μm以下の粒子径を有するシリコーン粒子を得ることが特に困難である。これに対して、ラジカル重合開始剤を用いる場合でも、上記構成2及び上記構成2’のシラン化合物を用いることで、0.1μm以上、500μm以下の粒子径を有するシリコーン粒子を得ることができ、100μm以下の粒子径を有するシリコーン粒子を得ることもできる。
上記シリコーン粒子を得るために、珪素原子に結合した水素原子を有するシラン化合物を用いなくてもよい。この場合には、金属触媒を用いずに、ラジカル重合開始剤を用いて、シラン化合物を重合させることができる。結果として、シリコーン粒子に金属触媒が含まれないようにすることができ、シリコーン粒子における金属触媒の含有量を少なくすることができ、更に耐薬品性を効果的に高くし、透湿性を効果的に低くし、30%K値を好適な範囲に制御することができる。
上記シリコーン粒子本体の具体的な製造方法としては、懸濁重合法、分散重合法、ミニエマルション重合法、又は乳化重合法等でシラン化合物の重合反応を行い、シリコーン粒子を作製する方法等がある。シラン化合物の重合を進行させてオリゴマーを得た後、懸濁重合法、分散重合法、ミニエマルション重合法、又は乳化重合法等で重合体(オリゴマーなど)であるシラン化合物の重合反応を行い、シリコーン粒子を作製してもよい。例えば、ビニル基を有するシラン化合物を重合させて、重合体(オリゴマーなど)として、末端において珪素原子に結合したビニル基を有するシラン化合物を得てもよい。フェニル基を有するシラン化合物を重合させて、重合体(オリゴマーなど)として、側鎖において珪素原子に結合したフェニル基を有するシラン化合物を得てもよい。ビニル基を有するシラン化合物とフェニル基を有するシラン化合物とを重合させて、重合体(オリゴマーなど)として、末端において珪素原子に結合したビニル基を有しかつ側鎖において珪素原子に結合したフェニル基を有するシラン化合物を得てもよい。
シリコーン粒子は、複数の粒子を外表面に有していてもよい。この場合に、シリコーン粒子は、シリコーン粒子本体と、シリコーン粒子本体の表面上に配置された複数の粒子とを備え、上記シリコーン粒子本体が、上記構成1、上記構成1’、上記構成1’’、上記構成2、上記構成2’、上記構成3又は上記構成3’を備える。上記複数の粒子としては、シリコーン粒子及び球状シリカ等が挙げられる。上記複数の粒子の存在によって、シリコーン粒子の凝集を抑えることができる。
上記シリコーン粒子は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤の使用により、シリコーン粒子を含む液晶表示素子用シール剤は、遮光シール剤として好適に用いることができる。
上記遮光剤としては、例えば、ポリピロール、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、及び樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。チタンブラックが好ましい。上記遮光材はシリコーン粒子の内部に存在していてもよく、外表面に存在していてもよい。
(液晶表示素子用シール剤及び液晶滴下工法用シール剤)
液晶表示素子用シール剤は、液晶滴下工法用シール剤であることが好ましい。上記シリコーン粒子は、液晶滴下工法用シール剤に好適に用いることができる。
上記液晶滴下工法用シール剤(以下、シール剤と略記することがある)は、加熱によって硬化されることが好ましい。上記シール剤は、熱硬化性成分と、上記シリコーン粒子とを含むことが好ましい。上記シール剤は、光硬化性成分を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。上記シール剤は、硬化のために、光が照射されてもよく、光が照射されなくてもよい。なお、上記シール剤が光硬化成分を含まない場合は、光の照射下で保管されてもよい。
上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物と、重合開始剤又は熱硬化剤とを含むことが好ましい。この場合に、重合開始剤と熱硬化剤とを併用してもよい。
上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記シリコーン粒子の含有量は好ましくは3重量部以上、より好ましくは5重量部以上であり、好ましくは70重量部以下、より好ましくは50重量部以下である。上記シリコーン粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の接着性がより一層良好になる。
上記熱硬化性化合物としては、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、シリコーン化合物及びポリイミド化合物等が挙げられる。上記熱硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
接着性及び長期信頼性をより一層高くする観点からは、上記熱硬化性化合物は、(メタ)アクリル化合物を含有することが好ましく、エポキシ(メタ)アクリレートを含有することがより好ましい。上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基に、(メタ)アクリル酸を反応させた化合物を意味する。なお、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」と「メタクリロイル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料であるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’-ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、及びビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER828EL、jER1001、及びjER1004(いずれも三菱化学社製);エピクロン850-S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER806、及びjER4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’-ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、RE-810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、EP-4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、EX-201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jERYX-4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、YSLV-50TE(新日鐵住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、YSLV-80DE(新日鐵住金化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、EP-4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンHP4032、及びエピクロンEXA-4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンN-770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンN-670-EXP-S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、NC-3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ESN-165S(新日鐵住金化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、jER630(三菱化学社製);エピクロン430(DIC社製);TETRAD-X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、ZX-1542(新日鐵住金化学社製);エピクロン726(DIC社製);エポライト80MFA(共栄社化学社製);デナコールEX-611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、YR-450、及びYR-207(いずれも新日鐵住金化学社製);エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物の市販品としては、例えば、デナコールEX-147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂の市販品としては、例えば、jERYL-7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の他の市販品としては、例えば、YDC-1312、YSLV-80XY、及びYSLV-90CR(いずれも新日鐵住金化学社製);XAC4151(旭化成社製);jER1031、及びjER1032(いずれも三菱化学社製);EXA-7120(DIC社製);TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、及びEBECRYLRDX63182(いずれもダイセル・オルネクス社製);EA-1010、EA-1020、EA-5323、EA-5520、EA-CHD、及びEMA-1020(いずれも新中村化学工業社製);エポキシエステルM-600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、及びエポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製);デナコールアクリレートDA-141、デナコールアクリレートDA-314、及びデナコールアクリレートDA-911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレート以外の他の(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、及びイソシアネート化合物に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物としては、単官能のエステル化合物、2官能のエステル化合物及び3官能以上のエステル化合物の内のいずれを用いてもよい。
上記単官能のエステル化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル2-ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、及び2-(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記2官能のエステル化合物としては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、及びポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記3官能以上のエステル化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、及びトリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。また、2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料であるイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、及び1,6,10-ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料であるイソシアネート化合物として、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、又はポリカプロラクトンジオール等のポリオールと、過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料である水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、及びポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びグリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート及びジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、M-1100、M-1200、M-1210、及びM-1600(いずれも東亞合成社製);EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8804、EBECRYL8803、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL1290、EBECRYL5129、EBECRYL4842、EBECRYL210、EBECRYL4827、EBECRYL6700、EBECRYL220、及びEBECRYL2220(いずれもダイセル・オルネクス社製);アートレジンUN-9000H、アートレジンUN-9000A、アートレジンUN-7100、アートレジンUN-1255、アートレジンUN-330、アートレジンUN-3320HB、アートレジンUN-1200TPK、及びアートレジンSH-500B(いずれも根上工業社製);U-122P、U-108A、U-340P、U-4HA、U-6HA、U-324A、U-15HA、UA-5201P、UA-W2A、U-1084A、U-6LPA、U-2HA、U-2PHA、UA-4100、UA-7100、UA-4200、UA-4400、UA-340P、U-3HA、UA-7200、U-2061BA、U-10H、U-122A、U-340A、U-108、U-6H、及びUA-4000(いずれも新中村化学工業社製);AH-600、AT-600、UA-306H、AI-600、UA-101T、UA-101I、UA-306T、及びUA-306I(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
液晶への悪影響を抑える観点からは、上記(メタ)アクリル化合物は、-OH基、-NH-基、-NH基等の水素結合性のユニットを有することが好ましい。
反応性を高くする観点からは、上記(メタ)アクリル化合物は、(メタ)アクリロイル基を2つ又は3つ有することが好ましい。
液晶表示素子用シール剤の接着性を向上させる観点からは、上記熱硬化性化合物は、エポキシ化合物を含有してもよい。
上記エポキシ化合物としては、例えば、上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料であるエポキシ化合物や、部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物等が挙げられる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物とは、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する化合物を意味する。上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物は、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する化合物において、2つ以上のエポキシ基の一部に(メタ)アクリル酸を反応させることによって得ることができる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物の市販品としては、例えば、KRM8287(ダイセル・オルネクス社製)等が挙げられる。
上記熱硬化性化合物として上記(メタ)アクリル化合物と上記エポキシ化合物とを用いる場合、上記熱硬化性化合物全体における(メタ)アクリロイル基とエポキシ基との合計100モル%中、エポキシ基は好ましくは20モル%以上であり、好ましくは50モル%以下である。上記エポキシ基が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の液晶に対する溶解性が低くなって液晶汚染がより一層生じ難くなり、液晶表示素子の表示性能がより一層良好になる。
上記重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、及びカチオン重合開始剤等が挙げられる。上記重合開始剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ラジカル重合開始剤としては、光照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤、及び加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤等が挙げられる。
上記ラジカル重合開始剤は、熱硬化剤に比べて硬化速度が格段に速い。このため、ラジカル重合開始剤を用いることにより、シールブレイクや、液晶汚染の発生を抑制し、かつ、上記シリコーン粒子により発生しやすいスプリングバックも抑制できる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、及びチオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、及びルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製);ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、及びベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物、及び有機過酸化物等が挙げられる。アゾ化合物が好ましく、高分子アゾ化合物である高分子アゾ開始剤がより好ましい。
高分子アゾ化合物とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成し、数平均分子量が300以上である化合物を意味する。
上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量は好ましくは1000以上、より好ましくは5000以上、更に好ましくは1万以上であり、好ましくは30万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは9万以下である。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が上記下限以上であると、高分子アゾ開始剤が液晶に悪影響を与えにくい。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が上記上限以下であると、熱硬化性化合物への混合が容易になる。
上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPC測定に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF-804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記高分子アゾ開始剤としては、例えば、アゾ基を介してポリアルキレンオキサイドやポリジメチルシロキサン等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤は、ポリエチレンオキサイド構造を有することが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールとの重縮合物、及び4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンとの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE-0201、VPE-0401、VPE-0601、VPS-0501、VPS-1001、及びV-501(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、及びパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記カチオン重合開始剤として、光カチオン重合開始剤を好適に用いることができる。上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生する。上記光カチオン重合開始剤の種類は、特に限定されず、イオン性光酸発生タイプであってもよく、非イオン性光酸発生タイプであってもよい。
上記光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩類;鉄-アレン錯体;チタノセン錯体;アリールシラノール-アルミニウム錯体等の有機金属錯体類等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤の市販品としては、例えば、アデカオプトマーSP-150、及びアデカオプトマーSP-170(いずれもADEKA社製)等が挙げられる。
上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記重合開始剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。上記重合開始剤の含有量が上記下限以上であると、液晶表示素子用シール剤を充分に硬化させることができる。上記重合開始剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の貯蔵安定性が高くなる。
上記熱硬化剤としては、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、及び酸無水物等が挙げられる。23℃で固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。上記熱硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記23℃で固形の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、1,3-ビス(ヒドラジノカルボエチル)-5-イソプロピルヒダントイン、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、及びマロン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
上記23℃で固形の有機酸ヒドラジドの市販品としては、例えば、アミキュアVDH、及びアミキュアUDH(いずれも味の素ファインテクノ社製);SDH、IDH、ADH、及びMDH(いずれも大塚化学社製)等が挙げられる。
上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記熱硬化剤の含有量は、好ましくは1重量部以上であり、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。上記熱硬化剤の含有量が上記下限以上であると、液晶表示素子用シール剤を充分に熱硬化させることができる。上記熱硬化剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性が良好になる。
上記液晶表示素子用シール剤は、硬化促進剤を含有することが好ましい。上記硬化促進剤を用いることにより、高温で加熱しなくても充分にシール剤を硬化させることができる。
上記硬化促進剤としては、例えば、イソシアヌル環骨格を有する多価カルボン酸やエポキシ樹脂アミンアダクト物等が挙げられ、具体的には例えば、トリス(2-カルボキシメチル)イソシアヌレート、トリス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(3-カルボキシプロピル)イソシアヌレート、及びビス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記硬化促進剤の含有量は好ましくは0.1重量部以上であり、好ましくは10重量部以下である。上記硬化促進剤の含有量が上記下限以上であると、液晶表示素子用シール剤が充分に硬化し、硬化させるために高温での加熱が必要ではなくなる。上記硬化促進剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の接着性が高くなる。
上記液晶表示素子用シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善、硬化物の耐湿性の向上等を目的として、充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤としては、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト、活性白土、及び窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル粒子、ポリウレタン粒子、ビニル重合体粒子、アクリル重合体粒子、及びコアシェルアクリレート共重合体粒子等の有機充填剤等が挙げられる。上記充填剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記液晶表示素子用シール剤100重量%中、上記充填剤の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。上記充填剤の含有量が上記下限以上であると、接着性の改善等の効果が充分に発揮される。上記充填剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の粘度が高くなりすぎず、塗布性が良好になる。
上記液晶表示素子用シール剤は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。シランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シランカップリング剤に関しては、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができることから、例えば、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又は3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好ましい。
上記液晶表示素子用シール剤100重量%中、上記シランカップリング剤の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。上記シランカップリング剤の含有量が上記下限以上であると、シランカップリング剤を配合することによる効果が充分に発揮される。上記シランカップリング剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤による液晶の汚染がより一層抑えられる。
上記液晶表示素子用シール剤は、遮光剤を含有してもよい。上記遮光剤の使用により、液晶表示素子用シール剤は、遮光シール剤として好適に用いることができる。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、及び樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。チタンブラックが好ましい。
遮光剤を含有する液晶表示素子用シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記チタンブラックは、波長300~800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370~450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで液晶表示素子用シール剤に遮光性を付与する性質を有する一方で、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する。液晶表示素子用シール剤に含有される遮光剤の絶縁性は高いことが好ましく、絶縁性が高い遮光剤として、チタンブラックが好適である。
上記チタンブラックの1μmあたりの光学濃度(OD値)は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上である。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほどよく、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特にないが、OD値は通常は5以下である。
上記チタンブラック及びカーボンブラックは、表面処理されていなくても充分な効果を発揮する。表面がカップリング剤等の有機成分で処理されたチタンブラックや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム及び酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されたチタンブラック等の表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。絶縁性を高めることができるので、有機成分で処理されているチタンブラックが好ましい。
上記チタンブラックの市販品としては、例えば、12S、13M、13M-C、13R-N、及び14M-C(いずれも三菱マテリアル社製);ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積は好ましくは13m/g以上、より好ましくは15m/g以上であり、好ましくは30m/g以下、より好ましくは25m/g以下である。
上記チタンブラックの体積抵抗は好ましくは0.5Ω・cm以上、より好ましくは1Ω・cm以上であり、好ましくは3Ω・cm以下、より好ましくは2.5Ω・cm以下である。
上記遮光剤の一次粒子径は、2つの液晶表示素子用部材の間隔に影響する。上記遮光剤の一次粒子径は好ましくは1nm以上、より好ましくは5nm以上、更に好ましくは10nm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは100nm以下である。上記遮光剤の一次粒子径が上記下限以上であると、液晶表示素子用シール剤の粘度やチクソトロピーが大きく増大し難く、作業性が良好になる。上記遮光剤の一次粒子径が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の塗布性が良好になる。
上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記遮光剤の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更に好ましくは30重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下、更に好ましくは60重量%以下である。上記遮光剤の含有量が上記下限以上であると、充分な遮光性が得られる。上記遮光剤の含有量が上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の密着性や硬化後の強度が高くなり、更に描画性が高くなる。
上記液晶表示素子用シール剤は、必要に応じて、応力緩和剤、反応性希釈剤、揺変剤、スペーサ、硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
上記液晶表示素子用シール剤を製造する方法としては特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、及び3本ロール等の混合機を用いて、熱硬化性化合物と、重合開始剤又は熱硬化剤と、シリコーン粒子と、必要に応じて添加するシランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
上記液晶表示素子用シール剤の25℃及び1rpmでの粘度は好ましくは5万Pa・s以上であり、好ましくは50万Pa・s以下、より好ましくは40万Pa・s以下である。上記粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、液晶表示素子用シール剤の塗布性が良好になる。上記粘度は、E型粘度計を用いて測定される。
(液晶表示素子)
上記液晶表示素子用シール剤を用いて、液晶表示素子を得ることができる。液晶表示素子は、第1の液晶表示素子用部材と、第2の液晶表示素子用部材と、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部と、上記シール部の内側で、上記第1の液晶表示素子用部材と上記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されている液晶とを備える。この液晶表示素子では、液晶滴下工法が適用され、かつ上記シール部が、液晶滴下工法用シール剤を熱硬化させることにより形成されている。上記シール部が、液晶滴下工法用シール剤の熱硬化物である。
図1は、シリコーン粒子を用いた液晶表示素子の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す液晶表示素子1は、一対の透明ガラス基板2を有する。透明ガラス基板2は、対向する面に絶縁膜(図示せず)を有する。絶縁膜の材料としては、例えば、SiO等が挙げられる。透明ガラス基板2における絶縁膜上に透明電極3が形成されている。透明電極3の材料としては、ITO等が挙げられる。透明電極3は、例えば、フォトリソグラフィーによりパターニングして形成可能である。透明ガラス基板2の表面上の透明電極3上に、配向膜4が形成されている。配向膜4の材料としては、ポリイミド等が挙げられている。
一対の透明ガラス基板2間には、液晶5が封入されている。一対の透明ガラス基板2間には、複数のスペーサ粒子7が配置されている。複数のスペーサ粒子7により、一対の透明ガラス基板2の間隔が規制されている。一対の透明ガラス基板2の外周の縁部間には、シール部6が配置されている。シール部6によって、液晶5の外部への流出が防がれている。シール部6には、シリコーン粒子6Aが含まれている。液晶表示素子1では、液晶5の上側に位置する部材が、第1の液晶表示素子用部材であり、液晶の下側に位置する部材が、第2の液晶表示素子用部材である。
なお、図1に示す液晶表示素子は一例であり、液晶表示素子の構造は適宜変更することができる。
(接続構造体)
上記シリコーン粒子は、表面上に導電層が形成され、上記導電層を有する導電性粒子を得るために用いられる。上記導電性粒子を用いて、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、該接続部が上述した導電性粒子により形成されているか、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている接続構造体であることが好ましい。導電性粒子が単独で用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。すなわち、第1,第2の接続対象部材が導電性粒子により接続される。上記接続構造体を得るために用いられる上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。
上記第1の接続対象部材は、第1の電極を表面に有することが好ましい。上記第2の接続対象部材は、第2の電極を表面に有することが好ましい。上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記導電性粒子により電気的に接続されていることが好ましい。
図2は、導電性粒子を用いた接続構造体の一例を模式的に示す正面断面図である。
図2に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1の接続対象部材52と第2の接続対象部材53とを接続している接続部54とを備える。接続部54は、導電性粒子54Aとバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている。接続部54は、導電性粒子54Aを含む。導電性粒子54Aは、シリコーン粒子と、シリコーン粒子の表面上に配置された導電層とを備える。図2では、図示の便宜上、導電性粒子54Aは略図的に示されている。
第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が導電性粒子1により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例として、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×10~4.9×10Pa程度である。上記加熱の温度は、120~220℃程度である。フレキシブルプリント基板の電極、樹脂フィルム上に配置された電極及びタッチパネルの電極を接続するための上記加圧の圧力は9.8×10~1.0×10Pa程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記導電材料は、電子部品を接続するための導電材料であることが好ましい。上記導電ペーストはペースト状の導電材料であり、ペースト状の状態で接続対象部材上に塗工されることが好ましい。
上記導電性粒子及び上記導電材料は、タッチパネルにも好適に用いられる。従って、上記接続対象部材は、フレキシブル基板であるか、又は樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることも好ましい。上記接続対象部材は、フレキシブル基板であることが好ましく、樹脂フィルムの表面上に電極が配置された接続対象部材であることが好ましい。上記フレキシブル基板がフレキシブルプリント基板等である場合に、フレキシブル基板は一般に電極を表面に有する。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブル基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
(電子部品装置)
上記シリコーン粒子は、第1のセラミック部材と第2のセラミック部材との外周部において、第1のセラミック部材と第2のセラミック部材の間に配置され、ギャップ制御材として用いることもできる。
図3は、シリコーン粒子を用いた電子部品装置の一例を模式的に示す断面図である。図4は、図3に示す電子部品装置における接合部部分(図3の破線で囲まれた部位)を拡大して示す断面図である。
図3,4に示す電子部品装置71は、第1のセラミック部材72と、第2のセラミック部材73と、接合部74と、電子部品75と、リードフレーム76を備える。
第1,第2のセラミック部材72,73はそれぞれ、セラミック材料により形成されている。第1,第2のセラミック部材72,73はそれぞれ、例えば、筐体である。第1のセラミック部材72は、例えば、基板である。第2のセラミック部材73は、例えば蓋である。第1のセラミック部材72は、外周部に、第2のセラミック部材73側(上側)に突出した凸部を有する。第1のセラミック部材72は、第2のセラミック部材73側(上側)に、電子部品75を収納するための内部空間Rを形成する凹部を有する。なお、第1のセラミック部材72は、凸部を有していなくてもよい。第2のセラミック部材73は、外周部に、第1のセラミック部材72側(下側)に突出した凸部を有する。第2のセラミック部材73は、第1のセラミック部材72側(下側)に、電子部品75を収納するための内部空間Rを形成する凹部を有する。なお、第2のセラミック部材73は、凸部を有していなくてもよい。
接合部74は、第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部とを接合している。具体的には、接合部74は、第1のセラミック部材72の外周部の凸部と、第2のセラミック部材73の外周部の凸部とを接合している。
接合部74により接合された第1,第2のセラミック部材72,73によってパッケージが形成されている。パッケージによって、内部空間Rが形成されている。接合部74は、内部空間Rを液密的及び気密的に封止している。接合部74は、封止部である。
電子部品75は、上記パッケージの内部空間R内に配置されている。具体的には、第1のセラミック部材72上に、電子部品75が配置されている。本実施形態では、2つの電子部品75が用いられている。
接合部74は、複数のシリコーン粒子74Aとガラス74Bとを含む。接合部74は、ガラス粒子とは異なる複数の粒子74Aとガラス74Bとを含む接合材料を用いて形成されている。この接合材料は、セラミックパッケージ用接合材料である。
接合材料は、溶剤を含んでいてもよく、樹脂を含んでいてもよい。接合部74では、ガラス粒子などのガラス74Bが溶融及び結合した後に固化している。
電子部品としては、センサ素子、MEMS及びベアチップ等が挙げられる。上記センサ素子としては、圧力センサ素子、加速度センサ素子、CMOSセンサ素子及びCCDセンサ素子等が挙げられる。
リードフレーム76は、第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部との間に配置されている。リードフレーム76は、パッケージの内部空間R側と外部空間側とに延びている。電子部品75の端子とリードフレーム76とがワイヤーを介して、電気的に接続されている。
接合部74は、第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部とを部分的に直接に接合しており、部分的に間接に接合している。具体的には、接合部74は、第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部との間のリードフレーム76がある部分において、第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部とをリードフレーム76を介して間接に接合している。第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部との間のリードフレーム76がある部分において、第1のセラミック部材72がリードフレーム76と接しており、リードフレーム76が第1のセラミック部材72と接合部74とに接しており、接合部74がリードフレーム76と第2のセラミック部材73とに接しており、第2のセラミック部材73が接合部74と接している。接合部74は、第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部との間のリードフレーム76がない部分において、第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部とを直接に接合している。第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部との間のリードフレーム76がない部分において、接合部74が、第1のセラミック部材72と第2のセラミック部材73とに接している。
第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部との間のリードフレーム76がある部分において、第1のセラミック部材72の外周部と第2のセラミック部材73の外周部との隙間の距離は、接合部74に含まれる複数の粒子74Aにより制御されている。
接合部は、第1のセラミック部材の外周部と第2のセラミック部材の外周部とを直接又は間接に接合していればよい。なお、リードフレーム以外の電気的接続方法を採用してもよい。
電子部品装置71のように、電子部品装置は、例えば、セラミック材料により形成されている第1のセラミック部材と、セラミック材料により形成されている第2のセラミック部材と、接合部と、電子部品とを備え、上記接合部が、上記第1のセラミック部材の外周部と上記第2のセラミック部材の外周部とを直接又は間接に接合しており、上記接合部により接合された上記第1,第2のセラミック部材によってパッケージが形成されており、上記電子部品が、上記パッケージの内部空間内に配置されており、上記接合部が、複数のシリコーン粒子とガラスとを含む。
また、電子部品装置71で用いた接合材料のように、上記セラミックパッケージ用接合材料は、上記電子部品装置において、上記接合部を形成するために用いられ、シリコーン粒子と、ガラスとを含む。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)シリコーンオリゴマーの作製
温浴槽内に設置した100mlのセパラブルフラスコに、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン1重量部と、0.5重量%p-トルエンスルホン酸水溶液20重量部とを入れた。40℃で1時間撹拌した後、炭酸水素ナトリウム0.05重量部を添加した。その後、ジメトキシメチルフェニルシラン10重量部、ジメチルジメトキシシラン49重量部、トリメチルメトキシシラン0.6重量部、及びメチルトリメトキシシラン3.6重量部を添加し、1時間撹拌を行った。その後、10重量%水酸化カリウム水溶液1.9重量部を添加して、85℃まで昇温してアスピレーターで減圧しながら、10時間撹拌、反応を行った。反応終了後、常圧に戻し40℃まで冷却して、酢酸0.2重量部を添加し、12時間以上分液漏斗内で静置した。二層分離後の下層を取り出して、エバポレーターにて精製することでシリコーンオリゴマーを得た。
(2)シリコーン粒子(有機ポリマーを含む)の作製
得られたシリコーンオリゴマー30重量部に、tert-ブチル-2-エチルペルオキシヘキサノアート(重合開始剤、日油社製「パーブチルO」)0.5重量部を溶解させた溶解液Aを用意した。また、イオン交換水150重量部に、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(乳化剤)0.8重量部とポリビニルアルコール(重合度:約2000、けん化度:86.5~89モル%、日本合成化学社製「ゴーセノールGH-20」)の5重量%水溶液80重量部とを混合して、水溶液Bを用意した。
温浴槽中に設置したセパラブルフラスコに、上記溶解液Aを入れた後、上記水溶液Bを添加した。その後、Shirasu Porous Glass(SPG)膜(細孔平均径約5μm)を用いることで、乳化を行った。その後、85℃に昇温して、9時間重合を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄した後、粒子をイオン交換水100重量部に再度分散させて、分散液を得た。次に、分散液にコロイダルシリカ(日産化学工業社製「MP-2040」)0.7重量部を添加した後に凍結乾燥することで、基材粒子を得た。得られた基材粒子を分級操作することで、平均粒子径6.8μmのシリコーン粒子を得た。
(実施例2)
ジメチルジメトキシシラン49重量部を両末端カルビノール変性反応性シリコーンオイル(信越化学工業社製「KF-6001」)49重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン粒子を得た。
(実施例3)
メチルトリメトキシシラン3.6重量部をテトラエトキシシラン3.6重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン粒子を得た。
(実施例4)
メチルトリメトキシシラン3.6重量部をフェニルトリメトキシシラン3.6重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン粒子を得た。
(実施例5)
1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン1重量部を1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジビニルジシロキサン1.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン粒子を得た。
(実施例6)
Shirasu Porous Glass(SPG)膜(細孔平均径約5μm)を細孔平均径1μmの膜に変更したこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン粒子を得た。
(実施例7)
両末端アクリルシリコーンオイル20重量部と、p-スチリルトリメトキシシラン10重量部とに、tert-ブチル-2-エチルペルオキシヘキサノアート(重合開始剤、日油社製「パーブチルO」)0.5重量部を溶解させた溶解液Aを用意した。また、イオン交換水150重量部に、ラウリル硫酸トリエタノールアミン塩40重量%水溶液(乳化剤)0.8重量部とポリビニルアルコール(重合度:約2000、けん化度:86.5~89モル%、日本合成化学社製「ゴーセノールGH-20」)の5重量%水溶液80重量部とを混合して、水溶液Bを用意した。温浴槽中に設置したセパラブルフラスコに、上記溶解液Aを入れた後、上記水溶液Bを添加した。その後、Shirasu Porous Glass(SPG)膜(細孔平均径約20μm)を用いることで、乳化を行った。その後、85℃に昇温して、9時間重合を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄した後、分級操作を行ってシリコーン粒子Aを得た。
温浴槽内に設置した500mlのセパラブルフラスコに、得られたシリコーン粒子Aを6.5重量部と、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド0.6重量部と、蒸留水240重量部と、メタノール120重量部とを入れた。40℃で1時間攪拌した後、ジビニルベンゼン3.0重量部とスチレン0.5重量部とを添加して、75℃まで昇温して0.5時間攪拌を行った。その後、2,2’-アゾビス(イソ酪酸)ジメチル0.4重量部を入れて8時間攪拌、反応を行った。重合後の粒子の全量を遠心分離により水洗浄して、シリコーン粒子を得た。
(比較例1)
メトキシメチルフェニルシラン10重量部を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン粒子を得た。
(比較例2)
1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサンと、p-トルエンスルホン酸と、tert-ブチルー2-エチルペルオキシヘキサノアートとを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして、シリコーン粒子を合成したが、得られた粒子は、ゲル状であった。
(比較例3)
イオン交換水150重量部に、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル0.8重量部とポリビニルアルコール(重合度:約2000、けん化度:86.5~89モル%、日本合成化学社製「ゴーセノールGH-20」)の5重量%水溶液80重量部との混合液を用意した。
ジメチルジメトキシシラン40重量部と、ジメチルフェニルメトキシシラン10重量部と、メチルハイドロジェンシロキサン2重量部とを常温で混合し、上記混合液の全量を添加した。その後、Shirasu Porous Glass(SPG)膜(細孔平均径約5μm)を用いることで、乳化を行った。これをセパラブルフラスコへ移して、撹拌しながら15℃に冷却した後、塩化白金酸-オレフィン錯体のトルエン溶液0.1重量部を添加し、12時間撹拌を行うことでシリコーン粒子を得た。
(評価)
(1)シリコーン粒子の粒子径
得られたシリコーン粒子について、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製「マスターサイザー2000」)を用いて粒子径を測定し、平均値を算出した。
(2)シリコーン粒子の圧縮弾性率(30%K値)
得られたシリコーン粒子の上記圧縮弾性率(30%K値)を、23℃の条件で、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH-100」)を用いて測定した。
(3)液晶汚染防止性
液晶滴下工法用シール剤の調製:
ビスフェノールA型エポキシメタクリレート(熱硬化性化合物、ダイセル・オルネクス社製「KRM7985」)50重量部と、カプロラクトン変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート(熱硬化性化合物、ダイセル・オルネクス社製「EBECRYL3708」)20重量部と、部分アクリル変性ビスフェノールE型エポキシ樹脂(熱硬化性化合物、ダイセル・オルネクス社製「KRM8276」)30重量部と、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(光ラジカル重合開始剤、BASF Japan社製「IRGACURE651」)2重量部と、マロン酸ジヒドラジド(熱硬化剤、大塚化学社製「MDH」)10重量部と、得られたシリコーン粒子30重量部と、シリカ(充填剤、アドマテックス社製「アドマファインSO-C2」)20重量部と、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤、信越化学工業社製「KBM-403」)2重量部と、コアシェルアクリレート共重合体微粒子(応力緩和剤、ゼオン化成社製「F351」)とを配合し、遊星式撹拌装置(シンキー社製「あわとり練太郎」)にて撹拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させて液晶表示素子用シール剤を得た。
液晶表示素子の作製:
得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部に対して平均粒子径5μmのスペーサ粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP-2050」)1重量部を遊星式撹拌装置によって均一に分散させ、得られたスペーサ含有シール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製「PSY-10E」)に充填し、脱泡処理を行った。その後、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製「SHOTMASTER300」)を用いて、ITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描くように、シール剤を塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製「JC-5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下して塗布し、他方の透明基板を、真空貼り合わせ装置を用いて5Paの真空下にて貼り合わせた。貼り合わせた後のセルに、メタルハライドランプを用いて100mW/cmの紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子(セルギャップ5μm)を得た。
液晶汚染防止性の評価方法:
得られた液晶表示素子について、シール部周辺の液晶(特にコーナー部)に生じる表示むらを目視にて観察した。液晶汚染防止性を下記の基準で判定した。
[液晶汚染防止性の判定基準]
○○:表示むら全くなし
○:ごくわずかに表示むら発生
△:目立つ表示むら発生
×:ひどい表示むら発生
(4)低透湿性(高温高湿下で保管した後に駆動した液晶表示素子の色むら評価)
上記(3)の評価で得られた液晶表示素子を用意した。
低透湿性の評価方法:
得られた液晶表示素子を温度80℃、湿度90%RHの環境下にて72時間保管した後、AC3.5Vの電圧駆動をさせ、中間調のシール剤周辺を目視で観察した。低透湿性を下記の基準で判定した。
[低透湿性の判定基準]
○○:シール部周辺に色むらが全くなし
○:ごくわずかに色むら発生
△:目立つ色むら発生
×:ひどい色むら発生
(5)耐薬品性
得られたシリコーン粒子10重量部をガラス瓶に計量し、そこへ各種溶剤100重量部を添加して、30℃の浴槽中で24時間振とうさせた。24時間後に、ろ過してシリコーン粒子を取り出し、72時間凍結乾燥を行った。乾燥後のサンプルの重量を測定して、重量減差を評価した。
結果を下記の表1に示す。
Figure 0007277069000001
1…液晶表示素子
2…透明ガラス基板
3…透明電極
4…配向膜
5…液晶
6…シール部
6A…シリコーン粒子
7…スペーサ粒子
51…接続構造体
52…第1の接続対象部材
52a…第1の電極
53…第2の接続対象部材
53a…第2の電極
54…接続部
54A…導電性粒子
71…電子部品装置
72…第1のセラミック部材
73…第2のセラミック部材
74…接合部
74A…シリコーン粒子
74B…ガラス
75…電子部品
76…リードフレーム
R…内部空間

Claims (9)

  1. 0.1μm以上、500μm以下の粒子径を有し、23℃で30%圧縮したときの圧縮弾性率が500N/mm以下であるシリコーン粒子であり、かつ、
    前記シリコーン粒子は、(i)1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン又はラジカル重合性基を有するアルコキシシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するアルコキシシラン化合物とを反応させて、シロキサン結合を形成させることによりラジカル重合性基を有する重合体を得て、かつラジカル重合開始剤により前記重合体の前記ラジカル重合性基をラジカル重合反応させることにより得られるシリコーン粒子であるか、もしくは、(ii)1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジビニルジシロキサン又はラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するアルコキシシラン化合物を反応させて、シロキサン結合を形成させることによりラジカル重合性基を有する重合体を得て、かつラジカル重合開始剤により前記重合体の前記ラジカル重合性基をラジカル重合反応させることにより得られるシリコーン粒子である、シリコーン粒子。
  2. 前記シリコーン粒子は、(i’)1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン又は珪素原子に結合したラジカル重合性基を有するアルコキシシラン化合物と珪素原子に結合した炭素数5以上の疎水基を有するアルコキシシラン化合物とを反応させて、シロキサン結合を形成させることによりラジカル重合性基を有する重合体を得て、かつラジカル重合開始剤により前記重合体の前記ラジカル重合性基をラジカル重合反応させることにより得られるシリコーン粒子であるか、もしくは、(ii’)1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジビニルジシロキサン又は珪素原子に結合したラジカル重合性基を有しかつ珪素原子に結合した炭素数5以上の疎水基を有するアルコキシシラン化合物を反応させて、シロキサン結合を形成させることによりラジカル重合性基を有する重合体を得て、かつラジカル重合開始剤により前記重合体の前記ラジカル重合性基をラジカル重合反応させることにより得られるシリコーン粒子である、請求項1に記載のシリコーン粒子。
  3. 1つの珪素原子に2つのメチル基が結合したジメチルシロキサン骨格を有するシリコーン粒子である、請求項1又は2に記載のシリコーン粒子。
  4. 金属触媒を含まないか、又は、金属触媒を100ppm以下で含むシリコーン粒子である、請求項1~3のいずれか1項に記載のシリコーン粒子。
  5. 遮光剤を含むシリコーン粒子である、請求項1~4のいずれか1項に記載のシリコーン粒子。
  6. 液晶滴下工法用シール剤に用いられるシリコーン粒子である、請求項1~5のいずれか1項に記載のシリコーン粒子。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のシリコーン粒子の製造方法であって、
    (i)1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン又はラジカル重合性基を有するアルコキシシラン化合物と炭素数5以上の疎水基を有するアルコキシシラン化合物とを反応させて、シロキサン結合を形成させることによりラジカル重合性基を有する重合体を得て、かつラジカル重合開始剤により前記重合体の前記ラジカル重合性基をラジカル重合反応させることによりシリコーン粒子を得る工程を備えるか、もしくは、(ii)1,1,3,3-テトラフェニル-1,3-ジビニルジシロキサン又はラジカル重合性基を有しかつ炭素数5以上の疎水基を有するアルコキシシラン化合物を反応させて、シロキサン結合を形成させることによりラジカル重合性基を有する重合体を得て、かつラジカル重合開始剤により前記重合体の前記ラジカル重合性基をラジカル重合反応させることによりシリコーン粒子を得る工程を備える、シリコーン粒子の製造方法。
  8. 熱硬化性成分と、
    請求項1~6のいずれか1項に記載のシリコーン粒子とを含む、液晶滴下工法用シール剤。
  9. 第1の液晶表示素子用部材と、
    第2の液晶表示素子用部材と、
    前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材とが対向した状態で、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との外周をシールしているシール部と、
    前記シール部の内側で、前記第1の液晶表示素子用部材と前記第2の液晶表示素子用部材との間に配置されている液晶とを備え、
    前記シール部が、液晶滴下工法用シール剤を熱硬化させることにより形成されており、
    前記液晶滴下工法用シール剤が、熱硬化性成分と、請求項1~6のいずれか1項に記載のシリコーン粒子とを含む、液晶表示素子。
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